GithubにアップされたiOSのソースコードは本物――ただしiOS 9版のブートローダーで大きな危険はなし

今週に入ってGitHubにiOSのソースコードの一部がアップロードされ、悪意あるハッカーが脆弱性を探すのに使われるのではないかという懸念が広がっていた。TechCrunchの取材に対し、Appleはこれが事実iOSのソースコードであることを確認した。ただし問題のソースコードはiOSの古いバージョンを作動させるソフトの一部だったという。

AppleがGithubに対しDMCAによる著作権違反通告を行ったため問題のファイルはすでに削除されている。しかしAppleが秘密保持に関してきわめてガードが固い企業として知られてきただけに、この件は精査に値するだろう。現在は削除されているとはいえ、ソースコードが本物であれば、すでに被害は発生してしまったのではないか?

iBootと名付けられたソースコードに最初に気づいたMotherboardなどが、iOSに関して著作がある専門家、Jonathan Levinに取材した。Levinはこれが本物らしいと認め、「大問題だ」と述べた。このソースコードは非常に短かいもので、おそらくiOSにおけるBIOSないしブートローダーと思われるが、Appleの手の内を知る手がかりになることは間違いない、という。

AppleはTechCrunchに対するコメント中で「3年前の古いソースコードがリークしたが、われわれのセキュリティーはソースコードを秘密にすることに依存するデザインではない。Appleのプロダクトには内容を保護するために多数のハードウェア、ソフトウェアのレイヤーが設けられている。効果的にこうした保護を受けるために、ユーザーは常にソフトウェアを最新の状態に保つことが推奨されている」と述べた。

事実、このソースコードが3年半前にリリースされたiOS 9に関するものらしいと判明してセキュリティー上の懸念は薄らいだ。Appleはその後、間違いなくソースコードを書き換えているはずだ。またApple自身の統計によれば、ほとんどのユーザー(93%)はiOS 10かそれ以降のリリースのOSを利用している。そうであっても、リークされたソースコードには最新のバージョンとの共通点が残っている恐れがある。これがiPhoneのセキュリティーに関してネガティブな影響を与える可能性はなかったのだろうか。

セキュリティー専門家のWill StrafachはTechCrunchの取材に対し「このソースコードはハッカーがiOSのブートローダーの働きを理解するために役立つだろう」と述べた。またAppleは知財権保護の観点からこのリークを苦々しく思っているはずだとした(DMCA通告についてはわれわれも上で触れた)。ただしStrafachはリークはiPhoneユーザーのセキュリティーに深刻な影響を与えるものではないとしてメールで以下のように述べた。

ユーザーに関していえば、このリークは特に利益も不利益も与えるものではない。Appleも述べているとおり、iOSのセキュリティーはソースコードを秘密にすることで守られているわけではない。iOSのブートローダー部分が人間に読みやすい形で記述されているというだけで、格別大きなリスクを含む部分はない。エンドユーザー・デバイスの内部はパスワードで保護され、暗号化されており、悪意の有無を問わず保護を迂回してアクセスすることは不可能だ

つまりiOSのセキュリティー守るためAppleは多数の保護レイヤーを設けるアプローチを採用しており、Githubにアップロードされたようなソースコードだけでそれを破るのは不可能だというわけだ。もちろんStrafachも適切に指摘しているとおり、Appleにとってこうしたリークは、公開されていた時間がごく短いとはいえ、大いに不快だっただろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitter、時価総額でSnapを一時追い越す――決算の結果はどちらも好調

すでにいろいろと意外なことが起きている2018年だが、今やTwitterが時価総額でSnapchatを運営するSnapを追い越した。 発表された決算は両社とも好調だったが、Twitterがついに利益を出し始めたことが株価に反映された。

Twitterは四半期決算を発表し、とうとうGAAPベースで利益を出した。これを受けて今朝(米国時間2/8)の株価はロケットのように25%も急上昇した。どちらも苦闘しているソーシャルメディア企業であるもの、 2017年にはSnapの方が時価総額で高く評価されていた。しかしTwitterの時価総額は250億ドル台となり、Snapは240億ドル台にとどまった。僅差には違いないが、それでもTwitterが上回ったのは大きい。

そこでグラフを見てみよう。この1年ほどのTwitterの値動きだ。

こちらはSnap。

Snapも今週、第4四半期の決算を発表したが、十分に好成績だった。これによりSnapの株価も上昇した。そこで最初の疑問に戻る。四半期決算で示された好調な広告売上は今後もFacebookやGoogleと対抗していける内実を備えているのだろうか? これはまだ試されていない。しかしFacebookやGoogleとは異なる独自の特長を備えた広告プロダクトを開発することができるというストーリーが実現することを期待したい。

TwitterとSnapの2社は2017年の暮にはほぼ同サイズだった。Snapは2017年にいささか花々しさに欠けるもののそこそこ成功した新規上場を行い、これを追い風として多数の会社が上場するきっかけを作った。ところが今回の決算発表後、市場が開くとSnapの株価は7%以上ダウンし、Twitterに追い越されてしまった。Twitterの株価は20%(ある時点では25%以上)上昇した。

今日の両社は時価総額で抜きつ抜かれつの競争を続けている。現在のところTwitterが優位だが、明日は(あるいは夕方にも)逆転しているかもしれない。その先となればまったく分からない。ただしこうした日々の値動きは別として、ソーシャルメディア企業のパフォーマンスを長期的に測るものは規模の拡大と広告ビジネスの成長の可能性だというのは間違いない。

〔日本版〕記事にもあるとおり、営業終了時点での時価総額はSnapがわずかに逆転し、Twitterが224.18億ドル、Snapが233.51億ドルとなっている(Google検索とYahoo! Financeでは数字に若干違いがあるがいずれもSnapが上回った)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Nestは結局Googleのハードウェアチームに合流

GoogleがNestを、32億ドルで買収したのは2014年に遡る。NestはNest CamやNest thermostatを製造している会社だ。その時点では、GoogleはNestを独立して運営することを選択した。

どうやら、それが変わるようだ。

Googleのハードウェア責任者であるRick Osterlohは、本日(米国時間2月7日)の午後、Nestが、この先Googleのハードウェアチームと「力を合わせる」ことを発表した。言い換えれば、彼らは結局Google/Alphabetの傘の下にNestを巻き込むということだ。

Nestの担当者は、NestブランドがGoogle Homeブランドと並んで、Google内で引き続き使用されると語った。また彼らは、NestのCEOであるMarwan Fawazは、この先Rick Osterlohにレポートを上げるようになると語り、「大きな役割の縮小は予定されていない」とも語った(言い換えれば、この合流によって大人数の解雇は考えられていないということだ)。

これは、より多くのエンジニアを1つの屋根の下に集めることで、ハードウェア開発力を強化しようとしている、Googleの最新の動きである。ちょうど先週にも、同社はHTCのハードウェア事業の大部分を買収するために、11億ドルを費やす契約を行ったばかりだ。

以前からNestは(そして今朝の発表時点でも)そのプライバシーFAQの中で、Googleからの独立性を強調していた。すなわち、同社は「分離したマネジメントチーム、ブランド、そして文化を持っていて、独自の本社さえ所有しています!」と述べていたのだ。

この動きの噂は数カ月間続いていたが、最初のレポートが出たのは2017年の11月の事だった

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(翻訳:sako)

Akamaiが世界の全従業員の5%である400人を解雇

マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とする、コンテンツデリバリーネットワーク兼ネットワークサービスプロバイダーであるAkamaiは、昨日(米国時間2月6日)開催されたアナリスト向け業績発表会で、400人を解雇したことを発表した。

発表の席で、AkamaiのCEO、Tom Leightonは、この400人という数は同社の世界中の従業員数8000人のうちの5%であることを示した。「業務効率を向上させるための取り組みの一環として、特にメディア事業に関連する分野を中心に、いくつかの事業分野の人件費を削減しました。全体として、400の職、すなわち全世界の従業員の5%を削減しました」とLeightonはアナリストたちに語った。

彼は続けて、このレイオフが実際に始まったのは昨年の終わりであり、それが今週までかかったのだと語った。同社はこれを、昨年の12月に行われた、Elliott Managementによる株式の6.5%の買収に先立つ、経営のスリム化とコストカットに向けた努力の一環としている。

Elliottは、活動的投資家の歴史を持ち、企業に大きな変革を促すことで有名である。とはいえこのケースでは、既にElliottが登場する以前に、同社はコストを削減する方法を探していたようだ。

同社の広報担当者の1人は「今回の従業員の削減は、Akamaiを長期的な成功に導くための投資を続ける過程での、コスト削減に関わる一連の決定の一部です」と付け加えた。

これは、Leightonがレイオフの衝撃を和らげるために、他の分野への投資を計画しているというニュースで語ったポイントでもある。「私たちはビジネスの一部を縮小しましたが、同時にこの先より大きな価値を得ることができる分野に、投資したということに着目していただくことが大切です」と彼は語った。そうした分野には、セキュリティやIoTなどが含まれており、それらのマーケットは今だに成長を続けていて、大いに切り込む余地があるのだ。

同社は実際にはまずまずの四半期を終えた。アナリストの予想を上回り、収益が8%増え6億6300万ドルに達したのだ。この執筆を行っている今朝(米国時間2月7日)の時点では、同社の株は4.65ドル高となり、7.30%上昇している。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: DOMINICK REUTER/GETTY IMAGES

Akamaiが世界の全従業員の5%である400人を解雇

マサチューセッツ州ケンブリッジを拠点とする、コンテンツデリバリーネットワーク兼ネットワークサービスプロバイダーであるAkamaiは、昨日(米国時間2月6日)開催されたアナリスト向け業績発表会で、400人を解雇したことを発表した。

発表の席で、AkamaiのCEO、Tom Leightonは、この400人という数は同社の世界中の従業員数8000人のうちの5%であることを示した。「業務効率を向上させるための取り組みの一環として、特にメディア事業に関連する分野を中心に、いくつかの事業分野の人件費を削減しました。全体として、400の職、すなわち全世界の従業員の5%を削減しました」とLeightonはアナリストたちに語った。

彼は続けて、このレイオフが実際に始まったのは昨年の終わりであり、それが今週までかかったのだと語った。同社はこれを、昨年の12月に行われた、Elliott Managementによる株式の6.5%の買収に先立つ、経営のスリム化とコストカットに向けた努力の一環としている。

Elliottは、活動的投資家の歴史を持ち、企業に大きな変革を促すことで有名である。とはいえこのケースでは、既にElliottが登場する以前に、同社はコストを削減する方法を探していたようだ。

同社の広報担当者の1人は「今回の従業員の削減は、Akamaiを長期的な成功に導くための投資を続ける過程での、コスト削減に関わる一連の決定の一部です」と付け加えた。

これは、Leightonがレイオフの衝撃を和らげるために、他の分野への投資を計画しているというニュースで語ったポイントでもある。「私たちはビジネスの一部を縮小しましたが、同時にこの先より大きな価値を得ることができる分野に、投資したということに着目していただくことが大切です」と彼は語った。そうした分野には、セキュリティやIoTなどが含まれており、それらのマーケットは今だに成長を続けていて、大いに切り込む余地があるのだ。

同社は実際にはまずまずの四半期を終えた。アナリストの予想を上回り、収益が8%増え6億6300万ドルに達したのだ。この執筆を行っている今朝(米国時間2月7日)の時点では、同社の株は4.65ドル高となり、7.30%上昇している。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: DOMINICK REUTER/GETTY IMAGES

屋内農業をセンサーデータで助けるAgrilystが新たに$1.5Mを調達、中国進出もねらう

屋内農業の管理をセンサーのデータで補助するAgrilystが今日(米国時間2/7)、150万ドルの資金調達を発表した。投資家はiSelect Fund, Argonautic Ventures, Horizons Lab(Horizons Ventureのシードファンド), Onlan Capital Fundらの面々だ。既存の投資家Compoundとニューヨーク州のNew York State Innovation Capital Fundも、このラウンドにつき合った。Agrilystとってこれは、2016年の100万ドル以来の資金調達だ。

Agrilystの協同ファウンダーでCEOのAllison Kopfによると、2015年の本誌TechCrunch主催Disrupt San FranciscoのStartup Battlefieldで優勝した同社は、最近かなり好調だった。2017年には新しい顧客が100増えて、売上も顧客数も2016年以来500%増加した。同社のサービスは今では10か国で利用でき、そのツールは50種以上の野菜と800種のその他作物をサポートしている。

同社は、ローンチしたとき、大麻の屋内生産者のためのツールだとは絶対に見られたくない、と頑強に主張していたが、最近では大麻のサポートも加わり、また花卉や昆虫の屋内生産もサポートしている。

