HuluとAmazon PrimeがNetflixの牙城に挑む

Netflixは、eMarketerの最新レポートによると今もサブスクリプション型ストリーミングサービスのナンバー1だが、Amazon Prime、Huluなどのライバルもシェアに食い込み始めている。

同社のアナリストは、今年中に1億8250万人の米国消費者がストリーミングビデオサービスを定期購読すると予測している。これは人口の53.3%に相当する。Netflixは2019年に1億5880万人の視聴者を得てトップの座を守りなお成長を続けているが、定期購入者の総数が増加する中で市場シェアは減少するだろうとレポートに書かれている。

Netflixは、Q2の米国ユーザー数が10年近くぶりに 減少した発表したが、その後も順調な成長(前年比7.6%)を続けるだろうとeMarketerは言っている。これは「Orange Is the New Black」や「Stranger Things」などの人気番組の新シリーズ、アカデミー賞受賞監督マーティン・スコセッシ監督の新作「The Irishman」などが後押ししているのだろう。

しかしもはやNetflixはストリーミングビデオで唯一の選択肢ではない。2014年に90%だった市場シェアは、2019年に87%に減少する見込みだ。

1 1市場シェアの減少は、HuluやPrime Videoといったライバルの進出が理由だ。

例えば、Huluは今年米国内視聴者数が7580万人(シェア41.5%)に達した。視聴者数は2019年に17.5%増加したが、2018年の49.6%という成長率には及ばなかった。

AmazonのPrime Videoは、今も米国第2位のストリーミングビデオサービスであり、2019年の視聴者数は9650万人(シェア52.9%)、前年比8.8%増だった。

eMarketerは、Prime Videoの利用者が2021年に米国人口の3分の1に達すると予測している。

2Netflixの市場シェア独占は、新たな脅威にも直面している。中でも DisneyとHulu、ESPNのセットは、Netflixの米国標準価格と同じ料金で提供されている。

「Netflixはここ数年強力なライバルと視聴者を奪いあっており、ストリーミングビデオプラットフォームだけでなく、有料テレビやビデオゲームからの挑戦もある」とeMarketerの予測アナリスト Eric Haggstrom(エリック・ハグストローム)氏は「真の『Netflixキラー』は存在しないが、Disneyの『Disney+、Hulu、ESPN+』のセットはそれに近いところまで来ている。現在のNetflixの答えは、同サービスを市場リーダーに押し上げた戦略を続けること。すなわちライセンス、オリジナルのコンテンツに他社よりも多くつぎ込み、競争力のある価格を消費者に提供することだ」と語る。

新たなライバルはDisneyだけでもない。

Apple TV+は今年中のサービス開始を見込んでおり、コンテンツに60億ドル費やすと言われている。当初報じられた10億ドルをはるかに上回る金額だ。月額使用料も9.99ドルという競争力ある価格帯になるらしい。

NBC UniversalとAT&T Warner Mediaも市場参入を目指している。後者はHBO Maxと組む。また、CBSとViacomの合併に続き、新会社は自社プラットフォームであるCBS All Accessと広告支援型サービスのPluto TV に新たに獲得したコンテンツを加えて強化しようとしている。

「ストリーミングビデオの市場は、ハイエンドのオリジナルコンテンツと従来の有料TVに比べて安い月額使用料によって爆発的に広がった」とハグストローム氏は指摘する。「新しい番組や映画に対する視聴者の強い欲求が、NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなどの視聴者を拡大し、市場全体を広げた」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YouTubeのメッセージ機能終了に多くの子供が激怒

みんなYouTubeのビデオをシェアするのが大好きだ。2017年にYouTubeがアプリ内メッセージング機能を提供したのはそのためだ。YouTubeユーザーは、YouTubeモバイルアプリの専用タブの中で友達にビデオを送ったりチャットしたりできる。その機能を閉鎖すると同社Googleは発表した。9月18日以降、YouTube内で友だちにダイレクトメッセージを送る機能自体が消滅する。

この変更を最初に見つけたのは9to5Googleで、同サイトによるとYouTubeのメッセージ機能は昨年5月にウェブで最初に公開された。

YouTubeは、中止に関する発表の中で、この決定に関する詳しい事情を公表していない。

最近同社は公開対話機能に注力していると言っており、コメント、投稿、ストーリーなどを更新しており、なぜメッセージを重視しなくなったのかについては説明していない。

ありそうな理由は、もちろん機能が活用されていないからだ。多くの人々はMessengerであれ、WhatsApp、WeChat、iMessageなどであれ、それぞれお気に入りのメッセージングアプリに強く依存している。

一方Googleは、メッセージングのアプリや機能を作るのをやめる様子がない。YouTubeのメッセージ機能が公開された時点で、GoogleはAllo(終了)、Duo、Hangouts、Meet、Google Voice、Android Messages/RCSなどにも手を出していて、Gmail中のGChat(Google Talk)のユーザーをHangouts Chatに移行させるのに必死だった。

しかし、Googleの機能廃止の投稿に対する500件近い怒りのコメントを見る限り、YouTube Messagesは多くの若いユーザーに好まれていたようだ。

若い、というのは子供、という意味だ。

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コメントの多くは、YouTubeが友達とメッセージできる「唯一の場所」だと言って不満を訴えている。子供たちは携帯電話を持っていなかったり、他人に電話番号を教えてはいけないと言われたりしているからだ。

「ママと話す」ために使っていたり、ソーシャルメディアを使うことが許されていなかったから、と言っているユーザーもいた。

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どうやら、多くの子供たちはYouTubeのメッセージ機能を、親にブロックされた携帯電話の代わりに使ったり、タブレットやウェブ経由で(おそらく親に内緒で)連絡を取るために使っていたようだ。

それは今のYouTubeにとって都合が良い話ではない。現在同サービスを巡っては、子供向けの不適切なビデオ児童労働搾取、幼児虐待、規制などさまざまな問題が持ち上がっているからだ。

今年2月にYouTubeは、子供たちを幼児虐待の危機にさらしたことで非難の的になった。YouTubeのコメント機能を利用して児童虐待集団が連絡をとっていることが発覚した後、Googleは未成年が登場するビデオのコメント欄を閉鎖するはめになった。

現在FTCも、YouTubeが米国児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)に違反しているという指摘を受けて捜査している。児童擁護団体や消費者団体はYouTubeに対して、13歳未満の子供たちをプラットフォームに誘惑し、親の許可を得ることなくデータを収集したり広告のターゲットにしていると批判している。

YouTubeメッセージを使ってチャンネルを宣伝したり、家族や友達とビデオをシェアする人もいるだろうが、主流ではなかったのは明らかだ。そうでなければ、YouTubeがやめるはずがない。

同機能にはスパム問題もあり(Google+と同様)、見知らぬ他人からの不快なリクエストが来ることがあった。

YouTubeによると、ユーザーは今でも「シェア」機能を使ってビデオを共有することは可能で、そこから他のソーシャルネットワークと繋がることができる。

Googleはフォーラム投稿に書いたこと以上のコメントはしていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Shazamのデータを活用したチャートがApple Musicに登場

Apple(アップル)は、2018年に4億ドル(約425億円)で買収した音楽認識アプリのShazamを活用している。今月前半にアップルが公式に開始した「Apple Music for Artists」ダッシュボードには、Shazamのデータに基づく分析が使われている。米国時間8月20日には、Shazamのデータを利用したApple Musicの新しいチャート「Shazamディスカバリー Top 50」を公開した。

このチャートには毎週、世界中のShazamのデータをもとに、注目アーティストのヒットしつつある曲、トップ50がフィーチャーされる。

Shazamアプリはこれまでに10億回ダウンロードされ、鳴っている曲が何かを調べるために世界中のユーザーが1日に2000万回、ボタンをタップしている。このデータを使って、ブレイクしそうな曲が選ばれる。

これは、これまでの音楽チャートとは異なる指標だ。ダウンロード、購入、ストリーミングの数を参照するのではなく、これから来そうなアーティストを見つけ出そうとしている。

ただし、このチャートに含まれる曲が、その曲のライフサイクルのどの時点にあるかは、おそらくまちまちだ。大半は新しいアーティストだろうが、すでに大ヒットした曲が何らかの理由で含まれるかもしれない。このチャートにランクインする曲は、Shazamのチャートで動きが速いパターンである、急激に伸びている、着実に伸びている、ある地域で伸びているなどの特徴を示していると思われる。あるいは、これらのすべてに当てはまるかもしれない。

この新しいチャートには、米国をはじめとする10数カ国の傾向に基づいて曲が選ばれる。

Shazamが音楽チャートに進出するのはこれが初めてではない。現在、Shazamのサイトでは、米国やその他の一部の国のディスカバリーチャート10曲に加え、米国や日本など、そして世界のトップ200も公開されている。

Apple Musicの「ディスカバリー Top 50」は、今のところShazamのサイトのディスカバリーチャートとは一致していない。これは更新のタイミングによるのかもしれない。

この新しいチャートから、アップルがShazamを社内に取り込んだ理由がうかがえる。曲を認識するテクニックではなく、音楽のトレンドを知るためのデータを取得したかったのだろう。これはアップルがSpotifyと戦うための新たな手段になる。Spotifyは2017年にベータ版として独自のアーティストダッシュボードを公開し、アーティストやミュージシャンに有益な考察を提供して他社と差をつけていた。

Apple MusicのShazamのチャートは「見つける」タブに表示されていることもあるが、「Shazam」で検索して見つけることもできる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

iOS 13のプライバシー強化が競争を阻害するとアップルを非難するデベロッパー

アプリのデベロッパーのグループが、Apple(アップル)のCEO、ティム・クック(Tim Cook)氏に文書をしたためた。AppleのiOS 13に加えられるプライバシー重視の変更が、彼らのビジネスに悪影響を与えると訴える内容だ。The Informationのレポートによれば、デベロッパーは、アプリからユーザーの位置情報へのアクセスを可能にする機能について、Appleに反競争的行為があると非難したという。

AppleはiOS 13で、一企業としての大局的なプライバシー保護に対する取り組みの一環として、ユーザーの位置を追跡する機能の、アプリによる悪用を防止することを目指している。

現在、多くのアプリは、最初に起動された際に、アプリに対して位置情報の利用を「常に許可する」よう求めている。ユーザーは、これに1回タップするだけでいい。しかしその結果、多くの場合、実際に必要とされているより、はるかに多くの位置情報へのアクセスを、意図せずに許可してしまうことになる。

しかしAppleは、iOS 13で、アプリが位置情報へのアクセスをリクエストする方法を変更した。

起動時にユーザーに提示される確認についても、「1回だけ許可」という新たなオプションが追加された。これは、アプリが自分のニーズに合っているかどうかを判断するための猶予をユーザーに与えるためのもの。もし使えそうだと判断したら、アプリに対して継続的な位置情報のアクセスを許可すればいい。このオプションが、これまでにもあった「使用中のみ」および「許可しない」に並んで表示されるようになる。

「常に許可」のオプションも引き続き使用可能だが、ユーザーはiOSの「設定」を開いて、手動で有効にする必要がある。定期的に表示されるポップアップには「常に許可」のオプションも含まれるが、そのオプションはすぐに表示されるわけではない。

アプリのデベロッパーは、この変更が、あまり技術に詳しくないユーザーを混乱させる可能性があると主張している。

そのような変更がアプリに与える影響や、それに対するユーザーの行動を考えれば、こうしたデベロッパーの論点にも一理ある。アプリを機能させるためのスイッチを切り替えるために、いちいち「設定」を開かなければならないとなれば、ユーザーはそのアプリを使うこと自体をやめてしまいかねない。またこれは、Safariの広告ブロッカーや、iOSのキーボードを入れ替えるアプリなどが、けっして主流になれない理由を説明するものである。そうしたものも、iOSの「設定」を変更するという余計な手間をユーザーに課しているのだ。

とはいえ、AppleがiOS 13で導入する変更が、そうしたアプリを完全に機能不全にしてしまうわけではない。アプリを使い始めるための手続きを、うまくユーザーに説明することが必要となったのだ。いきなり「常に許可」を選ぶよう求めるのではなく、ユーザーに「設定」の変更方法を分かりやすく示したり、「常に許可」を選択してもらえるまでは、アプリの機能を制限しておく、といった配慮が必要となる。

また、デベロッパーの文書では、Apple純正の付属アプリ(「探す」など)は、このような扱いを受けていないことを指摘し、それが反競争的だという懸念を示している。

またこの文書は、AppleはiOS 13で、PushKitをインターネット上の音声通話(VoIP)以外の目的で使うことをデベロッパーに許していないことについても言及している。これは、一部のデベロッパーが、このAPIを悪用してユーザーの個人情報を収集していたことに端を発している。

レポートによると、その文書には「私たちは、一部のデベロッパー、主にメッセージングアプリのデベロッパーが、ユーザーのデータを収集するためのバックドアとして、これを使っていたことを理解しています」と記されている。「このような抜け穴が塞がれるべきであることには同意しますが、今Appleが(インターネット経由の音声通話機能へのアクセスを)無効にすることは、意図しない結果を招くことになるでしょう。それによって、リアルタイムの位置情報を正当な理由で必要とするアプリが、実質的に使えないものになってしまいます」。
(訳注:iOS 13では、バックグラウンドでVoIPサーバーに接続し続けることが禁止されると言われている)

この文書は、TileのCEO、CJ Prober(CJ プロバー)氏、Arity (Allstate)の社長、Gary Hallgren(ゲイリー・ホールグレン)氏、 Life360のCEO、Chris Hulls(クリス・ハルス)氏、デートアプリHappnのCEO、Didier Rappaport(ディディエ・ラパポート)氏、Zenly(Snap)のCEO、Antoine Martin(アントワーヌ・マーティン)氏、ZendriveのCEO、Jonathan Matus(ジョナサン・マタス)氏、ソーシャルネットワーキングアプリTwentyの最高戦略責任者、Jared Allgood(ジャレド・オルグッド)氏によって署名されている。

AppleはThe Informationに対して、オペレーティングシステムに対する変更は、すべて「ユーザーのためにする」ものであり、ユーザーのプライバシーを保護するためだと述べた。また、App Store上で配布するアプリは、すべて同じ手続きを遵守したものでなければならない、と念を押した。

これは、ユーザーのプライバシーの向上を狙った措置を誤ると、結果的にさまざまな弊害や使いにくさをユーザー自身に負わせかねない、という教訓と捉えることができる。考えられる解決策の1つは、個々のアプリ内で、iOSの「設定」画面を開けるようにすることだろう。そこで、アプリのすべての許可設定をユーザーが直接変更できるようにするのだ。位置情報へのアクセスから、プッシュ通知の許可、モバイルデータ通信の利用、Bluetooth共有の許可まで、すべての設定だ。

このニュースは、ちょうど米司法省がAppleの反競争的行為を調査することを検討している最中に伝えられた。AppleがThe Informationに伝えたところによれば、PushKitを利用していて、変更の影響を受けるデベロッパーの一部については、Appleも協力して別の解決策を探っているところだという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

グーグルの軽量版アプリGoogle Goが全世界で使えるように

Google(グーグル)の検索アプリ軽量版Google Goが米国時間8/21、世界のAndroidユーザー向けに公開された。ベータ版を数カ月展開したのち、2017年に初公開されたこのアプリは主に、人々が安価なAndroidデバイスのために不安定な接続で初めてインターネットを利用するような新興マーケットでの利用を想定してデザインされている。

新興マーケット向けにつくられている多くのアプリ“ライト”バージョンのように、Google Goも端末の容量をさほど使用しない(わずか7MBほどだ)。そして、遅くて、時々途切れるインターネット接続対策としてオフライン機能もある。Googleによると、アプリの検索結果はデータの40%を節約するために最適化される、とのことだ。

ウェブ検索以外に、Google Goにはディスカバリー機能もある。人気トピックのタップ、音声検索、画像とGIFの検索、言語の簡単切り替え、そしてAIによるウェブページ読み上げなどができる。

今年春に開催されたGoogleの I/Oデベロッパー会議では、GoogleはGoogle GoにLensももってくると発表していた。

Lensでは、ユーザーは実世界の物にスマホのカメラを向けて関連する情報を引き出すことができる。つまりGoogle Goは、Lens機能で文字を読めない人をサポートすることにもなる。例えば、バスの時刻表や標識、振込用紙などの文字にカメラが向けられると、Lensは文字を読み上げることができる。ユーザーはまた、特定の文字をタップして意味を調べたり翻訳したりすることもできる。

Googleによると、Lensはたったの100KBで、Goアプリのアップデートでサイズは大きくなった。当初はGoアプリは5MBで、今はそれよりも若干増えて7MBだ。

これまでGoogle Goは、いくつかの国でAndroidのGoエディションデバイスでのみ利用できた。Sensor Towerのデータによると、Google Goは世界で約1750万回インストールされた。内訳はというと、最多がインド(48%)で、インドネシア(16%)、ブラジル(14%)、ナイジェリア(6%)、南アフリカ(4%)と続く。

Google Goはこれまで、全部で29カ国のAndroidのGoエディションデバイスで利用できた。ここには、アンゴラ、ベニン、ボツワナ、ブルキナファソ、カメルーン、カボベルデ、コートジボワール、ガボン、ギニアビサウ、ケニア、マリ、モーリシャス、モザンビーク、ナミビア、ニジェール、フィリピン、ルワンダ、セネガル、タンザニア、トーゴ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエが含まれる。

いまやアプリユーザーは“数百万人”だ、とGoogleは話している。

今日、Googleは世界中のユーザーがPlayストアでGoogle Goを利用できるようになる、と発表した。

誰でも端末の限られたストレージやむらのある接続といった問題を抱えることがあることから、帯域幅が問題ではないマーケットでもこのアプリを展開することにした、とGoogleは話している。

加えて、文字を読んだり翻訳したりするのに軽量なアプリだ。I/Oで、Googleは文字を読むのに困難を抱える成人が世界中に8億人もいて、もちろん、そうした人が皆新興マーケットにいるわけではないと指摘していた。

Google GoはGoogleが新興マーケット向けにつくった多くの軽量アプリの一つだ。他にはYouTube GoFiles GoGmail Go、Google Maps Go、Gallery Go、Google Assistant Goなどがある。

Google Goアプリは Android Lollipop以上で動く端末を対象に、Play Storeで世界中のユーザーに提供される。

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(翻訳:Mizoguchi)

期待の新クレカApple Cardが米国でスタート、Appleからの購入は3%キャッシュバック

米国時間8月20日、Apple(アップル)はしばらく前から情報が流れていた新しいクレジットカード、Apple Cardをローンチしたことを発表した。対象は 当面米国在住のiPhoneユーザーとなる。

Apple Cardの申し込みはiPhone上のWalletアプリから行う。Apple Cardはオンラインの申し込みが完了するとすぐにApple Payで支払いに利用できる。チタン製の物理的カードが届くのを待つ必要はない。

支払い処理はGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)とMastercard(マスターカード)が担う。Apple CardはMastercardが利用できる場所ならどこでも、通常のクレジットカードとしても、Apple Payの支払い手段としても利用できる。カード利用でポイントを付与するサービスはユーザーに人気があるが、Apple Cardの場合はポイントではなくストレートなキャッシュバックとなる。これはApple Payを利用するユーザーに特に魅力的だ。Apple Pay以外の支払いでは1%であるのに対し、Apple Payを利用した場合は2%のキャッシュバックが与えられる。

さらにAppleから各種のプロダクトを購入した場合3%のキャッシュバックがつく。Appleで高額のショッピングする予定があれば誰でも加入したくなるだろう。

キャッシュバックはApple Cashのアカウントに振り込まれるが、Apple Cashに登録していない、ないし利用したくないユーザーの場合、Apple Cardのアカウントに月単位で記帳される。

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Apple Cardは利率、手数料についても透明性が高い。年会費、キャッシング・サービス、限度額超過利用、支払い遅延などにかかる費用はべてゼロだ。 分割払利息のAPR(年率)はユーザーの信用状態によって12.99%から23.99%までとなる。ユーザーに請求される手数料、利息はアプリの計算シートに色つきで表示されるのでわかりやすい。

たとえば、レストランで支払いをするとiPhone上のカードはオレンジ色になる。映画その他エンターテインメントの支払いはオレンジとピンクになる。

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Apple Cardの大きな特徴はiPhoneに統合され、その能力をフルに生かせる点だ。

WalletやApple Cashと同期できるのはもちろんだが、 ユーザーはiMessageを通じてサポートを受けることができ、カードを利用した場所をマップ上にピンポイントで表示できる。

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一般公開に先だって一部のユーザーはApple Cardを試用していたが、本日のローンチで3%のキャッシュバックがApple自身のプロダクト以外にも拡大されることが発表された。

Appleでは3%のキャッシュバックをUberとUber Eatsにも適用するとしている。また3%キャッシュバックを受けるマーチャントの範囲は今後さらに拡大されるという。またApple Payは近くUber Cashと同様にUberの支払いにも利用できるようになる。

ただしチタン製の物理的カードを利用した場合のキャッシュバックは1%だ。

Appleではプライバシー保護が強力であることもこのカードのメリットの1つだとしている。 Apple自身はユーザーがどこでショッピングしたかを知らず、Goldman Sachsもデータをマーケティングや広告などの目的でサードパーティと共有し、あるいは販売することはない。

物理的カードの表面にはカード番号などの情報が一切印刷されていない。情報は磁気ストライプに格納され、アプリを通してのみアクセスできる。カード利用の際にサインも必要ない。

Apple Cardは当面iPhone 6(iOS 12.4)以降を所有する米国在住ユーザー向けに発行される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

YouTube Originalsは広告付きで9月24日以降無料化

YouTube Premiumの会員に配信された電子メールによると、YouTube Originalsのプログラムは、2019年9月24日以降、Premium会員以外にも公開される。YouTubeのオリジナルシリーズ、映画、ライブイベントなど、多くのコンテンツがすべてのYouTubeユーザーに無料で提供されるのだ。ただし広告付きで。もちろんPremiumの会員は、これまで通り広告なしで視聴できる。

Premiumに会員なると、その瞬間からシリーズのすべてのエピソードにアクセスできるようになると、YouTubeでは説明している。そしてオフラインで視聴できるようダウンロードすることも可能となる。

また、YouTube Originals番組のディレクターズカットや追加シーンなど、Premiumの有料会員のみが視聴できるコンテンツも、引き続き用意される。

YouTubeは以前に、ビデオプラットフォームの大きな戦略の転換にともない、オリジナル番組を無料で観られるようにするという計画を発表していた。Deadlineの昨年11月のレポートによると、YouTubeは、台本のあるような番組の制作計画を見直し、台本のないショーやスペシャルに注力することを目標として掲げた。すでに、台本による新たな番組の制作も停止しているという。

またそのレポートによると、YouTubeは、台本によるコンテンツで、ある程度の成功を収めることができた。例えば、Cobra Kaiなどは、当時1億回のビューとRotten Tomatoesによる100%の評価を獲得していた。しかしそれと同時に、セレブ番組でも成功していた。例えば、Katy Perry(ケイティ・ペリー)氏の「Will You Be My Witness」や、Will Smith(ウィル・スミス)のグランドキャニオンのバンジースタントなどだ。

Deadlineによれば、このあたりがYouTubeが今後追求しようとしている方向性だという。

これは偶然ではないかもしれないが、最近Varietyは、ユーチューバー向けの新しいクラウドファンディングサービスであるFundoについてレポートしている。クリエーターが、ファンを仮想のミーティングなど、有料のオンラインイベントに招待することを可能にするもの。ただし、このプロジェクトはYouTubeやGoogle自身が立ち上げたものではなく、独立して運営されている社内インキュベーターのArea 120が主導している。それでもこれは、広告や有料会員だけでなく、クリエーターにとっての新しい収入源を生み出すという、YouTubeの大きな関心を反映したものだろう。

今回のPremium会員宛のメールには、YouTube Originalsに関する変更の通知に加えて、「おすすめのダウンロード」機能がライブラリタブに追加されたことも書かれている。これは、YouTubeが固有のアルゴリズムに沿って提案するビデオをブラウズしたり、ダウンロードできるものだ。さらに、YouTube Musicの変更点も挙げている。動画とオーディオを切り替える機能や、「高く評価した曲」など、お気に入りのプレイリストやアルバムから、最大500曲を自動的にダウンロードする「スマートダウンロード」機能の導入などだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Twitterはスパムといじめに対抗するDMのフィルター機能をテスト中

Twitter(ツイッター)は、望まないメッセージをフィルタリングして、DM(ダイレクトメッセージ)の受信トレイから取り除く新しい方法をテスト中だ。

現在Twitterでは、誰からのメッセージでも受信するよう、DMの受信トレイを設定できる。しかしそうすると、嫌がらせなどの望まないメッセージを大量に受信してしまうことにつながる。1つの解決策は、自分がフォローしている人からのメッセージだけを受信するように設定することだが、それでは都合が悪いという人もいる。例えば、記者のような人は、プライベートな対話や、情報提供を受け取るために、受信トレーをオープンにしておきたいものだ。

今回の実験では、攻撃的な内容のものやスパムなど、望まないメッセージを別のタブに移動するフィルターをテストする。

すべてのメッセージを1つのビューにまとめてしまうのではなく、フォローしていない人からのメッセージは「メッセージリクエスト」セクションに分類する。その中には、フィルターされたメッセージにアクセスする方法が用意されている。

そうしたメッセージを読むためには、ユーザーは「表示」ボタンをクリックしなければならない。それにより、受信トレーをオープンに設定していることによって流れ込んでくる大量の望まないメッセージを、そのまま目にしてしまうことから、ユーザーを保護することができるのだ。

また、こうしてフィルタリングされたメッセージのリストを開いても、それらの中身がすべて自動的に表示されるわけではない。

Twitterは、読む人を不快にさせる可能性のあるコンテンツを認識すると、メッセージのプレビューには、不快な内容を含む可能性があるため、そのメッセージの内容は表示していないという通知を出す。ここでユーザーは、そのメッセージをあえて開くか、削除ボタンをクリックして消してしまうかを選べるというわけだ。

こうした変更により、DMは、オープンな受信トレイを好む人にとっては、より便利なツールになる一方で、ネット上の嫌がらせを撲滅する有効な手段を提供することもできそうだ。

これは、FacebookのMessenger(メッセンジャー)がリクエストを扱う方法に似ている。友達ではない人からのリクエストは、自動的に「メッセージリクエスト」という別の場所に移動される。そして、スパムっぽいものや、いかがわしい感じのものは、さらにその中の「フィルター済みメッセージ」に分類されて、目に触れにくくなる。

ところで、なぜこのような機能が事前のテストを必要とするのか、よくわからない。ほとんどの人は、迷惑メールや嫌がらせのメッセージを除外したいと思っていると考えて、ほぼ間違いないだろう。そして、何らかの理由によって、そうしたくない人は、単に設定によってフィルターをオフにすればいいだけの話だ。

これは、ネット上の嫌がらせに対抗するための変更を加えることに対して、いつものようにTwitterが消極的に見える例の1つとしか思えない。FacebookMessengerは、2017年の末あたりから、同じような方法でメッセージをフィルタリングしてきた。Twitterは、こうした変更をテストするのではなく、今すぐ導入すべきだろう。

それはそうと、このように疑わしいコンテンツをいきなり削除してしまうのではなく、非表示にするというアイデアを、Twitterは他の領域でもテストしている。たとえば先月にはカナダで、「返信を隠す」という新機能の試験的な運用を開始した。それによってユーザーは、自分のツイートに対する望まない返信を非表示にすることができ、他の誰からも見えなくすることができる。この場合も、ツイート自体は削除されないが、今回のDMのフィルターと同様に、明示的にクリックしないと読めなくなるのだ。

またTwitterは、他の点についても、DMのアップデートを検討している。

今回の記者会見では、Twitterのプラットフォームに今後導入されることになる変更が、いくつか発表された。たとえば、トピックをフォローする機能DMの受信トレイの中を検索するツール、iOSのLive Photos(ライブフォト)をGIFでサポートする機能、さらに写真の並び順を変更する機能などだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleがモバイル学習アプリSocraticを買収してiOS版を再提供

Google(グーグル)は先週の発表の中で、宿題ヘルパーアプリSocratic(ソクラティック)の買収を公表しし、アプリに対する同社のAIテクノロジーの追加サポートと、iOSでの再提供について詳しく説明した。買収はどうやら水面下で行われていたもので、Googleによればアプリの買収自体は昨年だったという。

創業者の1人のLinkedInアップデートによれば、それは2018年3月のことだった。Googleは買収の詳細に関する質問にはコメントを拒否した。

Socraticは、すべての生徒が学習できるようにするコミュニティを作成することを目標に、2013年にChris Pedregal(クリス・ペドレガル)氏とShreyans Bhansali(シュレヤン・バンザリ)氏によって創業された。

当初このアプリは、Quoraに似たQ&Aプラットフォームを提供し、生徒たちの質問に専門家たちが答えていた。SocraticがシリーズAで600万ドルを調達した2015年の時点では、そのコミュニティは約50万人の生徒を抱えるまでに成長していた。その後同社は、ユーザー同士のつながりよりも、実用性に置くようになった。

2015年に提供が開始されたモバイルアプリでは、簡単な説明を得ることができるように宿題の写真を撮る機能が提供された。これは、Photomath、Mathway、DoYourMathといった、この分野の他の多くのアプリに類似した機能だ。

ただし、Socraticは単なる数学ヘルパーではない。科学、文学、社会科などの課題にも取り組むことができるのだ。

2018年2月には、Socraticはアプリのソーシャル機能を削除することを発表。そして6月には、同社はユーザーが投稿を行っていたQ&Aウェブサイトを閉鎖することになる。この決定は、失望したユーザーたちからのちょっとした反発を招いた。

Socraticは、アプリとウェブサイトは異なるプロダクトであり、同社は前者に集中することを戦略的に選択したのだと説明した。

「私たちは、他の人たちと同様に、現実の制約に縛られています。すべてを行うことはできません。それは必要に応じて意思決定とトレードオフを行うことを意味しています。この決定は特に痛みを伴うものでした」と、当時のコミュニティリーダーだったBecca McArthur(ベッカ・マッカーサー)氏は書いている

その戦略とは、明らかに、SocraticをGoogleのAIを活用したプロダクトにすることだった。現在Socraticのエンジニアリングマネージャーであるバンザリ氏が執筆したGoogleのブログ投稿によれば、アップデートされたiOSアプリは、ユーザーを支援するためにAIテクノロジーを使用している。

質問する

iOSアプリの新しいバージョンでも、写真をスナップして回答を得たり、自分自身の質問をしたりすることができる。

例えば、生徒が教室での配布物を写真に撮ったり、「距離と変位の違いは何?」といった質問をすると、Socraticは最も適切な検索結果を返してくる。その後には説明やQ&Aセクション、そして関連するYouTubeビデオやウェブリンクさえもが続いている。それはまるで、宿題に関する質問に特化した検索エンジンのようなものだ。

Googleはまた、学生の質問を分析して、必要なリソースへ導くための基礎概念を特定できるアルゴリズムを、構築し訓練したと説明している。さらに支援が必要な学生のためには、アプリは概念をより小さく、理解しやすいレッスンに分解することができる。

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さらに、アプリには、教育者たちの支援を受けて開発された、高等教育と高校の1000個以上のトピックに関するガイドが含まれている。学習ガイドは、学生がテストの準備をしたり、ただ特定の概念をより良く学習したりするためにも役立つ。

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「教師と生徒のための教育リソースを構築する中で、私たちは彼らが直面する課題と、それを私たちがどのように支援できるのかについて、多くの時間を割いて彼らと語り合い合いました」とバンザリ氏は語る。「私たちは、生徒たちが勉強中にしばしば『行き詰まる』と聞きました。教室の中でなら、質問に教師が素早く応答してくれますが、自分で学習しているときに答を何時間を探すことは、生徒たちにとって苦痛なのです」と彼は言う。

ここがSocraticが役立つ場所だ。

とはいえ、この買収は他の点でもGoogleに役立つ可能性があるという。宿題ヘルパーへの重点的な注力に加えて、この買収はプラットフォームをまたがるGoogle Assistantテクノロジーを助けることになるかもしれない。なぜなら仮想アシスタントは、GoogleのKnowledge Graphがまだ取り込んでいない、より複雑な質問に答える方法を学ぶことになるからだ。

AIが搭載された、GoogleによるSocraticの再提供バージョンは、米国時間の8月15日にiOS上で提供された。そのリリースノートには、アプリが現在Googleの所有になったことも書かれていた。

アプリのAndroidバージョンは、この秋に登場する予定だ。

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(翻訳:sako)

アマゾンはサードパーティの売れ残りをチャリティに寄付するプログラムを開始

Amazon(アマゾン)は、サードパーティの販売者の商品で、不要になった過剰在庫や返品されたものを、返送したり破棄するのではなく、より簡単かつ安価に寄付できるようにする。同社は米国時間8月14日に、新たなプログラム「Fulfillment by Amazon(FBA)Donations」の開始を発表した。過剰在庫や返品された商品を慈善団体に分配するものだ。

このニュースを最初に報じたCNBCは、Amazonのブログに投稿された短い記事でも確認を取っている

このプログラムは、今年初めごろにあった一連のニュース報道を受けたもの。それによると、Amazonの倉庫では、日常的に何百万点もの売れ残り商品を処分しているということだった。フランスにある、どちらかというと小規模な倉庫でさえ、9か月の間に29万3000点の商品を、地元のゴミ集積場に送っていた。フランスのテレビのドキュメンタリー番組は、昨年だけで、Amazonは300万点以上の商品を破棄したと断言している。

そのドキュメンタリーでは、Amazonの作業員が、新品のおもちゃ、キッチン用品、薄型テレビなどを、ゴミ集積場に送るために運び出している様子を密かに撮影していたと報道されている。

過剰となったり不要になった在庫や、返品された商品を破棄するのは、残念ながら小売業にとっては一般的な行為だが、特に高級なアパレル関連では珍しくもない。しかし、それをAmazonのように大規模に行うと、問題が複雑になる。さらに、破壊されてしまった商品は、人々の生活に役立てることができるものだった可能性も高い。

Amazonは、チャリティーパートナーの協力も得て、9月から米国と英国で、サードパーティの販売者の商品の寄付を開始すると述べている。米国では、Good360という組織と協力して進めることになる。その組織は、小売業者や消費財メーカーと提携し、さまざまな非営利団体のネットワークを通じて、本当に必要とされている商品を調達して配布する。英国のAmazonは、Newlife救世軍Barnardoなどと協力する。

販売業者がCNBCに語ったところによれば、商品を廃棄したり、返送を依頼するよりも、寄付するほうが安くつくという。なぜならAmazonは、廃棄、返送には50セント(約53円)、寄付なら15セント(約16円)を請求するからだ。このプログラムが、販売業者にとっての新たなデフォルトとなるが、望めばオプトアウトを選択することも可能となっている。

「必要としている人の手に商品を渡すことで、生活を変え、地域のコミュニティを強化できることを理解しています」と、Amazon in the Communityの責任者、アリス・ショーベ(Alice Shobe)氏は、このプログラムの開始に寄せた声明で述べている。「わが社のフルフィルメントサービスを利用する販売業者が、このプログラムを利用できるようになることを嬉しく思っています」。

また、同社がCNBCに対して述べたところによれば、破棄する商品の数をゼロにするよう取り組んでおり、返品された商品の「大部分」は、状態に応じて、別の顧客に再度販売されたり、清算業者に渡したり、サプライヤーに返品したり、あるいは慈善団体に寄付したりした、ということだ。

画像クレジット:Richard Lautens/Toronto Star/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

YouTubeのAR機能でビデオを見ながら仮想メイクを試せる

6月中旬にYouTubeは、YouTubeアプリ内で直接、仮想メイクを試せる新しいAR機能を計画していることを発表した。米国時間8月15日、この「Beauty Try-On」機能の初めての公式キャンペーンが始まり、視聴者はYouTubeクリエイターのRoxette Arisa(ロクセット・アリサ)のメイクチュートリアルビデオからメイクブランド、MAC Cosmetics(M·A·C)のリップを試用し、購入できるようになった。

メイクのチュートリアルはYouTubeではとても人気がある。そのため、お勧め製品を試せるように統合されたことには大いに納得がいく。リップを試せる機能は画期的なものではない。同じようなフィルタを備えた今どきのソーシャルメディアアプリはたくさんある。しかし、YouTubeのこの機能は複雑なARメイクを統合して進化している。

新しいAR機能は、モバイルデバイスで最新バージョンのYouTubeアプリを使っている場合のみ動作する。

ビデオを見ている時に「試す」ボタンが表示され、このボタンをタップするとカメラが起動して画面が分割表示される。ビデオの再生は続いているが、下部にいくつかあるリップの色をタップすると自分の顔に適用されて、どれがいちばん似合うかを探せる。InstagramやSnapchatなどのソーシャルアプリのフィルタとは異なり、リップカラーは自分の唇の形通りに適用され、はみ出さない。きわめて自然に見える。

M·A·Cは今後、YouTubeのブランドコンテンツ部門であるFameBitを通じてクリエイターとコラボしていく計画だ。このプログラムによりブランドとYouTubeのインフルエンサーがつながり、ブランドは広告費を出して製品をマーケティングしていく。

M·A·CがこのAR機能の最初のパートナーだが、他社もこれに続きそうだ。

サービス開始前にYouTubeはこのAR Beauty Try-Onをいくつかのメイクブランドとともにテストした。その結果、iOSのYouTubeアプリでは視聴者の30%がこの機能を有効にすることがわかった。

この機能を有効にした人はかなり引きつけられ、仮想リップカラーを80秒以上試していたという。

仮想メイク体験を提供する会社はGoogleが初めてではない。ソーシャルメディアアプリに加え、YouCamメイクSephoraのVirtual Artist(日本では非公開)、Ulta Beauty(日本では非公開)などのAR美容アプリがある。ロレアルも自社ウェブサイト上でライブ試用機能を提供しているし、2018年にはFacebookと連携して仮想メイクをFacebookで試せるようにした。さらにTargetのオンラインBeauty Studioでは多くのブランドのメイク製品をバーチャルで体験できる。

しかしYouTubeの実装は、単に楽しむためのコンシューマ製品ではなく、ARを利用した広告キャンペーンであるという点でほかとは異なる。

仮想メイクなんてくだらないという見方もあるかもしれないが、この市場は巨大だ。毎日、100万人以上がYouTubeでメイクのチュートリアルを見ているし、メイクブランドにとってYouTubeはReferralトラフィックの主要なアクセス元となっている。2018年にはYouTubeで美容関連のコンテンツは1690億ビューを獲得している。

YouTubeビデオはここから視聴できる。モバイルのYouTubeアプリならAR機能を利用できる。「試す」ボタンをタップしても自分の顔が表示されない場合は、おそらくYouTubeアプリをアップデートする必要がある。

画像:Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

教師が盗作と戦うためのツール「Google Assignments」が登場

Google(グーグル)の教育部門であるGoogle for Educationは米国時間8月14日、新学期に合わせて教師が盗作と戦うためのツールAssignmentsを発表した。これは前にCourseKitと呼ばれていたソフトウェアのアップデートで、教師が生徒の作品を調べて、引用のマナーが正しくて盗作がないことをチェックする機能が新たに加わっている。

Googleによると、この新しいツールは生徒の利益にもなる。つまり生徒は自分の作品を提出前にこのツールのチェッカーに最大3回かけて、作品がオリジナルであることをチェックできる。

それは生徒にとってエラー修正の機会にもなるし、また教師にとっては評価の作業が楽になる。

しかしこの、今回アップデートされてGoogle Assignmentsになったプログラムには、盗作チェック以外のこともできる。

AssignmentsGif

このソフトウェアにはGoogle DocsやGoogle Drive、そしてGoogle検索の機能も組み合わさっているので、宿題などの作成と管理もできる。すなわち、それらを集める、点をつける、生徒に対しフィードバックする、といった作業だ。それプラス、今では盗作チェックもできる。

コメントバンクという機能を利用すると、同じようなフィードバックを毎回新たに書かなくてもすむ。また参考文献などのファイルを、コピー(ゼロックスなど)を使わずに生徒に渡せる。宿題の評価は、次々と対象生徒を変えながら赤点を入れていくことができる。

盗作チェック機能は、「Originality Reports」(オリジナリティー報告書)と呼ばれている。教師は、引用が正しく引用扱いされていない箇所や、そのほかの問題点を見つけることができる。そのためにこのツールは、Googleによると、生徒のテキストを「何千億ものウェブページや数千万冊の書籍」と比較対照する。

Assignments2Gif

生徒はこのチェック機能を、ひとつの宿題や課題に対して最大3回利用できる。これによって見過ごし箇所を直せるが、長いレポートの複数箇所を、盗作の発見を避けるために書き直すことはできない。

生徒は宿題や課題にOriginality Reports付けて提出できるので、教師は引用が正しくない箇所や、ウェブページや書籍などの出典が記されていない箇所を見つけやすくなる。

OriginalityReportsGif

G Suite for EducationのプロダクトマネージャーであるBrian Hendricks(ブライアン・ヘンドリクス)氏は、このツールの発表声明で「今の学生や生徒は難しい問題に直面している。インターネットの上でありとあらゆる考え方を探求できるが、そういう外部の発想と自分自身の独自性をどうやって均衡させるのか?生徒たちはほかの人たちの考えと自分自身の考えの境界を正しく見つけなければならないし、何らかの出典を引用するときの正しいやり方とその正しい場所をわきまえないといけない。これらは、本当にすごく難しい問題だ」と述べている。

この盗作チェック機能は本日からベータ版のテストに入る。学校や教師への招待状は数週間以内に送付される。Assignments自体は、G Suite for Educationの正規ユーザーが無料で利用できる。

このソフトウェアは学校の学習管理システムの補助ツールとして利用してもよいし、あるいは学校のアドミンがこれを、Googleではなく既存の学習管理システムに統合してもいい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルは非接触型の学生証の導入をさらに多くの大学に拡大

米国の新年度である9月を控えて、Apple(アップル)は米国時間の8月13日、iPhoneの「Wallet」(ウォレット)アプリを利用した非接触の学生証を、さらに多くの米国の大学に導入することを発表した。その結果、10万人以上の大学生が、iPhoneまたはApple Watchとして学生証を携行できるようになる。利用範囲は、食事や軽食代金の支払い、学生寮やキャンパス内の施設といった建物への入場など、かなり幅広い。

今回新たに採用を決めた大学としては、クレムソン大学、ジョージタウン大学、テネシー大学、ケンタッキー大学、サンフランシスコ大学、バーモント大学、アーカンソー州立大学、サウスダコタ州立大学、ノーフォーク州立大学、ルイバーグ大学、ノースアラバマ、チョウワン大学が挙げられる。

以前から利用していた大学は、デューク大学、オクラホマ大学、アラバマ大学、テンプル大学、ジョンズホプキンス大学、マーシャル大学、マーサー大学だ。Appleが、この非接触型学生証の計画を最初に発表したのは、2018年のWWDCだった。その後、昨年の10月から上記の大学で初めて配備を開始した。

このデジタル学生証は、学生の身分証明書として機能するだけでなく、学内での購買に対する支払いにも使える。たとえば、カフェテリアでの食事、学内の書店での教科書や文具の購入などが賄える。非接触のIDを使って建物に入場したりすることは、大学のキャンパスでもだいぶ一般的になってきた。Appleの学生証を使えば、入場カードを毎回リーダーに通さなくてもドアを開けることができる。

大学の学生証をサポートすることは、Appleが物理的な財布を置き換えようとしている取り組みの1つの側面に過ぎない。同社は、デビットカードやクレジットカードから、交通カードやポイントカード、チケット類まで、Walletに追加する機能をサポートしている。さらに、Apple Pay Cash(アップルペイキャッシュ)によって、紙幣を追加することまで可能にしている。そして今、独自のクレジットカードを導入して、Apple製品のショッピングや、Apple Payでの支払いに対してキャッシュバックしようとしている。

「iPhoneとApple Watchを使い、かつてないほど便利にキャンパス内を動き回って活動できる学校を増やすことができるのをうれしく思っています」と、Appleのインターネットサービス担当副社長であるJennifer Bailey(ジェニファー・ベイリー)氏は、学生証のサポート拡大に関する声明の中で述べている。「学生たちが、この機能を気に入っているのは間違いありません。私たちのパートナーとなっている大学によれば、導入以来、全国のキャンパスで、学生は、iPhoneとApple Watchをタップすることで、125万食を購入し、400万回以上ドアを開いたということです」。

今回の発表の中でAppleは、キャンパスにおける認証とモバイルアクセスに関するソリューションプロバイダーとして、CBORD、Allegion、HIDの各社をサポートすることも表明している。そうした会社のシステムを利用可能とすることで、すでにそれらを導入している他の学校に対しても、Appleは今後容易に食指を動かすことができるようになったわけだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Twitterが返信を購読するテストを開始

Twitterはここ数カ月、会話についていきやすく参加しやすく場合によってはブロックしやすくすることに力を入れてきた。8月9日のツイートで同社は、ユーザーが特に興味を持ったツイートに対する返信を購読して会話の流れを見られるようにするテストを実施すると公表した。「フォロー必須」のアカウントの動向を見逃さないようにする通知機能はすでにあるが、このテストはそれを補完するものだ。

注目しているアカウントが新規ツイートをしたときにプッシュ通知を受け取っているユーザーは、すでにたくさんいる。今回の新しいテストに参加すると、通知を受けた新規ツイートを直接表示し、返信の通知を受け取るオプションを有効にすることができるようになる。

この機能を利用すると、Twitterのモバイルアプリでツイートを見ているときに、画面の右上に通知を意味するベルのアイコンが表示される。

そのベルのアイコンをタップすると、「トップ」の返信を購読する、すべての返信を購読する、返信の通知をオフにする、の3つのオプションが表示される。

トップの返信には、元のツイートをした人、元のツイートをした人がメンションした人、自分がフォローしている人からの返信が含まれると、Twitterは説明している。

Twitterは以前にも、興味深い返信に注目する機能を実験していた。「オリジナルのツイートをした人」や「書いた人」のようなラベルを付けたり、7月の時点では文字列のラベルではなくアイコンを付けたりしていた。例えばあるテストでは、元のツイートをした人からのツイートの横にマイクのアイコンを表示して、その人からの返信が目立つようにしていた。

こうしたテストの大きな目的は、自分がフォローしている人の発言を表示してTwitterの会話に参加する体験をパーソナライズすることであり、元のツイートをした人とその人がメンションした人の発言をすぐに見て会話についていきやすくするということだ。

今回のテストでトップの返信を購読したり、あるいは必要に応じて返信をすべて購読したりすれば、前述の目的に近づく。

この新しいテストは、会話の健全性という大きな問題を解決する試みでもある。Twitterは、オンラインの悪用やハラスメントに関する厳しいルールの作成と適用を試行するだけでなく、7月にはカナダで正式に「返信を隠す」機能を導入し、元のツイートをした人が意味がないと感じた返信を会話内で表示されないようにした。この「返信を隠す」が今回の新しい返信の通知オプションとどのように連携するかはわからないが、おそらく自分がフォローしている人が返信すると、元のツイートをした人がその人からの返信を隠したとしても、通知されるのだろう。

Twitterは、この新しいテスト機能はiOSとAndroidで利用できると発表している。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Venmoが銀行口座への即時送金サービスをローンチ

PayPalが所有する決済アプリのVenmoは米国時間8月13日、米国の銀行口座への即時送金をサポートすると発表した。この機能は、通常1日から3日営業日ほどかかる銀行送金サービスのオプションとなる。一方でInstant Transferを使えば、Venmoアカウントからの資金を数分以内に銀行口座に入金することができる。

2018年1月の段階で、VenmoはInstant TransferにてVISAとMastercardのデビットカードを使用した少額の即時送金を提供していた。ローンチ時の手数料は一律0.25ドルだったが、昨年10月には送金金額の1%へと引き上げられた。現在の最低手数料は0.25ドル、最高手数料は10ドルとなっている。もちろん、この便利な即時送金を利用したくない場合には、通常の送金オプションも利用できる。

デビットカードへの送金はVemnoに保管された現金に素早くアクセスするのに役立つが、誰もがデビットカードを持っているわけではないし、自分の資金がいつもそのカードに送られるのを望んでいるわけではない。銀行振込は通常の支払いや家賃、その他の自動引き落とし処理のために、Venmoの現金をメイン口座に移すことで、中小企業やギグエコノミーの従業員にとって役立つ。

VenmoによるInstant Transferサービスの拡大のニュースは、SquareのCash Appや、銀行が運営しVenmonのライバルとなるZelleとの競争の激化と同時に登場した。内部顧客と米国の銀行アプリとの統合のおかげで、Zelleは2019年第2四半期に1億7100万件の取引で440億ドル(約46000億円)を送金し、米国最大のピアツーピア支払いアプリとなった。一方、Venmoの第2四半期の支払額は240億ドル(約2兆5000億円)だった。

しかし4000万件以上のアクティブアカウントを持つVenmoは、アメリカの一部大手銀行よりも多くのユーザーを抱えている。そして、その成長は続いているのだ。

手数料ベースのInstant Transferサービスを顧客に提供することでVenmoは収益を上げ、独自のクレジットカードのローンチなどその他の計画とあわせて、サービスを収益化することができる。

Venmoの親会社であるPayPalも、2017年に最初に発表されていた銀行口座への即時送金を今年3月に提供している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ナイキがキッズシューズのサブスク「ナイキアドベンチャークラブ」開始

ナイキは米国時間8月12日、新学期向けの買い物に間に合うように、ナイキアドベンチャークラブ(Nike Adventure Club)という名の、子供向け「スニーカークラブ」を立ち上げて、サブスクリプションサービス市場への参入を公式に発表した。この新しいプログラムは、急成長する子供の靴のニーズに追いつくのに苦労している親たちの買い物をより簡単にするために、特別にデザインされたものだ。子供を店に連れていって、気に入るものを次々に試させる代わりに、この新しいナイキアドベンチャークラブは、毎年4足から12足の靴を米国内どこにでも送ってくれる(送られてくる数はサブスクリプションのオプションによる)。

Clubが靴を提供するのは、靴のサイズ4Cから7Y(10センチから24センチ)の子供たち、あるいは2歳から10歳までの子供たち向けだ。

クラブのサブスクリプション価格は、90日ごとに新しい靴が送られてくる月額20ドルからスタートする。月額30ドルを支払えば、子供は1年に6足を受け取れる。そして毎月50ドル支払うことで、子供は毎月新しい靴を手に入れることになる。まあこれは、毎日スニーカーを履いてスポーツをしたり、靴を短期間で破壊したりすることが多い最も活発な子供を除けば、過剰なオプションだろう。

ただし、最低限の年4足でも、年長の子供を持つ親たちには少々多すぎることもある。

American Orthopedic FootAnkle Society(米国の足の外科学会)によれば、16カ月未満の幼児は、2カ月ごとに足のサイズの半分以上が成長して行く。16カ月から24カ月の間は、3カ月ごとに平均で足のサイズの半分程度が成長する。そして24カ月から36カ月までは、足の半分分の成長が4カ月ごとに行われる。その後成長は遅くなっていく。

3歳以上の子供は、4〜6か月ごとに足のサイズの半分程度が成長していく。すなわち、年長の子供の中には、過度の磨耗や破れがなければ、年に靴を2回だけ交換すれば済むものもいるということだ。

とはいえ、ナイキは保護者に対して、任意の時点でサブスクリプションをアップグレードしたり、ダウングレードしたり、場合によって停止することも認めている。

サインアップすると、親たちは、子どもたちと一緒に100種類以上のナイキシューズとコンバースシューズを選択できる電子メールを受け取る。そしてどの靴を受け取りたいかを選べば、子供の名前が書かれたボックスに入れられて靴が自宅に届くのだ。また、このボックスには、両親が子供と一緒に行うアクティビティやゲーム、ステッカー、そして小さな贈り物に満ちた「アドベンチャーキット」も同梱されている。このキットは、非営利団体のKaBoomと協力して作成されているものだ。KaBoomは、子供たちが健康的なライフスタイルを推進できることに焦点を合わせている団体だ。

靴のサイズが間違っていた場合には、配達から1週間以内の交換は無料だ。

おそらく、このプログラムの最も優れている点はリサイクルコンポーネントだ。

ナイキは年に2度、料金支払い済のバッグを送ってくる。親たちはこれに子供が履いた靴を入れて送り返すことができる。こうした靴は状態が良いものは寄付に回され、そうでないものはNike Grindを通じてリサイクルされる。Nike Grindはゴム、フォーム、皮革、そして生地部分を分離し、顆粒状にした上で、新しい履物、洋服、そして遊技場の床材などの新しい製品へと生まれ変わらせるプログラムだ。

「ナイキアドベンチャークラブサイトは、単なる最初の子供向けスニーカークラブというだけでなく、ナイキのなかでもユニークな位置を占めるものとみなしています」と開始声明の中で語るのは、ナイキアドベンチャークラブ担当副社長のDave Cobban(デイブ・コバン)氏だ。「子供たちに幅広い選択肢を提供するのと同時に、彼らのために買い物をするご両親にとっての面倒な点を取り除きます」。

ナイキはこのプログラムを、Easy Kicksと呼ばれていた2017年からテストしてきた。同社によれば、テスト会員は1万人に達したという。

ナイキは、子供向けのサブスクリプションを開始した最初の企業ではない。そして大手の小売業者たちも気付いてきた。今年Foot Lockerは、子供服のサブスクリプションを行うRockets of Awesomeへの少額出資を行いWalmart(ウォルマート)は子供服のスタートアップのKidboxと提携した

Stitch Fixは、子供向けのスタイリングサービスも提供する。また、Amazonはサブスクリプションなしで購入前に試着できるショッピングサービスPrime Wardrobeを提供している。Amazonの場合は、両親が自宅での試着用の、洋服、靴、そしてアクセサリーをボックスに詰めて取り寄せ、かつ簡単に返却できるようにするオプションを、男の子用、女の子用それぞれに提供している。

ナイキアドベンチャークラブは本日開始されるが、新規顧客の登録はウェイトリストを使うことで簡便化されている。

【Japan編集部追記】英語版の規約を読む限り、「We provide this Platform for use only by persons located in the United States.」とあるので、現段階では米国内に限定されたサービスのようだ。

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(翻訳:sako)

YouTubeへの不満を受け米連邦取引委員会は子どものプライバシー法改訂を検討

米連邦取引委員会(FTC)は、COPPA法(Children’s Online Privacy Protection Act)として知られる、インターネットでの子どものプライバシーを守る法律の強化を検討している。この法律は2000年に施行されたが、子どもたちのモバイルデバイスやソーシャルネットワーキング・サイトの使い方の変化に対応して2013年に修正されている。そして今、FTCは、さらなる修正が必要なときが来たと感じている。FTCでは、数々の修正案に対する意見を求めているが、なかでも重視されているのが、子ども向けと明確に指定されていないながら、多くの子どもたちが利用しているサイトの問題だ。

言ってしまえば、YouTubeのようなサイトだ。

このFTCの発表は、アメリカの消費者擁護団体とエド・マーキー(Ed Markey)上院議員(民主党マサチューセッツ州選出)が、COPPA法違反の疑いでYouTubeを捜査するよう規制当局に求めた抗議書簡をFTCに送付して、わずか数週間後に行われた。

擁護団体は、YouTubeが「本サービスは13歳未満の子供による利用を意図していません」との利用規約の陰に隠れていると主張している。この一文は、明らかに破られている。現在、YouTubeは子ども向けに作られた動画で満ちている。Googleでさえ、就学前児童から小学校高学年の子どもをターゲットにしたYouTube Kidsアプリを提供している。これはあくまで自由選択だ。子どもたちはYouTubeを無制限に閲覧でき、YouTube TVアプリから見ることも可能だ。このプラットフォームでは、YouTube Kidsの制約は限定される。

Campaign for a Commercial-Free Childhood(コマーシャルのない子ども時代のための運動:CCFC)とCenter for Digital Democracy(デジタル民主主義センター:CDD)が記した書簡によれば、Googleは2500万人近くのアメリカの子どもたちの個人情報を収集し、そのデータを「非常に高度なデジタルマーケティング技術」のために利用しているという。

これらの団体はYouTubeに対して、子どものデータを削除し、サイトに年齢制限を定め、すべての子ども向けコンテンツを専用アプリに集めて分離し、COPPA法のガイドラインに従うよう求めている。

こうした要求が、今回のFTCの行動を促した。

FTCは、ウェブサイトや、もともと子ども向けではないが子どもが利用しているオンラインサービスに対処するためにCOPPA法を更新すべきか、また「一般向けのプラットフォーム」は第三者が公開する子ども向けコンテンツを特定し監視するべきかについて意見を求めている。

言い換えれば、FTCは、YouTubeを使う子どもたちのプライバシーの保護のためにCOPPA法を修正すべきかどうかだ。

「インターネット上の子ども市場に影響を与える技術の急速な変化に照らして、COPPA法がそのままで有効であるかを確認する必要があります」と、FTC委員長のジョー・シモンズ(Joe Simons)氏は、声明文の中で述べている。さらに、「私たちには、COPPA法の強力な執行、さらにより高いレベルでのCOPPAの準拠を促すための、業界への周知、COPPAビジネスホットライン作りに真剣に取り組んでいます。しかし、私たちは常にルールに立ち返り、必要があれば、見直すことが重要です」と彼は付け加えている。

YouTubeは主要な対象だが、FTCは、学校でデジタル技術を利用する際には保護者の同意がなくてもよいかどうかについても意見を求めている。また、インタラクティブTV(たとえばNetflixの「マインクラフト:ストーリーモード」のような)インタラクティブ・メディアやインタラクティブ・ゲームとCOPPAの関連についても詳しく知りたいと考えている。

さらに広い観点から、FTCは子ども向けのサイトやサービスの有用性に対するCOPPAの影響についても知りたいとのことだ。

COPPAの見直し開始は、FTCの5名の委員による無記名の決定により判断された。このうち3名は共和党員、2名が民主党員だ。

シモンズ氏が率いるFTCは、2月にMusical.ly(現TikTok)に対して行動に出た。COPPA法違反による570万ドル(約6億1500万円)という記録的な罰金を科したのだ。YouTubeと同様、このアプリは、13歳未満の子どもたちが保護者の同意なくして利用していた。同社はその事実を把握していたが、そのまま子どもたちの個人情報の収集を続けていた。

「この記録的な制裁は、子どもをターゲットとするすべてのオンラインサービスとウェブサイトへの警告となるでしょう。私たちは全力でCOPPA法の執行に取り組んでいます。この法律を無視するような悪質な企業は容赦しません」とシモンズ氏は同時に述べていた。

TikTokとは、子どもの動画とデータを削除し、未成年のユーザーの動画撮影を制限することで和解が成立した。

FTCが、同じことをYouTubeに要求できないのはなぜか。この2つのサービスの問題は同じであるにも関わらず、なぜ法律の修正が必要なのか。

「それは現行の法律下でも間違いなく可能であり、YouTubeには罰金を科して、大幅な改善を強制する必要があります」とCCFCの事務局長ジョシュ・ゴーリン(Josh Golin)氏は言う。「YouTubeに関しては、これは今のところFTC史上、最重要のCOPPA法違反ケースなのですが、現行法ではYouTubeに責任を負わせられる権限がFTCにはないような信号を発しているところが非常に心配です」と彼は話していた。

「COPPA法は修正によって強化できるでしょうが、最大の問題は、法律の執行力がFTCに欠けていることです。しかしこれは今すぐ対処できる問題です。長々と能書を垂れている場合ではありません」とゴーリン氏は加えた。

FTCは、2019年10月7日にCOPPA法を考える市民勉強会を開催するとのことだ。

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(翻訳:金井哲夫)

世界絵文字デーでUNICODEがサイトを改良、デベロッパーならemojipediaがオススメ

すでにお伝えしたように、7月17日の世界絵文字デーを記念してAppleとGoogleが たくさんの新しい絵文字を発表した。これに加え、ユニコードコンソーシアムもウェブサイトをリニューアルした。この団体は絵文字のコードを含め文字コード全般を管理する国際的NPOで、今回のアップデートにより絵文字を含め、文字の検索が以前より容易になった。

以前はコンソーシアムのウェブサイトのデザインは素っ気ないものだった。コンソーシアムの各ページへのリンクのリスト、FAQ、進行中のプロジェクト紹介、Aboutといったベーシックなものに過ぎなかった。つまりは標準化団体の技術資料で、デザイン自体長年アップデートされておらず、下にスクリーンを貼ったが、あまりに古臭くて大昔の政府機関のサイトを思わせた。

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旧サイト

これが一新されたのはめでたい。デザインが今のメインストリームに近づいただけでなく、公衆と対話しようとする姿勢が見られるようになった。UNICODE理事会のメンバー、Greg
Welch(グレッグ・ウェルチ)氏はサイトのアップデートの告知の中で次のように書いている。

さてUNICODEは国際的な技術標準であり、インターネットを支える重要な礎石の一つだ。UNICODEは1990以来、世界の言語のコードを標準化することによってデベロッパー、ユーザーを助けてきた。しかしモバイル化にともなうデジテル・コミュニケーション一般化するにつれ、絵文字の利用が大きく進展した。そこでわれわれはサイトのデザインを一新し、誰にも情報を検索しやすいもにした。ことによって利用と開発が促進されることを期待する。

Screen Shot 2019 07 17 at 2.08.25 PM

新サイトの絵文字部分

もちろんコンソーシアムの本来の業務は絵文字に限られず世界の言語によるテキスト処理の標準化全般に関わるものだ。しかしコンソーシアム自身も「絵文字は現在の世界のオンライン人口の92%に利用されている」と認めている。つまりUNICODEにとっても非常に重要な一部をなしているわけだ。

新サイトをデザインしたのはAdobeのチームだという。トップページにも絵文字がフィーチャーされており、絵文字セクションへのナビゲーションもユーザーフレンドリーになっている。絵文字に関する提案をする方法もわかりやすく解説されている(とはいえ、このプロセス自体はまだあまりユーザー・フレンドリーではない)。またコンソーシアムに対し、絵文字開発のために「課税控除できる寄付」を行う方法も紹介されている。

現在UNICODEには13万6000文字が登録されており、そのうちの2800が絵文字だという。新サイトが以前より検索しやすいものになっているのは間違いない。しかしこちらのリンクから入れば昔ながらのサイトが表示される。

リニューアルでUNICODE全般の検索が容易になったのはうれしい変化だが、絵文字の意味、実際にブラウザでどう表示されるのかなどを調べたい場合は、Emojipediaを訪問してみることをお勧めする。

【 Japan編集部追記】Emojipediaの検索ボックスにLOLと入力すると「涙を流して大笑い」している絵文字が表示される。解説には「ROFL(床を転げ回って笑う)絵文字によく似ているが異なる」など詳しい解説が示される。

 またCamelを表示すると、Apple、Google、Microsoft、Samsungその他代表的な企業によるデザイン実装が表示され、それぞれのプラットフォームでどのように表示されるかをあらかじめ知ることができる。またスマイリー、ハート、動物、OKサインなどのカテゴリーが設けられ、クリックすると一覧できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

今年のAmazonプライムデーもベストセラーはEcho DotとFire TV Stickか

【抄訳】
Amazonプライム今年もまた、プライムデーでEcho DotやAlexaリモコン付きFire TV Stickのようなロスリーダー(採算度外視の目玉商品)に殺到した。Alexaスマートスピーカーの入門機であるEcho Dotは、3年連続でプライムデーのベストセラーになった。Fire TV Stickも昨年に続いて上位で、この製品はデビューした2016年以来、プライムデーにはグローバルでよく売れている。

Amazonはプライムデーの具体的な数字を挙げないが、Echo DotとFire TV Stickを合わせて、売り出し初日の月曜日には世界中の顧客に「数百万台売れた」と主張している

昨年は、Fire TV Stickだけで「数百万」という言い方をしていた。

このリテイラーは米国時間7月16日、米国の買い物客は月曜日の売り出しで「数百万ドル」を節約した、と言っている。それはEcho DotとThe Fire TV Stickの安売りだけを指すのではなく、そのほかの売上上位である、Instant Pot DUO Plus 60 6 QtやLifeStraw Personal Water Filter、Crest 3D White Professional Effects Whitening Stripsなども含んでいる。この中でInstant PotとLifeStrawフィルターは、昨年のプライムデーでもAmazon以外の製品で上位入りした2つだった。

Echoは7月15日の売り出し品目には入っていなかったが、しかしすでにプライムデーの前から定価の半額24ドル99セントに値下げされていて、プライムデーではさらに、再び22ドルに下げられた。

echo show 5

本日もEcho Dotは22ドルだが、黒(チャコール)は売り切れで、やや明るい色のサンドストーンしかない。

2日目のそのほかの売れ線

  • 画面付きAlexaスピーカーの小型改良版Echo Show 5が49ドル99セント
  • Fire TVエディションのスマートテレビが最安で140ドル
  • Alexaリモコン付きFire TV Stickが14ドル99セント
  • キッズエディションのFire 7タブレットが59ドル99セント(2つで99ドル98セント)
  • Ring Video Doorbell 2が139ドル

プライムデー2日目の値下げ品目一覧表をもある。

【後略】

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

プライムデーの月曜日はアマゾン以外の大手小売業者の売上も64%アップ

Amazon(アマゾン)プライムデーは、もはやAmazonの一人勝ちの日ではない。実はここ数年、すでにそうなっていた。ほかの大手小売業者はAmazonの年に一度のセールイベントに便乗して自社の売上を増やせることに気づき、それを実行してきた。米国時間7月16日に公表されたAdobe Analyticsの最新データによると、7月15日のプライムデーの月曜日に、米国のeコマースにおいて大手小売業者の売上は、月曜日の平均に対して64%と大幅に増えていた。

Adobe(アドビ)のレポートによると、昨年の大手小売業者(年間売上が10億ドル、約1080億円以上)の売上は54%アップで、今年はさらに増加した。

それより小規模の業者も成果を上げた。年間売上が500万ドル(約5億4000万円)未満の小売業者は、月曜日のオンラインでの売上が30%増加した。

Adobeは、2019年のAmazonプライムデーには米国のeコマースの売上が20億ドル(約2160億円)を超えると予測していた。これを達成すれば、年末のホリデー商戦の時期を除くと、2018年9月のレイバー・デーと2019年5月のメモリアル・デーに続く3度目の20億ドル超えとなる。

Amazon以外のサイトでの売上には訪問者のトラフィックが増えたことが大きく影響しており、これが売上の増加の66%を占めている。ほかには、27%がコンバージョンの増加、7%が購入品目の増加によるものとみられる。

Adobeは、月曜日にAmazon以外のサイトで最も割引されたのは電化製品であったことも指摘している。特にスマートウォッチ(12%オフ)、スマートTV(10%オフ)、スマートホーム製品(9%オフ)などのスマートデバイスが割引された。

Adobeのデータは同社の分析事業によるもので、4500以上の小売サイトと5500万のSKUに対する1兆回の訪問の分析に基づいている。Adobeは米国のeコマースのトップ100社のうち80社のトランザクションを測定している。

Amazonは月曜日のプライムデーの成功を報告したが、売上の詳細は公表していない。顧客は米国で「膨大な金額」を節約できたとしている。Alexa対応音声認識リモコン付属の「Fire TV Stick」と「Echo Dot」はトップセールスを記録した。

画像:Emanuele Cremaschi / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)