Google PayのPayPal統合がオンライン販売業者に拡張

GoogleとPayPalは、これまでも戦略的パートナーだった。両社は2017年にPayPalがAndroid Payの決済方法になると発表した。Android PayはのちにGoogle Payになった。昨年、Google Payの決済方法にPayPalを加えたユーザーは、Google PayのPayPalオプションでGmailやYouTube、Google PlayなどのサービスやGoogle Storeでの買い物に支払えるようになった。そしてこれからは、ウェブサイトやモバイルアプリでGoogle Payを受け入れているオンラインの販売業者が、同様の統合を享受できることになった。

Googleの説明によると、何億もの顧客がすでに自分のGoogleアカウントに決済方法を保存している。2018年の統合により、その一部はPayPalだ。

統合の今回の拡大により、オンラインの販売業者はGoogle Payの統合の設定の中でPayPalを決済方法に指定できる。彼らのWebサイトでGoogle Payがすでに実装されていれば、とても簡単なことだ。許される決済方法のリストを、下図のように一部書き換えるだけだ。

そうすると今後は、Google Payを使って支払いをするオンラインの買い物客は、PayPalを選んで決済できる。

この統合によりGoogle PayからPayPalを使おうとする消費者がいちいちPayPalにサインインしなくてもよくなり、チェックアウトまでにやるべきことが相当減る。そして、便利になればコンバージョンも増える。PayPalのPurchase ProtectionReturn Shippingにもアクセスできる。

オンラインの販売業者がPayPalを利用しているとき、顧客がGoogle PayからPayPalを選べば、その販売業者のPayPal Business Accountには数分後にお金が入る。

PayPalがかつてのコンペティターだったAppleやGoogleを受け入れるようになったのは、数年前からだ。それは今でも続いており、ますます多くのテクノロジープラットホームがそのサービスを統合している。

PayPalがライバルのVisaMastercardAppleGoogleSamsungWalmartなどとの提携を始めたのは、小売店のPOS(Point-of-Sale)と、人気のあるモバイルウォレット(Apple、Google、Samsungなど)の両方で利用者を増やしたいからだ。今日ではこれらのモバイルウォレットの中でPayPalは、他の決済カード–クレジットカードやデビットカードなど–と共存している。

販売業者は支払い方法をなるべく多様化したいから、自分でデジタルウォレットプラットホームのサポートを加えるが、いわばPayPalはそれにただ乗りしてやってくるのだ。

Google PayのPayPalオプションは、顧客がPayPalのアカウントをGoogle Payにリンクできる24の国で利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国セブンイレブン、レジなし店舗を導入

Amazonが最初のレジなし店舗Amazon Goを2016年末にオープンして以来、他の小売業者は未来のコンビニエンスストアと戦う方法に取り組まざるを得なくなった。

Amazonはその後もシアトルサンフランシスコなどいくつかのAmazon Goを出店し、会員制スーパーのSam’s Clubは先週、テキサス州ダラスに“Sam’s Club Now”を開店すると発表した。そして今、世界規模チェーンストアの最古参が、類似のレジなし支払いシステムを発表した。

7-Elevenは、新たなモバイルチェックアウト方式、Scan & Payのパイロットテストを行っている。7-Elevenの利用者はスマートフォンで商品のQRコードをスキャンして商品を登録し、7-Elevenモバイルアプリを使って支払いができる。現在17カ国で6万5000店舗を運営する同社は、ダラスの14店舗でScan & Payのパイロットを行っている。2019年には他の都市にも同サービスを拡大する計画だ。

ユーザーはApple Pay、Google Payあるいは従来からのデビットあるいはクレジットカードを使える。レジなしチェックアウトで禁止されている商品は、ホットフード、宝くじ、アルコール、およびタバコのみだ。

「私たちにとって、利便性をデジタル世代に継続して推進する方法を見つけることが重要だった」と7-Elevenの最高デジタル責任者で最高情報責任者のGurmeet Singhが言った。「これで消費者の行動パターンや要求の変化に対応していく準備が整った」

ダラスに拠点を置く7-Elevenは、米国人口の50%が同社店舗の1マイル以内に住んでいると言っている。

他の大規模リアル小売業者と同じく、同社はITの急速な進歩に遅れを取らないことに全力を尽くしている。今年同社は、映画『デッドプール』シリーズと提携して、店内で拡張現実(AR)体験その他の実験サービスを提供した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スターバックスのモバイル支払いサービス、Apple Payを微差でリード(米国内)

誰もができるだけ早くコーヒーを飲みたがっている。Starbucks は独自のモバイル支払いサービスを2011年にスタートし、モバイル支払いユーザーの数ではApple Pay、Google Pay、Samsung Payを上回っている。今日(米国時間5/22)のeMarketerの最新レポートが報じた。しかし、StarbucksとApple Payとの差はごくわずかだ —— 2017年に同サービスの米国内ユーザーは2070万人で、対するApple Payは1970万人だった。その差は今年も小さいままで、Starbucksが2340万人、Apple Payの利用者は2200万人だ。

Starbucksのモバイル支払いが広く普及している理由は、このバーコードベースの支払いシステムが提供するスピードと利便性だけではない —— 支払いサービスが店への愛着と結びついているからであり、Starbucksアプリは顧客がカード残高と “star rewards” の確認と管理をする場になっている。さらにStarbucksには、全店舗を通じて一貫した支払いシステムを提供しているという強みがある —— 消費者はこの店でモバイル支払いサービスを利用できるかどうかを考える必要がない。使えることがわかっているからだ。

他の近接型モバイル支払いサービスにその特徴はない。Apple PayやGoogle Payのような「タップで支払い」に対応した支払い端末をもっていない店はまだ多い。

eMarketerの予測によると、14歳以上米国ユーザー2340万人が、半年に1度以上Starbucksアプリを使って店頭支払いをしているのに対して、Apple Payは2200万人、Google Payは1110万人、Samsung Payは990万人だ。

これらの数値は2022年まで世界中で増え続けるが、ランキングは変わらないだろう —— その頃Starbucksには2980万人、Apple Payには2750万人のユーザーがいる。

ただしこの予測は、最近Apple Payが、iMessageで友達に送金できるようになったことの影響を勘定に入れていないものと思われる。iMessage経由で受け取ったお金は、iPhoneのウォレット内のApple Pay Cashカードに追加され、アプリ内やオンラインだけでなく小売店でも使用できる。最大規模のメッセージングサービスに組み込まれたこの統合支払いサービスは、これまで使ったことのなかったユーザーが、Apple Payを採用するきっかけになるだろう。

ちなみに、どのサービスが多く使われているかは、そのサービスが提供されてからどれだけ経過したかとも相関がある。

Apple PayはSamsungやGoogle Payより前に提供を開始し、現在米国内販売業者の半数以上で利用できる。Google Payはそこまで普及していないがAndroidにプレインストールされていることが成長を後押しするだろう。Samsung Payはユーザー数では最低だが、採用している店舗数は一番多いとeMarketerは言っている。

eMarketerの最新レポートで注目すべきなのは各支払いサービスのランキングだけではない。

アナリストらによると、今年は14歳以上の米国スマートフォンユーザーの25%以上が半年に1回以上モバイル支払いサービスを利用する初めての年になるという。モバイル支払いのユーザー数は2018年末までに14.5%増えて5500万人になると同社は推定している。

しかし、ユーザー数は増えても上位4サービスのシェアは今後数年間に減少すると見られている。それは他の新しい支払いサービスとの競争が増えるためであり、その中には店舗自身のサービスも含まれる。

「販売業者が独自の支払いアプリを作るケースは益々増えている。自分たちのユーザーに関する貴重なデータを収集できるからだ。ポイントや得点をつけて顧客ロイヤルティーを高めることもできる」とeMarketerの予測アナリスト、Cindy Liuは言う。

eMarketerの予測(有料記事)は第三者のデータに基づいており、Forrester、Juniper Research、およびCrone Consultingの米国モバイル支払いユーザーに関するデータを利用している。

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Alibabaが顔認識による決済システム‘smile to pay’をKFCの杭州店でテスト開始

中国はデジタル決済ではかなり先を行っている。その最新の跳躍は顔認識技術、お客は笑顔を見せるだけで支払いができるのだ。

Alibaba傘下のAnt Financialが、その‘smile to pay’(笑顔でお支払い)サービスを、本社のある杭州で開始した。テストするお店はKFC(ケンタッキーフライドチキン)だ。

下のビデオでお分かりのように、顧客がすでにAlipayアプリで登録して顔認識を有効にしていれば、支払いのためにスマートフォンは要らない。POPのところにある3Dカメラが顧客の顔をスキャンして、本人性を確認する。電話番号入力で、セキュリティを強化することもできる。

今回の試行は、Alibabaにとっていろんな努力の成果だ。

同社は2年前にドイツで行われたIFAで、初めて顔認識技術を披露したが、そのとき社長のJack Maが紹介したのは、セルフィー(自撮り写真)を撮ってから支払いをするオプションなど、いくつかの基本的な機能だった。その後オプションは、かなり進歩した。ここでAlibabaが使っているのは中国のスタートアップMegviiのFace++と呼ばれる技術で、MegviiはFoxconnなどから1億5000万ドルあまりの資金を調達している。

KFCをテスト店に選んだのは、KFCの中国のオペレーターYum ChinaにAlibabaが投資しているからだ。McDonaldsやTaco Bellも、中国では同社がオペレーターだ。

Alibabaがこの技術をeコマースの未来と位置づけているのは、オンラインとオフラインのリテールを統合できる、と考えているからだ。同社は今年の初夏にキャッシュレスのストアを開店し、上海ではモバイルアプリで顧客体験を最適化できる近隣ショップを10店営業している

だから‘smile to pay’も、そういった戦略の一環だ。また、Alipayの人気を高めることにも貢献する。こちらはTencentのWeChat Payという強敵がいるから、とくに重要だ。なんといっても、WeChatは中国で巨大な人気を誇るメッセンジャーアプリだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Android Payが日本でも可利用に、まず楽天とパートナー

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Android Payが継続している国際展開の一環として今日(米国時間12/12)は、日本でローンチした。それは、Appleのモバイル決済サービスが日本に上陸してからほぼ6週間後になる。

Googleは楽天とパートナーし、楽天のEdy決済システムでAndroid Payを動かす。そのシステムは、Family Mart, Lawson, McDonald’s, Dominosなど国内の47万箇所あまりで使える。また楽天のSuper Pointsをはじめ、ポイント・サービスもサポートされる。

Googleによると、同社の計画では今後、FeliCa Networks(SonyによるRFIDスマートカードシステム)との提携に努力し、さらにそのほかのeMoneyサービスや、従来型の決済企業(Visa, Mastercard, 三菱東京UFJ銀行など)のサポートも推進していく。

今Android Payが使える国は、アメリカ, イギリス, アイルランド, ポーランド, シンガポール, オーストラリア, 香港, 日本, そしてニュージーランドだ。サポートされるデバイスはAndroid Kitkat 4.4以上の機種、そこにモバイルのウォレットアプリをダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

5年後になくなっているもの5つ

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【編集部注:本稿の筆者、Tom GonserDocuSignの最高戦略責任者。】

わずか5年前、世界はまったく違う場所だった。2010年、iPadはデビューしたばかり、Kickstarterは資金調達の様相を変えることになる新しい形のベンチャーキャピタリズムを生み出し、Squareはどんな規模の売り手でもモバイル端末にカードを通すだけで支払いを受け取れるようにした。後戻りはしていない。

次の5年間で、現在想像もしていない製品やサービスが出てくることは間違いない。しかし、前進するにつれてなくなるものはなんだろう?今使っているもので、新しい革新やテクノロジーや方法によって破壊され、完全になくなったり絶滅寸前になるであろうものをいくつか紹介する。

現金、小切手帳、クレジットカード、およびATM:デジタル財布の中には何がある?

いまやSquareによって、あらゆる売り手がデビットカードやクレジットカードを受け入れられる。Venmoを使えば、友達と夕食の支払いをテキストメッセージを通じて割り勘できる。まもなく、あらゆる銀行取引がどんなモバイル端末ででもできるようになる ー 車からでも。連邦準備制度によると、米国全体の小切手利用は、2000年から2012年で57%減った。

35歳以下の消費者の94%がオンライン銀行を利用し、その20%以上が紙の小切手を書いて支払いをしたことがない、とFirst Dataのレポート、The Unbanked Generationは書いている。ヨーロッパでは、小切手を書こうとすると、異常な人間かのような目でみられる。家賃は、小切手を使う最後の大きな砦かもしれないが、それでさえ大家が電子支払いに切り替え、モバイル支払いが益々簡単になるにつれ減少している。

もう一つ:もっと先の未来には、現金がなくなる。現金がないことは現金マシンがなくなることを意味している ー バイバイ、ATM。

USBメモリー:物理メディアはあと何年?

2020年には、世界の70%がスマートフォンを使っていると、 Ericssonのモバイル報告書は言っている。 モバイル通信ネットワークが人口の90%をカバーする。Apple、Box、Dropbox、Google、Microsoftなどのクラウドサービスがほぼ無限のストレージをほぼ無料で提供するようになり、ポケットの中でストレージデバイスが場所を占める理由はほとんどなくなる。モバイル端末の標準ストレージサイズが次の5年で増加するのはもちろんだ。

世界中のイベント主催者は、カンファレンス参加者への記念品に何か新しいグッズを考える必要がある。USBはアナログ時代の象徴になるだろう。

より簡単で安全なアクセス:パスワードや鍵はなくなる

これは想像しにくいだろう。パスワードは今日非常に広く使われているのだから。平均的な人で、パスワードを19個を持っていると言われている ー そして半分近くの人が安全でない弱いパスワードを使っていると認めている。しかし、たとえあなたが絶対に強力なパスワードしか使わないとしても ー おわかりかな ー やはり破られる

まず今の生活にある旧テクノロジーのがらくたを捨てててスタートを切ろう。

生体認証はすでに主流になりつつあり、特にモバイル端末ではわれわれのオンライン活動の多くで主要な入り口となっている。指紋、音声、顔認識が、最初の犬の名前や結婚記念日に変わって安全なアクセス方法になるだろう。それぞれにセキュリティーのリスクはあるが、文字パスワードはなくなるだろう。

同様に、物理的な鍵を失くす心配もなくなる。これからはいつも持ち歩いてるスマート端末が鍵になり、生体認証と組み合わせることによって、持ち主だけが使用できる。

これがなくなって悲しむ人は誰もいない:リモコン

ソファーのクッションをひっくり返してあの見つけにくいリモコン(ホームオーディオやビデオシステムの設定によっては10台かもしれない)を探すことはなくなる。

調査会社のStrategy Analyticsは、モノのインターネット(IoT)、スマートホーム、およびウェアラブルに出現する新たなカテゴリーによって、2020年までに176億台のデバイスが新しくつながるようになる、と予測している。現在でも、Amazon Echoなどのデバイスは、音声による検索とコマンドを新たなレベルに引き上げている。2020年には大量の新しいデバイスがインターネットにつながることによって、単体のハードウェアとしてのリモコンは意味をなさなくなる。

静的文書および紙の契約書

紙ベースの署名と紙ベースの手続き ー 取引を完了させるのに必要な物理的印刷、FAX、スキャン、あるいは承認、決定、署名のための配達便 ー は、今日のデジタル世界では急速に陳腐化しつつある。将来は、あらゆる取引が「クラウド契約」によってアクティブに管理されるようになる。

クラウド契約は:当事者たちの身元を(永久)に結びつけ、契約条件が満たされたら支払いを行い、必要な時期が来たら自発的に契約担当者と接触する。

不動産、金融サービス、保険、ハイテク、および医療企業は 予算を縛られた政府機関さえも ー クラウドコンピューティングを導入して、効率を高め、コストを下げ、エンドユーザー体験を改善している。もうすぐ、契約の管理方法は大きく変わるだろう。

新年の抱負を考えるときは、まず今の生活にある旧テクノロジーのがらくたを捨てて、デジタル新年のスタートを切ろう。たしかにまだ時間はある。しかし、これだけ魅力的なテクノロジー破壊が起きているのに、待つ必要はない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Starbucks、近くの店舗に事前オーダーできる仕組みの利用可能エリアを大幅拡大

Starbucksの事前オーダーシステムが、発祥の地であるシアトルを含む太平洋岸北西部でも利用できるようになった。このシステムでは、近くにあるStarbucksにオーダーを送り、スマートフォンを利用して支払いを行う。店舗では行列に並ぶことなく商品を受け取ることができる。今回の規模拡大により、ワシントン州、アイダホ州、オレゴン州、およびアラスカ州の650店舗で新たにシステムが利用できるようになった。さらには年内の全米展開を目指している。

Starbucksのこのシステムは「Mobile Order & Pay」と呼ばれるものだ。最初に利用可能となったのは2014年12月、ポートランドにおいてのことだった。以来、今回の対象地域拡大までに、150店舗で利用できるようになっていた。

現在のところ、このシステムを利用するにはiPhone用のStarbucksアプリケーションが必要となっている。ただし、年内を予定する全米展開の際には、Androidアプリケーションでも利用できるようにしたいと考えているそうだ。

このシステムを利用するには、画面の右上にある「Order」をタップして、品物を選択する。もちろんいろいろなオプションを追加することもできる。オーダーが決まれば、アプリケーションが表示する近くのスターバックスにオーダーするという流れだ。アプリケーションではGPS機能を利用していて、近くのスターバックスを探すとともに、またそれぞれの店舗でのだいたいの待ち時間も表示してくれる。必要とあらば店舗への道順も提示してくれる。

商品を受け取るショップの確認もできたら、オーダーの確定を行う。支払いは登録しておいたStarbucks Cardで行う。

確定したオーダー内容はショップに送信され、注文主がショップに到着する前から商品の準備が始められることになる。利用者がショップに到着すれば、あとは商品を受け取るだけだ。長い列に並んでオーダーする必要はないわけだ。

このシステムはスタートしてまだ数ヶ月にすぎず、さらに対象エリアも限られていた。それもあってか、Starbucksはシステムの利用状況について、これまでのところは詳細をアナウンスしていない。しかし、対象エリア拡大への動きは非常に迅速であると評価することができよう。これまでに用意してきた決済インフラとの相乗効果で、スマートフォン決済の利用者はいっそう拡大していくものと思われる。

ちなみにStarbucksといえば数年前、スマートフォン決済を手がけるSquareに出資したにも関わらず、店舗での運営がうまくいかないという状況になることもあった。Squareの利用がうまくいかないことについて多くの批判の声も寄せられていた。以来Squareは同社のWalletプランを放棄し、そしてStarbucksの方は独自のスマートフォン決済のためのインフラを拡充することとなっている。

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(翻訳:Maeda, H


Google Walletの利用拡大努力は続く…今度はWePayがInstant Buy APIを統合

Googleは、Google Walletを利用できるお店を増やすためにSoftcardを買収すると言われているが、そのほかにも、モバイルベースのトランザクションでPayPalなどと対抗するためにInstant Buy APIの積極的な利用を進めている。

2013年にAndroidでローンチしたInstant Buy APIは、昨年のiOS進出に次いで今度は、ほかの決済企業にも採用を広げようとしている。その一番バッターWePayがこのほど、同社の決済システムのバックエンドにこのAPIを統合した。

これによりWePayのユーザは自分の顧客たちに、代金の支払方法として、Google Wallet方式を提供できる。つまり彼らのお客さんたちは、PayPalのインスタントペイメントが提供しているような“わずか2クリック”の支払決済ができるようになるのだ。

WePayはGoogle以外の企業として初めてこのAPIを採用するが、それはGoogleがWePayの顧客InvoiceASAPにアプローチした結果だ。Invoice ASAPはおよそ20万の中小企業に請求書に対する支払サービスを提供しているが、WePayがInstant Buy APIを採用したことにより、ユーザにはGoogle Walletによる支払が選択肢の一つとして加わることになる。

もちろん今日からはInvoiceASAPだけでなくWePayのそのほかの顧客…Care.com、Constant Contact、FreshBooks、GoFundMe、Meetupなどなどのユーザも、Google Walletによる支払を選べるようになる。

WePayの協同ファウンダでプロダクト担当VP Richard Abermanはこう言う、“GoogleはGoogle Walletを本気で普及させようとしている。うちがその最初の企業になったことは、嬉しいね”。

Googleがねらっているのは、たしかに今ではモバイル上で請求を受け取る人が増えているが、それに対する支払を同じくモバイル上でやろうとすると、かなり面倒なこと。Googleは、その面倒を解消することを商機として捉えている。

WePayによると、トランザクションの20%しかモバイル上で行われていないが、しかし請求の70%はモバイルに…メール等で…来ているのだ。たしかにGoogleが考えるとおり、このギャップは大きな商機だ。

“モバイルでの支払決済が、やりにくくてかったるいからだよ”、とAbermanは語る。

InvoiceASAPのファウンダでCEOのPaul Hoeperが、声明文の中でこう言っている: “支払決済は払う人にとってもお金をもらう側にとっても、できるだけやさしくしたい。でもモバイルでは、それが難しかった。クレジットカードの情報も、モバイルでの入力は難しいから、モバイルで決済トランザクションをやらない人が多かったのだ”。

GoogleがGoogle Walletをこれだけ熱心に広めようとするのには、たぶんもうひとつの理由がある。Appleが今広めようとしている支払決済のユーザ体験に、負けたくないのだ。

Appleは、同社のApple Payサービスを、PayPalと互角のメジャーなサービスに育てたいと思っている。物理店だけでなく、オンラインやモバイルでもユーザが簡単に支払決済のできるサービスとして、だ。WePayのAbermanによると、同社も今、Apple Payの統合に取り組んでおり、数か月後には供用開始できる、という。

Google WalletのInstant APIが今どれぐらい採用されているのか、またWePayのようなサードパーティの採用が今後どれぐらい増えるのか、いずれも明確な数字は得にくい。iOSがこのAPIをサポートしたのは、昨年の7月だった

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple Payは画期的NFC支払システム―登録はカメラ、指紋認証、店にカード番号が渡らず

噂の通り、Appleは今朝(米国時間9/9)開催されたプレスイベントで、新しいiPhoneはモバイル支払機能をサポートすると発表した。この支払システムは指紋認証のTouch IDとNFC〔近距離無線通信〕テクノロジーを利用する。ユーザーは特に新たな手続きをしなくても、既存のiTunesアカウントに登録しているクレジットカードで支払いが可能となる。巨大な既存ユーザーを擁していることがモバイル支払参入にあたってAppleの最大の武器となるだろう。

現在、Appleには8億人の登録ユーザーがいる。iPhone 6シリーズに直ちにアップグレードするユーザーは一部だろうが、既存の契約が切れ、AppleがiPhone 6シリーズに魅力的な新機能の追加を続けるうちに移行が進むだろう。

AppleのCEO、ティム・クックは今日のイベントで、アメリカのeコマースの取引総額は毎日120億ドルに上ると語った。今回のApple Payの導入でAppleはこの巨大市場の相当部分を制することになりそうだ。

作動の仕組み

ユーザーがホームボタンに指を乗せる内蔵されたTouchID機能が登録された指紋を認識し、NFCを通じて店舗のターミナルと通信して支払を行う。

現在チケット購入やポイントカードのために利用されているPassbookアプリに登録したすべてのクレジットカードが表示され、ユーザーは自由に選択することができる。iPhone 6ではクレジットカード情報はSecure Elementと呼ばれる専用チップに安全に格納される。

ユーザーはiPhoneの新しいiSightカメラでクレジットカードの写真を撮るだけでPassbookにカード情報を登録できる。その後Appleはカードが真正なものであることを確認する。確認が済んだ後はAppleは自社サーバーにカード情報を記録しない。またカード情報は店舗にも渡らない。

つまりAppleは支払いの都度、一回限りの取引番号を生成する。Appleは「われわれは取引記録の履歴を保存しない」と強調した。また「iPhoneを探す」機能からクレジット・カードを停止することが可能となっている。

マーチャントもカード番号を知ることはできない。店側に渡るのはダイナミックに生成された固有取引番号と金だけという仕組みだ。

今日のローンチ時点ではアメリカの6銀行がこのサービスをサポートしている。現在サポートされているカードはAmEx、MasterCard、Visaで、Apple Storeストアは言うまでもなく、メーシー、ブルーミングデール、ウォルグリーン、サブウェイ、マクドナルド、ホールフーズなどの22万箇所のマーチャントがすでに対応するターミナルを設置ずみだ。また MLB、Instacart、OpenTable、GrouponでもこのApple Payサービスが利用できる。

もう一つApple Payの興味あるパートナーはスターバックス・コーヒー・チェーンだ。というのも、スターバックスは初期からのパートナーとしてSquareのモバイル支払システムを設置してきたが、その成績は思わしくなかった。Apple Payの発表に先立ってAppleがSquareと買収交渉を進めているという噂があったが、実現していない。Apple Payは今年10月にアメリカでスタートし、将来は全世界に拡大される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


iWatchのキラー機能は、支払いの2要素認証かもしれない

Appleは、どうやってわれわれにどうしてもスマートウォッチを買いたいと思わるのだろうか? モバイル支払いのリスクと面倒をなくすことだ。

あなたのiWatchが、支払い前のセキュリティーチェックとして、範囲内に自分のiPhoneがあると認識したとする。次に両者は店のPOSシステムに近距離無線通信(NFC)で接続し、「スターバックスに20ドル支払いますか?」という確認画面がiWatchに表示される。タップかボイスコマンドだけで、パスワードを入力することも、ポケットからiPhoneを出すことさえもなく支払いは完了する。簡単、スピーディー、安全。これでモバイル支払いは、メインストリームへの道が開かれ、その中心にAppleがいる。

赤ちゃんを抱いた母親が、両手が塞っていても優雅に食料品の支払いを済ませる、Appleのスマートなデモビデオが目に浮かぶ。

おびただしい数のスマートウォッチが今年になって出てきたが、その殆どが世間から無視されている。なぜなら今スマホでできている以上のことは大してできないからだ。Google Nowをボイスコマンドで呼び出すことは、キーボード不要の腕時計に大きな可能性を与えるが、一般消費者は人前で腕に向かって叫ぶことに二の足を踏むだろう。

なぜiWatchが必要かに対するAppleの答は、iPhoneにできないことができる、ではなく、iPhoneと一緒にできることなのかもしれない。

Appleにはこの戦略の下地がすでに出来ている。なぜなら多くの人々が様々なハイテク機器をこの会社から買っているからだ。iPhone、iPad、iPod、MacBook。iPodとMac、あるいはデバイス間でiPhotoやiCloudを使うことである程度のシナジーはあった。しかし、このiWatch/iPhoneの2ステップ認証という芸当は、Appleカルトに入信すれば財布はいらなくなる可能性を示唆しているのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


モバイル決済のSquare、精度を上げて対応機種も拡大した新しいカードリーダーをリリース

昨日公開されたティーザーで予告されていた通り、Squareが新しいプロダクトを発表した。いったい何が出てくるのかと憶測を巡らせたが、出てきたのはカードリーダーの新版だった。確かに、これが最もありそうな話ではあった。新しいリーダーはこれまでのものよりも薄く、読み取り精度が向上しているようだ。3.5mmオーディオジャックプラグも、より多くのデバイスで利用できるように対応が行われている。

新しいSquare Readerは来年からの提供を予定しているようだが、ホームページ上からの無償配布も開始されている(訳注:アメリカと日本では異なる仕組みになっているかもしれません)。どのくらい薄くなったかと言えば、iPhone 5や5sと同じ程度になっている。すなわち、オリジナルのものと比べて厚みが半分程度になっているのだ。またエッジはよりシャープになっていて、驚くべき仕掛けがあるわけではないが、外見は相当に格好良くなったように感じる。

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(翻訳:Maeda, H


Square、Vine上でティーザー告知展開中。何かはわからないけれど、何かが登場予定?!

