モバイルオンリー時代のFacebookとは

Facebookを利用するユーザーのうちわずか21%(2.68億人)がデスクトップオンリーであり、パーセンテージも人数も、Facebookが成長すると共に下がっていることが、今週のFacebook2014年Q1決算報告でわかった。一方Facebookのモバイルオンリーユーザー数は3.41億人で全ユーザー数の26.7%を占めており、急速に増え続けている。

これが意味するのは、あるFacebook機能がモバイルになければ、それは益々意味のないものになっていく、ということだ。

グラフ検索、イベントの推奨、友達リストおよび興味リストの編集、一括ニュースフィード管理等、Facebookモバイルに存在していない機能はごくわずかだ。これは、Facebookの経営企画担当VP、Vaughan Smithが、もしモバイル版のない製品が提案されれば、その計画は後回しになると2012年初頭に言って以来の傾向だ。

FacebookがIPO時に言われていたのは、モバイルが必要だということだった。そしてそれから数年、同社は「モバイル・ファース」企業になるべく努力を重ねてきた。そしてそれはビジネス面でかなり成功しつつある。今や広告収益の59%がモバイルであり、これも増え続けている。

しかし、2014年Q1収支会見で出された最新の端末統計データ(Benedict Evansが最近指摘した)を見ると、Facebookはどうやって「モバイルオンリー」企業になるかを学ぶ必要がある。デスクトップ版に頼らないサービスを提供する会社だ。

モバイル向け機能を提供する4つの方法

問題は、どうやってあの小さな画面に全機能を押し込むかだ。Facebookは、モバイルで機能を公開する際4つの戦略を試みているが、それぞれに問題を抱えている。

デザイン変更

既存機能をデザイン変更することによって、Facebookはその膨大なモバイルユーザーに対して直ちに新機能を提供できる。しかし、慎重に手順を踏み、人々が間違いなく好むわずかな変化だけを施す必要がある。ショックが大きすぎれば人々を怖がらせかねない。Facebookはこの方法を、ページ、友達リスト、およびコンテンツタイプ別に専用ニュースフィードを見られるマルチフィードセレクターを導入する際に用いた。これは、Facebookスマートフォンアプリの標準フィードの中に存在しているが、これに気付くのは「ニュースフィード」タイトルを引き下ろして実はそれが折畳まれた選択ボタンであることを知った時だ。このカムフラージュされた機能統合はユーザーの邪魔をしない代わりに、気付かれない可能性もある。

作って埋没

Facebookのメインアプリに新機能を投入すれば、直ちにインストールベースは増えるが、ユーザーベースは増えない。インターフェースに埋もれたままだからだ。ユーザーは容易に無視して忘れてしまう。例えば、1年前にFacebookは近くのスポットというYelp競合のモバイル機能を提供したが、それはスマートフォンアプリのナビゲーションメニュー内に置かれていた。伝聞的証拠が示すところによると、殆どの人はその存在すら知らない。今Facebookは、Nearby Friends機能による近接シェアで同じことをしようとしている。私は便利だと認識しているが、これも埋もれているのでついつい忘れてしまう。

スタンドアロンアプリ

スタンドアロンアプリを提供することによって、Facebookは新機能をデザインに因われることなく前面に押し出せるが、ゼロインストール状態から始めなければならない。スタンドアロンアプリが忠実なユーザーと口コミを得るためには、既存のFacebookアプリより優れていることを証明する必要がある。最近Facebookは、スタイリッシュなフィードリーダーアプリ、Paperをリリースした。Facebookは当初の反響を喜んでいると言っていたが、その後の成長の数字は一切公開していない。メインアプリ内でPaperを宣伝することは可能だが、ユーザーにうるさがれる恐れがある。

コンパニオンアプリ

コンパニオンアプリを使えば、中核機能をメインアプリから切り離すことがでるので、アクセスしやすくなりモバイルファースト感もだせる。しかし、フォルダー一杯にFacebookアプリが並ぶことを喜ばないユーザーもいる。Messengerは現在その過程にある。昨年11月、FacebookはMessengerをインストールしているユーザーがメインアプリのメッセージタブをタップするとMessengerアプリと高速に切換わるようにした。そして最近Facebookは、メインアプリのメッセージ機能を完全に取り除き、チャットしたいユーザーはMessengerをダウンロードしなければならなくすると発表した。多くの人々が不満だ。Facebookはスマートフォンアプリの膨大な利用を活用して他のアプリをクロスプロモーションすることもできるが、スパムと感じさせないための分別が必要だ。

来たるべき「モバイルオンリー」時代におけるFacebookの成功は、新機能を提供するたびに、これらのうち適切な配布戦略を選ぶことにある。賢く選択すれば、Facebookは規模を生かして新機能を即席の大ヒットにつなげることができる。選択を誤れば、いくら強力な新機能を作っても使われないか渋々使われるだけで、ライバルにユーザーを奪われるところを見るはめになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


米ドミノピザ、iPad用3Dカスタムピザビルダー付注文アプリを提供

Domino’s Pizzaは、ここ数年間にメニューを改訂し、財務状況を回復させてきた。この期間にモバイル注文の受付も開始した。来週月曜日(米国時間4/28)から、同ピザチェーンはiPadアプリを公開し、自分だけのカスタムメイドピザを作って配達してもらうまでをソファの上でできるようにする。

このアプリで注目なのは、3Dピザビルダーだ。OpenGLを使ってピザの最終形をよりリアルに表現する(もちろん、あらゆる料理写真と同しく、プレビュー画像は玄関に届けられるボックスに入っているものとはかなり違う)。

「この新しいDominoのiPadアプリは、ピザの注文体験を全く新しいレベルに変える」と、Domin’s Pizza最高情報責任者のKevin Vsconiが声明で語る。「これは当社がDomino’s Trackerを提供して以来の最もすばらしいテクノロジーであり、お客様が美しいカスタムピザビルダーを使い、ピザの注文を全く新しい形でビジュアル化できることを非常に喜んでいる」。

Domino’sの他のアプリと同じく、このiPadアプリは同社の全国共通メニュー、クーポン、店舗検索、およびデジタル注文追跡機能を備えている。さらに、お気に入りのカスタムビザを保存しておけるので、次回からわずかなクリックで再注文できる。

デジタルオーダーは、Domono’sにとって極めて重要だ。現在同社の米国内売上の40%をこれが占めている。

新アプリは来週月曜日に公開される。それまでの間はiPhoneまたはAndroid端末から昔ながらの方法でピザを注文するしかない。もちろん、いつでも外へ出かけて本物のピザを食べることもできる ― ただし、殆どのレストランではTitanfallをプレイできないことをお忘れなく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


病みつきになるアプリの18の要素

隠れたIT&ベンチャー大国イスラエルで開催されたモバイルのマネタイゼーションに関するイベントで発表されたアプリが成功するための18の要素をここに紹介。シンプルながら人気アプリを産み出すヒントが盛り沢山? — SEO Japan

Mattel's Angry Birds board game is on di

モバイルを収入増加につなげるのは、難しい。アプリに広告を掲載する手もあるが、完璧なモバイル広告戦略を編み出した企業は、ゼロに近い。また、アプリに広告を追加する手法は、ユーザーにとっては、迷惑であり、不快そのものである。

アプリに広告を掲載しても、利益にならないとまでは言わないが、それよりも、優れた、病みつきになるアプリを提供する必要がある。なぜなら、アプリをダウンロードし、利用する行為は、ユーザーに手間をかけるものの、消去するのは簡単だからだ。アプリを利用する価値をすぐに分かってもらえなければ、二度と使ってもらえないはずだ。

さて、数週間前にイスラエル・モバイル・マネタイゼーション・サミットが開催され、モバイルのビジネスモデルを学ぶために、私は出席した。第三世界は、高額なコストのかかるラップトップをスキップして、3Gスマートフォンに飛び付いているため、モバイルは、世界を均一化する原動力となりつつある — 従って、この領域で収入を上げる取り組みは、最新の課題と認識されている。

利益をもたらすモバイルアプリを作成していることを、どうすれば把握することが出来るのだろうか?残念ながら、それは不可能である。期待し、計画を立て、世界最高のビジネスモデルでサポートすることも出来る — しかし、単純な運任せよりも確率が高いかどうかを、体系的に確認し、判断することが可能な要素は存在するのだろうか?

エリック・ライス氏(Lean Startupで有名なエリック・ライズ氏とは別人)が、この要素を分かりやすく説明してくれている。ライス氏は、The FatDUX GroupでCEO兼コンテンツストラテジストを務めている。そして、同氏は、UXに特に注目しており、アプリは、その中核において、真の価値を持っていなければならない、と考えている。

それでは、ライス氏が掲げる、アプリの成功を示唆する「モバイルアプリの18点の要素」を挙げていく。

基盤

コンセプト

  • 手頃な価格 – 無料で提供しているなら、それ以上の良心的な価格はない。無料ではないなら、価格に見合う価値を持っているだろうか?
  • 利便性 – Evernote、もしくは、写真をファックスに変えるアプリ等をイメージしてもらいたい。頻繁に利用するわけではないものの、持っている必要がある。ここではゲームは当てはまらないが、Lumosityは例外だ。
  • 使いやすさ – そのアプリは、簡単に、そして、楽に理解し、使うことが出来るか?Instagram並に簡単に使えるだろうか?

コンディション

  • ビジネスに不可欠(仕事に必要) – 会計ソフトが当てはまる。ゲームは該当しない。
  • 依存性 – ゲームは、ビジネスには不可欠ではないものの、病みつきになる。Facebookも病みつきになるアプリであり、個人的にはPinterestにものめり込んでいる。
  • 本質的な価値 – そのアプリは、極めたいと思わせるだろうか?eメールが良い例である — 例えばInbox Zero。これは、あらゆるアプリにとって、究極の目標だと言えるだろう(私自身はまだ到達していない)。

コミュニケーション

プラットフォーム

  • 紹介 – ブログ、Pinterest、Tumblr、LinkedIn、Dribbble – 作品・好み等を見せびらかすものは全て含まれる。
  • ルート – 何かを起こす力を持つ – Bufferは、オーディエンスにとって最高のタイミングで、様々なソーシャルプラットフォームに投稿を配信する。これはルートであり、目的地ではない。
  • ソーシャルシステム – Facebook、Twitter、Snapchat…社交的になる場所。他の人達とのつながりを持つ。

環境

  • マーケットが明白 – そのままだが、例えば、子供用のゲームが該当する。
  • マルチチャンネル機能 – Evernoteは、オンラインおよびオフラインにおいて、ユビキタス化しており、この要素においては、模範的な存在だと言えるだろう。
  • チャンネル間のコンバージョン(ゲームを想像すると良い) – Disneyは巧みにこの取り組みを行っている。Where’s My Waterでは、購入することが可能なキャラクターやバージョン、そして、解除可能なレベルが用意されている。

収益化

手っ取り早い収益化

  • インセンティブ – Dropboxが良い例だ。 友達を参加させると、無料で容量を増やすことが出来る。
  • 見返り – アプリが求める行動を取ったユーザーには、ポイント、クーポン、バーチャルグッズ等で見返りを与える。
  • クロスセル – ここでもゲームが当てはまる。バーチャルグッズやプレミアムゲームをアプリ内で買ってもらおう。

支払いの自動更新

  • 購読 – NYTimes等のメディアは、現在、購読モデルを提供している。
  • アップグレード – Dropboxのプレミアムサービス(例)。フリーミアムモデルでは、アップグレードを自動課金することが出来る。
  • 拡張性 – 例えば、Esty等のマーケットプレイスは、取引に対して少額の手数料を徴収するものの、金額に応じて、収益が変動する。

ライス氏曰く、「問題を解決していないなら、問題を作っている」ことになる。

私が絶対に遊びたくないゲーム、Candy Crush Sagaは、上の18点のうち13点を満たしている。このゲームを開発したKingは、依存性を見事に活用している。スタッツを調べなくても、この点は明らかである。なぜなら毎日のように、Facebookでこのゲームへの招待を受けているからだ(ちなみに、通知を既に無効にしているが、それでも右側のスペースで招待される)。

さらに例を挙げていこう。西欧ではあまり知られていない日本のゲーム「Toshi」は6点の要素を、そして、Angry Birdsは7点の要素を持っている。Angry Birdsにあって、Toshiに欠けているのは、タイミングの良さであった。

ライス氏によると、Rovioは(Angry Birdsのメーカー)、誰よりも早くモバイルを適切に利用し、Appleの寵愛を受けるようになった。これは、Rovioが、他社を圧倒するヒットを達成した理由そのものなのかもしれない。もちろん、これだけヒットすれば、フランチャイズ化が可能になる。

皆さんのアプリと比較してみよう。最後に、コメント欄で考えを聞かせてもらいたい。

画像: ROBYN BECK/AFP/Getty Images


この記事は、The Next Webに掲載された「How to check if your app is addictive enough to make money」を翻訳した内容です。

どれも納得はできるのですが、ここに書いてある多くの要素に該当せずとも成功したアプリもあるでしょうし、これらの要素があるからヒットするというよりは、ヒットするアプリに該当する要素の例、にも聞こえますけどね。とはいえ、リリース前のチェック項目リストとしては参考にしてもヒントがあるかもです。 — SEO Japan [G+]

インターネットサービスを「繋げて」使うIFTTT、より「自由」なAndroid版がついに登場

Internet上のサービスを繋いで処理を自動化するIFTTTのAndroid版が登場した。そしてこのAndroid版、iOS版と比較するとよりOSレベルの連携が見られるようだ。もちろんこれはAndroidの「レッセフェール」の方針によるものだ。すなわち、アプリケーション側からOSの機能をいろいろと操作しやすくなっているのだ。

IFTTTのAndroid版の登場は、多くの人にとっては予想よりもはるかに長くかかったのではないだろうか。IFTTT自体、間もなくリリースされるはずだという噂に対し、肯定的な様子をみせたこともあったが、これまでは結局「偽情報」となってきていた。CEO兼共同ファウンダーのLinden Tibbetsに、技術的な問題なのか、それともAndroid版に向けたリソースの問題だったのかを尋ねてみた。

「問題はリソースにありました」との回答だった。「シリコンバレーでは、どうやらAppleないしiOSアプリケーションを開発したいという人が多いようです。iOS版に向けるのと同じような熱意をAndroidアプリケーション開発に向けている人というのは探すことが難しいと感じています。もちろん、そうした状況は変わりつつはあります。IFTTTでも幸運に恵まれ、Android世界の中で生きているようなJordan Beckと出会うことができたのです」。

Appleの制限的な姿勢もある中で、IFTTTは非常に便利なツールとして広まっていった。iOS 7を搭載するiPhoneやiPadで便利に使ってきた人も多いことだろう。そしてこの度、Nexus 5で使ってみたが、大画面にも非常に馴染んでいて使いやすかった。iOS版にあった機能はほぼそのまま踏襲されており、Androidの自由さを活かした機能実装もなされている。

「Androidアプリケーションでは、ボリュームコントロールやWiFi、壁紙などのデバイスレベルの操作も行えます。電話履歴やSMSログなどを利用することもできるようになっています」とTibbetsは言っている。iOS版ではSMSを送ろうとすれば送信元が「IFTTT」という名前になってしまっていたが、Android版では自ら送るのと同様なスタイルでSMSを送信することもできる。「Android版では、特定のイベント発生時にメッセージをある意味で共有するような“インテント”という仕組みも用意されています。こうしたものを活用して、Android専用のレシピなどが急速に登場してくるだろうと期待しています」とのこと。

レシピ共有用のチャネルで、Android専用のものとしてDeviceにも注目したい。WiFiに接続したり切断した際に、壁紙を変更したり着信のベル音の大きさを変更するようなことができる。他にもlocation、notification、phone call、photo、あるいはSMSなどといったチャネルがある。Android特有の機能を活かして可能性を探るレシピが多く登録されている。

仕事が終わったときに奥さんにメッセージを送るときにも、他のサービスを介さずに、直接送ることができるようになった。また、かかってきた電話をとらなかったとき、PhillipsのHueライトを赤くして注意を促すといったレシピもある。また、留守番メッセージが入ったのに直ちにチェックしなかった場合に、メッセージの送り主にSMSを送るというものもある。

IFTTTのAndroid版ではiOS版やウェブ版のものに、いろいろと面白い機能が付け加えられているようだ。Androidの「自由さ」を活用することで、IFTTTの可能性がどこまで広がるのかということを感じさせてもくれる。アプリケーションはこちらから入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H


Appleのティム・クック、iPad版Officeを賞賛するも、もっと早ければととがめる

Apple CEOのTim Cookは、先月登場したiPad版Microsoft Officeに関する質問に答えた。そして彼の回答は驚くほど長いものだった。「Officeは非常に重要な製品群だと考えている」と彼は述べ、さらに「App StoreはMicrosoftを心から歓迎している」と付け加えた。

Cookは、Appleの顧客が「Officeを使えることを好意的に受け止めているのとは明らか」であると認め、大企業のiPadユーザーにとって間違いなく良いことだと語った。ただし、このAppleの長年のライバルであり時としてパートナーである相手について、賞賛ばかりではなかった。

「もしもっと早く出ていれば、Microsoftにとってより良かっただろう」と、CookはユーザーがiPad自身の発売以来待ち続けていたOfficeの登場について語った。しかし、MicrosoftがタブレットのUIとモバイルユーザー体験を追究しつくした揺るぎない製品を作ったことは、フル機能を使うためにはOffice 365の定期購読が必要であるという残念な点を差し引いても評価に値する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「3分で旬のニュース」は世界に通用するのか、Gunosyが英語版リリース

3月14日にKDDIから推定12億円の大型調達を実施したGunosy。その翌日にはニュースアプリとしては初のテレビCMを開始し、一気呵成にユーザー獲得に走っているが、次なる展開は世界進出だ。24日に英国でiOSアプリをリリースし、5月にはAndroidアプリを公開する。1カ月後には米国に進出し、3年で海外で8000万インストール、日本も含めて1億インストールを目指す。

Gunosyは、TwitterやFacebookなどの投稿内容をもとにユーザーの興味を分析し、おすすめのニュースを配信するサービスとして2011年に公開。2014年2月にはアプリを全面刷新し、情報感度の高いネットユーザーだけでなく、「雑談のネタが欲しい」という一般ユーザーに向けてネットで話題のニュースの配信も開始した。「3分で旬なニュースをまとめ読み」というキャッチコピーを打ち出すテレビCMの効果もあり、ユーザー数は200万ダウンロードを突破したという。

話題のニュースを自動収集するニュースアプリといえば、日本ではSmartNewsやLINE NEWS、Kamelio(カメリオ)、Presso(プレッソ)、Antenna、Flipboardなどがあり乱立状態。その一方で、世界に目を向けると「日本のニュースアプリは1年先を行っている」とGunosy代表取締役の木村新司は海外展開の勝算を語る。

「海外のApp Storeのランキングを見ても新聞社系のアプリばかりで、Gunosyをはじめとするアプリが登場する1年前の状況と同じ。キュレーションアプリとしてはFlipboardやFacebookのPaperもあるが、網羅性を求めるユーザーのニーズは満たしきれていないのではないか。日本がここまで進んでいるのは、スマホユーザーのリテラシーの高さによるところが大きい」。

Gunosy初の海外展開となるUK版では約500媒体のニュースを配信。具体名を挙げると、The Register / BBC / Gurdian / INDEPENDENT / Telegraphといった有名ドコロから、バイラルメディアのBuzzFeedなども含まれている。ちなみに、ニュースは自動的に配信するGunosyだが、媒体の選定については人力で行っているのだとか。収益面に関しては日本と同様、記事の内容に合わせた広告を配信するモデルを描いているという。

Gunosy代表取締役共同最高経営責任者の木村新司


Kickstarterにて無事目標額を調達した冗談のような「便利待ち合わせツール」のLookFor

大勢が集まるイベント会場などで、特定の人を見つけ出すのはとても難しいことだ。「プレッツェル売り場の近くにいるからね」などといった感じで場所を伝えるのが一般的な方法だろう。こうした労を軽減しようとする、Kickstarterプロジェクトが展開中だ(Twitter経由でRoss Rubinに教えてもらった)。大混雑の中でも簡単に、スマートフォンを活用して、目的の人を見つけようとする仕組みだ。スマートフォンの画面で、特定の色のライトを点滅させるのだ。

プロジェクトの名前をLookForという。調達目標はわずか1000ドルだ。ただ、実際のところはプロジェクトの実現には1000ドルもかかるまい。アプリケーションの機能は、利用者に使いたい色を選ばせて、そしてそれをスマートフォン画面全体で点滅させるというものだ。もちろん、このLookForを使う前には、適当なアプリケーションを使って何色を表示させるかを通知しておく(イベント会場では電波が通じないこともあるので、会場入りの前にSMS、メールなどを使うわけだ)。そして会場についたらLookForを起動して、伝えておいた色をフラッシュさせる。

非常に古臭い方法ではある。しかし誰もが持つようになったスマートデバイスを用いるというあたりが新しいとは言えるだろうか。スマートフォンを使いながら、しかし電波の届く範囲外でも利用できるというのが面白いといえるかもしれない。技術的に何ら新しいものはないが、確かに有効な方法ではある(クリエーターのLogan Rileyも、本で仕入れた程度の知識でLookForを構築したのだと言っている)。誰にでもわかりやすい仕組みであり、コンサート、タクシーやUberでの迎車待ちなどにも利用できるだろう。

出資者は1ドルにて完全に機能する「ベータ」版を受け取ることができる。もし5ドルを出資すれば「アナログ版」もついてくる(財布などに入れておいて使うカラープレートだ)。ちなみにRileyは、将来的には「スマート」機能も付け加えたいと考えているのだとのこと。たとえば近くにいるときに通知するiBeaconのサポートや、プッシュ通知、あるいはアプリケーションの中からメッセージを送る機能などが考えられる。さらに、このLookForはメジャーになればなるほど有効性を失うという性質をもつ(パープルを探してくれと言ってるときに、周囲に何人もパープルを点滅させる人がいては何にもならない)。そこで、点滅周期をはかって、どれが自分の待ち合わせ相手なのかを判別する機能なども考えてはいるのだそうだ。

自分のスマートフォンでも使えるのだろうかと考える人もいるかもしれない。幸い、現在のところLookForはウェブアプリケーションとなっている。さまざまなデバイスで利用可能だ。「そんなものなら自分で作ることもできるのではないか」と考える人もいるだろう。もちろんそうだ。あっという間に作ることのできる人も多いはずだ。しかし、価格はわずか1ドルだ。アイデアに経緯を表して支払っても良い価格といえるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Google、「ストリートビュー」に「タイムトラベル」機能を追加

日々、Googleのストリートビュー撮影車が走り回り、定期的にさまざまな場所の写真を撮り続け、そしてGoogleマップに公開している。これまではストリートビュー対応エリアにおける最新の写真のみが公開されていた。しかしこの最新版に加えて、過去のイメージも見られるようになるようだ。

ストリートビュー表示モードにした際に、画面に小さな時計アイコンが表示される。その時計アイコンをクリックすれば下部にタイムラインが表示され、そこに過去写真のプレビューが表示される。そこから選んで古い写真を見ることができるのだ。

どうやら、ストリートビュー撮影車は、たいていの場所を年に2度の頻度で訪問しているようだ。もちろん都市部の方が、より古い写真が残っているケースも多い様子。但しほんの数年前から撮影が開始された地域も多く(ストリートビュー自体のスタートが2007年アメリカにおいてのことだった)、それほど昔の写真が見られるわけではない。

Googleによると、今回の機能追加は、実世界を正確にうつすデジタルミラーを作ろうとする試みの一環であるとのこと。

新機能は本日から公開され始めたところだ(訳注:訳者環境では、いまのところ確認できていません)。また対応しているのはデスクトップ環境のみとなっている。今後、さまざまなプラットフォームに対応していく予定なのかどうかについては教えてもらえなかった。

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(翻訳:Maeda, H


クラウド型会計ソフト「freee」が8億円調達、給与計算ツールを今夏公開、アジア進出へ

クラウド会計ソフト「freee(フリー)」を運営するfreeeは23日、第三者割当増資を実施し、総額8億円を調達した。引受先は既存投資家であるDCMとインフィニティ・ベンチャーズ。DCMはシリコンバレーの大手VCで、シードラウンドから数えて3度目の投資となる。freee代表取締役の佐々木大輔によれば、来年にはアジア進出も視野に入れていることから、グローバル展開に強いDCMを中心とする既存投資家からの調達を決めたという。

freeeは、グーグル出身の佐々木大輔が2012年7月に設立。2013年3月にサービスを開始し、現在は7万以上の事業者が利用している。4月にWindows XPのサポート期間が終了し、インストール型の会計ソフトから乗り換るユーザーが増えていることや、消費税率の変更によって既存アプリのアップデートの波が来ていることから、2014年以降はユーザー登録のペースが年末の5倍に達する勢いで伸びているという。

この1年では、データを自動取得可能な金融機関を増やしており、現在は1600以上の金融機関と連携。このほか、モバイルアプリの開発AirレジやSquareといった外部サービスとの連携、カスタマーサポート体制の構築に取り組んできた。今回調達した資金ではプロダクト開発を強化。具体的には、給与計算や経費精算に代表されるスモールビジネスのバックオフィス業務を推進するツールを今夏までにリリースする予定だ。


北米ソーシャルログインではFacebook利用率が50%超(大きく離れてGoogleが2位)

新しいウェブサービスにサインインする際、ソーシャルログインを使うことができるのは便利だ。毎度毎度同じ情報を入力して、そして新しいパスワードを考えたりする手間を省くことができる。このソーシャルログインについて、ブランドなどに対してソーシャルログインの機能を提供しているGigyaが公開した最新データによると、北米ではFacebookの利用率が51%超となっていて、他のソーシャルログイン・サービスを圧倒しているのだそうだ。Google+が2位とはなっているが、割合は31%に過ぎず、Facebookには大きく水をあけられている。

北米における第3位はYahooで、これは15%の利用率となっている。しかしFacebookの利用率が伸びているのに対し、Yahooの方はあらゆる局面においてソーシャルログイン・ツールとしての利用率が低下している様子。

ソーシャルログインの面でいうと、Twitterの利用率が非常に低いのがむしろ逆に注目に値する。Gigyaの集計ではデスクトップとモバイルの双方において、4%の利用率しかないのだそうだ。

Facebookの圧勝という状況の中、メディア関係のサービスにおいてはGoogleも32%と検討している。但し、この分野でも、2013年の第4四半期を通じてFacebookの利用率が2%の伸びを示している。

モバイルに限定してみると、Facebookのリードが一層明白になる。Facebookの利用率は62%に跳ね上がり、Google+が26%、Twitterが6%、Yahooがわずか4%という状況になっている。

また、北米の状況は、世界全体とだいたい同様の割合を示しているようだ。全体でみた場合のFacebook利用率は53%で、続くGoogleが28%、そしてYahooが13%となっている。

但し地域によっては、Facebookが一層大きな割合を占めているところもある。たとえばヨーロッパでソーシャルログインを利用するケースの59%でFacebookが利用されていて、Googleは19%だ。

ロシアのSNSであるVKが9%を占めているのはヨーロッパらしいところだろう。

南アメリカではFacebookがなんと80%を占めている状況だ。Google+の方は13%となる。他の地域でも状況は似たような感じだ。但しアジア太平洋地域ではQQやSinaが善戦して、Googleが後塵を拝することにもなっている。

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(翻訳:Maeda, H


Kineticaは指先で直感的に高度な統計処理とビジュアル化ができるすぐれものiPadアプリ

大量のデータをすばやくいくつかのグループに分類したいなどと思ったことがあるだろうか? もしそうなら朗報だ。

カーネギー・メロン大学(CMU)の人間コンピュータ相互作用センターの博士課程の学生グループが開発中のKineticaというiPadアプリはデータを指先で操作し、分類したり、任意の線に沿って並べたり、スワイプだけでグラフ化したりできる。

このアプリはインポートしたデータに対して直感的な操作で分類、ソートなどさまざまな処理ができる。指で描いた曲線に沿ってデータを配置したり、同一のデータから複数のグラフを同時に生成するなども可能だ。

個々のデータは磁石で壁に張り付いた点のように見える。指定された値によって色分けするのも簡単。 たとえば、自動車のデータなら価格帯、飲食物なら砂糖の含有量によって色分け分類し、ソートするなどができる。

「UIが直感的なので数学や統計の専門知識がなくても、少し慣れればだれにでも高度な処理ができる」と開発者の一人、Jeffrey Rzeszotarskiは言う。現在タブレットの主要な用途はウェブ閲覧と読書にとどまっている。これはひとつにはアプリの操作性が十分でないからだ。正確なポインティングではデスクトップのマウスにはやはりかなわない。しかし直感的な操作にはタブレットの方がずっと向いているし、その強みを生かして自然なジェスチャーで利用できるアプリがもっと増える必要がある。

まだこのアプリは一般公開されていないが、こちらに登録しておくと4月29日過ぎに公開されたときにメールで通知がもらえる。

〔日本版〕上はデモビデオのスクリーンショットだが、サイトの説明によると、タイタニック号の乗客を船室等級別に3つのグループに分け、縦軸を年齢に取り、生存者に着色したものだ。これによって上級船室の乗客は高齢者まで助かったのに下級船室の乗客で助かったのは大部分が若者だったことが一目で分かる。

もうひとつの例は自動車を製造国、価格、馬力でグループ分けしたもの。「4万ドル以上」という条件でフィルタすると「馬力が大きいモデルはほとんどがドイツ車」だということがすぐに分かる。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


カードを出さずにスマホで決済、「GMO Pallet」は好感度が上がるかもしれない会計方法

GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は22日、飲食やアパレルなどのリアル店舗での支払いがスマホアプリ上で完結するサービス「GMO Pallet」の提供を開始した。ユーザーは事前にアプリをダウンロードし、クレジットカード情報を登録。店舗ではチェックインと4桁の暗証番号を入力することで決済が完了する仕組み。

GMO-PGの村松竜取締役副社長は、「テーブル会計がキラーコンテクスト」と話す。例えば飲食店でカード決済をする場合、カバンから財布を取り出してカードを店員に渡し、しばらくして伝票が届いてからサインをする。これに対してGMO Palletは、アプリで店舗にチェックイン、暗証番号の入力、という2ステップで決済が完了するので、カード決済の煩わしさが解消されたり、スマートな会計で好感度が上がるかもしれない。

具体的な決済方法としてはまず、アプリ上でGPS情報をもとに表示される店舗にチェックインする。その後、店舗側が専用アプリで入力した金額がユーザー側のアプリにも表示される。ユーザーは、自分もしくは店舗側のアプリで暗証番号を入力すると決済が完了する仕組み。レシートはユーザーに通知されるが、紙のレシートや領収書の発行には対応していない。

GMO-PGでは22日、渋谷区道玄坂エリアを中心に導入希望店舗の先行受付をスタート。これにあわせて、GMO Palletを導入する飲食店などを100店舗集める「店長100人委員会」を発足し、現在は約40店舗が参加している。1年後には東京の主要商業地域で1万店舗への導入を目指す。

店舗はサービスに申し込んだ後、「GMO Pallet レジ」アプリをスマホかタブレットにインストールする必要がある。店舗側としては、決済処理にかかる業務の効率化を図れるだけでなく、一度来店したユーザーにプッシュ通知でメッセージを送信できることも大きなメリットになるという。店舗の決済手数料は3.24%。

今後は、購入商品が決まっているコーヒーショップなどの店舗において事前決済にも対応する。これは“顔パス”で決済できる「PayPalチェックイン支払い」と似たサービスだが、PayPalは店舗側があらかじめユーザーから通知された氏名と顔写真をレジで照合するのに対して、GMO Palletはアプリの操作だけで完結する。


時差に悩む皆さんに朗報―Chrome拡張機能のFIOは分かりやすいタイムゾーン・モニタ

世界中の人々と仕事をしていると国際的に活躍する謎の女になったような気がしてくる。ただし私の場合、「謎」というのはあのややこしい時差だ。特に私が住んでいる台湾では夏時間を採用していないので話がいよいよ面倒になる。

約束をすっぽかしたり、明け方や深夜のとんでもない時間に電話したりするのは非常に具合が悪い。そういうお悩みをお持ちの読者も少なくないと思うが、朗報がある。私はFIOという無料のChrome拡張機能をインストールした。これはFigure It Out(理解する)の頭文字だそうだ。FIOをインストーするとChromeで「新しいタブ」を開くだけで自分の所在地を含む最大5つのタイムゾーンが一覧できる。

それぞれのタイムゾーンが午後はオレンジ、ダークブルーは夜というように時間帯によって色分けがされている。表示は12時間制または24時間制が選べる

しかしiOSのWorld Clock(iPad版なら世界地図が表示される)やその他無数の世界時計があるではないかと疑問を持つ読者もいるだろう。

私は実際に5つの別々のタイムゾーンの人々と仕事をしなければならなくなることがある。そういうときに地図の上にごちゃごちゃと並んだたくさんの時計の文字盤をいちいち読み取っていると(少なくとも私は)頭が変になる。FIOの色分けされたシンプルなバーはとても見やすい。なお「サンフランシスコの何月何日の何時が当地でいつになるか」というような時差の処理ではWorld Time Buddyというサイトも便利だ。

FIOのデベロッパーはデザインを夏冬など季節によって変えたり、国際標準時を追加したり、モバイル対応にしたりする準備を進めているという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Whisperライクな匿名画像共有アプリ「Pictory」が月間200万PVに–自撮りで炎上しない世界の実現を目指す

月間アクティブユーザー12億人を越えるFacebook。そこでの開かれたコミュニケーションと逆行する形で、10代の若者を中心に、クローズド、匿名といった特徴を持ったサービスが登場し、注目を集めている。

送信したメッセージや画像が数秒で消えるメッセンジャーアプリの「Snapchat」、匿名で画像とつぶやきを投稿できる「Whisper」、FoursquareやInstagramのチェックイン情報をもとに、知り合いと出会わないようアラートを出す「Cloak」など、そのアプローチもさまざまだ。

日本でも同様の傾向があるのか、Whisperライクなサービス「Pictory(ピクトリー)」が賑わいを見せはじめているという。PictoryはAndroidアプリとPCで利用できるサービスで、カクテルが1月に公開した。ユーザーが持つ画像を加工してアップロードし、テキストを入れた作品として匿名で投稿、共有できる。投稿した作品にはお気に入りに入れたり、匿名でコメントをつけたりできる。ノンプロモーションながら月間の投稿数は1万4000件、月間200万ページビュー(PV)まで成長しているという。

特徴的なのはアクティブユーザー1人あたりの投稿数だ。アクティブユーザーの実数は答えてもらえなかったが、3月のアクティブユーザ1人あたりの平均作品投稿数は1日0.45件と、2人に1人が1日1回投稿をしているという状況だという。メインユーザーは10代の学生。そのため、下校時間となる夕方から深夜にかけてトラフィックが集中する傾向があるという。

「自撮り」でも炎上しない仕組み作り

僕が投稿された画像を見て気づいたのは、「Selfie」、いわゆる「自撮り」画像の多さだ。多くのユーザーが自分の写真や友人、カップルでの写真にテキストをつけてアップしているのだ。そしてそこには独り言やポエムから、自分のメイクが可愛いか、ファッションがおしゃれかといった質問など、さまざまなメッセージが添えられている。

自撮りが多いと気になるのは、それらに対する罵詈雑言のコメントだ。Pictoryでは——悪質なユーザーに対策がなされる可能性もあるとして詳細な方法は聞けなかったが——クラウドソーシングを使った人力での監視やテクノロジーを組み合わせることで、「自撮り画像をアップしても『危険』と言われない、居心地のいい場所を作っており、変な方向に荒れたりしないようにしている」(カクテル取締役CTOの天野仁史氏)とのことだ。公序良俗に反する画像、コメントも削除しているそうだ。

インキュベイトファンドのほか、メルカリ山田氏やモイ赤松氏が出資

カクテルは2012年の設立。インキュベイトファンドのほか、メルカリ代表取締役の山田進太郎氏やモイ代表取締役の赤松洋介氏が出資をしている。

同社ではこれまでTwitterやFacebookとは異なるソーシャルグラフの構築を目指してサービスを開発してきたという。それは実名制でもなく、決まったタイムラインがあるわけでもない、かといって「出会い系」にもならないもの——現在代表取締役を務める水波桂氏はこう語る。

今後はダイレクトメッセージ機能をはじめとしたコミュニケーション機能を強化する。「『匿名かつ居心地のいいところ』ができないかを考えている。友達やつながりを持てて、でもその関係をリセットできたりというもの」(天野氏)

そのほか、画像の検索機能やiPhoneアプリの提供などを予定する。ただしiPhoneアプリに関しては、「開発サイクルの早いAndroidアプリで機能が一通りそろった時点で提供していきたい」(天野氏)


Facebook、リアルタイムで位置情報を公開して友達と交流できるNearby Friends機能をスタート―利用はオプトイン

今日(米国時間4/17)、Facebookは新しいオプトンイン機能、Nearby Friendsの提供を開始した。これは友だちがどのくらい離れたところにいるかをリスト形式でリアルタイムに表示する機能だ。そう聞けばすぐにプライバシー上の懸念が思い浮かぶかもしれないが、Nearby Friendsは友だちとオンライン上ではなく実際に会って交流する時間を増やす効果がありそうだ。この機能はiOS版Android版ともにここ数週間かけてまずアメリカで公開される。

Nearby Friendsを開発したのはFacebookが2012年に買収した位置情報共有サービス、GlanceeのAndrea Vaccariのグループだ。このアプリは近くにいる友だちのリストを表示すると同時に、近くに友だちがいることを通知してくれる。またその友だちが正確な位置の情報を公開している場合は、地図上でどこにいるか表示させることができる。

Nearby FriendsはFacebookほど巨大なユーザーベースを持っていないFoursquareやGoogle Latitude〔の機能を受け継いだGoogle+〕などのライバルにとって脅威となるかもしれない。

プライバシーについては、Nearby Friendsはオプトインなので、興味がなければそのまま無視していればよい。また利用ができるのは18歳以上のユーザーに限られる。また情報共有は相互的モデルを採用している。つまり、ともにこの機能を有効にしているユーザー同士でしか情報は共有されない。また正確な位置情報を知ることができるのはその相手が明示的に位置を公開している場合に限られる。

特定の友だち、ないしグループを指定して位置情報を公開することができるが、多くのユーザーは特に指定せず友だち全員に公開してしまうだろう。それと位置情報の公開をいったんオンにするとオフにすることを忘れがちだ。これによって思わぬ形で位置情報が共有されないよう注意する必要はある。

Nearby Friendsの仕組み

Nearby Friendsアプリが利用できるようになると、Facebookの設定メニューのアプリ・セクションの「もっと見る」に表示される。ユーザーはここからオプトインし、共有範囲を友だち全員、あるいは特定の友だち、グループに限定するか選択できる。

オプトインしてアプリを有効にすると、Nearby Friendsのリストが表示される。リストは0.5マイル(800m)以下、 0.7マイル(1.1km)以下、1.8(3km)マイル以下という距離別の3グループに分けられ、同じくNearby Friends機能を利用している友だちが表示される。リストにはその位置情報が確認された最近の時刻と、大都市の場合、地区名も表示される。

リストに表示された友だちの名前の横の矢印アイコンをタップすると、自分の正確な位置をその相手に送信できる。また位置共有を終了させる時間も指定できる(一時間、数時間、明日まで、手動で停止するまで、など)。また最大40文字までのメッセージを送信することが可能だ。

FacebookのNearby Friendsが他の位置情報サービスと大きく異るのは、位置そのものの共有というより、友だちとの距離を中心にしていることだ。われわれにとって重要なのは友だちが地図上のどの位置にいるかよりも、むしろ自分のいる場所に対してどのくらい近くにいるかだ。誰か友だちがすぐ近くにいると分かれば、矢印アイコンをタップして会いたいという意思表示をするという仕組みだ。無制限に位置情報公開するのは、具合の悪いときに友だちが会いに来るかもしれない。Nearby Friendsの場合は、会いたい側が自分の位置を先に相手に伝える仕組みなので、そのような問題は起こりにくくなっている。

下はNearby Friendsの仕組みを紹介するFacebookのビデオだ。

ユーザーがNearby Friends機能を使う場面は、たとえば、公園や観光地、コンサートなどだろう。また時間が空いたのでお茶を付き合ってくれる相手はいないかと探す場合もあるだろう。馴染みのない町を訪問したとき、現地のFacebook友だちを探すということもあるかもしれない。旅行中など家族同士で正確な位置情報を共有する機能を常にオンにしておき、お互いの動静が常に分かるようにしておくという使い方もあるかもしれない。空港で飛行機から降りた時、近くに友だちがいるか探してタクシーの相乗りをもちかけるなどというニッチな利用法もあるかもしれない。

広告への利用はあるか?

現在Facebookでは、Nearby Friendsをターゲット広告に利用する考えはないとしている。しかし町で近くのレストランやバーゲンセール開催のお知らせがニュースフィードに表示されたら便利だろう。そういう形の広告であれば、ユーザーにも広告主にもきわめて有用かつ効果的だということは否定できない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、Androidからパソコンに接続して操作できるるリモートデスクトップ ・アプリをリリース

今朝(米国時間4/16)、GoogleはAndroidデバイスからパソコンにリモート接続するアプリ、Chrome Remote Desktop app for Androidをローンチした。

このアプリはGoogleがすでに提供しているパソコンの画面共有サービス、Chrome Remote Desktopをモバイル版に拡張したものといえる。

デスクトップ版の場合と同様、AndroidアプリもまずChrome リモートデスクトップというクライアントをパソコンにインストールする必要がある。このアプリはChromeウェブストアから入手できる(XP以降、OS X 10.6以降、 Linux)。これはGoogle Chromeブラウザのアプリだが、リモート接続の際にChromeを起動している必要はない。

アプリをインストールした後は、ユーザーはAndroidデバイスからマウスを動かし、フォルダやアプリを開き、キーボードから入力するなどコンピュータを自由に操作できる。以前のGoToMyPCの現代版のような操作感覚だ。.

われわれはChromeリモートデスクトップ・クライアントがしばらく前からテストされていることに気づいていた。1月には作動するバージョンも公開された。ただしこれはソースコードで提供されており、ユーザーがコンパイルする必要があった。iOS版も開発中ということだが、Android版に比べると進捗はかなり遅れているらしい。

今回のGoogleの動きは、Amazonがエンタープライズ向けに似たようなリモートデスクトップ機能を提供し始めたことに対抗する意味もありそうだ。3月に正式公開されたAmazon Workspacesは企業の従業員が他のパソコンやモバイルデバイス(Mac、PC、iPhone,、iPad、Android、Kindle Fire HDX)から会社のパソコンにアクセスすることを可能にする。Amazonの場合、タブレット(特にKindle)をビジネスの場に浸透させる助けとすることが狙いだ。

これに対してGoogleのリモートデスクトップは一般ユーザー寄りのプロダクトだ。Googleはリモートデスクトップ機能を使って息子が離れて住んでいるママのプリンターの設定を調整したり、パパのコンピュータから見失ったファイルを探し出したりするというストーリーでプロモーションをしたぐらいだ。

Chrome リモートデスクトップのAndroidアプリはGoogle Playのこちらからインストールできる。

〔日本版〕リモートデスクトップのChromeアプリもAndroidアプリも日本語化ずみ。ヘルプも日本語化されている。リモートデスクトップを有効にするには6桁以上の暗証番号を設定する必要がある。デスクトップがAnddroidから共有されているときはパソコンの画面の下部にその旨表示され、「共有を停止」ボタンから接続を切断できる。

AndroidからPCを操作する場合、画面を1本指でスワイプするのがマウスポインタの操作となるので画面が逆に動くように見える。その他、
・1本指タップ:左クリック
・2本指タップ:右クリック
・3本指タップ:中央クリック
・2本指スワイプ:上下スクリール
・3本指上スワイプ:キーボード表示
などのジェスチャーが用意されている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


内外両方のカメラで写真を撮影するFrontback、Android版アプリケーションをリリース

ついに話題の写真共有アプリケーションのFrontbackに、Android版が登場した。これまではiOS版のみがリリースされていた。ちなみにiOS版のみの提供を行っていたこの8ヵ月で、ダウンロード数は100万件にも達しており、Android版の公開により、さらに多くの利用者が詰めかけるのではないかと思われる。

ご存じない方のために説明しておくと、Frontbackというのは写真撮影用アプリケーションだ。但し、撮影対象に加えて、撮影するスマートフォンオーナーの姿もあわせたコラージュ作品が創りだされるようになっている(外側カメラと内側カメラの双方で撮った写真が1枚に組み合わされる)。

この数週間、Android版アプリケーションのテストをさせてもらっていたが、アプリケーションの宣伝文句通りの動作をすると言って良いと思う。iOS版を使っていた人がこちらを使っても違和感は感じないはずだ。Android上でもFrontbackの魅力をフルに味わえるようになっているわけだ。

但し、外見的にはAndroidアプリケーションらしい変更も加えられている。ボタンやメニューはAndroidガイドラインに沿ったスタイルになっている。Android版でたまたまFrontbackに出会った人は、もともとからのAndroidアプリケーションだと思うかもしれない。

尚、Android版で追加された機能もある。それはオフラインモードだ。Android版ではネットワークに接続していない状態でも撮影が行えるようになった。撮影した写真は、ネットワークに接続するまでFrontbackに保存されるようになっている。iOS版では次回のアップデートで実装されることになっている。

「Frontbackにおいては、メモリの問題がかなり大きなものでした。想定されているカメラの利用法を拡張する形式のアプリケーションだからです」と、Android版開発リーダーのGiovanni Vatieriは言っている。さまざまな機種が存在する中、各デバイスで最善の写真品質を利用することができるようにすることが、かなり難しかったようだ。カメラの性能と、空きメモリの管理を同時に行う必要があったわけだ。

さらに、Frontbackのユーザーインタフェースは、従来の写真アプリケーションと大幅に異なっているということも問題となった。アプリケーションを立ち上げると、2つに分かれた画面いっぱいに写真が表示された状態となる(他の利用者からの投稿が表示されている)。この場合も、Androidデバイス間で異なる縦横比が採用されていて、また解像度もそれぞれに異なっている現実に対応しなければならなかった。そうした問題のそれぞれについて、利用者の負担にならない形で解決していく必要があったわけだ。

Frontbackは、Android版のリリースを行う前に、iOS版のアップデートを頻繁に行っていた。いったんマルチデバイス対応としてしまうと、機能追加を行う際にはあらゆるデバイスに対応してバージョンアップを行う必要がある。そういった手間を減らす意味もあって、まずはiOS版で一定レベルにまでバージョンアップを行っていたわけだ

共同ファウンダー兼CEOのFrédéric della Failleは、いくつか現状の数値についてもアナウンスしてくれた。ダウンロード数が百万件に達したのは冒頭にも記した通りだ。加えて利用者数はこの2ヵ月で倍になっている。2014年1月比でいうと、写真のアップロード件数は3倍となっている。これはアクティブユーザーの利用頻度が一層上がってきていることを意味する。アプリケーションを熱心に利用してくれる人が増えたのだという言い方もできる。

その他の数値については教えてもらえなかった。Frontbackの利用状況について、詳細な分析を行うことはできないことになる。ただ、Android版のリリースが利用者数の拡大につながることは間違いあるまい。

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(翻訳:Maeda, H


Google Play、依然ダウンロード数でiOS App Storeを上回る―売上高でも差を詰める

Androidが世界のスマートフォン市場をリードしているという事実がモバイル・アプリのダウンロード数だけでなく、そろそろ売上にも反映してきたようだ。

今朝(米国時間4/15)App Annieから発表された最新レポートによれば、2014年第1四半期の世界のアプリダウンロード数はGoogle PlayがAppleのiOS App Storeを45%上回った。世界での売上高ではAppleは依然としてAndroidに大差をつけている。App Annieによれば、App Storeの売上はPlay Storeを85%も上回っている。

App Annieの2014年第1四半期の市場調査レポートには、世界150カ国の市場データが網羅されている。ただしこのレポートではAmazonのAppstoreは対象になっていない。AmazonのストアはデベロッパーにとってはPlay Storeよりも条件が有利だ。

第1四半期のレポートを見てまず気づくのはこれまでと同じく、インストール台数では大きく上回っているGoogleを抑えてAppleがはるかに大きな売上をデベロッパーにもたらしているという点だ。しかしデータをさらに詳しく検討すると、Google Playが売上高でApp Storeとの差を詰め始めていることが分かる。

新しい市場の爆発的成長に助けられてAndroidのアプリのダウンロード数は大きく伸びている。昨年メキシコではスマートフォンの売上が75%も伸びた。トルコでもスマートフォンとタブレットの伸びに支えられてI.T全体の売上が9%成長すると予測されている。ブラジル、ロシアでもダウンロード数が伸び、Google Playのダウンロード数でそれぞれ2位、3位となった。

しかしレポートの分析によれば、Androidアプリの売上の増加をもたらしたのは主としてアメリカ、イギリスなどの先進市場だという。

たとえばアメリカではGoogle Playの売上は直前の四半期に比較して55%も伸び、韓国(SamsungとLGの母国)を抜いて2位となった。韓国は日本(1位)、アメリカに続く3位に後退した。この変化は、アメリカのAndroidユーザーもやっと有料アプリの購入やアプリ内課金を利用するようになったことを示している。

イギリスもまた直前の四半期に比べて売上が35%アップしている。2013年の第3四半期から第4四半期にかけての伸びはさらに大きく、55%にもなったという。

一方、iOS App Storeの売上の伸びは大部分が中国とアメリカ市場によるものだ。規模は小さいながらベトナムと南lアフリカでも伸びている。

中国の貢献は絶対的な市場規模の巨大さを考えれば不思議ではない。App Annieによれば、中国での売上の伸びはダウンロード数の伸びさえ上回って、直前の四半期比で70%にもなっているという。ジャンルではゲームがトップでソーシャル・ネットワーク関連がそれに次いだ。

iOSでは全体としてゲームがトップのカテゴリーだが、財務会計関連も対前四半期比で45%伸びた(アメリカで納税申告の時期にあたったせいだろう)。

App Storeの売上の75%はゲームが占めている。

ゲームはGoogle Playでもトップ・カテゴリーで、コミュニケーション関連(WhatsApp、Facebook Messenger、LINE、Telegram、hreemaなど)が2位、さらにニュース、雑誌、ツールなどが続いている。

Google Playの売上ではゲームが90%を占めている。

さらに詳しいデータが載っているレポート全文はこちら

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、専門家とビデオチャットできるHelpoutsのiPhone版を提供

Helpoutsは、昨年Googleが「困っている人を助ける(HELP PEOPLE OUT)」ために作ったサービスだ。システムはHangoutsを通じて働き、ふだんやっているように友達とダベるだけでなく、個別の問題解決のためのエキスパートと、有料または無料でビデオチャットできる。そのHelpoutsが、iOSでも使えるようになった

iOS版Helpoutsは、ウェブ版と同じように動作し、Google Hangouts上で使用できる無料ビデオチャットとつながることができる。無料のみなのは、Appleを通じて有料サービスを提供すると通常の30%手数料がかかり、Googleにとってそれは価値がないか、そもそもやりたくないことだからだろう。

Android版のHelpoutsは昨年11月から提供されてたが、Appleフレンドリーなサポートは少々出遅れていた。アプリでは、エキスパートの評価やスケジューリングが可能で、iPhoneから直接セッションに参加できる。アプリは無料で、iPhone専用に作られている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google+に自動バックアップした写真が、Gmailから簡単に利用可能に

ソーシャルネットワーク本来の用途としては、あまりGoogle+を利用していない。しかし写真のオートバックアップはかなり便利に使っている。そして、Gmailとの連携で、Google+の写真関連機能がさらに便利になりそうだという話が入ってきた。オートバックアップした写真を、Gmailで簡単に再利用できるようになったのだ。スマートフォンで撮影した写真を、簡単にウェブ版Gmailで利用できるようになったわけだ。

ウェブ版Gmailのメール作成画面で、「写真を挿入」を選ぶと、最初にオートバックアップした写真が候補として表示されるようになった。最近バックアップしたものから順に、これまでに蓄積したものが一覧で表示されるわけだ。アルバムを利用しているのならば、アルバム全体をシェアすることもできる。インラインもしくは添付形式で挿入することができ、インライン形式で挿入した場合には、編集画面で簡単にリサイズすることもできる。

機能が見当たらない人も慌てる必要はない。Googleによると徐々に適用ユーザーを拡大していくつもりなのだとのこと。もちろん、写真の自動バックアップは有効にしておく必要がある(訳注:訳者の環境では、訳しているうちにいつの間にか機能が有効になっていました)。

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(翻訳:Maeda, H