PinterestがシリーズEで大金$225Mを調達(国際展開を本格化), 企業評価額は$3.8Bに

AllThingsDの報道を本誌が確認したところによると、Pinterestが巨額な資金調達ラウンドを完了した。それはFidelity Investmentsがリードした2億2500万ドルのラウンドで、対応するPinterestの企業評価額は38億ドルだった。これまた、若い企業にしては大きな評価額だ。

このラウンドにはこれまでの投資家、Andreessen Horowitz、FirstMark Capital、Bessemer Venture Partners、Valiant Capital Managementらも参加したが、もっとも最近の投資家である楽天は参加しなかった。この日本のeコマース巨人は2012年5月に1億ドルを投資している。

2012年5月のときは、Pinterestの評価額が15億ドルで、今回の半分以下だった。1年あまりで時価総額が23億ドル増える、という快挙だ。

この資金は国際展開に充てられる。同社は最近、イタリアとフランスとイギリスの、それぞれ国別担当マネージャを雇用した。

そのほか、資金は“人材”と“技術”の確保にも投じられる。今後Pinterestは、現金成分を含む株式取引で、多くの小企業を買い上げるだろう。Pinterestが調達した資金総額は5億6500万ドルになる。

Pinterestはこれからどうやって、38億ドルにふさわしい企業になるのだろうか? その答は、同社独特の広告モデルにあるのかもしれない。広告のインプレッションや、モバイルでは稀なクリックで課金しても、その稼ぎは知れている。でも、広告のクリックではなく、広告が購入に直接結びついたらマージンをいただくというPinterestの売上共有モデルは、今の企業評価額に見合った収益をもたらすかもしれない。

しかしこの評価額では、もはやPinterestはどこかの買収の対象ではなくなった。IPOをするか、それとも別の出口を探すか、しかないだろう。

アップデート:

Pinterest自身も資金調達とその投資家と評価額を確認した。協同ファウンダでCEOのBen Silbermannは、AllThingsDに次のような声明を送った:

“弊社は誰もが自分の未来の構想を得られるためのサービスでありたい。その未来は、明日の夜のディナーでも、来年の夏休みでも、いつの日かのご自分の夢の家でもよい。今回の新たな投資によって弊社は、その目標を一層強力に追求することができる。”

声明の中には、いくつかの数字もある:

  • 新規の資本は国際展開などの企業目的に充てる。今年は海外部門の利用数が125%伸びたが、この勢いにさらに油を注ぐ必要がある。Pinterestは最近、イギリスとフランスとイタリアに進出したが、年内にあと10か国でローンチする予定である。
  • Pinterestの中核的なサービスへの投資を行う。とくにモバイル部門は今年50%成長し、今では利用総数の3/4を占める(対してLinkedinの発表ではモバイルは38%だ)。
  • 収益化の開発を継続する。今月の初めには最初のテストを開始したが、今後はグローバルな事業として展開していく。
  • 技術的インフラストラクチャへの資本投下によりサービスの高速化を図る。また信頼性と効率性の向上にも努める。

記事協力: Alexia Tsotsis, Josh Constine

上部画像クレジット: Flickr

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、ChromeブラウザーとChromebookにペアレンタル・コントロールを導入。現在ベータ

Googleは、Chromeブラウザーにペアレンタル・コントロール[親による監視]機能として、新しく「スーパーバイズド・ユーザー」を正式に導入する。一般公開に先立ち、ベータチャンネルで配布を開始した。この機能は、恐らくその殆どが親であろうユーザーが、Chromeブラウザーの動作を制限し、特定のウェブサイトをブロックしたり、Googleの検索結果をセーフサーチでフィルターしたり、ウェブサイトの訪問履歴を管理したりできるようにするものだ。

「スーパーバイズド・ユーザー」オプションはここしばらくの間テストされていた。初めて社外で発見されたのは、昨年の12月に、ChromeのCanary/Chromiumビルドの中に “Managed User Settings” と呼ばれるオプションがあるのを開発者が見つけた時だった。そして今年の夏、同機能はCanaryビルドのユーザーに広く公開され、いくつかのフラグを使ってオン・オフを切り替えることができた。

しかしGoogleは、ペアレンタル・コントロールの計画に関する正式コメントを今日まで出していなかった。ソフトウェアエンジニアのPam Greenはブログ記事で「スーバーバイズド・ユーザー」オプションを紹介し、彼女が娘と一緒にウェブを見るのは好きだが、家族の安全のためにもっとツールを必要としていたというエピソードを語った。

同オプションはChromeブラウザーで提供されているが、もちろんChromebookユーザーを考慮して作られている ― 例えば最近TechCrunchが試用したHP Chromebook 11を買おうとしている人たちだ。Chromebookでは、フラウザー〈が〉オペレーテイングシステムなので、その行動を制御することによってユーザー体験全体を変えることができる。

スーパーバイズド・ユーザーに関して、Chromebookの全権限を持つユーザーは、chrome.com/manageを訪れ、子供たち(あるいは他の監視されるユーザー)のアカウントを編集、管理できる。親はあらかじめリストに載せたウェブサイトにしか行けないようにブラウザーを設定したり、子供のリクエストに応じて制限されているサイトへのアクセスを許可したり、ウェブ履歴を見ることができる。他にも、あるホストのサブドメインを全部ブロックするといった、細かい制御も可能だ(そのためには、 *.example.com のように、トップドメインの前にアスタリスクを置く)。

Chromebookでは、スーパーバイズド・ユーザーを作るオプションがメイン画面に表示される。「新規ユーザー」をクリックして「サインイン」ダイアログボックスを開き「スーバーバイズド・ユーザーの作成」をクリックする。Mac、Windows、およびLinuxでは、「設定」メニューの中の「ユーザー」セクションでアカウントを作る。

Googleによると、スーパーバイズド・ユーザー設定は今週から一般ユーザーに公開される。私がChromebook 11で試そうとしたらまだ来ていなかったが、利用可能になる時期は人それぞれだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ジャーナリスト向けツールを集めたGoogle Media Toolsサイト公開―マップAPIのチュートリアルなども提供

GoogleはGoogle Media Toolsというメディア、ジャーナリスト向けのツールを集めたサイトをローンチした。Google検索、トレンド、マップなど記者や編集者などのジャーナリストに役立つツールを一箇所に集め、さらにそれぞれの効果的な利用法のチュートリアルを提供するものだ。このサイトには選挙から災害の報道まで、記事をわかりやすく、強く印象づけるさまざまな手段が集められている。

このツールのセットは先週開催されたOnline News Association (ONA)の2013年カンファレンスで発表されたものだが、今日(米国時間10/21)、Googleの公式ブログを通じて一般公開された。

Google Media ToolsはさまざまなGoogleサービスへの単なるリンク集ではない。ジャーナリストは、Googleの透明性レポートの仕組みやGoogle Maps APIを使って記事にビジュアルに印象的なカスタム地図を埋め込む方法などを学ぶことができる。

また執筆した記事をGoogleのさまざまなプラットフォーム上で公開するための正しい手順についても解説されている。たとえばGoogleニュースに収録させるための手続きやGoogle+ハングアウトを利用してビデオインタビューを一般公開する方法などだ(私自身の個人的経験からしてもビデオチャットを利用したリモート取材の必要性は非常に高まっている)。

GoogleがMedia Toolsをスタートさせたのは、ライバルのFacebookとTwitterがそこで生産されるさまざまなソーシャル・データを積極的にジャーナリストに提供する努力を続けているのに対抗するためだろう。この夏FacebookはTwitterの後を追って公開投稿を他のサイトにエンベッドできる機能を追加した。同時にFacebookはトレンド、ハッシュタグ、認証ユーザーなど他のTwitterの機能も取り入れた。Facebookはまた最近、公開フィードAPI、キーワード・インサイトAPI発表した。これはCNN、Today Show、BSkyBなど一部の有力メディアにFacebookの公開データ全域に渡ってキーワードなどによるあらかじめプログラムした検索の実施を許すものだ。

こうしたツールの利用はメディア関係者に限られるわけではない。企業やマーケッターにとってもコミュニケーションの効果をアップするのに使える。今やデータこそ商品の時代だ。

Twitterの場合、早くからサービスをメインストリーム・メディアで利用にしてもらうよう売り込む努力を重ねていた。これによって一般ユーザーのTwitterへの認知が高まり、その利用法も広く知られるようになった。Googleの知名度はもちろん圧倒的だが、それでも利用者を増やす努力は止めていない。特にスマートフォンとタブレットの登場によって新たにインターネットのユーザーに加わった層に対するアピールには力を入れている。

Googleのメディア支援責任者、Daniel Siebergの説明によれば、「この新サイトはジャーナリストが取材し、読者にインパクトを与える記事を制作する過程で利用できるインターネットの資源のショーウィンドウを提供するのが目的だ。今後、ケーススタディー、チュートリアル、多言語サポートなどによってさらに内容を拡充していく予定だ」という。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


グループでの写真共有やアルバム管理を簡単にするCluster、いよいよAndroid版も登場

写真共有アプリケーションを提供しているClusterAndroid版が登場して、より便利に使えるようになった。

ちなみにClusterは今年の夏、Instagramに初期から投資していたBaseline VenturesのSteve Andersonの主導によるラウンドで160万ドルの資金を調達してもいる。アプリケーションの機能としては、以前から提供されているiOSアプリケーションと同様で、簡単にフォトコレクションを作成して他の人に見せたり、写真を投稿してもらったり、あるいはプライベートで共有したりすることができる。

Clusterが最初に登場したのは2月のことで、まずはiOS版がリリースされた(そういうアプリケーションは多い)。以来、コメント機能、共有機能などを追加したり、デザイン面のアップデートを行ったりしている。

