ここ数年、Dell(デル)および同社のゲーミングブランドであるAlienware(エイリアンウェア)は、将来登場する可能性のあるものとして、コンセプトデバイスの披露を好むようになっている。実際、これは自動車業界をお手本として家電業界全体のトレンドになりつつある。見方によっては、潜在的な未来を垣間見ることができる興味深いものであり、ちょっとした注意をそらすものでもある。
Dellにとって、これはゴールデンタイムにはまだ早い技術に対するコミュニティの関心を測る機会だ。最近のよい例が、Concept UFOだ。Alienwareが2021年の今頃に発表した携帯ゲーム機で、これは現在でもまだコンセプトの域を出ていない。
Concept Nyxは、家庭用サーバーとして動作し、家中どこにでもゲームをストリーミングすることができる。この製品の究極のコンセプトは、どのハードウェアでプレイしているかに関係なく、家庭内で複数のゲームを複数のデバイスに同時にストリーミング配信できるようにすることだ。一方、コントローラーは、スマートテレビやコンピューター、その他のデバイスと接続し、Dellのアプリを通じてゲームをプレイする主要コンタクトとなる。
価格や、複数のゲームを同時にストリーミングするために必要な計算能力など、解決しなければならない問題がいくつかありそうだ。CPUやGPUを大量に搭載すると迅速に駆動するようになるが、家庭のWi-Fiを使ったストリーミングでは現実的ではなさそうだ。
当面のもっと大きな問題は、どれだけの需要があるかということだ。潜在的なユーザーの多くは、すでにゲーミングPCやコンソールに投資しているのではないかと筆者は思う。たとえそうでなかったとしても、このような製品は競争力のある価格でなければならない。家の中で2つ(あるいは4つ)のゲームを同時にストリーミングできるという約束は、ほとんどのシナリオにおいてコンソール2台と同じ価格ではない。
Alienwareはブログ記事で次のように述べている。
私たちは、4つのゲームのストリーミングを同時に駆動する方法、デバイス間のスマート切り替え、どこで購入したかに関係なくすべてのゲームの中央ライブラリからのストリーミングを検討してきました。Concept Nyxは、ゲームをお気に入りの音楽、テレビ番組、映画にアクセスするのと同じくらい簡単にすることを目指しています。各デバイスにインストールされたシンプルなアプリからすべてのゲームに瞬時にアクセスし、家にあるあらゆるデバイスでよりシームレスなゲーム体験ができることを想像してください。ゲーム時間をめぐって家族やルームメイトとケンカすることもありません(食料品や洗濯のことでケンカすることはあります)。バリケードを取り払い、誰もが自分のペースでゲームを楽しめるようになるとしたら、すばらしいことだと思いませんか?
繰り返しになるが、これはあくまでもコンセプトの段階であり、現状ではNyxは市場に出る前に中止となる可能性が高いと思われる。
画像クレジット:Alienware
[原文へ]
(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi)