アメリカ、国際宇宙ステーションの民営化を検討――シャトルの引退後NASAによる運営困難に

Washington Postによれば、トランプ政権は2024年に国際宇宙ステーション(ISS)を退役させる代わりに、民営化する方策を検討しているという。

Washington Postが入手した文書によれば、アメリカ政府はISSを単に洋上に落下させるのではなく、民間企業に運営を任せる方法を模索している。これに伴いNASAは「地球低軌道における人類の活動を継続するために、向こう7年の間にパートナーシップを国際的にも商業的にも拡大していく」ことになるという。

WPの記事によれば、トランプ政権は2019会計年度のNASAの予算中に、ISSの商業的運営が成功するよう方策を講じるための予算として1億5000万ドルを要求するという。これは後継運営者がISSの全体または一部を必要に応じて利用できるよう整備するためだという。

アメリカ政府はこれまでに概算で1000億ドルの予算をISSの開発と運営のために投じてきた。ISSはアメリカの他に、欧州宇宙機関(European Space Agency)、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、ロシア宇宙機関(ロスコスモス)などが主要メンバーとなって運営されている。

宇宙飛行士、 Cady ColemanがISSの窓際から地球を見下ろす(画像:NASA)

しかしNASAのエンジニアがQuoraで説明したように、NASAは「すべてのプログラムを実行するための予算がない」ため、ISSの運営を停止さざるをエなくなっていた。

NASAの衛星組み立てと日常運営部門の責任者、Robert Frostはこう書いている。

…残念ながら〔NASAは〕すべての巨大プログラムを同時に望むように実行するリソースを欠いている。ISSの建設にあたってはスペースシャトル・プログラムが必須の要素だった。しかしISSの〔基本部分の〕組み立てが終わった後、次の有人宇宙計画(Constellation)が実現する前にスペースシャトルが退役を余儀なくされた。

NASAの使命は宇宙というフロンティアの開拓にある。地球低軌道における〔有人衛星の〕経験は十分に得た以上、 NASAはこの分野を民間企業に引き継ぐことが可能だろう。【略】

将来のISSの運用にあたっては政府と民間企業による第三セクター方式が考えられるだろう。NASAが運営を停止した後のISSを大洋の墓場に落下させて葬るよりいいはずだ。

NASAでISSの運用に10年携わったエンジニア、Michael T. Suffrediniが創立したAxiom Spaceは宇宙ステーションの商業的運営を行うビジネスを目的としており、シード資金として300万ドルを調達している。エキセントリックな言動で知られるラスベガスの大富豪、Robert BigelowのBigelow SpaceもISSに新たな居住・実験区域を追加するプロジェクトを進めている。

ISSを商業的に運営することが可能かどうかについては議論があるものの、NASAがシャトルの運営を停止したときからISSの運営をこのまま続けるのは不可能だというのは動かしがたい結論だった。

ISSの運命は長年宇宙関係者の懸念することがらとなっていたが、先週、元宇宙飛行士のMark KellyはNewyork TimesのコラムでISSの運用継続を訴えている。【略】

ISSの民営化にあたっては、商業的に成立させる方策を探ることも重要だが、国際協力の枠組みを再交渉するという大きなハードルも存在する。ことにISSの建設当初に比べてアメリカとロシアの関係が冷え込んでいることが影響するおそれがある。

またアメリカがISSから手を引けば、大いに歓迎する国がすくなくとも一つある。近年、中国政府は宇宙計画に数十億ドルを注ぎ込んでおり、宇宙における役割の拡大に努力している。

Kellyは、New York Timesのコラムで「アメリカが手を引けば、その空白を他国が埋めることになるのは疑いない。それはおそらくロシアと中国だろう。われわれが重大なライバルと見ているこの両国が主導権を握れば…宇宙における活動がアメリカが信じる価値や利害に反する方向に動かされる危険性がある」と警告している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ロボットたちに基本的な動作の組み合わせを通して世界を理解させる

言われたことをこなすという点で、ロボットは申し分ない。しかし、そのための情報をシステムに入力する作業は、時にロボットに実行して欲しい作業よりも、遥かに複雑なプロセスになってしまうことがある。これがロボットは単純な反復作業に向いていると言われる理由だ。

ブラウン大学とMITの研究チームは、現実の物体と、基本動作の、抽象的な概念を開発することを通して、ロボット自身がタスクを計画できるようなシステムの開発に取り組んでいる。このシステムでは、ロボットは複雑な作業を、人間が扱いきれない程の事細かな作業手順までに落とすことなく、実行することができる。

研究者たちは2本腕のロボット(Anathema Deviceまたは”Ana”と呼ばれる)を、室内の物体を扱えるようにプログラミングした。食器棚のドアの開閉、クーラーボックスの蓋の開閉、照明スイッチのオンオフ、そしてボトルを掴むことなどだ。タスクを実行しながら、ロボットは、研究者が開発したアルゴリズムを使用して、その周囲の情報を取り込みながら、情報を処理した。

チームによれば、ロボットはそうした動作を通した情報の取り込みによって、物体と環境に関する抽象的な概念を学ぶことができた。例えばAnaは、ドアが開けられるようにするためには、その前に閉められていなければならないと判断することができた。

「Anaは食器棚の中の照明がとても明るいために、彼女のセンサーをホワイトアウトしてしまうことを学習しました」と研究者たちは発表文の中に書いている。「そこで食器棚の中のボトルを操作するためには、ライトをまずオフにしなければなりませんでした。彼女はまた、ライトをオフにするためには、食器棚のドアが閉じていなければならない(開いたドアがスイッチへのアクセスの邪魔になるため)ことも学習しました」。

一度処理されると、ロボットは1つのシンボルをこれらの抽象概念の1つに関連付ける。これは、実行する際に複雑なコーディングを必要としない、ロボットと人間との間に生み出された一種の共通言語である。このような適応性の高さが意味することは、ロボットが特定のシナリオで実行する必要のある行動を選択することにより、より多様な環境で多種多様なタスクを実行できるようになるということだ。

研究を主導するブラウン大学の助教授George Konidarisは「インテリジェントなロボットが必要な場合に、彼らにやって欲しいこと全てを、プログラムすることはできません」とTechCrunchに語った。「彼らに目標を与えて、自分たちで行動してもらうようにしなければならないのです」。

もちろん、すべてのロボットにこの方法で習得させようとすることも、同様に非効率ではあるが、研究者たちは共通言語を開発し、新しいハードウェアにダウンロードすることのできるスキルを作成できると考えている。

「将来的には、スキルライブラリが用意され、それをダウンロードすることができるようになると思います」とKonidarisは説明する。「例えば『キッチンで仕事をするためのスキルライブラリが必要だ』とリクエストすると、キッチンで仕事をするためのスキルライブラリが手に入ることになります」。

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(翻訳:sako)

【動画】Falcon Heavyの発射を見守るイーロン・マスク

この1週間、SpaceXの間違いなく巨大なFalcon Heavyロケットの初打ち上げを、私たちは眺めながら、果たしてちゃんと打ち上げることができるのだろうかと、固唾を飲んでいた。イーロン・マスクもそれは同じだった。

ナショナル・ジオグラフィックが、打ち上げの際の素晴らしい舞台裏映像を掲載した。それは打ち上げの約15秒前から、ミッションが大成功を収めたことをイーロンが認識するまでを撮影したものだ。彼らは完璧な打ち上げを成し遂げただけでなく、3つのロケットコアのうち2つを(同時に!)驚嘆すべき美しさで、着陸させたのだ。

この打ち上げは、SpaceXの本当に何年にも及ぶ努力の集大成だった。それでも何が起こるかについては、誰も絶対確実なことは言えなかったのだ。イーロンは 打ち上げ前の夜、 記者団に対して 「発射台から飛び立って、粉々に砕けなければ満足だよ」と語っていた。以下のビデオでは本当に嬉しそうな彼の様子を見ることができる。

Falcon Heavy発射直前のイーロン・マスクの様子を追った、独占舞台裏映像

(上記の動画がモバイルでは再生できないという報告が来ている。もしその場合はこのリンクを試して欲しい)。

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(翻訳:sako)

AzioのRetro Classicタイプライターキーボードは贅沢な喜び

おそらく読者は今、MacBookやその他のモダンなPCの前に座っていて、人間の指には本当の満足感を与えてくれないキーボードで、ほとんど無音のうちにタイピングをしていることだろう。遠い過去に、キーボードが何かを返して来ていた時代を覚えているひともいるだろう:「カチャカチャ」というタイプ音。それは生産性に対する「聞こえる証明」だった。

もし読者がそれを懐かしみ、取り戻したいと思うなら、新しいAzio Luxury Retro Classicキーボード(Bluetooth接続)は、素晴らしい選択肢だ。そしてそれは、タイプライターに触発された既存の贅沢なキーボード製品たちよりも比較的お手頃な価格である。だがお手頃とは言え、変わらぬ魅力を持ち、そのキーの打ち応えを愛する者たちにはたまらない、メカニカルな動作を提供してくれる。

この219.99ドル(ワイヤレス接続を必要としない場合は189.99ドル)のアクセサリには、他の比較的高価なプレミアムキーボードたちが提供しないようなものが備わっている。例えばMacとPC用の交換用キートップ、バックライト、さらには純正メタル、木材、さらには革仕上げの表面。ワイヤレスバージョンは有線およびBluetoothの両方の構成で動作し、搭載された6000 mAhのバッテリーは、2ヶ月に1度充電すれば良い。

キーボードの充電には付属のUSB-Cケーブルを使う。裏にある便利なスイッチと、前述の交換可能なキートップ(工具も不要だ、単に引き抜いて代わりを押し込めば良い)のおかげで、macOSでもWindowsでもすぐに使うことができる。

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素敵な素材のアクセントに加えて、Azioの機械的なスイッチは本当にカチカチという音が良く、私にはちょうどいい感じの打ち心地を提供してくれる。Retro Classicはまた、ネジを使って使い易い角度に傾きを調整することもできる。

キーボードはまた、大量のタイプ入力に耐えるように作られているように感じられる、少なくとも核攻撃が来るまではもちそうだ。製品は重く、ゴム製の滑り止めパッドによって机にしっかりと固定される。とはいえ、旅行時にこれを持ち歩きたくはないだろう。

もし機能的な机の装飾が欲しいと思っていて、かつ(Azioを使ってこのレビューを書きながら、しみじみと打ち心地を噛みしめている私のような)機械式キーボードの大ファンだとしたら、これは最上のお勧めだ。レトロなキーボードは見つけやすくなってはいるが、Azioのこのモデルは、私が今までに出会ったものの中で、価格、多機能性、品質のバランスが最高の一品だ。

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(翻訳:sako)

カマキリに3Dメガネをかけさせて研究したら新しいよりシンプルな立体視覚が見つかった

イギリスのニューカースル大学の研究者たちが、カマキリの上で独自に進化した立体視覚の形を発見した、と考えている。研究チームは、この昆虫の中で起きる現象をできるかぎり精密に研究しようとし、そのために虫の目に3Dメガネを装着した。

上図のように、昆虫の目につけた3dメガネは二色で、蜜蝋で一時的に接着した。そしてチームは、餌食となる虫のビデオを見せ、カマキリはそれに向かって突進した。その点に関しては、カマキリの立体視像の処理は人間のそれとほぼ同じ、と思われた。

しかし人間の3D視覚をテストするために使うドットパターンを見せると、カマキリの反応は違った。彼らの発見は、こう記述されている: “二つの目にそれぞれまったく異なる画像を見せても、カマキリは、変わっている部分のある場所同士をマッチできた。人間にはできないような場合にも、それができた”。

同大によると、その立体視覚の発見によって、カマキリは昆虫の世界で独特であることが分かった。またそれは昆虫だけでなく、猿や猫、馬、フクロウ、人間などそのほかの動物の立体視覚とも違った。カマキリの立体視覚の特徴は、二つの目の間に感受した動きをマッチングさせており、人間のように明るさを使っていない。

Vivek Nityananda博士はこう語る: “これをするほかの動物を私は知らない。このような種類の3D視覚は、現在にも過去にも例がない”。Nityanandaはさらに加えて、この種の3D視覚が過去に理論化されたことはあったが、実際の動物の中に検出されたのはこれが初めてだと思う、と言った。

このシステムは人間の3D視覚よりもそんなに複雑でない過程を経て発達し、カマキリのあまり複雑でない脳でも処理できるようになった、と科学者たちは信じている。そのことは、Nityanandaによると、3Dシステムをなるべく単純で軽量なマシンに実装しようとしているロボティクスにとって良いヒントだ。

彼は曰く、“それはずっとシンプルなシステムだ。カマキリは、両方の目の適切な位置における変化を検出しているだけだ。ロボティクスでは、二つの目の視界をマッチングさせるときに処理する複雑な細部よりも、変化の検出の方がずっと容易に実装できる。必要な計算力も少ない。それなら、はるかに軽量なロボットやセンサーにも組み込めるだろう。

画像提供: Mike Urwin/Newcastle University, UK

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Javascriptで作ったWinAmpエミュレータでインターネット・ガキだった自分を思い出そう

昔の子どものころからインターネット・ガキだった人は、WinAmpという小さなアプリケーションをおぼえているだろう。その小さなプログラムは、イコライザーのスライダーがいっぱいあって、まがい物のステレオ受信機みたいだったが、取説のMP3はWinAmpのミッションを“ラマ*の尻(けつ)を鞭でぶつこと”、と言っていた。〔*: llama, 当時のインターネット・ガキのこと〕

Jordan Eldredgeというプログラマーが、WinAmpへのオマージュをJavaScriptで作った。そのウィジェットを使えばスタンドアロンの音楽プレーヤーをどんなWebページの上にでも作れて、好きなスタイルをWinAmpの歴史から選べる。それをここで試せるし、コードはここからダウンロードできる。

“最初のヒントは、WinAmpのスキンがCSSのスプライトによく似た方法で実装されていることだった”、とEldredgeは述べている。“10代のころはWinAmpのスキンづくりで何時間も遊んでいた。コンピューターの上で初めてやった建設的でクリエイティブなことが、それだった”。

そのエミュレーターはWeb Audio APIを使って、オリジナルのWinAmpにできたことを、ほとんどすべて真似する。

“ぼくは3年前のアイデアを、いつまでも忘れられないおたくだね。‘それはやめるべきではないか?’、と自問する良識がぼくにはない。でもWinAmpのすべての機能をWebブラウザーという制限の中で作ることは、すごくクリエイティブでおもしろかった。WinAmpのスキンを考えた人も、同じような制限の中でクリエイティビティを刺激されたと思うね。ボタンを動かしたり、ウィンドウのサイズを変えたりできない中で、強力なユーザーインタフェイスを作ることは、すばらしいチャレンジだ。しかも、選択肢の多さに麻痺してしまうこともないしね”。

コード以外にEldredgeは、ボウリング場みたいなMP3プレーヤーを作りたい人のために、WinAmpのスキンをツイートするボットもリリースした。

そして極(きわ)めつけは、本誌TechCrunchのレポーターDevin Coldeweyが、これでやっと自分のオーディオファイルを整理できるようになったことだ:


[今でもWinAmpを使って手作業で音楽を整理している]

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Amazonが自前の配達サービスを立ち上げてUPSやFedExと料金で競合する

最新のWall Street Journalの報道によると、AmazonはUPSやFedExなどと直接競合する態勢を準備している。その“Shipping with Amazon”(Amazonが配送)事業は、エンドツーエンドの配送ソリューションで、片方のエンド(企業)から荷受けし、もう片方のエンド(消費者)に届ける、とその記事は述べている。

展開のタイムフレームは早い。ロサンゼルスでの最初の立ち上げは“数週間後”で、最初は、AmazonのWebサイトで売っている企業から集荷する。さらにその後は、早くも年内に他の都市に展開していく予定だ。

Amazonが、同社のeコマースプラットホーム上で売っているサードパーティの商業者にそのサービスを提供するのは当然だが、しかし将来的にはどんな企業にもその配送サービスを提供して、しかもUPSやFedExよりも料金を安くする、とAmazonは言っている。

Amazonはすでに自前のジェット輸送機集団や倉庫、クーリエサービス、海運企業まで持っているから、そのロジスティクス部門をさらに拡大することに不思議はない。FedExやUPSにも、それぐらいの陣容はある。Amazonが、長年お世話になった宅配パートナーたちともいずれ競合する、という噂はかなり前からあった。

UPSとFedExはWSJの記事の中にコメントがないので、とくに驚いてはいないようだ。Amazonも、少なくとも当面は、事業の継続のためにその配送パートナーたちのお世話にならざるを得ないのだ。

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Nintendo Switchの上でLinuxを動かすことに成功

Nintendo Lifeによると、fail0verflowと名乗るハッカーグループが、LinuxのディストリビューションDebianが動いているNintendo Switchの写真をシェアした。Nintendoは、この脆弱性をファームウェアの今後のパッチでフィクスできない、と同グループは主張している。

fail0verflowによると、NvidiaのTegra X1 SoCのブートROMに欠陥がある。このゲーム機は始動するときに、ROMにある小さなコードを読んで実行する。そのコードに、ブート時に実行されるコードがある。

つまりそのブートROMはNvidiaがチップを作ったときにその上に保存され、あとから書き換えることはできない。Nintendoがその後行うソフトウェアのアップデートによっても、そのブートROMが書き換えられることはない。ゲーム機の電源ボタンを押すと直ちにブートROMがロードされるから、それをバイパスする方法もない。

唯一の解決方法は、新しいNvidia Tegra X1チップを作ることだろう。NintendoがNvidiaにそれを頼めば、Switchのこの脆弱性はなくなる。

なおfail0verflowによれば、ブートROMをバイパスするために改造チップをインストールする必要はない。写真を見ると、彼らは何かをデバイスの右側につないでいる。そこは、右のJoy-Con用端子(UART)のはずだ。

fail0verflowがこのエクスプロイトをシェアする気になったら、海賊版など、いろんな自家製ソフトウェアの可能性が開ける。それはNintendoの経営にも、影響を与えるだろう。

〔訳注: このハッキングの詳細については、原文のコメントをお読みください。〕

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コインチェックが日本円の出金再開を正式に発表、2月13日から

今朝から一部報道で伝えられていたが、コインチェックは2月9日、日本円の出金を2月13日より再開することを正式に発表した。

同社ではNEMの流出騒動があった1月26日の16時30分すぎから、顧客の資産保護と原因究明のために日本円を含むすべての通貨の出金を一時停止していた。

今回の発表内で「日本円出金機能につきまして、外部専門家による協力のもと技術的な安全性の確認を完了いたしました」と説明。現在顧客の日本円の資産は金融機関の顧客専用口座内で安全に管理されている状況で、2月13日より出金を再開するという。

仮想通貨の出金や出金以外の機能についても技術的な安全性などの確認ができ次第、順次再開するとしている。

なお共同通信によると、流出したNEMは匿名性の高い「ダーク(闇)ウェブ」のサイトを介して、ビットコインなど他の仮想通貨に交換された疑いがあることがわかったという。現時点で交換された疑いがあるNEMは5億円分を超えたと報じられている。

Apple HomePodの予約販売はローンチ前日で売り切れ…生産量を抑えたか?

HomePodは、Appleが大ヒットをねらった製品ではない。たしかに良い音質のスマートスピーカーは売れるようだが、Appleは参戦がやや遅くて、AmazonやGoogleに水をあけられていた。また同社は、ローンチ時のSiriの機能が少ないことを、批判されていた。

しかし、ある測度に関しては、Appleの最初のアシスタント専用デバイスは文句なしだったようだ。お客様に大感謝か、あるいは少なくとも、同社の予想は間違っていなかったのだ。すなわちAppleのサイトでは、予約販売用に用意した在庫がローンチの前日に完売となった

でも、そのほかのお店にはまだ在庫があるようだから、明日大急ぎでApple Storeへ行けば、場所によっては買えるかもしれない。ただしこれは、製品の予想外の人気を示しているのか、それとも用意した在庫が少なめだったのか、どっちだろう?

しかも同社は、製品が最終的に完成してから2か月近く、リリースが遅れた。そのために、初代の製品のスタート時点の生産能力が結果的に低すぎた、ということになったのだろう。

ポジティブなレビューが多かったことも、ローンチ前のHomePodの人気に貢献しただろう。本誌TechCrunchのレビューなんか、“メジャー系のスマートスピーカーとしては文句なしに最高の音質”、と激賞している。ただし349ドルという値段の高さや、iOSとApple Musicに限定されるという弱点も、指摘していたのだけど。

運良く買えた人は、今ごろ、発送は(米国時間)2月9日という通知を受け取っているだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonがPolly WordPressプラグインを発表、ブログ投稿を音声化、ポッドキャスト化も可能に

本日(米国時間2月8日)Amazonは、新しいAmazon Polly WordPressプラグインを発表した。これを使えばブログの投稿から音声版を作成して、ブログに声を与えることができる。Amazonによれば、生成された音声は、そのブログ記事から直接再生したり、Amazon Pollycastという機能を通してポッドキャスト形式でアクセスすることができる。

このプラグイン自体は、AmazonのAWSチームと、マネージドWordPressプラットフォームプロバイダであるWP Engineによって共同で設計されたものだ。Amazonのテキスト音声変換サービスであるPollyを活用している。

2016年11月にAmazonのre:Invent開発者イベントで初登場したPollyは、生き生きとした音声を提供するために、機械学習技術を使用している。たとえばPollyは、”live”という単語が、その文脈によって異なる発音(ライブとリブ)をされることを理解している。”I live in Seattle”(私はシアトルに住んでいます)と“Live from New York”(ニューヨークからのライブ)というフレーズの両者で、liveは同じように綴られているが、発音は異なっている。これは、他のいくつかのより基本的なテキスト音声変換エンジンよりも、音声がより自然に聞こえることを意味する。

Pollyの音声エンジンは当初、47の男性と女性の声、そして24言語のサポートから開始された。その後、アマゾンは韓国語やその他5つの言語のサポートを追加し、AWSのすべてのリージョンでPollyを利用できるようにした。

囁き、スピーチへのマーキング、音質効果、ダイナミックレンジ圧縮などの機能も追加されて、テクノロジーの機能も進化した。これらの音声技術の進歩は、Alexaのサウンドをより自然にするためにも利用されている。Pollyと同様に、今年の始めにAlexaは囁くことを学び、声のピッチを変えることもできるようになった。

もちろん今回のWordPressプラグインが、Pollyがデジタルテキストを音声に変換するために使用された、初めての例ではない。このサービス自体は、任意のテキスト、すなわちニュース記事、ブログ投稿、RSSフィード、PDFなどをずっと音声に変​​換するために使われて来た。しかし、この機能をWordPressプラグインとして利用できるようにすることで、より多くのユーザーがPollyにアクセスしやすくなる。

ただし、このプラグインは、自分のインフラストラクチャ(ホストされていたり、マネージドだったり)上またはAWSに、WordPressをインストールしている人だけが利用可能であり、設定も少々必要だ。これはそれほど技術的ではない人には、やや使い難いかもしれない(手順はアマゾンの開発者のブログ上のここ、またはとプラグインページ上に書かれている)。

設定が完了すると、プラグインはブログ投稿が保存または更新されるたびに、Amazon Pollyを呼び出す。

もし技術的な心得があれば、単にポストを読み上げさせるだけでなく、Pollyの柔軟性によって、異なる行に異なる声を設定することも、引用したテキストに異なる声を使用することもできる(プラグイン自体からは直接そうしたオプションは利用できない)。Pollyは翻訳機能も備えているので、あなたのブログは他の言語を話す人に読んでもらうこともできる。

ポッドキャストを行う人たちのために、プラグインにはPollycastという機能があり、このことによって、iTunesのカテゴリ、画像、連絡先電子メール、露骨なコンテンツフラグといった、生成されるRSSフィードに含まれるiTunesのパラメータを制御することができる。

Amazon Pollyプラグインは無料だが、Pollyの利用は無料ではない。

料金は、音声に含まれる文字数に基づいて計算される。また、AWS無料ティアによって、Pollyの開始後1年間は、毎月500万キャラクタまでは無料で使うことができることは、指摘しておく価値があるだろう。

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(翻訳:sako)

FEATURED IMAGE: MRTOM-UK/GETTY IMAGES

ソフトバンクが滴滴出行と協業、タクシー配車プラットフォームの構築目指す

ソフトバンクは2月9日、世界最大級の交通プラットフォームを展開する中国の滴滴出行(DiDi)と、日本のタクシー事業者向けサービスにおいて協業することを明らかにした。

今回の協業はタクシー事業者とドライバーの稼働率向上を目的としたもの。DiDiの持つ深層学習をベースにした需要予測とスマート配車システム、ソフトバンクの日本国内の事業基盤や知見を活用してタクシー配車プラットフォームを構築する方針。2018年中をめどに大阪、京都、福岡、東京などで実証実験を実施する予定で、合弁会社の設立も視野に入れているという。

両社はこれから国内の市場環境や法令の調査と並行して、タクシー事業者や関係省庁、各ステークホルダーと連携を進め、日本の全タクシー事業者が導入可能なプラットフォームを目指していく。

DiDiはタクシー配車事業者として2012年に設立されて以降、ライドシェアサービスやカーレンタルサービスなど複数サービスを展開。2017年には約11億件の配車が実行されるなど、世界でも有数の交通プラットフォームに成長した。DiDiには現在約200万人のタクシードライバーが登録。中国では約500のタクシー事業者と提携してサービスを展開している。

TechCrunch Japanではつい昨日トヨタがJapanTaxiに約75億円を出資し、タクシー事業者向けサービスの共同開発を検討するというニュースを報じたばかり。2018年はタクシー×ITの領域が急速に進んでいきそうだ。

日用品通販の価格比較サイト「スマートショッピング」が約2億円を調達

日用品・食品通販の価格比較サイトや法人向けの残量管理・自動発注システムを展開するスマートショッピング。同社は2月9日、2017年2月までに総額約2億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

同社に出資したのはアドベンチャー、Makers Boot CampのMBC試作ファンド、シリコンバレーのVCであるNOS Ventures LCCに加え、SHIFT代表取締役の丹下大氏を含む数名のエンジェル投資家だ。

現在スマートショッピングはコンシューマー向けに日用品の価格比較サイト「スマートショッピング」、法人向けにIoTデバイスを用いた在庫管理・自動発注サービスを提供している。

価格比較サイトについては食品や生活用品について、Amazonや楽天、ロハコなどの主要ネット通販の送料を含めた価格を調べられることが特徴。購買履歴からの残量予測や商品を選ぶための独自コンテンツ、買い物の手間を減らす購買代行などのサービスも提供している。

またオフィスや飲食店、工場といった法人向けに残量管理、自動発注をサポートするサービスを運営。独自のIoTデバイス「スマートマット」を通じて商品の残量を計測し、そのデータを用いて適切なタイミングで自動発注できる仕組みを開発した。

スマートショッピングでは今回調達した資金で開発・営業基盤を強化するともに、新たなサービス開発にも取り組む方針だ。

「授業向けInstagram」のSeesawは、既に米国の学校の半数で使われている

子供たちは、誰かが見てくれていると思っていない限り、最大限の努力はしないものだ。人の多すぎる教室や、相手をしてくれない両親の下では、子供たちは学校の課題に力を注ぐことを無意味に感じることがある。しかし、 Seesawのアプリは、子供たちの学習課題を、教師、友達、お母さん、お父さんと共有できるソーシャルメディアに変えてくれる。アプリは今では全国の学校で導入が進んでおり、LinkedInのCEOであるJeff Weinerや、その他の人たちから、シリーズAラウンドで資金調達を行ったばかりだ。

Seesawでは、自撮り写真にいいね!を集めたりコメントを受け取る代わりに、生徒たちには、クイズや、お絵描き、そして理科プロジェクトに対する積極的な強化が行われる。教師のためには、Seesawは拡張された目として機能し、教室の管理に集中する手助けをする。そして、後から生徒たちがタスクを行う様子や、設問を解く様子を録画を通して見ることができる。

子供たちに授業中の作業に集中させ、教師たちに生徒たちの成果だけではなく途中経過を見ることも可能にすることで、Seesawは静かに、小学生にとって最も人気のある学習ツールの1つになっている。現在、米国の全学校の半数にSeesawを利用している教師がいる、 2016年6月にこの教育スタートアップについて取り上げたときには、まだ4分の1に過ぎなかった。現在、何百万人もの生徒たちが150カ国で、毎月Seesawを使用している。そして、スタートアップが提供するプレミアムバージョンのSeesawに、お金を払う学校や学区は1000を超えている。

「ほとんどの小学校で使われているプロダクトは、高校用プロダクトの省機能版です」と共同創業者のCarl Sjogreenは語る。Seesawのデザインは、大きくてわかりやすいボタンや、ほとんどの子供たちが既に遊ぶことに慣れているカメラ機能を使うことが特長だ。これにより、クリエイティブなプロジェクトの割り当てが容易になり、デジタルプレゼンテーションのおかげで、より多くのやりがいを感じることができる。子供たちは、自分たちの行った課題に慌ただしく点を付けられたあと、そのままゴミ箱行きになるような感覚を感じなくても良い。「従来の教室の多くは、子供たちにワークシートを通して自分自身を表現させてきました。何かを創造するために、ワークシート上の空白を埋めること以上に、型にハマったやり方を想像できますか?」。

Seesawは、Adrian Grahamと、自身の立ち上げた旅行スタートアップのNextStopをFacebookに売却し、Facebookのプロダクト管理ディレクターも勤めたCarl Sjogreenによって共同創業された。Sjogreenは写真スライドショーにアフレコを行う手段を提供する、Shadow Puppetというソーシャルアプリを2013年に開始した。これはSnapchat Storiesが立ち上がる遥か以前に登場した、クールなアイデアである、GreylockのDiscoverファンドから資金調達も行った。

Shadow Puppetは、消費者向けにはあまり受け入れられなかったが、これをクラスでのプロジェクトの発表に愛用する、教師や生徒たちもいた。9ヶ月のうちに、彼はShadow Puppetの方向転換を行い、2015年にはSeesawを立ち上げた。今ではLinkedInのCEO、元DFJパートナーのBubba Murarka、そしてReach CapitalのWayee Chuを含む投資家たちからのシリーズAの資金を、金額は不明ながら受けている。この資金のうちの一部は、Instagramの競争相手VSCOの元CTOであるMike Wuを、SeesawのエンジニアリングVPとして雇用するために使われた。

生徒たちのためのソーシャルメディア

Seesawは、iOS、Android、Kindle、Chromebook、そしてウェブアプリを提供し、子供たちが写真、ビデオ、絵、メモ、リンク、ファイル、ブログを共有し、自分の作品を説明するナレーションを録音することができる。生徒たちはまず教師のところへ行って、自分たちのコンテンツが、他の生徒たちに見せても良いような安全なものかどうかの許可を得る必要がある。教師は作品を評価したり、生徒たちにフィードバックを送ったり、クラス、生徒、トピックごとに整理を行うことができる。特殊教育の生徒たちは、特に、書くことやビデオではなく、話すことや絵を描くことで彼らの強みを活かして課題に取り組むことのできる、マルチメディアオプションの恩恵を受けている。

また親たちは、子供に家に持ち帰る宿題がなかったときでも、子供が何をしたかを知ることができる。Sjogreenは次のように言う。「素敵な瞬間は『リリー、今日学校はどうだったの?』『まあまあ』『何したの?』『別に』というやりとりをする代わりに、もっと豊かな会話に飛び込むことができるときです。『あなたの作ったこれについて教えてくれない?』という具合に」。

生徒や保護者たち向けのSeesawは無料で、教師も最初は無料で始めることができる。しかし、学校や学区が、Seesawと学生データベースと採点システムを同期させ、管理、分析、より多くの採点機能の集中化を図りたいと考えるなら、支払いを行うことになる。その場合は、年間に生徒1人当たり5ドルを支払うことになる。Seesawの1000件の有料クライアントには、100人規模の子供がいる学校や、数十万人規模の生徒を抱える学区が含まれている。それによってスタートアップの収益は、前年比3倍となった。

教室で子供たちにこれ以上「ソーシャルメディア」を与えることには、いくつかの懸念がある。私は、もし子供が他の子供の作品に、意地悪なコメントを残すとどうなるかと尋ねてみた。Sjogreenの答は、コメントは教師の承認を経なければならないので、子供がインターネット上で行動する方法を理解するための、学習機会を生み出すことができるというものだった。

また、子供たちが教室でよりデバイスを使うようになると、さらに気が散ってしまうのではないかという懸念もある。ほとんどの生徒たちは、限られたアプリや接続性だけを備えた、学校提供のタブレットでSeesawを使用しているため、勉強と遊びを混同することはない。

スタートアップたちにとって、学校への売り込みは非常に厳しいものだ。幸運なことに、Seesawの採用したDropboxスタイルのボトムアップ配布戦略は、学校がSeesawを自分のシステムに取り込みたいと感じさせるまで、プロダクトを教師に無償提供し続けることができる。それでも、アプリはより高学年の生徒たちにフォーカスし、より幅広い採点プションを提供する、FreshGradeような競合製品と競争しなければならない。

子供たちを、特に日中は、可能な限りソーシャルメディアから遠ざけておくことを希望する教師や親たちもいる。しかし、魅力的なデジタルコンテンツを創作するスキルが、様々な仕事(マーケティング資料の作成、プロダクトデザイン、もしくは単にPowerPointプレゼンテーションを行うとしても)に対して重要であるという事実から、目をそらすことはできない。教師からの強力な監督の下で、こうした体験に子供たちが触れやすくすることで、子供たちは有利なスタートを切ることができる。そして子供たちは創造性と知性が高く評価されていると感じることによって、学問の世界が提供する全ての機会に対して関心を持ち続けることだろう。

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(翻訳:sako)

17年の国内ベンチャー資金調達額は2717億円、調達規模の「大型化」進む

ベンチャー企業のデータベース「entrepedia」を提供するジャパンベンチャーリサーチは2月8日、2017年通期(1月~12月)の未上場ベンチャー企業の資金調達状況をまとめたレポートを公開した。

同レポートによると、2017年の国内ベンチャーの資金調達額は過去最高となる2717億円。前年比で21.2%増加した。資金調達をした社数自体は、金額不明な案件も含めて1003件と2011年以降でもっとも少ない(ただし公開情報が主となっているため、いわゆる「ステルス」状態のものは必ずしも含まれていないと考えられる)。

一方で1社あたりの調達額が年々増加していて、「大型化」のトレンドが継続している。2017年における最大規模の調達はPreferred Networksの128億円(8月にトヨタから約105億円を調達した際にはTechCrunch Japanでも紹介した)。全体のうち1億円以上の調達が過半数、5億円以上の調達が15%超を占める。

上述した通り資金調達をした社数自体は減少しているので、評価されるスタートアップに大きな資金が集中するという傾向が見られる。実際10億円以上の金額を集めた企業が58社あり、こちらは過去最高の数字。50億円以上を調達した社数も7社となった。

また平均値でも3.3億円とはじめて3億円を突破し、中央値でも1億円に達している。

今回のレポートでは地域別の動向や大学発ベンチャーの動向、事業提携数などについても紹介されている。なお3月中旬には通常版(今回は速報版)のリリースも予定しているという。

ハイパフォーマンスコンピューティングのためのコンテナプラットホームSingularity ProをSylabsがローンチ

オープンソースのコンテナエンジンSingularityを抱える商用企業Sylabsが、最初の商用製品Singularity Proを今日(米国時間2/8)発表した。

Sylabsがローンチしたのは2015年で、同社は科学計算やハイパフォーマンスなコンピューティングに特化したコンテナプラットホーム作ることを志向した。この二つの分野は同社のファウンダーでCEOのGregory Kurtzerによると、これまでコンテナ化の動きから置き去りにされてきた(本誌TechCrunchのコンテナ入門記事がここにある)。

Dockerが、多くのデベロッパーが選ぶコンテナエンジンとして台頭してきたが、しかしKurtzerによると、コンテナを使用するソリューションの初期のものは、マイクロサービスにフォーカスしていた。それは必ずしも間違いではないが、それにより、サービスではなくジョブに依存するタイプのコンピューティング、とりわけハイパフォーマンスコンピューティングが取り残された。

Kurtzerは、オープンソースの落ちこぼれでは決してないが、これまで20年あまり、アメリカのエネルギー省の研究所で、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のアーキテクトとして仕事をしてきた。そしてそこで彼は、オープンソースのエンタープライズLinuxプロジェクトCentOSと、Warewulfに出会った。後者は、彼によると、もっとも多く利用されるステートレスなHPCクラスターのプロヴィジョナーになっている。

彼が視点をコンテナに向ける決心をしたのは、Sylabsを創業して2016年の4月にSingularityの最初のバージョンをローンチしたときだ。そのときすでに、それの商用バージョンを作る気でいた。彼はSingularityをHPC環境のためのDockerと見なし、自分の会社もDockerみたいに経営して、オープンソースのプロジェクトをリードし、さらにその上に商用ビジネスを築きたい、と考えた。Dockerがまさにそうしているように。

今ではKurtzerは、SingularityをHPCの商用市場だけでなく、エンタープライズにも持ち込み、人工知能や機械学習、ディープラーニング、高度なアナリティクスなど、そのほかのハイパフォーマンスコンピューティング的ワークロードにもフォーカスしていきたい、と考えている。

“これらのアプリケーションはデータ集約的なワークロードを背負っているから、HPC的なリソースを要求し、今後ますます多くの企業がデータ指向の経営をするようになると、そういうワークフローを適正にコンテナ化してサポートするニーズが大きく成長する”、と同社のエンタープライズプロダクトを発表するブログ記事でKurtzerは述べている。

Singularityは、得意とするワークロードのタイプは違っても、KubernetesMesosのようなコンテナオーケストレーションツールを有効に利用でき、また、MicrosoftのAzure Batchツールなどのクラウドツールとの互換性もある。

Kurtzerによると、現在のSylabsの社員は12名で、金額は非公開だがすでにシード資金を得ている。その投資家のRStorも、まだステルス状態のスタートアップだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MicrosoftのBuildカンファレンスは5月7-9日、Google I/Oは5月8-10日でもろダブり

テクノロジー関連のカンファレンスは、スケジューリングが難しい。とくに5月は、GoogleやMicrosoftなど、ありとあらゆる企業が、その企業のその年最大のイベントを開こうとする。とくにGoogleのI/OとMicrosoftのBuildは、両社の最重要なデベロッパーカンファレンスだが、どちらも5月に、互いに1〜2週間ずれて行われていた。でも、今年は違う。

Microsoftは今日、同社のBuildカンファレンスをシアトルで5月の7日から9日まで行う、と発表した。Google I/Oは5月8日から10日までだ。これは、まずい。

Googleが最初に日程を発表して、Microsoftの立場を難しくしたのかもしれない。両社ともに、これらのイベントでその年および今後の、デベロッパーコミュニティとそのユーザーにとって重要な発表を行う。たとえば昨年のMicrosoftはBuildで、新しいデベロッパーツールとクラウドツールの発表を行うとともに、Windows 10の最新アップデートを発表した。

MicrosoftはBuildの幕開けをI/Oの一日前にすることによって、Googleの出鼻をくじく気だろう。

しかし、どちらか一方にしか関心のない人がほとんどだから、日程のダブりは大きな問題ではないだろう。MicrosoftのBuildはキーノートが二日(ふつか)にわたるから、その内容によっては5月8日は、記者たちがおもしろい二社決闘記事を書けるかもしれない。

Buildの登録は2月15日に始まる。Google I/Oのチケットは、2月22日から27日まで発売される

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Chrome、非暗号化(HTTP)ページに”not secure” の警告を表示

近くGoogle Chromeは、HTTPSの暗号化を使用していない全サイトにマークをつける。Chrome 68が公開される7月以降、Chromeは全HTTPサイトを ‘not secure’[安全ではない]として、URLバーに目立つように表示する。

過去数年、GoogleはHTTPSの使用を強力に推進してきており、ブラウザー、サーバー間の通信中にデータが他社に傍受されないように努めてきた。すでにGoogleは、Chrome 62でデータ入力フィールドのあるHTTPサイトに安全でないことを示すフラグを立てているほか、パスワードあるいはクレジットカード情報を要求するサイトについては古く2016年から同様の警告を表示している。

近く公開されるアップデートからは、入力フィールドの有無に関わらずHTTPサイトすべてが「安全ではない」と識別されるようになる。

デベロッパーにもメッセージは届いている。Googleによるとウェブサイトのトップ100のうち81のサイトが標準でHTTPSを使用しており、Chrome OSおよびMacではChromeのトラフィックの80%が、Windows版Chromeでは70%がHTTPSを使用している。AndroidのChromeでは68%だった。

しかしこれは、今でも(おそらく今後も)移行していないサイトが数多くあることを意味している。Let’s Encryptなどのプロジェクトのおかげで、今は事実上どんなサイトでも簡単にHTTPSを有効にすることができる。しかし、既存サイトでHTTPSを有効にするのは必ずしも単純な作業ではないため、ウェブ管理者やデベロッパーの中には、動いているには手をつけないでおこう、という人たちもいる。これはChromeが警告を出すようになっても変わらないかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alexaで音楽のプレイリストを作れるようになった(まずアメリカから)

最近の新製品Apple HomePodやGoogle Home Maxが示すように、スマートスピーカー(a.k.a.音声アシスタント)では何よりも音楽が重視される。一方この世界の先輩であるAmazon Echoは、オーディオがセールスポイントだったことはなかったが、でも最近のアップデートでは、そっちへ向けて小さな一歩を踏み出した。

そしてさらに今週Amazonはまた、小さいけど便利な音楽機能をEchoに加えた。Alexaを使って、プレイリストを作ったり編集できるのだ。まったく新たにプレイリストを作ったり、既存のリストに曲を加えたりできる。

この機能は数週間前にベータで導入され、今日からはAmazon Music Unlimitedのアメリカのユーザーに展開されていく。Amazonによると、これはユーザーの要望がもっとも多かった機能のひとつであり、Echoが音楽を聴くためにも利用されている証拠だ。

これまで、Amazon自身の製品は、競合製品に比べてオーディオをあまり重視していないが、最近ではSonosやHarmanとパートナーして音楽にも力を入れ始めた。しかしスマートスピーカーに関しては、Amazonは低価格製品で競合に勝とうとしているから、Echoがハイエンドのスピーカーになる可能性は低そうだ。

しかしそれでも、HomePodと違ってEchoでは、BluetoothやAUX出力で音を他のスピーカーへ 渡すことができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

黒人IT技術者の給料は未だに白人より安い(Hired調べ)

性別や人種による賃金の差別、差異は今に始まったことではない。残念なことにその状態は長年変わっていないようだ。

テクノロジー業界では、白人が年平均13万6000ドルの収入を得ているのに対して同じ水準の専門スキルをもつ黒人はこれより約6000ドル低い。またHiredのデータによると、白人IT技術者の方が高い給与を要求していることがわかった。Hiredのデータは企業1万社、6万9000名の従業員からなるマーケットプレイスに基づいている。

「人種格差の一因は、黒人やラテンアメリカ人の技術者が自分の能力を低く見積もっていることにある。これは、それまでの職場で賃金が低かったことからくる症状だ」とHired CEO Mehul Patelがブログ記事で言った。「黒人・ラテンアメリカ人の志望者は、Hiredサイトで希望給与金額を最も低く(12万4000ドル)設定していた。しかし最終的にラテンアメリカ系の志望者は、黒人志望者より1000ドル高い金額を提示された。一方白人技術者の希望金額は平均13万ドル、アジア系技術者は平均12万7000ドルだった。

また、複数民族出身者は、単一民族出身者より低賃金であることもわかった。

その他の興味深い結果として、IT技術者の給与の高い都市(サンフランシスコは平均14.2万ドル)、給与の高い業種(運送会社は平均より2万ドル高い)、IT技術者の給与が45歳を過ぎると頭打ちになることなどが報告されている。

ちなみに、オースチン、ロサンゼルス、ワシントンDCの各都市は、IT技術者に支払われる報酬に関してサンフランシスコベイエリアとの差を縮めている。たとえば、昨年オースチンのIT技術者は2016年より7%収入が上がった。世界では2016年から2017年にかけての給与増加は5% だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook