Oculus VRのコンテンツは将来のヘッドセットでも利用できる

Oculusは、次期バージョンのRiftが出てきたとき、デベロッパーの作っているゲームやコンテンツが陳腐化して欲しくない。そこで今日(米国時間9/27)のOculus Connect 5カンファレンスで、Facebook CEO Mark Zuckerbergは、「われわれの製品の将来のバージョンは、旧バージョンと互換性を保つ。Riftで使っているコンテンツはすべて次期バージョンでも使える」と語った。

Oculusヘッドセットの次期バージョンはQuest問を名前来春発売される。ワイヤレスでタッチコントローラーが同梱され、発売時点で50以上のタイトルが揃う予定だ。

この互換戦略は、VR業界でコンテンツ制作が維持可能になるだけの売上を見込むためには、ユーザー1000万人以上のハードウェアプラットフォームが必要、というZuckerbergの予想と一致している。VRの普及が遅いことについて昨年Zuckerbergは、OculusによってVRの目標ユーザー数10億人という目標が示されたと言った。彼はこの旅は「1%終わったところ」いや「たぶん1%以下だ」とジョークを言った。

現在ほとんどのVRタイトルはちゃちなインディーズスタジオで作られ、Oculusの今後10年でVRに30億ドル投資するといった取り組みによる資金提供を受けている。これは、ビジネスで利益を得られるほどコンテンツを買うヘッドセットユーザーがいないからだ。現在1100種類のRiftタイトルが作られているが、ハードウェアの進歩によってプレイが不可能になるリスクを抱えていた。

もちろん、もしOculusが本気で互換性を考えているなら、Playstation VRやHTC Viveと協力してプラットフォーム間での体験の移植を容易にすべきだろう。しかし現時点では、毎年コンテンツを作り直さなくてもよいとわかるだけで、デベロッパーはこの没頭型メディアのために安心して開発できるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Oculus Questを発表――新しいワイヤレスVRヘッドセットは399ドル、来春出荷へ

デベロッパー向けVRカンファレンス、Oculus Connect 5のキーノートでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはOculus Questを発表した。この新しいヘッドセットは2019年の春に出荷され、価格は399ドルが予定されている。

Questはワイヤレス接続のスタンドアローンVRヘッドセットとして初めてのフル機能のポジション・トラッキングが可能な製品だ。ヘッドセット自体だけでなく、両手に握るコントローラーにもポジション・トラッキング能力が備わる。出荷時には専用ゲーム50種類以上がバンドルされる。

399ドルというOculus Questの定価は現行フラグシップモデルのOculus Riftと同じだ。ただしRiftの場合、最適な体験を得るためには相当強力なデスクトップゲーム機にケーブルで接続する必要がある。Questの場合は必要なバッテリーやチップを含め処理能力がすべてデバイス内に収められている。今年に入って199ドルでOculus Goが発表されているがQuestはスタンドアローン・ヘッドセットのプレミアモデルとなる。Goは最新のモバイル向けチップセットで動作しているが、ポジション・トラッキングが6自由度ではなく、動きに制約が感じられた。

Questではヘッドセット正面にセットされた4台の広角カメラのおかげで6自由度のポジショントラッキングが可能だ。ハンド・コントローラーのデザインはRiftにバンドルされているものとやや異なるようだが、ボタンのマッピングは同一だ。つまりデベロッパーは従来パソコンペースで作動していた既存のVRゲームをQuest向けに移植するのが簡単になる。ただしモバイル・チップセットに移植するための手間がどの程度軽減されてるのかはまだはっきりしない。

2年前、Oculusがデベロッパー・カンファレンスで最初にデモしたプロトタイプはSanta Cruzと呼ばれ、ポジショントラッキング機能を内蔵したスタンドアローンVRヘッドセットだった。Oculusはその後ポジショントラッキング機能を備えたハンド・コントローラーも追加した。これによりスタンドアローン・ヘッドセットのVR体験がRiftなみに改善されることが期待された。Santa Cruzの製品版であるQuestが出荷されるまで数ヶ月あるので、デベロッパーはこのプラットフォームに慣れる時間があるだろう。QuestはRiftの能力とGoの手軽さの間で最適のバランスを取ろうとするOculusの努力の現れのようだ。

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滑川海彦@Facebook Google+

ウォルマートが17000台のOculus GoヘッドセットをVRによる作業訓練用に試験的に採用

作業訓練は以前から、企業が仮想現実を利用する最初の主要な分野になる、言われていた。Walmartはすでに、そのトレーニングセンターにVRハードウェアを導入してその方向性を見せていたが、今回同社は、その5000近いストアのすべてにOculus Goヘッドセットを送って、Walmartの社員の教育訓練の頻度を上げようとしている。

この大型店の巨人は、Walmartスーパーセンターの各店舗にヘッドセットを4つずつ、そしてNeighborhood Marketには2つずつ送る。それは全社員を教育訓練できるほどの大量ではないが、それでもWalmartともなれば全体で約17000台のヘッドセットが年内に発送されることになる。

昨年同社は、STRIVR Labsの協力により、同社の200あるトレーニングセンター“Walmart Academy”に仮想現実によるトレーニングを導入する、と発表した。今回はさらにその進化形であり、前のようにPCにつないだOculus RiftではなくOculus Goを使用し、単体VRヘッドセットによる社員教育の将来性をさぐる。今回の、各店におけるわずかな台数でのテストがうまくいけば、OculusとFacebookにとっても勝利になる。なにしろこれまでVRヘッドセットといえば、実際に順調に使用する時間よりも、トラブルシューティングの時間の方が長いことで、悪名高かったのだから。

Oculusで企業とのパートナーシップを担当しているAndy Mathisが、プレスリリースでこう述べている: “Walmartは、VRを利用して社員教育の充実を図った最初の企業のひとつだ。今後その利用は、どんどん拡大するだろう。この分野でVRが魅力的なのは、ふつうのやり方では費用が高すぎたり、難しかったり、そもそも不可能だったりするような教程やシミュレーションを、VRは可能にするだけでなく、今すぐ気軽にできるからだ”。

仮想現実では、プロセスや製品が実在する前にそれらを体験できる。社員にとってその体験は、既存のオプションよりもおもしろいから、居眠り効果などもなく、学習効果が上がるだろう。

STRIVR LabsのCEO Derek Belchはこう述べる: “VRはシミュレーションをベースとする体験的学習の機会を与える。それは、2Dの教材ソフトなどでは不可能だった。VRと教育学習の関係が、Walmartの先進性によりこれほど急速に進展していく様子は、見るだけでも感動的である”。

STRIVRのVR教材ビデオは主に360度ビデオを使用し、画面上に対話を促すプロンプトが出るので、社員は実際のインフラストラクチャが存在する前に、新しい店舗形態などに触れる機会を与えられる。Walmartは、ネットで買った物のための“Pickup Towers”〔日本語参考記事〕という具体例を挙げて、実際に店に据え付けられる前に、VRでそれらと対話する体験があれば、稼働開始も早い、と述べている。

ヘッドセットの店舗への発送は、来月から始まる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Oculusの共同創設者が競合他社製Magic Leapヘッドセットを「悲劇の誇大広告」と痛烈批判

企業の創業者が、競合他社の新製品をこき下ろすレビュー記事を書くというのは尋常なことではないが、Oculusの共同創設者Palmer Luckeyは、ずっと尋常ではない起業家で通ってきた。

昨日(アメリカ時間8月27日)、Luckeyは、自身の個人ブログに『Magic Leapは悲劇の誇大広告』と題したMagic Leapの開発者向けキットのレビュー記事を掲載した。その中で彼は、いくつかお世辞を述べてはいるものの、大部分は、その新製品の欠点の列挙と、同社の重役たちがAR技術のたわごとを並べていながら、結局は、彼が言うところの3年前のHoloLensに毛が生えたようなものに収まってしまった理由の説明に割いている。

