勝手にペグも回してくれるギター・チューニングマシンがDisruptに登場

Roadieは小さいながら非常に便利なツールだ。ギターのペグをかませて、そしてスマートフォン・アプリケーションに繋ぐ。すると各弦のチューニングを自動で行ってくれるのだ。現在行われているDisrupt NY Battlefieldにて「audience choice」(観客による人気投票)を獲得した。正確にチューニングすることができそして速い。ギターのチューニングを経験したことのある人なら、誰もがきっと欲しくなるのではないかと思う。

「私たちの会社はBand Industries」と言います。音楽関連テックプロダクトに注力しています。音楽に関わるエクスペリエンスをより豊かなものとしたいと考えているのです」と、共同ファウンダー兼CEOのHassane Slaibiは述べている。

最初に作ったデバイスが、このRoadieだ。価格は79ドルで、サイトからプレオーダーできるようになっている。発想は7月を予定しているとのこと。2014年1月にはKickstarterキャンペーンにて、みごと18万ドルほどの資金を調達している。

「レバノンのベイルートにはじまり、2年間にわたり開発に勤しんできました」とSlaibiは言う。その後、中国深セン市のスタートアップアクセラレーター・プログラムのHaxlr8rに参加した。

Roadieは、あらゆるギターに対応しているのが強みのひとつだ。エレキギターでもアコースティックギターでも、あるいはギター風のヘッドがあるものならRoadieを利用することができる(訳注:あらゆるとは言っても、さすがにヘッドレスは無理)。

技術面の説明もしておこう。RoadieはBluetooth経由でスマートフォンに接続する。スマートフォンこそが全体の中で中心的な役割を果たす。弦をはじくとスマートフォンがその音程を認識し、現在の状態をRoadieに伝える。そしてRoadieがチューニングを行うという仕組みになっているのだ。

4人のメンバーが属するBand Industriesは、Kicksatrterキャンペーンに加えてHaxlr8rより2万5000ドルの資金を調達している。今回、Disruptのステージに登場したことにより、今後はさらに多くの人から注目を集めることになるだろう。

訳注:原文サイトではDisrupt運営者側とのQAも掲載されています。

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(翻訳:Maeda, H


ネットワークカメラの多機能化(いろんなアプリ、そしてデベロッパ用APIも)で飛躍したいEvercam

プログラマという人種は、自分のオフィスという穴蔵に引きこもるのが好きだ。そこで、彼等にとっては自分専用のカメラが使えるとありがたい。外を見なくても、今ピザの配達が到着したことが分かる。そのために生まれたのが、Evercamだ。

このシステムの使い方は三通りある:

1)自分のネットワークカメラをシステムにつなぎ、Evercamの“アプリ”を自分のスマホに加える。たとえば、Big Red Buttonアプリ(下図上左2)なら赤い大きなボタンを押すとスナップ写真を撮ったり、一定時間のビデオを撮れる。

2)デベロッパはこのシステムの、アプリではなくAPIを使って自分が作るアプリにカメラ機能を持たせられる。

3)さらに、カメラのメーカーがカメラにこのシステムを統合すると、カメラがEvercamの機能を持つ。

作者のVinnie QuinnとMarco Herbstは、大学でウィスキーを売ることからビジネスを始めた(本当に!)。次は2000年にJobs.ieを作り、2005年にそれを売ったあと、CCTVのホスティングサービスCamba.tvを作り、Cambaが進化してEvercamになった。

Evercamは最近50万ユーロのラウンドを終え、来年はシリーズAの調達を予定している。

DropcamやSensr.netなどはカメラをホストするが、デベロッパ指向でない。Milestoneなどはデベロッパ向けのカメラプラットホームだが、自分ではホストしない”、とHerbstは言う。“うちは、両方やる。カメラに関してTwilio的な経験を提供するのだ”。

[ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。]

“カメラのプロジェクトは難しい。監視ビデオの市場は、昔のアナログの連中もまだ健在だから、競争が激しくて、儲からない”。

だからネットワークカメラを将来的には、監視カメラではなく、“ソーシャルメディアカメラ”や“マーケティングカメラ”、“企業情報カメラ”などに変えていきたいのだ。無脳な監視カメラから、多方面に有脳なカメラに。彼等は今日(米国時間5/5)のTechCrunch DisruptでTC Disrupt Battlefieldに出場する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


1,337枚の写真で振り返るTechCrunch Disrupt Europe

TechCrunch Disrupt Europeは大盛況のうちに幕を閉じた。イベントを見に来てくれた人、ファウンダーたち、そしてベンチャーキャピタリストなどが世界中から多数集まり、Arena Berlinをいっぱいにした。スタートアップは世界80ヵ国以上から集まり、自慢のプロダクトを発表してくれた。

ヨーロッパで初開催となったStartup Battlefieldからは15のスタートアップが登場。戦いを勝ち抜いたのはLock8で、5万ドルの賞金とDisrupt Cupを手に入れた。Disrupt Europeはこれまでとはまたちょっと違った魅力を発していて、エネルギーに満ち満ちた活気あるイベントになったと思う。カンファレンス、パーティー、そしてハッカソンを流れたパルスを文字で伝えることは難しい。ぜひ、写真でも会場の雰囲気を味わって頂きたい。

(訳注)11月11日、12日にはTechCrunch Tokyo 2013のイベントも開催されます(ハッカソンあり)。







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(翻訳:Maeda, H


中小企業に自己機ホスティングのプライベートクラウド環境を提供するSher.ly, セキュリティは完璧

Sher.ly〔女の子の名前〕なんて、ジョークサイトか? いや、違う。このポーランドの企業は、中小企業の手持ちのマシンをセキュアで常時稼働のクラウドに変える。このエンタプライズ向けソリューションは、ファウンダのBlazej MarciniakMarek Cieslaが頑張ったおかげで、一部の読者も想像したと思うが、実装がきわめて容易である。

“それは常時動いているが、アクセスはスマートで、必要なデータを必要なときだけシンクして必要な人にアクセスさせる。自動的無差別的なシンクはしない”、とBlazej Marciniakは言う。“大きなファイルやモバイルでシンクするのは無意味だ。自分だけのストレージとネットワークを使い、よそでは何も共有しない。だから、Sher.lyは本質的にセキュアだ。データとトラフィックは暗号化され、アクセスは招待制のみだしね”。

彼曰く、“われわれはパブリッククラウドを信用しない”。

同社は2012年の11月にGVN Technologyという名前で創業され、PrivacyProtectorというプロダクトを作った。でも、それに対して世の中は無反応だったので、若いスタートアップによくあるように、さっさと方向転換をした。およそ20万ドルの資金を調達して製品を作ったが。でもその出だしは厳しかった。

“金がなくなり、次のシード資金が決まるまでの3か月は文無しのまま操業した”、とMarciniakは言う。“残念ながらポーランドではほかの選択肢が何もなかったから、できるだけ早くアメリカへ行きたいと思った。そしてやっと、アメリカで会社とコネを作った”。

同社の小さなチームは今、新しい機能の実装とアプリケーション本体の改良に力を入れている。“時間が大きなプレッシャーで、毎日が真剣勝負だ”、と彼は言う。今のユーザ数は100、今日はOS Xバージョンをリリースした。今日はまた、本誌のDisruptで一般公開にこぎつけた。

Marciniakは次のように言う: “チームがしっかりしてれば、何でもできる。一人では何もできないね。すぐれたチームなら、国籍などはどうでもいい。使いやすくて、データのセキュリティが完璧ならね。うちの目標は、データデリバリに伴う不安や心配をゼロにすること、顧客が自分たちの仕事だけに集中できる環境を作って提供することだ”。

〔ここにスライドが表示されないときは、原文を見てください。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


初のヨーロッパ開催となるDisrupt。まず行われたハッカソンで優勝したのはFoursquare PreCheck-In

初めてヨーロッパで行われているTechCrunch Disrupt Europeのハッカソンがついに閉幕を迎えた。審査員もハッカソンの勝者を決定した。ハッカソンを闘いぬいて評価対象となったのは91グループだ。ハッキングに使った時間は丸一日、すなわち24時間だった。各グループは、自分たちのハックによる成果を60秒間のデモンストレーションで発表したのだった。

審査員の評価した上位3つのハックを紹介することにしよう。

優勝:Foursquare PreCheck-In

Foursquare PreCheck-Inは、実際に訪問する前の「予定」を共有するためのツールだ。友人達との旅行プランを立てるときに役立つ。またレストランなどの施設側からすれば、予定を実行に移してもらうために何かスペシャルなサービスを提示することもできるし、また事前に、やってくるであろう新たな顧客に対して、何かスペシャルな応対を用意しておくこともできるわけだ。

上に載せたのはプロダクトのデモで、下には優勝確定後に行ったインタビューのムービーを掲載している。

 

準優勝:Teleapp

準優勝はGoogle Chromeのブラウザー拡張機能だ。閲覧ページ中からアプリケーションストアのリンクを抜き出して、リンクアドレスをスマートフォンに通知する。アプリケーションをダウンロードするのに、どこにリンクがあるのかと探す必要がなくなるわけだ。通知されたURLはメールで送ったり、メッセージで共有することができる。これはブロガーにも便利な機能だろう。

第3位:A Colorful Gift

結婚に辿り着いたカップルが、ハネムーン費用をクラウドファンディングで獲得するためのツール。ゲーム風のサイトを作って、友だちや家族に出資してもらうという仕組みだ。

これら入賞者については、月曜日に始まるDisrupt Europe 2013の最中にプレゼンテーションを行う機会を得ることになる。グランドチャンピオンのタイトルに輝いた人には5000ドルの賞金が手渡されることになる。ハッカソンでのプレゼンテーションを行った人全員に、2名分のDisrupt入場チケットが渡された。スポンサーからもさまざまな賞品が提供された。今回スポンサーとして活動してくれたのはBox、ChallengePost、CrunchBase、T-Mobile、 Foursquare、Lufthansa、Mashery、Paymill、Xing、Yammer、Interoute、Nexmo、WatchmiおよびWeather Undergroundなどだった。名前をあげて感謝しておきたい。

ハッカソンの審判員はDeutsche Telekomの資金で運営されているインキュベーターであるhub:raumのファウンダーであるPeter Borchers、MicrosoftのDeveloper Platform EvangelistのAnika Klauss、SoundCloudのエンジニアリング部門VPのAlexander Grosse、そしてGetYour GuideのCEO兼共同ファウンダーであるJohannes Reckらにお願いしている。

どういった国々からハッカソンに参加してくれているのかをインタラクティブなグラフにまとめておいた。

2013 Disrupt Europe Hackathon Attendees By Country

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(翻訳:Maeda, H


Disrupt EuropeでもHackathon開催。深夜過ぎの楽しさはいずこも同じ

ハッカソンも深夜を迎えると、あちこちに「ファンキー」な様子が見えてくる。ブレインストーミングでアイデアを出し、そしていくつかのプロトタイプを完成する。コードを書く者、ハッキングするターゲットを精査する者、そしてデザイナーたちも皆、時計の針が深夜12時を指す頃には、いいかげん疲れてくる。そして疲れているときには、また別の面も現れてくる。そう、同好の士が集う中で「ハイ」な状態になるのだ。

そうした時間にスナック菓子やビールが提供される。こうしたものを胃に入れるうち、いつのまにか「セカンドウィンド」の状態になる。尚、スポンサーからはマッサージ師も派遣されていて、おかげで腰の痛みなどを和らげることもできる。

ハッカソンは夜通し続き、そして翌日には100チームほどがプレゼンテーションを行うことになる。

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(翻訳:Maeda, H


Tow Choceは、路上牽引サービスを簡単に呼び出せるサービス

何ヵ月も前のある爽かな秋の夜、私は公園でランニングをしている途中、暗闇の中で車のキーを失くしたとに気付いた。次の一時間、私は地元の牽引サービスをググり、電話のバッテリーが切れないことを祈った。その後の一時間、私は大きな樫の木の下のピクニック・テーブルの下で何とか体冷やさないように過ごした。

もしあの時、Tow Choiceさえあれば。私は、共同ファウンダーのDave KozukiとRobert Chengに、Disrupt SFのスタートアップ・アレイで会い、陽気なふたりは〈牽引トラックのUber〉になって、困っているドライバーの役に立ちたいと話していた。

Uberの名前を出してはいるが、利用者が陥いるであろう状況を考えると、いくつか思慮に富んだ違いがある。例えば、専用のネイティブアプリをダウンロードする必要がない、なぜなら、立ち往生した運転手を長々とした登録プロセスにつきあわせるのはバカげているからだ。代わりに、すべてはHTML5のウェブアプリで動作し、ユーザーは地図上で場所を指定して一定半径内の牽引トラックに遭難信号を送信する。

牽引ドライバーは、ネイティブのモバイルアプリをダウンロードしてインストールする必要がある。そしてひとたび遭難ドライバーに近づくと、反応して2つの情報が送られる ― 予定到着時間と、簡易料金見積りだ。ユーザーがオファーを受ける時間は限られているが、締切られた後は一番都合のいいオファーを選ぶことができる。手順をできるだけシンプルに(かつ争いを少なく)するために、支払いはすべて前金で、Tow Choiceがその20%を受け取る。

正直なところ私は、「[スタートアップ名]は[業界名]の[より定着しているスタートアップ名]である」という決まり文句には、心底嫌気がさしているのだが、この連中には賞賛を惜しまない、なぜならアイデアにぞっこんほれこんでしまったから。たしかに、米国とカナダに会員5000万人を持つAAAのようなサービスは存在するが、誰もがより簡単、よりフレンドリーに近くの牽引トラックを見つける方法を喜ぶ人たちは、かなりの数に上るはずだ。

もちろん、賢いアイデアは一夜にして成らない。Tow Choiceは、すでに500以上の牽引業者を、チームの故郷であるオアフで集めている。しかし、ビッグマネーがやってくるのは、彼らが新しい市場に進出し牽引業者の地域ネットワークを構築した時だ。だが今のところこのチームは、ゆっくりと着実なペースをとっている ― KozukiとChengは、近々このサービスをオレゴン州ポートランドに進出させる予定だ。その後どう展開していくかは見守るしかない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


脳波や睡眠の状況を把握して、目覚ましをインテリジェント化する「Zizz」

TechCrunch Disrupt SF 2013にて、ワルシャワ発のIQ Intelclinicというスタートアップがプロダクトを発表していた。

発表していたのはインテリジェントな睡眠マスクだ。センサーを使ってREM睡眠とノンREM睡眠の別などを検知して利用者の睡眠サイクルを記録する。そして快適な睡眠を得るためのサポートをしようとするものだ。

マスクに搭載されている電子部品は、粘弾性発泡体と呼ばれる柔らかなクッション素材によって覆われており、それを頭部に密着させてデータを取得する。収集したデータはモバイルアプリケーションに送られ、睡眠あるいは目覚めた時の様子を確認することができる。そして、たとえば睡眠時無呼吸症候群などの兆候が見られないかどうかを確認することもできる。

「3つのデータを収集するための電極を備えています。収集するのは脳波、目の動き、そして筋肉の緊張具合です」と、ポーランドのメディカルスクールを卒業した、共同ファウンダーのKamil Adamczykは説明する。マスクで収集したデータは増幅器に送られ、そしてナレッジベースを活用した分析を行う。分析したデータはBluetooth経由で利用者のスマートフォンに送られる。IQ Intelclinicの別の共同ファウンダーであるKrzysztof Chojnowskiはエレクトロニクス分野でのPh.D.で、おかげでデバイスで用いる電子デバイスなどもすべて内製することができた。

大学で知り合った共同ファウンダーの2人が、本プロダクトの製品化に取り組み始めたのは今年の3月のことだった。Adamczykはメディカルスクール時代にあまり眠ることができず、その経験からより良い睡眠を得るためのプロダクトを作ろうと思い立ったのだそうだ。「時間的に短くても、効率的な睡眠を得ることができるようにするためのプロダクトを作ろうと思ったのです」と述べている。そうした研究やプロダクトのおかげで、今では夜に3時間、そして日中に短い昼寝をするだけで十分な睡眠を確保しているのだそうだ。

また、このプロダクトはREM睡眠とノンREM睡眠を識別できるので、スリープサイクルが完了したときにのみ朝のアラームを鳴らすということができる。これを行うには、アラームで「許容時間幅」(バッファー)を設定する。すると希望時間の前後、身体のリズムが最適となったときに目覚ましを鳴らしてくれるようになるわけだ。普通のめざましのようにセットした時間ぴったりに鳴るのではなく、身体の調子を見極めて起こしてくれるようになるのだ。

普通の朝の目覚ましとしてのみではなく、時差ボケ解消のためにも便利に利用することができるだろう。ないしはパワーナップ(短時間の睡眠)を取って多相睡眠(訳注:眠りを一度にまとめるのではなく、何度かにわけてとるようにすること)を実現するのにも便利だ。

TechCrunch DisruptのStartup Alleyにてプロトタイプを展示していた。そのプロトタイプでは電池式になっていたが、これをmicroUSB充電としてKicksterterに登録する予定だ。これまでにIQ Intelclinicは、地元のエンジェルよりアメリカドル換算で6万5000ドルの出資をうけている。プロダクトの製造販売を実現するために、クラウドファンディング経由で10万ドルを集めたいと考えているのだそうだ。プロダクトの名前は「Zizz」で各区は225ドルを予定している。KickstarterにあるEarly Backer(早期支援)に応募してくれる人には、180ドルで頒布するとしている。Adamczykは、IQ Intelclinicのプロダクトを通じて、さまざまな睡眠障害を発見するきっかけになればと語っている。但し、そうした方面に向けたデバイスを販売するにはFDAの認可が必要となるが、まだその認可は取得していないようだ。

詳細な情報を確認したい方はこちらにIQ Intelclinicのホームページがある。こちらから出資予約を行うこともできるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H)


TechCrunch Disrupt SF 2013の優勝はLayer, 準優勝はDryft

今年のTechCrunch Disrupt San Francisco、そのメインイベントDisrupt Battlefieldには、3日間で30社が出場して、すばらしいプレゼンテーションを演じた。決勝に残った6社…Dryft、Fates Forever、Layer、Soil IQ、Regalii、Cota by Ossia…はまったく甲乙つけられない強者(つわもの)揃いだったけど、残念ながらDisrupt Cupは一つしかない。

各社が週の初めにステージに立ってピッチ(pitch、売り込み)を行ったが、予選を勝ち抜いた6社は、今度は決勝の審査員たち(*)を前に、再びプレゼンをしなければならない。よほどガッツのある人でなければ、できないことだね。(*: 決勝審査員=CrunchFundのMichael Arrington(TechCrunchのファウンダ)、Sequoia CapitalのRoelof Botha、Founder CollectiveのChris Dixon、SV AngelのDavid Lee、Yahoo!のMarissa Mayer、Khosla VenturesのKeith Rabois。)

審査員たちは舞台裏で長時間激論をして、やっと決定に達した。前置きはこれぐらいにして、では勝者をご覧いただこう。

優勝: Layer

Tomaž ŠtolfaとRon Palmeriが作ったLayerは、どんなモバイルアプリにも10行足らずのコードでコミュニケーション機能を持たせられる、という通信プラットホームだ。しかも同じくLayerを実装している異なるアプリ同士でも、テキスト、音声、ビデオ、ファイル共有などのコミュニケーション行為ができるのだ。

Layerは、Webアプリケーションもサポートしたい、という野望を持っている。ただし今のところは、iOSとAndroid向けのSDKをリリースしているだけだ。では、デベロッパたちをLayerファンにするためにはどうするのか? 初期採用者には無料にするが、そのアプリ上のLayerの実装がユーザたちに快調に利用され始めたら、若干のクラウド利用料金を払っていただくのだ。

本誌がLayerを紹介した記事はこれだ

情報開示: LayerにはCrunchFundもシード資金を提供している。このVCのファウンダの一人Michael Arringtonは、本誌TechCrunchのファウンダだ。

準優勝: Dryft

Swypeの協同ファウンダRandy MarsdenとRob Chaplinskyが作ったDryftは、Androidタブレット用の新種のソフトウェアキーボードで、ユーザの手に適応することが最大の特長だ。タブレットの画面に現れる従来のキーボードと違って、Dryftのキーボードはユーザの手が今あるところに出現する。そうして指の位置とキーがマッチしたら、Dryftは打鍵された文字を正しく読み取って表示する。タブレットに内蔵されている加速度計を使って指圧(ゆびあつ)の変化を検出するので、タイピングのエラーも少なくなる。

本誌がDryftを紹介した記事はここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ChargeKeyは、キーチェーンに付ける非常用充電ケーブル

1年前、Nomadは、iPhoneおよびmicro USBデバイス用の小型ポータブルUSBケーブルを発売した。その彼らが今度はChargeKeyを作った。デバイスをUSBポートで充電するための超小型「ケーブル」だ。

ChargeKeyは、文字通りキーチェーンに通すことができ、どのUSBポートにも差し込める。USBパワーでスマートフォン等のデバイスを充電し、完了したらChargeKeyはキーチェーンに戻せばいい。

この新製品は、TechCrunch Disrupt in San Franciscoで発表された。

同チームは、この充電ケーブルを25ドルで予約受付中で、11月30日に出荷する予定だ。製作者たち、どのUSBポートにでも繋いで充電が可能なこの製品を、自動車用「バッテリーケーブル」になぞらえてている、。開発メンバーのNoah Dentzelがわれわれに話してくれたところによると、彼はバーでテレビの裏側にあったUSBポートで自分のスマートフォンを充電したという。持ち主が充電している間に電話も充電できるのはちょっとクールだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


NSAは悪ではない、われわれを守ろうとしているだけだ。PayPalのMax Levchinは語る

NSAはわれわれをテロから守るためにある、たとえ境界を越えることがあっても。PayPalの共同ファウンダー、Max Levchinは、NSAを憎むべきではないと語る。これはテク業界の大多数とは正反対の感覚だ。TechCrunchファウンダーのMichael Arringtonも、NSAのスパイ行為はテロリズムを阻止しない ― それ自体がテロリズムだと考えている。

結局のところこの議論は、アメリカがいかに監視と聖域を両立させるかに行き着く。ベンジャミン・フランクリンの言葉を言い換えた「安全のために自由を犠牲にする者は、どちらを得るにも値しない」を支持する人々もいる。一方、強力な攻撃と防御がなければ、テロリズムはわれわれの暮しを揺がすと心配する人々もいる。いずれももっともだ。

Levchinは下のビデオで、NSA、スパイ行為、そしてなぜわれわれがよく考えるべきであるかについて、彼の見解を語っている。

NSA問題に関して様々なことが言われているが、私がCharlie Rose(NSAはやっていることは正しいと語った)と話して以来、さらに新しい情報が暴露され、中には明らかに不愉快なものもあった。私が有力メディアに同意できないのは、NSAが邪悪であると広く位置づけられていることだ。自分を、そして全国民を、危害、テロリズム、および外国勢力から守るための政府の責務に対して、一国民が悪意を抱くのはばかげている ― 自国を攻撃してくる相手を見定め、それを阻止するためにある政府組織を、邪悪扱いすることは非常識でしかない。

彼の言うことには一理ある。NSAが行っていることは邪悪かもしれないが、組織全体がそうであるとは限らない。だからといって、この監視が必要であるかどうかに疑問を持つべきでないとは言えないし、抗義して変更を要求すべきであることも意味しないが、無紛別にNSAを嫌悪すべきではない。

Levchinは続けて、政府のスパイ組織が勤勉な人たちであり、自分たちの国を守る力になろうとしていることを説明しようとした。

「その人たちは年に4万ドル稼いでいる。それは富への道だからではなく、認められるための方法でもない。

学生時代、私はNSAを志望したが、まだアメリカ市民ではなかったために受理されなかった。私は暗号オタクだった。来たばかりの国の役に立つために、暗号化技術を活用することに、私は大きな興奮を覚えた。求人担当者が一つはっきり言っていたのは、給料は雀の涙であるにもかかわらず、数学者として名声を得ることもない、なぜなら一切論文を公表できないから、ということだった。

だから幸いにも(あるいは見方によっては残念ながら)私はその道へ進まなかった。私は楽しみと利益のために会社を作った。しかし、基本的にその道を選んだ人たちは ― その多くが非常に才能があり頭が良かった ― この部屋が決して爆発しないようにという義務感から仕事をしている。私は彼らに何らかの尊敬の念を抱くのは良いことだと思う。彼らが私のセキュア・ソケット・レイヤーを破りたがっているという事実は私を悩ませる。私はいやだ。それが良いことだとは思わない。私はただ、NSAにまつわる議論が感情的で情報に欠けることが多く、時には理由もなく好戦的になっていると感じるだけだ。

われわれの怒りを収めることは難しいかもしれない。今ほど自分の政府に不信を抱いたことはない。私は頭に来ている。何とかする必要がある。しかしこの問題に対して、より思慮深く見識ある態度で臨むことは、われわれが物事を解決するために何よりも重要だ。見境のない憎悪は何も生まない。われわれはの怒りは邪悪な行動を取り払うことに集中すべきであり、それを実行している組織全体を悪者扱いすべきではない。

Levchinのリーダーシップに関するアドバイス、PayPalで得た教訓、および彼の新しいスタートアップで妊娠を支援するGlowに関する詳細は、下に貼ったDisrupt講演の全編を参照されたい。


ステージ裏インタビュー

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(翻訳:Nob Takahashi)


Lumuは、iPhoneに差し込んで使うカメラデジタル露出計

Lumuは、従来のアナログ露出計に代わるiPhoneのヘッドホンジャックに差して使う小さくて賢い露出計だ。フォトグラファーは専用のLumuアプリ ― Disrupt NYのハードウェアエリアでプロトタイプをデモしていた ― を使って撮影位置に最適な設定を知ることができる。

LumuはiPhoneで良い写真を取るためのものではない。ISO感度、絞り、シャッター速度をマニュアル設定できる単体カメラのためのツールだ。欧州スロベニアからやってきたこのスタートアップは、一ヵ月以内にKickstarterでキャンペーンを始める。Lumuデバイスの価格は99ドルの予定。

「これは世界一賢い露出計です」と共同ファウンダーのBenjamin Polovicは言う。「既存の露出計は大きくてかさばって非常に高価です。Lumuでは主要な処理がiPhoneで行われます。iPhoneのパワーを利用するのです。電源はiPhoneから取るので電池も不要です」

「iPhoneまたはiPodに差し込むとアプリがLumuを認識してその環境に合わせて設定されます。あとはデジタルカメラで使用するISOと絞りを入力すればシャッター速度を計算します」

撮影者は推奨された値を手動でカメラに設定する必要がある。しかしPolovicによると、開発チームではBluetoothドングルを作ってカメラにワイヤレスで設定を送ることを考えている。「Kickstarterのキャンペーンがスタートしたら、そこで何かアイディアを得られることを楽しみにしています」と付け加えた。

アプリは、現在のライティング条件での光量レベルと露出値を表示する他に、ジオタグされた位置毎に個別の設定をプリセットしておき、再度訪れた時に簡単に呼び出すこともできる。オートモードやフィルタースタイルの機能によって、bokeh(背景のぼけ味)などの効果を得る方法も教えてくれる。

Polovicによると、Lumuの願いは、より多くの人々が自分のカメラ設定を奥深く探ってくれることだという。「私たちは写真が大好きなので、もっと使いやすくして、カメラは難しすぎてわからないという人たちにも紹介したいのです」と彼は言う。

同社は4~5ヵ月かけてLumuを開発した。今後はSDKを提供して、デベロッパーがこのセンサーを利用して別のアプリを作れるようにしたいと考えている。例えば、明るくなったらiPhoneオーナーを起こしてくれるアプリなどだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AdafruitのLimor FriedがDisrupt NY 2013に登場–未来を開く鍵はオープンハードウェア

最近の消費者電子製品は、開放的ではなくますます閉鎖的になっていく傾向がある。しかしニューヨークのAdafruitは、その傾向を逆転して、人びとがデバイスの内部を怖がることなく、むしろ電子部品やそれらの動作原理などに、親しみをおぼえるようにしたい、と願っている。AdafruitのファウンダでCEOのLimor Friedが、今日(米国時間5/1)のTechCrunch Disrupt NY 2013のステージに来てくれて、同社がどうやってその目標を達成しようとしているのか、を語った。

同社は、そのミッション(会社の使命)を通じて収益を上げている。すなわち同社は、そのオンラインストアで、さまざまな電子部品や回路部品、DIYキット、オープンソースの各種製品などを売っている。Friedは曰く、電子工作ホビーは、なるべく若い〜幼いころに始めることがかんじんである。とくに子どもの成長期に必ずある、あたりのものや環境について何でも知りたがる年代をうまくとらえることが重要だ。

“その年代には、何でも自分で知ることによって納得したいのよ。たいていの子が、分解魔になるわね。いろんなものを自分で分解してみて、そこから学ぶのよ。ソフトウェアもそれと同じね”、と彼女は言う。たしかにソフトウェアも、人が書いたコードを分解ならぬ分析して、どこで何をどうしているのかを学ぶのだ。ハードウェアでも、同じことができるべきだ。

“子どもって、何でも開けてみたいのよ。それなのに、おもちゃも、タブレットも、スマートフォンも、今では開けてみるのが難しくなっている。だから、うちは、開けられるデバイスを売っているの”。何かを壊すこと、壊したものを修理すること、それを怖がってはいけない。しかも、8年も専門教育を受けなくても、壊れたコンデンサぐらい誰もが交換できるべきだ。

Adafruitは最近、幼児〜子ども向けの電子工学教育ビデオシリーズCircuit Playgroundを立ち上げた。また、電子工学/電子工作に関する絵本も、クリエイティブコモンズのライセンスのもとに出版している…ユーザ各自がプリンタで印刷して読む絵本だが。これらはいずれも、本格的で厳格な教育課程ではなくて、子どもたちが小さいころから用語や設計や部品の形状などに慣れ親しむことがねらいだ。そうすれば、その後の本格的な教育課程にも、すんなり入っていけるだろう。こうしてAdafruitは、次の世代が自分でものを作るメーカー世代になるための、タネを播いているのだ。

Adafruitは、教育企業だろうか、それとも製造会社か? Friedは、自分の会社は“教育と個人指導を行う会社”だ、と定義する。ただしそこには、ギフトショップが併設されているのだ。美術用品のストアと同じビジネスモデルだ、と彼女は言う。いろいろなものを売っているけど、実際に絵を描くのはお客さん本人だ、と。でも実際には、誰かが描いた絵を買う人の方が多い。今の電子工作ホビイストも、プリント基板を自分で作る人は少ない。むしろAdafruitで売っているような基板部品や回路部品を買って、目的の機能製品を組み立てる場合が多い。でも同社の力点はあくまでも、教育とオープンソースにある。

Friedがビジョンする次世代の世界では、ハードウェアがソフトウェアと同格に扱われる。ソフトウェアは今すでにオープンソースがきわめて強力だから、誰もがそれらを利用して自分の会社を始められる。ハードウェアも、そうやって“オープンハードウェア”が主流になれば、工学の教育/学習も、製造業の形も、ラジカルに変わるだろう。Adafruitは、まず子どもたち向けの早期教育に取り組むことによって、そんな時代の到来をより確実にしたいのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Andreessen HorowitzのChris Dixon、 「3Dプリンティングは新たな産業革命を起こす。スタートアップはソーシャル疲れ」

起業家からエンジェル投資家に転じ、現在は有力ベンチャーキャピタル、Andreessen Horowitzのゼネラル・パートナーを務めるChris DixonがTechCruch Disruptに登壇し、3Dプリントが新たな産業革命を起こす可能性と述べた。Dixonは将来この分野に多数の投資を計画しているという。一方、ソーシャルネットワーク分野のスタートアップについては「ソーシャル疲れがみられる」と懸念を示した。

4月に入って3Dプリンティング会社のShapewaysのシリーズCラウンドにChris DixonはAndreessen Horowitの資金3000万ドルを投じている。Dixonはこれを機に同社の取締役に就任した。

Dixonは「Shapewaysはハードウェア製造業には未開拓のチャンスが数多くあるということのよい例だ。3Dについてはいろいろ語られているが、伝統的なベンチャーキャピタルからの投資はまだ非常に少ない」として次のように述べた。

われわれは3Dプリンティングを信じがたいほど画期的でもっとも重要なイノベーションの一つと考える。これは製造業を一変させるだろう。われわれは近く複数の投資をする。実際、小規模なハードウェア・メーカーがKickstarterのようなプラットフォームに多数のプロジェクトを登録している。これは資金を集めると同時に一般ユーザーに3Dプリント・テクノロジーを周知させ、関心を惹きつけるという狙いもある。ここでユーザーによって選別を受け、成功したスタートアップはやげて大規模なベンチャー投資のルートに乗ってくるだろう。

ニューヨークはハードウェア・スタートアップのハブになりつつある。新しいスタートアップにとって有利な環境であり、新たな投資が呼び込まれるだろう。私はニューヨークはハードウェア・ルネッサンスのセンターになると言っている。賢明なエンジニアはこれまでソーシャル・ネットワーク開発に力を入れてきたが、今はハードウェア・デバイスの開発に重点を移しつつある。”

ソーシャル・ネットワークは全般的に疲れがみえる。人々は直接手で触れることができるような新しい経験を求めている。

この背後には、スマートフォン系のデバイスが大量に市場に出回ったことがある。これによって多くの電子部品の価格が下がり、デバイスの製造コストを大幅に減少させた。これがハードウェア産業全体に影響を与え、ひいてはウェアラブル・コンピュータの出現につながっている。

Dixonは電子部品のようなローエンドの革命がShapewaysが提供するようなハイエンドのイノベーションを生み出していると 説明した。また、インターネットが「出版」に対して与えたたような変革を3Dプリントなどのハードウェアの発達が製造業に対してもたらすだろうと予測した。

インターネット以前には、著者は出版社と交渉して契約し、出版社の投資によって本を出版していた。ブログや電子書籍が普及した現在、個人でも十分負担可能なまでに出版のコストは激減し、出版を民主化した。3Dプリンティングもハードウェア製造に同じような影響を与えるだろう。これまでは新製品を市場に出すためにはOEMメーカーと契約するなど大きな投資を必要としたが、今後はShapewaysのような産業用3Dプリント・サービスがコストと製造ロットの規模を劇的に減少させる。

今やハードウェア・スタートアップにとってニューヨークはソフトウェア・スタートアップにとってのサンフランシスコのような存在になってきた。ここには大勢のすばらしい投資家がおり、起業家も集まってくる。ニューヨークに欠けているのはスタートアップを大企業にまで育てる中間的レイヤーだ。スタートアップが良い製品を開発し、したとする。人員を100人くらいに増やし、国際展開したり、営業部門を拡張したりしようとしたとき、サンフランシスコならGoogleその他の投資家を頼ることができる。ニューヨークにもそういう環境が必要だ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


いよいよハードウェアがおもしろい時代へ: Disrupt NY 2013のHardware Alleyを見学

犬、無人ヘリ、デジタルコントローラ、なんと多彩な! 今年のニューヨークのDisruptカンファレンスは、すばらしいWebサービスやソフトウェアがたくさんあったけど、Hardware Alleyに出場したハードウェア選手たちの多彩ぶりもすごかった。ハードウェアのスタートアップ、ハードウェアによるディスラプト(革新的破壊)が、いよいよ本格的なビジネスになってきたのだ。

本誌ライターのDarrell Etheringtonとぼくは、今日(米国時間5/1)、Hardware Alleyの会場を歩き回っていろんなすばらしい企業に会った。犬の健康状態をリモートでモニタするFitbarkがあり、発癌物質を摂取せずに煙草を吸えるThermovapeがある。そしてExtreme Flyersは室内で飛ばせるミニ無線ヘリだ。Social Bicyclesは、WiFiを利用して商店街や地域社会などの共用自転車システム/サービスを構成できる。

これから数日かけて、個々のハードウェア企業を紹介していこうと思うが、今日はとりあえずこれらのビデオを見て、彼らの製品のクールさを味わっていただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TechCrunch Disrupt NY 2013の優勝が決定…パブリックデータマイニングのEnigmaだ

レディーズ、アンド、ジェントルメン! それでは、優勝作品を発表いたします。

今年のDisrupt NY(Disrupt NY 2013)では、Battlefieldの出場者たちがみな強者(つわもの)揃いだったが、30社中7社が決勝に残った: HealthyOut、Enigma、Floored、Glide、HAN:DLE、SupplyShift、Zenefitsの面々だ。

彼らは決勝のステージでもう一度プレゼンをしなければならない。より厳しい審査員たちの面前で: Sequoia CapitalのパートナーRoelof Botha、Allen & Co.の常務取締役Nancy Peretsman、SV Angelの常勤役員David Lee、KPCBのパートナーChi-Hua Chien、CrunchFundのパートナー(でTechCrunchのファウンダ)Michael Arrington、そしてTechCrunchの編集長Eric Eldonだ。

そして、Manhattan Centerの楽屋裏にしばらく引きこもった彼らは、ついに同意に達した。

Disrupt NY Battlefieldの優勝は: Enigmaである

Enigmaは、Marc DaCosta、Hicham Oudghiri、Jeremy Bronfmann、Raphaël Guilleminotらにより創業され、Webサービスとしてのデータマイニングを提供する。その対象データは一般に公開されている(が取得が難しい)ものだけで、すでに同社は10万あまりのデータソースを確保している。そして、これら大量のデータをふるいにかける処理が、一見すると、とてもシンプルだ。たとえば人名や社名で検索すると、瞬時にして複数の表が出力される。そしてよく見るとそれが、十分な思慮に基づくデータ処理であることが分かる。

Wolfram Alphaが公開データだけを扱ったらEnigmaになる、と考えるとほぼ当たっているかもしれない。しかしEnigmaは、一見関係のないような複数のデータ間の関係を見つけ出すのがうまい。Enigmaがこれまでに獲得したシード資金は145万ドルで、すでにHarvard Business Schoolや、調査会社Gerson Lehrman Group、S&P Capital IQ、それに最近ではThe New York Timesともパートナーしている。

Enigmaを紹介している本誌の記事はこれだ。


   
   

そして準優勝は: Handleだ

Shawn CarolanとJonathan McCoyが共同で立ち上げたHandle (ないしHAN:DLE)は、いわゆる“プライオリティエンジン”だ。それはWebアプリケーションおよびiOSアプリとして提供され、ユーザの仕事の生産性を高める。で、一体何をやるのかというと、メールクライアントとタスクマネージャが合体したような機能で、ユーザのメールをそれらの優先度で分類し、あとでざっと見れるように保存する。また、タスクとスケジュールを作り、その完了の日までの通信を…ほかのメールにまぎれないように…追跡管理する。

便利なキーボードショートカットが提供されていて(’A'を押すと保存、’R'を押すと今すぐ返事を書く、など)、しかも、毎日忙しい人が、「その日に何と何をすべきか」が明確に分かるようになっている。Handleはこれまで、Menlo Venturesから400万ドルを調達している(CarolanはMenloの常務取締役だ)。

Handleに関する本誌の記事は、ここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Webサイトのデザインを各Webページのコード(HTML, CSS, JS)に変換するWebydoが合衆国デビュー

Webサイトのデザイナーが自分の技能をWebサイトデザインサービスとして売り出したいけど、コーディングは自分でしたくないしデベロッパも雇いたくない、というときに利用できる、うってつけのサービスがWebydoだ。ここは、デザイナーがWebサイトを構築するための一種のCMSで、ユーザが自分のデザインに満足したら、WebydoがそれをWebのコードに変換してくれる。お望みなら、できあがったWebサイトの、ホスティングもやってくれる。

“うちは、どんなデザインでも実装する。ユーザはコードを1行も書く必要がない”、とファウンダでCEOのShmulik Grizimは言う。“うちには高度なコードジェネレータがあるので、ユーザはデベロッパ要らずとなる。コードを手書きしなくてもよい。顧客のビジネスをよく見て、そのための最良のWebサイトを設計すれば、あとの仕事はうちがやる”。

Webydoが提供する“オンラインキャンバス”の上に、デザイン、写真、メディアなど何でもインポートできる。そしてそれらの配置はすべて、ドラッグ&ドロップで決める。

“デザインの指定は、各成分をドラッグ&ドロップすることによって行う。それらの位置は、ピクセル単位で指定できる。ブログやフォーム、Google Mapsなど、高度な成分も挿入できる。とにかく、ユーザが作りたいと思ったどんなWebサイトでも作ってさし上げる。そのサイトが、数十ページあっても、数百ページあっても、それは関係ない。類似のノン・プログラミングサービスやWebサイト簡易作成ツールはいろいろあるが、デザイナーに完全な創造の自由を与えるのは、うちだけだ”、とGrizimは豪語する。

デザインワークを完了したデザイナーが[publish]をクリックすると、Webydoのコードジェネレータがアセンブルを行う。この部分は、Webydoが特許をとっている。そして完成したWebサイトを一般に公開すると、Webydoがホスティング料金として月に10ドルを取る。これまでの非公開ベータの間に、すでに50000あまりのWebサイトを作ってホスティングした。合衆国向け一般公開が、昨日(米国時間4/29)だ。それまではイスラエルとヨーロッパでこのサービスを展開していた。

主要なライバルは、Adobe Museだそうだ。でもあれはデスクトップアプリケーションだし、WebydoはクラウドからのSaaSだ。だからうちの方が有利、とGrizimは言う。WebydoのCMSの利用は、デザインスタジオにとって無料であるだけでなく、そのデザイナーの顧客が自分のWebサイトをエディットするのも無料だ。

“Adobe Museにはデザイナー用のエディタツールがあるだけだ。だから顧客企業が自分のWebサイトのコンテンツを何とかしたいときには、デベロッパを雇ってCMSにアクセスさせなければならない。対してWebydoは、いつでもリアルタイム利用のできる完全に統合されたCMSだ。デザインや、そのアップデートのための機能は、何でも揃っているから、ユーザが手作業で苦労する部分はない”。

“うちを利用すれば、デザイナーが自分のビジネスを立ち上げることが可能だ。彼らは今日からいきなり、顧客のためのWebサイトを作れる”。Grizimによれば、Webサイトを完全にスクラッチで(==ゼロから)、わずか数時間で作れる場合もある。

同社は合衆国とイスラエルの投資家たちから、シリーズAで180万ドルを調達した。また、シリーズBの500万のうち、すでに260万を調達済みだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Ron Conwayが語るNapsterと共有経済の問題–まだ解決の糸口は見えない

今日(米国時間4/30)のDisrupt NY 2013のステージでは、VC界の重鎮Ron Conwayと、映画作家で俳優のAlex Winterが、CrunchFundのMG Siegler とともにステージに登場して、Napsterの興亡を描いたドキュメンタリーDownloadedについて語った。Ron Conwayは自分も初期にNapsterに50万ドルのエンジェル投資をしたと述べ、その後の同社の試練を介助した経験を語った。彼によると、最大の問題の一つは、Napsterが体現した共有経済の問題点が、未だに解決されていないことだ。

Napsterが明らかにしたのは、共有と協力のコミュニティによって、情報資源を最大限有効に利用したいという欲求が、人びとの中にあることだ。しかしそれは、既存の業界から大きな反発を食らった。両者間のあつれきは未だに解決を見ていない。Conwayによれば、そのことがこの問題全体の中でいちばん不毛な部分のひとつだ。

“技術的な解決も、まったくない”、とConwayは言う。“今では共有経済に属するさまざまな企業がある。そして乗車共有やスペース共有(AirbnBなど)などなどに対して、行政はNapsterに対するレコード会社のように振る舞う。しかしイノベーションは誰にも止められない。この問題がいまだに一般社会に知られていないことも、驚きだ”。

Conwayが指摘するのは、たとえば昨年十月にUberがニューヨークでタクシー配車サービスの閉鎖を余儀なくされたような事件だ。そしてその後、市の新しい方針によってサービスを再開できた。既存の規制や既存業界からの締め付けを逃れるために、合衆国の大都市のほとんどが、そんなその場しのぎ…暗黙の了解のようなやり方…を採用している。

Napsterの問題に話を戻すと、なぜ彼らにとって音楽業界やレコード会社やアーチストが障害物になってしまったのか。Conwayが嘆くのは、未だにこの問題の解決の糸口が見えないことだ。今でも基本的には、共有経済と既存の体制的経済は激しく対立している。

“エゴを捨てて問題にもっと前向きに取り組んだら、この問題はとっくに解決されていたはずだ”、とConwayは言う。“それなのに、みんなが短絡的にマッチョモードになってしまった”。

共有経済は、今日のスタートアップの多くを育てている。それが規制にぶつかったり、現役選手たちからの抵抗に遭うことも多い。かつては、個人の欲望や感性とは無関係に巨大な収益を上げる市場があった。そしてそのような時代のルールを、(一つの巨大マスマーケットではなくて)複数の小さな市場が分散している環境にそのまま当てはめようとしている。彼らは、それが問題の早期解決に役立たないことに、気づこうとしない、とConwayは嘆く。

Alex Winterは、Napsterこそ真のコミュニティだった、と語る。彼は、3Dプリントのテンプレートにも海賊版問題が起きるだろう、と言う。本誌のJosh Constineによる彼へのインタビューは、下のビデオで:

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TC Disrupt:ハフィントン・ポストの共同ファウンダー、Jonah Peretti、「かわいい動物写真をリスペクトせよ」


BuzzfeedとHuffington Postの共同ファウンダー、Jonah Perettiとなら結婚してもいいと思った! それというのも、現在ニューヨークで開催中のTechCrunch Disrupt NY 2013の基調講演でPerettiはなぜ何百枚ものネコの写真が毎日インターネットで大人気になっているのか、理由を説明してくれたからだ。

「ウェブ上のネコは単なるネコではない」とPerettiは言う。

かわいいネコや後足で立ち上がったワンコ、サルの赤ちゃん、ミニ豚などはもちろんかわいい。しかしかわいいだけではない。Perettiによれば「われわれが動物のかわいい写真にこだわるのは人間の本質そのものにかかわるからだ」という。。われわれが犬やネコを買ってきて餌を与え、話しかけ、世話をするのはそこに自分自身の小さな一部を見ているからだ。

ペットは生きており、感覚と感情を持っている。お腹を空かせる。喜ぶ。悲しむ。われわれが好むと好むまいと、動物はわれわれに感情的な反応を引き起こす。

Perettiは「こうした感情的反応は人間性の基礎の一部だ。動物に感情的な反応を引き起こされない人間はブレードランナーのレプリカントではないが、完全に正常とはいえないだろう」と述べた。

このことがインターネットにとってなぜ重要なのか? まず、ソーシャルメディアが本質的には感情をベースにしたシステムだからだ。

われわれはソーシャルメディアをバーチャルな社会として利用し、そこにバーチャルな自分の分身を住まわせ、このインターネットの分身に日々自分の感情を投影する。われわれはソーシャルメディアを通じて感情的な満足を得ようとする。ペット写真の変わらぬ人気はこのことをよく証拠だてている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


いよいよ始まるスタートアップバトル、TechCrunch Disruptの生中継を見逃すな

現地時間4月27日のハッカソンで華々しく幕を開けた、米TechCrunch主催のイベント「TechCrunch Disrupt NY 2013」。日本時間28日夜(現地時間29日朝)からは、いよいよ全米が注目するテクノロジービジネスやスタートアップについての講演やパネルディスカッションが始まります。

各種講演も注目ですが、一番の期待は何と言ってもか約100社のスタートアップが競い合うスタートアップバトル。日本時間の29日未明(午前3時過ぎ)から始まる、Disruptおなじみの目玉コーナーです。

こちらのページ( http://jp.techcrunch.com/events/disrupt-ny-2013/ )にてイベント会場からの生中継も実施しています。今年のDisruptではどんなスタートアップが出てくるのでしょうか、注目です。