Snap、上場初日の株価40%急騰―時価総額300億ドルに

2017-03-03-snapchat-spectacles

新規上場初日のSnapの株価は売り出し予定価格を40%以上上回って取引が開始された。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の初値は1株当たり24ドルだった。

ここしばらく投資家の期待と焦燥を一身に集めたSnapだったが、今朝の値動きは投資家がいかにSnapの将来に期待しているかを明らかにしただけでなく、ウォールストリートにとっても新規上場の理想的な前例となった。今年はテクノロジー企業の上場の動きが加速しそうだ。Snapにとっては、新規上場で株価が急騰したことはそれ自体で良いことであるだけなく、投資家全員を満足させる結果となった。

昨日、Snapの売り出し価格は17ドル、時価総額240億ドルが予想されていた。17ドルという株価自体、2月にSnap(とウォールストリートの証券会社)が設定した売出し予定価格の上限を上回っていた。Snapは上場によって34億ドルの資金を調達することに成功した。Snapの急成長は同時にコストのアップをもたらしているいるが、この収入は十分にそれをまかなえるだろう。

24ドルをつけた後、株価は一時25ドル以上に上げたが、その後はほぼ安定している。現在の株価による時価総額は300億ドル以上となっている。ちなみにTwitterの時価総額は110億ドルだ。

ここまでのSnapの上場が成功だったことは疑いないが、今後に向かっては複雑な問題を抱えている。複数のレポートはSnapの上場に予定価格を上回る大量の市場資金が流れこんでいることを指摘している。Snapは今後もさらに株式発行によって資金を調達できるだろうが、そのつど今朝のような取引価格のアップを必要とする。上場が成功しているイメージを維持すると同時に投資家にも利益を確保できなければならない。

もちろん24ドルという初値はSnapがかなりの金額を取り逃がしたということでもある。2億株の売り出し価格と取引価格の差は10億ドル以上にもなる。そうであってもSnapの上場は大成功という印象を与えたことは確かだ。

しかしSnapの上場はいろいろな面でかなり異例だ。投資家が購入した株式には議決権が付属していない。つまり投資家はSnapが今後さらに巨大な企業に成長するだろうという期待を買ったことになる。CEOのEvan SpiegelとSnapのチームが長期的にもSnapの運営に成功するだろうという期待だ。共同ファウンダーのSpiegelとBobby Murphyはほぼ完全にSnapの議決権を握っている。つまり2人はSnapの経営にあたってウォールストリートの顔色をうかがう必要はない。しかし株価が好調であれば社員の士気にも新たな人材の獲得にも有利に働くことは言うまでもない。

新規上場による資金調達は資金繰りの健全化と同時に企業買収その他の大型の経営イベントに対する手当でもある。Snapは運営に数億ドルを必要としている。今後5年間で総額でAmazonには10億ドル、Googleに20億ドルを支払う必要がある。Snapは企業買収にも非常に積極的だ。こうしたことからも資金需要はきわめて高い。

将来に向けて残る疑問は、SnapはFacebookがこれまで実現してきたような健全な成長を続けられるだろうかというものだ。Twitterの株価は頭打ちで先行きは不透明だ。Snapのユーザー数の成長は失速し始めている。逆に広告ビジネスは急成長中だ。Facebookのライバルの地位をウォールストリートに認めさせるためには今後いくつかのハードルを越える必要があるだろう。

Snapは上場企業となった。つまりこれまでよりはるかに透明性の高い環境でライバルと広告ビジネスの競争をしなければならいということでもある。Snapは有望なスタートアップとして企業の広告予算のうち「先物買い」の部分を集めることに成功した。しかし今後は広告予算のメインの部分を安定して占めるようになる必要がある。それにはFacebookが提供できないような機能がこれであるとはっきりさせねばならない。ともあれウォールストリートはユーザー数の頭打ちや経営権の偏りといった懸念には目をつぶり将来性に賭けたようだ。

〔日本版〕Snapの値動きはこちらでリアルタイムで表示されている。高値は26ドル、日本時間で午前6時は25ドルちょうど。The Wall Street Journalの記事によればエヴァン・スピーゲルの婚約者でスーパーモデルのミランダ・カーがNYSEでセルフィーを撮影している。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleの新プロジェクト―、文脈を判断できるAIが有害コメントを検出

universal-chat-bot

もしもあなたが普段インターネットで何かを読んでいれば(この記事を読んでいるということはもちろんそうだろう)、「コメントは飛ばす」という黄金律を知っているはずだ。

記事や物語の終わりからさらに下へとスクロールしていくと、そこには人種差別や陰謀論、個人攻撃で溢れる別世界が存在し、すぐに人間という生き物への信頼をなくしてしまう。しかし今後コメント欄では、ゴドウィンの法則よりもGoogleに出会うことの方が多くなるかもしれない。Alphabetの子会社で、ネット上の安全を育むためにつくられたJigsawは、米国時間2月23日にコメント欄の清浄化を目的としたPerspectiveと呼ばれる新たなサービスをローンチした。

Perspectiveはコメント内容を評価し、各コメントに悪意がある可能性を数値化するサービスだ。Jigsawはオンラインでの議論を促進することをゴールとしているため、コメントが「有害」かどうかというのは、他のユーザーを議論から遠ざけてしまうかどうかで判断される。

「朝読んだニュースについて友だちと話している様子を想像してみてください。もしもあなたが何か言うたびに、誰かがあなたの顔めがけて大声を出したり、不快な名前で呼んできたり、言われもない罪であなたを非難してきたりすれば、きっとあなたはその場を去るでしょう」とJigsaw社長のJared Cohenは話す。「残念ながら、こんなことがオンラインでは嫌になるくらい起きています。人がお気に入りのニュースサイトで何かについて議論しようとすると、たちまち有害なコメントで責め立てられてしまうんです」。

Jigsawが算出した有害性をどう理解するかや、有害なコメントにどう対応するかはプラットフォーム次第だ。Jigsawは有害性スコアの提供以外は行っていないため、企業は有害コメントにフラグを立てて担当者が内容をレビューしたり、有害コメントを注意表示で隠して、ユーザーが表示をクリックしないとコメントを読めないようにしたりといった対策を自分たちで考えることができる。またユーザー側は、自分のコメントも有害と判断される可能性もあるため、入力した内容が本当に自分の言いたいことなのか判断できる。

メディア各社は、コメント問題への解決策を編み出そうとこれまで苦しんできた。Reutersをはじめとする数社はコメント欄自体を削除し、BuzzFeedはコメントのキュレーション方法を模索している。一方The New York TImesは、Perspectiveの開発でJigsawと手を組み、1日あたり1万1000件も集まるという同紙の記事へのコメントを、機械学習モデルのトレーニング用にJigsawへ提供していた。

Perspectiveは、特定の人種を中傷するようなキーワードをピックアップするだけでなく、ある言葉の攻撃対象がコメント主なのか、それとも議論の対象となっている話に出てくる人なのかというのを文脈から判断することができる。なお、各プラットフォームはAPIを通じてPerspectiveを利用できる。

またJigsawは、Perspectiveの力を証明するために、Wikipediaのディスカッションページにおける嫌がらせの調査を行った。まず彼らは、編集者がWikipediaの記事のアップデートについて議論を交わすトークページから、100万件以上のコメントを分析のためにかき集めた。その後、10人の審査員が各コメントに個人攻撃が含まれているかや、誰が攻撃の対象になっているのかを評価し、その結果をPerspectiveのトレーニングに使用した。Jigsawは英語で書かれたコメントだけをトレーニングに使っていたので、Perspectiveは少なくとも今のところは英語にしか対応していない。

Wikipediaのコメントに関する調査の結果、モデレーターから警告やブロックを受けた人は18%しかおらず、ほとんどの嫌がらせが野放しにされていたことがわかった。さらにJigsawは、Yahooの初期のコメント管理システムについても調査を実施した。Yahooはモデレーターが有害だと判断したコメントを使ってアルゴリズムをトレーニングしており、調査の結果、その検出率は90%に達することが分かった。

Perspective以外にも、Googleの実験的なプロジェクトを会社化したJigsawは、DDoS攻撃の軽減やニュースのファクトチェックを目的としたサービスを開発している。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Facebookがプロフィール写真用に国旗多数を追加―ザッカーバーグの理想との関係は?

2017-02-24-facebook-profile-frames

Facebookはプロフィール写真用に200以上の旗を追加した。 選択されたオーバーレイはプロフィール写真の上に表示される。Facebookのプロフィール用オーバーレイは2015年にファンのためにスポーツチームのロゴで作られたのが最初だ。昨年にはユーザーが独自のオーバーレイを投稿できるようになった。

flag-frames-asset

ただ、今日オーバーレイに追加された旗の多くは国旗だ。このことはFacebook上で自分に近しいコミュニティーを発見することに役立ちそうだ。しかしCEOのマーク・ザッカーバーグが「開かれたグローバル・コミュニティー」を作ることを理想としていることの関係が気になる。Facebookのプロフィール写真で国旗を振るユーザーが増えると、そのグループに属さない人々を疎外する効果を持つかもしれない。

ザッカーバーグは5000語のマニフェスト「われわれ対彼ら」というイデオロギーに強く反対している。 しかし多数の国旗をプロフィール写真に持ち込むのはこの理想に矛盾しないだろうか?

もちろんオーバーレイの追加は大規模な機能変更ではないし、おそらくは単にちょっとした面白さと愛国主義を狙ったものに過ぎないのだろう。しかしFacebookが世界の諸問題に対して公にしている立場との関連は懸念を抱かせる。ユーザー・エンゲージメントと、従って株主にとっての会社価値を最大限にするという企業としての立場だけでなく、世界の人々を結びつけるという使命ともバランスを取っていくためには、新しい機能が開かれた安全な世界を作る上で役立つかどうかを慎重に判断する必要があるだろう。

トランプに代表される憂鬱な時代にあってテクノロジー分野を含めて世界のリーダーがすべての人々の公正と安全のために行動することが必要だ。しかしこうしたより幅広い正義を求めることはビジネスの運営を困難にするかもしれない。

〔日本版〕Facebookの「プロフィール写真の変更」では左上部の検索窓でJapan、Xmasなどと入力すると一致するオーバーレイがサムネールで表示される。サムネールをクリックするとプロフィール写真に重ねて表示される。プロフィール写真はドラグ、スライドバーで調整できるがオーバーレイそのものは調整できないもよう。なお環境によってはFacebookが反応するまでかなりの時間がかかる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

TwitterのDMにサポート担当者の写真と名前を表示する新機能―、企業の売上への影響も

twitter-custom-profile-ios

Twitterは今朝、担当者のプロフィールがダイレクトメッセージ(DM)画面に表示される、企業アカウント向けの新しいカスタマーサービス機能をローンチした。今後ダイレクトメッセージを通じて顧客からの問い合あわせが合った場合、企業は会社のプロフィール画像と名前の代わりに、各担当者の名前と写真を表示できるようになる。この機能の背景には、ボットではなく人間の担当者とやりとりしていると顧客に感じさせることで、企業と顧客の交流をパーソナルなものにするという狙いがある。

この機能を最初に採用したのは、カスタマーサービスのパーソナル化に積極的に取り組んでいるT-MobileだとTwitterは発表している。T-Mobileは顧客の本名と担当者のイニシャルをツイートに記載しはじめた最初の企業のひとつで、昨年には問合せへのリプライに、担当者のプロフィールが記載されたウェブサイトへをリンクすることで、担当者の写真と名前を表示する取り組みをはじめていた。

そして本日より@TMobileHelpは、他の企業に先駆けてDM画面でも担当者の情報を表示しはじめる。しかし、ユーザーは他の企業のアカウントでも近いうちに同じ情報を確認できるようになるとTwitterは話す。

twitter-direct-message-custom-profiles

さらにサポート担当者は、個性を出すために自分の名前に絵文字を追加することもでき、絵文字もちゃんとDM画面に名前の一部として表示される。実際のやりとりの様子は、上のスクリーンショットを参照してほしい。

ひとつの企業が作れる担当者ごとのプロフィールの数には制限がなく、機能を利用する上では企業のサイズも関係ない。ただし、この新機能を使うためには、その企業のアカウントが認証済みで、ホワイトリストの認可を得ていなければいけない。実際に新機能を使いたい企業は、アカウントの認証を得たあとで、こちらのフォームから申し込める。

新機能と現在改良が重ねられているAPIは無料で利用できるが、もちろんAPIにアクセスするには、Twitterのパートナー企業に頼る必要がある。

Twitterはこれまでにも、ビジネスアカウント向けのカスタマーサービス機能の拡充に努めており、過去にはDMボタンを目立たせて顧客が企業にDMを送りやすくしたり、企業のツイート内に「プライベートメッセージを送る」というボタンを設置できるようにしたり、DMの自動メッセージ機能を追加したり、プロフィールにサポート時間を記載できるようにしたりといった施策を実行していた。

Twitterが自社で行った調査によれば、消費者は問合せへの返答がもらえるならば、その企業の平均的な価格の商品に対して3〜20%多めに払っても良いと考えているという。情報通信企業に絞ると、その数は10%になる(だからこそT-Mobileがローンチパートナーに選ばれたのだ)。

さらに、情報通信サービスを利用しているユーザーは、問合せへの回答が4分以内に受け取れるならば、月々の携帯料金が17ドル上がってもかまわないと考えているが、回答を受け取るのに20分以上かかる場合はせいぜい3.52ドルの値上げしか許容できないと考えているとTwitterは言う。この数字を考えると、T-Mobileのような企業が、何か新しい機能が追加されるとすぐにTwitterベースのカスタマーサービスを改良しようとしているのも理解できる。

一般的に言っても、人間味のあるカスタマーサポートを受けることで、77%のユーザーがその企業を推薦したくなると考えており、ボットなどを使ったあまり人間味のないサポートを受けたユーザーと比べ、自分の問題が解決したと感じるユーザーの数は19%、満足感を得るユーザーの数は22%多いとTwitterは発表している。

新機能は既に実装済みでコチラからサインアップでき、APIは現在プライベートベータの段階にある。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

現代版ケータイ小説?人のチャットを覗き見るように物語を読むアプリTapがローンチ

screen-shot-2017-02-22-at-12-18-35-pm

米国時間2月22日にローンチされたTapは、チャットのような見た目で携帯電話上に物語を表示させるアプリだ。Tapを開発したWattpadは、作家のためのソーシャルパブリッシングプラットフォームを運営している。同社は世界中に4500万人もの読者を抱え、Wattpadユーザーはウェブサイトやモバイルアプリ経由で、約2億5000万種類の物語を読むことができる。

そしてWattpadはこの度リリースしたTapで、従来のフォーマットを離れ、ユニークな物語の楽しみ方を試そうとしている。

Tapユーザーは「チャットスタイル」で物語を楽しむことができる。つまり、ユーザーが文章をタップするたびに、だんだんとその先の物語が紐解かれていくような仕組みになっているのだ。Tap上の物語は、読者が他人のチャットのやり取りを覗き見ているようなイメージで書かれているとWattpadは説明しており、物語を読んでいるときのアプリの見た目もチャットアプリのようだ。

ローンチ時点では、ホラー、ロマンス、ドラマといったさまざまなカテゴリーの物語が数百種類も準備されている。

screen696x696-4

さらにTapユーザーは、自分でもチャットスタイルの物語を作れるようになるが、現在のところこの機能は同プラットフォーム上の一部の作家しか使えない。Wattpadによれば、数週間のうちに他のユーザーも執筆・出版機能を使えるようになる。

また、チャットスタイルで物語を読めることに加え、ユーザーはお気に入りの物語をソーシャルメディアで共有することもできる

Tapはフリーミアムモデルを採用しているため、WattpadはTapのリリースで、従来のプラットフォームに加えて新たな収益源を獲得したことになる。アプリと一部の物語は無料だが、有料プランも準備されており、有料ユーザーは限定コンテンツを含む全ての物語を読むことができる。なお料金は週額2.99ドル、月額7.99ドル、年額39.99に設定されている。

最近Wattpadは、UniversalTurnerマンガ出版社らとの契約を通じて、ハリウッドやエンターテイメント業界とも関係を深めているが、Tapのサブスクリプションサービスで、すぐにもっと分かりやすい形で売上を拡大することができるかもしれない。

screen696x696-3

実はTap以外にも、似たようなサービスが最近誕生しており、Tapの競合でフィクション作品を扱うHookedはチャットスタイルのインターフェースと、執筆環境をユーザーに提供している。Amazonも子どもをターゲットに、Amazon Rapidsというチャット風インターフェースのサブスクリプションサービスを開始した。さらに広く見れば、Serial BoxHardboundといったモバイル読書アプリや、さらには、短いコンテンツをやりとりできるという意味ではSnapchatのようなソーシャルアプリともTapは競合することになる。

しかしTapのサービスは、単に物語を切れ切れに表示させるのではなく、あくまで人のチャットを覗き見るようなスタイルをとっているため、読者は誰かの携帯で勝手にプライベートなメッセージのやりとりを盗み見ているような感覚を味わうことができる。この仕組みは、日常的にモバイルコンテンツを楽しみ、人とのやりとりにも主にモバイルデバイスを使っているティーンやヤングアダルト層にウケるかもしれない。

TapはApp StoreGoogle Playから無料でダウンロードできる。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Instagramに写真とビデオのカルーセル―10本まで一度に投稿できてスワイプで閲覧

2017-02-23-instagram-carousels

SnapchatクローンのStoriesが大当たりしているInstagramだが、メインのフィードをさらに改良する努力も怠っていない。今日(米国時間2/22)、Instagramは最大10本までの写真、ビデオを共有できるカルーセルをリリースした。ユーザーはカルーセルを左右にスワイプすることで自由に閲覧できる。

ユーザーにとってはなんらかのテーマに沿った写真、ビデオをまとめて共有できる便利なアルバムだ。メインのフィードなので24時間で消えるということはない。この機能はiOS版、Android版に追加され、世界のユーザーに数週間かけて順次公開される。

instagram-carousels

Instagramの発表によれば、「ユーザーは体験を共有するに当って撮影した写真やビデオからベストの1枚を選ぶ必要がなくなった」ということだ。ファウンダーのKevin SystromはInstagram Storiesをスタートさせるにあたって「体験のハイライトを手軽に共有する」ためと述べていたが、メインのフィードではやや違った角度から体験の共有を進めているようだ。

StoriesのヒットによってInstagramのメインフィードは「ベストの1枚を選ぶ」というやり方を改良する必要を感じていたかもしれない。アルバムをまるごとアップロードできるカルーセルの追加は月間6億人といわれるユーザーからさらに多くのコンテンツを集めるのに役立つだろう。

Instagramのユーザーはフィードで体験を共有しようとするとき、最高10件までのコンテンツをボタンで選択できるようになる。写真、ビデオはそれぞれ編集可能だ。あるいはすべてのコンテンツに同一のフィルターを適用することもできる。順序を選択し、それぞれに友達をタグづけできる。ただしキャプション、場所、「いいね!」、コメントについては、カルーセル全体を1つの投稿して扱うことになる。現在のところ、すべての写真は正方形にトリミングされる。

フィードで共有された場合、友達は青いドットが表示されるのでカルーセルだと分かる。ユーザーは画面を左右にスワイプして望みの場面を見ることができる。最初の写真と青いドットからユーザー・プロフィールを見ることが可能だ。

Instagramでは「この機能を使って「愉快な体験を共有しましょう。友達の誕生日にサプライズ・パーティー企画したときなど、準備から友達が部屋に入ってきて驚くところまでカルーセルにまとめてアップできます。ケーキづくりのレシピを段階を追って説明するにも便利です。プロフィールからいつでも開けるようにできます」と勧めている。

Instagramでは2015年に広告写真のカルーセルを発表しており、昨年はこれにビデオを含めることができるよう拡張した。現在広告カルーセルは当初の5件のイメージから10件に拡大されている。

カルーセル機能を一般ユーザー向けに導入したことで、Instagramは写真やビデオをスワイプして次々に見ていくという習慣を根付かせようとしているのかもしれない。これは広告カルーセルの視聴にも好影響を与える。一方でInstagramのカルーセルでビデオや写真を共有するのが普通になれば、ユーザーがSnapchatを使わねばならない理由を一つ減らすことにもつながるだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


http://jp.techcrunch.com/archives/20160802silicon-copy/

WhatsAppが加工写真共有のStatusをスタート―Snapchatクローンだが暗号化

2017-02-21-whatsapp-status

FacebookグループのWhatsAppはSnapchatの国際的な勢力拡大にブレーキをかけられるかもしれない。WhatsApp Statusという新しい機能はデコ写真(およびビデオ、GIF)を24時間に限って共有する。もちろんSnapchat Storiesの「そっくり」だが、StatusはWhatsApp本体とテキスト・メッセージと同様、エンド・ツー・エンドで暗号化されておりセキュリティーが強固だ。

WhatsAppでは昨年11月から一部のユーザーを対象にStatus機能のベータ版をテスト していた。今回はいよいよ正式なタブとしてiOS版、Android版、Windows Phone版が世界に公開される。WhatsAppのユーザーは絵や文字を手描きしたり、スタンプなど貼ってデコレーションをした写真を友達との間でプライベートに共有できるようになった。共有範囲やプライバシー設定は本体アプリの設定のとおりだという。特定の友達に写真、ビデオを添付してメッセージを送ることも従来どおりできる。

StatusはまたWhatsAppに新しい広告掲載スペースを提供する。Snap、Instagramの前例が参考になるなら、Facebookはフルスクリーンの広告をStatus投稿の合間に表示するだろう。

新しく導入されたStatusはAOLのインスタント・メッセージを思わせるいささか古臭いMy Status機能を代替する。WhatsAppがちょうど8年前にスタートしたとき、My Statusはこのアプリの唯一の機能だった。【略】

whatsapp-version-1-from-2009-1

WhatsApp Statusは以前のMy statusを代替する

WhatsAppは今や月間ユーザー12億人の巨大サービスに成長した。投稿されるメッセージ数は毎日600億通に上る。これには33億枚の写真、7億6000万本のビデオ、。8000万本のGIFが含まれるという。WhatsAppの機能拡張はSnapchatにとってトラブルを意味することになるかもしれない。WhatsApp Statusが順調にユーザーを獲得するようなら、Snapchatのリッチメディアのサポートをセールスポイントとする国際展開はスローダウンし、同社の収入源は既存のユーザー、ハードウェア、プロフェッショナルによるコンテンツなどに限られることになるかもしれない。

Instagram Storiesの1日あたりユーザーも今や1億5000万人を数えることで明らかなように、Snapchatのクローンであっても、膨大なユーザーを抱えるアプリに適切に付加されるなら成功を収める。TechCrunchはこの記事でSnapchatがトラフィックを奪われていることを最初に報じた。 アナリストやセレブのSNSマネージャーはSnapchatのピュー・カウントが低下していることを認めていた。

38708c954b2902f8f0b9cc31b318dfcb20b5d4cf

WhatsAppのカメラ機能

Snapchatの運営会社、Snapの株式上場申請書にはユーザー成長率が82%もダウンしたことが報告されていた。申請書によれば、2016年の第2四半期に17.2%だった成長率が、Instagram Storiesがローンチされた第4四半期に3.2%に急減している。

Instagramは大胆にもSnapchatクローンのStoriesを堂々とメインタブに位置づけたのに対し、 WhatsAppはStatusをかなり深い場所の埋め込んでいる。しかしStatusはStoriesのスライドショーのフォーマットを、これがまだ浸透していない地域、南アメリカ、東欧、途上国などへの普及を加速する可能性がある。こういう地域ではSnapchatもまだ広く利用されていないのでユーザーはクローンだというイメージを持ちにくいだろう。

WhatsAppは当初、シンプルな実用本位のテキスト・チャットのプラットフォームと位置づけられていた(多機能性を求めるならFacebook Messengerを利用することができる)。しかし昨年WhatsAppはリッチメディア時代にふさわしく、カメラ機能を導入した。StatusがWhatsAppはシンプルさを損なうことがなければ世界各地でSnapchatに対抗できる存在になるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

お気に入りのアーティストと”共演”―、合成動画作成アプリのBlin.gy

screen-shot-2017-02-17-at-11-31-52-am

クロマキー合成(またはブルーバック/グリーンバック合成)は昔からある技術だ。この技術は1930年代に初めてハリウッドで導入されて以降、現在でも映画やスポーツ報道、そしておなじみの天気予報などで利用されている。一方で、クロマキー合成を実現するには、緑色の幕や固定されたカメラ、さらにスタジオで使われているような照明機器を準備しなければいけないため、コンシューマー向けの技術とは言えない。

しかし、もしもバックグラウンドが動く動画を作れて、それをソーシャルメディア上で友だちとシェアできたらきっと楽しいだろう。

そんな思いを実現するために誕生したBlin.gyというアプリを使えば、スタジオ機材なしで「モバイルクロマキー合成」を再現できる。

Blin.gyのチームは、以前Chosenと呼ばれるアメリカン・アイドル風のアプリを開発していた。ユーザーが自分の才能を披露するために、短い動画を作成・シェアできるようになっているこのアプリは、The Ellen Show(2001~2002年にかけてアメリカで放映されていたコメディ番組)とのパートナーシップを通じてトラクションを獲得していったが、しばらくすると、彼らのメインターゲットであるティーンエイジャーは、Musical.lyのように音楽が中心のコンテンツを好むということがわかった。screenshot_20170215-205645

そこで彼らは一歩下がって、若者がこれまで体験したことがないような表現ができるコンテンツを作るためのツールを開発することにした。

彼らの狙いは、Blin.gyにしかできないような、ユニークで新しいタイプのコンテンツを作ることだった。Musical.lyなら音楽に合わせて早送りしたような映像を作ることができ、SnapchatにはフィルターやAR風のエフェクトがあり、そしてInstagramにはBoomerangがあるように、Blin.gyも独自の「っぽさ」を見つけようとしていたのだ。

最終的にBlin.gyのチームは、モバイルクロマキー合成を使ってユーザーを音楽ビデオに登場させるというアイディアを思いついた。今日のテクノロジーを使えば、昔からあるクロマキー合成の技術をモバイル化するのなんて簡単なはずだと思う人もいるかもしれないが、実はこれはかなり複雑なプロセスだ。

特許出願中のBlin.gyのアルゴリズム(詳細はこちらの白書参照)は、昔ながらのクロマキー合成と物体検出や輪郭検出、色操作といったコンピュータビジョンのテクノロジーから構成されている。つまりBlin.gyは、動画が撮影されている環境に合わせて、複数の技術をダイナミックに使い分けたり併用したりできるのだ。

そのため、AppleのPhoto Boothではカメラが動くとエフェクトも崩れて(しまいには背景まで歪んで)しまうが、Blin.gyであれば、撮影中にカメラが動いてしまっても問題なく合成されるようになっている。

もちろん、コンピュータビジョンのテクノロジーはまだ誕生して間もない(かつ動画を撮影している携帯電話の処理能力に左右される)ため、Blin.gyのチームは、アプリの効果を最大限発揮するために、「撮影時は後ろに何も置かないようにする」といったアドバイスを提供している。

実際にBlin.gy上の動画を見てみると、「本物の」緑色の幕を使って撮影されたような素晴らしい出来のものから、ほとんど合成が上手くいっていないものまであり、全ての動画が完璧なクオリティというわけではないことがわかる。

しかしBlin.gyのチームは、アップされている動画の中には、アプリの機能を完全に発揮できないような処理能力の低いAndroid携帯によって撮影されたものもあると説明する。さらに、アプリを初めて開いたときには、撮影時の背景の選び方やライティングについての説明文が表示されるが、Blin.gyの主なユーザーである若者が、全ての説明文を読んでいるとは思えず、それが原因で一部の動画は合成が上手くいっていない可能性もある。

現在アプリ上には何万という数の音楽ビデオが準備されており、長さは全て15秒に設定されている。最終的にはレコード会社と協力し、例えばDrakeの横にユーザーが入れるスペースを空けた動画のような、独自のコンテンツを作っていきたいとBlin.gyは考えている。実は同社は既にこのアイディアを試しており、ユーザーはMigosのBad and Boujeeに「出演」できるようになっている。この動画の中にはジャンプカットがなく、ユーザーが入るスペースも空けてあるため、ユーザーはなかなかリアルな映像をつくることができる。

アプリはiOS版Android版があり、どちらも現在公開中だ。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Twitterがまたまた新たな悪用対策を発表…ますますややこしく

twitter-ad-products

Twitterは今日(米国時間2/16)の発表で、これからはブロックやミュートした人が始めた会話中のリプライを通知しない、とした。ただし、フォローしている人がスレッド中で直接あなたのことに言及していたら、前と同じく通知が来る。

Twitterがこの決定を行ったのは、ブロックしたりミュートした人が始めた会話からの通知に関する、安全性コミュニティからの頻繁なフィードバックがあったからだ。この件に関して、Twitter Safetyが今日、こんなことを言っている:

要約: [ブロック/ミュートした人が始めた会話へのリプライに関しては通知されないが、そのリプライがフォローしている人からなら通知される。]

“フォローしていないアカウントをミュートして、彼らがあなたのことに言及している会話を始めたら、その会話中でリプライしあなたのことに言及している人があなたがフォローしている人である場合のみ、通知が来る”、とTwitterのサポートページには書かれている。“あなたのことへの言及をすべて見たかったら、あなたのユーザー名で検索すればよい”、だとさ。

Aさんを“ブロックする”と、Aさんのツイートは見えなくなるし、Aさんにあなたのツイートは見えなくなる。Aさんを“ミュートする”と、Aさんからの(たぶんいやらしい)ツイートは来なくなるが、Aさんはそのことを知らない(何も知らないまま、昨日までと同じくTwitter上でふつうどおりに振る舞う)。

Twitterはこれまで、非常にさまざまな悪用対策を発表してきた。今朝は、悪質なツイートに対するタイムアウト制(時間切れ制度)を導入した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

口パク動画のMusical.lyが新アプリをローンチ―、今度は1対1のビデオメッセンジャー

pingpong-ios

ティーンやトゥイーン(10〜14歳前後の子ども)をターゲットにした口パク動画アプリのMusical.lyが、App Store上で新しいアプリを公開した。数日前に、同社はPing Pongと名付けられたビデオチャットアプリの配信をApp Store上でスタートさせていたが、どうやらこれは一般公開前のテストリリースだったようだ。これで上海に拠点を置くMusical.lyがリリースしたアプリの数は、合計で4つになった。同社のフラッグシップアプリであるMusical.lyのユーザー数は、昨秋時点で1億人を超え、ライブビデオ配信アプリのLive.lyはリリースから数ヶ月のうちに、TwitterのPeriscopeを追い抜かした

サンフランシスコにも拠点を構えているMusical.lyの評価額は、昨年5月に1億ドルのラウンドをスタートした時点で5億ドルに達していた。当時のユーザー数は6000万人ほどで、まだMusical.lyは成長途中にあった。そして同社は資金調達後すぐに、ビデオを介してリアルタイムでコミュニケーションがとれるLive.lyを、同社にとって2つ目のアプリとしてローンチし、Facebook LiveとPeriscopeに挑んでいった。

共同CEOのAlex Zhuは、ユーザーが音楽以上のものを共有しているということにMusical.lyのチームが気づき、このトレンドをビジネスにできないかと考えた結果、Live.lyが誕生したと説明していた

その後同社は、3つめのアプリとなるSquadをローンチした。このアプリも、Musical.lyのユーザーをもっとソーシャルな方向へと動かし、お互いに交流できるような場を提供している。シンプルなグループビデオチャットアプリのSquadは、今年の1月にリリースされたものの、Product Huntで取り上げられた以外では、特にマーケティング活動の痕跡は残っていない。

そしてリリース後は、多くの人がSquadをHousepartyと比較していた。Housepartyもティーン向けのグループビデオチャットアプリで、ライブビデオ配信サービスの先駆者的な存在であるMeerkatと同じ会社が開発を手掛けている。なおMeerkat自体は、PeriscopeやFacebook Liveの登場でシャットダウンへと追い込まれた。

screen696x696-1

Squadのスクリーン

一方Ping Pongは、ユーザーがグループではなく1対1でやりとりすることを除いては、Squadの変化形でしかないような印象を受ける。恐らくこのアプリの目的は、ユーザーがグループでリアルタイムにやりとりするのと、1対1での非対称ビデオメッセージを送り合うのと、どちらを好むのか検証することにあるのだろう。

img_2929

Ping Pongのスクリーン

SquadもPing Pongも、まだそこまでユーザー数は伸ばせていないようだ。App Storeのソーシャルネットワーキングのランキングを見てみると、Squadが318位に、Ping Pongは700位にランクインしている。ソーシャルメディア上でもPing Pongの話あまり見かけず、現在のところPing Pongはサインアップさえできない状態にある(Squadは問題なく動いている)。

サインアップができないというエラーメッセージが表示されるわけではなく、Ping Pongは利用者の多い時間帯にはまだ対応していないようで、読み込み画面でスクリーンが固まってしまう。Facebook経由でもサインアップはできないが、おかしなことにFacebookはPing Pongのことを「chacha」と呼んでいる。もしかしたらコードネームなのかもしれない(一方で偶然?にも、北京発のChaChaというビデオチャットアプリも存在する。しかし両社の関係についてはよくわかっていない)。

screen696x696

TechCrunchは、先週末からMusical.lyに何度もコンタクトを試みているが、メディアにめったに登場しないことでよく知られる同社からのコメントはまだない。

Ping PongはApp Storeで公開されており、アプリの様子をみることはできるが、先述の通りサインアップは少なくとも今のところできなくなっている。

Ping PongもSquadもGoogle Playでは配信されていないが、主力アプリのMusical.lyはAndroid向けの「Musical.ly Lite」として公開されている。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Googleマップ、「お気に入り」や「行きたい場所」などをリスト化/共有する機能を実装

google-maps-places-lists

iOSおよびAndroid版のGoogleマップに新しい機能が加わった。お気に入りの場所を登録して保存しておいたり、他の人と共有したりすることができるようになったのだ。初期状態では、「お気に入り」、「行きたい場所」、「スター付きの場所」の3つのカテゴリーで保存しておくことができるようになっている。「バケツリスト」(死ぬまでにやりたいことリスト)を作っておくようなこともできるわけだ。自分で独自カテゴリーのリストを追加することもできるようになっている。

この機能は昨年の秋から、パワーユーザーやローカルガイド向けに公開してテストを重ねてきたものだ。なお、スターをつける機能については、5年以上前から追加されてはいた。

リストを作成して共有できるようにすることにより、Googleマップはソーシャルな要素を持つようになる。GoogleマップのプロダクトマネージャーであるZach Maierも、ソーシャルな要素を持つようにしていきたいとしている。

なおZach Maierは、これまでのGoogleマップは道を見失わないためのツールであった、というようなことも話している。新しい機能を追加したGoogleマップは、決まった道を意図的にはずれ、新しい発見をするためのツールとしても進化させたいと述べている。

google-maps-places

この新機能を使うには、マップ上に表示されたピンをタップして、「保存」を選ぶことで実行することができる。レストランやバーなどでもよいし、公園や駅などの場所でも保存しておくことができる。また、自ら配置したピンの場所を保存しておくこともできる。Maier曰く「大きな公園の中の特定の場所などを示したい時にも便利です」とのこと。

「お気に入り」と「スター付きの場所」の違いがよくわからないという人もいることだろう。べつにこだわる必要もないとは思う。一般的には「お気に入り」というほどではないものの、頻繁に参照する必要のある場所を保存するのに「スター付きの場所」を利用するのだろう。たとえば病院やオフィスなどが「スター付きの場所」になるのだと思う。

テスト中から、独自のリストを作る機能が実装されていたが、一般公開にともなって共有したり、特定のリストをフォローしたりすることもできるようになった。

たとえば近所の「ベストレストラン」をリストにまとめれば、リストを公開して他の人と共有することもできるのだ。もちろん特定の個人や友だちだけと共有数rこともできる。

bbqlistandroid

リンクを共有したリストでは、リンクをクリックすればリストが表示される。Googleにログインしていれば、リストの内容を確認したり、更新状況をチェックしたりすることができるわけだ。

今のところは、この新機能について他企業と提携して情報を提供するようなことは行なっていない。しかし将来については、他企業と連携していく可能性もあるようだ。たとえばNYT、USA Today、Michelin、あるいはGoogleの保有するZagatなどと、検索結果にさまざまな付加情報を追加するようなサービスについて話を進めているところであるそうだ。

ちなみにこの新機能は、もちろんFoursquareなどと直接に競合することとなる。他にもSoonSpotなど、バケツリスト作成アプリケーションとも競合していくこととなろう。

Googleが実装するリストは、今のところ検索結果に反映されていないようだ(Foursquareは検索できる)。今のところは検索ボックスに文字を入力したさいに、自分のリストがポップアップされるに留まっている様子だ。今後はおそらく検索に対応するようになるのだろう。ちなみに自分のリストおよびフォローしているリストは、オフラインでも参照することができるよういなっている。

Googleによれば、新機能はiOSおよびAndroidアプリケーションにて順次公開しているところだとのこと。ウェブ版でもリンクをたどることで公開されたリストを見られるようにしていくらしい。遠からず、ウェブ版などでもリストに関するすべての機能を公開していく予定であるそうだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

クリエイティブ・コモンズが新しい写真検索エンジンのベータ版を公開、各種フィルタやリスト、ソーシャル機能を提供

screen-shot-2017-02-07-at-8-40-00-am-1024x525

クリエイティブ・コモンズのおかげで、ウェブコンテンツのために無料で合法的な画像を見つけることは難しくなくなっている。この非営利団体は、クリエイターたちが、自分の仕事をより広くシェアしつつ、同時にどこでどのように利用されるのか、どのようにクレジットされるべきか、などをコントロールできるような著作権ライセンスを提供している。そして今回、さらにそのコンテンツへのアクセスが簡単になった。CC Search(CC検索)が今朝(米国時間7日)ベータ運用を開始したのだ。

GoogleFlickrのような、より大規模な画像検索エンジンは、既に何年もCCライセンス画像のフィルターを提供してきたが、クリエイティブ・コモンズ自身の検索エンジンもそれなりの数のユーザーを抱え続けている。発表によれば毎月およそ6万人のユーザーがサイトを検索していると言う。とはいえ、コモンズをよりアクセスしやすくするために、改良が必要だということはずっと言われ続けていた。

クリエイティブ・コモンズのCEOであるRyan Merkleyは「コモンズへの『フロントドア』はありませんし、皆がキュレーションし、共有し、リミックスをするようなツールもまだ存在していません」とブログに書いている。「私たちは、コモンズをより使いやすくしたい。これはその方向に進むためのステップなのです」。

スクリーンショット - 2017年2月7日・アット・8-39-13-AM-1024x462

クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、ビデオ、オーディオ、音楽、その他の多くを含む様々なメディアを横断して利用することができるが、当面今回の検索エンジンは、全コモンズの半数を占める画像だけに特化する。

エンジンは、初期段階のソースとして、Flickr、500px、アムステルダム国立美術館、ニューヨーク公立図書館、メトロポリタン美術館からの写真を取り込んでいる。最後のメトロポリタン美術館は、ベータサービス開始に合わせてちょうど今日(米国時間7日)追加されたばかりで、これにより20万点ほどの画像がサービスに追加された。

正確な数字は刻々と変化しているものの、ローンチのタイミングでは合計およそ947万7000点の画像が存在している。

より現代的なルック・アンド・フィールを有することに加えて、新しいCC Searchを使用すると、ライセンスの種類、タイトル、クリエイター、タグ、コレクションそして組織の種類によって検索を絞り込むことができる。またソーシャル機能も含まれていて、個々のアイテムにタグやお気に入りをつけることができるだけでなく、お気に入り画像リストの作成と共有も可能だ。さらに、将来の検索を簡単にするために、検索条件を保存することもできる。

スクリーンショット - 2017年2月7日・アット・8-40-00-AM-1024x525

またエンジンは、クレジットの適用も簡単にしてくれる。もし提供されている場合には、事前にフォーマットされた表記が提示され、それをコピー&ペーストすることが可能だ。

これはベータ版であるため、コモンズは新しい機能に関するフィードバックを募集中である。そうしたフィードバックに基いて、次に入れるべき機能や、次はどのような種類のメディアをサポートすべきか、そしてどのアーカイブを追加すべきか、といった次の施策立案を行う予定だ。クリエイティブ・コモンズは、すでに将来のCC検索リリースには、Europeana collection、DPLAの精選サブセット、そしてFlickrコモンズのより大きなサブセットを含めることを計画している。

その他に計画されている追加機能としては、共有リンクのカスタマイズ、キュレーションした作品の検索手段、認証済みユーザーによるメタデータ(タグなど)の登録提案、そして色による検索タグによるドリルダウンパブリックリストの検索などの先進検索手段などがあるようだ。

コモンズをより簡単に検索する試みは、小さなサービスによっても何年も行われていた。例えば独自のCC Searchツールを立ち上げた、CompfightOpenphotoなどが挙げられるだろう。しかし、クリエイティブ・コモンズ自身のサイト上でも、こうした先進的検索機能が提供されることには意味がある。やがて画像だけの検索を超えていくのだ。

「これは、CCのための重要な瞬間です、私たちはいつでも、皆がコモンズを見つけて利用する際に手助けをしたいと願って来ましたし、新しいものを創作した際のコネクションをつくる手助けをしたいとも思っているのです」Merkleyは発表でこのように述べている。

ベータ版の検索エンジンは、ccsearch.creativecommons.org から利用可能だ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Shutterstockに画像エディタ登場―有料ダウンロード前にストック写真を加工できる

2017-01-27-shutterstock-editor

ストック写真のサイト、Shutterstockが誕生したのは2003年だが、やっと21世紀にふさわしいアップデートが発表された。今やShutterstockには画像エディタが内蔵されている。ソーシャルメディアやウェブページにこのサイトのストック写真を利用する場合、フィルターを適用したりその場で文字やイラストを追加できるようになった。

編集ツール自体はテキスト、画像の追加、フィルターなどが主な機能で、比較的初歩的だが、使って楽しい。これまでShutterstockのユーザーは必要な写真を有料でダウンロードした後、別アプリで編集しなければならないことに困惑していた。そこでこの画像エディタは簡単に使えることを最優先している。これでストック写真の使い道はかなり広がるだろう。

screen-shot-2017-01-26-at-11-02-18-am

プロダクト責任者のCatherine Ulrichは次のように述べている。

われわれの画像の利用にあたってユーザーはもっと多様なツール機能を必要としているという声を聞いた。ダウンロード後、多くのユーザーは画像のトリミングやリサイズ、フィルターの適用のために別途画像処理をソフトを利用している。つまりShutterstockの外で加工しなければならない。Shutterstock Editorを使えば、画像の利用過程を効率化できるだけでなく、操作自体も直感的に簡単にできるようになる。デザイナーではないユーザーにも基本的なデザイン技術が自由が利用できる。われわれは外部エディターという障壁を取り除いた。サイトのエディタを利用すればユーザーは写真を購入する前に適切な処理を試みることができる。

Shutterstockはストック写真を手軽に利用したスモールビジネスのオーナーに人気があるサイトだ。今回追加された画像エディターには複数のテンプレートやテーマに加えてFacebook、Instagram、Twitter用のトリミング機能が含まれる。ユーザーはPhotoshopのような高価で使い方の難しい画像編集ソフトを使わずに、サイト内で必要な加工が簡単に行える。しかも有料でダウンロードする前に出来栄えが確認できる。現在のところShuterstock Editorの機能は限られているが、こうしたウェブベースのツールの常として、今後改良されていくだろう。

〔日本版〕Shutterstockの料金プランはこちら(日本語)。

  1. screen-shot-2017-01-26-at-11-00-48-am.png

  2. screen-shot-2017-01-26-at-11-01-23-am.png

  3. screen-shot-2017-01-26-at-11-01-25-am.png

  4. screen-shot-2017-01-26-at-11-01-48-am.png

  5. screen-shot-2017-01-26-at-11-02-18-am.png

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、ストーリーズ機能をテスト―Instagramと同様のストーリーズ・アイコンが表示される

2017-01-26-ios-facebook-stories

InstagramはSnapchat Storiesに対抗してInstagram版のストーリーズを追加した。このスライドショー機能は成功を収めた。Instagramストーリーズは従来のフィードの上部に表示されたが、今回はFacebook本体が同じことを試みている。

今日(米国時間1/25)、FacebookはアイルランドでiOS版とAndroid版でFacebook Storiesを公開した。利用できる国はこの数ヶ月で拡大される予定だ。この機能は公開後24時間で消える写真とビデオのスライドショーだ。友達がスライドショーを作成するとメインのニュースフィードの上部にプロフィール画像を利用した丸いアイコンが表示されるので見逃すことはない。

なぜFacebookはSnapchatクローンをFacebookにも追加したのだろう? 愉快な加工ができるフィルターつきのスライドショー機能ならInstagramストーリーズがあり、Messengerのカメラ機能もある。私はこの点についてFacebookに取材してみた。Facebookの回答はこうだ。

Facebookはずっと以前から友達や家族と情報を共有する場として機能してきた。しかし情報の共有の仕方は最近大きく変わった。5年前は当然だが2年前と比べても変化している。ビジュアルな要素がはるかに増えた。写真やビデオの比重が大きく増加した。われわれは人々が創造的かつ楽しいビデオや写真を簡単に共有できる方法を提供していく。いつでもどこでも誰に対しても望みのままにビデオや写真を見せることができるようにしていきたい。

android-stories

FacebookはこれまでもSnapchatそっくりの機能を追加してきたが、多くの場合、別アプリであったり、カメラ機能の改善のようにニュースフィードの奥に隠されていた。しかし今回のFacebook Storiesは非常に目立つ新機能だ。Facebookを使うユーザーはStoriesに気づかずにいることは不可能だ。友達に自慢したい情景を体験したユーザーは必ず使ってみるだろう。

一つ疑問になるのはFacebookがデスクトップ版でStoriesをどう扱うかだ。ユーザーの多くはモバイル・デバイスからFacebookを利用しているとはいえ、コンピューター上からStoriesが見られないとしたら奇妙だろう。

まったく同様の機能を備えたInstagram Storiesがわずか5ヶ月で1日あたり1億5000万人のユーザーを得たことでも明らかなように、Facebook Storiesも巨大なユーザーを惹きつけるはずだ。Facebookは昨年、似たような機能をQuick Updatesと名付けてテストした。これは7月にスタートしたが翌月にはテストの終了が発表された。どうやらInstagramストーリーズの成功でFacebookは方針を変えたようだ。株式上場を控えたSnapchatには頭痛の種だろう。

how-facebook-stories-works

北米に限ってみてもFacebook本体がStories分野に進出することはSnapchatが現在以上に成長することを妨げるはずだ。国際的にみればなおさらだ。24時間で消える写真とビデオのスライドショーがいかに魅力的でも、新しいソーシャル・ネットワークに移り、友達を新規に登録するのは面倒な作業だ。今いるネットワークでこの機能が利用できるならコピーかどうかなど気にしないユーザーも多いだろう。

〔日本版〕今回のFacebook StoriesはFacebookのスライドショー機能とは別で、InstagramストーリーズのFacebook版のテストと思われる。日本での展開についてはまだ不明。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

TwitterはVineに未練あり?! 新たにオンラインアーカイブ・ページを開設

1-innafqgnykbzyrhtg-awdq

Twitterは、Vineをそのまま消滅させるつもりはないようだ。昨年の秋にはサービスの閉鎖をアナウンスし、モバイルアプリケーションも削除される予定だった。いよいよ閉鎖予定日が迫り、エクスポートを忘れずにという旨のアナウンスも行われていた。エクスポートのためのツールの紹介もあり、Vineアプリケーションでもデータを残すための手段が提供されていた。しかし、どうやらTwitterはVineをそのまま消し去ることはしないと決めたようだ。新たにVineビデオのオンライン・アーカイブのページを構築したのだ。2013年のサービス開始から2016年までにかけて、投稿されたVineビデオをアーカイブするサイトだ。

一般的には、サービスの停止をアナウンスすれば、予告日にサービスのすべてをとめてしまうことが多い。親切心のあるサービスであれば、サービス閉鎖までの期間を用意し、そしてデータを持ち出すための方法を提示する。あるいは類似サービスへの乗り換えを案内してくれるようなサービスもある。

しかしVineについてはいずれも当てはまらない様子だ。Vineを完全に閉鎖するということはしないようなのだ。

最初は、Vineサービスを停止し、そしてアプリケーションも削除する旨がアナウンスされていた。ところがVineアプリケーションは、ユーティリティとしてのVineカメラに生まれ変わることとなり、今週になって新たなアプリケーションがリリースされることとなった。

screen-shot-2017-01-20-at-4-47-17-pm

また、TwitterはVineなき後も、Vine風のショートビデオをTwitter内で再生することとした。長さはかつてのVine同様に6.5秒以下となるように調整される。

そうしたいろいろがあってさらに、TwitterはVineサイト内にVineのアーカイブサイトを立ち上げもした。Vine同様に、さまざまなビデオをジャンル別に分類している。用意されているジャンルは「animals」、「art」、「comedy」、「edits」、「music & dance」、「sports」、およびweirdなどだ。

このアーカイブサイトに保存されるのは、ビデオコンテンツだけではない。オリジナルの投稿日やタイトル、あるいは投稿者名などに加えて、「いいね」の件数や、revienされた回数、そしてもちろん再生回数などのメタデータも保管される。

screen-shot-2017-01-20-at-4-47-37-pm

アーカイブサイトの「Community section」では、さまざまなナンバーワンが掲載されている。たとえば「most revined fail」、「most looped comedy edit」、「most liked」、「most liked animal」などの名のもとに、さまざまなジャンルに渡る人気Vineビデオを閲覧することができるのだ。

「creator sportlight」のコーナーでは、人気Vine投稿者のアーカイブを見ることもできる。

screen-shot-2017-01-20-at-4-50-57-pm

Twitterは、新たなアーカイブサイトのことを「タイムカプセル」と称している。

しかし疑問に思う人も多いことだろう。「そんなにこだわるなら、Vineを閉鎖しなきゃ良かったのに」。

VineコンテンツとTwitterコンテンツの統合をすすめることができれば、今回のような事態にはならなかったのだろう。VineをTwitter閲覧の手段として育てることができれば、Twitterとしてサービス停止を考える必要すらなかったはずなのだ。TechCrunchのJosh Constineが言うように、Twitterはショートビデオのハブとして機能することもできたはずなのだ。YouTubeやInstagram、あるいはFacebookとは違ったやり方があったはあずなのに、サービス停止を選んでしまったのは残念だ。

とにもかくにも、TwitterはVineを活用する方策を模索するのではなく、サービス停止という道を選んだ。解説したアーカイブサイトも、運用し得た可能性を示す墓標として存在することになるのかもしれない。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Ford、車載の自動撮影カメラの特許を申請―なんとSNS向けらしい

2017-01-19-ford-car-camera

Fordが車載カメラの特許を申請していた―と聞けば自動運転車関連と思うだろうが、そうではなかった。スピード、移動方向その他のデータを自動車から取得して「いちばんいい写真を撮る」のに使うのだという。

Ford特許は2015年に申請されたもので、Patent Yogiが発見した。記事によると、このシステムは人々が自動車の走行中に(多くの場合、自分が運転しているにもかかわらず)スマートフォンや通常のカメラで周囲の写真やビデオを撮ろうとする問題を解決するという。フォードの新システムはドライバーの操作、介入を必要とせず、自動的に撮影が行われる。このカメラは可動式で車外に装着されるが運転者の視界を妨げず、運転操作の障害にもならないという。

Fordのシステムではユーザーはどのような種類の写真、ビデオの撮影を望んでいるかを事前にシステムに教えておくことができる(おそらくはドライバーの見渡せる視界が対象となるのだろう)。しかし実際にシャッターを切るのはシステムが自動的に行う。これは撮りたい写真を指定しつつドライバーが撮影に気を取られないようにするのに良いアイディアだ。

大企業は常に大量の特許を申請するものだ。実際の製品に搭載されるようになるのはそのうちごく一部だ、しかしこの特許が面白いのは、メーカーはすでに自社の多くの自動車ですでに車外にカメラを搭載しているという点だ。これはもちろん自動運転ないし高度な運転補助のためだ。また自動車産業はモバイルデバイスの普及にともなって走行の安全性を確保する必要に迫られている。

自動車が「つながった」デバイスになるに従い、周囲の景色をインターネットを通じてソーシャル・メディアにアップしたいという欲求は強まっている。これが自動的かつ安全に行われるなら便利だろう。しかし同時にわれわれはいったい人生のどれほどの部分を「つながって」過ごしたいのかという疑問も呼び起こす。このシステムはまだ特許申請の段階ではあるものの、自動車メーカーがモバイル・デバイスがドライバーの注意をそらす危険性を認識していることを示すものとして興味深い。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ソーシャルメディアのスターJake Paulが100万ドルを調達

Processed with VSCOcam with hb2 preset

Jake Paulはオンラインで育った。ディズニーチャンネルのスターである19歳の彼は、InstagramやVine、Snapchat、YouTubeといったソーシャルメディア上に100万人以上いるミレニアム世代のフォロワーベースを、テレビや広告契約を勝ち取る小さな帝国へと変化させ、次はビジネス界での躍進を狙っている。

巨大なフォロワーベース(とCameron Dallasのような彼の有名人の友だち)と100万ドルの調達資金をテコに、JakeはTeamDomを立ち上げ、新しいタイプの芸能事務所兼クリエイティブエージェンシーを作ろうとしている。

ロサンゼルスにあるTeamDomの本社(ウェスト・ハリウッドにあるJakeと彼の兄のLogan、そして仲間のインフルエンサーが住む家)は、JakeとLoganが幼い頃に映像を撮りはじめた故郷のオハイオ州クリーブランドからはかなり距離がある。

「僕が10歳の時に、お父さんが僕たちにカメラをくれて、そこから兄と一緒に僕たちの生活や面白いことを撮影しだしました」とJakeは話す。

高校ではアメリカンフットボールのラインバッカー兼ランニングバックとして活躍していたJakeは、カメラの前で兄とふざけ合っていた当時から、YouTube上で小さいながらもフォロワーベースを築きはじめ、2013年にVineがローンチされると彼の名は一気に広まった。

以前はTwitterが運営し、最近閉鎖してしまったショートビデオプラットフォームのVineからは、Paul以外にもたくさんの若いスターが生まれた。

「(Vine上で)人気が出だした……2014年当時、僕が16歳で間もなく17歳になろうとしていたときに……投稿した動画のひとつがバイラルヒットして……ちょっとした成功を味わいました。僕たちはファンが何を欲しているかを感じ取っていて、その後は気づく間もなくフォロワー数が1万、そして2万へと増えていきました。そしてフォロワー数が50万人に達した頃、あるアプリの会社が僕に電話してきて、200ドルでその会社のアプリを宣伝しないかと持ちかけてきたんです」とJakeは話す。

その後も仕事の依頼が入り続けると、JakeはInstagramやSnapchatといった他のプラットフォームへ彼のネットワークを拡大していく。「気づけばソーシャルメディア経由で大金を手にしていて、どこに行っても声をかけられるようになりました」とJakeは言う。

しかしソーシャルメディアのスターの座は、ハリウッドのそれとは違う。しばらくするとPaul兄弟は両方を追い求める準備ができたと感じ、Jakeはアメリカ海軍特殊部隊に入るという夢を一旦保留して、ハリウッドに向かった。

その後彼はハリウッドで演劇の授業を受けながら、オーディションに参加しだした。Fox Digitalのオーディションに受かり、YouTube Redの仕事もはじめたJakeだったが、もっと何かできるのではないかと感じていた。そして彼は、他のインフルーエンサーの影響力を拡大させるサポートをしつつ、彼らのマーケティング力を束ねる(そして彼らのファンにリーチしたいと考える企業から大金を受け取る)というアイディアを思いついた。

これがTeamDomのはじまりだった。

「まだVineが人気だった1年半前くらいに、Team 10というチームでの活動を開始しました。当時僕はDr. Dreが音楽業界でやったことは、ソーシャルメディアビジネスにも応用できると思っていたんです。だから実際に試してみようと……オンライン上でみつけた子供達がいて……彼らには3万人ほどのフォロワーがいたんですが、僕は彼らにロサンゼルスまで来てもらって、ソーシャルメディアのノウハウを教え込みました。その後たった2週間で彼らのフォロワー数が3万から40万へと増え、今では1600万人にまで達しました」と彼は話す。

JakeはTeamDomのことを”ソーシャルメディアインキュベーター”だと考えている。現在彼のポートフォリオには、何人もの若いタレントと映画が一本含まれている(これは映画『Airplane』にソーシャルメディアの要素を加えたリメイク作品で『Airplane Mode』という題名がついている)。ちなみに最近Jakeは、兄のLoganと映画の版権を探し回っている。

「この映画はソーシャルメディア版の『エクスペンダブルズ』のような感じです。ソーシャルメディアへの投稿をやめられない飛行機の乗客が、なかなか機内モードに切り替えられなくて……パイロットが殺されて……Loganが飛行機を着陸させることになるいう内容です」とJakeは説明する。

彼自身も出演する予定だったが、映画がR指定(17歳未満の鑑賞には保護者の同伴が必要)されたため、Disney(Jakeの新しい番組Bizaardvarkを売り出し中)が彼の出演を許可しなかった。

どうやらJakeは彼を有名にしたプラットフォームの死を乗り越えようとしているようだ。さらに彼には、中国の投資会社Danhuaを中心にEdward Lando(Horizons Alpha)、Gary Vaynerchuk(Vayner Capital)、Abe Burns(Sound Ventures & A-Grade Investments)、Adam Zeplainなどから調達した100万ドルがある。

現在TeamDomには13人のインフルエンサーが所属しており、彼らの合計フォロワー数は毎月400万人増えているほか、1日の合計視聴回数は平均1500万回を記録している。

「TeamDomは将来有望な若いソーシャルメディアスターの拠点として、既に4000万人のフォロワーを獲得し、再生回数は70億回を記録しています」とJakeは声明の中で語っている。

27

このような数字が投資家の注目を集めるのは当然で、実際にDanhuaのマネージングディレクターであるDovey WanがTeamDomへの投資を行った。

「ブランドの70%が、ジェネレーションZ(1990年代半ば〜2000年台前半生まれで、幼いころからインターネットに触れてきた世代)へリーチするために、最近ソーシャルメディア広告への支出を増やしています。一般人に近いインフルエンサーを求めている企業はまだまだたくさん存在する一方で、マーケティングの世界にはTeamDom以外にこの新たなターゲットを主眼においたプライヤーはいません。さらにTeamDomは若いインフルエンサーを囲うだけでなく、彼らが有名になるためのサポートも行っています」とWanは声明の中で語った。「Papi Jiangと呼ばれる中国のインフルエンサーが、ある動画の広告スペースを300万ドルで販売したことからも、彼らが狙っている市場の規模の大きさがわかります。私たちはTeamDomのチームに参加し、彼らがソーシャルメディアインフルエンサーにとってのインキュベーターやネットワークを築くとともに、このビジネスを世界中に展開していくサポートができることを光栄に思っています」

さらにJakeは、同世代のインフルエンサーのために別のアイディアを隠し持っている。彼はCameron Dallasとともに、ソーシャルメディアスター使ったファンドを組成しようとしているのだ。

「僕たちは世界初のインフルエンサーファンドを立ち上げました。巷に溢れるインフルエンサーは資金を調達できたとしても……結局小切手の金額以上の仕事はしません。(しかし)僕たちはソーシャルメディア戦略のサポートや、Team 10のネットワークを使って、プロダクトを世の中に売り出すことができるんです」と彼は話す。

CameronとJakeは、TGZキャピタル(Team Gen Z:チームジェネレーションZ)と名付けられたファンドを一ヶ月前に立ち上げ、Jakeは第1号ファンドで1000万ドルを集めようとしていると話す。

「僕たちのネットワークは消費者を中心に構成されているので、ファンドでも消費者向けのプロダクトに投資したいと考えています。スタートアップもインフルエンサーの力を借りたいと考えているところが多いですしね」とJakeは語る。「投資後はTeamDomに所属するインフルエンサーのソーシャルメディアを利用して、プロダクトを宣伝していきます。この戦略でかなりの契約を結べると思います」

Vineについて彼らはどう思っているのだろうか?そもそも彼らの多くはVineのプラットフォームを利用して、最初の資金を手に入れたはずだ。

「Vineで活躍していた人全員が、閉鎖の1年前からこうなると気づいていました。ほとんどの人はFacebookに500万人、Instagramに300万人といった感じで、他のプラットフォームのフォロワー数の方が多かったですしね」と彼は言う。

Jake自身も最近はInstagramとYouTubeに力を入れており「他のソーシャルメディアはちょっとたるんでいるというか、クリエイターを大事にしていないんですよ」と話す。

TeamDom所属のインフルエンサー

  1. 1

  2. 3

  3. 8

  4. 8u3a1786

  5. 9

  6. 10

  7. 14

  8. 15

  9. 21

  10. 25

  11. 26

  12. 27

  13. img_7549

  14. Processed with VSCOcam with hb2 preset

    Processed with VSCOcam with hb2 preset
  15. Processed with VSCO with hb2 preset

    Processed with VSCO with hb2 preset

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Google+は死なず、ただ変身/進化するのみ

rip-google-plus1

Googleは、まだ十分に生きているGoogle+のために、これからの二週間で三つのアップデートを展開する。まず、ユーザーは低級なコメントを隠して“より重要なコメント”に集中できるようになる。Google+のプロダクトマネージャーDanielle Buckleyが今日(米国時間1/17)、同社のブログにそう書いている。

もうひとつのアップデートは写真のズーム機能で、ユーザーは画面上に無駄なホワイトスペースを見ないようにできる。初期のGoogle+には、きれいな写真がとても多かったけど、今はどうかしら。

しかしGoogleがいちばん力を入れているのは、Events(イベント)の復帰のようだ。1月24日から、ユーザーはGoogle+上でイベントを作ったり、イベントに参加したりできる。1月24日といえば、古いGoogle+の公式のご臨終の日だけど、ご心配なく、Googleはまだリングにタオルを投げ入れてはいない。

2015年にGoogle+は、シンプルなソーシャルネットワークから、コンテンツキュレーションのサイトへの進化を開始した。その進化の一環として、GoogleはGoogle+のデザインを一新し、コミュニティのモデレーター(世話役)のためのツールを増やし、また、コメントに画像とリンクを入れられるようにした。

Buckleyはこう言っている: “昔のGoogle+にはお別れしたけれど、新しいGoogle+の開発をやめたわけではない”。さて、では、どんなものへと生まれ変わるのかな。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TwitterのVineシャットダウン迫る―残したいビデオがあるならあと数時間

vine-game-over

最初に予告されたのは昨年の10月だったが、Twitterはいよいよビデオ・アプリのVineをシャットダウンする。 短いビデオがループ表示されるソーシャル・サービスとして注目されたVineだったが、Twitterは当初Apple Storeから完全削除することを示唆していた。その後、VineはVine Cameraという運用コストが低いアプリに転換されることとなった。独立のVineのウェブサイトとアプリは運用停止に先立ってビデオをダウンロードする機能が追加された。後世に残したいビデオがあるならダウンロードするのを急ぐ必要がある。

Vineは今日のいつかの時点で停止される。それまでにvine.coサイトかiOS、Androidアプリからビデオをダウンロードしなければならない。Vineのウェブサイトには「1月17日(日本時間1/18)にVine Cameraになるのでそれまでにダウンロードを行うこと」という注意書きが出ていた。

ともかくVineビデオがダウンロードできるのは時間単位となってきた。運用が停止されればビデオは永久に失われる。

アプリからダウンロードするにはプロフィール・ページを開いてSave Vinesというボタンを探す。 クリックするとビデオはデバイスの「写真」に保存される。ダウンロードのためのリンクを取得することも可能だが、この場合はビデオに対するソーシャルの反応を含めてダウンロードできる。.

vine-export

もう一つの方法はGiphyを使って過去のVineビデオをGIFに変換することだ。昨年10月にVineの閉鎖が発表されたときGiphyはVineビデオをGiphyサイトに保存するコンバージョン・ツールを発表した。GIFなので当然音声は消えてしまうが、Giphyのツールにはビデオとサウンドを別々にダウンロードするオプションがある

Vineが運用を停止する正確な時間はわからないが、ともあれ残された時間は少ない。

Vineはいっとき新しいタイプのソーシャル・ビデオとして大いに評判になった。ソーシャル・アプリのトップにランクされたこともある。新しいVine Cameraはビデオをホスティングするプラットフォームではなく、単に6秒程度の短いループ・ビデオを撮影するシンプルなカメラアプリだ。

一時は2億人のアクティブ・ユーザーを誇ったVineの退場はTwitterの収益化能力の低さを実証するものとなった。Twitterは2012年にVineを買収したものの、Twitter本体に統合し利益を上げる新しい柱とすることはできなかった。【略】

Vineの閉鎖は熱心なユーザーを憤慨させているが、Vineのファウンダー、Rus YusupovもVineの終焉についてツイートし、「会社は売っちゃいけない!」と起業家に呼び掛けている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Twitterのプロフィール写真変更がワンタッチでツイートできる―ハッシュタグも自動付与

2017-01-17-twitter-iphone-photo

Twitterがタイムラインにビジュアルな要素を増やし、ツイートやRTの回数を増やそうとするアップデートを公開中だ。新機能はユーザーがプロフィール写真をアップデートすると専用ハッシュタグを付けてワンタッチで新しい写真をツイートできるようにする。ハッシュタグは #NewProfilePic でフォロワー全員に向けて公開される設定だ。

TechCrunchが調べたところでは、ツイートで#NewProfilePicというハッシュタグが最初に使われたのは昨年の12月だった。 その当初、「新機能か?」というようなコメントがついていた。

Twitterの広報担当者はこの機能をロールアウト中であること、一番早い例が12月にさかのぼることを確認した。 Twitterによれば「ユーザーがプロフィール写真を変更するとハッシュタグを埋め込んだツイートが自動的に作成される。ただしツイートは自動送信されるわけではない。ユーザーは内容を自由に編集できる」という。

この機能はまずAndroid版で実装が始まった。現在Androidユーザーは全員が利用可能だ。iOS版でも一部のユーザーがこの機能を利用しているが、Twitterによると「iOSプラットフォームで全員に公開されるにはあと数週間かかる」という。

マイナー・アップデートには違いないが、Twitterのユーザー体験を改良し利用を促進する効果があるだろう。

比較すると、Facebookはをニュースフィードにプロフィール写真の変更を流す機能を以前から拡大していた。プロフィール写真変更の投稿は普通の写真の投稿に比べて「いいね!」やコメントをかなり多く集めるのが例だ。Facebookはこの2、3年プロフィール写真に関して各種の機能を取り入れてきた。たとえばプロフィール写真を一時的に変更する7秒までのビデオを利用する飾り枠をつける、プロフィールビデオの作成に(Facebook自身のMSQRDアプリを含む)サードパーティーのアプリを使う、などだ。

これに比べるとTwitterの今回の動きは控え目だ。プロフィール写真の変更は自動的にツイートされるわけではない。ハッシュタグを埋め込んだツイート枠が生成されるだけで、ツイートするかどうかはユーザーが決める。プロフィール画像のコンテンツも通常の写真だけでビデオを利用することはできない。

とはいえ、Twitterユーザー、特に若い世代にとってプロフィール写真は自己表現の重要な手段であり、ひんぱんに変更される傾向だ。Twitterは自動生成のハッシュタグで簡単にツイートができるようすることでこの傾向を密かに後押しするようだ。下のツイートのユーザーは新機能を気に入っている。

とはいえ、すべてのユーザーが感激しているわけではない。奇妙だとかバカバカしいという反応も見られる。下のユーザーは「こんなものが新機能?」と疑っている。

Twitterはこれまでもユーザー・インターフェイスの変更で数多くのテストを行ってきたが、そのすべてが最終的に採用されたわけではない。.今回プロフィール写真の変更ツイートが全ユーザー向け機能として正式に採用されたことから考えると、全般的にユーザーの反応が好意的で、かつTwitterのトラフィックを増大する効果が得られたものと思われる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+