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「Magic Leap ML 1に関する私のレビュー。メディアでは大きく取り上げられておらず、分析もされていない、いくつかの点に焦点を当てている」
「Magic Leapは悲劇的な誇大広告:このレビューのタイトルはよく考えて付けた。軽率な言葉ではない。私はVRにとって最高のものを、そして現実-仮想連続体のための最高の技術を求めているのだ」

 

彼は、いくつもの問題点をレビューの中で掘り下げている。おそらく、もっとも深い洞察が行われているのは、ヘッドセットとコントローラーに使われているトラッキング技術に関するものだろう。それがユーザーエクスペリエンスを後退させているという。Magic Leap Oneのコントローラーには、磁気トラッキング・システムが使われている。Oculusを含むほとんどのVRメーカーが採用している光学トラッキング・システムとは大幅に違うものであり、概して複雑な仕組みになっている。クリック式のトラックパッドがないことを批判している段落を読めば、それがLuckeyの単なる個人的な好みの問題ではないことがわかる。

Magic Leap One Lightwear

 

現在、LuckeyはVRの日々を卒業して、(ほぼ)転職を果している。彼の新しい会社Anduril Industriesは、国境警備のための技術開発に特化した企業だ。しかし、彼はまだハードコアなVR愛好家としての評判が高く、VR世界では大きな発言力を持ち続けている。

彼の不満の原因は明らかだ。Magic LeapのCEO、Rony Abovitzは、この数年間、多額の資金を調達して、秘密裏に技術開発を行い、公には既存の技術をこき下ろしていた。Luckeyは、それがARやVRの分野への投資意欲を削いでしまうと心配していた。目の前に非現実的な期待をぶら下げられた投資家は、比較的保守的なアプローチで売り込みをかける既存の企業への興味を失ってしまうからだ。

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Palmer Luckey「驚き!」
Fernando Serrano「悪いけど、こうするしかなかった」

 

もっとも辛辣な言葉は、Magic Leap Oneのディスプレイ技術のために残されていた。Luckeyは、他のメーカーの視野にあるものと、まったく変わらないと指摘している。Magic Leapの開発チームは、彼らが作っているものを説明するときに、独自の専門用語を作り出すほどだったのに、自分たちで言い出した技術を完成できなかったとLuckeyは言っている。

彼らはそれを「Lightware」と呼んでいる。長年にわたり、彼らの宣伝文句の中心的な存在だった。また彼らは、「フォトニック・ライトフィールド・チップ」、「ファイバースキャンイング・レーザーディスプレイ」、「デジタル・ライトフィールドをユーザーの目の中に投影する」技術、さらには、数十年間にわたってヘッドアップディスプレイの世界を悩ませ続けている「輻輳(ふくそう)調整不調和を解決」する方法、つまり、両方の目の焦点と「ふくそう」を常に一致させるための、「恒久的神経疾患」や脳障害を予防するために必須であるとMagic Leapも訴えてきた、この世界では聖杯とも言うべき技術について、繰り返し語ってきた。ふくそう調整不調和の解消技術は、VRよりも、デジタル要素と現実の要素との整合性を保たなければならないARにおいて重要になる。

要約:「フォトニック・ライトフィールド・チップ」は、反射型シーケンシャルカラーLCOSディスプレイとLED照明とを組み合わせた、単なる導波管に過ぎない。同じ技術は、もう何年も前から広く使われている。Microsoftの最終世代のHoloLensもそうだ。Magic Leap Oneは、「ライトフィールド・プロジェクター」ではない。または、広く認知された定義によるディスプレイでもない。「2焦点ディスプレイ」なので、ひとつかふたつの焦点面にすべてのUIと環境要素を配置した怪しいデモで、ふくそう調整不調和を解決したように見せかけている。それ以外の距離では、不調和が起きる。止まった時計でも、1日かならず2回は正確な時刻を示すというのと同じだ。

彼はまた、ヘッドセットの視野の狭さも指摘している。ただ正直なところ、彼は、もっと単純な光学システムを使った他社製のARヘッドセットと比較しているので、ちょっと不公平に思える。Magic Leapのディスプレイの視野範囲は、HoloLensのものよりも40パーセント大きいと見積もられているが、それでも人によっては狭いと感じるのかも知れない。

もしこれが、鳴り物入りで登場した製品に対する誰かさんの辛口批評に聞こえたなら、そのとおりかも知れない。Luckeyは、同社の注文番号のシステムから、売り上げを試算している。

Magic Leapの注文状況は、発売から数日の間は、じつに簡単に把握できた。私は友人から注文番号を見せてもらい、注文した時間と比べてみた。そこから、私は最初の1週間の売り上げを予測できると確信した。残念ながら、彼らは私がこのことをツイートした直後に、システムを変更してしまった。私が集めた情報を元に計算すると、最初の週で2000台が売れている。しかし、それは最初の48時間に大きく集中している。そこから推測するに、現時点での販売台数は、3000台を下回る。これは残念なことだが、確かな理由がある。私はMagic Leap Oneを持っている人を100人以上知っているが、彼らの中にAR開発者はわずかしかいない。ほとんどが、技術系企業の重役か、「インフルエンサー」か、初期のころに業界にいたが、ARアプリを開発しようという気がもうない人たちだ。黎明期のVR業界にとって、これは大問題だ。何千何万という開発者がいて、何千何万という開発キットが売れているにも関わらずだ。この問題の桁数が大きくなれば、Magic Leapにはとても厳しいことになる。

Luckeyは、このレビューの続編を書くつもりはないようだが、レビュー用にしばらく遊んだ後、彼は個人で買ったMagic Leap OneをiFixitに渡して分解を依頼している。

このレビュー記事が公開されると、Magic LeapのCEO、Rony Abovitzは、アニメ『アバター 伝説の少年アン』のキャラクターとLuckeyとを比較した、じつに奇妙なツイートをしている。それに続いてもうひとつ、さらに奇妙なツイートを出している。

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「この社会は不和に満ちてる。人々を団結させよう。私たちのデジタルとフィジカルの世界を統合しよう。創造しよう。そして、アーティストとなって作って遊ぼう」

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「Magic Leapの旅もパーティーも、これから面白くてクリエイティブで物凄いものになる。目標ははっきり見えている。誰でも歓迎する。ただし、どうかお行儀よく」

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(翻訳:金井哲夫)

Oculus Go、企業向けバンドルを299ドルで発売

Facebookのバーチャルリアリティー部門であるOculusは、ヘッドセットのOculus Goのビジネスユーザー向けセットを直販する。今日(米国時間7/17)から、企業ユーザーは64GB Oculus Goのビジネスバンドルを299ドルで注文できる。

Oculusはビジネスユーザーに対してさほどの追加料金を要求していない。50ドルで追加のアクセサリーと延長保証、専用のサポートなどを提供する。

現在OculusはRiftのビジネスバンドルを799ドル(Rift単体は399ドル)で販売しており、セットには今回と同様の追加がなされている。OculusがOculus Goに数多く売れることを期待しているの明らかであり、利幅も下げているのだろう。

Oculusには本格的ビジネスチャンスがある。複数のRiftとPCを動かすことは想像を絶する苦労であり、専門のトラブル対応要員が必要になりスケーリングも困難だ。Oculus Goなら機能的に多少制限されていても圧倒的にシンプルであり、Samsungのスマートフォンを挿入しなくてすむのは、スマホ自身のアップデートの手間を考えると大きな魅力だ。つまるところ、PCのパワーを必要とする一部のパートナーやゲームデベロッパーを別にすれば、スタンドアロンのヘッドセットの方がカジュアルなビジネスユースに適していることは明らかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Oculus Go、専用TVアプリを発表

Oculusは、ヘッドセットOculus Goの大きなバーチャルスクリーンでストリーミングビデオを見るためのTVアプリを公開する。

同社はFacebookのF8デベロッパーカンファレンスで、低価格ヘッドセットの能力を最大限に引き出す専用アプリ4種のうちの1つとしてOculus TVを披露した。アプリは5月末に公開されるはずだったが、ようやく目にすることができた。

