良質なレビューにはトークン報酬、グルメSNS「シンクロライフ」が新バージョンのβ版公開

AIを活用したパーソナライズエンジンによって、ユーザーのレストラン探しをサポートするグルメSNS「シンクロライフ」。このグルメサービスがトークンエコノミーの仕組みを持ち込んで、新たにバージョンアップしたようだ。

シンクロライフを運営するGINKANは8月2日、同サービスの新バージョンのβ版を公開した。

新しくなったシンクロライフでは良質なレストランレビューを投稿したユーザーに対し、報酬として独自のトークン(SynchroCoin)が付与される仕組みなどが追加。トークンエコノミーを活用することで、自律性を持ちながら成長し続けるレストランレビュープラットフォームの構築を目指すという。

なおGINKANでは2017年9月に香港法人SynchroLife LimitedにてICOを実施。今回のβ版は同プロジェクトのロードマップにおいて、最初のマイルストーンとしていたものだ。

シンクロライフは「AIとユーザーが作るレストラン格付けガイド」をコンセプトとしたグルメSNS。各ユーザーごとの食の好みなどを学習し、レストラン検索やフィードをパーソナライズすることで、自分に合ったお店を探しやすい環境を作っている。

同サービスには現在17万件以上のレビュー、42万枚の写真が掲載。全登録ユーザーのうち19.68%のユーザーがレビューを投稿しているという。日本語からスタートしたのち、2017年7月には英語・韓国語・中国語にも対応。世界中で利用できるグローバル版の展開を開始した。今は82ヶ国でユーザー登録、48ヶ国でレビュー投稿がされているそうだ。

そして冒頭でも触れた通り、今回の新バージョンでは従来の仕組みにトークンという概念やウォレットという機能が加わることになる。

シンクロライフでは現在のレビュー貢献度のスコアをより合理的なアルゴリズムへとアップデートするとともに、良質なレビュー投稿者がSynchroCoinをインセンティブとして受け取れる仕組みを導入。レビュー、翻訳、レストラン情報の作成や更新などへ報酬が提供されるようになる。

この報酬制度はレビュアーの信頼スコアが反映される構造のため、しっかりと機能すれば不正やレストランから依頼を受けて投稿することを抑制し、健全なグルメSNSを育てることにも繋がりそうだ。

また今回全てのユーザーが利用可能な暗号通貨ウォレット機能も追加。報酬として受け取ったSynchroCoinが管理できるほか、ETHを始め様々な暗号通貨を追加予定とのことだ。

なお今後加盟店で飲食をした場合に、食事代金から還元リワードとしてSynchroCoinを受け取れる仕組みを展開する計画。トークンを受け取る際にもこのウォレット機能を利用することになるという。

当然ながら細かい機能や特徴に違いはあると言えど、レストランのレビューを投稿したり美味しいお店を検索できるプラットフォーム自体は「食べログ」や「Retty」などを含め複数存在する。

ただ今回のシンクロライフの取り組みはとてもユニークかつ興味深いものではないだろうか。アプリを見ている限り、2018年冬以降にはSynchroCoinをレストランの食事券と交換したり、食事代金の決済で利用したりできるような仕組みも予定しているようだ。

これは勝手な想像だけど「レビューを投稿して獲得した報酬を使って新しいレストランで食事を楽しみ、そのレビューを書いてまた報酬を手にする」といった新たな経済圏のようなものが誕生する可能性もありそうだ。

スマート圧力釜のInstant PotがドッグフードのYaDoggieと提携して犬のフレッシュフードを展開

Yahooのモバイル担当VPだった人が始めたドッグフードとウェルネスのスタートアップYaDoggieが、キッチン器具のメーカーInstant Potと提携して、フレッシュなドッグフード製品を立ち上げた。そのYaDoggie Freshと名付けた製品は“ヒューマングレード”(human-grade)*のフレッシュなドッグフードで、Instant Potで調理することが推奨されている。〔*: human-gradeは意味や定義が曖昧なので食品業界では使用が推奨されていない。〕

そのフレッシュな製品は、ターキーとサーモンの二種類があり、Instant Potで20分調理する。YaDoggieによると、その調合は専門の動物栄養学者が設計し、100%グレインフリー(穀物不使用)である。発売は、10月1日だ。

YaDoggieのCEO Sol Lipmanはプレスリリースでこう言っている: “自分の犬のために健康的な食事を作ってやりたい、と思っているお客さんは多いけど、時間がなくてレシピを見つけたり、材料を買って調理にとりかかることができないでいる。YaDoggie Freshはそんな方のお役に立つ。YaDoggie Freshは、自分の飼い犬に最良のフードを与えたいと願っている方々の、理想を実現する。そしてそれは、ふだんのドッグフードの優れた補食にもなる”。

YaDoggieの製品は、‘ふだんのドッグフード’もグレインフリーで、お値段は49ドルだ〔量不明〕。レシピーは、バッファロー+ダック、ラム、さつまいもの三種類ある。ほかに、ターキーと豆が少量入っている。米やコーン、小麦、大豆は使っていない。

YaDoggieのねらいは、犬の飼い主たちがホリスティックなアプローチで動物たちに接するよう支援することだ。同社は自分たちを、犬のためのテクノロジー企業ではなく、テクノロジーを利用する犬のウェルネス企業と位置づけている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ディップがチャットボットツールのhachidoriに約8.2億円の資本参加

アルバイト・パート求人情報サイト「バイトル」などを展開するディップが、チャットボットツール「hachidori」や店舗とアルバイトのコミュニケーションアプリ「CAST」を開発するhachidoriに資本参加をするようだ。両社は7月31日、それぞれのサイトで本件について発表している。

ディップでは約5億円の第三者割当増資を引き受けることに加えて、hachidoriの既存株主から発行済み株式の一部を約3.15億円で取得する予定。具体的な持ち株比率については非公開だが、今回の資本参加によってhachidoriはディップの持分法適用関連会社になるという。

hachidoriについては6月にTechCrunchでも紹介した通り、プログラミング不要のチャットボット開発ツールを軸に事業を成長させてきたスタートアップだ。同プロダクトを通じて作られたチャットボットの数は5000を超えるほか、企業や学校に法人向けのソリューションも提供している。

また5月から6月にかけて、新サービスとしてアルバイトやパートと店舗間の業務を効率化するチャット・シフト管理アプリCASTを公開。従来時間がかかっていたバイトのシフト管理をチャットボットのスマホ店長が半自動化することが特徴。専用のチャット機能を備えているほか、今後は給与管理の機能も追加していく計画だ。

同社で代表取締役を務める伴貴史氏によると「現在1万人のアルバイトが10万以上のシフトを入れている状態」であり、「(店舗側については)9月に有料版を出す予定だが、現在約400店舗が導入を決めている」という。

ディップは日本有数のアルバイト・パート求人情報サイトを運営していることもあり、同社とタッグを組めることはCASTの今後においても大きな影響があるだろう。伴氏はユーザー、クライアント双方の面で大きなシナジーがあるとした上で「今後求人や金融といった分野に参入していく上で、スタンドアローンでやるよりもスピード感を持てると考えた」と今回の提携の背景について話す。

hachidoriでは調達した資金をもとに、エンジニアを中心とした人材採用の強化とマーケティングの強化を進める方針。ディップの持つ営業網や求人分野の知見も活用しながらhachidoriとCASTの拡大を目指すとともに、求人や金融分野への事業展開にも力を入れる。

なお同社では本ラウンドで追加の調達も予定していて、2018年9月末のクローズを目安にファイナンスを進めていくという。

hachidoriは2015年5月の設立。2017年2月にはベクトル、コロプラネクスト、エボラブルアジア、オークファンと島田亨氏を含む個人投資家数名から1億円を調達している。

月額1950円で自分だけの“AI先生”が最適な問題を出題、タブレット型教材「Qubena Wiz Lite」公開

AIが個人個人の得意・不得意を分析し、解くべき問題へと誘導するタブレット型教材「Qubena(キュビナ)」。同サービスを展開するCOMPASSは7月31日、この仕組みを家庭でも気軽に利用できるiPadアプリ「Qubena Wiz Lite(キュビナ ウィズ ライト)」を公開した。

Qubenaに関してはこれまでも何度か紹介している通り、生徒一人ひとりの問題の解き方や間違え方をAIが分析し、数万問の中から個々に合った最適な問題(簡単すぎることもなく、難しいすぎることもない)を出題してくれるサービスだ。

現在は小学算数と中学数学に対応。ペンを使ってタブレット上に手書きするスタイルで、定規やコンパス、分度器を使った作図もでき、タブレット1台あれば全ての学習が完結する。

間違え方によって次の問題が変わるのはもちろん、その単元の基礎となる部分でつまずいているような場合には、学年をまたいで本来解くべき問題へと誘導してくれるのが特徴。COMPASSで執行役員を務める坂井祐太氏の話では、このような仕組みによって「自分が解ける問題だけを解いたり、反対に難しすぎる問題ばかりに挑んでやる気を失ったりすることもない。モチベーションを保ちながら自信をつけていくことができる」という。

結果的に効率的な学習をサポートできるため、自社運営の学習塾では中学校の数学1年分の学習範囲が平均32時間で修了するという成果もでているそうだ。

これまでCOMPASSでは河合塾や練成会といった学習塾にQubenaを提供しているほか、自社運営の塾やフランチャイズ教室で同サービスを活用。また個人向けのプロダクトとして、Qubenaの教材と講師のチャットサポートをセットにしたオンライン家庭教師サービス「Qubena Wiz」を展開してきた。

今回リリースしたQubena Wiz Liteは、月額9800円で提供しているQubena Wizから教材部分だけを切り出して、月額1950円で提供するというもの。

「Qubena自体がまだまだ成熟しておらず、知名度も高くない段階。体験して初めて使い勝手がわかるプロダクトなだけに体験者を増やすことが目標だったが、月額9800円というのは価格面のハードルが高く想定ほど増やせなかったのが課題となっていた。アプリのみを提供することで価格を抑え、体験のハードルを下げていきたい」(坂井氏)

今までよりも安い価格で提供するといっても、アプリの機能自体は変わらず小学算数と中学数学をカバー。保護者がサイトから学習履歴や達成状況を確認することも可能だ。

ユーザーの要望によってQubenaを導入する学習塾やフランチャイズ教室を紹介することも、オンライン家庭教師サービスを紹介することもできるだろう。現在Qubenaのユーザー数は1.7万人とのことだけど、今回の新サービスは「ユーザー数を増やすための窓口のひとつ」(坂井氏)として機能することも期待されているようだ。

なお運営元のCOMPASSは2012年12月の設立。2015年6月にインフィニティ・ベンチャー・パートナーズと個人投資家から4000万円、2017年3月に7人の個人投資家から2.2億円、2018年4月に伊藤忠テクノロジーベンチャーズなどから6億円を調達している。

ブラウザーメーカーのOperaがNASDAQで取引開始

Operaが上場企業になった。ノルウェー拠点の同社は1株当り12ドルでIPOを実施した。取引は1株当り14.34ドル、19.5%高で始まった。同社はこのIPOで1.15億ドルを調達した。

Opera Ltd.は、今月米国で上場申請した。現在同社はNASDAQでティッカーシンボルOPRAで取引されている。

読者がこの記事を読むために使っているのは、パソコンかAndroidならGoogle Chrome、iPhoneならSafariであいる可能性が高い。Operaの市場シェアはライバルと比べるとごくわずかだ。しかし、それでも売上が立つほどこの市場は巨大なのである。

F-1書類の中で同社は、2017年の売上が1.289億ドル、純利益が610万ドルだったと報告している。

Operaを巡る会社の歴史は少々複雑だ。数年前、Operaの株主らは中国企業のコンソーシアムにブラウザー事業を 売却した。アドテック事業はOtelloという別会社を作って運営している。

今回上場したOpera Ltd.には、いくつかの製品がある—— デスクトップ・ブラウザー、複数のモバイル・ブラウザーおよび、スタンドアロンのOpera Newsアプリ。全体では、毎月1.82億人がOpera製品を少なくとも1つ使っている。

Operaにとって主要な課題は、売上の大部分が2つの検索エンジン契約——GoogleおよびYandex——から成っていることだ。この2社はOpera製品のデフォルト検索エンジンになることに対して費用を支払っている。Yandexはロシアでのデフォルト、Googleはそれ以外の国々のデフォルトになっている。

同社は広告およびライセンシング契約によっても収益をあげている。Operaを初めてインストールすると、ブラウザーにはeBayやBooking.comなど、デフォルトで様々なサイトが登録されている。これらの企業はOperaに料金を支払っている。

Operaは今後、できるだけ多くのユーザーを集めてIT巨人らに対して意味のある存在であり続ける必要がある。Operaのビジネスモデルは、ユーザー基盤と直接相関している。Operaを使う人が増えれば、会社がGoogleやYandexや広告パートナーから手に入れる金額が増える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Tesla、今度のブランド商品は1500ドルの…サーフボード

Teslaがブランド製品を出すのは珍しくない。カンパニー・ハット、Tシャツ、マグを作った。子供用のミニチュアTeslaやTesla車を充電するスーパーチャージャーを形どったUSB充電器といったイロモノもある。

そして、今度はサーフボード?

Teslaブランドのサーフボードは、ウェブサイトで1500ドルで販売されている(アップデート:今は売り切れ)。

税抜き価格1500ドルは、サーフボードとしてハイエンドの部類に入る。JSやRipcurlといった会社の一級品でも750ドル程度で入手できる。Lost(今回Teslaがコラボしているメーカー)のほとんどの製品が700~800ドル程度だ。しかし、限定200個というこの商品なら売り切れても不思議はない。私の予想では、壁に飾られるか、ルーフキャリアーの永久アクセサリーになることはあっても海で波を切ることはなさそうだ。

興味のあるサーファーのために書いておくと、Lost社の別の “Black Dart”モデルによると、ボードの長さは6フィート8インチ。フィンはついていない。200枚のボードは2~10週間で出荷されるとページには書いてある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ソフトバンク傘下のARMが米データ分析企業Treasure Dataを6億ドルで買収か

7月30日、ソフトバンクグループ傘下のコンピュータチップ設計企業ARM Holdingsが米国のデータ分析企業Treasure Data(英語サイト。日本のサイトはこちら)を買収することに合意したとBloombergが報じた(英語)。記事によれば、買収金額は約6億ドル(約666億円)。関係者の情報によるもので、ARMおよびTreasure Dataは正式なコメントを発表していない。

Treasure Dataはカリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置く、ビッグデータ分析企業。2011年にシリコンバレーでCEO兼共同創業者の芳川裕誠氏らにより設立された。購買履歴やIoTセンサーからの情報分析を行うSaaSプロダクトを提供。自動車、小売、IoT、エンターテインメントなどの業界で利用されている。

ソフトバンクは2016年7月にARM買収の意向を表明し、同年9月に240億ポンド(表明当時のレートで310億ドル)で買収を完了している。今回の買収はARMのIoT分野進出への一環として行われるものとみられている。

スター・ウォーズ/エピソード9に、レイア役キャリー・フィッシャーが未公開シーンを使って登場

〈最後のジェダイ」をまだ見ていない人にはネタバレ注意〉なのだが、現時点でまだ見ていない人が、次回作のキャスティング発表を読むことなどあるのだろうか。

スターウォーズの世界では誰も本当に死ぬことはない。Star Wars: Episode IXの公式キャスティング・リストが発表になり、そこには親しみのある魅力的な名前が並んでいる。待望のランド役として戻ってきたビリー・ディー・ウィリアムズと並んで、キャリー・フィッシャーの名前も載っている。

もちろんフィッシャーは残念ながら2016年に亡くなっているが、レイア・オーガナ姫は帰ってくる。CGを使ってキャラクターを再現するのではなく、監督・共同脚本家のJ・J・エイブラムスは「フォースの覚醒」の未使用シーンを再利用するつもりだ。

「キャリー・フィッシャーが大好きで仕方がなかった」とエイブラムスが発表のプレスリリースで言った。「スカイウォーカー物語の真に満足の行く結末を見つけるために彼女を欠かすことはできなかった。代役を立てたりCGを使うことは一切考えなたった。娘さん[ビリー・ロード]の協力と賛同を得たことで、キャリーと一緒に撮ったエピソード7の未使用フィルムをエピソード9で使ってキャリーのレイア姫としての遺産と役柄の栄誉を称えることができる」

「ローグ・ワン」では若きレイアをイングヴィルド・デイラとILMの古い技術を少々使って再現するという、少々不気味の谷的なアプローチをとった。

マーク・ハミルも戻ってくる。しかし「最後のジェダイ」で彼に何が起きたかを踏まえると、彼がゴーストとして登場するのかどうかはなんとも言えない。確かなことを知るためには2019年12月が来るまで待つほかはない。

ほかにも、デイジー・リドリー、アダム・ドライバー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、ケリー・マリー・トラン、ヨーナス・スオタモらが帰ってくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

証券ビジネスをプラットフォーム化するFinatextがKDDIなどから60億円を調達

金融サービス開発やビッグデータ解析、証券サービス提供を行うFinTechスタートアップのFinatextが7月30日、KDDIジャフコ未来創生ファンドを引受先とした総額60億円の資金調達を実施したことが明らかになった。

Finatextは今年1月に子会社スマートプラスを通して証券業に参入することを発表。委託手数料0円のコミュニティ型株取引アプリ「STREAM」を提供している。またブローカレッジ、証券取引の執行機能をプラットフォーム化する「BaaS(Brokerage as a Service)」という考え方に基づき、証券ビジネスを効率化し、多様な証券サービスを低コスト・短期間で構築できる環境を展開している。

今回調達した資金はスマートプラスの財務基盤強化に充てられる。顧客のニーズに合わせたさまざまな証券サービスを提携パートナーと協力して提供し、5年以内に「ミレニアル世代向け証券会社No.1」となることを目指すという。

またFinatextは増資を機にKDDIと業務提携契約も締結。Finatextの持つUI/UXデザインやサービス構築力を生かし、「au WALLET」をはじめとしたKDDIグループ企業の金融・決済分野を中心に、スマートフォンアプリを通じてユーザーごとにあったライフデザイン提案を行う予定だ。

また、KDDIが持つ3900万人超の顧客基盤や豊富なデータ、KDDI子会社ARISE analyticsが持つデータ利活用ノウハウと、FinatextのAI/ビッグデータ解析技術を掛け合わせ、FinTech領域で新たな事業を生み出すことも検討していくという。

Finatextは2013年12月創業。2017年5月にジャフコから14億2500万円の資金調達を実施している。

同社は株式市場の予想アプリ「あすかぶ!」や仮想通貨を使ったFXの予想アプリ「かるFX」といったコンシューマー向けの投資アプリを手がけてきた。また、2016年4月からは日本アイ・ビー・エムと共同でロボアドバイザーのエンジンを金融機関に提供するビジネスも行う。

2016年8月にはナウキャストを買収し、機関投資家向けビッグデータ解析サービスを展開。2018年から子会社スマートプラスで証券業、証券ビジネスプラットフォーム事業を行っている。

TechCrunch Japanでは今回の資金調達について、Finatext代表取締役の林良太氏に取材を行い、調達の意図や今後の事業展開などについて詳しい話を聞く予定だ。

「WOVN.io」がスマホアプリ対応版の多言語化ツール「WOVN.app」提供開始

ウェブサイトの多言語化をたった1行のコード追加で実現するツール、それが「WOVN.io(ウォーブンドットアイオー)」だ。サービスを運営するWovn Technologies(旧ミニマル・テクノロジーズ)は7月30日、スマホアプリに対応した多言語化ツール「WOVN.app(ウォーブンドットアップ)」のベータ版提供を開始した。

Wovn.ioについてはTechCrunch Japanでも何度か紹介してきた。2014年秋に開催したTechCrunch Tokyo 2014 スタートアップバトルでは、PayPal賞、マイクロソフト賞を獲得。既存の1言語のサイトがあれば、簡単に多言語化できる点が特徴だ。言語ごとにページを用意したり別サーバを立てる必要はない。

Wovn.ioでは、翻訳したいページのURLを管理画面に入力すると、翻訳すべきテキストが抽出され、リストアップされる。テキストは機械翻訳で一括して翻訳することが可能。またリストの1つ1つを任意で訳すこともできるので、誤訳を修正することや、固有名詞や意訳など独自の翻訳コンテンツを用意することもできる。サイト内で共通して頻出する用語は用語集に登録することで、同じ言葉に翻訳してくれる。

対応する言語は約30言語。翻訳先の言葉が分からず自分で校正できない場合は、管理画面からプロの翻訳者に直接翻訳を依頼することができる。1語5円、通常24時間から48時間で翻訳が可能だそうだ。

翻訳が完了したら保存・公開を行って、サイトとWOVN.ioを連携させる。サイトとWOVN.ioとの連携は、1行のコードをHTMLに追加するだけ。JavaScriptのコードスニペットのほか、PHPやRubyのライブラリなどにも対応している。

料金体系は、ページ数やPV数を制限し、基本機能を無料で利用できるWOVN.ioと、大規模サイト向けに個別見積りで機能拡張にも対応する、有料版のWOVN.io PRIMEの2通り。エイチ・アイ・エスや東京急行電鉄など大手を含む1万以上の企業で導入されているという。

Wovn Technologies代表取締役の林鷹治氏によれば「一般向けの公開サイトだけでなく、企業内のワークフローシステムなど、日本に在住して働く外国人向けの利用も増えている」とのこと。カスタマイズが可能な有料版は、テーマパークのチケット予約サイトなどでの利用事例もあるそうだ。

小売やチケット販売などで有料での利用が伸び、売上ベースで前年比400%を超える勢いだと林氏は言う。その背景について「多言語化SaaSはニーズが高い。(サイトなどの)プロダクトが大きければ大きいほど、多言語化は困難だ」と林氏は説明する。

「多言語化では翻訳費用だけでなく、システム対応費用も発生する。WOVN.ioを使えば、1つのシステムで言語を切り替えて国際化することができ、開発コストを下げることができる」(林氏)

既存サイトに後付けで多言語ページが用意できるWOVN.ioでは、大規模サイトで従来発生していた数千万円単位の開発コスト、数カ月単位の開発期間を圧縮できる。「大きな組織ほど効果が評価され、大きな予算で利用してもらっている」と林氏は述べる。

「CDNサービスのAkamaiや、DBをベースにソフトウェア製品を出すOracleのように、大手企業の多言語化されたサービスの後ろでは、実はどれもWOVNが動いている、という状況に持っていきたい」(林氏)

そうした構想を強化すべく、今回新たに投入されることになったのが、スマホアプリ向けの多言語化ツールWOVN.appだ。

若年層を中心に、PCよりスマホなどスマートデバイスの存在感が増していること、スマホ内ではブラウザよりスマホアプリのほうが利用時間が長いという調査もあり、WOVN.ioを利用する顧客からもアプリの多言語化についての相談が増えていたという。そこで開発されたのが、WOVN.appだ。

7月30日よりクローズドベータ版として、まずはiPhoneアプリ用SDK(Swift)を提供開始。今秋には正式版としてローンチする予定だ。

「モバイルアプリは言語のローカライズをするだけでも、いちいちApp StoreやGoogle Play ストアに申請が必要だが、SDKをアプリに組み込むことで、WOVN.ioと同様に管理画面から翻訳ができるようになる」(林氏)

対応する言語はWOVN.ioと同じく、約30言語。これから開発する予定のアプリだけでなく、リリース済みのアプリに組み込むことも可能だ。「EC」「予約」「ニュース・メディア」「SaaS」「交通」などあらゆるアプリに組み込むことができるという。

「アプリの多言語運用は本当に大変。翻訳データをエンジニアに渡してビルドしてアップし、ストアへ申請する、ということをアップデートの度にやらなければならない。特にECサイトなど(コンテンツの多いプロダクト)では大変で、独立した部署や別会社を作るぐらいの体制で対応しなければならない。そうした企業でWOVN.appを使えば、運用コストが下がるのではないか」(林氏)

林氏は「WOVN.appは動的アプリの多言語化に強いサービスだ。まずはウェブサイトとアプリの両方があるプロダクトから、利用をお勧めしたい」と話している。

CAやDeNAらが「シブヤ・ビットバレー」プロジェクト開始、渋谷をIT分野の世界的技術拠点へ

つい先日、freeeやマツリカなど五反田に拠点を置くスタートアップ6社が共同で一般社団法人「五反田バレー」を設立したことを紹介したばかりだけど、今度は渋谷の番のようだ。

サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、GMOインターネット、ミクシィの4社は7月27日、渋谷をIT分野における世界的技術拠点にすることを目的とした「SHIBUYA BIT VALLEY(シブヤ・ビットバレー)」プロジェクトを開始した。

ビットバレーと聞いて「いつの話だよ」とか「なんで今更?」と思ったあなたはおそらくIT業界通なのだろう。ビットバレーという言葉が世に出回ったのは今から約20年前の2000年前後。僕も当時は田舎の小学生だったので人づてに聞いたことしかないのだけど、ITビジネス黎明期に多様なベンチャーが集積して切磋琢磨していたという。

そんな渋谷には現在もメガベンチャーからスタートアップまで様々なIT企業が集い、「日本のインターネットの発展を牽引する最先端テクノロジーの集積地」として事業を展開している。このような背景もあり、創業から長く渋谷に拠点を構えるIT企業が力を合わせて「渋谷をIT分野における世界的技術拠点」にするべく企画したのが、今回のSHIBUYA BIT VALLEYプロジェクトだ。

最初の取り組みとしてエンジニアを目指す学生やIT業界に携わる若手エンジニアを対象にしたテックカンファレンス「BIT VALLEY 2018」を、渋谷区の後援を受けて9月10日に開催する予定。その後も渋谷区と連携を深めつつ、テックカンファレンスの開催を中心に、渋谷のIT企業のコミュニティ強化や交流の活性化を目指して継続的に活動していく方針だという。

ソフトバンクとヤフー、今秋にスマホ決済サービス「PayPay」開始へ

ソフトバンクとヤフーの合弁会社はPayPay(ペイペイ)は7月27日、2018年秋よりバーコードやQRコードを使って決済ができるスマホ決済サービス「PayPay」を開始することを明らかにした。

同サービスを提供するにあたって、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資先であるインドの決済サービス事業者Paytm(ペイティーエム)と連携。すでに3億人以上のユーザーと800万店の加盟店にサービスを提供している同社のテクノロジーも活用しながら、新たなスマホ決済サービスを構築していく方針だ。

ソフトバンクとヤフーでは日本国内でキャッシュレス決済の普及を促進することを目的に、2018年6月に合弁でPay株式会社を設立(7月より現在のPayPayへと社名を変えている)。利用者と加盟店の双方に利便性の高いサービスの実現に向けて動き出していた。

リリースを予定しているPayPayではユーザーがアプリを使って店舗のレジ付近などに提示してあるQRコードを読み取る方式(ユーザー読み取り方式)と、バーコードやQRコードを提示して店舗のレジでスキャンしてもらう方式(店舗読み取り方式)の2つの手段を提供する予定。支払方法はクレジットカードと電子マネーから選択できるという。

ヤフーは6月より「Yahoo!ウォレット」の新機能としてスマホ決済サービスを提供していたが、こちらについては今後提供を終了(時期は未定)。PayPayとYahoo! JAPAN IDを連携させ、「Yahoo! JAPAN」アプリからPayPayの機能を利用できるようにする計画だ。

またPayPayでは加盟店獲得の施策として店舗側が負担する決済手数料を開始から3年間無料とするほか、店舗にユーザーを集客するための施策を実施予定とのこと。ソフトバンクや口座数が4000万件を超えるYahoo!ウォレットの顧客基盤、営業ノウハウなども用いながら「スマホ決済におけるユーザー数ナンバーワン、加盟店数ナンバーワンのサービス」を目指していく。

Google初のスマートディスプレーがついに登場

何ヶ月も待たされたあと、Google Smart Displayがついにやってきた。Googleは去る1月のCESで数々のデバイスを発表した——もちろんAmazonに対抗するために。Echo Showはスマートスピーカーの世界では十分新しいデバイスだったが、このハードウェアにはいつも何かが欠けていた。

一方Googleはと言えば、重労働はハードウェアパートナーに任せ、CESではLenovo、JBL、およびLGのデバイスを発表した。その中でもLenovoは断然ルックスが良い——しかも最初に市場にでたのはこれで、8インチバージョンが200ドル、10インチが250ドルで販売されている(YouTube Premiumが3ヶ月分ついてくる)。ほかの2つは「近日発売」としてリストに載っているだけだ。

GoogleはI/Oカンファレンスでさらに一歩前進し、ハードウェア開発キットを配布したので興味のあるメーカーは自分で作ることができる。スマートスピーカー市場が何らかの参考になるなら、そう遠くない将来にこの手の製品があふれることが予想される。

Echo ShowやEcho Spotを試してみたことのある人なら、内容はわかっているだろう。ニュース、音楽、ポッドキャスト、レシピ、等々すべてがビジュアル要素と共に利用できる。もちろん、このスマートディスプレーにはAmazonにはない非常に重要な要素がある:YouTubeだ。YouTubeの利用は両社の戦いにおける重要な争点だ。つまるところ、この種のハードウェアでもっともよく使われる場面の一つがこれだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Samsung、新しいNote 9の大容量バッテリーをCMで予告

ここ数週間に数多く流れてきたGalaxy Note 9のリーク情報によると、新しいのファブレットは先行機種とあまり変わっていないようだ。しかし、その内部では多くのことが起きているらしい。

最新ニュースが示唆しているのは4,000 mAhバッテリー——前モデルより700 mAhも増えている。これは内蔵バッテリーとしてはかなりの贅沢だ。同製品のスポットCMも大きくなったバッテリー容量を、具体的なスペックを説明することなく見せつけようとしている。そして当然ながらその過程でAppleを叩いている。 これは最近のSamsungの常套手段だ。

もちろんバッテリーサイズの大きな飛躍にはある大きな理由がある。Samsungは、数年前にNote 7が爆発して以来バッテリーに関してはかなり慎重になっている。様々な安全機構を新たに導入するまでに過度なほど謝罪を繰り返した。それ以来、この会社は火遊びをしたことはない。

しかしこの様子だと、8月9日のイベントですべてが変わるかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Preferred Networksが中外製薬と東京エレクトロンから9億円を調達、深層学習技術を用いた共同研究へ

深層学習技術、機械学習技術の研究開発を行うPreferred Networks(PFN)。これまでもトヨタやファナックを始めとした大企業から出資を受け、各業界の課題解決に向けて共同研究を進めてきたこのAIスタートアップが、また新たな企業とパートナーシップを組むようだ。

同社は7月26日、中外製薬と東京エレクトロンから総額で約9億円を調達することを明らかにした。内訳は中外製薬から約7億円、東京エレクトロンの子会社から約2億円。2018年8月に出資を受けることで合意したという。

調達した資金を基にPFNでは組織体制や財務基盤の強化、計算環境の拡充を進める計画。また中外製薬とは医薬品研究の分野において、東京エレクトロンとは半導体製造分野において深層学習技術(ディープラーニング)を用いた共同研究に取り組む。

PFNは2014年3月の設立。これまでも何度か紹介しているが、代表取締役社長の西川徹氏が2006年に立ち上げたPreferred Infrastructure(PFI)からスピンオフする形で始まったスタートアップだ。

2017年10月にトヨタから約105億円の資金調達を実施した際には話題となったが、それ以前にも日本電信電話(NTT)やファナックから出資を受けているほか、直近では2017年12月に博報堂DYホールディングス、日立製作所、みずほ銀行、三井物産にファナックを加えた5社から20億円を超える資金を集めている

PFNではこれまで「交通システム」「製造業」「バイオヘルスケア」という3つのドメインを重点事業領域として設定。トヨタやファナック、日立、国立がん研究センターなどと各分野の研究開発を進めてきた。具体的には自動運転やコネクテッドカーに関する技術、ロボティクスや工作機械への応用、医用画像の解析や血液によるガンの早期診断技術といったものだ。

今回出資を受けた2社とも同様に事業面での連携を進めていく方針。東京エレクトロンとは半導体製造分野で最適化・自動化などをテーマに深層学習技術を用いた共同研究をすでに開始している。

中外製薬とも革新的な医薬品・サービスをはじめとする新たな価値創出を目的とした包括的パートナーシップ契約を締結。深層学習技術を活用して医薬品研究開発の解決を目指すとともに、より探索的な取り組みも含めて複数の共同プロジェクトに取り組む方針だ。

Chromeの最新バージョンは、非暗号化ページに”not secure”マーカーをつける

本日(米国時間7/24)Googleは、Chromeブラウザーのversion 68を正式発表し、暗号化されていない(非HTTPS)ページに “not secure”[安全ではない]マークを付けるという以前からの約束を正式にした。Chromeが、ブラウザー全体で安全な(HTTPS)ページの利用を促進するという時間のかかる計画を発表してから、ここまでに2年近くかかっている

過去の更新で、Chromeはすでに重要なHTTPページ——銀行情報や個人情報を収集するサイト——に “not secure”ラベルを付加し始めている。しかし、ブラウザーの安全を約束するという目標に向けて、今日Chromeは、9月からHTTPSサイトの “Secure” マークを外し、10月から非暗号化サイトに赤い “Not secure”マーカーを付加する計画を発表した。

従来Chromeは、インターネット上のHTTPサイトの数が多すぎるため、すべての非暗号化サイトにマーカーをつけることは現実的ではないとしていた。しかし、ここ数年に安全なサイトが増えてきた結果、この方法はより実際的になった。

2014~2018年にわたって同ブラウザー上の暗号化利用を追跡したChrome Transparency Reportによると、AndroidおよびChromeOSのブラウザートラフィックでは、暗号化率は上がっている(Androidでは42%から76%へ、ChromeOSでは67%から85%)。また、2014年にトップ100のウェブサイト中HTTPSをデフォルトで使用していたのはわずか37サイトだったのに対して、2018年には83サイトに増えたことも報告書に書かれている。

Chromeによるこのセキュリティーアップデートは、最近起きているセキュリティーハックに直接対応するものではなさそうだが、良いタイミングだった。最近世界で起きている銀行医療、および選挙ハッキングの事件を受け、セキュリティー、特にオンラインセキュリティーは深刻な話題となっている。

“secure”なサイトはあなたのデータが侵入を受けないという意味ではないが、、Chromeは今後もユーザーが最も安全な体験を得られるように、この分野での努力を継続するつもりだと語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

チャット小説アプリのtaskeyが1.5億円を調達ーー「21世紀、最も読まれる物語を生み出す」

チャットを見る感覚で小説が読めるアプリ「Peep」を提供するtaskeyは7月25日、Global Catalyst Partners Japan、グッドスマイルカンパニー、サイバーエージェント・ベンチャーズ、コルク、BASE Partners Fund、三井住友海上キャピタルなどから総額1.5億円を調達したと発表した。調達した資金をもとに、peepの新たなコンテンツ制作・プロモーションを加速させるという。

「21世紀、最も読まれる物語を生み出す」ことをミッションとしている同社のアプリ、peepは、チャット型UIを使用することで、スマホを使う特に若い世代にとって読みやすい形でコンテンツを提供している。画面をタッチするごとにセリフが出てくるので、ストーリーを目で追うのが非常に簡単だ。僕もかつては文学少年だったが、今の時代、なにも縦読みにこだわる必要はないのだな、と痛感させられた。

同社の強みについて、代表取締役CEO大石弘務氏は、自身が経営者としてだけでなく作家としても活動していることだと答えた。大石氏の腕は、2017年に沖縄国際映画祭で募集が行われた「原作開発プロジェクト」にて、Amazonプライムドラマの原作小説である「エスカレーターボーイ」で大賞を受賞しているほどだ。

peepの掲載作品数は約700作品、掲載話数は約1500話。これらは大石氏や契約作家によるオリジナルコンテンツだ。ユーザー投稿型のチャット小説アプリが主流な中、大石氏が作家として作品の目利きを出来る点が他社・他サービスにはない強みだ。

同アプリは2018年7月4日の時点でApp Storeの国内チャット小説アプリにおいて課金売上第1位を獲得している。また、2018年5月に新たな取り組みとして漫画をチャット小説化した「タップコミック」の提供を開始しており、コルク提供の漫画「ドラゴン桜」のタップコミック版は提供開始当初よりユーザーから高い評価を得ているという。

taskeyは2014年の創業。2015年2月に小説投稿SNS「taskey」のブラウザβ版をリリースした同社がpeepのサービス提供を開始したのは2017年12月からだ。

peepの開発について、大石氏は「taskeyを通じて知り合った作家さんのコンテンツでマネタイズできないかとずっと考えていて、出会ったのがチャット小説というインターフェイスだった」と語った。

また、「縦書きで書かれている小説っていつまで読み続けられるんだろう、と思っていた」と説明した上で、チャット小説であれば「若い世代にもテキストのコンテンツでちゃんと届けられると実感した」と話した。

同社は設立当初から海外展開を目指していたという。taskeyでは小説を投稿したり、投稿された作品を読んだり、という小説投稿サイト的な機能に加えて、作品をユーザーが自ら翻訳して公開するという機能がある。だが、「小説の翻訳をするのはハードルが高かった」と大石氏は語った。

だが、チャット小説は小説と違い、「1つ1つのセリフが短いので、機械翻訳でも意味が理解できる程度の翻訳ができる」という。

今回調達した資金をもとに、同社は今後、チャット小説の提供のみならず、イラスト・動画を使った新たなコンテンツ制作に注力する。大石氏は新たにインハウスの編集者を採用し、ノウハウを伝授することにも積極的だ。さらに、日本のみならず、peepの海外への展開も予定しているという。

大石氏はpeepのコンテンツを「年内には海外に出そうと思っている」と述べていた。

Google CloudのAutoMLサービスはFigure Eightとパートナーして訓練データの充実を目指す

機械学習のモデルの訓練やテスト、微調整などを支援するプラットホームFigure Eightが今日(米国時間7/24)、Googleとの重要なコラボレーションを発表した。それによると、今後Google CloudのAutoMLサービスでは、Figure Eightが機械学習のデータの作成やアノテーションを行なうときのデファクトスタンダードのパートナーになる。

Figure EightのCEO Robin Bordoliによると、Googleは前から顧客だったが、AutoMLがベータになり、そのプロダクトポートフォリオを拡大している現状では、両社がもっと密接に協働すべき、との結論に達した。Bordoliの主張では、デベロッパーが機械学習のモデルを構築するときの今だに最大の難関が、データの訓練だ。Googleも、そのことをよく認識している。“彼らの認識では、データ訓練の欠如がAutoMLの採用を阻む基本的な障害だ”、と彼は述べる。

AutoMLの最初のプロダクトは機械視覚がメインだったから、Figure EightとGoogleのパートナーシップも、ビジュアルデータによるモデルの訓練が多かった。Figure Eightのサービスを利用することによって、比較的経験の浅いデベロッパーでも、データの収集やAutoML向けの準備、それによる実験などができていた。

Figure Eightが類似のプラットホームと違うのは、その工程に人間が関与することだ。Bordoliの主張では、訓練データのアノテーションを完全にAIツールにまかせることなんて、できない。それは、人間にだけまかせるわけにはいかないのと、同じだ(世界中の人びとを集めてタグ付けをやらせないかぎり)。

GoogleのGoogle Cloud AutoMLのプロダクトマネージャーFrancisco Uribeはこう語る: “うちの顧客の重要なニーズが、人間によるラベル付けだ。Figure Eightとのパートナーシップによって、そのニーズのサポートが強化される”。

このパートナーシップに基づいてFigure EightはAutoML専用のテンプレートと、データをアップロードするプロセスをたくさん作った。同社はまた、顧客がデータを作って訓練する際の お手伝いも提供する(それにより、公平なAI(AI fairness)の担保を目指す)。Google CloudのユーザーはFigure Eightのプラットホームを使って最大1000までの画像にラベルを付け、また同社のアノテーターを利用することもできる(アノテーションを自分でやらない場合)。

今日の発表に至るまでにFigure Eightはすでに、100億以上のデータラベルを生成しており、Googleとの公式パートナーシップにより、それはさらに加速されるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

VALUが千葉功太郎氏から4500万円を調達、SNSを軸に継続的な関係性を築けるプラットフォームへ

個人個人が自分の価値を「模擬株式(VA)」として発行し、他のユーザーと取引できる斬新なサービスーー「VALU」をそのように紹介したのは、ベータ版がローンチされた翌日の2017年6月1日のこと。

ローンチ直後からインフルエンサーを始め続々とユーザーが集まり話題を呼んだ一方で、運営側が想定していた以上に投機的な使い方がされ、人気YouTuberの株式の大量売却騒動など問題も発生していた。

それ以降は誤解を招くとして「株式のように」という文言を削除。売却できるVA数を制限したり、短期的な売買ができない仕組みを取り入れたりなどルール作りを急ピッチで進めるとともに、社内の体制整備に力を入れてきたという。

そのVALUは7月24日、個人投資家の千葉功太郎氏から4500万円を調達したことを明らかにした。今回調達した資金を基にプロダクトの開発体制を強化する方針。現在iOSアプリの開発も進行中で、使い勝手を改善させながらさらなるグロースを目指す。

なお同社は昨年にも千葉氏から資金を調達をしているほか、過去にクリエイティブエージェンシーのPARTYや堀江貴文氏からも出資を受けている。

改めてVALUについて説明しておくと、同サービスは各ユーザーが自身のVAを発行し、売り出すことを通じて支援者(VALUER)を集めることのできるプラットフォームだ。VAの取引にはビットコインを用いる。VAには優待を設定することも可能。現在のユーザー数は約10万人、そのうち約2万人がVAを発行している。

ローンチ時には投機目的のユーザーが多かったが、それから約1年が立ちユーザー層にも少し変化があるようだ。現在は仮想通貨が好きな人や純粋に誰かを応援したいという人が利用者の中心。VAの発行者に関しても当初はインフルエンサーの存在が際立っていたが、今は色々な分野のクリエイターが増えてきている。

この1年で変わったのはVALUの中だけではない。「評価経済」や「信用経済」といったキーワードが徐々に浸透し始め、「タイムバンク」など個人の価値や信用に着目したサービスが台頭してきた(コミュニティやグループの価値に着目したサービスも同様に)。

その中でVALUの軸になっているのは、SNSをベースとしてVAの発行者と支援者が継続的な関係性を築けること。

「ファンクラブ会員権にも近いと思っている。(タイムラインを通じて)ユーザーに対して独自の情報を公開したり、その中で相互のコミュニケーションを楽しんだり、そういった空間を目指したい。イメージとしてはFacebookとTwitterの中間のようなコミュニティ。友達でもなくフォロワーでもなく、自分を応援してくれる特別なファンがついて、その人達と関係性を築ける場所にしていきたい」(小川氏)

小川氏の話を聞いているとオンラインサロンないし、「pixivFANBOX」のようなプラットフォームとかにも方向性としては近いのかなとも思ったけど、そことの違いは支援の仕方がポイントになるようだ。

具体的には上述したようなサービスは月額○○円のようなサブスクリプション型。VAを購入して(保有して)支援をするVALUとは形式が異なり、それによって発行者や支援者の捉え方や使い方も変わってくるという。

小川氏によると、徐々にVALUならではの新しい使い方も生まれているそう。例えばあるフリーランスのイラストレーターは、自身のコミュニティで出会ったアーティストのCDジャケットのデザインを担当。その報酬をお互いのVAを持ち合うことで支払う、といったことがあったのだとか。

今後もVALUでは軸となっているSNSの機能を中心にプロダクトを改善していく計画。冒頭で触れたアプリの開発も含め、今以上に発行者による情報公開や支援者とのコミュニケーションが取りやすいプラットフォームを目指していくという。

メルカリが3サービスを8月中に終了へ——「メルカリNOW」「teacha」「メルカリ メゾンズ」が対象

メルカリのグループ会社であるソウゾウは7月20日、現在提供している3つのサービスの提供を8月中に終了することを明らかにした。

対象となるのは2017年11月リリースの即時買取サービス「メルカリNOW」(終了日は8月20日)、2018年4月リリースのスキルシェアサービス「teacha」(終了日は8月21日)、2017年8月リリースのブランド品特化型フリマ「メルカリ メゾンズ」(終了日は8月31日)の3つ。提供終了までのスケジュールや詳細についてはそれぞれのサービスサイトにてアナウンスしている。

今回のサービス提供終了について、メルカリは「メルカリグループとして、これらのサービスを終了するとともに一部の機能を『メルカリ』のサービスに追加していくなどの経営資源の再配置を行い、『メルカリ』をはじめとする運営サービスのさらなる品質向上を目指します」とコメント。

同社では5月にも今回と同じく「グループ全体で経営資源を集中すべく」地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」を終了していたが、今回は3サービスの終了を同時に発表。特にスキルシェアサービスのteachaは4月25日にリリースしたばかり。かなり迅速な意思決定といえるだろう。

なお上記のサービスは終了するが、ソウゾウでは今後もフリマアプリ「メルカリ」を超える新規事業の創出に取り組んでいくという。