産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

産業用オープンソースハードウェアの企画・製造スタートアップ「ビズライト・テクノロジー」は9月23日、JVCケンウッドと共同開発したIoTエッジAIカメラ「BH3-AI-VISION」を発表した。10月下旬より発売する。

またJVCケンウッドは、同カメラを人間の五感機能をセンサーで補う「EXensors」(エクセンサーズ)シリーズの第1弾として展開し、総代理店として販売する。JVCケンウッドは、今後も多くのAIベンダーや関連ソリューションを持つ企業とパートナリングを創出し、事業への展開を目指すとしている。

BH3-AI-VISIONは、JVCケンウッドのプロ用・家庭用ビデオカメラやドライブレコーダー開発で培った映像光学技術と、オープンソースハードウエアを活用した産業用途展開で実績を持つビズライト・テクノロジーとの協業により開発。

同カメラは、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)ベースの汎用エッジボックス「BH3」のカメラ一体型モデルとなっており、PoE+に対応。単体またはアクセラレートデバイスを接続することで、エッジAIカメラシステムを構築できる。

小型・軽量ながら高精細な映像を記録できるほか、カメラ側でディープラーニングにおける推論処理のカスタマイズが可能。人数カウントや駐車場のナンバープレート確認、マーケティング用途などで活用できるという。また、すでにプロトタイプを活用した銀行の実店舗における振り込め詐欺を未然に防ぐソリューションの実証実験も2020年7月に開始している。

産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

JVCケンウッドのEXensorsは、「外付けする追加機能」を意味する「EX」とデータを感知する「Sensor」の組み合わせによる造語。JVCケンウッドは、同カメラを核に各種エッジセンサー製品やIoTシステム製品と組み合わせることで、「外付けする追加機能」により人間の五感機能をサポートするエッジセンサー群として、工場での製品不良検品やアナログメーターの読み込みなど、膨大な映像・画像のデータ処理を必要とする様々な分野に展開していくという。

また、骨格推定エンジンをはじめ、顔認証・年齢推定などのAIエンジン・ソフトをエッジAIカメラに搭載することで、幅広いソリューションの提供が可能としている。

産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

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ラズベリーパイ財団が8GBのメモリー搭載のRaspberry Pi 4を発表

ラズベリーパイ財団は、フラグシップモデルRaspberry Pi 4の新バージョンをリリースした。これまでの2GB、および4GBのメモリーを搭載するモデルに加え、新たに8GBモデルを投入したのだ。価格は75ドル(約8060円)で、これまでで最も高価なRaspberry Piとなる。

これまでどおり、トランプのデッキサイズのシングルボードコンピューターにまとめられている。ARMベースのCPU、数多くのポート類、Wi-Fi、Bluetoothを装備し、コンピューター愛好家の大きなコミュニティも擁している。新モデルの登場で、Raspberry Piをサーバーとして使用する場合も、デスクトップ・コンピューターとして使用する場合も、より多くのRAMを必要とするアプリケーションを実行できるようになった。

Raspberry Pi 4のすべてバリエーションは、RAM容量を除いてまったく同じ仕様となっている。ボード上の位置が異なる部品もあるが、それも含めて相違点はわずかだ。ちなみに、今年の初めにラズベリーパイ財団は、同じ価格を維持したまま、エントリーの1GBモデルのRaspberry Pi 4のメモリー容量を、2GBに増量している。

というわけで、現在のRaspberry Pi 4のラインナップは以下のとおりとなる。

  • Raspberry Pi 4・メモリー容量2GBモデル:35ドル(約3760円)
  • Raspberry Pi 4・メモリー容量4GBモデル:55ドル(約5910円)
  • Raspberry Pi 4・メモリー容量8GBモデル:75ドル(約8060円)

同財団はここしばらくの間、8GBモデルに取り組んでいたことを明らかにしたが、8GBのLPDDR4 RAMパッケージを、Raspberry Pi用に特別に設計する必要があったため、予想よりも時間がかかったのだという。

ソフトウェアについても述べておこう。同財団は、Raspberry Pi上で動作するように設計されたOSであるRaspbianの64ビットバージョンの開発にも着手している。現状のRaspbianは、相変わらず32ビットのカーネルを採用したものだが、8GBのメモリーを活用するには、64ビット版に切り替える必要がある。とりあえず、現状のRaspberry PiにUbuntuやGentooをインストールして使うことは可能だ。

ところでRaspbianは、RaspberryとDebianを合成して作られた名前だが、今後はRaspberry Pi OSと呼ばれることになった。とはいえ名前以外は何の変更もない。

関連記事:ラズベリーパイ財団がRaspberry Pi 4を発表

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Raspberry Pi 4が価格据え置きでメモリー容量を2GBに倍増

Raspberry Pi FoundationはフラッグシップモデルのRaspberry Pi 4をアップデートした。多数のコネクタを備えたシングルボードのコンピューターというコンセプトは変わっていないが、このエントリーモデルのデバイスは35ドル(約3,800円)のまま、メモリーが容量が1GBから2GBへと倍増した。

Raspberry Pi Foundationによると、最近はメモリーの価格が下がってきており、大容量メモリーを搭載したRaspberry Piデバイスを製造するほうが安くつくそうだ。なお、さらにメモリー容量が必要なら、55ドル(約6000円)で4GBモデルを購入できる。こちらの価格も変わっていない。

もし産業用に大量の1GBモデルを導入しているのなら、古い1GBモデルを35ドルで購入することもできる。そうすれば互換性の問題はなく、1GBモデルと2GBモデルを区別する必要もない。しかし、メーカーやホビーストは同じ値段なのだから、1GBモデルよりも2GBモデルを買うべきだろう。

