NVIDIAが米国でのGeForce Nowのサブスクを月額約1000円に引き上げ

NVIDIAのクラウドゲームサービス「GeForce Now」がサブスクリプションプランの変更を発表した。米国時間3月18日から、有料メンバーシップは月額9.99ドル(約1090円)、または年額99.99ドル(約1万900円)で「プライオリティ」メンバーシップという名称になる。

現在の「ファウンダー」メンバーは、サブスクリプションを継続する限りは現在の価格である月額5ドル(約545円)が維持される。サブスクリプションをやめると、その後は月額5ドルでは利用できない。

2020年にNVIDIAが初めてGeForce Nowの有料プランを導入した際、同社はユーザーに対し情報をある程度明らかにしていた。月額4.99ドル(約545円)で「ファウンダー」エディションを利用できるが、いずれかの時点でサブスクリプション価格を引き上げる意向があるとしていたのだ。ここにきてNVIDIAは方針を決め、有料サブスクリプションは月額9.99ドル(約1090円)の価値があると考えたようだ。

あまりご存じでない方のために説明すると、GeForce Nowでは近くのデータセンターにあるパワフルなゲーミングPCでゲームを始めることができる。データセンターで動作しているゲームが、自分のコンピュータ、スマートフォン、タブレット、テレビにビデオストリーミングされる。iOSとiPadOSではウェブアプリを利用し、一部のAndroid TVでも動作する。コントローラーのボタンを押すとそのアクションがサーバーにリレーされて、ゲームを操作できる。数十ミリ秒で処理されるので、現時点のクラウドゲームエクスペリエンスとしては最もスムーズな部類だ。

Google StadiaやAmazon Lunaとは異なり、NVIDIAは自社のゲームストアを開設していない。GeForce Nowの利用者は、すでに自分が所有しているゲームを起動する。GeForce NowプラットフォームはSteam、Epic Games、GOG.com、Ubisoftに対応している。

ゲームパブリッシャーはGeForce Nowに登録する必要がある。つまりSteamのゲームを持っていても、すべて利用できるとは限らない。現在、GeForce Nowはリンク先のページに掲載されているおよそ800種類のゲームに対応している。

GeForce Nowは最初に無料で試用することができる。NVIDIAは無料メンバーシップを提供しており、これが無料トライアルと考えられる。まず無料のサーバーが利用できるようになるまでキューで待機しなくてはならない。これが5分か10分、15分かかることもある。

その後のセッションは1時間に制限されている。1時間プレイするとサーバーからはじかれる。ゲームを再開することはできるが、もう一度待たされる。

有料メンバーになるとゲームはほぼ瞬時に始まり、1回につき最長6時間プレイできる。6時間経過した後も、すぐに再開される。有料メンバーはRTXグラフィックスも利用できる。

仕様に関しては、NVIDIAはCPU、グラフィックカード、RAMの異なるいくつかの構成を用意している。Fortniteをプレイする場合はミッドレンジのPCでも極めて高度なグラフィックスを得られるので、最高の構成は使われないようだ。しかし「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」を起動すると、サービスは優先的にスペックの高い構成を使おうとする。

NVIDIAによれば、GeForce Nowは1000万人近くのユーザーを獲得したという。そのうちどの程度が有料サブスクリプションを利用しているかは公表されていない。

2020年にNVIDIAはデータセンターの数を倍増させた。現在はNVIDIAまたは各地のパートナーが運営するデータセンターが20カ所以上ある。NVIDIAは既存のデータセンターのキャパシティを拡張する他、アリゾナ州フェニックス、カナダのモントリオール、オーストラリアにデータセンターを新たに開設する計画だ。

ゲームをアカウントとリンクして起動しやすくしたり、積極的にゲームを事前にロードするなど、使い勝手にかかわるアップデートも実施される。

画像クレジット:NVIDIA

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:NVIDIAGeForce Nowクラウドゲームサブスクリプション

画像クレジット:NVIDIA

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(文:Romain Dillet、翻訳:Kaori Koyama)

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

アプトポッドは3月15日、シリーズCラウンドにおいて、第三者割当および融資による総額約8億円の資金調達を発表した。引受先は、DBJキャピタル、みずほ証券プリンシパルインベストメント、エムスリー、きらぼしキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル。借入先は日本政策金融公庫。またエムスリーとは、遠隔医療・ヘルスケア分野への技術において、アプトポッドの技術の適用やサービス開発などを視野に協業を行う。

調達した資金は、以下投資・活動を行い、さらなる成長加速を目指す。

  • 急増するDX需要に向けた対応体制強化
  • 新製品開発などハードウェア事業の強化拡大
  • 遠隔医療・ヘルスケアといった新規分野進出のための研究開発
  • アプトポッドが開発したプロトコルの標準化活動など、自社プラットフォーム技術の啓蒙促進
  • アフターコロナ時代におけるグローバル展開準備

アプトポッドは、自動車分野、建機・重機・農機などの産業機械分野、ロボティクス分野を中心に産業IoTミドルウェア「intdash」(イントダッシュ)を核としたプラットフォーム製品・サービスを展開。intdashは、2018年のリリース以来、製造業を中心に約30社における50以上のDXプロジェクトで採用されているという。

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

今後同社は、5G時代の高度なデータネットワーキングおよびプロセッシングの需要を見据え、クラウドコンピューティング、エッジコンピューティングなどのあらゆるデータ処理ネットワークを構築するためのプロダクト開発と提供を目指している。

直近では、ハードウェア事業としてエッジコンピューティングブランド「EDGEPLANT」(エッジプラント)をリリースするなど、5G時代のDXに包括的に貢献するための総合的な製品・事業展開を行っている。

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

IoT・M2M関連のアプトポッドが8億円を調達、エムスリーと遠隔医療・ヘルスケア領域の協業も

2006年12月設立のアプトポッドは、産業IoTにおけるファストデータ(高速時系列データ)のスペシャリストとして、IoT・M2Mにおけるセンサー・ハードウェア技術、クラウド技術、グラフィカルなユーザーインターフェイス技術まで、ワンストップのテクノロジーを有するIoTソフトウェア・サービス企業。産業シーンにおける高速で大量なデータの収集、伝送、高度なリアルタイム処理、イベント処理を実現する包括的なフレームワークを提供している。

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カテゴリー:IoT
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NVIDIAとハーバード大がゲノム解析を短時間低コストでこなすAIツールキット「AtacWorks」開発

NVIDIAとハーバード大がゲノム解析を短時間低コストでこなすAIツールキット「AtacWorks」開発人の体内のほとんどの細胞は数十億の塩基対を核に押し込んだDNAの完全なコピーを持っています。そして身体の個々の細胞は、タンパク質の中に埋まっているDNAから必要な部分だけを外部からアクセスしやすくして、たとえば臓器、たとえば血液、たとえば皮膚など、異なる機能を持つ細胞になるための遺伝子を活性化します。

NVIDIAとハーバード大学の研究者らは、仮にサンプルデータにノイズが多く含まれていても(がんなどの遺伝性疾患の早期発見によくあるケース)、DNAのアクセス可能な部分を研究しやすくするためのAIツールキット「AtacWorks」を開発しました。

このツールは、健康な細胞と病気の細胞についてゲノム内の開かれたエリアを見つけるためのATAC-seq(Assay for Transposase-Accessible Chromatin with high-throughput sequencing)法と呼ばれるスクリーニング的アプローチをNVIDIAのTensor Core GPUで実行し、32コアCPUのシステムなら15時間ほどかかるゲノム全体の推論をたったの30分で完了するとのこと。

またATAC-seqは通常なら数万個の細胞を分析する必要がありますが、AtacWorksをATAC-seqに適用すれば、ディープラーニングで鍛えたAIによって数十の細胞だけで同じ品質の分析結果を得ることができます。たとえば研究チームは、赤血球と白血球を作る幹細胞を、わずか50個のサンプルセットを分析するだけで、DNAのなかのそれぞれの産生に関連する個別の部分を識別できました。

ゲノムの解析にかかる時間とコストを削減できるようになる効果から、AtacWorksは特定の疾患につながる細胞の病変やバイオマーカーの特定に貢献することが考えられます。また細胞の数が少なくてもゲノム解析ができるとなれば、非常に稀な種類の細胞におけるDNAの違いを識別するといった研究も可能になり、データ集積のコストを削減し、診断分野だけでなく新薬の開発においても、開発機関の短縮など新たな可能性をもたらすことが期待されます。

(Source:Nature Communications、via:NVIDIAEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:バイオテック
タグ:医療(用語)AI / 人工知能(用語)NVIDIA(企業)NVIDIA Tensor Core(製品・サービス)オーダメイド医療がん / がん治療(用語)ゲノム医療ゲノム解析DNA / 遺伝子(用語)ハーバード大学(組織)Python(製品・サービス)

NVIDIAがGeForce RTX 3060での暗号資産マイニング効率を半分に制限、採掘専用GPU発表

NVIDIAが暗号通貨イーサリアムに関してRTX 3060を使ったマイニング効率を本来の半分に絞っていることを明らかにしました。理由は、RTX 3060がゲーム向けのGPUであるにもかかわらず、高性能であるがために暗号通貨マイナーたちが買い占めてしまうのを防止するため。

NVIDIAはブログ記事で「RTX 3060ソフトウェアドライバーは、イーサリアム暗号通貨マイニングアルゴリズムの特定の属性を検出し、ハッシュレートもしくは暗号通貨マイニング効率を約50%に制限するよう設計されています」と述べ「GeForce RTX GPUはリアルタイムレイトレーシング、DLSS AIアクセラレーション、画像アップスケーリングテクノロジー、Reflex超高速応答レンダリングなどゲームやその他のデジタルエクスペリエンスを生み出す人々のニーズにあわせた最先端技術を導入している」としました。

暗号通貨マイニング人口の世界的な増加はNVIDIAの売り上げには良かったものの、CPUに統合されたグラフィックス機能よりも高い性能を必要とするゲーマーやAI研究者には、品薄という困った事態を引き起こしました。

そしてNVIDIAは今回、イーサリアムマイニングという特定のニーズのために、NVIDIA CMP(Cryptocurrency Mining Processor)という暗号通貨マイニング専用製品を新たに発表しました。CMP製品はマイニングに特化した製品のためディスプレイ出力を備えません。ラインナップはハッシュレート26MH/s、6GBメモリーを備え、定格電力125Wの「30HX」、36MH/s、8GB、185Wの「40HX」、45MH/s、10GB、250Wの「50HX」、86MH/s、10GB、320 Wの「90HX」の4種類。発売時期は下位2モデルが今四半期、残りの上位2モデルが第2四半期に予定されています。

  1. NVIDIAがGeForce RTX 3060での暗号資産マイニングの効率を半分に制限、採掘専用GPU発表

    NVIDIA

暗号通貨の採掘目的で、RTX 3060が発売される2月25日を指折り数えて待っていた人たちには、今回の発表はつまらない話かもしれません。しかし、ゲーム向けのグラフィックカードはゲームのために使うのが本来の用途です。マイニング専用の製品投入は、ゲーマーたちがいつまでたっても最新のGPUを入手できない問題を解決するかもしれません。

(Source:NVIDIAEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:ハードウェア
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フィックスターズ独自開発の視差計算ソフトがOpenCVに正式実装、自動運転などへの活用に期待

フィックスターズ独自開発の視差計算ソフトがOpenCVに正式実装、自動運転などへの活用に期待

マルチコアCPU・GPU・FPGAを用いた高速化技術を手がけるフィックスターズは2月8日、同社が開発した視差計算のオープンソースソフトウェア(OSS)「libSGM」が、コンピュータビジョン向けOSSライブラリー「OpenCV」に正式実装されたと発表した。ライセンスは、Apache License 2.0を採用している。

ステレオカメラの画像から視差計算をするlibSGMは、複雑化・高度化する自動運転システムの前方注視能力の向上など様々な用途に活用が期待されているという。推定1800万ダウンロードを超えるOpenCVに採用されたことで、コミュニティを通じて世界中のデベロッパーがlibSGMを活用しやすくなったとしている。

libSGMは、Semi-Global Matchingというアルゴリズムを用いて、ステレオカメラの画像から被写体までの距離を計算するソフトウェア。

同ライブラリーは、フィックスターズの高速化技術を基に開発を行い、NVIDIA製GPUで高速に視差計算ができるように最適化しているという。GeForce RTX 3080を使ったベンチマークでは650fpsを超え、Jetson AGX Xavierでもクロック最大時で110.7fps、省電力モードでも57.7fpsの計算スピードを記録したそうだ。

OpenCV(Open Source Computer Vision Library)は4万7000人以上が使うコンピュータビジョン用ライブラリ。「New Year’s update」と銘打たれたバージョン4.5.1のリリースで、libSGMの実装が報告された。同バージョン以降のOpenCVを導入するユーザーは、libSGMも使えるようになる。

2002年8月設立のフィックスターズは、「Speed up your Business」をコーポレートメッセージとして掲げるソフトウェアカンパニー。マルチコアプロセッサーを効率的に利用するためのソフトウェアの並列化・最適化と、省電力かつ高速I/Oを実現する新メモリー技術を活用したアプリケーションの高速化を通じて、医療・製造・金融・エンターテインメントなど、様々な分野の企業のビジネスを加速し、グリーンITを実現している。

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2021年最も働きがいのある米国のテック企業、スタートアップベスト10(Glassdoor調べ)

Glassdoor(グラスドア)が2021年に「最も働きがいのある米国企業」の年間ランキングを発表した。その中から大企業(従業員数1000人以上)と中小企業で、上位10社のテック企業を抜き出してみた。

大企業のリストは、従業員数1000人以上の企業の中から、そこで働く従業員のフィードバックに基づいてランキングが作成されている。Glassdoorでは、従業員がその会社のCEO、出世の機会、報酬と福利厚生、文化と価値観、ワークライフバランスといった項目で企業を評価している。大企業でランクインするためには、各属性ごとにそれぞれ75件以上の評価を得る必要がある。中小企業ランキングでは、会社が75件以上の評価を必要とする。

それでは、Glassdoorによる米国で働きたいハイテク企業トップ10をご紹介しよう。カッコ内には、ベスト100企業における各社の総合順位と平均従業員評価が記載されている。

2021年テック系企業ベスト10

1位 NVIDIA(エヌビディア)[総合2位、4.5点]
2位 HubSpot(ハブスポット)[総合4位、4.5点]
3位 Google(グーグル)[総合6位、4.5点]
4位 Microsoft(マイクロソフト)[総合9位、4.5点]
5位 Facebook(フェイスブック)[総合11位、4.4点]
6位 LinkedIn(リンクトイン)[総合13位、4.4点]
7位 DocuSign(ドキュサイン)[総合15位、4.4点]
8位 KnowBe4(ノウビフォー)[総合16位、4.4点]
9位 Salesforce(セールスフォース)[総合17位、4.4点]
10位 RingCentral(リングセントラル)[総合18位、4.4点]

そしてGlassdoorの中小企業ランキングよると、2021年に就職すべきテック系スタートアップのトップ10は以下のとおりだ。

2021年テック系スタートアップベスト10

1位 Ike(アイク)[総合3位、4.9点]
2位 Harness(ハーネス)[総合6位、4.9点]
3位 Lendio(レンディオ)[総合8位、4.9点]
4位 Jobot(ジョボット)[総合9位、4.9点]
5位 Lower(ローワー)[総合10位、4.9点]
6位 Orchard(オーチャード)[総合16位、4.8点]
7位 SimplrFlex(シンプラフレックス)[総合17位、 4.8点]
8位 Flockjay(フロックジェイ)[総合21位、4.8点]
9位 Wonolo(ウォノロ)[総合24位、4.8点]
10位 Thrasio(スラシオ)[総合27位、4.8点]

【注記】総合14位にランクインしたAsana(アサナ)は公開企業であるため、このリストから除外した。また、Ping Identity(ピン・アイデンティティ)も、従業員数が1000人近くに達しており、まず間違いなくスタートアップの段階を超えているため、このリストから除外している。

カテゴリー:その他
タグ:ランキング

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

LGのスマートテレビでクラウドゲームGoogle StadiaとNVIDIA GeForce Nowが利用可能に

LGはCESのプレスカンファレンスで、2021年に向けたテレビのラインナップを説明することに大部分を費やした。同社のテレビにはより大型で、より薄型で、より明るい製品が期待できるようだ。ここでそれら新型モデルの仕様を書き連ねるつもりはない。しかし、特筆すべき新機能はいくつかある。

LGは自社のテレビにAndroid TVをOSとして使っていない。代わりにwebOSと呼ばれる独自のオペレーティングシステムを採用しており、アプリ開発者はLGのスマートテレビ向けに専用バージョンのアプリをリリースしなければならない。そしてLGは今回、Google Stadia(グーグル ステイディア)とNVIDIA GeForce Now(エヌビディア・ジーフォース・ナウ)が同社の2021年モデルのテレビで利用可能になることを発表した。

GoogleのクラウドゲームサービスであるStadiaは、2021年後半に利用可能になる。ただし、全世界でというわけではなく一部の国のみだ。Stadiaが利用可能な国に住んでいれば、Chromecastのプラグを抜いてStadiaにアクセスできるようになる。

Stadiaは、クラウド上で動作するゲーム機のようなものだ。最寄りのデータセンターでゲームを購入して実行すると、その映像が自宅のテレビに直接ストリーミングされる。ゲームパッドの操作はサーバーを介してプレイ中のゲームに反映される。

NVIDIAのクラウドゲーミングサービスであるGeForce Nowは、2021年中に利用可能になる予定だ。こちらのサービスはSteam(スチーム)、Epic Games(エピック・ゲームズ)、GOG、Ubisoft Connect(ユービーアイソフト・コネクト)のライブラリを利用できるという点が少々異なる。

これまでNVIDIAは、NVIDIA Shield TVにGeForce Nowアプリを搭載した自社のセットトップボックスを優先してきたが、最近ではこのAndroid向けアプリがより多くのデバイスをサポートするようにアップデートされている。さらにwebOSをサポートすれば、Android TV以外へもますます拡大していきそうだ。

LGは2021年、webOSを新しいインターフェースにアップデートすることも発表した。画面下部にあったオーバーレイメニューは、フルスクリーンメニューに変更される。これによって、ユーザーは好みのアプリを見つけたり、ライブTVにアクセスしたり、いくつかのおすすめコンテンツを受け取ることができるようになる。そして広告にも使われるだろう。

ゲームをプレイしている時は、最も関連性の高い設定にアクセスするための新しいゲームメニューが表示される。たとえば現在プレイ中のゲームの種類(FPS、レースゲームなど)に応じて、このメニューからテレビのプロファイルを切り替えることができるようになるのだ。普通はゲームのジャンルに関わらず、できるだけ遅延を減らしたいと思うはずで、個人的にこの機能はあまり意味がないように思えるが。G-SYNCやFreeSyncに対応した機種を使用しているなら、これらの機能をオンにすることも可能だ。

有機ELテレビの新製品には、旧型プロセッサを搭載するエントリーラインの「A1」シリーズ、可変リフレッシュレートや低遅延などで現代のゲーム機にも対応した「C1」シリーズ、そしてラインナップの最上位モデルとして3種類のサイズ(77インチ、65インチ、55インチ)が用意された「G1」シリーズがある。

画像クレジット:LG

カテゴリー:ハードウェア
タグ:LGスマートテレビGoogle StadiaNVIDIAGeForce NowクラウドゲームCES 2021

画像クレジット:LG

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(翻訳:TechCrunch Japan)

英国の市場規制当局がNVIDIAのArm買収に関し意見募集、ソフトバンクから買収成立なるか

英国の競争・市場規制当局は、NVIDIA(エヌビディア)によるArm Holdingsの買収について意見を求めており、この「Nvidia-Arm」買収が競争に与える潜在的な影響について正式な監督を開始する準備を進めている。

昨年9月に発表された、米国を拠点とするチップメーカーによる400億ドル(約4兆1530億円)での英国チップデザイナーの買収は、英国の雇用、産業戦略・経済主権、さらには国家安全保障への影響など、国内で様々な懸念を引き起こしたが、競争・市場庁(Competition & Markets Authority, CMA)の調査は、競争に関連した影響の可能性にのみ焦点を当てることになる。

英国時間1月6日のプレスリリースによると、Arm社が買収後、「NVIDIAのライバル企業に対しIPライセンシングサービスの撤退、値上げ、品質低下」を行うインセンティブがあるかどうかを調査する可能性が高いとされる。

CMAは、正式な調査の開始に先立ち、1月27日までに買収に関するコメントを募集している。第一段階の調査では、外部からのコメントの機会を追加して設ける予定であるとのことだが、CMAによると、買収に関する決定を下す時期は未定とのこと。

詳細はこちらのケースページで閲覧できる。

CMAの最高責任者であるAndrea Coscelli(アンドレア・コスチェリ)氏は声明で次のように述べている。「チップ技術産業は数十億ドルの価値があり、私たちが日常生活で最も多く使用している製品の多くにとって重要なものです。我々は、世界中の他の競争当局と緊密に協力して、この取引の影響を慎重に検討し、最終的に消費者がより高価な製品や低品質の製品に直面することのないように努めます。」

NVIDIAによるArm買収が英国に与える影響について警鐘を鳴らしている人物の一人は、Armの元々の創業者であるHermann Hauser(ヘルマン・ハウザー)氏に他ならない。

ハウザー氏は2020年9月に首相に手紙を出し、英国の雇用やArm社のビジネスモデル、経済主権の将来への影響について「非常に懸念している」と述べた。

ハウザー氏が反対の署名を集めるために立ち上げたウェブサイト(savearm.co.uk)によると、10月12日時点で2000人以上の署名が集まっているという。

CMAだけでなく、他の多くの国際的な規制当局がこの取引を精査することになり、NVIDIAは9月に、クリアランスプロセスには一年半かかると予想していると述べている。

英国の懸念を先取りしようと、同社はエンジニアリング事業の中核的な部分として、ケンブリッジにあるArmのオフィスを2倍に拡張するとともに、そこに「AI研究の拠点となる新たなグローバルセンター」を設立すると述べた。

CMAは、NVIDIAのArm買収に関して諸方面から出されているより広範な国家安全保障上の懸念について、英国政府は「適切な場合」公益介入通知を発行することを選択できると指摘している。

Armは、2016年にはソフトバンクに約310億ドル(約3兆2181億円)で買収された

その後の同社をNVIDIAに売却する取引は現金と株式交換による買収契約で、ソフトバンクへの即時20億ドル(約2076億円)の現金支払いが含まれていた。しかし、この取引の価値の大部分は、規制当局の認可が下りた後、取引終了時にNVIDIAの株式で支払われることになっている。

関連記事:Google StadiaとGeForce NowがウェブアプリとしてiOSにやってくる

カテゴリー:ハードウェア
タグ:NVIDIA ソフトバンク 買収

[原文へ]

(翻訳:Nakazato)

Google StadiaとGeForce NowがウェブアプリとしてiOSにやってくる

Google(グーグル)とNVIDIA、米国時間11月19日、両社のクラウドゲームサービスに関してそれぞれにニュースがある。まずNVIDIAから。これからはGeForce NowをiPhoneとiPad上でウェブアプリケーションとして利用できる。同社によると、現在はベータだがiOSデバイスの上でplay.geforcenow.comへアクセスすればプレイを開始できるという。

GeForce Nowは、ユーザーが所有しているゲームをクラウドからのストリーミングでプレイできる、というサービスだ。SteamやEpic Games、Ubisoft Connectなどのアカウントに接続すると、自分がそこですでに購入したゲームをプレイできる。GOGも近くサポートされる。GeForce NowはmacOSやAndroid、そしてWindowsでも利用できる。

ゲームがGeForce Nowに登場するためには、ゲームの発行者がそれをオプトインする。つまり、Steamの自分のライブラリ全体にこのサービスからアクセスできるわけではない。それでも、利用可能なゲームのリストはすでに相当長いものだ

どこからでも、何時間でもプレイできるFoundersエディションは月額5ドル(約520円)だ。ただしエントリーの料金とのことで、今後は上がるのかもしれない。

また無料アカウントでこのサービスを試すこともできる。制限時間は1時間で、ハードウェアはあまり強力ではない。スロットも少ないため、無料アカウントではゲームが立ち上がるまで現状で11分間待たされてしまう。

iOSデバイスのホーム画面にそのウェブアプリを追加すると、Safariのインターフェイスなし、全画面でこのサービスをローンチできる。Bluetoothのコントローラーも使える。ただし、キーボードとマウスは使えない。

同社によると現在、Epic Gamesとともにタッチインタフェイスで遊べるFortnite(フォートナイト)を開発しているため、iOSのプレーヤーも再びフォートナイトをプレイできる。そうなれば、GeForce Nowの人気も急上昇するだろう。

画像クレジット:Romain Dillet / TechCrunch

一方、グーグルは、Stadiaローンチから12カ月後にやっとアップデートを行った。GeForce Nowと違いStadiaは、コンソール(ゲーム機)に近い。まずユーザーは、このプラットフォーム向けのゲームを購入しなければならない。ゲームはおよそ100種類あり、Stadia Proのアカウントなら、専用のゲームもある。

同社によると、iOSのテストは数週間後に始まる。「iOSの革新的なウェブアプリケーションを開発していく最初の段階だ。今後パフォーマンスをテストし多くの機能を加えていく中で、ユーザーからのフィードバックがStadia体験を万人向けに改良していく助けになる。その展開は数週間後になるだろう」と同社はいう。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:GoogleNVIDIA

画像クレジット:NVIDIA

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa

Armの買収に伴ってNVIDIAが医学研究に特化したUKスーパーコンピュータの開発を発表

NVIDIA(エヌビディア)はソフトバンクから400億ドル(約4兆2450億円)でArm(アーム)を買収する交渉を進めているが、同時に英国のテクノロジーの発展に尽くすという約束を果たすため大きな方向転換を遂げようとしている。同社は4000万ポンド(約54億7500万円)を投資し、新しいAIスーパーコンピュータ、Cambridge-1を開発する予定であることを発表した。英国のヘルスケア分野の研究開発に活用される予定で、外部の研究での利用が想定された同社初のスーパーコンピュータとなる。

同社によると、Cambridge-1を利用することが決まっているGSK、AstraZeneca(アストラゼネカ)、London Hospitals Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trust、ロンドン大学キングスカレッジ、Oxford Nanoporeとすでに連携しているという。このスーパーコンピュータは年末までに完成予定で、同社にとって英国で2つ目のスーパーコンピュータとなる。1つ目のスーパーコンピュータは、ケンブリッジにある同社のAI Center of Excellenceですでに開発が進められている。計画ではスーパーコンピュータを段階的に増やしていく予定だ。

AIの役割がますます重要になったことで、医学研究が重大な岐路に立たされていることが浮き彫りになった。優れた研究者が皆、それぞれの研究でAIが果たすと思われる役割を認める一方で、その誰もが(研究機関も含めて)必要なだけのリソースを自分自身では持ち合わせていない。このような状況から、研究者や研究機関は研究開発を進めるために、Google、Microsoft、今回のNVIDIAといった大手テクノロジー企業と一層深くかかわるようになっているのが現状だ。

スーパーコンピュータのニュースと並んで、NVIDIAは英国のヘルスケア産業に関する発表をもう1つ予定している。ロンドンにAIハブを設置しているGSKとパートナーシップを結び、ワクチン製剤やその開発に使うAIベースの演算プロセスを構築するという。パンデミックが世界中に広がる中、すべての製薬メーカーと研究者が新型コロナウィルスについてよく理解し、ワクチン製造にこぎつけようとしている時にまさにタイムリーなニュースである。

このニュースは、NVIDIAの業界イベントであるGPUテクノロジーカンファレンス(GTC)で伝えられる。

NVIDIAの創設者でCEOのJensen Huang(ジェンスン・ファン)氏はGTC 2020の基調講演で、「世界で最も差し迫ったヘルスケア分野の課題に取り組むには、AIの機能を活用するための相当パワフルなコンピューティングリソースが必要です。Cambridge-1スーパーコンピュータは英国で生まれるイノベーションの中心となり、ヘルスケアや創薬に携わる国内の研究者たちの革新的な研究を後押しします」と述べている。

同社は4つのエリアに絞ってCambridge-1のリソースを提供する予定だ。産業研究(特に単独の研究機関のリソースでは足りないプロジェクトでの共同研究)、大学への演算時間の提供、医療用途向けAIのスタートアップ企業、未来のAI実務者の教育の4つだ。すでに、Cambridge-1での実行を目指して、GSKとの創薬研究など各エリアのアプリケーションが構築されつつある。

Cambridge-1はNVIDIAのDGX SuperPODシステムで構築され、AI性能は400PFLOPS(ペタフロップス)、Linpack性能は8PFLOPSを誇る。同社によると、これは高性能スーパーコンピュータのランキングで世界第29位になるという。

「第29位」と聞くと大したことないように思われるが、この発表に注目すべき理由は他にある。

第一に、スーパーコンピューティング市場は、まだ一般市場の企業向けではないが、特定分野の研究や産業を中心に開発が進んでいることがはっきりしたということだ。今回の発表で、ヘルスケア分野の研究が複雑化していること、また、人工知能の利用がその複雑さにさらに拍車をかけていることもわかった。しかしその一方で、より強力な演算能力を構築する場合には、医学の飛躍的進歩や発見につながる優れた手段も(最も複雑なケースで単に現実的な手段の1つと言う人もいるが)、AIによって提供されることが浮き彫りになった。

Armの買収に向けた英国での並々ならぬNVIDIAの交渉努力が市場の抵抗にあっているということも注目に値する。あるグループは、Armの売却の中止と中立性の維持を訴えている。しかし、この最新の発表はNVIDIAの立場をさらに強化するものであり、同社が英国の市場にすでにかなり深く関わっていることを示すものである。(確かに、チップの参照設計図とスーパーコンピュータの構築は大きく異なる事業だが、NVIDIAがArmを買収し、英国のヘルスケアに投資するのは、彼らのコミットメントと存在感を示すためである)。

GSKの最高科学責任者兼研究開発担当社長であるHal Barron(ハル・バロン)博士は「AIおよび機械学習は、これまで見えなかったものを科学者に見えるようにする、新しい顕微鏡のようなものです。演算機能に対するNVIDIAの投資、ならびにディープラーニングのパワーにより、ライフサイエンス業界の最も大きな課題のいくつかに対するソリューションが生み出せるようになり、私たちは患者さんたちに画期的な薬剤やワクチンを継続的に届けられるようになるでしょう。GSKのロンドンにある新しいAIハブと共に、これら先進のテクノロジーが英国の優れた科学者を支援してくれるようになるのを喜ばしく思っています」と述べている。

さらに、アストラゼネカのデータサイエンスおよびAI担当責任者を務めるJames Weatherall(ジェームス・ウェザーロール)博士も「ビッグデータ、スーパーコンピューティング、人工知能の利用により、ターゲットの識別から臨床研究、新薬の発売に至るまで、研究と開発が大きく変わる可能性があります」と説明している。

ロンドン大学キングスカレッジ医用生体画像診断学部部長を務めるSebastien Ourselin(セバスチャン・オスリン)氏は「AIにおける最近の進歩により、ますますパワフルなモデルが登場するようになり、画像認識や自然言語理解といった複雑なタスクに利用されています。これらのモデルは、モデル当たり数百万のGPU時間を蓄積した、かつてないスケールの演算能力によって、過去には想像もできなかった性能を発揮しています。今回の提携によって、このようなスケールの演算能力がヘルスケア分野の研究で初めて利用できるようになります。これは患者の健康と治療経過を向上させる、まさに画期的な成果をもたらすでしょう」と話す。

Guy’s and St Thomas’ NHS Foundation Trustの最高経営者および最高医療ディレクターのIan Abbs(イアン・アッブス)医師は「AIが患者ケアの目的で広く使用されるようになれば、正確さ、堅牢さ、安全性が最重要課題となります。私たちに求められていることは、NHSが提供する必要がある最大かつ最も包括的なデータセット、私たちが持つ臨床上の専門知識、データを意味のあるものにするために必要な演算インフラストラクチャに、AIの研究者たちがアクセスできるようにすることです。このアプローチは必要であるだけでなく、ヘルスケア分野でAIを活用するための倫理にかなった唯一の方法でもあります。AIが進歩すれば、患者のケアもさらに改善されます」と述べている。

「コンパクトAIにより、手のひらの上で遺伝子配列データをリアルタイムに分析できます。AIスーパーコンピュータは、大規模なゲノムデータセットでの新しい科学的発見を可能にします。データ分析におけるこれらの補完的なイノベーションは、影響力のある英国の多様な科学を支えています。さらに重要なのは、これらがゲノム解析をどこでも誰にでもできるようにするという、我々の目標を後押ししているということです」と、Oxford Nanopore Technologies社のCEOであるGordon Sanghera(ゴードン・サンゲラ)氏は付け加えている。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:NVIDIA スーパーコンピューター

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(翻訳:Dragonfly)

NVIDIAがイタリアの大学コンソーシアムが主導する欧州発の世界最速AIスパコン「Leonardo」にGPUを供給へ

NVIDIA(エヌビディア)は世界のスーパーコンピューティングを牽引するイタリアの大学コンソーシアム「CINECA」が開発中の世界最速AIコンピューターシステム「Leonardo」(レオナルド) に機材を供給する。LeonardoシステムはFP16(半精度浮動小数点演算)10 exaflops(エクサフロップス)のAI性能をもち、完成時にはNVIDIA AmpereベースのGPUを最大1万4000個搭載する見込みだ。

Leonardoは欧州横断で高性能コンピューターを開発する団体が支援している4つのスーパーコンピューターの1つで、科学、産業両分野のアプリケーションを処理するための最新AI機能を提供することを目的としている。エヌビディアは同社のMellanox HDR InfiBandネットワークもプロジェクトに供給しており、低遅延ブロードバンド接続によってクラスターを横断して高性能を実現する。

クラスターにはほかに、ルクセンブルグのMeluXina、スロベニアのVegaなどのコンピューターのほか、チェコ共和国で近々完成するスーパークーリングユニットも加わる。この欧州横断コンソーシアムは、ブルガリア、フィンランド、ポルトガル、スペインの4カ国でもスーパーコンピューターを計画している。ただし、時期は未定で、性能や正確な場所も決まっていない。

CINECAを始めとするこれらのスーパーコンピューターの利用分野には、ゲノム解析による新たな治療経路の発見、複数の宇宙探査結果のデータ分析、地球外天体研究、および異常気象を含む気象パターンのモデル化などが計画されている。

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カテゴリー:人工知能・AI
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クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、適切な農作業の判断と適時実行を行う完全無人農機を目指す

クボタが農業機械のスマート化に向けNVIDIAと協業、完全無人農機を目指す

クボタは10月6日、農業機械の自動運転分野においてNVIDIAと戦略的パートナーシップを結んだと発表した。NVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを採用し、農業機械のスマート化の加速に向け協業することを発表した。クボタは現在、日本において従来型農機の自動化・無人化を推進中。今後は、次世代の完全無人農機の実現を目指すとともに、海外展開や作物展開を推進する予定。

クボタは国内農機メーカーに先駆けて、スマート農業の本格的な研究を開始しており、「農機の自動化・無人化による超省力化」や「データ活用による精密農業」の普及を目指している。GPSを活用した有人監視下での無人運転トラクターを発売するなど自動運転農機の開発を進めており、今後さらに、天候・生育状況などのデータから適切な農作業の判断と適時実行までを行える次世代の完全無人農機を実現すべく研究を進めているという。

そのため同社は、同一のコンピューティングアーキテクチャを持つNVIDIAのエンドツーエンド AIプラットフォームを学習から推論(エッジ)まで導入し、開発を効率化することで市場投入の短期化を図る。例えばDGXシステムで農機に搭載された多数のカメラから入力される情報を解析し、AIモデルの学習を重ね、その結果をNVIDIA Jetsonに戻すことでモデルの精度を高められるとしている。

「農機の自動化・無人化による超省力化」の実現にあたっては、これまでクボタはコンピュータービジョンの実装で自動運転・無人化農機の開発を試みており、先に挙げた完全無人農機の実現に向け、今後はNVIDIAのエッジデバイス向けの組み込みAIプラットフォーム、NVIDIA Jetsonを活用し研究開発を進めていく。

NVIDIA Jetsonは高い計算処理能力・精度・電力効率に優れるほか、産業向け版は高耐久設計となっており、農業機械の過酷な環境に求められる要件を満たしているという。さらにエッジ側では、高精細なスクリーンスティッチングやエッジ検出において、リアルタイムでスムーズな処理が求められるため、NVIDIA Jetsonは最適であると評価した。

AIの学習側の環境としては、クボタはNVIDIA DGX AIシステムを導入し、研究開発を進めている。DGXシステムは、GPU向けに最適化されたディープラーニングソフトウェアのハブであるNGCをサポートしている。

開発者はディープラーニングの開発に必要とされる、統合済みのフレームワーク コンテナーを使用することで、AIモデルの設計やトレーニング、実験、展開を容易に実施できるため、研究開発から製品の市場導入までの時間を短縮可能。クボタは推論ライブラリー「NVIDIA TensorRT」を活用し、高性能な推論用のAIモデルの開発に取り組んでいるという。

カテゴリー: ハードウェア
タグ: NVIDIAGTCJetson人工知能・AI

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NVIDIA(エヌビディア)は10月5日、開発者イベント「GPU Technology Conference」(GTC)を開催。AIおよびロボティス学習者向けのシングルボードコンピューター「Jetson Nano 2GB Developer Kit」を発表した。価格は59ドル(約6200円)で、発売は2020年10月末。

CPUの64bit クアッドコアARM A57(1.43GHz)、GPUの128コア NVIDIA Maxwellについては変わっておらず、演算性能については従来通り472GFLOPSとしている。新たに給電用にUSB-C(5V 3A)端子を採用。

またメモリー4GBの従来製品(Jetson Nano Developer Kit)に対してメモリーを2GBに抑えたほか、カメラ用インターフェース(MIPI CSI-2)が1ポートとなった。USB 3.0ポートも減り、USB 3.0 Type-A×1、USB 2.0 Type-A×2、USB 2.0 Micro-B×1という構成になっている。DisplayPortも省略された。ネットワーク機能については、有線LAN(1000BASE-T)、Wi-Fi(11ac。国により非対応の場合あり)を利用可能。

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2GB版は、Linuxデスクトップ環境を含むJetPack SDK(JetPack 4.4.1)でサポート予定。画像処理用のOpenCV、VisionWorks、ディープラーニング用ライブラリーCUDA、cuDNN、TensorRTほか、ディープラーニング用フレームワークTensorFlow、PyTorch、MXNetなどを従来通り利用できる。

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カテゴリー: ハードウェア
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Arm共同創業者が4.2兆円でのNVIDIAからの買収に反対、独立性確保のため「Save Arm」キャンペーンを開始

英国拠点の半導体企業Arm Holdings(アーム・ホールディングス)は、週末にNVIDIA(エヌビディア)がソフトバンクグループから400億ドル(約4兆2000億円)のArmの全株式を買収すると発表したことで、英国内最大のテック企業のイグジットという、二度目の歴史を本日作った。もちろん一度目は、ソフトバンクグループがArmを320億ドル(約3兆4000億円)で買収すると発表したときだ。

しかし、高度に縮小された命令セット・コンピューティング・マシンと言う前に、この取引は些細なヒッチを直撃している。アーム社の共同創業者の一人が、英国にこの取引に干渉してもらうか、そうでなければ取引を中止し、政府の支援を受けた株式公開を選ぶことと推奨するキャンペーンを始めたのだ。

1990年にAcorn Computers(エイコーン・コンピューターズ)のスピンアウトとしてほかの多くのホストとともに同社を立ち上げたHermann Hauser(ヘルマン・ハウザー)氏は、英国のBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相に公開書簡を書き、今回の取引と、この取引が国内の雇用にどのような影響を与えるか、Armのビジネスモデルと、米国の利害関係から独立した国の経済主権の将来について「非常に懸念している」と訴えている。

ハウザー氏はまた、今回の取引の自らの意見について国民の支持を集めるサイト「savearm.co.uk」を作り、財界人などからの署名集めも始めている。

彼は政府が介入するか、または少なくとも法的拘束力のある条項を作成するには、雇用を保証するために取引を渡すことに関連付けられている、NVIDIA は他のライセンシーよりも優遇措置を取得していないを強制する方法を作成し、CFIUS 規制からの免除を確保するために呼び出している “英国の企業が私たち自身のマイクロプロセッサ技術への自由なアクセスが保証されるように”

彼は、政府が介入するか、少なくとも雇用を保証する契約の成立に関連した法的拘束力のある条項を作ること、ほかのライセンシーよりNVIDIAが優先的な扱いを受けない方法を作ること、そして「英国企業は、当社のマイクロプロセッサ技術への自由なアクセスが保証される」というCFIUS(対米外国投資委員会)規制の免除を要求している。

米国時間9月13日夜のArm買収のニュースを受けて出てきた前述の書簡と一般的な反発の動きは、英国のテクノロジーに関する興味深い、そして長期的にはもっと大きなテーマを強調しているかもしれない。もしくは、米国や中国以外のテクノロジーの巨人を作ることを強調しているのかもしれない。

要するに、なぜArmは独立した会社として自分自身で存続し続けることができないのか、なぜ最初にソフトバンクグループの買収を選択したのか、そしてなぜ英国は自国で成長している技術大手の存続をサポートしないのか、といった疑問が提起されているのだ。

これらの質問に対する回答は難しい。ハウザー氏は「Armが米国の事業体が買収されることはArmが将来的に行う販売も米国の輸出規制の対象となるということだが、Armの取引相手の多くは中国企業であり、その取引のすべてでCFIUS規制を遵守する必要が出てくる」と書いている。また「このため英国は、ARMの売却先を決定するのは英国政府ではなく米国政府であるとの立場をとっている。主権はかつては主に地理的な問題だったが、今では経済的な主権も同様に重要になっている。英国の最も強力な貿易製品を米国に引き渡すことは、英国を米国の属国にしてしまう」と主張している。

NVIDIAのCEOであり共同創業者であるJen-Hsun Huang(ジェン・スン・ファン)氏とArmのCEOであるSimon Segars(サイモン・シーガース)氏は、米国時間9月14日に記者会見を開き、Armのビジネスモデルと独立性を維持することを約束した。

「今回の買収は、両社の顧客のためにイノベーションを推進することになる」とファンは述べ、NVIDIAは「Armのオープンなライセンスモデルと顧客の中立性を維持する。我々はArmのビジネスモデルを愛している。実際、我々はNVIDIAの技術を利用してArmのライセンスポートフォリオを拡大していくつもりだ。この組み合わせにより、私たちのエコシステムは両方とも豊かになるでしょう」と述べた。

ハウザー氏の反応はというと「法的拘束力のない発言は信じない」とのこと。

ハウザー氏の書簡には「Armは何千人もの従業員を雇用しており、パートナーのエコシステムは本社があるケンブリッジ、マンチェスター、ベルファスト、グラスゴー、シェフィールド、ワーウィックにまたがっているという。本社が米国に移転すると、必然的に英国での雇用と影響力が失われることになるだろう」と書いている。

一方、Arm氏のビジネスモデルは、同社が半導体業界の「スイス」になるというコンセプトの基に構築されており、多くのライセンシーにリファレンスデザインを供給している。彼は、NVIDIAに会社の支配権を与えることで、これらのビジネス関係は必然的に維持できなくなると考えているのだ。しかし最大の問題に話を戻すと、少なくとも英国政府にアピールするには、米国の利益から独立した企業としてのArmの立場が最大の関心事となる。

ハウザー氏が指摘するところによれば、Armは携帯電話の分野で圧倒的な地位を持つ唯一の英国のテクノロジー企業であり、同社のマイクロプロセッサは膨大な数のデバイスに搭載されており、約95%の市場シェアを占めている。このことが、Facebook(フェイスブック)、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Netflix(ネットフリックス)、Google(グーグル)といった巨大企業の「FAANG」グループとは一線を画している。実際のところ、Armはそれらと競合しているわけではないし、必ずしもすべての企業と提携しているわけでもない。

「米国の大統領が中国との貿易戦争でテクノロジーの優位性を武器にしてきたように、英国も独自の貿易武器を持って交渉しない限り、巻き添えになるだろう。ARMは、アップル、サムスン、ソニー、ファーウェイ、そして世界のほぼすべてのほかのブランドのスマートフォンにチップを供給しており、従ってそれらすべてに影響力を行使することができる」とハウザー氏。

ハウザー氏が、創業者がArmの事業がどのようにして最初の買い手に投げ出され、次に別の買い手に投げ出されたかについて批判したのは、これが初めてではない。

ソフトバンクグループの悲惨な決算をきっかけに、NVIDIAがArmに関心を寄せているという噂が最初に表面化し始めた8月には、もう一人の共同創業者で元社長のTudor Brown(チューダー・ブラウン)氏が、ソフトバンクグループの扱いと、それに対する「解決策」としてNVIDIAに買収させることに内在する問題点について発言していた。

ソフトバンクグループの買収時に書いたように、ソフトバンクグループはArmの買収によって、IoT技術への大きな動きの先頭に立ちたいと考えていた。本質的には、ARMのビジネスモデルとハードウェアメーカーとの関係を利用して、AIや自動システムへの実装など、プロセッサの需要が「ホット」になっている分野を倍増させるのではなく、コネクテッドデバイス向けの半導体周辺のIPへの新しい投資の波を確保する計画だった。

なぜなら、IoTは誰もが思っていたほど大きなビジネスチャンスではなく、少なくともIoTビジネスは人々が予測していたようなタイムスケールや軌道では発展していないからだ。

Armのもう一人の創業者であるブラウン氏のNVIDIAに対する見解もハウザー氏とよく似ている。自社の顧客と本質的に競合する相手に会社を売却することは、独立性を主張し、すべての人に平等な製品へのアクセスを与えることを保証することを、不可能ではないにしても、非常に困難にする。

もちろん、NVIDIAが400億ドルでArmを買収したのは、会社を潰すためではないと主張することもできるだろう。しかし、この買収が株式市場で成立し、NVIDIAが長期戦を繰り広げていることを考えると最終的にはどちらが勝利するのだろうか?

我々はNVIDIAに「Save Arm」への回答を求めたので、詳細がわかり次第、記事を更新する予定だ。

画像クレジット:Ratcliffe/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

NVIDIAがArmをソフトバンクグループから4.2兆円超で買収、半導体大手2社が一体に

数週間にわたる断続的な憶測を経て、NVIDIA(エヌビディア)は米国時間9月13日夜、半導体設計追ってのArm Holdings(アームホールディングス)を総額400億ドル(約4兆2450億円)で現在の所有者であるソフトバンクグループから買収する意向を正式に表明した。ソフトバンクグループは2016年に320億ドル(約3兆4000億円)でArmを買収していた。3社の取締役会すべてがこの取引の概要を承認している。

関連記事:ソフトバンクは評価額約4.2兆円のArm株売却で利益確保か、売却先のNVIDIAはCPU/GPUの超ビッグプレーヤーに

この取引にはいくつか複雑な点がある。ソフトバンクグループは契約書署名後直ちに20億ドル(約2100億円)を現金で受け取る。その後、取引実行時に現金100億ドル(1兆600億円)およびNVIDIA株215億ドル(約2兆2800億円)を受け取る。この株式はNVIDIAの10%弱にあたる。さらにソフトバンクグループは、実績ベースのアーンアウトとして現金と株式を合わせて50億ドル(約5300億円)を受け取る見込みだ。買手企業が売手企業に対して買収対価の一部を支払うことを規定する、いわゆるアーンアウトの条件と時期は公表されていない。

買収価格400億ドルには、既存Arm社員の株式報酬15億ドル(約1600億円)も含まれており、社員は現在6000人以上いると同社は説明している。全体でソフトバンクグループは、アーンアウトが実施された場合、385億ドル(約4兆円)を手にすることになる。

NVIDIAはArmのInteret of Things(モノのインターネット)部門を除く全製品グループを買収する。モノのインターネットはArmが中核であるモバイルチップ設計事業以外に最近力を入れている分野の1つだ。

複雑な所有構造と複数の国が関わっていることから、契約実行には1年半を要すると見られており、規制当局および反トラストの承認を、米国のほかArmが拠点を置く英国、中国、および欧州連合のそれぞれから取得する必要がある。

NVIDIAは声明で、英国を同社技術部門の中心として注力することを明言しており、これは今年のブレグジットでEUを離脱した後の英国テック事業経済の競争力に対する、英国政府の懸念を鎮静化させる目的であることはほぼ間違いない。

同社は、Armのケンブリッジ事業所は拡張予定であり「最新AI研究の新たな世界的中心地を構築する」予定だと説明している。

この取引は、一連の大きな損失の回復に努めてめているソフトバンクグループにとって即効性のある現金注入だろう。契約金額の大きな部分を占めるNVIDIA株によって、ソフトバンクグループは再び同社の主要株主になる。日本の電話会社は、かつて同社のVision Fund(ビジョンファンド)を通じてNVIDIAの4.9%を保有していたが、2019年に33億ドル(約3500億円)で手放していた(Wall Street Journal記事)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook