PlayStationのゲームをiOSとAndroidに移植、とSonyが発表

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どうやらSonyはNintendoに倣ってモバイルゲームにも力を入れるらしい。同社は今日(米国時間3/23)、新しい事業主体を作ってPlayStationのゲームをiOSとAndroidのデバイスに移植していく、と発表した

それはゲーマーにとってはすばらしいニュースのようだが、やや問題もある、と思われる。今日の発表によると、Sonyのモバイルゲーム部門はForward Worksと名付けられ、もっぱら日本とアジアのユーザーを対象にしていく。この事業部の正式な立ち上げは4月1日とされており、…エイプリルフールではないと思うが…、同じ日にSony Computer EntertainmentがSony Interactive Entertainmentになる。…まだまだ知るべきことが多いようだ。

SCEで日本とアジア部門を統轄するAtsushi Morita(盛田厚)が、Forward Worksの長になる。役員には、SCEのグループCEO Andrew Houseも含まれる。

Nintendoは今月、初めてのモバイルゲームMiitomoをリリースした。しかしその待望のタイトルは、同社の主軸的なリリースではない。それはむしろソーシャルアプリの一種で、ユーザーが漫画的なアバターを作る。Nintendo Wiiで作る’Miis’に、とてもよく似ている。はたして、熱心なNintendoファンにアピールするだろうか。しかしSonyは、モバイルでも“完全な”ゲームを出すらしいから、広い層にアピールしそうだ。Sonyのこの前のスマートフォンへの挑戦はPlayStation Mobileだったが、Vitaという特定のデバイスが対象だった。それは昨年、幕を下ろした

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

空前の住宅ローン借換えチャンスで、モゲチェックが攻めのリアル店舗を京橋に開設

アプリやサイトを作って「さあどうぞ」じゃ、儲からないものってあるよね。B向けプロダクトなら地道な営業や、事業展開のカギになる提携が大事だし、C向けサービスでも大きな買い物なんかだと、結局のところ利用者というのは詳しい人に会って相談をしてから利用や購入を決めるもの。

そんなこともあって、2015年6月に住宅ローン借り換えアプリ「モゲチェック」をローンチしたFintech企業のMFSが、専門家による借り換えコンサルサービス「モーゲージ・ネクスト」が受けられるリアル店舗の事業に乗り出すことを今日、発表した。

まず1号店を東京・京橋に4月1日にオープンして、コンサルから複数銀行への同時ローン申請などを代行してくれるサービスを展開する。京橋に続いて丸の内に第2号店舗を出し、2016年中には都内10箇所に同様のリアル店舗をオープンしていく。最初の2箇所が都内でも似たような立地であるのは、この辺りにコンバージョン率が高そうなビジネスパーソンが密集しているからという理由だ。

モーゲージ・ネクストの各店舗には10人程度の住宅ローンの専門家がスタンバっていて、予約来店する顧客へ無料相談と借り換えサポートを展開することになる。その一方で近隣のオフィスへ勤める会社員の元へ、昼休みなどに足を運んでコンサル業務をやる展開を計画しているそうだ。忙しくて住宅ローンの借り換えにメリットがあると分かっていても、実際の一歩を踏み出せない人のためのサービスだ。

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マイナス金利で空前の借り換えチャンス「神風が吹いた」

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MFS創業業者でCEOの中山田明氏

今日3月24日に都内で会見を開いたMFSの創業者でCEOの中山田明氏によれば、マイナス金利の影響で住宅ローンの借り換えに対する関心の高まりは大きく、「マイナス金利発表の前後で、1日の(モゲチェックの)登録者数が数十件から数百件になった」という(情報開示:MFSの中山田明氏と、この記事を書いたTechCrunch Japanの西村賢は子どもを介した数年来の友人だ)。

「むかしは金利が1%以下になってすごいと騒がれていたが、今や10年固定の金利が0.5%という世界。変動金利よりも10年固定のほうが安い、つまり長短逆転が起こっていて、住宅ローン関係者のわれわれは驚いている」(中山田CEO)という。どういうことかというと、金利を5年や10年で固定する場合は、貸す側に金利上昇で損をする金利リスクがある。このため、長期固定は変動金利に比べて金利が高いのがふつうだ。逆に借りる側は長期固定だと、ちょっと多めに返す代わりに金利上昇のリスクを避けられる。

ところが、である。

今や長期固定ですら金利が低い。いま借入や借り換えをしない手はないという状態になっているのだ。すでに住宅ローン比較サイトはいくつかあるが、モバイル・アプリや、リアル店舗展開と攻めの先陣を切っているMFSとしては、いまは「最高のタイミングで、神風が吹いたと思っている」(中山田CEO)という。

市場の10%、年間10万件の借り換えを狙う

2015年8月にMSFが住宅ローン比較借り換え検討アプリの「モゲチェック」をローンチした時にも詳しくお伝えしたが、住宅ローンというのは、ほとんどコスト負担なく借り換えができる特殊なローンだ。金利がどんどん下がって行く中で、すでに払いすぎている人がたくさんいる。MFSによれば、これまでモゲチェックで登録した1万人のユーザーのうち6割の6000人くらいが、1.5%以上の金利でローンを組んでいて、いま借り換えをすると100万円以上のメリットがあるそうだ。

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住宅ローンの借入件数は1年間で100万件程度。金額にして20兆円ほど。このうち85万件は新規借入で、借り換えは15万件ほどしかないという。住宅ローンの残高は180兆円(1200万件)もあるのに、みんな借り換えをしていないのだ。薄々メリットが数百万円になるかもしれないと思いつつ、仕事が忙しかったり、ローン審査の書類を揃えるのが面倒だったりするのが理由ではないかとMFSでは考えているという。

すでに組まれている住宅ローン1200万件のうち600万件程度が「モーゲージ・ネクスト」のターゲット利用層。MFSでは向こう3年でリアル店舗を全国の政令指定都市へと100店舗ほどに拡大して、住宅ローンの10%(年間10万件)のシェアを狙うという。店舗展開と同時に、遠隔での動画チャットコンサルや、借り換えだけでなく新規借入サポートなど住宅ローン専門の会社としての施策を打っていく計画だという。

コンサルフィーは一律20万円、高いか、安いか?

モーゲージ・ネクストによるコンサル、申請代行は、実際に借り換えをした顧客ごとに一律20万円のコンサルフィーをMFSへ支払うモデルとなっている。借り換えメリットとしてコミットした金額を下回った場合や、そもそもローン審査に通らなかった場合などは無償となる。だが、20万円という価格は高くないだろうか? MFSは「どのローンを選ぶかで支払いが数百万円変わってくるので20万円以上のメリットがあると考えている」と説明する。

今回MFSは「モゲチェックプロ」という複数ローンの比較分析ツールを新たに作って、これを住宅ローンの専門家が顧客とともに操作しながら最適なローンを提案をするようになっている。これは、すでにアプリとして出しているモゲチェックと比べて、「住宅ローンの専門家が使うので詳細な情報を入れて分析ができる」(中山田CEO)そうだ。複数ローンの比較、分析結果は表形式とグラフで表示され、返済総額やメリット額のほかに、時系列での月々の返済額の推移、返済額に占める利息の絶対額などが把握できる。金利上昇のシミュレーションもアプリ版より詳しく行える。

住宅ローンが難しいのは広告表示にある各行の金利だけを見ても、自分にとって損か得か全く分からないところ、と中山田CEOはいう。これにはいくつか理由がある。1つは「優遇幅」と言われる引き下げ幅と、その適用期間を考慮に入れた総返済額を計算しないといけないこと。広告などにデカデカと表示されている「0.35%」とか「0.5%」といった数字は、最初の5年や10年の金利でしかなく、その後の20年とか25年の金利はサイト上を探したり、パンフレットの細かい文字を読み込まないと分からないし、総返済額は実際に計算して比較しないと分からない。

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MFSが示した比較例。条件によっては0.35%より0.5%と表示されている住宅ローンのほうが総支払額が少なくなる

もう1つ、住宅ローンの比較を難しくしているのは、「どこの銀行も再優遇のケースだけを出している」(中山田CEO)という現状があるからだ。例えば楽天銀行の特約固定付き住宅ローンだと「0.590%〜」などと「〜」が小さく表示されているが、この「から」というのがクセモノ。実際には借り手の条件によって0.590%〜1.24%の間になるが、それは審査結果によって決まる数字だという。例えば5000万円のローンだと、これだけで100万〜400万円ほどの幅があるということになる。どうするかというと、複数の銀行のローンに同時に申請してその結果を比較するしかない。でも、1本だけでも申請書類の準備や検討に時間がかかる住宅ローンで個々人がそれやるのは至難の業だ、というのがMFSの言い分だ。そこでモーゲージ・ネクストでは、複数ローン申請を代行する。そのために顧客データをクラウド上に一元管理してダッシュボードで進捗や必要書類の提出具合を見える化する、ということをやるのだという。

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送客はしても、銀行から対価を受け取らないユーザー第一主義

MFSはSBIモーゲージやモルガン・スタンレー証券などで、住宅ローン証券化に取り組んできた創業者らが創設。2015年9月にはマネックスベンチャーズ、電通デジタル・ホールディングス、電通国際情報サービス(ISID)の3社から総額で約9000万円の資金調達をしている。

従来、不動産デベロッパーや銀行といった貸す側、もしくは仲介者からしかなかったローンの提案や情報提供という市場に対して、ユーザーの代理人となってユーザー利益のためだけに動くというのが、MFSの新しいところだ。20万円というのは比較的高額に思えるコンサルフィーだが、これを成果報酬として顧客から受け取り、金融機関からは金銭を受け取らないとしているのは理に適っている。ネットが証明したのはユーザー第一主義がいちばん強いということ。少しの企業からのキックバックのために本当はユーザー利益にならない銀行ローンを推奨するなんてことをしたら利用者にそっぽを向かれるだけだ。

「住宅ローンに、正解はある」をスローガンに、ユーザー側のメリットだけにフォーカスしたビジネスを展開するMFSは、既存プレイヤーが取りたくても取れないポジションを目指しているように見える。これは金融業界に限った話ではないけど、大手企業が情報の非対称性や複雑さを隠れ蓑にして過剰に利益を得ている部分をふっ飛ばせるのは、既存事業という失うものがなくて攻められるスタートアップ企業ならではだと思うのだよね。

速報:LINEが月額500円からのMVNO事業への参入を発表——関連サービスの通信料は無料

LINE MOBILE

プライベートカンファレンス「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」を開催したLINE。今後の戦略などさまざまな発表があったが、とびきり大きい発表があったので速報をお伝えする。LINEがMVNO事業に参入することを明らかにした。

サービス名は「LINE MOBILE」。NTTドコモの回線網を利用し、価格は月額500円からとなる。また最大の特徴はLINEによるコミュニケーション機能(無料通話、チャットなど)は通信料にカウントせず、使い放題とすることだ。また、他社のコミュニケーションサービスであるFacebook、Twitterに関しても通信料を無料にするという。さらに、ストリーミング型の音楽配信サービスも通信料無料にする予定だ。当初対象とするのはLINE MUSICだが、その後書く音楽サービスに連携することも想定しているという。サービスは今夏ローンチの予定。

発表は続いているため、詳細は追ってレポートする。

メッセージングサービスを超え、スマートポータルを目指す——LINE出澤CEO

LINE代表取締役CEOの出澤剛氏

LINEは3月24日、今後の戦略などを発表するプライベートカンファレンス「LINE CONFERENCE TOKYO 2016」を千葉県・幕張にて開催。誕生から5年を目前にしたコミュニケーションアプリ「LINE」を軸にした同社の今後の戦略について語った。

LINEのMAU(月間アクティブユーザー)は全世界で2億1500万人、日本、タイ、台湾、インドネシアの主要4カ国では1億4770万人に成長した。すでにメッセージにとどまらず、LINE GAME、LINE LIVE、LINE MUSICをはじめとしたエンターテインメント領域や、LINE PayやLINE TAXI、LINE NEWSをはじめとしたライフ領域のプラットフォームとしての取る組みも進められている。

カンファレンスではまず、LINE代表取締役CEOの出澤剛氏が登壇。これまでのサービスを振り返った上で、次の5年を見据えた新ミッションを「CLOSING THE DISTANCE」とすると語った。

出澤氏はLINEによって人と人、さらに人と情報、サービス、ビジネスとの距離を縮め、生活を豊かにしていきたいと語る。その実現のため、LINEは「メッセージングサービス」を超え、様々なサービスとと繋がる入り口、「スマートポータル」を目指す。
このスマートいう言葉には「賢い」という意味、そして「スマートフォン」という意味があるいう。

「PCからスマートフォンへの変化は単なるデバイスの変化ではない。1人1台、24時間持ち歩く非常にパーソナルなデバイス。検索ではなくコミュニケーション起点でユーザーが活動する。複雑でなくシンプルなサービスが求められる。言い換えると『コミュニケーション中心、人間中心』に設計し直される必要がある。我々はスマホ時代に合った最高のポータルをやっていく」(出澤氏)

カンファレンスは現在も開催中。追って発表をレポートしていく予定だ。

GoogleがSplunk, BMC, Tenableとパートナーしてハイブリッドクラウドのセキュリティをアップ

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IBM, Cisco, それにMicrosoftなどはこのところ、ハイブリッドクラウドを採用している企業向けのサービスを拡大しているが、そのバスに乗り遅れたくないGoogleは今日(米国時間3/23)、市場での地位を今よりも前進させるための、さまざまなパートナーシップを発表した。具体的には、GoogleのクラウドプラットホームとAWSの両方にまたがるITオペレーションを管理するためのプラットホームGoogle Stackdriverが、SplunkBMC、およびTenable統合して、IT opsなどの領域におけるセキュリティとコンプライアンスの向上を助ける。

ハイブリッドクラウドでは、エンドユーザーが複数の多様なコンピューティング環境をひとつにまとめて運用していることが多いから、サービスの拡張をサードパーティとのパートナーシップで行うのは、むしろ理にかなっている。

GoogleのクラウドプラットホームのプロダクトマネージャーDeepak TiwariとJoe Corkeryはこう語る: “サードパーティによるリッチなopsソリューションを統合することは顧客にとって重要であり、また顧客たちの多くがすでに、プライベートやパブリックなクラウドにおけるハイブリッドなオペレーションを管理するために、これらのツールを利用している”。

Splunkの統合は、それを使うためにユーザーがSplunk Enterpriseの登録ユーザーである必要がある。それらのユーザーにSplunkは、GCPのトラフィック上のインサイトを提供する。とくにそのセキュリティ情報機能とイベント管理機能(Security Information and Event Management(SIEM))がGoogleのPub/SubメッセージングAPIで統合され、データを複数のアプリケーション間でルーティングする。

同じくBMCの統合も、BMCのユーザーに、すべてのアプリケーションを管理する能力を一つのウィンドウで与え、セキュリティとコンプライアンスをモニタする。

Tenableの統合は、そのSecurityCenter Continuous Viewプロダクトが中心だ。GCPユーザーはそこで、どのアプリケーションやデバイス、あるいは人間が今このネットワークにアクセスして仕事をしているか、をモニタできる。SecurityCenter Continuous Viewは、オンプレミスとクラウドの両方の環境で使える。

一般的にこういうやり方は、サードパーティのプロダクトにとって、ビジネスを拡大する方法の一つでもある。ここではSecurityCenter CVをインストールしてGoogle Cloud Platformの中でサービスアカウントを作り、Tenableのサービスアカウントにパーミッションを割り当てる。あるいはPub/Subメッセージングを使ってもよい。


 

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GoogleがクラウドモニタリングツールStackdriverを改造してAWSとGoogle Cloudの統一的なビューを提供

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今日(米国時間3/23)サンフランシスコで行われたGCPNext16で、GoogleがGoogle StackDriverのローンチを発表した。それはIT部門が全システムを統一的にモニタし、アラートを受け取り、異常事を管理し、ログを取り、これら各カテゴリーをダッシュボード上に視覚化して点検できる、という総合管理ツールだ。

Googleがマサチューセッツ州ケンブリッジのStackdriverを買収したのは2014年で、当時の同社は主にAWS上のクラウドのモニタリングをメインの業務としていた。Googleは同社のチームを支援して、AWSのサポートを続けながらGoogle Cloud Platform(GCP)もモニタリングの対象にできるようにした。

しかも今のStackdriver(“Google StackDriver”)は、単一のツールによるAWSとGCPの一体的管理とモニタリングが売りであるだけでなく、その高度なカスタム化を可能にしている。たとえば、CPUスパイクよりもむしろメモリスパイクがあるとアプリケーションが問題を起こす、という場合は、アプリケーションにメモリの問題が生じたときのアラートを報告させるようにできる。そうすれば、少なくとも理論的には、問題が制御不能の状態に陥る前に対策を講じられるだろう。

Stackdriverが記録するログを検索すると、GCPとAWSのクラスタを単一のインタフェイスで調べることができる。インスタンスが容量ぎりぎりになっていたらアラートするので、担当SVPのDiane Greeneは今日のキーノートで、クラウドのベンダが顧客の成功を確実化できる、という言い方をした。彼女によると、ベンダ(Google)は顧客の容量(インスタンスのサイズ)計画を助けられるし、リソースの追加が必要になれば早めにお知らせできる。これらのことで顧客は、頭を悩ます必要がなくなる。このツールは、そういったインサイトをユーザーに提供する。

そのためにこのツールは、エラー報告も出力する。これもまた高度なカスタム化が可能で、クラウド上で動いているアプリケーションの問題点を、ユーザーに警告する。

Greeneによると、このツールの主なねらいは、クラウドのインスタンスに今何が起きているかを視覚化して、簡単に分かるようにすることだ。それがGCPであっても、AWSであっても、同じように、そしてまた、柔軟性に富みカスタマイズの幅の大きいモニタリング環境であること。

基本的にGoogleはここで、二つのことをやろうとしている。ひとつは、GCPとAWSを一体的にモニタすることによって、AWSとは違う姿勢を見せつけること。そしてまた、自分たちもクラウドの技術者でありユーザーだから、技術者の仕事をやりやすくするためのツールならお手の物、という自分たちの強みの訴求だ。

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Google、音声認識APIを公開。Nuanceと直接対決へ

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Googleは同社の音声認識APIをサードパーティーデベロッパーに開放し、Nuanceをはじめとする音声認識会社と直接競合しようとしている。デベロッパーを引き込むために、アプリは当初無料で提供され、後日有料になる予定だ。

このサービスについては数週間前から噂されていた。Googleは今日(米国時間3/23)、同社のクラウドユーザーカンファレンス、NEXTで正式に発表した。そこでは機械学習に関する最新状況も発表され、中でも新しい機械学習プラットフォームが注目される。

Google Cloud Speech APIは、80言語以上に対応し、どんなアプリケーションからでもリアルタイムストリーミングあるいはバッチモードで利用可能で、アプリケーションが「見る、聞く、翻訳する」ためのAPI一式を提供する、とGoogleは言っている。これは、Googleアプリの音声検索やGoogleキーボードの音声入力で使用されているものと同じニューラルネットワーク技術に基づいている。他に、騒音環境やリアルタイムで使うための興味深い機能がある。

Googleの一手は業界全体に大きな影響を与えそうだ ― 特にNuance。Nuanceは長年業界最高の音声認識を提供していると考えられており、間違いなくこの種のサービスの中で最大だ。スタートアップ企業を含めNuanceの顧客の中には、Googleに乗り換えるところもでてくるだろう。GoogleのAPIは現行サービスより優れた体験を提供するだけでなく、低価格で提供される。

デベロッパーの関心を早く集めるために、APIは完全無料で提供される。いずれは有償化されるだろうが、低価格の利用プランが用意される可能性は高い。Googleは今後業界を支配する立場に立った後、値上げするかもしれない。

Googleはこれまで自社の音声技術を限定的に提供してきた。例えばデベロッパーはJavaScriptでChrome APIを呼び出すことが可能で、そこから音声認識APIが呼ばれる。Googleは2015年のGoogle I/OVoice Interaction APIを発表しており、Androidデベロッパーはアプリに音声操作を追加することができる。しかし、音声認識APIの直接アクセスを開放したことはなかった。

音声認識APIの公開は、Nuanceやの音声認識プロバイダーに影響を与えるだけでなく、Appleに対する攻撃と見ることもできる。同社のバーチャルアシスタントSiriの音声認識能力は、Google製と比べて影が薄い。デベロッパーがSiriの技術をアプリで使うためのAPIもまだ提供されていない。

Googleが音声技術に大きく力を入れようとしていることを示す兆候は数多く見られる。例えば同社は去る2月に、Googleドキュメントの編集と書式設定を音声で行えるようにしたことを発表した。

イベントで新しい情報が入り次第続報の予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Geckoのロボットは、発電所の困難な検査を代行して人間の事故を防ぐ


Y Combinator出身のGecko Roboticsは、壁を登るロボットを使って、全国の発電所で何人かの命を救いたいと考えている。.

Gecko独自の磁気接着技術はgecko(ヤモリ)の足と同じように働き、ロボットは壁を這い回って損償箇所を発見することができる。

通常は人間が検査を行うが、そこには常に危険が伴う。Geckoによると、殆どの発電所が年に1回以上閉鎖してボイラーの損傷を検査する。この検査を行うために45メートルの足場が組まれ、人間が壁を登って修理が必要な箇所を見つける。検査は最大7日間を要し、発電所は1日当たり100万ドルを失う。

しかし、Geckoは5万~10万ドルでロボットを配備し、人間検査員に代って作業を行い時間と費用を節約する。

現在このスタートアップはいくつかの米国発電所と作業中で、年内の黒字化を目指している。本誌は共同ファウンダーのJake Loosararianに、彼の壁登り検査ロボットについて話を聞いた。上にインタビューのビデオがある。

Geckoは、2016年のY Combinatorデモデーでデビューを果たした。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BMWがAndroidアプリの統合を発表、最初はiHeartRadio, Pandora, Spotify

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BMWはそのほかの自動車メーカーとともに2011年にiPhonesとの統合を導入したが、それから5年後の今年、New York International Auto Show(ニューヨーク国際自動車ショー)でついに、BMV AppsがAndroidデバイスと統合する、と発表した。2016年のBMW 7 SeriesのiDriveシステムで動く最初の3つのアプリはすべて音楽系で、iHeartRadioPandora、そしてSpotifyだ。

当面は特定の車種と特定のアプリのみだが、今後はそのほかのBMV車種やMinisにも、さらに多くのAndroidアプリが載る可能性がある。ユーザーはBMWのConnectedアプリをダウンロードして、自分のスマートフォンからiDriveとBluetoothで音楽をストリーミングする必要がある。Pandoraでは指の上げ下げ(好き/嫌い)ができるし、Spotifyの有料や無料のアカウントでプレイリストにアクセスできる。またiHeartRadioではライブのラジオ放送を全国で聞けると同時に、ご自分のFavoritesの曲も楽しめる。

Appleは同社のプラットホーム向けに開発されるアプリを厳しく管理しているから、スマートフォンと車載エンタテイメントシステムを統合した初めてのメーカーの一つであるBMWも、iPhoneアプリならドライブ時の安全性に関して安心できる、と思っている。それに比べるとAndroidのアプリ環境は意図的によりオープンだが、今や多くの見込み客のポケットに入っているデバイスを、BMWとしても無視できなくなった。

BMWが今回選んだ三つの人気アプリはいずれも、運転者が簡単に安全に操作できる。すべてのアプリがiDriveを使用し、プラットホームの違いを超えて、運転時の安全が確保されている(たとえば長いプレイリストを見るときでも路面から目が逸(そ)らされない)、とプレスリリースは述べている。iDriveを使用するアプリに関しては、それらが運転者の注意をあまり奪わないことを、BMWは検証している。

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FBIはイスラエル企業と協力して、サンバーナーディーノ事件のiPhoneをアンロックしようとしている

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イスラエル企業のCellebriteが、サンバーナーディーノ銃乱射事件に関与したiPhone 5cをアンロックする手段を探しているFBIから指名されたことを、イスラエルの新聞、Yedioth AhronothReutersが報じた。Cellbritechは、法執行機関や諜報機関向けに科学捜査方法を開発している。

月曜日(米国時間3/21)米司法省は、第三者からiPhone 5cのアンロックへの協力が提案されたため、第一回聴聞の延期を要請した。Appleは延期に反対しなかった

今後FBIは、この代替手段が功を奏するかどうかをこの第三者と協力して解明しなければならない。司法省は4月5日までに結果を法廷に提出する見込みで、もしこの方法が有効なら訴訟は棄却される。

去る2月、All Writs Act[全令状法]に基づいて当初の政府要求がなされた。しかし、全令状法は代替手段が存在する場合には適用されない。このため政府は、AppleのみがこのiPhoneをアンロックできることを証明する必要があった。

そして司法省が最初にとった行動はまさしくこれだった。

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Mashableが入手した、Apple、司法省、および裁判所の三者間で月曜日(米国時間3/21)に行われた電話会議の記録によると、その第三者は間際になって現れた。

「この可能性を知ったのは今日になってからで、今日の午前に、Appleが必要ではない可能性がわかった」とTracy Wilkinson連邦検事補は言った。「そしてわれわれには、現時点でこれを表明する誠実な理由がある」。

しかし、今日に至るまでの間この第三者を巡ってちょっとした謎があった。どうやらそれはCellebriteらしい。FBIは電話会議のあった日に会議の直前にCellbriteと契約を交した。

TechCrunchはCellbriteに接触したが、会社はコメントは拒んだ。

カリフォルニア州選出共和党下院議員、Darrell Issaは司法省の戦略をかねてから批判しており、今週の方針転換はFBIと司法省が全令状法の適用を急ぎすぎたことの証明だ。「政府は、今後サイバーセキュリティーの未来に劇的な影響を与えるであろう広範な権限に頼る前に、あらゆる可能な手順を踏むことが重要だ」と、IssaはPoliticoの取材に答えてで語った。「この訴訟で、それができていなかったことは明白だ」。

Cellbriteがごく短時間のうちにOS 9のセキュリティーツールを発見し、最近になってデータをアクセスできる確信を得た、という可能性もある。

さらには、FBIはこの選択肢の存在をずっと以前から知っていて、司法省は本訴訟に悲観的だった可能性もある。プライバシーとAppleにとって有利な前例を作るよりも、延期の後に訴訟を棄却する方が得策だろう。

いずれにせよ、月曜日の電話会議でAppleは、この新たな手法の詳細が必要であることを明確に示した。これは、訴訟がすぐ取り下げられなかった理由でもあり、Appleがこのセキュリティーホールを修正したかったためだ。

そしてもし2番目のシナリオが正しければ、FBIはテロ悲劇に乗じて前例を作ろうとしていたことを意味する。これが、1台のiPhoneの問題ではなく、FBIは18ヵ月前に公開されたiOS 8以来のiOS暗号を弱体化する方法を探している、ということをわれわれは既に知っている。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

機械学習は、どのように実際のビジネスで活用されているのか

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【編集部注】この記事の著者、Lukas Biewaldはクラウドソーシングで人間によるデータの収集、クレンジング、ラベル付けなどをするCrowdFlowerのCEOだ。

機械学習がハイプ・カーブの頂点にあることに、疑問の余地はない。もちろん、それに対する反発もすでに相当なものだ。「機械学習は10代のセックスのようなもの。みんな話題にするが、だれも実際にやったことがない」という古いジョークを、先週だけでも20回くらい聞いただろうか。

だが機械学習はすでに、ビジネスに大きな変革をもたらしている。機械学習を実世界で活用するための膨大な数のプロジェクトの手助けをする会社の経営者である私からしてみれば、それは明らかだ。

変革が起きているのは、「Siri」や「Amazon Echo」などの未来風な製品上だけではない。機械学習と言われて私たちが思いつくような、巨額のR&D予算をもつGoogleやMicrosoftなどの企業に限ったことでもない。現実には、Fortune 500の企業のほとんどが、すでに機械学習によって経営を効率化させ、利益を増やしていると断言してもいい。

では、どのようなところで機械学習が使われているのだろうか?毎日のように私たちの生活をより良いものにしてくれる、ビジネスの裏側に隠されたアプリケーションをいくつか紹介しよう。

ユーザー生成コンテンツをより価値のあるものにする

平均してみれば、ユーザー生成コンテンツ(UGC)は粗悪なものだらけだ。あなたが考えるより、実際にはもっとひどい。誤字や下品な言葉だらけのこともあれば、あからさまに間違った情報だらけということもある。だが機械学習は、最良のUGCと最悪なUGCを特定し、悪いものをつまみ出して、良いものを浮かび上がらせることができる。人間がUGCの内容に1つ1つタグ付けする必要はない。

しばらく前には、スパムメールについても似たようなことが起きていた。かつてのスパムメールの厄介さを覚えているだろうか?機械学習はスパムを特定し、言ってみれば根絶したようなものだ。そのおかげで、毎朝メールボックスに横たわるスパムをみることは最近めっきり無くなった。近い将来、UGCに関してもそれが起こると期待してほしい。

Pinterestは機械学習を使って、あなたがもっと興味を持つようなコンテンツを表示してくれる。機械学習を活用して、Yelpはユーザーがアップロードした写真をフィルターし、NextDoorはメッセージボード上のコンテンツをカテゴリー別に分類する。Disqusがスパムコメントを取り除くことを可能にしているのも、機械学習だ。

お目当ての製品をより早く見つける

当然のことながら、検索サイトを運営するGoogleは、つねに先頭に立って機械学習のリサーチャーを雇ってきた。それどころか、先日Googleは同社の検索部門のリーダーに人工知能のエキスパートを指名したのだ。ただ、巨大なデータベースにインデックスを付けて、キーワードにマッチする結果を引っ張り出す技術自体は1970年代から存在していた。Googleが他と違うのは、最も関連性の高いものが何かを理解しているということで、これは機械学習によって実現されている。

だが、スマートな検索結果が必要なのはGoogleだけではない。Home Depotは、巨大な在庫の中から、どのバスタブが顧客のへんてこな風呂場の形に合うのかを表示する必要がある。Appleはapp storeの中から、ユーザーの検索に対して関連度の高いアプリを表示しなければならない。ユーザーが特定の納税申告用紙に記入する際に、Intuitはそれに適したヘルプページを表示してあげる必要がある。

LystTrunk Archiveなどの、成功しているeコマースのスタートアップ企業たちは、質の高いコンテンツをユーザーに提供するために機械学習を活用している。Rich RelevanceEdgecaseといった他のスタートアップも、機械学習ストラテジーを導入し、顧客が製品を眺める際に機械学習の恩恵を与えている。

顧客にエンゲージする

最近のコンタクトフォームは小さくなったと感じる人もいるかもしれない。顧客とのエンゲージングは、そのプロセスを効率化するために機械学習が活躍したフィールドの1つだ。問い合わせの内容をユーザーに選択させ、数えきれないほどのフォームに記入させる代わりに、機械学習が顧客からの要求の主旨を理解して、担当部署にフォームを届けている。

一見すると小さなことのように思えるが、問い合わせ内容を分類して、所定の部署に届けるという作業は、大企業にとっては非常に大きなコスト負担になりかねない。セールスに関する問い合わせは営業部門に、苦情はカスタマーサービスに届けることで、企業は時間とお金を大きく節約することができる。それと同時に、問題が見つかればそれを優先事項として分類し、迅速な解決につなげることも可能にしているのだ。

消費者行動を理解する

機械学習はセンチメント分析においても、その威力を発揮する。マーケティングに通じてない人からすれば、消費者からの声は実体のないものに感じるかもしれないが、実際にはそれは経営判断を大きく左右するものだ。

例えば映画のプロダクションが、夏の大型作品のトレーラーを発表するとしよう。それに際して彼らは、ターゲット顧客の声をモニタリングし、何が彼らに響いたのかを把握することができる。そして、顧客の反応にあわせて広告を修正することで、ヒット作を生み出すことを可能にする。

ほかの例も紹介しよう。先日、ゲーム会社が人気ゲームタイトルの最新作を発表した。だが彼らは、ファンが待ち望んでいたゲームモードを、その新作品に含めていなかった。それに対して、ファンたちはSNSで新作への不満をもらしたのだが、ゲーム会社はそれをモニタリングすることで顧客の反応を理解することができた。そこで彼らは新作のリリース日を延長し、待望されていたゲームモードも追加する結果となった。新製品に対して中傷していた人々を、応援者に変えたのだ。

何百ものツイートから、顧客が発するかすかなシグナルをどうやって抽出したのだろう?機械学習を使ったのだ。そして機械学習によるソーシャルメディア・リスニングは、ここ数年のうちにビジネスの標準的なプロセスとしての地位を確立した。

次のステップは?

機械学習のアルゴリズムを扱うのは、少しばかり厄介だ。通常のアルゴリズムは予測可能で、そのアルゴリズムがどうやって動いているのか、ボンネットを開けて確認することができる。一方で機械学習のアルゴリズムは、ある意味では人間のようでもある。ユーザーとしては、「ニューヨーク・タイムズは、なぜあんな変な広告を表示したのだろう」、「なんでAmazonは、こんな滑稽な本をオススメしたのだろう」という疑問に対する答えを欲しがるものだろう。

だが実際には、ニューヨーク・タイムズやAmazonはそれぞれの結果に対して、なぜそのような結果になったのか、もはや理解していない。それは、私たちがなぜディナーにタイ料理を選んだのか、なぜWikipediaを見ているうちに思いもよらなかったページに迷い込んでいるのか、という理由を理解していないのと同じことだ。

ほんの10年前、機械学習のキャリアを積みたければ、就職先に選ぶのはGoogleかYahooくらいしか候補がなかった。だが、今はそうではない。機械学習はいたる所にある。データは以前より一般的になり、アクセスも容易になった。「Microsoft Azure ML」や「IBM Watson」のような新しい製品が、最先端の機械学習アルゴリズムにかかる、セットアップコストと運用コストの両方を引き下げた。

それと同時に、ベンチャーキャピタル各社はWorkDay’s Machine Learning fundBloomberg BetaData Collectiveといったファンドを立ち上げた。これらのファンドは、ありとあらゆる業種の、大きな競争優位を生み出すために機械学習を活用している企業に特化して投資をする。

機械学習についての話題のほとんどは、大衆が興味をもつAIパーソナルアシスタントや、自動運転車に関するものばかりだどちらもクールな取り組みだ!)。しかし、あなたが利用している、ほぼ全てのWebサイトにおいて、機械学習はこっそりと活用されているのだ。ビックカンパニーが機械学習に投資している理由は、それがブームだからでも、それが単に最新鋭の技術だからでもない。彼らが機械学習に投資するのは、それがポジティブなROIを持つからだ。だからこそ、イノベーションは続いていくのだ。

原文

(翻訳:Takuya Kimura)

Googleが開発者向けに新たな機械学習プラットフォームをローンチ

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Googleは本日サンフランシスコで開催しているNEXT Google Cloud Platformのユーザーカンファレンスで、 新しい機械学習プラットフォームを発表した。Googleの会長であるEric Schmidtは今日のキーノートで機械学習が「次に来るもの」を学ぶことになると話す。この新しいプラットフォームでは、InboxのSmart Reply機能などで使用されているGoogleの機械学習の知性を開発者が簡単に使えるようになる。

このサービスは、現在限定プレビュー版を試すことができる。

「主要なGoogleアプリケーションはCloud Machine Learningを使用しています。Photos(画像検索)、Googleアプリ(音声検索)、Translate(翻訳)、Inbox(Smart Reply)などです」とGoogleは言う。「このプラットフォームはクラウドサービスとして利用でき、あなたのビジネスアプリケーションにこれまでにないスケールとスピードをもたらします」。

GoogleのCloud Machine Learningプラットフォームは基本的には2通りの利用ができる。1つは、開発者が機械学習モデルを自分たちのデータで開発する方法と、もう1つはGoogleが予め鍛えたモデルを使用することだ。

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これらの機械学習モデルを鍛えるには(結構なコンピューター処理が必要)、開発者は Google Cloud DataflowGoogle BigQueryGoogle Cloud DataprocGoogle Cloud StorageGoogle Cloud Datalabなどのツールで得たデータを使用することができる。

「Cloud Machine Learningは、データ入力から予測するところまで全てを担います」とGoogleは言う。「結果、全てのアプリでGoogleのサービスを支えているのと同じディープラーニングの技術を活用することができます」。

予め鍛えられたモデルにはGoogle Translate APIやCloud Vision APIに対応しているが、Cloud Speech APIここから詳細が読める)といった新サービスにも対応している。Cloud Speech APIは、Googleの音声検索や音声で操作できるアプリなどで活用されている。80言語以上で音声からテキスト変換を行うことが可能だ。

Googleは本日のキーノートで社内で開発していた技術を開発者にとって限りなく使いやすい形で提供することが目標だと強調した。Googleは他にもTensorflowといったオープンソースツールも提供していて、コミュニティーがGoogleのツールを自分たちのために使い、改善していくことができる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

アジアでの海外送金をより速くより安くーInstaRemが500万ドルを調達

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シンガポールに本社を置く海外送金・決済のスタートアップInstaRemが、Vertex Venturesを主要投資家とするラウンドで500万ドルを調達した。

シリーズAのラウンドには、Vertexのように政府系投資ファンドTemasekの子会社であるFullerton Financial Holdingsと既存投資家Global Founders Capitalが参加した。

次々と登場するFintech企業によって、為替レートや高い手数料などの国際送金の苦悩から銀行の顧客を開放してくれることが期待できそうだ。Skypeの元社員らによって創業され、Andreessen Horowitzなどのアメリカの投資会社によって支持されているTransferWiseが、他より安い手数料や良い為替レートを提供しているが、通常国境を越えるサービスは日数を要しサポートにも限界がある。

ここがInstaRemが差別化を図るポイントだ。

同社はアジアでのサービスにフォーカスし、銀行やMoneyGram、Western Unionのような老舗の送金サービスよりも低い手数料(InstaRemの手数料は通常1%以下)をチャージする。そして送金自体は即日もしくは翌日までに完了する。

サービスはオーストラリアから開始した。InstaRemは顧客数は明らかにしていないが、創業者でCEOのPrajit Nanuによると、たった1年でインドへの決済のうちすでに2%を占めたとのことだ。

Nanuは、InstaRemの平均取引額が典型的な送金会社の倍の1800ドルで、60%は取引をリピートし新規顧客の80%が登録後5日以内に口座振替をするということも付け加えた。

TransferWiseのような会社は、様々な顧客の取引を流動資金として利用しながら海外送金を行うために、無数の銀行口座を使う。一方InstaRemはより昔ながらの方法を使う。すでに外国の通貨で取引実績のある中規模の銀行と取り組むことでうまくいく。今にも出港しそうな輸送会社の貨物船に箱を置くようなもので、従って仮に自分で船を探さなくてはいけない場合に負担するコストに比べると、はるかに安く済ませられるのだ。

銀行はもしかしたら除外されると感じるかもしれない。しかし、国際決済は銀行のビジネスのうちごく一部であり、中規模の銀行はむしろ取引量の増加が見込めると期待しているためInstaRemのような会社に興味を持っている。

同社はオーストラリア、香港、カナダで金融機関としてのライセンスを持っており、現在シンガポール、マレーシア、日本、ルクセンブルク(ヨーロッパ中に銀行を開けることができる)、アメリカ合衆国のいくつかの州でも、ライセンス取得に向け進行中とのことだ。Nanuによれば、「焦点のメインはアジア(の顧客)になるだろう」。

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海外駐在者や故郷に送金したい移民の一世など個人の利用を超えて、InstaRemは中小企業にもよく利用され、顧客のうち20%は中小企業が占めているとのことだ。ビジネスでの利用ではない顧客はコスト節約をありがたく思う中、ビジネス目的の顧客はより速い取引時間にも夢中になっているとNanuは話した。

「私達の中小企業のお客様のうち何社かは価格に惹かれ利用してくれていると思っていたが、最近ある一社が、InstaRemを利用する一番の理由は銀行よりも長く請求書の上に座っていられるからだと伝えてくれた」とNanuが思い出しながら言った。

言い換えると、即日海外送金は小規模なビジネスのオーナーにとって、支払期日の直前までお金を手元に置いておけるため、彼らのキャッシュフローを助けていると言える。

InstaRemは現在20名のスタッフでシンガポールを拠点にしており、シドニー、シンガポール、ムンバイ、ニュージャージー州にオフィスがある。Nanuは年末までに月間100万ドルの取引額を目標とし、同時に会社とサービスもネパールやブータンなど「より遠くの場所」を含むより明確な市場へと拡大させていくと話した。

InstaRemは最近南アジアの銀行口座を持たない層への新プロダクト開発を行っており、銀行への新サービスの提供のためそのメッシュネットワークへ入り込もうとしている。後者は、初めてのテックスタートアップへの投資を行ったFullertonとの関係が役に立つ領域だ。なぜなら、Fullertonは東南アジアの銀行に多数投資を行っているからだ。

 

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(翻訳:Kana Shiina)

ご注意! 新しいiPad ProのデュアルSIMについてAppleの意図を知っておこう

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Appleが新しい9.7インチのiPad Proを発表したとき、ひとつの技術的問題が目を引いた。Appleのサポートデスクに寄せられた質問の大半がこの問題に関するものだったという。つまりApple SIMが内蔵になったという点だ。 AppleはiPad Air 2でAppleはApple SIMを発表した。これは一般的なSIMカードの形状だが再プログラム可能だった。ユーザーはデバイス上の設定から世界に何十種類もあるキャリヤを自由に選択できた。

Appleにとっての利点は明白だ。プログラマブルSIMならどんなキャリヤとも互換性がある。無線ネットワークがデバイスのサポートする規格を採用してさえいればよい。Appleは世界中でただ1機種を発売するだけですむ。

しかし問題はApple SIMが従来のSIM同様、取り外して交換できるという点だった。一部のキャリヤはユーザーが書き換えできないようにしたプログラムしたSIMを取り付けて販売し、結果的にAir 2を自社ネットワークにロックしてしまった。そこで新しいiPad ProではSIMを内蔵させるという対策が取られたわけだ。では内蔵SIMが再プログラムされるとどんなことが起きるのかというのが大きな疑問となる。その答えは簡単にいえばこうだ。

  • Verizon版のiPad Proの場合、内蔵SIMは無効化される。VerizonのiPad Proを海外で使うには現地で利用できるキャリヤの物理的SIMカードを装着する必要がある。
  • AT&TのストアでiPad Proを買った場合、内蔵のApple SIMは有効。ただしアメリカ国内、国外ともAT&Tネットワークにロックされる。しAT&Tのストアから直接購入せず、他の経路からデバイス入手し、後でデバイス上の設定から内蔵SIMにAT&Tをプログラムした場合、アメリカ内外ともにアンロック状態となる。つまりAT&Tから買った場合はSIMはロックされ、国外で使う場合もAT&Tが定めたローミングを利用することになる。後でAT&Tを選択した場合、 内蔵SIMはロックされておらず、後でキャリヤをAT&T以外に変更することができる。
  • 他のアメリカのキャリヤはロックをかけていない。T-Mobileは安全だ。しかし日本ではキャリヤ独自のストアから購入したデバイスはそれぞれのネットワークに接続するようプログラムされている。他の日本のキャリヤに変更することはできるが、海外のキャリヤには変更できない。〔この点についてはAppleサイト参照〕。
  • AT&TとT-Mobileは内蔵のApple SIMに対応している。AT&Tのデバイスに新たにT-Mobile SIMを装着すれば内蔵SIMは上書きされ、T-Mobileが利用できるようになる。Wただし、T-MobileのSIMを抜くとAT&T接続に戻る アップデート:ユーザーはSIMを抜き差しする必要はない。どちらのキャリヤもデバイスの設定から携帯ネットワークを選択できるようになっている。

以上からは、さほどすばらしいニュースだとは感じられないかもしれない。しかし後でキャリヤを変更するユーザーにとって非常に有利な点が一つある。新しいiPad Pro 9.7インチはデュアルSIMだ。つまり内蔵のApple SIMに加えて筐体右側面〔日本版注〕にSIMスロットが設けられており 内蔵SIMがAT&Tにロックされていても他のキャリヤのSIMカードを挿入して利用できる。つまり内蔵のApple SIMのロックと関係なく、他所で購入した他のネットワークの物理的SIMカードを使うことによって、ロックを無効化できるということだ。このデバイス自体はどのキャリヤに対してもロックさせることはできない。

やっかいな問題を巧みにかわしたといえそうだ。こうしたテクニカルな話題を紹介するのは、Appleは今後発売されるデバイスでも内蔵SIMを利用する可能性が高いと考えたからだ。もちろんAppleがキャリヤを説得して自社へのロックを止めさせることができれば理想的だ。しかそのようなユートピア的夢想が簡単に実現するとは思えない。

依然としてわかりにくい話ではあるが、この説明でいくぶんなりと混乱が収まることを願っている。

〔日本版〕 新iPad Proのnano SIMカードのトレイはホームボタンを下部に縦に保持したときの右サイト(長辺)の下部にある。実機が出荷されていないので日本での対応状況にははっきりしない点もあるが、SoftBankの新iPad Proは内蔵SIMを利用せず、物理的SIMカードを挿入してSoftBankのネットワークに接続するタイプという。海外での利用などについてはAppleサイトのSIMの解説を参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

VirginグループがBoomと大型プション契約―超音速旅客機プロジェクトに強力な支援者

2016-03-24-boom

読者の多くはすでにBoomについていろいろ聞いていると思う。

Boomは比較的新しいスタートアップで、かなりクレージーな目標を立てている。このチームが作ろうとしているのはアプリでもソーシャルネットワークでもなく、Kickstarterで投資を募れるようなガジェットでもない。

Boomが作ろうとしているのは非常に高速の旅客機だ。

正確に言えば、マッハ2.2以上で飛ぶ超音速旅客機の設計と製造を目的としている。計画どおりに進めば、乗客はニューヨーク・ロンドン間を3.5時間、サンフランシスコ・東京間を4.5時間で移動できる。

クレージーなアイディアには違いない。 しかしプロジェクトはまだきわめて初期の段階にある。新しい旅客機を作るというのはとてつもなく複雑であり、高度なエンジニアと巨額の資金を必要とする。チームはプロトタイプの製造に取り組んでおり、来年後半に飛行できるようになると期待としている。

Boomのチームはこの分野で大きな実績を挙げた強力な人材で構成されていることは指摘しておく必要があるだろう。現在の11人の社員は、トータルすると30機以上の設計、製造に携わっている。これには787のオートパイロットシステム、ジェット戦闘機のエンジン、Spaceship Twoの航空力学などが含まれる。社員の一部は元NASA、元ロッキード、元ボーイングなどのエンジニアだ。

今日(米国時間3/23)、Boomプロジェクトは強力な後援者を得たことが判明した。Virginだ。

Boomの発表によれば、リチャード・ブランソン会長率いるVirginグループと10機のオプション契約を結んだ。実機の引き渡しができれば20億ドルに相当する金額となる。またBoomはヨーロッパの航空会社からさらに15機のオプションを得ていると発表した。ただしどの会社かは明らかにされていない。現在までのオプションの総額は50億ドルだという。

ただしVirginグループはまだこの機体を買ったわけではない。まだその段階ではない。Virginは購入の意思があることを示す趣意書( letter of intent)に署名した。これは事業が計画どおりに進み、詳細な仕様が明らかになり、会社がさらに意思決定をしたうえで、10機を購入するという意図を表明したものだ。

同時に、この契約はVirginが事業の実現を助ける意思があることを意味する。Boomのファウンダー、ブレイク・ショルは私の取材に対し、Virginグループの宇宙部門Virgin Galactic傘下の宇宙往還機製造会社、The Spaceship CompanyがBoomのデザインとテストに協力することを約束したと述べた。これには、その時期が来たら超音速テストを実行することも含まれるという。

アップデート: Virginグループ側からも正式発表があった。広報担当者はGuardianに対して次のように述べた。

Boomのエンジニアリング、デザイン、製造、試験飛行、さらに運行業務に関してThe Spaceship Companyが助力することを約束したことを確認する。われわれは10機分の機体についてオプションを得た。現在プロジェクトは初期段階にあり、VirginとBoomの共同の野心、努力の詳細は今後明らかにされることになるだろう。

このプロジェクトは要注目だ。物理的実体のあるブロダクトを製造するのはなんによらず難しい。しかし史上最速の―悲運のコンコルドよりさらに速い―旅客機を設計、製造するとなると、その困難さはまったく違うレベルになる。

Boomに対する投資家にはY Combinator、Sam Altman、Seraph Group、Eight Partnersと匿名のエンジェル投資家が含まれる。Virginグループが資金提供の面でも協力するのかどうかについてBoomはコメントを避けた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

全世界で人気のPornhub、VRコンテンツの提供を開始予定

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アダルトコンテンツを扱うサービスの中で、もっとも人気のあるサイトのひとつであるPornhubが、VRビジネスに参入することとなった。

既にVR版アダルトコンテンツの制作を手がけているBaDoinkVRと組んで、サイト内で「バーチャルリアリティ」コンテンツを提供することにしたのだ。サービスの提供開始をYouTubeのインフォマーシャルビデオにてアナウンスもしている。

VRコンテンツはGoogleのカードボード、サムスンのGear VR、そしてOculus Riftなどで楽しむことができる。また、サービスの提供開始を記念して、1万台の閲覧用VRゴーグルのプレゼントも用意しているとのことだ。これがあれば360度の視野でエロティックコンテンツを楽しむことができるようになる。

ちなみにこのPornhubは、Alexaのデータによると全世界で66番目に閲覧されているサイトであるとのこと。日々のアクセス人数も6000万人に達するのだそうだ。

「全世界のひとびとに、最新技術を利用したコンテンツを提供することがPornhubの使命だと思っています」とはPornhubのバイスプレジデントであるCorey Priceの言葉だ。「進化し続けるアダルトエンターテインメント分野において、バーチャルリアリティが次世代技術として普及していくと考えているのです。これまでにない新体験を提供できるようになるはずです」。

ポルノコンテンツにVR技術を用いるという話は、これまでは冗談のように受け取られることもあった。しかしアナリストによれば、膨大な金額の動くマーケットになり得るのだとのこと。Piper Jaffrayのレポートによると、VRを使ったアダルトコンテンツサービスは、2025年までに10億ドル市場に成長するのだそうだ。VRアダルトコンテンツ市場は、規模の面でゲームやNFLに続く第3位に成長するのだと予想する人もいる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

GoogleがChromecastのアプリをGoogle Castと改名、デバイスの多様化に対応(今ではスピーカーも)

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Googleが今朝(米国時間3/22)、Chromecastのアプリを”Google Cast”に改名する、と発表した。それは、デバイスが今や、Chromecastドングルだけでなく、テレビ、ディスプレイ、スピーカーなどへと多様化してきたからだ。同社によると、アップデートされたアプリはiOS、Androidどちらも今週、全ユーザーに展開される。

ご存知のようにChromecastは、Roku, Fire TV, Apple TV, Google自身のAndroid TVなど、高度なストリーミングメディアに対抗する、低価格のコンペティターとしてスタートした。2013年に登場したそのデバイスは、インターネットのコンテンツをスマートテレビでないふつうのテレビにも、簡単に持ち込む。その使いやすさとお値段の安さで、最初のChromecastドングルは2000万台以上売れて、2015年には人気最高のストリーミングデバイスになった

しかし最近のGoogleは、その製品と技術的プラットホームを拡張してきた。昨年の秋にはChromecastの第二のバージョン、Chromecast 2をリリースし、そのデザインはスティック状から小さな円盤状に変わって、テレビに差し込みやすくなった。同時期にChromecast Audioというものも発売して、インターネットの音声コンテンツをAUX入力のあるスピーカーに送り込めるようにした。

また、Sony, LG, B&O Play, Harman Kardon, Onkyo, Philips, Pioneer, Raumfeld, Frontier Silicon, StreamUnlimitedPlusなどのパートナーと組んでChromecastの技術を彼らの製品に組み込んだ。最後に挙げたStreamUnlimitedPlusが作ったのは、Chromecast Audioを利用するソフトウェアとハードウェアだ。Vizio, Sharp, Sonyなどのテレビメーカーは、一部の機種でGoogle Castの技術をサポートしている(ドングルなしで)。

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さらにGoogleが今日(米国時間3/22)発表したVIZIOのSmartCast P系列のディスプレイと、VIZIOのサウンドバーおよびスピーカーも、Google Castの技術をサポートする。つまりスマートフォンやタブレットからNetflixやGoogle Play Musicを取り込んだり、ラップトップ上のChromeブラウザーからWebサイトをテレビの大画面に映したりできる。なお、Googleによれば、SmartCast Pディスプレイは、4KウルトラHDやDolby Vision High Dynamic Rangeの高品質映像にも対応している。

アプリの改名はすでに進行中だが、まだそのアップデートができないプラットホームも一部にはあるようだ。

新しいアプリと並行してGoogleは、Google CastのWebサイトも更新した。そこには、特殊なアクセサリなしでキャスティングをサポートしているスピーカーやテレビのリストがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Instagram、通知タブの追加でウェブ版インターフェイスをさらに強化

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Facebook傘下のソーシャル写真共有サイトのInstagramはもともとスマートフォン専用アプリとしてスタートした。しかしその後ブラウザ版にも力を入れてきたので現在はスマートフォンをいちいちポケットからひっぱり出さなくても利用できる。

今日(米国時間3/22)、Instagramはウェブ版アクティビティ・タブを追加した。

これはサービス内から通知を送るための機能で、モバイル・アプリ版の「通知」とまったく同じものだ。 投稿に対する「いいね!」、コメント、フォロー、タグ付けなどの状況が通知される。このウェブ版のアクティビティ・タブが今日から全ユーザーに対して有効になった。

新機能についての最初の報告はRob Poitrasからだった。モバイル・ファーストでスタートしたライバル、Snapchatも先月、重要イベントについてについてライブ・ストーリーという形でウェブ版に通知を送る機能が追加された。

Instagramがユーザー・プロフィールをウェブ版でタイムライン風に表示し始めたのは2012年だった。つづいて2013年に「いいね!」を含めたフィードやコメントがスクロールで閲覧できるようになった。そして昨年、ウェブ版でも検索が可能になった。

Instagramは今回の機能追加がウェブ版の強化への大きな動きの一部なのかどうかについては明らかにすることを避けた。つまり単発のバージョンアップという可能性もある。しかしInstagramのクロスプラットフォーム性の拡充は利用を増加させ、ネットワーク効果を強める効果があるだろう。
Instagramの城壁を厚くし、堀を深くして他の同種の写真共有サービスを寄せ付けないようにできるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

視線追跡VRの「FOVE」がコロプラ、鴻海、サムスンらから12.3億円を調達

foveVRヘッドマウントディスプレイに視線追跡機能を付けた「FOVE」を開発する日本発スタートアップのFOVEが3月23日、シリーズAとして1100万ドル(12.3億円)の資金調達を終えたことを発表した。

このラウンドをリードしたのはColopl VR Fundで、鴻海ベンチャーキャピタルファンドの「2020」、Samsung Venture Investmentらも投資に参加している。TechCrunch Japanのインタビューに対して、FOVE共同創業者でCEOの小島由香氏は、「(VR開発は)資金だけでは続かない。ディスプレイ供給や量産体制に備えた座組」だと話している。2014年の設立以来、FOVEは今回3度目の資金調達。累計調達額は非公開ながらも十数億円のレンジだという。

VR市場で急速に注目を集める視線追跡

FOVEはディスプレイ内にあるオブジェクトに視線を向けることでVRの「入力」の問題を解決する。「VRでジェスチャーやWiiコントローラーのようなものを実際に使ってみると疲れるんです」と小島CEOはVRの入力方式として視線追跡の優位性を話す。これまでにも視線追跡は研究開発分野では長らく蓄積があった。ただ、その用途は限定的で、例えばWebサイトの効果測定(視線追跡でヒートマップ作成)をしたり、福祉で応用したりといった程度だった。

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FOVE共同創業者でCEOの小島由香氏

「2年前にFOVEが出てくる前は誰もVRで視線追跡とは言ってなかったと思いますし、1年前は不要だよね、という雰囲気でした。それが先日のGDC(Game Developer Conference)なんかだと、もう誰もが視線追跡の話をしている感じです。長らく研究していたけど陽の目を浴びなかった視線追跡ですが、VRで初めて実用用途がでてきたのかもしれません。研究でVRに取り組んでいた人たちが一気にVR、VRと言い始めています」。

FOVEを使ってFPSゲームをやれば標的に対して視線で狙いを定められるし、RPGならキャラクターとアイコンタクトでコミュニケーションが取れる。ぼくは2014年7月にプロトタイプを体験させてもらったのだけど、映像の中のキャラクターと「目が合う」というのはなかなか新鮮な体験だ。

小島CEOは、VR市場の立ち上がりは何だかんだ言ってもゲーム市場から起こるとみている。向こう2、3年はすでに3500万台ほどを売ったプレイステーションのVRが牽引する一方、モバイルデバイスのVRで重要になってくるのはスペックとの戦いだという。ネットワーク帯域もCPUパワーも限られたモバイルデバイスでVRをやるとなると、いかに負荷とトラフィックを下げるかという技術が重要になる。例えばFacebookが1月に発表したVRストリーミングの新フォーマットはデータ転送量を抑える技術だったが、このような取り組みが不可欠だとFOVE小島CEOはいう。

「ユーザーが見てないところはぼかす」で負荷軽減

視線追跡ができると、ユーザーが注視しているところだけ高精細にレンダリングして、それ以外の部分をぼかすことができる。これは自然な映像表現として「VR酔い」を抑える効果があると今のところ考えられているし、デバイス側に転送すべきデータ量やGPU処理負荷を抑える効果があるのだという。すでにNVIDIAなどはフォービエイテッド・レンダリング(Foveated Rendering)と呼ぶ技術で9区画に分けた描画領域の中心部だけを高精細に表示する技術を持つが、人間はいつも真ん中だけを見ているわけではない。今後、VRが2Kから4Kの世界になっていくと考えると負荷を減らす要素技術として視線追跡は重要性を増す。低スペックのデバイスでゲームが動くことがVR普及の条件すればなおさらだ、と小島CEOは話す。ちなみに、4Kというと無駄に高精細と思う人もいるかもしれないが、2次元ディスプレイと違って全周の場合10Kくらい必要だという人もいる。

FOVEの競合としては、NHNやIntelから総額2160万ドル(約24億円)を調達しているEyefluenceや、StarVRといったところがある。FOVEでは自分たちでデバイスやコンテンツを集めるだけでなく、視線追跡技術のライセンスビジネス展開も考えているという。FOVEの出荷は秋を予定していて、今のところ予約は日米合わせて1500台程度と控えめ。ただ、日韓のネットカフェとの提携を進めているそうで、もし提携が決まれば台数も大きく伸びそうだという。ネットカフェは日本で1500店、韓国で6000店舗という。

VRプラットフォームはAndroid対iPhoneにも似てきた?

FOVEはヘッドマウントディスプレイを作っているが、コンテンツはどうするのだろうか?

「VR界隈以外の人にはあまり知られていませんが、Oculus対SteamVRという構図があります。FOVEはSteamVR対応なので、誤解を恐れずに言えば、同じSteamのHTC Vive対応ゲームはFOVEでも動きます」

ちょうど、iPhone対Android、あるいはMac対PC(Windows)のような構図がVRプラットフォームに生まれつつあるそうだ。OculusのSDKで開発するとOculusでしか動かないが、SteamVRはマルチプラットフォームを指向している。だから当面のゲームコンテンツで考えると、Steamがリードを続けると小島CEOは見ているそうだ。もともとSteamVRを提供するValveはXbox開発者たちがスピンアウトして作った会社。ユーザーの5メートル四方の動きを正確に追跡できるLighthouseと呼ぶデバイスの技術を開発者に無償開放するなどSteamはPCゲームに関しては有力なのだそうだ。もちろん、まだまだAppleやGoolgeが何を出してくるか、ということは分からないのだろうけど。

ところでFOVE創業の背景には、ソニー・コンピューター・エンターテイメントに勤務していた時の小島CEOの蹉跌があるそう。小島CEOがそもそも作りたかったのは「インタラクティブ・シネマ」で、プレイヤーの表情でストーリーが分岐するような、今までにない映像作品だそうだ。そのプロジェクトが社内で頓挫してしまって週末に作り始めたのがFOVEだとか。

現在の映画では、ロードムービーで旅を疑似体験するといっても、視聴者と、すでに映像の中にいるキャラクターだけの世界。これをVRの世界の中で他のユーザーとアイコンタクトをしながら体験できるようにするのがインタラクティブ・シネマの世界だと小島CEOは説明する。そこでは視線追跡技術が必須になる。「今後キーになってくるのはアバター同士のコミュニケーション。感情表現が重要になるんじゃないかと思っていて、だんだんジェームズ・キャメロンの映画アバターに近づいていくんだと思います」。

最近ロサンゼルスにもオフィスを構えたという小島CEOはディズニーやピクサーといった映画業界のトップクラスの人たちが毎週のように開いている勉強に参加して、彼の地の人々の何でも知見を体系化してシェアする文化に触れながら、インタラクティブ・シネマのアイデアを語ったりしているそうだ。ピクサーだって、「フルCGの映画」なんていう当時としては荒唐無稽な夢を当初は語っていたわけだし、FOVEには、ぜひインタラクティブ・シネマをいつか実現してほしいね。

Apple iTunesから追ん出されたFamousがWebアプリケーションで復帰、Androidアプリも出す

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Famousアプリは約1か月前にAppleのApp Storeから破門された。同社はその禁令を、すぐにAndroidバージョンを出すことによってかいくぐり、そして今日(米国時間3/22)は、Webアプリケーションになって、あなたのお近くのiOSデバイスに戻ってきた。

The Famous interface, in which your correspondent is the world's biggest fan of Twitter. Which is true on several levels.

Famousのインタフェイス, その中でぼくは世界最大のTwitterファンだが, 実際にもかなりそうだ.

App Storeにおける禁は、同社の初めての災難ではない。Famousに生まれ変わる前は、そのゲームの名前はStolen(盗品)だった。そしてその名前のゆえに、散々な目に遭った。同社はそのアプリを閉鎖したがそれは、プロフィールにまで悪意あるいたずらをされ、虐待、ハラスメント、そしていじめに近い状態になってきたからだ。

“毎晩徹夜で、悪質な投稿などをチェックしなければならない状態になってきた”、とStolenのチームが当時言った。そしてその直後にサービスは閉鎖した。

ニューバージョンでもゲームの仕組みはほとんど同じだが、いじめの温床となるコメントやチャット機能は削除した。そして名前もFamousに変更。ゲームデベロッパーのZoe Quinnに、かなり助けてもらった。

新たにFamousになったそのゲームは、やり始めたらはまってしまうタイプのゲームで、いろんな戦略が用意されている。前のようにスパムや悪口の洪水に見舞われなかったら、かなりの人気作になりそうだ。Webアプリケーションも、良くできていると思ったけど、Appleが今後気を変えて、アプリの禁を解くんじゃないかな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))