Instagram、ついに広告の本格運用を開始

各所で報じられているし、実際に目にした人もいるだろう。スポンサー写真ないしスポンサービデオの提供を開始する旨のアナウンスから一週間、Instagramがいよいよ広告の本格運用を開始したようだ。

最初の広告はマイケル・コース(Michael Kors)のもので、アナウンスされていたように通常のInstagram写真によるものだ。但し、この写真はマイケル・コースをフォローしていない人にも表示される。もちろん写真には「Sponsored」(広告)との表記がついている。Instagramによれば、広告下に表示される3連のドットをクリックすることで非表示にしたり、フィードバックを送ることができる。

この広告がまさに最初のものであるのかどうかについて、Instagramにメールを送ってみた。まだ返事はないものの、確かにこの広告が一番初めのものであるらしい。

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(翻訳:Maeda, H


ティーンの利用減をFacebook自身が初めて認める–モバイル時代にFBは重すぎる?

今Facebookは、Snapchatのような、ティーン向けのモバイル優先のソーシャルネットワークに脅威を感じているのかもしれない。今日の決算報告でCFOのDavid Ebersmanはこう言った: “昼間のユーザに減少が見られた。とくに低年齢のティーンに”。ただし彼はその前にこうも言った: “合衆国のティーン全体〔全年齢層, 昼夜〕では、Q2からQ3にかけてFacebookの利用は安定していた”。でも、Facebookがティーンを問題として報告したのは、これが初めてだ。

Facebookは、“合衆国のティーンのあいだにはほぼ完全に浸透している”と、おそろしいほどの自信を見せ、低年齢ティーンで落ち込んでいることを示すデータは、ほかにほとんどない、とも言っている。今回取り上げたデータについてEbersmanは、“有意性がまだ不確かである…が、今回これをみなさんと共有したのは、ティーンに関する質問がたくさん寄せられたからだ”、と言った。

低年齢層ティーンに関する今回の不吉な言及の前の前四半期には、Facebookはティーンにとって今でも十分に魅力がある、という声明があった。Mark Zuckerbergは7月に、“とりわけ重視したいユーザ層が、合衆国のティーンだ。ティーンのFacebook利用が減っているという推測や噂がたくさんあるが、われわれのデータによれば、それはない”、と言った。でも、ソーシャルの世界には今、急速な変動が起きつつある。

9月に行われたTechCrunch Disrupt San FranciscoのステージでSnapchatのCEO Evan Spiegelは、一日に3億5000万の”スナップ(snaps)” (写真やビデオ)が送られてくる、と言った。それは、Facebookに一日にアップロードされる写真の数と同じだ。もちろん、Snapchatでなく、FacebookがオーナーであるInstagramに移ったティーンもいるだろう。

それに、アナリストのBen Bajarinは独自の調査により、Facebookが合衆国などの主要国でティーンの利用を失いつつあることを、確認している。

Facebookがティーンに関するニュースを発表した途端、同社の株価は急降下した(下図)。東部標準時間5時20分といえば、Ebersmanがティーンの話をした時間だが、そこで株価は急落している。

これによって、東部標準時間4時に発表された強力な財務報告に伴って15%も上がった時間外取引の株価による、Facebookの評価額上昇額の、数十億ドルぶんが消えてしまった。Facebookの決算は予想を大きく上回り、売上は20億2000万ドル、EPSは25セント、広告収入の49%が今ではモバイルから、となっていたのだが。

ティーンに関するニュースは当然Facebookにとっては打撃だが、Snapchatにとっては追い風だ。噂によると同社は、30億から40億の評価額で約2億ドルのラウンドを検討していると言われる。Snapchatが今後、Facebookからティーンをどんどん奪っていけば、それも楽勝だろう。

子どもたちのFacebook利用が減ったのはなぜか?

前に“Kids Love Snapchat Because They See Facebook Like Adults See LinkedIn”(子どもたちはFacebookがLinkedInみたいだからSnapchatを愛する)という記事にも書いたが、Facebook上のコンテンツの永久性が、子どもたちが逃げる原因の一部になっているのかもしれない。彼らは、Facebookに投稿したものは何でも調べられる、と感じている。友だちとふざけるための、おばかな投稿をしたら、自分の将来の障害になる、と思ってしまう。また、ちょっと変わった意見を投稿したら、親や友だちを心配させ、将来の就職の邪魔になるかもしれない。

もう一つ、ティーンがFacebookを避ける理由は、たぶん、Facebookはモバイルアプリとしては大きすぎるからだ。News Feedもメッセージングも写真もイベントもグループもアプリも、何でもかんでもありすぎる。選択肢が多すぎるので、自分なりの使い方を見つけるのが難しい。そこへいくと、SnapchatやInstagramはシンプルで、やることが決まっている。

さらにFacebookは、一部のティーンにとって、“友だち”が常識と良識をわきまえた人でなかった場合に、トラブルの原因になる。各人が自己主張に真剣なあまり、コメントが過熱してお互いを傷つけあうこともある。Facebookはネット上のいじめ(cyber-bulling)を抑える努力の一環として、情報を提供したり、報告をしやすくしているが、それはソーシャルネットワークにはつきものの問題でもある。単純なメディア共有サイトやプライベートなメッセージングには、あまりない問題だ。

10歳近くになるソーシャルネットワークが、ティーンの感覚にとって古い、という問題もあるかもしれない。

今では、ティーンが世界の方向性を決めていく。Facebookが彼らから嫌われたら、その‘価値感’はやがて、年長の一般ユーザにも感染していく。大規模なFacebook離れは起きないにしても、その利用は減るだろう。

[画像クレジット: LaptopMag, FunnyOnlinePictures]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebook、デスクトップ広告売上2600万ドル減。モバイルは2.26億ドル増

Facebookは今日(米国時間10/30)、第3四半期業績報告の中で、同四半期中の広告売上の49%がモバイルによるものであると報告した。この数字は、第2四半期の41%から8%の増加だ。

Facebookの第3四半期広告売上は18億ドルだった。その49%は8.82億ドルなので、Facebookのデスクトップ広告売上は残る9.18億ドルということになる。

第2四半期、Facebookの広告売上は16億ドルで、その41%である6.56億ドルがモバイルだった。デスクトップは9.44億ドルだったことになる。

つまり、Facebookのデスクトップ広告売上は、第2四半期から2600万ドル〈減〉っている。第1四半期8.75億ドルだった。かくしてFacebookのデスクトップ広告売上は、2013年第2四半期がピークだった。

しかし、好調なホリデー四半期にFacebookのデスクトップ広告売上が再び伸びる可能性はある。直近四半期の成長率はマイナスだった。

同社のユーザーベースは伸び続けているので、広告売上全体を増やすことは容易かもしれない。モバイルが急上昇を続けたとしても、デスクトップ広告が伸びることは可能だ。たとえ全広告売上に対するパーセンテージが落ちたとしても。実際、デスクトップ広告のARPU[加入者1人当たり売上]が順調であると仮定するなら、今後もユーザーベース拡大および海外ユーザーの収益改善による売上増が期待できる。

第4四半期のFacebook最大の売上カテゴリーは、何か異変が起きない限りモバイルになるだろう。Facebookがわずか1期で広告売上を2.26億ドル伸ばしたことは大変なものだが、第2四半期にはその数字が2.82億ドルだった。

Facebookは、紛れもなくモバイルファースト企業に移行した。Yahooもこれに倣うことができるかもしれない。

トップ画像提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookモバイルの転換点:48%がモバイルのみ利用。Instagramもライバルアプリを圧倒

今日(米国時間10/30)発表されたFacebookの第3四半期業績は、モバイル事業の非常に好調な状況を示しており、同社はモバイルが利用と売上でデスクトップを越える転換点に近づきつつある。今日CEO Mark Zuckerbergは収支会見の席上、1日のユーザーの48%はモバイルのみからアクセスしていることを明らかにした。同社の広告売上の半分近く ― 49% ― がそこから生まれており、今や収益の中核を成しているのはモバイル広告だ。つまり第3四半期中に8.9億ドル近くが、アプリインストールやエンゲージメント広告などFacebookの様々な広告ユニットから生まれたことになる。

これはモバイル広告売上が年内にデスクトップを越えるという、FacebookがQ2に立てた予測に向けて同社が進んでいることを示すものだ。

その後CEO Sheryl Sandbergは、消費者がどれほどの時間をFacebookのモバイル環境で費しているかを示す衝撃的な数字を挙げた。Facebook傘下の非常に人気の高いモバイルファーストの写真ベースソーシャルネットワーク、Instagramの月間アクティブユーザーは現在1.5億人だ。これは、米国でモバイルに費される5分のうち1分に当たるとSandbergは指摘した。影響はデスクトップにも及んでいる。デスクトップでは8分のうち1分をInstagramが占めていると彼女は語った。

Facebookのモバイルトラフィックは、他の人気サイトと比較してどう位置づけられるのか。Sandbergによると、Facebookが全米のモバイル利用に占める時間は、「YouTube、Pandora、Yahoo、Twitter、Pinterest、Tumblr、AOL、Snapchat、およびLinkedIN ― を合わせたよりも多い」(この統計データはcomScoreの調査結果によるものと思われ、そこではInstagramとFacebookが合算されている)。

モバイルのみユーザーは、月間ベースでは2.54億人。月間アクティブユーザー(MAU)全体が11.9億人なので、MAUの21.3%が今やモバイルのみということになる。これは日間アクティブユーザー(DAU)におけるパーセンテージの半分以下ではあるが、Q2の19%から数字は伸びている。

デスクトップに関しては同じといかないようだ。CFO David Ebersmanは、ウェブの日間アクティブは「やや減少している」と語り、モバイルの現状と対照をなした。Facebookの全世界モバイル日間アクティブユーザー数は現在5.07億人で、Q2から0.38億人増えた。月間アクティブは8.74億人で0.55億人増だった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookは第3四半期も好調―売上20.2億ドル、1株あたり利益0.25ドル、広告売上の49%はモバイルから

今日(米国時間10/30)、Facebookは 2013年第3四半期の決算を発表した。売上高は20億2000万ドル、1株当たり利益は0.25ドルで、売上高19億1000万ドル、1株当たり利益 0.19ドルというアナリストの予想を上回った。

好調の主な要因はモバイル広告収入の伸びで、今期は49%にもなっている。Facebookの広告売上高は18億ドルで、対前年同期比で66%のアップだった。

今期のFacebookの決算は重要な数字がすべて好調を示している。1日当たりアクティブ・ユーザー数は25%アップして7億2800万人に、登録ユーザー数は18%アップして11億9000万人になった。

モバイルの月間アクティブ・ユーザーは対前年同期比45%のアップで8億7400万人、 月間アクティブ・ユーザー総数は対前年同期比40%のアップで、2013年9月の月間アクティブ・ユーザー数は5億700万人だった。

これらのFacebookのユーザーの増加は主としてアメリカ以外から生じている。第3四半期のアメリカにおける新規ユーザーはわずか100万人だった。

Facebookのユーザーと収入がともにモバイルに移行していることは、スマートフォンがコンピューティングの主役の座を占めつつある傾向がさらに強まっていることを実証している。モバイル・ユーザーから収入を得る道を確保することが上場以後のFacebookの主要な課題であり、この点に関する投資家の懸念が上場後しばらくの株価の低下を招いていた。最近のモバイル収入の飛躍的な伸びはこうした市場の懸念を払拭するものだ。

今日のプレスリリースでCEOのマーク・ザッカーバーグは「この10年、Facebookは世界をより結びつけられた場所にすることを使命としてきた。今期の力強い結果は、われわれが次の段階に踏み出す準備が整ったことを意味する。われわれは全人類の残りの50億人がオンライン化し知識経済に参加できるよう努力する」と述べた。

現在Facebookの株価は時間外取引で11%アップし、54ドルとなっている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ジャーナリスト向けツールを集めたGoogle Media Toolsサイト公開―マップAPIのチュートリアルなども提供

GoogleはGoogle Media Toolsというメディア、ジャーナリスト向けのツールを集めたサイトをローンチした。Google検索、トレンド、マップなど記者や編集者などのジャーナリストに役立つツールを一箇所に集め、さらにそれぞれの効果的な利用法のチュートリアルを提供するものだ。このサイトには選挙から災害の報道まで、記事をわかりやすく、強く印象づけるさまざまな手段が集められている。

このツールのセットは先週開催されたOnline News Association (ONA)の2013年カンファレンスで発表されたものだが、今日(米国時間10/21)、Googleの公式ブログを通じて一般公開された。

Google Media ToolsはさまざまなGoogleサービスへの単なるリンク集ではない。ジャーナリストは、Googleの透明性レポートの仕組みやGoogle Maps APIを使って記事にビジュアルに印象的なカスタム地図を埋め込む方法などを学ぶことができる。

また執筆した記事をGoogleのさまざまなプラットフォーム上で公開するための正しい手順についても解説されている。たとえばGoogleニュースに収録させるための手続きやGoogle+ハングアウトを利用してビデオインタビューを一般公開する方法などだ(私自身の個人的経験からしてもビデオチャットを利用したリモート取材の必要性は非常に高まっている)。

GoogleがMedia Toolsをスタートさせたのは、ライバルのFacebookとTwitterがそこで生産されるさまざまなソーシャル・データを積極的にジャーナリストに提供する努力を続けているのに対抗するためだろう。この夏FacebookはTwitterの後を追って公開投稿を他のサイトにエンベッドできる機能を追加した。同時にFacebookはトレンド、ハッシュタグ、認証ユーザーなど他のTwitterの機能も取り入れた。Facebookはまた最近、公開フィードAPI、キーワード・インサイトAPI発表した。これはCNN、Today Show、BSkyBなど一部の有力メディアにFacebookの公開データ全域に渡ってキーワードなどによるあらかじめプログラムした検索の実施を許すものだ。

こうしたツールの利用はメディア関係者に限られるわけではない。企業やマーケッターにとってもコミュニケーションの効果をアップするのに使える。今やデータこそ商品の時代だ。

Twitterの場合、早くからサービスをメインストリーム・メディアで利用にしてもらうよう売り込む努力を重ねていた。これによって一般ユーザーのTwitterへの認知が高まり、その利用法も広く知られるようになった。Googleの知名度はもちろん圧倒的だが、それでも利用者を増やす努力は止めていない。特にスマートフォンとタブレットの登場によって新たにインターネットのユーザーに加わった層に対するアピールには力を入れている。

Googleのメディア支援責任者、Daniel Siebergの説明によれば、「この新サイトはジャーナリストが取材し、読者にインパクトを与える記事を制作する過程で利用できるインターネットの資源のショーウィンドウを提供するのが目的だ。今後、ケーススタディー、チュートリアル、多言語サポートなどによってさらに内容を拡充していく予定だ」という。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、投稿後の記事編集機能をiOS版に導入―ウェブ、Android版に追いつく

Facebookはモバイル優先に体質を改めようと努力中だ。しかし新機能の多くは依然としてまずデスクトップ版に最初に導入される。その方がテストがしやすいからだ。

今日(米国時間10/17)、投稿後に記事やコメントを編集する機能とコメントとして写真を投稿する機能が iOS版に導入された。これでユーザーは自分の意見を写真で表現したり、タイプミスを恐れず記事を投稿したりできるようになった。

今回のiOS版アプリのアップデート(順次公開中なので一部のユーザーはまだ利用できないないかもしれない)にはこれ以外にも、エモーティコン、気分、活動を友だちのタイムラインで共有する機能も含まれている。つまり小さい絵文字と「JoshConstineは喜んでいます」、 「Josh Constineはコーヒーを飲んでいます」などというテキストが表示されるようになる。またプライバシーに配慮して、ナビゲーション・メニューのユーザー名の横にプライバシー設定画面へのショートカットになる鍵のアイコンが表示される。この画面にはプライバシー関係のFAQとユーザーが現在Facebookで何をしようとしているかが表示される。

写真によるコメントは7月に最初に導入され、Tumblrファンなどの若い先進的なユーザー層の人気を集めている。

Facebookは2012年にウェブ版ではコメントの編集ができるようにした。先月には投稿後の記事の編集がウェブ版とAndroid版で可能になった。これまでは投稿後にタイプミスを発見した場合、 削除して再投稿するしかなく、その場合「いいね!」もコメントもすべて消えてしまうのが悩みの種だった。

ただし「いいね!」やコメントを集めた後で記事本文を広告などに書き換えるというインチキを抑止するためにFacebookは編集された投稿やコメントには「編集済み」と表示し、クリックすると編集履歴が分かるようにしている。

これでいよいよ、投稿後の記事とコメントの編集がすべてのiOSユーザーに行き渡ることになった。長らくウェブ中心のサービスだったFacebookのモバイル優先への挑戦はこれからも続く。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、リスク承知でティーンの公開投稿を可能に。クールであり続けるために

まるで用心深い親のように、Facebookはリスクを承知でティーン・ユーザーに新たな自由を与えようとしている。初めて18歳未満のユーザーが投稿を全体公開できるようになった。その論理は、他のサイトは子供に制限を与えていない、ティーンはよりウェブに精通してきた、そして若きセレブたちが声を発したいからだ。これは、未成年が後で悔むようなものを公にシェアすることにつながるため、全体公開でシェアするためには、手作業でオプトインし、リスクを理解していることを確認する必要がある。

いささか狡猾に、Facebookは自らのブログ記事を、この変更がティーンを〈これまで以上に〉保護するものであるかのように仕立てている。まずはじめに、13~17歳のユーザーが新規登録すると、ニュースフィードに投稿する際のデフォルトは、これまでの「友達の友達(friends of friends: fof)」から「友達のみ」に変わると書いている。これは重要だ。多くの人がデフォルト設定を変えないので、友達が何千人もいる友達を何千人も持っていれば、「fof」設定は、投稿を100万人以上に向けてシェアすることになる。

しかし、Facebookにはすでに11.5億人がいて、主要市場の飽和によってその成長が著しく減速していることを考えると、すでに1億人以上のティーンが古きfof設定のままになっている可能性が高い。真のニュースは、公開ニュースフィードへの投稿を未成年に開放することだ。

これはティーンエイジャー・セレブにとって良いニュースだ。これからはユーサープロフィールをフォロー可能に設定できる ― 友達ではないがニュースフィードで彼らの公開投稿を見られるようになる。つまり、彼らが別途ファンページを作らなくても視聴者を獲得できることを意味している。ソーシャルメディアで多大なリーチを得ることは、子役が仕事をもらったり、ティーン・ミュージシャンがレコード会社の目に止まる後押しになる。

一方で、その若きセレブたちは、最重要なティーン層にアピールする説得力あるコンテンツを生み出すだろう。評論家たちはFacebookがこうした層にとってクールさを失っていると指摘してきた。会社は決算報告会見で、ティーンのエンゲージメントに有意な減少はないと繰り返し主張しているが、Snapchatのようなモバイル第一のソーシャルネットワークが、Facebookが捕えるべき人々を奪取している可能性はある。知名度の高い同世代にメガホンを持たせることによって、十代たちをこの生まれて10年近いソーシャルネットワークに留めることができるかもしれない。

今回の変更を支持するもう一つの意見は、今やティーンは筋金入りのインターネットユーザーであり、自分たちをオンラインでどう表現すべきかよく理解しているはずだというものだ。もし彼らが、自らの明確な意志でニュースフィード投稿を全体公開に変更したいなら、その権利があるはずだ。

Facebookは、確認ダイアログボックスでこのリスクを認識させることによって、彼らを最大限保護していると主張する。上の写真にはこう書かれている。「知っていましたか?全体公開された投稿は誰でも見ることができます。あなたの知っている人だけではありません。あなたや、あなたがタグ付けした友達は、あなたが個人的に知らない人々から友達リクエストやメッセージを受けることになるかもしれません」。もし未成年者がこれを確認して、公開投稿をしようとすると、Facebookは、彼らが全体公開していることを忘れないよう再認識させ、投稿の公開範囲を簡単に制限するための方法を提供する。

最後の議論は、Tumblrをはじめ、多くのソーシャルメディアサイトやブログプラットフォームが、制限や高圧的な警告もなく、ティーンに投稿を公開させているというものだ。例えば、社会的大義のためのキャンペーンのように、ティーンが公開投稿する正当な理由はいくらでもある。なぜ、Facebookが他のウェブと違わなければならないのか?

反論としては、Facebookは違ってしかるべきだ、なぜならそこはコンテンツがある程度プライベートで友好的な場所として見られるべく成長してきたからだ、という考えもある。Facebookは、過去何年にもわたりプライバシーでつまずいてきており、人々にオープン性を強要しすぎると考える人たちも未だにいる。例えば、先週Facebookは名前を検索されなくするオプションを廃止した。しかし、一般認識としては、Facebookは友達とシェアするための場所だ。

これらの警告を無視して、未熟な近況アップデートや恥かしい写真をfacebook全体に公開するユーザーが出てくることは間違いなく、彼らの評判はその代償を払うだろう。うぶな13歳が、サイトの中やアプリの塀の中にあるものが自分に悪事を働くはずはない、という誤った考えを持つかもしれない。しかしそれは、知的で責任感の強い運転免許を持つ17歳なら公開投稿できるべきだという意味にならないだろうか。これは判断するには繊細で主観的な問題だ。

しかし確かなことは、親や学校が子供たちに、安全できちんとしたインターネット利用を教育することが、かつてないほど重要になっていることだ。もし、道路を横断する前に左右を見るよう子供たちに教えるなら、シェアする前にFacebookのプライバシー設定を確認することも教えるべきだ。

[画像出典]

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookが「名前で検索されない」 オプションを廃止―プライバシー・コントロールの問題点を露呈

「私の名前を検索できる人?」というプライバシー設定をFacebookは正式に廃止した。この設定を利用しているユーザーにはその旨の通知が届くはずだ。この設定を利用していないユーザーに対してはすでに昨年12月に廃止されている。その代わりに「私のコンテンツを見ることができる人」などのプライバシー設定ができるようになった。しかしワンクリックでFacebook検索で名前を検索されないようにするオプションはもはや存在しない。

Facebookにグラフ検索が導入されてから人々のプロフィールを探し出すことが劇的に簡単になった。名前はもちろん住所や趣味など個人の情報の切れ端(すぐに投稿内容も加わるはず)が検索のキーとなる。自分の住所をサンフランシスコだと公開しているユーザーはサンフランシスコでグラフ検索されると浮かび上がってくる。

「私の名前を検索できる人」の設定は実のところ抜け穴がいくつもあって、さほど強固なセキュリティーを提供するものではなかった。その点、Facebookが設定自体を削除したのはユーザーに「偽りの安心感」を与えないという意味では適切だったかもしれない。しかしそれならFacebookはその代わりにもっと強固なセキュリティー設定を提供すべきだった。現状ではセキュリティーは弱まっている。

「私の名前が検索できる人」の設定が廃止された後、ユーザーができることはプロフィール中の個々の要素を手動で非表示にすることだ。これは相当に面倒な作業だ。基本データのページを開いて、多数の要素についてそれぞれ友達、知り合い以外の友達、自分のみなどのオプションを選択しなければならない。

プライバシーを気にするユーザーに念のためことわっておくが、現在アクティブになっているプロフィール画像とカバー画像は常に公開されている。つまり名前以外の情報を一切公開したくないのであれば要素の公開範囲を制限すると同時にプロフィール画像、カバー画像も空白にしておくべきだ。

「私の名前を検索できる人?」の廃止によってストーカーにつきまとわれている人々にとってFacebookの安全性は減少した。なるほどブロック機能を使えば特定のユーザーからのアクセスを禁じることはできる。しかしストーカーが偽名で新しいアカウントを作れば簡単にそのバリヤーを突破できるわけだ。

ここでFacebookの「世界をより結び付けられた場所にする」という使命、金を儲けなければならないという株主に対する責任とユーザーのプライバシーと安全を守るという義務が衝突する。

Facebookは個人情報を一切非公開にするオプションを設定できるはずなのにそうしなかった。名前にかぎらず、あらゆる検索からオプトアウトできるオプションも提供してない。Facebookは友だちがユーザーを検索で発見できなければならない、そしてグラフ検索はなんでも検索できるツールでなければならないと考えている。Facebookはユーザーのニュースフィードへの投稿が広告表示を最大限にすることを望んでいる。そしてそれと引き換えにユーザーの「検索されない権利」が犠牲になっているといわねばならない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Twitterは、大勢をフォローしてもフィードを見やすく保つための方法を提供すべき

Twitterは基本的に、投稿されたすべてのことを伝達しようとする仕組みになっている。あらゆることを伝えることにより、世界の動きをリアルタイムで伝えるものとして機能しているわけだ。

ただ、その性質が、むしろTwitterの利用拡大を阻害する要因ともなってしまっている。すなわち、多くの人をフォローすると、本当に気にしている人の情報が入りにくくなり、結局新しく誰かをフォローすることを躊躇うようになってしまう。

まず、Twitterを使い始めた時期のことを考えてみる。メジャーなメディアアカウントや、気になるセレブなどをフォローし始めるのが一般的だろう。もちろん友人、知人などもフォローすることになるだろう。そして相手の全てのアップデートが手元に届くようになる。完全にリアルタイムで情報は届き、気になる人々の「今」を共有することができるようになる。この段階では全ツイート数もそれほど多いわけではない。大事なツイートを見逃すということもない。

面白さを感じて、フォローする人を増やしたとしよう。世界が広がるように感じて、さらにもう少し増やしてみたとする。そうこうするうちに、ちょっとした知り合いや、職場の仲間を見つけて、こちらもやはりフォローすることになるに違いない。面白そうな人を探すのにも馴れてきて、興味ある分野のエキスパートなどもフォローするようになるだろう。リツイートなどがタイムラインに表示される機会も増えて、そのリツイート元などをフォローするようにもなる。@リプライを受けたり、あるいは自分をフォローしてくれる人も出てくる。とくに最初のうちは、そういう機会がある毎に相手をフォローバックしたりすることだろう。

この頃から徐々にタイムラインが混雑してくることになる。フォローした相手の中には、1日に何十回もツイートする人もいて、他の情報を埋もれさせてしまうことになる(TechCrunchアカウントもツイート数が多いことでは、なかなか他に負けていないだろうと思う)。Twitterは「ストリーム」であり、読む記事を順番に貯めこんでおくための「キュー」ではない。しかしそれでも全部を読みたいと考える人もいる。とくに読み返してみたときに、面白いジョークやリンク、あるいはたまにしかツイートしない親しい友人からの話が埋もれてしまっていることに気づいたときなど、全てを読んでおかねばならないという気持ちにさせられたりする。しかし、そういう圧力にさらされながらTwitterを使い続けるが、徐々にTwitterに疲れてしまったりすることがある。

ここがTwitterにとっての大問題なのだ。

利用者のキャパシティ問題

多くの情報が流れ去っていくことには徐々に慣れてくる。ただ、そういう状況が「楽しいもの」とは感じられなくもなってしまうのだ。詳しい人ならば、見逃したくない情報のみをまとめたリストを作成することで対応することになる。しかしたいていの人にとって、そうした操作はハードルの高いものだ。増やし過ぎたフォローリストをなんとかしたいと考え始めるのだが、何をどうすれば良いかわからないというのが一般的なケースだ。

Twitterからは「もっとフォローする人を増やしてみましょう」というレコメンドがやってくる。興味分野から繋がりがありそうだということでレコメンドしてくれることもあるし、あるいは広告関連のレコメンドもある。しかしアンフォローについてのレコメンドはしてくれないのが不親切に思うこともある。誰かをアンフォローしようとすると、何度かのクリック操作が必要になる。10アカウントをアンフォローしようと思えば、それはかなりの手間になってしまうのだ。そしてふと気づいたときにアンフォローしたくなっている数は10や20ではなくなっていることの方が多い。Follow Fridayなんてものも盛り上がらなくなっている。当然のことだ。フォロワーを増やせば、むしろTwitterがつまらなくなるという人も多いからだ。

楽しさがわからず、全く活用できずにやめてしまう人が多いのもTwitterの特徴だ

処理能力がいっぱいいっぱいになって、そしてTwitterにとって致命的となる行動が生まれる。すなわち、Twitterを見なくなったり、あるいはTwitterで新しい人をフォローしなくなったりするわけだ。

Twitterを見なくなるとはすなわち、Twitterの収益源たる広告を見なくなるということだ。Twitterの広告はクリックされてこそ売上げに繋がるのに、人々がTwitterを訪問しなくなれば全く売上げがあがらなくなってしまう。また、Twitterフィードを見なくなれば、誰かのツイートにリプライしたり、お気に入りに登録したり、リツイートすることもなくなってしまう。これはすなわちさらなるTwitterサイト上での不活性化に繋がってしまう。広告クリック数は減り、活発な交流は失われ、アクティブ利用者数も停滞することになってしまう。

また、各利用者がフォローする人を増やさなくなってしまうと、Twitterの魅力であるはずの、話題の拡散が発生しなくなってしまう。拡散しない話題をTwitterに投げたいと思う人は少なくなるだろう。煉瓦塀やブラックホールに向けて話し続けたいと思う人は少ないはずだ。Twitterは楽しいものだと思って使い始めた人も、だんだんと孤独に耐え切れなくなって使うのをやめてしまうこともある。

何がいったい楽しいのだろう。そう思いながらやめていった人のアカウントが大量に放置されているのも、Twitterのひとつの特徴となってしまっている。

やめていってしまった人々

Mike Isaacなどのレポートによると、Twitterには10億以上のアカウントが登録されているそうだが、実のところアクティブな利用者は(Twitterも認めているように)2億1800万程度しかいないのだ。これはすなわち、Twitterがマネタイズするための規模を確立できずに喘いでいることを示す数値であると言う人もいる。

さらに、FacebookからTwitterに流れた人も、結局Twitterの利用を止めたり、あるいは止めないまでもFacebookに主要な活動場所を戻しつつあるケースもみられる。Facebookの方が、人との繋がりを感じやすいというのも一因だろう。何かを投稿すると、実生活での親友たちがすぐに「いいね」をクリックしてくれる。あるいはTwitterのメンションよりもはるかに多くのコメントがやってくる。他の人と競いつつウケそうな話題を見つけてくる必要もない。実生活で友だちなので友だち登録をするという、シンプルなルールが心地よかったりもする。

Facebookはフィードの表示に手を加えていて、これはすなわち、利用者に多くの友だちやページをフォローしてもらおうという発想に基づいたものだ。投稿されたものを全て表示するのではなく、より多くの「いいね」やコメントを得たもののみを表示する仕組みを採用しているのだ。

リアルタイムのニュースを、可能な限り多く取得するという意味では、Twitterの方が優れていると言うこともできよう。ただ、どちらのフィードが面白いかと言えば、それはFacebookの方だと言う人の方が多いかもしれない。Facebookの狙いが常にうまく言っているというわけでもないが、面白い話題のみを表示しようとする試みは面白いものだ。もちろん、特定の利用者に関しては、全てのフィードを表示するというような設定も可能だ。また話題によって表示しないようにしたりする設定も利用者側で行うことができるようになっている。自分好みに設定するには、たくさんのクリックを行う必要があり、そういう意味ではまだまだ進化の余地はある。しかし利用者にとって便利な仕組みを用意しているのは良いことだと受け入れられているようだ。

フィードのフィルタリングを行わないということで、利用者の興味を失ってしまうというような事象を経験しているのはTwitterのみではない。たとえばInstagramも同様な問題を抱えているようだ。但しInstagramの場合は、まだまだサービスが始まってからの年月も浅く、利用者数も相対的に少ないと言える。また「いらない」ものであるとは言っても表示されるのはいずれも(それなりに)可愛い写真ばかりで、Twitterほどの問題は抱えていないと言えるのかもしれない。

いずれにせよ、利用者にストリームの表示設定権を渡すかどうかというのは、アプリケーションデザイン上での非常に重要な問題だ。但し、Twitterはフィードをそのまま利用者に提示するという方式で成長してきた。そういうスタイルを求めている利用者も多いわけだ。それであれば、フィード表示についてはそのままに、別の解決策を探すべきなのかもしれない。

フィード表示の「調整」について

「すべて流す」という方針を保ったまま、使いやすさを実現するにはどのようにすれば良いのだろうか。

Twitterは、本来の目的として「共通の趣味をもつ人すべてに繋がってもらいたい」ということがある。フォロー関係が広がっていけば広告表示機会も増えていくわけだ。しかし、だからこそ、逆にアンフォローしたいという人の目的にも柔軟に対応できる仕組みを用意しておくべきだと思うのだ。

現状では、とくにモバイル版からアンフォローするのが大変な作業になってしまう。

たとえばツイートの拡張表示画面には、発言者を簡単にアンフォローできるボタンを用意するくらいのことはしても良いだろう。さらに言うならば、Twitterは@リプライ、リツイート、お気に入り登録、ないしはツイートをクリックしたりプロフィールを見たりしたかどうかを管理しているはずだ。そうした情報を用いてサイドバーないしツイート表示の中で、むしろアンフォローをレコメンドするようなことをしても良いと思う。

アンフォローの仕組みを提供することで、Twitterは利用者に対して「見やすい」フィードを提供できるようになる。エンゲージメントの程度に基いて、フォローしている人のランク付けなどは簡単に行えるはずだ。その情報に使って、たくさんツイートしているけれどもランキングの低い人をアンフォローするような仕組みを導入しても良いのではなかろうか。もちろん、ランキングの高い人を簡単にリスト登録するようなツールを提供するという方法もある。Twitter利用者の75%が携帯端末からアクセスしていることを考えれば、こうしたツールはモバイル環境向けに提供されることが必要であることは言うまでもない。

Twitterがこうした問題解決のための手法を提供しないのであれば、不満を感じる利用者はTwitterから離れてしまう。そうなれば、新しく使い始める人も面白さを感じなくなってしまう。何かについてツイートし、その反応がすぐに戻ってくるというのは非常におもしろいことだ。世界と繋がっている感じを持たせてくれる。Twitterの今後は、そうした「親しい関係」をより広い世界の中で提供し続けることができるのかによっていると思われる。「公開企業」として成功するためには、広く世の中に対して魅力を訴えていくことが大切なことだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Facebook、ロックスクリーン・アプリにFlickr、Pinterest、Tumblr、Instagramのコンテンツを追加

9月のTC DisruptでFacebookのCEO、Mark ZuckerbergはAndroidのロックスクリーン・アプリ、Facebook Homeの改良について「Facebook以外にInstagramその他サードパーティーのコンテンツが近く表示されるようになる」と述べた。

そして今日(米国時間10/3)、Flickr、Pinterest、TumblrそしてFacebook傘下のInstagramの写真がFacebook Homeに表示されるようになった。このアップデートはまず最初にAndroid版のベータテスター向けに公開された。Facebookはベータテスターの数については明らかにしなかったが、広報担当者は「なるべく早く一般公開したい」と語った。

Homeアプリをもっと便利にすることでユーザーを増やしたいといのがFacebookの狙いだろう。Google Playストアの表示では、今のところこのアプリのインストール数は100万から500万の間となっている。TC DisruptでZuckerbergも「普及が期待しほど速くない」と認めた。

Homeは4月にローンチされてすぐに100万ダウンロードを記録したが、その後は伸び悩んでいる。またAT&TがHomeをプレインストールしたHTCのAndroidスマートフォンを発売する計画を取りやめるなど、キャリヤの関心も薄れた。

しかしZuckerbergはHomeの普及に関しては依然強気で、機能を拡充すればFacebookの「壁に囲まれた庭」を確立するのに役立つと考えているようだ。

今回のHomeアプリの使い方はこうだ。ユーザーはHomeの設定メニューからコンテンツを取り入れたいサービスを選び、それぞれのパスワードで一度ログインする。すると以後、それらのサービスはFacebookの一部のように機能する。つまり投稿を見るのはもちろん、「いいね!」をつけたり、リンクから直接サイトを訪問したりできる。

こちらからFacebook Homeの紹介ビデオがダウンロードできる

今回のアップデートで追加されたコンテンツはYahooから2種類、Facebookから1種類、それにPinterestの4種類だったが、将来Facebookはさらに多くのサイトを追加する計画だろう。これはHomeのロックスクリーンをFacebookのタイムラインよりもビジュアル性の高い一種のデフォール・ホームページにしようとする試みと考えると興味深い。一時大騒ぎされたFacebookフォンはどこかに消えてしまったようだが、毎日使われる人気アプリ以上のもの―モバイル・プロットフォームそのものに成長しようとする野心をFacebookは捨てていない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Facebook、モバイルアプリ広告に「行動誘発」機能を追加。ユーザーの呼び戻しが可能に

Facebookのモバイルアプリ広告の目的はきわめて明快に思える。インストールを加速させること。さて、同社は今日のブログ記事に、これらの広告が「次の段階」も支援できるようになったことを書いている。具体的には、ユーザーを引き止め、アクティブにさせることだ ― 時にはお金を使わせることも。

モバイルにおける課題を示すために、Facebookはアプリユーザーの66%が1~10回しかアプリを開いていない、というLocalyticsの調査結果を紹介した。

ユーザーを呼び戻すというアイデアは、オンラインマーケティングではよく知られている。Facebookでは、あるモバイルアプリを既にインストールしているユーザーをターゲットに、カスタマイズした「行動誘引広告」を出せるようにした。行動の種類には、「アプリを使う」などの一般的なものの他に、「今すぐ買う」「今すぐ予約」「今すぐ聞く」といった特定目的のものもある。広告主はこれらの行動を、アプリ内の特定の場所に直接リンクさせることができる。

新しいオプションを様々な広告主が活用できることを示すために、Facebookは以下の事例を紹介している。

  • 既存ユーザーを現行のセールやプロモーションに呼びたい小売アプリ
  • 既存プレーヤーをアップデートされたレベルに進ませたいゲーム
  • リスナーに新しいプレイリストを使わせたい音楽アプリ
  • 運賃や保養地のディスカウント料金を宣伝したい旅行アプリ

Facebookの広報担当者によると、新しい行動誘発機能によって、インストール広告をゲーム以外のアプリにも応用しやすくなるという(上の例を参照)。また、広告の料金体系に変更がないことも言っていた。

プログ記事によると、モバイルアプリ広告(約1年前に開始された)は、今年に入って1.45億回以上のインストールを誘発した。利用企業にはTarget、eBay、HotelTonight、Kabamらがある。そしてモバイル広告は、もちろん、今やFacebookの成長を支える主要な推進力となっている。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebookが投稿本文のグラフ検索をアメリカの一部ユーザーに提供開始―ご用心! 過去、現在のすべてが明るみに

人気テレビ番組についてみんなは何と言ってるだろう? 私の友だちは何と言ってるだろう? 古い写真に私についてどんなコメントがついているだろう?

今日(米国時間9/30)、Facebookが投稿本文のグラフ検索(Graph Search)を一部ユーザーに公開した。対象となったアメリカの英語版ユーザーは1兆件にも上る投稿を自由に検索できるようになる。ありとあらゆる物事について世界がどう考えているかが瞬時に明らかになるとともに、検索できないことによって守られていたプライバシーも過去のものになるだろう。

Facebookがこの1月にグラフ検索を発表したとき、対象はユーザー、写真、場所、興味に限られていた。特定の条件でユーザーや写真を検索できるだけだった。レストランなどのローカル・ビジネス、友だちのお気に入りのブランドなどを知るためには便利な機能だ。しかし国際アクセス、モバイル・アクセス、本文の検索という3つの重要な機能が欠けていた。

それ以後Facebookはグラフ検索のサポートを限定ベータ・ユーザーからアメリカの英語版ユーザー全員へと拡大した。しかしグラフ検索は自然言語の質問文を利用したセマンティック検索なので、多言語化が難しい。またFacebookはモバイル第一のサービスにシフトしているという割には現在まだモバイルからのグラフ検索もできていない。

しかし今日、Facebookは3番目の課題、本文の検索を解決した。グラフ検索でFacebookに投稿されたあらゆる情報、近況からコメント、写真のキャプション、ノート、チェックインまでが検索可能になった。今日この機能が公開されたのはアメリカの英語版ユーザーのごく一部に過ぎないが、私の取材に対してFacebookの担当者が語ったところによると、「ユーザーからのフィードバックによってさらに改良を加えた上で近くすべての(アメリカの英語版)ユーザーに公開する」という。

検索不可能性によるプライバシーの終焉

Facebookの歴史を考えると、グラフ検索はタイムラインの導入が目指した方向の自然な延長線上にあるとわかる。タイムライン以前は過去の投稿を読むにはその友だちのプロフィール・ページを訪問し、何百回も「もっと読む」ボタンをクリックしなければならなかった。これはいってみれば「検索できないことによるプライバシー」だ。ユーザーの過去の投稿は公開されており、理論的にはアクセス可能jだが、探しだすために手間がかかりすぎて現実には秘密にされているのと同じことになっていた。

ところがタイムラインの導入でこうした過去の投稿を表示することが劇的に容易になった。グラフ検索では友だちだけでなくあらゆるユーザーのあらゆる公開情報が検索可能となる。グラフ検索は「検索できないことによるプライバシー」を過去のものにする。なんであれユーザーのFacebook上の発言はすべて検索によって明るみに出されてしまう。酔っ払った、興奮した、鬱だ、などという発言も汚い言葉で罵ったこともすべて白日の下にさらされてしまう。

私は無用に恐怖を煽るものではない。もちろんグラフ検索には便利で面白い面が多々ある。しかしこれを機に自分の活動のログを見なおしてプライバシー上問題がありそうな情報が含まれていないか見なおしておくことをお勧めする。Facebookがグラフ検索の新機能の公開を一挙に行わないのは一般ユーザーに準備の時間を与えるという面があるかもしれない。【後略】

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ソーシャルメディアに蔓延る“ヘイト”の正しい扱い方

特定のツイートやFB投稿、ブログ記事に対して、怒涛の誹謗中傷が集まる炎上事件はソーシャルメディアの普及と共に日本でも加速化しています。自己責任と思う内容もありつつも、知らない他者への好き勝手な誹謗中傷の嵐を見ていると人間の悲しい性を感じずにいられない私です。日本では余り知られていませんが、そんな炎上事件は海外でも定期的に起こっており、必ずしも日本特有の現象というわけではないようです。今回はブライアン・ソリスがそんな現状を背景にソーシャルネットワーク側の責任について考えた記事を。 — SEO Japan

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ツイッターとフェイスブックは、目に余る、嫌悪感むき出しの卑猥なメッセージやあからさまな脅しを大目に見ているとして、非難されている。ツイッターは、英国の貨幣に女性を描いて、女性の地位向上を訴える活動を行った女性の活動家に対して、レイプの脅迫が殺到したことを受け、非難の矢面に立たされている。フェイスブックもまた、ヘイト関連の投稿やグループへの対策が遅いとして、批判を受けている。ツイッターに関しては、UKの支社が、非難を受け止める旨を綴った記事を投稿して、ヘイトに反対する立場を名言し、さらに、問題のある投稿にフラグを立てる新たなメカニズムの導入に踏み切っている。

CNNで働く友人のダグ・グロスから、ツイッター、フェイスブック、そして、ソーシャルネットワーク全体は、ユーザーを守るための取り組みを十分に行っているかと問われた際、率直な意見を述べざるを得なかった。このような緊張感のある、重要なトピックに対しては、従来のメディアを意識した発言では到底自分の気持ちを表現することは出来なかった。私の意見をここで発表する…

ヘイトと悪用は、不本意ながら、私達の社会に根付いており、リアルタイムのデジタルな文化においても、一部になっている。デジタルな生活を送る上で、あらゆる脅威に対して、それ相応の対策を講じるだけではなく、すぐに行動を起こすことが求められている。ツイッターは、今までの世界にはなかった新しいメディアである。ユーザーを守るためには、自動および手動の安全対策、そして、報告のメカニズムに投資していかなければならない。信じられないかもしれないが、ツイッターは、毎日4億本のツイートが送信されるプラットフォームの運営も行っている。

また、ユーザーとして、私たちは、ツイートの意義、そして、ツイートが、相手、相手のコミュニティ、自分のコミュニティ、さらには、社会全体に与える影響を学ぶ責任がある。悪意を持って、投稿を行うなら、他のユーザーの受け止め方、そして、最終的に判断される仕組みに運命を委ねることになる。「ツイートする自由」よりも法律が優先される。また、法律が、ツイートする自由を与えてくれるケースもある。ソーシャルメディアの利用には責任がつきものであり、誰かを傷つける、あるいは、脅すための投稿は、世界中に響き渡ることを忘れてはならない。

ツイッターは、対策を強化することは出来るのか?

もちろんだ。悪意のあるツイートを削除し、受け手と送り手の双方の意見に耳を傾け、そして、警察と協力することで、このようなネガティブな行動を抑止する、あるいは、少なくとも、世間に認められる結果をもたらすシステムを作り出すことが出来るのではないだろうか。それでも、残念ながらヘイトは社会の一部として根付いており、完全に取り除くことは出来ないだろう。 また、ツイッター自体が、デジタルの社会を形成している。そのため、保護、そして、“近所の監視”グループの権限強化は、ツイッターの住人を守り、サービスを提供する上で欠かせない取り組みだと言えるだろう。

最後に、皆さんの意見を聞かせてもらいたい。ツイッター、フェイスブック、その他のソーシャルメディア(そして、ユーザー)は、他にどんな対策を講じるべきなのだろうか?


この記事は、Brian Solisに掲載された「Is Freedom of Tweet a Right or a Wrong?」を翻訳した内容です。

結論があったわけではありませんが、問いかけとしては誰もが考えてみたい内容でした。特にツイッターに関しては気軽に投稿ができるだけに、行き過ぎた投稿や発言が飛び交いがち(元々の投稿にしても、それに対する反応にしても)な状況はありますね。プラットフォーム側の対策や、時には警察の介入が求められるケースもあるでしょうが、ユーザーの一人一人のリタラシーはもちろん、常にそれを読む相手が、誰かがモニター(スマホ)の向こうにいる、という意識は忘れないでいたいものです。さて、皆さんはこの問題、どうお考えになるでしょうか? — SEO Japan [G+]

とうとうFacebookの投稿が共有後に編集可能になる―ウェブ、Androidは今日にもアップデート、iOSも近日

タイプミスでFacebookへの投稿の傑作を台無しにした経験は誰にもあるだろう。Facebookはとうとう投稿を共有した後で編集する機能を追加する。

ウェブ版とAndroidアプリは今日(米国時間9/26)のアップデートで〔日本版では6:00am現在まだアップデートされていない〕、iOSアプリも近々アップデートされる。以前は投稿の公開後に間違いを見つけた場合、投稿を削除して再度アップするしかなかった。当然ながらそれまでについた「いいね!」やコメントはすべて失われてしまう。今回のAndroidのアップデートでは気分や活動の共有、イベントの一覧などの新機能も追加されている。

投稿を編集するには右上隅の下向き矢印をクリックしてドロップダウン・メニューを開き、「編集」を選べばよい。ただし友だちは「編集履歴」を開けば編集以前のテキストを読むことができる。コメントの上にマウスをもっていく(スマートフォンの場合はタップする)と、鉛筆アイコンが現れるので、クリックすればよい。

ユーザーからの要望が強かったにもかかわらず、Facebookが投稿公開後の編集機能を追加するのをためらっていた理由は、悪質なユーザーが公開後にまったく別の内容に書きなおして他のユーザーを騙すことを恐れていたのだろう。ある投稿に「ジャスティン・ビーバーが嫌いだ」と書いてあったので「いいね!」を押したところ、いつの間にかその投稿が「ジャスティン・ビーバー大好き」に書き換えられていたらどうだろう? 友だちに音楽の趣味を疑われるような破目になりかねない。

しかしFacebookは「編集履歴」を読めるようにしておくことでこういうインチキを防止する対策としては十分だという結論に達したようだ。 コメントの編集は2012の7月から可能になった。またしばらく前からFBページの管理者は写真の説明を編集できる。こうしたテストの結果、Facebookは投稿の編集を許可してもあまり問題は起きそうもないと見極めたのだろう。

Google+は当初から投稿の編集が可能だ。そのためGoogle+は複雑な内容の長文を投稿するのに向いている。

スマートフォンからの投稿はタイプミスをしやすいので、後から編集できる機能はことに便利だ。それに“its”と“it’s”を逆にするような無学な間違いは即刻訂正したいものだ〔日本人はこういう間違いをしないがネーティブはよく間違う〕。タイプミスが原因で少なからぬ数の投稿が削除されていただろうから、そういうことがなくなるのはFacebook側にも多少のメリットがあるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


中国、上海自由貿易区でFacebookを解禁。しかしインターネットの自由への弾圧は続く

中国政府は、上海の自由貿易区において、一部の禁止ウェブサイトへのアクセスを許可する見込みであるとSouth China Morning Post(SCMP)が報じた。匿名政府筋の情報による。対象サイトはFacebook、Twitter、およびNew York Times。本誌はこの3社にメールで確認を求めている。FacebookのCOO、Sheryl Sandbergは、最近の訪中で北京の国務院情報局を訪れているが、目的は彼女の著作『Lean In』中国語版のプロモーションだったと語った。あの会談が、自由貿易区でのFacebook禁止解除に関係しているかどうかは不明だ。

FacebookとTwitterは2009年以来中国本土で禁止されているが、多くの人々はVPNやプロキシサーバーを使い、金盾工程と呼ばれる政府のインターネット検閲プログラムによる万里のファイアーウォールを破ってサイトにアクセスしている。Tech In Asiaによると、成都市が主催したFortune Global Forum 2013カンファレンスでは、VPNが設定されていた他、多くの一流ホテルや香港企業所有のオフィスタワーも同様であるという。New York Timesは2012年10月に、温家宝元首相一族の蓄財を批判した後禁止された(本件は中国人ハッカーによる同社サーバーへの連続攻撃も誘発した)。

2013年7月に発表された上海自由貿易区は、同国における経済および金融再編のテストケースとして中国政府が設立した。またSCMPは、地区当局は、地域内でインターネットサービスを提供するライセンスの入札を国外企業から受け入れるとも報じている。自由貿易区の面積は現在28.78平方キロメートルだが、最終的には現在500万人の人口を持つ浦東地区全体に拡大する予定だ。これは落札企業が、中国の三大キャリアーでいずれも国営企業であるChina Mobile、China UnicomおよびChina Telecomらと競合することを意味している。

Facebook、Twiiter、およびNew York Timesのサイト解禁は、李克強首相が承認したもので、上海自由貿易区に対する海外投資家の興味をかき立て、移住者にとっての魅力を高める取り組みの一環であると報じられている。ただしこれは、中国政府のソーシャルメディアに対する自由化姿勢を表すものではない。現在中国共産党によるインターネット弾圧は最高潮に達している。ここ数ヵ月間に同党は、Sina Weiboで1200万人のフォロワーに対して政治的投稿を繰り返していた中国系アメリカ人起業家、Charles Xsuを拘束し、不動産業界の大物で著名マイクロブロガーのPan Shiyiには、ソーシャルメディアの危険性に関するテレビインタビューを強要したとされている。.

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(翻訳:Nob Takahashi)


Facebook、PayPalらと提携してモバイルアプリで支払い情報を「オートフィル」

Facebookは、あの小さな画面に詳細な支払い情報をタイプするのをやめ、デベロッパーや支払いサービスがもっと儲かるよう手助けし、さらには自社のアプリインストール広告がEコマース会社に収益をもたらすことを証明したいと思っている。そして今日(米国時間9/23)Facebookは、PayPal、Stripe、およびBraintreeとの提携によって、JackThreadsとMosaicという2種類のEコマースアプリで、先月テストした「Facebookでオートフィル」(Autofill With Facebook)を提供開始する。

この機能は支払いプロバイダーと提携して行わるもので、少なくとも現時点では、競合ではなく互助的であることを理解する必要がある。いつの日かFacebookが、自身で支払い処理を行い支払いフローを支配しようとする可能性はある。しかし今のところ、もしデベロッパーがPayPalとそれに被せた「Facebookでオートフィル」レイヤーを使用した場合は、手数料はやはりPayPalに入る。3社のパートナーは近々2社になるかもしれない。本誌が報じたように、PayPalはBraintreeの買収間近であるかもしれない。

「Facebookでオートフィル」のデモはすぐに見ることができる。「初期テスト」とFacebookが呼ぶものは、Mosaic(フォトブックの購入)およびJackThreads(流行ファッション)のiOSアプリで、一部のユーザーには今日から、またFacebookに支払い情報を登録しているユーザーには今週中に提供される。Facebookの支払い情報はここで追加できる

これまでこのテストは、JackThreadsユーザーのごく一部の早期ベータテスターのみが利用できた。デベロッパーは今後のアクセスのためにサインアップできるが、承認されるまで機能は利用できない。

「Facebookでオートフィル」を使ってみる

ユーザーから見たしくみは次の通り。Eコマースアプリの買い物客は商品を眺め、いつものように商品をカートに追加する。しかし、以前デスクトップでFacebookギフトやクレジットを買ったりゲーム内購入を行い、Facebookに支払い情報を登録した人には、ここで何か違うことが起きる。

その人たちがチェックアウトしてクレジットカード番号や住所などの支払い情報を入力する画面に行くと、「Facebookで高速チェックアウト」というメッセージと、ブルーの「あなたの情報をオートフィル」ボタンが画面トップからスライドしてくる。タップすると、ユーザーはFacebookのiOSアプリに飛ばされ、支払い情報の詳細を確認し、送付先住所を選択できる。

「OK」をタップすると、バックエンドではFacebookとアプリデベロッパーの支払いプロセスが「ハンドシェイク」を行い、クレジットカードその他の情報が安全に転送される。フロントエンドでは、安全のためカード番号の下4桁のみが表示される。この後ユーザーが買い物アプリに戻されると、入力フィールドには支払い情報が事前入力されている。こうして、ユーザーは一文字もタイプすることなく購入を承認できる。

Facebookが自分のクレジットカード情報をたらい回しするのは気味が悪い、と感じる人たちは必ずいるだろうが、実際にはこのソーシャルネットワークのデータセキュリティー実績は比較的堅牢だ。たまの不具合バグはあるが、TwitterLinkedInで起きたような大規模なパスワードハッキングは起きてない。しかし、もしFacebookが世界を支配することを恐れているなら、このテストは間違いなく、あなたが何を買うかを彼らがより多く知るようになる前兆だ。ただしFacebookの株を持っている人にとっては朗報かもしれない。

Facebookコマースの大きな夢

ユーザーにとって、これはモバイルをより早くよりシンプルに変えるものだ。これは気を散らされたり考え直す前に、購入を完結する可能性が高くなることを意味している。Eコマースアプリの開発者は、コンバージョン率の増加によってより多く稼ぐようになる。

支払いプロバイダーにとっては、支払い件数が増えより多く手数料を得ることができる。
Facebookにとって、これは「作る ― 伸ばす ― 収益化する」プラットフォーム戦略の一環だ。あなたがオートフィルで買い物した時、Facebookは、あなたが誰でいくら使いどのアプリを利用したかを知っている。これは、アプリインストール広告の投資効果を証明する上で決定的に重要だ。もしJackThreadsが、アプリをダウンロードさせるためのFacebook広告に1ドル払っていて、クリックしたあなたが5分後にJackThreadsで25ドル使ったことをFacebookが知れば、FacebookはEコマースアプリの開発者にこれが価値ある広告であることを説得し、さらにキャンペーンを売り込むことができる。

Facebookの支払いサービス責任者のDeb Liuに、PayPalその他の支払いプロバイダーと協力していることについて尋ねたところ、彼女はこう説明した。「われわれは同じ問題を解こうとしている。デベロッパーの収益化とコンバージョンを手助けすることだ。コンバージョンが増えれば、BraintreeやStripeやPayPalが扱う支払い件数は増える[そして手数料収益が増える]」

そしてLiuは、現在FacebookはEコマースの別の問題を見極め、解決しようとしているところだと言った。「コンバージョンの壁が高いのはモバイルであり、そこは将来消費者が向かう場所だ。これを驚くべくモバイル製品にすることは非常に重要だ。それでも、いつかこれをデスクトップで行う可能性もわれわれは捨てていない」。

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(翻訳:Nob Takahashi)


俺はザッカーバーグ。「クール」なんてものを求めているわけがない

誰が言ったか「Facebookはクールじゃない」という言葉がある。その言葉を引用して、Facebookは勢いを失いつつあると言い募る人もいる。しかし実のところ、Facebookが目指すのは「クールさ」ではないのだ。では、Facebookは何を求めているのだろうか。

「電気というのも、登場当時は“クール”なものと扱われていたんでしょうね。しかし普及すると、誰も“うちには電気がきているんだ”などという話はしなくなりました。誰もが不必要に電気のスイッチをぱちぱちしなくなったからと言って、電気の大事さが失われたということにはならないはずです」。

ワシントンD.C.にてAtlanticの編集長であるJaves Bennettと対談を行い、ザッカーバーグはこのように述べている

このところ、一部のティーンエイジャーの言葉を引いて、Facebookが魅力を失っていると言う人がおおぜいいる。また関連する各種調査では、ティーンエイジャーたちは「Facebookなんて好きじゃない」とか、「Facebookは使わない」と応えるのがクールであるというバイアスをかけられてしまっていることが多いようだ。ところが、Facebookのエンゲージメント率は下がっておらず、上のような言説や調査は、何も証明してはいないというのが実際なのだそうだ。

Facebookも収支報告などの現場で、「若者のFacebook離れ」などという事象は確認できないと繰り返し主張してきていた。ザッカーバーグもいかなるデータもそのような兆候を示してはいないと述べている。今年になっても、Facebookを利用するティーンエイジャーの数は順調に増えているのだそうだ。

ザッカーバーグの考えでは、Facebookは既に「クール」であるとかないとかのレベルを超えているのだ。ある意味では、他サービスと比べてどういう機能があるとかないとか、そういう段階も超えてしまっていると言えるのかもしれない。ザッカーバーグは冗談めかして次のようにも言っている。

「私たちが“クールさ”を目指しているのだと考えている人が大勢います。そんなことは考えたこともありません。私が“クール”を目指しているかどうか、見ればわかりそうなものです。Facebookがサービスの提供を開始してから10年になります。ニッチを云々するサービスではなくなっています。“尖った”サービスで魅力をアピールするというようなサービスではないのです」。

ではFacebookは何を目指しているのだろうか。ザッカーバーグは「必需品」としての地位を獲得したいのだと述べる。それぞれの時代に、産業にとってなくてはならないものが生まれてきた。そのひとつはもちろん電気だ。「社会には、より多くのソーシャルサービスが生まれてくるでしょう。Facebookはそれらを支える立場になりたいと考えています」とのこと。

Facebook等、ソーシャルサービスの拡大には、プライバシーとのトレードオフもあるのではないかという疑問もある。それに対しては、利用者が「ソーシャル」の方向を向いているようだと応える。すなわち「情報をできる限り隠すことと、親しい人と繋がっていることを比較して、多くの人が繋がる方が大切であると考えているようです」と述べている。「ソーシャル化」の傾向は拡大していくと、Facebookは考えているようだ。

いずれにせよ、さまざまな評価基準で見て、Facebookが大いなる成功を収めていることは間違いない。利用者数は膨大で、共有される情報も増え続けている。現在の利用者数は11億5000万人で、6億9900万人が日々利用している。またザッカーバーグによれば、ソーシャルアプリケーションの50%で、ログインにFacebookアカウントが利用されているのだそうだ。

少なくとも現在のところ、Facebookが心配しているのは、ヒップなソーシャルネットワークが新たに爆発劇な拡大を見せることではないようだ。自らの進化を止めてしまうことの危険性を、より重要視している様子。洞察力のあるプロダクトビルダー、デザイナー、エンジニア、そしてビジネスパーソンの採用を拡大していかなければならない。また、場合によっては、才能豊かな人材が集まる企業の買収も必要であると考え、そして(少なくともこれまでのところは)実行してきている。

さらに、現状に馴染み過ぎないことにも注意を払っているようだ。いずれ、今日のウェブ技術を陳腐化させる変革の波がいずれ押し寄せてくる。その波をしっかりと見極め、そしてその波に乗って行く方法を構築する準備を続けなければならない。時代の波に乗り、そして時代が「必要」とするサービスを展開していくのだ。足を止めてしまえば、時代においていかれる。たとえばMyspaceのような運命を辿ることになるかもしれないということを、危機意識として保持しているのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)


ザッカーバーグ、新たな使命を語る―次のターゲットはインターネットにアクセスできない50億人

ユーザーが10億人に達した後もFacebookは前進を続けている。それどこころかインターネット・ユーザーの全員がFacebookに加入しても終わりではない。「世界をよりオープンでより結び付けられた場所にする」というFacebookの使命は地域や収入を問わず文字通り「世界中の人々」を対象としている。ファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグが「われわれはインターネットを拡大するというより困難な課題に取り組むためにFacebookを再編成中だ」と語った理由はその点にある。

先月、ザッカーバーグはInternet.orgを立ち上げ、自ら執筆した10ページのホワイトペーパーを掲載した。これはテレコミュニケーションとモバイルのハード、ソフトの6社(Samsung、Ericsson、MediaTek、Nokia、Opera、Qualcomm)をパートナーとするインターネット・アクセス拡大のためのイニシアチブだ。

Internet.orgの目的は、新たなデータ圧縮技術、ネットワーク・インフラ、ビジネスモデルを創出することによってデータ・アクセスのコストを劇的に下げ、誰もがスマートフォン経由でインターネットにアクセスできるようにすることだ。これは非常に重要な点だ。というのもスマートフォンを利用するコストの大部分はデータ通信料金にあり、本体の価格はほんの一部に過ぎないからだ。

Interet.orgはFacebookがもっとユーザーをかき集めるための仕掛けにすぎないという批判も出そうだ。しかし、これは本質的には利他的な事業である。インターネット・アクセスは教育を普及させ、ひいては人々の自己実現、貧困の追放を助ける。インターネットの普及は常にGDPの増大をもたらしてきたし、親しい人々が常にコミュニケーションを取り合うことを可能にする。たしかにインターネットのさらなる普及はFacebookの売上を伸ばすだろう。しかしザッカーバーグがこの事業を始めた動機は単にそれだけではない。一言でいえば「世界中の人々を結びつける」というのはFacebookの新たな使命だ。

TechCrunch Disruptカンファレンスのステージで「手法は変わってきたが使命そのものは変わらない」とザッカーバーグは語った(インタビューのビデオは下にエンベッドしてある)。

ザッカーバーグはこのインタビューで「会社には2種類ある。何をするかが本質の会社と具体的に世界を変えることを使命とする会社だ。Facebookは後者でありたい」と語った。ザッカーバーグはビル・ゲイツをもっとも尊敬する人間の一人として挙げたが、その理由はMicrosoftが「世界のあらゆる家庭とオフィスにコンピュータを」という使命を持ち、かつそれを実現させたからだ。

ただし、ザッカーバーグによれば「本当に意味のある価値というのは賛否の議論を巻き起こすような主張からしか生まれないというのが私の信念だ。正直であれ、などという誰も反対しようのないお題目は意味のある価値を生むことはない」という。

Facebookの「賛否の議論のある主張」の一つが素早い行動は完璧にまさるというものだ。Facebookの社員はプロダクトを作り、作ったら即座に試し、それを繰り返すことを求められる。プロダクトが完全なものになるまでじっと座っていることは許されない。「このモットーのおかげでこれまでとんでもないトラブルを背負い込んできた」とザッカーバーグは笑う。ときには「ブレーキをかけて不具合を直せ」という主張が正しい場合があることも認めた。しかし本質的にみれば「速く動け」の哲学がFacebookに停滞を許さず驚異的な速さで進歩させた原動力なのだという。

この哲学がFacebookに10億人のユーザーをもたらした。しかしザッカーバーグは「もちろん始めからそんな目標を持っていたわけではない。誰も朝起きて、『そうだ、人類の7人に1人をユーザーにする事業を始めてやろう』などと思うわけはない」と謙遜した。しかしマイク・アリントンが「本当に世界中の人間をユーザーにするつもりか?」と尋ねると持ち前の強気で「もちろんそうだ」と答えた。しかし現実には無理だろう。というのも特定の仕組みを嫌う人間が必ず存在するからだ。インターネットには「Facebook嫌い」はいくらでも存在する。しかしそういう人々もSMSやメールやTwitterは使っているかもしれない。Internet.orgとFacebookの使命は人々にインターネットへのアクセスとコミュニケーション手段の選択の自由を与えることだ。

「人間はお互いに密接に結びつくことを欲する存在だ」というのがザッカーバーグの信念だ。ザッカーバーグは目を輝かせて「それがわれわれがこうしてFacebookを運営する理由だ」と断言した。

[画像:Anton Balazh / Shutterstock.com]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


TC Disrupt:ザッカーバーグ、「Facebook Homeを改良中。Instagramその他ソーシャル・コンテンツをロックスクリーンに追加する」

サンフランシスコで開催中のTC DisruptカンファレンスでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはFacebookはFacebook HomeのロックスクリーンにInstagramやサードパーティーのソーシャル・コンテンツを追加するように改良中だと述べた。

同時にザッカーバーグはさきごろ公開されたAndroid向けFacebook Homeランチャーが「期待したほど急速には普及していない」ことを認めた。ザッカーバーグはまた「現在Facebook HomeはGoogle Playストアを通じて配布されているが、将来はFacebookから直接ダウンロードできるようになる」と述べた。

現在Google PlayストアではFacebook Homeアプリはダウンロード数が100万から500万にランクされている。最初の1ヶ月ではわずか100万ダウンロード程度だったし、 アプリをプレインストールしたHTCの専用スマートフォンを販売するなど当初は熱心だったAT&Tのようなキャリヤのパートナーもすぐに興味を失った。ヨーロッパではフランスのキャリヤ、Orangeが予定されていた専用スマートフォンを発売前に中止してしまった。

今日のインタビューでマイク・アリントンが「Homeは失敗だったと思うか?」と尋ねたのに対してザッカーバーグは「チャットヘッドのように人気が出た機能もある」と答えた。

Facebook Homeは同社が当初期待したほどの成功は収めていないが、すぐに引っ込めるつもりもなさそうだ。「私はやがてユーザがFacebook Homeを好きになると思っている」とザッカーバーグはいう。

これはFacebookがいかにモバイル体験の向上と拡張に野心的であるかを示すものだ。モバイル・トラフィックの拡大はFacebookの売上に直結するのだからそれも当然だろう。「今年の第2四半期には月間アクティブ・ユーザー総数 11億人に対して6億9900万人モバイル・ユーザーがあった」と今日のインタビューでザッカーバーグは明らかにした。このモバイル・ユーザーこそFacebookの売上の急増を支えている。8月にeMarketerが発表したレポートによれば、今年Facebookは世界のモバイル広告売上の16%を占めるだろうという。昨年に比べると10%ポイントの急増だ。

InstagramをFacebook Homeのロックスクリーンに加えるというモバイル重視の姿勢をみると、買収した他のモバイル系サービスのコンテンツもやがてHomeに連携、表示されることになりそうだ。またサードパーティーのコンテンツと連携させていけば、Homeがインターネット・コミュニケーションの新たなプラットフォームとなることを助けるだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+