「全ての教育者を起業家」にすることを狙うClarkが100万ドルを調達してローンチ

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家庭教師であることは難しい。その理由の1つは、多くの教育者たちは、たとえ彼らの収入を補う必要があるとしても、課外授業のための時間を持ち合わせていないからだ。また、ほとんどの学校は、教師たちが働く学校システムの中で、子供たちの家庭教師をすることを禁じている。こうした事情から、支援を必要としている家庭との連携が難しくなっている。

いくつかのソリューションが提案されている。例えば創業12年になるシカゴの非公開企業Wyzantは、親たちと数十万人の家庭教師たちの間を結んでいる。しかしWyzantは40%もの手数料をチャージする。こう指摘するのはClarkの創業者のMegan O’Connorだ。Clarkは教育者による家庭教師ビジネスの開始と管理を、より簡便化することを目指す新しいアプリだ。もちろんその過程で、教育者たちにより多くのお金を還元することも狙っている。

O’ConnorはニューヨークのベンチャーファームであるHuman Venturesで働いていた。Clarkの拠点もニューヨークで、アイデアが最初に生まれたのは昨年の早い時期である。彼女がこのアイデアを思いついたのは、カリフォリニアの公立学校の教師である彼女の母親が、生活の足しとして家庭教師を副業にしようとするのを手伝った後のことだ。

「私は母親のために、物事を自動化しようとしていました。そこで母親が苦労していたいくつかの摩擦点や、世間で提供されているソリューションとのギャップに関してまずじっくりと話を聞いたのです。そして徐々に(Clarkの)開発が進められました」とO’Connorは語った。

サービスはまず、学生たちと彼らの家庭教師たちとの間のコミュニケーションを、容易にするためのSMSサービスという形をとった。これは主に、Clarkの技術担当共同創業者兼チーフプロダクトオフィサーのSam Gimbelによるものだ。彼はかつて、テキストメッセージベースのスタートアップを設立したことがある。

しかしそれ以降、プラットフォームは家庭教師ビジネスのあらゆる側面を扱えるように進化してきた、たとえば生徒を集めたり、スケジュールや謝礼の支払いを管理したり、親たちとのコミュニケーションを本当にシンプルなものにしたりというものだ。(私自身が出席しないレッスンを受けている子供を持つ親として、この機能が特に必要なものであることは請け合える。十分な情報がなければ、セッションとセッションの間で子供に何を補強させれば良いかの判断は難しいからだ)。

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 Clarkの目標は「米国の全ての教育者を起業家にすること」だとO’Connorは言う。「誰もが教師の収入はもっと上がるべきだと考えています。しかし私たちはその実現のために何をしているでしょう?」。

それは高尚な野望だが、それはまた、かなりの規模のビジネスの機会でもある。家庭教師の需要は、2015年から2016年の間だけで28%増加した、と O’Connorは述べた。そして、市場調査会社Global Industry Analystsは昨年、世界的な個人家庭教師市場の規模は、2018年までに1028億ドルを上回るだろうという調査結果を発表している。

その需要のほとんどがアジアからのものだ。実際、そのことはVIPKid(昨夏には1億ドルの資金を調達している)のような、英語話者の教育者と中国の生徒を結びつけるプラットフォームに投資家の注目が集まる理由を説明している。

O’Connorは、Clarkもその視野の中で、国際的な市場に重きを置いていると語る。しかし、まずはその製品が役立つものであることが優先事項だ。そのためにHuman Ventures、Winklevoss Capital、その他の投資家たちから、100万ドルのプレシード資金を獲得している。また、まずはニューヨークでの教育者たちに焦点を当て、そこから他の都市へと広げていくことを狙っている。

その収益については、O’Connorによれば、既に生徒との関係を持っている家庭教師たちは、新たなコスト負担なしでプラットフォームを使い始めることができる。新しいクライアントを探す新しい家庭教師たちは、その授業料の10%をClarkに支払うことになる、ということだ。

「家庭教師エージェントも存在しています」とO’Connorは認めている。「しかし解約もまた多いのです。手数料を少なくし、生涯価値を提供する。私たちはそこに真のチャンスを見ています」。

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(翻訳:Sako)

Snapchat、IPO初日は44%で引ける

NEW YORK, NY - MARCH 2: (L to ) Snapchat co-founders Bobby Murphy, chief technology officer of Snap Inc., and Evan Spiegel, chief executive officer of Snap Inc., prepare to ring the opening bell as Thomas Farley, president of the NYSE, looks on, March 2, 2017 in New York City. Snap Inc. priced its initial public offering at $17 a share on Wednesday and Snap shares will start trading on the New York Stock Exchange (NYSE) on Thursday. (Photo by Drew Angerer/Getty Images)

Snapchatの親会社、Snapはニューヨーク株式市場ですばらしいデビューを飾った。昨日(米国時間3/1)IPO価格17ドルで上場したSnap株は、24ドルで取引きが始まった。終値は24.51ドルとなり投資家は最大44%の利益を手にした。

しかしどこの会社でもそうだが、誰もがIPO価格で買えるわけではない。通常は一部の基幹投資家や富裕層等の銀行に優偶されている人々のために予約されている。ほとんどの投資家は今日まで買うチャンスがなく、したがって利益ははるかに少ない。

今回のデビューは2013年に上場したTwitterのケースによく似ている。同社は取引初日は好調だったが続く数ヵ月に大きく乱高下した。それに対してFacebookは初日に募集価格そのままで引けるという厳しい状況だった(通常は初日に20%程度の高値になるように価格を設定する)。しかし、その後時間をかけて株式市場で花を咲かせた。

Snapchatの上場時期は会社の歴史上興味深いタイミングだ。多くの会社が、UberやAirbnb等のように著しく高い評価額で上場したのに対して、Snapchatは収益化の早期段階で株式公開することを選んだ。おそらく市場から過大評価と見られる前に上場すべきと考えたのだろう。

しかしSnachatは成長が鈍化する中で上場する結果となった。Instagramに「Stories」機能を真似られたことも一因かもしれない。そして売上は急成長しているものの損益は大幅なマイナスだ。

Snapchatの初期の投資家でGeneral Catalystでマネージング・ディレクターを務めるHermantはSnapchatに早くから注目した理由を「豊富なイノベーション」だと説明する。ファウンダーのEvan Spiegelは「ユーザーの行動を変えさせることなく役立つテクノロジーを作るという信念を持っている。刹那的なコミュニケーションはまさにそれだ」と話した。

Facebookと異なりSnapchatの画像は見た後自然消滅するのが基本で、多くの人々が疑問をもった。しかし結果的には大衆に受け入れられることを証明した。今日の株式市場デビューはテクノロジー史上重要な出来ごとだと言える。


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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SnapのIPO、評価額は約240億ドルに設定

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SnapはIPOの最終価格を決定し、1株当たり17ドル、時価総額約240億ドルに設定したとThe Wall Street Journalが報じた。

これを見ると、Snapのビジネスがいくつもの大きな問題を抱えているにも関わらず、ウォール街は大きな興味を抱いているようだ。ユーザー成長の鈍化や出費の増加、Google、Amazonへの依存度の高さなどは、今年初めて - かつ最近の記憶の中では最大 ― のテク系IPOへの需要を抑制するほどではなかったらしい。SnapはこのIPOで34億ドル近くを調達する目論見だ。

Snapは2月始めに上場を申請し、広告ビジネスが2015年の売上5900万ドルから2016年の4億ドルへと急成長したことを示した。しかし一方で同社は、1日当り1.5億人のアクティブユーザーがいるものの成長速度は鈍っており、経費は4.5億ドル近くに膨れ上がっていることを明かした。この数週間Snapの幹部とCEOのEvan Spiegelは、各地の投資家を訪れて同社の株を売り込み、懸念を払拭しようとしている。

いずれにせよSnapのIPOは少し変わっている。Snapが売り出すのは議決権のない株式であり、それはこの会社に賭けようという投資家が会社の方針に一切口を出せないことを意味している。基本的にこれは、会社がこのまま成長を続け、Spiegelらが立てた戦略によって経費問題は収束して会社の方針に影響を与えないことに賭けることになる。もちろん株価を高く維持することは社員の引き止めや採用のためにも重要だが、Snapの運命はいまもSpiegelがすべて握っている。

Snapは株価をこれまでに設定した範囲よりも高く設定しようとしてる。以前は1株当たり14~16ドル、オプションや株式転換を含め評価額195~225億ドルの範囲だった。もっともこれは十分予測されたことだ。この手の株価は投資家の関心を判断するために往々にして低めに設定されるからだ。ウォール街とSnapがこの間のどこかに落ち着けば、誰もが利益を得て取引き初日に値が下がるようなことにならないだろう。

Snapの正式なIPO株価は今日の取引き時間終了後に提出される申請書類でわかるが、最終的には上場手続きを始めた当初に公表した評価額に近い価格に落ち着くものと思われる。同社の株式は明日(米国時間3/2)の午前から取引きが開始されるので、そこでようやく今年のIT株に対する投資家の欲求が見えてくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Neverthinkは本当にリラックスしたいとき向けのオンラインビデオだ

Neverthinkは既に、最も「お気楽」なオンラインビデオ体験を提供できているかもしれない。このサイト(と、今日(米国時間3月1日)からはiOSアプリも)はコンテンツをYouTube、Reddit、その他の場所から集めて来て、スキップできないチャンネル群として再パッケージするものだ。その結果はまるでテレビのような経験を与えるもので、その開発者に言わせれば、オンデマンドビデオというよりも「オンデマンド気晴らし」のようなものだ。

「人びとがオンラインビデオを見るのは、単に気晴らしを求めているのが主な理由だと、私たちは考えています」。こう語るのはNeverthinkの共同創業者Aviv Junnoだ。「1日の仕事を終えて気持ちをリフレッシュするためや、何かをしているときになんとなくバックグラウンドで流したり、トイレの中や通勤途中などで見たり。そんなときに人は、何か特定のものや完璧な動画作品を見たいと思っているわけでもありません。私たちはNeverthinkをそうした時間のために作りました」。

さて、ではどんな種類のチャンネルがNeverthinkには用意されているのだろうか?私が数えたところ、スポーツや音楽、そしてアートやドキュメンタリー、ニュース、そしてテクノロジーに至るまで合計30のチャンネルが用意されていた。しかし、その中には「YOLO(You Only Live Once=どうせ人生1度きり)」とか、「Learn something(何かを学ぶ)」とか、「Futurism(未来派)」といった曖昧なタイトルのチャンネルも用意されている。全くもってミレニアル世代の雰囲気を感じさせるものだ。

ということで、これらのチャンネルは、スキップしたり繰り返し見たりすることのできない、古き良き時代のブロードキャストテレビを真似たものなのだ。つまり操作できるのはチャンネルのザッピングだけということになる。テレビに対してちょうどそうするように。

もともとはJunnoと共同創業者のClaus Nurroによって、自分たちで使うためのサイドプロジェクトとして開発されていたものだ。Neverthinkは自動的にコンテンツをRedditとYouTubeから集めてくるだけの基本的なサイトから、2人が言うところの「ユーザーの定量的フィードバックに基き、それぞれのチャンネルを継続的に最適化する学習型コンテンツ管理システム」へと進化を遂げてきた。

またスタートアップは、現在編集チームを抱えている。つまり全てのチャンネルは人手によるキュレーションを受けているのだ。「それに加えて、パートナーたちによってキュレーションが行われるパートナーチャンネルも用意されています」と、NeverthinkのJunnoは芽生えつつあるビジネスモデルを説明しながら語った。同社は1つのパートナーチャンネルに対して、1000回訪問者がある度に収入を受け取ることになっている。

彼はまるで秘密を明かすかのように「この製品は、ちょうどテレビのように、本当に皆のためのものなのです。しかし特にテレビの経験を持たない若い世代は、これを驚くべき革新的アイデアだと考えるようです」と付け加えた。「(私たちのような)子供の頃にテレビを見ていた人たちは、懐かしい感覚を楽しみますし、より高齢の人たちはとても喜んでくれます、なにしろYouTubeでどのようにビデオを選べば良いかに戸惑うような人もいますし、多くの高齢者はRedditのことだって知りませんからね。そこでNeverthinkが彼らのために最初のアクセスを提供できるのです」。

Neverthinkの創業物語もまた興味深いものだ。この製品は、決して法人化を狙っていたものではなかった。しかし昨年の11月に全てが変わった。サイトのごく初期の版がProduct Huntに投稿されたころのことだ。このときJunnoはReaktor VenturesのマネージングパートナーであるOskari Kettunenに出会った。

「それはNeverthinkとは関係のない、カジュアルなミーティングだったのです。そしてミーティングの最後の最後に、私は彼にプロジェクトの話をしてサイトを見せました」とJunnoは説明した。「彼はそれを気に入って、データを見たいと言ったのです。そこでGoogle Analyticsを使って彼にデータを見せました」。

そして、全く期待されていなかったことだが、KettunenはJunnoに、すぐに10万ドルを投資するから、Neverthinkを法人化しないかと持ちかけたのだ。「私はイエスと答え握手をしました。私たちはそのように始めたのです」と彼は言った。

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(翻訳:Sako)

Googleが企業向けHangoutsであるMeetをひっそりとローンチ

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Googleがひっそりと、Meet by Google Hangoutsというビデオ会議アプリケーションをローンチしていた。これはHDビデオ会議のためにデザインされている。そのウェブならびにモバイルアプリケーションは、G Suiteという名前で知られるビジネス製品のラインアップに対する最新追加のようだが、App Store内のアプリの説明ページに記載されているG Suiteのウェブサイトはまだ機能していない(日本時間3月1日17:30時点でも同様)。

とはいえmeet.google.comというURLは生きていて、動作している。このサイトはHangoutsのランディングページに似ているが、電話をかけたりテキストチャットを始めるオプションは与えられていない。その代わりに、Meetのページでは、会議に参加するための会議コードを入力することができる、また同時に、参加が予定されているミーティングもここで見ることができる。このサイトから新しい会議を始める方法はまだ提供されていないようだ。

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サイトのスクリーンショットとApp Storeの詳細ページに基づく情報から読み取れるのは、Meetがビジネス用途向けのHangoputs代替物であることだ。なおHangoutsとは、Googleが提供する、コンシューマー向けのメッセージング、音声、ならびにビデオチャットアプリケーションである。

Hangoutsと同様に、Meetもグループビデオ通話を提供するが、ただビデオチャットを提供するだけでなく、より多くの機能を提供する。

Hangoutsでは参加者は10人に制限されていたが、Meetでは30人までのHDビデオ会議をサポートするということだ。

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また、外出時にこうした会議に参加しやすくするための機能も含まれている。例えば出張中の人のためのダイヤルイン番号、ワンクリックで参加できるリンクの提供、そしてG Suiteユーザーに対するGmailとカレンダーとの統合などだ。

アプリのメイン画面には、時間、場所、件名、参加者などのような詳細と共に、スケジュールされた会議の一覧が表示される。緑の”join”ボタンをクリックすることで、ビデオチャットインターフェイスが立ち上がり、携帯電話からミーティングに参加することができる。通話をミュートしたり、ビデオをオフにするボタンもある。

一方、大規模な会議では、トップのメインウィンドウで喋っている人を見ることが可能で、その下に参加者たちの顔、名前、電子メールのより長いリストが続く。

ダイヤルイン番号はG Suite Enterprise Editionの顧客だけが使えるが、これはこれまでに判明している唯一の制限だ。

Googleはまだ公式にはMeetを発表しておらず、モバイルアプリはまだiTunes App Storeに存在しているだけだ(日本のApp Storeでは3月1日夕方の時点でまだ提供されていない)。アプリの提供は米国時間2月27日から始まり、アプリ情報サービスのSensor Towerによれば、米国のビジネスカテゴリー内でのランキングでは現在(米国時間2月28日)1177位である。現時点の最高ランキングはアイルランドにおけるもので、375位である。

Meetの誕生は、GoogleがHangoutsに対する注力を変更したことに伴ったものだ。Googleは1月の時点でGoogle+ Hangout APIをシャットダウンした。その際の開発者たちに対するメッセージは「企業向けユースケースに向けて舵をとる」というものだった。また、その月にはLimes Audioというスタートアップを買収したが、そのことでGoogle Hangoutsの音声品質が強化されると言われている。

記事執筆の時点では、Googleのビジネスアプリケーションのためのメインページgsuite.google.comでは、MeetはG Suite製品ラインのHangpoutsを正式には置き換えていない。Hangoutsが最終的に終了するのか、それとも消費者向けのビデオチャットサービスとして生き残るのかどうかは、現時点でははっきりしない。(ええと、Duoとは別に、という意味だが)。

私たちはMeetとこの先の計画について、Googleに対してコメントを求めている。もしコメントが提供されたときにはアップデートをお届けする。

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(翻訳:Sako)

GoogleのノートアプリKeepがG Suiteに統合、Google Docsからも利用やアップデートが可能

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Google Keepは、EvernoteやMicrosoftのOneNoteなどと競合するノートアプリだが、今日(米国時間2/28)からはそれが、Googleのオフィスアプリケーションの集合体G Suite(元の名: Google Apps for Work + Google Apps for Your Domain)に統合される。これによりKeepはユーザーのワークフローの一部として、アイデアをメモる、リマインダーやトゥドゥを備忘する、何かのチェックリストを作る、会議でメモを取る、などなどのことができるようになる。Keepが単独でG Suiteに加わるだけでなく、これからはGoogle Docsにも統合される。

Docsとの統合により、Keepの内容を仕事のそのほかのドキュメントへドラッグ&ドロップする、などのことができるようになる。それができるのはWeb上のみだが、Keepを利用するドキュメントは最初にブラウザー上に開いていなければならない。そして、そのドキュメントの[Tools]メニューからKeepにアクセスする。Keepの内容はDocsのサイドバーに表示される(下図)。

そしてそこから、画像やチェックリストなども含めて、Keepの内容を作成中の文書へ持ち込める。

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Google DocsからKeepを検索することもできる。またDocsで作業中にKeepの内容を更新できる。ドキュメント中のテキストをセレクトして、右クリックのメニューから“Save to Keep notepad”を指定するとよい。

この統合がお利口なのは、そうやってKeep上にコピーしたテキスト中に元の文書のリンクがあることだ。

いろんな職場ですでに日常的にKeepは使ってると思うから、今回の‘ビジネス的統合’は良いことだ。それによりKeepは、ユーザーのドメイン内に安全にキープされるようになる。管理やサポートも、そして検索も、G Suiteの一部として行われる。

Keepは今日(米国時間2/28)からG Suiteのユーザーに提供される。使えるのは、Android, iOS, Chrome, またはWeb上からだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google Playストア、ランキングの決定にユーザー定着率も考慮

Nexus 5X smartphone, co-developed by LG Electronics Inc. and Google Inc., and manufactured by LG Electronics, sit on display at the NTT Docomo Inc. unveiling in Tokyo, Japan, on Wednesday, Sept. 30, 2015. Docomo, Japans largest mobile-phone carrier by subscribers, introduced 10 smartphone models today. Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg via Getty Images

GoogleはアプリストアのGoogle Playに大きな変更を加え、ユーザーが最高のゲームを見つけやすくする。Game Developer Conferenceでの発表によると、最近同社はGoogle Playのアルゴリズムを変更し、ダウンロード数だけでなくユーザーエンゲージメント(定着率)も考慮するようにした。これによってインストールされたままのアプリより、よく使われる質の高いアプリが優遇されることになる。

ゲーム業界はこの動きによって、マーケティング方法に深刻な影響を受けるかもしれない。多くのゲーム会社は、Google Playのランキングを上げるためにユーザーの端末にインストールされることだけを目的とした広告キャンペーンを打っているからだ。

中にはアプリのインストール数自体が疑わしいものもある。エンドユーザーによる真のダウンロードではなく、ランキングアップのために作られたツールを使った偽ダウンロードのことだ。今回のランキングアルゴリズムの変更によって、順位の操作は難しくなるはずだ。

screen-shot-2017-02-27-at-9-09-43-amGoogleがブログで説明している:

「…すばらしいゲームが陽の目を見ず、しかるべき注目を欲びないことがよく起きている…これはGoogleが質の高いアプリに報る方法の一つであり、ゲームメーカーは使われ続けるアプリを作らなくてはならないことを意味している。定着率のほかに「星」の数等の伝統的な基準も考慮される」

ブログ記事にはアルゴリズム変更の詳細は書かれていない。Googleは同時にPlay Storeの新しい編集部ページ(Editorial Page)を今月中に開設することも発表した。これは編集者の目で選んだタイトルをユーザーに紹介するもので、Appleが現在やっていることと似ている。

それでもGoogleは、アルゴリズム変更がPlay Storeのトップチャートおよびジャンル別のチャートに向けたものであることをTechCrunchに明かした。

Googleも(ライバルの)Appleもランキングのアルゴリズムについて詳しく語っていないが、両者ともダウンロードの数とスピードを重視して順位を決めている。またAppleは、レーティングやレビュー、利用データ等の測定値も考慮すると言っている。

アルゴリズム変更以外にも、プロモーション用の抹消線付き価格や、新しい編集部ページ等、、Androidデベロッパーに関係のある数多くの変更が発表された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Kinetiseはビジュアル開発ツールの限界を補って、ソースコードをユーザーに提供…より自由で柔軟な開発が可能に

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モバイル開発は、暖冬の湖で薄氷を踏むような世界だ。React Nativeと悪戦苦闘して氷上で脳を負傷するか、またはドラッグ&ドロップのエディターを使って一つのプラットホームの湖底に永久に閉じ込められる。でもしかし、デベロッパーのKinetiseが、両者の良いとこ取りを提供しようとしている。

Kinetiseについては数年前から、AndroidやiOSのアプリを直接書くことに代わる、おもしろいやり方として、本誌でも何度か取り上げているが、でも同社は最近、自分たちのソリューションが、強力なのに大きなITチームが尻込みすることに気づいた。そこで作者のPiotr Pawlakはあっさりと、1499ドルのソースコードダウンロードオプション*を加え、ブラウザー上で視覚的に作ったアプリのコードをユーザーが得られるようにした。〔*: 同ページQ&Aより: QUESTION: What do I need the Source Code for and how much does it cost? ANSWER: Source code for your application allows adding new features outside of Kinetise Editor. The cost is flat of $1,499 per application. Downloading is unlimited for selected application. 〕

なぜそうしたのか? 要望が多かったからだ。

“自分たちが作っているアプリの、ソースコードがほしい、というデベロッパーやスタートアップのファウンダーが、とても多かった”、とPawlakは語る。

ソースコードがほしい理由は、いくつかある。たとえば、データの保存のされ方が分かれば、セキュリティのチェックや対策ができるだろう。ひとつのビジュアルツールに閉じ込められたくない(自分でコードに自由に手を加えたい)、という理由もありえる。とにかく、ソースコードをデベロッパーにダウンロードさせることによってKinetiseは、Microsoft Accessのような閉じた世界から、Visual Studioに近い自由な世界へ変わった。

出力されるソースコードの言語は、iOSではObjective C、AndroidではJavaだ。これなら、Kinetiseから送られてくるコードをさらに拡張したり、手直しすることも、容易にできる。

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[1. ドラッグ&ドロップのエディターでアプリの機能を作る 2. ソースコードをダウンロードする 3. 必要ならそのネイティブコードを書き換える]

ソースコードを入手できるアプリケーションビルダーは、これが初めてではない。これまでにも、Dropsourceなどがあった。でもKinetiseは、複数のデータソースにアクセスしたり、Webアプリケーションからデータにアクセスするための、堅牢なAPIも提供している。だから途中からドラッグ&ドロップ方式のエディターを放棄して、そのアプリの開発をソースコード上で継続することができる。あなたの労作が、途中でゴミ箱に捨てられるおそれは、なくなった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

どんなアプリにもメッセージング機能をつけられるLayerが$15Mを調達して対話的機能の充実のためにColaを買収

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どんなアプリケーション/アプリにもメッセージング機能を持たせることができる、というメッセージングプラットホームLayerは、2013年のTechCrunch Startup Battlefieldの優勝チームだが、今日(米国時間2/24)は大きな発表が二つある: シリーズBで1500万ドルを獲得したこと、そして、スタートアップColaを買収したことだ。

Layerを使えば企業は自分のiOS/AndroidアプリやWebサイトに、メッセージングの能力を容易に加えることができる。顧客の中には、Trunk Club, Staples, それにUdacityなどもいる。しかも最近同社はMicrosoftとパートナーして、ダヴォスの世界経済フォーラムの公式アプリにメッセージング機能を持たせた。同時翻訳/通訳つきだ。

一方Colaは昨年ローンチしたテキストメッセージングアプリだが、カレンダーや位置共有、投票、トゥドゥリストの共有、といった対話的機能がある(下図)。LayerのCEO Ron Palmeriによると、Colaの技術はLayerのプラットホームに良く合っている。とくにColaの‘バブル’は、企業と顧客の対話をとてもスムースにする、という。

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Palmeriは曰く、“保険の請求手続きや住宅ローンの申し込みなどは、顧客がやるべきことのステップ数が多くて、日数もかかる。でもそれをメッセージングとColaの‘バブル’でやれば、分かりやすいし、非常に単純すっきりになる”。

そこでColaを買収したLayerは、その機能をWebやモバイルなど、あらゆるプラットホームに実装する。長期的にはメールやSMSへの導入も考えている。ColaのCTO Jeremy Wyldが率いるチームがLayerへの統合作業をやるが、そのほかのCola社員やCEOのDavid TemkinはLayerに加わらない。

買収の価額等は、公表されていない。Colaは過去に、Brad Garlinghouse, Steve Case, Naval Ravikant, Tribeca Angelsなどから130万ドルのシード資金を獲得している。

なお、Colaアプリの開発は継続しないが、それを閉鎖する計画もない。

Layerの新たな資金調達は、Greycroft PartnersがリードしてMicrosoft Ventures, Salesforce Venturesなどが参加した。Palmeriによると、今後のLayerはさらにさまざまな統合に力を入れる。また、そのオープンソースのユーザーインタフェイスフレームワークも改良を続け、人工知能や機械学習など新しい技術も導入していきたい、という。

Layerの調達総額は、2300万ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インターネットのあちこちを探しまくって目的のコード片を見つけてくれるDeepCoder、プログラマーの生産性は上がるか?

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ぼくはプロのプログラマーではないけど、でも彼らを真似て、多くのコードをStackOverflowのQ&Aからもらっている。Flaskに認証を加えるやり方は? そんなの簡単。sendmailのシャットダウンの仕方は? ほら、これさ。そして、今やインターネット上のすべてのコードのおかげで、ロボットが年俸18万ドルのプログラマー並に優秀だ。

そのシステムはDeepCoderと呼ばれ、コードのコーパスを検索して仕様どおりに動くコードを構築する。すでにプログラミングのコンペに‘参戦’したこともあり、またコードではなく、複雑なプロダクトを作るための大きなデータセットを見つけることもできる。

彼らのペーパーより:

たとえばIPSシステムを作るためには二つの問題を解決しなければならない。最初に、その問題の解になりそうな適切なプログラムの集合を見つける。そして次は、手元の要件に照らしてそれらのプログラム集合をランク付けする。どれが、今抱えている問題の解として使えそうか? この二つの問題はどちらも、問題の具体的な内容に依存している。したがって、プログラムを組み立てていくための最初の重要な決定は、ドメインスペシフィックな言語を選ぶことだ。

 

このシステムは使ってるうちに次第に賢くなり、どんな場合にどんなコード片が良いのかを、自分で見分けるようになる。そして、そうやって‘学習’を重ねるたびに、ユーザーはプログラムをより早く書けるようになる。

ケンブリッジ大学のMatej BalogとMicrosoft ResearchのAlexander L. Gaunt, Marc Brockschmidt, Sebastian Nowozin, Daniel Tarlowがこのプロダクトを作り、その使い方に関するペーパーを共著した。ただし、このようなシステムを使って、小さなコード片から大きなプロジェクトを構築することはできない。そういうのを、‘ないものねだり’と言う。

こういった、既存のコードの切り貼り再利用は、多くのプログラマーが実際にやっていることだから、ディープラーニングの優れた応用と言えるだろう。データベースの更新のようなシンプルなCRUDアプリケーションには、十分に使えると思う。入社したばかりの初心者プログラマーにやらせる仕事がなくなる、と言えるかもしれない。でもAIロボットが地球と人類を支配して、人間の仕事が完全になくなってしまうのも、悪くないね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoftが新興国向けにSkype Liteをローンチへ―、2Gでも使えるSkype

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Microsoftは、ビジネスユーザーにおなじみのSkypeを新興国ユーザー向けに一新し、インドの現地時間2月22日に行われたFuture Decodedで、新アプリSkype Liteを発表した。

Android用アプリとして開発されたSkype Liteは、Skypeの核となる音声・ビデオ通話機能に重きを置きながら、2Gのような速度に限りのある通信規格向けに最適化されている。まずはインドでのリリースを予定しており、アプリは8言語にローカライズされているほか、SMSの送受信機能、データ通信量の確認機能も備えている。さらにMicrosoftは、インドにフォーカスしたさまざまなボットも準備しており、ユーザーはタスクの自動化に加え、ブラウザを開くよりも簡単にニュースなどのコンテンツをチェックできるようになる。また、データ通信量を抑えるために、チャットを通じて送付された写真、動画、その他のファイルは全て圧縮されるようになっている。アプリ自体のサイズも13MBしかなく、インドのような新興市場の大部分を占める、安価な携帯電話の少ない記憶容量をできるだけ食わないように作られている。

またMicrosoftは、6月以降に一部機能を有効化するために、インドの公的デジタル個人認証システムであるAadhaarとSkype Liteを連携させる予定だと話している。これが実現すれば、「Skypeユーザーは、面接時や何かを売買する際など、相手が誰なのか確認する必要があるさまざまなシチュエーションで、知らない相手の身元を確認できるようになる」とMicrosoftはブログポストに記している。

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興味深いことに、Skype Liteは「インドユーザーのために、インドでつくられた」とMicrosoftは話しており、同社がインドのモバイル革命に大きな勝負をかけようとしているのがわかる。インドのインターネット利用者数の増加率は世界一で、さまざまな社会・経済的な変化が起きているが、まだそれもはじまったばかりだ。というのも、Counterpoint Researchの調査によれば、インドの人口約12億5000万人のうち、まだ3億人しかスマートフォンを持っていない。

一方で、Microsoft以外にもインド市場を狙っている企業は多数存在する。Googleは、公共Wi-Fiプロジェクトや、さまざまな人気アプリへのオフライン機能の搭載、メッセージングサービスAllo・Duoのローカリゼーションなど、インド市場向けにさまざまな施策に取り組んできた。しかし数々の巨大企業がインド市場を攻め込んでいるにもかかわらず、Facebookが未だにインド市場では優位に立っている。同社の情報によれば、WhatsAppのユーザー数は1億6000万人を超えているほか、メッセージ以外のソーシャル機能ではFacebookがインド市場を独占しており、そのユーザー数は1億5500万人におよぶ。

この記事(英語原文)の公開時点では、まだSkype Liteはリリースされていないが、インド国内ではこのリンクから22日中にはアプリをダウンロードできるようになるはずだ。なお、インド以外でのリリース予定については明らかになっていない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

現代版ケータイ小説?人のチャットを覗き見るように物語を読むアプリTapがローンチ

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米国時間2月22日にローンチされたTapは、チャットのような見た目で携帯電話上に物語を表示させるアプリだ。Tapを開発したWattpadは、作家のためのソーシャルパブリッシングプラットフォームを運営している。同社は世界中に4500万人もの読者を抱え、Wattpadユーザーはウェブサイトやモバイルアプリ経由で、約2億5000万種類の物語を読むことができる。

そしてWattpadはこの度リリースしたTapで、従来のフォーマットを離れ、ユニークな物語の楽しみ方を試そうとしている。

Tapユーザーは「チャットスタイル」で物語を楽しむことができる。つまり、ユーザーが文章をタップするたびに、だんだんとその先の物語が紐解かれていくような仕組みになっているのだ。Tap上の物語は、読者が他人のチャットのやり取りを覗き見ているようなイメージで書かれているとWattpadは説明しており、物語を読んでいるときのアプリの見た目もチャットアプリのようだ。

ローンチ時点では、ホラー、ロマンス、ドラマといったさまざまなカテゴリーの物語が数百種類も準備されている。

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さらにTapユーザーは、自分でもチャットスタイルの物語を作れるようになるが、現在のところこの機能は同プラットフォーム上の一部の作家しか使えない。Wattpadによれば、数週間のうちに他のユーザーも執筆・出版機能を使えるようになる。

また、チャットスタイルで物語を読めることに加え、ユーザーはお気に入りの物語をソーシャルメディアで共有することもできる

Tapはフリーミアムモデルを採用しているため、WattpadはTapのリリースで、従来のプラットフォームに加えて新たな収益源を獲得したことになる。アプリと一部の物語は無料だが、有料プランも準備されており、有料ユーザーは限定コンテンツを含む全ての物語を読むことができる。なお料金は週額2.99ドル、月額7.99ドル、年額39.99に設定されている。

最近Wattpadは、UniversalTurnerマンガ出版社らとの契約を通じて、ハリウッドやエンターテイメント業界とも関係を深めているが、Tapのサブスクリプションサービスで、すぐにもっと分かりやすい形で売上を拡大することができるかもしれない。

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実はTap以外にも、似たようなサービスが最近誕生しており、Tapの競合でフィクション作品を扱うHookedはチャットスタイルのインターフェースと、執筆環境をユーザーに提供している。Amazonも子どもをターゲットに、Amazon Rapidsというチャット風インターフェースのサブスクリプションサービスを開始した。さらに広く見れば、Serial BoxHardboundといったモバイル読書アプリや、さらには、短いコンテンツをやりとりできるという意味ではSnapchatのようなソーシャルアプリともTapは競合することになる。

しかしTapのサービスは、単に物語を切れ切れに表示させるのではなく、あくまで人のチャットを覗き見るようなスタイルをとっているため、読者は誰かの携帯で勝手にプライベートなメッセージのやりとりを盗み見ているような感覚を味わうことができる。この仕組みは、日常的にモバイルコンテンツを楽しみ、人とのやりとりにも主にモバイルデバイスを使っているティーンやヤングアダルト層にウケるかもしれない。

TapはApp StoreGoogle Playから無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

アプリのロールアップをビジネスとするMaple Mediaのやり方は過剰アプリの窮状を救うだろうか

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昨年良かったことといえば、識者たちがアプリ死滅について書くようになったことだ。

一時は消費者向けソフトウェア産業の救世主と目されたアプリも、今では飽和し、インパクトを失い、過少利用になり、過小評価になり、そして退屈なものになった。

そこに登場したのが、ロサンゼルスのMaple Mediaだ。同社がやろうとしているのは、アプリの整理統合〔ロールアップ、仮想バンドル化〕、市場のベストアプリを一体的にまとめて、それに対して強力なマーケティングとビジネス開発努力を注ぎ込む、という取り組みだ。

Maple MediaのファウンダーはMichael RitterとClark Landry、Ritterはロサンゼルスの中堅ゲームデベロッパーJam Cityの役員として長年、ビジネス開発を手がけてきた。Landryは、ロサンゼルスのスタートアップシーンで長年活躍してきたエンジェルだ。

Maple MediaはWalt Disney家の投資ファンドShamrock Capitalから3000万ドルを調達し、良質なゲームアプリや生産性アプリ、エンターテインメントアプリなどを探して買い上げている。

Landryによると、アプリは1本を、5桁から8桁の半ばという価額で買い上げる。〔数万ドル〜数千万ドル〕

目的は、いくつかのブランドを立ち上げること。そして、それを軸にパートナーシップを築き、そのアプリケーションのネットワーク全体に亙るまとまった広告収入で稼ぐ。ターゲットは国籍を問わないが、当面はヨーロッパからの英語化されたアプリをねらう。

Ritterによると、Maple Mediaはアプリデベロッパーの市場や業界をコントロールする位置に立ちたいわけではない。同社とアプリデベロッパーのパートナーシップの形は、売上分有(マージン)や少数株主権方式(マイノリティ投資)が主だ。

重要なのは、支配被支配の関係ではなく、ネットワークを築くこと。同社のプレスリリースによると、同社のプラットホーム上にはすでに150本のアプリケーションがあり、モバイル広告の月間インプレッション(到達)数は10億を超えている。同社はすでに、黒字だ。

“すばらしい才能のあるデベロッパーはたくさんいるけど、ビジネス開発のスキルはそれとは全然次元が違うからね”、とRitterは語る。“事業としての毎日の経営努力や、アプリの収益化努力などは、全然別のスキルだし、フルタイムの取り組みが必要なんだよ”。

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Maple Mediaの協同ファウンダーClark LandryとMichael Ritter

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

2016年App Storeカテゴリー別売上データ―、根強いゲームアプリ

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アメリカのユーザーがiOSアプリにつぎ込む金額は年々増加しているが、昨年売上額の伸びが特に大きかったのがエンターテイメントアプリだ。アプリ関連の調査を行っているSensor Towerのレポートによれば、NetflixやHulu、HBO NOWといったストリーミングサービスが含まれるこのカテゴリーへの平均課金額は、前年比で130%も増加していた。

このデータから、ケーブルテレビを解約しストリーミングサービスへ切り替える人(=コードカッター)がますます増えていることがわかる。このトレンドの結果、ストリーミングアプリの多くは、2016年の売上げランキングでも上位を占めていた。例えばHBOは、同社のコードカッター向けアプリHBO NOWのユーザー数が、前年比で2倍以上増加し200万人に達したと最近発表していた。

Netflixに関しても、2015年Q4にアプリ上でのユーザー登録を開始した結果、iOSユーザーの数が増加した。その結果、2015年Q4には790万ドルだったアプリ経由の売上が、2016年Q4には5800万ドル以上まで伸びたとSensor Towerは示している。

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サブスクリプションモデルは、その他のカテゴリーでも売上に大きな影響をもたらしていることをSensor Towerは突き止めた。例えば写真/ビデオのカテゴリーは、YouTubeのサブスクリプションサービスYouTube Redのおかげで売上が拡大し、同カテゴリーの米App Storeにおける、アクティブなiPhone1台あたりの売上額は2015年の0.30ドルから2016年には0.70ドルに増加した。

一方、ソーシャルネットワーキングカテゴリーのiPhone1台あたりの売上額は1.80ドルから2.00ドルに増加した。このカテゴリーには、人気デーティングアプリのTinderが含まれており、同社の有料プランが2015年はじめにローンチされたことも恐らく売上増加と関係があるだろう。なお、Tinderは単独でも昨年度の売上額で上位に食い込んでいた。

音楽カテゴリーの売上も3.40ドルから3.60ドルに増加しており、これはさまざまな有料プランを提供しているSpotifyやPandoraの影響である可能性が高い。

しかしApp Storeの利益にもっとも貢献したのは、引き続きゲームアプリだった。米App Storeの2016年売上額の80%以上がゲームアプリによるものだとSensor Towerのレポートには書かれている。

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アメリカのユーザーは、2016年にはiPhone1台あたり平均27ドルをゲームアプリにつぎ込んでいたことになり、この数字は2015年の25ドルからさらに増加している。

売上額は増えているが、デバイス1台あたりにインストールされているアプリの平均数は2015年の10.5から2016年は9.9へと減少した。つまり、ユーザーがアプリ1つあたりに使う金額が増えており、これはPokémon Go現象の影響かもしれない。

ソーシャルネットワークアプリのインストール数も2016年に減少(2015年の3.3に対し2.3)したが、その他のカテゴリーではそれほど大きな動きは見られなかった。

しかし全体的にインストール数が減少しているというのは、ユーザーが有名アプリを使い続けており、新しいアプリががなかなかユーザー数を伸ばせていないことの表れなのかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Instagramに写真とビデオのカルーセル―10本まで一度に投稿できてスワイプで閲覧

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SnapchatクローンのStoriesが大当たりしているInstagramだが、メインのフィードをさらに改良する努力も怠っていない。今日(米国時間2/22)、Instagramは最大10本までの写真、ビデオを共有できるカルーセルをリリースした。ユーザーはカルーセルを左右にスワイプすることで自由に閲覧できる。

ユーザーにとってはなんらかのテーマに沿った写真、ビデオをまとめて共有できる便利なアルバムだ。メインのフィードなので24時間で消えるということはない。この機能はiOS版、Android版に追加され、世界のユーザーに数週間かけて順次公開される。

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Instagramの発表によれば、「ユーザーは体験を共有するに当って撮影した写真やビデオからベストの1枚を選ぶ必要がなくなった」ということだ。ファウンダーのKevin SystromはInstagram Storiesをスタートさせるにあたって「体験のハイライトを手軽に共有する」ためと述べていたが、メインのフィードではやや違った角度から体験の共有を進めているようだ。

StoriesのヒットによってInstagramのメインフィードは「ベストの1枚を選ぶ」というやり方を改良する必要を感じていたかもしれない。アルバムをまるごとアップロードできるカルーセルの追加は月間6億人といわれるユーザーからさらに多くのコンテンツを集めるのに役立つだろう。

Instagramのユーザーはフィードで体験を共有しようとするとき、最高10件までのコンテンツをボタンで選択できるようになる。写真、ビデオはそれぞれ編集可能だ。あるいはすべてのコンテンツに同一のフィルターを適用することもできる。順序を選択し、それぞれに友達をタグづけできる。ただしキャプション、場所、「いいね!」、コメントについては、カルーセル全体を1つの投稿して扱うことになる。現在のところ、すべての写真は正方形にトリミングされる。

フィードで共有された場合、友達は青いドットが表示されるのでカルーセルだと分かる。ユーザーは画面を左右にスワイプして望みの場面を見ることができる。最初の写真と青いドットからユーザー・プロフィールを見ることが可能だ。

Instagramでは「この機能を使って「愉快な体験を共有しましょう。友達の誕生日にサプライズ・パーティー企画したときなど、準備から友達が部屋に入ってきて驚くところまでカルーセルにまとめてアップできます。ケーキづくりのレシピを段階を追って説明するにも便利です。プロフィールからいつでも開けるようにできます」と勧めている。

Instagramでは2015年に広告写真のカルーセルを発表しており、昨年はこれにビデオを含めることができるよう拡張した。現在広告カルーセルは当初の5件のイメージから10件に拡大されている。

カルーセル機能を一般ユーザー向けに導入したことで、Instagramは写真やビデオをスワイプして次々に見ていくという習慣を根付かせようとしているのかもしれない。これは広告カルーセルの視聴にも好影響を与える。一方でInstagramのカルーセルでビデオや写真を共有するのが普通になれば、ユーザーがSnapchatを使わねばならない理由を一つ減らすことにもつながるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


http://jp.techcrunch.com/archives/20160802silicon-copy/

GoogleのTilt BrushがOculus Riftに対応

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仮想現実のクリエイターになりたい人は、ツールの少なさを嘆いている。そこで今日Googleは、Oculus Rift用のTilt Brushを発表した。この仮想お絵かきアプリケーションは、これまでHTC Viveでしか経験できなかったけど、これからはRiftのTouch Controllersでより自然な対話ができるから、GoogleはTilt Brushを、Facebookが保有するVRプラットホーム〔==Oculus〕にも提供することに決めたのだ。

コントロールはTouch Controllers用になっているから、この完全にタッチ対応のハードウェアでは指をボタンに乗せただけでツールチップが出る。BrushesはOculusのヘッドフォーンも利用して、おもしろい音をイマーシブなサラウンドモードで出す。音で、今何を描いているかが分かるのだ。

このRiftバージョンのTilt Brushを数分使ってみたが、HTC Viveのころよりずっと成熟したツールになってることが分かる。対話的な操作が、とても軽快だ。OculusにもRift用のクリエイティブなスケッチや彫刻アプリケーションはあるけど、でもBrushesで道具がさらに増える。Touch Controllersがあるために、HTCからRiftに引っ越す仮想アーチストも、きっといるだろうね。

Tilt BrushはOculusのストアで29ドル99セントで買える。〔日本円: 2990円〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

App Store、定期購読より有料アプリを優遇してトップチャートを正常化するテストを実施

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この週末Apple App Storeのトップセールス(Top Grossing)チャートに、あまり知られていない有料アプリがいくつか登場した。App Storeが新しいアルゴリズムをテストしているのか、かなり大きなバグなのかどちらかと思われる。この状態が始まったのは金曜日で、トップセールスアプリだけの現象のようで、トップ無料とトップ有料アプリでは起きていない。

しかしトップセールスチャートは、全体チャートだけではなくApp Storeの全カテゴリーが影響を受けている。

あるデベロッパーによると、自分たちのアプリはカテゴリーで2位だったのが35位に下がったという。これが彼らに問題を知らせた最初の警告だった。その日は非常に好調で、過去最高の月になるかもしれない時だった。

先週末を通じて、トップセールスチャートでふだん上位を占めていたアプリが順位を下げ、人気の低いアプリが取って代わった。まるでアルゴリズムが有償アプリをアプリ内購入で稼ぐアプリより優先するようにアルゴリズムが変更されたかのようだ。

例えば、 アルゴリズムの変更は一部の絵文字アプリに有利に働いていてSteph CurryのStephMojiもその一つだ。しかし、絵文字アプリがいくつか急に人気を得るのはわからないでもないが、もっとニッチなContruction Manager Proや15ドルの翻訳アプリがチャートに登場するのは場違いに感じる(下の画像参照)。

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Image Credit: Sensor Tower

ソフトウェアメーカーのEquinuxが提示する一つの理論は、Appleが新アルゴリズムの実験を行っていて、定期購読による収益のウェイトを減らし、有料アプリを重視しているのではないかというものだ。

このところトップセールスチャートが停滞気味であることを踏まえると、これは理にかなっている。

近年App Storeのトップセールスチャートは、SupercellのClash RoyaleやCandy Crush、ポケモンGO等の常連人気ゲームと、Netflix、Pandora、Spotify等のトップストリーミングサービスで占められている。

最近Appleは定期購読サービスを拡大して、これまで以上に多くのアプリが利用できるようになっ たが、定期購読アプリの人気が高くなったためにトップセールスチャートには同じ顔ぶれのアプリが並ぶ傾向にある。これでは新しいアプリが割り込むのが難しくなり、チャートを見る楽しみが半減する。

変更されれば、有料アプリは定期購読アプリと同じ条件で競えるようになる。新アルゴリズムは定期購読の最初の新規利用分だけを勘案し、更新は考慮しなくなるらしいからだ。

インディー系アプリにとっては歓迎すべき変更で、ビッグネームと並んでランキング入りするチャンスがようやく巡ってくる。

残念ながらそうはならなかった。月曜日(米国時間2/20)の午前0時、すべてが元に戻った。

もちろんこれは、AppleがApp Storeのアルゴリズムについて少なくとも〈考えている〉ことを示すものだ。ただし、アプリの発見にどれほど効果があるかはまた別の問題だ。トップチャートで何がトレンドかを見るユーザーも何パーセントか存在するだろうが、大方はApp Storeをキーワードで検索するか、まとめ記事を見るのが普通だ。ともあれトップセールスチャートは改変の時期を迎えているので、Appleが今後もこの種の実験を続けても不思議はない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WhatsAppが加工写真共有のStatusをスタート―Snapchatクローンだが暗号化

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FacebookグループのWhatsAppはSnapchatの国際的な勢力拡大にブレーキをかけられるかもしれない。WhatsApp Statusという新しい機能はデコ写真(およびビデオ、GIF)を24時間に限って共有する。もちろんSnapchat Storiesの「そっくり」だが、StatusはWhatsApp本体とテキスト・メッセージと同様、エンド・ツー・エンドで暗号化されておりセキュリティーが強固だ。

WhatsAppでは昨年11月から一部のユーザーを対象にStatus機能のベータ版をテスト していた。今回はいよいよ正式なタブとしてiOS版、Android版、Windows Phone版が世界に公開される。WhatsAppのユーザーは絵や文字を手描きしたり、スタンプなど貼ってデコレーションをした写真を友達との間でプライベートに共有できるようになった。共有範囲やプライバシー設定は本体アプリの設定のとおりだという。特定の友達に写真、ビデオを添付してメッセージを送ることも従来どおりできる。

StatusはまたWhatsAppに新しい広告掲載スペースを提供する。Snap、Instagramの前例が参考になるなら、Facebookはフルスクリーンの広告をStatus投稿の合間に表示するだろう。

新しく導入されたStatusはAOLのインスタント・メッセージを思わせるいささか古臭いMy Status機能を代替する。WhatsAppがちょうど8年前にスタートしたとき、My Statusはこのアプリの唯一の機能だった。【略】

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WhatsApp Statusは以前のMy statusを代替する

WhatsAppは今や月間ユーザー12億人の巨大サービスに成長した。投稿されるメッセージ数は毎日600億通に上る。これには33億枚の写真、7億6000万本のビデオ、。8000万本のGIFが含まれるという。WhatsAppの機能拡張はSnapchatにとってトラブルを意味することになるかもしれない。WhatsApp Statusが順調にユーザーを獲得するようなら、Snapchatのリッチメディアのサポートをセールスポイントとする国際展開はスローダウンし、同社の収入源は既存のユーザー、ハードウェア、プロフェッショナルによるコンテンツなどに限られることになるかもしれない。

Instagram Storiesの1日あたりユーザーも今や1億5000万人を数えることで明らかなように、Snapchatのクローンであっても、膨大なユーザーを抱えるアプリに適切に付加されるなら成功を収める。TechCrunchはこの記事でSnapchatがトラフィックを奪われていることを最初に報じた。 アナリストやセレブのSNSマネージャーはSnapchatのピュー・カウントが低下していることを認めていた。

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WhatsAppのカメラ機能

Snapchatの運営会社、Snapの株式上場申請書にはユーザー成長率が82%もダウンしたことが報告されていた。申請書によれば、2016年の第2四半期に17.2%だった成長率が、Instagram Storiesがローンチされた第4四半期に3.2%に急減している。

Instagramは大胆にもSnapchatクローンのStoriesを堂々とメインタブに位置づけたのに対し、 WhatsAppはStatusをかなり深い場所の埋め込んでいる。しかしStatusはStoriesのスライドショーのフォーマットを、これがまだ浸透していない地域、南アメリカ、東欧、途上国などへの普及を加速する可能性がある。こういう地域ではSnapchatもまだ広く利用されていないのでユーザーはクローンだというイメージを持ちにくいだろう。

WhatsAppは当初、シンプルな実用本位のテキスト・チャットのプラットフォームと位置づけられていた(多機能性を求めるならFacebook Messengerを利用することができる)。しかし昨年WhatsAppはリッチメディア時代にふさわしく、カメラ機能を導入した。StatusがWhatsAppはシンプルさを損なうことがなければ世界各地でSnapchatに対抗できる存在になるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ソニーから独立、5人で協力する習慣化アプリ「みんチャレ」が6600万円の資金調達

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ダイエット、ランニング、英語学習。だれもが一度は「今年こそ」と意気込んだことのある目標だろう。だが同時に、3日坊主になってしまいそうな目標でもある。そういう僕も、ランニングは2日でやめた思い出がある。

そんな人にうってつけの習慣化アプリ、「みんチャレ」を提供する日本のエーテンラボは2月20日、ソニー、第一勧業信用組合、フューチャーベンチャーキャピタル、グローブアドバイザーズが投資助言を行うGA1号投資組合・GA2号投資組合、エンジェル投資家の吉田行宏氏などを引受先として総額6600万円の第三者割当増資を実施したと発表した。

みんチャレは、共通の目標を習慣化したい5人のユーザーがサービス内で協力し、チャットでお互いを励ましあいながら目標達成を目指すというアプリ。みんチャレでは、ダイエット、早起き、勉強など40種類以上の目標が用意されている。「見知らぬ人とチームを組むのは不安」という人でも安心できるように、ニックネームでユーザー登録することが可能だ。自分の頑張りに応じて「コイン」をもらえる機能などもあり、ゲーム要素も盛り込まれているのが特徴だ。

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2015年11月のリリース後、みんチャレは順調にユーザーからの支持を獲得。2016年には「Google Play ベストオブ2016」を受賞した。

みんチャレは、ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」から生まれたサービス。エーテンラボCEOは、ソニー・コンピュータエンタテインメントでプレイステーションネットワークのサービス立ち上げにも関わった長坂剛氏。彼を中心にソニーグループ内外から結成されたチームで「ソニー新規事業創出部 A10 Project」として活動を開始した。そして今回、経営のさらなるスピードアップと外部との連携強化のためにエーテンラボ株式会社(A10 Lab Inc.)として独立することを決めたという。

ソニー新規事業創出部で統括部長を務める小田島伸至氏は、エーテンラボの独立について「『みんチャレ』はユーザーの習慣化を促すサービスとして、様々な企業のサービスや商品の習慣化を促進することが可能です。その意味で、ソニーに限らず外部の様々な企業が参画しやすい経営体制が望ましいと考えました。また、経営者がスピーディーに意思決定をしやすいように、経営者が主導権を持つ体制での独立を支援いたしました」とコメントしている。

ユーザーに目標の習慣化を促進するというアプリは、みんチャレ以外にも国内外にいくつか存在する。「Good Habits」、「Streaks」、「toggl」、「ルーチンワーク」などがその例だ。それぞれ豊富な統計機能が備わっていたり、UIがスタイリッシュであったりと独自の特徴をもっている。

一方で、みんチャレはアプリ内で出会った5人のユーザーと交流しながら目標達成を目指すという仕組みが特徴的なアプリだ。自分が頑張っている様子を写真に撮り、それをチームのメンバーが確認することで「コイン」が手に入るなど、ゲーム的な要素も盛り込まれている。

受験でもダイエットでも、1人で孤独に頑張るよりも、仲間がいた方が楽しいし、頑張る気にもなる。

今回の調達資金の使い道について、長坂氏は「事業拡大のために採用を行い、他のサービスとの連携や企業向け継続率向上ソリューションの展開を加速します」とコメントしている。

モバイルがインドの農村部を変える

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編集部注:本稿を執筆したMelissa Jun Rowley氏は、ジャーナリストであると同時に起業家としても活動する。また、彼女はストーリーテリング、テクノロジー、ソーシャルジャスティスを専門とするアクティビストでもある。Humanise, Inc創業者兼CEOの彼女は、ミュージシャンのPeter Gabriel氏が創設したThe ToolBoxの運営を行っている。The ToolBoxは、データを活用した人道主義的なイニシアティブである。

 

インドの街、ジャーンシー郊外の農村部。そこでは、ヤギや牛が闊歩する舗装されていない道路で子供たちが遊んでいる。地味ながらカラフルな家の床は泥で固められ、女性たちは井戸に水を汲みに行く。

そこで見られる風景、そして、聞こえてくる音は、農村部ならではの典型的な姿だ。しかし、ただ1つを除いては。この地域では、スマートフォンが人々の命を救っている。この村では、「Accredited Social Health Activists(ASHAs)」と呼ばれる女性のヘルスケアワーカーたちがスマートフォンをもち、mSakiというアプリケーションを使って妊婦に出産についての知識を教えている。

Qualcomm Wireless Reachによって創業され、IntraHealth Internationalによって開発されたmSakiを使い、329人のASHAsが1万6000人の母親たちの手助けをしている。モバイルブロードバンドを利用したイニシアティブがインドの農村部でこのような活動をしているという事実は、無視できることではない。

情報格差を解消する。低い識字率、劣悪な通信環境

インドのNational Health Ministryによれば、インドでは1000人中29人の新生児が死亡するという。インド政府は、この数字を1桁台にまで抑えることを目標に掲げている。しかも、インド女性の識字率は低い。ニューヨークを拠点とするInternational commision on Finincing Global Education Opportunityが昨年10月に発表した調査結果によれば、小学校を卒業した女子児童のなかで文字の読み書きができるのは全体のたった48%だという

また、Pew Research Centerが行った2015年のアンケート調査によれば、インターネットの通信環境をもっていると答えたインドの成人は22%だった。そうは言うものの、インターネット通信環境を整えようとする努力がインド各地で行なわれていることも事実だ。Digital Indiaが実施するプログラムは、デジタルによって人々がもつ力を向上させ、農村部にブロードバンド環境を提供することを目指している。この計画の一部として、インド政府は2018年までに4万以上の村でモバイル通信を利用可能にするという方針を打ち出している。

その一方で、mSakiは現状の通信環境でも大きなインパクトを与えることができる。このアプリケーションは劣悪な通信環境にも対応できるように開発されたものだからだ。デバイスに送り込むデータはオフラインで保存され、インターネットに接続された時にはじめてデータをサーバーへアップロードする仕組みなのだ。

妊婦を診察し、彼女たちにアドバイスを与える

現場の最前線で働くRam Kumari Sharma氏は、インド各地の村を転々とする毎日だ。彼女はmSakiを使い、妊婦や出産後の母親、そして新生児の健康状態をアプリにインプットし、彼女たちの診察も行う。mSakiに表示されるテキストやアニメーションを頼りに、彼女は注意すべき病気の症状やその治療方法を妊婦たちに教えているのだ。

現場の助産婦をサポート

mSakiは現場の補助看護助産婦(ANMs)たちにも利用されている。Anita VT氏は、村のヘルスケアセンターで20年間勤務するベテランのヘルスケアワーカーだ。彼女はそこで、患者の受け入れ、出産の補助、子どもへのワクチン注射などの業務をこなす。そこは、小さな部屋に数個の手動ツールがあるだけの小規模な医療施設だが、モバイルテクノロジーは彼女に21世紀の医療を与えた。

VT氏はタブレットを指差しながら、「これがあれば何でもできます」と話す。「紙を使う理由がありません」。

IntraHealthでシニアアドバイザーを務めるMeenakshi Jain氏は、mSakiはコスト効率的な医療を可能にするアプリケーションだと語る。

「インド政府は、すべての妊婦をオンラインのシステムに登録するというプログラムを全国で展開しています」と彼女は話す。「これを実現させるのが現場で働くASHAsや助産婦たちです。それらのヘルスケアワーカーの役割は、妊婦を特定し、彼女たちの情報を登録することです。しかし、従来のやり方では、彼女たちが紙のフォームを埋め、10〜20キロの道のりを往復し、コミュニティに設置されたヘルスセンターのオペレーターと話をし、そしてデータをコンピューターに打ち込む必要がありました。mSakiは、そういった事務処理にかかる時間的なコストを大幅に削減することができるのです」。

mSakiをどうやってスケールさせるか?

mSakiプログラムに必要な資金を集めるため、IntraHealthは同アプリの実績をステークホルダー(連邦政府、州政府、ドナーなど)と共有している。実際にmSakiが母親や子どもたちの健康状態を改善していることを示すためだ。Jain氏は、政府がmSakiや他の類似のアプリケーションを導入することで、現場で働くヘルスワーカーたちに最新の技術を提供し、彼女たちの能力を一段と高めることができればと願っている。IntraHealthに十分な資金が集まれば、同社はmSakiの改善を続け、今後は家族計画のアドバイスや識字率改善にも取り組んでいきたいと話している。

より速く、より効率的なマイクロローンを

ジャーンシーから450キロほど離れたジャイプル郊外の村。ここで、非営利団体のPlanned Social Concern(PSC)は村に住む女性たちにマイクロローンを提供している。

PSCのマイクロファイナンスを利用した人々のなかには、そこで得た資金を利用して小さなビジネスを立ち上げる者もいる。また、ある女性は、PSCから借り入れた資金のおかげで新しい家を建てることができ、子どもを学校に入れることもできたと喜んでいた。

この経済的なエンパワーメントを可能にしたのは、モバイルブロードバンドだ。Qualcomm Wireless Reachとのパートナーシップを通して、PSCは2014年にすべてのローン審査プロセスをデジタル化した。今では、このプログラムは完全にペーパーレスで運用されている。

PSC COOのravi Gupta氏は、3Gネットワークにつながったタブレットと「MicroLekha」と呼ばれるモバイルアプリケーションを利用することで、スピーディで透明性のある業務を可能にしたと話す。

「ローン組成にかかる業務をマニュアルで行っていた当時、実際の融資までには17〜18日程度の時間が必要でした」とGupta氏は語る。「MicroLekhaを使えば、その時間が3〜4日にまで短縮されます」。

すべての書類はデジタルに保存されているため、顧客は借り入れごとに紙の書類を作成する必要はない。ローンを返済すると、その旨を伝えるアップデートがSMSで届く。

これは始まりに過ぎない。Digital Indiaの試みがインド各地に広まれば、ヘルスワーカーを助け、妊婦を教育し、小規模ビジネス立ち上げの機会を与えてくれる新しいモバイルテクノロジーが導入されることだろう。

農村部にインパクトを与えるプログラムが大企業から生まれ、西洋の貧しい国々でもDigital indiaなどと同様のイニシアティブが立ち上がることを、私は望んでいる。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter