WhatsAppが加工写真共有のStatusをスタート―Snapchatクローンだが暗号化

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FacebookグループのWhatsAppはSnapchatの国際的な勢力拡大にブレーキをかけられるかもしれない。WhatsApp Statusという新しい機能はデコ写真(およびビデオ、GIF)を24時間に限って共有する。もちろんSnapchat Storiesの「そっくり」だが、StatusはWhatsApp本体とテキスト・メッセージと同様、エンド・ツー・エンドで暗号化されておりセキュリティーが強固だ。

WhatsAppでは昨年11月から一部のユーザーを対象にStatus機能のベータ版をテスト していた。今回はいよいよ正式なタブとしてiOS版、Android版、Windows Phone版が世界に公開される。WhatsAppのユーザーは絵や文字を手描きしたり、スタンプなど貼ってデコレーションをした写真を友達との間でプライベートに共有できるようになった。共有範囲やプライバシー設定は本体アプリの設定のとおりだという。特定の友達に写真、ビデオを添付してメッセージを送ることも従来どおりできる。

StatusはまたWhatsAppに新しい広告掲載スペースを提供する。Snap、Instagramの前例が参考になるなら、Facebookはフルスクリーンの広告をStatus投稿の合間に表示するだろう。

新しく導入されたStatusはAOLのインスタント・メッセージを思わせるいささか古臭いMy Status機能を代替する。WhatsAppがちょうど8年前にスタートしたとき、My Statusはこのアプリの唯一の機能だった。【略】

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WhatsApp Statusは以前のMy statusを代替する

WhatsAppは今や月間ユーザー12億人の巨大サービスに成長した。投稿されるメッセージ数は毎日600億通に上る。これには33億枚の写真、7億6000万本のビデオ、。8000万本のGIFが含まれるという。WhatsAppの機能拡張はSnapchatにとってトラブルを意味することになるかもしれない。WhatsApp Statusが順調にユーザーを獲得するようなら、Snapchatのリッチメディアのサポートをセールスポイントとする国際展開はスローダウンし、同社の収入源は既存のユーザー、ハードウェア、プロフェッショナルによるコンテンツなどに限られることになるかもしれない。

Instagram Storiesの1日あたりユーザーも今や1億5000万人を数えることで明らかなように、Snapchatのクローンであっても、膨大なユーザーを抱えるアプリに適切に付加されるなら成功を収める。TechCrunchはこの記事でSnapchatがトラフィックを奪われていることを最初に報じた。 アナリストやセレブのSNSマネージャーはSnapchatのピュー・カウントが低下していることを認めていた。

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WhatsAppのカメラ機能

Snapchatの運営会社、Snapの株式上場申請書にはユーザー成長率が82%もダウンしたことが報告されていた。申請書によれば、2016年の第2四半期に17.2%だった成長率が、Instagram Storiesがローンチされた第4四半期に3.2%に急減している。

Instagramは大胆にもSnapchatクローンのStoriesを堂々とメインタブに位置づけたのに対し、 WhatsAppはStatusをかなり深い場所の埋め込んでいる。しかしStatusはStoriesのスライドショーのフォーマットを、これがまだ浸透していない地域、南アメリカ、東欧、途上国などへの普及を加速する可能性がある。こういう地域ではSnapchatもまだ広く利用されていないのでユーザーはクローンだというイメージを持ちにくいだろう。

WhatsAppは当初、シンプルな実用本位のテキスト・チャットのプラットフォームと位置づけられていた(多機能性を求めるならFacebook Messengerを利用することができる)。しかし昨年WhatsAppはリッチメディア時代にふさわしく、カメラ機能を導入した。StatusがWhatsAppはシンプルさを損なうことがなければ世界各地でSnapchatに対抗できる存在になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、ストーリーズ機能をテスト―Instagramと同様のストーリーズ・アイコンが表示される

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InstagramはSnapchat Storiesに対抗してInstagram版のストーリーズを追加した。このスライドショー機能は成功を収めた。Instagramストーリーズは従来のフィードの上部に表示されたが、今回はFacebook本体が同じことを試みている。

今日(米国時間1/25)、FacebookはアイルランドでiOS版とAndroid版でFacebook Storiesを公開した。利用できる国はこの数ヶ月で拡大される予定だ。この機能は公開後24時間で消える写真とビデオのスライドショーだ。友達がスライドショーを作成するとメインのニュースフィードの上部にプロフィール画像を利用した丸いアイコンが表示されるので見逃すことはない。

なぜFacebookはSnapchatクローンをFacebookにも追加したのだろう? 愉快な加工ができるフィルターつきのスライドショー機能ならInstagramストーリーズがあり、Messengerのカメラ機能もある。私はこの点についてFacebookに取材してみた。Facebookの回答はこうだ。

Facebookはずっと以前から友達や家族と情報を共有する場として機能してきた。しかし情報の共有の仕方は最近大きく変わった。5年前は当然だが2年前と比べても変化している。ビジュアルな要素がはるかに増えた。写真やビデオの比重が大きく増加した。われわれは人々が創造的かつ楽しいビデオや写真を簡単に共有できる方法を提供していく。いつでもどこでも誰に対しても望みのままにビデオや写真を見せることができるようにしていきたい。

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FacebookはこれまでもSnapchatそっくりの機能を追加してきたが、多くの場合、別アプリであったり、カメラ機能の改善のようにニュースフィードの奥に隠されていた。しかし今回のFacebook Storiesは非常に目立つ新機能だ。Facebookを使うユーザーはStoriesに気づかずにいることは不可能だ。友達に自慢したい情景を体験したユーザーは必ず使ってみるだろう。

一つ疑問になるのはFacebookがデスクトップ版でStoriesをどう扱うかだ。ユーザーの多くはモバイル・デバイスからFacebookを利用しているとはいえ、コンピューター上からStoriesが見られないとしたら奇妙だろう。

まったく同様の機能を備えたInstagram Storiesがわずか5ヶ月で1日あたり1億5000万人のユーザーを得たことでも明らかなように、Facebook Storiesも巨大なユーザーを惹きつけるはずだ。Facebookは昨年、似たような機能をQuick Updatesと名付けてテストした。これは7月にスタートしたが翌月にはテストの終了が発表された。どうやらInstagramストーリーズの成功でFacebookは方針を変えたようだ。株式上場を控えたSnapchatには頭痛の種だろう。

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北米に限ってみてもFacebook本体がStories分野に進出することはSnapchatが現在以上に成長することを妨げるはずだ。国際的にみればなおさらだ。24時間で消える写真とビデオのスライドショーがいかに魅力的でも、新しいソーシャル・ネットワークに移り、友達を新規に登録するのは面倒な作業だ。今いるネットワークでこの機能が利用できるならコピーかどうかなど気にしないユーザーも多いだろう。

〔日本版〕今回のFacebook StoriesはFacebookのスライドショー機能とは別で、InstagramストーリーズのFacebook版のテストと思われる。日本での展開についてはまだ不明。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Uberの目的地を連絡先で指定できるようになった


Uberは2016年末の機能追加を公開し、目的地として連絡先に載っている人を直接指定できるようになった。また、Snapchatとの新たな提携によってUber乗車中に使えるカスタムフィルターができた。

新しい目的地機能では、自分の連絡先の中から行先の位置を指定できる。アプリはそれを自動的に目的地として使用しドライバーのために経路を設定する。これを利用するためにはトレードオフがある。Uberアプリに連絡先へのアクセスを許可しなくてはならない。しかしこれまでに、料金の割勘機能を使ったり、紹介コードを使って友達を紹介したことのある人なら、既にアクセスを許していることになる。

この直接位置指定機能を使うと、目的地の相手に到着予定時刻が自動で通知される。今ある予定到着時刻シェア機能を使ったことのある人なら想像がつくだろうが、会う予定の人に、予定到着時刻とリアルタイムマップのリンクがSMSで送られる。

ubersnapchat-1目的地がふつうの家や見つけやすいバーやレストランでない場合には実に便利な機能だ。これでUberアプリは、スマートフォンのシステムレベルのサービスに一歩また近づいたといえるだろう。

Uberの新しいSnapchatのカスタムフィルターは、特別なイベントに参加したり、指定の場所を訪れる時に使えるフィルターと同様の機能だ。予定到着時刻等のオプションを備え、Uberのアプリ内フィードに表示されるSnapカードから利用できる。

フィードにSnapchatが入ることは、Uberの新しいアプリプラットフォームの可能性を示す好例だ。UberはDisneyとも、映画スターウォーズの最新作ローグ・ワンと提携プロモーションを行っているほか、UberEATSのサービスが利用できる場所を紹介している。アプリ内フィードという新しいリソースを活用して、将来のアプリやサービスとの提携を探ることは自然な流れだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次のSnapchatを狙うZenlyの成長戦略

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フランスの位置情報共有アプリケーションZenlyは、次のSnapchatになることを願っている。共同創業者のAntoine MartinがTechCrunch Disrupt Londonに出演して、そこへ向かう戦略について話した。

元のアイデアはFoursquareのチェックインから得たものだったが、Zenlyではユーザーがチェックインして有人や家族と場所を共有することができる。Martinは、2〜3年を費やして、元GoogleやAppleのエンジニアたちと一緒に製品を完成させ、プライバシーを確保した。

アプリは約200万ダウンロードが行われている。私たちがこのアプリについて9月に書いたときには、大部分は10代のユーザーだったが、家族ユーザーや、ブランドにも利用されていた。Martinによれば、Zenlyは最も重要な10個のアプリの1つになることを目指しているが、明らかにそこに到達するためには大きく成長する必要がある。

ほとんどのソーシャルメディアプラットフォームと同様に、鍵は10代の若者が握っているのだろう。ティーンエイジャーは、Martinによれば、彼らの場所を共有することに対するプライバシーの怖れがないために、最大のユーザーなのだということだ。10代の若者たちは、友人たちがどこにいるかを知りたがる。

Martinが1年間プライバシー問題に取り組んでわかったことは、10代は本当にそうしたことを気にしないということだ。

「Zenlyはあなたの友人が何をしているのかを見ることで、信頼を育む最良の表現手段なのです」とMartinは語った。

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しかし、親たちはどう考えているのだろうか?Martinはそのことを考えていると語った。最初のUX / UIでは、共有は少ない人数の間で行うことが想定されていたが、今では成長とともに、10代の若者は一度に50人もの友人たちと共有を行っている。だからZenlyは、親たちは自分の10代の子供の安全を保つために、誰と位置を共有しているかを知ることができるようになったと言っている。

BenchmarkのPeter Fentonとソーシャルメディアアプリの著名な投資家が、スタートアップの9月の資金調達でボードに加わった。しかし、ここは混雑しているフィールドであり、Martinはそれが理由で申し込まれた金額を全ては受け入れなかったと語った、必要以上のものを取ることによって進歩を妨げられたくなかったからだ。

しかし、これまでに3000万ドル以上を調達したことで、Martinはビジネスを成長させ、より多くのチームメンバーを雇うことができると確信していると言う。

成長戦略はどのようなものだろう?「ある程度の転換点に達すると、おそらく20から25パーセントが使うようになると、学校の中で残りに広がるのは1週間以内だということがわかりました」とMartinは語った。

Zenlyはマーケティング活動にも少々資金を費やす予定だ、彼はこの混雑したスペースにソーシャルメディアアプリを構築する余地があると確信している。

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(翻訳:Sako)

SnapchatによってL.A.がテクノロジーの中心地へと進化する

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編集部注: 本稿を執筆したJustin ChoiはNativoのCEOである。

もしあなたがシリコンバレーの歴史を書き表すとすれば、まずはそこにあるコミュニティの数々を観察することから始めることだろう。Google、Yahoo、Oracle、PayPalなどの企業は、何年ものあいだ優秀な人材をこの場所に惹きつけてきた。そういった企業が成熟期に達したり、買収やIPOなどを行う時期に達すると、彼らが抱える優秀な人材は分散し、次の世代を担う企業で芽を出しはじめる。

実った果実は、母となる木から遠く離れて落ちることはない。新しい企業は、自分たちの先輩企業の近くで会社を立ち上げ、成長させようとする傾向がある。そのおかげでベイエリアのコミュニティを維持する良い循環が生まれ、この地域は今でも起業家やテクノロジーの最初の目的地として機能しているのだ。

そして今、Snapchat(正確には、親会社のSnap)がIPOを行うと報じられ、2017年3月頃には約250億ドルかそれ以上の企業価値を持つ公開企業が新たに生まれる可能性がでてきた。「Snapchatマフィア」たちが2020年台にシリコンバレーのようなコミュニティをLAで創り上げていく可能性は大いにある。どんな企業でも南カルフォルニアと北カルフォルニアが分断された状況を一手に作り変えることはできないものの、SnapchatのIPOが実現する時期は、LAを将来のスタートアップコミュニティの中心地に変えるような、他の大きなトレンドと並行して起きるのだ。

SnapchatマフィアたちはFacebookやPayPalの後を追うのか?

シリコンバレーの起源はいつかと人々に尋ねると、「8人の反逆者たち」がShockley Semiconductor Laboratoryを離れ、Fairchild Semiconductorを創業した1957年だと答える者がほとんどだ。同企業の出身者はその後、IntelやAMDなど数々の企業を立ち上げている。

近年の最も有名なマフィアといえば、もちろん、PayPalマフィアたちだろう。Elon Musk、Peter Thiel、Max Levchin、Jeremy Stoppelman、Reid Hoffman、David Sacks、Dave McClure、Chad Hurleyなどがその例だ。このマフィアが立ち上げた企業は、Tesla、SpaceX、SolarCity、Yelp、LinkedIn、YouTube、Palantir、Yammer、Clarium Capital、The Founders Fund、500 Startupsなど、数えればキリがない。PayPalの出身者たちが創出した価値の大きさは計り知れず、このようなマフィア集団がもう一度誕生することは想像しがたい。

だが、規模は小さいながら同じようなマフィア集団は他にもある:Facebookの出身者たちはPath、Quora、Asanaや数々のVCを立ち上げた。Yahoo出身者が創り上げたのは、WhatsApp、Chegg、Slack、SurveyMonkey、Clouderaなどの企業だ。Instagram、Foursquare、Pinterest、Twitterの創業者たちはGoogleの出身者である。

今、そのような真のテック・スーパースターたちはLAにいる。優秀な人材を惹きつける力を持つ企業がその街にあるのだ。1億5000万人のデイリーアクティブユーザー数と巨額のバリュエーションを誇る、Snapchatだ(参考のために言えば、Facebookが100億ドルの企業価値に達したのは、ほんの7年前だ)。

もしあなたが野心と才能に溢れた若者であれば、どこに行こうとするだろうか。すでに急激な成長とイノベーションのステージを終えたFacebookだろうか。それとも、あなたの仕事が企業の成長に直結する、Snapchatだろうか?すでに何人かは心を決め、古巣を離れている。Facebookの元プロダクト部門長であるSriram Krishnanがその1人だ。彼に続く者はこれからもっと現れるだろう。

コンテンツ:王の帰還

もちろん、Snapchatがもつ人材がLAに留まっているのは、そこにあるコミュニティが不活発であるからではない。

「コンテンツは王様だ」という言葉は、Hollywoodの重鎮たちが長く語り継ぐマントラだ。しかし過去20年間、コンテンツ製作者は王様と呼ばれるには程遠い存在だった。コンテンツの販売や流通という分野は、テクノロジーを駆使するプレイヤーがディスラプションを狙う分野だったのだ。今日もこの状況は当てはまる。そして、そのようなプレイヤーの多くはBay Areaの出身者だ。

まず初めに、インターネットの急激な普及により、多くの新聞にとっての利益の源泉だったクラシファイド広告業界が破壊された。その後、2000年台前半に誕生したAppleのiTunesとiPodが、音楽業界を玉座から引きづり下ろす。近年ではソーシャルメディアの普及により、従来のオンライン広告モデルが倒れ、新たにクリッカブルでシェアラブルなコンテンツ広告が誕生している。そしてもちろん、Netflixなどのオンデマンドビデオ・ネットワークを忘れてはならない。そのようなサービスによって映画館や映画製作スタジオ、従来型のテレビ制作会社は敗走を重ねているのだ。

この20年間で、コンテンツ配信のあり方は大きく変化した。従来型のメディアネットワーク通じたコンテンツ配信に取って代わり、テクノロジーを駆使したプラットフォームを通じたPC、タブレット、モバイル端末へのオンデマンド配信が生まれたのだ。多くの点において、このことは21世紀のコンシューマー・テクノロジーを語る上で欠かせない要素である。伝統的なメディア企業がもつ、コンテンツ配信手段の破壊の物語だ。

プラットフォーム誕生の時代は終わり、プラットフォーム戦争の時代に突入した。

トレンドは今にも変わりつつある。コンテンツに力のバランスが移りつつあるのだ。Facebook、Apple、Amazon、Google、Netflixなど、メディアのパラダイムシフトを引き起こした破壊的なプラットフォームがその主役となる。人々がコンテンツを消費する方法が完全に変わった今、このような企業が争う相手は伝統的なメディア企業ではない。これからは彼ら同士が争うことになる。プラットフォーム誕生の時代は終わり、プラットフォーム戦争の時代に突入したのだ。今後は、古い企業が新しいプレイヤーと妥協案を結ぶという場面ではなく、そのような新しいプレイヤー同士が争う場面こそがゲームの中心となる。

その争いはコンテンツをめぐる戦争だ。コンテンツこそがプラットフォーム間の差別化の要因であり、彼らはコンテンツのクオリティを高めるために巨額の投資をしている。今年、Netflixはコンテンツ製作のために60億ドルを費やし、Amazonは30億ドルを費やした。AppleはTime Warnerの買収を検討していると報じられている。TwitterはNFLを初めとするスポーツの生配信に望みをかけ、ミュージック・プラットフォームをもつApple、Spotify、Amazon、Tidalなどは音楽アルバムの限定リリース権をかけて互いに争っている。

このような現状はすべて、コンテンツ・クリエイターの聖地であるL.A.にとっては良いニュースである(この街にとって唯一のライバルはニューヨークだ)。Facebook、Google、Twitterなどの企業から離れてSnapchatにやってきた優秀なテック系人材と、コンテンツ・クリエイターが共存するこの南の大地には、スタートアップ・ルネサンスを加速するための土壌があるのだ。

テクノロジーに特化したモノカルチャーに代わる、L.A.の活気のある文化

サンフランシスコに住む私の友人たちは、街に根付くテクノロジーに特化したモノカルチャー(単一的な文化)に不満をもらす。私には彼らの言い分がよく分かる。かつてのサンフランシスコは、様々なバックグラウンドをもつ、クリエイティブで一風変わった人材を惹きつける街だった。美しく、安価で、(良い意味で)奇妙なこの街を彼らは気に入っていたのだ。テック系スタートアップにそこまで興味がない人々にとって、最近のサンフランシスコは、物価が高くなっただけではなく、多様性に欠けたつまらない街となってしまった。まさしく、現在のBay Areaは誰もが気に入るような地域ではなくなった。

その一方でL.A.は広大で、活気に溢れている。様々なバックグランドを持つ人々が住み、隣を見れば自分とは違うタイプの人がいる。そして彼らは、それぞれが違った目的や興味を追いかけている。この街のテックシーンも成長しつつある:この街での資金調達や人材の獲得は、以前よりもずっとやり易くなった。だが恐らく、L.A.のスタートアップシーンがもつ最大の特徴とは、業界の文化によって街全体がもつ文化が塗り替わることがないという点だろう。多くの人がこの特徴を魅力に感じている。

この街の文化と多様性によって恩恵を受けるのは、人々の生活の質だけではない。Google GlassとSnap Spectaclesを比べてみることにしよう。Spectaclesには、Glassにはないファッション性がある。プロダクト開発にかかわる様々な意思決定は、企業が属する環境に影響を受ける。L.A.に拠点を置くSnapchatでは、どのような物が「クール」なのか、消費者にとって何が一番重要なのかという点が重視される。一方で、シリコンバレーでは技術的に達成可能なものは何かを考え、文化的な側面にフォーカスすることは少ない。

Snapchatは南カルフォルニアのPayPalになる可能性がある:L.A.で解き放たれたSnapchatのモメンタムと将来性によって、これから誕生するスタープレイヤーたちは、この街を彼らが向かう候補地の1つとして考えるようになるだろう。テクノロジーの物語における次の章では、コンテンツが重要な役割を担うことになる。そして、そのコンテンツこそが、L.A.文化の根幹となる要素なのだ。Evan Spiegelに刻み込まれたL.A.のDNAがSnapchatに与えた影響をすでに理解している人もいるだろう。

Bay Areaの階級闘争やモノカルチャーに疲れきった起業家にとって、L.A.は魅力的な選択肢だ。この街での生活の質の高さと、比較的安価な生活費も、この街に移住する理由の一つになるだろう。Snapchatこそが、そのトレンドを加速し、この街のテックカルチャーに活気をもたらす存在なのだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Snapchat、大型IPOを秘かに申請(ロイター発)

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Snapchatは来年初めの上場を目指して秘かにIPO申請していた。Reutersの報道による。

ここ数年、IPOを正式発表するよりずっと早く、秘密裡に申請する会社が増えてきた。そうすることでSEC(証券取引委員会)が申請を受けてから、書類を公開して業界ウォッチャーや投資家が精査するまでの時間がとれる。これはIPOが特別に差し迫っていることを意味するのではなく ― Snapchatの上場は以前報道されたように早くて3月 ― 上場のそぶりを示す意味はある。

年間売上10億ドル未満の会社は非公開でSECに申請できることがJOBS法で定められている。

以上を踏まえると、SnapchatのIPOは大方の予想通りの時期にやってきそうだ。同社の一日当たりアクティブユーザー数は1.5億人で、マーケティングにとって最も魅力ある広告プラットフォームとして急速に注目を浴びている。大統領選挙後、Facebookをはじめとする他のプラットフォームが虚偽のニュースが横行していると厳しい視線にさらされていることも、Snapchatにつけ入るチャンスを与えている。

既にSnapchatは、2017年の売上目標を最大10億ドルに置いていることが、TechCrunchの入手したリーク文書からわかった。同文書によると今年は2.5億ドルから3.5億ドルの売上と予測している。一方でPinterestのように事前の予測を達成できないプラットフォームもあり、Facebookは広告比率が上限に達し、成長が止まりつつあることを投資家に伝えている。いずれもSnapchatに宣伝費を獲得る機会があることを意味しており、投資家から見た価値はさらに高くなるだろう。

The Wall Street Journalによると、Snapchatが申請書類を提出したのは大統領選挙前だった。しかし選挙後のニュースを見る限り、Snapchatが既存ユーザーの信頼を把み続け、既存ネットワークからもユーザーを奪うことができれば、投資家へのアピールもいっそう高まるだろう。記事によると評価額は200億ドルから250億ドルと予測されている。

以前の報道によるとSnapchatはa href=”https://techcrunch.com/2016/10/26/snapchat-is-reportedly-looking-to-raise-as-much-as-4b-in-its-upcoming-ipo/”>IPOで最大40億ドル、時価総額250~350億ドルの調達を目指していた。これは今年5月の資金調達ラウンドで18億ドルを得た時の2倍に相当する企業価値だ。こうした話題は、投資家の興味を探り興奮をかき立てるためのよくある戦術だが、どうやら事態は正式なものになるつつあるようだ。

Snapchatの担当者はコメントを拒んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

これが実際に「Spectacles」を自販機で買っているところ

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今日はスペクタクルデーだ。今日(米国時間11/10)Snapchatは、LAのベニスビーチに同社のカメラ付サングラス、Spectaclesの自動販売機を設置して人々を驚かせた。このマシンは24時間しかそこにいないが、すでに長蛇の列が作られている。

本誌は実際にこのマシンを使ってSpectaclesを買った Jameson Detweilerのビデオを入手したので以下に紹介する。

自販機にはスクリーンと大きなボタン3つ(それぞれがサングラスの色に対応している)とクレジットカードを通すスロットがある。そしてもちろん、買ったSpectaclesが出てくる口も。

ビデオで見るとわかるように、スクリーンでは拡張現実を利用してサングラスを試着できる ― 画面上の自分の顔にバーチャルサングラスが表示される。SnapchatアプリにあるAR「レンズ」機能に似ている。

もう1本、購入プロセスをもっと遠くから写したビデオがこちら。

実はJamesonが列に並んでいる間にサングラスが品切れになってしまったのだが、Snapchatが来て在庫を補充していった。マシンの後方にトラックが横付けされたが、白いカーテンが全体を包んでいたのでマシンで何が起きているのかを見ることはできなかった。

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現在、商品を開封してSpectalesを使っているところの動画を入手すべく手配中だが、Spectaclesの使い方を知りたい人は、この記事をご覧あれ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchatのカメラ付サングラス、Spectaclesがミニオンズ風自販機で販売開始

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Snapchatのカメラ付サングラス、Spectaclesが今日から発売される。これを買うための自動販売機は、ほとんど商標侵害といえるほどミニオンズに似ている。Snapbotと呼ばれるこの自販機では、SpectaclesをBlack、Coral、Tealの3色から選んで購入できる。実際に買う前に、AR表示でバーチャルに試着することもできる。

Snapbotではデビットカードまたはクレジットカードが利用可能で、Spectaclesサポートページによると、129ドルの買い物は10秒ほどで完了する。擬人化された自販機の口はメガネを吐き出す時にライトアップされ、紙の領収書も出てくるので、この一人称ビデオファッションサングラスを会社の経費で正式に買うことができる。

Snapbotの設置されている場所は、Snapchatウェブサイトの検索ツールで見つけられるが、今のところLAのオークウッドにあるベニスビーチ付近に1つある。本社ビルがある場所だ。もし近くに行くことがあれば、買ってレポートしてほしい。今すぐ行動すべし! なぜならSnapbotは一箇所に1日ほどしか留まらず、新たな観光スポットへと移動していくからだ。

Spectaclesは今年発表された、Snap, Inc.初のハードウェア製品で、サングラスにSnapchatでのみ使用するために設計されたビデオカメラを内蔵している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookがライブ配信用の拡張現実自撮り機能「Masks」をローンチ

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Snapchatをコピーし、MSQRDの買収に資金を注ぎ込み、そして今日Facebookはついに「Masks」(マスク/仮面)という名の拡張現実自撮り機能を、メインアプリに組み込んだ。ハロウィンをテーマにした骸骨、魔女、そしてカボチャのマスクを手始めに、この先Facebookユーザーはライブを行う際に特殊効果を使うことができる。

Masksは同時に、Facebookをよりモダンに感じさせ、ユーザーをライブ配信に誘い、そして配信中の自意識を和らげてくれる役割を果す。

この機能は本日まず米国、英国、ニュージーランドのiOSユーザー向けに提供され、iOS版Facebook Mentionsを使う公人たちにも開始される。Facebookによれば、「数ヶ月のうちに」Androidと他の国々にも公開されるということだ。

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Facebookはまた、期間限定のハロウィン版「いいね!」絵文字ボタンを提供する。たとえば普通の「うけるね」絵文字の代わりに「うけるね魔女」、「すごいねゴースト」、「悲しいねフランケンシュタイン」、そして「ひどいねジャックオーランタン」といった具合だ。ユーザーはハロウィン期間中、この「いいね!」ボタンを通常通りタップしたり長押ししたりして使うことができる。

Facebookは3月にMSQRDを買収した。そしてカナダとブラジルで類似のテクノロジーを、オリンピックをテーマにしたMasksと共に、従来の写真やビデオの加工のために提供し、簡単な試験運用を行った。また7月には、FacebookはユーザーがMSQRDアプリの内側からのライブを行えるようにした。

しかし本日の発表は、MasksのFacebookへの本格的展開を告げるものだ。そのクリエイティブツールへの注力によってこの機能は、Snapchatに比べると古臭くて退屈なFacebookを、再活性化できる可能性をもっている。Masksは、ユーザーをぎこちない感じにしてしまうかもしれない、ライブを行う際の気後れも減じてくれる。同じ理由で、Facebookはライブカラーフィルタと、Prismaのように場面がアートのように見えるようになる「AIスタイル変換ライブビデオフィルター」のプロトタイプを追加した。Masksを使えば、本当に顔を覆い隠すことができるので、どのように見えるのかに関する心配をする必要がなくなる。

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Masksを試着するためには、ユーザーはそのタイムライン、ニュースフィードまたはページ上のボタンでライブビデオ放送を開始すればよい、そして左上の魔法の杖をタップすればFacebookの特殊効果群が現れる。Masksのアイコンを選択したあと、ユーザーはオプションをスクロールして、自分の顔の上で見るためのものをタップで選ぶことができる。Snapchatが以前必要としていたような、拡張現実を活性化するために顔の上をタップして長押しする必要はない。

開始から12年が過ぎ、皆の親も参加するようになって、Facebookはかつての奔放な大学での成長の日々から引き継いでいるクールなセンスを、なんとか守ろうと躍起になっている。17.1億人によって使われているという単純な事実は、排他性を否定し、かつSnapchat、Musical.ly、そしてHousepartyなどの新しいソーシャルアプリから得られるかもしれない、カーブの先に回り込む刺激的な先進性をも否定するということを意味している。

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しかし、Facebookは、おどけたクリティティブツールを提供し、単にテキストの状況報告や、赤ん坊の写真や、婚約のお知らせだけではないのだとアピールすることによって、他の場所への移動を必死になって食い止めようとしている。今年初めのThe Informationの報告によれば、FacebookはニュースフィードでInstant Articles(インスタント記事)が優勢になるに従って、オリジナルコンテンツの共有数のかなりの減少に直面している。

問題の本質は、人びとは多くの場所でニュースを読むことができるが、Facebookはあなたが「友達」と一緒に何かをするための拠点となることによって繁栄していくということだ。ハロウィンは歴史的に、Facebookにとって最もアクティブなシーズンの1つで、誰もが各々の仮想写真を交換するときだ。だからFacebookが未来のビジュアルコミュニケーションに対するビジョンを発表するのには完璧なタイミングなのだ。

Snapchatは、消費者のための拡張現実を始めたと言うことができるだろう、しかしFacebookはそれを拡張したいと考えている。

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(翻訳:Sako)

Instagramのストーリー、開始後わずか2ヶ月で1億日次アクティブユーザーを獲得

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Instagramのストーリーは、Instagram自身が擁する大きなアクティブユーザー基盤から恩恵を受けている。そしていまや日次アクティブビューワーの数が1億人に達するようになった。これはSnapchatの日次アクティブユーザー(9月下旬の時点で、全プラットフォームにまたがるアクティブユーザーの数は1億5000万人と報告されている)の3分の2である。たとえ既存の聴衆がいて、InstagramのUI上の最上位部分という1級の有利な場所を与えられているとしても、その急速な普及のペースは印象的だ。

Buzzfeed reportの新しい統計も、Instagram全体の合計月次アクティブユーザーが最大5億人になったと繰り返し述べている(この数字が最初にリリースされたのは6月である)、これは今年の初めに羨望の10億人を超えたFacebook Messengerの半分である。

InstagramはSnapchatよりもわずかに年長である。6歳のInstagramに対してSnapcahtは5歳である、しかし既存のInstagramの体験とは劇的に異なる、この新しい機能の急速な受け容れ度合いが示すものは、間違いなくこの機能の導入に伴い、写真中心のソーシャルネットワークが顧客ニーズにヒットしたということである。一般に、Facebookがそのプラットフォームに導入した新機能は、最初はよく知っている環境の快適さを好む利用者たちから懐疑的に扱われる。なのでストーリーを巡る初期段階での熱狂は将来に渡っても上手く続いていくことを示すよい指標である。

Instagram創業者のKevin Systromが、BuzzFeedに対して語ったところでは、同社は最初、この短命コンテンツへのアプローチに対して、投稿したコンテンツにユーザーが消滅までの時間を指定するチェックボックスオプションを検討していたが、実際には余計なステップが入るので上手くはいかないだろうと考えていたということだ。

これはおそらくSnapchatのユーザーではない人びとだ。すなわち(移行ではなく)この形式のメディアに対する純増なのである

Instagramにとってのこの成長は素晴らしいものだが、それは必ずしもSnapchatにとっての悪いニュースとも限らない。設計された機能は、明らかにSnapchatにインスパイアされたものであるが、だからと言ってそれは、Snapcahtのユーザーがそのプラットフォームを捨てて、代わりにInstagramにやってくるということを必ずしも意味していない。アナリストのBen Bajarinが上で指摘しているように、Instagramが経験している成長は、この短命コンテンツカテゴリ全体に対する純増なのだ。

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(翻訳:Sako)

SnapchatのSnapは来春にも上場へ―時価総額250億ドル(2.6兆円)以上に

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Wall Street Journalの報道によれば、Snapchatの運営会社で最近改名したSnapは上場の準備を進めているという。早ければ来年3月にも実現するかもしれない。上場時の時価総額は250億ドル(2.6兆円)以上になる見込みだ。

Snapの最近の資金調達は去る5月の18億ドルのラウンドだった。同社の1日あたりアクティブ・ユーザーは1億5000万人でリークされた文書によれば2017年には10億ドルの売上が可能だという。この文書によれば、Snapの2016年の売上は2億5000万ドルから3億5000万ドルの間と見積もられている。

Snapはこれまでにも大量の資金を調達しているが、それでもまだ十分ではないようだ。同社は新しいプロダクトをスタートさせるためにさらに資金を必要としている。Spectaclesと呼ばれるカメラ付拡張現実メガネなどのハードウェアの開発にも多額の金がかかる。Spactaclesの価格は比較的抑えられているが、ティーン層以外にもユーザーを広げようとすれば大赤字の元になる可能性がある。Snapはまた買収のための資金も必要としている。BitmojiのBitstripsの買収では「おおまかにいって1億ドル」を必要としている。

上場時の時価総額の250億ドル「以上」というのはなるほど漠然としているようだが、こうした場合の正確な数字は幹事会社が上場時の売り出し価格を決定するまで正確にはわからないのが普通だ。ただしSnapchatにはユーザー数、売上、エンゲージメントその他すべての面で急成長中のイメージがあり、その上場は市場の垂涎の的と見られている。

広告ビジネスの面からは最大のライバルは依然としてFacebookだろう。同社は当初Snapを買収しようとして失敗し、その後膨大なりソースを注いでSnapchatを打ち負かすために機能をコピーしてきた。現在でもInstagramはStoriesが1日あたりアクティブ・ユーザー1億人を獲得したことを自慢している。しかしCEOのKevin Systrom自身、StoriesはSnapchatの機能のクローンだと認めている。

Facebookと競り合っているという現状は、Snapchatが200億ドルという最近の資金調達後の会社評価額を上回る額に向けて成長中であることを投資家に納得させるに十分だろう。今年に入って成功した株式上場は大半が、もともと成功を収めている大企業の株式公開だった。Snapの上場がウォールストリートの関心を引くにはいいタイミングだ。いずれにせよ、Snapが上場すれば、ここ数年で最大の上場イベントになることは間違いない。

Snapでは「財務に関する噂や推測にはコメントしないことにしている」と述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ようやくTwitterの「モーメント」が誰でも利用可能に

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ああついに、ついに!、Twitterはモーメントというストーリー作成機能を公開した。この機能は本来最初から備わっているべきものだったのだ。本日Twitterは、誰でもサービスにアップロードされたツイートと写真を使って、自分自身のストーリーを作ることのできる、モーメントプラットフォームを公開したことを発表した。

私たちはこの日が来ることは既に知っていた:より広いインフルエンサーとブランドを巻き込むために、Twitterがモーメントへのアクセスを拡大することを8月に発表していたのだ。その際に、同社はモーメントを一般ユーザーにも「ほどなく」公開することも約束していたのだ。

かつて、モーメントはProject Lightningというコードネームで呼ばれていた。人びとにTwitterを利用するまた別の理由を与えようとする試みの一環として、最初のモーメントは1年前に立ち上げられた、ユーザー数の伸びの鈍化を受けてからの、挑戦の光の中でのことだ。この機能が思い出させるのは、いまや他のモバイルでは人気のある、SnapchatのStories機能のような短い形式のコンテンツである。

もちろん、モーメントが開始1日目から一般利用者向けの機能でなかったことは、なにやら違和感を抱かせた。ツイートの集合をまとまりのあるストーリーとして集める手段への要求は既に存在していて、Storifyのようなサードパーティが、とっくの昔に目的を果すためそれぞれのツールを用意していた。

さらに、クラウドソーシングによって、Twitterは「tweetstorms」(ツイートのシリーズとして語られていたより古いアイデア)のような他の試行を活用しても良かったし、それらをモーメントに移行してもよかったのだ。クリックと利用者の数を増やす可能性があった筈である。一般利用者向けのモーメントはバイラルなヒットやミームへとつながっていく可能性すらあった。(おそらく、ツールが一般に公開されたことで、それらはまだ可能だろう)。

あなた自身のモーメントを作成するには、プロフィールページの新しい「モーメント」メニューをクリックする。

ここでは、既に作成したモーメントの一覧を見ることができて、新しいモーメントを作るボタンも表示されている。ツールを使えば、既存のツイートまたはお好みの画像から、写真やビデオを利用して「カバー」を設定することができる。その後、追加するツイートをさまざまな方法で見つけることがでる。

お気に入りのツイート(「いいね」をしたツイート)を使ったり、アカウントを指定して、あるいはTwitterを検索して、またはツイートのリンクを直接使って、あなたはモーメントに加えるためのツイートを参照することができる。今のところ明らかになったところでは、モーメント作成のインターフェイスはStorifyの作成ツールよりもはるかに迅速に使えるようにみえる。そして作成できたら、あなたのモーメントをツイートを使って共有することができる。他の人はTwitter上であなたのモーメントをめくってみたり、ウェブの他の場所に埋め込んだりすることができる。

モーメントは現在誰でも利用できるようになりつつある、そしてTwitterはあなたが始める際に役立つハウツーガイドも同時にリリースした – 当然モーメントの形式だ

訂正:当初Project Glacierと書いたのは、昔Tech Crunchの書いた冗談で、Project Lightningが正しいものだった。うっかり間違ったコードネームを書いてしまったが、公開後に正しいものに訂正済である。

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(翻訳:Sako)

かつてSnapchatとして知られていた会社のカメラ組込サングラスに大問題―🎶 暗いところで使えない 🎶

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Snapはビデオカメラ組み込み拡張現実サングラスを発表した。ただし、問題がある。あちこちにぶつかるのが平気でないかぎり、夜は使えない。暗いコンサート会場やパーティーの撮影も無理だ。

Snapは「かつてSnapchatとして知られていた会社」だ。Princeの例に従ったかして今後はSnapと名乗るという(絵文字もPrinceスタイルに変えてはどうだろう ) ともあれ、Snapは私の取材に対して、「現在のバージョンは夜間の装着や使用を前提としていない」と確認した。カメラのレンズ自身がサングラス程度の透過性なので照度が低い環境では先が見通せないのだ。

これはSnapの拡張現実カメラが「おもちゃだ」という考え方を裏付ける。たしかにSnapのCEO、Evan Spiegelは Wall Street Journalのインタビューでガジェットを「おもちゃ」と呼んでいた。しかし「昼間の使用に限る」とは述べていないかった。

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このサングラスは130ドルでこの秋中にリリースされ、装着者の視点で1回につき10秒の円形の動画を撮影できるという。しかし撮影は昼の屋外で催されるバーベキュー・パーティーとか野外コンサートに限るのが安全らしい。

将来のバージョンはクリアレンズないし光によって色が透過度が変わるレンズを装着し、夜間や屋内の撮影も可能になるかもしれない。このデバイスはSnapchatの熱狂的なファンのティーンエージャーの人気を呼ぶかもしれない。またサングラスを使ってくれるセレブを見つければプロモーションにいっそう有利だろう。

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しかしSpecsデバイスは一部で期待されたほど画期的なテクノロジーを含んでいなかった。それでもSnapchatのユーザーが日々の生活の画像やビデオをコントロールし、共有する力を強化するる。エンジニアリングとプロダクトデザインの進化にともなって、将来のSpecsはGoogle Glassが実現に失敗したような役割、つまり、われわれが日常どこへ行くにも装着するようなデバイスになるかもしれない。

あまりにギーク的で嫌われたGoogle Glassや出来が悪かったFlipcamsとは違って、Specsを一般ユーザーに受け入れられるようなデバイスに進化させるためには、Spiegelは20億ドル以上といわれるSnapのベンチャー資金の相当部分を個人的な「おもちゃ」の改良のためにつぎ込む必要がありそうだ。

Snapサングラスカメラに関するTechCrunchの詳しい紹介記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SnapchatのカメラグラスSpectaclesはビデオを10秒撮影録画できるカメラ付きメガネ

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かなり前から噂されていたSnapchatのカメラグラス(camera glasses, カメラ付きメガネ)は、本当だった。その“Spectacles”と呼ばれるメガネは、同社の初めてのハードウェア製品で、価格は129ドル99セントだ、とWSJが報じている

サイズは一種類のみだが、色は黒、緑青色、珊瑚色の三色ある。

メガネのつるにあるボタンを押すと、撮影と録画を開始する。Snapchat的に、撮影録画時間は10秒だ。スマートフォンと同期するので、Snapchat上で共有できる。

おもしろいのは、カメラの視野角が115度であることだ。これはスマートフォンやふつうのカメラより広い。ビデオの撮影は循環状だ〔メモリが10秒ぶんしかない〕。ビデオをアプリに表示する方法は、まだよくわからないが、たぶん広い視野角のぶんをトリミングするのだろう。あるいは循環状に次々と表示されるのかもしれない。

発売は今秋だが、SnapchatのCEO Evan Siegalによると、最初は少量を発売、すぐに大きな売上になることは期待していない、ということだ。もしかして、Google Glass的な希少品になるのだろうか。

おっと、それから、Appleが社名から”computer”を消してから早くも10年になるが、今回Snapchatは社名から“chat”を消して、Snap Inc.という社名になる。このことも、前から言われていた。今や、アプリのSnapchatが同社の唯一の製品ではないからね。

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〔上の写真はこの記事より。カメラグラスの由来が書かれている。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook Messengerでチャットしながらビデオを送れる

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FacebookにまたひとつSnapchatそっくりの機能が登場した。

Messengerはもちろん以前からビデオ通話をサポートしている。ただしFacebookも認めるとおり、ユーザーは何か特別の場合以外、ビデオ通話をあまり使っていない。そこでFacebookはMessengerのビデオにあらたなオプションを付け加えた。Messengerアプリのテキスト・チャットのタブ内からビデオ共有ができる機能だ。

新機能についてFacebookはこう説明している(デフォールトで音声がオフなのはSnapchatのユーザーにはお馴染み)。

あなたが友達にリアルタイムビデオを見せたい場合、使い方は次のとおり。iOS、Androidいずれの場合でもあなたたと友達、双方のMessengerが最新版だと確かめる。双方がMessengerのチャットの画面を開く。画面上部右側のビデオ・アイコンタップすると友達とリアルタイムのビデオの共有が開始される。音声はデフォールトではオフになっている。これは友達にある情景を見せたいだけで、音声は必要ない場合が多いためだ。しかし簡単に音声をオンにできる。ビデオはチャット画面の上部に表示される。ビデオを見ながら通常どおりテキストでチャットを続けることができる。友達はこのストリームを見ることができる。また必要に応じて友達からもビデオを送ってくることができる。

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この夏、Facebookはこれ以外にも多数の機能を追加している。

Snapchatそっくりと評されたInstagramのStory機能,や、 lティーンエージャーのみ対象のビデオ・アプリビジネス向けWhatsAppの準備FacebookのユーザーデータのWhatsAppでの利用などが記憶に新しい。またFacebook Liveのビデオ機能では複数地点のユーザーがビデオを公開する機能長時間連続ビデオ広告の挿入MSQRDの買収による自画撮りフィルターなどが新たにサポートされた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

動画プロフィールアプリ「Lifestage」はFacebookが放つティーン専用アプリ

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「もしも2004年当時のFacebookを2016年に持ってこられたなら?もしもプロフィールの内容がすべて動画で表示されたら?」と問うのは19歳にしてFacebookのプロダクトマネージャーを務める神童、Michael Saymanだ。

そしてその答えこそが8月19日にFacebookがローンチした独立型のiOSアプリ「Lifestage」(ライフステージ)だ。このアプリは21歳以下のユーザー向けで、幸せな顔、悲しい顔、好きなもの、嫌いなもの、親友、ダンスのスタイルなどを質問してくる。プロフィールの質問はテキストで入力する代わりに、動画で撮影する。Lifestageはアップロードされたビデオクリップを動画プロフィールの形にし、他のユーザーに公開する。

Lifestageのダウンロードは技術的にはだれでも可能だが、22歳以上のユーザーは自分のプロフィールしか表示できない。なぜならこのアプリはあくまでも高校生が自分のクラスメイトについてもっと良く知るために作られたからだ。迷惑行為などがあった場合には、画面をすばやくスワイプするだけでブロックや報告もできる仕様になっている。

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サインアップ時にFacebookアカウントは不要で、在籍する高校を選択すると同じ学校のほか、近隣の学校へ通う他のユーザーたちの動画プロフィールが表示される。人気の秘密は、 Lifestageには同じ学校に通うユーザーが20人集まらないと他の人のプロフィールを表示しない仕組みになっている。こうすることで友達にも参加するように口コミが拡がる。これらはすべて、Facebookが最初にローンチし、学校から学校へと広まっていった過程を模倣している。たしかに周りでだれも使っていないソーシャルアプリほどつまらないものはない。

Appストアのシンデレラ

Saymanは、一流大卒で30歳前後の典型的なプロダクトマージャーではない。彼はペルーとボリビア出身の両親のもと、マイアミで育った。13歳のとき、Googleで探したチュートリアルを見ながらプログラミングを独学した。最初に作ったプロダクトは「Club Penguin(クラブペンギン)」というゲームの攻略法を紹介するアプリで、これで月に何千ドルも稼いだ。この収入のおかげで自分たちの家が差し押さえになった後にも、不景気の中で家族をやしなうことができたという。彼の人生遍歴については、Carmel DeAmicが書いたSaymanとのインタビュー記事で詳しく触れられている。

 

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Michael Sayman(Facebookプロダクトマネージャー/Lifestageの生みの親)

Saymanの一大チャンスは、妹が友達と写真を送信しあって、その写真が表す言葉を電話越しに当てっこしている様子をまた聞きした時に降ってきた。これにインスピレーションを得て作ったのが「4Snaps」という写真ジェスチャーゲームのアプリだった。マーケターであるInstafluenceとのレベニューシェア提携のおかげで、4Snapsは単語ゲームチャートで第一位になり、数百万ユーザーを擁する人気アプリになった。

その頃までには、4SnapsはParse(Facebookが所有するモバイル向けバックエンドホスティングサービス)の無料利用枠を超える勢いになっていた。そこでSaymanは4Snapsの運営を続けられるよう、巨額のディスカウント交渉を持ちかけた。しかしマーク・ザッカーバーグは代わりにSaymanをFacebookに遊びに来るよう招いたうえで、同社のF8カンファレンスでの特別なプレゼンテーションを作ってくれるよう頼み、最終的にインターンにならないかともちかけた。

Saymanはこの2年を、ソーシャルネットワークについて学び尽くし、Lifestageのアイディアを思いついた。彼は「実世界で自分の周りにいるような人々の層が共感できるような、少なくとも自分の友人たちが使いたくなるようなアプリを作りたかった」と話す。そして今回、エンジニア3名と契約デザイナー1名で作り上げた新たなプロダクトがいよいよ提供開始を迎えることになった。

一人ひとりの人生にスポットライトを

Lifestageの構築にあたっては「Facebookの歩みを2004年時点まで遡りました。その当時、自分は小学2年生でしたけどね」と、Saymanが語ってくれた(若者よ、ありがとう。おかげで筆者は自分がすっかり老けたことを実感できたよ)。その当時はFacebookを立ち上げると、ニュースフィードではなく、ユーザー自身のプロフィールが表示された。Lifestageはそれと同様の動作をする。プロフィールに関連する質問がずらりと並び、動画で回答できるようになっているのだ。質問は答えれば答えるほど、次々に新しい入力項目が解除される仕組みになっている。

フィードには最近プロフィールをアップデートした同じ学校のユーザーが表示される。ユーザーをタップすると、当人によるプロフィール項目への答えを見ることができる。あるいはスワイプすれば別のセクションにスキップもできる。ちょっとしたゲーミフィケーションも盛り込まれていて、プロフィール内容を追加すればするほど上位にランクインするようになっている。その他にも最近アップデートのあったユーザーにはサングラスをかけたスマイリーの顔文字が、しばらくプロフィールの更新がないユーザーにはしかめっ面や、ひどいとウンチの絵文字が表示されるようにもなっている。

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Lifestageには、他のユーザーと直接コンタクトする手段は備わっていない。その理由についてSaymanは「私自身も友人と連絡を取る際、すでに世の中に出ているさまざまなメッセージングアプリを使っています。それで満足しているので、なぜさらに新しいものを作らなければならないのか、邪魔なだけじゃないのかと思ったんです」と説明する。なのでLifestageでは、ユーザーは名前の下に表示される「Reach Me」ボックスにSnapchatやInstagramのハンドル名を貼ったり、その他の連絡先情報を入力できるようになっている。

Facebookはティーン層がSnapchatへ流れていってしまうのではないかと懸念しているが、Lifestageならばそれを食い止めることができるかも知れない。SaymanにSnapchatについて尋ねたところ「非常にすばらしい競争相手だと思う。彼らは優れたプロダクトを作ったし、たとえば動画の領域をいかに進化させていったか等、学ぶべきことがいっぱいある」と答えた。とはいうものの、彼のアカウントはSnapchatよりもInstagram Storiesの方が投稿が多くなっていると話した。

Lifestageとしての心配は、これまでFacebookが独立型アプリでは成功例がなく、すでにPoke、Slingshot、 Paper、Notifyなどのアプリが提供終了になっていることだろう。Facebookとしては明らかに、LifestageでSnapchatを駆逐しようなどとは思っていないようで、Lifestageのプロモーションの一環として、Reach Meの文言にも「Snapchat me(スナチャはこっち)」とあるからだ。考えてみれば、FacebookがLifestageをローンチしたのもブログが一番読まれない金曜午後の時間帯だった。つまるところ、そもそも成功の兆しが薄そうな雰囲気を自ら漂わせているような気がしなくもない。

ただ、LifestageはFacebookにプロフィール機能を動画化で改善する方法について学びをもたらすかもしれない。マーク・ザッカーバーグも「動画をすべてのFacebookアプリとサービスの中核に据えたい」と話していた。FacebookはF8でプロフィール写真の動画化機能をローンチしたが、そちらの人気もまだまだのようだ。

Lifestageのアプローチは革新的だ。たとえば、お気に入りのペットは自分の飼い犬、音楽ならレディオヘッド、付き合っている相手はこの人、のように自分について書くのは簡単だ。しかし動画ならば「ありふれた文字の羅列」を超えた情報発信ができる。つまり、自分だけの「ストーリー」を語れるような、真にユニークな自己紹介が可能になるのだ。このアイディアを活用することで、Lifestageの対象ユーザーの年齢とほとんど同じ創業年数になったFacebookも、刷新を図ることができるかも知れない。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

VidcodeとSnapchatが若者のプログラミング学習を促進するコンテストを開催予定

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10代の若者、特に若い女性にプログラミングへの興味を持たせるという課題には、近年幾多の企業や団体が取り組んできた。しかし、Vidcodeと呼ばれる最近誕生したスタートアップは、違ったアプローチでこの課題を解決しようとしている。Vidcodeは、プログラミングの基礎を教えることに特化したオンラインコースの代わりに、Instagram風フィルターや、ミーム、Snapchatのジオフィルターなど若者が実際に興味を持っているものを作るための知識を提供することで彼らにアピールしているのだ。

さらに今回、SnapchatがVidcodeの取り組みにパートナーとして加わることになった。

Vidcodeは、水曜日からSnapchatジオフィルターコンテストを開催予定で、選ばれた作品は実際にSnapchat上にアップロードされ、全てのSnapchatユーザーがそのフィルターを使えるようになる。同社によれば、参加者は1ヶ月間でオリジナルフィルターを作成しなければならない。

Vidcodeの設立以前は大学院でコンピューターサイエンスの研究をしていた、共同設立者兼CEOであるAlexandra Diraclesは、「ティーンエイジャーにとって、Snapchatユーザーのような大規模のオーディエンスに対して何かをつくる機会を持つというのは素晴らしいことですし、彼女たちにとって大きな意味を持っています」と説明する。

Leandra TejedorとMelissa Halfonによって共同設立されたVidcodeは、元々ふたりの出会いの場でもある、2014年のはじめに行われたStartup Weekendハッカソンのプロジェクトとして誕生した。結果的に彼女たちはコンテストで優勝し、自分たちのアイディアが即座に認められただけでなく、優勝がプロジェクトに取り組み続けるための励みとなった。

このプロジェクトについてDiraclesは、「私は、自分のSTEM分野やプログラミングへの愛を利用して、もっと多くの女の子がこの分野に興味を持てるような方法をみつけられないかと考えていました」と言う。

Vidcodeはハッカソンから1年後に正式な形でローンチされ、製品開発のための資金調達キャンペーンをKickstarter上で実施した。

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さらにDiraclesは「私たちはコーディングとティーンエイジャーの日常的な趣味を結びつけようとしていて、今で言えば、ビデオフィルターやInstagram、Snapchatなどがこれにあたります。Vidcodeでは、このようなテクノロジーの作り方やコーディングを使った改良の仕方を紹介しています」と語る。

現在Vidcodeは、Codeacademyのようなオンラインの自習用コースを提供している。生徒は1つ45分程度のレッスンを進めながら、オンラインコードエディターで実際にコーディングを行うことができる。しかし、Vidcodeの特徴はスクリーンの右側に設置されているメディアライブラリーの存在で、生徒はここに自分の写真やビデオをアップロードすることができる。この機能を使うことで、生徒は自分自身のメディアを使うことができ、勉強をより身近なものに感じられるのだ。

また、各レッスンは必要に応じて繰り返すことができるため、学生は自分のペースで勉強を進められる。

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昨年ローンチされたオンラインコースのほか、最近では教室でVidcodeのサービスを使うための教師用ツールも導入され、年単位での契約が可能だ。今ではアメリカの5000もの学校でVidcodeのソフトが利用されており、プラットフォーム上には10万人の生徒が登録している。同社によれば、生徒は週に2つから3つのプロジェクトを完了させている。

Vidcodeのこれまでのデータを見れば、ティーンエイジャーの好きなものを使ってコーディングに興味を持たせるというアイディアが機能していることが分かる。ポケモンGOの人気をうけ、Vidcodeが1週間ちょっと前にARゲームの作り方について学べるコースを開設したところ、1週間のうちに5000ものプロジェクトが作成されていた。

また、SnapchatはVidcodeにとって数あるパートナーの1社に過ぎない。同社は、Girl Scouts of Greater New Yorkと共同でミドルスクール用のコーディングプログラムの作成にあたっているほか、Intel EducationやAmy Poehler’s Smart Girlsといった組織とも協業を行っている。さらにDiraclesは、現在彼女たちがFacebookとVR教育に関する話をし始めたところだと付け加えた。

7人のフルタイムスタッフで構成されるVidcodeは、今夏Y Combinatorに参加予定で、Kickstarterキャンペーン後には小規模エンジェルラウンドで資金調達を行った。

Snapchatコンテストは水曜日からこちらで開催予定。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Instagram、Storiesをリリース―24時間後に消えるスライド共有は「Snapchatのフォーマット」とCEO認める

LONDON, ENGLAND - MARCH 09:  Kevin Systrom arrives at a party hosted by Instagram's Kevin Systrom and Jamie Oliver. This is their second annual private party, taking place at Barbecoa on March 9, 2015 in London, England.  (Photo by David M. Benett/Getty Images for Instagram)

シリコンバレーにいないものといえば、他の人間のアイディアをコピーしたと認める起業家だ。ところがFacebookの本社―世界有数の巨大なビジネスが運営されている場所―でInstagramのファウンダー、CEOのケビン・シスストロムの発言は私を仰天させた。

シストロムはInstagramがリリースしたInstagram Storiesのデモを見せてくれた。この新しいプロダクトは24時間で消える気軽な写真共有サービスだが、あまりにもライバルのSnapchatに似ているので、シストロムの洒落れたオフィスでプレゼンのスライドを見せられながら私は笑いをこらえるのに苦労するほどだった。

シストロムはInstagramをFacebookに10億ドル近くで売却した、しかしどうやら彼自身はそこから想像されるような華々しい生活をしていないらしい。Instagramのフィードにあまり写真を投稿していない。Instagramは基本的に「生活のハイライト」の写真を投稿するサイトだ。10代のユーザーは投稿後数分で十分な数の「いいね!」が付かないと写真を削除してしまうことが多い。そのためInstagramにはSnapchatのような「なんでもない日常の情景」を写した写真が少ない。【略】

これがシストロムがInstagram Storiesを作った理由だ。

...including an interview with Instagram CEO Kevin Systrom where he says Snapchat "deserves all the credit"

記録を残すのか、体験を共有するのか?

24時間で消えるスライド共有がソーシャルメディア全般にどういう影響を与えるかはまだ不明だ。しかしInstagramという巨大なフィードに欠けていた部分を補うサービスなのは間違いない。Storiesは「大人向けSnapchat」だ。Snapchatの機能や画面への書き込みツールがInstagramにあったらいいと考えていたユーザーは多い。

Storiesのようなサービスに対する私の懸念は、日常の些細な場面を常にフィードするライフキャスティングが人々のポピュラーな行動パターンになりはしないかという点だった。美しい夕日が沈むの見ているときでも、あわててスマートフォンを引っ張りだして自分の体験を放り出し、記録を残さねばならなくなる。

しかしシストロムはそういうふうには考えていなかった。記録か体験かという問題を尋ねられるとシストロムは「なるほどネガティブな面もあるが、ポジティブなユースケースの可能性が圧倒的に上回ると考えた」と答えた。たとえばこれまで北朝鮮や難民キャンプでの日常がInstagramにアップされることはなかった。

「美しい夕日を見ているときに慌ててスマートフォンを引っ張り出すという側面と、世界の無数の人々とつながり、多様な生活を直かに見て新しい考え方、異る文化を理解するためのハードルが低くなる側面〔との比較だ〕。Instagramは世界を巨大な共時的存在と感じさせることに役立った。いつでも誰とでもつながることができ、自分自身は非常に小さいものでありながら多くの人々と共にあるという感覚だ」とシストロムは言う。【略】

テクノロジー・ビジネスで稀な正直さ

なるほどこれまでInstagramには「共有性が足りなかった」かもしれない。しかし私には Instagram Storiesは「共有が過剰」ではないかという思われた。しかしそれはともかくとしてシストロムのオフィスでデモを見た全員の頭上に”Snapchat”という口に出されない大きな疑問がずっとわだかまっていた。そこで私は率直に尋ねた。

「重要な点だと思うが、24時間で消えるライフキャストの共有というフォーマットはSnapchatがパイオニアで、実際、コンセプトから実装手法、細かい機能まで…」

「そのとおり。すべての功績はSnapchatのものだ」とシストロム

シストロムの言葉に私はのけぞった。

Facebookは以前にもPokeやSlingshotでSnapchatをまるごとコピーして失敗に終わったことがある。Facebookの「過去のこの日(On This Day)」は TimeHopというスタートアップをまるごとコピーしたものだ。ハッシュタグや話題のトピックの採用はTwitterのコピーだ。にもかかわらずこうしたプロダクトの責任者は「われわれのユーザーの行動を詳しく観察した結果だ」とか「他人の動向を気にしたことはない」とか述べるのが普通だった。

しかしシステムは大胆にも真実を口にした(強調は筆者)。

これはフォーマットの問題だ。新しいフォーマットをサービスに取り込んで、独自の性格をもたせることができるかどうかだ。【略】

誰もが周囲を見回して最良のフォーマット、最高の先進テクノロジーを採用しようとする

Snapchatで好評の顔フィルターは既存の顔認識テクノロジーを採用したものだ。スライドショーももちろん既存の技術だ。スライドショー作成はFlipagramがだいぶ前から提供している。シリコンバレーのおもしろいところはここだと思う。ゼロから新しいプロダクトを考えつくのは不可能だ。 しかし「このフォーマットはここがすごい」と見極めて、それを自分のサービスに適用することはできる。

Snapchatは非常にいい仕事をした。Facebookもいい仕事をした。Instagramもいい仕事をした。われわれはみないい仕事をしたと思う。彼らはあれを発明した。われわれはこれを発明した。そういう世界だ。

Gmailだって最初のメール・クライアントではない。Googleマップも最初のオンライン地図ではない。iPhoneが最初の携帯電話ではないのは誰もが知っている。重要なのは既存のフォーマット何を付け加えられたかだ。【略】

エンジニアリングの世界でこれは「正しいやり方(The Right Thing)」と呼ばれている。困難な問題を解決するために誰もが採用すべきベストの方法といった意味だ。テクノロジーのバックエンドに「正しいやり方」を採用したプロダクトには、「自分が発明したのではない」としても、標準に成長したものが多数ある。Amazon Web Services、Twilio SMS、各種のMySQL データベース、みなそうだ。

しかしシリコンバレーには病んだプライドが蔓延しており、本質的にはコピーであるにもかかわらず、見た目を少々変えるだけで独自性を主張する例が多い。

Instagram Stories vs Snapchat Stories

Instagram Stories(左)とSnapchat Stories(右)

しかしシストロムはプライドという病とは無縁のようだ。願わくば多くの起業家がシストロムを手本として、透明性を口に唱えるだけでなく堂々とコピーしたソースを名指せるようになってもらいたいものだ。

Instagram Storiesについてのわれわれの記事はこちら。:

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

2016年前半のモバイルを制したのはソーシャルメディアアプリ(SurveyMonkey調べ)

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SurveyMonkey Intelligenceの最新レポートで、米国のiOSおよびAndroidのアプリストアで今年最も多くダウンロードされたアプリ、および最もよく使われたアプリ(*)のトップ30が公開された。
[*月間アクティブユーザー数による]

2016年前半、Facebook、Snapchat、Instagramをはじめとするソーシャルメディアアプリがモバイルゲームを押さえて上位を占めた。

ポケモンGOが米国で公開されたのは7月6日なので、この超人気タイトルはランキングに入っていない。ダウンロード数でトップ10に入った唯一のゲームはSlither.ioだった。米国で最もよく利用されたアプリトップ30にゲームタイトルの名前はなかった。

音楽アプリは常連のPandroaとSpotifyから新参のMusial.lyまで好調な結果を見せた。

デベロッパーの善意にかかわらず、ヘルス&フィットネスアプリはダウンロード数、利用数いずれのトップ30にも入っていない。

調査結果は、最多ダウンロードアプリが最も多く利用されてないことを例によって示している。

ダウンロード数トップ5は、Messenger、Snapchat、Facebook、Instagram、およびColor Switchで、最頻利用アプリのトップ5は、Facebook、YouTube、Messenger、Google Maps、およびPlay Storeだった。

最頻利用ランキングで、Facebook、Apple、Googleのいずれにも属さないアプリを見つけるためには、13位のSnapchatまで下らなくてはならない。

「最頻利用アプリの40%はオペレーティングシステムに組み込まれており、AndroidとiOSがGoogleとAppleにとっていかに重要であるかを浮き彫りにすると共に、この階層の奥深くへ入り込もうとするFacebookの強い意思が垣間見られる」。

ランキングの全順位は以下の通り。

Image Credit: Survey Monkey

Image Credit: Survey Monkey

Image Credit: Survey Monkey

Image Credit: Survey Monkey

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AI利用の写真アート化アプリ、Prismaが大ブーム―大手ソーシャルメディアが買収?

2016-07-20-prisma

Prismaはユーザーが撮った写真を簡単にピカソやモンドリアンの描いた絵のように変えてくれるアプリで、 AppleのApp Storeのアプリのチャートのトップにいきなり躍り出た。今日(米国時間7/19)、Prismaは非公式にAndroid向けベータ版のアプリケーション・パッケージ(APK)を公開した。さて、この超ホットなアプリを作ったスタートアップの今後はどうなるのだろう?

われわれはPrismaが投資家と資金調達に関して話し合っているとう情報をつかんでいる。しかしPrismaにとってはFacebook/InstagramあるいはTwitter、Snapchatといった有力なソーシャルメディアに買収されるほうがメリットが大きいかもしれない。

私はPrismaの共同ファウンダー、CEOのAlexey Moiseenkovに今後の動きを尋ねてみた。Moiseenkovは「今のところその点については話せるような情報がない。今週末までにはもう少し話せるだろう」と答えた。つまり現在何らかの重要な交渉が進行しているらしい。

実は今週、MoiseenkovはFacebook本社を訪問し、Facebook LiveのビデオにPrismaフィルターを適用したらどんな効果が得られるかをデモしていた。Prismaはまだビデオ・フィルターを発表していないが、開発は進んでいるのだという。つまりFacebookがPrismaを買収しようと考えている可能性はある。FacebookがMSQRDを買収する数日前、Facebookのトップは本社でそのアプリを試しているのが目撃されている。私がFacebookにPrismaを買うつもりなのか尋ねると、「われわれは噂や推測にはコメントしない」というお決まりの答えが返ってきた。

次世代のクリエーション・ツール

ともあれPrismaはすごいアプリだ。私は数多くの古い写真にPrismaのフィルターを適用してみた。すると何気ない自撮り写真や風景写真が特別に意味あるもののように見えてくるのだった。

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Prismaがスタートしたのはわずか1ヶ月前で、TechCrunchのNatasha Lomasが即座に注目し、紹介した。Moiseenkovは写真を古典絵画風に変貌させるオープンソースの人工知能アルゴリズムを発見したが、このアルゴリズムの欠点は非常に遅いことだった。1枚を処理するのに数時間もかかることがあった。Prismaのチームは独自に数秒で処理できるAIアルゴリズムを開発した。そこでモバイルでアプリ化することが可能になった。

App Annieによれば、PrismaはすでにアメリカのApp Storeの全ジャンルで10位、写真・ビデオアプリの部で3位となっている。この躍進にはフィルターを適用された作品に表示されるPrismaという透かしも貢献している(多くのユーザーはなぜか気づいていないが、実はアプリの設定メニューから透かしの表示をオフにできる)。作品をFacebookないしInstagramで共有するのも非常に簡単だ。

Prisma Charts

ただしPrismaには独自の共有フィードがない。つまりフィードを有料化することはできない。現実的な収入の道は追加のフィルターに課金するしかない。しかしPrismaは画像のAI処理では先頭を走っている。現在Prismaは「写真を絵画に変容させる」処理の代名詞だ。しかし収益化を急ぎ過ればクローンやライバルの登場といった副作用が出るかもしれない。

買収?

となれば最近優秀なツールを開発した他のスタートアップの辿った道、つまり大手ソーシャルメディアによる買収が適切かもしれない。SnapchatはLookseryを1億5000万ドルともいわれる金額で買収し、 自画撮り共有アプリのLensesに統合した。Snapchatはユーザーが簡単にアバター絵文字を作れるBitmojiを買収した。金額は1億ドルといわれている。今日Snapchatは Bitmojiの機能をメインのアプリに追加した。FacebookもMSQRD〔マスカレード〕を買収した。このアプリはLooksery同様、顔認識機能をベースにユーザーの顔を思い切って奇妙な顔マスクと入れ替えるものだ。

Prisma App

Prismaはおそらく大規模なソーシャルメディアのアプリに組み込まれることで大量のユーザーを獲得することを考えているはずだ。Prismaを獲得したソーシャルメディアは共有されるオリジナル写真を大きく増やすことができる。

Facebook自身のオリジナル・コンテンツの共有が頭打ちと伝えられる中、ライバルのオリジナル・コンテンツが増えることは是が非でも避けたいはずだ。ユーザーはニュースフィードよりも手軽なSnapchatでの「ライフキャスト」にシフトする傾向を見せているため、Facebookは最近ニュースフィードの表示アルゴリズムを変更し、ユーザーの友達の投稿に高い優先順位を与えている。

Facebook LiveとPrismaは適合性が高いだろう。Prismaのフィルターを通せば、自撮りビデオに付随する気恥ずかしさや貧弱な照明といったハードルを下げ、Facebook Liveの利用を大きく拡大できる可能性がある。FacebookがPrismaを買収すれば、他のソーシャルメディアによる買収を妨げるというメリットもある。

4年前、InstagramはAndroid版を公開した直後にFacebookに買収された。その後Instagramは5億人のユーザーを有するまでに急成長した。今となれば10億ドルの買収価格はポケットの小銭同様に思える。 l

Prismaはこのまま独自の道を歩むのだろうか? それともすぐにPrismagram(あるいはSnaprism)へと変貌するのだろうか?

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+