Android版の方でも、使い勝手はiPhone版とほぼ同じであるようだ。「new」をタップすれば新しいアルバムを作成することができる。そして「event」か「topic」のどちらを目的とするアルバムなのかを指定する。誕生日や結婚式、パーティーやバケーションについてのものなのか、それとも何かのテーマについて、特定のイベントとは関係なく綴っていくのか(たとえばペットの写真など)で区別するわけだ。

写真を登録する際は、登録する写真と同じ日付ないし同じ場所で撮った写真が一括で選択されるようにすることもできる。これはアルバム作成の手間を大いに減らすことに繋がる。たいていのアプリケーションでは、追加する写真をひとつひとつ指定する必要がある。派手さはないが、本当に便利な機能だと思う。

アルバムを作成すれば、寄稿者もワンタッチで登録できる。追加以来はメールないしテキストメッセージで行う。また、多くのソーシャルアプリケーションが自分友だちスパムを送るようになってしまった中、友だちの招待をClusterに任せるのか、それとも自分で行うのかを選ぶことができるようになっている。これは昨今のアプリケーションとしては「良心的」と言えるかもしれない。また、アプリケーション内から招待通知を送るのか、それとも招待コードを発行しておいて、後ほどFacebook経由やメール、あるいはサイトへの投稿あるいはテキストメッセージ経由で招待することを選択することもできる。

もちろんAndroid版で、iOS版の機能を全て実装したというわけでもない。しかしアルバムを作ったり、あるいは知り合いの招待を受けて、アルバム作成に参加したりということは問題なく行える。個人的には、近しい友人や家族と写真を共有するのに、Flock(今やGoogleに買収されたBumpのプロダクト)を使っていた。しかしiOS版とAndroid版のあまりの違いにがっかりしていたりしたものだった。ことClusterについてはそのようなこともないようで、なかなか便利に使えそうな印象を持っている。

また、ウェブ上でのエクスペリエンスにも気を配っているのが興味深い。ウェブからも、スマートフォンと同様に、写真のアップロード、コメント、お気に入りへの登録などを行うことができるのだ。これも他の写真共有サービスが見落としているところではないだろうか。より多くの人に使ってもらうためには、多くの人が使っているプラットフォームで利用できるプロダクトを出す必要があるのだ。最新のデバイスを手に、最新機能への対応をせまるテック系の人も大事だが、シェアの大きな既存技術を放置していてもいけないのだ。

ところで私たちは日に日に、自らが生み出す写真コンテンツのボリュームに圧倒されるようになってきている。昨今では写真をFacebookのアルバムにまとめたりする人も減ってきていいる。友だちのためになるのならと苦労してまとめたものだったが、見てもらおうと思った人以外にもうっかり公開してしまうようなことも続出した。そこで、たとえばメッセージングアプリケーションを使ってごく限られた人と共有したり、あるいはInstagramのようなオープンなプラットフォームを使う場合は当たり障りのない写真のみをシェアするというようになってきてしまったのだ。そうした中で、写真共有を改めて楽しいものとしてくれそうなのがClusterだ。基本的にはごく近い人とのみシェアするようにしつつ、それをたとえばFacebookなどに公開して、より広い範囲のひとと共有するオプションも用意しているわけだ。

モバイルを主戦場とした写真アプリケーションということで、たとえばApp Store内だけを見渡しても競合は多い。また、AppleのiCloudやGoogle+、あるいはFacebookやYahooのFlickrなどという大手も「競合」になるだろう。さらに利用者拡大には資金が必要で、その大変さに道を見失うスタートアップも多い。さらには投資家たちが、消費者向けサービスへの出資を渋りつつあるという話もある。利用者の拡大がなければ、フォトブックやギフトなどというマネタイズの仕組みも実装できない。但し、使いやすい仕組みをモバイルおよびウェブ上で展開しているのは魅力だ。徐々に利用者も増えていくこととなりそうだ。

最近リリースされたAndroid版アプリケーションについては、こちらから入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H


「コンテクスト」に応じてホームスクリーンを自動的に切り替えるAviateが公開βに

Andreessen Horowitzの支援するAviateが公開ベータとなった。Aviateとは増える一方のモバイルアプリケーションと付き合っていくための、より良いインタフェースを提供しようとするものだ。夏にアルファ版をリリースして以来、この新しいAndroid版ランチャーを試してみた利用者は7万名にのぼる。ちなみに、このアルファテストに参加した利用者に対してはベータ版の案内が送られている模様だ。アルファ登録を行っていなかった人に対しても、システム側の準備ができ次第、徐々に対応を進めていくとのこと。

また、バイラル効果を狙って、友人に配布できる招待コードも発行している(TechCrunchに提供された「TechCrunch」も利用できるかもしれない)。

7月にも紹介記事を掲載しているが、まだご存知ない方のために再度説明をしておこう。Aviateというのは、新しいタイプのAndroid向けランチャーだ。現在リリースされているほとんどのランチャーは、「カスタマイズ」機能を競っているような面もある。しかしAviateでは現在の「コンテクスト」に応じてホームスクリーンの構成を変更するようになっている。現在地や移動ステータス、ないし直近のアクティビティに基いて自動的にホームスクリーンを最適なものにしてくれるのだ。

たとえば、いま仕事場にいるとしよう。すると優先的に表示されるのは、各種ビジネスアプリケーション群ということになる。あるいは旅行中であるとしよう。するとワンタッチでアクセスできるところにはGoogle Mapsなどのナビゲーション系アプリケーションや、近くのレストランやバーなどのホットスポットを探すのに便利なYelpなどということになる。また、レストランを訪れたとするとFoursquareで簡単にチェックインすることができ、またワンタッチでレビューツールを起動することもできる。さらにはカメラやZagat、Foodspotting、OpenTableなどのアプリケーションも使いやすい場所に表示されるようになる。家に戻ってくればホーム画面は「ナイトタイム」モードとなり、カレンダーやスケジュールが表示される。また夜の読書タイム用にKindleなども表示されるようになる。

今回のベータ版で、アプリケーションの起動方法や、アプリケーションからの情報を表示する機能が新しくなった。情報を表示する仕方はウィジェットと同様の感じではあるが、あくまでも必要なときに表示するために「コンテクスト」を判断して表示する点が新しい。

「Aviateの提供を開始した当時は、それぞれにアプリケーションを、利用頻度の高い場面で表示するという機能を提供していました。たとえば、レストランにいるときにはFoodspottingやOpenTableといったアプリケーションを表示するようにしていました」と、共同ファウンダーのMark Daissは説明する。「しかし単純にアプリケーションを表示するというのではまだまだ不十分でした。アプリケーションからの情報をホームスクリーンに表示することで、一層便利なツールとなったのです。

画面に表示される内容は、まずAviate側で自動的に判断される。しかし設定画面から、より詳細な設定を行ってカスタマイズすることもできる。また、利用者のデータに基いて、アプリケーションのレコメンデーションなども行っていきたい考えなのだそうだ。まだまだ開発中の機能なのだそうだが、確かにそれはマネタイズの方法として有効なものとなるかもしれない。

尚、今回のバージョンから、Androidの標準ウィジェットを使った画面カスタマイズにも対応するようになった。ウィジェットは好きな画面に配置することができ、かなり自由度が増したといえよう。

ここまで説明しているように、現在地や現在のアクティビティなどの「コンテクスト」に応じてホーム画面を表示するのが主要機能だ。しかし利用頻度の高いアプリケーションに簡単にアクセスしたり、あるいはインストール済みアプリケーションをアルファベット順に表示したりすることもできる。これはいずれの画面からも呼び出して利用できるようになっている。

Aviateはジャンルとしては「ランチャー」に属するものであるが、これまでのものとは全く違った世界を見せてくれるものだ。他のランチャー系ツールのように「自由なカスタマイズ」をウリにするものとは異なる。インストールしたアプリケーションを、必要なときに簡単に利用するためのインタフェースを提供しようとしているのだ。あえて言えばFacebook Homeに似た面もある。ただし、Facebook Homeはスマートフォンを簡単に利用できるようにするというよりは、Facebookへのアクセスを簡単にするという機能を提供するものだ(もちろんFacebookの目的なそこにこそあったわけだ))。Aviateもまたスマートフォンのインタフェース部分に手を加えるものだが、何がなんでもFacebookに繋ごうとしない点で、いってみればより汎用的なツールであると言えるかもしれない。

あるいは、Googleのサービスと切り離されたGoogle Nowのようなものとも言えるのかもしれない。但し、Google Nowのように必要な時だけAviateを呼び出して使うということはできない。ランチャー自体を入れ替えて使わなければならないのだ。当然、通常のウィジェットやスタンドアロンのアプリケーションとしての使い方もできない点には注意が必要だ。

「まだ開発は始まったばかりというような段階です」と共同ファウンダーのPaul Montoy-Wilsonは述べる。「必要なときに適切なアプリケーションを間髪入れずに利用できるようにしたいと考えているのです。スワイプする必要などなく利用できるランチャーというのがあるべき姿ではないかと思うのです。立ち上げたら目の前に必要なものが揃っているというのが理想の姿です。その理想に向けて、まだまだ開発を行っている段階です」。

本サービスを展開しているのは、パロアルトのThumbsUp Labsで、元Google社員により立ち上げられた。これまでにHighland Capital、Andreessen Horowitzなどから180万ドルの資金を調達している。Aviateの登録はこちらから行うことができる。

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(翻訳:Maeda, H


PayPal、 iPadベースのPOSレジのメーカーRevel Systemsと提携して現実店舗への進出に意欲

今日(米国時間10/14)、PayPalはiPadベースのPOSシステムのメーカーRevel Systemsと提携し、店頭POSレジ分野への参入をさらに一歩進めた。Revel Systemsは対前年比400%もの成長を記録しており、Dairy Queen、Goodwill、Popeyeなどの大手チェーン店をクライアントとしている。これまでPayPalはPOS分野に関して、最近独自ハードウェアのBeaconデバイスをローンチしたが、急成長を続けるSquareなどのライバルに対して内製の独自ハード、ソフトだけでは不十分だと気づいたもようだ。

この数ヶ月、PayPalはいくつかのPOSレジのメーカーと提携して既存システムにPayPalを追加させることに成功している。その中でも影響が大きいのは今年始めに発表されたNCRとの提携で、レストラン、駅、コンビニなどで広く利用されている老舗メーカーのレジ・システムでPayPalによる支払いができるようになった。

しかし今回のRevel Systemsこれまでとは異なる分野の支払いシステム分野で急成長している。Revelこの夏、シリーズBのラウンドで1010万ドルの資金を調達している。投資家はHungry JackのCEOで元McDonaldの東南アジア担当上級副社長、Tim Tigheと連続起業家のSean Tomlinsonだ。

Revelは2012年12月当時、TechCrunchの取材に対して「われわれはすでに黒字化を達成している。今回の投資はもっぱら成長を加速するために利用される」と説明した。

Revelは2010年でサンフランシスコで創立され、レストラン、食料品店など各種店舗を中心iPadベースのPOSレジ・システムを販売している。単に売上処理だけでなく、給与管理、在庫管理、顧客管理などのサービスも提供している。先月はアラバマ州立大学と契約を結び、iPadベースのポスレジをフットボール競技場の30箇所の売店に設置した。

Revelとの提携によってPayPalは多様な現実店舗での支払業務に進出する重要な足がかかりを得たことになる。PayPalは最近いくつかの有名ブランドのチェーン店と契約して、アメリカ中、何千箇所もの目立つ場所でPayPalによる支払いを行えるようになった。また最近スタートしたPayment CodeはユーザーのスマートフォンにQRコードを生成し、店舗側のスキャナーで読み込むというユニークな支払テクノロジーだ。

Revelは現在、サンフランシスコ、サンノゼなどに100人人の社員がおり、年商30万ドル以上のクライアントが2000社ある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

jp.techcrunch.com/achve

Pinterest、いよいよPromoted Pin(広告Pin)のテストを開始(まずは一部利用者のみ)

Pinterestは先月、”Promoted Pin”という形での広告を導入するとアナウンスしていた。検索結果やカテゴリ表示画面でショップや企業による画像広告を表示するというものだ。そして本日、いよいよこの広告システムの実験を開始する旨のアナウンスがあった。ウェブ画面でも、モバイルアプリケーション上でも表示されるようになっているのだそうだ。

Pinterestは、ここしばらく個別のレコメンデーション機能や、価格表示機能操作アニメーションの追加多言語展開、多くの情報を含んだPinをするための開発者向け情報の充実等々を行ってきている。サービス自体のレベルをあげてきたわけで、そろそろPromoted Pinという形で広告を実装するのも、それなりの理解を得られる動きだと言えそうだ。

実装してきた機能は、業者やブランドなどが潜在ユーザーにアプローチしやすくなる機能であるとも言える。ボード上に魅力的なアイテムを並べていくことで、それらすべてが直接購入に繋がるわけではないにせよ、いろいろな広がりが増えてくる仕組みが展開されているわけだ。Pinのリッチ化(情報充実化)や価格情報の掲示、レコメンド機能などに加えて、いよいよPromoted Pinが導入されてきたわけで、また新たな展開が生まれてくることとなりそうだ。

Promoted Pinが表示されるのは検索結果やカテゴリ選択時の画面で、ここに普通のPinと同様な形で画像が表示されることとなる。いかにも広告風のバナーやポップアップではなく、純粋に利用者が興味に基いて出会った情報であるかのように表示される。

Promotional Pinの初期テストに参加している広告主についての情報は開示していない。但し、どうやらこの初期テスト段階では広告費用は発生していないらしい。ただ、実際の有料広告と同じ形でテストされているわけで、ここからPinterestとして有効性を確認し、そして今後の展開を考えていくということになる。

ちなみにこの広告テストは現在一部利用者に対してのみ実行しているもので、広告が全く表示されない利用者もいるとのことだ。

広告Pinのサンプルを上に掲載しておいた。Pin画像では、画像の説明および広告主へのリンクの下に「Promoted Pin」と記されている。ここに表示されている小さな「i」アイコンをクリックすると、「Promoted Pin」とは何かについての詳細情報も表示されるようになっている。

ファッションやギフト等、プロモーションが行われているのではないかと思われるカテゴリでいろいろと検索してみたりしたが、TechCrunchとしてはまだPromoted Pinを確認できていない。

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(翻訳:Maeda, H


有料アプリは終わった, わずかな例外を除いては

モバイルの有料アプリはもう終わったのか? 最近では一般的にそう考えられており、アプリストアには“十分に良質な”無料アプリがあふれている。またメジャーなパブリッシャーたちも無料のアプリでチャートを賑わし、それらがアプリ内購入などで何百万ドルも稼ぐことによって、その後のユーザ獲得努力に惜しみなくお金を注ぎ込んでいる。このところ新顔のパブリッシャーたちにとって、Apple App Storeの上位進出が相当な難関になっているのも、そんなサイクルが定着しているせいだ。

今週末に掲載された一連のブログ記事やオンラインのディスカッションも、アプリの無料化という傾向を再び明らかにしている。これらの議論はすべて、事態を何とかしようとあがいている現役のデベロッパからのものだ。でも彼らが使っているデータは、かなり恣意的だ。アプリデベロッパのDavid Smithと彼の妻も、そのことを語っている。別のところでは、InstapaperのファウンダMarco Armentが、自分の新作アプリOvercastの適切なビジネスモデルを決めようとしたときの苦労について、書いている。

でもこれらの談話は、これまで何か月も連綿と報告されている客観的なデータが示していることを、個人的な体験として語っているにすぎない。そしてそのデータの方には、見過ごせない細かいニュアンスがいくつかある。とくにそれは、競争のゆるいニッチで利益を上げようと努力している有料アプリのデベロッパにとって、見逃せないだろう。たしかに、アプリは全体として無料化の傾向にあり、App Storeで多数を占めるのは無料アプリだが、しかしそれでも、少なくとも今のところは、有料アプリが成り立つ分野がいくつかある。

無料への移行

数か月前を振り返ると、分析企業Flurryの7月の報告書が、そのころにおけるアプリの無料化の様相を記述している。2010年から2012年にかけて、App Storeの無料アプリの比率は80%から84%に増えたが、しかし2013年の初めにはそれが90%に成長した(下図水色の部分)。そして有料アプリ10%の内の6%は、価格が99セント以下だった(下図こげ茶の部分)。

その報告書の中でFlurryは、人びとは(有料アプリを買って)広告を避けるよりも無料のコンテンツを求めることに熱心だ、と書いている。また、コンテンツが高品質であることよりも、無料であることが優先する、と。

Flurryの調査部長Mary Ellen Gordon, PhD.によると、無料への移行が決定的であることを示す最強の証拠は、デベロッパが行うA/Bテストの結果だ。彼らは数か月かけて、いろんな価格レベルでA/Bテストを行い、そして最終的に、無料という結論に達するのだ。アプリを無料にして、アプリ内購入で稼ぐ、という道を彼らは選ぶ。

彼女が本誌に語ったところによると、“デベロッパは、誰もがそうしているから、あるいは、そうすべきだから、アプリを無料にしているのではない。自分でいろんな価格設定をA/Bテストしてみて、無料しかないという結論に達しているのだ”、ということ(下図)。“このままいくと、来年の無料アプリの比率は91から93%ぐらいになり、今よりは大きいけど100%にはならない。有料化できる特殊なアプリが、必ずあるからだ”。

有料アプリで行けるのはどこ?

では、有料アプリが今でも通用するのはどこだろう? 言い換えると、有料アプリが今でも売れているカテゴリーは何か? アプリ分析企業のDistimoに話を聞いてみた。同社はApp Storeのダウンロード数のランク表を集計し分析して、有料アプリが健在な分野を調べた。

そして同社の発見によると、以下のカテゴリーでは、ダウンロードされているアプリのトップテンの、少なくとも半数が有料アプリだ: 生産性(OA)、医療、ビジネス(仕事)、健康とフィットネス、ナビ、カタログ、ライフスタイル、写真とビデオ、旅行、天気予報。一部の有料アプリは、アプリ内購入を併用して売上を上げようとしている。

[ビジネス(仕事)10位まで]

[天気予報 10位まで]

これらのリストを見ておもしろいのは、有料アプリのほとんどが、いわゆる「実用ソフト」であることだ。これらのアプリは、特定の仕事をちゃんとやってくれる…旅の予約、健康対策、明日の天気を知る、仕事をする、写真を編集する…いずれも、ユーザが毎日のようにする仕事なので、お金を払っても機能や性能が優秀な方がよい。無料アプリを、不満を感じながら使い続けるよりは。

逆に不在が目立つのは、App Storeの常連ビッグカテゴリーであるゲームやソーシャルネットワーキングだ。上位の中では、Minecraftが唯一の有料ゲームアプリ、Grindr Xtraが唯一のソーシャルアプリだ。また、収益の大きい本やニューススタンドのカテゴリーも、無料アプリの世界だ。

しかし一般的にDistimoのデータは、多くのカテゴリーで無料アプリケーションが優勢というFlurryのデータを再確認している。そこではアプリ内購入が主な収益源であり、とりわけゲームでその傾向が著しい。さらに、すべてのカテゴリーのトップテンを全部集めたものの67%が、今ではアプリ内購入を利用している。

有料アプリはまだ生き残っている、とDistimoは言うが、有料アプリが売れるためにはいくつかの条件に依存する…ターゲットとするオーディエンスのタイプ、カテゴリー、競合の状態など。ほかのビジネスと同じだ。

でもDistimoの分析対象は各カテゴリーのトップテンだけだから、もっと下の方の状態は分からない。上位進出は往々にしてマーケティング努力の結果だったりするから、データとしても偏りがあるだろう。

しかし少なくともApp Storeのチャートの上位の分析は、ダウンロード数を見るためには有意義だ。この夏の別のデータによると、トップテンに入るためには有料アプリで4000、無料アプリで70000のダウンロードが必要だ。トップ50に入るためなら、有料アプリは950ダウンロードでよい。無料アプリは23000だ。これらの数字の一部は今月再確認され、よく知られているデベロッパReaddleの報告によれば、3500から3800ダウンロードぐらいでApp Storeの有料アプリのトップテンに入ることができたという。

有料アプリはますます狭き門に直面しつつあるが、でも、あくまでも有料で行くと決めたデベロッパの参考になるような、サクセスストーリーがわずかながらある。ただし、途中のアップグレードで有料化を導入する際には、それまでのユーザベースを疎外しない努力が重要だ。Clearはそれをやろうとしたが、あとから方針を変えざるをえなくなった。

今後も有料アプリは、競争のあまりないニッチで、独自性の高い優れた製品を提供しているかぎり、ビジネスとして成立し持続するだろう。平凡な製品なら、消費者は無料アプリに向かう。

デベロッパたちはこの傾向を嘆き、“認めたくない事実ではあるが”有料アプリもそのほとんどはがらくただ、と言う。デベロッパのFlorian Kuglerが最近書いたこの嘆き節は、Hacker Newsの上で広く共有された。

しかしユーザにとって、アプリにお金を払うだけの価値があるか否かは問題ではない。問題なのは、長期的に、その支払額が巨額になることだ。今消費者は、ほとんど100万近くのアプリから選ばなければならない。お金を払ったけどがらくただった、という経験を毎日繰り返すわけにはいかない。だからモバイルアプリの主流が無料アプリになってきたのも、この‘あまりにも多すぎるアプリ’の時代における、当然、というか、必然的な流れなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google ChromeがUIをアップデート―「新しいタブ」が新しくなった

GoogleはChromeのデベロッパー版で「新しいタブ」のデザインを変えたものの、安定版に採用することなくこの春に撤回していた。しかし先週、GoogleはChromeの一般向け安定版に新しい「新しいタブ」デザインが導入されると発表した。 そして実際今日(米国時間10/1)、新デザインの公開が始まった。読者のところにまだアップデートが来ていないとしても、もうすぐ来るはずだ。

Googleは「新しいタブ」ページのデザインをアップデートしようと去年の12月からテストを繰り返していた。 当初yGoogleは「もっとも頻繁に訪問するページ」へのサムネールの表示を8個から4個に半減させ、その上に大きなGoogle検索窓を設置した。しかしこの変更は極度に不評だった。今回のアップデートではGoogleはユーザーの声に耳を傾けてサムネールの数を8個に戻している。

新デザインではブックマークバーに「アプリ」というタブが追加されだ。これにともなって従来「新しいタブ」ページにインストールしたアプリをランチャー形式で表示するよう設定できたが、この機能は廃止された。今後はアプリのランチャー・ページを表示するにはブックマークバーの「アプリ」ボタンをクリックすることになる。

またページ下部の「最近使ったタブ」メニューも廃止された。新デザインではユーザーは右上隅のメニュー(三本の横棒のアイコン)を開き、「最近使ったタブ」を選択する。

デベロッパー版でテストされた新デザインに不満だったユーザーは今回の新デザインもあまり喜ばないかもしれない。Googleは「頻繁に訪問したサイト」の表示数では妥協したものの、巨大なGoogleのロゴと検索窓には固執した。その結果、サムネールはずっと小さくなった。背景が白地のウェブサイトの場合、一見してはどれがどのサイトだか判別しづらいので、サムネールの下部の小さなファビコンに目をこらさねばならない。

「新しいタブ」にわざわざ大きな検索窓を設置したのも少々奇妙だ。Chromeは当初からアドレスバー兼用のオムニボックスで検索ができることをセールスポイントにしたはずだ。

ただし、8月にChromiumにこの新デザインをを導入した(ChromiumはChromeのオープンソース版)のGoogleの説明によれば、「新しいタブ」に検索窓を導入することによって検索結果の表示をスピードアップすることができると説明していた。実際にそのとおりかどうか各自で試していただきたい。このアップデートが適用されると、Chromeを起動したときにそのことを知らせるポップアップが表示される。このメッセージは「新しいタブ」ページの右下隅のリンクをクリックすると再度表示できる。

また「新しいタブ」ページの右上にはGoogle+、Gmail、Google+の通知、アプリ・ランチャーへのリンクも追加されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


使い捨て電話番号のBurner; ベーシックな電話で何ができるか, 可能性の氷山の一角

【抄訳】

NSAいくつかの国家が、世界中の一般市民に対する大規模なスパイ行為を行っていることを、世界が知る前から、モバイルアプリBurnerは、ユーザに使い捨ての電話番号を提供してきた。そういう電話番号は、プライバシーの保護やそのほかの目的に利用できる。たとえばCraigslist(オンライン三行広告)にポストするときやオンラインデートでは匿名が便利だし、旅行中や誰かに嘘をつきたいときにも、ニセの番号を利用できる。そのBurnerが今日(米国時間9/26)、Founder CollectiveとVenrockが仕切る投資ラウンドにより、200万ドルの資金を調達した。またこれと並行して、iOSアプリのデザイン変更と機能のアップデートも発表した。

Ad Hoc Labsというスタートアップが開発したこのアプリは、今ではiOSとAndroid用があり、使い方はとても簡単だ。まず、自分の本物の電話番号をBurnerに教える。代わりにBurnerがくれる電話番号は、入呼も起呼もOKで、SMSもできる。そのほかボイスメールによるあいさつとか、呼び出し音の指定、SMSの通知なども指定できる。複数のBurner番号を使うときは、番号ごとにあいさつや呼び出し音を変えられる。複数のニセ番号を目的別・相手別に使い分けるユーザが、けっこう多い。

協同ファウンダのGreg Cohnによると、Burnerはロングテイルのユースケースがおもしろい。“ありとあらゆる使い方があるね。デートやCraigslistなどありふれたものから、教師、弁護士、ミュージシャン、産婆さん、いなくなった犬を探している人、それにセレブたちも、Burner番号を利用している”、という。Cohnの説明でおもしろいのは、“人びとが使い捨て番号を使うのは、実際にそれを捨てるためというよりむしろ、いざとなったら捨てられるという安心感のためだ”、というあたりだ。実際に、最初短期間(3~5日)の無料サービスを利用したユーザの多くが、その後、長期の有料ユーザに変わる例が多いそうだ。

今では、電話とSMSというベーシックに代わって、独自の機能やサービスを提供するモバイルメッセージングアプリがたくさん雨後の筍している。それらの中には、消費者向けのソーシャルアプリ(Whatsapp、LINE、Snapchat、Viber、WeChat、Pathなどなど)もあれば企業用(SendHub、Ansaなどなど)もあり、その中間(Voxer、GroupMe、Google Hangoutsなどなど)もある。Burnerはこれらの混雑の中で、伝統的な携帯電話によるコミュニケーションを、より便利にしようとする。Burnerがあれば、友だちでも家族でも会社の同僚でもない人たちと、安心してコミュニケーションできるのだ(ただし今は合衆国とカナダのみ、TwilioのSDKを使っている競合サービスHushedは多くの国で使える)。

“うちはまだまだ、モバイル上のプライバシーと本人性という問題の、表面をかすっているだけだ。しかしキャリアは、あれほどバカでかい市場を抱えているにもかかわらず、この問題に関しては何もイノベーションしない”、とCohnは言う。“だからこの分野には大きな機会があり、しかも音声とテキストによる伝統的な電話コミュニケーションは、昔からの原始的な状態のままで、キャリアもソーシャルネットワークも魅力的なプロダクトを作り上げていない…うちなんかが多くの人から利用されるのも、そのためだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Gmail、Android版アプリケーションに「カードスタイル」を導入してアップデートを提供中

GoogleのAndroid版Gmailアプリケーションのアップデートが始まっているようだ。カンバセーション・ビュー(Conversation View)に、Googleが最近あちこちに導入を進めている「カードスタイル」を適用するというのが目玉であるらしい。「カードスタイル」はGoogle Nowにて広がることとなり、Googleの各種プロダクトやサービスにて利用されるようになっている。たとえばGoogle Drive、新しいGoogle Wallet、Maps、Google+等々に導入されている。

Fast Companyも記事に取り上げているように、昔ながらのインデックカードを彷彿とさせる使い勝手が、ミニマリズム(minimalism)とスキューモーフィズム(skeumorphism)の中間をいくものとして採用されている意味もありそうだ。

Google+への投稿によれば、Gmailの「カンバセーション・ビュー」へのカードレイアウト投入は、複数人によるスレッド表示をわかりやすく表示するため(投稿分中での表現は「new, cleaner design」)ということらしい。

今回のアップデートでは、他にもデザイン面での変更が加えられている。デスクトップ版には前からあったが、アプリケーション版でも移動、削除、アーカイブなどのために複数のメッセージを選択した際、チェックマークが表示されるようにもなる。また、受信箱の同期がオフになっている場合には、アラートも表示されるようになった。これにより、本当は届いているメッセージを届いていないと誤認することも減るだろう。

一部の利用者は既にGoogle Play経由でアップデートできるようになっている。但し、最新版は徐々に広めていっているようで、新デザインが見られるようになるタイミングについては個人差があるようだ。

ところで今回のアップデートに先立っては、終日に渡るメール配送遅延が発生していた。発生した障害によりGmailに対して不信感を持った人もいるようで、障害以来、いつもよりもはるかに電話着信が多くなっている。たびたび電話に出るのはなかなかの手間で、それもあってGmailにとって「良い記事」を書いてみたという意図もある。もちろんカードスタイルのレイアウトが嫌いという人にとっては、さらに悪いニュースではあるわけだが…。

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(翻訳:Maeda, H)


Appleの「子供向け」App Storeを使ってみた

Appleは、同社の端末を使う子供たち、特にiPadを気に入っている家族にむけて、子ども向けApp Storeを公開した。今週、iOS 7と共に登場した子ども向けApp Storeは、個別のモバイルアプリではなく、Apple App Storeの一セクションだ。ストアには「子ども向け」カテゴリーが追加され、年齢別に分類されている。

同カテゴリーは、年齢範囲が5歳以下、6〜8歳、9〜11歳の三段階に分かれている。

Appleが最初にこの「キッズ」セクションを発表したのは、今年の夏にWorldwide Developers ConferenceでiOS 7を初披露した時だった。アップデートされたモバイルApp Storeは、他にも「ジーニアス」がボトムメニューから消え、「近くで人気(Near Me)」に代わったり、自動アプリアップデートその他の機能追加など数々の変更があった。

子供向けモバイルアプリの体系を改善して使いやすくしたことに加え、AppleはKids App Store導入に合わせて13歳未満の子供によるサインアップを許しiTunesのユーザーアカウントを持てるようにした。ただし、「認定教育機関」による事前承認を受けていることが条件だ。以前TechCrunchが指摘したように、Appleは幼少者に直接モバイルアプリを届けられるようになったことによって、これまで以上の監視の目を向けられるようになるだろう。

子ども向けアプリの安全な居場所

例えば、13歳未満向けに設定されたアプリは、児童オンライン保護法(COPPA)の要求を満たしている必要がある。デベロッパーが子供から個人情報を取得することは「適用される児童プライバシーモデルに準拠した目的」を除き禁止されている — つまり、ターゲット広告のための情報収集目的はできないという意味だ。アプリは親の許可なく個人情報を送信あるいは共有することもできない。

また、明文化されたプライバシーポリシーが必要になったことに加えて、このカテゴリーのアプリは、アプリ内の何からのアクティビティを完了させるために広告を利用することが禁止されており、コマース目的でアプリ外のウェブや他のソフトウェアにリンクする際には親の許可を得なければならない。

子供向けアプリの定評あるデベロッパーの多くにとって、新しいポリシーに準拠することはさほど大きな問題ではなかった。「変更はごくわずかだった」と Mindshpesの共同CEO、Chris Michaelsは言う。この会社は、キッズセクション公開時にアプリが3本掲載された。「われわれは、Appleの要求にしたがって、アプリ内にプライバシーポリシーを同梱している。他にも、取引や外部リンクに基づくコンテンツにおける親の承認などの機能は2013年にすでに実現している」と彼は言った。

Toca BocaのCEO Björn Jefferyは、自分を含めてキッズアプリ・デベロッパーの多くは、はるか前からAppleの殆どのルールに則っている、「いくつか存在する怪しげなデベロッパーたちは、準拠しようという意志もなかっただろう」。こうして子供たちにとって「安全な」アプリは、iTunesのキッズセクションにある評判が広まれば、子供たちのアプリ内購入で儲けようと今でも考えている連中のビジネスは、ネガティブな影響を受けるだろう。

「Appleは、まちがいなく正しいことをしている。この年代層の子供たちをだましてアプリ内購入をさせる破廉恥なアプリによる悪用を排除しようとしている」と、JibJabの共同ファウンダー、Gregg Spiridellisは言い、自社のアプリを新しいポリシーに準拠させるためには、ごくわずかな変更しか必要なかったことを指摘した.

大物バブリッシャー、例えばDisneyなどは、この夏の時点でアプリはすでにCOPPA準拠になっており、アプリ内購入、ユーザー登録、もしくはメールアドレス取得に関係することすべてについて「年齢ゲート」を追加した。これは基本的に、コード生成システムのついたポップアップウィンドウであり、先へ進む前に読んでコードを入力する必要がある。他には、プレス・アンド・ホールドのジェスチャー等の特殊なアクションを使用したり、親が別のアプリ内アカウントを持つ必要があるアプリなどがある。

全体を通じて、よく知られたキッズブランドの殆どがこの変更に関して同じような話をしていた — 彼らの修正量は最小限であり、これらの「新」ポリシーは、もともとやっていたことだ。今回はそれが系統化され、ルールを守らないアプリと一緒にされなくなっただけだ。

「子ども向け」カテゴリーを眺めてみる

iOS 7のApp Storeアプでも、最新版iTunesデスクトップアプリでも、「子ども向け」カテゴリーでは、より一般的な「教育」カテゴリーとは別の特に吟味されたアプリケーションが紹介されている。両者の間には重複も多く、子ども向けカテゴリーは、教育カテゴリーから選抜されたサブカテゴリーとも言える。後者には成人や「生涯学習者」をターゲットにしたアプリも含まれ、若年齢学習者向けに限らない。

公開にあたり、子ども向けカテゴリーには、テーマ別のコレクションが特集されている。「楽しく作ろう」「いろとかたち」「身近な世界を探検しよう」「はじめての言葉と数」「音楽アプリ」「楽しく学ぼう」「さわって遊べる絵本」などなど。

キッズブランドのビッグネームたちには、それぞれ独自のコレクションが与えられている。Disney、Toca Boca、Duck Moose、SagoSago(実際にはToca Bocaの別ブランド)、Sesami Street、PBS Kidsなどは、キッズアプリメーカーとして以前以上の注目を得ている。多くのアプリが教育系に寄っている一方で、エンターテイメントに焦点を合わせたゲームも一部にはある — 例えば、エルモやクッキーモンスターと「Facetime」できるものもある。

そして上に書いた通り、これらのアプリは子供たちに広告をタップしたり、追加アイテムを買うようにしつこく迫ることはない(Out Fit7のおしゃべりキャラクターなどとは違って)。購入は承認が必要な「親エリア」に隠されているだけでなく、このカテゴリーのアプリの多くは有料アプリであり、質の高さを示している。

幼稚園児の娘を持つ親の一人しとして、この数日間多くの推奨アプリを試しててきたが、スムーズにことは運んだ。以前試したような広告で埋め尽くされた質の悪い無料アプリと異なり、娘はお話や対話を楽しみ、まだ理解できない購入行動へとだまされて誘導されることはなかった。

私はiPadから古いアプリを一掃し、キッズストアの厳選されたアプリだけをインストールした.時間のある親御さんにはぜひおすすめしたい週末プロジェクトだ。

すでにダウンロード上昇中

まだ始まったばかりではあるが、Duck Duck MooseのCEO Alan Shustermanは、同社のアプリ14本がAppleに推奨されており、すでに売り上げに好影響を与えていると言っている。PBS KIDS Digitalの副社長、Sara DeWittも同様であると言い、このトレンドは続くと予想している。そして、Disney Publishingのデジタルメディア担当副社長、Yves Saadaは、子ども向けカテゴリーは、アプリの発見に役立ち、同社ではすでにダウンロードの増加を確認している、と話した。

Toca Bocaなどのようにまだ明確な上昇をみていない会社もあるが、時間とともに、新カテゴリーがApp Storeの注目スポットになり、デベロッパーにとって長期的な売り上げ増加につながることを彼らも期待している。

iTunesで新しい子ども向けアプリストアを利用するには、カテゴリーのリストをクリックして「子ども向け」を選べばよい。

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(翻訳:Nob Takahashi)


AppleのCEO Tim Cookの初ツイート(本物です)

そうなんです。AppleのCEO Tim Cookがツイートをやり始めたんです。本誌は、というかTwitterの魔法のようなリコメンデーションサービス@MagicRecsをフォローしていた人の全員が、今日(米国時間9/20)の午後、そのアカウントを見つけた。最初は、あるべきブルーの“本人確認”チェックマークがなかったから、よくある有名人詐称アカウントか、とも思われた。

でも、Appleのグローバルマーケティング担当SVP Philip Schillerがリツイートしたりしてるから、間違いなくTim Cook本人のアカウントだろう。

CookはTwitter上で自分を”CEO Apple”と名乗り、”Fan of Auburn football and Duke basketball”(フットボールはAuburn、バスケはDukeのファン)、住所は”Cupertino”と書いている。私がこの記事を書いている時点では、Cookのアカウントには3万名あまりのフォロワーがいる。このアカウントが作成されたのは、今年の7月だ。

それで、Cookの最初のツイートは? 今日Appleのパロアルト店でお客さんにあいさつした、と言っているだけだ。そのことは今朝、たくさんのニュースソースが報じた(そこにはSchillerとSVPのEddie Cueもいたから、このツイートはいよいよ本物臭い。Appleからの公式の確認がなくても)。

[ツイート概訳: たくさんのお客さんの姿を見て、自分たちがやってることにあらためて確信を持てた。]

この、Cookが実はTwitterが好きだった、というニュースは、まるで仕組んだように(ツイートの内容そのものも)、新型iPhoneの発売とパラレルだ。買いやすい価格の、キャンディーのようにカラフルなiPhone 5cと、高速で指紋認識機能のあるiPhone 5s、それにハイエンドの顧客をねらった、人気の“ゴールド”iPhoneだ。

Appleは、前からTwitterと仲が良い。Appleのサードパーティ認証のメインはTwitterだし、iOS 5には共有サービスがある。Facebookの統合は、やっとiOS 6からだ。今度のiOS 7でも、この二社の統合は存続する。AppleのアシスタントアプリSiriは、人や話題をTwitterのツイート上に探せる。WebブラウザSafariの“Shared Links”機能は、Twitterで話題になっているニュースを高輝度にする。MusicアプリはTwitter上でトレンドしている曲を表示し、iOS 7ではiTunes RadioにTwitterの#music局がある。

CookのTwitterアカウントのほかにも、Appleは今週新しいアカウントを作った。それはiOS 7のローンチと並行してTwitterの@iTunesアカウント、そして、その最新ツイートは”Promoted”になっている(つまり、Twitterの広告、という意味)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


セレブ気分で質問に答えると個人のホームページを作ってくれるPushPageが$1.7 Mを調達

ケンブリッジのPushPageが今日(米国時間9/16)、170万ドルのシード資金に支えられて、個人のホームページとQ&Aのためのプラットホームを立ち上げた。Webとモバイルの両方で使えるそのプロダクトは、ユーザにオンラインのプレゼンス…つまりその人のホームページ…を与え、そこでは、PushPageが提供するインタビュー的な質問に答えることによって、自分の好みや関心などを公開する。それはAsk.fmなどのサイトに見られるようなコミュニティをベースとする質問ではなくて、あくまでもパーソナル、つまり個人的な質問だ。

できあがるパーソナルなホームページは、Ask.fmや、Q&Aの先輩Formspringなどに比べて、プロフェッショナルな仕上がりだ。これらのサイトは若い層あるいは子どもに受けるサイトで、クラスメートのゴシップを匿名で書いたりすることに利用されていたが、それに比べるとPushPageは大人向けだ。

同社の創設は2011年の半ばで、ファウンダのMeir LakhovskyはFacebookのインターンをしていたハーバード卒、もう一人のJared Jaffeはコーネル大出身だ。Lakhovskyの説明によると、二人がPushPageを作ったきっかけは、親しい他人、たとえば毎日のように会っている友だちや同僚でも、意外とその人のことをよく知らない、相手にとって自分もたぶんそうだろう、ということに気がついたことだ。

“それなのに、一方、U.S. WeeklyやRolling Stoneを手に取ると、Selena Gomezに関する長い記事が載っていて、彼女が好きなレストランやテレビ番組や、いちばんおかしな恰好、最大の情熱の対象、くせ、嫌いなもの、など、彼女に関することが何でも分かる。セレブに対するそういう速射的なインタビューを、友だちや同僚に対してやりたい、そうすればおもしろい答が得られるし、新しい会話に火をつけるだろう”。

このサービスは今はベータだが、すでに5000名以上の人が、関心、趣味、おすすめ、好み、などの質問に答えて、このプラットホームの上に自分のページを作った。最初、登録時に尋ねられる質問は、わりとベーシックだ: 好きなレストラン、テレビ番組、曲、など。そのあとは、“ほとんどの人が知らないあなたという人間のおもしろいところ”、など、より突っ込んだ質問になる。コンテンツの鮮度を維持するために、毎週新しい質問に答えなければならない。

もちろん友だちのページも見られるし、一つの質問に対する全員の答を見ることもできる。モバイルアプリでも、質問に答えたり友だちを見つけ/加えたりできる。

ファウンダたちは、PushPageはセレブや著名人がファンに自分をさらす場として利用してもよい、と考えている(たとえば作家のDaniel Pink、テレビのパーソナリティFarrah Abraham、ミュージシャンのImagine Dragonsなどなど)。あるいは、閉じたコミュニティの成員たちがお互いをもっとよく知るための手段として利用するとよいだろう。一般公開されるPushPageは誰もが無料で作れるが、企業や学校、男子会、女子会、NPO、そのほかの団体、などなどが非公開のページを作ることもできる。その場合も、メンバー15名以下の小さなコミュニティなら無料、有料は、月額60ドルからだ。

個人に関するアバウトページとしてはAbout.meやFlavors.meなどがあるが、PushPageはそれらに代わるものというより、それら、あるいはそのほかの本格的で真面目な個人ホームページを補完するものだろう。こういうプラットホームは前にもあったから、PushPageは今後、独自性を出す努力に邁進する必要があるだろう。

シードラウンドに参加した投資家は、Rose Park Advisors、Bob Pittman(Clear Channel CEO、MTVファウンダ)、Irving Azoff(Live Nation元CEO/会長)、Scott Sperling(THL Partners社長)、Lance KalishとIdo Leffler(YesToCarrotsファウンダ)、John Kim(DirectDigitalファウンダ)、Howard Wolk(Cross Country Group社長)、そして Meridian Capitalだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


脳波や睡眠の状況を把握して、目覚ましをインテリジェント化する「Zizz」

TechCrunch Disrupt SF 2013にて、ワルシャワ発のIQ Intelclinicというスタートアップがプロダクトを発表していた。

発表していたのはインテリジェントな睡眠マスクだ。センサーを使ってREM睡眠とノンREM睡眠の別などを検知して利用者の睡眠サイクルを記録する。そして快適な睡眠を得るためのサポートをしようとするものだ。

マスクに搭載されている電子部品は、粘弾性発泡体と呼ばれる柔らかなクッション素材によって覆われており、それを頭部に密着させてデータを取得する。収集したデータはモバイルアプリケーションに送られ、睡眠あるいは目覚めた時の様子を確認することができる。そして、たとえば睡眠時無呼吸症候群などの兆候が見られないかどうかを確認することもできる。

「3つのデータを収集するための電極を備えています。収集するのは脳波、目の動き、そして筋肉の緊張具合です」と、ポーランドのメディカルスクールを卒業した、共同ファウンダーのKamil Adamczykは説明する。マスクで収集したデータは増幅器に送られ、そしてナレッジベースを活用した分析を行う。分析したデータはBluetooth経由で利用者のスマートフォンに送られる。IQ Intelclinicの別の共同ファウンダーであるKrzysztof Chojnowskiはエレクトロニクス分野でのPh.D.で、おかげでデバイスで用いる電子デバイスなどもすべて内製することができた。

大学で知り合った共同ファウンダーの2人が、本プロダクトの製品化に取り組み始めたのは今年の3月のことだった。Adamczykはメディカルスクール時代にあまり眠ることができず、その経験からより良い睡眠を得るためのプロダクトを作ろうと思い立ったのだそうだ。「時間的に短くても、効率的な睡眠を得ることができるようにするためのプロダクトを作ろうと思ったのです」と述べている。そうした研究やプロダクトのおかげで、今では夜に3時間、そして日中に短い昼寝をするだけで十分な睡眠を確保しているのだそうだ。

また、このプロダクトはREM睡眠とノンREM睡眠を識別できるので、スリープサイクルが完了したときにのみ朝のアラームを鳴らすということができる。これを行うには、アラームで「許容時間幅」(バッファー)を設定する。すると希望時間の前後、身体のリズムが最適となったときに目覚ましを鳴らしてくれるようになるわけだ。普通のめざましのようにセットした時間ぴったりに鳴るのではなく、身体の調子を見極めて起こしてくれるようになるのだ。

普通の朝の目覚ましとしてのみではなく、時差ボケ解消のためにも便利に利用することができるだろう。ないしはパワーナップ(短時間の睡眠)を取って多相睡眠(訳注:眠りを一度にまとめるのではなく、何度かにわけてとるようにすること)を実現するのにも便利だ。

TechCrunch DisruptのStartup Alleyにてプロトタイプを展示していた。そのプロトタイプでは電池式になっていたが、これをmicroUSB充電としてKicksterterに登録する予定だ。これまでにIQ Intelclinicは、地元のエンジェルよりアメリカドル換算で6万5000ドルの出資をうけている。プロダクトの製造販売を実現するために、クラウドファンディング経由で10万ドルを集めたいと考えているのだそうだ。プロダクトの名前は「Zizz」で各区は225ドルを予定している。KickstarterにあるEarly Backer(早期支援)に応募してくれる人には、180ドルで頒布するとしている。Adamczykは、IQ Intelclinicのプロダクトを通じて、さまざまな睡眠障害を発見するきっかけになればと語っている。但し、そうした方面に向けたデバイスを販売するにはFDAの認可が必要となるが、まだその認可は取得していないようだ。

詳細な情報を確認したい方はこちらにIQ Intelclinicのホームページがある。こちらから出資予約を行うこともできるようになっている。

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(翻訳:Maeda, H)


Topsy、2006年以来の全ツイートを検索可能に。他のソーシャルメディアのインデックスも作成中

Twitterは,ソーシャルネットワークとしてトップクラスの地位を確立し、FacebookやLinkedIn、YouTubeなどのサイトと同列に語られるようになり、さらには最新ニュースの目的地にもなった。しかし、リアルタイムメディアのGoogleになるべく検索エンジンとしては、未だにTwitterは成功していない。TwitterのデータパートナーであるTopsyにとって、それは好機だった。

もしウェブが今、ページランクされたウェブサイトと同じくらい、近況ステータスとハッシュタグ付の記事で埋まっているのだとすれば、大きな部分が失われていることになる。Twitterの場合、2006年に遡る歴史のごく表面を撫でているだけだ。現時点でそのアーカイブには4250億件からのツイートが入っている。

わずか 4社しかないTwitterデータ認定リセラーの一つであるTopsyは、これまで発信されたツイートすべてをインデックスしていると言っている — これはTwitterもやっていないことであり、必要な基盤作りとコストゆえ容易には真似できない(Topsyは、2008年以来3500万ドルのベンチャー資金を調達したと言っている)。

一方、今日のTwitterの関心事は「今」と「最近」であり、遠い過去ではない。search.twitter.com に行くと、見つかるのは「日」単位のツイートであり、月でも、もちろん年でもない。そして、季節が変わるごとにこの時間幅は狭まっていく。現在Twitterのインデックスはわずか1週間しか遡らないと同社は言っている。去る2009年、それは1週間半だった。それ以前はひと月だった。

Topsyは今年8月、システムの拡張によってTwitterのアーカイブを2010年まで遡れるようになった。そして今、7年間のデータすべてを掘り起こせる。これは、無料の公開利用向けとして、史上最大にして最も包括的なTwitterデータアーカイブだ。Twitter以外でこのデータをアクセスしたこ
とがあるのは、Gnipなどのデータパートナーおよび議会図書館だけだ — ただし、一般利用者が検索できる形式ではなかった。そしてもちろん、無料ではなかった。 

Topsyの共同ファウンダー・CTOのVipul Ved Prakashによると、Twitter開始以来の全ツイート — 現在4250億項目、3500サーバーにわたる — をインデックスすることは大掛かりなデータ技術だった。「われわれの第3世代のインデックス技術は、サーバー1台にインデックスできるドキュメントの密度を高め、その結果あらゆるツイートを含む巨大なインデックスを運用できるようになった」と彼は言った。Topsyは、最終的に兆単位規模のドキュメントを処理できるようになり、彼らが取り組んでいるインフラストラクチャーベースのビジネスを構築していないライバルたちは太刀打ちできない、とも付け加えた。

この手の大胆なことを言いたがる会社は数多いが、この主張にはそれなりの真実がある。今日のウェブは変化している。例えばTwitterは、毎日4〜6億件の新しいツイートを送り出し、Topsyはそれを150ミリ秒以内にインデックスしている。言い方を変えると、Twitterが今後一年間に生成するデータ量は、今日までに生成された全ツイートよりも多い。

TwitterとFacebookが毎日生みだしているデータは、それ以外のウェブで生まれるデータよりも多い

そしてこれにFacebookを加えると、Googleが理解できるのはウェブのごく一部にすぎないことに気づく。「現在TwitterとFacebookが毎日生みだしているデータを合わせると、それ以外のウェブで生まれるデータよりも多い」とPrakashは説明する。「ソーシャルデータは益々大きな公共資料になった」(これが「なぜGoogle+が存在するか?」への答えだ)。

そしてもし今ソーシャルウェブが巨大なウェブであるなら、Topsyの野心がTwitterに留まらないのは驚くにあたらない。すでに同社のテクノロジーは、ユーザーがツイートしたリンクはもちろん、Facebookをはじめ他のソーシャルメディアサイトの全公開ページをインデックスできる準備が整っている。Google+の公開記事すべてのアーカイブも持っている。

「我々は、将来利用可能になるインデックスをいくつかバックグラウンドで作っている」と、Topsyの将来計画についてPrakashは示唆した。しかし、Facebookのインデックスに関しては、同社が作っているものの詳細は語らず「非公開」とだけ言い、「公開ページのアクセスは公開されている」だから「もしわれわれがあるソーシャルネットワークのために価値を作り出すなら — ビジネスとして意味があるなら — さらに深くデータにアクセスするだろう」と指摘した。

Topsyのソーシャルネットワーク例えばTwitter(あるいは他にも)に求める価値は、集めた後のデータに対して何ができるかという機会の問題だ。たとえば、データにまつわる詳細な統計データを提供することで、これは現在ツイートについて彼らがやっていることと似ている。Topsyは、”Obama” といった単語が過去何回言及されたかを数えることができる。あるいは、新しいiPhoneについてユーザーが〈本音で〉どう感じているかをヘッジファンドに教えることもできる。ブランドは自社のソーシャルメディアでのプレゼンスを監視して、広告やインフルエンサーのターゲット方法を改善できる。ジャーナリストは記事の情報収集に使える、等々。

「ソーシャルネットワークの排出物を処理することは、ソーシャルネットワークが今やっているビジネスとは異なる種類のビジネスだ」とPrakashは言う。Twitterの関心事は、バブリッシング・プラットフォームの構築や、ツイートをめぐるエンゲージメントを収益化することであり、アーカイブの分析結果を提供することとは限らない。Twitterには、エコシステムパートナーが先行していたビジネスに乗り出した過去があるが、Prakashはそれを恐れていない。なぜなら彼らはTwitterを補完するのであって、置き換えるものではないからだ。

それでもTopsyは、Twitterと共生関係になることを選んだ — APIアクセス(Twitterデータの「消防ホース」とも呼ばれる)のためにTopsyは非公開の金額を支払い、一方Twitterも、大統領選挙インデックスアカデミー賞インデックスなどの特殊ツールを作るために、別契約を通じてTopsyに費用を支払っている。ちなみに、Topsyの分析サービス利用者は、月額1000ドルをTopsyに払っており、API利用者は使用データ料に応じて料金を払っている。

ある日、Twitterはこれを面白いビジネスだから自分でやりたいと思うだろうか? そしてもし、Topsyのシステム基盤が容易に真似できなければ、TwitterはTopsyを
買収するのだろうか? 「その可能性はなくはない」とPrakashは認めたが、それについて両社で話したことはないと念を押した。今のところ、Topsyは規模拡大に向けて資産を消化しているところだが、顧客数や売り上げはもちろん成長率も明らかにしなかった。

長期的には、ソーシャルメディアの歴史的アーカイブが、特定のビジネスやマーケターに価値を生むかもしれないが、一般の主流ユーザーが同じように感じるかどうかは別の問題り。しかし、時間とともに変わる可能性はある。「10年以内に、ソーシャルメディアがインターネットのように見え始めるかもしれない・・・それは巨大なデータ保存庫を持つ異なるエコシステムだが、新しい市場が形成されようとしている」とPrakashは言う。「われわれの野望は、あらゆる公開ソーシャル書き込みを自分たちのすインデックスに取り込むことだ」。

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(翻訳:Nob Takahashi)


アメリカは、ソフトウェア開発大国の地位を失いつつあるのか?!

PC時代のソフトウェア産業というものは、モバイル時代のアプリケーション開発に当たるだろうか。そうだとすると、アメリカはPC時代の栄光を失いつつあるようだ。モバイル関連データ分析を行っているFlurryの最新データによると、モバイルアプリケーションの開発で、アメリカが世界をリードするという状況にはないようなのだ。モバイルアプリケーション開発国別のマーケットシェアを見ると、2011年時点でアメリカの占める割合が45%であったのが、2013年には36%に落ち込んでいる。ちなみにPC時代の2008年を振り返れば、販売されたソフトウェアの68%程度がアメリカ産という状況だった。ある意味で、モバイルアプリケーション産業というのは、真の国際化を実現しているのだとも言える。

但し、別の観点でみればアメリカのアプリケーション業界も相変わらず頑張っているという見方もある。すなわちエンゲージメントないし利用者数の観点から言えば、アメリカ発のアプリケーションが好成績をおさめているのだ。アプリケーションの利用時間や利用者数、利用頻度等を考えた場合は、アメリカ産アプリケーションが依然として牽引者としての立場を維持しているのだ。但し、こうした面を考慮にいれて計算した市場占有率も2011年の75%から、2013年には70%と低落傾向であることは間違いないようだ。

さらに、国別で考えると、また別の側面が見えてくる。すなわち、アメリカ国内で考えた場合は、全アプリケーション利用時間の59%が国内で生産されたアプリケーションによるものとなっている。中国でも国内発アプリケーションの比率が64%となる。一方でイギリスやブラジルをみると、国内産アプリケーションの率はそれぞれ13%および8%となるのだ。

中国での利用時間を見ると、アメリカ産アプリケーションの占める割合はわずか16%ということになる。中国のアプリケーション市場の規模は大きく、ますます成長していく傾向にある。それを考えるとアメリカ産アプリケーションの比率はますます下がっていくことになるだろうと、FlurryのSimon Khalafは書いている

アメリカ産アプリケーションがシェアを失いつつあるらしいことの一因は、「ローカライズ」ということだろう。これまでは英語というのは世界中で使われているのだということに甘えてきた面があると思われる。英語利用国以外は、懸命にアプリケーションの各国語対応を考えてきた。フィンランドやデンマーク、ブルガリアやスロヴェニアに開発者たちは、おかげでローカライズの技術を積み上げることができたのだ。たとえばフィンランドのRovio(Angry Birds)、ロシアのZepto Labs(Cut the Rope)、そしてオーストラリアのHalf Brick Studios(Fruit Ninja)などのアメリカ外メーカーが、世界的なマーケットを獲得しているのは注目に値する。

ところで、アプリケーションの製作は比較的安価で行える。アプリケーションストアもあるのでグローバル化したものを販売しやすいという性質がある。但し、Flurryの調査によるとプロモーションにかかる費用が高騰しつつあるのだそうだ。Fiksuもアメリカ国内の調査を行って、2011年あたりと比べると、ユーザー獲得のための費用が高騰していると報告している。今年を見ても6月には1.50ドルだったものが、7月には1.80ドルになっている。2011年12月以来の最高値となっているそうだ。

Facebookのモバイルアプリケーション広告プラットフォームも、プロモーション費用の応答の一因となっているだろう。稼いでいる会社がますますプロモーションに力を入れ、すると弱小のところも対抗上プロモーション費用を用意しなければならなくなってくる。アプリケーションストアではビッグネームによる寡占状態に拍車がかかり、新参者がトップ250に入ることがますます難しくなってきている。アプリケーションマーケットの世界でも強者がすべてを獲得する(winnter-takes-all)仕組みが生じているわけだ。そしてどうやら、今回のFlurryの報告を見るに、勝者の多くはアメリカ発ではないようだ。

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(翻訳:Maeda, H)


Digg(およびDigg Reader)のAndroid版アプリケーションが登場

ソーシャルニュースサービスおよびGoogle Readerの代替としてのDigg Readerを提供しているDiggが、Androidアプリケーションをリリースした。Digg.comで提供されているサービスと、Digg Readerの機能が提供され、またFacebook、Twitter、Tumblr、Google+などのサービスとも連携させることができる。

Diggブログの記事によると、Digg Readerをリリースしてからの2ヵ月のうちに届けられた利用者からのリクエストでは、Android版アプリケーションのリリースを望む声が最も大きかったのだそうだ。Diggは、今はなきGoogle Readerの代替となるRSSリーダーの開発に必死に取り組み、6月に暫定版のような形でウェブ版をリリースし、そして数日して、iOS版アプリケーションを投入している。

今回リリースされたAndroid版では、iOS版と同様に、Diggが以前から扱っていた人気記事リンクとRSSの双方を扱う。特徴については、ブログ記事中に以下のような説明がある(当たり前のことが多いが)。

  • Diggのトップストーリーや記事、あるいはフォルダ間はスワイプ動作で簡単に行き来可能。記事はウェブビューとパースされたテキストビューのいずれかを選択可。
  • 記事はDiggしたり保存したりすることができる。後で読むためのサービスはInstapaper、Pocket、およびReadabilityに対応(設定により、Digg Reader内で保存した記事を自動的に外部サービスにも保存することもできる)。またFacebook、Twitter、Google+、LinkedIn、Tumblr、WordPress、Buffer、Dropbox、Google Drive、メール、ショートメッセージなどで記事の共有可能。
  • Digg Top Storiesは検索可能
  • 記事を人気順に並べ替えることが可能。Digg上で注目を集めている記事をまとめて読むことができる。
  • Google、Facebook、あるいはTwitterアカウントでログインできる。
  • フィード情報の検索、追加が可能。フィードはフォルダ単位での管理が可能。
  • 設定により、Diggした記事を自動的にFacebookに投稿可。

ただ、まだアプリケーションは完成という段階にはないようだ。たとえば未読アイテムのみを表示するという機能はまだテスト中ということで利用できない。またテキストサイズやディスプレイモードの変更、バックグラウンドでのアップデートなども、将来の実装予定ということで、今回のバージョンでは利用できない。今後数ヶ月をかけて定期的にアップデートを行っていくことにしているそうだ。

Android利用者はこれまではHTML5で作られたウェブ版を利用していた。iOSないしAndroid以外の利用者は、今後もそちらのウェブ版を利用することとなる。

運営母体としては、Digg.comおよびDigg Readerを双極とする、人気リンクを集めてくる仕組み全体を「Digg」と称していきたい考えだとのこと。RSSフィードを読むためのReaderというのは、パワーユーザー向けのプロダクトだと言えるだろう。各利用者に、自力で面白い記事(リンク)を探してもらうための仕組みだ。一方でDigg.comの方は、クラウドソースによる投票や、その他のアルゴリズムを使ってフィルタリングした後のリンク集を提供するものだ。ちなみにこの中間のサービスも提供されている。それは、記事を後で読むために利用するInstapaperだ。今月に入って最初のメジャーアップデートを行い、一般公開されている。

Android版DiggはGoogle Playより入手できる。

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(翻訳:Maeda, H)


Flickr、リニューアル後は成長を加速。参照元の7.2%はTumblr

YahooはFlickrについて新たな料金プランを導入、買収により関連サービスを強化、ウェブページのリニューアル、あるいはモバイルエクスペリエンスの改善などを行ってきており、どうやらそれが実を結びつつあるようだ。SimilarWebのレポートによれば、Flickrの訪問者数は着実に伸びており、4月比で38%の伸びを示すまでになっているのだとのこと。

統計データは4月比ということになっているが、Flickrが大規模なデザイン変更や、あるいはこれまでの料金体系を変更して広告なしのメンバーシップや、1テラバイトの追加(年間500ドル)といった料金プランを導入したのは5月末のことだった。マリッサ・メイヤー(Marissa Mayer)指揮のもと、ビジュアル面での変更や、モバイル版のアップデートなどを強力に推し進めてきている。

4月と5月を比較すると、訪問者数は8600万から9000万へと伸びていた。これはすなわち、サイトの外見や機能面での改善がなくても、利用者は増加傾向にはあったということだ。但し、サイトの各種リニューアルを経た6月には、訪問者数が1億700万となり、7月には1億1000万へと伸びを加速させている。

さらに、平均のサイト滞在時間も6月には4月(4.5分だった)比で11%伸びて4.9%となり、7月には5分となった。ソーシャルトラフィックも増加し、4月に970万だったものが6月には1200万、そして7月には1370万へと伸びている。つまるところ、Flickrのリニューアルは、「ソーシャル」という視点からみても成功だったということを意味するのだろう。

尚、同じくYahooが買収したTumblrが、Flickrの成長に寄与している点も興味深いところだ。検索エンジンおよびソーシャルネットワークを除いて、Flickrにとって最大の参照元となっているのだ。この3ヵ月のトラフィックのうち7.2%がTumblrからのものなのだ(訪問者数になおすと475万人ということになる)。Yahooが傘下に収めたがったのも当然ということなのだろう。SimilarWebによると、この関係はTumblrの買収前と後にて特に変化はないそうだ。Flickr利用者の多くも、Tumblrとの親和性が高いことは以前から感じていたようだ。プロの写真家兼ブロガーであるThomas Hawkは、FlickrがTumblrを買収して、種々のリニューアルを行い始めた時点で「Flickrに投稿した写真の最大の参照元はTumblrだ」という旨を発言している。

FlickrおよびTumblrは、今後ますますシナジー効果を高めていくということがあるかもしれない。Tumblrの買収がアナウンスされてから、Flickr利用者たちは、Flickrの写真を簡単にTumblrに登録する方法だとか、あるいはTumblrに投稿した写真をすぐにFlickrにバックアップする方法などについてブレインストーミングを行っている様子だ。

もちろん、SimlarWebのトラフィックっ解析は(他のサービスと同様に)一部の利用者の行動に基づいたものではある。しかしSimilarWebは、自社ブランドプラグインなどからのみではなく、自社名を冠していない利用者向けプラグインなどからも情報を収集している。調査報告に出てくる数字が全く正確なものではないにしても、時期毎の変化などについてはきちんと読み取ることができる。もちろん、他のトラフィック計測サービスでも、Flickrはリニューアル以来トラフィックを伸ばしているという報告を行っているようだ。

たとえば、アメリカ国内での状況は、QuantcastやCompeteなどでも見ることができる。ちなみにQuantcastの予測では、利用者像がリニューアル後の一時的な現象で、また減っていく可能性もあるとはしている(一番下に掲載したGoogle Trendsのデータとも比較して考えてみたいところだ)。

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(翻訳:Maeda, H)


Pinterest、利用者獲得のきっかけとして「Pinterest For Teachers」のハブサイトを提供開始

Pinterestが、特定のジャンルに応じた「ハブ」サイトを作成・運営するためのの実験として、「Pinterest for Teachers」を立ち上げた。URLもそのままpinterest.com/teachersとなる。もちろん9月からの新学期を意識してタイミングをあわせたものだ。Pinterest側も、他の関心分野についてもハブ化を推進する意味があるかどうかをテストする意味もあるのだと述べている。

この教師向けのハブサイトは数週間前に立ち上げられた。公式アナウンスやプロモーション以前に1300人が利用を開始したのだそうだ。8月13日のPinterestブログの記事により、公式デビューを果たしたと考えて良いのだろう。

ちなみに、このハブサイトを開設するにあたり、Edutopiaの協力も仰いだとのこと。Edutopiaというのは教育者向けのオンラインリソースを集めたサイトだ。ハブサイトには開設時点で19のボードがあり、プレスクールないしエレメンタリースクール(K-6)の教師向けのボードもある。またアート、科学、算数などといった科目毎のボードや、教室の装飾方法やおすすめブログなどを集めたボードもある。それぞれのボードのメンテナンスは、教職についているPinterestユーザーによって行われる。管理者のほとんどは、自前の教育関連サイトやブログも運営しているようだ。Pinterestによれば、この教師用ハブは、分野についても対象学年についても拡大していきたいと考えているとのこと。

分野別ハブ構築の様子をみるのに、まず教師用ハブの構築からスタートしたのは、ちょうど新学期間近の季節だからというだけではない。Pinterestの利用者には、Pinterestのサービスを利用して教育関連ツールや各種TIPS、教育プラン、図画工作素材などの情報交換を行っている教師たちがたくさんいるのだ。Edutopiaも、Pinterestは教師たちの情報交換の場所としてトップ5に入るサービスであると述べている。その言葉を裏付けるように、教育関連pin数は日々50万以上にのぼるのだそうだ。

尚、今回アナウンスされたハブサイト化への動きも、一連のコンテンツ・レコメンデーション機能のひとつとして理解することができる。6月以来、Pinterestはさまざまなレコメンド機能を実装しつつある。また、それにあわせてオプトアウト(do not track)のための仕組みも提供し始めている。サービス全体を「パーソナライズ」しようとする動きとしてとらえることができよう。こうした機能はモバイルアプリケーションでも実装されてきている。

もちろん、「Pinterest for Teachers」ハブがすなわち「パーソナライズ」の動きとイコールであるわけではない。ただ、「パーソナライズ」した情報を提供するための「きっかけ」としてハブを機能させたいと考えているわけだ。どのようなサービスなのだろうとアクセスしてきた人を受け入れるのがハブの役割のひとつだ。アクセスしてきた人の中には、誰をフォローしてどのようなページを見れば良いのかとレコメンドを欲しがる人もいるだろうし、また気の向くままにページを見て回りたいという人もいるだろう。そうした利用者のとっかかりとしてハブサイトを提供することにより(ハブサイトを見て回るだけならばアカウント登録も必要ない)、ちょっと訪問してみただけという利用者にも、サービスを一層深く利用してもらえるきっかけになればと考えているわけだ。

ハブを提供するという考えがうまくいくのかどうか、Pinterestは実験をしているところだ。pin数がどうこうというのではなく、エンゲージメントの具合やフィードバックの様子、ブログ記事への反応、あるいはFacebookページへの投稿などを総合して判断したい考えだ。

他ジャンルのハブについては、まだ何のアナウンスもない。しかしグルメ、ファッション、デザイン、テクノロジー、およびアウトドアといったジャンルに興味のある利用者は非常に多い模様だ。ハブ化というアイデアがうまくいきそうだとなれば、きっとそうしたジャンルでハブサイトを提供してくるに違いない。

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(翻訳:Maeda, H)