“今やコンピューターを使用するコストはほとんどだゼロだし、どんな作物でもその成長と健康と生態をモニタできるほどのリソースがある”、とHorizons LabのアドバイザーPhil Chenは語る。“Allisonと彼女のAgrilystのチームには、そのデータを解読して未来の食糧を確保する能力がある”。

チームに関しては、同社は最近新しいCTOとカスタマーサクセス担当VPを新たに迎えた。協同ファウンダーで最初のCTOだったJason Campは昨年、同社を去った。

Agrilystが計画している新たな資金の使途は、その成長と新市場開拓、そして製品開発だ。新たな投資家の多く(Horizons, Argonautic, Onlan)が巨大な中国市場に注目しているので、もちろん中国への進出も行われるだろう。

関連記事(未訳)〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleがゲーム事業に本腰か、ストリーミングサービス参入と専用ハード(!!)のウワサが浮上

eng-logo-2015Googleがゲームストリーミングサービスに参入を計画中、とのうわさが出てきました。もし実現すれば、SIEのPlaystation NowやNVIDIAのGeforce Nowといった、同種サービスの強力な対抗馬となるやもしれません。

コードネームは「Yeti」(ヒマラヤ山脈に住むと言われる雪男)で、支払い方式はサブスクリプションベース、つまり利用期間に対して対価を支払うタイプとなる模様。そして、さらに興味深いのは想定ハード。GoogleのサービスなのでChromecast上での動作はもちろんですが、Google製の専用ゲームハードもテスト中と伝えられているためです。

ウワサを報じているのは、WebメディアのThe Information。「プロジェクトを知る複数の人物」がもたらした情報として報じています。

Yetiがサービスするゲームストリーミングとは、ゲームデータの情報を専用のサーバで管理し、ユーザー端末にストリーミング方式でゲームデータを配信するサービスのこと。

技術的にはネットワーク越しでサーバーに接続してゲームを操作するため、原理的に操作遅延が発生しやすく、また常時高速な回線を必要とする(回線速度が落ちるとコマ落ちや遅延が発生する)といったデメリットがありますが、それらは現在じょじょに軽減されている状態。
近年ではSIEのPlaystation NowやNVIDIAのGeforce Nowなどのサービスが開始されており、ゲームビジネスの一角を占めるほどの存在感を示しています。

なお、「ゲームストリーミング」というシステム自体は、自宅にあるゲーミングPCから別のPCなどのデバイスに配信するSteamホームストリーミングPS4とVitaのリモートプレイもあり、業務用に限った概念ではありません。

業務用ゲームストリーミングサービスは、ゲームを駆動するのがサーバ側であるため、数年に一度の更新で陳腐化しやすいゲーム機のハードに囚われず最新の技術が享受でき、ディスクやダウンロードも必要ないためユーザーは管理の手間がなくなり、セーブデータもクラウドに保管されて「冒険の書は消えてしまいました」の悲劇も消し去られる……といった様々なメリットがあります。

もっともYetiは、「2017年内にサービス開始するはずだった」とされながらも、現状でもまだ開始されていない状態。発言者は遅れた理由を語っておらず、それがゲームストリーミングに付きまとう遅延などの技術的な要因なのか、ないしはビジネス的な採算面での検討なのかは不明であるため、提供時期は確定していないようです。

とはいえ、Googleがゲーム事業を重視しているのは事実。実際に数週間前には、ゲーム業界に数々の実績を残したフィル・ハリソン氏がGoogleに入社しています。

ハリソン氏は初代PlayStation立ち上げ前からすべてのプレイステーション・プラットフォーム戦略に関わり、ソニー退社後は欧州でXbox事業を牽引してきた筋金入りの人物。こうした人物を引き入れているということは、Yetiのみならず、Googleのゲーム専用ハード登場までもある程度の期待が持てるのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

Cardiogramの研究によれば、Apple Watchは糖尿病を85%の精度で検出可能

Cardiogramの創業者Brandon Ballingerによる最新の臨床研究によれば、Apple Watchは既に糖尿病と診断された人が、糖尿病であることを85%の正確性で診断することができた。

この研究は、CardiogramとUCSFによる、より大きなDeepHeart研究の一部である。特に今回の研究では、1万4000人のApple Watchユーザーからのデータを使用し、またAndroid Wearを使う同じタイプのセンサーを搭載したフィットネスバンドも、彼らのシステムに統合された。

2015年には、 Framingham Heart Studyが、安静時心拍数と心拍数の変動によって、糖尿病および高血圧を有意に予測できたことを示した。これにより、Watchの心拍センサーを使用して、糖尿病患者を正確に検出できるかどうかを調べる機運が高まった。

これまでに、Ballingerと彼の同僚たちは、Apple’s WatchをCardiogramのAIベースのアルゴリズムと組み合わせることによって、心拍の異常なリズムを97%の精度で、睡眠時無呼吸は90%の精度で、そして高血圧症は82%の精度で検出することができた。これらの発見の大半は、臨床ジャーナルまたは抄録に掲載されており、Ballingerは今週のAAAI 2018会議で発表した後に、最新の研究結果を出版する予定だ。

糖尿病は増加を続けている、米国内の大問題であり、今では米国の成人の1億人以上が、前糖尿病ならびに糖尿病患者である。アメリカ疾病予防管理センターによれば、そのうちの4分の1以上が診断を受けていないが、この問題の原因の一部は、血糖値をチェックする際の痛みによるものである。患者は毎食後に自分自身に注射を行い、適切な量のインスリンを正しく投与して、自分自身でバランスをとる必要がある。

また早期発見を行うことで、糖尿病の合併症が発症する前に、それらを防ぐことが可能になる。血糖値を測定するための特殊デバイスを作製する試みも、他に続けられて来たが、今回の研究は、通常の心拍センサーが人工知能ベースのアルゴリズムと組み合わせられることで、他のハードウェア無しに糖尿病を同定できることを示した、初の大規模研究である。

さて、では次は何だろう?Ballingerと彼の同僚であるJohns Hsiehは、心臓センサーを通して様々な疾患を検出できるだろうと語る。たとえば妊娠糖尿病などだ。Hsiehはまた、今回のテストは既に糖尿病もしくは前糖尿病であると診断を受けたひとたちに対して行われたものであるため、もし自分が糖尿病ではないかと疑うならば、Watchの結果に頼るのではなく、医師の診察を受けるべきだと注意を促した。

しかし、この結果は有望である。私たちは、Apple Watchや他の心拍センサー内蔵のフィットネスモニターが、私たちに関して次に何を教えてくれるのかを、ただ心待ちにしよう。

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(翻訳:sako)

Google Photosがオンデマンドでテーマのあるムービーを作ってくれる

かなり前からGoogle Photosは、Googleお得意の機械学習のマジックを使って、ユーザーの最近の旅行などのイベントのムービーを自動的に作ってくれた。ただしこれまでは、そんなムービーをオンデマンドで作ることはできなかったが、今日からはアプリやWebから、テーマのあるムービーをオンデマンドで作れるようになった。

Googleによると、これはバレンタインデーに照準を合わせたそうだが、もちろんほかのテーマでもよい。あなたの犬や猫のムービーはどうだろう(両者一緒は無理かもしれないが)。子ども、友だち、そのほかの家族、自撮り、“Smiles of 2017”(2017年の笑顔)、母の日、父の日、そして、悲しい“追悼”なども。

ユーザーは最初に、特定の人や動物などを指定する。するとGoogleが自動的に最良の画像や動画を見つけてムービーに編纂し、音楽もつける。所要時間は1〜2分だ。

Googleはあなたのお父さんやお母さんや故人を知らないから、ムービーには誰を指定してもよい。あなた作の“追悼”ムービーの主役にされた友だちは、きっと喜ぶだろうな。

ただし、人工知能は完璧ではない。あなたの“ニャンコムービー”の主人公が人でも、Google Photosは文句を言わない。唯一の違いは、音楽かもしれない。“ニャンコムービー”の音楽には、猫の鳴き声が大量に使われるだろう。具体的に何かを期待したわけではないけど、予想以上におもしろい機能だ。

[男同士のバレンタインデー・ムービー]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

飲食店予約代行アプリにリニューアルした「ペコッター」が1億円を調達

グルメコンシェルジュサービス「ペコッター」を運営するブライトテーブルは2月8日、ジェネシア・ベンチャーズ、AGキャピタル株式会社、Das Capital、アコード・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資により、総額約1億円を調達したことを明らかにした。

ブライトテーブルは前回のラウンド(2015年11月から2016年1月にかけて)でインキュベイトファンドやiSGインベストメントワークスなどから資金調達をしていて、今回までの累計調達額は約2億円になる。

2015年3月に飲食店探しをサポートするグルメQ&Aサービスとして始まったペコッター。希望する飲食店の条件を投稿すると、ほかのユーザーが条件に合う飲食店をチャット形式で教えてくれるという仕組みだった。

同年11月からはチャットによるレストラン予約代行サービス「ペコッター予約」を開始。サービス開始からこれまでで約14万件の飲食店探し、約5万件の予約代行をしてきた。

その中で現在も飲食店は電話予約が主流になっている一方で、ユーザーからはオンライン予約のニーズも高まってきている背景のもと、予約代行機能にフォーカスする形でアプリのリニューアルを実施したという(ただSNSの反応などを見る限り、リニューアル前のペコッターが好きだったというユーザーも少なくないようだ)。

今後は予約管理台帳との連携や音声による予約の自動化など、店舗予約のオートメーション化を進める予定。加えてサービス内に蓄積される予約履歴のデータを活用したAIエンジン「Zeus」の精度向上を図り、ユーザーに合ったお店をレコメンドできるグルメ予約代行サービスを目指していく。

【16時更新】ブライトテーブル代表取締役社長の松下勇作氏に、リニューアルの背景や今後の展望について話を聞けたので追記する。

松下氏によると今回のリニューアルは「ペコッターでお店の予約ができる」ことを知らないユーザーが一定数いたことが背景にあるという。

「お店探しコミュニティではなくグルメのコンシェルジュとして、自分にあったお店探しから実際に予約するまでをサポートできるサービスを目指している。従来は予約代行機能がQ&Aの影に隠れる形になってしまって、なかなか認知されなかった」(松下氏)

ユーザーがお店に行くことを考えると、お店探しと予約は切り離せないもの。ペコッターで予約代行を依頼するユーザーはすでに情報収集が終わり、行きたいお店が決まっているケースも多いため、まずは予約代行に絞る形でリニューアルをした。

現時点でMAUなどの変化はあまりないが、Q&Aをなくしたことで今後多少の減少は想定しているそう。ただ1ヶ月の予約代行数については、リニューアル後1.5倍近くに増えているという。

上述した通り、ペコッターが見据えているのはお店探しから予約までをカバーする、グルメのコンシェルジュ。今後はユーザーに合った店舗のレコメンド機能も搭載する予定だが、そのためには基となるデータが必要だ。

「現在は予約の履歴を蓄積することによって、レコメンドの精度をあげる準備をしている段階。これまで予約電話代行をしてきたことで、オンライン予約ができないような店舗の予約履歴までたまっているのがペコッターの特徴だ」(松下氏)

今回の調達は主に人材採用が目的。特にレコメンドエンジンなどの開発体制を強化し、「グルメのことならペコッターに相談したい」と思われるサービスを目指すという。

ちなみに、僕の周りにはリニューアル前のペコッターが好きだったという人もいた。

正直なところリニューアルした際の反響はどうだったのか、松下氏に聞いてみたところ「『Q&Aがなくなった、どうしてくれるんだー』という声と、『これまでも予約代行のパシリと思って使っていたから正しい決定だよね』という声が半分半分くらいだった」そうだ。

中小企業や商店にAI利用のターゲットマーケティングをお安く提供するClearBrain

ClearBrainの目標は大きい: “われわれのミッションはAIをマーケターのために民主化することだ”。

とCEOのBilal Mahmoodは言うのだが、しかしOptimizelyのプロダクトマネージャーだったMahmoodと彼の協同ファウンダー、Googleの広告部門の技術者だったEric Pollmannは、すべての民主化が一度で実現するとは考えていない。具体的な課題を一つ一つ解決していくことが必要だ…まず第一にそれは、広告をもっと有望性の高いユーザーにターゲットすること。言い換えると、ターゲティングの打率を上げることだ。

Mahmoodによると、そのようなターゲティングは大企業がすでに行っているが、中小企業や一般商店などにとっては、買うにしても作るにしても費用が高すぎる。しかしClearBrainに頼めば、月額499ドルからですべてをやってくれる。それだけ安上がりにできるのは、Segment, Optimizely, Heapなど既存のさまざまなツールのAPIを組み合わせて使っているからだ。それにより、さまざまなデータの有効利用ができる、とMahmoodは言う。

“それらのデータレイヤの上にインテリジェンスレイヤ(AI層)を置くことができる”、と彼は語る。

つまりClearBrainは、企業がすでに使っているツールからデータを取り出して、その上に人工知能を適用して分析し、ユーザーを特性別にグループ化する。そしてClearBrainの顧客企業は、それに基づいて、Facebookの広告や、メールマーケティングや、そのほかのメッセージング提供をターゲティングする。

clearbrain screenshot

“うちはAIのスイス(中立国)みたいなもんだ”、とMahmoodは言う。ClearBrainはデータレイヤとアクションレイヤ(消費者のアクション)の両者間を中立的に調停して、企業が利用できるようにする。今後もっと機能を増やして、“企業のマーケティングチームのための中枢神経系”になりたい、と彼は語る。

今の顧客には、InVisionやtheSkimmなどがいる。一方はデザイン用のソフトウェアのメーカーだし、後者はニューズレター専門のメディア企業だ。この、一見性格の異なる二社にClearBrainのツールが有益なのは、どちらもユーザーが会員制(サブスクリプション型)で、特性などが明確で分かりやすいユーザーデータがあるからだ。つまり、AI利用による効果の高いターゲティングをやりやすい。

ClearBrainは、Y Combinatorの現在のクラスの生徒でもある。そしてすでに120万ドルの資金を、YC, Pear VC, Industry Ventures, Dan Hua Capital, OptimizelyのファウンダーDan SirokerとPete Koomenから調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

スターマンからの信号が途絶えた

スターマンと彼のSpace Teslaから地球軌道最後の自撮り写真が送られてきた、とElon Muskが報告した。マネキンドライバー(本物のSpaceX宇宙服着用)を乗せたこの車は昨日(米国時間2/6)Falcon Heavyロケットに乗せられて飛び立ち、最終的には地球軌道を離れ太陽系の彼方へ向かう。

Elon Muskはスターマンの「最後の写真」をInstagramに投稿した。これは最後の数分間の中でもおそらくベストショットだろう。昨日の記者会見で、Muskはこの#DrummondPuddleWatch以来の奇妙で魅力的なライブ中継が、近々終了することを覚悟するよう予告していた。

「バッテリーは打ち上げから約12時間持続する」と彼は言った。「その後は宇宙の奥深く何百万年、おそらく何十億年も存在し続けるだろう。きっとどこかのエイリアンが発見して、『これは何のためなのだろう? この車を崇拝しているのか? なぜ車の中に小さな車があるんだ?』などと言うのだろう」。

(車のダッシュボードにはおもちゃのドライバーを乗せたおもちゃのRoadsterが接着されている)

実際にいつオフラインになったのかははっきりしないが、それまではたのしい時間だった。Muskがこの打ち上げを、自ら所有する別の大企業を宣伝する一種の相乗りPRイベントにしていることに疑問を挟む向きもあるが、本人は純粋に楽しみのためだと言っている。

「馬鹿馬鹿しくて楽しい。しかし馬鹿馬鹿しくて楽しいことは大切だ」と彼は言う。「文字通り普通の車が宇宙にある。私はその不条理さが好きだ。普通はコンクリートのブロックを山ほど飛ばすが、そんなのは面白くない」

スターマンと車は外宇宙に向かってゆっくりと進み続け、やがて火星の軌道を横断して小惑星帯に入ると、たくさんの岩つぶてを見舞われるだろう。しかし軌道の角度によっては、黄道を離れて衝突死を避けられるかもしれない。

いずれにせよ、まだまだ先の話だ。Roadsterの速度は知らないが、速いわけではなく火星は恐ろしく遠い。危険な目にあうほど遠くへ行くまでには数十年、数百年はかかるだろう。それまでにElon Muskが永遠の若さの秘密を発見していれば、それもきっとインスタするのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Intel、Xeon D-2100を発表――新CPUでエッジ・コンピューティングに対応

自動運転や産業用IoTセンサーなどの高度なテクノロジーが普及するにつれ、 エッジ・コンピューティングの強化がますます必要とされるようになった。つまりデータをクラウドに送って処理させるのが不適当なコンピューティング領域が増えてきた。データは収集されたその場でただちに処理される必要がある。わずかなレイテンシーであっても重大な問題を引き起こす可能性があるからだ。

今日(米国時間2/7)、Intelは新しいCPU、Intel Xeon D-2100を発表した。このチップは顧客のエッジ・コンピューティング能力を強化することを目的としている。またライバルの追い上げに対抗してエッジ・コンピューティングやIoTといった先端分野で先頭を走ろうとするIntelの戦略の一環でもある。

ネットワークの端、エッジにおけるコンピューティングには省電力と省スペースという特有の能力が必要とされる。新しいチップはこの要請に答えようとするものだ。たとえば、Xeon
DはSoC(System-on-a-Chip)というスタンド・アローン・システムだ。演算処理だけでなく、ネットワーク接続やストレージといったシステムを構築するために必要な能力がすべてチップ上に組み込まれている。また省電力性能も高い。これはデータセンターのサーバーとくらべて電力供給が制限されるエッジ・デバイスに用いるために必須の条件だ。

Intelのデータセンター・グループのバイス・プレジデント兼データセンター・プロダクト・マネジメント・グループのジェネラル・マネージャー、Jennifer Huffstetlerは新チップを紹介するブログ投稿で、この種のアーキテクチャーのニーズが高まっていることを指摘した。「データセンターの能力をエッジに向かって拡張するにあたって、サービスのプロバイダーはデータをネットワークのエンドポイント、つまりエッジ・デバイスそのもので処理するソリューションを提供しなければならない。これによりアプリケーションの処理におけるレイテンシーを減少させることができ、数多くのまったく新しいコンピューティング体験と応用分野を提供できる」と書いている。

またHuffstetlerはSoCについて、「単一パッケージに必要な要素がすべて組み込まれていることにより、セキュリティーが強化されたハードウェア・ベースのネットワークを構築することが可能となる」としている。Xeon Dは小さいパッケージだが、Skylake-server世代の Xeonコアを18個備え、 100Gbpsの暗号化、復号化、暗号化加速テクノロジーを内蔵している。IntelではこれをQuickAssist Technologyと呼んでいる。

Intelでは新しい5GネットワークでVR、AR体験が可能となるスマートフォンや自動運転車を設計する上でこのテクノロジーは決定的に重要なものになるとしている。VPNやソフトウェア・ベースのWANを作動させるにも役立つ。またCDNのようにネットワークのエッジに近い部分での性能が重要なクラウド処理の負荷分散にも効果があるという。

Intelでは新しいチップを利用するパートナーとしてDell、EMC、Ericsson、NEC、NetApp、Palo Alto Networksなど多様なサードパーティーと協力していく。

またSpectreとMeltdown脆弱性について、IntelではXeon Dチップには新たに開発したパッチを組み込んでいるという(Intelが発表した当初のパッチには不必要なリブートを起こすなどの問題があった)。

画像:Intel

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

トヨタがJapanTaxiに約75億円を出資、タクシー向けサービスの共同開発検討へ

トヨタ自動車とJapanTaxiは2月8日、タクシー業界全体の活性化・効率化を目指し、タクシー事業者向けサービスの共同開発等を検討することに合意したと明らかにした。合わせてトヨタがJapanTaxiに約75億円を出資することにも合意したという。

トヨタは以前からモビリティの管理や利用、分析など様々な機能を備えたプラットフォーム「モビリティサービスプラットフォーム」の開発を進めている。2社での共同開発にあたっては、このプラットフォームとJapanTaxiの連携を強化していく方針だ。

具体的にはタクシー向けのコネクティッド端末、配車支援システムの共同開発、ビッグデータ収集といった分野での協業を検討していくという。

これまで両社はそれぞれタクシー業界でサービスを展開してきた。トヨタは2016年8月5日に全国ハイヤー・タクシー連合会との協業を発表。東京エリアで通信型ドライブレコーダーを活用した実証実験やタクシー業界の効率化を図る研究、サービスの開発にも取り組んでいる。

一方のJapanTaxiもタクシー配車アプリ「全国タクシー」を2011年より提供していて、2017年12月には累計400万ダウンロードを突破。車両登録数は全国のタクシー車両の約4分の1となる約6万台で、タクシー配車アプリとしては国内トップのシェアを誇る。

なおJapanTaxiは2017年6月にもトヨタが出資している未来創生ファンドから、5億円の資金調達をしていた。

TeslaのElon Muskの自動運転技術にライダーがないのはなぜか

Elon Muskの自動運転のビジョンは、ライダー(LiDAR)が断固として重要部位ではないという点で、Teslaの多くの競合他社と異なっている。その姿勢は専門家たちの間でも多くの議論を喚(よ)んでいるが、元Teslaの社員たちも含めその多くは、完全な自動運転はライダーを含まないセンサー構成で管理できるという説に反対している。

Muskは今日(米国時間2/7)の四半期決算の報告会でこう述べた: “どんな環境やどんな状況でも運転できるためには、受動視像認識という問題を完璧に解決しなければならない。それを満点で解決できているときに、ライダーのような能動視像を使うことに何の意味があるのか。私の考えでは、それは松葉杖であり、企業をそこから抜け出すことが困難な隘路に追い詰める”。

Muskによると、彼らはレーダーのレンジ内におけるアクティブな光子生成を求めているのだ、それがあれば少量の吸蔵によって物が見えるようになるが、それを視覚的情報でやるのは不可能だから、機械学習で光の照射の状況の変動などを検知することもできない。彼によると、しかも多くの企業が間違った波長でアクティブな光子生成やろうとしているのが、まったく不可解だ、つまりそのレーザーのスペクトル(波長域)は、非常に高価だから。

というよりMuskはそれを、“高価で醜くて不必要”と呼び、そして、Teslaの自動運転の設計にそれを含める気はまったくないが、この分野での自分の賭(かけ)が当たらない確率はゼロパーセントではない、とも言った。

“もし自分が間違っていたら、私は愚か者に見えるだろう”、と彼は言う。“でも自分の方が正しいという完全な自信がある”。

Muskの最強の味方は、現在の最良のドライバーに、やはりライダーがないことだ。それは、人間、である。人間は主に、ごくふつうの受動視像に依存して自分の運転をしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

累計120万アカウント突破の「Peing-質問箱」がスマホアプリで登場

2017年11月のローンチ後、約1ヶ月で月間2億PVペースまで拡大した匿名質問サービス「Peing – 質問箱(ペイング)」。12月にジラフが買収した際にはTechCrunch Japanでも紹介している。

2018年に入ってから他言語対応や複数の機能追加も続いていたPeingだが、本日2月8日よりスマホアプリ版がリリースされた(iOS版Android版)。

Peingでは1月上旬に「QuestionBox」(英語版)、中旬には香港、マカオ、台湾、シンガポールといった国のユーザーに対応する「提問箱」(中国語・繁体字版)の提供を開始。

機能面でも1月末に誹謗中傷などの質問をフィルタリングできる機能や、アカウントを開設していないユーザーに先駆けして質問できる機能(質問を受けたユーザーは、アカウント開設後に内容を確認できる)、自分がTwitterでフォローしているユーザーのリスト機能などを矢継ぎ早に始めていた。

今回アプリをリリースすることで「自分に質問が届いた際や、(質問に対する)回答があった際に通知がくるためサービスの利便性があがると考えている」(ジラフ代表取締役社長の麻生輝明氏)という。

累計アカウント数は増加したものの、課題にも直面

現時点で開設されている累計のアカウント数は120万ほど。12月中旬に話を聞いた際は80万ということだったから、2ヶ月弱で40万ほど増えていることになる。ただ麻生氏によると「ピーク時に比べたらアクセス数自体は落ちている」そう。

激減するというわけではなく、継続して使う人と使わない人が分れてきているフェーズを迎えているようだ。確かにアカウントを作ったところでそもそも質問がこなかったり、答えたい質問が少なければ使うのをやめてしまう人もいるだろう。

多くの質問が寄せられるユーザーからは「いい質問が少ない」「同じ質問が何度もくる」といった声もあるそう。今後は(回答者にとって)クオリティが高い質問が上に表示される仕組みなども検討する。

海外展開や新機能で新たな層の開拓目指す

直近でも様々な追加機能を搭載したが、必ずしも全てが狙い通りに進んでいるわけではない。

「想定ほど使われていない機能もある。もともとシンプルなサービスで、個々のユーザーからいろいろな要望をもらうため、本当に求められている機能が何か試行錯誤している段階。今回のアプリやインスタストーリーへの対応など、まずはユーザーの利便性に対する影響度が高いものに着手していきたい」(麻生氏)

また公式Twitterアカウントのツイートが問題視されたり、利用規約の内容について誤解が広がるなど思わぬトラブルもあった。この点については「必要な関係者とはしっかりとコミュニケーションをとって適切な対応を進めている」(麻生氏)という。

現在はイギリスなどを中心にグローバル展開に軸足を置き、ユーザー数の拡大や利便性の向上に取り組んでいる状況。グローバルで見ると「Sarahah(サラハ)」なども勢いがあるが、アプリだけでなく新たな層や新たなエリアのユーザーにも訴求する機能なども増やし、ユーザー数の拡大を目指す。

オーガニック農家と消費者をつなぐ「食べチョク」が4000万円を調達、好みの野菜が届く新サービスも

(写真上段左から)CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、アドイノベーション代表取締役の石森博光氏、エウレカ創業者の赤坂優氏(写真下段左から)ビビッドガーデンCOOの大河原桂一氏、ビビッドガーデン代表取締役CEOの秋元里奈氏

オーガニック農作物のC2Cマーケットプレイス「食べチョク」を提供するビビッドガーデン。同社は2月8日、エウレカ創業者の赤坂優氏、CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏、アドイノベーション代表取締役の石森博光氏、アカツキ代表取締役の塩田元規氏ほか1名の個人投資家を引受先とした第三者割当増資により、総額4000万円を調達したことを明らかにした。

ビビッドガーデンは2016年11月の設立で、外部からの資金調達は今回が初めて。調達した資金を基に人材採用やサービスの改善、拡張を進めていく方針。その一環として、本日よりユーザーの好みに合ったオーガニック野菜を定期的に届ける「食べチョクコンシェルジュ」の提供も始めている。

正式リリースから2ヶ月で登録農家が100件に

食べチョクについては2017年8月の正式リリース時にも紹介したが、同社の基準をクリアしたオーガニック農家のみが掲載されたマーケットプレイス。ユーザーと農家を直接つなぐC2Cのモデルだ。

農薬や肥料を使っていない生産物が、鮮度の高い状態で自宅に届く(最短で24時間以内)ことが特徴。時にはスーパーではあまり手に入らないような、珍しい野菜を購入できるという利点もある。

8月時点で60件ほどだった登録農家数は、メディア掲載や農家間の口コミの効果もあり2ヶ月で約100件まで増加した。

ビビッドガーデン代表取締役社長の秋元里奈氏によると、農家にとって食べチョクは「自分たちのこだわりをしっかりと理解してもらった上で販売できる、専用のホームページ」のような位置づけだという。新しい販路になりえるだけでなく、顧客と直接コミュニケーションをとれることをメリットに感じる農家が多いそうだ。

また中には野菜作りは得意でも、商品設計やマーケティングが苦手な人もいる。そこは食べチョクが商品の文言や紹介の仕方を細かくサポート。「風邪予防」などサイト全体で特集パッケージを組み、該当する農家を複数紹介することもやっているという。

秋元氏の実家は以前から農業を営んでいたものの、市場出荷のみで経営を維持することが難しくなり、遊休農地に。小規模農家の販路拡大という課題解決に向けてスタートしたのが食べチョクだ。ただ秋元氏自身がDeNAを経て企業していることをはじめ、チームや今回の投資家陣はIT業界のメンバーが中心。サービス設計や細かい施策などにはそのカラーも反映されている。

ユーザーの好みに合わせて最適な野菜が届く新サービス

一方ユーザー側についても、首都圏エリアで小さな子どもを持つ30代の主婦を中心に利用者が増加。特にリピート率が50%と予想より高い数字になっているという(新たにリリースする定期購入サービスなどを通して、この数値はさらに改善できる余地があるそう)。

「(小さい子は)食べ物の影響が出やすいため、食材に気を使う親御さんが多い。オーガニックということに加え、生産者の顔が見え直接やりとりできる点も安心につながる。他と比べて必ずしも安いわけではなくても、作り手から直接買いたいというニーズがあることがわかった」(秋元氏)

たとえば毎週土日に青山で開催されるファーマーズマーケットには約1万人が集まり、農家を含む生産者と消費者が直接やりとりしながら盛り上がるという。秋元氏いわく、食べチョクは「青山ファーマーズマーケットのオンライン版」のイメージに近いそうだ。

ただ農家や品数が増えるにしたがって、ユーザーからは「何を選んだらいいのかわからない」という声も届くようになった。そんな悩みを解決するためにリリースしたのが、食べチョクコンシェルジュだ。

同サービスでは最初にユーザーが食材の好き嫌いや、オーガニック志向性などを登録して注文する。するとその情報に合わせて最適な農家を運営側で選定し、農作物が届く。届いた作物の感想を送ることで、次回以降さらに好みにあったものが配送されるという「定期購入型」のオーダーメイドサービスだ。

プランはSプラン(税込、送料込みで月額2980円)、Mプラン(同3980円)、Lプラン(同4980円)の3つを用意。今回のサービスでは毎回農家を固定しない形をとるが、今後はAmazonの定期便のように、特定の農家から定期購入できる仕組みも検討するという。

農家にファンがつく“コミュニティ”目指す

秋元氏によると現在の食べチョクは「いろいろなテストを繰り返し、ノウハウを貯めている」フェーズ。そこで培ったナレッジを農家に提供したり、サービスの改善に活かしたりすることで、このプラットフォームを広げていく方針だ。

「将来的に目指しているのは、ECサイトではなくて農家と消費者がつながるコミュニティ。生産者に直接ファンがつくような場所を目指したい」(秋元氏)

たとえば今後は食材だけでなく、食べ方の提案を一緒にすることなども考えているという。現在でも中には自作のレシピを同封している農家もあり、ユーザーからの評判もいいそう。野菜の味を活かした食べ方を伝えることは、双方にとって大きなメリットがある。

ちょうど1月にクックパッドが運営するアクセラレータープログラムに採択されたこともあり、新たな取り組みを検討しているという。

「とはいえ(コミュニティの実現に向けては)超えなければいけない障壁もまだ多い。ITに慣れている農家ばかりではないので、まずはどんな人でも気軽にWebで発信できるような仕組みを整えていく必要がある。生産者と消費者の距離感が近づくような方向で、サービスを大きくしていきたい」(秋元氏)

GoogleドライブでOffice文書/PDF/画像にコメントできるようになった

本日(米国時間2/7)GoogleはGoogle Driveのアップデートを公開し、G SuiteとMicrosoft Officeが混在する職場や組織で、同僚や顧客との共同作業を便利にする機能を追加した。

このアップデートで、Google DriveユーザーはOffice文書やPDF、画像などにDriveのプレビュー画面内でコメントできるようになり、Microsoft OfficeやAcrobat Readerなどのツールを(場合によっては有償で)使う必要がない —— Googleドキュメントやシートやスライドのファイルに変換する必要もない。これは、G SuiteやOffice 365のリアルタイムコメント機能とまではいかないものの、OfficeとG Suiteの間でしょっちゅう相互変換するよりは便利だ。

この機能は、Drive plugin for Outlookを始めとするOfficeとG Suiteの相互運用性を高める取組みの一環だ。もちろんGoogleの理想世界では誰もがG Guiteだけを使っている。しかしここ数年Googleはプロダクティビティー市場に足跡を残してはいるものの、ほとんどの企業では未だにMicrosoft Officeの方がはるかに優勢だ。この傾向は大企業では特に顕著だ。そこはGoogleが切望しながらもいまだに苦闘を続けている市場でもある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SoftBank Vision Fund、すでに350億ドルを世界のテクノロジー・スタートアップに投資

昨年5月にSoftBankは1000億ドルを目標とするVision Fundになんと930億ドルもの出資を確保して組成を完了した。このニュースはテクノロジー界に大きな衝撃を与えた。しかも日本のテレコムの巨人は第2次の組成の準備を進めている。またSoftBankの発表(PDF)によれば、Vision Fundの総額の3分の1がすでに投資されている。

先月、この投資の大きな部分、77億ドルがライドシェアリングのUberに投じられた(SoftBankも12億ドルを直接投資している)。これに先立って2017年には、45.8億ドルを投資することで中国のDidi(滴滴)と合意している。ただし、この後者の投資はVision Fundの兄弟分でVision Fundの投資先と競合する可能性がある企業への投資を扱う総額60億ドルのDelta fundからとなる。

今朝発表された資料にはVision Fundが275億ドルを投資済みだとあるが、これは2017年12月31を終期とする9ヶ月におけるデータなので最近のUberへの投資は含まれていない。アメリカのライドシェアリングへの投資を加算すると、投資総額は350億ドルとなる。

Uber以外の企業への投資には、ARM、Nvidia、Flipkart、Paytmの親会社One97 Communication、OYO Rooms、Improbableなどが含まれる。最近の投資には犬の散歩アプリ、Wagへの3億ドルドイツの中古車マーケットプレイス、Auto1への5.6億ドルがある。どちらも今年に入ってからの投資であるためSoftBankが発表した資料には含まれていない。

Vision Fundは「 300年間成長し続ける会社」にするというSoftBankの戦略の一部だ。このため各カテゴリーごとに世界市場での勝者を発見し、支援するというコンセプトだ。SoftBankは投資先企業と協調しテレコムとAIに関連するサービスとテクノロジーの発展を目指す。Vision Fundの投資家はApple、Qualcomm、UAE〔アラブ首長国連邦〕のMubadala Investment Company、サウジアラビアのPID上場ファンド、Foxconn、Foxconn傘下のSharpなどだ。

Vision Fundという巨人が登場したことはアメリカにおける後期ステージのベンチャー投資の構図を大きく変えた。Sequoiaなどの有力ベンチャーキャピタルは急ぎ大型ファンドの組成を始め、Vision Fundに対抗しようとしている。

Vision Fundの影響はすでに各方面に感じられている。Wagへの投資の場合、Vision Fundは投資額を3億ドル以上にすべきだと強く主張したため、NEA(New Enterprise Associates)とKleiner Perkinsはラウンドへの参加を断念したという。両社とも当初Wagに強い関心を示していた。結局、Vision Fundは単独で投資を行ったが、他の投資案件でも同様の例が見られるという。

テクノロジー投資の分野では前代未聞の額のファンドだが、もちろん「先んずれば人を制する」ともいう。

Battery Venturesのジェネラル・パートナー、Roger LeeはTechCrunchのインタビューに対して、同社の最新の大型ファンドについて説明する中で、Vision Fundは「投資における優れたパートナーであり、あるカテゴリーのリーダーとなる可能性のある企業にとって(出資者として)重要な候補となる」と述べている。Battery VenturesはWagに当初から投資していた。

Leeはまた「SoftBankが投資しているジャンルには数多くのライバルが活動しており、それぞれ大きな価値を生んでいる。また〔出資者を探す場合も〕SoftBankが唯一のオプションというわけではない。上場を控えた後期ステージのスタートアップへの投資を専門としてきた投資家は多数いる」とも語っている。

SoftBankによれば、Vision Fundはすでに23億ドルの利益を上げているとしている。これは主としてNvidiaの株価上昇によるものだ。1000億ドルのファンド全体が目指すリターンはもちろんはるかに大きいものだろう。

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

パブリッシャーの広告の売上管理を助けるPlacements.ioがシード資金$3.8Mを調達

Placements.ioによると、同社はオンラインのパブリッシャーが広告料金を期日までに払ってもらえるようにするサービスだ。

ファウンダーのEdwin Fuは曰く、彼はSalesforceにいたとき、“世界最大のメディア企業数社”と仕事をして、“大きな問題に気づいた”。それは彼らの、広告の売上の回収や請求の管理が円滑に行われていないことだった。

彼によるとその問題は、オンライン広告の処理が近年ますます複雑化し、複数の異なるシステム間でデータの共有もできず、パブリッシャーがセールスのオーダーを実行するまでに手作業で43ものステップをこなし、それらに72時間もかかっていた。

そしてそこには、Fuが“需要サイド(つまり広告主)のためのツールを作る企業への異様に大きい投資”、と呼ぶ現象がこれまであり、彼の主張では、“今ではむしろ供給サイド〔広告スペースの供給すなわちパブリッシャー〕を助けることによって、均衡を達成する必要がある”。

Placements.ioは、パブリッシャーが広告の在庫や(広告主からの)オーダー、決済、請求などのすべての事務を、複数のセールスチャネルにまたがって管理できるシステムを提供する。またそのシステムは、DFP, AppNexus Ad Server, Freewheel Salesforce.com, Netsuite, MediaMathなどさまざまなアドテックシステムと統合している。

Placements.ioの創業は2014年で、今ではオーストラリアのNineMSNやZillow/Trulia, eBay, Cox Media Groupなどの顧客がいる。

その同社が今日、Revel Partnersのリードにより、380万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。そのラウンドには、Vulcan CapitalとAlpine Meridianも参加した。Fuによるとその資金は主に営業とマーケティングの拡大、そして製品および顧客サポートへの投資に充てられる。彼は、Googleが来年同社のDoubleClick Sales Managerを閉鎖することを、ビッグチャンスと見なしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa