ChatWorkが15億円を追加資金調達、打倒Slackで北米市場進出なるか?

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ビジネス向けチャットアプリ「ChatWork」を提供するChatWorkが今日、総額15億円の追加資金調達を実施したことを発表した。今回のラウンドで第三者割当増資を引き受けたのはジャフコ新生企業投資SMBCベンチャーキャピタルGMO VenturePartnersだ。出資比率やバリュエーションは非公開だが、レイターではないステージとしては、GMO VenturePartnersを除く3つのVCの投資金額としては過去最大規模といい、ビジネス向けチャットプラットフォームに対する関係者の期待感をうかがわせる。ChatWorkは2015年4月にGMO VenturePartnerから3億円の資金調達を実施していて、これで資金調達額は合計18億円ということになる。

ChatWorkは「チャットアプリ」を提供している日本発のスタートアップ企業という分類になるかもしれない。だから、もしかしたら渋谷・六本木系のスタートアップと思う読者もいるかもしれないが、ChatWorkはいろんな意味でユニークだ。

ChatWork

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なぜ他人資本を入れないと掲げた社是を反故にしたのか

ChatWorkは2000年7月に創業していて(創業時の社名はEC Studio)、すでに会社自体は16期目。14年連続で黒字を続けた。借入も投資も受けずに、「他人資本を入れない」ことを会社の「しないこと14カ条」としてきた。社員第一主義を掲げて、「顧客に会わない」、「電話がない」、「10連休が年4回」、「iPhone支給制度」など、かなり変わった取り組みで中小企業向けのIT効率化関連サービスを提供して事業を伸ばしていた。

14カ条の中には「売上目標に固執しない」「会社規模を追求しない」「株式公開しない」というものもあった。これらはエクイティによる資金調達で一気に事業規模をスケールする「スタートアップ」とは真逆の選択だった。規模や急激なスケールを追求することで社員や顧客に負担が増えるという判断からで、実際、リンクアンドモチベーションによる外部第三者調査などでもChatWorkの社員満足度は高く、経営自体は順調だったという。

それがなぜ、この1年ほどで18億円という日本のスタートアップとしては大きめの資金調達するに至ったのか。ChatWork創業者でCEOの山本敏行氏は、「2005年から出張でシリコンバレーに行くようになり、日本から出たのがきっかけだ」と話す。

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ChatWork創業者でCEOの山本敏行氏

ChatWorkをローンチした2011年は、まだLINEが出る前だった。ビジネスでチャットを使うという発想も一般ユーザーの間にはなかった。2009年に出たGoogle Waveが派手に転んで撤退した頃だったこともあり、ビジネス向けチャットは、グローバルに打って出るチャンスだと山本氏は考えたのだそうだ。2012年には、それまでEC Studioとして展開していた事業を全て譲渡して社名をChatWorkに変更。山本氏自らシリコンバレーに移住した。1社1プロダクト体制にしたのも、シリコンバレーの影響だという。

ビジネス向けチャットといえば、TechCrunch Japan読者ならSlackを真っ先に思い浮かべるだろう。飛ぶ鳥を落とす勢いの同社だが、実は2011年スタートのChatWorkより後の2013年にローンチしている。Slackは開発者を中心に熱烈なファン層を広げつつあり、あっという間に競合を駆逐。著名VCのAndreessen HorowitzやKPCBなどから7回の資金調達ラウンドで合計3億4000万ドル(約400億円)を調達し、2015年4月の直近ラウンドで28億ドル(3290億円)という評価額となるなど大きな注目を集めている。2015年12月にはSlackが複数VCから8000万ドル(約93億円)を集めてサードパーティーを巻き込むプラットフォーム創出に向けてアプリディレクトリをローンチしたことは、TechCrunch Japanでもお伝えしている。シリコンバレーのVC勢は一気呵成にプラットフォームを作ろうとしているのだ。

こうした様子を横目にみていたからか、山本氏はChatWorkの資金調達について、「どっちにしても資金調達をやらざるを得なかったと思う」と話す。「プロダクトにものすごい投資をしないといけない。次々と競合が出てくる」。Slack以外にも、2015年末にIPOしたAtlassianが提供する人気チャットサービス「HipChat」など、同じビジネス向けチャット市場には競合が多い。

Facebookが各国・地域にあったSNSを蹴散らして世界中に普及していったように、Slackが多くの市場を席巻する可能性はあるだろう。それがネットワーク外部性によるものなのか、ソフトウェア・エンジニアやデザイナーの層の厚みよるものなのか分からない。ただ、シリコンバレーで勢いづくスタートアップに対抗するのに、社員数約60人の日本のスモールビジネスチームというのは分が悪い、ということだろう。

山本氏はシリコンバレーに移住して「2年間で戦い方が見えてきた」という。そして2014年初頭に「ちょろちょろでやって行くのか、あるいは大きくアクセル踏むのか」を考えたそうだ。それまで面会すら断っていたVCや証券会社に会い、知人のIT企業経営者にも話を聞いて資金調達を決断。社是を根本的に反故にすることになる意思決定だったが、実はほかの経営陣も口にしなかっただけで、アクセルを踏むべきときだと考えていたのだという。

ChatWorkに勝ち目があるのか?

いま現在、ChatWorkはバックエンドの全面的な書き換えを行っているという。これまで積み上げてきたPHPによる実装をScalaを使ってフルスクラッチで書き換えている最中だ。ただ、エンジニアによるブログを見る限りアプリのモデル自体は変わらないのでユーザーから見た場合の「新バージョン」という意味ではなさそうだ。

UI/UXで見ると、正直ぼくの目にはChatWorkはSlackの洗練度には及ばないし、APIの整備・利用度でも、おいそれとキャッチアップできるように見えない。この論点は、ぼくは重要だと思う。Slackがエンジニアに愛されている理由は、ユーザー認証やアプリ認証のスムーズさやAPIの使いやすさ、それから2016年現在のUI/UXのベストプラクティスが詰まっているように外部から触っているだけでも感じられるからだろう。

Twitterの登場当初がそうだったように、APIが使いやすことは、非エンジニアが考えるよりも、はるかに重要なことだ。なぜなら開発者というのはAPIが使いやすいと、何でもかんでもプラットフォームにつなぎ込みたくなるものだからだ。Twitterはサードパーティーのエコシステムで成長したし、Slackも公式・非公式のボットやアプリがあるのが強みだ。今やチャットは多くのサービスや自動化サービスのUIとなりつつある。今後のAI関連サービスの発展を考えると、この傾向はますます強まるだろうと思う。

ということを考えると、グローバル市場でChatWorkがSlackと互角に戦っていくのは、容易なことと思えない。この点について山本氏に聞いてみたところ、いくつか回答が返ってきた。

1つは、Slackが急成長しているといったところで、DAUはまだ170万程度(2015年10月)に過ぎないでしょう、という指摘。B向けチャットのレースは始まったばかりだ、ということだ。あるとき気づくと「バーレーンのタクシー会社がChatWorkを使っていたり、ブラジルで売れたりするんですよ」(山本氏)と、ChatWorkはオーガニックにユーザーベースが拡大しているのだという。特に台湾やベトナム、フィリピンではその傾向が強く、営業拠点がなくてもサービス利用者が伸びているという。これらの地域は日本人が行き来することが多く、例えばベトナムであればオフショア開発での日本との繋がりが強い。そうした人間のネットワークをベースに利用が広がっているのではないかと推測しているという。

もう1つ、SlackとChatWorkの違いとして、Slackが開発者向けであるのに対して、ChatWorkがビジネス向け機能を充実させていることを山本氏は挙げる。「ビジネスの人たちが求めているものを提供する。オールインワンで、チャットでタスク管理ができたり、その場で相手を(ビデオチャットで)コールしたりできる」。そもそもSlackとはターゲット層が違うということだ。ChatWorkはファイル共有機能や、組織を超えた人同士でのチャット機能もある。特に後者はSlackとの大きな違いで、電話やメール、会議に代わるツールを提供するというChatWorkの思想的な違いが感じられる。Slackは内線電話をなくすかもしれないが、ChatWorkは代表電話すらなくすのかもしれない(まだ読者の勤める会社にそんな20世紀的な骨董品が置いてあればの話だが)。

現在、ChatWorkは204の国・地域で約8万6000社が利用している。サービスはフリーミアムモデルで、チャットでグループをたくさん作って14個を超えると課金を選ぶユーザーが多いそう。「使っていると、だんだん消せないグループチャットが残っていく。かなりヘビーな利用者が課金している」(山本氏)。

C向けチャットアプリではLINE、WhatsApp、WeChatと地域ごとに市場が分断している。もしB向けでも似た状況が今後生まれてくるのだとしたら、ChatWorkには大きなチャンスがあるのかもしれない。シンガーポールのPieが120万ドル、タイのEkoが570万ドルを資金調達するなど、各地域でその芽が出てきているようにも見える。昨日もFacebook傘下で10億ユーザーを抱えるWhatsAppがビジネス向け強化を発表してB2Cメッセージング市場にフォーカスするというニュースが流れたばかり。ビジネス向けチャット市場はまだこれから大きく動きそうだ。

山本氏は「中国で力を蓄えてアメリカで上場して、アマゾンに戦いを挑んでいくアリババのようなイメージ」と、ChatWorkのグローバル展開の構図を説明する。ただ、すでに山本氏自身が移住して拠点をシリコンバレーに置いている通り、アジアから北米市場へという流れではなく、「最初からアメリカを見ながら北米を攻め続ける」ということ。日本発でグローバル市場を狙えるスタートアップ企業として注目だ。

スターバックス、店内で再生した音楽をSpotifyのプレイリストとして提供開始

Spotify in the Starbucks app photographed on Fridday, January 8, 2015. (Joshua Trujillo, Starbucks)

スターバックスとSpotifyが共同で、新たな音楽体験を提供することとなった。スターバックス店内で流れている曲のリストを入手し、そこに含まれる曲をSpotifyのプレイリストに登録することができるようになったのだ。

新たなエクスペリエンスを提供することで、スターバックスのモバイルアプリケーションの利用者増と、Spotifyの登録者を増やすことを目的としたものだ。本機能はアメリカ7500件以上のスターバックスで提供が開始された。1000万を超える「My Starbucks Rewards」会員や、米国のSpotify利用者をターゲットとしている。

スターバックスは当初より音楽をどのように扱うかに気を配ってきた企業だ。最初はiTunesの無料楽曲を流したりしていたが、1994年にはジョン・レノン、アレサ・フランクリン、ボニー・レイットなどの楽曲からオリジナルCDを作って店舗で販売することを始めた。さらにはボブ・ディランやヨーヨー・マ、ローリング・ストーンズやレイ・チャールズなどの楽曲を使って季節毎の特製CDなども制作してきた。

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そうした中で、Spotifyとスターバックスは2015年に共同でのサービスの提供を開始している。このときから、スターバックスのミュージックパートナーはSpotifyであるという位置づけになった。スターバックスのバリスタにはSpotifyのプレミアムライセンスが付与され、流れる音楽を指定する権限を得ることとなったのだ。両社は、新たなサービスを提供することになったわけだが、しかしこれまでの仕組みも変わらずに継続していくとのこと。すなわちバリスタないし従業員たちは、店で流す音楽のプレイリストを作成する権限を持つのだ。

スターバックスはSpotifyと連携したサービスを提供し始めるにあたって、スターバックスのモバイルアプリケーション経由で、店舗の顧客にもプレイリストの提供を行いたいと話していた。

その話がいよいよ実現し、さらにハイレベルのサービスを提供できるようになったわけだ。有料および無料のSpotifyユーザーは、店舗のプレイリストをSpotifyのプレイリストとして保存できるようになったのだ。

ただし、Spotifyにプレイリストを保存するには、まずスターバックスのモバイルアプリケーションから操作する必要があるとのことではある。

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スターバックスの店舗でアプリケーションを起動すると「Now Playing」や「Recently Played」というメニューが表示される。それぞれのメニューから、曲のタイトルを指定してプレイリストに保存するものを指定することができる。さらに、ここで「love」(お気に入り)を選択することで、店側に「また流して欲しい」という意志を伝えたり、あるいはソーシャルネットワークに投稿したりすることもできるようになっている。

もちろん、スターバックスのプレイリスト全体ではなく楽曲を単独でSpotifyで再生することも可能で、スターバックスを離れてもお気に入りの曲を再生することもできる。

スターバックスは、ある意味でSpotifyの「プレイリスト・プログラマー」としても機能するようになるわけだ。Spotify利用者が新たな楽しみをここに見出す可能性もある。

ちなみにスターバックス店舗内の音楽は、インターネットに接続して動作するPlayNetworkのCURIOという仕組みを、iPod touchで操作して流されるようになっている。スターバックスのモバイルアプリケーションもCURIO経由でプレイリストを認知して情報を提供する仕組みとなっている。

CURIOシステムでは定番の楽曲やプレイ頻度が上がっている楽曲を識別する機能も備えていて、「今週のベストテン」などの情報もアプリケーション経由で提供できるようになっている。

こうした機能は、iOS版およびAndroid版のスターバックスアプリケーションで利用できるようになるのだとのこと。

「私たちの店舗にあって、音楽というのはずっと重要な役割を果たし続けてきました。店舗の魅力を高めるのに、音楽の力を融合していく仕組みを得たことになります」と、スターバックスのチェアマン兼CEOのHoward Schultzは言っている。「音楽体験の面でいえば、新しい時代の幕開けということができると思うのです。フィジカルとデジタルを融合したとも言えるのではないでしょうか。成長を続けているSpotifyに新たなチャネルを提供することにもなりました。利用者の方々が楽しめるオプションも増えましたし、また、アーティストにも自分たちの魅力をシェアする新たなチャネルを提供できるようになったと考えています」。

ちなみにSpotifyはこれまでにも人気ブランドとの協業により利用者層を拡大する試みを行なってきている。たとえば2014年にはUberと提携して、Uber利用者が好きな音楽を視聴できるサービスを行った。あるいはVirgin Americaと組んで、フライト中のストリーミングサービスを提供するようにもなった。他にも自動車メーカーやモバイルデバイスの製造企業、あるいはBonnarooなどの音楽フェスティバルとの提携などを行なってきている。

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(翻訳:Maeda, H

パキスタンが3年間のYouTube禁止を解除

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今日(米国時間1/19)YouTubeがパキスタンで利用できるようになり、Googleのビデオサイトに対する3年の禁止が終わった。

パキスタン政府は2013年に、論議を呼んだビデオInnocence of Muslimsへの対応としてYouTubeをブロックした。このビデオは世界中のオーディエンスを集めたが、預言者モハメッドの描き方のせいで、ムスリムのコミュニティからは非難された。合衆国の裁判所はそのビデオの削除を命じたが、パキスタンにおけるそのほかの複数の削除リクエストには応じなかった。パキスタンでは激しい抗議運動が起こり、最終的に、YouTubeの完全ブロックに至った。

禁止の間にパキスタン政府は、不適切と見なしたコンテンツを当局が独自にブロックできるような、コンテンツフィルタリング制によってYouTubeを復活させることを議論したが、しかしそのようなやり方は、YouTubeのサービスの管理の仕方と相容れなかっただろう。むしろYouTubeは当時本誌に、パキスタンで特殊な措置をとることはない、と確認した。それは、コンテンツはGoogleが削除に同意したときのみ削除されることを意味し、政府のリクエストはGoogleが年二回発行する透明性報告書に記録されるのだ、と。

YouTubeが確認したところによると、結局のところ同社は、すでに世界中のそのほかの市場でやっているように、パキスタンではそのサイトのローカルバージョンをローンチした。すなわち地元言語をサポートし、その国専用のホームページと、パキスタンのオーディエンス向けに調整されたコンテンツが提供される。

YouTubeのスポークスパーソンは声明文で次のように述べている: “YouTubeが今やパキスタンでアクセス可能になり、視聴者がビデオを見たり共有できるようになったこと、それにより、活気に満ち成長を続けている全世界のビデオコミュニティを利用できることは、喜ばしい”。

パキスタンで検閲の憂き目に遭ったのは、YouTubeだけではない。BlackBerryは昨年、そのデータをモニタするという要求に対し同国を出ると応じたが、その要求が取下げられたため、撤退をキャンセルした

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Twitterが投票機能をアップデート、これまでの総投票数が17億

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Twitterが、最近リリースした投票機能のアップデートを行っている。24時間というデフォルトの時限に代わって、5分から7日までの長さを指定できる。

10月にローンチした投票機能を、同社は成功だと自画自賛している。これまでの累計投票数は17億だそうだ。

発表はTwitterの株価が記録的な安値をつけた日に行われた。同社の売り上げは着実に伸びているが、Wall Streetはもっともっと大きな企業になるはずという前提で評価していた(今の月間アクティブユーザ数は3億2000万、Facebookの15億5000万に比べると、かなりの差だ)。

Twitterの投票機能はエンゲージメント(参加性)を増すが、新しいユーザを獲得する契機になるのかどうかは、不明だ。でも最近復帰したCEOのJack Dorseyはプロダクトの改良に取り組み、“favorites”を”likes”に変えたり、ツイートの長さを従来の140文字から10000文字にしたり、同社のライブストリーミングアプリPeriscopeを統合したりした

Twitterの投票機能は私も好きだ。最新ニュースに対する彼らの入力から、私がツイートしている人たちの姿が分かる気がする。

[Peachは永続する13%, 夏には死んでる87%]

今年の合衆国大統領選のためにも、便利だ。ブランドは、プロモーション目的の有料の投票をやりたいだろうな。

あなたは、どう思う? Twitterの投票機能は好き?

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

学習進捗管理サービスのStudyplus、動画広告を導入——ユーザー数は150万人に

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学習管理・コミュニケーションプラットフォーム「Studyplus」を提供するスタディプラスがマネタイズを本格化する。同社は1月19日よりStudyplusにおいて、動画広告商品を販売する。

Studyplusは、学習の進捗を管理したり、同じ進路を希望する学習仲間とコミュニケーションをとったりできるコミュニケーションプラットフォーム。APIを外部公開することで、各社の学習アプリとの連携も実現する。ユーザーは現在(2016年1月時点)150万人。アプリストアでのユーザーレビューもApp Storeで「4+」と好調な数字をキープしている。

販売されるのは、大学や専門学校の学生募集に特化した動画広告。学習進捗の登録タイミングなどに、大学の学生募集の動画が配信されるようになる。「会員数も増加し、メディアとしても成長してきたことから、2015年夏よりマネタイズに注力を始めた。クライアントにも学校の認知やブランディングのための出稿で興味を持って頂いている。そもそも今までは、大学が学生募集のための動画広告を出せるメディアはほとんどなかった」(スタディプラス代表取締役の廣瀬高志氏)

動画配信にはFiveが提供するプラットフォームを採用。表示方式によりプレミアムブランドムービーとインフィードブランドムービーの2種類の動画広告(価格は月額60万円〜)のほか、バナー広告も販売する。バナーに関してはStudyplusの志望校登録機能をもとにしたターゲティングも可能。動画に関しても今後はターゲティングを実現するとしている。なお同社はこれに先駆けて、渋谷で運営していた自習室「Study Lounge」を売却。事業をStudyplusに集中している。

Twitterが3つのセレブ専用アプリを制作し、Momentsの強化を図る

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青いチェックが信頼の証。

Twitterがインフルエンサーの持つ影響力を軽んじたことはないが、その影響力を上手く活用していなかった。今回Twitterは、有名セレブがファンと交流したり、サイト上で自分のブランドを構築したりするためのツールを提供する。これはTwitter全体に大きな価値をもたらすが、特にMomentsのタブに多くの人の興味関心を集めることに役立つだろう。

今週の始め、Twitterのプロダクト・マネジメントのディレクターを務めるJinen KamdarにTwitterがインフルエンサーに提供する最新アプリについての話を聞いた。また、Kamdarにセレブの影響力がどのように働いているか、特にMomentsについて彼が見てきたことについて尋ねた。

これらのアプリは現在、数百人のセレブとそのチームにしか提供していないが、今後アプリの利用対象者を広げていく計画だとKamdarは話す。

AMA(何でも聞いて)セッションを改善

Twitterは、影響力のあるユーザーにフォロワーと面倒なくやりとりする方法を提供しているが、返信はツイート内に埋め込まれているため、ユーザーがセレブとファンの交流を見るには、セレブのタイムラインに張り付いてじっくり読まなければならなかった。新しい「Twitter Q&Aアプリ」で、 Twitterは世界のカーダシアン家やジャスティン・ビーバーとそのファンとの交流を便利にする。同時に一般ユーザーのセレブとファンのやりとりを見やすくして、興味が持てるようにする計画だ。

例えば、スターウォーズ:フォースの覚醒キャンペーンが良い例だった。Momentsの新しいコンテンツの魅力が分かると思う。

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セレブ側の機能には、セレブ本人やそのチームが大量のツイートを簡単に整理して、スターが回答したいと思う特定の質問に印を付けることができる。アプリの面白い機能は、Q&Aセッションで得られたフォロワーの数やツイートの拡散具合をスコアシートの形式でセレブが確認できるものだ。

ユーザーが得るのは、Twitterブランドの動画やテキスト返信がそれぞれスムーズに流れてくるようなマルチメディア体験だ。どれもがすぐに理解できる程度の小さい分量の情報で、楽しく利用することができる。

Twitterでセルフィー

ニュースになるような写真や動画が大量にセレブのTwitterプロフィールから放出されているが、それらは別サイトの独自「ニュース」記事に書き換えられるためにスクリーンショットで撮られ、アップロードされている。

セレブに特別な体験を提供しつつ、Twitterが独自のスタイルのマルチメディアを構築するため、Twitterは「Twitter カメラアプリ」を制作した。

このアプリ(Snapchatの機能をいくつか「拝借している」)で、セレブは写真にハッシュダグやTwitterアイコンを付けることができる。また絵文字風アイコンも揃えていて、写真に上乗せすることもできる。カスタマイズ機能を付けることで、セレブが自分を自由に表現する余地が生まれ、コンテンツの魅力が増すことになるだろう。

このコンテンツもMomentsのための素晴らしい素材になる。特にセレブ自身がゴールデングローブ賞やTeen Choice Awardsでレポーターとなり、ファンに中の様子を伝える時に活躍するだろう。

このようなショーのコンテンツを強化するため、Twitterは3つ目のユニークなアプリ「Twitter Challenger」を制作した。このアプリはセレブがダンスしたり、質問に回答したり、セレブが自身を表現したり、主張したりするための課題を出すという。

このアプリはTwitterのMirrorアプリのアップデート版だとKamdarは話した。Mirrorアプリは授賞式などのショーで使うセルフィーアプリで、セレブが良いコンテンツをアップロードするため限定のアプリだ。Challengerアプリでは、それらのコンテンツにQ&Aの要素を加えることで、セレブがただ決めポーズを取るだけでなく何かしら発信する機会も作ろうとしている。

Momentsに集約

ソーシャルメディアのセレブの台頭は、Twitterでの露出があったおかげだろう。きどった髪型で愛嬌ある性格の活発な若者や魅力的な歌声を持ったユーザーは、Twitterのプラットフォームを使って10代のオーディエンスを獲得し、洗顔料や特製バーベキューソースといったブランドのプロダクト広告で実際に現金を手にしてきた。

このようなユーザーを産んだ流れは、世界トップのアスリート、アーティスト、政府高官や「本物」のセレブが自分たちの声で発言し、細部までこだわった自身のイメージを広大なインターネットに浸透させてきたエンジンと同じものだ。これらのツールでKamdarは、セレブが素敵なコンテンツを簡単に制作できるようにし、最終的にMomentsで取り上げるようにしたいと考えている。

「パートナーには基本的に、本人たちが制作した情報に富むユニークなコンテンツを投稿してほしいと考えています。そうすればMomentsに特集されるとセレブたちも知っています。私たちが制作したツールは、それを簡単にするためのものです」とKamdarは話す。

Momentsは、承認されたセレブ本人が体験しているイベントのキュレーションが価値となる。インフルエンサーに彼らのファンや多くの一般ユーザーと交流するための柔軟な機能を提供することで、Momentsでこれまであまり盛んでなかった交流体験を活発にすることができるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

NetflixがYouTubeのスターMiranda Singsと契約して台本のある連続番組を制作

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NetflixがYouTubeのスターMiranda Singsと契約して、同社としては初めての、ソーシャルメディアのスターによる、台本のある連続番組を始めることになった。

Miranda SingsはYouTube上のフォロワーが500万あまりおり、1ビデオあたりの平均ビュー数は約150万だ。ただしWhere My Baes At?のよううな大ヒット作は、今現在で1700万あまりのビューを稼いでいる。

Miranda Singsの中にいる本物の人間Colleen Ballinger-Evansは、Jerry Seinfeldの”Comedians In Cars Getting Coffee”に出たこともある。

これまでにもYouTubeのスターがよりメジャーな機会をつかむ例はいくつかあったが、台本のある連続番組は珍しい。たとえばGrace Helbigの場合は、E!のトークショウのホストを務めた。

ともあれMiranda Singsは、全部で8本の連作に出演する。プロデューサーと脚本家はFriendsのときの人たちだ。Varietyによると、番組のタイトルはHaters Back Offだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

物のインターネット(IoT)に完全なプライバシー保護を具備させようとするNeuraがシリーズAで11Mを調達

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インターネットに接続されているデバイスの振る舞いををユーザが個人化でき、しかも個人のデータを保護できる、というプラットホームNeuraが、このほどシリーズAで1100万ドルの資金を獲得し、そのSDKをプロモートしていくことになった。このラウンドをリードしたのはAXA Strategic PartnersとPitango Venture Capitalで、これにLiberty Israel Venture FundとLenovo Groupが参加した。

Neuraは今、55種あまりのデバイスやソフトウェアチャネルと統合でき、最近“数万名のユーザによる”ベータを終えたばかりで、SDKのローンチによりユーザ数の大きな増加を期待している。協同ファウンダでCEOのGilad Meiriによると、今回の新たな資金はSDKのプロモーションと、テク企業とのパートナーシップ締結、および社員の増員に充てられる。

今多くのテク企業が、インターネットに接続されたデバイスが互いに“対話する”方法を模索している。たとえば、フィットネストラッカーがユーザの睡眠を感知したら、玄関のスマートロックをトリガする、とか、コーヒーメーカーは朝スマートフォンからのアラームを受信してコーヒーを淹れ始める、など。

Neuraはこのような機能を実現するが、しかしこの、カリフォルニア州サニーベールのスタートアップのファウンダたちによると、彼らがもっと関心を持っているのは物のインターネット(Internet of Things, IoT)と人間との対話だ。同社の技術はユーザの行動パターンを経時的に分析し、その結果に基づいてアプリやデバイスを各人向けに個人化(パーソナライズ)する。

Neuraが生成する行動パターンデータの中には、個人の執務時間帯や健康情報、住所など機密データもありえるから、同社は、各サービスとシェアしてもよい個人データをユーザが完全にコントロールできることを確約している。

GSM Associationによると、2020年にはインターネットに接続されたデバイスが240億に達するという。SmartThingsWinkなどは、ユーザがインターネットに接続されたフィットネストラッカーや、温度計、家電機器、エンタテイメントシステムなどと単一のダッシュボードから対話できるプラットホームを開発している。しかし最近のユーザはますます、企業が自分の個人データを集めることに関して神経質になっているから、プライバシーに重点を置くNeuraは競合上有利かもしれない。Meiriによると、Neuraはユーザのプライバシーを守るだけでなく、テク企業の責任負担も軽減する。

プライバシーを犠牲にせずにインターネット接続デバイスをより便利にする

ソフトウェアとデバイスはAPIでNeuraのプラットホームに接続され、ユーザはそれらをスタンドアロンのアプリからコントロールできる。同社の技術が、接続デバイスやソフトウェアに対する各ユーザの使い方を分析する。そしてその情報を使って、個人化された機能を作り出す。

ただしそれらの機能が動き出す前に、ユーザはそれぞれをレビューして、OKなものにパーミッションを与える。

Meiriは語る: “Neuraは、たとえば玄関の鍵に、ユーザの居場所や睡眠時間などのデータを共有しない。だから企業には、個人情報の取り扱いをめぐる責任負担が生じない。ユーザの動きや睡眠パターンなどは、鍵の動作の制御に使われたらそれで終わりだ”。

同社のファウンダは、個人的理由からも、接続デバイスが便利であると同時にプライベートであることに固執している。協同ファウンダでCTOのTriinu MagiはNeuraのローンチの前に糖尿病を誤診され、無効な薬を処方された。通常の血糖値計や試験ではMagiの状態を示す十分な情報が得られず、最後に彼女は、血糖値の値と、彼女のフィットネスや食生活の記録を合わせて分析することにより、医師の正しい診断を導いた。

“彼女のときはNeuraのようなプロダクトがなかったから、データサイエンティストとしての自分のスキルを利用して情報を分析するしかなかった”、とMeiriは語る。“今は、それぞれのデバイスが自分だけのデータチャネルを作り出していて、それらを組み合わせてインサイトを得る方法がない”。

Meiriによると、テク企業はデータを収益機会と見て、それらのデータの発生源である人間を助けようとしないことが多い。一方ユーザは、 Google MapsやFacebookなどのサービスを利用できるためには、自分の個人情報のコントロールを、あまりにも自ら進んで放棄しがちだ。

しかしその結果、どれだけのプライバシーが失われたのかを人びとが悟ると、しばしばその反動が起きる。Neuraによると、消費者に、彼らのデータの使われ方に関する十分な透明性を付与すれば、そういう反動に見舞われることも防げる。

Meiriは述べる、“物のインターネットに関しては、まだなんにも決まっていない。そこにはまだ、Webのパラダイムを変えるチャンスがある。ただしそのハードルは高い。検索履歴や友だちのリストだけでなく。バイオメトリクスと、われわれのフィジカルグラフの完全なマッピングが必要なんだ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

iSGインベストメントワークスに3人目のキャピタリスト、元CAVの佐藤真希子氏が参画

左からiSGS インベストメントワークス取締役の菅原敬氏、同取締役の佐藤真希子氏、同代表取締役の五嶋一人氏

左からiSGS インベストメントワークス取締役の菅原敬氏、同取締役の佐藤真希子氏、同代表取締役の五嶋一人氏

2015年10月にスタートしたばかりのベンチャーキャピタルがわずか3カ月で社名を変えると聞くのは珍しいケースだが、ポジティブなニュースだ。アイスタイル子会社のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)・iSG インベストメントワークスは1月19日、元サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)のキャピタリスト、佐藤真希子氏が参画。取締役 マネージング・ディレクターに就任することを発表した。またこれとあわせて商号を「iSGS インベストメントワークス」に変更することをあきらかにした。いずれも2月1日開催の臨時株主総会で決議する予定だ。

iSG インベストメントワークスは、昨年10月にアイスタイルキャピタルから社名を変更してスタートしている。それまで代表取締役社長を務めていたアイスタイル取締役 兼CFOの菅原敬氏が取締役に異動し、元コロプラの五嶋一人氏が代表取締役社長に就任している。社名のiSGは両氏の頭文字から取ったものだ。今回新たに佐藤氏が参画したことから、佐藤氏の頭文字「S」を付けて「iSGS」と社名を変更するのだという。

佐藤氏はサイバーエージェントの新卒1期生。同期はiemo代表取締役・DeNA執行役員の村田マリ氏などをはじめ、サイバーエージェント内外問わずIT業界で活躍する人物も多い。主に営業を担当した後にCAVへ出向。産休を挟みつつ、足かけ9年投資事業に携わり、2015年に同社を退職した。2012年上場のメディアフラッグ、2013年上場のフォトクリエイトをはじめ、LiB、ビザスク、トークノート、groovesなど多くの投資経験を持つ(ちなみに佐藤氏は元フォトクリエイトで現在スペースマーケットの代表を務める重松大輔氏と結婚している)。

「CAVでは最高の経験をさせてもらった」と振り返る佐藤氏。しかし、キャピタリスト10年目を迎えるにあたって、「今まで以上に自分の判断で自分が決めた人に入れる(投資する)、そして最後まで責任を持ってその人を見ていくということにチャレンジしたい」と思って独立を考えた。プライベートでは3人目の子どもを出産して復帰しており、「女性起業家の活躍が紹介されるように、女性VCのロールモデルになっていきたい。実は女性VCは現場で活躍し続けるよりミドル・バックオフィス業務に移ることが多い。もちろんそれも価値ある仕事だが、結局はダイバーシティ。フロントに立ち起業家と接し続け、色んな見方で事業を見ていかないと見えないこともある」(佐藤氏)と語る。

その後、独立してベンチャーキャピタルの組成、スタートアップのインキュベーション事業の立ち上げに向けて動いていたが、最終的に、退職間もなくから声が掛かっていたiSG インベストメントワークスへの参画を決めた。「ベンチャーキャピタルなのに社名に『ワークス』と入れているのは、『起業家と一緒に汗をかく』という意味がある。メンバー3人とも営業、ファイナンス、買収先の経営まで事業畑を長く続けて来た。私も投資先の営業から、リストラ、経営の再生と泥臭いところまでやってきている。そこに一緒にやって欲しいと声をかけてもらった。1人ではできることの限界があるが、チームで起業家をサポートしていきたい」(佐藤氏)。

同社は現在ファンドの組成中。スキームの詳細は公開されていないが、本業とのシナジーを求めるCVCではなく、独立性の非常に高いファンドになるという。また、投資対象は「インターネット+アルファ」「既存産業+インターネット」が中心。シードからレイターまでのステージのスタートアップに対して、数百万円から数千万円程度の投資を行う。すでに昨日紹介したウィンクルのほか、ヘルスケアスタートアップのサイマックスなどに出資している。また既存ファンドのセカンダリー投資をバルク案件を組成して買い受ける「バルクセール」や、ある企業の株式のVC分を全部、あるいは経営者の分も買い受ける「バイアウト投資」も行う予定。さらに、佐藤氏が参画したことで、スタートアップコミュニティの創造、大企業とスタートアップの連携なども進めて行くという。

Slack社CEO、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアに敬意を表す

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マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーを前に、SlackのCEO Stewart Butterfieldは、キング牧師と市民運動、およびこの会社が今日を休業にする理由について、全社員に向けて心を動かす手紙を送った。Butterfiledの許可を得て、Slackのエンジニア、Erica Bakerが手紙を外部に公開した。「私が心を動かされたからだけではなく、これはSlack社員以外の〈全員〉が読み、吸収すべき重要なメッセージだと思ったから」と彼女はMediumに書いた

Bloomberg BNAの休暇制度調査によると、米国でマーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーを休日にしている会社はわずか37%にすぎない。これは、米国の労働者の5人に2人以下しか休みをもらっていないことを意味している。Butterfieldは社員に対して、この日は仕事をする代わりに、キング牧師の遺産、そして自分たちが投票し教育を受け住居を持つ権利を得ようと立ち上がったために暴力を受け、強姦され、あるいは殺された人々に思いを馳せることを薦めた。さらにButterfieldは、「そもそも『公民権運動』が必要だったことを、われわれがいかに深く恥ずべきであるか」を説いた。

一定の進歩はあるものの、為すべきことはまだまだ多いとButterfieldは言う。

「そして、最後までやり遂げる責任はわれわれ全員にある」と彼は書いた。「われわれ、人民がやるしかない。もし、われわれがこの会社の団結に真の価値を見出しているなら、今こそ、基本的で明白な法の下での平等の権利と平等な保護を訴えただけで、生活を脅かされ、手足を失い、命までも奪われた人々を評価し、記憶し、改めて支持を表明する最適な機会である」

ButterfieldがSlack社員宛に書いた手紙の全文がMediumで読める。Slackは昨年9月に同社の多様性レポートを公表したが、これは小規模な非公開IT企業では稀なことである。Slackの社員は70%が白人だが、注目すべきは同社の技術部門におけるアフリカ系アメリカ人社員の割合(7%)が、データを公表しているどのIT企業よりも高いことだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

分散型メディアの黒船がやってきた、「BuzzFeed Japan」が正式ローンチ

BuzzFeed Japan_top

BuzzFeed Japanのサイトが本日正式にローンチした。BuzzFeedは2006年にニューヨークで創業したソーシャルニュースのメディア企業で、2015年8月、Yahoo Japanをローカルパートナーとして迎え、ジョイントベンチャーでBuzzFeed Japanを立ち上げると発表した。

 

BuzzFeedはSNS上でシェアされるキャッチーな記事で人気を博しているソーシャルメディアだ。BuzzFeedは従来のリンクを共有してサイトの記事を拡散させることに重点を置くのではなく、Facebook、Twitter、Pinterest、InstagramといったSNS上に記事を配信してページビューを獲得する「分散型メディア」の先駆けである。現在の月間ユニークユーザーは2億人に達し、ユーザーの50%は18から34歳と若年層が多いのが特徴だ。

BuzzFeed Japanは2015年10月、創業編集長に朝日新聞の記者を務め、東南アジア特派員やシンガポール支局長を歴任し、朝日新聞の「withnews」というウェブ媒体でコンテンツ制作にも関わった経歴を持つ古田大輔氏を起用したことを発表した。

古田氏は就任時のプレスリリースで以下のようにコメントしている。

「伝統的なメディアの最良の部分とインターネットの文化やテクノロジーを融合させる。そして、良質なニュース&エンターテインメントを世界中のより多くの人々に提供し、シェアしてもらう。これがBuzzFeedの目標です。日本の編集部から国内のみなさんにコンテンツを届けるだけでなく、世界にも発信していきたいと思います」

BuzzFeedはアメリカの他にイギリス、フランス、オーストラリア、インド、ドイツ、メキシコ、カナダでサービスを展開している。

BuzzFeed Japanのサイトを見ると、翻訳記事以外にもすでに日本語のオリジナルコンテンツが複数あり、SMAPの人気投票なんてタイムリーな記事も見つけた。

YC出身のMagic Busは、シリコンバレーの都市間通勤を楽にする

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Magic Busは、Y Combinator出身の新しいスタートアップで、ハイウェイ101を走るベイエリア通勤者たちのノロノロ、超退屈な運転に終りを告げ、サンフランシスコ全域からサニーベールまで、WiFi装備の定期運行民間バスで彼らを運ぼうとしている。

ベイエリアでの相乗りを目的とするスタートアップはいくつもある ― Chariot、Shuddle、さらにはUberとLyftもやっているが、共同ファウンダーのChris Upjonは、Magic Busには独自の特徴があると信じている。市内の移動ではなく、この会社は都市間の乗車を提供する。

「つまりわれわれは長い距離を運転する人たちを運ぶ」とUpjohnが私に電話で話した。

例えば、パシフィックハイツからレッドウッドシティーのオフィスまで毎日通う人がいたとする。「まずバスでCaltrainの駅へ行き、レッドウッドシティーまでCaltrainに乗り、そこからバスに乗る。つまり、複数の交通機関を乗り継ぐ非常に苦痛な通勤だ」とUnjohnは言う。

Magic Bus commuters taking an early morning ride.

Magic Bus commuters taking an early morning ride.

Lyft LineやUber Poolは、市内地域で公共交通機関に代わる移動手段を提供しているが、現時点で別の都市へ通勤する人々には対応していない。しかしMagic Busでは、乗客は乗車時刻を計画し、同じ方向の乗客と一緒に、乗り換えなしでベイエリアの様々な公共交通機関を乗り継ぐより短い時間で移動できる。

Upjohnは、似たようなシステムを友人の大学生のために作ったが、彼自身がサンフランシスコからメンロパークの金融機関まで通勤する苦痛から、Magic Busのアイデアを思いついた。

「それは長い間私を悩ませてきた問題だった。なぜ今でも一人だけで職場まで運転しているのか? ばかげていると思った」とUpjohnは言った。

Magic Busは始まったばかりのサービスたが、Upjohnによると、既に「数千人」が利用登録しており、このプラットフォームがスマート都市群をめぐる大きな動きの一翼を担うと考えている。

「未来のスマート都市に貢献するためには、今の渋滞を緩和する必要がある」とUphohnは言う。「みんなが車を持つ必要をなくし、通勤にはMagic Busを、市内ではUberやLyft等のサービスを利用するようにしたい」

Upjohnは、将来の相乗りサービスとの提携については話さなかったが、「そのビジョンは追求する」と言った。

ベイエリアの通勤にMagic Busを使ってみたい人は、Magicbus.ioでベータテストに参加できる。TechCrunch読者は、プロモーションコードに”TCridesfree”と入れれば初回乗車が無料になる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

IBM PS/2 Model 30の新古品を立ち上げてみた

私は古いモノが再び働くところを見るのが大好きだ。ビデオにはIBMの伝説的マシンが登場すれ。このIBM PS/2 Model 30は1990年台はじめに登場し、Intel 286 CPUを使った初期のパソコンの一つだった。10MHzの怪物は、Sierra のゲームを楽々と動かした。そして今、まるでトード・ザ・ウェット・スプロケットがまだビッグだった頃のように、突然命を吹き込まれた。

重要なのは、これが新古品であり、つまり一度も開けられていないということだ。これを発見したRick Chanという男が、開封の儀のフォトギャラリーを投稿し、彼がビンテージ部品を探していた時、ニューヨークにある古いマシンで一杯の倉庫を見つけたと書いている。

「ある会社が倉庫に売り残りの新古品在庫の大きな山を抱えていて、eBayで売れるかどうか見ようと考えた」と彼は言った。「彼らはIBM PS/2、NEC Pentuim 1、Reply 486、IBMキーボード、マウス、モニター等を複数台持っていた」。

「思いがけなく幸運なことに、私が中古のビンテージPCを探していたところ、たまたま彼らが必要な部品を持っていたので、eBay経由で連絡を取ったところ、90年台の新品マシンを売ると言ってきた」

この手の代物が滞りなくブートするのは、当時のマシンが戦車のように頑強だったことをものがたっている。最近のノートPCが20年以上生き延びて、ましてや電源を入れるだけで立ち上がるところを想像できるだろうか?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Boston Dynamicの人型AIロボットAtlasが家を片付ける様子をご覧あれ

ひさびさにBoston Dynamicsの人工知能ロボット、Atlasのビデオだ。先ごろGoogleが買収したスタートアップの人型ロボットが二足歩行しつつ家の片付けをするようすをご覧いただきたい。Atlasは歩行できるだけでなく、走ることもできる。、しかも(実はキャリブレーション動作の一環だというが)重量物を運搬するなど家で日常要求されるような作業をひとわたりこなしてみせる。

このビデオではIHMC RoboticsのチームがAtlasにテストとしてキャリブレーション動作をさせている。エンジニアはAtlasの動作を研究し、どこをどのように改良すればよいのかを考える。たとえばAtlasがAIを利用して腕を伸ばしてボトルをつかむとき、その動作をさらに効率化する方法を開発する。その他、さらに高度な課題をAtlasに教え、Atlasの反応を観察する。これによって実際に効率よく高度な動作をさせる方法を研究するわけだ。

「ロボットの操縦者には非常に高いレベルの忍耐力と独創性が必要だ。ロボットがこれまで遭遇したことのない状況で特定の動作をさせようとすれば、その動作を実行できる方法をできるかぎりたくさん考え出す必要がある。それによってどのような動作がロボットにとってもっとも効率的かが分かってくる。ATLASがタスクを実行するとき、人間ならこうするであろうというやり方と全く異なる動作が適切である場合が多い」とSpectrumのロボット操縦者、John Carffは言う。

残念ながら読者はAtlasに家の仕事をさせるわけにはいかないだろう。そのためにはAtlasは高価過ぎる。しかし見てのとおり、ご主人様のためにロボットは箒で床を掃いたり埃を払ったりできる。Atlasは営々として人間のための作業を実行しているが、映画ではないが、ある日それと気づかないでわわれの頭脳はクモ型ロボットのバッテリーの代用品にされているかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ダニー・サリバン氏による、アミット・シンガル氏へのインタビュー。”モバイルファースト”な生活を送ることで、気づいたこと。

2015年にも色々と動きがありましたが、その内の一つにモバイル関連の動きを挙げる方も多いと思います。(少なくとも、私はその内の一人です。)改めて確認する必要が無いほど、Googleはモバイル推しを継続していますが、アミット・シンガル氏は、ほぼ全ての検索をモバイルデバイスのみで行っているようです。1年以上、そうした生活を続けているとのことですが、その中で氏が感じたことをダニー・サリバン氏がインタビューの中で明らかにしています。我々の明日の作業に直接関わるといった類の話しではありませんが、非常に興味深い内容であり、それは”Google検索のトップの言葉だから”という理由だけではありません。– SEO Japan

アミット・シンガル氏は、ほぼ全てのデジタルライフを、1年以上2つのスマートフォンのみで送っている。

Amit Singhal. Credit: Google

*記事内のリンクは全て英語となっています。

モバイルファーストという信念をしばしば耳にすることはあるだろうが、Google検索のトップは、ただその信念を口にするだけではない。彼は実際にそういった生活を送っているのだ。ほぼすべての検索を1年以上、モバイルデバイスのみで行っているようだ。

アミット・シンガル氏はGoogle検索のシニア・バイスプレジデントであり、同社の検索に関連するプロダクトの全てを統括している。2000年にGoogleに参加してから、ずっとこの役割を担ってきた。この数年間、私は彼に何回もインタビューをする機会を得ている。その内の一つは数か月前のことであったが、彼は2つのスマートフォンをテーブルの上に起き、検索の全てをモバイルで行っていると何気なく述べたのだ。

本当に?全ての検索をモバイルで行う?実際にそうだ、と彼は答えた。より多くの人々がGoogleで検索する際、デスクトップではなくモバイルで行うようになっているが、モバイルファーストについての話をするだけではなく、実際にそうした生活を送ることに意味があると感じたのだ。

非常に興味深い発言であったため、彼のモバイルライフについて話してくれるよう依頼した。下記は、そのインタビューで話された、トピックごとにQ&A形式でまとめた内容である。

Q:スマートフォンとモバイルデバイスのみを使おうと決めたのはいつのことですか?

シンガル氏:スマートフォンのみで生活しようと決めたのは、1年ほど前だったと思う。しかし、長いメールを仕事で打つ際はブラウザ(デスクトップ)を使用している。なぜなら、長いメールをタイプするのは、非常に困難であるためだ。しかし、大体においてはスマートフォンのみを使用している。

おもしろいことに、家をリノベーションしているため、今は仮住まいの生活を送っているんだ。ここ2~3週間はWi-Fi接続もないため、とても困っている。また、家にノートパソコンは置いていない。キーボードが付いたデバイスは家にはなにもないんだ。

Q:スマートフォンだけですか?タブレットは持っていますよね?

シンガル氏:いや、タブレットは持っていない。キーボードが付いたデバイスも、タブレットもないんだ。これ(Galaxy S6 Edgeを取り出しながら。また、彼はiPhone 6+も持っている)は十分に大きいしね。

Q:特別に気に入っているスマートフォンはありますか?

シンガル氏:我々は全てのプラットフォームでユーザーを持っている。そして、その全てを愛しているよ。(にっこりと笑いながら)

Q:では、仮に長いメールをタイプしなければならない場合ですが、オフィスにいる時がデスクトップをメインに使う時間ということですか?

シンガル氏:デスクトップやノートパソコンを使用するのはその時だけだね。たまに、セキュリティ関連の事情があるときはその限りではないが。私は一日の内、6時間から7時間ほどミーティングを行っている。また、ノートパソコンやタブレットを持ち歩いているわけではない。つまり、その時間私はスマートフォンを使用せざるを得ないんだ。その他の1時間は、長いメールをタイプしている時間だね。

Q:バッテリーは持ち歩いていますか?

シンガル氏:ははは。私がスマートフォンを2つ持ち歩いているのはそのためだ。万が一、片方がバッテリー切れをしてしまった時のためにね。

Q:そうした生活を送る中で、あなたが発見した最も大きなことは何ですか?例えば、最も大きな変更であるとか。もしあなたが”やった!モバイルの新しい使い道を思いついた!”というようなことがあれば、それは非常に興味深い。

シンガル氏:最も大きな発見は、Webの側面からも、アプリの側面からも、どちらも完璧には程遠いと感じたことだ。これが最も大きな発見だ。なぜなら、Webは、まだ、完全にモバイル用にデザインされていないからだ。

ログイン情報とパスワードをタイプしなければならないサイトに出くわすと、いつも身震いしてしまう。

これが、我々がAMP(Accelerated Mobile Pages)やその他のプロジェクトを取り組んでいる理由だ。こうした状況を、前に進めようとしているんだ。しかし、私は、ログイン情報とパスワードをタイプしなければならないサイトに出くわしたとき、いつも身震いしてしまう。本当にそうだと思っているんだ。Chromeはパスワードなどの情報を保存してくれるが、それでも素晴らしい体験だとは言えない。

Q:あなたがそう感じるのは、パスワードなどを入力することが手間であるためですか?

シンガル氏:その通り。非常に手間がかかってしまう。私はよく自分のパスワードを忘れてしまうんだ。だから、”パスワードを忘れてしまったため、一時的なパスワードを発行する”、などのリンクを探してクリックする。Gメールに戻って、内容を切り取り、貼り付けを行うが、目に見えない半角スペースを含ませてしまうこともある。悪夢だと言える。なぜなら、切り取って貼り付けを行う作業は正確には行えないからだ。私は、25セント硬貨ほどのサイズの親指を使用しなければいけないんだよ。

仮に、マウスポインターの大きさがこのくらいであれば(握りこぶしを作りながら)、Webデザインは今日のようなデザインになっていただろうか?

アプリについてだが、私はそんなに多くのアプリをダウンロードしていない。そのため、認証における問題はやはり起こってしまうのだ。もちろん、多くのアプリは私の認証情報を保存してくれる。しかし、3か月に1度しか使わないアプリをダウンロードすることはないんだ。

担当医が私に血液検査の結果を送ってくれるのだが、私はその医療団体のアプリをダウンロードしていない。Webサイトがあり、それは非常に上手くできている。そして、幸運にも、私は毎日血液検査の結果を知る必要はない。半年に1回くらいだ。

こうしたことが、最も大きな発見であった。我々を2つのプロジェクトにおいて前進させてくれたのだ。AMPが最も新しい試みであり、App Indexingがそのひとつ前の試みだ。この2つのプロジェクトは不足している部分を埋めてくれることになる。

AMPはコンテンツを配信するための非常に優れたシステムだ。そして、App Indexingは、上位5位の検索結果の内、40%のトラフィックがApp Indexingによるものだ。これにより、私がアプリ内検索を行う機会を減らしてくれているが、それにはいくつかの理由がある。

モバイルは根本的には”タップ”して操作するデバイスであり、”タイプ”するデバイスではない。

*注:”タイプ”とは”type”の和訳であり、”(文字を)入力する”という意です。

アプリ内での検索は非常に苦痛なものであると考えている。モバイルは、根本的には”タップ”して操作するデバイスであり、”タイプ”するデバイスではない。私は、望んでいる情報を手に入れるまで、何回タップを行わなければならないかをよく数えている。現在、Googleが使用しているオートコンプリート機能は、2~3回のタップで完結するような素晴らしいモデルを構築できている。2文字か3文字ほどの入力で大体私が手にしたい情報を得ることができているのだ。

多くのアプリは、こうしたオートコンプリートモデルを採用していない。アプリに伝えたい内容を入力するまでに、多くのタイプを必要としている。そのため、結局はGoogleで検索してしまう自分がいるのだ。欲しい情報を手に入れるためにね。これが、私が学んだものの内の1つだ。

Q:アプリやコンテンツで、あなたが頻繁に使用するものがあれば、例を挙げていただけますか?

シンガル氏:コンテンツがメインのアプリがそれに該当するだろう。例えば、Wikipediaなどだ。本当のアプリや機能性のあるアプリではなく、コンテンツがメインのアプリの1例であるが。つまり、私がよく使用するアプリは、一握りの数しかない。そこまで多くのタイプを必要としないものだ。

Q:検索という観点では、あなたが発見したことはありますか?モバイルで検索を行った際に、”こうした検索結果は考えたこともなかった。ユーザー行動について、こうしたことは意識したことがなかった。何らかの点で変更や改良が必要だろう。”と感じたことはありますか?

シンガル氏:最も大きな発見は、モバイルがタップして使用するデバイスであると気づいたことだ。そのため、あらゆることが、この気づきに基づいている。サインインしているユーザーへは、ユーザーが文字をタイプする前に、最後に検索したいくつかのクエリを提示している。これは、人々の検索行動を変えるだろう。なぜなら、多くの人々が繰り返し同じ検索を行うからだ。

例を挙げてみよう。”mo”とタイプしてみる。私は、”Mountain View”とは入力していない。(”mo”と入力すると”Mountain View”がサジェストとして表示されている。)非常に長い名前だね。誰が名づけたんだろうか?(笑いながらそう述べていたが、モバイルで”Mountain View”を検索する人のことを考えていない、ということを暗に意味している。)履歴を見てみよう。これが私の検索履歴だ。もちろん、(サジェストの中に含まれている)”Mountain View library”は私に関連した情報だ。これで検索は終了だ。

こうしたことが、我々の検索に対する基本的な考えに変化を与えている。別の例を見てみよう。これは私が個人的に使用しているものだ。これについて知っている人はそう多くはない。これは、私の義理の父親だ。(彼の義理の父親の連絡先を表示するために必要な)3文字を入力すれば出てくる。(アドレス帳から)電話を掛けようとした場合は、その他の多くの人の中から探し出さなければならないため、より多くの時間がかかる。つまり、こうしたとこが、今現在起こっていることの1つの例なのだ。

私は、モバイルでは、より多くの行動を行いたいと思っていることに気づいた。

その他にも、私は、モバイルでは、より多くの行動を行いたいと思っていることに気づいた。行動と消費のバランスの中で、より行動へ意識が向けられている、ということだ。それは、つまり、ビジネスに関連した行動だ。そうだろう?これは最もシンプルな行動の1つだ。言い換えれば、席を予約したりとか、そういった類のものだ。

Q:あなたはより多くのことをしたいと思っているのですか?それとも、より簡単に行えるようにしたいと考えているのですか?

シンガル氏:より多くのことをしたいと考えている。そして、我々のインターフェイスで行っているアクションを、より簡単にしたいとも考えている。今日行うことを試しに見せてみよう。今日は私の24回目の結婚記念日だ。”Tamarineレストランに今日の19:00に二人分、席を予約してくれ。”(電話に向かって話しかける。)

(本来であれば、GoogleがサポートしているOpenTableの予約画面を検索結果に表示されるが、今回はエラーが起こったようで、表示されなかった。)

OpenTableがタイムアウトにならなければ、私は簡単に席を予約できるだろう。実際、今日の早い時間に行ってみたのだが、今はタイムアウトになってしまっている。

これがアクションの1つの例だ。席を予約する、ディナーを食べる、という私のアクションだ。ビジネスに関連するアクションの最も簡単な例だ。私は、定期的に経路検索も行う。電話を手に取り、ボタンをタップし、行きたい場所を案内するように音声で頼む。こうしたことが習慣になりつつある。なぜなら、これもまた、アクションであるからだ。

そのため、モバイルは”(アクションを)行う”デバイスでもあると、気づくことができた。

Q:まだ不足していると感じていることはありますか?

シンガル氏:1つある。自分に関することなので、一般的な例であるとは言えないが。例えば、タイムアウトだ。今起こったことのように。なぜ、こうしたサービスはタイムアウトを設定しているのだろうか?

一般的な例も挙げてみよう。Webでは、あるクエリから別のクエリへ行ったり来たりしている。どこかへ旅行するための予約を取るとき、私が気に入ったホテルのレビューに出くわしたとする。そのために、そのホテルの情報をコピーし、貼り付けるといったことをする。

この作業は、モバイルでは非常に苦痛な作業だ。ここで、私の思考は邪魔されてしまう。なぜなら、モバイルでテキストの一部を選択することは、面倒な作業だからだ。コピーし貼り付ける、という作業はモバイルのために設計された作業ではない。(デスクトップでも十分に機能しているとは言えないが。)

いい意味での驚きは、私がよく使用している、ChromeのNow on Tap機能だ。これは非常に優れた機能だが、気に入っていない点は、Androidのみでしか使えないという点だ。(彼はChromeと発言していたが、実際にはAndroidという意味だろう。)また、(Now on Tapをサポートしている)アプリでテキストを読んでいなければ、使うことができない、という点でも不満がある。

これらは、我々が技術的には解決する方法を知っている、不足点と言えるだろう。しかし、これは技術的な問題が原因となっていないのだ。技術的な問題であれば、一貫したユーザー体験を提供することは可能なのだが。

物理的に行うことが困難であることに出くわしたとき、我々の思考は邪魔されてしまう。ここ10年か15年の間、我々の思考は、”マウイ島について調べているときに気に入ったホテルを発見した場合、コピーしGoogleに貼り付け検索を行う。”といった行動をするようにプログラミングされている。そして、作業を前に進めることができる。しかし、同じことをモバイルで行おうとしたら。。。(不満を示すようにため息をつく。)

Q:モバイルでは、文字を入力する場合と音声で検索する場合と、どちらが多いですか?

シンガル氏:文字を入力するよりも、スワイプと音声検索を多く使用するね。

Q:同じくらいの頻度ですか?それども、音声検索の方が多いですか?

シンガル氏:私は普段、ミーティング中は、多くの人に囲まれている。その間、電話に向かって話しかけることはできない。なぜなら、私はミーティングに参加しており、何か別のことを同時に見ているからだ。しかし、プライベートでは、よく電話に向かって話しかけているよ。

私の息子(彼には15歳になる息子がいる)はまだ働いていないから、プライベートの時間しかないと言える。私は、彼がモバイルデバイスで文字をタイプしていることはほとんどないと思う。これは冗談ではないのだが、彼が宿題をしているとき、片手にはペンを、そして、もう一方の手には電話を握りしめているのだ。

私が部屋にいて、彼が自分の部屋にいると、私はGoogleの音声をいつも耳にする。そこで私は、”しっかりと宿題をしているようだ。よしよし。”と思うのだ。

私は、彼が電話に向かって話しかけているのをよく目にする。”第二次世界大戦はいつ?”といった具合に。これは彼の習慣となっているのだろう。私が部屋にいて、彼が自分の部屋にいるとき、私はGoogleの音声をいつも耳にしている。そこで私は、”しっかりと宿題をしているようだ。よしよし。”と思うのだ。

Q:2016年に検索において、どういったことが課題になると考えていますか?

シンガル氏:我々にとって3つの大きな課題は、モバイルとモバイルとモバイルだ。そして、この分野において、我々は優位性を保っていると考えている。他の誰とも、どんなものとも比べてもだ。

これについて、私は非常に誇りに思っている。しかし、全てのプロダクトにおいて幸せだと感じているわけではない。音声検索、スワイプ入力、オートコンプリートについて、非常に大きく進歩できたことについては非常に満足している。

これは、Googleの検索がデスクトップよりもモバイルの方が多くなったという事実に表されているだろう。人々が容易に検索を行えるようにすることができた、という事実を物語っている。

また、ここ最近のGoogle Nowによる予測検索も楽しんでいる。いくつかの改良を行ったのち、非常に優れたものとなった。本当に楽しめているよ。

(彼は自身のGoogle Nowを開き、そこに表示される様々なカードを示しながら下記の説明をしてくれた。)

これが私に関連している情報だ。(彼はそろそろミーティングに向かわなければならない。)車を駐車した場所やクリケットについて。明日の朝に、南アフリカで行われる試合がある。ウォーリアーズ(バスケットボールチーム)は上手くいっていないようだ。株価の情報はこれだ。天気についての情報もある。非常に素晴らしい。こうした情報は私が興味のあるものばかりだ。

これらは、全て私に関連している情報だ。全ての人が、私と同じ(Google Nowで表示される)情報を手に入れる必要はない。

これからもGoogle Nowを利用してくだろう。何度も、何度も、何度もだ。そして、さらにGoogle Nowは進化することになる。

こうした”素晴らしい”と思える瞬間に立ち会うことができている。それは驚くべきことだ。

おお!(マークザッカーバーグ氏が資産の99%を寄付するというニュースをGoogle Nowで発見して叫んだ。)彼が自身の資産の99%を寄付すると決めたって??

ほら、こうのようにして、私は何かを学ぶことができるんだ。こうした、”素晴らしい”と思える瞬間が、私を再度Google Nowに呼び戻すんだ。こうした”素晴らしい”と思える瞬間に立ち会うことができている。それは驚くべきことだ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「How Google’s Search Chief Has Been Living The “Mobile First” Life For Over A Year」を翻訳した内容です。

個人的には、”モバイルがタップで操作するデバイスであること”と”モバイル検索が増加した理由の一つには、Googleがモバイル検索体験の向上を進めたから”といった点に納得しています。Googleによる取り組みに一定の満足を示しつつも、完璧には程遠いという言葉も印象的ですね。既存のWebデザインをモバイル化する、という発想よりも、そもそものWebデザインについて、疑問を投げているように思えます。スマートフォンの登場以来、日々進化しているモバイルですが、その動きは今後も止まることはないでしょう。数年後、改めて読んでみると色々な発見がありそうな記事だと感じました。– SEO Japan

ユーザーの愛車をまるごと広告スペースにするWrapifyが毎月100%で急成長中

2016-01-19-wrapify

車を所有するのには金がかかる。ガソリン、税金、保険、整備費用、その他車関連の出費の項目は無数にある。一部の都市部ではすでに車を持つよりUberやLyftなどの共有経済型の車の利用に切り替えた方が安くつくようになっている。

そこでWrapifyというスタートアップはカー・オーナーが維持費のいくぶんかをキャッシュで取り返せる方法を提案している。半年前に創立されたWrapifyは、車にペイントされるラップアップ広告を掲出したい広告主と車のオーナーを仲介することがビジネスだ。

仕組みを簡単に説明しよう。

Wrapifyの市場は両面を向いている。一方では車に広告を出してもいいと考えるカー・オーナーがリストに登録できるようになっている。オーナーは全車広告、一部広告、パネル広告から希望の種類を選べる。他方では企業などの広告主が掲出したい広告の条件などを指定して登録ができる。

広告掲出契約が成立するとオーナーは車をペイントショップに持ち込んで塗装してもらう。オーナーは広告の掲出期間について月平均450ドルの収入が得られるという。

Wrapifyは専用のスマートフォン・アプリを用意しており、ユーザーの車の移動をモニターする。ユーザーは通勤やショッピングなどさまざまな目的、ルートで車を使う。Wrapifyは単なる移動距離だけでなく、多くの要因を総合して距離あたり広告単価を決定する。たとえば車が人口密集地域を通過したときには単価が高くなる。また交通渋滞などで目立つ場所に長時間停車している(当然注目を集める)場合も単価は高い。

Wrapifyには現在1万人のカー・オーナーが登録しており、メリカの10以上の都市をカバーしている。成長率は毎月100%という高さだ。ア広告主にはeBay、Petco、Harrah’s Resortsのような大企業が含まれる。

興味深いのはWrapify Swarmという仕組みだ。 Wrapifyはアプリを通じて、その名のとおり〔(昆虫などの)大群〕、特定の場所に大量のユーザー車両を集めることができる。Wrapifyから送信されたプッシュ通知を受け取ったユーザーはSwarmへの参加を承諾すると余分のキャッシュを得ることができる。特定企業の広告を掲出した車両が何十台も繁華街を走ったり、パーキングに並んで駐車したりすれば人目を引くこと間違いなしというわけだ。Uberが需要に応じて価格を吊り上げるのと同様、こうした特別のプロジェクトでWrapifyは高い広告単価を得ることができる。

これまでも自動車のラップアップ広告を仲介しようという試みはあったが、規模が小さく、いずれも成功していない。しかしWrapifyは悲観的な見方に対して「われわれはテクノロジー企業である点が〔過去の例とは〕まったく違う」と強く主張している。Wrapifyは最近画期的な進歩を遂げたモバイル・コミュニケーション・テクノロジーをカー・オーナー集めや広告料金の算定に最大限に活用している。

WrapifyはLudlow Ventures、Social+Capital Partnership、Haystack、The LAUNCH
Fundから100万ドルのシード資金を得ており、さらに現在シリーズAのベンチャー資金を調達しようとしている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビーコン技術で屋内位置情報サービスを提供するEstimoteが1070万ドルを調達

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Estimoteはビーコン技術を活用する企業で、小型のワイヤレスセンサーとそれと連動する屋内位置情報テクノロジーソフトウェアを提供している。大手小売企業やFortune 100に載る65%の企業にサービスを提供する彼らは今回シリーズAで1070万ドルの資金調達を達成した。このラウンドで調達した資金は、小売店が多い彼らのカスタマーベースのニーズに応えるためにビジネスをスケールすること、そして次の一手のための研究開発を行うことに充てるという。

研究開発に関してEstimoteは、新たなハードウェア・プロダクトを近いうちにローンチする予定だという。Estimoteはビーコンだけに留まるつもりはないようだ。

今回のラウンドはJavelin Venture Partnersを筆頭に、新しくHomebrew、Box Group、Digital Garage、Commerce Venturesら、そして複数の戦略エンジェル投資家のグループが参加した。その中には、TellApartをTwitterに売却したばかりのJosh McFarlandも含まれている。Estimoteのシードラウンドに参加した既存の投資家も今回のラウンドに出資している。

コンシューマーにとってビーコン技術は毎日の生活で気にかけているものではないが、その技術はスマホから私たちが身の回りの環境と関わる方法を変えるだろう。

例えば、TechCrunchが以前聞いたところによると、Estimoteは小売大手のTargetにビーコンを提供していて、Targetがアメリカで運営する1800店舗に革新的なセンサー技術を適用しているという。(同社はこれについて明示していない。)

Future of retail by Estimote

Targetの場合、彼らのスマホアプリと店舗に複数設置されたビーコンが連動する。ビーコンは壁や特設販売コーナーなどに設置され、買い物客に詳細情報やおすすめ商品、割引通知などを届ける。それを実現するために、買い物客の位置を複数のBluetooth low energy(BLE)による三角測量とスマートフォンのセンサー情報で認識している。コンシューマー側は小売店のアプリと位置情報を共有することを許可する。最も重要なことはコンシューマーがプライバシーを明け渡すことに怖気づくのではなく、情報と引き換えに得られる価値を見出すことにあるのかもしれない。

Estimoteの共同ファウンダーであるSteve Cheneyは、ビーコン技術は近くを通る買い物客にクーポンを届けるだけの用途に留まらないという。

彼はビーコン技術について「プッシュ通知やクーポンのためだけのテクノロジーだと考えていたのなら、私たちはこの会社を立ち上げていません」と言い、「クーポンの話しかしないマーケッターには疲れます」と話した。

Cheneyのビジョンは買い物客にお得情報をプッシュするだけでなく、Eコマースと実店舗の境界線を曖昧にすることだと話す。いくつかの場合、実店舗を「ショールーム」として上手く活用することができる。例えば、コンシューマーはテレビや洗濯機など高額商品の購入を検討する際、店舗で実際の商品を見たいと思うだろう。そして自宅に配達するのはスマホのボタンを押すだけで手配できるようになる。

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他にもビーコン技術を他のテクノロジーと組み合わせることで店舗内での体験を改善することができる。例えば、ボタンを押して専任の販売員と落ち合うことができるようになるといった具合だ。

あるいは、例えば工務店に行く前に購入する必要のある「ねじ」の写真を撮影し、アプリで地元の店舗の在庫を検索してショッピングリストに加えることができるようになる。店舗に行ったのなら、店舗内ビーコンでそのねじがある特定の棚と位置を知ることができるようになる。

これは近い将来実現できるだろう。Cheneyは現在アメリカの小売のトップ企業、複数社と協力していると話す。

また、Estimoteは彼らの商品で色々試している小規模な開発カスタマーを5万人抱えているという。 彼らは、有力なSaaSビジネスとの橋渡しとなる「lead gen(見込み客を獲得する活動)」の役割を果しているという。 開発者と接する中で、大手企業とのつながりを持つ開発者がいたり、別の開発者はプロダクトの検証を行ってEstimoteの何を修正すべきかやどんなユースケースが考えられるかといった情報を共有している。

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それらは次に何を制作すべきかのヒントになっているという。

Estimoteはすでに新しいプロダクトに取り掛かっているようだ。詳細はまだ明らかにしていないが、Cheneyによると次のプロダクトも既存のプロダクトラインとクラウドプラットフォームと連動するが、新しい物理的な製品が関連するという。

「小売の未来は、壁面に取り付けられたセンサーに留まりません。ユーザーが見るスマホとその画面、そして身の回りの環境で起きることが鍵です」と彼はヒントを言う。このプロダクトはEstimoteが計画している複数のプロダクトの内の1つだ。チームは毎年、新しいハードウェアをひとつずつリリースする予定だ。

多くの企業がビーコン技術を採用するほどEstimoteは成長し、四半期の収益が前四半期を上回るようになった。このスタートアップは収益を開示していないが年間「何百万ドル」の収益があるという。これは新規の投資家にとっては重要なことだ。カスタマー収益で強いリターンが見込まれている。

「2015年のQ4までの8つの四半期で、前四半期比のカスタマー収益のリターンが平均40%伸びています」とCheneyは言う。

追加の資金でEstimoteはニューヨーク、ポーランドのクラクフの拠点の50名のチームにプロダクト開発、エンジニアリング、研究開発、そしてビジネス面とセールスの各部門の人員を採用して加える予定だという。また、サンフランシスコにオフィスを開設することも計画している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

広告ブロック入門

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Mani Gandhamは、 Instinctive. の共同ファウンダー・CEO。】

広告ブロックに関しては、山ほどの情報が飛び交っている。その人の認識によって、広告ブロックは救世主…あるいは、ますます大きくなる問題だ。どちらの視点もそれなりに正当である。しかし、確かに言えるのは、今後広告ブロッカーの利用が急速に増えていくであろうということだ。

広告ブロックとは何か?

広告ブロックとは、専門的には、ウェブサイトを訪れた際にデータを選択的にダウンロードすることによって、望まない項目が読み込まれることを「ブロック」する行為を指す。殆どの場合対象は広告だが、例えば、埋め込みメディア、ソーシャルウィジェット、追跡ビーコンなど何であってもよい。

そのしくみは?

広告ブロックには、様々なレベルで動くソフトウェアが関与している。通常「広告ブロッカー[ad blocker]」と呼ばれ、ChromeやFirefox等、ブラウザーの拡張機能としてインストールされる。ひとたびインストールされると、大きく2つの方法でコンテンツを選り分ける。(1) (クラウドソースされた)ブラックリストに沿ってドメイン名や項目をチェックし、読み込まれるのを防ぐ。(2) 読み込まれたページをチェックし、標準的な広告サイズの画像や、”sponsored” と書かれたボックス内のテキスト等を、一定のルールに従って項目を削除する。

殆どのサイトは、コードにサードパーティー製のJavaScriptタグが埋め込まれていて、提供者はどのクライアントでも同じドメイン名を使っているため、ドメイン名ブラックリストは極めて効果が高い。ページ内のコンテンツは、ダウンロード後読み込まれる前に広告タグを取り除かれ、広告のレンダリングも行われないため、広告ネットワークはインプレッションが発生したと認識しない。

このソフトウェアは別のレベルで動作することも可能だ。例えば知識のあるユーザーなら、OSの設定を変えて、使用しているブラウザーやアプリケーションに関係なく、どの広告ネットワークとも接触しないようにすることができる。ネットワーク全体(家庭または会社のインターネットルーター)にソフトウェアをインストールして、その場所の全ユーザーに適用できるものもある。Shineのように、携帯キャリアーに直接販売して広告をブロックするソフトウェアもある。

キャリアーレベルの広告ブロックは、米国におけるネット中立性に反するため、普及することは考えにくい。しかし、最近増えつつある”zero-rating” (一部のデータを顧客の課金から除外する。例えばT-MobileのSpotifyストリーミング)は、広告主がデータ通信料金を支払い、ユーザーの帯域コストを負担する可能性を示唆している。これもまた、ネット中立性に違反する可能性があるとして注視されている

なぜ広告ブロッカーを使うのか?

人が広告ブロッカーを使う理由は、大きく分けて4つある。性能、プライバシー、セキュリティー、およびよりよい体験だ。

  • 性能:平均的なページには数十の広告タグが含まれており、広告プロバイダーは概して性能について何も考えていない(数百のタグ、画像、何メガバイトものビデオ等々)ため、それらの読み込みを阻止することでウェブサイトは劇的にスピードアップされる。
  • プライバシー:殆どの広告ネットワークと追跡システム(Google Analytics等)はユーザーの行動や訪問したページに関する情報を収集しており、これがプライバシー問題に発展する可能性がある。広告ブロッカーはこれを阻止して、安全にブラウズすることを可能にする。
  • セキュリティー:ディスプレイ(バナー)広告エコシステムは、未だにオンライン広告で最大の部分を占めており、様々なテクノロジーの寄せ集めと化している。広告ベンダーは、数多くのリッチメディア等を追加して、アニメーション、ビデオ、オーディオその他の要素を含む「インタラクティブ」で「魅力的な」広告を作ろうとしている。このために、広告ネットワークはサードパーティー製のJavaScriptやFlashのファイルを広告枠の中で動作させている。しかし、どちらも悪意のあるコードが走る可能性があり、ユーザーがウィルスやマルウェアに感染することが膨大な規模で起こりうる。
  • よりよい体験:広告フォーマットが単純にバナーからリッチメディアへと進化するにつれ、アウトストリームビデオ(記事の段落間でいきなりビデオが再生される)や画像内バナー(他の画像に重ねて表示されるバナー広告)等によってその侵略度は最大化している。こうした広告は気に障ることが多く、ユーザーが本来読もうとしていたコンテンツの視聴を妨害する。これはマイナスの効果しかなく、広告ブロッカーを使う最大の理由と言って間違いない。

広告ブロックが効かないとき

広告ブロックは殆どがブラウザーのプラグインを通じて行われるため、ウェブサイト上の広告に対してのみ働くのは当然である。AppleのiOSは最近、Safariブラウザー用の広告ブロック拡張機能を認めたため、モバイルウェブサイトでも広告をブロックすることが可能になった。iOS、Android共、広告ブロック機能を内蔵するサードパーティー製ブラウザーの使用を許している。

広告はすばらしいモデルだが、今の実装方法は基本的に間違っている。

ネイティブモバイルアプリおよびデスクトップアプリの広告には、拡張機能がない(ブラウザー用プラグインの影響を受けない)ため現在殆ど影響を受けていない。サイト運営者によって直接埋め込まれたスポンサー付コンテンツ(記事内に自然に書かれていたり、ポッドキャスト内で読み上げられられるメッセージ)も影響を受けない。WSJ.comのNetflix提供記事のようなブティック型カスタム広告はブロックが可能だが、コンテンツの品質が高いためそのままにされることが多い。

ファーストパーティー広告配信はグレイゾーンにあり、基本的にウェブサイト運営者が自身のドメインから広告を配信するものを言う(Facebookウェブサイトの広告がfacebook.comから読み込まれるように)。これはこの種の広告が直接調達されていることを示しており、広告ブロックを回避できる。なぜなら、ドメインをブロックするとサイト全体をブロックすることになるからだ。

広告主の選択肢

広告主は、実際にはあまり影響されない。膨大なウェブサイトへのトラフィックを未だに持っており、ソーシャル、モバイル等、他の多くのチャネルへと広告費を移行している。多くのコンテンツが閉じたプラットフォームやアプリへと向かっていけば、広告はより強く統合され、削除は困難になる。

サイト運営者の選択肢

サイト運営者は最も大きく影響される。なぜなら訪問者が広告をブロックすると広告収入を失うからだ。それを避ける方法はある。例えば、ファーストパーティー広告を使ったり、スポンサー付コンテンツを作成することだが、それには多くの時間の労力が必要であり、広告主が関心を示すような評判が高く大規摸な視聴者を持つ大手サイトでしか通用しない。

中規模のロングテールなサイトはこれを効果的に行うことができない ― 規模や基盤が不足している。ペイウォール(有料制)を試みたサイト運営者もいるが、料金を払うユーザー数は非常に少ない上、非常に質が高いか、独占あるいはニッチなコンテンツがないと成立しない。広告ブロッカーのユーザーに対して、自社サイトをホワイトリストに加えるよう依頼するメッセージを送ったサイト運営者もいたが、殆ど効果はなかった ― 広告ブロッカーを使っていなかったユーザーを喚起した結果、利用者はむしろ増えてしまった。

少額支払いのBlendleや、FacebookのInstant Articlesのように、体験を改善する努力は行われているが、収益状況は堅牢にはほど遠い。実際にうまくいくか維持可能であるかは誰にもわからないが、おそらく将来は、クローズドプラットフォームを通じた分散アクセスや、ウェブサイトによる様々なテクノロジー、より多くのスポンサー付コンテンツ等を組み合わせたものになるだろう。

広告ネットワークの選択肢

広告ブロックは、ウェブサイトベースを主体とする広告ネットワークに主として影響を与えるが、ブロックを回避する技術的方法はいくらでもある。例えば、ドメイン名を定期的に変更する、あるいはサーバー側での広告レンダリング等だ。広告技術は95%がサーバー側で行わており(ユーザーが広告サーバーにつながると、どの広告を出すべきか山ほどの作業を行って広告コンテンツを返す)、残る5%のJavaScriptタグを使ってページ内の広告を表示する部分もサーバーに移動することが可能だ。

広告はウェブエコシステムに不可欠な要素である。

これには大がかりな変更が必要であり、パブリッシングシステムが広告ネットワークと協力して、コンテンツと広告をシームレスにワンパスでレンダリングできるようにするためには、APIの標準化が必要になるだろう。コンテンツ配信ネットワークも、コンテンツが読み込まれる際に自動的にページを書き換えて広告を挿入することで、サーバ側に移行できる可能性を持っている。

アナリティクスについてはあまり語られていないが、同様の影響を受ける。Google Analytics、Chartbeat、MixPanelをはじめとする、広告は配信しないがサイトオーナーが視聴者の行動を分析するのを手助けする数多くのサービスは、重要な視聴者の大部分が見えなくなるために、用をなさなくなる。彼らもサーバー側によるファーストパーティートラッキングに移行せざるを得ないだろう。

まとめ

広告は当分なくならない。広告はウェブエコシステムに不可欠な要素であり、コンテンツや目的地サイトに膨大な成長をもたらしてきた。それは、Google、Facebook、Twitter、YouTubeをはじめとする無数のサービスが存在している理由でもある。

コンテンツ製作者を補償する方法は2つしかない。直接支払うか、広告と引き換えに無料でコンテンツを受け取るかだ。少額支払いと定期購読については常に革新が起きているが、真実はといえば、あらゆる調査結果が示すように、人々はウェブで配信される典型的コンテンツに金を払う意志がないということだ。記事の価値はわずか数セントであり、少額支払いシステムにとっても摩擦が大きすぎる。1度しか消費されないコンテンツならなおさらだ。

以上を踏まえた上で、今でもオンライン広告は、コンテンツを視聴し費用を負担するための、最も速く、最も受動的で、最も匿名性の高い(直接支払いと比べて)、そして最も普遍的な方法だ。

それでも広告ブロックは間違いなく成長しており、それには正当な理由がある。

  • サイト運営者は短期的収益を追求し、コンテンツの質を下げている。
  • 広告主は常により多くの発注を要求し、強いられたエンゲージメントで成功の度合を測定する。
  • 広告ネットワーク(問題の根源)は遅くて重い広告でユーザー体験を損い、基本的なプライバシーと責任を無視している。

しかし暗い話ばかりではない。何よりも、これは完全に解決可能な問題である。広告はすばらしいモデルであり、今根本的に間違っているのはその実現方法だ。広告そのものではなく、どうやって実施するかが今の反発を呼んでいる。

業界の進化と共に、われわれが目にする広告は減り(稀小性が高まり価格と売上は増える)、横柄で目障りなメッセージではなく、整備された受け入れやすい焦点を絞ったコンテンツが増えるだろう。プライバシーを重視し、データの使い道についてユーザーが安心していられるようになる。広告主は、人を楽しませ、ひらめきを与える創造的な作品を作るようになる。バナーはまだ残るだろうが、画像内広告、リッチメディア、およびアウトストリームビデオは消え去る必要がある。

現在一歩進んでいるInstinctiveは、質の高いブランド付コンテンツを見せる広告ユニットをシームレスに配信している。これはユーザー体験を改善するだけでなく、性能を向上させ、エンゲージメントを高め、広告主のブランド認知度を高めるものだ。

広告は今日、間違いなく厳しい状況にある。広告ブロックは業界にとってプラスにもマイナスにもなりうるが、一つだけはっきり言えることがある ― それは切に望まれてきた変化であり、ウェブ全体の未来にとって良い結果を招くであろうということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型Apple Watchはいつ出るのだろうか?

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いつかはApple Watchの新型ハードウェアが登場するだろう。バッテリーの寿命が改善し、より軽い本体に、使い方が分かりやすくなり、機能も増え、Appleはそれらの販売で利益を得ることになるだろう。しかし、それはいつになるのだろうか?

今週、中国のサイト Commercial Times9to5Macの情報より)は、次世代型のApple Watchの生産が今月の終盤頃からQuantaというサプライヤーの元で始まると伝えた。昨年末、9to5Macも新型Watchが2016年3月のイベントで登場するのではないかと予測していた。

そんなに早くに登場するかは疑わしい。いくつか複数の情報筋から聞いた話によるとApple Watchを大幅刷新したハードウェアモデルは3月には登場しないだろうということだった。デザイン提携、アクセサリーなどは登場するかもしれないが、「Watch 2.0」と呼べるような新ハードウェア機能ではない。もちろん私が間違っているかもしれないが、聞いた話をまとめるとそのようだった。

更新情報:Appleが、Apple Watchにマイナーな変更を施したモデルを出荷するかもしれないという話を聞いた。FaceTimeカメラを実装したモデルで、他の機能追加はないという。本体の変更や大幅な刷新と言える「Watch 2.0」ではないだろう。時期については何も開示されていないが、カメラの噂が出てきた理由がこれで分かる。まるで茶葉を占うようだね。

クリエイティブ戦略アナリストであるBen Bajarinに話を聞いたところ、サプライチェーンを見ていても、Watchの新モデルの生産に入ると明確に示す動きはまだないと言う。

「Appleに部品をいつも提供している会社のサプライチェーンのカットのタイミングは新プロダクトの登場を示しているのかもしれません。もし2016年の前半に新プロダクトを出荷する予定なら、2015年の後半にでも発注があった筈です。」とBenjarinは言う。「Appleのサプライチェーンで興味深い新たなパターンの動きがあり、状況を予測することが難しくなっています。現行のApple Watchについても誰もサプライチェーンから登場を予測することができませんでした。サプライチェーンからは分からないのかもしれません。しかし、Appleのサプライヤーに委託収入の兆しがあるため、新プロダクトが数ヶ月後に出荷する予定なのかもしれないと勘ぐる理由にはなるでしょう。」

新Apple Watchのソフトウェアの面でも主要な動きがあるという話は聞かない。ベータ版のソフトウェアさえ開発者に解放していない状況で、先にハードウェアを出荷しても上手くいかないだろう。開発者が新機能に対応できないからだ。最近のiPad ProとPencilはそれを象徴している。新機能に開発者の対応が間に合っていない。だが私が聞いたところによると、Apple Watchのホリデーがあった四半期の売上は大きかったようだ。Juniperの調査によると今期のAppleのスマートウォッチのシェアは50%以上になることがそれを裏付けている。

別の情報筋から、Appleは3月に何かしらかの発表の計画段階にあるという。なのでイベントはあるのかもしれない。しかし、そこでローンチされるものが何であるかは定かではない。4インチの小さめのiPhoneだろうか、iPadの新型だろうか?WatchやイベントについてAppleに問い合わせたが、Appleはコメントを控えた。

より大きな質問は、Apple Watchの買い替え期間はどの程度のものなのかということだろう。Appleさえ答えを探している。(彼らもiPadの買い替え期間がかなり長いということ以外分かっていないのだろう。)Watchはスタンドアローンの端末ではなく、スマートフォンの機能を少しだけ拡張するものだ。それには、現在のアクセサリーの立ち位置からさらに強力に、生活に変革をもらたす可能性を秘めている。だが、現在のちょっとした機能を拡張するもので、ハードウェアが必需品として確立していない段階では、買い替えまでの期間は例えばiPhoneといった製品より大幅に長いだろう。

もし、新型Apple Watchがホリデーシーズン用の新型iPhone(こちらは確度が高い)と一緒に9月に発表されるのなら、当初のApple Watchの登場から新型の発表までの期間はおよそ2年となる。ハードウェア自体はもう少し後に出荷されることになるだろうが、この期間の空きはバージョンの刷新のための時間的な余裕としてちょうど良いかもしれない。ハードウェアに大幅に進化させることができるだろうし、カスタマーの消費疲れを防ぐこともできるだろう。

他のどのAppleのハードウェアの発表同様、茶葉で未来を占うのは困難だ。その上Appleは計画を変更するかもしれない。(ハードウェアの発表を公的に行わないことのメリットだ。)現状で言えることは、Watch 2.0が3月に登場するのを期待するのはまだ早いかもしれないということだ。

Apple Watchハードウェアの新情報が入り次第、記事を更新したい。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

オタクの夢を詰め込んだプロダクト——ホログラムのキャラとコミュニケーションできる「Gatebox」がお披露目

2015年2月に2000万円のシードマネーを調達して「コミュニケーションロボットを開発する」と語っていたIoTスタートアップのウィンクルだが、いよいよその製品内容が公開された。同社は1月18日、ホログラムコミュニケーションロボット「Gatebox」のコンセプトモデルを発表した。あわせて、インキュベイトファンド、プライマルキャピタル、iSG インベストメントワークスを引受先とした総額9000万円の資金調達を実施したことを明らかにしている。

ウィンクルが開発中のGateboxは、ホログラム投影技術と各種センサーを活用したコミュニケーション技術を組み合わせることで、ホログラフィーとして映し出された3Dキャラクターとコミュニケーションを取ることができるロボットだ。同社いわく、「世界初のホログラムコミュニケーションロボット」だという。画像認識や音声認識技術でユーザーの指示を理解し、家電をコントロールしたり、目覚ましや天気予報をしてくれたりといった具合だ。

Gatebox

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VOCALOIDという枠を超えて活躍するバーチャルアイドルの「初音ミク」はご存じだろう。歌声を自動生成できる彼女は、実は何度もリアルなライブを開催している。ライブの際、彼女は透明なスクリーンにプロジェクターで映し出されるのだが、それと同様の仕組みをデスクトップサイズに圧縮。さらにコミュニケーション機能を備えたものがGateboxだと思えばいい。

Gateoxの中でユーザーとコミュニケーションを取ってくれるキャラクターの名前は「逢妻ヒカリ(あずまひかり)」。監修とキャラクターデザインを務めるのは、ときめきメモリアルやラブプラスなどのゲームでも有名な箕星太朗氏。声優はオーディションで採用した。

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この記事を書くのに先駆けて、僕もウィンクルでデモを見せてもらっている。正直なところ、デモ機の数十センチそばまで近づくと(透明とはいえ)スクリーンの存在には気付いてしまう。だが、数メートル離れて見ると、キャラクターは文字通りに浮かんでいるように見えるのはなかなかすごい。

実際のデモでは、音声認識で電気のオンオフ、天気予報、Googleカレンダーと連動した目覚まし、顔認識を利用して、ユーザーの写真付きツイートをする、連動するアプリを使ったコミュニケーションなどを見ることができた。ただし、コミュニケーション手段については今後も調整してくとのことだ(音声認識では定型文しか認識しにくいなど、課題もある)。ちなみにユーザーが構ってくれないと「構ってほしい」といった内容をツイートしたりもするのだそう。キャラクターデザインから機能だけでなく、この「人間らしい」仕草も含めて、Gateboxは「すべてのオタクの夢を詰め込んだプロダクト」だとウィンクル代表取締役の武地実氏は語る。

同社では今秋にもクラウドファンディングを通してGateboxの販売を開始する予定。出荷は2017年春を見込む。価格は「10万円前後になる予定」(武地氏)とのこと。今後はプロダクトの開発に加えて、外部IPとの連携なども検討するとしている。

ウィンクル代表取締役の武地実氏