GoogleがChromecastのアプリをGoogle Castと改名、デバイスの多様化に対応(今ではスピーカーも)

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Googleが今朝(米国時間3/22)、Chromecastのアプリを”Google Cast”に改名する、と発表した。それは、デバイスが今や、Chromecastドングルだけでなく、テレビ、ディスプレイ、スピーカーなどへと多様化してきたからだ。同社によると、アップデートされたアプリはiOS、Androidどちらも今週、全ユーザーに展開される。

ご存知のようにChromecastは、Roku, Fire TV, Apple TV, Google自身のAndroid TVなど、高度なストリーミングメディアに対抗する、低価格のコンペティターとしてスタートした。2013年に登場したそのデバイスは、インターネットのコンテンツをスマートテレビでないふつうのテレビにも、簡単に持ち込む。その使いやすさとお値段の安さで、最初のChromecastドングルは2000万台以上売れて、2015年には人気最高のストリーミングデバイスになった

しかし最近のGoogleは、その製品と技術的プラットホームを拡張してきた。昨年の秋にはChromecastの第二のバージョン、Chromecast 2をリリースし、そのデザインはスティック状から小さな円盤状に変わって、テレビに差し込みやすくなった。同時期にChromecast Audioというものも発売して、インターネットの音声コンテンツをAUX入力のあるスピーカーに送り込めるようにした。

また、Sony, LG, B&O Play, Harman Kardon, Onkyo, Philips, Pioneer, Raumfeld, Frontier Silicon, StreamUnlimitedPlusなどのパートナーと組んでChromecastの技術を彼らの製品に組み込んだ。最後に挙げたStreamUnlimitedPlusが作ったのは、Chromecast Audioを利用するソフトウェアとハードウェアだ。Vizio, Sharp, Sonyなどのテレビメーカーは、一部の機種でGoogle Castの技術をサポートしている(ドングルなしで)。

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さらにGoogleが今日(米国時間3/22)発表したVIZIOのSmartCast P系列のディスプレイと、VIZIOのサウンドバーおよびスピーカーも、Google Castの技術をサポートする。つまりスマートフォンやタブレットからNetflixやGoogle Play Musicを取り込んだり、ラップトップ上のChromeブラウザーからWebサイトをテレビの大画面に映したりできる。なお、Googleによれば、SmartCast Pディスプレイは、4KウルトラHDやDolby Vision High Dynamic Rangeの高品質映像にも対応している。

アプリの改名はすでに進行中だが、まだそのアップデートができないプラットホームも一部にはあるようだ。

新しいアプリと並行してGoogleは、Google CastのWebサイトも更新した。そこには、特殊なアクセサリなしでキャスティングをサポートしているスピーカーやテレビのリストがある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Spotify、音楽ストリーミングのアジア拡大を再開—今月末にインドネシア、次は日本

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Spotifyはしばらくぶりにアジアで市場拡大モードに入ったようだ。アジアに最初に進出したのは4年前だったが、2年前からこの地域の新しい国でサービスを開始していなかった。Spotifyは今月の末までにインドネシアで音楽ストリーミングを開始すると正式に発表した。

インドネシアはSpotifyにとってきわめて大きな重要性を持つ可能性を持った市場だ。世界第4位の巨大な人口があり、スマートフォンの販売はここしばらく毎年20%の伸びが予想されている。2億5000万の国民は次第に豊かになり、テクノロジーによってコミュニケーションすることを強く求めるようになった。

昨年10月、われわれは 「Spotifyの日本とインドネシアでのサービス開始が迫っている」という記事を書いた。事実、東京ではオフィスが開設され、静かに営業がスタートしている。日本のメッセージ・サービスのトップブランド、Lineと提携したのはSpotifyの本気度を示すもう一つのサインだろう。LineはFacebookとも同様の提携をしているが、ユーザーはLineアプリからSpotifyの楽曲を共有できるという仕組みだ。

しかし提携はそれとして、実際に運用できるのはSpotifyのサービスがスタートしている地域となる(現在日本ではまだ開始されていない)。ただしサービス開始が迫っていることを示すもうひとつのサインは、Spotifyが日本で12人の人材を募集していることだ。これには消費者向けマーケティングの責任者コミュニケーション責任者ソーシャルメディア・マーケティングのマネージャーなどが含まれる。要するに東京オフィスでの業務の中心となるチームだ。

10月のわれわれの記事でも触れたとおり、日本での音楽ストリーミングの環境は厳しい。日本ではまだCDが音楽市場の主流だ。これがSpotifyの日本でのサービスのスタートを遅らせてきたのだろう。しかしAppleと(友でもありライバルでもある)Lineはすでに音楽サービスを開始している。Spotifyが追いつくためには急ぐ必要があった。

インドネシアでサービスをスタートさせる発表を別にすると、SpotifyはTechCrunchの取材に対してアジア戦略を明らかにすることを避けた。しかしわれわれは同社に近い筋からインド市場参入を考えているという情報を得ている。

もちろんインド市場への関心はまだ実験的段階だが、Spotifyが実際にインドに入るとなれば激しい競争を覚悟する必要がある。昨年夏、Apple Musicが世界的にスタートしたとき、インドでもサービスが開始されている。しかし地元発のサービスとしてTiger Globalが支援するSaavnTimes InternetのGaanaがモバイルでの音楽市場をリードしているようだ。Apple Musicのインドでの現状についてわれわれにはあまり情報がない。しかしSpotifyの方が無料バージョンを持っている分、インド市場には適合しているかもしれない。またAndroidアプリもAppleより安定している。どちらもインド市場では不可欠の要素だ。

最近、有料ユーザーが3000万を突破したSpotifyにとって、アジア市場は重要なものとなってくるだろう。この地域の大部分はモバイル・ファーストであるか、それともデジタル・コンテンツにアクセスする手段がそもそもモバイルしかないか、どちらかだ。消費者はエンタテインメントをほぼすべて携帯電話に頼っている。モバイル音楽サービスにとってユーザーの獲得には理想的な条件だが、収益化の方法となると発見が非常に難しい。なんといってまだアジアの多くの地域は発展途上だし、デジタル・コンテンツの海賊行為が猛威を振るっている。

Spotifyが最初にアジアに進出したのは、比較的小さく、また欧米文化の影響を強く受けている地域、つまり香港とシンガポールだった。これらの国では比較的うまくやれそうなSpotifyだが、このスウェーデンの音楽サービスの巨人ははるかの大きな課題に挑戦しようとしているようだ。その手始めがインドネシアということだろう。

画像: Denys Prykhodov/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

音楽ストリーミングのSoundCloudがSony Musicと契約―サブスクリプション導入へ大きな弾み

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今日(米国時間3/18)、音楽ストリーミングのスタートアップ、SoundCloudはSony Musicとの契約が成立したことを発表した。 この情報は今週初めに流れていたが、これで正式な確認が取れたことになる。SoundCloudによれば、この契約によって加入者はSony Music Entertainmentレーベルのアーティストの楽曲を自由に聞くことができるようになり、将来、売上を増やすのに効果があるとしている。

SoundCloudはすでにメジャーレーベルを含む他のレコード会社と同様の契約を結んでいる。今年6月にはインディーのアーティスト2万が登録している,Merlinと契約し、またUniversal Music Groupとも今年契約を結ぶことに成功した。Warner Musicとはいち早く、2014年に契約している。しかし世界最大のレーベルであるSonyを加えることができたのは大きな成果だろう。SonyはSpotify、Pandoraなどライバルのサービスとはすでに契約しているが、SoundCloudとはまだだった。

SoundCloudは今日のブログ記事で「1億1000万曲を持つSony Music Entertainmentがレパートリーに加わったことで、SoundCloudはさらに大きく成長し、多様化した」と説明している。 【略】

今回の契約に先立ち、SoundCloudはプラットフォームを利用するアーティストのためのツールの開発に大いに力を注いでいた。SoundCloud Pulseアプリは、アーティストが楽曲などを簡単に公開し、ファンと交流すると同時にSoundCloud上での自分たちの活動を詳しくモニターできるアプリだ。

Sonyの追加でSoundCloudは3大メジャーレーベルと1800万のアーティストを擁するサービスとして音楽ストリーミングのメインストリームでライバルと競争する準備が整った。

SoundCloudは今年中にサブスクリプションモデルをスタートさせると述べているが、ビジネスモデルの展開にも弾みがついたはずだ。

Music Business WorldwideThe Vergeなどのメディアは正式発表に先立ち、火曜日にSonyとの契約を報じていた。 それらの記事によると、SonyはSoundCloudの株式を入手し、次回の資金調達に参加する権利を与えられたという。当面SoundCloudはコメントを避けている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

家庭内音楽ストリーミングLANスピーカーのSonosが音楽業界の変化に適応するため社員をレイオフ

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今鳴らしている音楽を家中のどの部屋でも聞ける、というWiFi/EthernetスピーカーLANを主製品とするSonosが、CEOのブログ記事によると、音楽業界の変化に対応して有料ストリーミングサービスと音声コントロールにその業態を絞り込むために、社員をレイオフする、と言っている。

CEOのJohn MacFarlaneらがSonosを創業したのは2002年だったが、今日のブログ記事によると、“将来的には有料ストリーミングと音声コントロールが音楽産業で重要な役割を担うと思われるので、今後の数十年間、それらの分野のイノベーションに注力して、持続可能で利益の出る企業経営に専念したい。とくにこれまでの数週間が、Sonosの全員にとって厳しかった。われわれは結束の固い仲間だから、別れを言うことはきわめて苦痛だ。でも、この変化を敢行することはSonosの未来にとって正しい、と私には分かっている”、ということなのだ。

Sonosが作っているのはワイヤレスのサウンドシステムで、それをApple Music, Spotify, SoundCloudなどメジャーな音楽ストリーミングサービスにアクセスするアプリに接続する。Sonosの製品は、複数のスピーカーを接続でき、簡単に使えるので人気になった。しかし今やワイヤレスのホームオーディオは、SamsungGoogleなどの大手テクノロジー企業との競合に直面している。

MacFarlaneはブログ記事で、こう述べている: “Sonosは今、ストリーミング音楽が、現在と未来において消費の支配的な形式である、という自分たちの長年の確信に、倍賭けしようとしている”。しかしそれに加えて彼は、Amazon Echoのような音声コントロール製品をますます多くの消費者が採用していくから、それもまた同社の将来において重要な役割を持つ、と言っている。

“Alexa/Echoは音声コントロールの力を家庭で見せつけた最初のプロダクトだ。それが消費者間で人気になることによって、業界全体のイノベーションが加速される。今日目新しいものが、明日はスタンダードになる”、とMacFarlaneは書いている。“これに関してもSonosは長期的な視点を持ち、音声対応の音楽体験を家庭に持ち込む最良の方法を開拓する。音声は、我が社にとって大きなチャンスなので、それを素晴らしい方法で市場化するために投資をしていく”、のだそうだ。

レイオフの詳細を問い合わせると、こんなメールが来た:

“多くの高成長企業がそうであるように、Sonosもその労働力人口を絶えず評価して、われわれを次の大きな成長に導くことのできる技能と才能の確保に努めている。

ストリーミングへの遷移が加速している今は、我が社の機会もかつてなかったほどに大きい。我が社は今、家庭へすばらしい“音楽はでっかい音で聴こう(listen-out-loud)”体験を継続的にお届けできるための、絶好の位置につけている。そして、未来においても”。

…だとさ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フォースの覚醒―最後に勝つのは能力と戦略を備えたNetflixだ

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以前私は「最後に勝つのはNetflixだ」と主張した。そして最近、ますますその思いを強くしている。Netflixは独自コンテンツの製作でも伝統的テレビ・ネットワークやハリウッドのスタジオをすぐに追い付き、やがて追い越すだろう。

NBCがNetflixに対して強力なネガティブ・キャンペーンを実施していたという事実も私の意見を強めている。NBCの調査レポーター、Alan Wurtzelが最近リークしたように、Netflixでいちばんの人気番組、Jessica Jones,は1話当たり平均480万のビューを集めている。これに対して伝統的テレビ・ネットワークの看板番組、たとえばFoxのEmpireは900万、CBSのBig Bang Theoryは830万のビューだ。

このリークの目的は言うまでもなく、Netflixのビジネモデルの穴を探ることだ。だがBGRの記事は「NBCはNetflixとテレビの将来について幻想にふけっている」と指摘する。私は全面的に賛成だ。

その理由は、条件を等しくして比較するなら、Netflixはテレビ・ネットワークよりはるかに高いビジネスのパフォーマンスを示しているからだ。Concurrent Mediaブログの記事が明らかにしているとおり、Wurtzelのデータには読者の誤解を招く脱落がある。Netflixのアメリカにおける登録ユーザーは現在4200万であるのに対してNBC、Fox、CBS、ABCが放送の対象としているのは全米1億1600万世帯だ。

つまりNetlfixのJessica Jones を見ているのは登録ユーザーの11.4%という驚くべき数字になるのに対して、EmpireBig Bang Theory の視聴者はそれぞれ7.8%、7.2%にしかならない。

Netflixがさらに成長してNBCなみの登録ユーザーを獲得すればJessica Jonesは1300万人が見ることになる。NetflixのユーザーベースはNBCその他のテレビ局の視聴者よりずっと忠実度が高い。このことはハリウッドのスタジオのトップにとっても心配の種となるだろう。

When Netflix people create a new show, they’re not guessing and hoping.

ハリウッドが心配しなければならない理由がもう一つある。Netflixはビッグデータの解析によってほとんど定期的にヒット作を生む能力を得ている。この点でハリウッドはまったく遅れている。The Atlantic.の記事は参考になるが、「Netflixはアメリカ人の映画の好みを網羅したデータベースの構築に成功」している。</p
<pこのデータベースは『どうやったらヒット番組が作れるか』は教えないが『どんな番組がヒットするか』は教えてくれる。NetflixはHouse of Cardsをあてずっぽうで作って当てたわけではない」と述べている。Netflixは地道にユーザーデータの収集と分析を進めてきた。ユーザーの好みを調査するに当たって、単に「何を見たか」だけでなく、「どんな検索をしたか」、「どの場面が気に入ったか」、「どこで再生をポーズし、どこで巻き戻したか」などをすべて分析している。Netflixではコンテンツを8万種類にも細分している。

Netflixが独自コンテンツの製作に乗り出すときにあてずっぽうでやまぐれはない。彼らはデータに基いて、視聴者はどんなジャンルのどんなテーマの番組を見たいのか、どんな俳優や監督はどんなタイプが人気があるかをすべて事前に把握している。いってみればテレビ・ビジネス版のマネーボールだ。

Netflixはスタート当初コンテンツ製作に乗り出す考えはまったくなかった。それを考えるとこの急成長ぶりには驚かされる。有力スタジオがヒットコンテツからNetflixを閉めだして日干しにしようとする動きが見えてからはNetflixには自らもコンテンツ製作者になる以外の選択の余地はなかった。

Netflixの目標はHBOがわれわれのようになる前にわれわれがHBOになることだ。

— リード・ヘイスティングス、Netflix CEO

もうすぐNetflixは全国ネットワークと同じくらいの数の番組を作るようになる。ひとたびこのピボット地点に達すれば、Netflixがテレビ番組のトップ5を押さえるようになることを想像するのはたやすい。パワーバランスはNetflixの優位に向けて急速に傾きつつある。もし大手スタジオがNetflixにヒット映画を提供するのを拒み続けるなら、今年Netlixは独自映画の製作を開始するだろうと思う。また現在の登録者数が4200なのであれば、今年中にそれを倍増させようとするだろう。

実際、リード・ヘイスティングスは最近、Netflixの目標はHBOがわれわれのようになる前にわれわれがHBOになることだ」と述べている。賭けるなら私はNetflixに賭ける。資金があり、データがあり、それらを使って登録ユーザーが見たがっている高品質の番組を製作する能力があるからだ。

Featured Image: Bryce Durbin

〔日本版〕Netflixの日本版サイトはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookがライブビデオのブロードキャスト機能をAndroidユーザーにも提供

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Facebookが今日(米国時間2/26)公開したブログ記事によると、ライブビデオの機能をAndroidからも利用できるようにする。来週、まず合衆国から始まるが、“そのほかの国もいずれ”とFacebookは確約している。

ライブビデオはTwitterの類似サービスPeriscopeや、FacebookのAPIを使ってるのにTwitterからブートしていたMeerkatへの対抗策だ(PeriscopeはTwitterがオーナー、Meerkatは独立のスタートアップだ)。ライブストリーミングを開始するボタンはFacebookのモバイルアプリのトップにあり、ユーザーはリアルタイムの自撮りビデオ(やそのほかのリアルタイムビデオ)を友だちなどにブロードキャストできる。

Facebookがこのサービスを始めたのは昨年の夏で、最初はセレブ専用の機能だった。そして今年の1月には、FacebookのiOSアプリの合衆国のユーザー全員に公開された。今日の発表によると、今では30か国以上のiOSユーザーがこの機能を利用しているそうだ。

Facebookの月間アクティブユーザーは15億もいるから、企業、とりわけモバイルビデオのスタートアップは飛びつくだろうが、でも新しい機能やサービスがどれも必ず成功するとはかぎらない。Facebookには、あまりにもいろんなものがあるから、特定の機能を優遇して磨きをかけることは、めったにない。またFacebookは、ニュースやライブビデオのような、即時性が命(いのち)であるイベントのためのメディアとして、必ずしも最適ではない。

そもそもFacebook上でライブであるためには、友だちの方にその用意ができてないといけない。でもそれは、Facebookのユーザーがやり慣れているお誘(さそ)いとは、かなり違う(ライブビデオは即時性・緊急性がある)。

しかしそれでも、Facebookは人気のあるセレブのほぼ全員の関心をつかみ、彼らはこのサービスを利用して何百万ものファンとコネクトし、有名人だけとはいえ、ライブビデオの大きなポテンシャルを見せた。たとえば、Facebook上に400万近いファンがいるコメディアンのRicky Gervaisは、メディアのフィルタや制約なしで、ファンやオーディエンスと直接の対話ができるライブビデオを称賛した。

問題は、Facebookがはたして、セレブの場合と同様の幅広い対話的インタフェイスをふつうの人にも提供できるか、だ。今回のAndroidユーザーへの拡大によって、サービスのユーザーがよりグローバルに増えていくから、この問題への答が出るのもそう遠くない。

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SoundCloudがラジオ機能“Stations”をiOSとAndroidでスタート、好みの曲の見つけやすさで差別化

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Appleが制作するiTunes Radioの有料化(無料制の廃止)を絶好のタイミングと見た音楽ストリーミングサービスSoundCloudが今日(米国時間2/2)、そのラジオサービス”Stations”をローンチした。Pandoraなどのラジオサービスと同じくStationsも、ユーザーの曲指定や検索結果などに基づいて音楽ストリームをエンドレスで流す。

同社の発表声明によると、このラジオ局は“これまでどこでも聴いたことのない曲を発見する新しい方法”を提供する。そのため、ユーザーの好みに基づいて容易に曲を見つけることができる。

SoundCloudには前から”Related Tracks”(関連曲)という機能があり、曲と曲の関係や類似性を理解する能力があるが、これまではその能力がエンドユーザーの便宜として生かされていなかった。だからSoundCloudでは、自分の関心に沿う音楽を見つけるのが困難だった。優秀な新人や、隠れた才能を見つける場所、とされているSoundCloudがこれでは、困るのだった。

もちろん、ユーザーからの要望も殺到していた。しかし今日までは、新しい曲を見つけるのがかなり面倒だった。

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自分のラジオ局、SoundCloud Stationを最初に作るときは、曲名や何かのキーワード、コンテンツストリーム、自分のCollectionなどで検索をしたあとに出るメニューで、”Start Station”(Stationをスタートする)を選ぶ。そうすると、自分のStationが、LikesやPlaylistsなどと並んで自分のCollectionの一部になる。ユーザーが選べる曲の数は、1億以上あるそうだ。

SoundCloudは今、収益化の方法を模索しているが、Stationsはまさにそんな時期に登場した。同社は2015年の初めに、3200万ユーロを投資でなく融資で調達し、最近では年内における、有料会員制とグローバル市場を対象とする広告の展開を計画している。

もちろん有料制を採用するからには、競合他社に負けないだけの、サービスの充実した構成を確立する必要がある。当然その中にはStationsのようなラジオ局も含まれるだろう。PandoraもApple MusicもSpotifyもGoogle Play Musicも、すでにやっていることだ。

SoundCloudによると、Stations機能は今日からiOSAndroidの各アプリで使える。

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NetflixはVPNの取締りで善戦、ただしその勝利は短命か

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Netflixは、今月初めのグローバルな拡張と、その後の、供用区域内でライセンスされていないコンテンツにVPNソフトウェアを使ってアクセスしている顧客は取り締まる、という宣言に続き、実際にVPNサービスを使っているユーザの一部をブロックし始めた。メルボルンのVPNプロバイダuFlixによると、同社のアンブロッカーサービスを利用してオーストラリア以外のコンテンツをストリームしようとした一部のユーザには、エラーメッセージが表示されるようになった。

それは、こんなメッセージだ:

“You seem to be using an unblocker or proxy. Please turn off any of these services and try again.”
[あなたはアンブロッカーまたはプロキシを使っているようです。これらのサービスをすべて切ってから再度お試しください。]

uFlixのユーザ宛てメッセージによると、何も問題なかった顧客もいる。しかし同社は、それもいずれ変わるだろう、と述べている。“現時点では一部のユーザだけが影響を受けているようですが、その数は今後増えると思います”、だそうだ。

VPNをブロックするというNetflixの声明は見せかけだ、という説も多い。Netflixのサービスには、コンテンツのライセンスの地理的制限を強制する仕組みがないので、それを心配するコンテンツ権利者を、なだめるための演技だ、と。

Netflixはサービス供用域を130か国増やし、全世界で計190か国になった。それとともに、VPNを利用して自分の国では見られないコンテンツを見ようとするユーザも増えるだろう。

さらに、ラスベガスで行われた今年のCESでNetflixのチーフプロダクトオフィサー(CPO)のNeil Huntは、“業界の標準技術を使ってプロキシの利用を制限している”が、VPNプロバイダを追跡することは“徒労な追いかけっこゲームだ”、と述べた

彼は、プロバイダがNetflixのブロックをかいくぐるのは比較的容易だ、とさえ言った。

そのときHuntは、“その道の専門企業がメンテナンスしているVPN出口のブラックリストを利用している。しかし、そのブラックリストに載っているVPNプロバイダがIPアドレスを変えて網をかいくぐるのは簡単だ”、と述べた

その後Netflixは、これらの声明を訂正しようと試みた。さらに同社のブログ記事で、“数週間後”に、アンブロッカーとプロキシの利用の取締りを開始する、と漠然とした言い方で述べた。

そのブログ記事は、Netflixのコンテンツデリバリアーキテクチャ担当VP David Fullagarが書いたもので、“…プロキシやアンブロッカーを使っているユーザは、自分が今いる国のサービスにしかアクセスできない。プロキシを使っていない会員にこの対策の影響が及ばないことは、確実である”、と言っている。

しかし今日(米国時間1/22)現在では、uFlixをブロックしようとするNetflixの試みも、空しい結果に終わりそうだ。このVPNプロバイダによると、同社は今、“これらの新しい対策を迂回するための”ソリューションに取り組んでおり、それは数日後に可利用になるそうだ。

実際には、同社のツイートによると、迂回策を作ったのは1月の20日らしい。それは、問題をユーザに報告した翌日だが、2〜3手を加えてから公開する、と言っている。

Netflixは今後もVPN利用の取締りに真剣に取り組むと思われるが、結果的にそれは、もぐらたたきゲームに終始するのではないか。NetflixがuFlixのようなサービスを一時的に妨害しても、専業のプロキシプロバイダたちはすぐに、逃げ道を見つけるのだ。

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ストリーミングSQLデータベースのPipelineDBが初めてのエンタプライズバージョンをリリース

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PipelineDBが今日(米国時間1/14)、PipelineDB Enterpriseのリリースを発表した。このプロダクトは、同社が昨年の夏にリリースしたオープンソース製品の、初めての商用バージョンだ。

協同ファウンダのDerek Nelsonの説明によると、PipelineDBはSQLデータベースの新しい見方に立って構築されており、データを大きなサイロに眠っているものではなく、データのストリームと見なす。

彼によると同社は、このようなタイプのデータベースに大きく賭けているが、今のところ業績は順調なようだ。彼が挙げるおおまかな数字では、インストール数が数千、終日稼働数が数百といったところだ。

商用製品はかねてから構想していたが、今やっとリリースするのは、大企業顧客からの需要が高まってきたからだ。高可用性を求める彼らは、レプリケーションやハードウェアノードのフェイルオーバーなど、オープンソースバージョンにない機能を要求する。このプロダクトをミッションクリティカルな目的に利用するためには、それらの機能が欠かせない。あるノードがダウンしたら、ほかのノードが自動的に取って代わらなければならない、とNelsonは説明する。

もうひとつ要望が多い機能は、リアルタイムのアラートだ。PipelineDBを詐欺の検出やセキュリティ侵犯の検出に利用している企業では、とくにそれが重要だ。リアルタイムアラートは、見逃してはならない異状を発生とほぼ同時に知らせる。さらに、今回のエンタプライズバージョンには、水平的スケーリングの能力と、24/7の技術サポートなど、大企業がつねに求める機能がある。何かがおかしくなったら、‘喉の痛み’でそれを即座に知る必要があるのだ。

エンタプライズバージョンを求めるのはユーザの数パーセントにすぎない、とNelsonは見ているが、でも今後同社が収益を上げていくための入り口としては、それが欠かせない。オープンソース企業の多くが、サポートを収益源にしているが、Nelsonによれば、同社はあえてその道を選ばなかった。

“商用ライセンスを売っていく方が効率的だし、投資の間隔も短くなり、本体(オープンソース製品)と商用製品と、今企画中のそのほかの製品の改良も迅速にできる”、とNelsonは述べる。

同社はすでにシード資金は獲得している(額は非公開)が、今でも最初の4名のファウンダたちだけがメンバーだ。意図的にリーンな形を維持しつつ、製品を商用化する有効な方法を模索していたのだ。

今でも、同社を独立企業として維持できるだけの収益があれば、外部資金は要らない、と考えている。Nelsonによると、ユーザも大半はオープンソース企業だが、その中の大企業は金を払うことを厭わない。それで十分だ、と。

PipelineDBは、Y Combinatorの2014年冬季クラスの卒業生だ。

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Windows上のFirefoxユーザはプラグインなしでNetflixを見られるようになった

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みなさまは、MicrosoftにFlashに対抗するSilverlightというものがあったことを、まだおぼえておられるだろうか? Microsoft自身がかなり前に放棄したから、今の人は知らないかもしれない。でも、FirefoxブラウザでNetflixを見るためにはSilverlightが必要、という年月は長かった。しかし今日(米国時間12/17)からは、Windows上のFirefoxで、プラグインのインストール一切不要でNetflixを見られる

今それは、Firefoxの最新バージョンを32ビットと64ビットのWindowsで使う場合のみだが、FirefoxとNetflix両者によると、OS XとLinuxのサポートは来年になるそうだ。

非常に長期にわたってMozillaは、FirefoxにDRMソリューションを組み込むことを拒否してきた。それがなければ、NetflixはビデオをHTML5のプレーヤーで再生できない。しかし今年になってからMozillaは実用性重視を決断し、Adobeらと協働してDRMありのコンテンツをFirefoxで見られるようにした。

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そこでFirefoxの最新バージョンでは、HTML5がPremium Video Extensions(有料ビデオを見るためのHTML5の拡張)をサポートしている。それによりNetflixは、コンテンツプロバイダにDRMによる保護を提供できる。またビデオのストリームを可利用な帯域に合わせることもできる。同社はAdobeと密接に協力し、Mozillaの<video>タグがAdobeのPrimetime Content Decryption Module(CDM)を使って、Netflixを視聴できるようにした。

というわけで今のFirefoxはDRMソリューションありになったが、DRMのないバージョンをインストールすることもできる。しかし今やPrimetime CDMがデフォルトでインストールされるのだから、よっぽどのDRM批判者でないかぎり、わざわざそうする人はいないだろう。

このアップデートにより、Netflixはすべてのメジャーなブラウザの上のHTML5プレーヤーをサポートすることになる。それらは、Internet Explorer、Safari、Firefox、そしてChromeだ。

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ピアツーピア方式でビデオストリームを低コスト化するStreamrootがシード資金$250Mを獲得

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ビデオをストリーミングで提供するWebサイトをやっている技術者にとって、“ピーク時”は恐怖の言葉だ。Streamrootは、ビデオストリーミングの帯域や所要時間、ビットレートなど重要要素を、常時正常に維持するサービスを提供する。具体的には、Streamrootは通常のストリーミングサービスに加えて、ピアツーピアによる他の視聴者からのダウンロードも行う。

同社はこのほど250万ドルのシード資金をPartech Venturesから獲得、そのラウンドにはWalnut Venture Associates, Cherrystone Angel Group, Jean-David BlancそしてBpifranceらが参加した。

ビデオストリーミングの効率化といえば、Joost, Miro, Pandoなどなどすでに耳タコだと思うが、でもこれまでのそれらはもっぱら、デスクトップやモバイルのアプリ、あるいはブラウザのエクステンションだった。

Streamrootが他と違うのは、Webサーバがそれを使うことだ。Webのエンドユーザは、何もダウンロード/インストールする必要がない。WebサイトがStreamrootを使っていれば、それでよい。分かりやすく言うと、YouTubeが明日からStreamrootを使い始めても、エンドユーザは何一つ気づかない。

タイミング的にも、これからのWebはピアツーピアのビデオストリーミングの時代になるだろう。StreamrootはそのためにWebRTCと、独自のピアツーピアモジュール、HTML5によるビデオ埋め込み、適応ビットレート、などの技術を使っている。ライブのストリームも扱える。

ビデオを見ているエンドユーザは何も気づかないが、Streamrootはその楽屋裏で、そのビデオを今見ているほかのユーザから送信する。そしてそれによって、送信を高速化し、コストを下げる。

Streamrootがサーバをリプレースするのではなく、サーバの帯域負荷をやや軽くするのだ。違いは、Streamrootを使っていないサイトで人気のライブストリームを見ようとしたときに、たぶん分かるだろう。

Streamroot portal

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Hadoopベンダとして5年を超える古参MapRがビッグデータストリーミングで新境地を開拓

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MapR(MapR Technologies)は、オープンソースのHadoopプラットホームを提供する企業のひとつだが、今そんな企業は多いから競争も激しい。今日(米国時間12/8)同社は、資金潤沢なライバルたちに対する差別化努力として*、MapR Streamsという新製品を発表した。〔*: CEOはこの説を否定(後述)。〕

この新しいプロダクトは、その名のとおり、コンスタントなデータストリームを顧客に供給する。それが消費者データのフィードなら、アドバタイザーは広告の個人化に利用するだろう。保健医療に関するデータなら、それをもとに医師や保健医療機関が処方や処理の適正化を図るだろう。いずれの場合も、ほとんどリアルタイムで。

同社が提供するデータストリームは通常、個別企業等のオーダーメイドではなく、クラウド上で複数の顧客(人間または機械)が会員/会費制で利用する。たとえば顧客が使っているメンテナンスプログラムは、売り場やメーカーからのデータを見て、自分が納めたシステムの使われ方やボトルネック、損耗の状況などを知るだろう。あるいはIT部門はログ情報のストリームを見て、メンテナンスを必要とする異状や、セキュリティの侵犯などを知る。

またMapRが提供するストリームは、上記のようなリアルタイムに近い利用のほかに、記録システムとしての用途もある。それは、過去のどの時点へも巻き戻せるから、不具合の分析などに役に立つ。つまりそれは、完全な監査対象データであり、いろんな規制の多い業種業界では、すべてのトランザクションを記録できることが重宝するだろう。

これと同時に同社は、データを総合化するためのプラットホームも発表した。それは、ファイルやデータベース、アナリティクスなどのデータを単一のプラットホーム上で総合化し、分析できるシステムだ。その場合データソースはHadoopだけでなく、Apache Sparkも使える。それは、2010年にカリフォルニア大学バークリー校で開発された、オープンソースのビッグデータ高速分析プラットホームだ。

CEOのJohn Schroederは、今回の新製品発表について、そろそろHadoopオンリーから脱したいので、と言う。“このプロダクトはエンタプライズ級のHadoopとしてプレゼンしたし、それは今でもうちにとって、さしあたり重要なことだが、実際にはそれ以上のものでもある”。

前向きの脱Hadoopは、Hadoop市場があまりにも混み合っているせいでもある。

たとえば、MapRと同期のHadoopベンダHortonworksは、昨年上場した。また、昨年は10億ドル近い資金を調達した大物のClouderaは、評価額が40億ドルに達している。コンペティタたちにのしかかるプレッシャーは、ますます強まる。ClouderaのCEO Tom Reillyは、どこのベンダもHadoopだけをサポートしているわけではないから、ベンダ全員が健全なエコシステムの恩恵を被っている、と言うのだが(Intel Capitalの今年のGlobal Summitでインタビューしたとき、そう語った)。

それでもしかしSchroederは、今回のアップデートを競合戦略だとは言わない。むしろ、顧客の要望への対応だ、と述べる。“顧客のニーズに基づいて会社を経営している。コンペティタが何をやってるかは、経営の指標にはなりえない”、と彼は語る。

MapRの創業は2009年だ。同社は独自のHadoopビッグデータプラットホームを作り、それを無料でオープンソースのプロダクトとして提供している。そして企業顧客のための関連製品やサービスが、有料だ。同社はこれまでに、1億7400万ドルを調達した。いちばん最近は、2004年6月の、プライベートエクイティによる8000万ドルだ。

参考日本語ページ(1)(2)CrunchBaseページ。〕

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データ節約アプリOpera Maxの新バージョンは音楽ストリーミングのデータを50%節約

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Operaはブラウザで知られている企業だが、最近の同社はAndroid用のデータ節約アプリOpera Max に力を入れている。InstagramやFacebookのような画像の多いアプリで帯域を節約することが当初の目的だったが、今年からはYouTubeなどのサービスからビデオをストリーミングするときのデータ節約機能を加えた。そしてさらに今日(米国時間11/22)は、一部の音楽アプリもサポートすることになった。

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Opera Maxの最新バージョンでは、YouTube MusicとPandora、Slacker Radio、Gaana、そしてSaavnから音楽をストリーミングするとき、約50%のデータを節約できる。残念ながらSpotifyはないが、なにしろこれらのサービスのヘビーユーザで、キャリアの無制限データプラン(あるいはT-Mobileの後払いネットワーク)に契約していない人なら、試してみる価値があるだろう。

Operaは、Rocket Optimizerを使って音楽のストリームを最適化する。それは2013年にOperaがSkyfireから買収したデータ最適化サービスで、MP3やMP4のストリームを、効率の良いAAC+のコーデックに変換する。

なお、今の5つのサービス以外の音楽ストリーミングサービスも将来的にはサポートする、とOperaは約束している。プロダクトマネージャのSergey Lossevpromisesは今日の声明文の中で、“Opera Maxのストリーミングオーディオ最適化技術は今後も改良を続け、より多くのデータを、良い音質を維持しながら節約できるよう努める。最初は上記5つのサービスが弊社のサービス品質テストに合格したが、近い将来にはさらに多くの音楽ストリーミングアプリをサポートしていく”、と述べている。

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ゲームのスタープレーヤーたちによるライブストリーミングをメディアコンテンツととらえるKamcordが、日本韓国を皮切りにグローバル進出を開始

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モバイルで自分のゲームプレイを録画したりストリーミングできる、という合衆国のサービスKamcordは、1年近く前に1500万ドルを調達してアジア市場の開拓に着手したが、ついに今日(米国時間11/19)、日本と韓国でそのサービスを開始した。

Y Combinatorを2012年に卒業したKamcordは、この二か国の人気上位のゲームストリーマーの多くと組んで、両国におけるライブストリーミングサービスを立ち上げた。

同社のライブストリーミングは合衆国でも、始まったのはやっと今年の夏だ。スタープレーヤーのデバイス上で行われていることをリアルタイムでブロードキャストすると、ファンたちが自分のモバイルやWeb上でそれを見て楽しむ。合衆国でKamcordはスター級のプレーヤーをたくさん囲い込み、サービスの立ち上げを飾った。たとえばClash Of Clansが得意なChief Patは、YouTube上の視聴会員が140万人もいる。日本(明日ローンチ)や韓国(今日ローンチ)でも、やり方は同じだ。

Kamcordの協同ファウンダAditya Rathnamによると、韓国での立ち上げ記念に参加したライブストリーマーたちは100万名あまりの視聴を稼いだ。スターたちの代表格がMinecraftをプレイするDottyだ。日本では参加ストリーマーたちの、YouTube等におけるファンの累計が60万だ。

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“合衆国と同じく、パートナーたちはライブストリーミングのできるデスティネーションを求めている。Twitchを試してみたが、だめだった、という人が多い”、とRathnamは言っている。

合衆国でもライブストリーミングは始めてまだ4か月だが、すでに手応えは十分だそうだ。

だいたい一人のユーザがストリーミングを見る時間は平均20分ぐらいだが、これまでで一番人気のストリームは視聴者計が19万2000に達した。Kamcordの上位8名のパートナーの合計フォロワー数は、これまでの計で30万、Clash of ClansをプレイするGaladonは、Kamcordのフォロワー数(64000)の方がTwitch(22000)よりも多い。

東京のオフィスには5名、ソウルには2名の社員を置くが、Rathnamによれば、これは世界進出のほんの端緒にすぎないという。まだ当面は、合衆国が主力になりそうだ。

“でもポテンシャルは、世界の方が大きいからね”、と彼は語る。“言語はまだ英語だけなのに、すでに英語以外の国からのダウンロードがとても多い。ライバルたちの多くがまだ国際市場にあまり手を出していないから、そのことを好機と捉えて、各国の高品質なローカルコンテンツをどんどん出していきたい”。

Rathnamによると今同社は、合衆国、日本、韓国に次ぐ第四の市場を模索中だ。

“たぶん、中国かまたは、ヨーロッパのどこかだろうね”、とRathnamは言うが、まだ現時点では決まっていない。

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Twichが80〜90年代の人気絵画教室番組The Joy of Painting全403回204時間を完全ストリーミング

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Bob RossがTwitchを占拠している。現時点(米国時間10/30早朝)では、Bob Rossのお絵描き番組を見ている人の方が、Dota 2やHearthstoneを見ている人よりも多い。TwitchのCreativeチャネルは、今現在のビューワ数が約45000、たくさんの人が、Bob Rossの穏やかな筆さばきを見て癒やされている。

TwitchがCreativeチャネルをローンチしたのは二日前だが、でもゲームプレイの実況だけをやってるころから、クリエイターたちの利用も少なくなかった。ゲーマーと同じくクリエイターも、発表と共有の場が欲しいのだ。

Creativeチャネルの立ち上げ記念‘番組’としてTwitchは、Janson MediaとBobRoss Inc.の協力を求め、80〜90年代に放送された「ボブの絵画教室」(The Joy of Painting)全403回、全長204時間(8日半)をぶっ続けでストリーミングする。多くの人が狂喜するだけでなく、天国のBobも嬉しいだろう。久々の、出演だからね。

Watch live video from BobRoss on http://www.twitch.tv

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Spotifyはすでに東京に4名のスタッフを擁し、経理担当者を探し中…日本でのサービス開始日程は未定

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【抄訳】
音楽ストリーミングのSpotifyがアジア進出を開始したのは2年あまり前だったが、今同社は、アジアの二大市場への進出を準備している。それは、音楽ストリーミングの将来性に光が見えてきた日本と、2億5000万という世界で4番目に大きな人口を抱えるインドネシアだ。

現在のSpotifyは、7500万のユーザ(有料は2000万)が世界の60か国あまりに分布している。しかしそんな中でアジアは、2013年にシンガポールと香港とマレーシア、その後フィリピンと台湾というように展開の歩みはのろい。アジアでも急速に市場展開したApple Musicとは対照的だ。

Spotifyはこのところ、日本にねらいをつけていた。Quartzによると同社は昨年、日本でメディアリレーション担当を雇用し、進出が近いことをうかがわせた。同社が本誌に語ったところによると、現在東京に4名のスタッフがおり、現在は経理担当者を探しているそうだ。

内部情報筋によると、それは日本における最初の財務スタッフであり、音楽ストリーミングはライセンス関連事務が複雑で、しかも日本では比較的若い業界だけに、その確保はきわめて重要だ。日本ではまだ、CDが音楽の売上のトップである。

日本は難しい市場だが、Spotifyはすでに競争に遅れつつある。日本のモバイルメッセージングのトップ企業Lineが、すでに6月にストリーミングサービスを開始し、Apple Musicもこの夏、参戦した。しかも、Soptifyにとって日本で手強いのは競合他社だけではない。日本進出が遅々として進まなかったのは、“日本では音楽のライセンス取得がきわめて難しい”せいでもある。

日本におけるサービス開始の日程は、まだ決まっていない。

【後略】

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YouTube Gamingがモバイルからの直接ストリーミングをサポート、Twitch的機能を一層充実

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ゆっくりと、しかし確実に、YouTubeは本格的なTwitchコンペティタを構築中だ。YouTube Gamingへ行けば、今自分がプレイしているゲームをライブでストリーミングでき、お気に入りのゲーマーたちのプレイを追うこともできる。YouTubeが8月に立ち上げたこのゲーミングサイトが、このほど初めての大型アップデートを発表した。

まず、Mobile CaptureというAndroidアプリが提供され、これを使うとモバイルデバイス(スマートフォンなど)からの直接のストリーミングができる。誰かがプレイしているCandy Crushを見たい人はいないと思うが、でもHearthstoneのファンならこの機能を気に入るだろう。プレー中に、フロントカメラで捉えたプレーヤーの顔が画面の隅に表示されるから、ライブ感がなお一層リアルだ。

Twitchのパートナーシッププログラムと同じように、月額会費を払って好きなゲーマーのスポンサーになると、バッジやら何やらをもらえる。Twitchの4ドル99セントに対してこちらは3ドル99セントだ。Twitchは現在、ストリーミング提供者(‘放送者’)が170万、そのうちパートナーは12000名だ。YouTubeは、新たに始めたばかりだ。サードパーティのアプリを使えば、Twitch上のチップスをYouTube上でも有効にできる。

これは、Twitch Turboのような広告を排除する有料オプションではない。またYouTube Gamingでスポンサーになっても、広告は消せない。

サイト上とモバイルアプリには、そのほかのマイナーなアップデートもある。ゲームを自分のコレクションに加えるのがより簡単になり、それらのライブストリーミングをやってればすぐに見られる。YouTubeの「あとで見る」機能はYouTube Gamingでも有効だ。Webサイトの観戦ページはデザインを一新、モバイルアプリは前の検索を覚えている。

同社の発表によると、YouTube上でライブや録画でゲームを見ている人たちの総視聴時間は1か月で1440億分だ。すごいけど、ライブストリーミングの比率が分かれば、もっとおもしろいデータだね。

今回のアップデートでTwitchと肩を並べただろうか? ライブストリーミングにはYouTubeの”Let’s Play”ビデオもミックスできるから、コンテンツの量はすでに膨大だ。今後もっと新しい機能が増えたら、‘Twitchに追いつく’段階を卒業できるだろう。

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NGINXの商用版アップデートNGINX Plus R7がHTTP/2をサポート、TCPロードバランサも改良

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投資家たちにも愛され、人気急伸中のWebサーバNGINXが今日(米国時間9/16)、HTTPの次世代規格HTTP/2を、サーバの最新の商用リリースでサポートする、と発表した。

無料のオープンソースバージョンではすでにHTTP/2を部分的にサポートしていたが、今日はNGINX Plus R7が同社の顧客にリリースされた。このリリースではHTTP/2のサポートが最大の目玉だが、この、同社を代表するプロダクトには、そのほかの新しい機能もいくつか加わっている。

HTTP/2は、その一部がGoogleのSPDYプロトコルをベースにしている。しかしNGINXのマーケティング担当Peter Guagentiによると、ブラウザ側のHTTP/2のサポートにまだむらがあるので、多くのブラウザの実装のレベルが揃うまでは、デフォルトの高速HTTPプロトコルとしてSPDYを使った方がよい、という。しかしHTTP/2はセキュリティの機能が優れているので、その試用は今から初めておくべきだ、と。

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HTTP/2のNGINXの実装方式では、レガシーユーザに標準のHTTP 1でページを容易にサーブできる。またそれをサポートしているクライアントには、HTTP/2やSPDYで接続する。ただしSPDYとHTTP/2をパラレルに動かすことはできない。

今回のアップデートでは、NGINX PlusのTCPロードバランサが改良されている。前回の最初のリリースでは、TCPのサポートと、NGINXのHTTPのサポートがうまくマッチしていなかった。しかしこれからはたとえば、ユーザはTCP接続の接続リミットや帯域リミットを設定できる。一見するとマイナーな機能のようだが、しかし今ではストリーミングサービスなどでTCP接続が頻繁に利用されているから、アクティブな接続の数を制限できることは、DDoSとの戦いの最前線の防備として重要だ。

NGINX Plus R7はまた、Microsoft NT Lan Managerの認証を使っているアプリケーションに対応できる。これはTCPよりもさらにもっとマイナーなようだが、これによりレガシーのMicrosoftアプリケーションを動かしている環境でNGINXをロードバランサとしてデプロイできるようになる。同社によると、これはユーザの要望が多かった機能だ。

Guagentiによると、今回のリリースにはパフォーマンスアップのための改良が数多く盛り込まれ、またサーバのモニタリングと管理の機能も改良されている。これら多くの機能にアドミンが容易にアクセスできるよう、ダッシュボードも刷新した。彼によると、今のユーザは、“自分のスタックに対する驚くほど詳細な可視性を要求する”。でも、高度なユーザならサービスのAPIを使って必要なデータを取り出し、既存のダッシュボードにそれらを統合できる、と。なお、新しいダッシュボードでは、そこからアドミンがサーバの稼働中にパラメータを変えてトラフィックを調節したり、サーバをオフラインにする、新しいサーバを加える、などの操作ができる。

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この新しいリリースの技術的詳細はここにある。

NGINXのチームによると、商用バージョンをまさに商用に利用する顧客が、今は非常に多様化している。“これまでのNGINXはナードのベストフレンドだったが、今ではエンタプライズユーザが同じものを求める”、とGuagentiはジョークを言う。このところの成長率は、通常のテク企業よりもエンタプライズによる採用の方が高い。彼によるとそれは、エンタプライズが現代的なソフトウェアアーキテクチャに前向きになっているからであり、DevOpsやクラウドへの移行が本格化しているからだ。今では金融企業や保険企業も、同社の顧客中に多く見られるようになっている。それに、一部の政府機関も。

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どんなゲームでもアプリでもライブストリーミングできるDeNAのMirrativ、Androidにまず登場

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ゲームなどのアプリをライブストリーミングするサービスを今週開始したのは、YouTubeだけじゃなかった。YouTube Gamingが公開されてから、ほんの数日後に、日本のゲーム多産企業DeNAが、Mirrativという名前で同様のサービスを開始した。

当初はAndroidのみだが、そのアプリを使うと、ユーザの画面に映るものなら何でもライブでストリーミング(ブロードキャスト)できる。話がDeNAだから、まっさきに心に浮かぶのはゲームだが(同社はNintendoのモバイルゲームの制作も担当する)、でも同社によれば、Mirrativはどんなアプリでもサポートする。だから、いろんな使い方がありそうだ。

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このアプリは、ライブストリーミングから面倒で難しい部分をほとんど取り去り、TwitchなどではブロードキャストするためにPC用のケーブルやアタッチメントが要るところを、Mirrativならスマホ本体だけで、わずか3クリックでブロードキャストが始まる。

しかも、ブロードキャストするときに、ストリームに自分の声や顔を含めるオプションもある。しかし基本的にはこのアプリはバックグラウンドで動き、今ユーザのスマートフォンの上で(画面上で)行われていることを何でも放送する。ゲームだけでなく、今読んでるニュース、今やってるショッピングなども、友だちなどに見せることができる。これまでの画面ブロードキャストアプリよりも、ずっと多様な用途がありえるだろう。

Android上のゲームのライブストリーミングでは、Kamcordが良くできているが、現時点では一定の高度なゲーマーしか使えない。Mirrativは、Android機を持ってる人なら誰でも使える。

一般大衆用のライブストリーミングといえば、自撮りビデオの放送で人気を高めたPeriscope(Twitter傘下)やMeerkatが先輩だが、Mirrativeはそれらの大衆的気軽さをユーザインタフェイスや使い勝手に引き継いでいる。ストリームはユーザのフォロワーとシェアされるし、見ている人はコメントしたりお気に入りのスターをつけたりできる。今んところブロードキャストの保存ができなくて残念(一回見終わったら再度は見れない)だが、 きっとそのうち…(この件DeNAには未確認)。

DeNAに確認したところ、iOSバージョンももうすぐ出るが、ストリームを見るだけでブロードキャストはできない。KamcordもやはりiOSはだめだから、iOSでライブストリーミングをサポートすることには、何か、克服困難な問題があるのだ。でもiOS 9ではデベロッパがネイティブのリプレイ機能を実装できるためのSDK、ReplayKitが提供されるから、ライブストリーミングのサポートも可能になるかもしれない。

Mirrativは今はまだベータで、本番ローンチは来月だ。今ベータをダウンロードして使ってもよいが、同社は日替わりのライブストリーミングのデモを提供している。Twitterの@mirrativをフォローすると、各ブロードキャストの詳細が分かる。

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Netflixに続いてAmazon Prime Videoも日本展開へ…レースの勝者はどこだ?

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日本に住んでる人は、アメリカのビデオストリーミングサービスは、まるでバスみたいに次から次にやってくる、と感じるだろう。来週Netflixがこの東アジアの国に上陸する、というニュースが流れたと思ったら、それに続いてすぐさまAmazonが、同社のPrime Videoサービスを日出ずる国に飛来させる、と発表した。

Netflixの日本デビューは9月2日と予定されているが、Amazon Prime Videoの飛来は9月中、となっていて、日付はまだ発表されていない。

Amazonの発表声明は、こう言ってる: “Prime Videoは日本と合衆国の何千もの人気映画やテレビ番組、連続アニメ、音楽のコンサート、バラエティ番組、そして賞まで取ったAmazonのオリジナル作品や日本でのオリジナル作品を提供する”。

このサービスは、年会費3900円(月額換算325円)を払っているPrime会員には無料だ。会員にはもちろん、ショッピング関連のそのほかの特典もある。一方、ビデオサービスでしかないNetflixは、税前の月額会費が650円からだ。毎月HDのストリームを二本見られるプランが950円、ストリーム四本のプレミアムプランが1450円。

料金的にはAmazonが有利だし、しかも既存のユーザベースが大きい。日本でもPrimeサービスはすでに10年前からあるが、Netflixは影響力のある有名人を抱え込もうとしている。またNetflixはSoftBankとパートナーしてキャリア課金と、デバイスへのアプリの事前ロードを10月から開始する。

さあこれから、日本でもストリーミングの勝ち馬を決めるレースが始まるのだ!

おっと、「たけし城」なんかでごめんなさい。

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