SquareがVine上でナゾのティーザーを展開中だ。アメリカ時間の月曜日に、何かを発表することを暗示しているらしい。何が発表されるのか、投稿されているVineビデオからはほとんど何もわからない。どうやらまるめたこぶしの中に入るものなのだろうか。しかしビデオ中の「こぶし」もおそらくは単なる表現上のもので、具体的なことを示すものではないのだろう。すなわち、何が発表されるのか、まったく何もわからない。

何もわからない中、敢えて予想するなら、クレジットカード用ドングルをアップデートするようなことが考えられるだろうか。Squareは2009年にこのドングルの提供を開始して以来、同じものを使い続けている。但し、このドングルはいかにもSquareらしさを示すものでもあり、イメージを損なわずにどういった機能追加をするのかと考えると、可能性は低いようにも感じられる。

あるいは、国際展開上で必要となってくるChip and PIN対応のリーダーを発表するのかもしれない。もう少し想像力を働かせるなら(少々強引すぎる想像かもしれないが)商店内個人マーケティングを可能とするAppleのiBeaconトランスミッターを搭載するという可能性もあるのかもしれない。

iBeaconを使えば店舗を訪問している客に最新の商品情報や割引商品情報などを通知することができる。またフリーマーケットやイベント会場などでもさまざまな情報を通知できるようになる。これと統合することで、Squareがさらに便利に使えるようになることは間違いない。おまけにiBeaconのトランスミッターというのは、上のビデオ中の左手の中に隠れるほどの大きさだと思うのだ。

結論とすると、明日になって何が出てくるのかは全くわからないということだ。しかし、SquareのVine情報は注視しておこう。

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(翻訳:Maeda, H


8枚のクレジットカードに変身する電子カードのCoinが質問に答える

Y/Combinatorが支援するスタートアップが開発したCoinはクレジットカード型の電子デバイスで、Bluetoothで読取機と通信し、最大8枚のクレジットカードの役を果たす。先週の予約発売の開始と同時に大きな注目を集め、当初の目標5万ドルを40分以内に達成してしまった。

同時に、ユーザーはCoinを購入しようと考えているだけでなく、仕組をもっと詳しく知りたがっていることも明らかになった。そこでCoinは最初のリリースに含まれる機能について詳しく説明することにした。

その中でも重要なのは、カードの使用状況をモニタして不正な使用が疑われる場合にはユーザーに警告メッセージを送る機能だ。

たとえば、店舗やレストランで支払いをした場合、代金の決済のためにスワイプした直後に係員がクレジットカードのデータを盗むためにもう一度スワイプしたとする。通常、銀行やクレジットカード会社は、不正に入手したカード情報を使って現実に取引が行われるまで何もしない。

Coinは不審なスワイプが行われた瞬間にユーザーに警告するので、ユーザーはその場で不正があったかどうかチェックすることが可能だ。

またユーザーはウェイター、家族、他人などが勝手にカードの入れ替えができないようにひとつのカードをロックすることができる。 またCoinは携帯電話と接続していなくても作動する。

Coinは予約開始とともに殺到した質問に応えて、FAQをアップデートした。

そのうちのいくつかを紹介する。

Q. Coinを渡した相手が支払うカードの選択を間違って変えてしまうということはありませんか?
A. カード選択ボタンは意図的に押しにくくデザインされています。Coinを落としたり、握ったり、その上に座ったり、機械式の読み取り機にかけたりしても選択が変わることはありません。

Q. ペアになっている携帯の電源が切れたり、機内モードになっている場合でもCoinは使えますか?
A. 使えます。ただし携帯との接続が長時間切れたままの場合、Coinの作動が停止することがあります。この場合は再度アクティベーションを行ってください。

Q. Coinの安全性は?
A. Coinのユーザーデータを保護することはわれわれの最優先課題です。ユーザーに安心して使用してもらえるよう、われわれはストレージ内のデータについても通信(httpとbluetooth)についても、モバイル・アプリ、Coin本体双方で128bitまたは256bitの暗号化を行っています。またユーザーがCoinを置き忘れた場合、警告メッセージが発せられます。

ファウンダーのKanishk Parashar向こう24日の立ち上げキャンペーンの期間を通じて予約可能であり、数量の制限はないと請け合った。注文量が増えればOEMメーカーがCoinを優先してくれるようになるのでかえって好都合なのだそうだ。

ParasharはCoinが初めてのハードウェア・ビジネスだという。その前のスタートアップはSmartMarketというモバイル支払サービスだった。ところがこのアプリはダウンロード数は多いものの、実際の支払いに使われる回数が少なかった。そこでParasharは電子クレジットカード型のデバイスを考えついたのだという。

Coinについてさらに知りたい場合はこちらに

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Square、Coineyなどに続き10億円増資でロイヤルゲートがモバイル決済に本格参入

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今年5月に国内参入した「Square」、国産スタートアップの「Coiney」、ソフトバンクが展開する「PayPal Here」、楽天が手がける「楽天スマートパス」など、競争が激化するモバイル決済サービス。これらのほとんどは中小規模のスモールビジネスを対象としているけれど、それよりも規模が大きい中堅・エンタープライズをターゲットするロイヤルゲートが15日、産業革新機構と総額10億円の投資契約を締結した。

ロイヤルゲートは企業向けの決済プラットフォーム「PAYGATE」を展開。現在は中堅規模の企業を中心に導入され(件数は非公開)、大手の運送・保険・通信会社などでも導入が検討されているのだという。1件あたりの決済金額が小さく、月間取扱高が数万〜数十万円程度の小規模店舗が中心に導入する競合サービスと比べて、PAYGATEは「月間数百万円から数億円」(ロイヤルゲート梅村圭司社長)単位で取引する中堅・エンタープライズ市場が主戦場。ちなみに10月11日、大手小売チェーンのユニクロ銀座店の一部フロアでSquareが導入されたが、現時点では1店舗のみにとどまっている。

PAYGATEのターゲット顧客(ロイヤルゲート提供)

エンタープライズ市場に入り込むには、企業が持つ独自ポイントへの対応、企業の既存システムとの連携、高度なセキュリティなどの要件が求められる、とロイヤルゲートの梅村社長は指摘する。同社はイヤフォンジャックやBluetoothで接続するカードリーダーを自社開発していて、それらはiOSやAndroidだけでなく、Windows 8.1にも対応している。そのほかには、NFCや口座振替・Jデビット、バーコードリーダーなどのマルチ決済が可能な端末も開発し、日本独自のカード文化への対応を図っているのだという。

「カードリーダーだけでなく決済用のアプリ、決済代行センターも自社開発しているため、企業のシステムと柔軟に連携できるのが強み」(梅村社長)。

カードリーダーについて少しだけ専門的なことを言うと、リーダーにはカードの磁気を1つのヘッドで読み取る「シングルヘッド」と、2つのヘッドで読み取る「デュアルヘッド」というタイプがある。SquareやPayPal Hereなどは前者、PAYGATEは後者となる。デュアルヘッドは「エンタープライズの要望が大きい」(梅村社長)という読み取り精度が高く、「JIS2型」と呼ばれるクレジットカードに含まれるポイント情報も読み取れるのが特徴だ。

他社イヤホンジャック型サービスのリーダーとの技術的比較(ロイヤルゲート提供)

今後はモバイル決済に加えて、モバイルPOS、ネット上で決済した商品を店舗で受け取れるウォレットサービスを合わせた決済サービス「PAYGATE OPEN Platform」にも注力。モバイルPOSを無償提供したり、他社のPOSとの連携を進めていく。ウォレットサービスでは消費者の購買動向をビッグデータとして収集し、クーポン型O2Oサービスによる広告収入を見込んでいる。調達した10億円の資金は、人員体制やデバイスの開発体制の強化にあてるほか、年内にはアジア地域に拠点を設け、来年には海外でもサービスを開始する。3〜5年にはIPOを視野に入れている。

スモールビジネス向けのモバイル決済は0.01%単位の手数料の値引き合戦が続くなど競争が激化しているけれど、「エンタープライズ市場は未開拓の金脈」と梅村社長はみている。「スモールビジネス向けモバイル決済は、手数料が安ければ他のサービスに乗り換えられてしまう」。その一方、「潜在市場は100兆円規模」(梅村社長)というエンタープライズ分野には膨大な「金脈」が眠っているのかもしれない。


モバイル決済のSquare、ぐるなびと決済機能強化で提携–導入店舗をさらに拡大へ

モバイル決済のパイオニアSquareが新たに「ぐるなび」と決済機能の強化を目的とした提携を開始することを発表した。ぐるなびが提供するチェックイン/ポイントサービス、顧客管理サービスである「ぐるなびPRO認証システム(以下、ぐるなびシステム)」導入済の約1万店舗に向けて新しい決済手段を追加するようだ。

ぐるなびシステムは来店客が「ぐるなびウォレット」を利用し、お店にチェックインするとポイント貯めることができる他、お店側は客の来店回数や前回の来店日時を専用のタブレット端末に表示するようなサービスだ。

これまでのぐるなびシステムではクレジットカードの決済には別途専用の端末が必要であったが、今回の提携により、ぐるなびシステム導入済の端末でSquareを利用することで対応できるようになった。

なお、Squareは今月6日にもローソンとの提携により、カードリーダーを日本国内約1万店舗で販売を開始するなど普及促進を加速している。


国産モバイル決済のCoiney(コイニー)も決済手数料を3.24%に変更、入金サイクルも短縮し競争が本格化

今年5月にSquareが日本でローンチされてから、国内のモバイル決済サービスの競争は加速している。

PayPal Hereと楽天スマートパスはカードリーダーを有料で販売していたが、実質無料になるキャンペーンを行うなど様々な施策を行っている。

その中でも大きな動きが決済手数料だった。PayPal Hereと楽天スマートパスはSquareの3.25%に対抗し、3.24%へと改定してきた。そして本日、少し遅れて日本のモバイル決済スタートアップのCoineyも決済手数料を3.24%にすると発表した(現在は4%)。

8月21日からCoineyの取引は全てこの手数料で利用できる。これで国内で展開されているモバイル決済サービスの手数料はSquareの3.25%を除いて他3社は3.24%となり、手数料に関してはSquareの優位性はなくなった。

また、Coineyは入金サイクルの短縮も発表している。Squareと楽天スマートペイは銀行口座への振込が決済日の翌日/翌営業日で、PayPal Hereは(銀行により異なるが)3日から1週間ほどかかる。これに対してCoineyは毎月25日締め翌月末の振込になっており、資金繰りが厳しい店舗からすると導入の障壁になっていただろう。

しかし、手数料変更日と同じく8月21日からは月に6回までの支払いが可能となった。締め日が5日ごとになり、支払いはそれぞれの締め日から12日後にまで短縮された。

入金サイクルはSquare、楽天スマートペイに比べると依然差はあるが、今後実績が積み上がるにつれて改善されることだろう。なお、入金時の手数料に関しては3万円未満が105円、3万円以上は210円をユーザーが負担する。この点に関しては楽天スマートペイは210円(楽天銀行は手数料無料)、PayPal Hereは5万以上は210円、Squareは無料となっている。

この他、これまではメールでのみの対応だったレシートをプリントアウトできるように、9月中旬からプリンターを試験的に提供するそうだ。

Squareが日本でローンチした際には決済手数料の安さと入金サイクルの早さが目立っていたが、こぞって競合サービスが改善してきた。今後はさらにこれらの点では差別化が難しくなるだろう。となると、この先重要になってくるのはPOSレジの機能やSquare Walletのような顔パス決済(ここまで来ると”モバイル”決済ですらないが)といった点になるのかもしれない。

今後の各社の動きにも引き続き注視していきたい。


モバイル決済のSquare、カードリーダーを全国のローソン約1万店舗で販売開始

モバイル決済のSquareが日本でのサービス提供を開始したのは2カ月程前のことだ。競合サービスよりも圧倒的に安い決済手数料3.25%という発表で話題となった。そのSquareが本日から全国のローソンでSquareリーダー(カードリーダー)の販売を開始したことを発表している。

これまではオンライン上でSquareに申請した後にカードリーダーを郵送で受け取るか、国内のApple Store7店舗で購入できたのだが、今日からはコンビニでも手に取ることができる。ローソンは全国に約1万店舗あるというから、多くの人の目に触れることになるだろう。

Squareリーダーの料金は980円(税込)だが、Apple Storeでの販売と同様に、商品パッケージ内に記載されているコードを入力すると銀行口座に1,000円が振り込まれるため、実質無料となっている。

さて、ここで競合サービスとの比較を簡単におさらいしておこう。ソフトバンクと組んだPayPal Hereは7月1日から決済手数料を3.24%へ変更し、リアル店舗での販売はソフトバンクショップ・ソフトバンク取扱い店を合わせて約2,700店舗で展開しているそうだ。

楽天のスマートペイもPayPal Hereと同様に決済手数料を3.24%に変更し、初期費用が無料になるキャンペーンを開始したりと奮闘している。最後にクレディセゾンと提携したCoineyだが、今のところ決済手数料は4%のままである(8月21日から3.24%に変更予定)。この2つのサービスに関してはオンラインのみでの申し込みとなっているようだ。

その他、口座振込までの時間や入金手数料といった様々な条件が人気を左右することになるが、Squareが決済手数料を除いては全てリードしている印象だ。


アメリカのスターバックス店ではモバイルを使う支払いが全売上の10%を超える–料金計算もワイヤレスで

Starbucksの合衆国の店舗はモバイル支払いを大々的に採用しているので人目を引く。同社が昨夜発表した最新の四半期決算では、合衆国の全店の売上の10%あまりがモバイル支払いによる、という(WSJより)。Starbucks専用のモバイルアプリのほかに、AppleのPassbookやSquare Walletがよく使われている。

このチェーン店のコーヒー屋さんは、今後ワイヤレスの料金計算マットを各テーブルに置くなど、モバイル化をさらに進めていく予定だ。そのPowermatによるワイヤレス料金計算システムは、ボストンの17店でテストし、8月にはシリコンバレーに来る。使用しているPower Matters Allianceの規格はQiを使っている携帯、たとえばNexus 4では使えない。しかしそれでも、今はPMA陣営に加わる企業が増えており、Starbucksの採用はさらにそれに拍車をかけるだろう。

注目すべきは、Starbucksの場合は企業の戦略レベルでモバイル化を推進し、しかも成功していることだ。StarbucksのCDO(Chief Digital Officer) Adam Brotmanによると、デジタル化はいろいろな面で合衆国の企業に目に見えるインパクトを与えつつある。そしてそれが将来性の大きな経営転換だからこそ、これまでデジタルに投資してきた企業は、これからも投資を続けようとしているのだ。

モバイル支払いは今ではベンダとそのブランドが多様化している。初期には、独占に近い一社がサービスを提供し、ワレットも一形式のみ、そして技術もNFCのようなものに限られていた。今のStarbucksのやり方は多種類の支払い方式を含み、従来からのバーコードスキャンも使え、そしてとても人気がある。便利で使いやすく、見つけやすく、複数のよく知ってるブランド名が見られるからだろう。

まだふつうの支払い方式が支配的な中で、Starbucksの例は、企業にやる気があり条件が整えばモバイル対応の商業が十分に成り立つことを示している。しかし今後しばらくは、全面的普及というより、Starbucksのような孤立した成功例があちこちに芽生えて育つという形になるのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


待たずに飲み物を注文できるバー・アプリ、Coasterにセルフサービス開発キット登場―店のメニューを登録してモバイル支払いが受けられる

coaster ipad

数ヶ月前にローンチしたサンフフランシスコのスタートアップ、Coasterモバイルを利用して飲み物注文アプリだ。このアプリに登録されたバーでユーザーはスマートフォンから飲み物を注文し、料金を支払うことができる。カウンターの前で行列に並ぶ必要がない。ローンチ後、登録バーの数は徐々に増えていったが、爆発的な増加とはいかなかった。そこでCoasterではバーの運営者が自分の店のメニューを簡単に登録できるセルフサービス・アプリを開発した。

Coasterの最大の問題はバーに登録させるところにあった。もともと地域のスモールビジネス市場というのは開拓が難しい。サンフラシスコ中のバーを一軒ずつを回って参加を勧誘するなどということはできるはずがない。まして全国となればなおさらだ。

新しいiPadアプリはバーのオーナーが自分でシステムに登録できるように作られている。

このアプリでは簡単に独自のメニューが作れる。代表的なビールの銘柄も含めて数多くの標準的な飲み物が予め登録されているので、オーナーはメニューに追加したい飲み物を選び、料金を入力するだけでよい。もちろん独自のスペシャル・ドリンクを追加することも可能だ。メニューを入力して保存するだけで、アプリにそのバーが表示されるようになる。

私は以前にもCoasterについて書いたが、それは主にバーの客としての観点からだった。列に並ばずに飲み物が注文できてアプリ内から料金が支払えるのは間違いなく便利だ。おまけに普通ならキャッシュしか受け取らないバーでもクレジットカードが使える。しかしバーのオーナー側にも多いにメリットがある。バーテンは客と飲み物と伝票とクレジットカードを正しく対応させるのに四六時中神経を使わないですむ。Coasterは料金(チップも含めて)すべてアプリ内で処理するから現金のやり取りをしないでもいい。

Coasterのファウンダー、Inderpal Singhは「待ち時間が短くなるから売上も増える」と主張する。それにCoasterはアプリも無料で処理手数料も現在は無料だ。

Coasterチームはアプリを無料にしているのはバーにともかく試してもらいたいからだ。試してみれば売上も増えるし、クレジットカードの手数料も減るからファンになるだろうという。どういう結果になったか判明したらまた報告しよう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+