Raspberry Pi Foundationは誕生から8周年が近づいており、同団体はRaspberry Piの進化を振り返っている。初代Raspberry Piも35ドルだったが、その性能は今では劇的にパワーアップしている。

この8年間でCPUのパフォーマンスは40倍、メモリ容量は8倍、入出力の帯域幅は10倍になり、Wi-Fiチップも搭載された。これは、ただの遊戯用の小型コンピュータではない。Raspberry Piにはさまざまな用途があり、ブラウザや簡単なタスクだけならコンピューターの代替にもなる。Raspberry Pi Foundationはこれまでに、3000万台のデバイスを販売している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Raspberry Pi 4は一部USB-Cケーブルに対応せず

Raspberry Pi 4は素晴らしい小型コンピューターだが、Tyler Ward氏はUSB Type-Cコネクタに関する欠陥を発見した。さらにRaspberry Pi FoundationもTechRepublicnにたいして、デザイン上の欠陥が存在し、Raspberry Pi 4が一部のUSB-Cケーブルで動作しない可能性を認めた。

これは致命的な欠陥というわけではないが、USB-Cプロトコルを適切に実装した将来のボードリビジョンの登場が期待される。また、なぜ自分のRaspberry Piの電源が入らないのかがわからず悩んでいた人は、その理由が判明したことになる。

Raspberry Pi Foundationはボードの概略図を公開した。そこには、高性能な充電器が電流を供給するためのCC抵抗が欠けている。

USB-Cは複雑なコネクタで、一部のケーブルには電子的なマークがつけられており、これは幅広いデバイスをサポートする統合チップが搭載されていることを意味する。

たとえば、MacBook Proの充電器は数多くのUSB-Cデバイスと一緒に使うことができる。充電器は、どれだけの電力を供給する必要があるかを判断するのだ。

しかしRaspberry Pi 4は、Apple(アップル)のUSB-CケーブルやGoogle(グーグル)のPixel 3のケーブルにあるような、電子的なマークをサポートしていない。これにより、デバイスがオーディオアダプタアクセサリとして認識される場合がある。

幸い、この欠陥はRaspberry Pi 4にダメージを与えず、単に電源が入らないだけだ。

Raspberry Pi Foundationの創設者のEben Upton氏はTechCrunchにたいし、以下のように伝えている。「この問題は将来の新型ボードで修正されることが予測されるが、現時点ではユーザーは推奨される回避策の一つを適応する必要がある。(非常に広域な)フィールドテストプログラムで、この問題が発覚しなかったのは驚きだ」

シンプルな回避策は、電子マークのないケーブルや充電器を購入することだ。例えば、Raspberry Pi Foundationは8ドルのUSB-C充電器を販売している。私のテストでは、2週間のうちは問題なく動作している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ラズベリーパイ財団がRaspberry Pi 4を発表

Raspberry Pi 4が来た。すさまじいアップグレードだ。これまでの噂では、Raspberry Piの大きなアップグレードには、まだしばらくかかりそうだということだったが、それが米国時間6月23日から入手可能となった。

物理的なデザインについては、このRaspberry Pi 4 Model Bは、これまでのフラグシップ、Raspberry Pi 3 Model B+に、かなり似ている。ちょうど一揃いのトランプほどの大きさのシングルボードコンピュータで、コネクターがいっぱい付いている、という点も同じだ。

しかし、すべてが更新されている。SoC(システムオンチップ)も速くなった。プロセッサとしては、Cortex-A72アーキテクチャ(64ビットのクアッドコアARMv8が1.5GHzで動作する)を採用した。H.265のハードウェアビデオデコーディングもサポートしている。

これまでのRaspberry Piは、もう何年もの間、メモリは1GBだけだった。さらに多くのメモリが必要な人のために、今回から搭載メモリを増強したモデルが用意されるようになった。基本モデルは1GBのRAMの搭載にとどまるが、さらに2GBと4GBのRAMを搭載するモデルが用意された。

メモリ容量の増加に加えて、規格がLPDDR2からLPDDR4に更新されたことで、データ転送速度もそれなりに速くなっているはずだ。

ラズベリーパイ財団は、すでに私にRaspberry Pi 4を送ってよこしたので、ベンチマークを取って結果を共有したいと考えている。しかし、新しい基板上ではまだRaspbianが動作しないので、そのアップデートを待っているところだ。それに気付いたのは、プリインストールのNOOBSをRaspbian Liteで置き換えようとして、microSDカードをフォーマットした後だった(やれやれ)。

コネクティビティに関して言えば、2つの大きな変更がある。1つは、Gigabit Ethernet over USB 2.0ではなく、本物のGigabit Ethernetを装備したこと。これにより、サーバーやヘッドレス(ディスプレイなし)のRaspberry Piデバイスのユースケースとして、多大な可能性が開けるはずだ。

USBポートは、USB 3.0×2とUSB 2.0×2になった。また電源用としてUSB-Cポートも装備した。さらにBluetoothも、4.2から5.0にアップデートされている。

もう1つの大きなハードウェアの変更は、フルサイズのHDMIポートがなくなったこと。その代わり、2つのmicro-HDMIポートを装備した。これにより、1台のRaspberry Piに、2つの4Kディスプレイを、60fpsで接続できる。まだ実際に接続してテストはしていないが、たとえば、オフィスに2台の静止画主体のダッシュボードのようなものを設置するには十分だろう。とはいえ、突出したデュアルスクリーンのパフォーマンスなどは期待できない。

その他の仕様は、これまでにRaspberry Piを使用したことのある人にとっては、馴染み深いものだろう。もちろん、OSとユーザーデータをメモリカードに入れてセットするmicroSDカードのスロットがある。これまでのアドオンボードと互換性がある40ピンのGPIOヘッダも健在だ。

この製品は、Raspberry Piの正規販売店によって米国時間6月3日に発売された。メモリが1GBのベースモデルの価格は35ドル(約3745円)に据え置かれている。RAMが2GBのモデルは45ドル(約4815円)、4GBのモデルは55ドル(約5885円)となっている。

Raspberry Piは、もともと子供たちにプログラミングを教えるための手軽なコンピューターとして設計されたものだが、さまざまなユースケースに対応できる多用途のデバイスとして認められてきた。私自身、ここ2、3年で数台のRaspberry Piを使い、プログラミング、システム管理、Dockerコンテナ、ネットワーキングなどについて、多くのことを学んだ。今回のアップデートは、子供、親、そしてメイカーにとっても、ヒット作となりそうな予感がしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Raspberry Piのストアが開店Apple Storeよりもクールかな

Raspberry Pi Foundationが今日(米国時間2/7)、最新のプロジェクトを披露した。それはなんと、本物のお店だ。イギリスのケンブリッジに住んでる人は、甘くておいしいラズベリーパイをたくさん買って、いろんなクールなものを作れるぞ。

Raspberry Piは最初からずっと、子どもも含め誰もが気軽にプログラミングができることをねらっていた。だから、こういう実物店があることは理想的だ。同ファウンデーションは、ARMのプロセッサーを使った、いろんなI/Oポートのある、Wi-FiもBluetoothもある、とっても安いコンピューターをいろいろ作ってきた。

最新の主力機種Raspberry Pi 3 Model B+は、わずか35ドルだ。もっと小さくて安いのが必要なら、いろんなニーズに合うそのほかの機種もある。

たとえば今のあなたは、何かの物のインターネット(Internet-of-Things, IoT)プロジェクトのための小さなコンピューターが必要かもしれない。それなら、25ドルのRaspberry Pi 3 Model A+がいいだろう。RAMとポートはやや少ないが、性能はほかのRaspberry Piと変らない。省エネが重要なら、10ドル以下で買えるRaspberry Pi Zeroがある。

Raspberry Piにストアができるなんて、考えたこともなかった。でも上の紹介ビデオを見ると、こんなストアが欲しかった、と思ってしまう。今では機種も多様化しているから、自分のプロジェクトにあった機種をお店の人に尋ねられるのが、とてもいい。

このストアは、ショウルームとしても使う気だ。マグカップやおもちゃなど、関連グッズも買える。白と赤のキーボードやマウス(下図)も、クールだね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ニューモデルRaspberry Pi 3 Model A+はコンパクトで強力なRaspberry Pi

Raspberry Pi Foundationが、新しい機種を発表した。そのRaspberry Pi 3 Model A+は、基本的にはRaspberry Piの中心的機種Bシリーズの、回路基板を小さくしたものだ。定価は25ドルで、Raspberry Pi 3 Model B+よりも10ドル安い。

機種についての記述は少々ややこしいが、しばらくご辛抱を。最良のRaspberry Piをお求めなら、3 Model B+を買うべきだ。それはプロセッサーが1.4GHzのARMv8クワドコアで、Wi-Fi, Bluetooth, Ethernet(最大300Mbps), USB 2.0, そしてHDMIがある。

今度のPi 3 Model A+は小型の機種のようで、Model B+の利点の多くを備えていて仕様も似ているが、RAMは1GBではなく512MB、ポートはUSB 2.0のみでEthernetポートはない。

しかし大量のRAMもEthernetも要らないニーズなら、それ自身としては実にまともなミニコンピューターだ。前にRaspberry Piで遊んだ人が見ても、最近のモデルは長足の進歩を遂げている。相当ヘビーなタスクでもこなせる、強力なプロセッサーだ。

たしかに、ビデオのトランスコードや大きな圧縮ファイルの解凍、ゲームのエミュレーションなどはラップトップの方が速いかもしれないが、24/7動きっぱなしのファンのないコンピューターなら、ほかにもっと安いのはない。Dockerはその上で快調に動くから、コンテナを使った方がメンテナンスは楽だろう。

もっと厳しい場所でRaspberry Piを使いたいなら、スリムなデザインで低電力型のRaspberry Pi Zeroが良い。ただしかなり遅い。Raspberry Pi Foundationは、同じ機種が必要なユーザーのために古い機種も売っている。でもそれらを買うことは、あまりお勧めしない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Nybbleはキュートなオープンソースねこロボット――ラズパイでカスタマイズ可能

自分の好みにカスタマイズできるオープンソースのキャット・ロボットを探しているならIndiegogoのプロジェクトがお勧めだ。Open Catというプロジェクトでは厚紙をレーザーカッターで切り抜いた部品からかわいいネコのロボットを組み立てることができる。

さまざまな動作の学習能力があり、Raspberry Piにも接続可能だ。製品にはモーションコントローラーが同梱されており、ロボットを本物のネコのように歩かせたり、立ち上がらせたり、たくみにバランスを取らたりすることができる。開発者のRongzhong Liはこう書いている。

NybbleはArduino互換のマイクロ・コントローラーで制御される。 これには移動のためのソフトウェアがいわば筋肉記憶として組み込まれている。別途、Raspberry PiのようなAIチップを組み込んだコンピューターをNybbleの背中に載せることにより、Nybbleには外界の認識とそれに基づく意思決定が可能になる。ユーザーは好みの言語で開発ができる。Nybbleはwalkやturn leftといった短いコマンドでそのとおりに動く。

このネコはほんものそっくりに動く上に驚くほどかわいい。普通のおもちゃとは一味もふた味も違う。Nybbleの価格は1台200ドルで 2019年の4月に出荷予定だ。レーザーカッターその他のツールが使えるならすっかりDIYで作ることもできる。ただ製品のキットには制御基板や非常に詳しいマニュアルが付属するので価格だけの価値は十分あるだろう。ロボットが職を奪うと懸念するむきもあるが、私はNybbleのようなロボットは大歓迎だ。

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滑川海彦@Facebook Google+

Alexaから命令するとビールを運んできてくれるDIYのロボット戦車

コネクテッドロボティクス(connected robotics, インターネットに接続されたロボット)の黄金時代を迎えようとしている今、われわれ人間にも十分な潤滑油〔お酒のこと〕が必要だ。そこで登場するのがWalabeerタンク(tank, 戦車)、このAlexaに接続されたDIYのロボットタンクは、我が家でビールを給仕してくれる。

このプロジェクトはおもちゃのタンクのシャシーを使い、壁の向こうを透視するロボットWalabotに接続する。それがさらにRaspberry Piに接続し、後者がAlexaに接続すると、このWalabeer Tankに命令できる。灯りをつける、荷台を開ける、そして、あなたを追って家中を動き回る。荷台を開ける難しい部分は、重機玩具Erector Setの部品と低速のサーボモータを使っている。

このタンクはBalázs Simonが、ある概念実証のために作り、その完全な仕様がここにあるe

そのSimonは書いている: “人間は誰でも、心の底に不思議な願望を抱いている。ぼくの場合それは、ビールを運んでくれる戦車だ。このプロジェクトでは、音声でコントロールするタンクが、‘おいで’という自動ファンクションやRCコントロール(ラジコン)でビールを運ぶ。そんな夢のようなタンクを一緒に作ろう!”。

でも、ビールがなくなったらどうするのだろう? しかもまだ、冷蔵庫を自分で開けることはできない。未来には、ぼくの喉の渇きを察知してビールをもってきてくれると、もっといいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

PiTunnelはお手元のRaspberry Piを世界に結びつけるネットワークサーバーにする

Raspberry Pisは、いつも孤独だ。この小さなシングルボードコンピュータは、デスクの下や3Dプリントで作ったケースの中に静かに座って、せつなく何かを待っている。しかし今回は、Dimitri Raftopoulosというプログラマーのサイドプロジェクト、PiTunnelアプリのおかげで、孤独からおさらばできた。

このプロジェクトは、Piを外界に安全に露出する。そしてターミナルやWebからのわずかなコマンドで、この、おちびさんにアクセスできる。ユニークなのは、ブラウザーの画面にコマンドプロンプトが出ることだ。Dataplicityのような類似のプロジェクトもあるけど、Raftopoulos独自の工夫もいくつかある。

“個人的なプロジェクトをやってるとき、Raspberry Piを初めて知ったが、驚いたのはリモートアクセスの機能がどこにもないことだった。そこで、PiTunnelを作ったんだ”、とRaftopoulosは言っている。彼は、プログラマーといっても、長年ほとんど組み込み専門で食ってきたベテランだ。

このプロジェクトの資金は、自分のポケットマネーだ。

“これまでは、Piのリモートターミナルタイプの使い方が多かったし、PiTunnelはそれもできるけど、でもあえて「トンネル」と呼んでいるのは、こっちのRaspberry Piの上でいろんなネットワークサービスを動かして、それに世界中のどこからでもアクセスできるからだ。httpでもよいし、独自のプロトコルでもよい。ネットワークの複雑なルーティングとか静的IPなどで悩む必要がない”、とRaftopoulosは述べる。“その上でどんなサービスでも動かせるし、世界中の誰もがアクセスできる。セキュリティのために、自分にしかアクセスできないようにもできるね”。

PiTunnelがあれば、小さな孤独なコンピューターがリモートモニタリングのためのステーションやセキュリティシステムに昇進する。もちろん、本格的なWebサーバーを動かしてもよい。ずっと寂しかったPiくんの、幸せな笑顔が見えるね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

年末年始休暇にはAlexaとFurbyを合体させる神をも恐れぬDIYプロジェクトに挑戦しよう

時間の終わり(End Times, 世界の終末)が近づけば、きっとその大きな兆候があるだろう。これまでの死者が全員起き上がって世界中を歩きまわる、と言われている。空から大きな火が降(ふ)ってきて悪人も善人も差別なく焼きつくす。そして、FurbyがAlexaの声で話す。Turtle of the Universeが口から自分の子を吐き出して、人類の普遍的優越意識に裁きの鉄槌を下す。

少なくとも、これらのうちの一つが現実になった。この巧妙なDIYプロジェクト*は、Raspberry Pi Zero Wを昔のFurbyに組み込んで小さなモンスターを訓練し、ペーパータオルを発送しました、などと喋れるようにする。〔*: 関連日本語記事

このプロジェクトが使うのは1998年製の初代のFurbyで、そのボケてるCPUを現代のシングルボードコンピュータとアンプとマイクロフォンでリプレースする。Raspberry PiをFurbyの顔の表情に接続し、そしてFurbyの赤外線センサーとエミッターにも接続する計画があるが、今回はそこまではやってない。

