Apple Watchに触ってみた…その第一印象

Appleのウェアラブル戦略が見えてきたが、その、自己を‘その他大勢’から差別化する要因は、1)スムーズでずば抜けて使いやすいインタフェイス、2)ユニークなコントロールの仕組み、3)通知機能にとどまらない多様なアプリや機能が可能、4)小さな画面のデバイスによくフィット、といったあたりだ。そのApple Watchは、ほかにも、モバイル決済(支払)やNFCにも対応し、またAppleの新技術である’Secure Element’で決済情報を保存するなど、高度な機能を盛り込んでいる。

つまりApple Watchでは、それが対話するデバイス(iPhone 5以降)の上でのApple Payを利用できる。ただし今回のプレリリースバージョンでは、デモの内容も含め、自分の手首の上でチェックできたのは基本機能だけで、しかしAppleの社員たちがステージの上で操作してみせたのには、もっと高度な機能があった。

いろんな機能を正当に評価できるほどの十分な時間はなかったが、でも通知とクイックリプライはおもしろくて便利そうだ。しかしAppleがデモした二者間通信(二人のあいだで手書きのメッセージや、スマイリーのアニメ、心拍などを共有)は、やや奇異な感じがした。ただし今回Appleはその機能の目新しさをもっぱら伝えたかったようだから、実際にユーザの日常に定着するかどうかは、これからの問題だ。




〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

これらのメッセージが来たときの”Taptic”フィードバック(手首に軽い振動を与える)や、そのほかの通知機能はたしかに快適だ。つまり、相手の人が実際に自分の手首をタップしたような感触がある。Android Wearのうるさい振動音に比べれば、断然、しゃれている。必ず気がつくけど、全然うるさくはない。ぼくの短時間の経験では、38mmのApple Watchの方が42mmのバージョンよりTaptic通知は快適だが、その差は微差だ。

でも全体として、38mmの方がぼく好みだ。ぼくはウォッチファンでもあるので、小さい方がウォッチらしくて親しみを覚える。ぼくの大きな手首に巻いても、違和感はない。女性向けにデザインされているわけではないが、でも男女を問わず人気機種になるのはこっちの方(画面が小さい方)ではないか、とぼくは感じた。

レザーバンドも良くできていて、快適だ。スポーツ用バンドも、運動時に使えばきっと快適だろう、と思わせる。着脱型でサイズも変えられるリンクブレスレットはすばらしいイノベーションだけど、今回はスマートウォッチ用だけだ(下のビデオの4:40あたり)。ボタン類は、とても細心にデザインされているし、時計のいわゆる竜頭が回転する感じも、インタフェイスの要素としてなかなか楽しい。

ウォッチ上のいろんなインタフェイスをナビゲートする使い方と、単純に情報や通知を受け取るだけの使い方、どっちが主流になるか、まだなんとも言えないけど、とにかくAppleはこの新製品に本物のイノベーションを山盛りにした。ユーザがウェアラブルに求めるであろう、求めるかもしれない、機能をここまで深く考え探求したスマートウォッチメーカーは、今のところApple以外にない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhone 6とiPhone 6 Plusを使ってみた

iPhone 6と6 Plusは、Appleの新たな旗艦製品であり、これまでの製品とは大きな違いがある。4.7インチの6は、新型Retina HD解像度ディスプレイと角の取れたエッジを備え、画面とそれ以外のケース部分とのスムーズな遷移を実現している。カメラも改善されている他、一番の注目かもしれないのがApple Payだ。これはNFCを利用したテクノロジーで、Touch IDを認証に使用して支払い承認を行う。6 Plusは、以上に加えて、光学手ぶれ補正およびさらに大容量のバッテリーを塔載している。

iPhone 6

iPhone 6を手に持った感じは、明らかに大きくなってはいるが、注目すべきはさほど嵩張って感じないことだ。丸みを帯びた縁と薄くて軽い筐体は、iPhone 3GS以前の旧機種を彷彿とさせるが、使われている材料は上質で、さらに高級感を増している。


【日本語版注:ここにスライドショウが表示されない場合は、原文にてご覧下さい】

画面が大きくなっても、上端に手を伸ばしてタップすることに不便を感じることはなく、画面解像度も実にすばらしい。ピクセル密度の違いは見てすぐにわかる。最初のRetinaディスプレイの説明を信じるなら、理論的には人間の目の識別能力を越えているのだが。解像度のせいであれ、カラーレンダリングと画面ライティングの改善のせいであれ、その効果は人工的にさえ感じる ― まるで画面にデモ画面の写真を貼り付けたかのようだ。

新しいカメラに触れてみてわかった改善点もまた印象的だった。iPhone 6は、光学手ぶれ補正を除き、iPhone 5sの2倍の240 FPSスローモーションビデオ(再生は2倍遅い)を含むすべての新機能を塔載している。カメラのオートフォーカスは、フェーズディテクションによって、より速く効果的でになり、ピントの合った部分のハイライトはなくなった。改善のおかげで必要なくなったからだ。

iPhone 6 Plus

6 Plusは、手の小さな人には向かない。5.5インチ画面を使うには、間違いなく慣れが必要だ。ただしそのためのプロセスは、新たに導入された、ホームボタンのダブルタッチ(プレスではない)で、アプリ、ホーム画面を含むOSの全機能を片手で使える新モードのおかげで簡単になっている。このモードでは、すべてのUIが親指の届く範囲にシフトされる。

6 Plusには、便利なランドスケープ(横位置)ビューが加わり、例えばメッセージやメールを見ながら、受信箱を見たり、システムソフトウェアで詳細ビューを見たりできる。これは、迅速に作業する上で大きな利点であり、iPadで見られる機能に匹適するものだ。

Appleの光学手ぶれ補正も、画像品質を大きく改善することが期待できるが、iPhone 6の補正機能と比べて、実際どの程度の違いがあるのかは、詳しくテストしてみるまだわからない。

全体的に見て、両機種とも多くの面で著しく改善されたデバイスであり、私が試した短い時間のあらゆる場面においてOSのレスポンスの良さとスピードが感じられた。新しいA8プロセッサーは明らかに効果を発揮しているので、今後テストを重ねる上でどんな結果が出るのか楽しみだ。これは一部のユーザーには強力なセールスポイントになるかもしれないが、価格とサイズを考えると、6 Plusは街中で見かけることが稀なデバイスになりそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoPro Fetch(犬用GoProハーネス)を試してみたら、犬の幸せを手に入れた

残暑も残る中、幸せに水遊びを楽しむ犬のビデオをご覧いただくこととしよう。見ているうちにきっとほのぼのしてしまうのではないだろうか。

このビデオは犬にGoProを取り付けるためのハーネスであるGoPro Fetchを利用して撮影したものだ。週末の休みを利用してコテージで撮影した。私たち家族をとても幸せな気分にしてくれたビデオの中から、一部を切り取ったものだ。

実はこれまで、自分のことをGoProのような先進テックデバイスを買うようなタイプではないと思っていた(子供でもいればまた違うのかもしれないが)。しかしFetchマウントの登場で、つい欲しくなってしまったのだ。写っている犬は我が家の愛犬Quincyだ。ラブラドールで、泳ぐのが大好きなのだ。

GoProを身につけさせた最初は、もちろん気持ち悪がっているようだった。犬目線のビデオは面白かったが、どうも自然な動きとは程遠い感じだった。しかし、洋服などを着ている犬もいるくらいで、すぐにGoProにも慣れてくれたようだ。そして自然な状態で泳ぎを楽しむ様子を撮影することができた。セラピーにも使えそうなくらいの「癒し」を感じてしまったのだが、如何だろうか。

Fetchは、かなり小さな犬から大型犬にまで対応できるようになっている。胸あるいは背中にGoProを取り付けることができるようになっているのも面白い(個人的には背中に取り付けた方が面白いビデオが撮れるように感じている)。犬が少々暴れても壊れたりしないし、そもそも犬の方でもすぐに慣れてしまうようだ。また、上のビデオでお分かりのように、水の中でも大丈夫だ。

GoProで使えるマウントはいろいろなものが出回っていて、適用範囲も大いに広がりつつある。スノーボーダーたちの間で大いに広まったが、次第次第にさまざまな環境で落としてしまったりするリスクもなく利用できるようになってきているわけだ。今回試してみたGoPro Fetchは60ドルほどで、GoPro.comから購入できる。

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(翻訳:Maeda, H


IntelのCore Mプロセッサで、ファンのない超薄型のコンバーチブルノートブックが年末商戦の主役に

Intelは今年IFA 2014でCore Mプロセッサをローンチし、また今年のクリスマス年末商戦にこのプロセッサを搭載したコンバーチブルノートブック(別名: ツーインワン, 2-in-1)を発売する主なパートナーを発表した。Mはエネルギー効率が良くて無駄な熱を発しないから、ファンが不要で、そのため、きわめて薄型の筐体が可能だ。

今の超薄型と称されるCoreベースのSurface Pro 3などはファンがあるし、そのぶんスペースを要し、広告でどれだけ静音を謳ってもノイズはある。ファンを追い出したAcerのChromebook 13は、本来モバイル用であるNvidia Tegra K1プロセッサを使用し、WindowsではなくChrome OSを搭載している。

しかし今年のホリデイシーズンにAcer、ASUS、Dell、HP、Lenovo、Toshibaなどが店頭に投じるツーインワン機は、フルバージョンのWindowsを搭載してパフォーマンスは数年前のノートブックの最上位機種をも上回る。ただし、最新世代のCoreほどではない。

電池寿命も長くて、8時間の連続ビデオ視聴が可能だ。それに、繰り返しになるが、ファンが要らないぶん、相当薄型のケースが可能で、Intelの説では9ミリもありえる(単4電池より薄い)。もちろんこれまでの最薄のラップトップより小さく、最上位のハイエンド機でもMacBook Airより薄いだろう。

デバイスが薄くなるとMicrosoftは、Windows 8のタッチインタフェイスを売り込みやすくなると思われるが、次のWindows 9ではタッチは強調されないらしいから、OEMたちによるM機のデザインの方向性は、どうなるだろうか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iWatchにNFCが組み込まれるなら支払だけでなくすべてのAppleデバイスのハブとなる

Wall Street Journalの記事によると、AppleはいわゆるiWatchにNFC(近距離無線通信)を組み込み、支払いデバイスにするかもしれないということだ。しかしNFCのiWatch(とiPhone 6)への組み込みが事実とすれば、単に支払いだけでなく、消費者に「これなら欲しい」と思わせるような多くの便利な機能への扉が開かれるはずだ。

WSJの記事は、来週のイベントで発表が噂されている時計タイプのウェアラブルデバイスにNFCが組み込まれるなら、それはAppleが支払サービスに本格的に参入を開始することを意味すると推測している。業界ではAppleは遅かれ早かれ、その膨大なiTunes Storeアカウントをデジタル・コンテンツの販売以外に利用することになると見てきた。iWatchに支払機能が組み込まれるというのは当然すぎる方向だろう。

またiWatchには2種類のサイズが用意され、曲面ディスプレイとヘルス関連の多数のセンサーが内蔵されるものと見られているが、New York Timesの記事によれば、iWatchに装備される歩数計、心拍計はこれまで市場に出回っている同種の製品よりはるかに精度が高いという。またフレキシブル・ディスプレイとワイヤレス充電機能が備えられるとも観測している。

その他多くの報道もNFCなどiWatchの基本的な機能に関してはほぼ一致している。私は当初、Appleが支払サービスに参入する理由を理解するのに苦しんだ。しかしNFCと支払機能がiPhoneだけでなくウェアラブルデバイスにも組み込まれるということになれば、なるほどきわめて強力なセールスポイントになる。

iWatchがNFCでMacとiOSデバイスと通信して、ユーザー認証を行ってくれれば、いちいちパスワードを手で入力する必要がなくなる。これだけでもユーザー体験の画期的な進歩だ。これまでにもBionym Nymiなどの専用認証デバイスは存在したが、Appleならこれを実用的な多機能ウェアラブルデバイスとして実現できる。iWatchによってユーザー体験がスムーズ化されるのは店舗での支払だけでなく、(iOS 8のHomeKit機能を通じた)iOSデバイスのコントロール、さらにはPassBookを利用したポイントカード入力や切符、チケットの購入まで幅広い。

Android Wearを利用したスマートウォッチが次々に市場に出ている中、iWatchが基本的にそれと同じ機能なのであれば(iPhoneと連携できるにせよ)さほどの魅力はない。 スマートウォッチが本当にマスマーケットに普及するためには、すべての普及しつつあるスマートホームデバイスも含めたすべてのデバイスのコンパニオンとして利用できるような機能を備えていなければならない。現在市場に出ているウェアラブルデバイスは程度の差こそあれ、いずれもあまり使いやすいとはいない。もしAppleがあらゆるAppleデバイスをコントロールできる機能をこれまでのプロダクトのようにシンプルなユーザー体験で提供できるなら、ウェアラブル市場の勝者となることは容易だろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Appleは9月10日〔日本時間〕のプレスイベントをApple製品にライブストリーム配信する

Appleは来週9月9日太平洋時間午前10時〔日本時間9月10日午前2時〕から開かれるプレスイベントの模様もライブストリーミングすると発表した。視聴にはデスクトップの場合、OS X v10.6.8以降とSafari 5.1.10以降、モバイルの場合にはiOS 6以降とSafariが必要となる。Apple TVの2世代、3世代のソフトウェアv5.0.2以降でも視聴できる。

これまでAppleは招待されて来場するプレスその他の関係者のみにライブストリーミングを提供し、現に進行中のイベントをストリーミングでも見られるようにしていた。今回は一般公開となったもののMac、iOSデバイス、Apple TVなどApple製品のユーザーが対象だ。Apple製品を持っていない、あるいは勤務時間中にライブストリーミングを見ている口実が見つけられない読者はわれわれのライブブログをどうぞ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


AsusのAndroid WearウォッチZenWatchは中身が濃くてややお高い

Asusが同社の初のAndroid Wearスマートウォッチを披露した。6月のGoogle I/Oのときに報じたとおりだ。そのAsus ZenWatchは、Androidウェアラブルとしてはやや変わったデザインで、プレロードされたソフトウェアがいくつかと、ジェスチャーコントロールがあり、とくに後者はLG G WatchやSamsung Gear Liveなどの類似デバイスと一線を画している。

ZenWatchはサンドウィッチ的なデザインで、真ん中の具がローズゴールド色、上下のパンの部分がステンレスだ。盤面のまわりはつや消し加工である。ディスプレイは1.63インチ320×320のAMOLEDで、やや曲面になっている。プロセッサは1.2GHz Qualcomm Snapdragon 400、RAMは512MB、Bluetooth 4.0ありだ。裏側には心拍センサがあり、幅22ミリのバンドはユーザが交換できる。IP55の防水防塵性能は、急な雨や水はねのとき助かるだろう。そして9軸の運動センサがある。

ジェスチャーコントロールやプレロードの機能がいろいろあり、これまでのAndroid Wearデバイスとは毛色が違う。たとえば、ウォッチの面をタップしてスマートフォンやタブレットをアンロックしたり、自分がセットした機能をダブルタップで開いたり、ウォッチをミュートにしたり、スマートフォンを見つけたり、カメラのリモート操作、スライド映写機能、などなど。これらを有効にするためには、Asusが作ったウォッチマネージャアプリをAndroid Wearだけでなくお相手のデバイス(スマートフォンなど)にもインストールする。

ZenWatchの価格は6月のときと違っていて、199ユーロ(約260ドル)で年末近くに発売される。このお値段も、これまでのAndroid Wearスマートウォッチのレベルではなく、お高い。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、カリフォルニア大サンタバーバラ校と協力して人工知能のための量子コンピュータ開発へ

今日(米国時間9/2)、Googleはカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のJohn Martinisの率いる研究チームがGoogleの量子コンピュータ研究プロジェクトに参加したと発表した。Martinisのグループは量子コンピューティングの分野でトップクラスであり、超電導電量子コンピューティングを2008年に世界でもっとも早く実現したグループの一つだ。

Googleは以前から量子コンピューティングの研究を行ってきた。たとえば、D-Waveのコンピュータを、それが本当に量子コンピューティングであるのかどうかさえ不明な段階で、世界でもっとも早く購入したユーザーの1つだ。2013年の量子コンピュータの研究開始以来、GoogleはNASAやUniversities Space Research Associationの量子人工知能ラボと協力している。

今回の発表はGoogleが独自のハードウェア開発に乗り出したことを示すものだ。「Googleの量子人工知能チームは独自のハードウェア開発グループを擁することになった。これにより 最近の理論の進歩とD-Waveの量子アニーリング・アーキテクチャーの利用に基づく知見を利用した新しいデザインの量子最適化と推論プロセッサーの実現を目指すことができるようになった」とエンジニアリング担当ディレクターのHartmut Nevenは今日のブログに書いている

MartinisのグループはGoogleのサンタバーバラ・オフィスに本拠を移すが、UCSBの学生、大学院生が引き続き協力する。またUCSBの製造、測定施設の利用も続けられる。

Martinisは「Googleに参加したことにより、量子コンピューティングを機械学習アプリケーションに適用するチャンスが得られることに興奮している」と語った。ディープラーニング・ニューラルネットワークのパイオニアであるGeoff Hintonが2013年にGoogleに参加したことをMartinisはおそらく念頭に置いているのだろう。自ら設立したスタートアップ、DNNresearchがGoogleに買収されたのを機にトロント大学からGoogleに移った。

Nevenは「Googleは自ら量子コンピュータ・ハードウェアの開発に乗り出すが、今後もD-WaveとNASAと協力し、D-WaveのVesuviusマシンを利用していく」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook <A


Apple、セレブのヌード写真流出に関してiCloudへの不正アクセスを認める―システムのハッキングは否定

ジェニファー・ローレンスら100人前後の女性セレブの ヌード写真がインターネットに流出した事件ついて、Appleが公式声明を発表し、iCloudストレージ・システムに何らかの脆弱性があったことが原因ではないかという推測を強く否定した。ただしAppleはシステムのセキュリティーが破られたことはないとしたものの、一部のユーザーのアカウントがフィッシング、パスワードや「秘密の質問」の答えを推測するなどの一般的な方法によって不正にアクセスされた形跡があることは認めた。

Appleの声明の全文は以下のとおり。

カリフォルニア州クパチーノ(BUSINESS WIRE) 一部のセレブの写真の流出に関して、われわれの調査結果をアップデートする。ユーザーのプライバシーとセキュリティーはわれわれの最大の関心事であるので、この憎むべき盗難に気づくと同時に全力で調査を開始した。40時間に上る調査の結果、一部のセレブのアカウントが不正にアクセスされた形跡があることを発見した。その方法はユーザーを個別に標的としたパスワード推測、「秘密の質問」の答えの推測など、これまで無数に繰り返されてきた伝統的なものだった。いずれのケースでもiCloud® やFind my iPhoneを含むAppleのシステムそのものへのハッキングではなかった。われわれは捜査当局と協力して犯人の身元の割り出しに当たっている。

こうした被害を防ぐため、強いパスワードと2ステップ認証を利用するよう勧める。詳細いついてはこちらのウェブサイトを参照。 http://support.apple.com/kb/ht4232

要するにiCloudのアカウントの一部が不正にアクセスされたが、それはAppleのシステムの脆弱性によるものではなかった、ということだ。不正アクセスの手口は個人ごとにさまざまな情報を収集してパスワードを推測するなどきわめて古典的なものだった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


スマホに接続するソニーのレンズカメラに新型登場―QX1はEマウントのレンズ交換タイプ

ソニーの「レンズスタイルカメラ」、QXシリーズはカメラとしてかなりの変わり者だ。 Sony Alpha Rumorsのスクープから察するに、ソニーはこのシリーズに依然として力を入れていくらしい。この記事には QX1とされる新モデルの写真が多数掲載されている。コンセプトは既存のQX10とQX100と同様、撮像素子と交換可能なレンズのセットで、これをスマートフォンに接続して使うというものだ。

QXシリーズは簡単にいえばコンパクトデジタルカメラからボディーを抜いたものだ。ボディーの役目をするのはユーザーの手持ちのスマートフォンで、専用のアプリを通じてカメラをコントロールする。ある意味でスマートフォン・アクセサリーだが、本格的なカメラでもある。

近く発表されるQX1は、QXのコンセプトを一歩押し進めて、撮像素子とレンズマウントを独立させ、レンズが交換できるようにしている。レンズマウントはソニーのEマウントだという。つまりソニーのNEXシリーズ用の交換レンズがすべて使えるわけだ。撮像素子は中級デジタル一眼で標準的に用いられているAPS-Cサイズだという。またフラッシュも内蔵する。

QX1はスマートフォンに取り付けた状態でも、スマートフォンをリモコンにした状態でも使える。撮像素子部にはネジ穴があるので、三脚に取り付けて離れた場所からスマートフォンで操作するといったことも可能なわけだ。液晶ディスプレイなどの高価な部品をスマートフォンに代用させているので普通のカメラよりコストパフォーマンスは良いはずだ。Sony Alpha Rumorsによれば、QX1は明日、ベルリンで開幕するエレクトロニクス・カンファレンス、IFA 2014で発表されるという。そこで価格や出荷時期も明かされるだろう。

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Apple、プレスイベントへの招待状を発送―いよいよ9月9日に新iPhoneのお披露目だ

Appleが「9月9日にスペシャル・イベントを開催する」という招待状を送ってきた。このイベントで次世代iPhoneが発表されるのは間違いない。9月9日、水曜日という日付は先ごろRe/codeが推測したとおりだった。iPhone 4S以後、Appleが毎年秋に新製品を発表してきたこととも合致する。

発表されるiPhoneが1種類なのか2種類なのかはまだなんともいえない。4.7インチ・モデルに加えて5.5インチ・モデルも発表されるという噂も流れている。しかしイベントの直後に出荷開始となるのは4.7インチ・モデルだけだろう。大型モデルの出荷はかなり先になると予想されている。新モデルの少なくとも一部にはきわめて強度の高いサファイアガラスが用いられると報じられている。ひび割れ、引っかき傷に非常に強い素材ということだ。

ひとつ異例なのは、このイベントがAppleのクパチーノ本社でもサンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsでもないことだ。今回の会場はクパチーノのFlint Center for the Performing Artsだという。Appleの社内講堂は狭いので、大型イベントには向かない。今回はウェアラブル・デバイスの発表 もあるかもしれないとなればどうしても広い会場を使う必要があっただろう。

これまでのパターンに従うなら、このイベントでiOS 8の一般公開も発表されるだろう。iPhone 6(Appleはまだ正式名称を発表していないが)の出荷前に既存iPhoneのユーザーはiOSのアップデートができるはずだ。

われわれはもちろんこのイベントに参加し、ライブで経過を報告する予定だ。〔日本時間ではイベントは9月10日、午前2時ごろから開始となる見込み〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、9月9日にiPhone 6に加えてウェアラブル・デバイスも発表か?

Appleは9月9日(まだ確認はされていないが)のプレスイベントに向けて大忙しだろう。Re/codeの最新記事によれば、このイベントでAppleはiPhone 6に加えてウェアラブル・デバイスの発表も行うということだ。John Paczkowskiは「Appleのウェアラブル・デバイスはiOS 8に搭載されるHealthKitと連動してヘルスとフィットネスの機能を発揮する。同じくiOS 8のHomeKit機能を利用してし、家庭の機器とも連動するだろう」と」書いている。

この記事は、「Appleのウェアラブルは2015年に入るまで発表されない」というこれまでの観測とは異なる。ただし、Appleが9月のイベントでデバイスの外観や機能の概要だけを発表し、実際の出荷は年明けとなるという可能性も残されている。デスクトップのMac Proの場合も発表から出荷までかなりの間が開いた。

これまでの情報を総合すると、Appleのウェアラブルは多数のセンサーを搭載し、血圧、発汗、心拍、歩数などをモニタできるデバイスになるらしい。またスマートウォッチとして各種のプッシュ通知を表示する機能も備えているということだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Kobo、高解像度で防水加工のAura H20を発表

Koboから業界を震撼させる新たな電子書籍リーダーが登場してきた。標準で防水加工が施された179ドル99セントのデバイスだ。解像度は265DPIで、6.8インチ画面にe-inkを表示する。このKobo Aura H20はAura HDの後継だが、さらに薄く、そして軽くなっており、なによりも他機種に先駆けてIP67準拠の防水/防塵性能を備えている。

搭載するプロセッサは1GHzで、動作が従来よりも機敏になった。また標準搭載のメモリ容量は4GBとなっている(マイナーアップグレードを行ったKindle Paperwhiteも同じ容量となっている)。また一生をかけて、眠らずに、食事もせず、あるいは読書以外のすべてを諦めて読書三昧で過ごしたいという人のためには、32GBまでをサポートするmicroSDスロットも用意されている。

今回発表されたKoboのデバイスの性能としては、Galaxy S5と同様1mの深さで30分までなら防水機能を保つ。但しUSBポートのカバーが閉じられているkとが条件だ。なかなか便利ではあるだろうが、但しスペック的にはこちらの防水Kindle Paperwhiteには及ばない。しかしメーカー保証でかつ200ドル未満のものとしては、なかなか魅力的なデバイスだと言えるだろう。そもそも、こうしたデバイスの防水機能としては、水はねに対処すれば十分で、水中読書に耐える必要はないのだという考え方もある。

Amazonも、秋にはKindle Paperwhiteの後継機を発表するとの噂がある。Aura H20は新Kindleに先立ってプレオーダー可能となる。Kobo.comでは9月1日から販売開始となるそうだ。そして出荷開始は10月1日の予定であるとのこと。より薄く、高解像度になるという噂はきいているものの、Kindleが防水仕様になるという話はないようだ。Amazonの今後の動きに注目したい。

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(翻訳:Maeda, H


Appleがフレキシブルディスプレイの多機能化で特許…ボタン、マイク、スピーカー、MacBookの蓋オープナーにもなる

AppleInsiderによると、今日(米国時間8/26)Appleが新たに認可された特許は、フレキシブルディスプレイで使用するさまざまなコントロールの仕組みを記述しており、それらは従来の物理的なボタンなどに代わって、より丈夫で耐久性のある方式を提供し、またマイクロフォンのようにサウンドを検出させたり、ユーザがフィードバックを触覚的に行えたり、あるいはMacBookの蓋をより開けやすくするなど、さまざまなトリックを仕組むことができる。

Appleのこのパテントは、フレキシブルディスプレイを使っていろんな入力を行う方法を長々と説明していて、フレキシブルディスプレイをアクチュエータの上に重ねればオンデマンドのボタンなども作れる、とも言っている。また今のiPhoneのHomeボタンのような物理的ボタンに重ねると、ボタンの使用がふつうにできると同時に、保護機能と表面(おもてめん)全面を連続的な面としてユーザに提供できる、という。

このようにフレキシブルディスプレイでボタンやスイッチを覆うと、別の利点もある。つまり、画面のスペースを拡張して面全体がディスプレイであるようなデバイスを作れると同時に、必要になればボタンなどを露呈できる。それらはアクチュエータがディスプレイ層の下にあっても、従来の物理ボタンのように突起したボタンにすることもできる。すると結果的にそれは、フラットで透明なディスプレイカバーから物理キーボードが現れるTactusキーボードのようなものになる。

全面がフラットなディスプレイだと思っていたら、なぜかボタンが突起してくる、という仕組みはクールだし、視覚に障害のある人にとっては絶対に便利だが、もっとクールなのは、ディスプレイ面があるときはスピーカーの振動膜になって音が出る、という使い方だろう。いや、音の入力に使われるときにはそれは、音を拾うマイクロフォンの振動板だけど。

この特許はディスプレイを超多機能化してスペースを稼ぐ、というタイプだから、将来のiPhoneやiPadなどで使われるのだろう。しかしそれと同時に、この技術をMacBookのトラックパッドに応用すれば、単なるフラットな面の一部を突然突起させることによって、このノートブック機の蓋を開けやすくする、という記述もある。蓋の開け閉めにこの方法が使われれば、今のモデルにある細い溝はいらなくなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Uberがランチ・デリバリーのuberFRESHのテストを開始

Ubeは自動車のオンデマンド活用についてあらゆる可能性を試そうとしているようだ。今度はuberFRESHというランチ宅配サービスのテストを始めた。現在対象となっている地区はサンタモニカで、サービス時間は午前11時30分から午後2時30分まで。何種類かのセットメニューから選べて料金は一律12ドル。メニューは週変わり。サービスが提供されるのは月曜から金曜まで、土日祝祭日はサービスを休む。

uberFRESHの宅配は既存のUberアプリから申し込める。アプリの画面右下隅のスライダーにこのオプションが追加された。ベータテストなので当面利用できるのはサンタモニカの一部地区のみだ。テストの実施期間は今日(米国時間8/26)から9月日までを予定しているが、評判がよければ延長されるかもしれない。

ユーザーは12ドル払えばよく、別途配達料は請求されない。またチップも必要ない。受け渡しは住所地先の道端で行われる。ドライバーは家のドアの前やオフィスまでは運んでくれない。およその配達時間は10分くらいだそうだ。

uberFRESHはUberの数多い実験の一つだ。現在ワシントンDC地区では歯磨きなどの日用品を配達するUber Corner Storeが実施されている。仕組みはuberFRESHとほぼ同様だ。ランチ配達のライバルにはPostmatesなどがある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Instagram、モバイルで安定したタイムラプス動画が撮影できるアプリHyperlapseをリリース

最近、Instagramはモバイル写真に新分野を切り開こうと努力しているが、今日(米国時間8/26)、HyperlapseWiredの記事)という動画撮影アプリを公開した。ユーザーはスマートフォンのカメラを使ってその場でタイムラプス動画を撮影できる。Hyperlapseのローンチの直前にInstagramはSnapchatスタイルの写真共有アプリ、Boltをリリースしている。

今回発表されたHyperlapseアプリはiOS版だが、iOSデバイスのカメラを使うだけで安定したタイムラプス動画を撮影できる。 従来はこうした動画を撮影するには高性能カメラとステディーカムのような高価なスタビライザーマウントが必要だった。このアプリはジャイロスコープのデータを利用してソフトウェア的に動画を安定化している。その効果は現在映画スタジオが利用している超高価なモーション・スタビライザー・ソフトウェアに迫るものがある。iOSデバイスのコンピューティングパワーでこれを実現しているのは驚異的だ。

おそらくInstagramはこの機能を既存のアプリに組み込みたいという衝動を感じたはずだ。「しかしそうするとせっかくの機能が既存アプリの中に埋もれてしまい、こういう機能を求めている多くのユーザーの目から隠されることになっていただろう」とWiredは指摘する。この点、私も同感だ。 InstagramはInstagram VideoとDirectの失敗から学んだのだと思う。これらも機能は優れていたが、メインのアプリに追加されたために、口コミの評判が既存ユーザーのコミュニティーの外に広まらなかった。

HyperlapseはメインのInstagramアプリと同様、シンプルさを極限まで推し進めている。ユーザーが調節できるのは再生速度(タイムラプスの度合い)だけだ。ユーザーはスライダーで再生速度を1倍(つまり通常再生)から12倍まで選べる。.

特筆すべきなのは、1倍でも強力な画像安定化機能が利用できる点だ。しかしタイムラプス効果を加えると動画の印象は劇的に変わる。

このアプリは、最近のモバイルアプリ、特にFacebook/Instagramから発表されたアプリの中で最高にクールだと思う。現在Hyperlapseは iPhoneとiPadでしか使えない(Android版は次のバージョンになるということだ)。われわれはさっそくこのアプリのタイムラプスとスタビライザー効果を試してレポートするつもりだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


GoPro、愛犬の視点で撮影できるカメラハーネス、Fetchを発売(7200円)

GoProはすでに鳥類や哺乳類に取り付けられていろいろな動画が撮影されている。しかし今回、GoPro自身がFetchというドッグ・ハーネスを開発した。Fetchは15ポンド(6.8kg)から120ポンド(54kg)までの犬に装着でき、犬に負担をかけず水にも強いGoProカメラ・ハーネスだ。

価格は59.99〔日本版:GoProサイトでは7200円と表示〕ドルで、胸と背中にGoProがマウントできる。犬が水に飛び込んでも泥の中を転げまわってもOKだ。犬の皮膚を痛めないよう十分にパッドが入れてあり、洗濯もできる。

このマウントは小型犬にも大型犬にも有効なようにカメラマウントのデザインが工夫されている。また超小型犬の場合は胸のマウントが取り外せる。クィックリリース・ベース、マウントからGoProが脱落した場合に失くさないですむようカメラとハーネスに接続するケーブルも用意されている。

私も犬を飼っているので、この製品には大いに興味がある。リスを追い回したりして遊んでいるときどんなふうに見えるのか犬に危険を与えずに録画できたら楽しいだろう。FetchはGoProのウェブサイトで今日((米国時間8/25))発売となった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Microsoft、Windows 9プレビュー版を9月30日に公開のもよう

Windows 9についてはかなりの情報がリークされてきた。それによるとWindows 8の過激なタッチ志向は修正され、スタートメニューが復活し、チャームバーは廃止されるという。しかしこうした推測も9月30日で終わりを告げるようだ。Vergeによれば、Microsoftはこの日にWindows 9のテクノロジー・プレビュー版を発表し、直後にダウンロードが可能になるという。

現在Thresholdというコードネームで開発が進んでいる次世代Windows OSの安定版が出荷されるのは来年初めと予想されている。われわれはWindows 9ではデスクトップでのユーザー体験が重視され、Windows 8にWindows 7の使い勝手が戻ってくると期待している。またModern Windows(いわゆる Metro)は存続するものの、デスクトップと緊密に融合され、非フルスクリーンの在来のウィンドウ内でも作動するようになり、ユーザーが2つの環境をいちいち往復しないでもすむようになるはずだ。

私自身はけっこうよくWindowsを使う。特にWindowsのデスクトップ・パソコンをゲームで愛用しているので、このMicrosoftの新しい(というか古い)デスクトップ重視の方針は大歓迎だ。9月末に公開されるバージョンがこれまでに伝えられてきた方針に沿ったものであることを祈る。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Asus、9月3日IFAにてAndroid Wear搭載スマートウォッチを発表予定

今年のGoogle I/Oのにて、AsusはAndroid Wear搭載のスマートウォッチを開発中であると話していた。9月にリリース予定で、既に市場に出回っているものよりも安価なものとしたいということだった。その「9月」が目前にせまる中ASUSは、ベルリンで9月3日に開催されるIFAにて新プロダクトをリリースする予定であるとのティーザー広告を世に出した。写真をみれば、これが予定されていたスマートウォッチであることは間違いない。

入手した情報によれば、このASUSデバイスは99ドルないし149ドルであるそうだ。アクティブマトリクス式有機EL(AMOLED)を使っているとのこと。スペック的には、やはりAndroid Wearを搭載するLG G WatchおよびSamsung Gear Liveと同等のものであるようだ。

秋といえばいろいろと新しいハードウェアが登場する季節であり、とくに9月頭にはさまざまなものがリリースされる。Motorolaは9月4日に新たなハードウェアプロダクトをいろいろと発表する予定であるようだし、一番の注目を集めるに違いない新iPhoneも9月6日にリリースされる。

Asusは、丸型ボディーでなかなかの期待を集めているMoto 360と比べられることになるわけだが、もちろん相応の自信を持っているわけなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


ロボットのHitchBOTが単独でカナダ横断ヒッチハイクの旅に成功…ロボットにとって人間は安全か?

カナダの複数の大学やスタートアップとMicrosoft Azureが共同スポンサーとなったHitchBOTロボットが、カナダ横断の旅に成功した。彼は東海岸のHalifaxを出発し、太平洋に面したブリティッシュコロンビア州Victoriaに到着した。

このプロジェクトは、初期的な洗練されてないスタイルのロボットが、見知らぬ人びとの、拾って運んでやろうという意思にだけ依存して、目的地まで旅をする過程を目撃した。その旅程は1か月足らずで、大きな障害は何もなかった。わずかに、彼のLED製の‘顔’を保護するプロテクターにひびが入り、また最初の雄弁さに比べると、スピーチがややたどたどしくなっていた。

HitchBOTは旅を開始してからわずか2分後に早くも拾われ、その後の親切な車も簡単に見つかったようだ。ロボットのデザインはきわめて原始的だが、運転者との会話はできた。ただしときどき、車のシガレットライターポートやふつうのコンセントからの電力供給を必要とした。そのスピーチエンジンもきわめて単純で、たくさん質問をされると過負荷になりシャットダウンしてリブートした。リブートには、数分、ときには2時間を要することもあった。

HitchBOTの複雑さ、ないし複雑性の欠如はこのアート/科学/研究プロジェクトの主眼ではない。プロジェクトの制作者の一人であるFrauke Zellerによると、ロボットの早くて安全だったカナダ横断旅行は、ロボットが見知らぬ人の親切をあてにできることを示している。彼はToronto Starのインタビューで、そう述べている。

人間がロボットを信頼できるか、という話題が多い中で、このプロジェクトはその逆を行っている。映画「ターミネーター」に登場するSkynetのような、ロボットに支配される社会の恐怖はよく語られるが、逆に人間たちが、ヒッチハイクを頼んできたロボットをぶち壊す、というストーリーはどうか? むしろ、そっちの方がありえるのではないか? このプロジェクトは、その可能性の有無をテストしたのだ。

HitchBOTの旅は無事だったが、でもカナダの国民性は世界でもいちばん親切で温和だと言われている。次回はHitchBOTに合衆国横断、あるいはせめて、イギリスのスラム街を旅させてみたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))