「夏休み、こどもは1.2倍勉強する」コクヨがIoT文房具の分析データを公開

しゅくだいやるきペン

コロナ禍2回目の夏休み、「小学生はふだんより勉強に取り組んでいた」傾向があったことをコクヨが8月31日に発表しました。

同社の「しゅくだいやる気ペン」は、鉛筆に取り付けて使うIoT文房具。勉強したことをスマホのアプリで「やる気パワー」として見える化してくれるので、親は見ていなくてもこどもの努力が数値でわかり、こども勉強時間が見えるので学習意欲を高めるきっかけとなります。2020年「第14回キッズデザイン賞」(子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門)を受賞しました。

3000人もの利用データから、夏休み中は朝9時から10時をピークにした朝型勉強の傾向が強く、夏休み前よりも20%ほど勉強時間が長いことがわかりました。ユーザーアンケートによると、半数以上が「しゅくだいやる気ペンが夏休みの勉強に役立った」と答えていて、IoT文房具の効果が出ていることがわかります。

yaruki

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いっぽうで、アンケートによると、約半数が毎日勉強する「コツコツタイプ」で、夏休み終盤にギリギリで宿題を終える「ラストスパートタイプ」はわずか13%でした。昭和世代の身としては、令和の時代であっても「ラストスパートタイプ」はもっと多いような気がします。来年はこのあたりもIoT文房具でデータを取っていただければと。

猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始

猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始

RABOは8月23日、普段利用しているトイレで猫の体重とおしっこやうんちの量・回数などを自動で記録する健康管理デバイス「Catlog Board」(キャットログ・ボード)の一般販売を開始したと発表した。またiPhoneアプリAndroidアプリの機能アップデートを行った。

デバイスの本体価格は1万6280円(税込)で、アプリ利用料月額580円(税込)の猫バカプランの利用が必須。首輪型デバイス「Catlog」およびCatlog Boardどちらも1つの共通のアプリで利用可能で、デバイスを併用しても月額料金は1オーナーにつき月額580円となる(複数の猫がいる場合も月額料金の追加課金はない)。猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始

RABOによると、猫の場合7匹に1匹以上が泌尿器の病気にかかっているというデータもあり、排尿の状態を管理することは、すべての猫にとって重要という。しかしトイレを変えるだけでおしっこやうんちをしてくれなくなったり、別の場所で粗相をしてしまったりする例があるそうだ。そこでCatlog Boardでは、トイレや猫砂などを変えることなく、普段利用しているトイレの下に置くだけで毎回自動で猫様の体重データと排泄量・トイレ回数のデータを取得し、インターネット経由でCatlogアプリに表示するようにした。

猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始

またCatlog Boardは、これら体重推移などの計測データを記録しておくことが可能。子猫の成長記録から、シニア期の体重コントロールまで、一生涯利用できるとしている。また、避妊去勢手術の後に太ってしまった猫や、糖尿病や関節炎などの病気でやせなければならない猫のダイエット管理も行えるとしている。

さらに同社調査によると、猫と一緒に暮らす世帯の約4割が多頭飼い、つまり2匹以上の猫と暮らしていることから、Catlog Boardは多頭飼いに対応しているという。それぞれのお気に入りトイレの下にCatlog Boardを置いておくと、猫個別の体重や排泄量、トイレの使い方のクセなどの複数の指標から、識別タグやカメラがなくてもCatlog BoardのAIがどの猫がトイレを使ったのかを学習して判定する。猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始

ちなみに、1世帯あたりの平均飼育頭数も年々増えており現在は約1.8匹と、猫は多頭飼いの傾向にあり(ペットフード協会 全国犬猫飼育実態調査)、トイレの数は猫様数×1.5が理想の数といわれているという。

このほかCatlog Boardは、市販の乾電池や充電池で約6ヵ月間利用可能。また防水対応のため、万が一おしっこが漏れてしまった時にも安心という(完全防水・完全防塵対応ではない)。完全コードレスのため、紐状のものが大好きな猫が、電源コードにじゃれついたりかじったりする不安もないとしている。猫用トイレの下に置くだけで体重やトイレ回数・量・滞在時間を自動記録するIoTデバイス「Catlog Board」の一般販売が開始

デジタルツイン関連技術・サービスを展開する企業をまとめた「デジタルツイン 業界カオスマップ」2021年8月版

  1. デジタルツイン関連技術・サービスを展開する企業をまとめた「デジタルツイン 業界カオスマップ」2021年8月版公開

デジタルツインプラットフォームの開発・提供を行うSymmetry Dimensions(シンメトリー・ディメンションズ)は8月19日、2021年8月版「デジタルツイン 業界カオスマップ」を発表した。

2014年10月設立のSymmetry Dimensionsは、空間・都市向けデジタルツイン構築およびプラットフォーム開発を行う企業。空間や都市における人流・交通・IoT・BIM/CIMなど様々な種類のデータをプラットフォーム上で統合・解析することで、誰もが簡単にデジタルツイン上での仮説・検証・計画を行うことを可能にするとしている。

デジタルツインとは、物理空間に存在する場所や事象について、IoTデバイスなどを用いてデータ化しデジタル空間上に再現することで、分析・予測などを可能にする技術。データを活用した業務の最適化を行う方法として、製造業や建設業、スマートシティなど様々な分野での活用に注目が集まっているという。

同社は、2021年8月版「デジタルツイン 業界カオスマップ」とともに、デジタルツインの市場動向およびテクノロジーのうち、特にトレンドとなっている注目すべき重要なキーワードを解説している。

「オープンデータ」の加速

デジタルツインやスマートシティを構築する基盤として、世界中の国や自治体でオープンデータ化の取り組みが加速している。米国政府機関や州・都市などが保有する公共データを一元的に管理提供する「Data.gov」では、2009年の発足当初47件だったデータが、現在では6570倍の約31万件に増大。日本国内では2021年3月に公開された国土交通省の3D都市モデル「Project PLATEAU」(プロジェクト・プラトー)、静岡県の3D点群(Pointcloud)データベース「Virtual Shizuoka」など、3Dデータを中心としてオープンデータ化が進んでいる。

「製造」「建設」業界が先行するデジタルツイン

従来から3Dデータを利用していた製造・建設業界は、デジタルツイン化への対応も早く、これらのニーズに応じたデジタルツイン構築やサービス提供を行う企業が増加している。また、製造業界では自社開発でシステム化を進める企業が多く見られる一方、建設業界では外部テクノロジー企業との協業によるシステム化を進める傾向にある。建設業界においては、今後もスタートアップをはじめとした様々な企業からデジタルツイン開発への参入が活発になるとしている。

業界を横断した「汎用型」プラットフォーム(Cross-Industry)

スマートシティに代表される都市型デジタルツイン領域では、業界を横断した汎用型のデジタルツインプラットフォームが登場。これは、IoTセンサーの普及による現実空間のデータ収集が増大したこと、iPhoneをはじめ身近な製品がLiDARセンサーを採用するなど現実世界をデータ化する流れが加速していることで、従来は3Dデータを使用していなかった企業においてもデジタルツインの構築・利用が可能になってきたためという。

「マルチエクスペリエンス」

デジタルツインの活用では、企業や組織のあらゆる関係者が、場所を問わず、より迅速に現在の状況を把握・共有し、次の行動につながる意思決定を行う必要があるという。Symmetry Dimensionsは、そのためウェブブラウザー・スマートフォン・xR(拡張現実、複合現実)を組み合わせたマルチエクスぺリンス化が加速するとしている。ウェブブラウザーを基点としたクラウドベースのデジタルツインプロダクトは今後さらに増大するという。

デジタルとフィジカルの双方向での共有・連携

現実空間の位置情報に基づき、永続的に情報を保存し、ユーザー間での共有を可能にする技術である「AR Cloud」の進化と、コロナ禍により、あらゆる業務の「デジタルファースト」のプロセスが加速し、デジタルツインと物理空間の双方向でのデータ共有・連携が進むという。これによりデジタルツイン上で行われた意思決定の迅速な現場への反映と、最適化された従業員エクスペリエンスを提供をするようになるとしている。

一般的なAIモデルを10分の1に圧縮できるというLatent AIが約21億円調達、IoT、エッジAIへの活用に期待

およそ1年前、TechCrunchのBattlefieldコンペティションの最中に、Latent AI(レイテントAI)がひと握りの投資家たちに向けてプレゼンを行った。Latent AIはカリフォルニア州メンローパークに拠点を置く現在3歳の企業だ。同社はそのコンペティションでは勝つことができなかったが、その後他の投資家たちからの興味を惹きつけることに成功した。同社はこのたび、Future VenturesとBlackhorn Venturesが主導しBooz Allen、 Lockheed Martin、 40 North Ventures、Autotech Venturesが参加したシリーズA資金調達で、1900万ドル(約21億円)を調達した。これで同社は、合計で2250万ドル(約24億9000万円)を調達した。

支援者たちは、何に対して資金提供を行っているのだろうか?同社は、ハードウェアの制約やエッジデバイスに通常見られる安価なチップに影響を受けず、エッジAIニューラルネットワークをトレーニング、適応、展開するように設計されたソフトウェアを開発しているという。また、環境や運用状況に基づいて、電力を節約し必要なものだけを実行できる「注意メカニズム」のおかげで、精度を大幅に落とすことなく、一般的なAIモデルを10分の1に圧縮できるのだともいう。話はそこで終わらず、そのソフトウェアの利用者(エッジデバイスの開発者)が、ほぼ待ち時間ゼロですべてを実行できることを約束している(「待ち時間=レイテンシー」がゼロになるというところから会社名が来ている)。

ベテランの投資家でFuture Venturesの共同創業者のSteve Jurvetson(ステーィブ・ジャーベットソン)氏が、考えられる応用について語っている。「防犯カメラや家電製品の中で顔検出アルゴリズムがローカルに動作したり、Siri(シリ)のような音声インターフェースがネットワークに接続されていなくても瞬時に動作したりすることを考えてみてください」。

確かに、Latent AIが開発している種類の技術を必要としている市場は成長している。実際、さきほど行ったインタビューで、共同創業者でCEOのJags Kandasamy(ジャグス・カンダサミー)氏は、詳しく語ることは拒んだものの、Booz Allen(ブーズ・アレン)氏のような戦略的投資家のおかげもあって米国政府がすでに顧客であることを示唆した (2021年7月のプレスリリースに掲載されたブーズ・アレン氏のLatent AIへの投資に関する記事の中で、とある政府サービス機関のSVPが「データを収集、分析、迅速に処理する能力が米国の国防戦略の中核である」と述べている)。

また別の戦略的投資家であるLockheed Martin(ロッキード・マーティン)は、米軍の陸、海、空、宇宙、サイバー、電磁スペクトルの各ドメインにわたる状況認識を改善するために役立つAIテクノロジーを見つけることに強く焦点を当てているため、同スタートアップへの魅力を簡単に理解できる。

カンダサミー氏はまた、とあるスキーメーカーが、Google Glass(グーグルグラス)のような拡張現実ゴーグルでLatent AIの技術を使用していることについて語り、Latent AIが消費者マーケットでもチャンスを探っていることを示唆した。

もちろん、現在世界がデータ収集デバイスで溢れていること、そしてそのデータを遠くのクラウドとの間でやり取りすることなく実行可能にすることに大きな関心が寄せられていることを考えると、Latent AIと同じ目的を持つ企業やプロジェクトは多い。その中の代表的なものには、TensorFlow(テンソルフロー)のようなオープンソースツール、Xilinx(ザイリンクス)のようなハードウェアベンダー、 OctoML(オクトML)やDeeplite(ディープライト)のようなライバルのスタートアップがある。

カンダサミー氏は、それらのすべてが、何らかの形で不足しているのだと主張している。TensorFlowについては、それを利用する開発者は、本番環境へのデプロイに関してはコミュニティのサポートしか受けられないと彼はいう。世界のチップメーカーについては、彼らは自分たちのハードウェアに焦点を合わせていて、垂直統合されていないという。ではその他のライバルたちはどうだろう?彼らは、圧縮またはコンパイルのどちらかに焦点を合わせていて、両方に注意を向けてはいないとカンダサミー氏はいう。

いずれにせよ、Latent AIには、投資家が好むような裏話がある。連続起業家のカンダサミー氏は、その最後のスタートアップをAnalog Devices(アナログデバイシズ)に売却した後、2018年にSRI International(SRIインターナショナル)の客員起業家(EIR、entrepreneur in residence)となった。そこで彼はすぐに、同研究機関の技術ディレクターを10年近く務め、低電力高性能コンピューティング、コンピュータービジョン、そして機械学習を専門とするSek Chai(セック・チャイ)氏によって開発された技術に驚かされた。その後すぐに、カンダサミー氏はチャイ氏にLatent AIの創業を促し、存在する障壁を取り除き始めた。

さて、こうして新たな資金と、少数ではあるが増えつつある顧客(サブスクリプションベースでツールアクセスし最終的にはオンプレミスに展開を行う)を前にして、Latent AIに突きつけられた問は、現在の15人の体制が現在および将来のライバルに先んじるために、十分な力と速さを持っているのかということだ。

ジャーベットソン氏は、もちろん同社が良い位置にあると考えている。彼は、SRI Internationalの諮問委員会メンバーを10年以上務めており、Siriのような多くのテクノロジーが開発され、組織からスピンアウトされるのを見てきた。

「これは私が投資した唯一のものです」と彼はいう。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Latent AISRI InternationalエッジAIIoT

画像クレジット:NicoElNino/Getty Images

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(文: Connie Loizos、翻訳:sako)

ソフトもハードも開発するIoTスタートアップobnizインタビュー、第2回目TC HUBイベントレポート

2021年3月に開始したスタートアップとその支援組織、そしてTechCrunch Japan編集部をつなぐSlackコミュニティ「TC HUB」。人気記事の登場企業をゲストに、Startpassの小原氏がモデレーターとしてインタビューをしていく第1回イベントは2021年5月に開催されたが、その第2回が同年7月30日に開催された。今回もバーチャルコミュニケーションプラットフォームのoVice上での開催となり、セッション後にはゲストを交え、参加者同士の交流が行われた。

今回ゲストは、こちらの人気記事に登場するobnizのCEOである佐藤雄紀氏と共同創業者の木戸康平氏。2人とも小学生の頃からプログラミングやハードウェア開発に取り組み、早稲田大学創造理工学部総合機械工学科で出会い、在学中にiPhoneアプリ「papelook」を開発。アプリは1000万ダウンロードを達成している。卒業後は各々別の仕事をしていたが、2014年に同社を共同創業している。obnizは「すべての人にIoT開発の機会を」を使命に掲げ、専用クラウド上でプログラミング、そしてデバイスや対象物の管理・操作まで対応できるIoT開発サービスを提供している。ソフトウェアとハードウェアそれぞれの開発に携わり続けてスタートアップするに至った2人に小原氏がインタビューを通して起業家へのヒントとなるポイントを探った。

関連記事:作品応募数175点、本物の「忍びの地図」など「obniz IoT コンテスト2021」最優秀賞・優秀賞を発表

お互いの得意と苦手を補完する2人の共同創業者

第2回目もバーチャルコミュニケーションプラットフォームoVice上で行われた

11歳でプログラミング解説をするウェブサイトをリリースし、高校卒業後には漫才師を目指して吉本興業12期生として活動したという異色の経歴の佐藤雄紀氏。彼の強みは、常識にとらわれずに、人と違う視点を持って考えるようにしているところにあるという。しかしながら、佐藤氏はチームで物事を進めることは苦手としている。一方、木戸康平氏は佐藤氏の意図を汲み、他のメンバーに理解してもらえるよう咀嚼し潤滑油の役割を得意とする。共同創業者の2人は良い補完関係にあるといえるだろう。

2人とも幼少期からソフトウェアやハードウェアに取り組んできている。木戸氏は「自身が気になっている分野をまさにobnizでドッグフーディングできると考え、共同創業者としてジョインした」と語る。立ち上げ当初は資金も人もなかなか集まらず苦労したそうだが、2人の専門性や相性、佐藤氏のオウンドメディアが築いてきた信用などが創業期を支えた。

逆転の発想で作ったIoTプロダクト

2014年11月に設立され、2018年4月に公式デバイスの販売を開始したobnizは、現在に至るまでどのような変遷をたどったのだろうか。

obnizは「obnizOS」が搭載されたさまざまなタイプのデバイスを提供、同社サービスを使えば専用クラウド経由で簡単にIoTが始められるようになっている。操作する半導体チップ自体は従来さまざまなモノに埋め込まれていたが、PCやスマートフォンを皮切りに、家電やクルマなどに搭載されたチップが次々とインターネットに接続され、IoTは広く知られるようになっていった。「Wi-Fi接続用チップが安価で購入できるようになり、ウェブ専門エンジニアがアプリに着手してみるきっかけも増えた。このIoTのラストワンマイルを汎用的にしていくのがobniz。ソフトウェアだけでなく電子回路も触って欲しいという気持ちから、『object』+『-nize』ということで『obniz』と名付けました」と佐藤氏は語る。

何故、obnizはハードウェアも提供するのか。PCやスマホの方が先に普及しているのだから、一般的に考えると家電を便利にするならば、その家電にスマホの機能を搭載すればいいという発想になる。しかし、ON / OFF程度しか求めない家電にスマホレベルの機能は過剰だ。「そこで専用ハードウェアを開発することにしたのです。またソフトウェアを書き込んでもらうこと自体も参入ハードルを上げてしまうので、クラウドサービス込みのモノの販売という現在の形にたどり着きました」と佐藤氏はいう。

「obnizOS」を搭載した「obniz Board」シリーズ

グローバルでの展開を視野に入れつつ、まず2017年12月に「obniz Board」でKickstarterでのクラウドファンディングに挑戦。世界で160万円を集めプロジェクトは成功するも、人脈頼りの集金には限界があり、大きな売上げが立つようになったのは、2018年5月以降に電子回路販売サイトなどの販路を確保してから。その後の事業拡大にともない、支払いサイトの影響によるキャッシュフロー悪化を回避するため、同年11月にはUTECから約1億円を調達した。

前に進むたびに課題に直面し、チームワークでそれを乗り越えてきたobniz。佐藤氏は「自分もまだ成功フェーズにいないので大きなことを言える立場ではないが、挑戦したいことがある人は、優柔不断でもいいからぜひやってみて欲しい」と語る。木戸氏も「自分はプロダクトマーケットフィットを重要視して事業に取り組んでいるが、常に広い視野を心がけている。スタートアップをするときは、特定の技術や分野に特化することが多いと思うが、既存概念にとらわれずぜひ柔軟な発想をしてみて欲しい」とスタートアップにエールを送った。

TC HUBのサポーターにJETROがジョイン

また、今回のイベントでは、サプライズとしてJETROスタートアップ支援課も参加も発表された。日本企業の海外展開を支援する同社だが、グローバル・アクセラレーション・ハブの提供や海外展示会出展支援など、さまざまなプログラムを展開する。今後、TC HUB内には専用窓口チャンネルが設置され、コミュニティ内のスタートアップが気軽に申し込みや相談ができるようになる。

TC HUBでは今後も多様なイベントやサポートを予定している。関心のある方はこちらから。

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カテゴリー:イベント情報
タグ:TC HUBobnizIoT日本インタビュー

チカク・セコム・兵庫県たつの市が見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」活用した高齢者の外出促進・熱中症対策の実証実験

チカク・セコム・兵庫県たつの市が見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」活用した高齢者の外出促進・熱中症対策の実証実験

チカクは8月3日、兵庫県たつの市(たつの市)、セコムとともに、セコムの見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」を活用し、高齢者の外出促進および熱中症対策の効果を検証する実証実験を8月17日より開始すると発表した。同実証実験は、まごチャンネル with SECOMを活用した全国初の取組みという。

まごチャンネル with SECOMは、セコムとチカクが協働して開発した「たのしい、みまもり。」がコンセプトの高齢者向け見守りサービス。チカクの「まごチャンネル」を通じて、スマートフォンアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビで楽しむことができ、家族側ではまごチャンネル本体に接続したセコムの環境センサーからの情報をもとに「みまもりアンテナ」アプリを使って、離れて暮らす親御さんの起床や就寝、室内の温湿度の確認や熱中症危険度のお知らせを受け取ることが可能という。またまごチャンネルでは、自治体と協働し高齢者宅のテレビに行政情報を届ける取組みも始めている。

たつの市がこれら特徴を評価し、見守りだけでなく、外出支援にも活用できると考えたことから今回の実証実験の採用に至ったという。

チカク・セコム・兵庫県たつの市が見守りサービス「まごチャンネル with SECOM」活用した高齢者の外出促進・熱中症対策の実証実験

現在たつの市では、誰もが安心して快適な日常生活を営めるよう、市民と行政がともに助け合い、支え合う、自助・互助・共助・公助のバランスが取れた、ユニバーサルデザインの福祉のまちづくりを推進しているという。ただその一方で、高齢者と地域とのつながりの希薄化、また独居高齢者の増加に伴う孤独・孤立対策が課題となっているそうだ。さらに2020年からのコロナ禍により高齢者が自宅にこもりがちになり、フレイル(虚弱。心と体の働きが弱くなってきた状態)などの健康二次被害や、遠方の家族と会えないなどの心理的被害も懸念されている。

今回の実証実験では、たつの市在住の65歳以上の高齢者10名(親族がたつの市外に在住)の自宅に「まごチャンネル with SECOM」を設置し、離れて住む家族とのコミュニケーションに活用できる。さらにチカクのシステムを活用して、たつの市やセコムから、外出を促進する動画(感染症予防を考慮した場所・時期を案内)、熱中症予防を促す動画を配信する。その上で、以下の検証を行う。

・家族および自治体からのまごチャンネル with SECOMを活用した呼びかけで、高齢者の外出を促せるか?
・家族および自治体からまごチャンネル with SECOMを活用した呼びかけで、高齢者が水分補給などの熱中症対策を行うか?
・まごチャンネル with SECOMを活用することで、実家の熱中症予防に対して、家族の意識が高まるか?

2014年3月設立のチカクは、「シニア・ファースト」を掲げ、高齢者DXを推進するAgeTech(エイジテック)企業。第1弾プロジェクトとして、スマホアプリで撮影した動画や写真を実家のテレビに直接送信し、テレビの大画面とスピーカーを通してインターネットやスマホの利用が苦手なシニア世代でも孫と一緒に暮らしているかのような疑似体験ができる、まごチャンネルを開発・販売している。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)高齢者(用語)セコム(企業・サービス)チカク(企業)日本(国・地域)

ソラコムが「SORACOMラズパイコンテスト」最優秀賞4作品の作り方を「SORACOM IoT レシピ」で公開

ソラコムが「SORACOMラズパイコンテスト」最優秀賞4作品の作り方を「SORACOM IoT レシピ」で公開

「IoTテクノロジーの民主化」を掲げるテック企業ソラコムは7月30日、5月に開催したコンテスト「SORACOMラズパイコンテスト 〜IoTで業務改善、ライフハックを始めよう〜 」の最優秀賞4作品の作り方を「SORACOM IoT レシピ」として公開した。

ソラコムは、IoT機器とインターネットを連携させて、誰でも簡単にシステム構築ができるIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を提供している。「SORACOMラズパイコンテスト」は、「SORACOM」と、ワンボードコンピューターRaspberry Pi(ラズパイ)を組み合わせたIoTシステムを作成し業務や生活の改善したアイデアを、企業・個人を問わず広く募集するというもの。2021年の4月19日から5月31日かけて開催され、7月15日に、次の4つの受賞作品が発表された。

<優秀賞(ソラコム賞)>
ラズパイとSORACOMで子豚の出産通知を作ってみた:@akahira氏

子豚の定期チェックと出産通知を行うシステム。ラズパイ、環境センサーとウェブカメラを豚舎に設置して、親豚のいる場所を定期的に撮影。映像データから子豚の出産をMicrosoftの機械学習モデル作成ツール「Lobe」で制作した学習モデルで判別。LINEで通知する。

<メカトラックス賞>
SORACOMとラズパイで郵便受けの中身を確認できるようにする:池田大氏

郵便受けの中を定期的に撮影し、SORACOMのサービスを利用し家の中や外出先から郵便を確認できるというもの。Raspberry Pi Zeroとラズパイ用カメラを郵便受けの中に設置し、定期的に映像を撮影し確認できるようにしている。電力消費を抑えモバイルバッテリーで駆動させたため、M5Stackシリーズの「開発モジュール「M5 ATOM Lite」と電源管理基板「OnOff SHIM」を使ってラズパイを一定期間ごとに起動(間欠動作)させている。

<ケイエスワイ賞>
Raspberry PiとSORACOMで娘のお迎えを効率化 お迎え予告システムを作ってみた:@jasbulilit氏

預け先の子どもに、そろそろお迎えに行くよと知らせ、帰りの支度を促す。迎えに行く前にIoTボタンデバイスを押すと、子どもの手元にあるラズパイにつながっているLEDランプが点灯し通知する。

<日本ラズベリーパイユーザーズグループ賞>
【工事無し】簡単にICカードでスマートロックを作る:山下雅稔氏

ICカードで開くキーボックス。認証の記録から入退室管理も行える。3Dプリンターでキーボックスを作成。ICカードリーダーとラズパイを接続し、ICカードで認証された際にサーボモーターでキーボックスを開くという仕組み。認証の記録を取得し、入退室管理も実現。

これらの作品は、ソラコムがIoTシステムの作り方を解説する無料のIoT手順書「SORACOM IoT レシピ」において、ユーザー提供による「SORACOM Makers」レシピで製作手順が公開されている。

ソラコムではまた、8月末までの2週間、IoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を開催している。Wi-Fiや有線通信デバイスをSORACOMでIoT化できる新サービス「SORACOM Arc」を活用したブログコンテストも開催中だ。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)ソラコム(企業・サービス)電子工作(用語)Raspberry Pi(組織・製品)日本(国・地域)

Swarmが初心者でも扱えるIoT用衛星通信デバイスのキットを発売、約5.5万円

衛星通信事業会社Swarm(スワーム)の新製品は、誰でもメッセージングやモノのインターネット(IoT)のためのデバイスを作ることができるというもので、通信網から離れても接続を維持したいハイカーや、天気を把握したいホビーストなどに最適だ。

このSwarm Eval Kit(スワーム・エヴァル・キット)は、同社の主力モデムデバイスであるSwarm Tile(スワーム・タイル)、VHFアンテナ、小型ソーラーパネル、三脚、FeatherS2(フェザーS2)開発ボード、Adafruit(エイダフルーツ)製OLEDなどがセットになったオールインワン製品だ。キット全体の重さは2.6キログラムで、価格は499ドル(約5万4700円)。このパッケージを見ると、技術的な知識がないと扱いが難しいように感じるかもしれない。しかし、SwarmのCEOであるSara Spangelo(サラ・スパンジェロ)氏は「まったくの初心者から、より知識を持った上級者まで、ユーザーフレンドリーな設計になっています」と、TechCrunchの取材に語っている。

この製品を「評価キット(evaluation kit)と名付けたたのは、完成品ではないからという非常に意図的なものです」と、スパンジェロ氏は説明する。「この製品は、2種類の異なるグループに向けたものです。1つ目のグループは、地球上のどこにいても、低コストでメッセージングを行いたい人たち。第2のグループは、機械いじりが好きな人や趣味を楽しむ人、そして教育分野に携わる人々です」。

CEOで共同創業者のサラ・スパンジェロ氏(画像クレジット:Swarm)

Swarmにとっては、2021年初めに主力製品であるSwarm Tileの商業化を開始して以来、これが2番目のコンシューマー向け製品となる。Swarm Tileは、いくつかの異なるコンポーネントで構成されたSwarmのエコシステムの重要な一部である。Tileはさまざまなものに組み込むことができるモデムのようなもので、顧客はこれを使って、同社の衛星ネットワークおよび地上局ネットワークに接続する。Tileは最大限の互換性を持つように設計されているため、Swarmは海運、物流、農業などさまざまな分野の顧客にサービスを提供している。

「Swarmのすばらしさの1つは、私たちがインフラであるということです」と、スパンジェロ氏はいう。「私たちが携帯電話の電波塔のようなものなので、誰もがあらゆる分野で利用することができます」と語ったスパンジェロ氏は、土壌水分センサーやトラック運送業界で貴重な荷物の追跡にTileを使用している顧客などの事例を挙げた。

Swarmのビジネスモデルの大きな特徴は、低価格であることだ。Swarm Tileの価格は119ドル(約1万3000円)、接続サービスは機器1台につき月額5ドル(約550円)で利用できる。スパンジェロ氏によれば、それは小型デバイスや衛星の技術革新のお陰だけでなく、特にSwarmのような小規模な衛星開発企業にとっては、打ち上げ費用の経済性が向上したことも大きいという。また、同社は直販も行っているため、それが間接経費の削減にもつながっている。

Swarmの創設者であるスパンジェロ氏は、NASAのジェット推進研究所やGoogle(グーグル)のドローン配送プロジェクト「Wing(ウイング)」に参加していたパイロットで、航空宇宙工学の博士号を持つ。彼女がTechCrunchに語った話によると、Swarmはスパンジェロ氏と、高高度気球のプラットフォームを製造するAether Industries(エーテル・インダストリー)という会社を設立した経歴を持つ共同創業者のBen Longmier(ベン・ロングマイヤー)氏との間で、趣味的なプロジェクトとして始まったそうだ。

「そこで(私たちは)旧来の通信業者が現在行っているのと同じような速度で通信できることがわかったのです」と、スパンジェロ氏はいう。そして彼女は「コネクティビティは多くの注目を集めていました」と付け加え、Project Loon(プロジェクト・ルーン)のような取り組みが多くの資金を集めていたことに言及した。しかし、このような複数年にわたるプロジェクトの規模と張り合おうとするのではなく、彼女たちは小規模に取り組むことに決めたのだ。

設立から4年半で、Swarmは120基のサンドイッチサイズの衛星によるネットワークを地球低軌道に投入し、従業員も32人に増えた。同社はTileを使用する顧客の開拓にも力を注いできた。Eval Kitは、Swarmのサービスに顧客を呼び込むための新たな手段になると期待されている。

スパンジェロ氏は、このキットについて「色々なことをして遊ぶのが好きな、初心者と専門家の間にいるすべての人たちのためのものです。そして、ただ遊ぶだけではなく、遊ぶことでイノベーションやアイデアが生まれ、それが世界に展開されていくのです」と語った。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:SwarmIoT人工衛星通信

画像クレジット:Swarm

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

超音波センサー採用の排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

obniz(オブナイズ)は7月30日、トリプル・ダブリュー・ジャパンが企画・開発・販売している排尿予測デバイス「DFree」(ディー・フリー)の法人用タイプ「DFree Professional」において、「obniz BLEゲートウェイ」がゲートウェイ機器として採用(2021年2月)され、2021年6月より全国の介護施設などに導入されていることを発表した。

超音波センサー採用の排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

トリプル・ダブリュー・ジャパンの排尿予測ウェアラブルデバイス「DFree」

トリプル・ダブリュー・ジャパンのDFreeは、超音波センサーを用いて膀胱の変化をとらえることで排尿タイミングが分かる、世界初の「排泄予測デバイス」。軽量で持ち歩きやすく、ベッドや車いすの上、リハビリ中などでも動きを妨げないIoTウェアラブルデバイスで、介護施設や医療機関など法人向け「DFree Professional」と個人向けの「DFree Personal」が用意されている。従来の排泄ケアでは困難だった、被介護者それぞれの状態に合わせたケアをサポートし、被介護者本人のQOL(生活の質)向上と介護者の負担軽減を実現できるという。

超音波センサー採用の排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

様々な身体状態の被介護者が同じ空間にいる介護施設・医療機関の場合は、DFree Professionalであれば膀胱の膨張・収縮度合を超音波センサーで常時検知してデータを可視化し、被介護者それぞれの排尿タイミングや傾向を1台の携帯端末から確認できるようになる。obnizは、超音波データの高速で頻回な通信を安定化させる環境構築も実施し、「DFree Professional」の機能を裏側から支えているという。

超音波センサー採用の排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

また排尿の頃合いや傾向が分かれば、介護士はより円滑に介助できる上、失禁なくトイレで用を足す回数が増えるとオムツやパッドの費用を節約できるという。さらにこれは、被介護者本人の自立排泄の促しにもなり、DFreeの普及は、全国約684万人(厚生労働省「介護保険事業状況報告の概要」令和3年4月暫定版)の要介護・要支援認定者の自尊心を支えるという価値を持っているとした。

2015年2月設立のトリプル・ダブリュー・ジャパンは、DFree以外にも、超音波技術を活用した「排泄ケア、排泄領域のソリューション」として排便予測デバイスもすでに開発中。「家庭や介護施設での体調管理用モニタリングプラットフォームの開発・構築」も視野に入れているという。

BLEデバイスとネットワークをつなぐ、obnizの「obniz BLEゲートウェイ」

obniz BLEゲートウェイは、BLE(Bluetooth Low Energy)デバイスとネットワークの接続や、情報取得・管理を容易にするというもの。ソフトバンク子会社エンコアードジャパンが開発した「コネクトハブ」を、obnizが独自のIoTテクノロジー「obniz」を活かしてカスタマイズしたゲートウェイ機器という。BLE通信が可能な様々なIoT機器に対応しており、センサーやビーコンなどの一元管理を低コストで実現できる。

超音波センサー採用の排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

電源とWi-FiまたはLTE環境があれば、コンセントに挿すだけでセットアップができるほか、専用クラウドにより各ゲートウェイとデバイスの死活監視や管理、台数増減、プログラムのアップデートなどまとめて完了できるそうだ。

超音波センサー採用の排泄予測デバイス「DFree」法人版とIoTゲートウェイ「obniz BLEゲートウェイ」がタッグ、介護施設などに導入開始

obnizは、IoT(モノのインターネット)時代を先見し2014年11月に設立したスタートアップ。複雑なプログラムや回路の開発を不要にし、インターネット上で対象物の管理や解析、遠隔操作を可能にする技術「obniz」を活用し、ホビーから教育、産業分野まで製品とサービスを提供している。

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持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日・海の日から実証販売

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日の「海の日」から実証販売

AI、IoT、衛星リモートセンシングなどのテクノロジーを水産養殖に活かすことで食料問題と環境問題の解決に取り組む「ウミトロン」は7月21日、イオンリテールと共同で、おいしさ・安心・サステナブルの3点にこだわった養殖魚「うみとさち」を、7月22日の「海の日」から実証販売すると発表した。

この実証実験は、売り場にPOPやリーフレットを置き、商品にはQRコードを添付して、「生産者による品質や安心へのこだわり、海の持続可能性に配慮した取り組み」などを消費者に伝えるというもの。また、海の未来を考える料理人集団Chefs for the Blueに所属するミシュランシェフたちが考案した和洋中など6ジャンルの簡単レシピ、生産者や養殖魚に関する情報なども提供される。

実証販売は、東北、関東を除く本州と四国の「イオン」「イオンスタイル」で、7月22日から25日、さらに7月30日と31日に行われる。販売されるのは、「地域の生物多様性や水質保全など海洋環境に配慮し、国際基準に則った飼料・投薬使用を行なっている」真鯛商品。

ウミトロンのテクノロジーのひとつに、スマート給餌機「UMITRON CELL」がある。AIで魚の食欲に合わせた餌やりが可能で、複数真鯛事業者との大規模実証実験の結果、従来給餌量の2割削減を達成できた。魚の食欲をスマートフォンで確かめ、遠隔で餌やりを行うことで、これまでより少ない餌でも、出荷時のサイズや質が保ちつつ育成期間を1年から10カ月に短縮できたという。餌の海洋流出も抑えられる。

このようにウミトロンは生産現場の課題解決に取り組む中、消費者側の海の持続可能性に対する認識を高め、購買チャンネルを増やすことも重要だと感じていた。そこで「うみとさち」ブランドを立ち上げた。今回の実証販売の目的はそこにある。ウミトロンと同じく、持続可能な生態系づくりを支援しているイオンリテールの理念と合致したことから、この実証販売が実現した。

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日の「海の日」から実証販売

真鯛商品イメージ(切り身)

持続可能な水産養殖を支援するウミトロンとイオンがこだわりの養殖魚「うみとさち」を7月22日の「海の日」から実証販売

真鯛商品イメージ(刺身)

今後は、「うみとさち」の取り扱い魚種と商品形態を増やし、「サステナブルシーフードを(消費者の)日常生活の購買における身近な選択肢のひとつ」となるよう展開してゆくとのことだ。

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ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も

ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会もソラコムは7月1日、IoTデバイスの無料貸し出しやIoT開発手順書「SORACOM IoT DIY レシピ」の提供を行いIoTの学習をサポートする「​自分で学べるIoT通信講座」を開始した。開催期間は7月1日から8月31日まで。

昨今IoT活用に精通したDX人材のニーズが高まっている一方、IoT活用にはデバイス・通信・インフラ・アプリケーションなど複数領域の専門知識が必要となることから、初心者にとっては学習ハードルが高いという声があるという。

そこでソラコムでは、「​自分で学べるIoT通信講座」において、初心者でも比較的始めやすいデバイスを申し込んだ者に約2週間無料で貸し出すとともに、ステップごとにわかりやすく開発方法を解説した手順書「SORACOM IoT DIY レシピ」を提供し、IoT学習のサポートを行うことにした。また講座の開催期間中は、専門家に質問ができる「IoT相談室」も開催する。

「自分で学べるIoT通信講座」概要

  • 参加条件など:事前登録制。SORACOMアカウントの作成が済んでいること
  • 参加費:無料(SORACOM IoT SIM通信料1日11円〜が別途発生)
  • 開催期間:2021年7月1日〜8月31日
  • 申し込み:「自分で学べるIoT通信講座とは」の応募フォームより行う

IoTデバイス貸し出し期間(PCはユーザーが各自用意)

  • 7月1日〜7月14日
  • 7月16日〜7月31日
  • 8月3日〜8月17日
  • 8月20日〜8月31日
  • SORACOM IoT SIM通信料1日11円〜が発生する
  • 貸出期間の開始日に発送(翌日、翌々日に到着予定)。貸出期間終了日までに返却する必要がある
  • 返送用着払い伝票を同梱しているので、その伝票を使い返却する

「IoT相談室」日程(Zoom利用)

  • 7月12日17時~19時
  • 7月26日17時~19時
  • 8月10日17時~19時
  • 8月23日17時~19時
  • 各日程の参加用URLは、申し込み後のメールに記載

貸出IoTデバイスおよびIoT DIY レシピの内容

貸し出しデバイスとしては、初心者から経験者まで役立つIoT機器を用意。電源を入れるとすぐに使えるスターターキット、Raspberry Piを用いて簡易監視カメラを開発できるキット、Arduino互換のマイコンボードWio LTEと7種類のセンサーのキットから1つ選択できる。

GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット

GPSマルチユニットSORACOM Edition(バッテリー内蔵タイプ)スターターキット」では、ウェブブラウザーの操作のみで、温度・湿度・位置情報・加速度の4つのセンサーからのデータの収集から可視化までを行える。充電式のバッテリーを内蔵しており、電源を入れるだけで利用可能。

ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も

手順書は、ダッシュボードで可視化するところまで掲載している

手順書は、ダッシュボードで可視化するところまで掲載している

IoT DIY レシピ例

  • IoTで温湿度の可視化:GPSマルチユニットを活用し、室内の温湿度をモニタリング。データ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」、ダッシュボード作成・共有サービス「SORACOM Lagoon」を利用
  • IoTでアイスの食べ時をお知らせ:GPSマルチユニットを活用し、温度センサーで計測。任意のメールアドレスにメールで通知する。SORACOM Harvest Data、SORACOM Lagoonを利用
  • IoTで在席状況の自動更新:加速度センサーのデータを取得して活用。SORACOM IoT SIMによる通信管理、SORACOM Harvest、クラウドファンクションアダプター「SORACOM Funk」を使ったSlackへの通知連携設定(AWS Lambdaの機能を利用)などを学べる

IoT 体験キット 〜簡易監視カメラ〜

IoT 体験キット 〜簡易監視カメラ〜」は、「Raspberry Pi 3 Model B+」、3G USBドングル AK-020、USBカメラをセットにした簡易監視カメラキット。同梱のウェブカメラと温度センサー、データ収集・蓄積サービス「SORACOM Harvest Data」により観察したいものを定点観測し、撮影データの蓄積や温度データの可視化を行える。

ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も

ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も

IoT DIY レシピ例

Grove IoT スターターキット for SORACOM

はんだ付けが不要なGroveコネクターとマイコン、LTEモジュール搭載のArduino互換開発ボード「Wio LTE JP Version」(日本仕様モデル)、IoT用途でよく使われる7種類のGroveセンサーを同梱。

ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も

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IoT DIY レシピ例

  • IoTでジェスチャーシステム:Wio LTE JP VersionとGrove超音波距離センサーモジュールを活用。SORACOM Harvest Dataでジェスチャー結果を蓄積することで可視化する

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ソラコムがIoTプラットフォーム「SORACOM」をWi-Fiや有線からも利用可能にする「SORACOM Arc」提供開始

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IoTデバイスをクラウドで一元管理できるプラットフォーム「SORACOM」を展開するソラコムは6月23日、従来同社提供のデータ通信サービスに限定していた同プラットフォームへの通信方法について、Wi-Fi、有線通信、衛星通信など「あらゆるIPネットワーク」から利用できるようにする「SORACOM Arc」(ソラコムアーク)サービスの提供開始を発表した。

多額の設備投資を必要とせず、ソラコムが提供するクラウド型のプラットフォームを使ってIoTデバイスの管理運用が行える「SORACOM」は、ソラコムの接続サービス「SORACOM Air」(ソラコムエアー)による、専用の「SORACOM IoT SIM」を使ったセルラー通信が基本になっている。SORACOM Arcは、各IoTデバイスに仮想SIMを発行し、これを使って認証を行うことで、デバイスとSORACOMとの間に通信経路を確立するというもの。すでにソラコムのSORACOM IoT SIMを利用している場合は、そのSIMに紐付けることで認証を行い、動的に仮想SIMを発行できる。

同時に提供されるエージェントプログラム「soratun」(ソラタン)をデバイスに組み込むことで、暗号化技術WireGuard(ワイヤーガード。オープンソースのVPN実装)を使った仮想ネットワークインターフェイスが構築され、SORACOM Arcが利用可能になる。あとはSORACOM IoT SIMを用いた場合とまったく同じ環境で使えるようになる。

セルラー対応とWi-Fi対応のIoT機器が混在している環境で運用を統合したい場合、コスト削減のため可能な限りWi-Fi回線を使いたい場合、SORACOM IoT SIMを購入する前にSORACOMプラットフォームを使ってみたい場合など、様々な利用が考えられる。

ソラコムが想定した配送用ロボットのユースケースでは、屋外ロボットはセルラー通信、屋内ロボットはWi-Fiと使い分けつつ運用は一元化するというものや、1台のロボットで、移動中はセルラー通信でクラウドに位置情報のみを送信し、配送拠点に滞在している間はWi-Fiネットワークに大量のログデータを送るといったものがある。どちらのネットワークを通じて送られたデータも、SORACOMプラットフォーム上では単一IDに紐づけて扱われることから、デバイス認証、クラウド接続、API管理の一元化が行えるとしている。

利用料金は、初期費用:税込55円(仮想SIM作成手数料)で、基本料金:仮想SIMあたり月額税込55円(1GBの通信料含む)。SORACOM IoT SIMを使わず仮想SIMを単独で作る場合は1仮想SIMあたり月額税込88円(1GBの通信料含む)。そのほか、データ通信料金として、仮想SIMあたり税込22円/GBが発生する(上り/下りの合計。データ通信量は1GB単位に切り上げて課金。試用のための無料利用枠あり)。

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「IoTテクノロジーの民主化」を目指すソラコムは6月22日、AIカメラ「S+ Camera Basic」(サープラスカメラベーシック)にAI処理機能を持つイメージセンサーを組み込んだ高性能モデル「S+ Camera Basic Smart Edition」(スマートエディション)を発表した。また6月23日には、「S+ Camera Basic」のAIアルゴリズムを開発するパートナー企業としてAI Dynamics Japan(エーアイダイナミクスジャパン)を迎えたことが明らかになった。

2020年7月に発売された「S+ Camera Basic」は、ソラコムのIoTプラットフォーム「SORACOM」を活用するAIカメラとして、商業施設の混雑度の可視化、工場や倉庫などの入退室管理、園芸施設の農作物管理などに利用されてきた。

今回発表されたスマートエディションは、ソニーセミコンダクタソリューションズ製のインテリジェントビジョンセンサー「IMX500」を搭載。そのDSP(高速演算処理装置)により、イメージセンサーにAIモデルを適用でき、高速で動く人や物の動態トラッキング、工場レーンの不良品検出など、これまでは高速処理を行う外部機器を必要としていた高速画像処理をカメラ内部で行うエッジAIカメラとなった。

またソラコムでは、「S+ Camera」で実行するAIアルゴリズムを開発するAIパートナー企業を募集しており、このほどAI Dynamics Japanについて、SORACOMプラットフォーム活用するソフトウェアやサービスなどを提供する企業「SPS認定済テクノロジーパートナー」として認証した。AI Dynamics Japanは、米国ワシントン州に本社を構えるAI Dynamics(エーアイダイナミクス)のアジア市場の総括拠点として、2020年に設立された日本法人にあたる。「AIのコンビニエンスストア」をスローガンとする同社は、「誰もがAI技術を活用できる世の中」を目指し、AI技術の普及に取り組んでいる。

「S+ Camera Basic Smart Edition」は以下の特徴を備えている。

  • セルラー回線標準搭載:データ送受信はセルラー回線を利用するため、ネットワーク環境構築の必要やデータの漏洩リスクがない。通信切断時も自動で復旧可能
  • アルゴリズムの遠隔更新:専用のコンソールからアルゴリズムを遠隔操作で更新可能。OS停止時も自動で再起動するため、現場に出向く必要がない
  • かんたん設置:電源に接続するだけで利用可能。汎用マウントも利用できる
  • 7つのサンプルアルゴリズムを無料提供:顧客が自主開発したAIアルゴリズムのほか、ソラコムが提供するサンプルアルゴリズムも利用可能。現在提供中のサンプルアルゴリズムは、定期画像送信、顔検出、顔認識(プライバシー)、差分動画、数字・文字読み取り、物体検出、物体検出(動画)となっている
  • IMX500上で高速稼働するAIモデルを利用可能:ソニーセミコンダクタソリューションズ提供の有償または無償のAIモデルを利用可能

S+ Camera Basic Smart Editionの価格は7万1280円(税込、送料別)。本体、ACアダプター、汎用型マグネットマウント、SORACOM特定地域向け IoT SIMカード「plan-D サイズ:マイクロ」(データ通信のみ)を含む。

なお、「SORACOM Mosaic」「SORACOM Inventory」「SORACOM Harvest Files」「特定地域向け IoT SIM plan-D」の月額料金が別途かかる。

予約開始は6月22日、提供開始は2021年9月初旬を予定。

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ねこ用スマートトイレ「Toletta」が本体無料&アプリ月額料金1078円で利用可能に、トレッタキャッツがリニューアル

スマートねこトイレを手がけるトレッタキャッツは6月22日、泌尿器疾患の多いねこの体重・尿量・尿回数などを自動計測しスマホからヘルスチェックを行えるカメラ付きトイレ「toletta」について、月額1078円(税込)で利用できる「Toletta」(トレッタ)にリニューアルしたと発表した。

新プラン内容

  • 新名称Toletta(トレッタ)
  • Tolettaトイレ本体価格:0円
  • 最低利用期間:6カ月
  • プラン料金(アプリ月額料金):Tolettaトイレ本体1台あたり月額1078円(税込)
  • プラン内容:基本機能、自動状態判定、AI見守り機能
  • 申し込み:公式サイトの購入ページより行う

Tolettaとは、ねこがトイレに入るとセンサーで感知し体重・尿量・滞在時間など6つの健康指標を自動で計測するスマートトイレ(Tolettaトイレ)本体と、計測データを確認できる管理用スマホがセットになったサブスクリプションサービス。スマホアプリは、獣医師と共同開発したアルゴリズムを基に体重や尿量の変化をスマホに通知するため、ねこの体調変化に気づくきっかけが得られるという(医療機器ではないため、疾病の予防・診断・治療などはできない)。ねこが新しいトイレ(Tolettaトイレ)を使ってくれない場合、希望者には「ねこ経験豊富」な獣医師や看護師によるトイレ切り替えのアドバイスを行うとしている。

またTolettaでは、AIねこ顔認識技術搭載カメラにより、「どのねこがトイレをしたか?」を認識可能。複数のねこが使ってもきちんとトイレをチェックできる。トイレ中の様子を記録する「にゃんこセルフィー機能」も搭載している。

ねこ用スマートトイレ「Toletta」が本体無料&アプリ月額料金1078円だけで利用可能に、トレッタキャッツがリニューアル

リニューアルの背景のひとつとしてトレッタキャッツは、コロナ禍で猫を迎える人が急増するとともに動物愛護団体に保護を求める保護依頼や飼育放棄も増えていることを挙げている。また同社調査によると、猫の飼育での一番の悩みは「病気・健康」(69.2%)であったにも関わらず、「猫が最もかかりやすい病気」を回答できなかった人は、約70%にも上ったという。3人に1人が「病院に早く連れて行けばよかった」と後悔した経験があるとした。

トレッタキャッツは、公式サイトも一新。初めてねこを飼う人でも、かかりやすい病気から意外と知らない注意点まで知るきっかけになるよう、獣医師監修のガイドブック「THE FIRST CAT BOOK」も公式サイトで無料公開している。

ねこ用スマートトイレ「Toletta」が本体無料&アプリ月額料金1078円だけで利用可能に、トレッタキャッツがリニューアル

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IoT重量計で在庫重量を自動計測し管理・棚卸・発注を自動化するSaaSを手がけるスマートショッピングが3億円調達

IoT重量計で在庫重量を自動計測し管理・棚卸・発注を自動化するSaaSを手がけるスマートショッピングが3億円調達

「日々のモノの流れを超スマートに」をミッションに、在庫管理やショッピングを「ラク」にする事業を展開するスマートショッピングは6月22日、日本政策金融公庫からの融資による総額3億円の資金調達実施を発表した。日本政策金融公庫による、スタートアップなどの成長を支援する枠組みを活用した融資という。

スマートショッピングは、IoT重量計「スマートマット」を活用した在庫管理と発注の自動化ソリューションを開発。これを基にB2Bでは在庫管理・棚卸・発注を自動化するSaaS「スマートマットクラウド」を、また消費者向けには日用品の買い物を自動化する「スマートマットライト」を提供している。どちらも基本的には、スマートマットに品物を置いて管理しておくだけで、重量の変化から残量を計算する仕組みを使っている。

IoT重量計で在庫重量を自動計測し管理・棚卸・発注を自動化するSaaSを手がけるスマートショッピングが3億円調達

スマートマットクラウドは、2018年秋からサービスを開始し、クリニック・病院・製造業・サービス業など、800件を超える顧客を擁している。またスマートマットライトは現在、飲料・洗剤・おむつ・お米など、Amazonで販売されている1000を超える商品に対応している。これにより、使い切らない商品が余ってしまう定期購買の短所が解消される。

今回の資金調達でスマートショッピングは、この2つの事業の利用者拡大のための事業基盤を強化するとのこと。

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「音声認識AIの競争に対する懸念が高まっている」とEUが発表

欧州連合はおよそ1年にわたり、AIを使用した音声アシスタントおよびテクノロジーと連携したモノのインターネット(IoT)に関連する競争の影響を調査してきた。今回紹介する1回目の報告では、EU委員会の立案者が表明する潜在的な懸念が、今後の幅広いデジタル法案決定への情報提供に役立つかどうかという点が扱われる。

2020年末に提出されたEUの法案の大部分は、その地域で実行中のいわゆる「ゲートキーパー」プラットフォームに対する法規の事前適用に向けて、すでに準備が整っている。EU全土に適用されるデジタルサービス法にまとめられた、仲介を行う強力なプラットフォームに当てはまるビジネス規範「命令事項および禁止事項」のリストも含まれている。

しかしもちろん、テクノロジーを活用する流れが止まることはない。競争政策を担当するMargrethe Vestager(マルグレーテ・ベステガー)氏はこれまで、音声認識AIテクノロジーに注目してきた。自分の部門で「データへのアクセスがどのようにマーケットプレイスを変えるのか探っている」と彼女が述べた2019年には、ユーザーの選択に対して引き起こされる課題に関する懸念を表明していた。

関連記事:EU競争政策担当委員の提言「巨大ハイテク企業を分割してはいけない、データアクセスを規制せよ」

委員会は2020年の7月に、IoT関連の競争に関する懸念について精査するため、セクターごとの調査を発表し、確かな一歩を踏み出した。

これは、コンシューマー向けのIoT製品やサービスに関連する市場で(ヨーロッパ、アジア、米国で)事業を展開する200以上の企業を対象とした調査に基づき、現在、暫定報告書として公開されている。さらに、最終報告が来年の前期に発表される前に、(9月1日までの)調査結果に対するさらなるフィードバックを要請している。

競争に関して明らかになった潜在的な懸念のうち、主な分野には、同じスマートデバイスで異なる音声アシスタントを使用しにくくする音声アシスタントおよび手法に関連した、独占行為または結託行為がある。また、ユーザー、さまざまなデバイス、サービスの市場との間で、音声アシスタントおよびモバイルOSが担う仲介的な役割も懸念となっている。この場合の懸念は、プラットフォーム音声AIのオーナーが、ユーザーの関係性を管理することで、競合他社のIoTサービスが発見される可能性や可視性に影響を与える可能性があるという点である。

データへの(不平等な)アクセスに関連した懸念もある。調査の参加者は、プラットフォームと音声アシスタントのオペレーターが、ユーザーのデータに対して広範囲にアクセスできると述べた。これには、サードパーティーのスマートデバイスやコンシューマー向けのIoTサービスと通信した内容が、仲介的な音声AIを使用することで取得されてしまう可能性も含まれる。

委員会のプレスリリースには「セクター調査に協力した人々は、データへのアクセスと集積された膨大なデータにより、音声アシスタントを提供する側は、汎用音声アシスタントの改善や市場優位性に関連した利点を得られるだけでなく、関連する業界にも容易に応用することが可能になると考えている」と記されている。

第三者の業者が保有するデータを、Amazonが使用しているという点に関するEU独占禁止法の調査(現在進行中)にも、同じような懸念が表れている。このデータとは、Amazonが電子商取引マーケットプレイスから取得できるデータ(委員会によると、オンライン取引市場で競争を妨害する違法行為になり得ると考えられている)のことである。

その報告で注意が喚起されている別の懸念は、コンシューマー向けのIoTセクターにおける相互運用性の欠如である。「特に、音声アシスタントとOSを提供するひと握りのプロバイダーが、一方的に相互運用性と統合プロセスを管理しているため、自社のサービスと比較して、サードパーティーのスマートデバイスおよびコンシューマー向けのIoTサービスの機能を制限することが可能である」とのことである。

上記の点は特に驚くことではないだろう。しかし、該当する地域で音声アシスタントAIの普及率が低い現段階で、委員会が競争上のリスクに対処しようと努めており、採用できそうな対策を思案し始めているのは注目に値する。

委員会はこのプレスリリースで、音声アシスタントテクノロジーの使用率は世界的に高まっており、2020年から2024年で2倍になる(音声AIの数が42~84億個になる)との予想を発表している。とはいえ、Eurostat data(ユーロスタット・データ)の引用によれば、2020年の調査対象で、すでに音声アシスタントを使用したことがあるEU市民は11%のみであった。

EU委員会の立案者は、デジタル開発の現状に精通し、巨大テック企業の最初の波を抑制する上で、競争政策に関連する最近の失敗から学んだはずである。これらの巨大テック企業は、Amazon Alexa(アマゾンアレクサ)、Googleアシスタント、Apple(アップル)のSiri(シリ)を使って、現在の音声AI市場を間違いなく独占し続けるであろう。競争が脅かされていることは明白であり、過去の間違いを繰り返すことがないように、委員会は目を光らせている。

しかし、ユーザーが利用しやすいウェブサイト、プッシュボタン、ブランド化された利便性をUSPとしている音声AIに対して、政策立案者が競争に関する法整備にどう取り組んでいくのか、これから明らかになっていく点も多いだろう。

相互運用性を強制すると複雑になる可能性があるため、使いやすさという点では好ましくない。また、ユーザーデータのプライバシーなど、他の懸念が浮上する可能性もある。

コンシューマー向けのテクノロジーについてユーザーが意見を述べ、テクノロジーを管理できるようにするのは良いアイデアだが、少なくともまず、選択できるプラットフォームの在り方そのものが操作されるまた搾取されるものであってはならない。

IoTと競争に関する問題が数多くあるのは確かだか、独占プラットフォームがすべての基準をもう一度定めることがないように規制措置を事前に講じることができれば、スタートアップや小規模企業にもチャンスが訪れる可能性がある。

ベステガー氏は声明に対するコメントとして「このセクター調査を開始した時点では、このセクターでのゲートキーパーのリスクが新たに高まっているのではないかと懸念していました。大企業の持つ影響力により、新興ビジネスやコンシューマーに損害をもたらすほど競争が妨げられることを心配していました。現在発表されている最初の報告から、セクター内の多くの関係者が同じ懸念を抱いていることは明らかです。コンシューマーの毎日の生活において、モノのインターネットのすばらしい可能性を最大限に引き出すには、公平な競争が必要です。この分析結果は、今後の法案施行と規制措置に役立ちます。関係する利害関係者すべてから、今後何カ月間でさらにフィードバックを受け取ることを楽しみにしています」と述べた。

セクターごとの報告は、ここからすべて閲覧できる。

【更新】ベステガー氏は調査結果に関するスピーチで、いくつかの行為については、将来的に新たな競争防止違反の訴訟につながる可能性もあると述べた。しかし、そうなるのはまだ先のことであると彼女は強調し、委員会には「懸念の範囲を的確に把握する」必要があるとも述べた。

「これまでのセクター調査の結果により、異なるスマートデバイスとサービスをつなぐオペレーティングシステムと音声アシスタントの主な役割がはっきりしました。この役割により、オペレーティングシステムおよび音声アシスタントのプロバイダーが、競争にマイナスとなる影響を与える可能性があると、回答者は注意を喚起しています。EUでは、Googleアシスタント、Amazon Alexa、AppleのSiriが音声アシスタントの分野で優位に立っています。加えて、グーグル、アマゾン、アップルには、 スマートホームやウェアラブルデバイスのオペレーティングシステムがあり、それぞれデジタルサービスを提供し、スマートデバイスを生産しています」とも語った。

「異なるデバイスとサービスでの通信や相互運用性はほとんどの場合、このような企業に依存しています。加えて、音声アシスタントはユーザーについて多くのことを学習します。スマートデバイスとモノのインターネットサービスは、家にいる時のユーザーの活動に関する大量のデータを生成します」。

「データへのアクセス、ユーザーへのアクセス、切り替えの難しさなど、現時点で明らかになった課題の多くは、デジタルマーケットで法を施行する場合と同じような課題です。実際、デジタルマーケット法に関連して委員会が提案する命令事項および禁止事項について、調査機能によって数多くのケースが報告されています。現段階での事前調査結果と、今後何カ月かの取り組みにより、デジタルマーケット法の対象に関する討議に、セクター調査が寄与することは間違いありません」と付け加えた。

「競争の強化と補完的法的措置によって、すべての人が恩恵を受けられるデジタル経済を作り上げることが目標です。その目標を実現するには、コンシューマー向けのモノのインターネットを含むデジタルマーケットが、どんな規模のビジネスでも参入して成長できる場となり、コンシューマーにとってオープンかつ公平であるかどうかを確かめていく必要があります」。

【更新】委員会の報告に対して、Amazonから送られた声明は以下のとおりである。

スマートホーム分野においては、多くの企業による競争が激化しています。1社だけが勝者となることはなく、勝者となるべきでもありません。弊社では当初からのこの認識に基づいて、アレクサを設計しました。現時点で、アレクサには14万個以上のスマートホーム製品と互換性があるため、デバイスを生産する企業が独自の商品とアレクサを簡単に統合できます。また、1台のデバイスから複数の音声サービスにアクセスできるように、お客様が柔軟に選択できる取り組みとして、音声相互運用イニシアチブ(現在80社が参加中)にも出資しています。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:音声アシスタントAIIoTEUAmazon AlexaGoogleアシスタントSiri

画像クレジット:Joby Sessions/T3 Magazine / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

IoT関連マルウェアが利用するポートへのスキャンや脆弱性ある製品の探索が増加、ダークネットの観測リポートより

IoT関連マルウェアが利用するポートへのスキャンや脆弱性ある製品の探索が増加、ダークネットの観測リポートより

セキュリティ製品などを手がけるソフトバンクグループ「BBソフトサービス」と、ダークネット監視サービス「SiteVisor」を開発・運用するクルウィットは6月17日、IoT機器やサイバー攻撃の実態を可視化することを目的としたダークネット観測リポート(2021年1月~3月分)を発行した。

ダークネットとは、インターネットで到達可能なものの、実際にはどのネットワークやコンピューターにも割り当てられていない未使用IPアドレス群を指す(グローバルIPアドレス空間またはローカルIPアドレス空間における、未使用のIPアドレス群)。

クルウィットは、そのダークネットを活用しIoT機器やPCを監視する対サイバー攻撃アラートサービス「SiteVisor」を提供している。SiteVisorは、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が研究開発した「DAEDALUS」(ダイダロス)をクルウィットが商用化したものだ。

SiteVisorでは、未使用IPアドレス(ダークネット)に観測機器を配置し、そのIPアドレス宛てに「どのような攻撃を想定した通信があったか」を調査しており、観測データを基に攻撃傾向をダークネット観測リポートとしてまとめている。

未使用IPアドレス宛てパケット数の観測

2021年1月~3月におけるダークネット宛てパケット数の項目では、1月と2月はIoT関連のマルウエアが利用するポートへのスキャンが増加、3月は脆弱性がある製品・ソフトウェアの探索が目的とうかがえるスキャンの増加を観測した。探索活動はサイバー攻撃の第1歩となるため、引き続きソフトウェアのアップデートや定義ファイルの更新などを定期的に行うことが重要となる。

観測パケット数

ダークネット宛てに通信を行ったホスト数

当該期間におけるダークネット宛てに通信を行ったホスト数については、図の観測結果となった。2021年3月にホスト数の増加が見られるが、これは送信元IPアドレスを詐称したICMPパケットによるものという。通常ICMPパケットは、一般的に利用されている、IPアドレス通信の補助パケットにあたり、このような通信も利用してサイバー攻撃がしかけられる。

観測ホスト数。国内ホスト数はIPアドレスを逆引きして.jpドメインだったもの

観測ホスト数。国内ホスト数はIPアドレスを逆引きしてjpドメインだったもの

宛先ポート番号

ダークネット宛への宛先ポート番号の観測状況については、445/TCP(microsoft-ds)と1433/TCP(ms-sql-s)といった、Windows系ホストを狙った通信が従来から続いている。現在のIoTマルウエアは、23番ポート以外にも1024番ポート以上のポートと組み合わせて利用しており、1024番以上のポートへのスキャンも増加している。

宛先ポート番号

宛先ポート番号

攻撃者がIoT機器を攻撃するためにアクセスしてくる代表的なポート

攻撃者がIoT機器を攻撃するためにアクセスしてくる代表的なポート

送信元の国別観測状況

ダークネット宛に通信を行った国別状況については、次のような観測結果となった。

送信元の国別観測状況

送信元の国別観測状況

ダークネット観測リポートの考察によれば、2020年4月から2021年3月まで継続的に感染先・侵入先を探索する通信が行われており、予断を許さない状況が続いているという。これら探索パケットは、昨今の企業の情報漏えいのきっかけになっている可能性もあるそうだ。個人・法人含め、PCおよびソフトウェアの脆弱性や、見落とされがちなIoT機器のセキュリティ対策などの対策を確実に行い、感染・侵入されないよう対策を行う必要があるとしている。

また、2021年度も同様の傾向は続くことが予想され、特に世界的なイベントや国際情勢によりサイバー攻撃が増加する傾向があるという。すべてのインターネット利用者の端末がサイバー攻撃を行うための調査・危険にさらされているという意識を持ち、継続的なセキュリティ対策が重要とまとめている。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:IoT(用語)サイバー攻撃(用語)ダークネット(用語)日本(国・地域)

ソラコムが施設内の二酸化炭素濃度をIoTセンサーで計測するスターターキットを提供開始

ソラコムが施設内の二酸化炭素濃度をIoTセンサーで計測するスターターキットを提供開始

「IoTテクノロジーの民主化」を目指し、誰もが簡単に活用できるIoTプラットフォームを提供するソラコムは6月15日、CO2(二酸化炭素)・温度・湿度センサーを備えたIoTデバイスとIoT SIM(LTE-M)をパッケージ化した「LTE-M CO2 センサー RS-LTECO2 スターターキット」の提供を開始したと発表した。公式通販サイト「SORACOM IoTストア」において、価格1万9800円(税込、送料別)で購入できる。なお、7月31日までのキャンペーン中は1万7820円(税込、送料別)としており、キャンペーンは在庫限りで終了の予定。

ソラコムが施設内の二酸化炭素濃度をIoTセンサーで計測するスターターキットを提供開始

LTE-M CO2センサー RS-LTECO2

同デバイスは、SORACOMプラットフォームとあらかじめ連携済みとなっており、データの収集と蓄積、ダッシュボード作成と共有までが、SORACOMコンソール画面で設定できる。また、このデバイスを使ってIoTシステムを学習したいというユーザーのために、センシングからデータ可視化までの流れを習得できる2つの支援策が用意されている。

1つは、デバイス専用の「サンプルダッシュボード」の公開。これは、PCやスマートフォンで閲覧できるグラフィカルなダッシュボードを作成共有するためのサービス「SORACOM Lagoon」(ラグーン)用のテンプレートだ。ソースコードのコピー&ペーストだけでデータを可視化できる。

もう1つは、必要な機材一式と開発手順を詳しく解説する「SORACOM IoT DIYレシピ」の提供。ここに、新たに「IoTで、CO2と温湿度を計測し換気促進」が追加された。

同キットの内容やRS-LTECO2仕様は次のとおり。

「LTE-M CO2センサー RS-LTECO2 スターターキット」セット内容

  • LTE-M CO2センサー RS-LTECO2
  • SORACOM IoT SIM(plan-D nanoデータ通信のみ)
  • SORACOMサービス利用料1800円分のクーポン(6ヶ月有効)

「LTE-M CO2センサー RS-LTECO2」仕様

  • 通信方式:LTE-M対応バンド(B1/B2/B3/B4/B5/B8/B12/B13/B18/B19/B20/B28/B39)
  • CO2濃度センサー:SENSIRION SCD40(PASens®方式)
  • 温度・湿度センサー:SENSIRION SHTC3
  • LED:10連LED CO2濃度レベル表⽰、状態・エラー表⽰
  • 電源:USB(USB ACアダプター付属)

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)ソラコム(企業・サービス)炭素 / 二酸化炭素(用語)DIY(用語)日本(国・地域)

東大発スタートアップ「ソナス」が地震モニタリングシステム用無線振動計測システムを関西電力本社ビルに設置

東京大学発スタートアップ「ソナス」が地震モニタリングシステム用無線振動計測システムを関西電力本社ビルに設置

関電ビルディングと設置イメージ図

東京大学発IoTスタートアップ「ソナス」は6月15日、関西電力の41階建て本社ビルをはじめとする7棟の拠点建物に、地震モニタリング用の無線振動計システムを導入したと発表した。

この無線振動計測システムは、配線工事が不要なため1日で設置可能という。またソナスの試算によると、機器のコストも従来の有線システムの1/10に圧縮できるという。41階建てという大きな建物でも、複数のノードを経由してパケットを送るマルチホップ方式によって、単一のネットワークでカバーできる。

東京大学発スタートアップ「ソナス」が地震モニタリングシステム用無線振動計測システムを関西電力本社ビルに設置

無線振動計測システムのセンサーユニット(子機)

さらに、「同時送信フラッティング」と「細粒度スケジューリング」という技術を高度に組み合わせてソナスが独自開発した無線通信規格「UNISONet」(ユニゾネット)により、「安定」「省電力」「拘束」「双方向低遅延」「データロス」「時刻同期」「ネットワーク内多数収容」という7つの性能が同時に実現されている。「有線システムに匹敵する『抜けのない』『時刻同期のとれた』高品質データが収集可能」であり、これが関西電力が提示した「配線工事が不要で設置が簡単、機器のコストも安価でありながら、通信品質を保ち、広範囲計測やデータロスレス、時刻同期も実現」という条件を満たし、導入が決まった。

またソナスの無線振動計測システムは、建物の常時微動のような微弱な振動や、モーターなどの故障の予兆として現れる異常振動の計測にも使われている。

関西電力の担当者は、「通信性能の実証に加え、トライアルから設置まで短期間で丁寧にご対応いただいたことも、スムーズな導入に至ったポイントです」と話している。

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:IoT(用語)地震(用語)ソナス(企業)東京大学(組織)防災 / Emergency management(用語)BCP / 事業継続計画(用語)日本(国・地域)

10種類以上のセンサーを一元管理可能な現場管理支援SaaS「Canvas」を手がけるIoTBASEが8000万円調達

IoTで企業のデジタル変革を支援するIoTBASEは6月16日、プレシリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資および社債発行による約8000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、インキュベイトファンド、グロービス、あおぞら企業投資。調達した資金は、業務プロセスにおける課題解決ニーズに対応するためのプロダクト開発に投資する。

IoTBASEは、現場管理を支援するSaaS型クラウドサービス「Canvas」を提供している。これは、車両や設備の状態監視センサーのデータや、作業ステータス、現場写真など、現場の様々なセンサー情報をクラウド上で一元管理可能なIoTデータダッシュボードサービスという。従来現場に人が向かい確認しなければならなかった業務を削減し、現場業務の生産性向上をサポートする。

Canvasの特徴としては、10種類以上のセンサーを統合管理するIoTプラットフォームである点や、現場の設備状態や作業状況を離れた場所からリアルタイム把握可能、関係者への通知や外部共有も直感的な操作で簡単に設定できるなどが挙げられる。

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カテゴリー:IoT
タグ:IoT(用語)IoTBASE建設 / 建築(用語)日本(国・地域)