このFurbyは、Alexa Voice Servicesにより、Amazon Echoと完全に同じことができる。天気予報も聞けるし、電灯も消してくれる。

構想に数か月を要したこのプロジェクトも、すべての正しいパーツを組み立てるだけなら数時間でできる。作者のZach Levineは、すごく難しいプロジェクトだった、と言っている。

彼はこう語る: “たぶん、これまででいちばん長くかかったプロジェクトだね。やったりやらなかったりで、一年は経っている。やり直しも多かったし、何匹ものFurbyと苦戦した。とにかく、相手は小さいからね、実装が難しい。Raspberry Pi Zeroを使うことは前から決めていたけど、Raspberry Pi Zero W(wireless)は、最初のころまだなかった。それなのにこのプロジェクトは、Wi-Fiが必須なんだ。運良く、プロジェクトの途中でWが出たから、ものすごく楽になった。でも、ほかに難しい部分はたくさんあったけどね”。

あなたが、雹(ひょう)の嵐の中で暗黒神に、命だけは助けてくださいとお願いしたり、Tokyoは今何時ですか、と尋ねたいときには、この奇妙で神秘的な電子のキメラ(A…とF…の合体)があなたを護ってくれるだろう。あるいは、あなたに最後の審判を下すだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Pi-Topがハードウェアとソフトウェア学習用の新しいラップトップを発表

英国のエデュテックスタートアップpi-topが、プログラムと電子工作学習のための新しいマシンを発表した。これはモジュラータイプのRaspberry Pi組み込み型ラップトップだが、今回は組立に必要な手順を大幅に削減しただけでなく、スライド式キーボードデザインを採用した。このことでQwertyパネルを引き出して、内部の電子工作用スペースにアクセスできる。

これはオリジナルのpi-topラップトップコンセプトと、より安価なpi-topCeedデスクトップとの賢い組み合わせだ。ディスプレイの下にレールがあって、アドオンの電子機器を取り付けることもできる (スタートアップによれば、150ドルのpi-topCeedは、STEM教育用のキットを望む学校やコードクラブで、人気のあるオプションとなっているそうだ)。

新しいpi-topラップトップは、pi-topの最も高価なエデュテックデバイスだ。Raspberry Pi 3付きで319ドル(またはなしで284.99ドル)である。

しかし今回の製品は、スタートアップが「発明家キット」と呼んでいるものとバンドルされている。これは実質的には、様々なハードウェアDIYプロジェクトを可能にするために選ばれた電子部品群だ。このキットを使って作ることのできるプロジェクトには、音楽シンセやロボット(トップの写真)などが含まれているということだ。

また、発明家キットに含まれる部品を使って、ティンカリング(試行錯誤を繰り返すこと)と工作を行なうための「沢山の道筋」をガイドする、ソフトウェアが含まれているということだ。

ラップトップ自体は、14インチの1080p LCDカラーディスプレイを持っていて、ストレージ用には8GB SDカードが提供されてる(さらに追加のストレージとデータへのリモートアクセス用に組み込みのクラウド管理が用意されている)。そしてバッテリは8時間以上の利用が可能になる予定だ。

工作に使える電子部品だけでなく、チームは独自のOS(Pi-TopOS Polarisという名称)も提供する。ハードウェアを駆動するPaspberry Piの上で動作し、コード学習のソフトウェアや、STEMに焦点を当てたゲーム(CivilizationスタイルのMMORPGゲームであるCEEDUniverse)も搭載されている。

似た分野で活動している、もう1つの英国のスタートアップ、Kanoも、新しいコード学習「ラップトップ」を発表したばかりだ。しかし、pi-topのデバイスの方が、試行錯誤向けの可能性とソフトウェア機能の両面で、かなり洗練されているように思える(Kanoのキットは250ドルで少し安くはあるのだが)。

pi-topラップトップにバンドルされたソフトウェアスイートは、Webブラウジングをサポートするだけでなく、Microsoft Officeと完全に互換性のある機能も含むという話だ。また、これらはオックスフォードケンブリッジRSA審査委員会が認定する唯一の学習ソフトウェアスイートであり、また別のSTEM資格認定証も取得済であるとのことだ。

ロンドンに拠点を置くこのスタートアップが、そのSTEMプラットフォームを世界的に展開することを狙って430万ドルのシリーズAラウンドを行ったのは、1年足らず前のことだった。

現在彼らのハードウェアプラットフォームは、世界中の1500以上の学校で利用されているということだ。これは1年前の500を上回る数字である。現在チームは、80カ国以上にデバイスを出荷している。

「pi-topの使命は科学、技術、工学、芸術、そして数学を活用させる、強力で触発的な製品を提供することです」と、CEOのJesse Lozanoは声明で述べている。「今回のモジュラーラップトップが、その目標を達成するお手伝いをします。若手ミュージシャンたちから科学者、ソフトウェア開発者、そして発明家まで、誰もがpi-topを使ってすばらしい新プロジェクトを探求し、創作することが可能になりました」。

「私たちは、スクリーンとキーボードだけではない学習方法を提供し、コンピュータサイエンスや基本的なエレクトロニクスの幅広い探究を可能にし、若い学習者たちがSTEAMベースの学習の世界に触発される機会を得られるようにしたいと考えています」。

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(翻訳:Sako)

Raspberry PiがCode Clubに続いてCoderDojoを併合、元々のねらい(子どもたちのプログラミング教育)の実践力を拡大

Raspberry Pi Foundationが、またひとつ、子どもや若者にプログラミングを教えるチャリティ団体を併合した。今日(米国時間5/25)発表されたそれは、ダブリンのCoderDojo。ねらいは、Piの最初の目的であった若い世代へのコンピューティング教育を、共に推進するためだ。

CoderDojoは2011年に始まり、現時点で傘下のプログラミングクラブは69か国に1250あまりあり、7歳から17歳まで総計35000人以上の若者が、常時出席参加している。

合併のねらいは、その数を4倍にすることだ。2020年の目標はCoderDojoのクラブが5000箇所になることだ。

Pi FoundationのCEO Philip Colliganが、合併を発表するブログ記事でこう述べている: “両者および(2015年11月に併合したCode Clubが力を合わせることにより、若い世代にコンピューティングとデジタルのものづくりを広める活動としては世界最大の規模になる。

Pi Foundationの中核的ミッションはつねに、もっともっと多くの子どもたちにプログラミングを教えることだった。Piは安価な単層のマイコンボードではあるけれども、その設計は今やすべての世代のメイカーたちに気に入られ歓迎されている。

CoderDojo Foundationはこれまでと変わらずアイルランドの独立系チャリティであり続け、その実践的、財政的、および組織的支援をPi Foundationが行う。合併は今後、アイルランド当局の認可により発効する。

つまり、Colligan曰く、“CoderDojoのブランドと精神は併合によって何も変わらない。CoderDojosは今後も、Piなど特定のプラットホームにとらわれることなく、学習効果が良いと判断されたキットを採用していく”、ということだ。

合併の財政的組織的側面として、ColliganがCoderDojo Foundationの理事会に理事として加わる。そしてPi FoundationはCoderDojoの企業会員になるが、どちらも非営利企業なのでそこに財務的利害関係はない。

Code Clubの方は、2015年11月のPi併合の時点でイギリスに3150のクラブがあり、44000人が学んでいた。ほかに、海外のクラブが1000あった。現在はイギリスだけでクラブが5900、全世界では約10000のクラブでおよそ10万の子どもたちが学んでいる。

Colliganはこう語る: “Code ClubとCoderDojoは共に、それぞれの地域で大きく成功している組織だ。ブランドの知名度と人気も高い。併合の理由はどちらも同じで、目標とコミュニティと日常の活動を整合することだが、現時点でも事業と資金源に重複はあまりない。併合によってより大きな、規模の経済を達成したいし、お互いの異なるやり方や経験から学び合いたい”。

“とくにCoderDojoは、途上国で顔が広いことが、魅力だね”。

そして彼によると、今のところ、さらなる併合の計画はないそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このGoogle HomeのDIYキットはRaspberry Piとボール紙でできた魔法のボックス

Google Homeは欲しいけど体裁よりは費用節約が重要、という人は、Raspberry Piの公式雑誌MagPiの最新号を見よう。この雑誌にはときどき付録があるけど、今回のは最高だ。それはRaspberry PiとGoogleが共作したキットで、Google Assistant SDKとGoogle Cloud Speech APIでなにかやってみたい人のための、必要なハードウェアをすべて揃えている。

Raspberry Pi 3だけは自前だが、それは大した費用ではない。付録の内容は、ボール紙製のケースとスピーカー、マイクロフォンと必要部品一式、そして音声入力のために使う大きな(アーケードゲームのような)ボタンだ。音声による起動が完全にパッシブ(受け身)であることがHomeの利点だが、このDIYキットは自由にカスタマイズできるから、どんな機能でも実現できる。

これで、多くの人びとにとって、Google HomeとGoogle Assistantで何かを作ることが、一挙に楽しくなるだろう。Googleは最近AssistantのAPIをハードウェアメーカーに公開したから、そのフォローアップの意味もあるのだろうね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MatrixのVoiceボードがあればRaspberry Piで動くAlexaを作れる

Matrix Labsが、Raspberry Pi用の音声認識AIのクラウドファンディングに成功した。これがあれば誰でも、自分ちの地下室でAlexaを作れるだろう。Rodolfo SaccomanとBrian Sanchezが初めて作ったボード製品Creatorは、Raspberry Piの上部にフィットし(上図)、8つのマイクロフォン、温度センサー、紫外線センサー、圧力センサー、3Dの位置センサーなどがついている。しかし、もっとシンプルなVoiceは、直径3.14インチのボード上にオープンソースの音声認識プラットホームVOICE RECOGNITIONを搭載し、花びら状に配置した7つのMEMSマイクロフォンがXilinx Spartan6 FPGAと64 Mbit SDRAMに接続され、そして18個のRGBW LEDと64のGPIOを装備している。つまり、音声認識によるライトショーが可能だ。

99ドルのVoiceはもうすぐ発売だが、Creatorはここで買える

同社はAzoic VenturesとRokk3r Labsから生まれ、これまでに580万ドルを調達した。99ドルの新製品は、オンラインでもうすぐ発売される(上述)。基本的にMatrixが目指しているのは、ロボットの自作キットだ。

Saccomanは曰く、“目標は人びとのアプリケーションや事業やアイデアを実現可能にするイネーブラー(enabler, 可能にするもの)をハードウェアで提供することだ。とくに、機械学習やコンピュータービジョン、人工知能などを初心者のデベロッパーでも簡単に利用・実装できるようにしたい”。

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ご覧のようにVoiceとCreatorはRaspberry Piの上部にフィットして、相当高度な機能性を提供する。DIYファンが主なターゲットだが、完全にオープンソースなので製品のベースとしても気軽に使える。すばらしくクールなキットだから、将来の地球を征服するロボットがRaspberry Piで動いていたら、歓迎するね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

モジュール構造の本格的な電子工作を容易にできる補助ボードAtomoがクラウドファンディング中

Raspberry PiやArduinoでいちばん難しいのは、いろんな部位の具体的な配置だ。どちらも、ボード本体とインターネットがあれば、たくさんの楽しいことができるすぐれものだが、でもプリンターとか画面など、ほかの部位を加えたらさらに楽しい。問題は、それらの部位の置き方まとめ方だ。そこで、Atomoが助けてくれる

このモジュールキットは香港のメイカーJonathan Bufordの作で、製造大手のArrow Electronicsが採用した。

“AtomoはArduinoに代わるもの、あるいはRaspberry Piのアクセサリだ”、とBufordは語る。彼は、エレクトロニクスの広範なノウハウのない者でもRaspberry Piの複雑なプロジェクトを作れることを、期待している。

モジュールはいろいろあって、I/Oボード、ネットワーク拡張ボード、大きなプロジェクト用の電源ボードもある。たとえば下図のプロジェクトは、I/Oアダプターを4つと電源をPiに接続している。このやり方なら、本格的なロボットや水耕栽培装置などの、本当におもしろいプロジェクトの回路を、チーズの塊ぐらいのサイズで作れる。

このキットは初期支援者には39ドルで、発売予定は6月だ。パッケージを複数買って、大きな構成を作ってもよい。

“コントローラーはすべてRaspberry PiのHATの規格だから、Piのプログラムを書いてコントローラーをアップデートできる。あるいはAtomoそのものをHATにしてもよい。そうすればROSのロボットを作るなど、本格的な電源とI/Oとリアルタイムのコントロールを必要とするプロジェクトを、Piが処理またはインタフェイスできる”、とBufordは書いている。

これなら、Raspberry PiやArduinoのロボットが人類を支配することも可能だね。

 
 

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GoogleがRaspberry Pi用のAIツール/ライブラリの提供を充実、TensorFlowも

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Googleは今年、人気の高いマイコンボードRaspberry Piを使っているメイカーたちのプロジェクトをパワーアップするために、開発ツールの充実を進める。それらは、顔認識、情動認識、音声のテキスト変換、自然言語処理、感情分析、予測分析などのソフトウェアツールだ。

今Googleは、Piメイカーへのアンケート調査で、彼らが欲しいと思っているツールを探っている。そのアンケートは、Raspberry Pi FoundationのWebサイトで見られる。

“Googleの関心は、メイカーたちのためのスマートツールを作ることであり、そのためには、みなさんの要望をお聞きする必要がある”、とアンケートは述べている。

アンケートの回答者は、まず関心分野を選ぶ: ホームオートメーション、ドローン、IoT、ロボット、3Dプリント、ウェアラブル、そして機械学習。Googleの対象が相当広いことが、これらからも分かる。

Piの協同ファウンダー、Eben Uptonはこう語る: “大きな機会がありそうなのは、ディープラーニングとAIだ。Googleはこの分野でとても強い、とくにDeepMindを買収してからはね。現実世界のさまざまな仕事をするRaspberry Piを、それらのサービスに結びつけると、もちろんいろんなメリットがあるだろう。ユーザーが何を志向しているのか、アンケート調査の結果を早く見たいね”。

イギリスの非営利団体であるPi Foundationは、この安価なマイコンキットで大成功し、昨年9月には1000万台を突破した。4年半前に最初にリリースしたときには、全部で数千台も売れれば十分、と彼は予測していた。

今ではPiメイカーたちのための開発ツールも豊富にあり、たとえば顔認識のプロジェクトなら、OpenCVのコンピュータービジョンライブラリを使える。

しかしGoogleが提供するのは、いろんなAIツールのセットであり、ユーザーもいろんなタイプのプロジェクトに容易に取り組める。たとえば機械学習のためのオープンソースのライブラリTensorFlowも、元々はGoogleで作られたツールだ。

Googleは前からPiに関心を持ち、2013年には100万ドル相当ぶんのこのマイコンをイギリスの15000名の学童にプレゼントした。多くの若者がプログラミングできるようになることは、Pi Foundationの中核的ミッションであると同時に、Googleにとっても重要なことだからだ。

またGoogleは以前、PiをベーシックなWebサーバーにするためのオープンソースツールを開発した。そしてGoogleのIoTプラットホームAndroid Thingsは、最新最強のPi、Pi 3をサポートしている。

AndroidのPi用公式バージョンはまだないけど、AndroidをPiの上で動かす方法はいろいろある(やや制約はあるが)。Googleが本物の実装に取り組んでいるらしい兆候もある。

それについてUptonはこう言う: “公式のAndroidに関するニュースはないけど、うちの社内のソフトウェアプラットホームとしてはPIXELとRaspbianに前から一貫して力を入れている”。

Googleのスポークスパーソンは、Piの開発ツールについてまだとくに詳しい情報はないけど、“今後とも、さらに多く、オープンソースの機械学習ツールをPiのコミュニティと共有していけることは、すばらしい。今年はもっといろいろあると思うから、ずっと見ていてほしい”、と語った。

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Raspberry Piでロスレスオーディオを再生できるようになるJustBoom DACが発売

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これは驚き、JustBoomのおかげでロスレスオーディオが身近なものになった。それはRaspberry Piの拡張基板(hat)の集合(hats)で*、コンピューターにつなぐと高忠実度オーディオの再生や増幅ができる。この24ドルの“hats”の構成は、ロスレスDAC、小型アンプ、そしてCOAXと光オーディオによるハイレゾオーディオの出力だ。〔*: hat, 参考記事。〕

Neil Youngみたいに究極の高忠実度にこだわる人は、少なくともこの三つの低価格ソリューションがあれば、ロスレスの音楽ファイルをあまり苦労せずに再生できる。裸の基板を持ち歩くのはありえないから、ケースを買うか3Dプリントで自作するとよい。

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こいつをPonoWikipedia〕にするには、どうするか? たぶん必要なのは、電源とLiPoバッテリー、何らかのスクリーン、そしてポータブルにするための入力システムだ。デスクの上だけで頑張るつもりなら、スクリーンレスのキットがある。Raspberry Piの知識も、もちろん必要だ。高度なDIYプロジェクトの第一歩、と考えるのが妥当だろうが、でも完全32ビットのHarvest Moonを聴けたら感動するだろうな。挑戦する価値はあるね。

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産業用ニーズに応えるRaspberry Pi Compute ModuleがCM1からPi 3搭載のCM3へアップデート

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Raspberry Pi Foundationが、Raspberry Pi Compute Moduleをアップデートした。この、Piを搭載した超小型マイコンボード(上図)は、製品の制御や、多機能機能化などのパワーアップを、マイクロプロセッサーの力を借りてやりたい企業向けのモジュールで、最近の例ではNECの40/48/55インチ大型ディスプレイが内蔵している。

同Foundationによると、アップデートしてCM3となったモジュールは、より柔軟性のあるフォームファクタと、より強力な内部を持ち、昨年新登場したPi 3を載せている。なのでプロセッサーのスピードは最大1.2GHz、RAM 1GBとなり、最初のCompute Module(CM1)に比べてスピードは10倍、RAMは2倍になっている。

最初のCM1ボードは、2014年にリリースされた。

Foundationの注記によると、CM3ではWindows 10 IoT Coreを動かせるので、IoTのプロジェクトをPi 3からCM3を使ったカスタムのシステムに“きわめて容易に”ポートできる。ピンの並びと構成はCM1と完全互換だが、モジュールの高さはCM3の方が1ミリメートル高い。

またプロセッサーの電源装置VBATへの負荷も大きくて、高負荷状態では発熱量も多い、という。

CM3には二つのバージョンがあり、通常のCM3は4GBのeMMCフラッシュストレージを搭載、CM3 Liteはストレージがなく、代わりにSDカードソケット用のピンがある。ただし、ユーザーがフラッシュストレージを後付けすることはできる。

価格はCM3が30ドル、CM3 Lite isが25ドルだ(送料と税を除いて)。CM1は今後も生産されるが、価格は25ドルになる。

アップデートされたブレイクアウトボードも発売されたが、Foundationによるとそれは、三つの機種(M3, M3 Lite, M1)のどれでも載せられるそうだ。

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Raspberry PiがPixelをリリース―軽量OSが古いWindowsとMacを生き返らせる

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Raspberry PixelはシンプルなUIの軽量デスクトップOSだ。35ドルと非常に安価で自由にカスタマイズ可能なコンピューター、Raspberry Pi向けのOSとしてこの9月に発表されたが、このほどWindowsとMacに対応したバージョンが発表された。古いパソコンに埃をかぶらせているユーザーはこれで新しいサービスを使えるようになるかもしれない。

このLinuxベースの軽量OSはダウンロード可能な実行イメージで提供されるので、DVDに焼くかUSBスティックにコピーすればよい。DVDまたはUSBからOSをブートできるようBIOSが設定できれば、どんな古いMacでもWindowsマシンでも作動するはずだ(x86 CPUと512MB以上のRAMが必要)。

ユーザーの身の回りにプラスチック筐体のMacBookや古いThinkPadなどが転がっているようならこのモダンなOSで多くのタスクが軽快に実行できるようになるだろう。ともかくChromiumがプレインストールされている。その他Pixelに便利な生産性アプリやプログラミング・ツールがバンドルされている。すべてDebianのビルドなので、大量の無料ソフトウェアが利用可能だ。

Raspberry Piはブート可能なDVDを印刷版のMagPi 誌の今月号の付録としているが、実行イメージはこちらからダウンロードできるので多くのユーザーはDVDを自作することを選ぶだろう。開発元のRaspberry Pi FoundationではUSBに実行イメージを焼くツールとしてEtcherを推薦している。実際このツールではブート可能なUSBを作成するプロセスが自動化されていて便利だ。

今回発表されたのはプロトタイプ版なので、まだバグや特定のハードウェアにおける互換性問題が残っているはずだ。Raspberry Piでは新しいMacの場合、ドライブがブート可能だと認識できないトラブルがあるとしている。これは「既知の問題」だ。

Raspberry PiではMacとWindowsで作動するバージョンを作った理由として、Pixelが既存のプラットフォームを超えて作動する最良のデスクトップOSだと信じているので広く普及させたいからだとしている。また特に学校で既存の古いハードウェアを再活性化させることができることを理由にあげている。自宅でRaspberry Piを使う生徒が増えている中で学校のパソコンもPixelになれば環境が統一されるわけだ。

Pixelの利用にあたっては標準的な免責条項が適用される。ファイルないしハードウェアの損傷を含め利用はすべて自己責任だ。ローカルにファイルを保存する場合は書き込み可能USBを使うこと。しかしどうせもう使わなくなったハードウェアを生き返らせることができるなら、自己責任にせよ、リスクはきわめて小さいだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+