Facebookは199ドルのOculus Goの大きなセールスポイントを、最も安いホームシアターにしたいと思っている。Oculus TVは、伝統的ビデオ視聴に関わるあらゆる機能を揃えるための大きな一歩だ。アプリは既存のヘッドセットユーザーに無料で配布されるほか、今後はデバイスにプレインストールされる予定。

アプリは巨大2Dスクリーンのあるバーチャルリビングルームを中心に展開され、ユーザーはそこで好きなビデオを見られる。このアプリが専用ビデオ視聴スペースを持つソーシャルアプリのOculus Roomsと別に存在する理由は明確ではないが、会社としてはこのデバイスのビデオ視聴能力を特別に強調したかっただけなのかもしれない。

公開時点で対応するのはFacebook Watch(当然)の他、Red Bull TVとPluto TV。また、スポーツネットワークのESPNとの提携についても先行紹介した。

Oculus Goはストリーミングネットワークの関心を引くことに期待をかけており、その多くはすでに独自のバーチャルリアリティープラットフォームを作っている。HuluやNetflix、ShowtimeなどでダウンロードしたネイティブアプリをOculus TVアプリ経由で動かすこともできるが、それは組織的な改善にすぎない。

2Dビデオ専用の本拠地を持つことはOculusにとってよい選択だが、ユーザーにとっては自分が興味をもつコンテンツを所有するパートナーをFacebookが確保してくれれば一層嬉しいだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、VRディスプレイを大幅アップグレードへ――Oculus Half Domeをデモ

ここ数年VRヘッドセットのハード面の進歩は停滞ぎみだった。 なるほど精細度が少しアップした、視線トラッキング機能が追加された、新しいコントローラーが発表された、などはあったが、全体としてみるとVRの進歩はソフトの分野で起きていた。この中で、FacebookはVRヘッドセットのハード面を根本的に改革しようとしているようだ。F8 2018デベロッパー・カンファレンスの2日目でFacebookは新しいVRヘッドセットをデモした。

社内でHalf Domeと呼ばれているOculusの新ヘッドセットでは、まず装着した際の視野が大きく拡大された。またVarifocalと呼ばれる高度なテクノロジーにより、ユーザーが見ている対象に合わせて映像の焦点を変えることができるようになった。

平均的な成人の水平視野角は200度程度とされているが、デモされたプロトタイプの視野角は従来の100度から140度に拡大された。これにより装着者は視野の周辺までヘッドセットで見ることができるようになり自然さが大きくアップする。重要なのは視野の拡大にあたって従来のフォームファクターを維持できたことだ。つまりHalf Domeのサイズは現行のRift製品と変わらない。これは「レンズ・テクノロジーの絶えざる進歩」によって可能になったという。ただし製品のサイズをこれ以上小型化するにあたってはデイスプレイに画期的な進歩を必要とするようだ。

現在市場に出ているVRヘッドセットは単一の焦点面しか表示できない。つまりユーザーは複数の焦点距離を利用できない。VRで文字を読もうとしたり、何かをはっきり見ようとしたりするなら、その対象はユーザーから2メートルの距離に置かれねばならない。これはVRの普及にあたって大きなハードルとなってきた。謎のスタートアップ、Magic Leapでは新しいディスプレイ・テクノロジーによりこの問題を解決したと主張しているが、そのテクノロジーを利用した消費者向け製品が製造できるのかなどの詳細は不明だ。

Oculusによれば可変焦点距離の表示を実現するために、プロトタイプのヘッドセット内でディスプレイを物理的に前後に移動させているという。簡単にいえば、カメラのオートフォーカスと同じ仕組みだが、多くのカメラのように作動音を立てたり振動を感じせたりしないという。

Oculusはこれ以外にディスプレイ分野での研究をいくつも紹介したが、このVarifocalテクノロジーは研究の成果がサイズや重量を増やさないままで製品に組み込まれる日が近いことを感じさせた。OculusはHalf Domeプロトタイプの紹介に力を入れていたが、これが製品化されればハイエンドのVRヘッドセットの基準は一変するに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FacebookのF8カンファレンスのビッグな発表、上位10まとめ

FacebookのF8カンファレンスの初日は、たくさんの発表とアップデートでギュウギュウ詰め。ここではMark Zuckerbergのキーノートから、トップテンをご紹介しよう。カンファレンス関連の記事は、ここにそのリストがある。

1. デート機能!

あなたの次の出会いは、Facebookで始まるかもしれない。同社が発表した一連のデート機能は、今年後半にテストが始まる。ユーザーのデート用プロフィールは、同じくデートを求めている、友だちでない人にだけ可視にできる。データが通常より多くなるから、本当にあなたにふさわしい人を見つけられるかもしれない。

2. 履歴削除によるプライバシー保護

目下開発中のClear Historyという機能は、Facebookが広告やアナリティクスツールで集めたユーザーデータをユーザーが削除できる。たとえばそれは、Facebook上での閲覧履歴などだ。 Mark Zuckerbergはこの機能を、ブラウザー上でクッキーを削除することになぞらえた。

3. Instagramにビデオチャットといじめ撃退機能が

Instagramでビデオチャットができる。まだ見てないけど、これまでのメッセージングツールを拡張したような、シンプルな機能だろう。またInstagramは新しいフィルター機能により、ユーザーをいじめコメントから保護する。そしてExploreタブが改良された。

4. アプリのレビューを再開

Cambridge Analyticaの一件以来休止していたアプリのレビューを再開する。デベロッパーには嬉しいニュースだ。

5. Oculus Goが199ドルで発売

廉価版のVRヘッドセットOculus Goが今日(米国時間5/1)発売された。32GB搭載機で199ドル、64GBなら249ドルだ。

6. Messengerがデザイン一新+チャットの翻訳機能

FacebookのM Suggestionsアシスタントにより、Messengerでチャットが翻訳される。Messengerは、すっきりしたルックスになり、基本的な機能であるチャットを強調している。

7. 3D写真

News Feedに3D写真が登場。数か月後には、友だちのステータスアップデートにも現れるだろう。

8. WhatsAppのSnapchat Storiesクローンがユーザー数新記録

WhatsAppがSnapchatの国際的成長の機会を横取りした。WhatsApp Statusの一日のアクティブユーザー数が4億5000万に達したのだ。

9. InstagramにAR効果が

Facebook上の拡張現実プラットホームは、Facebookオンリーだから伸び悩んでいた。そこで今度からは、ARカメラのような効果がInstagramにやってくる。ここは、お客さん最優先の写真共有サービスだからね。

10. WhatsAppがグループビデオチャットとステッカーをサポート

グループビデオとステッカーがWhatsAppにやってくる。数か月後には、一つの画面を分割して4人(もしくはそれ以上)でチャットできるようになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Oculus、200ドルのスタンドアロンVRヘッドセットを開発中――発売は来年のもよう

Bloombergの観測によれば、今年後半にFacebookはスタンドアロンのOculus VRヘッドセットを発表する。出荷は2018年になる。このヘッドセットはパソコン、スマートフォンなど外部機器にテザリングする必要がなく、世界でOculusのブランドで発売される。

ただし中国ではパートナー契約の一環としてXiaomi〔小米〕が製造し、そのソフトウェアが搭載されるという。ブランドもXiaomiとなるようだ。

ワイヤレスVR、つまり外部機器に接続する必要がないスタンドアロンの仮想現実ヘッドセットはFacebookとOculusが追求してきた目標だった。FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグは以前、Samsung Gear VRのようなスマートフォンをそのまま利用したエントリー・レベルのVRとOculus RiftやHTC Viveのようにパソコンにテザリングする必要がある高機能VRの中間を埋める製品カテゴリーがあってもよいと論じた。事実、 HTCでは今年初めGoogleのDaydreamプラットフォームを用いてスタンドアロンのVRデバイスを開発する意向を示していた。

SamsungもスタンドアロンVRを開発中で、Odysseyというブランドになるとみられる。一方、FacebookはRiftのスタンドアロン版も開発している。Bloombergによれば、コードネームSanta Cruzと呼ばれるプロトタイプは現在のRiftと同程度の能力がありパソコン等との接続を必要としない。Facebookではヘッドセットの環境に対する位置方向のトラッキングについては問題解決の努力中だという。

Facebookの中間レベルの新しいヘッドセットはPacificと呼ばれ、 外観のデザインはRiftとほぼ同様かつ現行のSamsung Gear VRより軽い。Snapdragonチップで駆動され、Gear VRよりグラフィックの能力は高いという。ただしRiftのようなセンサーを備えておらず、位置トラッキングの能力はないもようだ。

ここで重要となるのは価格とパフォーマンスのバランスだ。Facebookでは中間レベルのプロダクトを200ドル前後とRiftよりかなり安い価格で販売する計画だとされるが、これは広い層への普及を狙ったものだろう。現在Touchコントローラーを含むRiftの価格は399ドルからだ。こうした新製品を開発中であってもOculusはパソコンにテザリングされるRiftのサポートを続け、またGear VRに関するSamsungとの提携を止めるつもりはないようだ。FacebookはVRに関してできるだけ多様な製品ラインを用意することが普及を促進すると考えているのだろう。【略】

TechCrunchの取材に対し、Oculusは広報担当者を通じて以下のようにコメントした。

現時点で新製品に関して新しく公開できる情報はないものの、われわれはスタンドアロンVRの開発に関連していくつかの分野で重要な努力を行っていることは事実だ。われわれはOculus RiftのようなハイエンドVR、Gear VRのようなスマートフォン・ベースのソリューションの双方に引き続きコミットしていく。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FacebookがオリジナルVRコンテンツ制作部門Oculus Story Studioを閉鎖

仮想現実はコンテンツを必死に求めているかもしれないが、いまやFacebookのOculusは自身による仮想現実コンテンツの制作ではなく、外部への投資に力を注ごうとしている。

Oculusのコンテンツ担当副社長のJason Rubinは、米国時間5月4日、受賞歴もある映画VR部門であるOculus Story Studioの閉鎖を発表した。

「慎重に検討を重ねた結果、社内でのコンテンツ制作ではなく、より多くの外部制作をサポートすることに焦点を移すことにしました」とRubinは書いている。「そのシフトの一環として、Story Studioを閉鎖することになりました」。

10月に開催されたOculus Connectデベロッパーカンファレンスでは、FacebookのCEO、Mark Zuckerbergは、同社がすでにオリジナルVRコンテンツに2億5,000万ドル以上を投資してきたこと、そしてRiftならびにGear VRユーザーたちが、ヘッドセットで見ることができるオリジナルコンテンツのために、さらに2億5000万ドルを投入することを表明していた。

Rubinは、既にコミットされているの資金のうち、特に5000万ドル分は、ゲーム以外のインタラクティブなコンテンツのために投資されると述べた。

Oculus Story Studioは、オリジナル映画コンテンツ制作のために2014年に設立された。昨年、Studioは短編アニメーションのヘンリーエミー賞を受賞受賞していた。ハグするのが大好きな可愛らしいハリネズミを描いたPixar風の作品だ。

Story Studioチームは、最新プロジェクトのDear Angelicaを制作する過程で、高機能なVRペインティングプログラムであるQuillというプロダクトを開発した。これを用いることで、ユーザーたちは仮想空間の中でコンテンツを作成することが可能になる。Studio閉鎖のあとも、QuillはOculusストアから引き続きダウンロードできるようになる予定だが、この先アップデートされる予定はない。Oculusはソフトウェアをオープンソースにすることを計画している。

この突然の閉鎖は、Studioの4番目の主要作品となる予定だった”The Wolves in the Walls”(壁の中の狼たち)の制作中に公表された。なお同社はこの作品がキャンセルされたことを公表している。

閉鎖に伴いOculus Story Studioの約50人は職場を去ることになる。Oculusの広報担当者はTechCrunchに対し、これらの従業員は、OculusもしくはFacebook内の他のポジションへの異動を申請できると話した。

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(翻訳:Sako)

セカンドライフはなぜ失敗したのか、そしてclusterはVRリビングルームで何を目指すのか?

2000年代後半に一大センセーションを巻き起こした「Second Life」を覚えているだろうか? 凄まじい勢いでブームが燃え広がり、そしてほぼ何も起こらずに忘れさられていった、あの3Dアバターたちの住む「仮想世界」だ。

Second Life内の住人たち(image source: Wikipedia)

Second Life内では商行為も想定されていた。これは健康関連のアドバイス(image source: Wikipedia)

1990年代後半に登場したMMORPGは多数のプレイヤーが仮想世界で一緒に冒険に出たり戦ったりする多人数参加型ゲームだった。それまで技術的に不可能だった多数の同時接続とGPU進化を背景とした3Dグラフィックスの高い表現力によって、リアルな仮想世界(メタバース)が生まれた。そして2003年にスタートしたSecond Lifeは、このメタバースをゲーム目的以外で使った野心的なプロジェクト(スタートアップ)だった。Second Lifeという名称が示すとおり、そこはユーザーがアバターとして住まい、もう1つの人生を生きる世界。常識的に考えて人生に目的など存在しないが、Second Lifeも「無目的な仮想世界」だった。ドラゴンを倒すとか敵地を攻略するといった目的がなかったのだ。ただ、そこにはリンデンドルという仮想通貨があり、経済活動らしきものが存在した。だから「これは特大のビジネスチャンス到来!」とばかりにビッグウェーブに乗ろうとする人たちが(日本からも含めて)大挙してSecond Lifeのメタバースに乗り込んだ。そして、これといって何も起こらずに忘れられていった。

Second Lifeは何故失敗したのか? こういう問いに対して、そもそも何か有用なものが生まれるとなぜ思ったのか、と皮肉に問い返す人も少なくないだろう。ただ、日本のVR関連スタートアップ企業であるクラスター創業者の加藤直人氏のSecond Life失敗の分析と、いまその反省を取り入れて取り組もうとしている新しい仮想世界の考え方は傾聴に値すると思うのだ。

アバター密度の低さがSecond Life衰退の原因

クラスターが開発・運営する「cluster.」は、VRを使って多地点から参加できる仮想的なイベント開催プラットフォームだ。TechCrunch Japanでも過去2度ほど、そうお伝えしている。そのクラスターが2016年4月の5000万円の資金調達を挟んで準備を進めてきたプラットフォームを5月上旬にオープンするべく、本日より事前登録を開始した。VRで利用するにはHTC ViveかOculus Riftが必要だが、PC版クライアントもWindows、Mac用とも用意されている。

これまでクラスターの加藤CEOの話では、clusterは大規模イベントを仮想空間で行うためのプラットフォームという話だった。HTC ViveやOculus Rift、Gear VRなどのHMDをかぶって仮想空間で開催するイベント会場に「入って」いく。すると、そこには別地点から「入って」きているほかの参加者がいて、同じ発表者の画面を見ながらアバター同士でユーザーが交流ができる。そういう話だった。実際、昨年にはアルファ版サービスの段階で900人同時接続の仮装イベントを実現したという。以下のようなものだ。

サーバー側の処理能力的には1000人程度までは同時アクセス可能なので(ボトルネックはサーバーの帯域とクライアントの描画能力だそうだ)、物理的な会場を用意することなく大規模イベントが行えるプラットフォームというのが売りだった。

このコンセプト自体は有効であるものの、今回改めて加藤CEOに話を聞いたところ、仮想イベントとは違った世界観のサービスを5月リリースに向けて準備中だった。東京・五反田にあるクラスターの拠点でぼくが体験させてもらったのは、むしろ以下の画面のような「仮想リビングルーム」なのだった。

クラスター創業者 加藤直人氏

「弊社が提案するイベントも含めて、リリース初期には500〜1000人程度のイベントをやっていきたいと考えています。ただ、イベントはトリガーでしかありません。むしろ本命と考えているのは、少人数で長時間使うユースケース。clusterでは、誰でも仮想的な部屋を作れます。これはバーチャルのレンタルルームサービスなんです。そのバーチャルルームのVRポータルを狙っています」(クラスター加藤CEO)

加藤CEOの見立てでは、Second Life失敗の最大の理由は「過疎りやすい構造」だ。

「Second Lifeでは1つのワールド(シムと呼ぶ)に最大50人しか入れませんでした。さらに、ユーザーが自由に空間が作れたので(アバター)密度が低くなりがちだったのです」

Second Lifeでは同時刻にユーザーたちが集まる仕組みもなかったのでセレンディピティー頼みだった。延々と仮想世界をアテもなくさまよえるのは一部の熱狂的なユーザーだけだった。

一方、clusterは誰かがバーチャルルームを作ると、そこに人が集まる仕組み。まず生成された部屋にはユニークなURLが発行される。このURLは十分に長いハッシュ値を含んでいて、そこそこ機密性の高い部屋となる。ソーシャルでURLをシェアすると、これを見た人たちは誰でも部屋に入ってこれる。でも、特定の友人のみにメッセでURLをシェアすれば、ほかの誰もその部屋を発見することはできない(偶然にハッシュ値が発見されることは、まずない)。

このバーチャルルームは部屋を作った人が退室すると消えるようになっている。つまり存在する時間が区切られている。基本的に目的ベースで部屋を作ることを想定しているそうだ。Second Lifeと違い、場所も空間も限定されているのだ。

「集まるためのシステムを用意したいんです。これまでにもSkypeなどで4、5人でしゃべるというのはありました。でも、あくまで『ネット越しの体験』だったんです。VRで同じ部屋に入れば違います。その場に集まる、という体験を提供したいんです」

誰かの誕生日に家族や友人が集まったり、友だちとカラオケやゲーム、映画を楽しむといった用途、あるいは少人数の会議やセミナーをやるといったユースケースを想定しているそうだ。

「例えばゲームをしながら4人くらいでダラダラと話すような利用層。そこが大きいと思っています。そうなれば課金ポイントは変わってくるはず。コアな長時間ユーザーにプレミアムで課金してもらえる。最終的には場所貸しビジネスです」(加藤CEO)

密なコミュニケーションにはPCよりもVRが向く

5月のローンチ時には部屋は数個のテンプレートを用意するが、将来的にはカスタマイズや3Dオブジェクトのマーケットプレイス開設などもあり得るという。蓋を開けてみないと分からないものの、「例えば性的マイノリティーの方々が集まるとか、人気ブロガーがサロン的なものを開催するといったこともあるかもしれません。こちらが想定していない使い方が出てくるはず」(加藤CEO)

企業ユースなら朝会とか社内勉強会をclusterでやったりといったこともある。実際クラスターでは朝会は仮想空間の会議室でやるそうだ。

仮想空間内では巨大スクリーンを好きな位置に配置して、「みんなで見る」ことができる。音声は距離に応じた範囲で届く。マイクを握れば参加者全員に声が届く。この辺りは実際の物理的な世界に近い。ちなみにログは残すが録画はしない方針という。

サロンなどだと参加希望者の多くはVRデバイスを持っていないだろう。PS VRが売れているといっても、まだ出荷実績は100万〜200万台のレンジ。Oculus RiftもHTC Viveも100万台にも届いていない。加藤CEOはモバイルVRこそ本命とみていて「VRは(接続概念として)Apple Watchに近いものになる。ペアリングして使うメガネのようなデバイスがiPhone向けに出てくるのではないか」と予想しているそう。ただ、当面はVRデバイスを前提にはできない。このためclusterではPCでの参加も可能になっている。

開催側もPCでもオッケーだ。面白いのは「VRで入る」のと「PCで見る」ことのニュアンスの違いだ。

「密にコミュニケーションが取りたいならVRのほうががいいんです。でも、受動的にコンテンツを受け取るような、参加感が不要のときはPCでも構いません」(加藤CEO)

PCで参加すると自分のアバターは第三者視点で表示されている。自分で自分をみれる。ところがVRで入ると一人称視点になる。これが単なる「視聴」と異なることは、次のようなエピソードでも良く分かる。

「仮想空間のイベントで何百人というユーザーが集まったとき、みんな他のアバターと適度な距離を置くんですよ。実際にはアバター同士は(衝突せず)すり抜けるので、同じ位置に立ってもいいんですが、やっぱり気持ちが悪い。パーソナルスペースはVR空間でも存在しています」(加藤CEO)

配信サーバーに多数の視聴者がぶら下がる「ウェビナー」では参加者同士の交流というのはあまりない。でも、VRで同じ空間を共有していると、参加者同士がヒソヒソ話をすることもできるのだという。親しい人とテレビを見ながら感想を言ったり、感想を言わないまでも顔を見合わせるコミュニケーションというのがある。あれもコンテンツ視聴の重要な体験の一部だと思うが、そうしたものが徐々にVRで再現できるようになるのかもしれない。

clusterのバーチャルルームの利用は無料提供を予定している。マネタイズは有料イベントなどのチケット販売の30%課金ということを考えているそうだ。法人向け大規模イベントや、たくさんの人が集まるところをメイン市場と見ていないことについては、「人気コンテンツは人が集まるでしょう。でも、例えば人気スポーツ配信の放映権を取得したところで、そうやって集まる視聴者はプラットフォームには定着しません。すぐに離れていくでしょう」(加藤CEO)と考えているそう。また主催者側からミニマムチャージなどは課金しない。これはUstreamがプラットフォームとして失敗した原因だと考えているそうだ。

グローバル市場で見ればBigscreenAltspaceVRといった競合サービスがある。部屋の中に巨大ディスプレイがあるかのようなVR空間を提供するBigscreenは15万ユーザーと先を行っている。ただ、加藤CEOは「VRは最初から世界を取りにいかないと駄目だと考えています」と話していて、日本を足がかりに早い段階で世界市場に打って出たい考えだ。

OculusでのVR体験をFacebookにシェアできるようになった ― 同時にボイス検索も

VRがどんなものなのかを説明するのは骨の折れる作業だ。そんな中、本日(米国時間10日)FacebookとOculusは、友達や家族にVR体験を簡単にシェアできる機能を発表した。

新しいイベントアプリの追加、そしてOculus Room内での360度ビデオの視聴などのソーシャル機能と同時に本日Oculusが発表したのは、VRゲームをプレイしている様子などを直接facebookにアップロードできる機能だ。

この機能は今日から米国外のユーザー向けに公開される。米国内のユーザーには「今後数週間のうちに」公開される予定だ。これにより、VRコンテンツがより身近になり、VR体験とはどのようなものなのかを友人に見せてあげることが可能になる。

FacebookとOculusが統合機能を発表したのはこれが初めてではない。今週はじめ、Facebookは同社初となるVRアプリ「Facebook 360」を発表している。これはFacebook上の360度フォトや360度ビデオを閲覧できるVRアプリだ。この機能を使い、Facebookは同社がもつコミュニティを活用してVRへのアクセスを向上させ、VRをまだ試したことがないユーザーにVRとは何であるかを教えている。

Oculusが今日発表したビッグニュースは他にもある。RiftおよびGear VR向けのOculus Homeプラットフォームにボイス検索機能を追加すると発表したのだ。ストアに掲載されるコンテンツが増えつつあるなか、より容易な検索機能は同プラットフォームにとって大きな進歩だと言える。仮想現実のスクリーン上に表示されるキーボードは非常に使いづらい。だから、このボイス検索機能によってユーザーのイライラが多少緩和されることになるだろう。彼らはまず、「Oculus Voice」と呼ばれるこの新機能をボイス検索機能とともにローンチする。しかし、友達がオンラインかどうか確かめるなど、よりデジタルアシスタントに近い機能が搭載される日も近いだろう。

[原文]

(翻訳:木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

美しすぎるVRムービー「Dear Angelica」

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バーチャルリアリティが「技術デモのフェーズ」を終えたようだ。「Dear Angelica」は、VRヘッドセットの特徴を活かしてユーザーを物語の世界に誘い込み、一人称で感動的なストーリーを楽しむことができる純アートの映像作品だ。映画館のスクリーンではDear Angelicaの美しさは伝わらない。

Oculusが新しく発表したこのショートフィルムは必見の作品だ。私はVRの熱狂的なファンである友人の自宅まで行ってDear Angelicaを観たのだが、その労力に見合うだけの価値があった。Sundance Film Festivalでプレミア試写会を行った本作品だが、現在はOculus Riftを通して無料で配信されている。

美しい演出が特徴的なVR作品は既にいくつかある。物語に出てくる電車がはじけ、そのカケラが無数の鳥となって日暮れの空に消えていく。この演出で印象的なChris Milkの「Evolution Of Verse」もその例だ。

感動的なVR作品もある。ユーザーをヨルダンの難民キャンプにいざなうGabo Aroraの「Clouds Over Sidra」では、VRヘッドセットが人々の共感を呼ぶ機械へと進化する。

素晴らしいストーリーをもつ作品もある。Penrose Studioの「The Rose & I」は、宇宙にいる孤独な少年と1本のバラが織りなす友情の物語だ。

しかし、Dear Angelicaはこれらの要素すべてを12分のストーリーに織り込んだ。そして、この作品は20年後もなお観る価値のある作品となるだろう。

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母親との思い出を語る女の子。彼女がこの物語の主人公だ。女優として活躍していた母親は、彼女にアンフェアな世界のなかでも勇気を持つことの大切さを教えてくれた。映画に出演する母親の姿が突然まわりに現れる。すると、悲しみと懐かしさがあなたを包み込む。筆で流れるように描かれた世界は、非の打ち所がないほど美しい。あなたの周りで主人公の世界と記憶が次々と描かれていく。

Dear Angelicaを観ると、それがVRのために生まれてきたような作品だと感じることだろう。それもそのはず、この作品は実際に仮想現実の世界で製作された作品なのだ。Oculusは「Quill」と呼ばれるVRイラストレーション・ツールを開発している。Dear AngelicaのアーティストであるWesley Allsbrookは、このツールを使ってオーディエンスと同じ視点でこの作品の世界を描いたのだ。

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Dear Angelicaでは、VRで描く世界に「時間軸」という新しい次元を取り入れている。情景が一度に表示されるのではなく、勇敢な騎士、凶暴なドラゴンなどのオブジェクトが適切な順番で、そしてカラフルに描かれていく。あらゆる方角で描かれた物語は、それぞれが同時並行で進行していく。しかし、オーディエンスは一度に1つの方角しか見ることはできない。だからこそ、手で掴むことができない「夢」の中に自分がいるかのように感じられ、観るたびに新しい発見がそこにはある。

 

VRクリエーターたちよ、今から話すことを心して聞いてほしい。ディレクターのSaschka Unseldが生み出したDear Angelicaは、今後のVRの在り方を考えるうえで重要な作品である。VRに搭載する新しい機能の実験をするのは良いことだし、将来的に今より大きな価値を生み出すVRのプロトタイプを製作するのも構わない。しかし、このテクノロジーによってオーディエンスを想像の世界に誘うための準備はすでに整っている。「美」、「感情」、「ストーリー」といった、人間がもつ可能性をVRでどのように表現するのか。私たちは今、それを考えるべきフェーズへと突入したのだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Facebook「今後10年でVR業界へ30億ドル投資する」

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Facebook CEOのMark Zuckerbergは、バーチャルリアリティは未来のコンピューティング・プラットフォームであり、同社はそのマーケットを手中に入れることができると考えている。ただ、このテクノロジーが大衆技術となるまでには、まだ5年から10年の歳月を要するとも認めている。

今日、記者たちはFacebookが抱くバーチャルリアリティへの野望のリアルな姿を耳にするめったにない機会に恵まれた。同社が2014年3月に買収したOculusにまつわる、20億ドル規模の訴訟についてFacebook側の言い分を証言した場でのことだ。

今回の騒動は、元ZeniMaxで現在はOculus CTOのJohn Carmackが、ZeniMaxに無断で同社のVR技術に関する情報を利用したとしてZeniMaxがOculusを提訴したことがきっかけ。

New York Timesが伝えたところによれば、Zackerbergは法廷で、Facebookは今後10年間でVR分野に30億ドルを投資し、何百万人ものユーザーを獲得するつもりだと語ったとされる。

Zuckerberg率いるFacebookは、これまでにもVR分野へ巨額の投資を行っている。Zuckerbergの証言によれば、FacebookがOculusを買収するとき、当時OculusのCEOだったBrendan Iribeは買収金額として40億ドルを提示したそうだ。結局、両社は20億ドルの買収金額で合意に達したが、その金額に加えて7億ドルのリテンションボーナスと、業績が一定まで達した場合には追加で3億ドルをOculusに支払うことも条件に加えられたという。

これらの数字は、バーチャルリアリティ業界をなんとか手中に収めようとするZuckerbergの強い意志を表している。彼が資金を投下するのはイノベーションのためだ。賠償金を支払うことは避けたいところだろう。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

ザッカーバーグ、20億ドルを巡る裁判でOculusはVR技術を盗んでいないと証言

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今日Mark Zuckerbergは、トレードマークのグレイのTシャツではなく、スーツを着て法廷に向かわなくてはならなかった。

Facebook CEOは今日、ダラスの法廷に出向き、Oculus Inc.(FBが2014年3月に買収した)がZenimax Mediaから盗んだ技術を使っているとする20億ドルの巨額訴訟で証言する。

この訴訟はOculusのファウンダー、Palmer Luckeyが最初のVRヘッドセット製品を作る際に、ZeniMax傘下のゲーム会社iD Softwareの社員、John Carmackからどのような情報を得たかを詳細に分析するものだ。LuckeyはVRヘッドセットRiftを開発するに当たり、直面していた技術的問題を解決するために、CarmackをはじめLuckeyを手助けしたとされる人物らと会った際、守秘義務契約下にあった。さらにZeniMaxは、Carmackが契約終了後OculusにCTOとして入社した後、盗んだ知的財産をOculusチームの中核技術に利用したとも主張している。

今日の法廷でFacebook CEOは、原告の主張に対して終始挑戦的だった。

「Oculus製品はOculusのテクノロジーに基づいている」とZuckerbergは証言した。

NY Times記者のMike Isaacが書き起こした別の証言でZuckerbegは、ZeniMaxの主張の信憑性を疑問視している。

「大きな発表をした時など、いろいろな人が突然現れ、権利の一部は自分のものだと主張するのは実によくあることだ。この法廷にいる人のほとんどと同じく、私はZeniMaxのことを聞いたことがあない。当社の法務部門が調査することになっているが、彼らが信ずるに値しないと考えることに私の時間を費すことはないだろう」

訴訟に関する証言のほかに、法廷ではZuckerbergがそもそもなぜOculusを買収したかについて詳しく語る機会を与えられた。

[私はこういう完全な表現方法を手の届くものにしたかった。瞬間を捕えることができるように]

本誌は(きっとアーロン・ソーキンも)引き続き本件に注目していく。法廷ドラマに変化があれば続報する予定だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook傘下のOculus VRのコンピュータービジョンの責任者、少女買春容疑で逮捕されていた

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バーチャルリアリティーの有力企業、Oculusのコンピューター・ビジョン部門の責任者、Dov Katzは12月23日にワシントン州タクウィラ市警察に逮捕されていたことが判明した。Tukwilaはシアトルの北に隣接する都市で、警察は未成年者買春取締のため囮捜査を実施していた。

Dov Katzは15歳の少女を演じた女性警察官と性的な内容のテキストメッセージのやり取りを重ねた後、セックスに300ドル以上を払うことに合意したという。KatzはEmbassy Suitesホテルに来たところを警察逮捕された。Katzは600ドルを所持していた。

Katzは警察に対し少女に会いに来たのは「救うためだった」と述べているという。

GeekWireは裁判所における警察側調書のスクリーンショットを掲載した。

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NBC系列の地元テレビ局King 5のブログがKatzの逮捕を発見した。罪状認否は1月5日に予定され、保釈金は12万5000ドルとされた。Katzはコンピューター・ビジョンのベテラン・エンジニアとして知られており、2013年からOculus VRに勤務している。Facebookは同社を2014年に買収している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookがジェスチャーでアバターに感情を持たせる「VR絵文字」を発明

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握った拳を振ると、仮想現実世界にいるアバターが「怒った」表情を見せる。映画「ホームアローン」の主人公のように、手を顔にあてれば「ショック」の表情だ。高々と手をあげればバーチャル世界のあなたが「喜んだ」表情を見せてくれる。

これはFacebookが開発する「VR絵文字」の例であり、Facebookが考える仮想現実世界での感情表現のあり方なのだ。アバターの頭の上に黄色の絵文字が表示されるわけではない。アバターの目、眉毛、口などが動き、現実世界さながらの表情をつくり出すのだ。

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FacebookのソーシャルVR部門を率いるMichael Boothが絵文字による感情表現について話してくれた。「私たちはテキストメッセージで感情表現をしたい場合、絵文字を使います」。テキストメッセージでは声のトーンや体の動きは伝わらない。だからこそ、テキストがもつ本当の意味を表すために絵文字が誕生した。これが無ければ、例えば「うそー」と書かれたメッセージを受け取った場合、それが「興奮」を表すのか、または「疑念」を表すのかを知ることは難しいのだ。

Boothが目指すのは、本当の顔を見ることができないソーシャルVRならではの感情表現の曖昧さを減らすことだ。その結果、単なる「いいね」以上に細かな感情を表現できる360 News Feedの「Reactions」よりも、さらに優れた方法を発明することに成功したのだ。

「アバターに感情を持たせるために、その引き金となるボディーランゲージを作るというアイデアです」と彼は語る。それこそが、Boothが言うところの「VR絵文字」なのだ。「私たちは無表情の存在にはなり得ません。(仮想現実にも)目があり、口がある。感情がなければ、なんの情緒も生まれないのです」。仮想現実世界で友人にショッキングな出来事を伝えるとき、無表情ではまったく臨場感が伝わらない。私たちは顔から情報を得ることに慣れ親しんでいるのだ。

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例えば、現実世界で何かについて長い説明を行うとき、相手の困惑した表情を見れば自分の話している内容が伝わっていないことが分かる。そのため、難しい言い方を避けたり、話の背景を説明したり、違う言い方でもう一度説明したりするべきだと分かるのだ。

VR絵文字がなかったとすれば、理解できてないことを伝えるために相手の話をさえぎるか、自分の言いたいことが伝わるか分からないまま手を振り回すか、話が終わるのを待つしかない。VR絵文字を使えば、そういう場合には手のひらを上に向けて肩をすくめるポーズをすれば、アバターが眉をしかめ、口をゆがませて困惑した表情を見せてくれるのだ。ただし、BoothはVR絵文字を使うためのジェスチャーは変更される可能性があると注意している。

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Mark Zuckerbergは、人間の脳がどのようにソーシャルVRを処理するのかを説明した

VR絵文字は目の動きや顔の表情のトラッキングを必要としない。VRヘッドセットにトラッキング機能を持たせるためには、追加のハードウェアが必要となってしまう。FOVEなど一部のスタートアップのなかにはアイトラッキングが可能なヘッドセットを開発する企業もあり、VRチャットアプリのAltspaceなどはアバターの目の動きをユーザーの目の動きと合わせている。しかし、アイトラッキング機能はOculus Rift、Gear VR、Google DaydreamとGoogle Cardboard、HTC Vive、Playstation VRヘッドセットには搭載されていない。

FacebookのソーシャルVRにおいて、実際の人間と同じようなアバターを生み出すうえでの4つのゴールをBoothが教えてくれた。

  1. “アバターで再現された自分の外見に満足できる”
  2. “一目見るだけで友人が自分だと気付いてくれる”
  3. “気味が悪かったり、不快にさせるような見た目ではない”
  4. “Facebookは17億人ユーザーそれぞれに似せたアバターを創り出すことができる”

Facebookはアバターをユーザーに似せる方法をまだ模索中だ。一つの選択肢は、ユーザー自身がアバターで再現する自分の顔を描くことができるイラストレーション・ツールだ。もう一つの選択肢として、Occipital Structureセンサーなどを使ってユーザーの頭部をモデリングする方法がある。SNSにアップロードされているユーザーの写真からVR用の顔を再現することも可能だろう。

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どのような方法が採用されたとしても、信頼するに足る働きをしてくれることだろう。さもなければ、上の1番と4番のルールに反したグロテスクな見た目のアバターが生まれるかもしれない。

ライブVR

幸いにも、Boothはアバターにとても精通する人物だ。彼はValveでゲーム製作に10年間携わり、同じくゲーム会社のBlizzardでも2年間勤務している。彼は自身のVRゲームスタジオを立ち上げる予定だったが、FacebookがBoothの元を訪れ、ソーシャルVR「Toybox」のデモを彼に見せつけた。彼はそのデモに「本当に圧倒されてしまった」と話している。BoothはFacebookのチームに参加することになり、本日プロトタイプが公開された名称未定のソーシャルVR「Toybox」の責任者に昨年12月から就任している。

リアルな存在感だけでは十分ではなく、VRに意味を持たせなければならない。仮想現実世界で「やること」が無ければいけないのだ。BoothとMark ZuckerbergはVR絵文字の発表に加えて、アバターとなった友人と一緒にVR上の目的地を訪れるというデモンストレーションを見せた。デモの中で彼らは、トランプを楽しんだり、テレビを見たり、ちゃんばらごっこをして遊ぶ姿を観衆に披露した。なにかクールなものを見つければVRでセルフィーを撮ることだってできるし、手首にあるボタンを押すことで、撮ったそばからFacebookでその写真をシェアすることもできる。VRでFacebook Messengerのビデオ通話を受け取れば、バーチャル世界の自分と現実世界の通話相手が会話することになる。

だが、これらの機能はまだ序の口だ。Facebookが計画しているのは、ユーザーをVR世界のビデオカメラマンにすることだ。Facebookは「バーチャルなカメラを持って動き回ることができる」機能を開発中だとBoothが話してくれた。これにより、VRヘッドセットを持っていない友人でもユーザーのFacebookにアップされたその映像を見てVRの楽しみを知ることができるのだ。「ユーザーは自分の友人のためにVR世界の2Dカメラマンになることができるのです」とBoothは語る。「ビデオをストリーミングすれば、スーパースターの一員です」。

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FacebookのソーシャルVRの進化過程。初期段階のアバターからブロック型のアバター、丸みを帯びるようになったアバター、そして感情をもった生き物へ。

Facebook Liveストリーミングを現実世界からデジタルな世界にまで広げるというコンセプトによって、ビデオにフォーカスするFacebookはソーシャルVRを同社の中心的製品と考えるようになった。OculusとFacebookはそれぞれが固有のものとして始まったプロダクトではあるが、その境界線が薄くなってきているのだ。

Facebookが思わず夢中になるようなVR体験を大規模に実現できれば、その後は「マネタイズの方法を考えることになるでしょう。VR世界での広告はとても面白い存在になることは明らかです」とBoothは話す。

ただ、現時点でのソーシャルVRは世界をつなげ、どこにいても友人とのつながりを感じさせるというFacebookのミッションを達成するための次世代の方法でしかない。ごく基本的なプロフィールから写真付きのプロフィール、そしてニュースフィードの自動再生ビデオへと進化したように、テキストチャットからマルチメディアで機能するMessengerアプリへと進化してきたように、ウェブからモバイルへ、そして今ではVRへと進化したようにFacebookはこれからも進化し続ける。それを実現するテクノロジーが何であれ、Facebookはその第一原理である「People First」に忠実であり続けるのだ。そうBoothは語っている。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

FacebookとOculusがVRコンテンツとダイバーシティと教育に$250Mあまりを投資、VRを本気でメジャー化するつもりだ

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Oculusが望むのは、次のコンピューティングプラットホームが確実に、これまでみたいに白人男性が支配するものではないようにすることだ。同社は、女性や有色人種の人びとによるVRアプリやビデオの創造を支援するために、1000万ドルの基金を設ける、と発表した。

これと並行してFacebookとOculusはさらに2億5000万ドルを、高品質なVRコンテンツの潤沢な開発を加速するために投資する。これまでにもVRコンテンツに2億5000万ドルを投資しているから、一挙に倍増となる。

そのダイバーシティ資金は、OculusのLaunch Pad及びVR For Good事業へ行く。またそれは、“新しい声を増幅する”ためにも投じられる。多様なVR作者とオーディエンスを支援することによって、人生や正義や不平等など、さまざまな視点視野に関する理解が深まる。Oculusは今日(米国時間10/6)、Diverse Filmmakers Projectというダイバーシティ事業を立ち上げた。

1000万ドルの方はOculusのNextGen事業へ向かう。それは、UnityのワークショップとSamsungやAMDおよびOculusのハードウェアを大学に寄贈し、大学におけるVRコンテンツ創造事業を振興する。VRには、コンピューター科学以外にもさまざまな学科の学習を活性化する力がある。VRによる教育アプリ/アプリケーションは、授業をよりおもしろくし、児童生徒は歴史の教科書の上のテキストを読むだけでなく、実際に過去の戦場を体験できる。

デベロッパーがそのUnityのプラットホームで開発することの、リスクを減らすために、FacebookはUnityのロイヤリティを、デベロッパーたちの収益が最初の500万ドルに達するまで負担する。デベロッパーは、自分たちのアプリが商業的に軌道に乗ったら、その後は自分で払うことになる。

モバイルゲームのデベロッパー用に、5000万ドルが取り置かれる。ケーブルを引きずりながら体験するOculus Riftが今は注目されているが、VRの真価はSamsung Gear VRやGoogleのCardboardとDaydreamヘッドセットなど、モバイルのプラットホームにある。今後のユーザー人口を大きく増やすためには、ポータビリティと価格の手頃感が重要である。

何にも増して、こうやってFacebookが巨額を投じたからには、これからはVRデベロッパーにとって良い時代になるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VRコンテンツの進化に欠かせない視界捕捉(viewcapture)ツールをOculusがGearVR互換スマートフォンに提供

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つまりこうだ: 複数の画面の情報を目が三次元の仮想空間へまとめようとしているときは、もはやそれは“スクリーンショット”とは呼べないし、それは、そんな経験を言い表す適切な言葉でもない。そこでそれを、ビューキャプチャ(viewcapture, 視野・視界を捕捉する)と呼ぼう。

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スクリーンショットなら簡単

もうひとつの別の問題は、今あるVRヘッドセットやVRプラットホームはどれも、製品自体にビューを捉える機能がないこと。サードパーティのソリューションはもちろんあるが、でも、まるでスクリーンショットをとるときのように簡単にVR体験を記録できることが、VR製品の理想的なあり方だ。

まだそこまで行っていないけど、OculusがGearVR互換フォーンに対して行ったアップデート(Road to VRに初出)は、少なくともその方向への第一歩だ。[back]ボタンを押し下げると出るユニバーサルメニューの”Utilities”のところに、捕捉(キャプチャ)ツールがある。

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ネイティブに捕捉されたショットは、単眼で1024×1024という、ささやかなものだ。オーディオをビデオとは別に録音しなければならないから、この内蔵ツールは使えない、という人もいるだろう。でもそれは安上がりのVRのための安上がりのソリューションだから、今後は良くなる一方だ。

これはまったく新しい機能ではなく、デベロッパーには前から提供されていたが、アップデートの公式ロードマップには数か月前から載っていた。そして、今回のパッチ1.17.7で、一般供用になった。

しかしVRコンテンツの普及を阻む大きな障害がある。ヘッドセットがないとトライできないし、しかもあんなものを装着したいと願う人間は、世の中にあまりいない。VRの大衆的普及のためには、それが、今の、アーリーアダプターしか手を出さないようなものから徐々に、シンプルな技術へと進化していく必要がある。そして、今のお粗末な地下室の多くが、本物の洞窟(のVR)へと変わっていくべきだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Oculus、VR自撮り棒とアバターのデモを披露

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Oculusは、あなたが世界中どこへでも瞬時に行き、自分自身のような見かけで、行った先で写真も撮れるようにしたいと考えている。そして今日それをF8でデモした。

FacebookとOculusによる、360度ビデオとバーチャルリアリティー自撮り棒とパーソナライズドアバターのデモをご覧あれ。

ソーシャルVRをどう実現するかを見せるために、FacebookのCTO、Mike Schroepferは、サンフランシスコでOculusを装着し、Facebook本社にいるエンジニア、Michael Boothと一緒に行動した。ふたりはUnityで開発したFacebookの新しいソーシャルテスト環境に入った。これは以前Unreal上に作られたソーシャルスペース、Toy Boxに代わるものだ。

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アバターは、ロボットの顔やマンガのキャラクターではなく、現実の本人に見えるカスタマイズドアバターだ。基調講演後Facebookは私に、これを作るために奥行きと手ざわりを検出できるOccipital Structureセンサーを利用したと話した。

しかしOculusは、まだこの顔キャプチャー技術を公開しない。問題は、スキャンがうまくいかなかった時のグロテスクな結果は、一般的アバターよりずっと悪くなることだ。それでも同社は、いずれは顔の前でスマートフォンを動かすだけで顔を取り込んだり、自動的に取り込むヘッドセットを使えるようにしたいと考えている。

Facebookのもう一つの可能性は、Facebookに載せた写真を元にしてVRで顔を再現できるようにすることだが、これはまだごく初期の段階にある。

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新しいソーシャルVRテスト環境では、360度写真はハンドヘルドスフィアとして表現され、回転させて見ることができる。そして、自分の顔にぶつけると、ユーザーは瞬時にその写真が撮られた場所にテレボートして自由にまわりを見ることができる。

VR自撮り棒を使うと、自分と友達のアバターの写真をビッグベンをはじめ世界のランドマークの前で撮ることができる。Oculusは、同時に5人までこのVR環境に入ることができると言っている。

アバターに絵を描き加えてサングラスや蝶ネクタイをつけさせることもできる。そして気に入った写真が撮れたら、バーチャルFacebookメールボックスに入れて投稿できる。

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Dive into 360 photo spheres and hang out around the world with a friend

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Doodle in VR to enhance your avatar

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You could draw a bow tie and attach it to your avatar.

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Take a photo with a VR selfie stick

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Slide your photo into the Facebook mailbox to share it

VR Selfie

Facebook VR Selfie

Mark Zuckerbergは、Facebookはバーチャルリアリティーをゲームや映画の未来としてだけでなく、ソーシャル化の未来と考えていると言った。しかしそれは、ニュースフィードをVRで見るというだけけの意味ではない。FacebookとOculusは、バーチャル世界にネイティブなソーシャル体験を作ろうとしている。

VRは、モバイルと同じような変革をもたらすだろう。自宅を離れることなく全国の会社で採用面接ができたらどうだろう?年齢、性別、人種を隠して、見た目ではなく能力で採用されることも。

誰もが、家族に会うためや世界の不思議を見るために旅行できるわけではない。しかし、Oculus Riftのように本格的な没頭的対話型バーチャルリアリティーがやってくれは、愛する人と同じ部屋にいる気分を味わったり、一緒に出かけることもできるようになるだろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook