イーロン・マスク氏が「次のTwitterを作りたい」と熱望しても心配する必要はない

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が先週末、地震のソーシャルメディアプラットフォームの構築について「真剣に考えている」とツイートした。

「Twitterが事実上、公共の広場として機能していることを考えると、言論の自由の原則を守らないことは民主主義を根本的に損なうことになる。では何をすべきでしょうか?」と、TeslaとSpaceXのCEOで億万長者、連続起業家である彼はツイートした。

このツイートを読んで血圧が上がった人は、あなただけではない。深呼吸をしよう。彼のDogeSociælXアプリが登場するのは、まだ先の話だ。

マスク氏はこれまでにも、Teslaに関するばかげたミームや考え、さらには重要情報までツイートし、米国の規制当局が眉をひそめる以上の反応を示すと、ショックを受けたように振る舞った過去がある。しかし、マスク氏がTwitterで彼の奇抜なアイデアを実行に移すとなると彼の実績はあまり芳しいものではない。

マスク氏が、次のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)になるという幻想を公言するのは、これが初めてではない。

2018年にTeslaのおかしな経営を、ジャーナリストたちに批判されたとき、彼は「Pravda」というウェブサイトを立ち上げると明言した。Pravdaはロシア語で「真実」という意味で、ロシアの歴史的共産主義者新聞(旧:ロシア共産党機関紙)の名前だ。マスク氏によるそのウェブサイトでは、読者がジャーナリストや編集者やメディア紙誌の「真実度」や「信頼度」を格付けできる。ありがたいことに、この彼のアイデアは実現しなかったが、今ではTwitter自身がメディアを評価する場になっており、ジャーナリストたちもそのことをよく知っている。

E.W. Niedermeyer:メディア批評家として有名で、客観的なジャーナリズムの擁護者であるイーロン・マスクは、Washington Postを買えばそれが自分の個人的なPR攻撃部隊になる、考えている。そう考えれば、今回の件も理解できる。

Faiz Siddiqui:マスクの衝動的で頑固な性格は、他社と違って戦闘的な姿勢を持つ自動車メーカー(Tesla)からの買い埋めを確保するための特別な戦略を必要とした。彼の記事へのコメントの求めに応じてマスクは「これで100回目だが、きみの人形使いによろしく」と言った。

E.W. Niedermeyer:公共の広場としてのTwitterの公正に関するマスクによる突然の真剣で本気の懸念は、メディアの正確さと客観性に関する2018年の懸念と同じで、彼(と彼のフォロワー)の不条理な迫害幻想を補強するための深い偽善的な策略だ。

マスク氏のTwitter生まれのアイデアが離陸するとき、それは次のSpaceXのような本物になったためしがない。

また彼の道化ぶりが際立った年である2018年、マスク氏は彼自身の「銀河系メディア帝国」を発表した。それは「Thud」と呼ばれる(最後に感嘆符が付いてもよい)コメディカンパニーだ。2021年、イーロン・マスク氏がサタデー・ナイト・ライブでホストを務めたあと、私はユダヤ教的なジャーナリズムの仕事に着手した。マスク氏がコメディメディアへの進出を企てたことを忘れていたThudの元従業員13人全員に連絡を取ったのだ。

誰もオフレコで話してくれる人はいなかった。「The Onion」の元編集者たちによって運営されたThudは失敗し、その後、履歴書の会話のネタにされました(元Theranos社員なら共感できるはずでだ)。これらのライターやデザイナーが、Thudについて振り返りたくないのも無理はない。同社のミニマリスト向けウェブサイトでは、Thud(Thudとはモノが落ちるときの「ドサッ」という音のこと)は「短命」で「その名のとおり」といわれている。

当初、マスク氏ははThudに200万ドル(約2億5000万円)を注ぎ込んだが、彼は突然その会社を去り、残された編集者たちに収益化の計画はなかった。

当時編集者のCole Bolton(コール・ボルトン)氏はVergeに対して「億万長者がバックにいるプロジェクトが突然、独立のメディアになるんだ。どうなるかわかるだろ」と語る

これまでにも、ネット上で突拍子もない発言をしてはおもしろがっていたこともあり、マスク氏が突然ソーシャルメディア帝国を作ろうとしていることに慌てる必要はないだろう(この帝国は銀河系でもないのだ!)。さらに、新しいプラットフォームの背後に大物がいる場合でも、それが軌道に乗るという保証はない。Donald Trump(ドナルド・トランプ)自身の新しいアプリ「Truth Social」は、メインストリームである4chanになる準備が整っているように思うかもしれないが、ローンチから数週間経っても、97万6985番目の待ちのままだ。また、一度入場しても、パーティーはあまり盛り上がらないようだ(「セクシーな女の子とのゴルフ」が好きな人は別だが)。

kelsey weekman:やっとTruth Socialの待ち行列を抜けたわ。

仮にマスク氏が独自のソーシャルメディアプラットフォームを構築したとしても、Twitterのようなリーチ力はないだろう。彼は7940万人のフォロワーを誇りBarack Obama(バラク・オバマ)やJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)といった人物に負けず劣らず、同サイトで最もフォローされているユーザーのトップ10にしっかりと入っている。しかし、Taylor Swift(テイラー・スウィフト)やKaty Perry(ケイティ・ペリー)と違い、マスク氏はそのフォロワーを利用してヒトラーのジョークを口にしたり、Twitterの新CEOであるParag Agrawal(パラグ・アグラワル)氏をJoseph Stalin(ヨシフ・スターリン)に例えたりしている。注目すべきは、自由に発言することを許されないと不満を漏らしているマスク氏だが、これらの不適切なツイートはプラットフォームによって削除されなかった。ヒトラーのミームは彼自身が削除し、アグラワル氏への侮辱はまだ公開されている。

これは言論の自由の問題ではなく、あらゆるかたちの規制を嫌うマスク氏自身の姿勢に他ならない。マスク氏の約8000万人のフォロワーが彼の理論的な新プラットフォームに移行するかどうかは疑問だが、仮に移行したとしても、SECはマスク氏が共有するどのようなインサイダー情報についても責任を問うことができる。

Twitterは常にマスク氏の最も強力なツールであり、トランプ氏のように、SECがいずれ監視することになる新会社を立ち上げようとしても、何も得るものはないように思われるのだ。

これは、熱狂的な夢を実現できるほど裕福で自負心が強い権力者による脅威を心配することはない、ということではない。

結局のところ、マスク氏はトランプ氏より少しばかりビジネスが上手なのだろう。しかし、マスク氏のツイッターでの発言は、偏向的な対話しか生まず、マスク氏のツイートが市場を動かすことがあっても、とには、ただドスンと音を立てて落ちてしまうことを私たちは忘れている。

画像クレジット:Liesa Johannssen-Koppitz/Bloomberg/Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

テスラ、新型コロナによる都市封鎖で再び上海工場を閉鎖

Tesla(テスラ)は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者急増を受け、Gigafactory(ギガファクトリー)上海工場を閉鎖する。閉鎖は今月2回目だ。Volkswagen(フォルクスワーゲン)とGeneral Motors(ゼネラルモーターズ)は3月28日、上海の事業には影響がないと発表した。

Teslaの24時間稼働工場は、上海がロックダウン(都市封鎖)されるのにともない、3月28日から4日間、生産を停止する。同社は3月中旬にも、新型コロナ感染者増加で同工場を2日間閉鎖した

ギガファクトリー上海は世界最大のEV(電気自動車)工場で、毎日約2000台を生産している。そのほとんどは、中国の消費者とドイツや日本など同社にとって重要な市場向けのModel YとModel 3だ。工場の閉鎖は、世界的なサプライチェーンの逼迫と相まって、同社がこのほど予告したマスタープラン・パート3の妨げとなる可能性がある。このマスタープランでは、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が「極限」サイズまで事業拡大する戦略について説明するとツイートしている。

中国の新型コロナ新規感染者の大半は上海で報告されていて、ほとんどのケースが無症状だという。地元政府は3月28日、大規模な検査を行うために2段階のロックダウンを開始した。ギガファクトリーは第1段階のロックダウンの影響を受ける地域にあり、このロックダウンは4月1日まで続く。

Teslaは3月15日、欧州初の工場としてベルリンに50億ドル(約6160億円)を投じた施設を開所した。

同社はまた3月28日に米証券取引委員会に提出した書類で、株主への配当を行うために株式分割を行う意向を発表した。同社は年次株主総会で「株式配当の形で当社普通株式の分割を可能にするために【略】普通株式の発行可能総数を増加させる」提案を行う予定だ。

同社は2020年8月に1株を5分割した。

画像クレジット:Qilai Shen/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Nariko Mizoguchi

米証券取引委員会「誰かがイーロン・マスク氏のツイートを監視しなくてはならない」

米国時間3月22日、証券規制当局は、自分たちにはTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏を彼のツイートに関して召喚する権限があると発言し、連邦裁判所に対しこの会社幹部に好き勝手なツイートをさせないよう要請した。

マスク氏は、2018年にTeslaに関する特定のパブリックコミュニケーション、すなわち株価や株主価値に影響を与えるような乱暴なツイートについて事前承認を得るようマスク氏に求めた米国証券取引委員会(SEC)の行為を、「ハラスメント」「不当な行為」と呼んでいる。

当時マスク氏はSECの要求に従うことに同意したが、2021年同氏がTwitter(ツイッター)で自身のフォロワーに対してTeslaの持ち株の10%を売るべきかどうか質問し、その結果Tesla株が急落したことを受け、再び砲火を浴びた。その後マスク氏は160億ドル(約1兆9379億円)相当の株を売却した。そしてその直後の2021年11月にSECは、マスク氏が以前の合意に従っているかどうかを確認するために召喚状を発行している。

SECの調査に対し、マスク氏は2018年の同意判決を終了あるいは修正しようと試み、11月のTwitterでの問いかけに関する記録を要求する召喚状を破棄しようとした。

「2018年、SECによる処置を示談にするために、マスク氏は、Teslaに関連する公開発言の事前承認を必須にするTeslaの義務に従うことに同意しました」とSECのMelissa Armstrong(メリッサ・アームストロング)委員がニューヨーク市連邦裁判所に提出した書類に書いた。「マスク氏は、Teslaの義務が思っていたより不便であるとわかったから、あるいはTeslaの情報開示に関する制御と手続きが実際に維持、遵守されているかどうかをSECに調査されたくない、というだけの理由で修正最終決定を破棄することはできません」。

SECとの対立は2018年8月に遡る。当時マスク氏はTeslaを非公開化するための「資金を確保した」とツイートしたが、実際には買い戻しは行われず「数多くの不測の事態を招いた」とSECは説明している。規制当局は、Teslaの発言は詐欺的であり「虚偽で誤解を招く」ものであったと指摘した。マスク氏は潜在的財政パートナーとの契約条件や価格の交渉を一切しておらず、彼のツイートはTeslaの株価を6%以上急騰させ、著しい市場崩壊を招いたと規制当局は語った。

示談の結果、Teslaとマスク氏はそれぞれ2000万ドル(約24億円)の民事制裁金を支払い、マスク氏はTeslaの会長を辞任した。

その後マスク氏は、政府を批判し憲法修正第1項の下で言論の自由を行使した彼を罰したとしてSECを非難し、2018年から現在までのSECによる「数多くの要求」に対する不満を述べた。

「しかし主張された要求に関するマスク氏自身の歴史は信憑性に欠けるとともに、Teslaとマスク氏による新たな不法行為の可能性についても適切な審理が必要であります。これには、SECの2018年の要請行動を生じさせた行為も含まれます」とアームストロング氏は法廷提出書類で述べている。

それに加えて、同委員は、2018年の最終決定を修正してもマスク氏はTesla関連ツイートに対する監視から逃れられない、なぜなら同社の役員として「マスク氏は今もTeslaの開示に関する制御と手続きの対象だからです」と語った。

「マスク氏とTeslaがマスク氏のTwitterアカウントを使って投資家に情報を開示する限り、SECはTeslaの開示統制と手続きに関連する事項を合法的に捜査することが可能であり、マスク氏のTeslaに関するツイート、およびTeslaによる制御と手続きに関する公開発言の正確性もこれに含まれます」とアームストロング氏は語った。

関連記事:イーロン・マスク、TwitterでSECを挑発

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nob Takahashi / facebook

マスク氏、テスラ事業を「極限サイズ」まで拡大する計画を明かす

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)初の欧州工場の開所を翌日に控えた現地時間3月21日、Twitterで同社の「マスタープラン・パート3」の発表を予告し、同社の事業を「極限」まで拡張する計画を示唆した。

マスク氏は同日、同社の長期計画の次の内容を支えるテーマ、すなわち人工知能と自動車メーカーの事業規模の拡大をTwitterで明らかにした。

「Teslaの主なテーマは、人類を化石燃料から解放するために必要な極限規模への拡大とAIです」とマスク氏はツイートした。「しかし、SpaceX(スペースエックス)、Tesla、The Boring Company(ザ・ボーリング・カンパニー)に関する項目も盛り込む予定です」。

この計画は、Teslaにとって「極限サイズ」がどのようなものかを詳述し、世界的なパンデミックとサプライチェーン逼迫の中で製造とサプライチェーンを拡大するための同社の戦略を概説する可能性がある。

同社は3月22日に欧州初の工場を開設し、そこで生産された初の量産車を引き渡す予定だ。50億ドル(約5970億円)を投じて建設したベルリンの工場では、欧州最大の自動車メーカーVolkswage(フォルクスワーゲン)と同社の1000億ドル(約11兆9500億円)ものEV投資に対抗するために、年50万台超の電気自動車を生産する予定だ。

Teslaは先週、中国のオミクロン新規感染者数の増加とサプライチェーンの制約を受けて、24時間稼動の上海ギガファクトリーを2日間閉鎖した。同工場は1日あたり約2000台を生産し、相当数のModel 3とModel Yを欧州に輸出している。

「マスタープラン」の第1章と第2章は、同社の製品と技術の開発に関する正確なロードマップであることが証明された。第1章は「The Secret Tesla Motors Master Plan(秘密のTesla Motors マスタープラン」と題した2006年のブログ投稿でTeslaの概念実証の概要を示した。

その10年後、「パート2」として更新されたマスク氏のマスタープランは、バッテリーストレージの開発、バッテリー電動ピックアップトラックとSUVを含む新モデルの発売の計画についてだった。第2章が終わりに近づいた今、マスクはTwitterでテスラの次の章を予告し始めた。

また、マスタープランがマスク氏の各会社に焦点を当てるのは今回が初めてで、同氏が親会社を作ってすべての会社を1つ屋根の下に置くつもりではないかとの憶測を呼んでいる。しかし、ツイートでのSpaceとThe Boring Companyへの言及は、将来における両社のコラボレーションを暗示している可能性もある。

画像クレジット:ROBYN BECK/AFP / Getty Images

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラが上海ギガファクトリーを2日間閉鎖、新型コロナ感染者急増で

中国のオミクロン感染者数が増加し、政府が現地での規制を強化する中、電気自動車メーカーのTesla(テスラ)は上海ギガファクトリーを2日間閉鎖する。

ロイター通信によると、Teslaは米国時間3月16日、従業員とサプライヤーに工場閉鎖を知らせる通知を送付した。

Teslaは、16日と17日に生産を停止する理由を明らかにしていない。しかし、世界二大自動車メーカーのトヨタとVolkswagen(フォルクスワーゲン)も今週、新型コロナウイルス感染者が中国で増加し、政府がその急増を抑制するために追加の規制を行ったため、現地での操業を一時停止している。Teslaの生産停止はそうした中でのものだ。

また、サプライチェーンの制約が操業停止につながっている可能性もある。

24時間稼働する工場はTeslaのグローバルな事業、そして収益にとって重要な役割を担っている。Teslaの工場の中で生産台数が最も多い上海ギガファクトリーは、かなりのModel 3およびModel Yを欧州に輸出している。同工場は1日あたり約2000台を生産しているため、2日間の操業停止でも同社の生産台数は激減し、納品がさらに遅れる可能性がある。

中国では新型コロナが再び急増し、2022年1~3月の感染者数は2021年の総数を上回った。1日あたりの新規感染者数は、2020年3月にパンデミックが発生して以来の水準に達しようとしている。

パンデミックを通じて、中国政府は感染を封じ込めるために集団検査と隔離を実施してきた。

画像クレジット:Getty Images

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Nariko Mizoguchi

Teslaが電気自動車の全ラインナップを値上げ

Tesla(テスラ)が3月で2度目となる電気自動車の値上げに踏み切った。前週である3月7日の週にロングレンジモデルの一部を1000ドル(約11万8200円)値上げしたのに続き、今度はラインナップ全体をさらに大きく値上げした。Electrekが報じた通り、ベースのModel 3は4万6990ドル(約555万4300円)からで、これまでより2000ドル(約23万6400円)高い。Model 3デュアルモーターAWDは5万4490ドル(約644万700円)で2500ドル(約29万5500円)の値上げ、パフォーマンスモデルは6万1990ドル(約732万7200円)で3000ドル(約35万4600円)の値上げとなった。

画像:Tesla

Model Yはロングレンジモデルで6万2990ドル(約744万5400円)からで2000ドル(約23万6400円)高くなった。パフォーマンスモデルは3000ドル(約35万4600円)高くなり、6万7990ドル(約803万6400円)。Model Sは両オプションとも5000ドル(約59万100円)の値上げで、9万9990ドル(約1181万8800円)からとなる。Model Xの値上げ幅が最も大きく、1万ドル(約118万2000円)上がって11万4990ドル(約1359万1800円)となった。

Teslaはひっそりと値上げをしたが、この動きは突然のことではなかった。同社CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏はTwitterで値上げの可能性を示唆していた。同氏は、TeslaとSpaceXのどちらも「原材料(と)物流が最近の激しいインフレ圧力」に直面していると述べた。同氏は詳しくは述べなかったが、ロシアから輸出される原材料不足に対する懸念から物価が急上昇しているとする記事をリンクした

ロシアによるウクライナ侵攻で影響を受けている原材料の1つがニッケルで、ニッケルの価格は侵攻開始から2倍以上に高騰している。ロシアはニッケルの重要な供給国で、ニッケルはTeslaなどの電気自動車メーカーが使用するリチウムイオンバッテリーに欠かせない材料だ。さらにElectrekによれば、ガソリン価格上昇による電気自動車への関心の高まりを受けてTeslaに対する新規の注文が大幅に増えているという。

今後数年間にわたって見込まれるインフレ率を、あなたはどう考えるだろうか?

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moon(マリエラ・ムーン)氏はEngadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Tesla

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(文:Mariella Moon、翻訳:Kaori Koyama)

フォード、前を走るテスラに追いつこうとEV投資を約5兆7730億円に増額

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)は、EV事業向けの投資額を従来の2025年までに300億ドル(約3兆4645億円)という目標から、2026年まで500億ドル(約5兆7730億円)に引き上げる。このニュースは米国時間3月2日、Fordが2月上旬に行った2021年第4四半期決算説明会で触れたように、EV事業をガソリン車事業から分離し、独立採算制にすることを確認した後、Jim Farley(ジム・ファーリー)CEOが発表した。

Fordが電動化投資額を引き上げるのは、この1年足らずで3回目となる。Fordは2021年5月にEV事業に220億ドル(約2兆5378億円)を投資することを発表しており、業界のリーダーであるテスラに追いつくために、財務的な強化を続けていることを示している。

Fordは「Ford Model e(フォード・モデルe)」と名付けた新しいEV事業を通じて、2026年には世界年間生産台数の3分の1に相当する200万台以上のEVを製造し、2030年までに総台数の50%を電動化する計画だとファーリー氏は述べている。ただし、John Lawler(ジョン・ローラー)CFOによると、次世代モデルの生産が始まる2025年までは利益を上げられない見込みだという。Ford Model eと、同社のより伝統的なICE部門であるFord Blue(フォード・ブルー)は、2023年までに別々の決算を報告する予定だ。

Fordは2022年、EVに50億ドル(約5768億円)を費やすと見込んでおり、これは2021年の倍である。

多くの業界アナリストは、FordがEV事業をスピンアウトすると予想しているが、ファーリー氏は、それが近いうちに実現することを示唆しなかった。しかし、それは将来的にその可能性がないということではない。

「ICE事業はキャッシュを生み出すために、EV事業はイノベーションにフォーカスするために必要なのです」とファーリー氏は語った。

Fordは2月に7万2000台の車両を受注し、前年同月の5万4000台を上回った。その大半はトラックとSUVだが、同社のEV販売台数は2月までに55.3%増加し、セグメント全体よりも速いペースで伸びているという。

画像クレジット:Ford

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Den Nakano)

フォード、前を走るテスラに追いつこうとEV投資を約5兆7730億円に増額

Ford Motor Company(フォード・モーター・カンパニー)は、EV事業向けの投資額を従来の2025年までに300億ドル(約3兆4645億円)という目標から、2026年まで500億ドル(約5兆7730億円)に引き上げる。このニュースは米国時間3月2日、Fordが2月上旬に行った2021年第4四半期決算説明会で触れたように、EV事業をガソリン車事業から分離し、独立採算制にすることを確認した後、Jim Farley(ジム・ファーリー)CEOが発表した。

Fordが電動化投資額を引き上げるのは、この1年足らずで3回目となる。Fordは2021年5月にEV事業に220億ドル(約2兆5378億円)を投資することを発表しており、業界のリーダーであるテスラに追いつくために、財務的な強化を続けていることを示している。

Fordは「Ford Model e(フォード・モデルe)」と名付けた新しいEV事業を通じて、2026年には世界年間生産台数の3分の1に相当する200万台以上のEVを製造し、2030年までに総台数の50%を電動化する計画だとファーリー氏は述べている。ただし、John Lawler(ジョン・ローラー)CFOによると、次世代モデルの生産が始まる2025年までは利益を上げられない見込みだという。Ford Model eと、同社のより伝統的なICE部門であるFord Blue(フォード・ブルー)は、2023年までに別々の決算を報告する予定だ。

Fordは2022年、EVに50億ドル(約5768億円)を費やすと見込んでおり、これは2021年の倍である。

多くの業界アナリストは、FordがEV事業をスピンアウトすると予想しているが、ファーリー氏は、それが近いうちに実現することを示唆しなかった。しかし、それは将来的にその可能性がないということではない。

「ICE事業はキャッシュを生み出すために、EV事業はイノベーションにフォーカスするために必要なのです」とファーリー氏は語った。

Fordは2月に7万2000台の車両を受注し、前年同月の5万4000台を上回った。その大半はトラックとSUVだが、同社のEV販売台数は2月までに55.3%増加し、セグメント全体よりも速いペースで伸びているという。

画像クレジット:Ford

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Den Nakano)

イーロン・マスク氏、テスラのカリフォルニア工場で組合投票を実施するよう全米自動車労働組合に挑む

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)がカリフォルニア州フリーモントの工場で全米自動車労働組合(UAW)が組合投票を行うことを阻止するために何もしないと述べた。マスク氏はツイートの中で、ベイエリアにおけるTeslaの真の課題は、求職者数より求人数が多いマイナスの失業率であり、そのため「(すばらしい)人々」をよく扱い、報酬を与えている、さもなければ彼らは去ってしまうだろう、と述べている。

マスク氏は、Biden(バイデン)大統領が一般教書演説でTeslaについて言及しなかったことを非難した際に、マスク氏の味方をしたKissのリード・シンガー、Gene Simmons(ジーン・シモンズ)氏に反応してこのツイートを投稿した。大統領は、Ford(フォード)とGeneral Mortors(ゼネラルモーターズ)が数十億ドル(数千億円)を投じて電気自動車を発売し、それによって何千人もの雇用を生み出していることを称賛しただけだった。Bloombergが指摘するように、大統領は労働組合の支持者であり、非組合員を抱えるTeslaを演説やインタビューの中でしばしば無視することがある。

マスク氏は、その後のツイートで、Teslaの工場労働者の報酬は自動車業界で最も高いと主張し、ソースとしてGMのMary Barra(メアリー・バーラ)CEOのインタビューを掲載した。そのインタビューでは、ニュースキャスターでジャーナリストのAndrew Sorkin(アンドリュー・ソーキン)氏が、Teslaの非組合員労働者は組合員労働者より多くの報酬を得ていると述べている。バーラ氏は、賃金だけでなく福利厚生も考慮しなければならないので、もっと情報を見なければならないが、ソーキン氏が言ったことは前回調べたときにはそうではなかったと答えている。

UAWは何年も前からTeslaの組合化に取り組んでおり、マスク氏は当初からそうした取り組みを批判してきた。2017年にフリーモントの労働者が劣悪な労働条件と低賃金を訴えたとき、マスク氏はUAWを攻撃すると同時に、要点を絞った手紙を従業員に送ったと伝えられている。彼は、組合の真の忠誠は「巨大な自動車会社にあり、従業員から会費で取る金はTeslaから稼ぐよりも莫大な額だ」と、述べている。

同年、全米労働関係委員会(NLRB)は、不当労働行為に関する苦情を調査した結果、同社を提訴した。NLRBによると、労働者はTeslaが組合結成について話し合えないような秘密保持契約を結んで「強制し、脅迫している」と述べた。2018年、NLRBは同社が組合活動家のRichard Ortiz(リチャード・オルティス)氏を解雇した際に労働法に違反したと認定し、逸失利益と福利厚生の補償を命じた。

また、労働委員会はマスク氏に対し、従業員への脅迫と思われるようなツイートの削除を命じた。このツイートでマスクは、同様に組合結成への取り組みを呼びかけていた。「我々の自動車工場のTeslaチームが組合に投票することを止めるものは何もない。彼らが望めば、(明日にでも)そうすることもできる」と彼は書いた。しかし、彼はこうも言っている。「だが、なぜ無駄に組合費を払い、ストックオプションをあきらめるのか?」NLRB議長のWilma Liebman(ウィルマ・リーブマン)氏は当時、従業員にとって、組合結成に投票したらストックオプションがなくなるように聞こえるかもしれないと説明した。Electrekが指摘するように、Teslaは、株式報酬制度をほとんどの従業員に提供しており、同社の株価上昇によって、この制度は非常に価値のある福利厚生となっている。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Monn(マリエラ・ムーン)氏はEngadgetのアソシエイト・エディター。

画像クレジット:Sam Hall / Bloomberg / Getty Images

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(文:Mariella Moon、翻訳:Yuta Kaminishi)

イーロン・マスク氏とテスラにはティム・クック氏が必要だ

同じ物語が何十年も演じられている。

スタートアップは偉大な個性のリーダーの下で開花し繁栄する。すぐに停滞が訪れる。会社の焦点は、無限に続く新製品を販売することから、顧客の要求を満たすものを作っていることの確認へと移り変わっていく。幸福な期間は終わり、新しい時代は、一貫して高品質な製品を大規模に出荷するために必要な退屈な日々から始まる。

ある時点で、あらゆる会社にTim Cook(ティム・クック)が必要になる。今、その会社はTesla(テスラ)だ。

たった今、Teslaの階層に明確な後継者はいない。もし、CEO(兼テクノキング)のElon Musk(イーロン・マスク)氏が潮時と判断して彼の別の会社か音楽活動に焦点を移すと決めたら、引き継ぐ人間は誰もいない。Teslaはマスク。すべては彼の手に導かれている。

マスク氏は広報部門を解体し、会社のニュースとTwitter経由で発信している。ファルコン・ウイングドアをModel Xに採用したのは彼の土壇場のアイデアだった。彼はほぼ完全自動化された自動車工場を作れることを頑なに貫いた。Teslaの車とサービスの購入を暗号資産で支払うしくみも実装し、後に取りやめ、また再び導入した。

マスク氏は、会社のほとんどの新規事業を自身が推し進めているのは、「そうしたいからではなく、しなければならないから」だと公に認めている。こうした深いレベルの関わりは、会社の創成期には有効だ。しかし、会社の未来が良質な製品をつくることにかかっているのであれば、1人の人物がすべてを支配していることは破滅的と言える。

[デーブ、君がファンなのは知っている、でもそれは愚問だ。私がプログラムを進めているのは、そうしたいからではなく、しなければならないからだ]

たとえば、マシンを作るマシンを作るという決断は、Model 3の生産を何ヶ月も遅らせ、CEO言うところの「生産地獄(production hell)」をもたらした。マスク氏は、完全自動に近い工場を作るのは間違いだったことを最終的に認めた。Model 3の生産はあの決断のために遅延した。

今のTeslaが好調であり、四半期黒字を達成し、出荷台数の新記録を打ち立てていることは事実だ。吉報にはそれ相応の問題がついてくる。1人の人間が成長する組織をこと細かく管理していると、生産の拡大とともに発生する問題に対処しきれなくなる。ある時点で、信頼された人たちに自分たちが仕事を成し遂げ、かつ問題を制御し、報復を恐れることなくCEOの思い付きのアイデアを阻止できる機会が与えられる必要がある。

たった今、Teslaは過去数ヶ月に発行した複数のリコールの対応に追われており、製造問題に見舞われている車のレポートに今も悩まされている。加えて、新型車(サイバートラックを含む)の出荷は少なくとも来年まで延期された。これらは、CEOが、個々に動くことのできるチームの力を借りて取り組むべき問題だ。

そして、あの一連のツイート。あまりにも多くのツイートがある。

マスク氏のTwitterでの存在に対する評価は二分されている。ブランドに害をもたらしている恐れも大きい。Teslaに広報部門というものはない。あらゆる情報が、Tesla公式アカウントまたはマスク氏から流れ出す。それは悪くはない、もしCEOの個人アカウントが標的となってTeslaを所有していることによる多くの利益を引き出すのであれば。実際にはそうではなく、それはミームと悪い冗談と侮辱とおべっかへの返信と政治色の強い見解と、それにときたまTeslaのニュースが入り混じったものだ。

CEOとして、Twitterで誰かをヒトラーと比較し、それが会社に悪影響を与えないと考えることはありえない。

会社のために、TeslaはCEOの次の気まぐれより先の未来を見据える必要がある。マスク氏が舵をとっていない時期のことを。最良の状態が、Appleで起きたことだろう。

長年、AppleのビジネスはCEO、Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏と深く撚り合わされていた。彼は会社を倒産の瀬戸際から引き上げ、率いるチームと共に、スマートフォン革命の一端を担った長続きする会社を作り上げた。ジョブズ氏なくしてAppleはなかった、と言って間違いない。しかし、企業は永久に1人の人物ではありえない。

ティム・クック氏は、1998年にワールドワイド・オペレーションズ担当上級副社長としてAppleに入った。具体的には、会社全体の日常業務を取り仕切る役割だ。2011年、かれはスティーブ・ジョブズが亡くなる前にCEOに指名された。クック氏の指揮の下、会社は売上と利益を2倍以上に伸ばした。クック氏に、ジョブズ氏のような虚勢やビジョンはない。代わりにクック氏は、自分の仕事を全うする賢い人々を雇い、Appleが利益を上げ良質の製品を届け続けることに専念した。

Teslaにはティム・クックが必要だ。この自動車メーカーには、おならの音やビデオゲームなどの楽しい機能を作り続けながら、自動車を予定通り問題なく顧客に出荷できるリーダー(あるいは訓練中のリーダー)が必要だ。Teslaは、この先ずっと、顧客がサービスセンターをいつでも呼び出し、タイムリーに車を交換できるしくみを確実に維持していく必要がある。否が応でも、追いかけてくる他の自動車メーカーがよろこんでModel 3オーナーに求愛して自社のEVを売り込むだろう。

会社の売上は好調だが、適切な育成がなければ、Tesla EVの優位性はいつでもライバルに取って代わられる。マスク氏は実際、育てるタイプではない。彼のルールの下、新車出荷台数は史上最高を記録しているが、今も製造品質に関わる問題の報告を受け続けている。これは数年前に解決すべきだった問題だ。

最近の報告によると、Teslaは冗長なステアリング・コントローラーを付けずに車を出荷しており、そのことを顧客に伝えていない。このコントローラーは、車がFSD(フルセルフ・ドライビング)対応になった際に必要になる。この種の判断は顧客の忠誠心を損ない、購入を考えている人たちを遠ざける。

現在の顧客がTesla車の問題に遭遇した時、未だにサービスを受けるためには不十分な伝達や長い待ち時間とイライラがともなう。修理を終えた顧客は、自分たちの経験をTwitterでシェアしようとするが、マスク氏にへつらうフォロワーたちから攻撃を受けて終わる。マスク氏自身でさえ扱いきれていない連中だ。

そしてリコールがある。過去数年、Teslaは米国幹線道路交通安全局の強い要請を受けて、FSDのソフトウェア問題に関する数々のリコールを発行した。Model 3とModel Yの予告なくブレーキが作動する問題、シートベルト警告音の不具合サスペンション問題、Model SおよびModel Xのパワーステアリング・ボルト腐食等々だ。最近では、Teslaが追加した機能が後に削除された例もある。このリコールがいちばん厄介だ。

どの自動車メーカーにもリコールはつきものだが、安全ではないとされたために元に戻さなければならなかったメーカーはあまり聞かない。マスク氏の下でTeslaは、路上走行中、ドライバーが望んだ音を外部スピーカーで鳴らてる機能を推奨した。歩行者への警告音を邪魔する可能性のある機能だ。さらに同社は、自動運転中に一時停止標識を通過(停止ではない!)させるアップデートを配信した。そして、運転中にメイン情報スクリーンでビデオゲームをプレイできる機能を削除するよう言い渡されなくてはならなかった。

一連のリコールについてマスク氏は、NHTSAは「たのしみ警察」だとツイートした。もちろん実際には同機関は安全警察であり、Tesla、および市民の一番の関心事は、自動車メーカーがNHTSAと協力して、道路を全員にとって安全に保つことであり、近隣を走りながらハンプティ・ダンスを流したいTeslaドライバーを喜ばすことではない。

マスク氏、Tesla、そして顧客にとって最善のシナリオは、誰かがCEOと何年か一緒に働き、社内と取締役会の信頼、そして何よりも大切なのは顧客の信頼を築き上げていくことだ。マスク氏を取り巻く個人崇拝は、マスク氏がこの人物をリーダーとして心から受け入れることを必要としている。そうすればマスク氏が会社を去るかCEOを辞任した時も、崇拝者の気持ちも和らぐだろう。

マスク氏が、所有する会社を完全支配するのをやめた前例はある。彼はSpaceX(スペースエックス)のCEOではあるが、経営責任はプレジデント兼COOのGwynne Shotwell(グウィン・ショットウェル)氏と分け合っている。SpaceXについてツイートするのはマスク氏でも、ショウを演出しているのはショットウェル氏だ。彼女は、カンファレンスやイベントでSpaceXを代表することの最も多い幹部でありStarlink(スターリンク)計画のビジョンと戦略を明確に述べる最適の人材であるが、会社の外向きの顔であるだけではない。プレジデント兼COOとして、ショットウェル氏は日々の実務をこなしている。もしマスク氏がCEOを降りると決めたなら、ショットウェル氏には後を引き継ぐ用意がある。

SpaceX、取締役会、米国政府、および提携企業にとって、それは救いの源だ。宇宙旅行を1人の人間に賭けるのは、恐ろしい博打だ、なぜならいずれその人はいなくなるのだから。

残念ながら、Teslaとマスク氏はひとつである。一般に知られている限り、現時点でプランBはなく、何かあった時、駆動装置とエネルギー工学担当上級副社長のAndrew Baglino(アンドリュー・バグリノ)氏がCEOを引き継ぐかもしれないことくらいだ。後継者育成計画が進められている可能性はある。しかし、透明性なくしてその計画を遂行することは混乱を呼ぶだけであり、株価に壊滅的打撃を与えかねない。

マスク氏は現在Teslaを動かしており、われわれの知る限り、今後も末永く続くだろう。しかし、彼は永遠には存在しない。仮に存在したとしても、蓄積された彼の不幸がついには会社に到達しない保証はない。社員のため、株主のため、そして顧客のためには何か計画が必要であり、即座に行動する必要がある。

画像クレジット:Britta Pedersen-Pool/Getty Images / Getty Images

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(文:Roberto Baldwin、翻訳:Nob Takahashi / facebook

パナソニック、テスラのEV向け大容量電池を2024年3月までに和歌山で量産開始

Panasonic(パナソニック)は、2024年3月までにTesla(テスラ)の電気自動車向けとなる大容量バッテリーの量産開始を目指している。同社は和歌山工場に同バッテリーの生産設備を建設中で、そこに2つの生産ラインを増設し、構造的な改良を施す計画だ。

この現在も開発が続いている「4680」と呼ばれる新型リチウムイオン電池は、現行の電池の約2倍の大きさで、エネルギー容量は5倍になる見込みだ。1台の車両に必要な電池の本数が減る(これはコスト削減につながり、EVの価格を下げる可能性がある)一方で、一度の充電で走行可能な航続距離を15%以上伸ばすことができるという。

今回のパナソニックの発表は、来年にもこの電池の製造が始まる可能性を示唆した以前の報道と一致する。同社はその生産設備に約800億円を投資すると言われていた。テスラからの要請を受けて、この電池の開発に着手したものの、他の自動車メーカーに4680電池を販売する可能性もある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Kris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Getty Images under a Sjoerd van der Wal license.

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

イーロン・マスク氏のインサイダー取引の可能性について米SECが調査開始

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が待ち焦がれている、SECから解放される瞬間はまだ遠いようだ。The Wall Street Journalの情報筋によると、SECはマスク氏と弟のKimbal Musk(キンバル・マスク)氏が、最近の株式売却でインサイダー取引の規制に違反したか否かを捜査しているという。

Tesla株の売却についてイーロン氏はキンバル氏に対して、Twitterのフォロワーに尋ねるつもりだと話した可能性があり、その結果、キンバル氏は11月6日のツイートの前日に8万8500株を売却するよう仕向けたのではないかという点についてSECは調査している。もしそうなら、CEOハ従業員が非公開情報を取引することを禁止する規則を破ったかもしれない。

キンバル氏は、計画的にTesla株を一定期間ごとに頻繁に売買してきた。SECの提出書類によると、彼は11月5日にそうしなかった。

TechCrunchはSECにコメントを求めた。Teslaは、2020年の一時期に広報のチームを解体していたためコメントは得られなかった。マスク氏は当然、SECに対して友好的ではないが、彼によるとSECが始めた彼が思う戦いはそのうち終わるだろう、という。

しかし、この記事が正しければ、長年の確執にさらなる緊張が加わる。それは、2018年にSECが、同社を非上場にするとツイートしたマスク氏に対して動いたときに始まる。マスク氏はそのときの和解に合意して、ソーシャルメディア上の財務関連のポストには承認を要するという要求を飲んだが、それで両者の戦いが終わったわけではなかった。SECは過去数年間、生産関連のツイートが承認されていない懸念からマスク氏のツイートをチェックし、そしてほんの数日前には、2018年の和解の遵守過程に関する情報を求めてTeslaを召喚した

マスク氏はこれらと同時に、SECと大っぴらにやりあってきた。2022年彼はこの規制当局を、その「嫌がらせ作戦」が彼を不公平に特定し、モニタリングから法廷を除外したと非難した。SECは、その非難を否定した。これらの主張の背後にある真実が何であれ、マスク氏がいかなる新しい捜査を歓迎しないことは確実だ。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Yichuan Cao/NurPhoto/Getty Images

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(文:Jon Fingas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

テスラ取締役のキンバル・マスク氏、同社がビットコインを購入した際の環境影響について「無知だった」と発言

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏の弟で、同社取締役のKimbal Musk(キンバル・マスク)氏は、イーサリアム会議のステージ上でのTechCrunchとのインタビューで、Teslaが2021年に暗号資産のBitcoinを15億ドル(約1725億円)分購入し、この通貨で同社の車両を購入できるようにする予定だと発表したとき、同社は環境への影響について「非常に無知だった」と述べた。

「Bitcoinに投資したとき、我々ちはとても無知でした。環境への影響も知らず、文字通り何も知らず、良い価値の貯蔵庫で、資産を分散させる良い方法のようだ、といった感じでした。もちろん、我々が環境に何をしているかを伝える100万通の、冗談ではなくおそらく100万通のメッセージを受け取るのにそれほど時間はかかりませんでした」と、キンバル・マスク氏は筆者に語った。「もちろん、Teslaは代替エネルギーの未来を創造する会社です。その決断をしたときには、本当に十分な情報がなかったのです」。

キンバル・マスク氏は、TeslaがBitcoinの購入を「必ずしも後悔していない」一方で、ブロックチェーン業界がより環境に優しいインフラに移行できることを望んでおり、自身の慈善団体Big Greenが、さほどエネルギー集約型ではないブロックチェーン上で動作する暗号資産ネイティブのDAOガバナンス構造を採用したことに言及した。

テスラ取締役のキンバル・マスク氏は、イーサリアム2022カンファレンスにおいて、TechCrunchのルーカス・マトニーとのインタビューで慈善活動の将来について議論した(画像クレジット:Jesse Morgan / ETH Denver)

「私は本当に暗号資産の環境への影響には同意しませんが、暗号資産がしていることが大好きです」とキンバル・マスク氏は壇上で語った。「ですので、我々は、環境に影響を与えることなく行う方法を考えなければなりません。それは、この環境への影響を持つという選択肢ではありません」。

Bitcoinを購入するというTeslaの2021年の決定により、暗号資産に大きな追い風が吹いた。しかしその数カ月後、同社がBitcoinをすぐに売却する予定はないが、車両購入の支払いでBitcoinを受け入れないと発表したことで、事態が逆転したのは有名な話だ。

イーロン・マスク氏は2021年5月のツイートの中で「暗号資産はさまざまな面で良いアイデアであり、将来性があると信じていますが、しかしそのために環境を犠牲にするわけにはいきません」と述べている。「TeslaはBitcoinを一切売却せず、マイニングがより持続可能なエネルギーに移行し次第、取引に使用する予定です」。

Bitcoinのマイニングのネットワークがどれだけ再生可能エネルギーに依存しているかについては、まだデータがかなり不足しているが、ネットワークのエネルギー使用がいかに大きいかは明らかだ。Digiconomistのエネルギートラッカーによる試算では、2021年5月のイーロン・マスク氏のツイート以来、Bitcoinの採掘作業の年換算エネルギーの二酸化炭素排出量はほぼ倍増している。同サイトの推定では、Bitcoinのネットワークは、クウェートが1年間に排出するのと同程度の炭素を大気中に排出している。

キンバル・マスク氏は2004年からTeslaの取締役を務めている。

画像クレジット:Kevin Jones / ETH Denver

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(文:Lucas Matney、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラ、大気浄化法違反で米環境保護庁から罰金

Tesla(テスラ)は、カリフォルニア州フリーモントの電動車製造工場における国の大気浄化法(Clean Air Act)違反に関して環境保護庁との和解に達し、27万5000ドル(約3160万円)の罰金を払うことに合意した。

しかし2021年の第4四半期だけでも23億2000万ドル(約2668億円)の純利益を得ている企業にとって、この罰は無きに等しい。

環境保護庁(Environmental Protection Agency、EPA)は、Teslaが2016年10月から2019年9月までの間に、自動車と軽トラックの塗装に関する汚染排気規準(National Emissions Standards for Hazardous Air Pollutants for Surface Coating of Automobiles and Light-Duty Trucks)に違反したとしている。それは、近隣住民の健康と環境に危害をもたらしたとされる。Teslaの工場は、危険な汚染物質であるホルムアルデヒドやエチルベンゼン、ナフタレン、およびキシレンを含む塗料を使用した。

EPAはTeslaに要求したいくつかの情報に基づいて、同社がクルマの塗装に使用する塗料の保存や混ぜ合わせをする場所からの有害汚染物質の排出を抑えるための作業慣行計画を、開発または実装していないと判断した。EPAはさらに、Teslaが国の規準とのコンプライアンスを示すための毎月の排出量計算を行っていないことを見出した。また同社は、塗装工程における汚染排出の計算に必要な記録の収拾と保存を怠っていた。

Teslaないし同社のフリーモント工場はセクハラ人種差別でも非難されているが、EPAに呼び出されたことはこれが初めてでなない。EPAによると、2019年にTeslaは、機器装置類から漏れる排気が規準に準拠していないこと、有害廃棄物の管理を怠ったこと、および一部の固形廃棄物に関しては有害廃棄物排出を同社が正しく判断しなかったことで、3万1000ドル(約360万円)の罰金に合意した。またTeslaはフリーモント消防署のために、5万5000ドル(約630万円)の緊急時応答装置を買わなければならなかった。

Teslaのフリーモント工場の塗装場は何度も火災を起こしているが、その原因の大部分は、外部と空気の給排気を行なうフィルターが、目視で分かるほどの量の塗料とクリアコートで皮膜していたからだ。Teslaの従業員が2018年に、CNBCにそう語っている

「コンプライアンスの監視は、規制対象の界隈が環境法と規制に従っていることを確認するためにEPAが用いる重要な手段です。この度のケースは、この施設における当庁の長年のコンプライアンス監督のさらなる例でです。Teslaは2つの和解に記されている違反を修正し、コンプライアンスに復帰しています」と、EPAは声明で述べている。。

画像クレジット:David Paul Morris/Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

イーロン・マスク氏、米証券取引委員会が「嫌がらせキャンペーン」を行ったと告発

Elon Musk(イーロン・マスク)氏がSEC(米証券取引委員会)から頻繁に注意を受けることに腹を立てていると思ったなら……それは正しい推測だ。マスク氏とTesla(テスラ)は、ニューヨーク州南部地区連邦裁判所に、SECが「ハラスメントキャンペーン」を行っていると非難する訴状を出した。SECは、Teslaの非公開化に関するマスク氏のツイートをめぐり、2018年のマスク氏との和解の一環としてTeslaの株主に4000万ドル(約46億円)を支払うという約束を破り、代わりにマスク氏とTeslaに対する「果てしない、根拠のない調査」にリソースを割いた、と主張している。

マスク氏とTeslaは、SECが「一方的に」召喚状を送っており、和解による同意協定をマスク氏が遵守しているかをSECだけでなく裁判所が監視するものだとしている。SECは、マスク氏が「政府に対する率直な批判者」であることを理由に報復しており、法律を公正に執行するよりも、憲法修正第1条の言論の自由を阻害することに関心がある、と主張した。訴状によると、不正行為の発見はない。

マスク氏とTeslaは、SECの不払い疑惑だけでなく、度重なる調査についても話し合う会議を含む「軌道修正」を裁判所に求めた。SECに株主への支払いを強制する一方で、マスク氏らが主張するハラスメントを裁判所が「終わらせる」ことを望んでいる。

我々はSECにコメントを求めた。SECは和解後の数年間、マスク氏のツイートについて何度も問い合わせを行い、2019年と2020年には、懸念される投稿をめぐってTeslaに書簡を送った。SECがそれらのツイートについてマスク氏に落ち度があるとは判断していないのは事実だが、それでもマスク氏が2018年の合意で義務付けられている事前承認なしに主要な財務トピック(生産水準や株式評価など)について議論していた、と主張している。Teslaはこれらのツイートは和解条件の対象外だと主張したが、状況は完全に明確ではない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラ、オランダのSuperchargerネットワークをすべてのEVに開放

Tesla(テスラ)は現地時間2月14日、同社製以外の車両の所有者がオランダのすべてのSupercharger(スーパーチャージャー)ステーションで電気自動車(EV)を充電できるようになったと発表した。

この措置は、2021年11月に10カ所のステーションで開始されたパイロットプログラムの拡大だ。CEOのElon Musk(イーロン・マスク) 氏はもともと、同年夏にSuperchargerネットワークを他のEVに開放することに関心を示していた。

他の自動車メーカーとは異なり、Teslaは広大な独自ネットワークを運用していて、これまでは他自動車メーカーのEVがSuperchargerの充電器を利用することはできなかった。Teslaが2012年に構築を開始したこのネットワークは、現在、全世界に3万カ所のSuperchargeステーションを有している。

Teslaのパイロットプログラムは、オランダとフランス、ノルウェー、ベルギーなど欧州の一部のステーションで、Tesla車両以外のEVのドライバーにTeslaのアプリを使って充電させるもので、同社はまだPlugShare(プラグシェア)など他のEVステーションプラットフォームと統合していない。

Teslaは、自社製車両にしか装着できない独自のプラグを使用しているため、試験ではCCS(コンバインド・チャージング・システム)対応車のみがアクセス可能だ。Superchargerには2本のケーブルがあり、Tesla製以外の車両はCCSコネクタを使用することができる。このコネクタはすべてのクルマに合わないかもしれず、その場合、ドライバーはカスタマーサポートセンターに問題を報告することになる。

同社によると「幅広い車種の充電をサポートするために発生する追加費用と、これらの車種に対応するためのサイトの調整」のため、Tesla製以外のEVはTesla施設での充電を享受するために、より多くの料金を請求される可能性がある。とはいえ、ドライバーが充電メンバーシップを購入すれば、1kWhあたりの充電価格は下がるかもしれない。

Teslaは「拡大する前にエクスペリエンスをレビューし、混雑を監視し、フィードバックを評価する」ために、一部の拠点から始めると述べた。将来設置される施設については、利用可能な容量がある場合にのみ、Tesla製以外の車両に開放される予定だ。

オランダには欧州で最も多くのEV充電ステーション(7万5000基)があり、Teslaがこのパイロットをさらにテストする上で競争的な環境となっている。ウェブサイトによると、Teslaはオランダにステーション33カ所を展開していて、18の新しいステーションが「近日オープン予定」だ。

画像クレジット:Jakub Porzycki/NurPhoto / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

カリフォルニア州当局がテスラを人種差別とハラスメントの疑いで提訴

カリフォルニア州公正雇用住宅局(DFEH)は米国時間2月9日、人種差別とハラスメントの疑いでTesla(テスラ)を提訴した。州裁判所に提出された訴状では、カリフォルニア州フリーモントにあるTeslaの製造工場での問題が指摘されている。

同当局は「労働者からの数百件の苦情」を受け、フリーモント工場が「黒人労働者が人種差別的な中傷にさらされ、仕事の割り当て、懲罰、給与、昇進で差別され、敵対的な職場環境を作り出している分離された職場」である証拠を確認したと、同当局の長官Kevin Kish(ケビン・キッシュ)氏が声明で述べた、とウォールストリートジャーナルは報じている

Teslaがハラスメントや差別の訴訟に直面するのは、今回が初めてではない。2017年には元工場労働者のMarcus Vaughn(マーカス・ヴォーン)氏が、フリーモント工場でヴォーン氏がマネージャーや同僚から繰り返し「Nワード」を浴びせられたという苦情をTeslaが調査しなかったとして、同社を相手取って集団訴訟を起こした

数カ月前にはTeslaは、同じ工場での差別と人種的虐待を見て見ぬふりをしたと訴えた黒人の元契約社員に、1億3700万ドル(約125億円)の損害賠償を支払うよう命じられたばかりだ。この訴訟で労働者のOwen Diaz(オーウェン・ディアス)氏は、人種差別的な中傷を受け、Teslaの従業員が人種差別的な落書きやかぎ十字、不快な漫画などの絵を同氏に残し、監督者はそれを止めるのを怠ったと主張した。

2021年末には複数の女性が、まさに同じ工場でTeslaがセクハラ文化を醸成していると告発した。女性たちは仕事中に差別、冷やかし、好ましくない言い寄り、身体的接触を受けたという。

関連記事:さらに6人の女性がテスラを職場のセクハラで訴える

Teslaは訴訟が起こされる前に公開したブログ投稿で、差別やハラスメントに強く反対していることを強調し、同社が苦情に対応し、多様性や公平性、包括性に取り組むために取ったとする対策を誇示して自社を擁護した。

「Teslaはこれまで、人種差別やハラスメントを行う従業員を含め、不正行為を行った従業員を懲戒解雇してきました」と投稿には書かれている。

「Teslaはまた、カリフォルニア州に残る最後の自動車メーカーです」と、同社が以前から指摘している点に言及した。「しかし、製造業の雇用がカリフォルニアから失われつつある今、公正雇用住宅局は建設的に協力するのではなく、当社を訴えることにしました。これは不公平であり、特に数年前の出来事に焦点を当てた申し立てであるため、逆効果です」。

Teslaは2021年に、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏が「今後のTeslaの扱い」次第ではカリフォルニアでの製造活動を一切停止する可能性があると脅した後、本社をカリフォルニアからテキサス州オースティンに移した。同社は2020年5月、新型コロナウイルス感染症の拡散を阻止するためにフリーモントにある同社の製造施設を閉鎖した件でアラメダ郡を提訴していたが、この訴訟は後に取り下げられた。

DFEHはWSJに対し、黒人労働者はTeslaの監督者やマネージャーが人種差別的な言葉を使うのをしばしば聞いたり、工場内で人種差別的な落書きを見たりした他、肉体的により過酷な職務を割り当てられ、より厳しい処分を受け、職業上の機会も除外されたと述べている。

Teslaは2020年12月に初の多様性報告書を発表し、米国内の労働力の10%が黒人・アフリカ系米国人であることを明らかにした。取締役レベルでは黒人の割合は4%にすぎない。ヒスパニック・ラテン系の従業員は全従業員の22%で、ディレクタークラス以上では4%にとどまる。アジア系従業員は全従業員の21%で、このグループはディレクターレベルの従業員の4分の1を占めている。

WSJによると、DFEHは2月10日朝に訴状をオンラインで閲覧できるようにするという。

画像クレジット:David Paul Morris / Getty Images

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Nariko Mizoguchi

イーロン・マスクのツイートに関する和解をめぐり米SECがテスラに召喚状

ロイターCNBCによると、Tesla(テスラ)は2021年11月に証券取引委員会(SEC)から召喚状を受け取ったという。

同社が財務文書で公表した情報によると、SECが特に求めているのは「SEC修正和解案へのコンプライアンスをめぐるガバナンスのプロセスに関する」情報だ。11月の召喚状は、同社トップのElon Musk(イーロン・マスク)氏がTwitterのフォロワーに、現在、所有しているテスラの保有株の10%を手放すことになったらどうなるかなと尋ねた直後に発行された。同社の株価は、そのツイートの後で急落している

Teslaは、2018年にSECが「非公開化する」とツイートしたイーロン・マスク氏を訴えたことを皮切りに、何年もSECと対立している。同庁は、テスラが非公開化するための資金をすでに確保しているとツイートしたマスクが、「虚偽かつ誤解を招く」発言であるとして詐欺にあたるとした。

Teslaはその年にSECと和解し、マスク氏はソーシャルネットワークへの重大な情報のポストは、事前に法務が承認したもののみとするという和解条件を受け入れた。しかしそのすぐ後に彼は、それまで非公表だった2019年の生産台数を、その情報が最初にチェックされることなくツイートした。

SECは2018年の合意事項を侮辱したとして彼の拘禁を求めたが、結局、マスク氏が何をツイートできて、何をツイートできないかを正確に把握できるよう修正を加える必要があったた。

テスラのチーフは、Twitterを頻繁に使用することで知られている。彼はミームやランダムなツイートの合間に、彼の会社であるTeslaやSpace Xに関する新しい発表を織り交ぜてきた。Teslaの投資家集団が2019年の訴訟で、事前チェックのないTwitterの使い方をやめさせようとした。そして2021年は、もう1人の投資家がマスク氏と彼の企業を訴訟して、SECとの合意に違反していると非難した。

そのときの原告は、2020年5月の「Teslaの株価は高すぎると思う」という発言を含め、マスク氏はいい加減で未承認のポストをツイートし続けていると主張した。マスク氏はその後、Twitterを数回お休みし、自分のアカウントを削除したとも主張したが、現時点では相変わらずこのプラットフォーム上でとても元気だ。

編集者注記:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella MoonはEngadgetの副編集長。

画像クレジット:SOPA Images/Getty Images

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(文:Mariella Moon、翻訳:Hiroshi Iwatani)

テスラ、シートベルトチャイム不具合で81万7000台超をリコール

Tesla(テスラ)が再び大規模なソフトウェア品質問題に取り組んでいる。AP通信によると、Teslaはシートベルトチャイム機能の不具合で81万7143台のリコールを実施する。Model 3、Model Yの全車と、2021年以降のModel S、Model Xに、シートベルトが締められないまま発進する時にチャイムが鳴らない「ソフトウェアエラー」があるという。リコール通知によると、車両を離れた直後にドアを閉めただけで問題に遭遇する可能性があるという。

Teslaは、2月上旬にワイヤレスアップデートでシートベルトチャイムの不具合を修正する予定だ。なお、けがなどの被害は報告されておらず、シートベルト警告は正常に表示される。この問題は1月6日に韓国のテスターが発見し、Teslaが調査を行った結果、1月25日にリコールが必要と判断した。

今回のリコールは比較的軽微なものだが、Teslaにとってはこれ以上ないほど悪いタイミングだ。完全自動運転の不具合によるリコールのわずか数日後のことであり、Autopilot(オートパイロット)を使用した車が緊急車両に衝突する一連の事件をNHTSA(米運輸省道路交通安全局)が調査している最中でもある。Autopilotに関連した事故で、運転手が重罪に問われる事態も起きている。これらは、カメラやトランクサスペンションの不具合など物理的な問題によるリコールに加えて起きている。Teslaの品質に対する評価は今のところ高くはなく、シートベルトチャイムの不具合はそのイメージをさらに強めるだけだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Tesla

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

【コラム】未来の交通でも、自律走行車ではなく人間が運転するべきだ

高度に自動化された航空機を指揮するパイロットのように、自動化のレベルにかかわらず、すべての旅客輸送車両には人間のオペレーターが搭乗しなければならない。議会は、ほとんど規制されていない自律走行車(AV)技術の急速かつ性急な出現に対する適切な連邦政府の対応について議論しており、この安全基準を確認する機会を得ている。

毎日、米国中の交通機関では、第一線の労働者がバス、電車、バンを安全に運行している。彼らは緊急事態に対応し、身体障害者や高齢者のためのアクセシビリティを確保し、致命的なパンデミック時に乗客の安全を可能な限り確保している。これらの労働者は、乗客を乗せた車両を運転しながら、これらの職務を同時にこなすよう訓練されている。

ハイテク業界の中には「完全な」自律走行車で人間のオペレーターをなくすことができると主張する人がいるが、どのレベルの自動化でも彼らに取って代わることはできない。これは、議会とバイデン政権がテーブルから取り除かなければならない危険な考えである。

運輸労働者は、進化する輸送技術の最前線に身を置き取り組んでいる。私たちにとってイノベーションは生き方であり、何十年にもわたって次世代車両やシステムの実装に貢献してきた。しかし、今日私たちが目にしているのは、単なるイノベーションではなく、実証されていない、規制も不十分な無人運転車を道路に普及させることなのだ。

このような自動車を地域社会に氾濫させている技術や企業の利害関係者は、単に最高の安全基準で管理されておらず、厳格な連邦政府の監督や執行にも直面していないだけなのだ。この状況を変えなければならない。

AV業界のビジネスは、連邦政府の適切な規制の精査や重要な安全データの透明性基準を満たすことなく、売上と利益を追求するという、たった1つの目的に沿って設計されている。これらの企業は、自社のAV技術が安全かどうか、交通利用者や公共の利益を損なうかどうか、重要な公平性の目標を達成するかどうか、労働組合の良い仕事をなくすかどうかについて、白日の下にさらされる対話から逃れているのだ。その価値を証明する責任は、彼らにあるのだ。

とはいえ、政府が道路や交通機関へのこれらの自動車の普及を承認する前に、私たちは話し合いを持ち、強力な政策を制定しなければならない

今日のAVパイロットプログラムでは、最終的に段階的に廃止する予定のドライバーを、オペレーターではなく「モニター」と呼ぶ企業さえある。これは労働者に対する侮辱であり、乗客に対する策略である。彼らはモニターではなく、旅の安全を確保するために存在するプロなのだ。高度に自動化された商業用車両が、有資格のオンボードオペレーターを排除することがあってはならない、それは、高度3万フィート上空の民間航空機に自動操縦機能を持たせ、コックピットのパイロットを排除しようとするのと同じことだ。議会で可決される新しいAV法は、すべての旅客輸送事業において、人間のオペレーターの搭乗を義務付ける必要がある。

また、AVをどのように、あるい導入するかどうかを規制するために、明確なタイムラインをもって連邦政府の行動を義務づける法案も必要だ。これらの指示は、無人運転車が最高の安全基準を満たすことを保証するための基盤を確立しなければならない。「完全な自動運転」機能についてのTesla(テスラ)の主張をめぐって国家運輸安全委員会とTeslaの間で大きな論争があったことを受けて、配備される車両には人間の介入と制御能力を備えることが要求されなければならない。また、基準を厳格化し、運輸省による連邦政府の自動車安全要件の免除や放棄の発行に厳しい制限を設ける必要がある。今日、私たちの道路で目にするAVの実験車が、厳格な安全規制の対象になっていないことを知ったら、ほとんどのアメリカ人は恐怖を感じるだろう。

Pete Buttigieg(ピート・ブティジェッジ)運輸長官は、発表されたばかりのイノベーション原則を通じて、議論をAV業界のニーズから労働者や乗客のニーズへとシフトさせる重要なステップを踏み出した。ブティジェッジ氏はスキル、トレーニング、および「組合の選択」へのアクセスを拡大することによって「労働者に力を与える」政策を約束し、労働者が「イノベーションを形成するテーブルに座る」ことを保証している。これは、誰かを裕福にするのではなく、労働者と広範な公的利益を中心に据えた、大きな変化を意味する。議会はAV法案にこのアプローチを採用するのが賢明であろう。

労働者の席を確保することは、賢明な政策改革によって達成することができる。労働組合の多い交通機関は、AVのテストや配備が計画されたとき、労働者に事前通知をするよう要求されるべきだ。早期に労働者の視点を得ることで、貴重な経験と専門知識をプロセスに呼び込み、AVアプリケーションが安全で、単に従業員を排除して、その技術を奪うための道具ではないことを保証することができる。

労働者の声を高めるこの新しいアプローチは、願望ではなく、むしろ連邦政府の明確な政策の問題であるべきだ。それは、この委員会のAV法案と運輸省の政策に固定されるべきであり、雇用への影響、訓練の必要性、安全性、そして新しい技術の導入を可能にしてきた労使交渉プロセスを通じて管理されるべきものなのだ。

議会とバイデン政権は、技術企業や大企業の利益動機ではなく、労働者と公共の利益が、我々の輸送システムと道路におけるAV技術の未来を推進することを保証し、断固として行動するチャンスを持っているのだ。

編集部注:執筆者のJohn Samuelsen(ジョン・サミュエルセン)氏は、全米運輸労働者組合の国際会長

画像クレジット:Jae Young Ju / Getty Images

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(文:John Samuelsen、翻訳:Yuta Kaminishi)