Stack Overflow for TeamsがJiraとGitHubを新たに統合

多くのデベロッパーにとってStack Overflowは、プログラミング関連の質問をするQ&Aサイトだが、しかし数年前から同社は、Stack Overflow for Teamsという新しいプロダクトで成功している。このプロダクトは要するに、同社のQ&Aプロダクトのプライベート(非公開)バージョンを企業に提供するもので、今では同社にかなり大きな売上をもたらしている。このほど一新されたStackOverflowの役員たちも、今後のプロダクトの経営貢献とそれによる企業の急速な成長に期待している。

そんなStack Overflow for Teamsをもっと企業にとって魅力的にするために、同社は米国時間3月3日にTeamsをJiraやGitHub、そしてEnterprise版のMicrosoft Teamsと統合させた。統合対象はこれらのサービスのEnterpriseやBusiness版となる。なおTeamsはすでにSlackやOkta、それにBusiness版のMicrosoft Teamsと統合している。

Stack OverflowのCPOであるTeresa Dietrich(テレサ・ディートリッヒ)氏は、次のように語っている。 「これまでやってきた統合は、デベロッパーのワークフローを反映している。テクノロジーの構築や利用に関わっている人たちは必ず、これらのツールのどれかを使っている。何かを統合するときには、それを誰が何のために使うのかを考える。ここでは主に『デベロッパーのワークフローを支援すること』が目的だ。またSlackとTeamsの統合からわかるように、ChatOpsは明らかに別のものだ。そして今回のJiraとGitHubの統合は、デベロッパーのワークフローの中核となる」

現在のStack Overflow for Teamsの顧客には、MicrosoftやExpensify、Wixなどがいる。同社によると、Teamsの現顧客の65%がGitHubを使っており、今回の統合はむしろ当然のものだ。

MicrosoftにおけるStack Overflow for Teamsの使われ方

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CircleCIとAWS GovCloudが協力して米国政府のアプリ開発のモダナイズを支援

民間企業と同じく合衆国政府も今はワークロードをクラウドへ移す過程にあり、ともに同じような課題に直面している。米国時間2月25日、継続的デリバリーサービスのCircleCIが、AWS GovCloudとのパートナーシップを発表し、AWSの政府向けプラットホームを使っている連邦政府機関のアプリケーション開発のモダナイズを支援していくことになった。

CircleCIのCEOであるJim Rose(ジム・ローズ)氏は「サーバーをわが社のオンプレミスで動かし、それを政府の顧客がAWS GovCloud上の専用の純粋なクラウドリソース上で動かすかたちになる」と語る。

GovCloudは、専用のシングルテナントクラウドプラットホームであり、そこで政府機関はFedRAMP準拠の安全なクラウドソリューションを作ることができる。また、ほかのクラウドベンダーにも同様のサービスがある。FedRAMPは、政府のためのセキュリティスタンダードの集合で、クラウドベンダーが連邦政府の仕事をするときには必ず準拠しなければならない。

CircleCIは、開発チームに急速なサイクルでアプリケーションに変更を行うための継続的インテグレーションと継続的デリバリー(continuous integrationとcontinuous delivery、CI/CD)パイプラインを構築する。

「GovCloudがあることによって、政府機関が求めているオンプレミスと同じレベルのセキュリティとサービスを、専用のシングルテナントのクラウド環境で提供することができる」とローズ氏は説明する。

また、ローズ氏によると、クラウドアプリケーションの構築には多くのステップがあるが、同社が提供するのは継続的デリバリーのパイプラインという基本部分だけだという。他の関連サービスは提供しない。彼が言うように、1〜2年に1回アップデートするだけのレガシーなメインフレームアプリケーションならCircleCIの出番はない。しかし開発環境をモダナイズしようとしたときには、同社のサービスが大きな助けになる。

さらに 「現代的なクラウドアプリケーションの開発工程では、1日に数百回も変更を加えることがある。しかも多くの場合、変更のソースはとても多人数が関わっており複雑で、マニュアルな管理はほぼ不可能なのだ」とローズ氏はいう。

同社はかつて、中小企業庁(Small Business Administration、SBA)の仕事をしたことがあるが、今後はそのときと同じように、省庁を直接相手にすることになるだろう。またときには、システムインテグレーターやAWSも関わってきて、彼らが大きなRFP(業者への提案依頼書)に載っていることもあるはずだ。

政府の仕事では、そこから論争が生じる場合があることも、ローズ氏は承知している。ChefでもSalesforceでもGoogleでも、一部の社員が国防総省(DoD)や移民局(ICE)の仕事はしたくない、とごねたことがある。そこでCircleCIは、国民との対話を改善する意思のある省庁の仕事に集中し、他の省庁とはお近づきになりたくない、とローズ氏はいう。

「我々のような立場は、政府の問題に深く関われるわけではないが、彼らの一部になるのではなく、常に集団の先頭に立っていたい。商用の仕事でも、政府系の仕事でも越えてはならない一線というものを、常に意識していたい」と決意を述べる。

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GUIでオーディオシステムを開発するAudio WeaverのDSP Conceptsが16億円相当を調達

DSP ConceptsのソフトウェアであるAudio Weaverは今やTesla、Porsche、GoPro、Braun Audioなど、さまざまな企業が利用している。同社はこのほど、シリーズBで1450万ドル(約16億円)を調達したことを発表した。

CEOのChin Beckmann(チン・ベックマン)氏とCTOのPaul Beckmann(ポール・ベックマン)氏夫妻によると、同社の目標は、企業がオーディオ処理ソフトウェアを開発するために使用する標準的なフレームワークを作ることだ。

チン氏によると「シリーズBの投資家にはこの業界を本気で支援し支持して欲しかったため、その選別には気を使った」とのこと。

そこでこのラウンドはTaiwania Capitalがリードしたが、投資家にはDSP Conceptsに対する戦略的投資家が多く含まれる。シリーズAをリードしたのはみなDSP Conceptsの大型ユーザーの系列であるBMW i Ventures、Innovation Growth VenturesのSony Innovation Growth Fund、MediaTek Ventures、Porsche VenturesそしてARM IoT Fundなどだ。

ポール氏によると、Audio Weaverは、もともとベックマン夫妻がやっていたコンサルティング事業の「秘密兵器」として始まった。オーディオのエンジニアリングプロジェクトの進捗を、一気に超高速化することができる。コンサルティングをしている途中で顧客は必ず「そいつの使い方を今教えてくれないか?」と言われ、夫妻はこのAudio Weaverプラットホームにフォーカスしたスタートアップを立ち上げた。

Audio Weaver - AWE Designer

ポール氏によるとそのソフトウェアは「グラフィカルなブロック図エディター」だ。GUIを使って、オーディオ処理のためのさまざまなソフトウェアモジュールを組み合わせたり、カスタマイズしていく。

「オーディオはそのほかの業界に比べるとまだ石器時代にある。たとえばタッチ画面から使うプロダクトを作るとすると、オーディオはグラフィクスをスクラッチから書く世界、ほかの業界ではとっくにQtのようなGUIフレームワークが使われている」と彼はいう。

またポール氏によると、今でもオーディオエンジニアは手書きでコードを書くという大変な作業を大量に行っているが、Audio WeaverのGUIを使えばパズルのいろんなピースを簡単にまとめることができるし、これまで作って改良し蓄積してきた何百ものモジュールを今の仕事に利用できるようになる。

DSP ConceptsのエンジニアたちはAudio Weaverのプラットホームを使って、GoProで撮った映像から風の音を減らすアルゴリズムの何百ものアイデアを、すべて実際に試せる。そして、最良のアルゴリズムをGoProに渡せばよい。すると同社のチームがそのアルゴリズムを自分たちのソフトウェアに使って、部分的に変えたりもできる。

ベックマン夫妻によると、同社はチップのメーカーとも密接に協力して、彼らのチップセットを使っているデバイスでオーディオのソフトウェアが正しく動くように努めている。

さらに同社のTalkToというモジュールは、Alexaのような音声アシスタントの聴力を超高感度にする。ロックコンサートのような大音量の環境でも、ノイズをすべてキャンセルしてコマンドを聞き取ることができる。下のビデオは、TalkToのデモだ。

DSP Conceptsは、これまでの累計で2500万ドル(約27億9000万円)あまりを調達している。

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データの利用や管理でメインフレームとクラウドを橋渡しするModel9

イスラエルでメインフレームを扱っていたグループが起業したModel9は、メインフレームコンピューターとクラウドの間でデータを転送するサービスだ。同社は米国時間2月900万ドル(約98700万円)のシリーズA調達を発表した。

Intel Capitalがこのラウンドをリードし、StageOneやNorth First Ventures、Glenrock Israelなどの既存の投資家が参加した。同社のこれまでの調達総額は、1300万ドル(約14億2500万円)近くになる。

実は、大きな銀行や保険会社、航空会社、大型リテイラーなど世界最大級の企業は、まだメインフレームを使っている。これらの企業は、毎日の大量のトランザクション処理のために、そのがっしりとしたマシンを必要としているが、そのままでは貴重なデータを現代的なデータ分析にかけることが難しい。その難問をModel9が解決する。

Model9のCEOで共同創業者のGil Peleg(ギル・プレグ氏によると、同社の技術はメインフレームのユーザーがデータをクラウドやそのほかのオンプレミスのストレージに持ち込むことを助ける。「メインフレームのデータはプロプライエタリなストレージに閉じ込められていて、急速に進化し変化しているクラウドの世界で起きていることにまったくアクセスできない。そこで、私たちの特許を取った技術が、メインフレームが直接、クラウドや、メインフレームではない分散ストレージシステムにデータをリードライトできるようにする」と同氏は説明する。

重要なユースケースがいくつかあり、例えばそんなストレージやクラウドが使えるとテープによる高価なバックアップがいらないので、事故からのリカバリーに利用できる。また、データをクラウドに送れれば、現代的なデータ分析を適用できる。それは前には不可能だったことだ。

同社のソリューションは、AWSやGCP(Google Cloud Platform)、Microsoft Azure、IBMのクラウドサービスなどと互換性がある。またEMC、Nutanix、NetApp、などのオンプレミスのストレージソリューションも使える。それにより同社の顧客は、本格的なハイブリッドクラウドを構築できる。クラウドは、プライベートクラウドでもパブリッククラウドでもどちらでもいい。

同氏は「理想は顧客がハイブリッドクラウドのトポロジーをデプロイして、両方の世界の利点を享受できることだ。メインフレームには、信頼性とセキュリティの面で強みがあり、クラウドはスケールと毎日急激に増加するデータを管理できるし、事故時のリカバリーやデータの管理とアナリティクスなど、現代的なテクノロジーがある」と語る。

同社は2016年に設立され、ソリューションの開発に2年を要した。現在の同社はメインフレームを使っている大企業数社を顧客にしている。同氏によると、今回得られた資金は営業とマーケティングを拡充してこのソリューションの市場を広げることに当てたいという。

関連記事:IBMのメインフレーム事業は健在、新機種z15を発表

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アルゴリズム化されたインボックスでメッセージングやメール、カレンダーを一元管理する‘nflow

いわゆる「Slackたたき」(Slack-lash)については、今や多くの記事が書かれており、今やってる仕事から注意を奪ってしまうDMの妨害への対応に、職場の人びとは困り果てている。象徴的に悪玉に挙げられているのがSlackだが、それでもここ数年VCは、Slackに代表されるような、チャットを区分けしてコメントできる、職場のワーカーたちの足元をぐらつかせる、数多くのコラボレーションツールに積極的に投資してきた。

コラボレーションに対するVCの関心はそろそろピークに達したのではないか、とも思うが、それでもVCたちは、その成長の鈍化を補うために、今度はおしゃれなインタフェイスのメッセージングツールの多様な機能を、わかりやすくそして使いやすくするためのツールに、さらに熱心に投資している。彼らの最新の投資対象である’nuffsaidも、そんな生産性スタートアップのひとつだが、でもこいつは、2020年におけるメッセージングの利用を、少しは我慢できるものにしてくれるかもしれない。

ユタ州出身の同社は今日(米国時間2/11)ステルスを脱し、同社の生産性プラットホームの最初の成分をアーリーアクセスで公開した。そして同時に同社は、430万ドルのシード資金を、General CatalystとGoogleのGradient Ventures、Global Founders Capital、Work Life Ventures、SV Angel、そしてWasabi Venturesから調達した。

’nuffsaidという奇妙な社名の同社がアーリーアクセスでリリースした、同じく奇妙な名前のプロダクトが‘nflowだ。それは、複数のコラボレーションプラットホームとカレンダーを一つのインボックスへまとめる。アルゴリズム化されたタイムライン(algorithmic timeline)がソーシャルメディアのコンテンツのファイヤホーズ(firehose、全ストリーム)を理解可能に消化してくれるように、同社のアルゴリズム化されたインボックス(algorithmic inboxes)はスラックたたきのソリューションかもしれない。そして’nuffsaidは、アルゴリズムによってSlackのメッセージやメール、テキストメッセージ、Zoomのメッセージなどに優先順を付け、検索可能な一元化されたインボックスを作る。それにより、ユーザーのすべてのメッセージが単一のアプリの下に置かれ、緊急なものと、今の仕事が終わってからのものなどに分類できる。

CEOで共同創業者のChris Hicken氏は、次のように語る: 「既存のワークフローにAIを加えることは、それ自体が今やひとつのカテゴリーだと思う。‘nflowは、そんな未来へ送り出した、最初のささやかな製品だ」。Hicken氏はそれまで、UserTestingのCOOだった。

‘nflowのすごいところは、カレンダーをコミュニケーションハブの中へ持ち込んだことだ。Google Calendarは未だに、生産性ワークフローの中のよそ者だ。メッセージやメールをカレンダーイベントのベースにすることは、つねに要望のレベルにとどまっていた。これまで、十分にタイトな統合が為されたことはない。’nuffsaidはドラッグ&ドロップでカレンダーのイベントを作るが、そのときチームメンバーの名前のタグを付けたり、そのほかの情報を加えられるのが魅力的だ。私自身まだ、読者に100%お勧めできるほど、使い込んではいないのだけど。

’nuffsaidによると、‘nflowの商用化バージョンは月額使用料が25ドルとやや高いが、今のアーリーアクセスに登録したユーザーは、いつまでも月額10ドルで使える。

‘nflowが、メッセージングの過剰に悩む一般ユーザー向けのプロダクトだとすると、今後同社が作ろうとしているのは、個々の企業のワークフローの特殊性に沿った、十分なカスタマイズのできるメッセージ管理ツールだ。

そして今年の夏には、さまざまなアプリに統合できる、顧客の成功を支えるAIモジュールを予定している。それによって仕事の優先順付けや、CR(カスタマーリレーション)機能を各アプリが持てるようになる。一般的なモジュールではなく、エンジニアリング用、プロダクト用、マーケティング用など、部門別にモジュールが提供される。

投資家を代表してGeneral CatalystのマネージングディレクターNiko Bonatsos氏は次のように語る。「コラボレーションツールは多すぎるほどあるが、’nuffsaidの良いところは、仕事の現場で使えることと、ユーザーに手順等の変更を求めないことだ。ユーザーにとっては、メールを初め、顧客とのコンタクトは以前のままだ。ツールがユーザーに、慣れない新しいことを強制しない」。

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DevOpsポリシーエンジンのDatreeがY Combinatorに入学

DevOpsのポリシーエンジンをGitHubで作っているアーリーステージのスタートアップであるDatreeは米国時間2月6日、シリーズAラウンドで800万ドル(約8億7864億円)を調達した。同社はまた、Y Combinatorの2020年冬季に参加したことも発表した。

BlumbergとTLV Partnersがラウンドをリードし、Y Combinatorが参加した。2018年に発表した300万ドル(約3億2949億円)のシードラウンドを合わせると、同社は今や1100万ドルを調達している。

共同創業者でCEOのShimon Tolts(シモン・トルツ)氏によると、コードを調べて問題を見つけることもDevOpsのチームにとって必要なことだが、彼らはルールの定義でヘルプを求めている。そこでDatreeは一連のルールパッケージを作ってコードをそれらと照合し、コードを動かして乖離や問題点を見つけられるようにした。

トルツ氏は「Datreeは開発のベストプラクティスとコーディングのスタンダードと、セキュリティおよびコンプライアンスのポリシーを提供する。今ではユーザーがDatreeに接続するとDatreeがソースコードを参照してコードベースの全体をスキャンし、ユーザーのテクノロジースタックに基づいて開発のベストプラクティスを推奨する」と説明する。

これらのルールパッケージは同社自身の専門的能力をベースに作るほかに、コミュニティからの支援もあり、また外部エキスパートとのパートナーシップもある。同社のDockerセキュリティパッケージでは、Aqua Securityとチームを組んだ。

デベロッパーはGitHubで仕事をしているので、これらのルールはGitHubで適用される。彼らはコードをコミットする前に適切なルールパッケージをそれに対して動かし、ベストプラクティスに適合していることを確認する。

Datreeのルールパッケージ(スクリーンショット提供:Datree)

トルツ氏によると、シードラウンドの後でY Combinatorに着目したのは、ビジネスの構築にガイダンスが欲しかったからだ。彼は「Y CombinatorがDatreeの助けになることはわかっていた。DatreeのプロダクトはYC企業の95%にふさわしいからだ。もっと勉強すれば、より成熟したYC企業との6桁の契約も獲得できるようになるだろう」と語る。

DatreeはY CombinatorのCEOであるMichael Seibel(マイケル・ザイベル)氏直属で仕事をしており、2020年冬季の一員になったことによってマーケティングと営業力の強化が期待される。2017年から操業していて既存のプロダクトもあり、「社員が12名いる同社は典型的なYC企業とは言えないが、長期的には今回の参加が経営に大きく貢献する」とトルツ氏は感じている。

関連記事:Datree gets $3M seed round to build DevOps policy engine in GitHub(300万ドルのシード資金を得たDatreeがGitHubでDevOpsのポリシーエンジンをを作る、未訳)

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グラフデータベースNeo4jのバージョン4.0はサイズ制限のないスケーリングが可能に

グラフデータベースのメジャーであるつNeo4jが今日(米国時間2/4)、バージョン4.0のリリースを発表した。最大の目玉は、スケーリングのサイズに制限がなくなったことだ。

グラフデータベースは複数のデータ間の結びつきを表現し調べることができるので、近年ますます人気がある。たとえばeコマースのサイトなら互いに関連するアイテムを表現したいし、ソーシャルサイトでは自分の友だちと、友だちのそのまた友だちなど、複雑な友だち関係を知りたいだろう。主に企業で人気が増していて、特にデータサイエンティストたちが好んでいる。大量のデータの中の関係を表現し見つけられるからだ。

Neo4jの創業者でCEOのEmil Eifrem(エミル・アイフレム)氏によると、グラフデータベースというコンセプトを開発したのは同社だが、その後大きく成長し、多様な展開を見せてきた。「2019年は一般的にも良い年だったが、グラフデータベースにとってはさらに良かった。我々がグラフという言葉とデータベースという言葉をくっつけたときには、そういう新しいカテゴリーを作ることと、その市場開拓に力を入れてきた。そしてそれを、新しいコンセプトとして布教してきた」と語る。

「今度のニューバージョンはかなりのメジャーリリースであり、彼がフォーカスしたいこともいろいろある。まず最初は、大きさ制限のないスケーリングだ。バージョン4.0では高度な水平スケーリングを導入したので、それが可能になった。これまでのバージョンではデータベース全体にわたってデータを複製してきた。それはデータ処理でよく使われる方法だが、データ量がスケールすると遅くなる。ニューバージョンでは、それを変えたかった」と同氏。

同氏によると「4.0ではパーティショニングを導入した。それは、データベースの世界では『シャーディング』と呼ばれている技法だ。リードライトとサイズの両方をスケールできるから超強力な機能だ。限界があるとすれば予算、つまりどれだけ多くのマシンを加えられるかだ」とのこと。

ニューバージョンには、ロール(役割)ベースのアクセスが加わった。グラフデータベースが個々の部門やチームから全社に広がると、各人のロールに基づいて特定のデータへのアクセスを制限することが極めて重要になる。

これについても同氏は「今日では、Neo4jのグラフデータベースは全社的に広くデプロイされている。すると、セキュリティやプライバシーの問題も生じる。そこで、ロールベースのアクセスによりデータを保護するのだ」と説明する。

ニューバージョンにはほかにも多くの機能がある。例えば、単一のNeo4jクラスターで複数のデータベースを動かしたり、また「リアクティブシステム」のサポートもある。後者によりデベロッパーはデータベースとアプリケーションのやり取りを完全にコントロールでき、頑強性のあるデータパイプラインの確保と、データのストリーミング、機械学習などにもそれが応用できる。

Neo4jは2007年の創業。Crunchbaseによると、これまで1億6000万ドル(約176億円)あまりの資金を調達している。

関連記事:Neo4j nabs $80M Series E as graph database tech flourishes(グラフデータベースが大人気でNeo4jはシリーズEで8000万ドルを調達、未訳)

画像クレジット:Neo4j

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大量のトランザクションをブロックチェーンで一元管理するClearが約14億円を調達

Clearは野心的なアーリーステージのスタートアップだ。同社は、通信企業間の決済など大量のトランザクションを処理するためのブロックチェーンを構築しようとしている。米国時間2月5日、シリーズAで1300万ドル(約14億円)を調達した。

このラウンドはEight Roadsがリードし、Telefónica Innovation VenturesとDeutsche TelekomのTelekom Innovation Pool、HKT、そしてSingtel Innov8が参加した。

今回のラウンドに参加した投資家が通信企業であることは偶然ではない。Clearのブロックチェーンによるトランザクションネットワークの初期のユースケースは、世界中の通信企業間の決済の移転だ。今それは、手作業のエラーになりがちなやり方で行われている。

Clearの共同創業者であるGal Hochberg(ガル・ホッホバーグ)氏によると、同社のミッションはこれまでのビジネスの各種契約をデジタルに置き換えること。これは、デジタル台帳の用語ではスマートコントラクトと呼ばれている。

同氏は「Clearが実現するのは、ビジネスパートナと信頼できる状態を作ることだ。なぜなら彼ら全員が、料金もユーザーの利用状況も同じもの、同じ情報を見るからだ。Clearを導入すれば、彼らはどんな問題でもリアルタイムで見つけられる。商用の情報でもサービスのデリバリーでも、それらの問題をClearのプラットホームの中で実際に解決できる」と語る。

複数の国境にまたがる大量のトランザクションをブロックチェーンで処理すると、そのスマートコントラクトは規約の自動的な執行者となり、月末まで待たされてエラーが見つかり解決プロセスを開始するといった非効率さがなくなる。問題の発見と解決がリアルタイムで行われるからだ。決済までの時間が短縮され、対立の解決もスピードアップする。

同氏は「ブロックチェーンを使えば、そういう対話的な操作を監査可能で、暗号化により安全、そして当事者たちが同期して全員同じ情報を見ている状態で進められる」と説明する。

繰り返すと、同社は世界中の通信企業の膨大な量のトランザクションを支えている。その国境横断性は良いテストケースだ。しかしホッホバーグ氏によると、それはスタート地点にすぎないという。まだ完全に完成した姿ではないが、何億件もの課金を伴うイベントを処理できることは実証された。

今回の資金により同社は、今年の前半にはキャリアクラスのプロダクションを完成させたい。また、これだけ資金があれば、通信以外の分野にも進出できるだろう。

関連記事:Kadena fulfills hybrid blockchain vision with launch of public chain(パブリックチェーンでハイブリッドブロックチェーンを目指すKadena。未訳)

画像クレジット: Clear

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HPEがクラウドネイティブのセキュリティを追究するScytaleを買収

HPEが、クラウドネイティブのセキュリティサービスScytaleを買収した。そのサービスは、オープンソースのセキュリティプロトコルSecure Production Identity Framework for Everyone(SPIFFE)をベースにしている。両社は買収の価額を公表していない。

Scytaleは、複数のアプリケーションにまたがってアイデンティティ、すなわち認証とアクセスを管理する。最近では人間が介入しなくても勝手に複数のアプリケーション間で行われるトランザクションが多くなっているので、このようなサービスはますます重要だ。特に重要なのが、情報が他のアプリケーションと共有されてもいいと、当のアプリケーションが認知・許可していることだ。

これはHPEにとっても、今後広げたい分野だ。HPEのフェローでクラウドレスコンピューティングのゼネラルマネージャーであるDave Husak(デイブ・フサック)氏が、買収を発表するブログ記事に「HPEが次の章に進み、弊社独自のエッジツークラウドのPaaSをお届けしていくためには、セキュリティが一貫して重要な役割を担い続ける。ハイブリッドでマルチクラウドな環境で操業している企業ならどこでも、データとアプリケーションのアイデンティティをリアルタイムで動的に識別し認証する、完全に安全でゼロトラストなシステムが必要だ」と書いている。

彼は、HPEがSPIFFEとSPIRE(SPIFFE Runtime Environment)プロジェクトの支持者であり続けることも、書き忘れていない。どちらも、Cloud Native Computing Foundationの傘下にあるシステムだ。

Scytaleの共同創業者Sunil James(サニル・ジェームス)氏も別のブログ記事で「この買収はScytaleのルーツがオープンソースであることをHPEが尊敬していることが鍵だ」と語る。同氏によると「ScytaleのDNAはセキュリティと分散システムとオープンソースだ。HPEにおいてもScytaleはSPIFFEのサポートを継続する。弊社の絶えず成長している、発言力の強いコミュニティが、われわれをリードするだろう。今後も、この透明でベンダーニュートラルなプロジェクトのメンテナンスにしっかりと取り組んでいきたい。そのことは、動的でオープンで安全なエッジツークラウドのプラットホームを提供していくHPEにとっても、同じく重要だ」とのこと。

PitchBookのデータによると、Scytaleは2017年に創業し、これまでに800万ドル(約8億7000万円)を調達している。その中では、昨年3月のBessemerがリードしたシリーズAの500万ドルが大きい。なお、この買収は米国時間2月3日に完了した。

関連記事:Scytale grabs $5M Series A for application-to-application identity management(複数のアプリケーションにまたがってIDを管理できるScytale、未訳)

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ハイブリッドITのオペレーションを助けるOpsRampが40億円超を調達

企業のITチームによる、ハイブリッド環境の理解と監視、管理、そして最も重要な項目である自動化を支援するOpsRampが米国時間1月30日、Morgan Stanley Expansion Capitalがリードする3750万ドル(約40億9100万円)の資金調達ラウンドの完了を発表した。これには、前からの投資家であるSapphire Venturesと新たな投資家Hewlett Packard Enterpriseが参加した。

OpsRampのこの前の資金調達は2017年で、そのときはSapphireが2000万ドルのシリーズAをリードした。

OpsRampのサービスの中核は、そのAIOpsプラットホームだ。このサービスは機械学習とそのほかの技術を利用して、近年ますます複雑性を増しているインフラストラクチャのデプロイとその管理を支援し、インテリジェントなアラートを提供するとともに、最終的にはチームのタスクの多くを自動化する。同社のプロダクトにはさらに、クラウドのモニタリングやインシデント管理のツールも含まれている。

同社によると、その年商は2019年に前年比で300%増加した(ただしその額は非公表)。顧客は1400社あり、またAWSやServiceNow、Google Cloud Platform、およびMicrosoft Azureなどのクラウドベンダーをパートナーにしている。

OpsRampの共同創業者でCEOのバルマ・クナパラジュ氏

共同創業者でCEOのVarma Kunaparaju(バルマ・クナパラジュ)氏によると、顧客企業の多くは大企業と中規模企業だ。同氏によると「これらの企業のITチームは大きくて複雑なハイブリッド環境を抱えていて、その単純化と一元化に苦労している。しかも、そういう思いとは裏腹にシステムとインフラストラクチャはますます分断化し、バラバラになっている。それでもなお、彼らは弊社のパートナーであるクラウドベンダーたちの成功に倣って、自分もFortune 5000社のグローバル企業の一員を目指したいと願っている」。

クナパラジュ氏によると、同社は今回の資金をマーケティングと製品開発の拡充に充てたいと考えている。「資金は主に、ヨーロッパ、中東、アフリカ、アジア太平洋などへの市場拡大に使いたい。ただしもちろん、北米におけるプレゼンスの拡張も重要だ。また、さまざまな方向性の製品開発にも力を入れたい」と続ける。

ハイブリッドクラウドは企業のITの負荷を増大し、利用するツールも増えるから、それを助けるOpsRampのようなスタートアップに投資家が着目するのも当然だ。今後このような投資案件は、さらに増えるだろう。

Hewlett Packard Pathfinderのトップで副社長のPaul Glaser(ポール・グレイザー)氏は 「我々も顧客企業のハイブリッドインフラストラクチャへの移行が増えている。そういう傾向に合わせて、OpsRampはITのオペレーションを管理するサービスとして差別化を図っており、それは弊社HPEの中核的戦略にもよく沿うものだ。OpsRampのプロダクトのビジョンと顧客企業からの支持を見ると、今は彼らの成長と拡大に投資すべき絶好のタイミングだ」と語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

15億円超を調達したSpatialは没入的VR/ARでオフィスのバーチャル化を狙う

VR/ARはまだ一般消費者向けプロダクトとしてはメインストリームとなっていないが、MR(混合現実)テクノロジーによってバーチャルオフィスを実現しようとするスタートアップが資金を調達することに成功している。

Spatialが提供するのは「ホログラフィック・オフィス」だ。これは共同作業のプラットフォームで 複数のオフィスワーカーが同一の3D仮想空間を共有し、人々をアバターで表示することにより少ないリソースで相手があたかも同じ部屋にいるような体験を可能にする。会話したり図表をバーチャルな壁に掛けて示すことも可能だ。いわばGoogle Hangoutや Zoomのバーチャル・リアリティー版というところだ。

以下のSpatioalの紹介ビデオは私が今月のCESで撮影したものだ。

このSpatialは米国時間1月30日、シリーズAのラウンドで1400万ドル(約15億2700万円)のベンチャー資金を確保したことを発表した。同社はサービスに新機能を追加すると同時にサポートするハードウェアを拡大する。またSDKなどを通じてサードパーティが容易にサービスを利用できるようにしていくとしている。

今回のラウンドは、WhiteStar Capital、iNovia、Kakao Venturesがリードし、Baiduと個人投資家が加わった。Instagramの共同創業者であるMike Krieger(マイク・クリーガー)氏、ZyngaのMark Pincus(マーク・ピンカス)氏も参加している。Spatialは 2018年8月のシードラウンドで800万ドルを調達しているので合計2200万ドルとなる。「会社評価額は公開していない」と共同創業者でCEOのAnand Agarawala(アナンド・アガラワラ)氏は述べている。最高プロダクト責任者のJinha Lee(リー・ジンハ)氏がもうひとりの共同創業者だ。

投資家には、Expa、Lerer Hippeau、 Leaders Fund、Samsung NEXTなどのほかにMacintoshの開発で知られるAndy Hertzfeld(アンディ・ハーツフェルド)氏も加わっている。

VR、ARマーケットではMagic Leapだけでも30億ドルの資金を集めている。この市場の会社評価額総額は450億ドルにも上り、Facebookに買収されたOculusのように 高額のエグジットも記録されている。 しかしVRデバイスの販売台数はさほど急激に成長しておらず、昨年の販売は600万台にとどまったもようだ。

【略】

アガラワラ氏はBumpTopの創業者でもあり、2010年にGoogleに買収されて以後、Googleの幹部を長く務めてきたSpatialをSDKを通じて普及させ、多くの人々が使うプラットフォームにしようとする同社の考え方はこうした同氏の経歴によるところが大きい。

「Spatialではアバターを利用し、ハンドジェスチャーで直感的に制御できる複数OSをサポーするバーチャル・オフィスという我々のフレームワークを利用したアプリケーションが多数生まれてプラットフォーム化することを目指している。しかしこの目標を実現するには何年もかかるだろうと覚悟していた。つまり現実のニーズがないところでAR/VRプラットフォームのマーケットもまた立ち上がらないからだ。しかし最近はエンタープライズ向けVR/ARに強い関心が寄せられるようになったので、今年にもブレークできるだろうと期待している」と同氏は言う。

Spatialへの投資家の一人のMike Krieger(マイク・クリーガー)氏は、Loom、Figma、Pitchなど他のエンタープライズ向け共同作業プラットフォームにも投資している。同氏によればSpatialは単なるVR/ARテクノロジー企業ではなく、バーチャルオフィスを作って広くエンタープライズに提供するというビジョンを持っている点が重要だという。これは企業向けチャットサービスのSlackが驚くべき急成長を遂げたのと比較できるかもしれない。

「SpatialのMR(混合現実)ソリューションは将来の効率的オフィスのカギとなるはずだ。ZoomやSlackなどに代表される現在のコミュニケーションのレベルを超えて、未来の共同作業のフレームワークを作るものだ。こうした試みを支援することができることに興奮している」とクリーガー氏は声明で述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

レガシー企業のITをクラウドネイティブ&サーバーレス化するTriggerMesh

オープンソースのKubernetesを利用するエンタープライズサービスのTriggerMeshは、企業がクラウドや従来型のデータセンターで動かしているアプリケーションの「サーバーレス化」を支援する。同社はこのほど300万ドル(約3億2800万円)のシード資金を調達した。

このラウンドをリードしたのは、Index VenturesとCrane Venture Partnersだ。TriggerMeshによると「この投資は同社の開発チームを増員して、同社が自称する業界初の『サーバーレス時代のためのクラウドネイティブな統合化プラットホーム』を提供していくために使いたい」という。

同社の2人の創業者である、CEOのSebastien Goasguen(セバスチャン・ゴアスグエン)氏とCMOのMark Hinkle(マーク・ヒンクル)氏は、どちらもオープンソースの世界では名を知られた人物だ。二人の出身地は、ジュネーブとノースカロライナである。TriggerMeshのプラットホームにより企業は、複数のクラウドやデータセンターにまたがるエンタープライズ級のアプリケーションを構築できる。同社によると、サーバーレスというアーキテクチャがもっと普及するには、そこが克服すべき難関だ。

TriggerMeshのプラットホームとサーバーレスのクラウドバスは、「アプリケーションのフローオーケストレーション」(イベントフローのオーケストレーション)を行い、さまざまなデータセンターアプリケーションやクラウドのイベントソースからのイベントを消費して、サーバーレスのファンクションをトリガーする。

それを同社は「クラウドネイティブのアプリケーションはクラウドで大量のサーバーレスの提供物を使うから、TriggerMeshは宣言的なAPIと各種のツールを提供して、モダンなアプリケーションを構成するイベントフローとファンクションを定義できるようにする」と説明する。

特にTriggerMeshがセールスポイントとして強調するのは、レガシーなエンタープライズなどにおけるオンプレミスソフトウェアとの統合化だ。同社のソフトウェアによりSaaSやサーバーレスのクラウド提供物、そしてオンプレミスのアプリケーションへの接続が容易になり、低コストかつ迅速にスケーラブルなクラウドネイティブアプリケーションを提供できる。

Crane Venture Partnersの共同創業者でパートナーのScott Sage(スコット・セージ)氏が声明で「今は膨大な数の非接続アプリケーションがあり、それらはクラウドコンピューティングや増加する一方のネットワーク接続を十分に利用できない。多くの企業にクラウドとオンプレミスのアプリケーションの何らかの組み合わせがあり、さまざまなベンダーからのアプリケーションが増えるに伴い、統合化のニーズが今や限界まで高まっている。TriggerMeshのソリューションはこのニーズに理想的にフィットしており、そのために魅力的な投資対象にもなっている」と語る。

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Google Cloudに秘密データを管理するSecret Managerが登場

米国時間1月22日、Google CloudはSecret Manager発表した。これを利用してユーザーは、APIのキーやパスワード、証明などのデータを安全に保存できる。これによりGoogle Cloudは、ユーザーが単一のツールでこの種のデータを管理し一元化できる場所を提供する。それは高度なIT部門のあるエンタープライズですら往々にして欠けている機能だ。

Googleのデベロッパーアドボケイト(サードパーティーの開発者を支援する役職)のSeth Vargo(セス・バルゴ)氏とプロダクトマネージャーのMatt Driscoll(マット・ドリスコ)氏は本日の発表声明で「多くのアプリケーションが、データベースやAPIキーへのアクセスに本人証明情報を要求している。しかし企業にはデータの複雑怪奇な拡散現象や可視性の邪魔、そして統合化の欠如があるので、秘密データの保護が難しい」と語る。

Googleはすでに秘密情報を管理するオープンソースのコマンドラインツールBerglasを提供している。Secret ManagerとBerglasは相性がいいので、ユーザーは秘密情報をオープンソースのツールであるBerglasからSecret Managerに移し、Berglasを使ってクラウドベースのツールであるSecret Managerからのデータを作ったりアクセスしたりできる。

またGoogleは、暗号鍵を管理するKMSで、管理の完全な鍵管理システムを(他のクラウドサービスと同様)提供している。BerglasとKMSは、互いに補い合う関係だ。Googleも言っているが、KMSは秘密データを保存しない。ユーザーがどこかに保存した秘密データを暗号化するだけだ。そしてGoogle Cloudへの秘密データの保存と管理は、Secret Managerが行う。

Secret Managerには、達等エバ秘密データのバージョンを管理したり監査ログを取るツールもある。Secret Managerにある秘密データは、プロジェクトのグローバルリソースでもあるとGoogleは強調している。競合するツールは、1つのリージョンの秘密データを管理することが多い。

この新しいツールは現在ベータで、Google Cloudのすべての顧客が利用できる。

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クラウド上でAndroidアプリを動かすCanonicalのAnbox Cloud

Linuxの人気ディストリビューションUbuntuのCanonicalが、米国時間1月21日、クラウドサービスAnbox Cloudの立ち上げを発表した。企業はこのクラウドプラットホーム上でAndroidを動かすことができる。

Androidは、Anbox Cloudの上でゲストオペレーティングシステムになり、コンテナ化されたアプリケーションを動かす。これにより独自のエンタープライズアプリケーションやゲームサイトなど、さまざまなユースケースが期待されている。

Canonicalのクラウドサービスは、GoogleがChrome OSの上でAndroidアプリを動かせるようにしていることと似ているが、実装はまったく異なり、コンテナマネージャーLXDをベースとし、コンテナのプロビジョニングやデプロイの自動化などのためにJujuMAASといったCanonicalのプロジェクトを多数利用している。同社は発表声明で 「LXDのコンテナは軽量なので、仮想マシン上のAndroidエミュレーションと比べて、少なくとの2倍のコンテナ密度が得られる。ただし実際には、ストリーミングのクオリティーやワークロードの複雑さによって異なる」と述べている。

なお、Anbox自体はCanonicalとUbuntuの幅広いエコシステムから生まれたオープンソースプロジェクトだ。Anboxは2017年にCanonicalのエンジニアであるSimon Fels(サイモン・フェルズ)氏が立ち上げ、完全なAndroidシステムをコンテナで動かす。これによりユーザーは、Androidのアプリケーションを、どんなLinuxベースのプラットホーム上でも動かすことができる。

しかし、その意味は何だろうか? Canonicalの主張によると、Anbox Cloudを利用することで企業はモバイルのワークロードをクラウドへオフロード可能になり、それらのアプリケーションを社員のモバイルデバイスへストリームできる。またCanonicalによれば、5Gの普及により多様なユースケースが生まれるが、それに貢献するのは大きな帯域よりもむしろレイテンシーの低さだという。

Canonicalのプロダクト担当ディレクターStephan Fabel(ステファン・ファベル)氏は 「5Gのネットワークとエッジコンピューティングの普及により、多くのユーザーが、自分の好きなプラットホーム上で、超リッチなAndroidアプリケーションをオンデマンドで利用できるようになる。企業は高性能で高密度のコンピューティングをどんなリモートデバイスにも提供できるようになり、しかもその際の電力消費といった経費はきわめて低い」と発表で述べている。

Canonicalはエンタープライズ以外に、ゲーミングおよびゲームのストリーミングにも重要なユースケースを展望している。スマートフォンはますます強力になりつつあるが、それでも結局のところ、クラウド上のサーバーには敵わない。そこにCanonicalは目をつけている。

Canonicalが挙げるもう1つの重要なユースケースが、アプリのテストだ。デベロッパーはこのプラットホームを利用して、何千台ものAndroidデバイス上でアプリを並列させてテストできる。ただしAndroidのエコシステムは分裂が激しいため、重要なテストはエミュレーションでなく実機上で、となるかもしれない。

Anbox Cloudをパブリッククラウドで動かすことはできるが、CanonicalはエッジコンピューティングのスペシャリストをPacketとパートナーにして、それをエッジ上やオンプレミスでホストする。このプロジェクトのハードウェアパートナーは、AmpereとIntelとなっている。

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ユーザーフィードバックを一元化し強力な顧客コミュニティを構築するSaaS、Harvestr

Harvestrは、プロダクトマネージャーがさまざまなところから寄せられるのユーザーフィードバックを一元化するSaaSだ。プロダクトマネージャーは、未解決の問題や機能のリクエストに優先順をつけることができ、問題が解決したり機能が実装されたら、このプラットホームから顧客に報告することも可能だ。

同社はこのほど、Bpifranceがリードするラウンドで65万ドル(約7200万円)を調達した。さまざまなエンジェルたち、360Learningの共同創業者Nicolas Hernandez(ニコラス・エルナンデス)氏とGuillaume Alary(ギヨーム・アラリー)氏、Station FのディレクターRoxanne Varza(ロクサーヌ・バルザ)氏などが参加。後者はAtomico Angel Programmeから参加した。

Harvestrは、ZendeskやIntercom、Salesforce、Freshdesk、Slack、Zapierなどとダイレクトに統合する。たとえばユーザーがZendeskでチケットを開いたり、別のユーザーがサポートチームとIntercomのチャットウィジェットで会話をしたら、それらすべてがHarvestrに集まる。

すべてを1つのシステムにまとめたら、Harvestrは緊急のものや、影響の大きいものからタスクの優先順をつけてくれる。

新機能を作ったり、公開するときには、それをリクエストしたユーザーにコンタクトすることもできる。

これによりHarvestrは、プロダクトのヘビーユーザーが集まった強力なコミュニティを築く。このコミュニティ構築には、さまざまな利点がある。

まず、ユーザーへの連絡を絶やすことなく、彼らに見返りを与えることができる。これにより、顧客満足度はさらに上がり、解約なども減る。熱心に利用してくれている顧客は、プロダクトを広めてくれるアンバサダーになってくれるだろう。

Harvestrの使用料は5名で月額49ドル(約5400円)、20名では99ドル(約1万1000円)だ。現在、360LearningやHomeExchange、Dailymotionなどで働いている人たちがHarvestrを利用している。

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MicrosoftとSlackの争いは、2020年も広告やアクティブユーザーの数などで行われる

Microsoft(マイクロソフト)のTeamsSlack長期戦は、2020年も続いている。米国時間1月17日朝、Microsoftは同社のエンタープライズコミュニケーションサービス、Teamsの初めてとなるグローバルな広告キャンペーンと同社が呼ぶものを発表した。

先日IPOしたSlackは、2010年代の後半に大ブレイクし、スタートアップ世界のテクノロジースタックを深く掘り下げることによって巨額の売上を立てた。スタートアップとして登場した同社は、その後大企業にも食い込んで成功を持続し、エンタープライズを相手にした方が一度に大きな売上を得やすいことを悟った。

しかしエンタープライズの生産性ソフトウェアといえば、Microsoftの大きな主戦場だ。Slackの急伸を見たMicrosoftは、生まれたばかりのライバルを買収しないことに決めた。そして、Slackと競合するTeamsに投資した。なお、本日発表された広告キャンペーンは両社における初めての広告合戦ではない。

関連記事: SlackのバタフィールドCEOがマイクロソフトの「比較広告グラフ」を非難

SlackとTeamsは、ユーザー数の発表でも争っている。最近、Microsoft はTeamsの一日のアクティブユーザー(DAU)が2000だと発表した。Slackの最新の数は1200万だ。しかしSlackは、2000万のうちのどれだけが、本当にアクティブなユーザーか、とやり返した。Microsoftの数字と自分たちの数字を単純に比較するのは無意味だ、と言いたいのだ。しかしそれでも、両社の発表数はこのところますます差が開いている。

Microsoftによる今回の広告キャンペーンは、Slack対Teams戦の新しい章となる。重要なのは、広告だけではなく、今回Microsoftが、Teamsの知名度向上を戦いの焦点に選んだことだ。

株価

TeamsはMicrosoftが長年築いてきたOffice 365という大きな建物の一部だが、SlackはSlackという企業のビジネスだ。しかも直接上場だから、その株価からも何かが匂ってくる。

Slackの株価はデビュー時の30ドル台半ばから、20ドル台前半へ下がっている。調べてみると、Slackの株が市場で嫌われているのではなく、同社が上場初期の値付けを間違えたのだ。同社の株価は売上に対する倍率が上場初日からは下がったが、依然としてリッチだ。投資家たちはSlackを、優秀企業として値付けしている。

今後SlackとMicrosoftは、DAUの数字を争い続けるだろう。問題は、Microsoftというエンタープライズの大物にSlackというブランドが耐えられるかという点だ。

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サーバーレス開発モニタリングのEpsagonが17億円超を調達

イスラエルのEpsagonは(エプサゴン)、サーバーレスやコンテナなどのモダンな開発環境のモニタリングを助ける。同社はこのほど1600万ドル(約17億6200万円)のシリーズA調達を発表した。

同社にとって新しい投資家であるU.S. Venture Partners(USVP)が、このラウンドをリードした。また、これまでの投資家であるLightspeed Venture PartnersとStageOne Venturesも参加した。同社によると、これで調達総額は2000万ドル(約22億円)になる。

CEOで創業者のNitzan Shapira(ニッツァン・シャピラ)氏によると、同社は昨年プロダクトを拡張して、同社のルーツであるサーバーレス以外にも手を広げたが、同時にまた、さまざまな形のモダンな開発への深いインサイトを提供している。

シャピラ氏は「5月にEpsagonのマイクロサービスのためのプラットホームをクラウドに立ち上げたときお話したように、それにはコンテナやサーバーレスなど、マイクロサービスのアプリケーションを作るためのありとあらゆるワークロードが含まれている。さらにその後も、かなりの数の重要な発表を行なった」と語る。

最初に同社が発表したのはKubernetesのワークロードのトレーシングとメトリックスで、それにはネイティブのKubernetesのほかに、AWS EKSやGoogle GKEのようなマネージドKubernetesサービスも含まれている。シャピラ氏によると「数カ月前に、Kubernetesの統合を発表した。だからKubernetesのワークロードがあるところならワンクリックでEpsagonと統合でき、すぐにすべてのメトリックスを得られる。トレーシングのセットアップも数分でできる。これによって弊社のプロダクトには、極めて多数のユースケースが開けたことになる」とのこと。

同社はさらに、Amazonのクラウド上で使えるノーコードプログラミングツールであるAWS AppSyncのサポートも発表した。「AppSyncにトレーシングを導入したモニタリングプロバイダーはうちが唯一だが、しかしノーコードプログラミングは多くの人たちがモニタリングやトラブルシューティングで苦戦している分野なのだ」と同氏は語る。

「今回の資金でプロダクトをさらに拡張し、特にMicrosoft AzureとGoogle Cloud Platformのサポートを充実させたい。手作業で構成している一部のタスクの自動化を拡張したい」」とシャピラ氏。「プロダクトはできるかぎり最大限自動化したい。そうすればユーザーは、わずか数分ですごい体験を得られる。それらは、より高度なモニタリングや、さまざまな問題の検出とトラブルシューティングなどだ」と続けた。シャピラ氏によると、今の社員数はだいたい25名だが、年内に倍増したいそうだ。

関連記事:サーバーレスをモニタするEpsagonがAWS Lambdaオンリーを脱して多極化

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Googleによるノーコード開発のAppSheet買収で、プログラマー不在でもアプリ開発が容易に

Googleが米国時間1月14日、創業8年のノーコードでモバイルアプリケーションを開発できるプラットホームAppSheetの買収を発表した。PitchBookのデータによると、同社は6000万ドル(約66億円)の評価額で1700万ドル(約19億円)を調達している。両社とも、買収額は公表していない。

Googleは、AppSheetの買収で、企業がコードを1行も書かない簡単なモバイルアプリ開発環境を提供できるようになる。それはデータをスプレッドシートやデータベース、フォームなどから抽出し、それらのフィールドや列の名前をアプリ構築のベースにする。

統合されるGoogle CloudにはすでにGoogle SheetsやGoogle Formsがあるが、AppSheetはAWS DynamoDBやSalesforce、Office 365、Boxといった他のツールでも使うことができる。Googleによると、買収完了後もこれらのプラットホームへのサポートは続ける。

Google Cloudの副社長Amit Zavery(アミット・ザベリー)氏が、ブログで書いているように、この買収によりデベロッパーや開発チームがない企業でもモバイルアプリを作れるようになる。「この買収でエンタープライズは大量の一般社員に力をつけ、プロのプログラマーがいなくてもアプリケーションを容易に開発したり、拡張できるようになる」とザベリー氏は言う。

Googleに買収されたスタートアップの創業者がよく言うように、AppSheetの共同創業者でCEOのPraveen Seshadri(プラヴィーン・セシャドリ)氏も、単独の企業ではできなかった市場拡大がGoogleの下でできるようになる、と発言している。

セシャドリ氏は「G SuiteやAndroidなど、Googleのすばらしい財産を利用できることで得られる可能性はとても大きい。それによりAppSheetの機能性とスケール、パフォーマンスを向上できるだろう。今後はAppSheetの長所とGoogleの専門的能力を組み合わせて、金融サービスやリテール、メディア、エンターテインメントなどの業種も顧客にしていきたい」と記している。

Googleとしては、ノーコードを同社の開発哲学の延長として、ワークフローオートメーションや、アプリケーションインテグレーション、API管理などと並ぶ重要なサービスに位置づけていくようだ。

AppSheetのようなノーコードツールが、高度な開発環境に置き換わるわけではないが、これまでモバイルアプリの開発能力がない企業に、ちゃんとした力を提供していくことは確実だ。

画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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アドビがCMS「Adobe Experience Manager」をクラウドネイティブSaaSとして提供開始

Adobe(アドビ)は米国時間1月14、同社のコンテンツ管理システム(CMS)であるAdobe Experience Manager(AEM)を「これからはクラウドネイティブなSaaSアプリケーションとして提供する」と発表した。これまでAEMは、オンプレミスまたはマネージドサービスとして利用でき、純粋なクラウドネイティブではなかった。

言うまでもなく、クラウドサービスとして利用できれば顧客にはクラウドから得られる価値のすべてが提供される。これからは顧客は、メンテナンスや管理やアップデートをいちいち気にすることなく、AEMのすべてのツールにアクセスできる。そしてマーケティングのチームにはより幅広い柔軟性と機敏性が得られ、最新のアップデートにほぼリアルタイムでアクセスできるようになる。

アドビの戦略とプロダクト担当上級ディレクターであるLoni Stark(ロニ・スターク)氏も、この価値命題を強調する。「AEMは高度なデジタルツールの採用に熱心な中企業やエンタープライズにとって魅力的なツールだ。常に変化している彼らのビジネスモデルをサポートするためには、単純性と柔軟性がもっと必要だったのだ」と彼は声明で述べている。

AEMの数多い能力の中には、顧客体験をリアルタイムで管理する機能がある。顧客データにリアルタイムでアクセスできるのだから、プロダクトもサービスも体験もいつでもリアルタイムの顧客知識に基づいて提供できる。

その顧客に合わせる努力はタイミングが限定されない。そしてターゲットとしては、企業のウェブサイトやモバイルアプリ、そのほかのチャネルなど何でも対応できる。企業もチャネルの特性に合わせてコンテンツを柔軟に調整したいし、また顧客データにも合わせたい。AEMは、これらのリアルタイムな要求をサポートしている。

AEMはアドビが2010年に買収したDay Softwareがベースだ。同社は最初、ウェブ上のコンテンツ管理システムを開発したが、それが徐々にAdobe Experience Managerに進化し、体験管理の面も持つようになった。現在ではこのツールには、コンテンツ管理とアセット管理とデジタルフォームのツールが備わっている。

同社は本日この発表を、今週ニューヨークで開催されている大規模なリテールカンファレンスNRF 2020で行った。

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スイスのデータ管理企業Veeamを投資会社のInsight Partnersが約5500億円で買収

2019年、Insight Partnersはクラウドデータを管理する企業であるVeeamに5億ドル(約550億円)を投資した。同社はVeeamをすごく気に入ったらしく、米国時間1月9日にこのスイスの企業を50億ドル(約5500億円)で買収したことを発表した。

Veeamは、顧客を支援してクラウドデータのバックアップや障害復旧を実現する。本社はスイスのバールにあり、昨年は売上が10億ドル(約1090億円)だったという。顧客は世界中に36万5000社あり、その中にはFortune 500社の81%が含まれる。

Constellation Researchの創業者で主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏によると、データ管理は企業のますます重要なツールであり、それはデータがオンプレミスでもクラウドでも同じだ。ワン氏は「データ管理の分野は整合が進んでおり、この買収は賢明だ。ハイブリッドクラウドの管理への投資がこのところ増えており、特ににエンタープライズが重視しているのがデータ管理なのだ」と語る。

この買収で生じた大きな変化もある。Veeamのオペレーション担当執行副社長だったWilliam H. Largent(ウィリアム・H・ラージェント)氏がCEOに昇格。製品戦略担当の副社長だったDanny Allan(ダニー・アラン)氏がCTOに昇格する。さらに、本社を米国に移す。米国にはすでにVeeamの社員が1200名いるが、今年はさらに増えるだろう。

新たにCEOになったラージェント氏によると、Veeamは確かに市場では成功しており、現状で買収価額も高いが、今後も単独で行くよりはInsightの傘に入ったほうが伸びしろが大きい。同氏は「今でもVeeamは、Fortune 500社の81%をサポートするなどデータ管理の分野で傑出しているが、Insight Partnersは事業戦略部のInsight Onsiteが強力で、今後はVeeamのソリューションもよりグローバルに採用されていくだろう」と語る。

Insight OnsiteはInsight Partnersの戦略部門として、そのポートフォリオ企業をより大きな成功に導く役割を担っている。主力事業は、企業の営業やマーケティング、そして製品開発部門の育成強化だ。

Veeamには、Amazon Web ServicesとMicrosoft Azure用のバックアップおよびリカバリーツールがある。また、Cisco、IBM、Dell、EMC、HPEなどの大手エンタープライズベンダーとのパートナーシップも多い。

Crunchbaseのデータによると、2006年設立の同社は、今回の買収前の評価額が10億ドル(約1090億円)あまりだ。買収の完了は本年の第1四半期と予想されている。

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