マーベル新作ドラマシリーズ「ホークアイ」予告編公開、Disney+で11月24日より配信開始

Marvel Cinematic Universe(マーベル・シネマティック・ユニバース)の新作ドラマは、Disney+(ディズニープラス)で11月に配信開始となるが、その公開時期に相応しく、この「Hawkeye(ホークアイ)」は祝祭的な雰囲気に包まれた設定となっている。ホークアイことClint Barton(クリント・バートン)は、家族と一緒にクリスマスを過ごしたいと望んでいるが、彼の敵には別の計画がある。

このシリーズでは、再びJeremy Renner(ジェレミー・レナー)がホークアイを演じる。今回、彼は新しいパートナーと組むことになる。Hailee Steinfeld(ヘイリー・スタインフェルド)演じる自称「世界一の射手」Kate Bishop(ケイト・ビショップ)だ。「ホークアイ」は2人の弓使いの関係を中心に描かれるようで、コミックのキャラクターと同様に、クリントはケイトにホークアイの後継者となるための訓練を行う。今回公開された予告編には、その継承のヒントが窺える。この映像では2人が初めて出会い、協力して敵と戦う中で絆を深めていく様子が描かれている。

この中には、Captain America(キャプテン・アメリカ)ことSteve Rogers(スティーブ・ロジャース)を題材にしたブロードウェイミュージカルが上演されていたり、ホークアイが「Avengers:Endgame(アベンジャーズ/エンドゲーム)」で戦った「仮面の自警団」への敬意を示すなど、MCUの他の部分を想起させる箇所もいくつかある。この予告編で見られないのは、2021年夏公開の「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」で暗殺者Yelena Belova(エレーナ・ベロワ)役としてMCUに登場したFlorence Pugh(フローレンス・ピュー)の姿だ。彼女は2020年12月に「ホークアイ」への出演が発表されている。

いずれにしても、エレーナ、クリント、ケイトが遭遇するときに何が起こるのか、あまり長く待たされずに明らかになるだろう。全8話の「ホークアイ」の第1シーズンは、日本時間11月24日17時より、Disney+で配信開始となる。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Kris Holtは、Engadgetの寄稿ライター。

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画像クレジット:Disney

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(文:Kris Holt、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ディズニーがDisney+でストリーミング予定の映画をすべてツイート、予告編一挙も公開

これは優れた事前プロモーションだと感じた。米国時間10月14日、ディズニーはTwitterにスレッドを作り、来月スタートするDisney+でストリーミング公開を予定しているすべての映画、番組のリストを発表し始めた。スレッドは製作の年代順となっており、「Snow White’s Scary Adventures」(邦題:白雪姫と七人のこびと)からスタートしている。1937年製作のこのアニメはディズニーを代表する映画というだけでなく、現代でもカルトのロングテールを引く驚くべきタイトルだ。

さあショータイムです。白雪姫から最新のザ・マンダロリアンまで、ディズニーのほぼすべてのタイトルがやって来ます。ここで#DisneyPlusチェックしよう。アメリカでは11月12日からスタート。

これまでのところ、ディズニーのカタログではディズニー本体に加えて、マーベル、スター・ウォーズ、ピクサー、ナショジオなどのタイトルがフィーチャーされている。

上のツイートでも触れられているスペースオペラの新作「The Mandalorian」(ザ・マンダロリアン)を始め、「Lady and the Tramp」(邦題:わんわん物語)のリメイク、「Rogue One: A Star Wars Story」(邦題:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー)の前日譚、 「High School Musical」(邦題:ハイスクール・ミュージカル)シリーズなど 未公開の作品もリストに多数含まれている

しかし今回のツイートで強く印象に残ったのはディズニーのタイトルの底知れない豊富さだった。

実はヒットしたディズニー・アニメではビデオ向けの低予算の続編が作られていた。「Beauty and the Beast」(邦題:美女と野獣)ではベルのファンタジーワールドが製作されているが、陽気な1980年代テレビドラマの空気が溢れている。ピクサーでは有名な「トイ・ストーリー」シリーズだけでなく、「カーズ2」なんていう作品も作っている。

そうかと思えば忘れられた(そもそも最初から知らない)作品も多い。 「Meet the Deedles」(邦題:ディードル・ブラザーズ/悪ノリ双子の大作戦)から「Zenon Girl of the 21st Century」(邦題:ゼノン:21世紀の少女)、さらにはマイナーなFuzzbucket(ファズバケツ)から「The Computer Who Wore Tennis Shoes」(邦題:テニス靴をはいたコンピューター)まである。

ディズニーを見て育った世代にとってリストはノスタルジーの奔流だ。もう忘れてしまったタイトルを思い出したり、自分に黒歴史にハっとすることもあるだろう。

現在のストリーミングサービスではタイトル数を多く見せるためにはつまらないテレビ番組やヒットしなかったB級映画などもすべてリストに含めているが、プロモーションに登場させることはまずない。

ディズニーのアプローチは対照的に極めて透明性が高い。

ドイツ原産の狩猟犬・ジャーマン・ポインターと飼い主の少年の物語「The Biscuit Eater」(ビスケットイーター)、米国初の純血種の馬を描いた「Justin Morgan Had a Horse」(ジャスティン・モーガン・ハッド・ア・ハウス)、「The Adventures of Ichabod and Mr. Toad」(邦題:イカボードとトード氏)などのタイトルを覚えている人々は少ないかもしれないが、こうした知られざる作品も含めて月額6.99ドルのサブスクリプションでDisney+を見ることができる。

Disney+のリスト公開はTwitter史上最大かつ最長のツイートストームに違いない。スクロールしていくと誰でも知っている有名作品に混じって、思いがけないないタイトルを目にするだろう。それぞれのタイトルには解説のツイートがついているのでこれは面白そうだという作品を発見できる。ネコ好きなら「The Cat from Outer Space」(邦題:スペースキャット)に興味を引かれるかもしれない。「フラバー」のオリジナル「The Absent-Minded Professor」(邦題:うっかり博士の大発明 フラバァ)も公開される。

しかしディズニーのソーシャルメディアを使ったプロモーションはツイートストームにとどまるものではない。Disney+で公開予定のタイトルの予告編総集編はなんと3時間にわたる。下にエンベッドしたので時間に余裕のある向きはご覧いただきたい。

Disney+のサブスクリプションの予約はこちらから。

【Japan編集部追記】上のビデオは製作年代順となっている。1959年のオリジナルの「Sleeping Beauty」(邦題:眠れる森の美女)は9分46秒から、1977年の「Star Wars: Episode IV A New Hope」(邦題:スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望)は24分57秒からスタートする。スクラブして移動すれば興味ある年代をチェックできる。Disney+の日本での公開予定についてはディズニー・チャンネルとの関係も含めまだ発表がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

エンターテイメントロボットのReach Roboticsが業務停止

もしかするとApple Storeで売られているのを見かけたこともあるかもしれないが、クモのような形のMekaMon(メカモン)ロボットを作っていたReach Robotics(リーチロボティクス)が、業務を停止する。

「世界初のゲームロボット」と称されたMekaMonは、ビデオゲームであると同時にSTEMツールとしての側面を持っている。カーペットの上にポンと置いて、携帯電話をそれに向けて仮想拡張現実の敵と戦ったり、マルチプレイヤーバトルで他のMekaMonオーナーと対決したり、あるいはAppleのSwift Playgroundsでロボット用のカスタムプログラムを作ったりすることができた。

以下に示したビデオは数年前にReach Roboticsを取り上げたときに撮影したものだ。

Reach Roboticsは2013年に設立された。彼らがMekaMonロボットを2017年11月にリリースしたのはシリーズAで750万ドルを調達したわずか数カ月後のことだった

業務停止のニュースは、Reach Roboticsの共同創業者であるSilas Adekunle(サイラス・アデカンネ)氏のLinkedInで明かされた(もっともすでにThe Robot Reportが指摘していたが)。そこで彼は以下のように書いている

「消費者向けロボット分野は、特にスタートアップにとっては、本質的に挑戦的な領域です。過去6年間にわたって、私たちは変わらない情熱と工夫と共に、この課題に取り組んできました。開発の最初のトライアルからアクセラレーターそして資金調達ラウンドに至るまで、私たちはMekaMonに命を吹き込み、次世代の技術パイオニアたちの手に渡そうと、戦ってきました。

しかし残念ながら、Reach Roboticsは、少なくとも現在の形では、今日その旅の終わりを迎えることになりました」。

とはいえアデカンネ氏がロボットそのものを完全に諦めてしまうわけではないようだ。Instagram上の公開投稿の中で、彼は「Reach Roboticsは厳しいビジネス環境によって今日業務を停止しますが、現在は刺激的な新しいロボットベンチャーをヨーロッパで、そしてアフリカと中東では教育に関われることを楽しみにしています」と書いている。

一方、共同創業者のJohn Rees(ジョン・リース)氏は、LinkedInに次のように書いている

「現在全体の評価を続けてはいますが、端的に言うならば世の中で言われるように「ハードウェアはハードである」ということです。そしてクリスマスセール期間に依存する消費者向けハードウェアは、輪をかけてハードなのです」。

2019年は、消費者向けロボットにとっては、かなり厳しい年となっている。3月には、快活で楽しい振る舞いを目指したソーシャルロボットのJiboが、なんとも重苦しい内容のもうすぐ終了してしまうというニュースを、オーナーたちに対して個人的に配信した。

「いつの日か、今よりもずっと進化したロボットが現れて、誰もがそれを家庭の中に持つようになった日には」とロボットは語ったのだ「『Jiboがよろしくと言ってたよ』とお伝え下さい」と。

自律運転ラジコンカーと、WALL-Eのような友達ロボットCozmoを作り上げたAnki(アンキ)は4月に閉鎖された。

[原文へ]
(翻訳:sako)

Disney+はファミリー向けタイトル豊富、4人が別番組を同時視聴可能

ウェブページを見るとそのサービスが目指すものがよく理解できることが多々ある。Disney + もそうだ。当面のターゲットは、ディズニー本体に加えてマーベル、スター・ウォーズなどグループレーベルのファンを対象としたコンテンツになるようだ。

11月の配信開始が近づくにつれ、その内容も次第に明らかになってきた。ストリーミングサービスで一番重要なのはなんといってもキュレーション、つまり配信タイトルの選択だ。Disneyの配信サービスのヘッドであるMichael Paull(マイケル・パウル)氏に対するインタビューでは「量より質」というモットーが何度も繰り返された。

今週開催されたディズニーのファンクラブイベント、D23 EXPOに参加して、このサービスのアプリについてもいろいろと体験してきたが、「量より質」というモットーはアプリ自体にはまだ厳密に適用されていない印象を受けた。デモで使われたアプリ(AppleTV版)はまだあちこちに改善の余地が残っていた。

もちろんコンテンツそのものは非常に質が高い。ディズニー、ピクサー、マーベル、スター・ウォーズ、ナショナル・ジオグラフィックの新旧のタイトルが勢揃いしている。これに「ザ・シンプソンズ」を始めとするFoxのコンテンツが加わる。ただこうしたメインのコンテンツ以外のタイトルを探そうとすると面倒だ。

また今年に入って製作が発注された「Diary of a Female President」(女性大統領日記)シリーズなどDisney+オリジナルシリーズを見ようとすると、サイドバーを開かねばならない。Huluにアップされているコンテンツを探してもムダだ。そもそもHulu自体、Disney+には含まれていない。またHuluとの統合ないし提携のプランも今のところないようだ。ディズニーがFoxの大部分を買収したことによりFoxの著作権はすべてディズニーが所有することになったが、個々のタイトルはディズニー本体とグループ企業とに分かれている(ミュータント・ニンジャ・タートルはマーベルのコーナーにある)。

またファミリー向けサービスということは、PG-13(13歳未満の鑑賞には保護者の検討が必要)までのタイトルしかないということだ。そのため通常のストリーミングにあるようなペアレンタルコントロールは存在しないが、7歳以下の児童向けのキッズモードを選ぶことができる。

小学生未満でまだテキストが読めない子供たちのために登場するキャラクター別にカテゴライズされているのがキッズモードの特色だ。子供向けモードでは画面は通常よりやや明るくと、自動再生はオフにされている。

当初、サービスの音声はオリジナルのままで数言語では字幕が提供される。吹き替えはサービスのロールアウト後に各国の状況をみて検討される。ディズニーでは最終的に世界中どこでもサービスが利用できるようにしたい考えだ。

アプリにはまだ多少荒削りなところはあるが、料金は月額7ドルと手ごろだ。しかも、1契約で家族4人までが同時に視聴できる。ビデオはすべて4K HDR、サウンドはDolby Atmosだ。1家族内に7種類のユーザープロフィールが設定できる。CNETによれば、これはNetflixに比べてDisney+が大きく勝っているところだという。Netflixではプロフィールは5つしか作れないうえに、家族が同時に異なったタイトルを視聴するにはもっと高いプランを契約しなければならない。

こうした点を考えてると7ドルのDisney+はNetflixの9ドルの標準契約ではなく16ドルのプレミアムアカウントと比較すべきだろう。

Disney+のユーザープロフィールのアバターにはお気に入りのディズニーキャラクターを選ぶことができる。またDisney+ではコンテンツをサービスから外す場合もシリーズのエピソードすべてを一度に配信停止にするのではなく、古いほうから順次消していく。

上でも述べたように、ディズニーは36年の伝統を誇るディズニーチャンネルに加えてピクサー、マーベル・コミックス、ルーカスフィルムを所有しているため優秀なコンテンツにこと欠くおそれはない。ディズニーという会社同様、Disney+の前途も大いに期待できそうだ。

画像: Mike Kemp/In PIctures / Getty Images

【Japan編集部追記】記事トップのリンクは日本語ページにジャンプする。プロンプトに従ってメールを登録すると最新情報が得られる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Netflixオリジナルの「五行の刺客」はめちゃくちゃ面白いカンフードラマ

先週、TechCrunchではNetflixが先月配信したオリジナルドラマであるAnother Lifeについての座談会をポッドキャストで配信した。我々はこのシリーズを「最近10年ほどテレビから姿を消していた宇宙もののハードSFの復活」だと大いに評価した。

今月のNetflixの新オリジナルドラマ「五行の刺客」(Wu Assassins)もある意味リバイバル的なところがある。こちは1990年代の「新・燃えよカンフー」(Kung Fu:The Legend Continues)のような古き良きカンフー映画を思わせる。

詳しくは座談会のポッドキャストを聞いていただきたいが、「五行の刺客」はサンフランシスコのレストランのシェフであるカイが神秘的なパワーを獲得し、伝説の悪「五行の将」を倒し、シャイナタウンを守るために奮戦する。筋書きといいアクションシーンといいツッコミどころは多々あるがが、SFXもよくできていて大いにエキサイティングだ。リバイバルといっても1990年代のカンフーものに比べて格段に出来がいい。

魅力のひとつはカイを演じるインドネシアのスターであるイコ・ウワイス(「ザ・レイド」で主演、「スター・ウォーズ フォースの覚醒」への出演などが有名) がアクションシーンで見せる圧倒的なパファーマンスだ。ウワイスはの祖父は、インドネシアやフィリピンなどに伝わる伝統的武術「シラト」の達人で、イコ・ウワイス自身もインドネシアのシラトの全国大会の型の部で優勝したことがあるという。

シリーズのプロデューサーはウワイスの相手役もマーシャルアーツの達人で固めたので、カンフーシーンの迫力は並大抵ではない。「五行の刺客」にはいくつか大掛かりなセットを組んだシーンもあるが、ふんだんに登場する格闘が強烈な暴力性とバレーの美しさを兼ね備えている。

さらにカイの敵役でチャイナタウンを牛耳る三合会の冷酷なボス、アンクル・シックスを演じるのがベテランのカンフースターであるバイロン・マンだ。マンにはカリスマがあり、アクション以外のシーンでやや経験が不足しているウワイスを補ってドラマに奥行きを与えている。ウワイスとマンの対決は最高の見せ場だ。マンが敵を叩きのめすところも大迫力だ。

ポッドキャストでは「五行の刺客」以外にもCBS-Viacom合併の背景や「アナザー・ライフ」についてのリスナーのコメントなどについても話し合っている。

ポッドキャストは下のアイコンから直接聞くことができるが、アップルのPodcastsにも登録されているのでサブスクリプションして好みのプレイヤーを使うことができる。フィードバックはこちらへ。ちなみにポッドキャストの33分52秒以降には「五行の刺客」のネタバレがあるのでご注意。

【Japan編集部注】Original Podcastのメンバーは、Anthony Ha、Jordan Crook、Darryl Etherringtonの3名。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

アマゾン版「ロード・オブ・ザ・リング」は「ジュラシック・ワールド/炎の王国」のバヨナが監督

Amazon(アマゾン)のジェフ・ベゾスはプライム・ビデオでオリジナルの「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを製作し、Netflixの「ゲーム・オブ・スローンズ」の成功に張り合うつもりだ。 Deadlineの記事によれば、 ベゾスお気に入りの新シリーズを監督するのはフアン・アントニオ・バヨナだという。

バヨナはハリウッドのブロックバスター、「ジュラシック・パーク/炎の王国」を監督したことで記憶に新しい。バヨナはネタ切れかと思われた恐竜復活シリーズに最後のひとひねりを加えて、さらに興行収入を稼ぐ道を開いた。バヨナはそれ以前に母国スペインで「永遠のこどもたち」や「インポッシブル」など批評家から高い評価を得た映画を監督している。

バヨナが監督するAmazon版の「ロード・オブ・ザ・リング」の最初の2作は、ピーター・ジャクソンの映画、「ロード・オブ・ザ・リング」の原作であるJ.R.R.トールキンの「指輪物語」3部作が語られる直前の世界を舞台としている。映画版同様、Amazon版もニュジーランドでのロケが予定されている。

バヨナには脚本家としてJD・ペインとパトリック・マッケイが加わる他、著名な映画人多数が参加してシリーズが一大叙事詩となることを目指すという。

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滑川海彦@Facebook

「アベンジャーズ/エンドゲーム」はシリーズ完結編として最高の傑作

マーベルコミックのファンは、今週金曜日の4月26日に世界で公開されるアベンジャーズ/エンドゲームで次の2点を知りたがっているはずだ。 A) 誰が死ぬのか? B) 前作「インフィニティ・ウォー」の幕切れの謎は解き明かされるのか?

そこで簡単に答えておけば、A) ネタバレはしない B) 見方による、だ。

個人的な好みからいう 前作「インフィニティ・ウォー」は戦闘シーンがあまりに詰め込まれていて疲れてしまった。それに対して「エンドゲーム」はもっと静かに始まる。短いアクションシーンが挟まれるものの、「インフィニティ・ウォー」で描写されなかった部分を知って納得する時間が十分ある(「エンドゲーム」は前作と一体の作品なので見ておかないとわかりにくいところがある)。

前作「インフィニティ・ウォー」では人類の半数が邪悪なサノスの攻撃によって殺された。本作ではアベンジャーズを始めとするヒーローたちが人類文明の再建を図っている。サノスによって壊滅した地球は廃墟と化した町並みや嘆き悲しむ人々のショットで簡単に描写され、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルクらのスーパーヒーローがどのように地球を救おうとしたかがフラッシュバックする。

Avengers: Endgame

Marvel Studios’ AVENGERS: ENDGAME ©Marvel Studios 2019

もちろん上映時間3時間(!)のすべてが回想にあてられているわけではない。やがてサノスの破壊を元に戻す計画が立てられる。ネタバレになるので計画の具体的内容にはこれ以上踏み込まないが、日本語でいうファンサービスとして上出来なものと思う。

ともあれ、チェスの終盤を意味するタイトルが示すとおり、この作品はマーベルコミックのスーパヒーロー映画シリーズの完結編だ。映画の中盤はスーパーヒーローたちへのさよならツアーの感がある。ファンはそれぞれの映画史に応じて感慨に浸ることになるだろう。逆にマーベル映画になじみが薄い観客には中だるみのように思えるかもしれない。【略】

youtube=https://www.youtube.com/watch?v=0jNvJU52LvU&w=640&h=360

しかしマーベルの世界にどっぷり浸ってきたファンにとっては「エンドゲーム」のエンディングは完璧だった。あまりに感激したのでこの映画の多少の欠点には喜んで目をつぶるし、失敗作と思ってきた「インフィニティ・ウォー」さえもっと温かい目で見るようになった。

人気コミックをベースにブロックバスター映画を量産するというマーベル/ディズニーの戦略は優れたものだし量産ヒット作の中にも優秀な映画はあったが、時と共に続編を作り続けることが自己目的化してしまった。その結果、無用な脇筋をこしらえ出したり、新しい主人公を紹介するために物語が流れなくなるという弱点を露呈するようになっていた。

しかし「エンドゲーム」では私はこうした欠点をすべて忘れた。 結末ですべてのヒーローが人類を救ううために絶望的な戦いに突入していくときの感動こそこうしたスーパーヒーロー映画の存在理由だ。

「エンドゲーム」の結末は単に前作の混乱を埋め合わせるためのご都合主義ではない。マーベルはそれぞれのキャラクターの必然的な終着点を描くことに成功している。最終カットは単に必然的なだけでなく、パーフェクトなものと私には感じられた。

マーベルの映画はもちろんこれで終わりではないし、アベンジャーズのヒーローたちもやがて何らかのかたちで戻ってくるのだろう。しかし主人公たちの「グッドバイ」は私を感動させた。そのときのツイートがこれだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

スター・ウォーズ/エピソード9「ライズ・オブ・スカイウォーカー」の予告編公開

ディズニーがビデオストリーミング、Disney+の詳細を発表して大きな関心を集めている。実際ディズニーはスター・ウォーズ・シリーズを所有しており、これは新しいサービスの目玉の一つになるはずだ。そんな中、ディズニーとルーカスフィルムはスター・ウォーズの最新作、エピソード9の予告編を公開した。

予告編はシカゴで開催されたイベント、スター・ウォーズ・セレブレーション 2019のフィナーレを飾った。これまで「エピソード9」としてしか知られていなかったが、「ライズ・オブ・スカイウォーカー」という正式タイトルもお披露目された。

イベントの壇上で監督のJ・J・エイブラムスとルーカスフィルムのプレジデント、 キャスリーン・ケネディはオリジナルのレイア姫を演じた故キャリー・フィッシャーについても語った。フィッシャーが急逝した後、2人は「CGIでレイア・オーガナ王女を登場させることはしない」と発表していたが、「ライズ・オブ・スカイウォーカー」では「フォースの覚醒」で撮影されたフィッシャーが演じるレイア姫の未公開映像が用いられるという。

「いちばん難しかったのはこの(実写フィルムンの使用が)突飛と感じられないようにする点だった。レイア姫の登場シーンは私にとっても非常に驚くべきものとなっている」とエイブラムス監督は述べた。

エイブラムスとケネディはシカゴのイベントの壇上にシリーズの主役のデイジー・リドリー、ジョン・ボイエガを始めとして新旧のキャストを集めることに成功した。なかでもビリー・ディー・ウィリアムズは(なんと!)最新作でランド・カルリジアンとして復帰するという。この映画に出演できるのは「私の人生のハイライトだ」とウィリアムズは述べた。82歳のウィリアムズは52歳のエイブラムスを「素晴らしい若者」と呼んだ。

「ライズ・オブ・スカイウォーカー」はデイジー・リドリーのレイを主人公とする3部作の完結編であり、スター・ウォーズ9作品の総決算ともなる作品だが、同時にそれ自身としての価値も追求しているとエイブラムスは語った。「この映画はわれわれが受け継いできた遺産、その光と闇の新世代を描くものだ」という。

この作品で登場人物は「最大の悪」に直面するという。 その悪とは誰(あるいは何)なのかスティーブン・コルベアに尋ねられたときエイブラムスは明言を避けたが、予告編は銀河帝国皇帝、パルパティーンのおなじみの哄笑が闇の中から響いて終わる。イベント会場に照明が戻るとステージにはパルパティーンを演じたイアン・マクダーミドが浮かび上がり、「再スタートだ!」と宣言した。

「スター・ウォーズ ライズ・オブ・スカイウォーカー」は今年の12月下旬に公開される予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ディズニーの「キャプテン・マーベル」が初週末で興収500億円超、日本公開は3月15日

Marvel(マーベル)シリーズの最新作、映画、「 キャプテン・マーベル」はスマッシュヒットと判明した。公開最初の週末で女性スーパーヒーローを主人公にしたこの映画は4億5500万ドル(約505億円)の興行収入をディズニーにもたらした。

Marvelシリーズとして初の女性スーパーヒーロー主役にした作品であり、Marvel Studio自身のツイートによれば、公開後最初の週末の興行収入としてスーパーヒーローもの全体で「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」に次いで史上2位、全ジャンル総合で6位となった。

この映画の大ヒットは、従来無視されがちだったファン層が良質のエンターテインメントには喜んで料金を支払うことを再確認させたといえるだろう。Marvelの北米における興収1位は「ブラックパンサー」で、なんと7億ドル(約777億円)をかきあつめている

驚異的興収もキャプテン・マーベルだが、批評家の評価は分かれており、TechCrunchのAnthony Haは「よくできた映画だがブリー・ラーソンのスーパーヒーロー・デビュー作としてはやや期待はずれ」と述べている。

今回のリリースでMarvelは女性観客の動員に成功したようだ。ディズニーには観客のジェンダー・ギャップを着々と減少させつつある。キャプテン・マーベルはディズニーのスーパーヒーローものとして、ブラックパンサー、アントマン&ワスプと並んで男女差がもっとも少なかった作品となっている。Box Office Mojoの調査によれば、今回の週末の観客では男性が55%、女性が45%だったという。

作品のヒットはディズニーが準備しているストリーミング・サービス「Disney+」の立ち上げにも好影響をもたらすだろう。このサービスでは契約者獲得をMarvelとLucasFilm(ルーカスフィルム)というビッグネームに強く依存している(実は私もすでに契約した)。

ロキをトム・ヒドルストンが演じるプロジェクトが進行中だ。 ロキは「マイティー・ソー」と「アベンジャーズ」に登場する悪役ないしアンチ・ヒーローで複雑な性格づけだ。MarvelはこのキャラクターをNetflix/Marvel配信 の「ディフェンダーズ」の予告編に登場させていた。 MarvelとNetfilxの提携はその後解消されたので、今後ロキが登場する先品はDisney+を通じて配信されることになるだろう。

「キャプテン・マーベル」はDisney+で独占ストリーミングされることがすでに決定している。

【編集部注】公式サイトによれば日本公開は3月15日(金)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「ゲーム・オブ・スローンズ」ファイナルシーズンの予告編公開

ゲーム・オブ・スローンズ』のファイナルシーズンの公式予告編が公開された。

見よ!

今やわれわれは物語が迎えるクライマックスをちら見することができる。この予告編ではドラゴンがウィンターフェルの空を飛ぶ。謎の鍛冶屋、ジェンドリー、邪悪なサーセイも映っている。ファンタジー・ファン待望の死者と生者の決戦が起きるようだ。

最終章であるシーズン8は4月14日(日本時間4月15日)に世界同時公開される。2011年以来、HBOの大ヒットシリーズに不案内で過ごしてきた人々も話題に追いつくのに6週間ある。7シーズンを一気見するのにまだ遅くはない。

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(日本版)日本語字幕の予告編はこちら

滑川海彦@Facebook Google+

「フォートナイ トシーズン8」配信開始、海賊、大砲、火山の噴火で大興奮

プレイヤー2億人のFortnite(フォートナイト)は現在世界最大のゲームの一つだが、先ほど待望のシーズン8を公開したことを発表した

Fortniteのプレイヤーではない読者のために説明しておくと、このゲームには「シーズン」という期間があり、一定の世界観とストーリーが用意される。各シーズンには特有のツールやマップが含まれ、2ヶ月半程度継続する。ゲームが定期的にリフレッシュされるのでゲーマーは新たな世界にチャンレンジできると同時にEpic Gamesも収入を確保できる。各シーズンには有料のBattle Passが用意され、武器やスキン、ツール、などをアンロックしたりemoteに新しいダンスを踊らせたりできる。

Season 8はおおむねリーク情報のとおりの内容だった。海賊には巨大なバナナ・スーツが用意されていた。新しい武器には海賊の大砲が含まれる。大砲で直接射たれるとダメージは100ポイントになる。近くに射ち込まれただけで50ポイントのダメージになるから要注意だ。またプレイヤーはこの大砲を使って別のロケーションに移動できる。

Fortniteではマップも重要な役割を果たす。シーズン8では火山に溶岩が追加された。プレイヤーが溶岩に触れるとそのつどダメージ・ポイントが付いてしまう。火山が噴火するとプレイヤーや乗り物が空高く噴き上げられることがある。海賊船の中には大砲、宝箱がある。

プレイのやり方で主要な変更は 「パーティー・アシスト」の追加だろう。このモードでは友達を招待し、協力してその日(あるいはその週)のチャンレンジをクリアすることができる。このチャンレンジをクリアするとスキンや宝などのアイテムをアンロックできるので大きな意味がある。実際、シーズン7でいくつかのチャンレンジをクリアしたプレイヤーはシーズン8のBattle Passを無料で入手できる。数百万の家庭が10ドルを節約できるかもしれない。【略】

最近の記事によれば、1月のFortniteの収入は大きく落ち込んだというのだが、これは事態をあまり正確に伝えていない。12月に新しいBattle Passが売れた後、収入が落ちるのは当然だ。また一般的に言っても12月はクリスマス商戦で売上が伸びる。.

情報源によれば、Fortniteの大ヒットで2018年のEpic Gamesの利益は30億ドルに上ったという。 この勢いを継続させるためには新しいシーズンにも優秀なゲームを提供しなければならない。 強力なライバルも次々に登場しているのでシーズン8に対するプレイヤーの反応は非常に重要になってくる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ディズニーがAT&TからHulu株を買い取り、70%所有を目指す

ディズニーはAT&Tが保有するHuluの株式の10%を買い取る交渉をしていると、米国時間2月18日にVarietyが報じた。

AT&Tがワーナーメディアを買収したことによりAT&TはHuluの少数株式となっていた。このニュースは予期されたものであり、AT&Tはすでに株式売却の意向があることを発表していた。ディズニーはHuluの持ち分を拡張しようとしており、21世紀フォックスから株式を買い取る取り決めをしている。ディズニーの持ち分は現在30%だが、契約が実行されればフォックスの持ち分30%がディズニーに移転する。

つまりFoxの株式買取後はHuluの60%をディズニーが所有することになる。AT&Tの持ち分の買い取りに成功すればディズニーの所有権は70%という圧倒的な割合になる。

Varietyによれば、Huluの他の大株主、Comcast/NBCUには現在Hulu株式を手放す考えはないという。

2018年9月にAT&Tはストリーミング・サービスの計画を説明する投資家資料でHulu株式の売却に触れていた。これは独自のストリーミング・サービスの構築に不可欠ではない資産を売却し、債務の圧縮と資金調達を図る計画の一環だった。この場合、Huluの持ち分は9億3000万ドルの価値だとされた。

AT&TはHuluの運営には強い関心を抱いていない。AT&TはDirecTV Nowのようなライブ放映を含むインターネットをベースにした独自のストリーミングサービスを構築しようとしている。傘下のワーナーメディアはHBO NOW、Boomerang、DC Universeなどの資産を保有しており、 軽さを特徴とするWatchTVなどと合わせて自社ブランドの新しいストリーミングサービスを年内にスタートさせる計画だ。

一方、ディズニーはNetflixのライバル、Disney+を立ち上げようとしてるが、こちらが伝統的にディズニーらしい家族向けのコンテンツを中心とするのに対し、Huluはもっと大人向けの作品のプラットフォームにする考えだ。

現在、Huluには2500万人の契約者がいるが、まだ世界展開が遅れていることもあり、Netflixに比べればはるかに少ない。またオリジナル・プログラムについてもNetflixほどの巨額投資をするまでになっていない。ディズニーが持ち分を増加させれば状況は大きく変わるかもしれない。そうなればHuluはNetflix、AT&T/ワーナーメディア、そして参入計画が報じられているアップルなどのサービスに対抗できる大型サービスに成長する可能性がある。

画像:Dan Goodman / AP

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AlexaからGoogleまでスーパーボウルに、傑作テクノロジーCM集結

今年もスーパーボウルの季節になった。アトランタで開催されるSuper Bowl 2019(有料視聴はこちらからできる)ではペイトリオッツとラムズが対決する。放映されるCMにはAmazon、Google、Microsoftなど巨大テクノロジー企業の自信作が集結する。

実際、Amazonは事業分野ごとに異なるCMを用意した。スマートアシスタントのAlexaのプロモーションだけでなくAmazon Prime Videoで公開されるオリジナル番組、Hannaの予告編も見られる。

Microsoftは、最近強まっているテクノロジー企業バッシングを打ち消すべく、ハンディキャップを持つ子どもたちが最新のテクノロジーによってコミュニケーションが可能になった様子を紹介し、テクノロジーが人々の生活を改善してきたかを強調している。

そこまで有名でないテクノロジー企業、たとえばデート仲介サービスのBumbleはセレーナ・ウィリアムズを起用してメッセージを伝えている。ブログ・プラットフォームのSquarespaceはイドリス・エルバを使って「独自のサイトづくり」をアピールしている。

テクノロジー企業だけでなく、ポテチップで有名なプリングルズ・ブランドもスマートアシスタントが主役だ。自動車のCMでは最新のテクノロジーを強調しているAudiを選んだ。

ここではすでに公開ずみのCMをエンベッドした実際の試合中継9で初めて登場するCMもあるので、必要ならゲームの終了後にアップデートする。

Amazon Alexa

「Alexaにも出来ないことがある」というジョーク。ハリソン・フォードをフィーチャー。 

Amazon Prime/”Hanna”

”Hanna”は2011年公開の同名アクション映画のストリーミング版リメイク。優れた格闘能力を見にけた少女が謎の敵と戦う。

Audi

カシューナッツを喉につまらせた男が一瞬Audiの最新電気自動車の幻を見る。

Bumble

「待っているだけでは今の私はなかった」とセレーナが積極性を奨める。

Expensify

ラッパーが個人会計ソフトを推薦。

Google

Googleが世界で活躍するリアルタイムの翻訳の威力をデモ。

Michelob Ultra

ジム帰りのロボットがミケロブを楽しんでいる人間をうらやむ。

Microsoft

ハンディキャップを持つ子どもたちが最新のテクノロジーによって豊かなコミュニケーションが可能になった様子を紹介し、テクノロジーがいかに人々の生活を改善してきたかを強調する。

Pringles

プリングルズの味の組み合わせをスマートアシスタントに尋ねる。

Squarespace

PR担当者がイドリス・エルバに簡単な質問をして即座にブログを立ち上げる。

TurboTax (teaser)

税務申告ソフトがロボットチャイルドがいる未来を想像。

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Niantic、ポケモンGOに個人対戦モード導入へ――PvPは年内に実装か?

Pokémon GOが正式にスタートしてから2年半経ったが、大ブームを起したこのゲームには重要な機能が欠けたままだった。プレイヤー間の対戦モードだ。

それがいよいよ導入される。

公式アドレスからそれを予告するツイートが続けてアップされた。Nianticはプレイヤー・バトル・システムの導入準備を進めていることを認めたが、時期については「近く」としか明かさなかった。

これはいったい?

なんと! 

期待せよ! トレーナー・バトルが近くやってくるぞ。 

個人間のバトル・モードはユーザーがいちばん強く望んでいた機能だろう。もう一つ大勢のユーザーが望んでいたポケモンのトレード機能は半年前に実装されている。もちろん以前からプレイヤーはジムでチームに所属してバトルをプレイできたし、巨大、凶悪なポケモンを捕獲するために共同することもできた。ただしリアルタイムでのプレイヤー間対戦システムは導入されていなかった。

この8月にNianticは for 今年中に対戦モードを導入するという計画を発表していた。上に貼ったツイートを見ると、どうやらスケジュールは守られることになりそうだ。

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YouTube、2020年にオリジナル番組を無料化――全コンテンツを広告サポートモデルに統一へ

YouTubeはオリジナル番組の無料化を準備中だ。現在こうした独自コンテンツはペイウォールの陰に隠されているが、広告が表示される無料視聴に改められる。The Hollywood ReporterVarietyが報じたところによれば、YouTubeはこの方針変更を確認したという。実施に移されるのは来年になる見込みだ。YouTube Originalsの視聴には現在はサブスクリプション契約が必要だが、広告が表示される無料番組となる。つまり現在のYouTubeの一般コンテンツと同様の扱いになる。

YouTubeによれば、有料のプレミアム・オリジナルと一般の広告表示無料コンテンツを“Single Slate”として統合いくという。これにより、2020年にはユーザーはすべてのプログラムを無料で視聴できるようになる。

つまり、現在有料のオリジナル・コンテンツのすべてが即座に無料化されるわけではない。

Varietyの記事によれば、『ベスト・キッド』の続編、Cobra Kaiなど 一部のオリジナル番組は2019年いっぱい有料視聴だ。しかし2020になればオリジナル番組を含めたすべてのコンテンツが月間20億人のYouTubeユーザーに無料で公開される。

この方針転換は、YouTubeのサブスクリプション・モデルが当初期待されたほどの効果を挙げていないことを示すものだろう。Netflix、Amazon、Huluといった強力なストリーミング・サービスとの競争でYouTubeは劣勢が伝えられている。YouTubeはオリジナル・コンテンツ製作に毎年数億ドルを投じているとされるが、ライバルのストリーミング・ビデオ・サービスの投資規模は数十億ドルだ。優秀なドラマの製作でライバルと戦うにはこの金額では足りない。

YouTube Redというサブスクリプション・モデルでオリジナルのドラマ・シリーズや映画のストリーミングが始められたのは2016年にさかのぼる。サービス名称はその後YouTube Premiumに改められ、月額料金は11.99ドルとなっている〔日本サイト〕。.しかしこのサービスは立ち上げ直後から逆風にさらされた。スター・ユーチューバーの一人で5300万のフォロワーを持っていたPewDiePieが
h反ユダヤ主義的コンテンツを発表したため契約をキャンセルせぜるを得なかったのもその一例だ。

オリジナル番組はその後エレン・デジェネレス、ケイティー・ペリー、ケビン・ハートなどのスターを迎えたドラマはショーに拡大された。また“Origin”のような大型番組も製作された(エリザベス2世の半生を描いたNetflixのヒット番組、『ザ・クラウン』のプロダクションによる製作)。

The Hollywood Reporterの取材に対し一部の情報源は、アド・サポートによる無料化でYouTubeのドラマ、映画製作の予算は大幅に圧縮されるだろうと述べた。ただしYouTubeは取材に対してドラマや映画の買い付けを一時中止しているだけでこのマーケットから撤退を決めたわけではないと答えている。

YouTube広報担当者はVarietyに対し「われわれは2019年に向かって脚本のあるプログラムに引き続き投資する。YouTube Originalsは世界のユーザーにさらに広く訴求していくため広告サポートによるビジネス・モデルにシフトしていく.」と述べた。

またTechCrunchの取材に対しても、脚本のあるプログラムへの投資を続けていくことを確認し、次のように述べている。

2018年は YouTube Premium、YouTube Originalsにとってさらなる飛躍の年となった。われわれはYouTube Premiumを29カ国に拡大した。脚本の有無を問わず50本以上の番組を配信した。エミー賞のノミネーションを8回受け、30以上の賞を受賞している。

YouTubeは脚本のあるコンテンツに対する投資を継続する一方、YouTube Originalsを広告サポートによる無料視聴可能なプラットフォームに移し、世界のファンからの需要の高まりに応えていく。Originalsのこの段階は、オーディエンスだけでなくクリエーターをも拡大し、広告主に世界のYouTube世代にアクセスする機会を広げていく。

そういう次第でYouTube Originalsは2020には無料となる。しかしYouTubeではYouTube Premiumのサブスクリプションには意味があると考えているようだ。Originalsが無料になってもPremiumの契約者は広告なしでコンテンツを視聴できるし、音楽をバックグラウンドで再生したり、オフラインでコンテンツにアクセスしたりできる。

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この199ドルのPS4と”Spider-Man”のブラックフライデーバンドルは、私の物欲を刺激する

個人的に断言しよう、これこそ今年のブラックフライデーシーズンのベストバイだ。まあゲーマーにとってという話ではあるが。これは凄い。目が覚めた。ソニーがPlayStaion 4 Slimと、新しいSpider-Manゲームを199ドルで販売するのだ。あまりにも安い。

現在1TBのPS4 Slimは、300ドルで販売されている。そしてこの価格は以前は500GBのものにつけられていた価格なのだ。なので、この改良されたテラバイトコンソールにつけられた199ドルという価格は既にかなりのお得だ。しかもそこにSpider-Manも付いている?私は通常ブラックフライデーの 個々の取引について語ることはしない(私たちはまとめのレポートは書くが)。しかしこれはまるで冗談のようだ。

ゲームは先日発売されたばかりで、絶賛レビューを受けている。多くのTechCrunchスタッフたちが何十時間もの時間を費やしているが、さらに沢山の時間を吸い取ろうと機能拡張が発売されようとしている。ほとんどの場所でまだ標準価格で販売されているため、 その価値は50から60ドルはある。

私はすでにPS4を所有いるが、私はこれを買うつもりだ。Slimによって変わったものはそれほど多くはないが、それは静かで使いやすく(もう目に見えないボタンはない!)、そしてもちろんかなり小さくなっている。これを139ドルで入手できるなら考えるまでもない。もちろんコントローラーも付属している。古い機種と交換し、店のポイントを使ってTetris Effectを入手するつもりだ!

比較のために挙げておくと、マイクロソフト任天堂の両社は、人気のあるゲームとバンドルされた基本コンソールを299ドルで提供する。明らかにソニーは彼らの昼食を横取りするつもりだ。

もちろん、PS4 Proにためにお金を貯めておくこともできる。しかしそれらの利点に対しては、決して疑わしいとは言わないものの、大部分のゲーマーたちにとって必須というほどのものではないと思っている。Red Dead Redemption 2は、4K HDR機器を持っていない限り、そこまですごく見えることはない。もしAAAゲームと最高のグラフィックスに夢中なら、是非Proを買うべきだが、そうでもない残りの私たちは、節約できたお金であと4、5本のゲームを買ったほうが良いかも?スリムにやろう。

他には200ドルのPSVRバンドルもあり、コントローラも安い。しかし明らかにSlimがこのラインナップの中心だ。読者は「参加小売サイト」を訪れて、おそらく私と同じような人と争って商品を手に入れる必要がある。他のセールと同様に開始は11月18日だ。

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(翻訳:sako)

伝説のアメコミ原作者、スタン・リー亡くなる――スパイダーマン、ハルク、X-MEN、アイアンの産みの親だった

アメリカン・コミックの原作者としてもっとも影響力が高く、おそらくはもっとも愛された人物が亡くなった。スタン・リーは95歳だった。

ディズニーのCEO、ボブ・アイガーは声明で「スタン・リーの作り出したキャラクターはいずれも途方もないものだ。世界中のマーベル・コミックのファンにとって彼自身がスーパーヒーローだった。スタンは人々にインスピレーションを与え、楽しませ、結束させる素晴らしい能力があった。スタンの想像力は彼のハートと同様に巨大だった」と述べた

スタン・リーは本名をスタンリー・マーティン・リーバーといい、ニューヨークでユダヤ系移民の家に生まれた。リーは後に「本名は真面目な著作のために取っておいたのだ」と語っている。しかし結局のところスタン・リーとして記憶されることとなった。

アーティストのJack KirbySteve Ditkoの協力を得て、リーは1960年代にマーベル・コミックスの原動力となった。リーが創造したキャラクターのリストは驚くべきものだ。スパイダーマン、ファンタスティック・フォー、アイアンマン、超人ハルク、マイティー・ソー、X-MEN、ブラックパンサー等々。

マーベル・コミックスに登場した頃のオリジナルを見ると、いかにも素朴で古典的な感じがする。特に後年コミックのキャラクターをベースに製作された超大作映画シリーズと比べるとそうだ。しかし主人公を現実の都市(やはりニューヨークが強い影響を与えている)の中に置き、さまざま弱点をもつリアルな存在として造形したこと、また個々のヒーローが単独で存在するのではなく一つの世界を共有することなどはコミックの世界に大きなブレークスルーをもたらした。リーのエネルギーに溢れた作品は今でも人々に読まれ続けている。

こうしたスーパーヒーローの造形を通じてリーはマーベル・コミックスの顔になった。ユーモアを交えた編集後記、マスコミのインタビュー、またコミック内へのカメオでの登場などにより、リーは文字通りアメリカン・コミックのリーダーとなり、伝説となった。

最近ではリーの後年の法律上、経済上の紛争などを含め、リーの自己顕示癖がDitkoやKirbyなどの貢献を覆い隠してきたとして一部の批評家からは再評価を求める動きもあった。 そうではあっても、スタン・リーはコミックのファンにとってマーベルそのものであり、マーベル・フィルムへのカメオ出演でそのイメージはますます強くなっていた。

またわれわれはリーが90代に入ってもなおチャーミングでありユーモアと活力を失わないことに驚かされた。もしかするとリーは創造したスーパーヒーローたちと同じくらい長く生き続けるのではないかと思わせた。そうではなかったのは悲しいことだ。

画像: Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic / Getty Images

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Spotifyの第3四半期、好成績ながら株価は下落――収入13.5億ドル、月間ユーザーは28%アップして1.91億

今年上場を果たした音楽ストリーミングの有力企業、Spotifyは今日(米国時間11/1)、 第3四半期の決算を発表した。同社は引き続き拡大を続けているものの、運用成績はアナリストの期待になんとか届く程度だった。このため株価は小幅ながら下落している。市場でのSpotifyの苦闘は続くことになった。

同社の発表によれば、7-9月期の収入は13億5200万ユーロで、アナリストの予測、13億3000万ユーロ(15.1億ドル)をかろうじて上回った。

Spotifyの売上は対前年比で31%アップしており、営業損失は600万ユーロと対前年比でほぼ半減した。利益率は25%となり、同社では「期待以上のパフォーマンス」を達成できたとしている。SpotifyのMAU(月間アクティブ・ユーザー)は1億9100万人(対前年比28%アップ)となった。Spotifyの運営の改善が続く一方、投資家が同社の赤字にいつまで耐えられるか、今後の行方が注目される。 

Spotifyが黒字化を達成し、長期的な投資対象になることについての懐疑的観測が市場に流れたため、同社の株価は9月以降下落に見舞われている。

今日の決算発表はこの全体的状況を大きく変えるものではなかった。今週、株価は152ドルから139ドルまで下落し、その後さらに134ドルまで下がった。 今日の安値は134.54ドルだった。〔その後141ドルまで持ち直している〕。営業成績の改善にもかかわらず、投資家の不満を一掃するまでには至らなかったようだ(昨日の終値の時価総額は269億ドル)。

懐疑的な空気の理由は、アナリストの予測を達成できたとはいえ、次の四半期の利益率が低下する可能性があることをSpotify自身が認めている点にもある。今週、同社はGoogleとの提携を発表した。クリスマス商戦のキャンペーンとして、月額15ドルのファミリー・プランに加入すると
Google Home Miniを無料でプレゼントするというものだ。

Spotifyは「この提携ののコスト負担により、第4四半期の粗利益率は0.5%程度低下するものと予想している」と発表している。

同社のユーザーベースではアメリカが引き続き最大となっている。同社ではラテンアメリカを含むそれ以外の世界の成長率のほうが大きいとしている(新しいコンシューマ向けプロダクを展開する企業の場合、これはよく起きる)。

ユーザー中に占める有料(プレミアム)ユーザー数は8700万で、Apple Musicの5000万を引き続き大きく上回っている。この数字は40%のアップであり、ファミリー・プラン、学生プランの展開が功を奏したとしている。同社は、HuluやShowtimeなど他のストリーミング・サービスにSpotifyをバンドルしたプランを設定するよう働きかけている。

その一方、Spotifyの成長は会費無料で音楽を聞けるフリーミアムモデルに助けられているところが大きい。現在CMが挿入される無料サービスのMAUが1億900万あり、これは
20%のアップだ。 同社ではCMの種類の拡大にも力を入れており、そうでなければ多額の出費となる無料サービスからもマネタイズすることに成功している。アルゴリズムによって自動的にCMを配信するAd
Studioが運用されている地域はアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアだ。これらの地域でのさらなる成長と他の地域への拡大の余地は十分あるだろう。

ただし、Spotifyは家の大掃除をする必要がある。どこであれ登録手続きを簡単にしているサービスでは起こりがちだが、Spotifyにもボットその他のフェイクユーザーがはびこっている。健全な広告運営のためには正確なユーザー数の把握が欠かせない。Spotifyでは具体的な数字は挙げていないが、この面でも努力を続けるとしている。

ただし、広告収入によるフリーミアムモデル部分は可能性を十分に追求されているとはいえない。同社によれば第3四半期の収入でプレミアム・プランからのものが12.1億ユーロを占めたとしている。つまり広告収入は1.4億ユーロにとどまったわけだ。

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NBAスター、マイケル・ジョーダンがEスポーツ会社の2600万ドル投資ラウンドをリード

NBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンは、今やEスポーツ界で活躍中で、オーナーグループaXiomaticの2600万ドル調達ラウンドをリードした。

ジョーダンと新たに共同出資社となったDeclaration Capital——マルチビリオンの非上場会社 The Carlyle Groupの共同ファンダーで共同執行役会長のDavid Rubensteinの個人資産を投資している家族会社——にとって、Eスポーツへの投資はスラムダンクのようだ。

aXiomaticは、ジョーダン、Declaration Capital、およびCurtis Polkが投資したことを本日発表した。PolkはHornets Sports & Entertainmentの経営パートナーでマイケル・ジョーダンと彼の関連会社の財務と事業管理を担当している。Bloombergの報道によると調達金額は2600万ドル。

Forbesが業界第2位のゲーム会社と推測するEスポーツのフランチャイズ、TeamLiquidを所有するaXiomaticは、急成長するEスポーツ界に確固たる基盤を持っている。

実際、最も成功しているEスポーツ企業であるCloud9は、最近5360万ドルの新規ラウンドを実施したことが、証券取引委員会(SEC)に提出された文書でわかった。

「aXiomaticへの投資によって私のスポーツ株式投資の幅が広がることを楽しみにしている。Eスポーツは急成長中の国際産業であり、このすばらしい投資家グループと共に参加できることを嬉しく思っている」とジョーダンが声明で語った。

プロスポーツチームのアスリートやオーナーたちは、Eスポーツ業界に殺到している。公認Overwatch Leagueの自チームにぽんと2000万ドル出したり、Eスポーツエコシステムのサービスを開発する企業に同様あるいは小さな金額を投資している。

Philadelphia 76ersは、NBAチームとして初めてEスポーツの世界に足を踏み入れ、Team Dignitasを当時1500万ドルと噂されていた企業価値で買収した。今年、DignitasはRocketLeague世界チャンピオンの座を76ersに持ち帰った。

今やGolden State Warriors、Cleveland Cavaliers、およびHouston Rocketsの3チームが、Riot GameのLeague of LegentsトーナメントのEスポーツチームを支援していると Bloombergは伝えている。

「次世代のスポーツファンはEスポーツファンである」とaXiomaticの会長でMonumental Sports & Entertainment(NBA Washington Wizards、NHL Washington Capitals、およびWNBA Mystics franchiseを所有している)の会長・CEO・過半数株保有者のTed Leonsisが声明で言った。「Eスポーツはスポーツ・エンターテイメント業界で最も成長著しい分野であり、aXiomaticはその成長の最先端にいる。マイケルとDeclaration CapitalをaXiomaticに迎えることを大いに喜んでおり、真に最先端をいく事業を共に成し遂げることを楽しみにしている」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Fortniteベースのナーフガンの写真入手――サバイバルゲームならこれだ

ナーフガンでオフラインのサバイバルゲームをやるならこれがいいかもしれない。HasbroがEpicと提携したことでFortniteを公式にテーマにしたナーフガンが発売される。

いわゆるダーツ弾を発射するタイプのナーフ・ブラスターは、Fortnite版のモノポリーゲームと同時にHasbroから予告されていた。モノポリーのほうは今月すでに発売されているが、ナーフガンについても写真と詳しい情報が発表された。このAR-L Blaster の発売開始は来年6月1日だという。フレームのサイドに非常に目立つロゴが入り、Fortniteをベースにしていることを誇示する。Fortniteはプレイヤーが自分で目標を設定できるサンドボックス・タイプのサバイバルゲームで非常に人気がある。

この銃のマガジンにはダーツ弾を10発装填できる。サイトはフリップアップ式で動力はAA(単3)電池4本だ。予定価格は50ドルで、念のために断っておくがゲーム内通貨のV-Bucksは使えない。Hasbroによると、今後、コンピューター・ゲームをベースしたナーフガンをシリーズ化していくという。

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