mReliefは、低所得世帯の子供たちが夏休み中も食事を得られるようにする

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現在米国では2200万人の子供たちが登校日に無料あるいは低価格で朝食と昼食を供給されているが、夏休みには5人中4人の子供たちが、毎日の食事を確保できていない。今日(米国時間6/20)mReliefは、低所得家族向けのウェブおよびテキストメッセージングツールを提供開始し、この夏に子供たちのための無料あるいは割引価格の食事を入手できる場所と時間が、簡単にわかるようにする。インターネットを利用できない人は、テキストメッセージで、1-844-877-6111 に自分の郵便番号を送ればよい。

サービスが提供されるのは42の州で、フードスタンプ[食料配給券]の支給対象になっていない低所得者が、無料あるいは割引き価格で食事をするための情報を提供する。毎年、110億ドル分のフードスタンプが未請求で残されている。これは対象者が請求方法を知らなかったり、請求できなかったためだ。mReliefを通じて、低所得者たちは、自分がフードスタンプやその他の重要な社会福祉サービスの有資格者であるかどうかを簡単に知ることができる。もし、対象者ではなく18歳以下の子供がいる場合は、mReliefが一番近くのサマーミールサイト[夏季食料配給所]を紹介してくれる。

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子供のいない人には、mReliefが近くの食料配給所、例えばSF-Marin Food Bank等を紹介する。この新しいサービスは、米国農務省(USDA)が公開しているサマーミールサイト情報と更新されたデベロッパーツールを利用して作られている。

「USDAは実にすばらしい政府機関であり、日々透明性を高め、われわれのような組織が受給資格データを入手しやすくしている」とmReliefの共同ファウンダー、Rose Afriyieが私に話した。「われわれは、Twilioプラットフォーム上で構築しているので、非常に早く対応することができる。こうしたテクノロジーのおかげで、われわれは受給情報を提供するが可能になり、インターネットを利用できない人たちでも恩恵に預かれる」

2014年9月の開設以来、mReliefは3万の家族に対して、受給資格のある社会福祉サービスの情報を提供した。近い将来mReliefは、人々が必要な書類を見つけるのを手伝い、その書類を提出するサービスも始めたいと考えている。

「私たちは家族ともっと深く関わろうとしている」とAfriyieは言った。「しかし大きな問題は、既に困っている人たちが、必要書類のコピーにお金を払わなくてはならないことだと私は思う」

mReliefは、必要な書類を入手して提供するための費用を調べ、最終的には費用をゼロにしたいと考えていると、CTOのGenvieve Nielsenは言った。

Y Combinatorの支援を受けているmReliefは今年mRelief Builderという新製品を開発した。これは全米の政府支援プログラムに提供されているもので、事前に設定した組織の基準に応じて、受給資格画面を自動的に生成する。mReliefの最終ゴールは、ただでさえストレスの多い貧困生活にそれ以上影響を与えることなく、誰もが社会福祉サービスを利用できるようにするという、同社のビジョンを全うすることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Unicode 9.0が来月スタート―セルフィー、爆笑、フェイスパームなど絵文字72種類がやってくる

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新しい絵文字がやってくる! 絵文字の管理組織は72種類の新しい絵文字を承認したことを発表した。新しい絵文字は今月中に発表される新しいUnicode(Unicode 9.0)に含まれることになる。

これにはインターネットのスラングに語源がある絵文字、たとえばROFLの語源は「床を転げまわって笑う(Rolling on the Floor Laughing)」だ。その絵文字版は少し頭の傾げ、目をつぶって大きな口を開けて笑っている顔だ。もうひとつ広く使われそうなのは「肩をすくめる」で現在はこんな具合に〔原文のママ〕¯_(ツ)_/¯キーボードから入力されている

追加されたセットには道化師、ウソをついて鼻が伸びているピノキオ、 カウボーイ、緑色の顔やくしゃみをしている顔など「病気ないし気分が悪い」状態を表す絵文字も含まれる(鼻水を垂らしている顔はよだれを垂らしている顔に似ているが、ずっと気味が悪い)。

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人間を表すセットでは上で紹介した「肩をすくめる」に加えて、「子供と母親」、「踊る男」(これは『サタデーナイトフィーバー』のトラボルタだろう)、タキシード姿に加えて「フェイスパーム」〔掌で顔を隠す=嫌悪、不信などを表す動作〕も含まれていた

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手のジェスチャーでは、握手に加えて「中指と人差し指を指を交差」〔幸運、成功を祈るしぐさ〕、挨拶として「拳を打ち合わせる」様子なども含まれている。伸ばした腕の先にスマートフォンを構えている「セルフィー撮影」の絵文字も目立った。

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動物や料理を表す絵文字も承認された。動物にはゴリラ、シカ、キツネ、トカゲ、サメ、チョウチョが含まれる。料理ではおいしそうなベーコン、バゲット、パンケーキ、サラダ(しっかり食べなきゃ)などが追加されている。

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おっと、それから飲み物ではウィスキー・グラスが新顔だ。カクテルグラスやビールジョッキでは現状をうまく表わせない晩(毎日のようにあるかもしれない)には好適だろう。

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スポーツ、旅行関係ではモノポッド、スクーター、カラテ、フェンシング、ボクシング、レスリング、ジャグリング、体操、おお、それに水球まである。水球の選手には便利だろう。そういえば夏のオリンピックが近づいているのだった。

金、銀、銅のメダルの絵文字が追加されたのはこれが原因だったようだ。

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以上紹介したのはもちろん、リストの一部にすぎない。追加される絵文字すべてのリストはUnicode.orgのウェブサイトで見ることができる。

Unicodeはすでに肌の色を多様化しているが、絵文字はさらにダイバーシティーを取り入れていく必要がある。たとえば職業を表す絵文字にはほとんどの場合、男性だけが使われているが、これはいささか性差別的だ。女性版、男性版を選べるようにすべきだろう。

たとえば今週、肌の色やジェンダーに関して多様性を広げるような絵文字がFacebookに導入された。Facebookの絵文字には警察官、陸上選手、水泳選手、サーファー、歩行者などに女性版が登場している。Googleの社員グループは 「女性のキャリヤをより良く表現するため」に13種類の絵文字を追加するようUnicode コンソーシアムに提案書を送っている。これには女性の医師、科学者、プログラマーなどの絵文字が含まれる。

しかし新しい絵文字が広く利用できるようになるのは時間がかかるプロセスだ。今回の絵文字はUnicodeコンソーシアムが7月21日付けで正式にUnicode 9.0として承認する文字セットに含まれる。しかし読者のスマートフォンの絵文字キーボードにこれが反映されるのにはさらに時間を要するだろう。

Unicode 9.0の登場を期に、Apple、 Google、Microsoftでは新しい絵文字を含めて文字セットをアップデートするだろう。モバイルで新しい絵文字が使えるようになるのは、このアップデートが読者のデバイスにインストールされてからとなる。

メイン画像: Emojipedia; remaiing from Unicode.org

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

PayPal、ノースカロライナ州のLGBT差別法に抗議して400人の雇用計画を中止

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PayPalは、LGBTコミュニティーを強く擁護する立場に立った。数週間前、ノースカロライナ州議会はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、およびトランスジェンダーの人々の権利保護を妨げる失望させる法案を通過させた。この法律はトランスジェンダーの人々に不適切なトイレの使用を強要し、差別するものでもある。PayPalはこれを容認せず、同社がシャーロット市に新しい事業所を設立する計画を中止すると声明で語った。

シャーロットの新しいグローバル運用センターでは400名が雇用される予定だった。同社はこの法律が有効である限り、その意志を変えるつもりがさそうだ。

「新しい法律は差別を存続させ、PayPalの使命と文化の中核をなす価値と原理に反するものだ」と、PayPalの社長・CEO、Dan Schulmanは書いた。「このためPayPalは、計画していたシャーロットへの事業拡大を中止する」。

同法に抗議しているのはPayPalだけではない。ホワイトハウスは現在これを再調査中であり、連邦裁判所への告訴も進行中だ。他の州政府も、ノースカロライナ州への不必要な公的出張を禁止してこの法に抗議している。

他に100社の企業が同法の撤回を要請しているが、州の雇用増加を中止したPayPalは、最も声高な反対者と思われる。

声明の全文は以下の通り:

2週間前、PayPalは新たにグローバル運用センターをシャーロット市に開設し、400名以上の技術職を雇用する計画を発表した。その後まもなく、ノースカロライナ州はレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、およびトランシジェンダーの人々の保護を無効化する法案を突然成立させ、われわれのコミュニティーのメンバーが法の下で平等な権利を得ることを阻止した。

新しい法律は差別を存続させ、PayPalの使命と文化の中核をなす価値と原理に反するものだ。このためPayPalは、計画していたシャーロットへの事業拡大を中止する。

この決定はPayPalの最も根底にある価値と、誰もが平等に扱われる権利を持つという強い信念を反映し、尊厳と敬意に基づくものだ。こうした公正、多様性の受け入れ、および平等性の原理は、われわれが企業として達成しようとするものすべての中心をなしている。それは差別に反対する行動を起こすことをわれわれに強いるものだ。

われわれの決定は明瞭、明白である。しかし、シャーロットコミュニティーの一員となり地域の優れた人材を同僚にする機会を失うことは大変違憾に思っている。誰もが差別の恐れを抱かずありのままに生きる権利を持つという原則を公約する企業として、チームの仲間が法の下で平等な権利を得られないノースカロライナ州で雇用者になることは、決して受け入れことができない。

われわれは運用センターの代替地を探す傍ら、引き続きノースカロライナのLGBTコミュニティーと協力し、この差別的法律を撤廃するために、平等を公約する他の人々と共に努力を続けることを約束する。

われわれは平等と多様性の受け入れを公約し、人が価値観に基づいて生活、行動することで変化をもたらすことができるという強い信念を持っている。それは、われわれの従業員、顧客、およびコミュニティーにとって正しいことである。

Dan Schulman, President and CEO, PayPal

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Apple、GoogleらのCEO多数が、ノースカロライナ州の反LGBT法案の撤回を要求

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NPO団体Human Rights Campaign(HRC)とEquality NCは、つい先ほどノースカロライナ州のパット・マクロイ知事に対して、下院2号法案の撤回を要求する書簡を公開した。同法案は差別禁止条例を削除し、実質式にノースカロライナ州法がをLGBTの人々を差別するものにする。具体的には、公立学校のトランスジェンダー生徒に、自己の性別認識と異なるトイレなどの施設を使うことを強要する。法案は先週水曜日(米国時間3/23)に議会を通過し、同夜マクロイ知事が署名して成立させた。

書簡には、80人以上のCEOか署名し、Facebook CEO Mark Zuckerberg、TwitterおよびSquare CEO Jack Dorsey、Apple CEO Tim Cook、Google CEO Sundar Pichai、およびSalesforce CEO Mark Benioffらが名を連ねている。HRCのChad Griffin代表とEquality NCのChris Sgro専務理事は、木曜日(米国時間3/31)午前に書簡をマクロイ知事に提出する。両名はマクロイ知事と同日会談することも要求している。

「差別はノースカロライナにとって悪であり、アメリカにとって悪であり、企業にとって悪である」とGriffinはリリース文で言った。「これら企業のリーダーたちが声を上げているのは、ノースカロライナ州のレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、そして特にトランスジェンダーの人々に対する攻撃が、道徳的に間違っているだけでなく、従業員、顧客、およびノースカロライナ経済を危険に晒すことを知っているからだ。全ノースカロライナ州民のために、マクロイ知事と州議会は、公平と平等に対するこの憎むべき攻撃を排除すべく今すぐ行動するべきだ」

アップデート。Salesforceからのコメント: 「平等はSalesforceの基本的価値であり、われわれは従業員と顧客を差別から守ることを確約する。2号法案は平等、とくにLGBTQコミュニティーに対する攻撃であり、ノースカロライナに差別的環境を生み出す。Salesforceは、Bank of America、IBM、Dow、NBAを始めとする多くの企業とともに法案に反対し、議会およびマクロイ知事がこの法律を撤回することを強く要求する」。

この書簡の1日前、ジョージア州のネイサン・ディール知事は、宗教的理由で企業がLGBTの人々を差別することを認める法案に拒否権を行使した。拒否権発動は、Salesforceを含む複数の企業が州内の事業を停止すると脅したことを受けたものだった。

書簡の全文はこちら

署名した企業代表者は以下の通り。

Karen Appleton, Senior Vice President, Box
Brandee Barker, Cofounder, The Pramana Collective
Marc Benioff, CEO, Salesforce
Chip Bergh, President and CEO, Levi Strauss & Co.
Michael Birch, Founder, Blab
Ed Black, President and CEO, Computer & Communications Industry Association
Nathan Blecharczyk, Cofounder and CTO, Airbnb
Steven R. Boal, CEO, Quotient Technology Inc.
Lorna Borenstein, CEO, Grokker
Brad Brinegar, Chairman and CEO, McKinney
Lloyd Carney, CEO, Brocade Communications Systems, Inc.
Brian Chesky, CEO, Airbnb
Ron Conway, Founder and Co-Managing Partner, SV Angel
Tim Cook, CEO, Apple
Dean Debnam, Chairman and CEO, Workplace Options
Jack Dorsey, CEO, Square and Twitter
David Ebersman, Cofounder and CEO, Lyra Health
Jared Fliesler, General Partner, Matrix Partners
Joe Gebbia, Cofounder and Chief Product Officer, Airbnb
Jason Goldberg, CEO, Pepo
Alan King, President and COO, Workplace Options
Kristen Koh Goldstein, CEO, BackOps
Mitchell Gold, co-founder and chair-man, Mitchell Gold + Bob Williams
John H. Graham IV, President and CEO, American Society of Association Executives
Logan Green, CEO, Lyft
Paul Graham, Founder, Y Combinator
David Hassell, CEO, 15Five
Charles H. Hill III, Executive Vice President, Worldwide Human Resources, Pfizer Inc.
Reid Hoffman, Chairman, LinkedIn
Robert Hohman, Cofounder & CEO, Glassdoor
Drew Houston, CEO, Dropbox
Chad Hurley, Cofounder, YouTube
Dave Imre, Partner and CEO, IMRE
Dev Ittycheria, President & CEO, MongoDB
Laurene Powell Jobs, President, Emerson Collective
Cecily Joseph, VP Corporate Responsibility and Chief Diversity Officer, Symantec Corporation
David Karp, Founder and CEO, Tumblr
Travis Katz, Founder and CEO, Gogobot
Brian Krzanich, CEO, Intel
Joshua Kushner, Managing Partner, Thrive Capital
Max Levchin, CEO, Affirm
Dion Lim, CEO, NextLesson
Shan-lyn Ma, CEO, Zola
Marissa Mayer, President and CEO, Yahoo
Melody McCloskey, CEO, StyleSeat
Douglas Merrill, CEO, Zestfinance
Dyke Messinger, President and CEO, Power Curbers Inc.
Hari Nair, Vice President and General Manager, Orbitz.com & CheapTickets.com
Michael Natenshon, CEO, Marine Layer
Alexi G. Nazem, Cofounder and CEO, Nomad Health
Laurie J. Olson, EVP, Strategy, Portfolio and Commercial Operations, Pfizer Inc.
Bob Page, Founder and CEO, Replacements, Ltd.
Michelle Peluso, Strategic Advisor and former CEO, Gilt
Sundar Pichai, CEO, Google
Mark Pincus, Founder and Executive Chairman, Zynga
Hosain Rahman, CEO, Jawbone
Bill Ready, CEO, Braintree
Evan Reece, CEO, Liftopia
Stan Reiss, General Partner, Matrix Partners
John Replogle, CEO, Seventh Generation
Virginia M. Rometty, Chairman, President and CEO, IBM Corporation
Dan Rosensweig, CEO, Chegg
Kevin P. Ryan, Founder and Chairman, Alleycorp
Bijan Sabet, General Partner, Spark Capital
Julie Samuels, President, Engine
George A. Scangos, PhD, CEO, Biogen
Dan Schulman, President and CEO, PayPal
Adam Shankman, Director and Producer
Gary Shapiro, President and CEO, Consumer Technology Association
David A. Shaywitz, MD, PhD, Chief Medical Officer, DNAnexus
Ben Silbermann, CEO, Pinterest
Brad Smith, President and Chief Legal Officer, Microsoft
Arne Sorenson, President and CEO, Marriott International
David Spector, Cofounder, ThirdLove
Jeremy Stoppelman, CEO, Yelp
Bret Taylor, CEO, Quip
Todd Thibodeaux, CEO, CompTIA
David Tisch, Managing Partner, BoxGroup
Nirav Tolia, Cofounder and CEO, Nextdoor
Kevin A. Trapani, President and CEO, The Redwood Groups
Ken Wasch, President, Software & Information Industry Association
Bob & Harvey Weinstein, Co-Founders and Co-Chairmen, The Weinstein Company
Mark Zuckerberg, Chairman and CEO, Facebook

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple基調講演者の多様性レポート

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Appleは今日(米国時間3/21)スペシャルイベントを開催し、新しいiPhone SE、新しいiPad Pro、Apple TVの改訂、新しいWatchバンド、ResearchKitおよびCarekitを発表した。前回の殆ど多様性がなく黒人の総数がゼロだったイベントと異なり、今回はAppleの環境・ポリシーおよびソーシャルイニシャアティブ担当副社長、Lisa Jacksonが、Apple CEO Tim Cookの直後に2人目の講演者として登場した。

Jacksonは、中古iPhoneを再利用およびリサイクルのために分解するAppleのロボット、Liamについて話したが、アフリカ系アメリカ人として初めて環境保護庁長官を務めた人物だ。彼女は2013年にAppleに入社した。

イベント終了までに、Appleから計5名がステージに上がった。4人は白人男性で、1人が有色女性だった。Appleの前回のイベントでは、白人男性13名、キューバ系アメリカ人男性1名、アジア人男性1名、および白人女性3名が登壇した。つまりAppleは、昨年9月のイベントと比べて今日の登壇者の方が女性比率(20%)はやや高く、非白人比率(20%)も高くなっている。代表者が誰であるかはこの種の大型ITイベントでは重要だ。これは、若い人々が重要な仕事の中に自分を見つけられなければ、 そこへ到達しようと努力することは困難だからだ。

今年1月、Appleは極めて迅速にEEO-1報告書を公開し、人種、性別および職種別の従業員データを分析した。報告書は2015年8月現在の従業員データを表わしており、同社は13箇月間に、アフリカ系アメリカ人1475名、ラテン系1633名、およびアジア系1662名を雇用してわずかながら多様性に進展を見せた。同じ期間に、Appleは4096名の白人を雇った。

昨年10月、AppleはBoeing Comapnyの元CFO・プレジデント、James Bellを取締役に迎えた.。Bellは、Apple取締役を務める最初の黒人ではないが、現在のApple取締役会では唯一の黒人である。

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ザッカーバーグ、Facebook社屋の壁に書かれた “Black Lives Matter” を消すのをやめるよう従業員に求める

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Facebook CEO、Mark Zuckerbergは従業員に対して、無知な人種差別主義者にならないよう求めている(表現は私のものであり彼の言葉ではない)。

Gizmodoが入手した社内メモの中でZuckerbergは、「MPKの壁に書かれた’black lives matter’ を消して ‘all lives matter’ と書いた人々がいた最近の何件かの事象」に失望していると言った。MPKは、カリフォルニア州メンローパークにあるFacebookの社屋の一つで、Facebook初期に社員が自分の思いを書いた思い出の壁がある。

Gizmodoに掲載されたメモを以下に貼った:

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[第3段落の要約:米国には抑圧と差別の歴史に由来する、黒人コミュニティーが受けている特別な問題がある。”Black Lives Matter”[黒人の命は大切である]は、それ以外の命が大切でない、という意味ではなく、黒人コミュニティーにもしかるべき正義が実現されるよう願ったものである。]

Facebookは白人の地として悪名高い。昨年同社は米国で、黒人36名、ラテン系73名に対して、白人603名を雇用したことが2014年EEO–1レポートに書かれている。全体では、Facebook社員のわずか2%が黒人、3%がラテン系であり― 驚きではなく ― Facebookの55%は白人だ。

これ自身が酷いことであるいう事実に加えて、今は黒人月間であり〈かつ〉サンフランシスコ地区のアフリカ系アメリカ人学生たちが、明日Facebookを訪問する予定であることを考えると、最悪のタイミングだ。

Zuckerbergが指摘しているように、Facebookはこの事態を追及しており、社員には、近く行われるFacebookタウンホールミーティングで”Black Lives Matter”[黒人の命は大切である]の意味を学ぶことを推奨している。私はFacebookに連絡をとったが、これ以上のコメントを拒んでいる。

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シカゴ公立学校区、コンピュータ科学を全高校の必修科目に

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シカゴ公立学校教育委員会は、米国で3番目に大きい同学区の高校生全員に対して、コンピュータ科学を卒業必須科目とすることを、全会一致で可決した。来年度の1年生(2020年卒業予定クラス)から、シカゴ公立学校区の生徒は、卒業前にコンピュータ科学に関する課程の修了が必要になる。

これは長らく待たれていたことだった。遡って2013年12月、シカゴ市長のRahm Emanuelは、コンピュータ科学を主要科目にする5年計画を発表し、それを可能にするためにCode.orgと協力してカリキュラムの提供および教員の養成を進めてきた。

「生徒たちが早い時期にSTEM(*)とコンピュータ科学を学ぶ機会を得ることは、大学、就職いずれへの道を作るためにも極めて重要だ」とEmanuelはリリース文に書いた。「コンピュータ科学を必修科目に加えることによって、本学区の卒業生は21世紀の言語に堪能になり将来の仕事で競争力を持つことができる」
[訳注* STEM:Science、Technology、Engineering、Math、に重点を置く教育]

現在コンピュータ科学は全米の学校の25%でしか教えられていない。シカゴでは107の教育機関が課程に取り入れており、うち41校が高等学校であるとプレスリリースに書かれている。

シカゴ公立学校区はCode.org等の組織と協力して、学区内の全高校でコンピュータ科学課程を実施できるようさらに取り組みを進めている。Code.orgとの提携で作られたコースでは、生徒の37%がアフリカ系またはラテン系で、43%が女性だ。全国では、現在オバマ大統領が40億ドルの予算を提案して、全米のK-12校にコンピュータ科学教育を提供しようとしている。

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500 Startups第15期の多様性データ:33%が女性、15%が黒人、10%がラテン系

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500 Startupsは、概して女性ファウンダーへの投資が得意だ。これまでに、500 Startupのポートフォリオ中、400社以上のスタートアップに、少なくとも1人の女性共同ファウンダーがいた、とMcClureは言った。

前回の500 Startupsデモデーで、本誌は、同アクセラレーターが多様性データを公表した際、人種に言及していないことを指摘した。その第14期は、McClureによると、25%が女性ファウンダーで、39%が海外ファウンダーだった。本誌が独自に数えたところ、壇上のファウンダーの25%か有色人種だった。

McClureが多様性データを発表した後、私がTwitterでこのことに言及すると、McClureはすぐに、そのデータを出さなかったことを謝った。将来はその数値も含めるつもりだと彼は言い、今日まさにそれを実行した。

約束を守ってくれてありがとう、McClureさん。次回は、もし500 Startupsがさらに細かく、黒人とラテン系女性ファウンダーの数値も公表してくれたらなおすばらしい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Slack社CEO、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアに敬意を表す

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マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーを前に、SlackのCEO Stewart Butterfieldは、キング牧師と市民運動、およびこの会社が今日を休業にする理由について、全社員に向けて心を動かす手紙を送った。Butterfiledの許可を得て、Slackのエンジニア、Erica Bakerが手紙を外部に公開した。「私が心を動かされたからだけではなく、これはSlack社員以外の〈全員〉が読み、吸収すべき重要なメッセージだと思ったから」と彼女はMediumに書いた

Bloomberg BNAの休暇制度調査によると、米国でマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーを休日にしている会社はわずか37%にすぎない。これは、米国の労働者の5人に2人以下しか休みをもらっていないことを意味している。Butterfieldは社員に対して、この日は仕事をする代わりに、キング牧師の遺産、そして自分たちが投票し教育を受け住居を持つ権利を得ようと立ち上がったために暴力を受け、強姦され、あるいは殺された人々に思いを馳せることを薦めた。さらにButterfieldは、「そもそも『公民権運動』が必要だったことを、われわれがいかに深く恥ずべきであるか」を説いた。

一定の進歩はあるものの、為すべきことはまだまだ多いとButterfieldは言う。

「そして、最後までやり遂げる責任はわれわれ全員にある」と彼は書いた。「われわれ、人民がやるしかない。もし、われわれがこの会社の団結に真の価値を見出しているなら、今こそ、基本的で明白な法の下での平等の権利と平等な保護を訴えただけで、生活を脅かされ、手足を失い、命までも奪われた人々を評価し、記憶し、改めて支持を表明する最適な機会である」

ButterfieldがSlack社員宛に書いた手紙の全文がMediumで読める。Slackは昨年9月に同社の多様性レポートを公表したが、これは小規模な非公開IT企業では稀なことである。Slackの社員は70%が白人だが、注目すべきは同社の技術部門におけるアフリカ系アメリカ人社員の割合(7%)が、データを公表しているどのIT企業よりも高いことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

“Elephant in the valley” の調査でわかった「IT業界で女性が直面する問題」

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Ellen Pao対Kleiner Perkins Caufield and Byersの裁判における会話に端を発し、調査集団の“Elephant in the Valley”は、IT業界の女性200人以上 ― 全員が10年以上の経験を持ち大多数(91%)がサンフランシスコ・ベイエリア在住 ― を対象に、この業界で働くことがどういうものかを聞いた。

「私たちは、多くの女性が職場で同じような経験をしているの一方で、多くの男性が、職場で女性が直面する問題に気付くことなく驚くだけだということに気付いた」と、共同執筆者のTrae Vassallo、Ellen Levy、Michele Madansky、Hillary Mickell、Bennett Porter、Monica Leas、およびJulie Oberweisが調査サイトに書いている。「膨大な情報格差を解消するために、私たちはデータと体験談を集めることにした」。

調査の焦点はフィードバック、昇進、受入れ体制、無意識の偏見、母の立場、ハラスメント、および安全に当てられた。ウェブサイトでは、調査結果の他、IT業界の女性が投稿した匿名の体験談も読むことができる。特に憂慮すべきデータは性的嫌がらせに関するものだった。調査対象者の60%が、迷惑な性的要求を受けたことがあると答え、3人に1人は職場環境が原因で個人の安全に脅威を感じている。

「ある男性VCから、花やプレゼント、さらにはミックステープまでが数ヵ月に渡って贈られた」と一人の女性は書いている。「別の出資社CEOは「私が歩くところを見る」ためにドアで私を先に行かせたが、上司は笑って済ますよう私に言った。他のVCは既婚女性が好きだからと言って私の手を持った。(私は既婚者)」

他に目立ったデータを以下に挙げる。

  • 47%の女性が、メモ取りや食事の注文等、男性が頼まれないような低レベルの仕事を依頼されたことがある。
  • 66%の女性が、性別が理由で重要な交流イベントから除外されたと感じている。
  • 75%の女性が、インタビューで家庭生活、未既婚、子供等について聞かれた。

家族への影響について、ある女性はインタビュワーから仕事をする時間があるかと尋ねられ、それは「小さな子供のいるママだから」という理由からだった。別の女性は、「将来君が仕事を辞めて子供を作らないという保証はあるのか?」と聞かれたと書いた。

是非、Elephant in the Valleyのサイトで他の体験談も読まれたい。またRe/Codeのポッドキャストでは共同執筆者のうち、VassalloとMadanskyのインタビューを聞くことができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

JavaScript開発フレームワークMeteorが女子高生のプログラミング特訓に奨学金制度を立ち上げ

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JavaScriptの開発フレームワークMeteorが、プログラミング特訓学校Flatiron Schoolとパートナーして奨学金制度を立ち上げた。マイノリティなど恵まれていない層の女子高生に、コンピュータ科学を教えることが目的だ。並行して両社は、12週間のWeb開発/デザインコースに15名の生徒を無料で受講させる。その‘定価’1500ドルのコースでは、HTML5とCSS3、JavaScript、そしてUX/UIのデザインを学ぶ。コースの開始は2016年の2月、ニューヨークに住む13〜18歳の女の子が対象だ。

Meteorの協同ファウンダでCEOのGeoff Schmidtはこう語る: “今では世の中の動きや人間関係のかなりの部分に、ソフトウェアが深く関与している。だからこれからの世界では、どんな出自の人たちであれ、ソフトウェアを書く能力と、その使われ方を決めていく能力を持つべきだ”。

Flatiron Schoolがチャリティ的なコースを提供するのは、今回のMeteorの企画が初めてではない。今年の初めには、同校はWorkforce Development Corporationとパートナーして、大学を出ていないニューヨーク市民に22週の特設コースを無料で提供した。また、モデルのKarlie Klossとパートナーして若い女性にプログラミングを教えたこともある。

Flatiron Schoolのコースに対するMeteorの奨学制度に関心のある方は、ここで申し込める。締め切りは2016年1月20日だ。なお、2011年に創業されたMeteorは、これまで3120万ドルの資金を調達している。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Facebook、視覚障害者が画像を「見る」方法を開発中

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Facebookは世界15億の人々をつないでいるが、視覚障害のある人たちにとって、つながるための巨大プラットフォームをアクセスすることは難しい。Jeff Wieland率いるFacebookのアクセシビリティーチームは、そのために立ち上がった。アクセシビリティーチームの目的はただ一つ、障害者がFacebookでシームレスな体験を得られるようにすることで、最終的には、世界をつなぐというミッションを達成する。

現在、視覚障害があり、スクリーンリーダー(画面に表示されたものを認識するツール)を利用できる人たちは、みんながFacebookに書いたものを聞くことはできるが、毎日Facebookでシェアされている何百万もの写真で何が起きているかを知る術はない。

「あなたのニュースフィードがどれだけビジュアルか考えてみてほしい ― おそらく殆どだろう。そして多くの人たちが写真についてコメントしたり、投稿したものについて何かを書いているが、その〈写真〉が何であるかについてはあまり語らないことが多い」とFacebook初の全盲エンジニア、Matt KingがTechCrunchに語った。「つまり私のような人間にとっては、『で、何の話?何を議論しているの?』ということになるのです」。

だからFacebookは、人工知能ベースの物体認識ツールで、目の不自由なユーザーにFacebookで人々がシェアした写真に何が写っているかを伝えるしくみを開発している。わずか3ヵ月前に入社したKingは、彼がどのようにスクリーンリーダーを使ってFacebookを操作しているかを見せてくれた。

「私にとってページは完全に順列です」とKingは私に説明した。「一度に全体を見渡すことはできません。小さな断片が一つ見えるだけです」。

彼がページをスクロールダウンすると、スクリーンリーダーはKingに、6項目のリストがあることを伝え、それはその時点で彼に通知が6件来ていることを意味していた。そして彼が “convo box”[会話ボックス]に到達すると、このツールを使ってコメントを残せることをツールが知らせた。

やがてKingは、テキストと写真からなる友達の投稿までスクロールした。友だちのAnneは、「一年生の写真撮影の日に向けて準備完了」と書いて、写真を載せていた。Facebookが試作中の物体認識技術によって、Kingは、「この画像に含まれるかもしれないもの、コロン、1人以上の人物」という音声を聞いた。これがなければ、KingにわかるのはAnneが「一年生の写真撮影の日に向けて準備完了」と書き、写真を載せたことだけだ ― 何の写真かは全くわからない。別の写真についてツールは彼にこう言った:「この画像に含まれるかもしれないもの、コロン、自然、アウトドア、雲、葉っぱ、草、樹木」

下のフォトギャラリーで、スクリーンリーダーを使って写真を見た時に聞こえる説明を見ることができる。

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「まだ100%ではないかもしれないが、たとえそこから生まれるつながりや得られる楽しみの半分だとしても、少なくとも、得られるものが0%から50%に増えることです」とKingは言った。「これは大きな飛躍であり、これからも伸びるばかりです。私はFacebookのこうした取り組みへの投資を、非常に力強く楽しみなことたと考えています。そしてこれは、障害のある人々とすばらしい体験とをつなげる方法の一つにすぎません」

残念ながらスクリーンリーダーの習得には少々時間がかかる。Kingの目標が、視覚障害者にとってもっと敷居を低くすることにあるのはそのためだ。障害のある人たちが、障害のない人たちと同じくらい簡単に、世界のどこにいようともウェブを利用できるようにすることが彼の願いだ。

「Facebookでは、情報と情報テクノロジーの利用を人権とほぼ同じ物であると考えるようになりました」とKingは言った。「つまり、これは雇用への入口であり、あらゆる機会 ― 政府やあらゆることへの参加 ― への入り口です。だから私たちがこの段差を埋められた時が、アクセシビリティーの究極のゴールであり、Facebeookはそれを実現するための特別な立場にいると思っています。それが私の心をとらえました。これは、障害のある人々が他の全員とつながるのを手助けすることによって、彼ら全員に尊厳を与える方法なのです」

チームはこのシステムを年内にウェブまたはiOSどちらかのプラットフォーム向けに提供し、この体験にオプトインできるようにすることを目標にしている。

「何が写っているかを確信を持って伝えなくてはいけません。間違えたくありません。だからAIに投資を続けてこれをすばらしい物にする必要があります。私たちは比較的早く出荷できると楽観しています」とWielandは言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Yahoo、多様性の高い大学にサーバーを寄付。人材パイプラインの拡大に期待

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Yahooは最近、サーバー200台を歴史的な黒人大学であるハワード大学、および学生の大半がメキシコ系アメリカ人であるテキサス大学エルパソ校に寄付した。Yahooがテキサス大エルパソ校にサーバーを寄付したのはこれが初めてでハワード大には2度目だ ― 1度目は2013年でサーバー125台を寄付してハワードYahooデータセンターを作った。

目標は両大学の学生、研究者および教員に「高度なコンピューター環境および分散・クラウドコンピューティングによる新たな学習コースと本格的な大量データ型研究を可能にする処理能力」を与えることである、とYahooのキャンパス広報責任者Don McGillenがYahooブログに書いている。具体的には、ハワード大はこのサーバーを同学の計算機科学・工学校で「プライベートクラウド」を構築するために使用する計画だ。さらにハワード大は、機械学習および「ビッグデータ分析」と呼ばれる新たなコースにもサーバーを活用する。

おそらくもっと重要なのは、Yahooがこうした寄付によって、少数民族の学生がコンピュータ科学やテクノロジーの職業に就くのを手助けすると共に、「学生たちの間でYahoo!でキャリア形成することへの関心が高まる」のを望んでいることだ。つまりYahooは、IT業界 ― そしてもちろんYahoo ― への人材パイプラインを太くしたがっている。

Yahooは最新の多様性レポートを7月に発表し、同社の全世界従業員の62%が男性で、米国従業員の47%が白人であることを明らかにした。Yahooに他の主要IT企業と同じく大いに改善の余地があることは明白であり、多様な学生にYahooでの雇用機会を知らせることは良い第一歩だ。なお、人材供給源の多様化に取り組む大企業はYahooだけではないことにも注目されたい。例えばAppleは、伝統的黒人大学に通う学生を支援する非営利団体であるThurgood Marshall Fundと協力して、黒人学生がIT業界で機会を見つける手助けをしている。

人材供給源拡大への努力は素晴らしいが、IT業界における多様性の欠如は、IT企業に適した多様な求職者が不足しているという人材供給だけの問題ではないことを忘れてはならない。企業カルチャーや無意識による偏見と従業員維持などの問題も、IT業界の女性や少数派欠如に寄与している。

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サイバーセキュリティー対策、鍵は女性にあり

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サイバーセキュリティー専門家の需要がかつてなく高い中、最新レポートによるとこの分野で働く女性の数は伸びていない。

女性は、サイバーセキュリティー従事者のわずか10%しかいないことが、今日発表されたレポートで伝えられた。情報技術に特化した非営利団体(ISC)²およびBooz Allen Hamiltonによる。この数字は2年間変わっていない。

この絶望的な数字にも関わらず、同分野における女性の潜在能力は大きいとレポートは言う。女性は政府で働く情報セキュリティー従事者の20%を占め、9/11事件以来急速に増加しているリスク管理・法令順守業務を担っている。調査結果はさらに、女性の方がビジネス目標とリスク管理のバランス感覚に優れると考えられいると書いている。この分野で益々重要視されているスキルだ。

TargetからSonyまで、注目のハッキング事件がサイバーセキュリティーの話題を表舞台に乗せた。しかし、海外政府によるものから身近なハッカーまで脅威が増す中、必要な訓練を受けた人々の数は需要に追いついていない。加えて、モノのインターネットの普及が新たなセキュリティーリスクを招いていることを最近FBIも警告を発している。

「情報セキュリティー分野では、積極的対策を施さない限り2020年までに150万の専門家が不足する」と(ISC)²のCEO David Shearerはニュースリリースに書いている。「これを踏まえると、この業界で働く女性が少ないことは実に残念だ」。

この不足に業界がどう取り組むべきかについての考え方が、調査対象の女性と男性とでは異なる。これまで業界は情報セキュリティー要員を「買う」ことに頼り、サイバーセキュリティー専門家を高給で呼んでいた。しかし、Frost & Sullivanが調査した女性は、この方法では不十分だと答えた。彼女らは他のインセンティブ、例えば柔軟な勤務時間や様々な教育プログラム等を求めている。こうした要望は理にかなっている。最近大手IT企業も育児休業の拡大など同様の制度を試行して、優れたエンジニアの勧誘と維持に務めている。

レポートは、女性に対して早期に、主として学校教育やインターン制度の中で、情報セキュリティー分野におけるキャリアパスを推進していくべきだと強く主張している。

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コンピュータと手でさわれる‘物’を併用する教育ゲームのOsmoが数学おもしろゲームNumbersを発売

iPad用のゲームアクセサリを作っているOsmoが今日(米国時間9/17)、子どもが遊んでいるうちに算数/数学*の概念が身につくゲームNumbersをローンチした。同社は、教師たちが今数学を教えるために使っている、無味乾燥でおもしろみのないワークシート(練習問題集)を駆逐したい、と考えている。〔*: 以下‘数学’に統一〕

Numbersは海の中を舞台とするゲームで、プレイヤーはゲームのアクセサリとして提供される物理的なタイルを使って、指定された数を右値とする等式を作り出す*。成功するたびに、泡の中に閉じ込められていた魚が自由になる。〔*: その意味については上のビデオを。〕

子どもたちのコンピュータやiPadとの接触機会は、近ごろとても増えているが、小学生が数学を勉強するために使っているツールは、ゼロックスマシンの登場以降、基本的にまったく変わっていない。Osmoは、新しいゲームでこの状況を変えられる、と考えている。

Osmoは2013年のDisrupt SFで、初めてTangible Play(触れるゲーム)をローンチした。触(さわ)れるというのは、iPad本体以外に物理的なピースを使う、という意味だ。たとえば同社が作ったMasterpieceは、子どもたちがiPadの画面の画像を実際の紙の上にトレースする。Tangramでは、物理的なタイルを並べて画面の画像と同じ形を作る。

Sharmaは、Numbersで数学に積極的に関わる子どもたちが増えてほしい、とくに女の子たちが、と言う。テクノロジ企業に女性が少ないことは、女の子がSTEM(science, technology, engineering and mathematics; 科学・技術・工学・数学)学科にあまり関心を持たないことが原因だ、と言われている。OsmoのファウンダParmod SharmaとJerome Schollerは、Numbersのような女の子でも夢中になれるゲームがあれば、そのギャップは填まる、と思っている。

Sharmaが数学教育に関心を持ったのは、自分の子どもたちの様子からだ。彼の幼い娘は、数学の授業にフラストレーションを感じているようだった。

“子どもたちが実際に自分でできることや、作れるものがあれば、もっと数学に関心を持つと思う”、とSharmaは語る。“これまでの数学教育は、それをトライしていない”。

彼は、数学をもっと気楽に楽しめるものにしたい、と考えた。そのために考案したNumbersは、右値がその数になる等式なら、何でも正解だ。ひとつの問題の解はひとつだけではない、ということを子どもたちは学ぶのだ。

Osmoは、教科書出版大手のHoughton Mifflin Harcourtとのパートナーシップを発表した。Osmoのゲームを利用する学校を増やすことが、その目的だ。今は、約4000の学校がOsmoを使っている。

OsmoのNumbersは今日(米国時間9/17)発売される。NumbersとMasterpieceとWordsとTangramsとNewtonをセットにしたGeniusキットは、小売価格が99ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

IT企業が人材多様化の責任者を本気で探す理由

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もし求人が何かの兆候であるなら、IT企業の多様化改善への取り組みは口先だけではなさそうだ。例えば、現在AirbnbAsanaAutodesk、およびDropboxは、雇用多様化の責任者を募集している。

Airbnbが言う「大きな仕事」のために、同社は多様化責任者として、「Airbnbが真に多様で開放的な会社とコミュニティーになるために、当社の使命である “Belong Anywhere”[居場所はどこにでもある]を、われわれのオフィスやプラットフォームおよびそれ以外にも広めていく創造性豊かな人材」を求めている。一方Dropboxは、「多様性と開放性を、Dropboxの日常業務、慣行、プロセス、および従業員能力開発に根付かせるための具体的戦略を開発する」ために多様化責任者を求めている。しかし、これらの求人の背景にある動機は何なのか?

「その人物の提示する戦略は、本当に経営陣から発信されたメッセージなのだろうか?」と、Yelpで多様化責任者を1年近く務めるRachel Williamsが、TechCrunchのインタビューに答えて語った。「私がYelpでこの仕事を引き受けたのは、経営陣が本気だったからだ」。

Dropboxの場合、多様化責任者雇用の動きは、おそらく元Dropbox従業員、Angelica Colemanが、同社は支援的、開放的な環境を育てていないと主張したことで起きたドラマに反応しただけだろう。Dropboxはこの求人に関する質問に対して回答を拒んだ。

Colemanは今年6月、Facebookにこう書いている

私がDropboxを辞めたのは、自分を向上させようと努力する黒人女性である私に、IT業界が目を向けなかったからだ。たとえもっとできるスキルがあっても、Dropboxにいる限り、私はいつも補助的な仕事をするだけで上へいくチャンスはない。なぜか? 白人のマネージャーは私に活躍して欲しくないからだ。

私はParadigmのCEO Joelle Emersonに連絡を取り、Pinterest、Airbnb、Asana等のスタートアップの多様性改善に協力したスタートアップのファウンダーである彼女に、この件について意見を聞いた。

「企業がこれを始めた理由は、多様性、開放性への取り組みの管理には専任者が必要であり、片手間の仕事ではないと気付いたからだと私は思う」とEmersonはTechCrunch宛のメールで言った。

Facebook、Twitter、Square、Pinterest、Yelp、Google等の大企業は、既に多様化責任者を置いている。Appleには正式な多様化責任者がいないが、少なくとも同社の国際人材資源責任者、Denise Young Smithは黒人女性だ。

「私が思うに、主要となるべきなのは実際に少数派グループ出身の人物
であり、この仕事をするための情熱と支援があることが大切だ」とWilliamsは言った。

Williamsは、企業は多様化責任者の採用に際して既成概念を捨てるべきだと言う。例えば、アイビーリーグ以外の大学出身者や、修士号を持たない人物だ。彼女は、社内採用の可能性も示唆した。

企業は多様性責任者を雇った後、その仕事は人材資源だけではないと認識することが重要だ、とEmersonは言った。

「責任者は、会社全体における多様性と開放性への取り組みを促進、支援するべきだ。同様に、組織も担当者を雇っただけで良しとして、社内の多様性問題が自然に解決するなどと思い込んではならない」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニューヨーク市のIT業界は白人が62%、男性が60%

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ニューヨーク市のIT業界は、主として白人(62%)で男性(60%)であることが、Center for an Urban Futureの調べでわかった。ニューヨークのIT勢力の大部分を白人男性が支配しているという事実はさほど驚きではないが、この数字をApple、Amazon、Googleらの巨大IT企業各社が昨年来報告している多様化データと比較すると興味深い。

The Center for an Urban Futureは、ニューヨーク市5区それぞれのIT従事者を、ニューヨーク連邦準備銀行の新しいIT企業の定義を用いて分析した。これは単に「テクノロジーを主要事業としている」企業という分類だ。ITセクターはさらに7つの業界に分かれる:コンピューター製造、電子ショッピング、ソフトウェアパブリッシング、データ処理およびホスティング、インターネットパブリッシングおよび放送およびウェブ検索ポータル、コンピューターシステムデザイン、および科学的研究開発サービス。

ニューヨーク市で最も男性従業員の多い業界は、ソフトウェアパプリッシング(68%)、コンピューターシステムデザイン(66%)、データ処理およびホスティング(62%)およびコンピューター製造(61%)だった。

一方、女性従業員比率が最も高い業界は、科学研究開発サービス(59%が女性)、電子ショッピング(48%)およびインターネットパブリッシングおよびウェブ検索ポータル(44%)だった。

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こうした多様性データは必ずしも悲惨とは言えない。ニューヨークのIT業界の40%が女性であることは、Google、Facebook、Twitter、Microsoft、Apple、Amazon、およびIntelからなる主要米国IT企業の女性比率29%と比べて一歩上を行っている。

しかし、人種に関してはニューヨークのIT企業における白人比率(62%)は、上記のIT企業の平均である60%よりも高い。

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ちなみに、ニューヨーク市IT業界の人種多様性データは、米国国勢調査の白人64%、ラテンアメリカ系16%、黒人12%、 アジア系4.6%、その他3%にかなり近い。ニューヨークIT業界の性別および人種分布については報告すべき内容がさらに多くあるので、その他の分析結果を是非ここでご覧いただきたい。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ホワイトハウスで最初のデモ・デー開催―シリコンバレーとオバマ大統領、マイノリティの雇用促進で協力

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「全ての人間は平等に造られている」と述べたアメリカ独立宣言にと共にアメリカン・ドリームというコンセプトが生まれた。

アメリカン・ドリームはベンジャミン・フランクリンの自伝に受け継がれ、ハックルベリー・フィンと共にミシシッピ川を遡り、マンハッタンのギャッツビーの黄色のスポーツカーに象徴され、『セールスマンの死』でその幻滅が表現された。

しかし、「すべての人間は平等に造られている」はずなのにアメリカが奴隷制を維持し、婦人参政権を認めない時代が長く続いた。そして現在でさえ、もっとも重要な産業の一つであるテクノロジー分野でマイノリティーと女性の進出がかくも遅れているのはどうしたことだろう? アメリカン・ドリームというのは機会が誰にも平等に開かれているわけではないことを隠すための煙幕に過ぎなかったのだろうか?

今日(米国時間8/4)、アメリカの最初のアフリカ系リーダーであるバラク・オバマ大統領はホワイトハウスで最初のテクノロジー・デモ・デーを開催し、大勢のスタートアップのファウンダーから親しく創業のストーリーを聞いた。.

このデモ・デーには30チーム90人の起業家が参加した。しかしホワイトハウス・デモ・デーはスタートアップのファウンダーたちがステージに上がって投資家やプレスのメンバーに対してプレゼンをするというシリコンバレーで一般的なスタイルとは違っていた。起業家たちはホワイトハウスの西棟の広間に集められ、そこでホワイトハウスのCTO(最高技術責任者)、ミーガン・スミスFUBUの共同ファウンダー、CEOのデイモンド・ジョンの2人に5分ずつインタビューされた。またこの模様はライブでストリーミング中継された。

このフォーマットはわれわれにはいささか奇妙に感じられた。

Screenshot via Whitehouse.gov

Bounce Imaging のFrancisco AguilarとCarolina Aguilarがスミスとジョンに「投げて撮影するカメラ」をプレゼンしている。画像提供: Whitehouse.gov

全員のプレゼンが終わると、オバマ大統領はデモ・エリアを視察し、Duolingo、Base Directory、Partpicのファウンダーたちと会話した。

デモ・デーを紹介する今朝の記者会見でスミスが述べたところによると、アメリカでベンチャーキャピタルが出資するスタートアップのうち女性が最高幹部に加わっているのは3%、アフリカ系アメリカ人が参加しているのはわずか1%だという。またアメリカのベンチャーキャピタリストのうち、女性は4%しかない。

ホワイトハウス・デモ・デーの目的は女性やマイノリティーのテクノロジー分野への参入を促すところにあった。

スミスによれば、今回選定されたスタートアップはすべて何らかの意味で多様性を促進する要素を含んでいるという。

またデモ・デーでオバマ大統領は連邦小企業庁の「スモール・ビジネス賞」の 受賞者116社を発表した。2015年にはこの賞のために400万ドルの予算が割り当てられており、受賞者は通例5万ドルの賞金を受け取る。

またオバマ政権はAndreessen Horowitz、Intel Capital、Kleiner Perkins Caufield Byers、Scale Venture Partnersなど40社のベンチャーキャピタル(投資総額は1000億ドルを超える)と協力してマイノリティ・グループの雇用を促進していくイニシアティブを発表した。

このイニシアティブは、特定の達成目標や義務を設定することはせず、いわゆるルーニー・ルールを採用することとしている。これはNFL会長のダン・ルーニーによって提唱された「監督を採用する際には必ず1人以上のマイノリティの候補者を加えねばならない」という規則だ。ルーニー・ルールは2003年からNFLに導入され、それ以前にはリーグ全体で7人しかいなかったマイノリティの監督が現在では12.5%を占めるまでに増加した。

硬直的で弊害も多い人種別人数割り当て制度を取らなくてもルーニー・ルールはNFLの多様性を向上させるのに効果を上げている。テクノロジー分野でも同様の成功が期待されるところだ。

シリコンバレーとアメリカ政府は、常に親密な関係であったわけではない。2013年11月にはFDA(連邦食品医薬品局)が DNA分析のスタートアップ、23andMeに対して家庭でDNAサンプルを採取するキットの販売を禁止した。しかし1年後、FDAは大きく態度を変え、23andMeに対しブルーム症候群という遺伝子異常による難病の診断のために遺伝子検査キットの販売を許可した。また今年の3月には政府はシリコンバレーの企業トップがアメリカ政府の定める機密取り扱い資格を取得する率が低すぎるとして不満を表明した。サイバーセキュリティーなど国家の安全保障に重大な影響のある事項について、この機密取り扱い資格を取得しているトップとは政府は自由に情報交換ができる。また先月にはイギリスのデビッド・キャメロン首相が「テクノロジー業界はテロリストとの戦いにもっと協力すべきだ」と述べた。そうした背景を考えると、アメリカ政府とシリコンバレーの企業や有力ベンチャーキャピタルが、多様性の促進に関してこれほど密接に協力するようになったのは驚きだ。

未曾有の盛況に湧くテクノロジー産業が人種や性別の平等性を確保できないとしたら、われわれはアメリカ文学に描写された差別的で利己的な1920年代の風土からさして進歩していないことになる。シリコンバレーと政府が本当に真剣に協力して取り組めばあるいはアメリカン・ドリームを夢のままで終わらせないことができるかもしれない。

取材協力:Nitish Kulkarni

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

マイクロソフトCEO、女性差別発言を再度謝罪、多様化への新たな取り組みを約束

Microsoftは、先週CEO Satya Nadellaが、女性はおそらく昇給を望むべきではない、と発言したことが引き起こしたダメージに対処することによって世間のイメージを修復し、方針を転じる努力を進めている。Nadellaの発言はまたたく間に 彼の音痴ぶりを世界中に広める結果となり、今も謝罪と改革の約束を続けている。

Nadellaは最初の発言を、すぐにツイートで訂正、後に正式撤回した。今日、Nadellaは社内メモの中で、新たな謝罪に加えて、彼がMicrosoftで多様性に関して何を実施しようとしているかを詳しく説明した。

メモの全文はGeekWireが公開しており(TechCrunchはMicrosoftにテキストが本物であることを確認した)一読の価値がある。重要な部分を以下に引用した。

私たちが前へ進めることのできる、そして ― 今すぐ ― 進めるつもりである領域は3つある。

第一に、われわれは同一の仕事には同一の報酬、同一の仕事には同一の機会を与えることに焦点を当て続ける必要がある。多くの社員が、他の社員と同等の報酬を得ているかどうか質問した。私は人事部門に以下のことを確認した。毎年わずかな変化はあるが、Microsoftにおける性別および人種による基本給の違いは(職級、肩書きを考慮した上で)一貫して0.5%以内である。例えば、昨年米国における同一職位、同一職級の女性の報酬は、同一職位、同一職級の男性の99.7%だった。年度や個々のグループによって100%をわずかに上回り、あるいは下回ることがある。しかし、このことは重要な事実を隠している。われわれは、全員が同じ仕事に対して同じ給与を受け取るだけではなく、同じ仕事をするために同じ機会を与えられるよう徹底しなければならない。

第二に、われわれはMicrosoftのあらゆる階級において、より多様な人材を採用する必要がある。最近当社が公表した数字にあるように、Microsoftおよび業界全体には、努力すべきことがある。現在の数字は十分ではなく、顧客が多様でグローバルなこの世界にあっては特にそうだ。この目標を達成するために ― そして特にエンジニアリングにおいて ― 社員の多様化を上級階層へ拡大し、大学その他の採用活動への取り組みに一層努力する必要がある。多様化と包活化の改善は上級幹部全員の目標である。

第三に、包活的カルチャーを育むための教育を、全社員に広げる必要がある。われわれは既にこうした領域の教育と開発を進めているが、あらゆる仕事と行動における、包活的振る舞いをモデル化するための、適切なレベルの説明責任を追求する必要がある。Connect[報告システム]はどう書かれているか、どのように業績フィードバックはなされているか、新規雇用者はどうやって選ばれているか、昇進や昇給はどのように決められるのか等について、われわれはよく考える必要がある。これらの事柄すべてに影響を与える、意識的無意識的両方の思考に焦点を当てる必要があり、D&Iにおける義務化された教育は最高の出発点である。

米国内従業員の給与に関するデータは明るい話題だが、完璧にはほど遠い。Microsoftは多国籍組織であり、社員は世界に広がっている。自国内におけるほぼ完全な給与の公平性は良いことだが、もし他の国々の数字は違うのであれば、早急に改善しなければならない。

Microsoftは、国別のさらに詳しい統計データを出すことが望まれる。そのデータは、世界中の女性が自国における労働状況の理解を深める助けになるだろう。そして、給与の性差が大きいIT業界が理解を深める助けにもなるだろう ― 人々が自分にふさわしい昇給を要求する助けにも。

会社の上級幹部チームに多様性を課すことは、原理的にはすばらしいが、結果を見るまでわからない。これは実証に時間のかかる活動でもあり、その効果を短期間に測ることは不可能だ。教育も、後にならないと効果がでないという点では似ている。しかし、それでも良いアイデアである。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、従業員の多様性データを公表。男性69%、白人57%(Googleらとの比較グラフ有り)

先ほどFacebookは、従業員多様性報告書を公開し、本誌はこれをGoogle、Yahoo、およびLinkedInと比較したグラフを作った。FacebookはGoogleよりやや多様性が高く、他社よりやや低いことが見て取れるが、男性、白人およびアジア系に大きく偏っていることから全社とも評価は Fだ。Facebookは全世界で69%が男性、米国では57%が白人、34%がアジア系、4%がラテン系、2%が黒人、そして3%が2種以上の混成民族だった。

職種別の内訳では、Facebookの技術系社員の85%が男性である一方、非技術系では53%が男性、上層部は77%が男性だ。

職種別の民族性は、技術系の53%が白人、41%がアジア、3%がラテン、1%が黒人。非技術系では、63%が白人、24%がアジア、6%がラテン、2%が黒人だ。そして、上層部は、74%が白人、19%がアジア、4%がラテン、1%が黒人だ。

Googleが先月報告書を公開して以来、多様性に関する透明性向上を求める声が高まっている。YahooおよびLinkedInもこれに続き、今やAppleとAmazonは、自社の多様性を公表していないことが際立ち始めている。

Facebookは、同社の戦略的多様性チームが、性別および民族間の平等性を高めるために進めている取り組みのをいくつか紹介した。Facebook Universityは、少数派グループの大学一年生にFacebookでインターンになる機会を与えるものだ。同プロジェクトは、Girls Who Code、Code 2040、National Society of Black Engineers、Society of Hispanic Professional Engineers、および Management Leadership for Tomorrowと提携している。また、Yes We Codesと協力して10万人の「機会僅少若年者」たちにコンピューターおよび教育プログラムの機会を与える取り組みも進めている。

Facebook 2013年インターンクラス

Facebookは、従業員の無意識のうちの偏見を取り除く訓練も行っており、知らず知らずのうちに表現される民族差別や性差別を無くそうとしている。同社は、様々な性指向の人々を支援する福利厚生プログラムも提供している他、異なる民族出身者や、LGBTQコミュニティー、および退役軍人らを支援する従業員人材グループも設置している。

女性は長年IT業界で少数派とされてきたが、これらの報告書が指摘する真の問題は、この業界に白人、アジア人以外が極めて少ないことだ。Facebook、Google、Yahoo、およびLinkedInのいずれもが、89~91%白人またはアジア人だ。

しかしこれらの会社を責めることは解決にならない。雇用慣習の改善は可能だが、そこには構造的不均衡が存在している。女性や非アジア系少数民族は、IT巨人で職に就くための準備となる科学、技術、工学、数学に関して、同等の奨励を受けて育っていない。早期にこれらの教育を受けない限り、スタンフォード、ハーバード、MIT等、大企業が採用する一流コンピュータサイエンス学科に入学することはない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook