新型コロナ禍でVCが尻込みする中、Clearbancはスタートアップ支援の新商品を発表

Clearbanc Runway

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によってベンチャー市場が鈍化し、スタートアップの資金調達はますます厳しいものになっている。パンデミックにより市場活動が減退した。これは投資家達にとって流動性の高い取引が減り、スタートアップに回す新規資本(ドライパウダー、待機資金)が減っていることを意味している。

その結果、投資家達は既に資金援助したスタートアップに対し、ディールフローのバブルが戻るまでランウェイを引き延ばす必要があると伝えている。これには数四半期を要する可能性があると投資家たちは話している。2008年度のデータを見ると、数年かかる場合も考えられる。

カナダのClearbanc(クリアバンク)は、Clearbanc Runway(クリアバンク・ランウェイ)という新しい金融商品を発表し、スタートアップの資金確保を支援する。

Clearbancのウェブサイトでは、スタートアップ創業者が現在のランウェイ額、現金残高、諸経費、収益、マージン、成長率などの条件を入力できるようになっている。同社はそのデータを分析し、起業家の持ち分を減らさない形で資金を提供する。創業者はレベニューシェア契約を通じて現金を返済できるようになっている。企業が対象資格を得るには、毎月最低1万ドル(約108万円)の収益と、最低6カ月間の一貫した収益履歴が必要になる。

Clearbancが金融会社のように聞こえるかもしれないが、実際のところ(ほとんど)その通りだ。Clearbancはスタートアップに融資し、返済計画に上乗せして利子を請求する。ただし同社は金融会社として規制されていないため、法的には金融会社にはならない。ローンには固定返済スケジュール、複利、返済日があるが、Clearbancにはそうした要素はない。その代わり売上に対する定率を取り分とし、スタートアップの業績が下がれば、返済されるまでしばらく待つことになる。同社がスタートアップ創業者にペナルティを課すことはないらしい。

レベニューシェア契約では一律6%の手数料が課され、その返済は既に資金調達プランの一部となっている。Clearbancからの投資を受けるスタートアップの売上が前月比で伸びている場合、企業が取得できる資金調達合計額はそれに反映される。

クリアバンク・ランウェイ グラフ

Clearbanc Runwayは同社のフラッグシップ商品「20分タームシート」に似ている。

Clearbancは、20分タームシートを作り、企業がGoogleやFacebookの広告に費やせるように、希薄化しない広告資金を取得できるようにした。株式資本が関わることから、スタートアップは貴重なベンチャー投資資金をその他の経費に使用することが前提とされた。Clearbanc Runwayはさまざまな目標を実現させている。

「我々は当初、主に広告費用に重点を置いていた。今では企業を維持するためのあらゆる経費に資金供給できる」とClearbanc共同創業者のAndrew D’Souza(アンドリュー・ドゥスーザ)氏は言及した。Clearbanc Runwayでは、将来エンタープライズ、ソフトウェアビジネス、eコマースビジネスにも資金供給する。

この2つの商品におけるわずかな違いは、新商品の方がやや保守的であるという点だ。Clearbancはこのパンデミックの状況下で、eコマースビジネスに多額の資金供給を行っているため、独自の位置にいる。そうしたインターネットビジネスは、新型コロナウイルスの大流行で実店舗が閉店する中、トラフィックを増やしている。

ただしそれは「不安定で、先行きは不透明だ」とドゥスーザ氏は言及している。「我々が6カ月前よりもさらに保守的になるのは明らかだ。おそらく、より少額をより頻繁に投資する感じになるだろう」。

Clearbancはベンチャーキャピタル企業とディールフローで競ってはいない。その代わりに、小規模事業に融資を行うフィンテック企業と競うことになるだろう。そしてその焦点は珍しくもなければ、新しくもない。

関連記事:Here’s why so many fintech startups are loaning to small businesses(未訳)

2020年3月、小規模事業が従来の融資資産の代わりにクレジットカードで経費を支払えるようにするPlastiq(プラスティック)は7500万ドル(約81億円)を調達した。決済処理大手のStripe(ストライプ)もStripe Capital(ストライプキャピタル)と呼ばれる融資商品を用意し、一律の利率でインターネットビジネスに融資している。

2020年1月、Lighter Capital(ライターキャピタル)は他のスタートアップに融資するために1億ドル(約108億円)を調達した。これはClearbancのレベニューシェア契約のフォーマットに似ている。これらすべては、融資を行う意思のある企業が多く存在することを示している。どの取引条件が最適かを決めるのは小規模事業の方だ。

ベンチャーキャピタル投資先スタートアップがすべての小規模事業ローンを利用できるわけではない。例えば米国政府が提供した2兆ドル(約215兆円)の景気刺激パッケージで用意された小規模事業への融資は3億4900万ドル(約375億円)だ。しかし新しいガイダンスでは、ほとんどのスタートアップが未だに金銭的支援から除外されている。だが先着順で配布されるため、ローンを申請する者も中にはいる。

Clearbancは、スピード感において競合するサービスと差別化できるという。

ドゥスーザ氏は「『SBA(米国中小企業局)ローン』に申請できるのはすばらしいことだが、時間がかかる可能性がある」と言及した。「莫大な未処理分があるし、取引銀行とそのシステムの設定にもよるだろう」。

ほぼ1年前に、Clearbancの共同創業者であるMichele Romanow(ミケーレ・ロマノウ)氏はIPOとユニコーンについて語っていた。会社の倒産や大量のレイオフを回避するための支援に関するドゥスーザ氏の話を聞くと、Clearbanc Runwayへの敷居は明らかに低くなっているようだ。

同社は2200の企業に対し10億ドル(約1075億円)の投資または金銭的取引を行った。

そもそもClearbancでは、従来の株式資本取引に含まれる所有権譲渡なしに、eコマース創業者がスタートアップを成長させる方法として同社を売り込んできた。現在では、世界中でベンチャーキャピタルが以前より活発ではなくなったことを受け、すべての創業者がビジネスを存続させる方法として売り込んでいる。

原文注:クリアバンクは、従来の金融会社とは異なる金融構造を有しているため、法的には金融会社とは言えないと言及している。記事はこの点を明確にするため更新されている。

画像クレジット: Malte Mueller / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

今後の経済を支え続けるために重要なエネルギーグリッド向け予測ソフトのAmperonが約2.2億円を調達

エネルギー需要が世界的に減少している。原油価格も急落している。エネルギーの世界は全体的にかなり厳しいように見える。ただ、明かりをつけて電子を動かし続けることは、混乱に陥った経済の世界を維持していくためにも依然として重要だ。

データ分析に基づく予測ツールを電力小売業者やグリッドオペレーターに提供するAmperon(アンペロン)のようなスタートアップが今でも存在感を放ち、資金を調達し続けているのはそのためだ。

Amperonは、パンデミックが米国の両海岸を襲う前の2020年2月に終了したラウンドで200万ドル(約2億1500万円)を調達した。共同創業者のAbe Stanway(アベ・スタンウェイ)氏は、このような状況でも同社のサービスは現在も重要だという。

「当社は電力小売業者やグリッドオペレーターに、彼らの顧客が使用する短期・長期の電力量を伝える」とスタンウェイ氏は自社のサービスについて語った。「外因性ショックが加わり、滅多に起こらないブラックスワンな事案が発生すると、当社の価値は高まる。グリッドがどのように動作するか理解するために機械学習が必要になるからだ」。

Amperonの価値提案は、ラウンドをリードしたBlackhorn Venturesのような投資家だけでなく、ラウンドに参加したGaruda VenturesIntelis CapitalPowerhouse VenturesSK VenturesV1.VC.といった投資家にとっても明らかだった。

Powerhouse Venturesの創業者兼最高経営責任者であるEmily Kirsch(エミリー・キルシュ)氏は「Amperonは電力会社、電力小売業者、グリッドオペレーター、機関投資家向けにスマートメーターとAIを介したリアルタイムの運用グリッドインテリジェンスツールを構築している。Amperonの反復的な需要予測は、世界的なパンデミック、気候災害、ますます複雑化するグリッドに起因する、これまでにないグリッドの不安定性を説明することができる」という。

Amperonは4つの広域組織と協業している。豪州の主要なグリッド地域2つ、テキサスをカバーするERCOT(テキサス電気信頼度協議会)地域送電機関、中部大西洋のグリッドを管理するPJM(ペンシルバニア、ニュージャージー、メリーランドの略)だ。

スタンウェイ氏は「新しい資金は米国内で会社のリーチをもっと多くのグリッドオペレーターに拡げるために使う」という。

Amperonのテクノロジーは、危機的状況下の電力会社やグリッドオペレーターにとって非常に有用だが、平時でも支出削減に役立つ。同社によると、長期的な電力計画では通常、予算が毎年1%超過しており、不要な余剰発電容量に何十億ドル(何千億円)も費やしている。

支出削減は、消費者にとっては電気料金削減を意味する。同社によると、電力供給者の問題解決に役立つもう1つの点はグリッド管理の複雑化だ。電力会社やグリッドオペレーターがまだ効果的に管理できていないグリッドに再生可能エネルギーが加わると変動性が高まってしまう、と同社は話している。

画像クレジット:ArtisticPhoto

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(翻訳:Mizoguchi

CodementorのCode Against COVID-19事業でボランティア作のコロナ対抗ソフトウェアを登録/発見できる

ソフトウェアのデベロッパーをオンラインで教育するCodementorが、パンデミックと戦うソフトウェアプロジェクトCode Against COVID-19を立ち上げた。それはCodementorの収益事業ではなく、プログラマーたちを、援助を必要としている大学や非営利団体や地方行政などの機関および組織に結びつけることが狙いだ。

Code Against COVID-19が今展開している事業Safe PathsCovid Watchは、COVID-19の拡散を防ぎ個人のプライバシーを護るためのツールを作っている。またそれは、デベロッパーをHospital@homeのような草の根プロジェクトに結びつける。新型コロナウイルスの広がりを止めるためのジオフェンシングアプリ(境界線作成アプリ)を作っているUXデザイナーらにも、プログラマーの助けを提供する。

Codementorのプラットホームには今、世界中のデベロッパーが数十万人いる。そしてCOVID-19関連のソフトウェアを作るために、プログラマーの助けを必要としている企業や行政機関が多いことを知った同社は、そのコミュニティに呼びかけた。創業者でCEOのWeiting Liu氏によると、98%が協力の意思を表明し、そこから、プログラマーとプロジェクトを早く結びつけるCode Against COVID-19が発足した。

今のところ、無料または報酬が低くても長期プロジェクトに関われる、という登録プログラマーが200名あまりいる。

Liu氏が住んでいる台湾は、中国に近いにもかかわらず、ロックダウンをせずにCOVID-19の大規模なアウトブレークを防いでいる

Liu氏が本誌TechCrunchの取材に応えて語ったところによると、Codementorのチームは台湾政府のデジタル大臣Audrey Tang氏が指揮するソフトウェアプロジェクトの成功に刺激された。その中には台北の全市的警報システムや、配給品のマスクの在庫がある薬局などが分かる地図がある。後者は、長い行列ができるのを防止する。

「ソフトウェアで世界を変えられると信じてきた人にとっては、今が絶好の機会だ」、とLiu氏は語り、Codementorの台湾のチームはほかの国も助けたいと思っている、と述べた。「台湾の今の状況は幸運だ。ロックダウンで子どもたちと家に閉じ込められることもない。比較的安全だから、コミュニティを助けることができる」、と彼は言う。

プログラマーが出動するボランティア事業として、ほかにCoding DojoのTech for Americaがある。こちらは中小企業のWeb開発を助けている。またHelp with COVIDには、世界中から1万名あまりのデベロッパーが自作のCOVID-19関連ソフトウェアプロジェクトを登録している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Airbnbが契約社員をレイオフ、夏のインターンシップもキャンセルへ

Airbnbは派遣社員との契約を早期に終了し、夏のインターンシップを延期したとProtocolが報じている。Airbnbの契約社員は、物件検査員やホームコンサルタントなどを務めている。

契約社員は派遣会社からの通知を受けた後、最低2週間の給与を受け取るという。

Airbnbはまた、学部生の採用を2021年まで延期すると報じられている。TechCrunchがインターン生から聞いたところによると、彼は昨日通知を受け、新しいインターンを探しているという。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック下で、インターンシップをキャンセルしたテック企業はAirbnbだけではない。3月にはYelpが夏のインターンシップをキャンセルし、TCのNatasha Mascarenhas(ナターシャ・マスカレンハス)記者は、StubHubやGlassdoor、Funding Circle、Checkrもそれぞれのインターンシップをキャンセルしていることを突き止めた。

これらの人事は、Airbnbが10億ドル(約1076億円)の融資を確保した翌日に実施された。2020年4月初めにも、Airbnbはさらに10億ドルを負債と株式により調達している。

TechCrunchはAirbnbに連絡を取っており、返事があればこの記事を更新する。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

クラウドのセキュリティを問題別にプレーブック化したBridgecrewが15億円相当を調達

経済状況が厳しくなると、企業は自動化によってできるかぎりコストを下げようとする。そこで、クラウドのセキュリティを自動化するツールを提供しているアーリーステージのスタートアップBridgecrewは、今日(米国時間4/17)シリーズAで1400万ドルを調達したことを発表した。

Battery Venturesがこのラウンドをリードし、参加したNFXは同社の400万ドルのシード投資家だ。ほかにも、Sorensen Ventures、DNX Ventures、Tectonic Ventures、そしてHomeward Venturesが参加した。数名の個人投資家も、この投資に加わった。これで同社の調達総額は1800万ドルになった。

BridgecrewのCEOで共同創業者のIdan Tendler氏によると、クラウドリソースのプロビジョニングはますます容易になっているけど、それと共にセキュリティは逆にますます難しくなっている。企業のクラウドの利用では、「DevOpsでセキュリティ技術が大きなボトルネックになっていて、DevSecOpsになっていない。クラウドのインフラストラクチャのセキュリティにも問題がある」。あちこちでその実態を見たTendler氏は、Bridgecrewの創業を着想した。

同社が目にしたのは、問題の多くに構成ミスが絡んでいることだ。そして既存のセキュリティソリューションはいろいろあるけど、費用が高い。またそれらのソリューションは、セキュリティの問題を自分で実際に直さなければならない技術者向けにできていない。

そこで同社は、技術者の考え方や仕事の仕方に合ったソリューションをクラウドユーザーである企業に提供したい、と考えた。Tendler氏はこう説明する: 「そのためにやったのは、問題を条文で表すことだ。技術者がやってることを、条文で書き表す。会社のクラウド環境を改善するために彼らがやるべき仕事のすべてを書き出して、プレーブックを作った」。

そんなプレーブックがあれば、個々の具体的な問題も解決しやすくなる。よくあるタイプの問題でなく、新しい問題にぶつかったら、プレーブックを新たに書く。彼によると、問題の90%はかなり一般的で、AWSのベストプラクティスに従うとか、SOC-2基準書のコンプライアンスの問題などが多い。でも技術者が、自分のニーズに基づいて条文を変えてもよい。

Tendler氏によると、同社のプロダクトがオートメーションでコストを下げたいと考えている企業に実際に役に立っているので、社員を増やしたいと考えている。「そしてもっと速く成長したい。ニーズは大きいし、COVID-19でますます多くの企業がクラウド化でコストを下げようとしている。うちは、そんな彼らの前あるバリヤーを減らすお手伝いをして、クラウドのセキュリティのボトルネックをなくしたい」、という。

同社は14か月前に創業して、今では100冊のプレーブックがある。リーンな会社を志向しているので、社員はわずか16名だが、年内に倍増したいと言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

サプライヤーが早く代金をもらえるようにするフィンテックPreviseが12億円相当を調達

企業間の支払いスピードと早めるフィンテック企業の、Previseが、1100万ドルの資金調達を発表した。そのラウンドはReefknot InvestmentsとMastercardがリードし、これまでの投資家Bessemer Venture PartnersとHambro Perks、およびAugmentum Fintechが参加した。

2016年に創業したPreviseは、今では1日に約10万通の請求書を処理し、目標としては今後5年以内に500万社のサプライヤーの決済を扱いたいとのこと。

Previseの資金調達総額は2180万ドルあまりになり、それを同社のInstantPayプロダクトの全世界的な普及のために用いたいという。Previseは、Mastercardのアクセラレーター事業であるStart Pathに参加している。Reefknot Investmentsは、Temasek HoldingsとKuehne+Nagelが昨年、ロジスティクスとサプライチェーンのスタートアップに投資するために創った投資会社だ。

Previseの創業者でCEOのPaul Christensen(ポール・クリステンセン)氏によると、企業のバイヤーはInstantPayを利用してサプライヤーにすぐに支払いができる。その際、機械学習を使って決済の履歴データを調べ、至近に支払ってもいい請求書を予測する。そしてまた、リスクが大きいので手作業でチェックすべき請求書も見つける。

これまでは、大企業のバイヤーがサプライヤーに支払う済度は最大で2カ月ぐらいあった。そしてそれが、中小企業であるサプライヤーのキャッシュフローを苦しめた。クリステンセン氏によるとそれは、ひとつにはサプライヤーと大企業との一方的な契約に由来し、一方ではデータの入力、チェック、請求書の承認といった管理業務の煩雑と時間的長さに由来している。InstantPayは、そのタイムフレームを最短1日に縮小できる。

同氏によると、今のように疫病が蔓延していると、中小企業にとって決済が早いことはなお一層重要である。

クリステンセン氏は「パンデミックは世界中で、企業の大小を問わず、運転資金に大きな重圧をもたらしており、深刻なキャッシュ不足が生じている。Previseのプラットホームは運転資金のこのような逼迫を解き、大企業のサプライチェーンに供給している何千もの中小のサプライヤーが、取引の初日に支払いを受けられる。数週間も数カ月も待つことはない」と説明する。

同氏は続けて「サプライチェーンが壊れていることは深刻だが、同じく需要側も深刻だ。需要は跳ね上がり、サプライヤーはその巨大な受注に応じなければならない」と語る。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

企業のクラウド支出の無駄を削ぎ落とすイスラエル拠点のPileus

米国時間4月15日、正式にローンチしたイスラエル拠点のPileusは、企業のクラウドへの支出をコントロールをサポートする。同社はさらに、個人のエンジェル投資家からの100万ドル(約1億800万円)のシード資金の調達を発表した。

同社のプラットホームは機械学習を利用してユーザーのクラウドの使い方を継続的に学習し、それに基づいて予測や毎日の個人化されたリコメンデーションを提供して、クラウドの使い方が予算内に収まるよう導く。

現在AWSをサポートしているが、Google CloudとMicrosoft Azureにも近く対応する。

そのサービスはユーザーのクラウドの使い方に関するすべての情報を集めて、そこに異状を見つけようとする。クラウドへの支出の詳細なログを記録して詳しいレポートを提供し、またプロジェクトやリソースごとのクラウド支出をダッシュボードに表示する。

こんなプロジェクトを手がけた人はよくご存知と思うが、この種のレポートはその良否をタグに依存している。タグは、個々のプロジェクトやリソースを正確に同定できるものでなければならない。そこでPileusは、タグ付けのポリシーを強制できるタグ付けツールを提供し、タグに高い優先度を置いている。

PileusのCEO Roni Karp(ロニ・カープ)氏は「このソリューションの実現には、何度も徹夜しなければならなかった。Pileusをやっとリリースできることは、とてもうれしいし、多くのクラウドユーザーがこれまでよりも効率的に、クラウドの使い方や費用を理解できるようになってほしい」と語る。

Pileusは現在、30日の無料試用期間中だ。その後は月額180ドルまたは年額800ドルになるが、しかし実際に同社が徴収するのは、同社のサービスによって節約できた金額の1%だ。月額や年額は、あくまでも名目である。

同社が狙う顧客は、個々の企業だけではない。同社はマネージドサービスを提供しているクラウドプロバイダーにも食い込み、彼らの顧客への課金を管理しレポートを作る。カープ氏は「こっちの方が大きな売上になる」と想定している。「今、クラウドベンダーのためのツールにはいいのがない。特に狙うのはAzureだ」と語る。

しかしPileusが狙うこの市場にはすでに、スタートアップに人気のあるCloudabilityを初め先客がいる。しかしカープ氏は、Pileusは機械学習の利用とレポート提出の早さで有利だと見ている。競合他社は結果報告が数週間後というものがざらにあると彼は説明する。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナ流行下の注目テクノロジー、現場作業者向けテキストや危機回避ホットラインなど

暖房装置フィルター、ロボット工学、そして建築分野で活躍するスタートアップに共通することは? 通常なら何もない。だが新型コロナウイルス(COVID-19)が世界で大流行し、数百万人もの命が脅かされている現在、企業は医療従事者用のN95マスクや人工呼吸器の生産に注力し始めている。

スタートアップ企業が提案するイノベーションは目を見張るものがあり、正直に言うとついていくのがやっとである。AmazonやGoogleのような潤沢な資金がなくても、シリコンバレー内外のあらゆる企業が困難に立ち向かおうとしているようだ。

そこで、新型コロナウイルスの影響と戦うスタートアップ企業の努力をまとめて、ちょっとしたいいお知らせとささやかな希望をお届けする。ちなみにこれは治療案に取り組むスタートアップ企業を分析するものではない(それについてはDarrellの精力的な作業結果を参照して欲しい)。その代わりにこの記事では、私たちの孤独を和らげようとスタートアップたちが考え出したユニークなアイデアや、この状況下で浮かび上がった課題をテクノロジーがどのように解決しようとしているのかを紹介しよう。

Stopcovid.co

Managed by Q創業者のDan Teran(ダン・テラン)氏は、 現場作業者向けに新型コロナウイルスの最新情報をまとめたテキストメッセージをリアルタイムに提供するために、社員教育サービスのスタートアップ企業ESLWorksと提携した。Stopcovid.coイニシアチブは、大きな機関からの保障などは受けてはいないものの、CDC(米疾病管理予防センター)が掲げる衛生上の推奨事項を確認したいと考える社会人を対象にしたサービスだ。メッセージはWhatsAppとテキストメッセージで送信されるため、デジタル環境が整っていないユーザーでも簡単にアクセスできる。テラン氏と話す機会があったとき、彼は「私たちが対象にする人々をひとくくりにするつもりはないが、もし自分が生活のために毎日12~14時間働く配送ドライバーだったら、おそらく新型コロナウイルスとその拡散状況の最新情報は把握できないと思う」と話していた。

Cornell Tech Clinic

Cornell Tech Clinicは、室内で過ごすことを強制され、バーチャルコミュニティだけが頼りのときに、DV被害者がサポートを得られるように支援する。同社は通話もしくはチャットの監視など、テクノロジーを利用した虐待の被害者に対してアドバイスを提供するリモートプログラムを開始した。この新しいプログラムでは、遠隔でケースワーカーと連絡を取る最適な方法、自立に向けたハウツーガイド、そしてそのようなテクノロジーを利用した虐待への対処方法などを提供している。

S’MoreとHopeline

ルックス以外の要素でユーザーを結ぶマッチングアプリを提供するS’Moreは、メンタルヘルスに関するホットラインを提供するHopelineと提携し、募金活動を行っている。「社会的距離は感情的な距離ではない」と名付けられたこのキャンペーンでは、新たにS’Moreに登録したユーザー1人につき1ドル(約107円)をHopelineに寄付する。

Procore(施工管理)

施工管理ソフトウェアデベロッパーのProcoreでは、新型コロナウイルスに関連する建設プロジェクトに対し、無償で同社のソフトウェアを提供している。ホテルやコンベンションセンターなどを緊急医療施設に変える際のソフトウェアのコスト負担をなくし、建設業界を支えることを目的としている。

Wize(個別指導プログラム)

Wizeは数多くのエドテック企業が提供する無料サービスに便乗するかたちで、学年度末まで無料の個別指導プログラムを提供する。このプログラムでは、学校閉鎖の影響を受けた学生が、試験や試験準備資料のライブラリーにアクセスできる。

Springboard(就職指導)

エドテックスタートアップのSpringboardは、就職指導セミナーを毎週無料で開催し、「パンデミック後の経済」に備え、求職者をサポートする。質問セッションは太平洋標準時の4月1日から毎週水曜日の12:30~13:30に開催される。

Voxel51

Voxel51は、設置済みで稼働中のカメラを利用して、世界中で予防対策が順守されているかどうか追跡している。AIを使って人出の多い公共の場における社会活動を把握し、社会行動に基づき各エリアの「スコア付け」を行っている。この方法でどれだけの人々が公共衛生の推奨事項に耳を傾けているかを追跡している

Tech Manitoba / Computers for Schools

カナダの非営利団体Tech Manitobaは、これまでの活動で、コンピューターを持たない150世帯に対して、たった8台のコンピューターしか提供できず、大きな解決策を要していた。そこで彼らはComputers for Schoolsと提携し、消毒済みの整備再生品コンピューター200台を必要な家庭に届けることができた。

One Planet(祈りの輪)

ベンチャー企業One Planetは世界規模の「祈りの輪」をスタートさせた。LightUpTheWorld.orgでは、世界中の人々が健康と希望への願いを込めた祈りと思いを投稿できる。サイトを開くと、リアルタイムで投稿した祈りの言葉が表示される。

Stilt(低金利ローン)

テック系スタートアップのStiltは、移民が社会保障番号や信用情報以外の資格に基づいて低金利ローンを組めるようにし、彼らの信用構築を支援する。時給で働き、年収4万5000ドル(約483万円)未満の顧客に対し、利息の即時凍結と2カ月間の支払猶予(担保差し押さえの延期)を提供する。

画像クレジット: PeterSnow / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

日本の宇宙系スタートアップのシンスペクティブ製造の衛星をRocket Labが軌道に運ぶ

資金的に余裕のある日本の宇宙系スタートアップのSynspective(シンスペクティブ)は、最初の地球観測衛星を軌道に乗せるため、打ち上げプロバイダーであるRocket Labに声をかけた。そして実際に2020年後半に打ち上げられることになった。その際は、同社の衛星StriX–αが唯一のペイロードとなる。

画像クレジット:Synspective

Synspectiveは2018年に創立され、2019年半ばまでに約1億ドル(約107億円)を調達した。これは最近の日本において、最も成功した資金調達例の1つとなった。とはいえ、地球全体を常に撮影し続ける25の衛星からなるコンステレーションを運用するという野望を実現するには、そのすべてを注ぎ込んでもまだ足りないだろう。

この25という数は、地球全体をカバーするために数百、あるいは数千もの衛星を必要とするPlanetやSpaceXと比べて少ないと思われるかもしれない。それというのもSynspectiveの衛星は、視覚的な観測やインターネットアクセスを提供するものではないからだ。その代わりに、合成開口レーダー(SAR)と呼ばれるものを使用して、地球の表面を画像化する。

この高度な技術は、衛星の動きを利用して大きなアンテナを使用したのと同じ効果を得る。雲がかかっていたり障害物があったりしても、非常に詳細な像を生成することができる。また、光学式のカメラや地上の衛星アンテナに向けてデータを送信する無線アンテナよりも、ずっと広い領域をカバーできる。

Synspectiveの衛星は、1個の重量が100kgほどで、従来のSARシステムのものよりも小さい。そのため、Rocket LabのElectronのような小型のロケットを使って宇宙まで運ぶことができる。

打ち上げの日程はまだ確定していないが、Synspectiveが単独の顧客となるので、打ち上げ時刻や目標軌道の設定の自由度は大きい。「ロケットベンチャーのパイオニアであるRocket Labと一緒に仕事ができることを非常にうれしく思います」と、Synspectiveの創立者でCEOの新井元行氏はプレスリリースで述べている。「また衛星の軌道と打ち上げ時間帯に関して、私たちのリクエストに応えてくれる柔軟性にも感謝しています」。

現在わかっていることは、この計画が「2020年後半」に予定されているということと、米国内に新設された打ち上げ施設ではなく、ニュージーランドにあるRocket LabのLaunch Complex 1から打ち上げられるということだけだ。打ち上げが間近に迫れば、さらに詳しいことがわかるだろう。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Stackeryがアップデートしてサーバーレスアプリケーションのデプロイがさらに容易に

今年で4歳になるポートランドのスタートアップStackeryは、AWS上のサーバーレスのリソースをデベロッパーがもっと容易にデリバリーできるようにしてくれる。今日同社は、そのプラットホームにいくつかの機能強化を行なった。

サーバーレスのアプリケーションでは、開発チームが一連のトリガーイベントを定義し、そしてAWSのようなインフラストラクチャのベンダーがイベントの実行に必要なだけの無駄のないリソースを提供する。そこでデベロッパーは、アプリケーションを動かすために必要な適正量のリソースのプロビジョニングについて、悩む必要がなくなる。

StackeryのCEO Tim Zonca氏はこう述べる: 「StackeryはAWSのためのセキュアなサーバーレスプラットホームだ。チームがラップトップ上のコーディングから本番のプロダクションへ移行していくとき必要になる、設計と開発のためのツールをわれわれが提供し、彼らが無事にモダンなアプリケーションをデリバリーできるようにする」。

同社がデベロッパーに提供するものを一般化して言うと、それは仮想ホワイトボードだ。その上でデベロッパーはきわめてビジュアルにサーバーレスのアプリケーションを構築でき、そのAWS上での試験とデプロイもできる。Zonca氏によると、今日発表するアップデートは、そのプラットホームにセキュリティとガバナンスを導入するもので、さらにまた、gitを利用するモダンなアプリケーションデリバリーシステムにより、継続的デリバリーのためのツールをフルセットで提供する。

「サーバーレスを作っていくときにデベロッパーが遭遇する、さまざまな落とし穴を埋めることが、うちの仕事だ。そのためにわれわれは一連のベストプラクティスを開発して、アプリケーションの安全なデリバリーを確保する。弊社のプロダクトにはそのための工程が刻印されているので、チームはサーバーレスの世界で、ベストプラクティスについて自分で悩まなくてよい」、とZonca氏は説明する。

同社は顧客がアプリケーションをBitbucket、GitLab、GitHubなどを使ってgitのリポジトリーへ入れていくとき、既知の脆弱性に照らしてコードをレビューする。「弊社には、サーバーレスのファンクションのコードを、既知の脆弱性に対して監査する能力があり、それには、そこらで誰もが使っているような一般的なツールだけを使っている」、とZonca氏は言う。

同社はまた、コードの試験も支援する。サーバーレスのインフラストラクチャは短命なので、コードの試験は難しい。「一時的で短命な試験環境を自動的に動かせるようにして、それを彼らのシステム試験や統合化の試験、ユニット試験などに利用していく。また、人間が実際にログインしてユーザビリティテスト行うときのプルリクエストに結びついた試験環境も提供している」、とZonca氏は自負する。

アプリケーションがすべての試験に合格して、ステージングやプロダクションの環境へデプロイされる用意ができたら、Stackeryはその変更の集まりを自動的に有効にする。すると企業は、最終レビューをしてからデプロイするか、またはチームがセットアップしたすべての不測事態を切り抜けられたら自動的にデプロイさせるか、どちらかを選ぶ。

Stackeryは、2016年に創業された。Crunchbaseのデータによると、これまでに740万ドルを調達している。

関連記事: サーバーレスコンピューティングのモニタリングサービスStackeryが$5.5Mを調達

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大学の学資ローン免除を支援するSaviが6.4億円調達

学資ローン危機はますます深刻化を増している。新型コロナウイルス(COVID-19)の大流行により米国中の大学が閉鎖され、経済の急速な落ち込みは就職への道を薄暗くしてしまった。今の学生や卒業生は、上手な資金繰りを教えてくれるツールを必要としている。

悪いことに、米国の学資ローンは非常に複雑にできている。ローンの条件、返済方法、公的な利息免除のオプションが、文字通り数百種類ある。学生にとって、このルールに従いつつ、負担を最も小さくできる最良の方法はなんだろう?

ワシントンD.C.に本社を置くSavi(サビー)は、学資ローンを借りている人たちを、いちばん有利なオプションが選べる「Savvy(抜け目ない)」な人間にすることを目指しているが、このほど、その緊急の課題に取り組むためのさらなる資金を手に入れた。同社は今日、フィンテック界で最も影響力のある投資企業のひとつNyca Partners(ニカ・パートナーズ)主導のシリーズA投資600万ドル(約6億4000万円)を調達したことを発表した。

金融系スタートアップでは、利用者と自社の収益モデルとの間にインセンティブのずれが生じることがよくある。家計の健全化のためのアプリは、人々がまったく必要としていない新しいクレジットカードやローンを売り歩いた紹介料で密かに儲けていたりする。

Saviの面白いところは、常に利用者第一の姿勢を保つように最初から作られている点だ。同社は公益法人であり、米国の若者の成果の改善に共に尽力してきた2人の理想的な人物によって創設された。

ジョージタウン大学ローセンターを卒業したAaron Smith(アーロン・スミス)氏は、若者に焦点を絞ったシンクタンクであり人権擁護団体のYoung Invincibles(ヤング・インビンシブルズ)を創設し、そこで4年間働いていた。この団体はそもそも、オバマ政権初期に行われた保健医療制度の見直し論議の際に、若者の問題に注目してもらおうと設立されたものだ。一方、Saviのもう1人の創設者Tobin Ostern(トービン・オスターン)氏は、Students for Barack Obama(バラク・オバマを支援する学生の会)のリーダーとして、オバマ氏の最初の大統領選挙戦で若者に投票を呼び掛ける活動を行った後、超党派政策機関アメリカ進歩センターに加わった。

Saviの共同創設者トービン・バン・オスターン氏とアーロン・スミス氏(写真提供:Savi)

2人は、学資ローンを抱える若者の支援を目指すという進歩的な使命を果たそうと、Saviの共同創設を決意した。学資ローンの世界は「非常に複雑で、当然のこととして政策面の継続的な改善が欠かせないと思う一方で、学資ローンを抱える学生たちのための解決策が今すぐ必要なのです」とスミス氏は話す。「それが、ある意味でSaviの推進力にもなっています。テクノロジーを使って、そうした解決策を生み出すのです」

Saviは、利用者の学資ローンのデータを取り込み、数値を計算して、利用者の目標を考慮しつつ、返済や免除のための最良のオプションを導き出そうとしている。

学生相手の融資は1兆ドル(約107兆円)を超える市場だが、Saviは、その進歩的なルーツに立脚し、ソーシャルワーカー、教師、公務員といった利用者にプラットフォームを提供することに特別に力を入れている。同社の提携先の中でも最も大きな組織として、300万人の会員を擁するアメリカ最大の教師組合NEAがある。Saviは会員特典として提供されている。

企業や団体は、その従業員や会員に、自分の経済状況をよく理解してもらおうとSaviの学生ローン評価ツールを使わせている。このツールは無料で利用できるが、例えばば書類手続きの自動化機能などを使って学資ローンを積極的に管理したい場合は、サブスクリプション契約が必要となる。ただし利用者は、サブスクリプション料金を支払う前に、資金繰りの節約方法をSaviで計算できる。もしSaviが役に立たないとわかったときに、料金を支払わずに済むようにする配慮だ。同社によると、平均的な学資ローン利用者は、月に140ドル節約できるという。サブスクリプション料金は月額5ドル(約536円)だ。

雇用条件によっては、Saviはローンの免除に関して特別な専門性を発揮する。これは、多くの学資ローンが公益法人に勤める人に与えている権利だ。こうした権利には、繁雑で難解な適用規則がつきまとうものだが、Saviはそれぞれのローンの規則に準拠しつつ、利用者が免除の道を探れるように取り計らってくれる。現在、同社は150件を超える免除と返済オプションに取り組んでいるという。

組織向けの評価ツールに加えて、Saviは新型コロナウイルス関連の新しいツールをローンチした。医療従事者またはパンデミックで職を失った人たちが、自分の学資ローンの状況を知り、新しい援助プログラムが探せるようにするものだ。「私たちの利用者のうち、新型コロナ危機対応の仕事に就いている人たちの割合が驚くほど多かったのです」とオスターン氏は話していた。

学資ローン管理関連のスタートアップは、ベンチャー投資の間では人気が高い。昨日、私の同僚Alex Wilhelm(アレックス・ウィルヘルム)も、学資ローン・プラットフォームのFrank(フランク)が暫定戦略的ラウンド500万ドル(約5億3600万円)を調達し、エドテックの最大手Chegg(チェグ)が
役員の座に着いたという記事を書いていた。私も2019年末に、Summer(サマー)が1000万ドル(約10億7000万円)を調達したことを伝えた。SummerはSaviと同様、学資ローン利用者の負担を最小限にすることを目指す公益法人だ。

Nycaに加えSaviは、AlleyCorp、Temerity Capital、9Yards Capital、そしてMichelle Kang(マイケル・カン)氏、Catherine Reynolds(キャサリン・レイノルズ)氏、Sheila Lirio Marcelo(シェイラ・リリオ・マルセロ)氏からも資金を得ている。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

英国テック業界の求人は新型コロナ影響で3月に31%減

新型コロナウイルス危機が続く中、英国テック業界の複雑な状況を示す雇用データが明らかになりつつある。これまで何カ月も何年も雇用は成長軌道にあったが、それがほぼ一夜にして変わったようだ。

TechCrunchが独自に共有された仕事サイトAdzuna(英国政府の「Find a job」サービスも運営している)とWorkinStartupsの数字によると、英国のテック分野トップ100社の雇用活動は3月に31%減少した。加えて、テック部門全体で2万5000人分の新規雇用が3月と4月で失われた。

また、いくつかのユニコーン企業が従業員を一時帰休とした一方で、テック分野トップ100社の50%以上が雇用を停止している。その結果、求人1件に対する応募者数は平均38人となった。これは英国のテック業界においては2008年の金融危機以来、最も激しい競争となる。

「私がこのデータで最もインパクトを受けたのは、欧州全体のテック企業の大半が現在の経済状況を非常に憂慮していて、VCからの『軍資金』があった企業やユニコーンステータスの企業ですら従業員を解雇・一時帰休としたり、あるいは新規採用をしていないという事実だ」とAdzunaの共同創業者Andrew Hunter(アンドルー・ハンター)氏は話す。

今後変わるであろう雇用のスピードに関しては、ハンター氏はVladimir Lenin(ウラジーミル・レーニン)の言葉「何十年も平穏な時間が流れ、それが数週間で崩れる」を引用し、世界が「現在時速500マイル(約804km/h)で動いている」と話す。

「雇用マーケットがここ数週間で急変しているのに驚いている」とハンター氏は語る。「英国の失業は今月倍増するだろうが、求人数は半分になっている。この相乗作用で痛々しいものになる」

調査ではまた、企業によって雇用活動に大きな差があることも示されている。例えばデータによるとAirbnb、GoogleそしてFacebookは明らかに欧州での採用を縮小している。Habito、Treatwell、Carwowなどは不動産テックやモビリティが現在直面している困難を反映して採用活動を全面的に一時停止しているようだ。

フィンテックユニコーンでは、現在TransferWiseが45人の求人を、Revolutは324人の求人を出しているが、新型コロナ危機前は2社の採用状況は同レベルだった。驚くことではないが、サブスク型のデリバリーサービスGousto、Hellofresh、Oddboxはいずれもかなりの需要増を受けて新規採用を拡大している。Amazonは1000人超、Deliverooも100人超を募集するなど雇用を増やしている。

「Monzoのような大企業は、今後数カ月後にわたって何千人も解雇するという苦しみを味わったり、夏にもっと思い切った対応策をとることを余儀なくされるよりも今、行動を起こした方が良いという考えのもとに従業員を一時帰休としたのだろう」とハンター氏は話す。

「トップ100社の次にくるテック企業の大半はかなり異なった状況にある。彼らにとっては生きるか死ぬかの状況であり、採用凍結や一時帰休は予防策ではなく必須の措置だ。基本的に現在の状況がどのくらい続くのか皆目検討がつかないというのは、スタートアップが今後6〜12カ月の資金調達で間違いなく苦労するということを意味している。危機に備え、コアではないイノベーションを一時停止するというのは現状では最善策のようだ」。

調査によると、テック企業のマーケティング、ソーシャルメディア、ITセールスの雇用が最も影響を受けており、募集は対前月比で60%超落ち込んでいる。想像できることではあるが、観光・旅行部門のテック企業ほぼすべてが採用活動を中止していることがデータで示されている。

それとは対照的にエンジニアリング求人は善戦しており、C++、Java、Ruby、PHPのデベロッパー採用は20%減にとどまっている。

「いくつかの異なる要素が雇用に作用していると考えている。現在のキャッシュランウェイ(キャッシュフローが赤字の間、手元資金で乗り切れる期間)でバーンレートをコントロールし、今後3〜6カ月で立ち直れるかどうか、などだ。そのため資金調達やキャッシュディシプリンがものをいう。もし私が旅行予約スタートアップを現在経営しているとしたら、例え銀行預金残高が健全なものだったとしても、最悪の事態に備えるだろう」

その一方でハンター氏は、VCやCEO、創業者たちは今回の危機により可能な限りの「ヘッジ」を余儀なくされ、回復や危機の後にくる上向き局面を描こうとしているが、実際のところこの危機がいつ終わるのか誰もわかっていないと指摘する。

「V字型経済回復とはならないだろう。しかし景気回復が始まるときにいい位置につけることができる企業が最も速く成長し、最大のマーケットシェアを握るはずだ。だからこそ差し当たって1、2年の計画にさほど大きな変更を加えず、活用できそうな機会をつかんでものにしようとしている企業がいる。これはAyrton Senna(アイルトン・セナ)の言葉にある通りだろう。『晴れた日には車15台を追い抜かすことはできないが、雨の日だったらできる』」

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

多数のスタートアップが新型コロナ対策支援事業にピボット中

この間、我々はパンデミックがなければ関心をもちそうになかった知識をいろいろと覚えた。身の回りにあるもので簡単にマスクを作る方法とか豆の缶詰の煮汁が卵白の代用になるなどのお役立ち情報だ。

今回のまとめ記事でもそのような例を紹介する。誰でも知っているような世界的大企業ばかりでなく、まだ小規模なスタートアップも新型コロナウイルス(COVID-19)への対応を支援するビジネスへのピボットや新たな提携関係の確立などに向けて動いている。以下TechCrunchが気づいた最近の例をいくつかまとめてみたので参考にしていただきたい。

グリーティングカードからバーチャルセラピーサービスと提携

2017年にAli O’Grady(アリ・オグレディ)氏はグリーティングカードのスタートアップ、Thoughtful Humanを設立した。このスタートアップはガン患者や最近近親者を亡くした相手など、デリケートな場合のグリーティングカードを専門としている。ここに新型コロナウイルスの流行と自主隔離がやってきた。

カウンセラーを紹介するプラットフォーム、BetterHelpは新型コロナウイルスの流行による心のケアをするために通話やチャットによる無料セラピーに乗り出した。Thoughtful Humanはこのプロジェクトに賛同し、BetterHelpと提携して事業に参加している。

レイオフにめげず職場に復帰するためのツールを提供

Ziraは業務のシフト策定の自動化やチームチャットなどにより職場の効率化を図るサービスを提供している。同社は新型コロナウイルスの流行によってレイオフされた人々を援助するためのBounce Backという無料ツールを立ち上た。簡単にいえば、このアプリケーションはユーザーの住む地域別に失業に対処する方法を教えてくれる。このサービスを通じてユーザーが以前の雇用主の現状を知り連絡を取ることができる。また地域の求人市場にもアクセスが可能だ。

国務省と提携したビジネス向け情報収集サービス

自然言語によるビジネス向け情報収集サービスのYextは新型コロナウイルス関連の質問に答えるツールを90日間無料で提供する。これはアメリカ国務省と提携しており、COVID-19情報のハブとなり世界各地への渡航情報を提供する。先月、Yextは新型コロナウイルス情報のポータル開設でアラバマ州、ニュージャージー州と提携している。

メニューをテーブルからオンラインへデジタル化

My Menuはレストランが店内のメニューをデジタル化するのを助けるサービスだ。ソーシャルディスタンス確保と自主隔離の拡大によって店内の食事提供を取り止めるケースが急増したことを受けて、同社はメニューのデジタル化に用いられたテクノロジーを公開し、レストランがオンラインでの持ち帰りメニューを作るのを助けようとしている。MyMenuのツールを使えば、QRコードをスキャンするだけで即座に持ち帰りメニューがポップアップするようにできる。レストランの顧客は面倒なナビゲーションなしにQRコードから直接メニューを開いて注文がでいる。

クラウド利用のクリエイティブ

DigitalOceanはクラウドのプロバイダだが、デベロッパーがパンデミックへの対処を支援するプロジェクトを共有するためのハブを作った 。このハブを活用したプロジェクトには、新型コロナウイルスの世界的拡散をモニターするための匿名で健康状態を報告できるアプリや、ケニアの小学校教師がリモート授業を円滑に進めることを助けるコミュニティーづくりなどが含まれる。

起業家向け無料カウンセリング

Betaworksは、メンターからのアドバイスが得られる起業家向けのサポートグループをスタートさせる。これはスタートアップの起業家とビジネスリーダーを結びつけるピアツーピアプログラムで、期間は6週間で参加は無料だ。申込の締め切りは4月13日、先着順で参加者が決定されるので興味があれば急いだほうがいい。

#MaskUpでマスク供給

サスティナブルなアパレルを提供するStellariの創業者であるJanelle M. Jimenez(ハネレ・M・ヒメネス)氏は ロサンゼルスの製造会社がマスクを生産するためのシードマネーを投じている。ヒメネス氏はメーカーと提携し、1万5000ドル(約160万円)を投資したが、大量生産のためにはあと1万ドルが必要だ。マスクは地元の衣料産業を援助するために原価で提供される。このプロジェクトはIndiegogoで2万4000ドル(260万円)をすでに集めた

COVID-19対応サイトづくりにプログラマーは団結せよ

Coding Dojoは卒業生のプログラマーたちをウェブサイトを新型コロナウイルスに対応させる必要に迫られているスモールビジネスに結び付けるプログラムを開始した。プログラマーは、角の酒屋のサイトづくりや既存サイトへの配達機能の追加などのプロジェクトを無料で引き受ける。

ボストンでマラソン大会用ゼッケン買い上げのチャリティ

Tom O’Keefe(トム・オキーフ)氏はマラソン参加者向けチャリティ団体のStrideForStrideのファウンダーだ。この団体はグアテマラ、ニカラグア、エルサルバドル、ブラジル、チリ、キューバ、ジャマイカ、アメリカなどの低所得のランナーからマラソン大会用ゼッケンを買い上げている。新型コロナウイルスでマラソンが中止され、ボストン地区ではホテル、レストラン、Sam Adamsビールなどの企業会社からの資金援助が途絶えた。Strideではパンデミックの後、レストランやバーを組織してランニング・クラブを作る計画だが、当面はDownloadBoston.comというボストン地区のブランドをプロモーションする運動に注力している。

最前線の医療スタッフに食事を提供

ニューヨーク市民のグループが#InMyScrubsという運動をスタートさせた。資金を集めて新型コロナウイルスの緊急対応にあたっている病院の医療スタッフに地元のレストランから食事を送るというものだ。これ自体はテクノロジーをベースにしたイニシアチブではないが、心温まる動きだ。賛同者は自宅でジャージーやスウェットシャツなど緊急対応スタッフが着用している消毒済上着(Scrub)に似た衣類を身に着けている写真をInstagramにアップロードして連帯を示す。この運動はすでに6万8000ドル(約73万円)を集めている。

トップ画像:alashi / Getty Images

【Japan編集部追記】布と輪ゴム2つで簡単なマスクの作り方を実演しているのは米公衆衛生局長官で海軍の軍医中将のアダムズ博士。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(消費者向け事業)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。以下は消費者向けの商品またはサービスの販売に焦点を当てた事業だ。そのほかのカテゴリー(ハードウェア、AI、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

消費者向け事業

Apartio
Apart出張者をターゲットにした長期・短期レンタルサービスだ。同社はブラジルを訪問する従業員のいる企業をターゲットにして、AirbnbとBooking.comで直接旅行者を顧客とする予定だ。

Valienta
Valientaは中南米諸国での直接販売ネットワークプロセスの簡素化を目的としたソフトウェアだ。直接販売市場は270億ドル相当(2兆9100億円相当)を占めており、中南米では大きなチャンスと言える。1300万人の直接販売者は、主に個人的なネットワークに転売する女性達である。例えば米国のAvonレディのように、Valientaはこのプロセスを単一のアプリで近代化したいと考えている。

Trustle
子どもが夜寝てくれない時やかんしゃくを起こす時、途方もなく感じてしまうのが子育てだ。Trustleは保護者に向けた月額50ドル(5400円相当)のサブスクリプションで、育児と児童発達の専門家にいつでもアクセスできるサービスだ。創設者によると、インターネット上には育児に関する相反したアドバイスや意見が無数に飛び交っており、答えを求めて延々とグーグル検索を続けても、良い意見を得られることは少ないと言う。また、Trustleはほかの問題点も解決したいと考えている。児童発達における修士号を有する約18万人の幼稚園教師の年収は平均35000ドル(約380万円)と言われており、驚くほどに多くの専門知識が過小評価され、活用されていないことを示している。Trustleはこの2つの問題を結ぶシステムを築くことにより、保護者が子どもの認知、社会、感情、行動における発達について学び実行できるようにしたいと考えている。創設チームには、Google for Education反響部門の元トップ、臨床児童心理学者、およびEdTechスタートアップの元創設者が含まれている。

Viya
Viyaはモバイルファーストの中南米市場向けアパートレンタルシステムだ。テナントの生活を簡素化することを目的とし、クリーニング、メンテナンス、ランドリーサービスと併せて市内中心部の部屋やアパートのリースを提供している。

Jamiphy
Jamiphyのプレゼンは「ミュージシャン用のTikTok」とシンプルだ。世界中で相次ぐライブイベントの閉鎖に伴い、同スタートアップはミュージシャンらにショートビデオのライブミュージックを共有する場を提供するという潜在的な市場を得たと言える。同社は今月初めにインドネシアで事業を立ち上げている。

Breezeful
Breezefulは機械学習を用いて、顧客の住む地域で最良の住宅ローンを見つけてくれるサービスだ。同社が顧客に代わって貸し手と交渉し、取引が成立したときに貸し手から仲介手数料を得るシステムだ。9週間前のローンチ以来、7000ドル(約976万円)の収益を上げている。

Modern Village
Modern Villageは忙しい家庭の「補佐官」になれたらと考えている。月額30ドル(約3300円)で育児、掃除、食料品の買い物、食事などにおける計画を担う。このサービスにより利用者は1週間に約10時間を節約できると同社は見積もっている。現在はプライベートベータ版で運営中。

LegionFarm
eスポーツコーチング。Legionfarmは1時間毎の利用量を払うことで、『Apex Legends』『Destiny 2』『Fortnite』などのゲームの指導を一流プレイヤーやプロゲーマーから受けられるサービスだ。同社によれば、昨年だけでも35万時間以上のコーチング(プレイヤーの支払いは1時間あたり平均約16ドル(約1700円)と720万ドル(約7.8億円)のARR(年間収益予測値)を達成したとの事だ。Legionfarmに関しては以前にもこの記事で伝えている。

StayQrious
8〜15歳のインドの子供向けオンライングループクラス(コーディングクラスから開始)。同社によると、3か月前のローンチ以来生徒の定着率は90%に達している。

Yukstay
インドネシアでの長期レンタルを促進するプラットフォーム。仲介業者が新規物件を掲載し、顧客が閲覧と予約をできるシステムだ。同社によれば、3月の総収入は17万ドル(1850万円相当)になる見込みだ。

Refund Giant
多くの人は知らないが、英国への訪問者は出国時にVAT(付加価値税)還付を得られる。これをサポートするのがRefund Giantだ。ユーザーが領収書の写真をアップロードするとRefundGiantがすべての事務処理を行い、還付金額の25%が引かれるシステムだ。

Sayana
チャットボットのようなインターフェースを使用して、ユーザーが自身の感情の変化を記録できるようにするサブスクリプションベースのメンタルウェルネスアプリ。マインドフルネスにおけるアドバイス等を提供する。現在毎月の売上は約15000ドル(約163万円)で、月間で25%の成長率を達成している。

HelpNow
HelpNowはAHA認定のトレーニングと基本的な生命維持装置をUberドライバーに提供し彼らを活用することで、インドで救急車が到着するまでに必要な時間を短縮しようとする試みだ。ムンバイには347台の車両が存在し、9100件以上の支援の要請に対応した。創設者の1人の父親が心臓発作を起こし、45分以上救急車を待つことになると告げられたことをきっかけに同社が設立された。自分たちの車で病院へ運ぶことを選択し、幸いにも創業者の父親は一命を取りとめている。

Global Belly
インフルエンサーによるカスタムブランド製品を開発、販売する事業。ベーキングキットやレシピボックスなど、食品関連に焦点を当てた製品を皮切りに開始した。同社によれば、現在プラットフォームには17人のインフルエンサーがおり、今後200人のインフルエンサーが追加される予定だ。現在月間収益は約25000ドル(約272万円)を達成している。

Whatnot
プロによって認証された収集品を売買するための市場。FunkoPopフィギュアを皮切りに開始した。GOATの収集品版のようなものだ。同社によれば、GMV(流通総額)はローンチ後約3か月で月額3万ドル(約326万円)を上げているという。Whatnotについて以前書かれた記事はこちら

Pantheon
Science Bowlや英国のUniversity Challengeのような、大学生に向けた知識ベースのクイズショーイベントをモデルとしたPantheon。中高の生徒が集い競い合うだけでなく、同じような趣味を持つ仲間と出会って井戸端会議もできるアプリである。また、大学や企業が有望な候補者を見つけることができる一種の「採用」プラットフォームとしても機能する。

Glimpse
新型コロナウイルスの蔓延を遅らせるため自主隔離を行なっている最中、1人で過ごす孤独な時間を少しでも和らげることができるアプリがこれだ。Glimpseを使用すると、友達や友達の友達と2分未満の短いビデオチャットをセットアップできる。Instagramを無制限にスクロールするような受動的なものではなく、1日中費やす会議よりも短時間の対話のほうが価値を感じる場合がある。

Multiverse
独自のロールプレイングゲームを構築できるプラットフォーム。『Dungeons & Dragons』のようなオープンエンドのゲームやRobloxなどDIYのゲーム構築サイトに着想を得て設立された。

Nugget
ずばり「オーディオ版Instagram」。ユーザーは短いオーディオクリップを録音し、フィルターを適用してサウンドをアレンジし、ソーシャルフィードで共有することができる。自発的なスナップショット型のポッドキャスティングは、間違いなく我々の時代に合ったアプリと言えるだろう。

Together
Facebookはプライバシーにおいては改善されるべき点が多い。ユーザーのプライバシーを確保するため、Togetherはそのギャップを有料のソーシャルメディアアプリで埋めることを目指している。

Zelos
Zelosではゲーマーが無料で複数のビデオゲームにおいて報酬を獲得することができる。毎週32000人のプレイヤーがチャレンジを完了し(1分間に3人のキルを達成など)、バーチャルグッズ、割引、ガチャなどと交換できるポイントを獲得している。より多くのエンゲージメントを求めるゲーム開発者には、Zelosと統合することにより、ポイントスコアリングを高速化し開発者と分割する月額5ドル(約540円)のプレミアムサブスクリプションも用意している。

The Mercer Club
The Mercer Clubは高級ストリートウェアとシューズのメンズ向けレンタルサービスだ。月額75ドル(約8000円)を支払うと顧客は毎週2点までのアイテムを借りることができる。Instagramで1度着るだけのために10万円のグッチのパーカーを買う必要がなくなるというわけだ。「メンズ向けRent The Runway」の同事業モデルはすでにARR10万ドル(約1080万円)にまで成長している。

Adla
Adlaは試着してから購入できる服が詰められた箱を大学生の女の子に送り、購入したくない残りの服を受け取りに来るというサービスだ。同社はキャンパスコミュニティでの人口密度と人気の広がり早さで利益を伸ばしている。アイテムごとに7ドル(約760円)のマージンを請求し、最終的には顧客ベースを活性化させたいブランドを推奨することでコミッションを獲得したいと考えている。

Virgil Insurance
Virgil Insurance は65歳になる高齢者がメディケアの助成を受けた健康保険を購入するのを支援するサービスだ。オンラインブローカーを使用すれば、プランを簡単に比較することができ、コールセンターで延々と待たされることもない。毎日1万人の米国人が65歳を迎えるため、保険ブローカーは年間60億ドル(約6500億円)の手数料を稼いでいる。創設者らは以前に、サブスクリプションをキャンセルするためのTrimや、パワースポーツ車両購入のための資金調達をするOctane Lendingなどのフィンテックスタートアップを立ち上げた経歴を持つ。

Art in Res
Art In Resは、顧客が作品を予約購入できるファインアートのためのマーケットプレイスだ。同スタートアップは販売数よりも生産数の方が多いアーティストを登録し、割引や分割払いの価格付けや、ソーシャルメディアのフォロワーを収益化するためのツールを提供する。生計を立てるためにコーディングを学んだ画家としての過去を持つArt In Resの共同創設者は、現在新しいeコマースチャネルを探している125人のアーティストと提携している。

Hideout
米国のレストラン事業は8600億ドル(約93兆円)の市場であるが、全売上の59%はミレニアル世代によるもので、テイクアウトまたは配達用であるとHideoutは述べている。同スタートアップはデリバリーに特化したレストランブランドのポートフォリオを構築しており、日本のカツサンドやオーガニックボウルのブランドを皮切りに、イタリアのサブサンドや弁当ボックスに焦点を当てたコンセプトにも着手する予定だ。

Duffl
Dufflは大学生の「今すぐ欲しい」リアルタイムでの必需品需要をターゲットとし、10分以内にアイテムを届けるというサービスだ。キャンパス付近に学生が頻繁に購入する商品を保管し、学生を雇って電動スクーターで商品を届けるというものだ。収益は配送料のほか、大量購入によるマージンによって捻出されている。

Thunderpod
フィットネスを餌とするたまごっちのようなアプリ。各ユーザーはThunderpodアバターを取得し、アクティビティを実行するごとにそれが成長する仕組みだ。アプリはユーザーの動きを記録し、友達とフィットネスチャレンジで対戦したり、ユーザーが作成したダンスなどのフィットネスチャレンジの莫大なカタログから試すことも可能。インドで急成長中のテクノロジー市場から誕生した、増え続ける消費者向けソーシャルアプリの1つだ。

Carupi
中古車のP2Pマーケットプレイスを開発したCarupiはブラジルで事業を開始した。2021年の第1四半期までに米国に進出する予定だ。

Motion
MotionのチームはChromeユーザーがウェブ上での時間をより効率的に管理できるようにする拡張機能を構築している。より柔軟な構造を持つ同ツールは、単純なブラックリストやホワイトリストの域を超え、ユーザーがサイトを「非生産的」と指定することにより徐々に習慣を変えていくというものだ。現在このツールは無料で使用できるが、消費者に広く受け入れられるようになった後、より広範なB2B戦略に発展させることを望んでいる。

Cron
CronはGoogleカレンダーのための「超人」を構築している。Cronの共同創設者であるRaphael Schaadは以前、オリジナルのiA Writerアプリの作成に貢献した経験を持つ。彼の新しいスタートアップはGoogleカレンダーのパワーユーザーに月額19ドル(約2000円)をチャージし、ワークフローをクリーンアップしたり、ほかの生産性アプリと統合したりできる追加のパワー機能を提供する。

Moons
中南米版のSmileDirectClubとして自身を説明するMoons。2019年3月のローンチ以来、矯正治療とクリアアライナーを提供しており、SmileDirectClubの半額の価格であると主張している。同社の月間売上高は60万ドル(約6500万円)で、15の店舗で200人以上の人材を雇用している。Moonsについて以前書かれた記事はこちら

Chutney
インドの増加し続けるオンラインユーザー人口をターゲットとして、Chutneyは「インドにおける大衆市場向けのAmazon」になりたいと考えている。顧客はWhatsAppを使用して近くの小規模な店から新鮮な果物や野菜を購入し、翌日ピックアップするというものだ。

Yassir
Yassirはフランス語圏のアフリカ向けにデザインされたアプリだ。29か国に住む4億3000万人と推定される人口に一連の金融サービスを提供したいと考えている。

EduRev
試験勉強をしている2億人のインド人学生を対象とするエドテック企業がEduRevだ。試験準備プラットフォームのサブスクリプション費用は年間50ドル(約5400円)で、月毎のアクティブユーザーは45万人を超える。放課後の塾の代わりにと開発されたEduRevのアプリでは、生徒達にデジタル形式の受験コースを提供している。

Riya Collective
インドのウェディング衣装は高価なため、Riya Collectiveはウェディングに特化したRent The Runwayスタイルの事業をローンチした。2人のインド系米国人起業家によって設立された衣料品レンタルの同スタートアップは、データ駆動型のスタイリングおよびサイジングアルゴリズムを使用。同社の収益は3か月で月1万ドル(約110万円)から月5万ドル(約540万円)に成長している。

TagMango
「インド版Cameo」と言えるTagMangoは、トップインフルエンサーや有名人からのパーソナライズされたビデオメッセージを予約し購入できるというもの。同スタートアップは、単純に言えばボリウッドをよりインタラクティブで身近にすることで利益を得るという目論見だ。同社は1ビデオあたり平均20ドル(約2150円)をチャージしている。

FitnessAI
1万8000人の有料ユーザーを誇るFitnessAIは、パーソナライズされたウエイトトレーニングプランを提供している。創設者Jake Morは、10年間にわたるアプリ制作の経験を持ち、フィットネスアプリ制作に関しては4年の歳月をかけている。年間費用は90ドル(約9700円)となっている。FitnessAIについて以前書かれた記事はこちら

GiveAway
12か月前に設立されたGiveAwayは、中古品を提供するP2Pマーケットプレイスを構築している。5か国にまたがるユーザーベースで17万件を超える取引を成立させている。従来の市場とは異なり、ユーザーは入札を通じて仮想通貨で商品を購入する仕組みだ。

Deep Meditate
Deep Meditateでは個人に合わせたメディテーション(瞑想)のトレーニングを年額26ドル(約2800円)で提供している。同アプリは現在、月間15万8000人のアクティブユーザーを獲得している。

Pahamify
インドネシアのYouTubeサイエンスインフルエンサーによって設立されたPahamifyは、インドネシアの学生の大学入試をサポートするアプリだ。同スタートアップは従来の対面式個人指導などとは異なる指導方法を提案している。同社によると、年間約24ドル(約2600円)の同サービスは月間約6万5000人のユーザーを獲得している。

Edlyft
大学でコンピューターサイエンスを専攻した2人の高校の元同級生が、大学卒業後ベイエリアで再会したことから設立された同社。コンピューターサイエンスを勉強した経験がないものの、今後専攻したりキャリアにしたりしていきたいと思っている大学生を、メンターネットワークやチューターを通して支援するというものだ。

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(ヘルスケア、バイオテック、フィンテック、非営利団体)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。今回はヘルスケア、バイオテック、フィンテック、非営利団体だ。ほかのカテゴリー(B2B、コンシューマー、ロボティクスなど)に関してはこちらから読むことができる。

ヘルスケアとバイオテック

Simple Strips
専用の血糖値計を必要とせず、スマートフォンのカメラで読み取り可能なストリップを開発し、グルコース検査を安価により多くの人に提供することを目指している。同社は6月にこのストリップのFDAの認可申請を行う予定とのこと。

nplex biosciences
新薬開発に必要なタンパク質パネルの評価を迅速、安価に実施する方法を提供。大手製薬会社を含め400万ドル(約4万3千円)以上の基本合意書が予定されている。

Healthlane
アフリカのユーザー向けに医師とのコミュニケーション、予約、検査結果の追跡を支援するアプリ。すでに採算が取れており、顧客定着率は98%とのこと。

Breathe Well-being
インドの慢性疾患(糖尿病など)のあるユーザー向けに減量をサポートする16週間のプログラム。同社は体重、食事、活動などを記録し、認知行動療法でストレス軽減の指導を行う糖尿病の個人指導を提供する。現在のMRR(月間定額収益)は1万1200ドル(約120万円)。

Dropprint Genomics
個々の細胞活動の解析時間とコストを削減できる「シングルセルゲノミクス」ソフトウェアで創薬を支援。同社は2か月で100万ドル(約1億840万円)以上の基本合意書を締結した。

Newman’s
インドネシアの男性向けデジタル診療所。同社は恥ずかしく感じる悩み(毛髪の悩み、勃起不全)や途中で放棄されることが多い問題(禁煙)に特化し、遠隔受診を通じてより容易、安価、内密に診断を受けることを可能にする。Newman’sについて以前書かれた記事はこちら

Menten AI
同社は「量子コンピューティングと機械学習」を合成生物学と組み合せて新しいタンパク質性製剤を開発しているという。

Loop Health
Loop Healthによるとインドの健康保険の大半が「入院のみカバー、通院は適用外」である。同社は専用の「Loop Healthクリニック」への無制限のアクセスとアプリを利用した遠隔医療を提供し、この状況の改善を目指している。

Synapsica Healthcare
「AIレポート作成アシスタント」。現在脊椎MRIに注力している同社では、測定の注釈と椎間板変性症の所見を自動的に行うことで放射線医師のレポート作成時間の80%を削減する。同社によれば現在10万ドル(約1083万円)を投資した放射線医学でのパイロットプログラムは250のカイロプラクティック・クリニックに選ばれているとのこと。

Volumetric
Volumetricは血管新生化されたヒト組織を作成する3Dバイオプリンターを製造している。2人の博士により創設された同社は製薬会社や科学者向けに感光性組織を販売している。同社は機能性組織、さらには臓器まで生成できるバイオプリンターとバイオインクの製造に資金を投じている。Volumetricについて以前書かれた記事はこちら

Ophelia
Opheliaは米国の300万人のオピオイド依存症患者に遠隔医療でリハビリの代替治療を提供している。同システムでは、患者は遠隔医療で受診し、発行された処方箋でブプレノルフィン/ナロキソンなどの治療薬を配達してもらい、偏見にさらされることなく治療を受けられる。創設者は長年のガールフレンドがオピオイド依存症で亡くなった後、同社を立ち上げた。Opheliaはこれまでに40人の患者の治療に当たってきた。

Lilia
「将来、女性は卒業記念に卵子凍結するだろう」と主張するLiliaは、卵子凍結保存コンシェルジェ・サービスだ。このスタートアップ企業はコンシェルジュサービスに500ドル(約5万4千円)、クリニックでの体外受精時にさらに500ドル(約5万4千円)の支払いを受ける。Liliaによれば総市場規模は330億ドル(約3兆5760億円)だという。

Equator Therapeutics
同社はエクササイズをすることなくカロリー燃焼を手助けする薬品を開発している。アンチエイジング薬品を開発する企業での経歴を持つ2人の博士とデータサイエンティストによって創設されたEquator Therapeuticsは、肥満と2型糖尿病の人々をターゲットにしている。

Altay Therapeutics
サンフランシスコのBayer Collaborator内にあるAltay Therapeuticsは、病気を引き起こすDNA結合タンパク質(転写調節因子)をブロックする小分子療法を開発した。同社の初回治療は関節炎、線維症、潰瘍性大腸炎、肝癌に焦点を合わせている。

Tambua Health
Tambua Healthは「耳で聞く」聴診器と高度なイメージングが可能な独自のソフトウェアを使って、X線を照射することなく肺を画像化する。

Abalone Bio
ライフサイエンス領域のシリアルアントレプレナーによって創設されたAbalone Bioは、数十億の抗体バリアントを発現する酵母細胞のライブラリを使って、薬品の対象を活性化したり阻害できる特定の抗体を生成している。遺伝子配列、機械学習、合成生物学を活用して抗体の組み換えタンパク質を作成し、その有効性をヒト細胞アッセイで確認している。同社は痛み、炎症性疾患、希少癌、希少腎臓病の治療薬を皮切りとしてターゲットにしている。

Felix Biotechnology
イェール大学の著名な研究者であるPaul Turner氏によって創設されたFelix Biotechnologiesは、抗生物質の効かないバクテリアと菌類に対する治療法を開発している。同社によると、これらの病原体は米国だけで毎年280万件の感染症例と3万5000件の死亡例を引き起こしている。平均すれば、米国で15分に1人が抗生物質抵抗性の感染症により死亡していることになる。2050年までに抗生物質抵抗性による死亡者は癌による死亡者を上回るとの警告が、すでに研究者から出されている。

Genecis Bioindustries
同社は食品廃棄物を生分解性プラスチックに変えている。Genecisについて以前書かれた記事はこちら

Candid Health
Candid Healthは保険会社への手続きを行い拒絶された申請に自動的に不服申し立てを行う、ヘルスケア業界向けの自動請求ソフトウェアを開発した。同社は支払いの5%を徴収する。

Ochre Bio
Ochreによれば臓器提供された肝臓はその数が不足しているにも関わらず多くが廃棄されているらしい。脂肪が多すぎて移植が成功しないためだ。同社は移植の前に処置を施す方法を見つけることで「肝臓を体外で若返らせる」ことを目指している。

フィンテック

Facio
ブラジルの銀行は問題を抱えている。五大銀行が市場を寡占しており、手続きは遅くカスタマーサービスは最悪で、実質金利は高く中小企業は相手にしない。Facioは負債の餌食になることから労働者を守り、従業員向けの低金利の短期ローンで経済的自由を提供することを目指している。これは雇用者と一体になって給与から直接ローン返済額を天引きする仕組みだ。

delt.ai
Delt.aiはサービスを受けにくいメキシコの中小企業とフリーランス向けに支払い、請求、コーポレートカードを取り扱うデジタル銀行だ。このスタートアップはラテンアメリカの500憶ドル(約5兆4190億円)を上回る企業預金市場をターゲットにしている。Delt.aiはラテンアメリカをターゲットにしたBrexやMercuryだ。

Nexu
ラテンアメリカのほかの多くのパーソナルファイナンス業務と同様に、自動車金融は割高でローテクな、気の遠くなる手続きだ。ラテンアメリカの自動車販売代理店向けファイナンス・プラットフォームであるNexuは、動的な信用評価を使って自動車購入者にわずか数秒でローンの承認を与える。創設者チームの出会いは、ウォートン校のMBA在学中だった。

Fondeadora
Fondeadoraは飽和状態のメキシコのフィンテックシーンに、従来の銀行に代わるネオバンクデビットカードで参入する。同社はアプリで取引ができる完全モバイルのデジタル預金口座を提供する。同社には6万5000人のユーザーと650万ドル(約7億450万円)の月間取引がある。メキシコのもう一つのデビットカードであるAlboは、現在、プラットフォーム上で取引を行う月間20万人のアクティブカスタマーのシェアを持ち、2600万ドル(約28億1780万円)の資金を調達している。メキシコの銀行は、複数のスタートアップを大成させるのに十分な問題を抱えている。メキシコの人口1憶3000万人の45%は銀行口座を持たない。つまり借入と貯蓄により資産を形成するための金融商品を持たないのだ。

Jenfi
アジアの小規模事業に収益に応じて通常1万ドル~10万ドル(約108万円〜約1080万円)の資金を貸し出している。Jenfiに関しては以前にもこの記事で伝えている。

yBANQ
インドの大規模B2B企業向け代金回収・会計調整システム。同社によれば1月下旬の立ち上げからすでに18社の顧客を獲得し、流通取引総額は約1万8000ドル(約195万円)に達している。

ZeFi
米ドルによる預金と「ステーブルコイン」暗号通貨を内部的に換金する預金口座。ZeFiが換金された資金を貸し付けて利息を得る仕組みだ。

Grain
Grainは既存のデビットカードを「責任のある」クレジット金額(現在は収入やキャッシュフローに応じて上限500ドル(約5万4千円))に結びつける。長期間にわたって信用情報の信用評価が最小あるいは不良になっている人の援助になることを目指している。同社によれば立ち上げから3か月で1000人の顧客と契約し、顧客当たり年間約80ドル(約8600円)の収入が想定されている。

CrowdForce
アフリカで地域の商店主を銀行の支店として活用し、銀行が遠距離にしかない場合に取引の仲介を行う。同社によれば先月の純収益は7万ドル(約760万円)で、顧客当たり年間平均20ドル(約2170円)ほどの収益がある。

Stark Bank
ブラジルのテクノロジー企業向けのB2B取引を取り扱うバンキングAPI。同社は立ち上げから1年あまりで1200万ドル(約13億円)の月間総取引額を見越している。

Bamboo
世界中の有価証券を購入するアフリカの富裕層向けのオンライン仲買業務。同社によればおよそ5か月前の立ち上げからすでに2100人を超える投資家を集め160万ドル(約1億7340万円)以上の取引がプラットフォーム上で行われているという。現在の月間収益は1万ドル(約108万円)を超える。

Swipe
「アフリカのBrex」を自称するSwipeは、アフリカの中小企業に給与と支出をカバーするクレジットカードを提供している。無料の経費・請求ツールを提供することからビジネスを始め、次いでクレジットカードを提供した。現在顧客は30社、発行したクレジットカードで2万ドル(約216万円)の取引が行われている。

goDutch
ルームメイトなど、請求書をシェアしているグループ内で費用を分割できる支払いカードだ。インドに注力している。代金は1枚のカードに課金され、それぞれのグループメンバーの口座から自動で引き落としが行われる。

Paymobil
Venmo式のアプリで暗号通貨のステーブルコインを使って世界中に送金するシステム。創設者のDaniel Nordh氏はCoinbaseでカスタマーデザインを率いた経歴を持つ。

Karat
Karatは銀行業務、ローン、クレジットカードをインフルエンサーに提供している。同社は彼らの人気度のデータをリスク管理に活用して、ローンの実質金利40%を達成し、平均返済期間は45日だ。創設者のInstagramでのインフルエンサー・ツール構築とゴールドマン・サックスでの債務の構成の経験により、すでに1000万を超えるフォロワーを持つスターたちと契約を結んでいる。

Homestead
Homesteadは自宅を所有する人向けに初期費用なしでガレージの賃貸物件への転用をサポートする。工事、入居者捜し、管理の費用はHomesteadが負担し、賃貸収入を所有者と分配する。カリフォルニア州の新しい法律では、州内の800万のガレージを居住スペースとして賃貸できるようになり、巨大な市場機会が生まれている。Homesteadの創設者たちはマサチューセッツ工科大学の建設・都市計画大学院で出会った。すでに100万ドル(約1億840万円)の売り上げを上げてげているスタートアップである。

Benepass
Benepassはスタートアップと小規模企業向けに福利厚生カードを提供している。従業員はBenepassデビットカードで支払いをすると税制優遇と、医療費支出口座、子育て、通勤、フィットネスや教育などの福利厚生特典を受けられる。購買履歴はアプリに記録される。雇用者には無料で提供されているがBenepassのテイクレートは6%だ。それでも何千ドルもの所得税と給与税を節税できる。優秀な人材の獲得をめぐって大手のテクノロジー企業と競っているスタートアップには、Benepassで従業員に大きなサポートを実感させることができる。

GAS POS
米国のガソリンスタンドオーナーは、コンピューターチップを搭載したクレジットカードの国際標準であるEMVテクノロジーを採用し、給油ポンプのアップグレードを競っている。GAS POSは北米の18万のガソリンスタンドがEMVを導入してセキュアな取引を行うための最新のPOSシステムを提供するために創設された。同社にはいくつかの収益源があり、支払い処理金額の3%の手数料、機器購入者への無料のSaaS、顧客に提供される翌日資金調達サービスがある。

YearEnd
YearEndは数字の上ではリッチな人向けの税務ソフトウェアを開発し、顧客の株式を最適化してスタートアップの従業員の税務申告を支援している。 このスタートアップは個人ユーザーに年間330ドル(約3万6千円)を課金し、YearEndを従業員手当として導入したい企業に売り込んでいる。

GIGI Benefits
インドのGIGI Benefitsは同国のギグエコノミーワーカー向けの福利厚生プロバイダーを目指している。この事業は昨年最もホットなY CombinatorスタートアップのCatch、ベンチャーキャピタルの支援を受けたTrupoなどの事業を手本に、健康保険や退職資金口座などをギグエコノミーワーカーに提供している。

Easyplan
Easyplanはインド版のQapitalやDigitとして、ユーザーが具体的な目標に向けてシームレスに貯蓄を行えるようにしている。

Haven
Havenは住宅ローンサービスの次世代プラットフォームだ。最新のカスタマーインターフェース、貸し手向けのより優れた払いモデルなどを提供している。

WorkPay
WorkPayは「アフリカのGusto」を名乗る、当地の中小企業をターゲットとした次世代型の給与・関連サービスだ。

Spenny
Spennyはインドの消費者向け貯蓄ツールで、購入額の端数を切り上げて貯蓄に回すことで顧客は貯蓄を始めることができる。

Kosh
Koshはアルゴリズムで強化されたインド向け貯蓄・投資プラットフォームで、良好な信用評価を持つ人が評価の低い友人を実質的に保証することで借り入れを支援するシステムだ。

非営利団体

Potential
Potentialは服役した過去のある人を仕事や生活資源に結びつけたいと願う非営利団体だ。同社は拘置所と雇用団体と連携し、より人に優しい雇用環境を作ろうとしている。

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(ハードウェア、ロボット、AI、開発者向けツール)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。これらの企業は、ハードウェア、ロボット工学、AI、機械学習、開発者用のツールを手掛けている企業である。そのほかのカテゴリー(バイオテック、コンシューマー、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

AIおよび機械学習

Datasaur
自動修正、自動提案、キーボードのホットキーなどを使用して、人間がマシンデータのデータセットをより正確かつ効率的にラベル付けできるようにするためのツール。個人のデータラベラーは無料、20名以下のラベラーからなるチームには月100ドル(約1万1000円)、それより規模の大きいチームには個別の使用料が適用される。

1build
建設会社向けの、データによる作業費用自動見積もり。ユーザーが作業計画をアップロードすると、1buildは正確な入札額を「数分で」準備できるとしている。同社は、60万ドル(約6600万円)を超える収益を予測しており、Amazon、スターバックス、セブンイレブンなどの大企業の見積もりは完了していると述べた。

Zumo Labs
ゲームエンジンを用いて、コンピューターのビジョンシステム向けに、事前にラベル付けされたトレーニングデータを作成する。同社は、現実世界の写真やビデオからデータを収集するのではなく、データを合成することにより、より迅速で安価に、またプライバシーの問題なく、大量のデータセットを作成できると述べている。

Teleo
既存の建設機械を改造して、オペレーターが遠隔操作できるサービスを提供。Teleoは3ヶ月前の創設以来「完全に機能する遠隔操作ローダー」を作ってきたと述べ、建設会社に、一台につき毎月定額で料金を課す予定でいる。この企業の共同創設者はHardware Engineeringの元責任者であり、またLyftのProduct Managerのディレクターでもあった。どちらの会社もGoogleのStreet Viewチームに関与していた。

Turing Labs Inc.
石鹸やデオドラントなどの消費者向け製品について、様々な配合率を試す自動化されたシミュレーションテスト。研究開発チームにとって、家庭用製品や化粧品に関する作業は、数ヶ月に及ぶことがある。Turingは、このプロセスを支援するAIエンジン(薬の開発に使用されるのと同様のAIエンジン)を開発し、数ヶ月を数日に短縮する。Turingはすでに世界でも有数のCPG企業と取引を行っている。Turingについて以前書かれた記事はこちら

Segmed
SegmedはAIによる医学研究のためのデータセットを構築している。研究者がそれぞれ個別に病院や画像施設と提携する必要を省き、Segmedがこれらの組織と提携して(現在50以上)データの標準化、ラベル付け、匿名化を行う。

Ardis AI
Ardis AIは、人間と同じように文章を読み理解するテクノロジーである、汎用人工知能の構築を目指している。Ardis AIは、ニューラルネットワーク、記号推論、新たな自然言語処理技術とを組み合わせることで、データの抽出やラベル付けを行うチームを雇用することを望まない企業にサービスを提供可能。

Agnoris
Agnoris はレストランの店頭でのPOSデータを分析し、価格設定、デリバリーメニュー、スタッフ配置の変更について提案を行う。Agnorisは、レストランの場所ごとに年間3600ドル(約39万円)で、利益を20%上げることができると述べている。同社は、創設者がレストランを開業した際、そのレストランが繁盛したものの損失がでていたため、マージンを改善するための機械学習ツールを構築し、現在、そのソフトウェアを飲食店に販売している、という経緯がある。

Froglabs
太陽光や風力を使ったエネルギー生産、配送の遅れ、人員不足、販売需要、食糧が入手可能かを予測するために、天気予報AIを企業に提供している。何ペタバイトもの気象データを処理して、企業における物流の中断を防ぎ、経費の節約につなげる。同社は、インターネットビーム気象バルーンを使ったProject Loonを立ち上げた古参Google社員によって設立され、現在はeコマース、小売、ライドシェア、レストラン、イベント企画会社と取引している。

PillarPlus
PillarPlusは建設プロジェクトの青写真設計段階を自動化するプラットフォームである。同プラットフォームは、建築家または請負業者から設計を取得し、機械、火、電気、配管の詳細を綿密に計画し、部品コストやプロジェクトコストを推定する。これらのステップには本来なら数ヶ月の作業を必要とする。

Glisten
Glistenはコンピュータービジョンと機械学習テクノロジーを用いて従来のものより優れたより一貫性のあるデータセットをeコマース企業向けに開発している。最初の製品は、希薄な製品データを取り込み充実させるAIベースのツールである。Glistenについて以前書かれた記事はこちら

nextmv
Nextmvにより、顧客は独自の物流アルゴリズムを自動で生成することができ、輸送用車両を最適化し、内部でルートを管理できる。

Visual One
動きを検出するセキュリティカメラは、必ずしも有害とは言えない動きを誤検知することがある。Visual Oneは、検出した特定の動きだけを「読み取る」、ホームセキュリティと一体になったAIプラットフォームを構築した。ユーザーはアラートをカスタマイズし、気になる動きに関する通知のみを受けるようすることができる。同社のソフトウェアで、家具にダメージを与えるペット、荷物を持ち去ろうとしている泥棒、幼児の危険な行動などをチェックできる。Visual Oneについて以前書かれた記事はこちら

PostEra
ここでのアイデアは「サービスとしての医療化学サービス」である。PostEraのプラットフォームを用いると、従来の研究開発室で行うよりも高速かつ低コストで分子を設計および合成できるため、創薬プロセスで新しい組み合わせをテストするために必要な研究時間を短縮できる。

ハードウェアおよびロボット工学

Cyberdontics
ロボット工学は、da VinciのメーカーであるIntuitiveなどの企業のおかげで、すでに手術に革命をもたらしている。Cyberdonticsは同様のことを口腔手術で行うことを意図し、まずは費用や時間がかさむ治療の1つであるクラウンをターゲットにしている。同社は、ロボットを使用すると、通常2時間の治療を15分で行うことができ、費用はたった140ドル(約1万5000円)で済むとしている。

Avion
Avionはアフリカの奥地の人々に焦点を当て、ドローンを用いた配送システムを構築している。中央ハブに接続された中長距離を飛ぶ医療用ドローンを使用する計画だ。当該ドローンはハイブリッドの自律型で、垂直離陸機能を備えており、5 kgの荷物を150kmまで運ぶことができる。

SOMATIC
トイレ清掃業は「つまらなく」「汚い」仕事とされ、自動化が待たれる主要な業種である。Somaticは、VRを介してトイレを掃除するように訓練された大型ロボットを製作している。ロボットはトイレ表面にスプレーを掛けて拭き、またドアを開けたりエレベーターで昇降する能力がある。SOMATICについて以前書かれた記事はこちら

RoboTire
車のサービスショップの待合室に座ったことのある人なら誰でも、そのプロセスにどれほど時間がかかるかを知っている。RoboTireは、タイヤ4本にかかる待ち時間を60分から10分に短縮することを約束している。同社は米国の複数箇所でこのテクノロジーのパイロット版を開始している。RoboTireについて以前書かれた記事はこちら

Morphle
古くなったアナログ顕微鏡に代わるシステムとして設計されたMorphleのシステムは、画像処理を向上させるためロボットオートメーションを用いている。同スタートアップ企業のシステムは高価なシステム以上に高解像度の画像を処理し、失敗率もはるかに低い。Morphleはインドの研究所に当該システムの販売を始めている。

Daedalus
DaedalusはOpenAIの元エンジニアによって創設され、CNCを手始めとして、人間によるプログラミング無しで工業用ロボットを運用できる自律ソフトウェアを製作している。同社は金属加工市場における生産性を最大5倍改善できると予測している。

Exosonic
Exosonicは大音量の衝撃音波を出さない、地上を飛行可能な超音速民間航空機を製造している。同社の目標は3時間でサンフランシスコとニューヨーク市を飛ぶ飛行機を作ることである。同社のCEOはロッキード・マーティン社でNASAの低爆音のX-59航空機製造に携わった経験を持つ。Exosonicは現在主要な航空会社と国防総省の2つのグループからの趣意書に加えて、米空軍との間に30万ドル(約3300万円)の契約を結んでいる。

Nimbus
Nimbusは、連続的に起業を行ってきたシリアル起業家によってミシガン州アナーバー市に設立された。同社は都市トランスポーテーション向けの次世代車両プラットフォームを製作している。創設者であるLihang Nong氏は、かつて燃料注入システムを開発するPicoSprayを立ち上げた人物である。現在「より快適な乗り心地を確保しながら、スペースとエネルギーの点で今現在の自動車よりも数倍の効率性を持つ自動車を実現できるか」という疑問に答えようとしている。

UrbanKisaan
UrbanKisaan はインドに拠点を置く垂直式農業事業を行う企業であり、家庭に予約購入による生鮮食品を提供している。同社の積み重ねられた水耕テーブル式農場は、従来の農場のわずか1%の土地しか必要としないため、都市近郊で運営でき、しかも農薬を必要としない。健康的な食品を求める中産階級が増えつつある市場において、UrbanKisaanは農場から直接家庭に届けるシステムによって、品質と利益をコントロール可能である。

Talyn Air
SpaceXの元エンジニア2名が、乗客および貨物用の長距離飛行で垂直離着陸機能を持つ電動式航空機(eVTOL)を開発した。同スタートアップ企業は、離陸と着陸の際に特製の翼付きドローンで中空に留まることの可能な電動式固定翼航空機を開発した。創設者によると、このアプローチにより当該航空機は競合他社航空機の3倍である350マイル(560km)を飛行することができる。

開発者向けツール

BuildBuddy
2人の元Google社員が、GoogleのBazelソフトウェア上にオープンソースのUIと機能セットを構築することで、「Googleスタイル」の開発環境を全ての人に届けたいと考えて創業。同社は、このソリューションによって構築時間が最大10倍スピードアップすると述べている。個人の開発者は無料で使用できるほか、チームの規模や必要な機能に応じて1人あたり4ドル(約440円)から49ドル(5400円)までの使用料が適用される。

Dataline
広告ブロックツールを使用しているユーザーからの分析データを、ウェブサイトに収集させることを意図している。同社は、広告ブロッカーを使用しているほとんどのユーザーが注意を払っているのはディスプレイ広告やクロスサイトトラッキングであり、ファーストパーティによる分析は「付随的な被害」として打撃を受けると述べている。Datalineは、サブドメインで実行される「スマートプロキシ」として機能することにより、ほとんどの広告ブロックシステムを回避する(現時点では、おそらく)。

Cortex
最新のオンラインソフトウェアアプリケーションの多くは、無数の独立した目的別のツール、つまり「マイクロサービス」により駆動されている。Cortexはアプリのマイクロサービスを監視し、1つが故障した場合に適切な人物(Datadog / Slack / PagerDutyなどに接続する)に自動的に通知する。

apitracker
ウェブサイトが正常に読み込まれているように見えても、それを機能させるために使用されているAPIに問題があり、はっきりとはわからない形で問題が発生している場合がある。Apitrackerは…APIを追跡する。Apitrackerは使用されているAPIを監視し、そのうちの1つに不具合が発生した時点で警告を発し、それらの全体的な性能についてのインサイトを提供する。

Freshpaint
Freshpaintの「自動追跡」システムは、サイト全体のすべてのページビューとクリック数などを収集し、開発チームが各イベントの手動トラッカーを作成することなく、Google AnalyticsやFacebook Pixelなどのツールに遡及的に割り込ませることができる。ベースプランは月毎のユーザーが3000人未満のサイトでは無料、最大50000人のサイトは300ドル(約33000円)、それ以上のサイトは個別の価格が適用される。

Datree
企業はDatreeを用いてコードベースのルールとセキュリティポシリーを設定し、それらのルールを確実に守った上で、コードをマージすることができる。開発者一人に付き28ドル(約3000円)(個人/オープンソースプロジェクトは無料)の使用料が課されており、現在までに最大で23000ドル(約250万円)の収益を上げた。Datreeについて以前書かれた記事はこちら

fly.io
ユーザーに物理的により近いサーバーにアプリを展開し、レンテンシーを低減し、ユーザーエクスペリエンスを改善する。アプリの人気が特定の都市で高まった場合、Flyがそれを検出し、それに応じてリソースをスケーリングする。

Sweeps
Sweepsは一行のコードを用いて、ウェブサイトが使用しているサードパーティーのツールをより効率よく読み込むことにより、ウェブサイトを40%高速化できると述べている。同社チームは、Sweepsのテクノロジーによりスピードが改善されるだけでなく、SEOも改善されるとしている。

Orbiter
OrbiterはSlackと組み合わされたリアルタイムの自動監視およびアラートシステムで、より優れた顧客サービスと収益管理を保証する。

Release
製品のリリースは一筋縄ではいかない。Release はステージング管理ツールキットを提供している。このツールキットはプルリクエストがあるたびにステージング環境を構築し、より速く/より協調的な開発サイクルを可能にする。

Signadot
Signadotは近年のスタートアップ企業が自らのアプリケーションやサービスを駆動するのに使用しているマイクロサービスを監視し管理するソフトウェアであり、エンドユーザーに明らかになる前に問題にフラグをたてることが期待されている。

Raycast
Raycastは開発者および開発者が使用する多くのツール向けユニバーサルコマンドバーである。ユーザーはJira、GitHub、Slackなどのアプリを統合し、フォームやタスクを完了するために「超人的」なアプローチをとることが可能だ。チームは、エンジニアがエンジニアリングと無関係の作業を迅速にこなすのを支援する方法として当該ツールを提案している。

Cotter
Cotterは電話番号ベースのログインプラットフォームを構築している。同社の創設者によると、このプラットフォームは、SMSベースのOTPの利便性を備えたワークフローでユーザーのデバイスを認証するもので、セキュリティの問題も無い。同スタートアップ企業は、電子メールの利用が少なく、ログイン方法として電子メールの利便性が低い開発途上国の顧客をターゲットとして考えている。

ditto
Dittoの創設者は、製品やワークフローを説明するのに使用するコピーをチームがより入念に計画できるよう、言葉向けのFigmaを作りたいと考えている。スタンフォード大学のルームメイトであるJolena Ma氏とJessica Ouyang氏により制作されたコラボレーションツールは現在の80社を超すユーザーに使用されている。

Scout
GitHubワークフロー内における機械学習実験向けの継続的統合および展開ツールキット。

ToDesktop
ToDesktopはデスクトップアプリケーションの公開ニーズを自動化するサービスを設計してきた。当該サービスはWindows、Mac、Linuxで使用でき、ネイティブインストーラー、自動更新、コードサイニング、クラッシュレポートを提供する。開発者向けのインフラストラクチャや構成は必要としない。

DeepSource
DeepSourceは開発者がPythonやGoにおけるバグリスク、アンチパターン、パフォーマンス問題、セキュリティの欠陥をチェックするためのコードレビューツールである。

Flowbot
FlowbotはPythonでのコーディングのための自然言語、オートコンプリート検索ツールである。これは、Python開発者が、自分が考えている正確な機能を思い出せないときに、平易な英語で入力できるようにするツールである。Flowbotはドキュメントを掘り下げ、コンテキストを検討して、開発者が探していると思われるコードを見つける。

PostHog
PostHogは開発者にユーザーが実際にどのように彼らの製品を使用しているかを理解できるようにするソフトウェアサービスである。これは、オープンソースプログラマー向けの製品分析ツールキットである。

Y CombinatorのW20デモデーに参加したスタートアップ(B2B企業)

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に対する懸念が高まる中、Y Combinator(Yコンビネーター)はこれまで慣れ親しんできた2日間にわたる米国サンフランシスコでの会合からイベントの開催方式を切り替え、デモデーのウェブサイトを通じて、招待された投資家とメディアにクラス全体を同時公開する方法で開催することを決定した。

さらに驚きなのが、投資家の動きが加速してきた事実を受け、YCがデモデー開催日を1週間前倒しにしたことだ。このため、デモデーのウェブサイトに録画したプレゼンを掲載するというプランは変更せざるをえなくなり、各事業は代わりにスライドに事業概要、今後の見通し、チームの経歴などの説明をまとめてプレゼンを行った。急速に進化する投資環境と相まって、この新たなスタイルがこのクラスにどのように影響するかは今のところはわからない。

プレゼンやウェブサイトのほか、場合によっては以前の記事から収集した情報をもとに、我々が集めたそれぞれのクラスの各事業のメモをまとめてみた。

読みやすさを優先し、全事業をすべて羅列するのではなくカテゴリー別にまとめている。以下は主に他の企業への販売に重点を置いているB2B企業である。その他のカテゴリー(ハードウェア、AI、フィンテックなど)に関してはこちらから読むことができる。

B2B企業

Alude
ブラジルの不動産テックはホットな市場であり、Loftのようなスタートアップ企業やユニコーン企業のQuintoAndarなどが大きな成長段階にある。Aludeはシンプルな住宅リース/購入プロセスで流通チャネルを管理しようとしている。そのシステムは、身元調査、文書収集、保険購入、オンライン署名のプロセスを自動化する。この最新テクノロジーは仲介業者に無償で提供され、同社は顧客への住宅ローンと保険の販売を収益化することを計画している。

Vori
Voriは、米国の食料品サプライチェーン向けオペレーティングシステムとなることを目指している。2020年になっても、スーパーでは依然として卸売業者との間で昔ながらの紙とペンの注文プロセスが行われている。Voriはスーパーや販売業者のB2Bマーケットプレイスとして機能し、店舗がベンダーからの仕入れ商品一覧をより効率的に作成できるよう支援する。Voriは、すでに24の店舗がその技術を使用しており、またカリフォルニア北部では150以上の販売業者をサポートしているとしている。Voriはスーパーの商品検索エンジンとしても機能し、Whole FoodsやAmazonとの競争力を保つために役立つ。

Linkana
Linkanaは、中南米におけるコンプライアンス主導型調達ソフトウェアである。中南米には年間6万ドル(約650万円)を調達ソリューションに費やす企業が4万社あり、25億ドル(約2713億円)の市場機会を生み出している。4人の共同設立チームには、10年間近く共に働いてきたメンバーがいる。

Weav
職場での新しい志望者の面接には時間がかかることがあり、チームからのフィードバックを整理して統合するよい方法もない。Weavは採用チームの面接を記録して書き起こすため、企業がより迅速に意思決定を行い、面接を減らすことができる。元Apple/Google/Microsoft社にいたチームが率いるWeavは、情報検索、トピックモデリング、エンティティ認識を活用した最先端のNLPツールを構築しているという。

ElectroNeek RPA
ロボットが自動化の未来であることには誰もが同意しているが、実際のテクノロジー導入には多くの専門知識が必要である。ElectroNeekは、ロボットの専門知識を持たないITスタッフや従業員向けに自動化プロセスを効率化するために設計された、デスクトップとクラウドベースのインターフェイスを構築している。

Reaktive
アニメーター、ビデオ編集者、エンジニアなどのクリエイティブな専門家向けにデザインされたReaktiveは、デスクトップハードウェアをクラウドベースのソリューションで置き換える。同社は、その製品が従来のソリューションよりも100倍高速で、例えば8時間のレンダリングジョブを45秒にまで大幅に短縮するとしている。同社はすでにスタジオから220万ドル(約2億3870万)の購入注文を獲得している。

Handl
紙の文書(手書きのものを含む)をデータベースまたはCRMにプランクし、構造化データに変換するためのAPIを提供する。同社によると、処理の約85%はAIによって行われ、AIの信頼性が低い部分のデータ検証を人間が支援する。発売から9か月で、年間経常収益(ARR)90万ドル(約9770万円)を見込んでいる。

Eze
Ezeは、商品交換所のような働きをする中古スマートフォン市場を構築している。このシステムは、さまざまな携帯端末の価格変動をリアルタイムで更新する。端末はまとめて卸売業者に販売され、卸売業者がそれらを小売業者に販売する。

Oda
不動産データをリスティングサービスと政府当局の記録から統合された1つのAPIに集約する。同社は現在4つのパイロット企業と協力しているという。

Okay
JIRA、GitHub、GCal、Pagerdutyなどのツールに接続してダッシュボードを提供し、チームがどのように仕事をしているかをエンジニアリングマネージャーが把握し、例えば、生産性を損なう可能性がある会議の減少などにより、効率を向上させることを可能にする。料金はマネージャー1人につき350ドル(約3万8000円)。

Tajir
パキスタンの小規模店が商品を取得する支援を提供するマーケットプレイス。同社によると、現在パキスタンの「夫婦経営」の店へのほぼすべての流通はオフラインで行われており、Tajirは無料翌日配達付きのモバイルアプリにプロセスを組み込む。

GuruHotel
ホテル向けのウェブサイトおよび資産管理/予約システムである。発売から8か月後には26のホテルで稼働しており、月間2万ドル(約217万円)の収益を上げている。基本プランは5%の予約手数料で基本的なホスティング/予約エンジンを提供し、プレミアムプランは手数料に加えて月額350~499ドル(約3万8000円〜約5万4000円)で資産管理ツールなど他の機能を利用できる。

Riot Security
最近発見されたフィッシング法に基づいた偽のフィッシングメールで従業員を自動的にテストする、フィッシング対策ツールである。従業員数が50人未満の企業の場合、月額200ドル(約2万1千円)から利用でき、その後料金はカスタムスケーリングに移行する。このツールは現在月間経常収益(MRR)1000ドル(約10万8千円)で、6社とパイロットテスト中である。Riot Securityに関する以前の記事はこちらを参照。

LabGrid
バイオテクノロジー企業やラボが電子メールよりも効率的にコミュニケーションできるようにするためのプロジェクト追跡およびコラボレーションツールである。

Trimwire
企業の銀行口座とクレジットカードに接続し、異常値のフラグを設定したり、経常経費の節約の可能性(忘れられた定期購読など)を探ったりすることで、毎月のコストを自動的に削減する。

Upflow
「B2BのVenmo」を目指し、Upflowは未払いの請求書を支払いに焦点を当てている。支払い処理のほか、カスタマイズした電子メールと登録済みの手紙を未払いのアカウントに自動送信したり、アカウントのステータスが変わった際には指定のチームメンバーに通知したりする。月間請求書数が30件未満の企業は月額50ドル(約5千円)、それ以上は年間300万ドル(約3億2550万)未満の企業で月額最大225ドル(約2万4000円)となっている。Upflowに関する以前の記事はこちらを参照。

Explo
Exploは、レポート生成に対してポイント発行したりクリックインターフェイスにすることで、SQLクエリの作成や実行方法を知らない技術者以外の従業員でも、大量のデータを分析できるようにすることを目的としている。チームによると、すでに400社以上が順番待ちをしているという。

Workbench
Workbenchは、ハードウェア企業向けにサプライヤーのソーシングと使用するコンポーネントに関する情報/仕様の保存という目的に特化したプラットフォームを開発している。

Jet Admin
コード不要で社内ツールを構築するためのドラッグアンドドロップツール。開発チームのリソース解放が期待できる。Stripe、Google Analytics、Salesforceなどのデータベースやサービスに接続し、事前構築済みのウィジェットを使用してチームがツールを組み合わせることを可能にする。独立開発者は無料、10人までのチームはユーザー一人当たり19ドルとなっている。

Battlecard
営業チームが不満を持つ顧客に対してどう対応すべきか、(不満を持つ顧客の合成音声付きの)シミュレーションを通じてトレーニングする。チームは、さまざまな状況での対応に関する「作戦書」を共同で作成し、最も効果的であると分かった答え/フレーズを共有する。発売から約1か月で、すでに年間35000ドル(約380万円)以上の経常収益が見込まれているという。

SnackThis
モーションデザインのためのコラボレーティブなブラウザベースのツールである。リモートのチームが動画の仕上がりや一画面ごとのアプリの動き方を微調整する様子を想像することができる。共同創設者の1人は以前、モーションデザインを中心とした自身の会社を8000万ドル(約86億8000万円)でGoProに売却している。

Zeo Auto
インドで車両を所有する企業向けに車両管理および追跡機能を提供している。現在の車両位置の表示、過去の移動のリプレイ、燃料費の計算などを可能にする。50以上の多様なGPSデバイスと互換性がある。同社は、2000の車隊所有業者がすでに利用しており、3万台の車両をプラットフォームで管理しているとしている。

Savvy
団体保険プランを提供できない企業向けに作られたSavvyは、代わりに従業員に非課税の手当を支給して、従業員が選択した個々の保険プランに充当させることを可能にする。同社によると、2か月前の発売以来30社以上と連携しており、ARRは約10万ドル(約1080万円)となっている。

Flowdash
「Human-in-the-loop(人間参加)」型のオペレーションとは、最終決定をするプロセスのある時点で人間を必要とするもので、例えばクレーム処理やユーザーがフラグ付けをしたコンテンツの管理などがある。Flowdashは、人間参加チームが最小限のコーディングで新しいツールを構築し、SlackやGmailなどのサービスに統合することを可能にする。基本プランは1ユーザー当たり月額25ドルからで、分析やオンプレミスの導入などの必要性に応じて増加する。

Dropee
Dropeeは、東南アジアの独立小売業者が大手ブランドから大量に商品を仕入れる支援をしており、その大手ブランドから1店舗につき8ドル(約800円)の料金で何が売れているか、何が売れていないかについてインサイトを提供する。同社は、月間収益4万ドル(約434万円)以上が見込まれるとしている。

NUMI
アフリカの小売業者および市場による米国商品の輸入に支援を提供し、貨物や税関に関連する問題を処理する。現在、Carrefourとのパイロットプログラムを実施中で、年間50万ドル(約5420万円)以上の売り上げを見込んでいる。

Pilot
Pilotは、リモートの請負業者を雇う際の給与、福利厚生、コンプライアンスを処理する。企業は一請負業者につき月額60ドル(約6,500円)をPilotに支払い、Pilotは福利厚生、ストックオプション、経費の払い戻しを提供することで、請負業者を正社員のように扱う支援をする。新型コロナウイルス感染症の検疫によって、より多くの企業がリモートワークに慣れるようになると、請負業者にチームの一員であると感じさせることで定着と生産性を確保しようとする企業が増え、市場が拡大する可能性がある。

SEND
SENDは、アフリカ向けのデジタルフォワーダーおよび通関業者であり、航空、地上、海上での貨物輸送を管理する。SENDは、書類をオンライン化するとともに、顧客が多くの配送業者とやりとりする必要なく、1つの業者とのみ取引することを可能にすることで、経路を最適化し、より迅速で信頼性の高い配送を実現する。SENDの創設者は兄弟で、評価額32億ドル(約3470億円)のスタートアップ、Flexportがアフリカ大陸に進出する前に市場を征服することにより、アフリカのFlexportになろうとしている。

Brokrete
デリバリーマーケットプレイスアプリのBrokreteは、請負業者と利用可能なコンクリートサプライヤーを最も競争力のある価格でつなげることを目的として開発された。このスタートアップ企業の創設者たちは、彼らの言う1200億ドル(約1兆3016億円)の市場機会の一部を獲得することを目指している。すでにその歩みを進めつつあり、まずは請負業者とアプリのデモを行い、続いて12月に製品を発売している。同社はカナダの市場から出発し、今春ヒューストンに拡大する。

Paneau
Paneauの創設者たちは、インタラクティブなタブレットをUberとLyftの車内に設置することで、企業が配車サービスの顧客に対して宣伝を行う新しい方法を確立しようとしている。乗車した客がタブレットを使用して買い物をしたり、車のルートを変更したりすることもできる。Paneauは1回の配車につき96セント(約104円)を徴収することで、すでに1か月に約11000ドル(約119万円)の収益を上げている。

Bego
Begoは、中南米・メキシコ市場に照準を合わせ、機械学習を利用して貨物の配達先を予測し、トラックと顧客のマッチングを通じて「空荷走行距離」を減らすためのアプリを作成した。現在、このスタートアップ企業はメキシコ全貨物の42%が運ばれる1つのルート、メキシコシティからヌエボラレドで利用されている。

99minutos
このラテンアメリカのスタートアップ企業は、インターネット販売の宅配に重点を置いている。99minutosは2か国で19の都市に広く展開し、1日に15000件の配送を行っている。今年後半にはコロンビアとペルーに事業を拡大する計画である。また現在、電気自動車による配送を開始しており、メキシコでは、Amazon、MercadoLibre、Walmartの宅配パートナーとなっている。

Farm Theory
Farm theoryは、「見栄えが悪い」ものの新鮮でまだ食べられる野菜をインドの農家から購入し、インドのレストランに直接販売・配送している。この野菜配達サービスの利用で、レストランは最大30%節約できるという。

HYPHY
広告と並行してユーザーが生成するソーシャルメディアコンテンツも成熟しているため、HYPHYは消費者が写真や動画をブランドに直接販売する市場創出を目指している。マーケットプレイスはブランドが広告やマーケティングキャンペーン用のメディアをより迅速に調達する手段として利用できる。

Zaam
Zaamは、可能な限り自動化することで、B2Bオンボーディングを簡素化し、複雑さを緩和するとともに、データと文書リクエストのうんざりするプロセスから顧客を解放するプラットフォームを構築している。このスタートアップ企業は過去2か月で1億2000万ドル(約130億円)のARRを達成したとしている。

HireSweet
HireSweetは、採用担当者が理想的な候補者を探す際に、あからさまには転職活動をしていない候補者も見つけることができる採用プラットフォームを構築している。このプラットフォームは、LinkedInを更新している人、Githubのオープンソースプロジェクトに追加している人、年金の一括型受給権付与が近付いている人などの行動を分析する。チームは先月MRRで15万ドル(約1626万円)を獲得している。HireSweetに関する以前の記事はこちらを参照。

Stryve
Stryveは、採用プロセスをビデオ中心にし、電話によるスクリーニングをビデオチャットのアンケートに置き換えようとしている。チームはプラットフォームに対して請求を行い、終わりのないスケジューリングのやりとりを削減し、ターンアラウンドを短縮する。

Paragon
Paragonは、ローコードのAPIビルダーで、API、APIベースのインタラクションおよび統合の構築時間を短縮する

Syndetic
「データのShopify」、Syndeticは組織が静的データセットをより動的で役立つものにするプラットフォームである

Cadence
Cadenceは、電子メールで済むはずの会議のためのプラットフォームである。早期のアクセスプラットフォームは、プロジェクトの最新情報共有に関連する会議をなくすことに重点を置いている。これはタスク管理ツールと統合し、従業員がSlackで取り組んでいる仕事の内容、仕事相手、処理予定表の内容を簡単に共有できるようにすることで実現される。

Zynq
Zynqは、企業が全社的により効率的に会議予定を組むために役立つ、エンタープライズ向けカレンダーツールを構築している。このサービスは会議を適した大きさの会議室に適切なタイミングで配置することで、企業がオフィスが手狭になったとあまり早くから感じることがないようにするために役立つ。

Castodia
CastodiaはデータベースをGoogleスプレッドシートに接続し、その情報が常に最新であることを確約するとともに、ユーザーが手動で何度もCSVファイルをインポートする必要性をなくすことができる。

Onetool
Onetoolは、スタートアップ企業がさまざまなベンダーを利用してニーズを満たしながら、単一のサブスクリプションに対して料金を支払う、サブスクリプションと保存が可能なオールインワン型のプラットフォームを構築している。同社はそのプラットフォームが新しいSaaSツールの発見を促進し、数多くのサブスクリプションサービスを管理する必要がある設立者の生活を簡素化することを期待している。

Dashworks
Dashworksは、さまざまなコラボレーションツールとデータベースからすべての情報をまとめることができる検索ツールの構築を目指している。このプラットフォームは、JIRA、Slack、Google Driveなどのさまざまなツール間の高度な統合に依存している。

Laserfocus
Laserfocusは、CRMに追加して営業担当者が見込み客との電話、メール、会議を迅速に完了できるようにするアプリを作っている。このアプリは、現在複数のアプリに分散されているタスクをまとめ、見込み客に関する情報収集がしたい営業担当者がその業務により集中できるようにする。

TrueNorth
断片化したトラック輸送業界の非効率性を改善するため、TrueNorthは独立トラック運転手向けにソフトウェアソリューションを提供している。燃料、メンテナンスから、ルートの最適化、積荷追跡まで、あらゆるものを支援する、トラック用のオペレーティングシステムと考えることができる。

Taiv
Taivは、地域のスポーツバーがバー内のテレビに表示するコマーシャルからより収益を上げられるようにすることを目指している。1つの場所につき年間4200ドル(約45万円)の料金で、Taivはライブのコマーシャルを特別提供や割引に関するビジネス広告に置き換えることを可能にする。Taivに関する以前の記事はこちらを参照。

Humanly
Humanlyは、求人に大量の応募が来る企業の候補者スクリーニング自動化を目指している。同社はその技術が偏見を排除しながら、スクリーニングの一貫性維持に役立つとしている。顧客にはFarmers Insurance、Feather、Grinなどが含まれる。

BuildPlane
BuildPlaneは、商業用不動産建設管理のための次世代ツールキットを設計した。同社のソフトウェアは、文書要求の追跡、変更要求の管理、下請業者の請求および支払い処理、見積りおよび価格の要求を行う。この業界カテゴリーは、ProcoreやPlanGridなど、数十億ドル規模のビジネスをすでに生み出している。

SINAI
SINAI Technologiesは、組織が二酸化炭素排出に関する戦略を計画することができる、次世代のソフトウェアプラットフォームである。社内のさまざまな部門とプロセスを追跡し、内部および外部の目標達成に向けてどこで二酸化炭素排出量を削減するかを提案する。SINAIに関する以前の記事はこちらを参照。

Logarithm Labs
Logarithm Labsは、データパイプライン、スクリプトインターフェイス、ポータル、ダッシュボードを含む、チップ設計者向けのプロジェクト管理サービスで、チップ設計の作業で生成されるデータを解析、構造化、分析する

Snapboard
Snapboardは、ダッシュボード、視覚化、アプリケーション作成のためのコード不要ソフトウェアツールを提供する。Snapboardに関する以前の記事はこちらを参照。

Slingshow
Slingshowは、カスタマーサービスと苦情解決に用いるダウンロード不要のビデオ録画および配信アプリケーションである。顧客は説明しながら問題のビデオを撮影し、それをSlingshow経由で送信することで問題を説明し、サポートを受けることができる。

Pulley
Pulleyは次世代の資本政策表管理ツールである。民間企業はこれを使用して従業員と投資家の株式を発行し、会社の規模に応じて所有権の記録を維持することができる。Cartaと同様に、小規模なスタートアップ企業向けに無料枠が用意されている。一方でCartaとは異なり、その焦点は投資家ではなく設立者にサービスを提供することを第一に(そして現在は唯一)している。設立者は以前会社をマイクロソフトに売却したことがある再起業家である。

Rosebud AI
企業のイメージキャラクターを使ったキャンペーンのディストピア的未来へようこそ。Rosebud.aiはあらゆる場面に対応したデジタルアバターとモデルを作成する。企業は人口統計、年齢、スタイルでフィルタリングすることができる。

Termii
Termiiは、マルチチャネルマーケティングおよびコミュニケーションサービスで、SMSのAPIおよびアフリカ企業向けのユーザー認証を提供する。

Able Jobs
Able Jobsは、インドで企業が最も必要とするスキルセットのトレーニングを候補者に提供し、企業がより優れた候補者をより迅速に採用できるようにする。2月には130件の斡旋をしている

Skypher
Skypherは、セキュリティアンケートの開発と回答のプロセスを自動化する。

Terusama
港湾での物流管理を可能にするTerusamaは、貨物の積み込みと運送業者のデジタルサインインのためのスケジューリングソフトウェアを提供している。

Mistro
Mistroを通じて雇用主は200か国以上のリモートのチームに福利厚生を提供できる。健康保険や協働スペース、能力開発のクラス、食品、IT機器、その他従業員がMistroクレジットカードで支払うことができるものを提供することができる。世界中のチームがコロナウイルスのためにリモートワークを受け入れている。この傾向はしばらく続く可能性があり、企業が優秀な在宅ワーカーを引き付けるための支援ができる者にとって大きな市場を作り出している。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳: Dragonfly)

植物性流動食のKate Farmsが一般消費者市場への進出を目指す

Kate Farmsは、固形食を食べられない患者のために病院などが栄養補助食品として使っている植物性の流動食のサプライヤーだ。同社はこのほど、2300万ドルの資金を調達した。

会長でCEOのBrett Matthews氏によると、そのお金は消費者とヘルスケアプロバイダー双方からの、最近の大きな需要増に対応するための、生産能力の向上に充てたいという。

同社を創業したRichard Laver氏とMichelle Laver氏は、最初そのフォーミュラを娘のKateのために作った。脳性小児麻痺のKateは固形食を食べられず、市販のチューブ食もだめだった。その後企業のビジネスに育ったKate Farmsは、今では全米の病院に奉仕している。

Matthews氏は、息子が上部呼吸器系の疾患と自己免疫症に苦しんでいた。彼は最初、顧客として同社を知ったが、「自分の子が重症で、治療のためには食べ物がきわめて重要だった。同社の製品と医療品としての食品について、その後多くを学び、同社への参加と投資を決意した」、と語る。

Matthews氏は、Kate Farmへの最初の投資の次には取締役会の会長になり、そしてついに、CEOに登りつめた。

Kate Farmsはこれまでもっぱら、個人から資金を調達し、企業としての投資家とは縁がなかった。今回もその例に漏れず、資金は一連の大物投資家たちからやってきた。彼らの一覧は、次のようになる:

  • David Roux(Silver Lakeの共同創業者)
  • John Hammergren(McKessonの元会長で現CEO)
  • Gregg Engles(植物性乳製品代替食品のWhiteWave Foodsの元会長で現CEO)
  • Kristin Loomis(Lazardの元CEO、HHV-6 Foundationの常勤役員)
  • Pete Nicholas(Boston Scientificの創業者で元CEO)
  • Robert Zollars(Baxter Internationalの元社長、Diamond Foodsの会長、Cardinal Healthの執行副社長)
  • Celeste Clark(元Kellogg’s Global Nutritionのチーム管理団役員)

昨年調達を完了したそのお金は現在、COVID-19の疫病とそれへの政府の対応によって生じた需要増に応ずるための増産に使われている。Kate Farmsは、南カリフォルニアの高齢者配食事業に100万ドル相当の同社製品を寄贈している。サンタバーバラに本社のある同社は、100万ドルは22万5000食に相当する、と言っている。

同社の植物性で遺伝子組み換えでない流動食は、チューブ食(経管栄養)を必要とする子どもや大人の栄養状態を改善することが、臨床的に証明されている。Matthews氏によると、American Society for Parenteral and Enteral Nutrition(全米非経口および腸溶性栄養協会)の季刊誌に載った研究は、アトランタ胃腸病学連合が行なった臨床試験に基づいている。

氏は曰く、「小児科の市場では弊社製品が体重の増加を改善し、また、薬物耐性も改善している」そうだ。

Matthews氏によると、アメリカでは、チューブ食を必要とする人びとはおよそ70万名おり、そのほかにも同社製品によって栄養状態を改善できると思われる人びとが1億5000万名いる。その市場の大きさはアメリカでほぼ30億ドル、全世界では100億ドルだ。

でもKate Farmsは、もっと大きなご褒美を目指している。同社が声明で言っているように、植物性の乳製品代替食品の消費者市場の大きさは2017年で210億ドル、2024年には375億ドルに達すると予想されている。そしてUBS Investmentsによると、次の10年間には代替食肉が2018年の46億ドルから2030年には850億ドルに成長する。

「もちろん、今は医療食が中心だが、今後は大きく進化するだろう」、とMatthews氏は言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

カードレス決済サービスPaidyが伊藤忠から52億円を調達

フィンテックスタートアップのPaidyを利用すると、クレジットカードがなくてもオンラインで買い物ができる。同社は4月9日、伊藤忠商事より約52億円の資金を拡張シリーズCラウンドで調達したことを発表した。今回の資金調達で伊藤忠の出資比率は25%になる。

同社によると、これで同社の調達総額は株式と融資を合わせて約300億円になる。日本の最大の商社のひとつである伊藤忠からの最新の投資は、株式投資だ。伊藤忠はPaidyのシリーズBとCにも参加し、同社への総投資額は約100億円になる。同社によると、シリーズDでなく拡張ラウンドにしたのは同じタイプの優先株を発行できるからだ。

Paidyの前回の資金調達の発表は2019年の11月で、投資家の中にはPayPal Venturesがいた。そして今回の資金は、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックの最中にPaidyのバランスシートを強化するために使われる。また、今年後半にローンチする後払い購入サービスの開発にも充てられる予定だ。

Paidyの決済サービスを使うと、ユーザーはオンラインで買い物をして各月にその合計をまとめて払う。同社は独自の技術でユーザーの信用力を評価し、買い物によって生じる小売店への債務の引受人となり、彼らへの支払いを保証する。日本の消費者はオンラインの決済にクレジットカードを使いたがらないので多いので、Paidyのサービスを使えばベンダーはコンバージョンレートと平均注文額とリピート購入を増やすことができる。

同社によると、このパンデミックの間にサービスの利用は増加した。多くの人が生活必需品をオンラインで買うようになり、ホテルや高額チケットなどへの出費の減少を十分に補っているからだ。なお、東京都を含む7つの都府県に対しては、緊急事態宣言が発令された。

伊藤忠の情報・金融カンパニー執行副社長加藤修一氏が、声明で次のように述べている。「同社が弊社の小売金融戦略において重要な役割を果たし続けることを固く信じている。それは、同社の独特な信用審査により新しいタイプの信用が創造され、それが広範囲な顧客の心を掴んでいるからである。Paidyはまた、詐欺との避けられない戦いの中で迅速なソリューションを実装し、そのサービスを次のレベルへ進化させうることを実証した」。

画像クレジット: Yukinori Hasumi/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナで需要急増中の遠隔診療コンサルTyto Careが約54億円調達

在宅健康診断デバイスと遠隔診療コンサルテーションアプリのプロバイダーTyto Care(タイト・ケア)が、新たなラウンドで5000万ドル(約54億円)を調達した。

声明によると、本ラウンドは Insight Partners、Olive Tree Ventures、 Qualcomm Venturesがリードし、Tyto Careの累計調達額は1億500万ドル(約114億円)超となった。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的パンデミックにより、需要が急増する中での資金調達となった。Tyto Careのツールキットは遠隔診療の診断ソリューションとして使われており、2019年だけでも売上は3倍超となっている。

同社は2019にBest Buyと提携し、American WellやTeladocなど主要遠隔医療プロバイダーのほとんどと協業している。

既存投資家のOrbimed、Echo Health、Qure、Teuzaなどが本ラウンドに参加したとTyto Careは声明で述べた。

今回調達した資金で、Tyto Careはすでにある診断プラットフォームをベースに新たなツールを購入したり構築したりするとともに、在宅健康テストキットを新分野に拡大する。

Scanwell Healthのような企業は、尿路感染症などの病気の在宅診断テストを提供している。Tyto CareのCEOで創業者のDedi Gilad(デディ・ジラッド)氏は、在宅で行えるさまざまな種類のテストに新しいプロダクトを用意する、とインタビューで話した。

Tyto Careの遠隔診療は現在かなりの需要があり、インスラエルの全病院で新型コロナウイルスに感染した隔離中の患者をリモート診察するのに使われている。他の病院ネットワークもまた同様の使用目的でTyto Careの診断ツールに目を向けている、とのことだ。

遠隔の医療検査はCOVID-19を引き起こすウイルスSARS-Cov-2への曝露から医療関係者を守り、感染していない患者が実際に医療機関に足を運ぶことなく基礎的な健診を受けられるようする。

「過去2年間、Tyto Careはそれまでよりも成長を加速させ、ヘルスケアのあり方の変革をリードしている。遠隔診療は新型コロナパンデミックで注目を集めている。我々のソリューションが、ウイルスとの戦いでヘルスシステムや世界中の顧客を支援していることを誇りに思う」とジラッド氏は声明で述べた。「今回の資金調達は遠隔診療の進化に向けた転換期に行われたものであり、新たな資金で我々は引き続き、最善のバーチャルケアソリューションでもって世界のヘルスケア産業を変えていくことができる」

画像クレジット: Tyto Care

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi