数々の予兆からシステムの問題を予知・防止するInsightFinderが約2.2億円調達

米国ノースカロライナのInsightFinderは、大学での15年の研究成果に基づいてシステムのモニタリングに機械学習を利用し、一般的によくある問題を自動的に見つけて修復する。米国時間12月31日に同社は、200万ドル(約2億1700万円)のシードラウンドを発表した。

ノースカロライナ州ダラム拠点のVCであるIDEA Fund Partnersがラウンドをリードし、Eight Roads VenturesとAcadia Woods Partnersが参加した。創業者であるノースカロライナ州立大学の 教授のHelen Gu(ヘレン・グー)氏は、これまで15年にわたってこの問題を研究し、2015年に同社をローンチした。

グー氏はまた、元Distil Networksの共同創業者でCEOのRami Essaid(ラミ・エッサイド)氏をCOOとして招聘したことを発表した。2019年に自分の会社を売ったエッサイド氏は、彼の新しい会社であるInsightFinderでプロアクティブなアプローチでアプリケーションとインフラストラクチャのモニタリングを行うと発表している。

同氏は「これらの問題には繰り返して何度も起きる性質があり、起きるときにはその兆候がある。われわれは人工知能を利用してそれを予測し、先回りして抑える」と語る。彼によると、それはテクノロジーのプロアクティブな使い方であり、現在のソフトウェアにおいては、問題のほぼ半分が、それらが問題になる以前に防止できるという。

モニタリングといえばSplunkやNew Relic、Datadogなどの名前が思い浮かぶが、しかしエッサイド氏によると、それらのプロダクトは企業のテクノロジースタックの一部分に固執し、それに対しInsightFinderはそのようなソリューションの1枚上の層(レイヤ)として働いて、ノイズにすぎないアラートを減らし、複数のアラートがあるときには問題の根源を突き止め、できるかぎり問題解決を自動化する。

エッサイド氏は「システムが発している大量の信号(兆候、予兆)を見て、それらから実際に起きている問題を判定するやり方は、我々が初めてだろう。アラートを減らして(アラートが出る前に)問題の早期発見を助けるだけでなく、すべてのデータを処理して人工知能により予測と予防を行う。そこまでやるモニタリング企業は、まだほかにないだろう」と語る。

現在の顧客はInsightFinderのソフトウェアをオンプレミスでインストールしているが、2020年にはSaaSバージョンを作って、より多くの顧客が利用できるようにするのが同社の計画だ。

同社は2015年にローンチし、今回の投資の前には米国科学財団の助成金を二度受けている。エッサイド氏によると、同社の製品は現在10社の大企業が利用しているが、まだ本格的な営業やマーケティング活動はやっていない。資金は、その活動に使う予定だ。

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1つのダッシュボードから300種超のストリーミングサービスを利用できるReelgood

ストリーミングのアグリゲーターのReelgood(リールグッド)は米国時間12月6日、ストリーミングの過剰ブームに乗じて、一般消費者が自分が今見ているものについて調べたり、次のお楽しみを見つけることを助ける総合的なダッシュボードを提供している。しかもその1000万件あまりのユーザーのアクティビティのデータを、Roku(ロク)やMicrosoft(マイクロソフト)、スマートテレビのメーカー、ニューヨーク・ポスト紙などの大企業、そしてさらにヘッジファンドにもライセンスしている。同社はこのほど、シリーズAで675万ドル(7億3300万円)の資金を調達し、その成長を今後も維持しようとしている。

そのラウンドをリードしたのはRuna Capitalで、Reelgoodにシード資金を提供したAugust Capitalが参加した。これでReelgoodの調達総額は1100万ドル(約11億9400万円)になる。

同社のアプリは、視聴者がストリーミングサービスで視ているテレビ番組を調べるTV TimeiTVJustWatchなどとある部分では競合するが、Reelgoodの方がカバー範囲は広い。同社のウェブサイトによると、調べるストリーミングサービスは336社、そして映画とテレビ番組の両方を調べる。TubiやCrackleのような無料サービス、テレビのメジャーなキー局、有料テレビの定期購読者のための「TV Everywhere」サービス(要認証)、そしてNetflix、Hulu、HBO、Amazon Primeなどのサブスクリプションサービスも含まれる。レンタルオプションの料金比較もできる。

検索とフィルタリングの機能が強力なので、新作、近未来作、そして廃版も含めてどんなタイトルでも見つけられる。ジャンルや制作と封切りの年度、Rotten Tomatoesにおける格付け、IMDBのスコアなど、いろんなものでフィルターできる。どんどん利用してサービスが個人化されると、次に見たいものを適切に推薦してくれる。

視たいものを見つけたら、単純にReelgoodのダッシュボード上で「play」を押せば、そのストリーミングサービスのアプリやWebサイトが立ち上がる。ユーザー自身は、そこへ行く努力をしなくてもいい。

Reelgoodによると、ストリーミングの総合ダッシュボードというコンセプトは極めて単純だが、実装は相当難しいそうだ。

Reelgoodのデータ担当ディレクターであるPablo Lucio Paredes(パブロ・ルシオ・パレデス)氏は「多様なストリーミングサービスとそれらのライブラリを一望化するサービスは、何百というデータソースから膨大な量の非定型データを収集し、機械学習と人間キュレーターを併用してリアルタイムでマッチングや組み合わせをやることだ」と語る。

しかもReelgoodは、データの質をアピールしている。300種あまりのサービスのうち、その98%は正確だそうだ。同社はそのデータを、パブリッシャーや検索エンジン、メディアプレーヤー、テレビ局、音声アシスタントなどのスマートデバイス、などなどにライセンスしている。今同社提供の生データやデータ分析の結果を有料で利用している企業は約50社だ。

例えばRokuは、Reelgoodのデータを使って自分の総合検索機能を提供している。ニューヨーク・ポスト紙は、その日のストリーミングの可利用性データをウィジェット記事で提供している。ヘッジファンドはストリーミングサービスに対する消費者の行動と、複数のカタログ間のコンテンツの移動を知るためにこのデータを見ている。

今年Reelgoodは、視聴率調査のNielsen(ニールセン)でグローバル測定の上級副社長だったMark Green(マーク・グリーン)氏をスカウトして、Reelgood Insightsと呼ばれるB2Bのデータライセンス事業を任せた。そのグリーン氏は「今後ますます、人が見るものは何でもネット配信になっていくので、その未来には巨大な収益機会がある。Reelgoodはそれを掴もうとしている企業だから移籍を決意した」と語る。

今回の資金を使って同社は、対象となるストリーミングのプラットホーム数を増やしていく。今回新たに契約した5社のスマートTVは、2020年に展開が始まる。でもReelgoodが名前を明かしたのは、LGだけだった。Reelgoodの本社はサンフランシスコにある。社員数は18名で、中にはリモートの社員もいる。目下、さまざまな役職を求人中だ。

関連記事:複数のストリーミングサービスからコンテンツを検索し、見たものを管理してくれるReelgoodが正式ローンチ

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アプリモニタリングのCoralogixがセキュリティロギングに事業を拡大

ロギングに自動化と知能を与えるスタートアップであるCoralogixが米国時間11月26日、シリーズAのラウンドによる1000万ドル(約10億8000万円)の資金調達を発表した。

このラウンドはAlephがリードし、StageOne VenturesとJanvest Capital Partners、および2B Angelsが参加した。同社によると、今回の資金調達によって総調達額は1620万ドル(約17億6800万円)になるとのこと。

CEOで共同創業者のAriel Assara(アリエル・アッサラ)氏によると、同社はロギングと分析にフォーカスしている。これまでの主なサービスは、従来からあるようなアプリケーションのパフォーマンスのモニタリングだったが、本日同社は、セキュリティのロギングも手がけると発表した。すなわち、ログを調べて異変を見つけたらその情報をセキュリティ情報とイベント管理(Security Information and Event Management、SEIM)のツールとシェアする。

アッサラ氏は、自社のサービスについて「Coralogixはスタンダードなログ分析により、ログデータの取り込みと解析、視覚化、警報、および検索を、大規模で安全なインフラストラクチャを用いて行う」と語る。同社はデータを分析するための各種アルゴリズムを独自開発し、ログデータを正常時のパターンと比較して、問題の認識と解決を自動的に行う。

「顧客のシステムの全体を自動的にモニタし、データを詳細に調べ、その動的状態を理解し、目の前にある問題の原因が分かるツールを顧客に提供している」とアッサラ氏。

例えばそのツールは、ユーザーのログイン、認証、アプリケーションやウェブサイトへのアクセスといった一連のイベント列を認識できる。そんなイベントは常に発生しているから、何かいつもと違うことがあれば、システムはそれを認識してその情報をDevOpsのチームと共有し、何かがおかしいと告げる。

同社のオフィスは、テルアビブとサンフランシスコ、キエフにあり、2015年の創業だ。すでに1500社の顧客企業があり、その中にはPostman、Fiverr、KFC、Caesars Palaceなどが含まれる。現在の社員数は30名だが、今後は営業とマーケティングを充実して顧客をさらに拡大したいとしている。今度の資金は、主にその方面に行く予定だ。

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ボット退治のKasadaがCIAのベンチャー部門から7.6億円超を調達

今年初めにTechCrunchでも紹介したボット退治のスタートアップであるKasadaが、CIAなど諜報機関のコミュニティによる非営利のベンチャー事業のIn-Q-Telらから、シリーズAラウンドで700万ドル(約7億6300万円)を調達した。In-Q-TelによるKasadaへの投資は、今回が初めてとなる。

シドニーとシカゴにオフィスを置く同社は、独自のボット退治プラットホームPolyformでネット上のボットたちと戦う。ボットはゴミの山ようなトラフィックでウェブサイトを麻痺させ接続不能にしてしまうだけでなく、買った覚えのないものを買ったことにしてしまったり、また航空会社やエンターテインメント企業のコンテンツを偽造して代金を下げたりする。ボットは企業に使った覚えのないウェブサーバーや通信帯域の費用を発生させる。

同社のボット撃退プラットホームは、顧客のウェブサイトの外縁に難攻不落の暗号の壁を作る。また、同プラットホームは、フィンガープリント技術を利用してビジターが人間であるか確認する。そしてボットを見つけたら、解のない数学パズルを解かせたりしてボットのオペレーターのサーバーやメモリなどクラウドリソースを酷使し、費用を発生させる。

KasadaのCEOで共同創業者のSam Crowther(サム・クロウザー)氏は「In-Q-Telからの支援は自分たちの技術とチームに対する『強力なお墨付き』だ」とコメントしている。

2015年にローンチした同社は、昨年の1年間で技術と営業の両方の人員を倍増し、現場担当の役員だったPascal Podvin(パスカル・ポドビン)氏を営業のトップに据えて売上増を狙っている。In-Q-TelのPeter Tague(ピーター・タグ)氏によると、彼はKasadaの技術に感銘を受けたと言う。

同社がシドニーにオフィスを開いたのは昨年の後期だったが、オーストラリアで初めての投資が今回のKasadaだ。これまでのIn-Q-Telの投資先は、エンタープライズデータのクラウドプラットホームClouderaやサイバーセキュリティの大手FireEye、オープンソースのデータベースMongoDB、監視用ソフトウェアのPalantirなどだ。

今回の700万ドルのラウンドでKasadaは、顧客ベースを拡大して、最近いよいよ厳しい競争に抜きん出たいと考えている。この資金調達の直前には、ネットワーキングとコンテンツデリバリーの大手Cloudflareが、ボット対策のための戦闘モードと呼ばれる機能を導入した。それは、Cloudflareの顧客が無料で使えるオプトインの機能だ。同社はその機能について、ボットが顧客を攻撃できないようにして欲求不満に陥れる、と言っている。

KasadaのCrowther(クラウザー)氏によると、Cloudflareのそのような自助努力を見ても、ボット対策サービスの重要性が分かる。でもKasadaは、他社が手を付けていない部分をやっている、という。

【編集部注】In-Q-TelはKasadaの最新の投資家だが、ラウンドをリードしてはいない。

関連記事:Bots are cheap and effective. One startup trolls them into going away(ボットを苦しめて退散させるKasadaの反撃技術、未訳)

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Kubernetesを使用したクラウド開発を容易にするGravitationalが27億円超を調達

このところますます、マルチクラウドの世界になるにつれて、クラウド間でのアプリケーションの移動という問題が生じてきた。この問題の解決を目指すGravitationalが(グラヴィテーショナル)は米国時間11月20日、シリーズAラウンドで2500万ドル(約27億円)の資金調達を発表した。

このラウンドはKleiner Perkinsが仕切り、S28 CapitalとY Combinatorが参加した。同社によると、これで同社の総調達額は3100万ドルになる。

Gravitationalの共同創業者でCEOのEv Kontsevoy(エヴ・コンツェボイ)氏によると、彼の会社はクラウドのポータビリティをめぐる2つの大きな問題を解決する。同氏は「互いに異なるクラウドプロバイダ間には当然違いがある。アプリケーションがそれぞれのクラウドへの依存性を持つからだ。アプリケーションはクラウドプロバイダーの能力に依存し、今日ではクラウドプロバイダーがそのインフラストラクチャの一部としているさまざまなミドルウェアソフトウェアに依存しているだろう」と語る。依存性、つまりディペンデンシーがあるから、新たなコードを書かずにアプリケーションを移動することが困難になる

そして彼によるもう1つの問題は、アプリケーションをクラウドにデプロイした後の、その後の管理と関係がある。それは大きなオペレーションチームを必要とする。しかし、大量の人材を簡単に集めることはできない。

これらの問題を解決するために、GravitationalはKubernetesに目を向ける。顧客は、Kubernetesを使ってソフトウェアを作るべきだ。それはオープンソースのソフトウェアで、しかもスタンダードだ。最初からクラウドのディペンデンシーの中で作る代わりに、完全にバニラ(原型のまま)のプログラムを作る。

コンツェボイ氏は「クラウドのことをまったく気にせずにアプリケーション開発をスタートする。最初から特定のクラウドのアカウントなんかあってはならない。アプリケーションがKubernetesの上で動くことを確認し、ソフトウェアのディペンデンシーのすべてをKubernetesの中へパッケージする。できるかぎりオープンソースのソフトウェアとオープンスタンダードを使うのだ」と語る。

彼によると、Kubernetesはアドミンの苦労がほとんどないソフトウェアを作らせてくれる。そしてそれから、GravitationalのGravityツールを使ってそのソリューションを単一のファイルへパッケージする。それならどんなクラウドへも、あるいはプライベートなデータセンターでもデプロイできる。1990年代みたいに、ソフトウェアをダウンロードで提供することすらできる。

彼の視界の中で企業は今、Kubernetesを使ってコンテナ駆動型のソフトウェアへ移行しつつある。そしてそうすることによって、個別のクラウドプロバイダーへのディペンデンシーをGravityなどのツールにより破壊できる。

本当にそのとおりなら、なかなか素晴らしい。Gravitationalは社員数20名で、有料顧客は約100社だ。同社は、GravityとGravitational Teleportという2つのツールをオープンソースで提供している。同社はY Combinator 2015の卒業生だ。

関連記事:ひとつのソフトウェアのクラウドバージョンとオンプレミスバージョンを単一のコードベースから開発できるGravitationalのデベロッパサービス

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マットレスの直販で成功したCasperのスタッフが今度は高級ドッグフードの直販に挑戦

ベッド用マットレスで成功したCasperの元メンバー3人が作ったスタートアップであるJinxは、CEOのTerri Rockovich(テリ・ロコビッチ)氏の言い方では「Casperのやり方」でドッグフードを売る。

同社はオールスターのような顔ぶれの投資家たちから565万ドル(6億1300万円)を調達した。その面々はInitialized CapitalのAlexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、Align Ventures、Brand Foundry、Wheelhouse Group、Will Smith(ウィル・スミス)氏と彼の家族、ラッパーのNas、歌手のHalsey(ホールジー)、YouTubeのスターで深夜番組のホストであるLilly Singh(リリー・シン)氏、テレビのパーソナリティーで元NFLのスターであるMichael Strahan(マイケル・ストレイハン)氏だ。

ロコビッチ氏はCasperで顧客獲得定着マーケティング担当の副社長だったとき、のちにJinxの共同創業者となるSameer Mehta(サメール・メタ)氏とMichael Kim(マイケル・キム)氏に出会った。3人とも犬大好き人間で、3人とも食べ物の好き嫌いの激しい犬に給餌した経験がある。そして3人とも、もっとミレニアル世代の消費者の感覚に合ったブランドに飢えていた。

しかしそれは、ふつうのドッグフードを変わったやり方で売ることでもない。ロコビッチ氏によると、米国では犬の56%が太り過ぎまたは肥満だ。そこで大きな栄養士団体から出向しているJinxの栄養士は、ほどほどにアクティブな動物のための、オーガニックなプロテインと起源が多様なプロテインと消化しやすい炭水化物から成るフードとおやつを開発した。

Jinx

Jinxの計画では、最初の製品を1月に発売する。ターゲットは、一定のライフスタイルを持った飼い主たちだ。例えば、アパートに居住、散歩を犬の散歩士に頼んでいる、ベッドで犬と一緒に寝るなどのライフスタイルだ。そして彼らに、これまで使っていたドッグフードの原料をよく調べるよう教育する。それは、Jinxで買ったものか、それともよそで買ったものか。

ロコビッチ氏は「身体の中に入ってライフスタイルの原動力になるものを作るのは、すごくシリアスな仕事である。私たちはそれを強く意識している。正直に言って、最初のスケジュールより遅れている。すべてを正しくやらなければならなかったから」と語る。

価格に関して同氏は「Jinxは高額商品になる」とコメント。高級ドッグフードのブランドをご存知の方のために申し上げると、それはBlue BuffaloとOrijenの中間ぐらいだ。ウェブサイトから消費者に直接売るが、ロコビッチ氏によるとCasper時代に学んだのは特にリテールの場合のIRLプレゼンス(In Real Life、オフライン性、実物性)の重要性だ。

関連記事:人間の食事並みの高級ドッグフードを犬の特性に合わせて調整するOllie

画像クレジット: Jinx

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エンタープライズ事業を売却したDockerが新たに40億円相当を調達し新CEOを任命

Dockerの多忙な一日の総仕上げとして同社は、以前からの投資家Benchmark CapitalとInsight Partnersから3500万ドルを調達したことを発表し、さらに、今年3人目のCEOとして長年同社のプロダクト担当最高責任者(Chief Product Officer, CPO)だったScott Johnston氏の任命を発表した。氏は、5月に退任したSteve Singh氏を継いだRob Bearden氏に代わり、Dockerの新CEOになる。

関連記事: Steve Singh stepping down as Docker CEO…Steve SinghがDockerのCEOを退任(未訳)

このニュースの直前にはMirantisが、Dockerのエンタープライズ事業を買収したことを発表した。そのことは控えめに言っても奇妙だが、Johnston氏によればDockerにはまだデベロッパー支援の部分で機会があるという。コンテナ化のためのエンジンとして定評のあるDockerはこれまで、適切なビジネスモデルを見いだせずに苦戦していた。

Johnston氏は声明でこう言っている: 「具体的には、クラウドサービスの拡張に資金を投じて、デベロッパーがアプリケーションの構築に用いる技術を手早く発見でき、アプリケーションをチームメイトやコミュニティと容易に共有できるようにしたい。そしてローカルでもクラウドでもKubernetesのどんなエンドポイントでもアプリケーションを円滑に動かせるようにしたい」。

前CEOのBearden氏はこう言っていた: 「既存のビジネスモデルを慎重に検討した結果、この方向(エンタープライズ事業の切り離し)を決めた。経営陣と取締役会を全面的に分析して得た結論は、Dockerには互いにまったく異なる2つの事業があるということだ。ひとつは活発なデベロッパー向け事業であり、他は成長中のエンタープライズ事業だ。両者で、プロダクトも財務モデルも大きく異なっている。このような分析結果により、会社をリストラして二つの事業を分離する決定に至った。それが顧客にとっても最良であり、Dockerの業界をリードする技術をさらに繁栄させることができるだろう」。

Crunchbaseのデータによると、今日の発表の前までに同社は2億7200万ドルあまりを調達している。そして今回はBenchmarkとInsightが3500万ドルのライフラインを投じて、オープンソースのDockerプロジェクトをベースとするビジネスに、再起の機会を与えようとしている。

関連記事: Kubernates利用のクラウドサービス、MirantisDocker Enterpriseを買収

画像クレジット: Ron Miller/TechCrunch

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43億円超を調達してHadoopから大ピボットを敢行したDatameerに投資家たちが期待

Datameerは、オープンソースのHadoop(ハドゥープ)プロジェクトに乗っかってデータ準備サービスを提供するスタートアップとして誕生したが、このほど4000万ドル(約43億5200億円)の投資を発表してHadoopからの大ピボットを敢行した。ただしこれまでと同じくビッグデータの仕事をしていくことには変わりない。

この投資は、同社の従来からの投資家であるST Telemediaがリードした。ほかにも既存の投資家Redpoint VenturesやKleiner Perkins、Nextworld Capital、Citi Ventures、およびTop Tier Capital Partnersらがこのラウンドに参加した。Crunchbaseのデータによると、同社の調達総額はこれで1億4000万ドル(152億3100万円)近くになる。

CEOのChristian Rodatus(クリスチャン・ロダトゥス)氏によると、同社の最初のミッションはHadoopをデータサイエンティストやビジネスアナリスト、それにエンジニアなどの人々にとって容易に利用できるようにすることだった。しかし昨年は、最大のHadoopベンダーである3社、ClouderaとHortonworksとMapRを不運が見舞った。その結果ClouderaとHortonworksは合併し、そしてMapRはHPEに安値で売られた

2年近く前に誕生したDatameerはこの状況を見て、自分も変わるべき潮時だと悟った。そこでまず、2つの新しいプロダクトの開発を始めた。これまでの顧客を失いたくはないので、同社のHadoopプロダクトの改造に着手し、それを今ではDatameer Xと呼んでいる。それは現代的なクラウドネィティブのプロダクトで、人気の高いオープンソースのコンテナオーケストレーションツールであるKubernetesの上で動く。HadoopではなくApache Sparkを使う。このピボットの3分の2は完了しており、すでに顧客の手に渡っている。

同社は、まったく新しいSaaSツールであるNeeboも発表した。これはデータサイエンティストに、どこから得たデータであっても処理できる能力を与える。ロダトゥス氏によると、これからはますます雑多なデータを相手にしなければならない。普通のデータもあれば、データアナリストやデータサイエンティストがPythonで書いたコードもある。SaaSのベンダーのダッシュボードにもデータがある。Neeboはこれらすべてをマネージドサービスの中でまとめて、データサイエンティストがインサイトを得られるようにする。TableauやLookerのようなデータ視覚化ツールも使える。数週間以内に一般公開できる予定だ。

このピボットをやり終えるためにも、今度の資金は重要だ。技術者を増員して工程を継続し、マーケティングと営業を充実して新製品を売っていきたい。楽にできるピボットというものはないけれども、でも投資家たちは同社が既存の顧客をベースに成長できる、と期待している。それに一般的にも、データサイエンスのためのツールにはこれからますますニーズがあるはずだ。同社の今後を見守りたい。

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理想のCMS開発運用環境としてサーバーレスを目指すWebinyが3700万円超を調達

英国ロンドンでサーバーレスのコンテンツ管理システム(CMS、Content Management System)を開発しているWebinyが、EUの投資企業Episode 1から34万7000ドル(約3700万円)のシード資金を獲得した。

Webinyの創業者であるSven Al Hamad(スベン・アル・ハマド)氏によると、Webinyはサーバーレスの環境用に作られた初めての本格的なCMSだ。「つまりWebinyはゼロからの完全に新規の開発であり、サーバーレスのファンクションの中でのみ動くアーキテクチャだ」と彼は語る。

同社はサーバーレスのウェブ開発ツールのニーズがあることに着目して、その構築を決意したアル・ハマド氏は「一点集中化がウェブ開発の未来だと信じているから、そのコミュニティを支援して思想を広めるために、最初のサーバーレスのコンテンツ管理システムを作り、それをオープンソースにした」と語る。

サーバーレスは、サーバーがないという意味ではない。その意味は、デベロッパーがサーバーなどのインフラストラクチャのリソースには一切配慮しないということだ。インフラの面倒はすべてクラウドのプロバイダーが担当し、何がどこにどれだけ必要かなどを判断して決める。インフラのスケールアップもダウンも自動的に行われる。

同氏が着眼したように、サーバーレスの理想的なユースケースはウェブサイトだ。彼によると、トラフィックが大洪水になるブラックフライデーのeコマースでは、クラウドサービスはニーズに対応してサーバーの容量をどんどん増やし続ける。サーバーレスのアプリケーションなら、デベロッパーから見てそれが完全に自動的に行われる。自分がサーバーを手作業で手配する必要がないし、トラフィックが落ち着いたときのリソースの削減についても同様だ。

サーバーレスの2大アドバンテージは、まず大きなDevOpsチームを確保して仮想マシンの確保などオペレーションサイドの作業をやらなくても済む。そしてデベロッパーはリソースについて悩む必要なく、自分の理想のウェブサイトを作ればいい。

「結果的にデベロッパーは新しいものを大量に速く作れるし、サーバーやネットワークの手配確保構成、ロードバランシングなどを一切やらないので、すべての時間をコンテンツの創造に費やせる」と彼は言う。

目下同社はユーザーのコミュニティづくりに専念しているが、今後は企業ユーザーにコンサルティングやサポートサービスも提供していきたいとのこと。

コンテンツ管理システムは、ウェブサイトを管理する低レベルのソフトウェアだ。有名な製品として、WordPressやDrupalなどがある。アル・ハマド氏によると、彼の企業のアイデアはニーズから生まれた。彼がある企業でウェブのデザインや開発をやっていたとき、既存のCMSに対するフラストレーションが溜まった。そしてデベロッパーが余計なことに時間と精力を取られない理想の開発方式としてサーバーレスに注目し、自分の会社Webinyを作ったのだ。

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オープンソースプロダクトをより使いやすくするツール開発のGrafana Labsが26億円超を調達

オープンソースのデータ可視化・グラフ化ソフトウェアであるGrafana(グラファナ)の商用利用をサポートするGrafana Labsが、シリーズAで2400万ドル(約26億円)の巨額を調達した。Lightspeed Venture Partnersがラウンドをリードし、Lead Edge Capitalが参加した。

CEOで共同創業者のRaj Dutt(ラジ・ダット)氏によると、同社はオープンソースのGrafanaツールに商用のレイヤーを提供するスタートアップとしてスタートしたが、今ではオープンソースのモニタリングツールであるLokiなど、そのほかのプロジェクトもサポートしている。LokiはPrometheusに似ているが、Grafana Labsの自作ソフトウェアだ。

同社はこれらのサービスを動員してデータソースに接続し、データをモニタしている。ダット氏は「Grafanaは、データがどこにあってもそれらに接続する。独自のデータベースであっても、オンプレミスのデータベースであっても、あるいはクラウド上のデータベースでもだ。Grafanaが同時に接続できるデータソースは42種類以上ある」と説明する。

でも同社は、それ以上のものに成長した。同社によるとそのプロダクトセットは「さまざまなプロダクトを単一の提供物へと統一している。それは、世界初のユーザーが自由に編成できるオープンソースの観測プラットホームであり、Grafanaを主軸としてメトリックスやログ、トレースなどのデータを一元的に扱える」。

実は、モニタリングとロギングの伝統的なツールであるElasticやNew Relic、Splunkなども、今年はそんな一元的な方向へ進もうとしている。メトリックスやロギング、トレーシングなどを一体化したデータ分析や可視化のことを観測ないし観測性(Observability)という言葉で呼んでいる。

Grafana Labsはオープンソースプロジェクトの商用部門で、その上に構築した2つのプロダクトがある。まずGrafana Enterpriseにはエンタープライズにフォーカスしたデータコネクターと、強化された認証とセキュリティ、そしてオープンソースよりも充実したエンタープライズクラスのサポートがある。

GrafanaのSaaSバージョンもあり、それは完全な管理を伴い、オープンソースのダウンロードやインストール、管理、アップデート、パッチなどに伴う面倒がない。面倒はすべて月額料金でSaaS側が見てくれる。

ダット氏によると、最初の5年間では外部資金を400万ドルを導入しただけだが、社員数100人、顧客数500社にまで成長できた。彼の自慢はキャッシュフローが現状でとんとんであることだ。

そして近年Grafana Labsは、そろそろ大きな資金を得て成長を加速すべき段階だ、資金がなくてできなかったこともできる、と決意した。ダット氏は「オープンソースのコミュニティとそのマインドシェアにより、企業価値創成の善循環ができている。それは、持続可能なビジネスを築けた、ということだ。今後はその循環を加速していきたいので、思い切った資金調達を行なった」と語る。

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FarmWiseの全自動除草ロボットが脱プロトタイプに向けて15億円を調達

農業の自動化は作業が多様だから難しいが、そんな中で良い仕事をしているロボット企業や自動操縦企業もいくつか存在する。例えば、投資家たちに関心を持たれたFarmWise(ファームワイズ)はこのたび1450万ドル(約15億円)を調達して、その自動運転除草車の開発を継続している。

今はまだプロトタイプだが、その車は大量の材木伐採労働者を運ぶ車両のように見える。でも実際にはかなり精密な装置で有害な雑草と作物を見分け、雑草だけを慎重に引き抜く。

FarmWiseのCEO Sebastien Boyer(セバスチャン・ボイヤー)氏は最新の資金調達を発表するプレスリリースで「1台のFarmWiseのロボットが1日に人口40万人ぐらいの中都市の人びとを養えるだけの作物の農地を除草できる。これからは、弊社の特許である植物検出技術をさらに拡張強化して、農家の除草処理量と作物の収量を増やしたい」とコメントしている。

おそらくこのロボットは最初、概念実証(Proof of concept、POC)も兼ねて、特定の作物向けに開発されデモされたのだろう。

そして今や概念実証には成功したようだ。Calibrate Venturesがリードした1450万ドルのラウンドは、そういう初期の成功の賜物。除草の自動化は決してやさしい問題ではないから、3年足らずで商用化にこぎつけたのはすごいことだ。農家も、テクノロジーが嫌いではない、実際に仕事をしてくれるならば。しかし、広大なモノカルチャーが大半を占めるアメリカの農家では、ちょっとした問題やエラーが大損害をもたらすこともある。

関連記事:自動運転除草機のFarmWiseがプロトタイプ製造パートナーにミシガン州の自動車企業を選ぶ

同社は以前、シードラウンドで570万ドルを調達した。それは2017年のAlchemist Acceleratorのデモデーでデビューした直後だった。ロボットは、なにしろお金がかかる!

今度の新たな投資でFarmWiseの脱プロトタイプと商用化に一層拍車がかかることが期待される。でもこれぐらいの金額では大量生産はまだまだだろう。どこかから大口注文を受けて、それが弾みになるといいのだが。

そしてまた、このずんぐりしたかわいらしい車は、AIの開発も重要だ。ボイヤー氏はこう述べる。「今後は、弊社のさまざまなロボットが作物のための専門医として活躍し、健康状態を常時モニターして適切な対策を教えるだろう」。

というわけでこの巨大林業マシンのようなプラットホームは除草を繊細に行うだけでなく、今後はアブラムシやカビもチェックして必要な治療を施すだろう。

そして作物に対する多様な検査ができるためには、同社はデータのエキスパートにもならなければならない。究極的に、農地の全作物の個体チェックができるなら、農家にとってこんなに嬉しいことはほかにない。

画像クレジット: FarmWise

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AmazonのDynamoDBにマシン効率で勝るScyllaDBとは?

オープンソースのデータベースはたくさんあるが、NoSQLのScyllaDBは、ほかならぬAmazonのユーザーを惹きつけることによって自らを差別化しようとする。米国時間9月11日に同社は、Amazonの顧客の同社製品への移行を促進するためにAmazonのDynamoDB用のマイグレーションツール(移行ツール)を発表した。

大胆な策だが、でもScyllaはフリーでオープンソースのプロダクトとその有料バージョンを軸としながら、常に大物プレーヤーのあとを追う性癖がある。この前は、分散NoSQLデータベースCassandraのユーザーをScyllaDBに移行させるためのツールを作った。

CEOのDor Laor(ドオール・ラオール)氏によると、DynamoDBの顧客は今やコードをほとんど書き換えずにScyllaDBに移行できる。「今日DynamoDBを使ってる人でも、その同じドライバーと同じクライアントコードを使える。というより、クライアントコードは1ビットたりとも変える必要がない。アクセスを、Scyllaが動いている別のIPアドレスにリダイレクトするだけだ」とラオール氏は言っている。

AmazonのDynamoDBのユーザーがわざわざScyllaDBに移行する理由な何だろう。同氏によると、ハードウェアをもっと効率的に使っているので高速かつ安価な体験を提供するからだ。ゆえに、同じワークロードを少ないマシンでしかも高速に動かせる。もちろんコスト低減に寄与する。

同社はシリーズCのエクステンション(追加)としてEight Roads Venturesがリードするラウンドにより2500万ドルを調達した。これまでの投資家Bessemer Venture PartnersとMagma Venture Partners、Qualcomm Ventures、そしてTLV Partnersも参加した。これでScyllaの調達総額は6000万ドルになる。

同社は創業から6年めで、今の顧客にはComcastやGE、IBM、Samsungなどがいる。ラオール氏によるとComcastはCassandraを400台のマシンで動かしていたが、Scyllaでは同じワークロードをわずか60台で動かせたそうだ。

ラオール氏のデータベース歴は長いが、それはCassandraやDynamoDBなど個別の製品を使うというレベルではない。彼によると「主な目標はデフォルトのNoSQLデータベースになることだ。ビッグデータやリアルタイムのワークロードを抱える人たちが、真っ先にScyllaDBを考えるようにしたい。そうやって、デフォルトになれるだろう」とのこと。

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APIの良質な文書を作るReadMeがログ利用でサービスを高度化

ソフトウェアにAPIがあると、さまざまなツールがお互いにコミュニケーションでき、デベロッパーは自分でコードを書かなくても便利なサービスにアクセスでき、そのソフトウェアをプラットホームとしても運用できるようになる。でも、APIを上手に使うためにはしっかりとしたドキュメンテーション(文書)が必要だ。APIのドキュメンテーションの制作を助けるその名もReadMeが、AccelがリードしY Combinatorが賛助するシリーズAのラウンドで900万ドル(約9530億円)を調達した。同社は、2015年冬季にY Combinatorを受講している。

今日の投資の発表前には、同社は2014年に120万ドルのシード資金を獲得しただけだ。それが今では3000社の有料顧客がいて過去7年黒字という、珍しいほどの好成績を収めている。しかし成功に酔うことのないCEOのGregory Koberger(グレゴリー・コーベルガー)氏は、今後は大型顧客の獲得に努め、より高度な要求にも応じるために今回のラウンドに至った、と控えめに言う。

しかも同社は近年、企業のAPIのログを分析して各種の情況に応じたドキュメンテーションを制作でき、またAPIの使い方がわかると、ユーザーが抱えるいろんな情況のカスタマーサポートにも応じられるようになった。でも、よその会社のAPIログを見るのだからデータのセキュリティが重要だ。今回の資金は主に、その方面に投資される。

コーベルガー氏は「当たり前のように、技術者を増やしサポートやデザイナーも増やす必要がある。しかしそれは何のためかというと、もっと大きな企業を相手にし、そのためにデータのセキュリティを強化するためだ。それを正しくやるためには、お金がたくさん必要だ」と語る。

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画像提供: ReadMe

彼によると、各企業のAPIログを利用できるようになってから、いろんな可能性が一挙に開けた。なぜなら、データが人びとのAPIの使い方を知るための貴重な窓になるからだ。彼は「サーバーのログからいろんなことがわかるから、すごい。誰かがAPIで問題を抱えていたら、ログを見て問題の様相がわかるのでデバッグができる。サポートチームにも、ログから顧客のAPIの使い方に関するいろんなことが分かる」と語る。

今回の投資をリードしたAccelのDan Levine(ダン・レーヴィン)氏によると、APIの成否の鍵を握るのは、良質なドキュメンテーションがあるかないかだ。「APIは技術的な統合を作り出すためにあるだけでなく、そのサービスを軸とするエコシステムを作り、企業間のパートナーシップの強力な糊にもなって、数十億ドルの価値を生み出す。だからReadMeは企業にとって、サービスである以上に戦略だ。クリーンで対話的でデータドリブンなAPIのドキュメンテーションがあれば、デベロッパーはそれで仕事をすることが好きになり、それは100社や1000社のパートナーシップにも値する」とレーヴィン氏。

ReadMeは2014年に創業された。今サンフランシスコのオフィスには社員が22名いるが、今回の投資で当然増えるだろう。

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アドテクには相関性より因果関係、ClearBrainが因果分析ツールを発表

どんなビジネスも、原因と結果を知りたがる。「誰かがXをしたから売上が増えたのだ」「売上が減ったのはYをしたからだ」などなど。そこで多くの企業がデータ分析に頼りたがるが、ClearBrainの共同創業者でCEOであるBilal Mahmood(ビラル・マフムード)氏に言わせると、これまでのアナリティクスは原因と結果に関する質問に正確に答えられない。

「今のアナリティクスのプラットホームはどれも相関モデルを基盤にしている」とマフムード氏は言う。それは、古典的な相関関係と因果関係の問題だ。データを利用して行為と結果を関連付けようとするが、そこから原因と結果の直接的な関連を導き出すことはできない。相関性は必ずしも因果関係を意味していない。

ClearBrainは、この問題を同社独自の「因果分析」(Causal Analytics)ツールで解決しようとする。同社のブログ記事によると「データの統計的処理の方は完全に自動化して、初めての大規模な因果推論エンジンにより、成長担当チームが各アクションの因果効果を測定できるようにする」とのこと。

このブログ記事はとても詳細だが、しかしその要点は、マフムード氏と彼にチームには、今まで誰にもできなかった正確な因果関係の導出ができるという主張だ。

ClearBrain analytics screenshot

そして同社はそれを、A/Bテストに利用する。顧客はClearBrainのデータを見て、次に何をテストするのかプライオリティを決める。そしてテストできない要素については、そのインパクトを推計する。それについてマフムード氏は「ウェブサイトやアプリケーションのすべての変数(変項)のインパクト、会話に対する実際のインパクトを知ろうと思ったら、数年はかかるだろう」と語る。

昨年TechCrunchがClearBrainを取り上げたときには、人工知能を使ってターゲティングを調整していたが、しかしマフムード氏によると、その後顧客の要望に応えて新しい分析技術を使うようになった。「顧客が知りたいのはその広告を見た人が実際に商品を買うか買わないかだけではなくて、買う、買わないとしたらなぜそうなのか、その原因を知りたいのだ」と彼は言う。

同社の因果分析ツールは今一部のアーリーアクセスユーザーが利用できるが、全面展開は10月を予定している。料金体系は何層かに分かれているが、スタートアップの多くは無料で利用できる。

因果分析ツールのアーリーアクセスと並行してClearBrainは今週、Harrison MetalとMenlo Venturesからの200万ドル(約2億1275万円)の新たな資金調達を発表した。

関連記事:中小企業や商店にAI利用のターゲットマーケティングをお安く提供するClearBrain

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ローコードクラウドの成功には効果的なアドミンツールが必要

ローコード(low-code)プログラミングで会社の仕事は楽になる、と思われているのか? ローコードは、高価なソフトウェアエンジニアがいなくても、よく訓練されたアドミニストレーターがいればいろんなタスクを処理できる、という意味だが、テクノロジーによる問題解決には必ず、予期しなかった結果がつきまとう。自分の会社Steelbrickを2015年に3億6000万ドルでSalesforceに売ったMax Rudman(マックス・ルドマン)氏は、ローコードのデプロイメントにつきものの、ある問題に気づいていた。彼はそれをオートメーションとテストでフィックスできると確信して、Prodlyを立ち上げた。

同社は米国時間7月31日に350万ドルのシード資金を獲得したが、お金より重要なのは顧客の動勢だ。きわめて初期段階のスタートアップでありながら、同社にはこのプロダクトを使う顧客がすでに100社いる。ルドマン氏が気づいていたとおり、同じ問題を抱える企業がとても多いのだ。そして彼らは、Prodlyのアイデアの市場でもある。

彼が前の会社で学んだのは、データを有効に生かせる経営を志向して企業がSalesforceのようなプラットホームの顧客になったとしても、それは単に旅の始まりにすぎないことだ。サービスの構成や料金体系がよくアップデートされる企業では、その情報に結びついているすべてのテーブルをアップデートしなければならない。たしかにローコードではクリック一発ですむ約束だったはずだったが、48ものデーブルをアップデートしなければならないとなると、楽な仕事とは言えない。

Prodlyの基本的な考え方は、まず、構成のほとんどを自動化する。得られる情報が正しいかをテストする。そして最後は、デプロイの自動化だ。目下同社は構成の自動化に開発努力を集中しているが、資金が得られたのでテストやデプロイにも手を付けられる。

ルドマン氏は、同社のソリューションがSalesforce専用ではない、と念を押す。最初はSalesforceのアドミンをねらうけど、そのほかのクラウドサービスのユーザーでも、訓練されたアドミンを酷使してあちこちいじっているところがとても多い。

ルドマン氏は「Salesforceは取っかかりだけど、同じ問題がほとんどのクラウドプラットホームにある。ServiceNowでもWorkdayでもどこでも、うちがアドミン用に作ろうとしているようなツールがない。アドミンの生産性を上げるためには、彼らが複雑なアプリケーションを効率的に管理できるためのツールを提供しなければならない」とも語る。

今の顧客の中には、Nutanix、Johnson & Johnson、Splunk、Tableau、それにTechCrunchのオーナーであるVerizonなどがいる。350万ドルのシードラウンドはShasta Venturesがリードし、Norwest Venture Partnersが参加した。

関連記事: Salesforce”Quote-to-Cash” SteelBrick3.6億ドルで買収

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セールス業につきまとう悪いイメージを一掃するBravado、13億円を調達

あなたがご存知の営業成績トップの人って、どんな人?

その人は、あなたが尊敬している人?ではないだろう、たぶん。このほど、Redpoint VenturesやFreestyle Capital、Precursor Ventures、Village Global、Kindred Venturesなどから1200万ドル(約13億円)を獲得してステルス状態を卒業したBravadoは、今の社会に蔓延している営業軽視、ときには蔑視の風潮を変えようとしている。

BravadoのファウンダーでCEOのSahil Mansuri(サヒル・マンスーリ)氏は、最初の仕事がセールスだった。優秀な学生だったが、父親の健康問題のため、大学を出たらすぐに本格的に金を稼がなければならなかった。大学の就職相談員がセールスはどうかと勧めたとき彼は、うるさい電話セールスたちでいっぱいのオフィスを想像した。自分が生まれ育ったサンフランシスコのB2B企業で高い給料をもらっているセールスの姿は思い浮かばなかった。

マンスーリ氏はその後、セールスという仕事に愛着を持つようになり、その職業のイメージを高める企業Bravadoを創ることになる。しかしそうやって自分のベンチャーを始める前は、彼はeBayが買収したSalesPredictの副社長だった。そこは、データを利用して顧客の購入行動やセールスの成功率を予想する企業だ。そしてその前にいたGlassdoorでは、成績トップのセールスマンになった。そこは、求人求職情報の一環として匿名ないし口コミの企業レビューを集めているプラットホームだ(2018年に日本のリクルートが買収)。

マンスーリ氏の両親はインドからの移民で、彼がセールスというキャリアを選んだことに最初は反感を示した。でもその後は、考えを変えてくれた。彼の現在の望みは、一般社会がセールス、営業という仕事にもっと好イメージを持ってくれることだ。

彼は「僕の家族はセールスの見方を変えてくれたけど、でもぼくのこれまでの人生の中では、仕事がセールスであることはネガティブなスティグマだった。そのスティグマを抱えて生きることが、僕の人生だった」と語る。

「セールスは人が憧れる職業ではない。偉大なエンジニアやプロダクトマネージャーには誰もが憧れるけど、セールスで偉大になった人は一人もいない」。

Bravado Community

Bravadoは収益化の方法がまだ決まっていないが、当面はネットワークの構築に力を入れる計画だ。現在、営業のプロたちはBravado Credibility Scoreという評価システムを利用して自分の信用度を上げている。その元になるのは、彼らのBravadoプロフィールに記録されている顧客の証言だ。今後は、ネットワーキングのイベントやワークショップを通じてセールスのワーカーたちがキャリアを開発展開できるようにしていきたい。

次世代のセールスのプロを育てることも、Bravadoの重要な事業だ。マンスーリ氏によると、米国の上位100大学のどれにも、セールスの学部や学科がない。だから学生たちは、セールスのエキスパートになろうという意欲を持てない。しかしBravadoにはセールスのメンター事業があるので、その受講者たちにはセールスについて学ぶカリキュラムや、企業に営業として配置される機会、そして、目下成長中のセールスのプロたちのネットワークに加わる機会が提供される。マンスーリ氏はそれを、「セールスのプロフェッショナルになるための入門課程」と呼んでいる。

営業チームにとっては、ダイバーシティも重要だ。セールスという仕事が男子会的なイメージを持たれがちなのも、男が支配している世界だからだ。米国の場合、女性は25%未満であり、LGBTQの人たちはほとんどいない。Bravadoはコンテンツを工夫することによってこの問題に光を当て、セールスのコミュニティに新しい顔を招き入れようとしている。

マンスーリ氏は「最良の人材が、その外見がどうであっても、『私はセールスをやってみたい、今やそれは立派なキャリアだから』と言えるような世界を作りたい」と説明する。

Bravadoのコミュニティには現在、SalesforceやLinkedIn、Microsoft、Slack、WeWork、Uber、Oracle、IBMなどなどからの5万名のメンバーと1000のセールスチームが参加している。同社は最近、Redpoint VenturesのAlex Bard(アレックス・バード)氏とAnnie Kadavy(アニー・カダヴィー)氏がリードするシリーズAのラウンドで850万ドルを調達した。その大半は、コミュニティの拡大に使われる予定だ。収益化については、今後の一連の「有料プロダクト」に乞うご期待というところだそうだ。

Bravadoが上記のような目標を達成するには、一般社会が抱いている営業やセールスに対するステレオタイプなイメージを改める活動も重要だ。また、米国全土の学生たちに、セールスという分野を見直し、専攻課程として積極的に参加してもらう働きかけも必要である。

マンスーリ氏は曰く、「セールスは、就活落ちこぼれのキャリアだと思われている。私たちは、セールスという専門職に尊敬と信用をもたらし、すばらしいキャリアのひとつとして新たな定評を確立したい」。

関連記事: Showpad, a sales enablement platform for presentations and other collateral, raises $70M(プレゼンテーションでセールスを助けるShowpad、未訳)

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データでなくアクティビティから企業を分析するHeapが約60億円を調達

HeapのCEOを務めるMatin Movassate(マタン・モヴァサト)氏は、同社を創ったときから、アナリティクスの既存勢力に挑戦すると言っていた。米国時間7月23日に同社はシリーズCで5500万ドル(約60億円)の調達を発表し、彼の挑戦にはさらなる資金が投入されたことになる。

モヴァサト氏は以前Facebookのプロダクトマネージャーだったが、HeapのシリーズBのときのインタビューでは、その頃を思い出して、あの回りくどいやり方ではもっぱらユーザーデータを集めて分析するんだとコメントしていた。それとは対照的にHeapは、ユーザーのアクティビティに関するデータを自動的に集める。目標は、文字通り何もかもを捉えて、それをセルフサービス方式で利用できるようにすることだ。自動的なデータ収集なので、ユーザーに質問をしたりするコードはまったくない。

すでに顧客は6000社以上いて、その中にはTwilioやAppNexus、Harry’s、WeWork、Microsoftなどもいる。今回のシリーズCを含めて、Heapの調達総額は9520万ドル(約103兆円)になる。資金は国際的な成長に投ずる計画であり、プロダクトとエンジニアリングと営業も拡張したい。

シリーズCをリードしたのはNewView Capitalだ。同社への投資に新たに参加したのが、DTCP、Maverick Ventures、Triangle Peak Partners、Alliance Bernstein Private Credit Investors、Sharespost、既存の投資家がNEA、Menlo Ventures、Initialized Capital、そしてPear VCとなっている。NewViewのファウンダーでマネージングパートナーのRavi Viswanathan(ラヴィ・ヴィスワナータン)氏が、Heapの取締役会に加わる。

そのヴィスワナータン氏は声明文で「Heapは企業の経営分析の自動化に革新的なやり方で取り組み、それにより組織内のさまざまなチームが、学習し、よりスマートな意思決定ができるためのデータを取得できる。最先端のソフトウェアを開発し続けているHeapと組めることは大変喜ばしく、そのアナリティクスのオートメーションは今後さらに成長して、ますます多くの顧客に奉仕していくことだろう」とコメントしている。

画像クレジット: Heap

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ソニーが200億円のファンドを立ち上げてテクノロジー系スタートアップに投資

ソニーは、スタートアップへの投資に注力しようとしている。この日本のテクノロジー大手は、200億円を調達して「高成長の重要産業」に属する企業に投資していくと発表した

ソニーは2016年にもファンドを立ち上げたが、今回のはInnovation Growth Fundと呼ばれ、他との共同事業になる。メインのパートナーは大和証券のVC部門である大和キャピタル・ホールディングスだが、これまで確認されている初期のLPの中には住友三井銀行、大阪商工信金銀行、三菱UFJリース&ファイナンスなどがいる。これまで得られた調達額は公表されていないが、まだ満額ではない。

ソニーによると、この前のファンドは40件あまりの投資を行い、今ではソニーよりも資金力のあるIGFが引き継ぎテクノロジー系スタートアップへの注視を続けている。

長期的目標のひとつは、そのポートフォリオ企業の上場を支援していくことだ。その意味で、企業の上場に関する大和の専門的能力が生かされることになる。一方ファンドの計画としては「著名な研究機関」やそのほかのテクノロジー企業とのリンクを開き、スタートアップの経営が軌道に乗るよう支援していく。そのやり方はなんとなくソフトバンクのビジョン・ファンドのようでもあるが、ただし1000億ドルには遠く及ばない。

大和証券の常務取締役を務める金子好久氏は、声明の中で次のように述べている。「最新技術に関するソニーの知見と大和証券グループの金融業における専門的能力が統合されれば新しい種類のベンチャーキャピタル事業が作られ、ベンチャーキャピタルのエコシステムに新しいトレンドによる活気をもたらすと信じている」。

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イスラエルのセキュリティスタートアップがシード段階で7億円超調達

クラウド上のセキュリティサービスを提供するイスラエルのOrca Securityが、YL Venturesがリードするラウンドで大金650万ドル(約7億500万円)を調達した。このイスラエルのVCは、主にセキュリティ専門のスタートアップへの投資に力を注いでいる。

大金と書いたのは、これがシードラウンドだからだ。しかしCheck Point Securityの役員だった二人が創業した同社は、クラウドに置かれたアプリケーションを、エージェントを使わずにセキュリティを確保するという困難な問題に挑戦している。

同社の共同創設者でCEOであるAvi Shua氏は次のように説明する。「Orcaはクラウドネイティブのセキュリティプラットホームだが、顧客のクラウドネイティブアプリケーションと、クラウドへ移行させたレガシーアプリケーションの両方の安全をエージェントを必要とせずに護る。そのために用いる「SideScanning」というコンセプトは、デプロイされているソフトウェアスタックの全体を(深海調査のサイドスキャンソナーのように)漏れなく調べ、脆弱性や非推奨またはバージョンの古いソフトウェア、構成の間違いなどのリスクを見つける」。

このアプローチは、デベロッパーがコンテナに収めたアプリケーションをKubernetesを使ってクラウドでローンチする場合にはうまくいく。まさに、エージェント不使用のアプローチだからだ。

Orcaのダッシュボードのスクリーンショット

競合する既存のセキュリティベンダーにはRapid7やTenableなどがいるが、Orcaはもっと現代的なアプローチでクラウドのセキュリティの構築に努める。それはクラウドネイティブのために完全に新しく作られたセキュリティサービスだ。Shua氏はこう語る。「うちはデータセンター用の既存のセキュリティソフトウェアの転用はしない。だからうちでは顧客自身のクラウドネイティブのワークロードの分析とセキュリティ確保ができるだけでなく、クラウドへ移行されたレガシーのワークロードや、両者のハイブリッド環境でも十分に扱える」。

同社の場合、創業は2019年だからシード資金の獲得としても相当に早い。現在社員は15名で、ベータの顧客が数社いる。プロダクトを完成し、顧客の現代的なソフトウェア方式が抱えるセキュリティ問題の解決に本格的に寄与貢献していきたいと同社は願っている。本日の資金調達は、それに向かっての歩みを助けるだろう。

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腸内細菌の正常化で病気を治すWhole Biomeが2型糖尿病向け製品をリリース

マイクロバイオーム(体内微生物相)の応用企業Whole Biomeが、シリーズBで3500万ドル(約37億8000万円)を調達した。投資家はSequoia、Khosla、True Ventures、Mayo Foundation、AME Venturesなどなど、大物揃いだ。資金調達の目的は、微生物の力で人間を健康にし、病気を治すことだ。

数年前から医学は、マクロバイオティックスとしても知られるこれらの微生物によって確保促進される腸の健康の重要性に着目してきた。そして今ではスタートアップたちがベンチャー資金を使って、新しいアイデアを次々と生み出している。

Whole Biomeの協同ファウンダーでCEOのColleen Cutcliffe氏はこう語る。「今は人類の歴史の上で、今しかないと言えるほどの希少かつ貴重な時期だ。そこではマイクロバイオームが最先端のテクノロジーおよび生物情報科学(バイオインフォマティクス)と合体して、まったく新しい分野の革新的な健康産業が生まれようとしている」。

DNA配列企業Pacific BiosciencesにいたCutliffeが、パートナーのJim BullardやJohn Eidと共に作ったプラットホームは、マイクロバイオームのさまざまな母集団の情報を計算によって求め、それらの遺伝子解析により、患者のフローラの欠陥と健康問題の関連を見つけ出そうとする。

今回の新たな資金の用途は、2型糖尿病を管理するプロダクトを立ち上げることだ。

市販されている糖尿病の処方薬の多くが、胃の不調やめまい、発疹、アルコールの消化不能など、副作用を伴う。しかしWhole Biomeによると、同社の製品には副作用がまったくない。

すでに本格的な治験を済ませ、2020年に発売予定のその製品は、特殊なプロバイオティクスを患者の腸にリリースし、血糖値スパイク(食後過血糖)を減少させる。

SequoiaのパートナーRoelof Bothaは語る。「Whole Biomeは新しい病気治療目的のマイクロバイオーム投与法を作り出しつつある。それによって、今日の人びとが直面している多くの重大な健康問題を改善できるだろう。彼らが作り出した学際的で統合的な方式による研究開発および商用化の手法により、複雑なマイクロバイオーム的生物学が開錠され、臨床効果と他に類のない安全性を併有する製品が作られている」。

Whole Biomeのこれまでの調達総額は5700万ドル(約61億5600万円)である。

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