PornHub、エクササイズ(セクササイズ)サービスを提供するBangFitをスタート

ポルノ系サービスからの登場ということで、意外に感じるかもしれない。PornHubがフィットネスサービス(ウェアラブル+ワークアウトビデオ)に参入するようなのだ。サービスの名前はBangFitという。

名前の通り、「バンバンする」ことでフィットネス効果を得ようとするものだ。

仕組みを記しておこう。

まずウェブサイトから登録を行う。登録後にスマートフォンと連携できるようになる。サイトではプレイヤーの数(1人、2人、あるいは3人)の設定も行える。

登録が終われば、行うエクササイズ(セクササイズ)を選択する。30分で消費できるカロリーがエクササイズ(セクササイズ)の種類ないし男女の別によって記述されている。

そしていよいよ実践となる。スマートフォンをBangFit Band(このベルトをプレイヤーが装着する)にとりつけ、「運動」中に消費したカロリーを計測するのだ。

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PornHubによるとBangFit Bandは間もなくリリースする予定であり、ソフトウェアプロダクトもいまのところはベータ段階であるとのこと。

こちらでも、2台のスマートフォンをウェブアプリケーションと連動させようと試みてみた。しかし片方のスマートフォンしか認識してもらえなかった。また、今のところはゲイやレズビアンへの対応は行われていない様子。

かように、現在のところは不備も目立つわけではあるが、ちょっと面白い試みであるとは言えると思う。

PornHubは、他に先駆けてVR対応を行ったり、またポルノサイトと絵文字を統合するマッチングサービス(?)も展開している。

BangFitの紹介ビデオを以下に掲載しておこう。

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(翻訳:Maeda, H

空中に充満している電波をエネルギー源とするIoTやウェアラブルの実用化を目指すDrayson Technologiesが£8Mを調達

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タダのランチやタダのエネルギーはない、と言われる。ところが、必ずしもそうではない。連続起業家として大成功し、イギリス政府の科学大臣でもあったLord Paul DraysonのスタートアップDrayson Technologiesは、高周波(RF)信号からエネルギーを取り出して、一連の低電力消費デバイスの電源にする技術を、商用化しようとしている。

そんなデバイスは、IoT分野の製品も含み、同社の概念実証製品である空気汚染センサーや、それほど電力を必要としないウェアラブルも含まれる。

この”Freevolt“技術をさらに発展させ、より多くのアプリケーションを市場化し、そのために技術をライセンスするとともに新製品を社内でも作っていくために、同社はこのほどシリーズBで800万ポンドを調達した。そのラウンドをリードしたのはこれまでの投資家Lansdowne PartnersとWoodford Investment Management、これに、とくに挙名されない投資家たちや同社のスタッフも参加した。

RFをエネルギー源とする技術が1960年代、あるいはそれよりも前からあることは、Draysonもよく知っているが、ロンドンのImperial Collegeにおける研究をベースとするFreevoltの技術は、従来と違ってかなり高くて安定的なエネルギー効率を実現している。そして現在は、Wi-Fiやセルラー、デジタル放送など、大量のRF電波が、エネルギー利用という見地からは、無駄に放出されている。

具体的には、Freevoltの技術はマルチバンドアンテナと整流器を使用する。つまり同時に複数かつ多方向のRF帯域からエネルギーを取り出すことができる。ほかにも、従来の技術と違って実用性が高いと主張できる要素が、さらに二つほどある。

ひとつは、現代社会、とくに都市部では、ブロードキャストされているRF信号が非常に多いこと。そしてもうひとつは、電力をあまり要しないが電池の交換や充電は不便、というデバイスのユースケースがとても増えていることだ。それは、言うまでもなくIoTの分野だ。Draysonは具体的に、ビーコン、センサー、低電力ウェアラブルなどを挙げ、ソーラーと違ってエネルギー源が可視である必要がなく、むしろ目立たないところに隠れている、と彼は指摘する。

また、彼自身に技術者としての経験と、環境技術への関心がある。たとえば彼は、電気自動車とその無線充電の研究開発に携わったこともある。しかし産業界がFreevolt技術を大々的に採用するためには、今よりももっとエネルギー効率の良いデバイスが、一般的に普及する必要がある。

つまり技術者たちが発想を変えて、もう、‘もっと大きな電池を入れられるスペースを作ろう’とか、‘ユーザーにもっと頻繁に充電してもらおう’、などと言わなくなることが重要だ。言い換えるとRF信号という無料のエネルギー源を利用するためには、その前提として、まったく新しいタイプの低電力デバイスを技術者たちが設計する必要がある。それは、改良の積み重ねによる電力効率のアップと、これまでとは違った新しい設計方針という、二つの側面で進められるだろう。

このような視点に立つと、Draysonが言うように、Freevoltを電源とし、毎日充電する必要のないスマートウォッチは、決して夢物語ではない。人生で最良のものは、本当はすべてタダなのかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このタトゥーのようなディスプレイは極薄の電子回路保護膜“Eスキン”(E-skin)でできている

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まるでStar Trekに出てきそうだが、バンドエイドよりも薄いフィルムを腕に貼ると、数秒後にそれは、心拍や血糖値などなどに反応してライトアップする。そして数日後には、はがれる。それが、東京大学の研究者たちの目標だ。彼らが発明したのは極薄の“Eスキン”(電子皮膚)で、それが可撓性の電子回路を保護して、皮膚上のディスプレイのようなものを可能にする。

もちろん、皮膚に貼り付ける電子回路は前にもあったし、伝導性のインクで描くやつもあった。しかし回路基板の厚さが1ミリもあれば、可撓性に限界がある。Takao Someya(染谷隆夫)とTomoyuki Yokota(横田知之)が率いるこの研究は、その厚さを大幅に減らす。

このEスキンは、スマート(電脳)なプラスチックラップじゃないか、と冷たく言われるかもしれない。シリコンオキシニトライド(Silicon Oxynitrite)とパリレン(Parylene)の層が極薄の基板を包み、その上に同じく薄くて可撓性のOLEDディスプレイと感光性ダイオード
を載せる。これが皮膚面に広がり、皺にも沿うが、密封性が良いので数日は保(も)つ。それまでの厚いデバイスは、数時間しか保たなかった。

上図のディスプレイは、概念実証である。まだ電源は体温や可撓性電池ではなくて、電極を要する。そしてもちろん、まだ何も読むことはできない。

ペーパーの付録のニュースリリースでSomeyaは、“ディスプレイを体に付着できて、人間の感情や、ストレスと不安の程度を表せたら、どんな世界になるだろうか?”、と問うている。ペーパーは金曜日(米国時間4/15)にScience Advancesに載った

気持ち悪い、と思う人も多いかもしれない。でも、医療や消費者製品の分野には、本格的な応用製品がいくらでもありえる。研究は、われわれをそこに連れて行くことを、目指している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマートウォッチの盤面デザインをWeb上でもできるFacerアプリが、AndroidだけでなくApple Watchにも対応

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Androidスマートウォッチのカスタム化で人気のFacerが今日(米国時間3/3)、iOSとApple Watchにその手を広げた。Apple Watchのホーム画面を個人化するユーティリティはApp Storeに山ほどあるが、Facerの良いところは、無料の盤面デザインが大量にあることと、Facerにしかないコンテンツもかなりあり、その中には有料ブランドのものや、Web上で盤面をデザインできるツールなどがある。

Facerは、かなり初期のAndroidスマートウォッチのころから、盤面制作アプリケーションの上位製品のひとつとして、いつもリストに載っていたので、ご存じの方も多いだろう。このアプリのコミュニティはウン十万人の規模だ、と同社は言っている。Google Playのダウンロード数がそれぐらいだから、ウソや誇張ではないだろう。

1か月前にこのアプリケーションはアップデートされ、提供コンテンツ数もぐんと増えた。新たに加わった無料の盤面デザインは数千もあり、またGarfield, Betty Boop, Popeyeなどのブランド品も多くなった。そして今度からは、これらがすべてApple Watch用にも入手できるのだ。

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Apple Watch用のアプリケーションでは、最新の盤面画像をInstagramやTumblrのフィードで見ることができる。そのほかのテーマやチャネルもあり、その中にはUnsplash, Superfamous, Gratisography, Vecteezy, NASAといったパートナーからのもある。

教育的なのが好きな人向けには、フラッシュカード的なやつもあり、手首を振るたびに新しい星座や新しい単語、太陽系上の各惑星、などが表示される。

そのほかの盤面制作ユーティリティと違ってFacerでは、自分の個人化盤面をWeb上で作り、Web上で共有できる。そのためのWeb上のデザインツールfacer.io/creatorがあり、そこではテキストや図形や画像をオンラインのライブラリからHDのキャンバスへドラッグ&ドロップできる。ただしAppleは壁紙しか編集できないから、Androidの盤面ほどいろんなことはできない。

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Facerは、Little Labsの最新のプロダクトだ。ここはNEAから資金を得ており、自らを“‘スマートウォッチファーストの’アプリスタジオ”、と称している。iOSやAndroid用のモバイルアプリではなく、スマートウォッチやウェアラブルに専念する、という意味だ。

Little Labsのファウンダーたちは、 Jamdat MobileやEAなどでモバイルの開発経験を積んでいる。昨年同社はNEA, Lightspeed Ventures, Lowercase Capitalなどから300万ドルを調達した。

Facer以外のプロダクトもいろいろあり、その中にはApple Watch用の小さなスロットゲームや、オスカーにノミネートされた映画に由来するThe Martian Gameなんかもある。

Facerは、iTunes App Storeで無料でダウンロードできる。

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スマートベッドのEight(元Luna)がシリーズAにこぎつけ$6Mを調達、クラウドファンディングの予約好調

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Eight、元の名Lunaが今日(米国時間3/2)、シリーズAで600万ドルを調達したことを発表した。

同社が作っているスマートマットレスカバーは、ユーザーの睡眠をチェックして、カバーの各所の温度を適切に調節し、そのデータをそのほかの、インターネットに接続されたデバイスに送る。同社によると、クラウドファンディング段階の予約販売で6000台売れたそうだ。

協同ファウンダーでCEOのMatteo Franceschettiによると、予約注文した人の多くが、睡眠チェックデバイスを装着したくない、という人たちだった。“ウェアラブルを持ってる人でも、夜には外していたい人が多い。うちのような、装着する必要のないデバイスは、これまでなかったからね”、と彼は語る。

Eightの次のステップは、予約ぶんの製造と発送だ。それが春には終わる予定なので、スマートカバーの一般発売を夏から行う。

シリーズAの投資家は、Y Combinator, Yunqui Partners, Azure Capital, Cota Capital, Comcast Ventures, Vast Ventures, スタンフォード大学のStartXインキュベータ, Galvanize Ventures, そしてYCのパートナーでScribdの協同ファウンダーJared Friedmanだ。

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東芝がスマートグラスWearvueの発売を急遽中止、予定ではあと一週間弱だったのに

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Toshibaは、あと一週間足らずで発売予定だったスマートグラス(電脳眼鏡)をキャンセルした。今日の発表声明でこの日本のエレクトロニクス企業は、同社の経営合理化努力の一環としてWearvue TG-1の開発と販売を停止する、と述べている。

同社は今、総額19億ドルの不正会計スキャンダルからの回復に努力しているが、日本の金融庁からは2011年と2012年の決算報告に対し計73億円(約6570万ドル)の課徴金を科せられている。

再生努力の一環としてToshibaは、人員削減と医療機器など一部事業の売却でコスト削減を図る、と発表した。

同社の代表者がWall Street Journal紙に、1月17日に発表されたWearvueは、十分な大きさの関心を集めているので、その発売のキャンセルについては“最後のぎりぎりまで検討を繰り返した”、と述べている。

企業用をねらっていたWearvueは、工場や倉庫などで労働者がフリーハンドで仕事を続行できる設計仕様であり、リストや画像などの情報は右側のレンズに投射される。このスマートグラスは、“各種の産業やサービスにおいて労働環境の向上に寄与する”一連のデバイスの、最初の製品になるはずのものであった。

本誌TechCrunchは、今後スマートグラスの開発を全面的にやめるのか、という質問のメールをToshibaに送った。

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スマートウォッチの全世界出荷量が初めてスイスウォッチを抜いた

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それはこんな書き出しだ: “全世界のスマートウォッチの出荷量は”2015Q4に810万台に達し、それに対しスイスウォッチの出荷量は790万台だった。調査会社Strategy Analyticsの所見では、スマートウォッチの出荷量は2014Q4の190万台に対して、“大きく316%も増加した”。

グローバルなマーケットシェアではAppleが63%でトップ、次いでSamsungが16%だった。

“全世界に出荷されたスマートウォッチ10台のうち8台をAppleとSamsungが支配する”、とStrategy AnalyticsのディレクターCliff Raskindが語っている。

Strategy Analyticsは、スイスのウォッチ業界に対して容赦ない: “彼らは現実を直視しようとしない”。

“スイスのウォッチ業界は、スマートウォッチへの対応が遅すぎた。Tag Heuerなどスイスブランドのスマートウォッチは、2015Q4のスマートウォッチの全世界出荷量のわずか1%にすぎず、AppleやSamsungなど、高成長なスマートウォッチ分野における先頭集団の、はるか後方を走っている”、とStrategy Analyticsの専務取締役Neil Mawstonは述べている。

これらはもちろん、Strategy Analyticsの独自の調査に基づく推計だが、仮にスマートウォッチとスイスウォッチが今互角に拮抗しているとしても、今後の形勢は由緒あるチクタク時計さんたちにとって芳しくない。むしろ、献身的なウォッチマニアのJack Forsterが、最近はApple Watchを使う機会がますます多い、とまで書いているのだから、スイスは、AppleやSamsungがそれをやる前に、カジュアルウォッチの買い手をつかまえるマーケティング戦略を再び検討すべき時ではないか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple WatchがiPhoneアクセサリーの地位を脱する3つの方法

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Appleは正確な数字を発表していないが、昨年春の発売以來のApple Watchの販売台数は期待された水準には届いていないと多くの関係者は考えている。Appleの2015年度の決算書類を見ると、Apple Watchは17億ドル程度の売上高があったもようだ。

一方で、iPhoneは第4四半期だけでの322億ドルも売れている。これは大きな落差だ。新製品を発表するたびに殺到する客で長い行列ができるのを普通としてきたAppleとしては見過ごせない事態だ。

私自身についていえば、独立前の12年間をAppleで過ごした。会社勤めをしていた期間の大部分といっていい。その間、音楽とエンタテインメント分野の立ち上げとプロモーションに関わり、必然的にAppleの各種製品と業務の過程に詳しくなった。

その経験から、私はAppleの新製品を買うにあたっていくつかのルールを守っている。たとえば、ガジェットを買う場合には発売から6ヶ月待つこと(新ジャンルの製品の場合は特にそうだ)。Appleが初期不良を退治するにはだいたいそのくらいの期間が必要だ。しかも待っている間に重要な新機能が追加されることも珍しくない。

その6ヶ月はとうに過ぎたが、私はまだApple Watchをポケットマネーでは買っていない。現在Apple Watch 2.0のリリースが間近だという情報が渦を巻いているが、私は今回も自分の原則を守り、発売後6ヶ月様子をみるつもりだ。

Appleで長期間過ごしたおかげで、私はApple Watchについてもインサイダーの視点とアウトサイダーの視点の双方を持っている。その知識に基いてApple Watchが改良されるべき(そして売上を伸ばすべき点)点をいくつか考えてみたい。

ファッション性:現行のApple Watchはライバル製品に比べれば十分にスマートだ。しかしテクノロジー・ガジェットという本質を守りながらさらにデザインを改良する余地はあると思う。Appleはファッション業界のトップを何人も採用している。イブ・サンローランやバーバリーのデザイナーたちがAppleをライフスタイルのブランドに押し上げるべく才能を注いでいる。最近、Appleはあのエルメスとも提携している

全体的にみればこうしたAppleの努力は十分な成果を挙げているようだ。しかし、エルメス版Apple Watchなど著名デザイナーによるカスタム製品は一般消費者には手の出ない価格になっている。しゃれた時計バンドが欲しいユーザーがみな金持ちとは限らない。

当然ながらAppleは次のステップとしてもっと手の届きやすいブランド、たとえばTargetなどと提携してApple Watchのカスタマイズを進めるべきだろう。現状ではカスタム製品を購入するためのハードルが高過ぎる。Appleはもっと幅広い層に魅力ある製品を販売するべきだ。

現状ではApple WatchはiPhoneアクセサリーの一つという以上の存在ではない

以前、iPod Nanoをリリースしたとき、Appleは市場に新しい製品ジャンルを確立しただけでなく、アイテムを派手なキャンディー・カラーにすることでターゲットである若い層の心をつかむのに成功した。同じように、Apple Watchのバンドのカスタム化を今よりもっと簡単にし、値段を下げるだけでApple Watchの売れ行きを大きく改善できる。

独立性:消費者は外出するときに所有するガジェットを全部持ち歩かなくてもすむようになることを強く願っている。Apple Watchの場合、機能の主要な部分をiPhoneに依存していることはこの製品の最大の弱点だ。現在、Apple Watchのユーザーは常にiPhoneを携帯し、Bluetooth接続を絶やさないようにしなければならない。iPhoneなしでは機能は大幅に制限される

現状ではApple WatchはiPhoneアクセサリーの一つという以上の存在ではない。独自のデバイスとはいえない。しかし将来は、Apple WatchはiPhoneを含めて他のAppleデバイスから独立した製品になるべきだ。そうなって初めてユーザーのライフスタイルにシームレスに溶け込むことができる。たとえばジョギングに出るときにiPhoneを持たずにApple Watchを腕に着けるだけでGPSやフィットネス機能が利用できたら便利だろう。あるいは空港で出発を待っているとき、予定の便に遅れが出たら腕でピンという音が鳴って通知してくれるというのもよい。

残念ながら、今噂になっているApple Watch 2.0ではまだこういう機能は搭載されないだろう。テクノロジーのさらなる進歩を待つ必要がありそうだ。Appleはコンピューターをデスクトップからノートへシフトさせることで大成功を収めた。同様に、Appleはスマートウォッチをモバイル・デバイスに従属した状態から解放することで市場に圧倒的な地位を築くことができる。

ヘルス:もう少し現実的なレベルでいえば、消費者がウェアラブル・デバイスに大きな期待を抱いているのはヘルス関連の機能だということが分かる。

最近のアメリカ人がますます健康に注意を払うようになった結果、体調管理に役立つアプリは目覚ましい成長を遂げている。 ヘルス分野ではAppleはアプリやサービスの開発をサードパーティーのデベロッパーに任せているが、Apple自身がヘルス分野のイノベーションを主導することができるはずだ。それはブランドとしてのAppleの地位を高め、ウェアラブル分野のライバルに対してさらに差をつけることを可能にするだろう。

指を刺して血液を絞り出さずに血糖値が測定できるデバイスや装着者に心臓発作の予兆があることを警告してくれるアプリなどには大きな可能性があり、Fitbitなどが開発中だ。Appleは現実の人々をよく観察し、現実のニーズを把握するべきだ。Appleはヘルスケア・デバイス市場のリーダーとなるために絶好の位置にいる。

テクノロジーが成熟するまで買うのを待つという点にかけてはスティーブ・ジョブズという良いお手本がある。ジョブズは洗濯機やドライヤーなどの電化製品を自分の家のために買うのが遅いので有名だった。ジョブズは製品が機能でも信頼性でもデザイン性でもきわめて高い水準に達していることを望んだからだ。私はこの点でジョブズを見習っている。私だけでなく、売上に関する統計をみるかぎり、多くの消費者がApple Watchに関して同じ態度を取っているらしい。

私はAppleがこうした点を実現してくれることを強く期待している。上に書いた3点はApple Watchのようなウェアラブルが今後どういう方向に発展していくのか様子を見ている消費者を惹きつける上で確実な効果があるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Watchは2015年のスマートウォッチ市場の2/3を獲得、とアナリストが推計

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Appleはその最初のウェアラブル製品Apple Watchの売上を公表しないから、アナリストたちの推定に頼るしかない。そしてCanalysからの最新の推計は、1200万以上売れたApple Watchは、そのマーケットシェアが全市場の2/3だった、と言っている。そして、そのうちの500万以上が、クリスマスのあるホリデイシーズンの四半期に売れた。

Canalysの推定では、AWよりも先に出たSamsungが二位に復帰している。それはGear 2でデザインが良くなり、消費者に気に入られたからだ。Pebbleは三位、Huaweiが四位だ。後者はAndroid WearのOEMとしてはトップだ。

フィットネスのウェアラブルに限定すると、Canalysの推計では、昨年発売された総数は3700万あまりでFitbitがゆうゆうトップ、記録的な四半期台数となった。二位は中国のXiaomiで、その低価格製品Mi Bandが2015に1200万あまり売れた。

ホリデイシーズンのFitbitやApple、Garminに引っ張られて、ウェアラブルのバンド類は前年比で60%以上も伸びた。‘バンド類’と総称してしまえば、ホリデイシーズンのAppleはFitbitの後塵を拝して二位、三位がXiaomiだ(いずれも台数ベース)。

Canalysは、先月のCESで発表されたFitbitのスマートウォッチBlazeを前向きに評価している。投資家たちは、Appleのウェアラブルに似すぎ、と否定的だが、アナリストの見解としては、お値段が手ごろでしかもフィットネス機能が正統派であることが、肯定評価の理由になっている。それに対して多機能デバイスであるApple Watchでは、フィットネス機能がファッションやライフスタイルの方を向いている、と。

同じくアナリスト集団のGartnerも、スマートウォッチに対して肯定的だ。同社が今月発表した予測によると、2019年のウェアラブル市場で売上にもっとも貢献するのはフィットネス製品ではなくてスマートウォッチだ。スマートウォッチが作り出す売上(予測値)は、175億ドルである。

また2016年では、ウェアラブル全体の売上が287億ドルに達する。うちスマートウォッチは115億ドル、Appleの参入によってウェアラブルがライフスタイルのトレンドになったため、という。

ヘッドマウント型のウェアラブルに対しては、Gartnerはやや弱気だ。FacebookのOculus RiftもHTCのValve Viveも、予定されている立ち上がりが今春だから、それはまだ“新興市場だ”、とGartnerは評価している。

ウェアラブルのヘッドセットは2016年に一般的な消費者製品としての普及が端緒につくが、それでも総台数はスマートウォッチの5040万に対して、わずか143万だ。だから一般的な普及への端緒とは言っても、よちよち歩きの段階だ。

Gartner

Gartnerによると、今年は、スマートウォッチですら、スマートフォンのはるか後方をよちよち歩くだけだろう、という。スマートウォッチはあくまでも副次的な(添え物的な)製品だから、それも当然である、と。現時点では、スマートフォンをリプレースする、という意欲的なコンセプトを持ったウェアラブルデバイスは存在しない。

GartnerのAngela McIntyreはこう書いている: “スマートウォッチはウェアラブルという枠の中だけで見るとよく売れている方だが、でもその普及率はスマートフォンに比べてずっと低い。たとえば2016年にはスマートフォンが、成熟市場国と、香港、シンガポールなど新興市場国の大都市圏の計だけでも3億7400万台売れると予測される”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ログバーの新プロダクトはウェラブル翻訳デバイス「ili」、コンセプト動画には批判も

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米国ラスベガスでは現地時間の1月6日から9日まで、世界最大規模のコンシューマ・エレクトロニクスの見本市「CES」が開催されている。世界中の家電メーカーが展示を行うCESだが、ここ最近ではCerevoやMoffなど、日本のIoT・ハードウェアスタートアップも積極的に展示を行っている。

指輪型のIoTデバイス「Ring」を手がけるログバーもそんな1社。同社はCESに合わせて新プロダクト「ili」を発表しており、CESの会場で展示中で、今夏にも提供を予定している。

ログバーいわく、iliは「世界初のウェアラブル翻訳デバイス」。スティック型の端末についたボタンを押して翻訳したい内容を話すと、それを自動で翻訳、音声にしてくれる。現在は日本語、中国語、英語に対応。それぞれ2言語の相互翻訳に対応した3モデルがリリースされる予定だ。第2弾としてフランス語、タイ語、韓国語、第3弾としてスペイン語、イタリア語、アラビア語に対応していくという。

同社の発表によると、スタンドアロン型のため、翻訳の処理のためにネットワークに接続する必要はなく、大音量でもクリアな音声を確保。言語辞書は、一般的な会話に加えて、買い物やトラブル、レストランなどでの翻訳に対応するという。

ログバーでは今後、iliとのコラボレーションや、iliを利用した新規ビジネスモデルの構築など、旅行関連事業者との連携を進めていくとしている。

プロダクトのコンセプトは未来を感じるものだが、ソーシャルメディア上の反応は賛否両論あるようだ。ネガティブな意見は、どうにもコンセプトを紹介した動画に集中している。その動画はイギリス人と思われるレポーターが、iliを使って日本の街頭で女性に話しかけ、キスを求めるというモノ。動画はこちら。

僕がFacebook、Twitterを見たところ「チャラくて面白い」といった動画を楽しむ意見から、「明確なセクハラ」という厳しい指摘までがあった。動画が「仕込み」かどうか現時点では確認できないが、プロダクトのコンセプトがステキなだけに、こんな炎上狙いにも思える施策はくだらないな、と個人的には思う。とはいえ、簡単に言語を超えたコミュニケーションができるならそれは本当に世界が変わる体験ができそうだ。

ただし現時点ではスペックは非公開。またengadget日本版が報じたところによると、CESで展示されているのはデモのできないモックであり、デモ機は2月頃の公開予定なのだという。ログバーの前プロダクトであるRingもデザイン変更や出荷遅延で批判の声が上がった記憶がある。今回のプロダクトは果たしてどのようなかたちでリリースされるのだろうか。

ガーミン、自転車乗り用のウェアラブルARデバイスを発表

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Garminが、Varia Visionというサイクリストのためのデバイスをアナウンスした。不満なポイントもあるものの、しかし「夢の実現」につながり得る面白いデバイスであることは間違いないだろう。サイクリストの着用するアイウェア上にAR情報を表示してくれるのだ。現在の速度など、自転車にかかわる情報以外に、交通状況を表示したりナビをしてくれる機能ももつ。

もちろん、(本格的)サイクリストたちの多くは、ハンドルにサイクルコンピューターを装着して利用している。しかし走行中にハンドルバーに目を落とすのは面倒であるだけでなく、危険なことでもあるだろう。コンピューターに気を取られて曲がり角を見逃してしまったりすることもあり得る。

Varia Visionを使えば情報が直接に視野に入ってくることになる。速度や走行距離などのデータに加え、ナビ情報や電話着信の通知などを簡単に確認することができるようになる。後方レーダーと併用すれば、後ろから自動車が近づいているかどうかも確認できるようになる。

操作方法的にはGoogle Glass風といって良いだろう。デバイス側面に小さなタッチパッドを備えており、メニュー操作を行うことができる。光センサーも備えていて、もちろん防水だ。情報通知にバイブレーションさせることもできる。バッテリーのもち時間は8時間となっている。

これまでにも、Recon Instrumentsなど、アスリート向けのARデバイスは存在した。しかし最近Intelに買収され、今後もアスリート向けのARデバイスを開発していくのかどうかはよくわからない。

実際に使ってみなければ、本当に役立つのかどうかの判定は難しい。ナビや情報通知には、スマートフォン上の機能を利用するようになっている。すなわちスマートフォン側の性能によっても使い勝手は大きく異なることとなる。

価格も決して安くはない。2016年の第1四半期に市場に投入される予定であるらしいが、400ドルも出すのなら他のデバイスを買おうと考えるサイクリストも多いことだろう。しかし、車よりも自転車を多く利用するという人にとって、必携のガジェットに育つという可能性もあるように思える。

CES 2016

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(翻訳:Maeda, H

Samsungは来月のCESで‘スマートベルト’など奇抜な新製品3種を披露

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CESは、昔のモーターショーにやや似ている。当時の自動車メーカーは、実際に売るための製品というより、技術力を誇示するための新奇な製品ばかりを、自慢気に展示していた。それと似てSamsungは、来週から行われるCES 2016で、三つの新(珍)製品を披露するようだ。

中でももっとも奇抜なのは、WELTと呼ばれる‘ヘルスケアのためのスマートベルト’(smart wearable healthcare belt)WELTだ。

WELTだって*。〔*: weltには別の意味がある。〕

(長い沈黙)

ベルトとしてはふつうのベルトに見えるけど、(きっと)ユーザのウェストサイズを測ったり、食生活をチェックしたり、一日にやるべきエクササイズなどを指示したり、椅子に座っていた時間を計ったりするのだ。そしてそれらのデータがアプリへ行き、健康改善のためのアドバイスが作られる。

次の製品はVRヘッドセット用のハンドモーションコントローラ(hand-motion controller, 手の動きでVRをコントロールする)だ。VRのゲームで、Wiiのような対話をする。たとえば手の動きだけで、実際にテニスをプレイしている仮想現実(VR)を体験できる(下図)。

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最後の三つ目の製品は、スマートフォンやスマートウォッチに付ける不思議なストラップ(ひも)だ。これをデバイスに接続しておくと、下図のように、自分の指を耳に当てるだけで、スマホ(など)からの音が聞こえる。シークレットサービスが盗聴用に使うとよいね。

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いずれの製品も好奇心をそそることはそそるから、CESで実際に体験したら結果をご報告しよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

自分のおしっこで微生物が発電するシステム…歩行時の足の運動で尿循環ポンプを駆動

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University of the West of England Bristol BioEnergy CentreのIoannis Ieropoulos教授が、尿を人間の歩行によって循環させて電力を作り出すバイオエネルギーシステムを作った。

このシステムは、マイクロビアルフュエルセル(microbial fuel cells, 微生物による燃料電池, MFC)とよばれる発電体を利用する。尿などの廃液中における微生物の成長によるエネルギーを利用し、携帯電話や電球などの小さなデバイスに電力を送る。人間の歩行時の足踏み運動により、尿がMFCの列に送られ、それが微生物の栄養となり、エネルギーを生み出す。

教授らのテストではMFCが作り出す電気で送信機を駆動し、送信されるメッセージを受信機であるPCが受信した。

Ieropoulos教授は曰く、“尿を燃料とするMFCで携帯電話も正常に使えた。今後はウェアラブル(人体装着タイプ)でも試したい。現在は尿を循環させるためのポンプの駆動に電池を併用しているが、目標どおり歩行時の人力だけで尿を循環させられるようになれば、難民キャンプや途上国などで重宝するだろう”。

“この成果はより一般的に、廃液の発電利用に結びつく。とくに、人間が体に装着する廃液発電装置により、災害救難時などに人間の位置を送信できるようになる。しかも、信号が来ているということは、その人間が排尿をしている、すなわちまだ生きていることのサインにもなる”、と教授はおっしゃる。

システムを体に装着するだけなので、装着した人間が手などで操作〜制御する部分は何一つない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

タトゥーシールのようなヘルスケアトラッカーに曲がるバッテリーがウェアラブルの未来を作る

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編集部記Don Basileは、Crunch Networkのコントリビューターである。Don Basileは起業家でベンチャーキャピタリストであり、テクノロジー、ヘルスケア、通信業界で20年以上の役員経験がある。

2009年にFitbitといったマス向けのウェアラブルデバイスが登場した時、多くの人はコンシューマーが歩数やカロリーを計測することに必要性を感じるのか疑問に思ったかもしれない。しかし、テクノロジーが進化し、デバイスもかっこよく使いやすくなるほど、ウェアラブル市場は急激に成長した。

世界のウェアラブル市場は2019年に1億2600万個が出荷されるまで拡大することが予想されている。2014年は1960万個が出荷された。ウェアラブルのアプリはフィットネストラッカーだけに留まらない。ここでは、ウェアラブルテクノロジー分野に革新をもたらすだろう、3つの先進的なテクノロジーを紹介しようと思う。

バッテリー革命

ウェアラブルのテクノロジーがスマートフォンやタブレットほどユビキトスになるほど、バッテリーも小型で長い時間持つようになる必要がある。それに加え、薄く、柔軟性に優れてなくてはならない。Samsung SDIやLG Chemはこの分野で一歩先を進み、ソウルで開催されたInterBattery 2015で新製品を出展した。

Samsungは2つの新しいバッテリーを発表した。0.3mmのStripeはとても薄くしなやかなバッテリーで、バッテリーのシール幅を最小限にすることで市場に出ている他のバッテリーより高密度なエネルギー電池を実現したとSamsung は主張する。薄く柔軟なStripeの実現で、ネックレスや衣類といった形のウエアラブルデバイスの可能性が広がる。

もう1つの製品Bandは、元のスマートウォッチのバッテリー容量に最大50%追加することができるものだ。バッテリーを5万回以上曲げて耐久性を検証したという。Samsungはこの製品を2017年頃コンシューマー市場に投入する予定だ。このバッテリーの形状と機能は市場に大きな影響をもたらすかもしれない。

2012年から開発を進めているLG Chemも新しいフレキシブルなスマートウォッチ用のバッテリー を公表した。このバッテリーは、半径15mmに収めることができる。これは、市場にある一般的なバッテリーの半分のサイズだ。ワイヤー型バッテリーで自由なスマートウォッチのデザインが可能となるだろう。

ウェアラブル・ヘルスパッチ

タトゥーシールのように肌に貼る薄いウェアラブルデバイスでバイタルサインをモニタリングすることができるようになる。SFの話のようだが、数年前から実用化が進んでいる。最近までこのようなトラッカーを制作するのには高額なコストと多くの時間がかかった。テキサス大学の研究者は「カット・アンド・ペースト」方式でトラッカーをお手軽な価格で制作時間も20分に抑える方法を開発した。

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(出展– Shutterstock)

ポリマー接着剤に乗せた金属片を切り取り、接着剤の上に電子回路を印刷する方法だ。このようなパッチはまだヘルスヘアの領域で使用されてはいないが、ゆくゆくはこの最新の技術革新で、医師が患者のバイタルシグナル、心拍数、筋肉の動きをトラックするためにいつでも使用できるようになるだろう。

ナノテクとウェアラブル

原子や分子レベルで物質を組み替える技術は、ウェアラブルテクノロジーにさらなる機能を与えることができる。Google Xは2年前、血中のがん細胞を検出するとスマートなリストバンドに光信号を送る磁気性のナノ粒子を開発した。今年の初めに、Nanoparticle Phoresis(ナノ粒子泳動)という名前で特許を申請している。Googleはがんや他の病を検出して治療する方法に革新をもたらすという非常に高い目標に向かって進みだした。

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(出展: Syda Productions – Shutterstock)

また、炭素を六角形格子構造で結合した1原子の厚さのシートである魔法のグラフェン素材は、研究所で作られた素材の中で最も薄く、強い素材だ。2003年に発明されて以来、2万5000の関連特許が誕生した。グラフェン素材の最新の使いみちはウェアラブルである。布をコーティングし、空気中の危険な気体を検知すると、着用している人にLEDライトの点灯でアラートを出すことができる。

韓国の韓国電子通信研究院と建国大学校の研究者がこの研究を牽引し、空気環境が健康に被害を及ぼす可能性のある業界での活用が期待される。計測装置を着用することで、そのような脅威に素早く対処することが可能になる。グラフェンはさらに、電子製品の熱を抑える機能があることが証明され、このナノ素材はウェアラブルテクノロジーにおいて次の大きなカギとなるだろう。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

Google Glassの片めがね(モノクル)バージョンが特許を取得

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Google Monocleに心の準備をしておこう。合衆国特許商標庁はGoogleに、Google Glassの今後のバージョンと思われる製品に対し、新たな特許を認めた。それはMonocle(モノクル、片めがね)の名の通り、レンズが左右両方ではなく、片方しかないグラスで、耳ではなく、ヘアバンドで頭に装着する。

特許文書から引用しよう:

バンドの側面をユーザの頭の、こめかみの位置と、それに続く耳の位置、そして第三の接触位置として、頭の後部に接触するよう調節する。

バンドがこの三点でしっかり保持されるようになったら、グラスはその位置を維持する。問題は、このデバイスに対する世の中の関心だ。

思い出せば、Googleは1月にグラスの販売を中止した。その後同社は、このデバイスの開発を、中止ではなく“一時的に休止する”と発表した。

3月になると、本誌も報じたように、Googleはグラスの新しい市場開拓を開始した。とりわけGoogleは、グラスのユーザおよび売り先として、一般消費者ではなく企業を選んだ。

しかしその後は音沙汰がない。Googleがソフトウェアやハードウェアの改良を今でも続けているのか、それも分からない。でも今日の新しい特許を見ると、GoogleがGoogle Glassをまだあきらめていないことが分かる。

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参考記事

出典: The Next Web

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

スマートグラスのための開発プラットホームSkylightのAPX Labsが$13Mを調達–Google Glassなど産業界に定着の兆し

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スマートグラス(電脳眼鏡(めがね))の開発プラットホームSkylightを作っているAPX Labsが今日(米国時間11/18)、1300万ドルの資金調達を発表した。

このラウンドはNEAがリードし、CNF InvestmentsやGE Ventures、Salesforce Ventures、SineWave Venturesなどなどの投資家が参加した。同社の総資金は、これで2900万ドルになる。

CEOのBrian Ballardは、単純に資金調達に満足しているだけでなく、GE VenturesやSalesforce Venturesからの戦略的投資を喜んでいる。同社の技術と方向性がついに、産業界からも認められた、と感じられるからだ。

GEはすでに同社の顧客だが、今後1年かけて取り組もうとしているGEとの大きなプロジェクトが、Skylightプラットホームにとっても、重要な試金石になるだろう。

SkyLightはグラスのベンダを特定しない汎用のスマートグラスプラットホームで、今ではエンタプライズに焦点を合わせているGoogle Glassや、SonyのSmart EyeGlassesなど向けの開発も、このプラットホーム上でできる。

Assorted smart glasses

写真提供: APX Labs

 

グラスの上で、Skylightで作ったソフトウェアが動くと、いろんな業界の現場従事者たちが上司等からの指示をグラスで受け取り、両手と目はそのまま仕事への集中を維持できる。

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Skylightによるインタフェイスの例–写真提供: APX Labs

 

Salesforceは、スマートグラスをIoTのインタフェイスに使うつもりで、同社はすでにかなりIoTというトレンドに入れ込んでいる。当面Salesforceが考えているのは、客先の現場へ出向いて修理などを行うサービスマン/ウーマンによるスマートグラスの利用だ。

またGEのように、電気機関車やジェットエンジンなどの巨大な機械装置を作っている企業では、現場作業員がスマートグラスから情報を得ながら、両手はつねに仕事に集中できる。タブレットやラップトップでは、この重要な“両手が自由”が実現しない。

危険物処理の仕事などでは、なおさら、タブレットやラップトップやスマートフォンの使用は無理だ。スマートグラスなら、仕事の対象から目と手を逸(そ)らすことなく、必要な情報を得たり、伝えたりできる。

しかし、産業界によるスマートグラスの採用と利用は、まだ始まったばかりだとBallardは認識している。大規模で本格的な利用は、同社とGEが今進めている協働が端緒となるだろう。

現在の同社の顧客は数十社、うち6社はFortune 10企業だ。ただしBallardは、GE以外の名前を教えてくれない。とにかく、大企業による本格的な利用ないし試用が始まっていることは、事実のようだ。スマートグラスの安定的メジャー化も、そう遠くはないだろう。

彼曰く、“今のうちのターゲットは、この惑星上の最大の製造業企業(複数形)だ”。

また同社は、MicrosoftやAccenture、SAP、Deloitteなど、著名な大手エンタプライズ向けソフトウェア企業ともパートナーしているe

ヴァージニア州Herndonに本社を置くAPX Labsにとって、同社のような業態はまだ夜明け前と言えるかもしれないが、Ballardは今回得られた資金でさらなる製品開発に注力し、市場の拡大と、対応機種の拡大を図りたい、と考えている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Android Wear、セルラー通信に対応してスマートフォンに依存しない利用シーンを拡大

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Googleの提供するスマートフォンおよびウェアラブル向けのOSであるAndroid Wearが、セルラー通信に正式対応した。スマートフォンがない状態でも利用できるシーンが増えるわけだ。

これまでもAndroid WearはBluetoothおよびWifiを使った接続には対応していた。しかしこれからは他デバイスに接続するのではなく、直接に通信を行うことができるようになる。

たとえばSMSの送受信やGoogleでの検索結果の表示などといった作業が、スマートフォンやWifiでネットワークに接続していない状態でも行えるようになるのだ。Googleのブログ記事には、ランニングにいったり、ちょっとした買い物に出かけるようなときにはスマートフォンを置いて出かけても大丈夫だと書いてある。もちろん、外出時間が数分以上になるのなら、スマートフォンを置いて出かけようかと考える人はほとんどいないのだとは思う。

今回の変更を有効に活用できるのは、これからリリースされるAndroid Wearデバイスということになる。最初の適用事例となるのはLG’s new Urbane 2nd Edition LTEだ。こちらのデバイスはアメリカではすでにAT&TおよびVerizonから入手できる。諸外国でも数ヶ月のうちに発売を開始したいと考えているとのことだ。

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(翻訳:Maeda, H

タグ・ホイヤー、1500ドルのAndroidスマートウォッチ「Carrera Connected」を発表

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タグ・ホイヤーが高級スマートウォッチのCarrera Connectedを公式発表した。

CEOのJean-Claude BiverがLe Matinでのインタビューにて詳細をアナウンスしたのだ。価格は1500ドルで、Apple Watchと「ほぼ同様の機能を持つ」ものなのだそうだ。

外見はタグ・ホイヤーの「カレラ」と同じだ。ボディはチタン製で6種類のバンドが使えるようになっている。

製造にあたってはIntelおよびGoogleとも協力して行ったそうだ。OSはGoogleのAndroid Wearだ。

ニューヨークでのプレゼンテーションでは、伝統あるスイスの時計産業とシリコンバレーが協業する第一歩となると話していた。それは確かにそうだろうが、Android Watch界に登場した、Apple Watch対抗の高級スマートウォッチの第一歩ということもできよう。

購入時に3つの文字盤デザインを選ぶことができ、さらにGoogle Playストアから追加のデザインをダウンロードすることもできる。「いかにも」なスマートウォッチ風な外見でなく、高級アナログ時計風のものが好みだという人には気になるプロダクトだろう。

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(翻訳:Maeda, H

珍しいことにAppleがiPhoneとApple Watchの抱き合わせ販売でディスカウント(一部のストアのみ)

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Appleはときどき学生割引やクリスマス商戦の特売はやるけど、一般的に安売りはしない企業だ。

だから、珍しい。今Appleは実験的に、iPhone 6sや6s PlusとApple Watchの抱き合わせ販売で、50ドルの値引きをやっている。

これはMacRumorsの特ダネだが、要点はこうだ:

  • これをやっているストアはカリフォルニア州の一部(Burlingame, Chestnut Street, Corte Madera, Hillsdale, SF, Stonestown)とマサチューセッツ州の一部(Boylston Street, Burlington, Cambridge Side, Chestnut Hill)のみ。オンライン(ネット販売)はなし。気になる人は、お近くのApple Storeに電話してみよう。
  • 値引きが適用されるのはiPhoneとApple Watchを同時に買う場合のみ。ただしiPhoneを買ったばかりの人(14日以内)は、返品してまた買う、という手はある。
  • ハイエンドのApple Watch(EditionとHermès)は対象外。

売出期間は10月30日から11月15日まで。

なぜこれをするのか? たぶん新規顧客を取り込むための誘い水だろう。

スマートフォンを売るだけでも、売上利益とその後のアプリやiCloudの売上などを期待できるが、こんな特売企画でウォッチも同時に買ってもらえたら、単なるお金の利益だけでなく、おそらく終生のAppleファンというでっかいメリットが得られる…という皮算用。

Apple Watchを使い慣れたら、その状態のままで今後、携帯だけをAndroidスマホに乗り換えることは、ちょっと想像しづらい。Android Wear+Androidスマホのセットに乗り換える動機は見当たらないから、終生のAppleファンにならざるをえない。しかもApple Watchを着けた腕は誰の目にもよく見えるから、歩く広告塔だ。

それが50ドルなら、安いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

体の動きで充電するウェアラブル用小型電池Ampyがシード資金を獲得

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人間の動きによって充電されるウェアラブル用の小型電池、運動充電電池(kinetic charging battery)を作っているAmpyが、87万5000ドルのシード資金を調達した。筆頭投資家はClean Energy TrustとNewGen Ventures、これにエンジェル投資家Howard Tullman(1871のCEO)、Steve Olechowski(FeedBurnerの協同ファウンダ)、John DiNardi(Norluxの協同ファウンダ)らが参加した。

シカゴに本社を置く同社は、今回得られた資金を、電池のさらなる小型化薄型化のための研究開発に充てる。それにより同社は、単なる補助電池(スペアバッテリー)から、スマートウォッチやフィットネストラッカーなどの製品に最初から採用されることを、目指している。そうなると、ユーザがこれらのウェアラブルをアクティブに使っているかぎり、補助電池というものは要らなくなる。

“製品への最初からの組み込みは、プロトタイプによる概念実証を終えている。今後は顧客企業(ウェアラブルのメーカー)が、製品のサイズやパワーだけでなく、その持久力や快適性にも関心を向けるよう、働きかけていきたい”、と協同ファウンダでCEOのTejas Shastryは語っている。

同社の磁気充電技術を今後の超小型ウェアラブルデバイスにも対応させることが、重要な課題だが、Shastryは、“フォームファクタには柔軟性があるので”、デバイス埋め込みタイプの実装にも十分耐えうる、という。すでに、どこかのメーカーと商談中のようだ。

新たなシード資金は、現在の消費者製品(補助電池用)の製造能力の拡大にも充てられる。スタッフも、現在の6名から増員する。

Ampyは1年前に、その人間発電機の本格生産のためにクラウドファンディングを行い、Kickstarterで30万ドルあまりを集めた。

そのときの支援者たちへの製品の発送はすでに始まっており、11月中には終わるという。最初の約束では発送は6月だったが、ハードウェアのクラウドファンディングは遅れることが日常茶飯事だ。

Ampyによると、その遅れの原因は製品の仕様を一部変えたことだ。それらは、充電状態を示すLEDをつけろなど、支援者からの要望によるもので、ほかに、サプライチェーンの安定化や高品質な部品の確保でもやや手間取った。

電池の容量も上がり、クラウドファンディング時の1000mAhから今では1800mAhだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。