クラウド需要の急増が突きつけるグリーンエネルギーの課題

このロックダウン期間中に、膨大な数の人が仕事でビデオ会議を行っている。しかし、燃料を使う通勤手段をデジタルコネクティビティで置き換えると、個人が2時間のビデオ会議で使用するエネルギーは、4マイル(約6.4km)電車に乗る場合に使う燃料よりも大きなものになる。これに加えて、数百万人の学生が、徒歩ではなくインターネットを使って教室に「通って」いる。

一方、デジタル空間の他の領域では、科学者たちが研究を加速するためにアルゴリズムを猛烈な勢いで展開している。にもかかわらず、ひとつの人工知能アプリケーションのパターン学習フェーズが消費するエネルギーは、1万台の自動車が1日で消費するものを上回る可能性があるのだ。

社会のエネルギー使用を変化させるこの壮大な「実験」は、少なくとも間接的には、ある高レベルの事実セットで見ることができる。4月の第1週までに、米国のガソリン使用量は30%減少したが、全体的な電力需要の現象は7%未満だった。この動きは、実際のところ将来の基本的な傾向を示している。移動用燃料の使用量は最終的には回復するだろうが、真の経済成長は電気を燃料として使うデジタル未来に結びついている。

今回の新型コロナウイルス(COVID-19)危機は、経済が最後に崩壊した2008年のような「大昔」のインターネットと比べて、2020年のインターネットがどれほど洗練され、堅牢であるかを浮き彫りにしている。もし当時、全国でロックダウンが行われていたとしたら、現在在宅勤務している数千万人のほとんどが、解雇された約2000万人の集団に加わっていただろう。また当時だったら、何千万人もの学生や生徒が自宅で学習することも、大学や学校にとって現実的なものではなかった。

アナリストたちは、あらゆる手段での在宅勤務によるインターネットトラフィックの大幅な増加を様々な場所で発表している。デジタルトラフィックを使った手法は、オンライン食料品からビデオゲーム、そして映画のストリーミングまで、あらゆるものに対して急増している。これまでのところ、システムはすべてを適切に処理しており、クラウドは継続的に利用可能で、散発的な問題が発生する程度だ。

新型コロナウイルス危機に際してのクラウドの役割は、ワンクリックのテレビ会議やビデオチャットだけではない。遠隔医療がついに現実のものになった。例えば、症状を自己診断するためのアプリや、X線診断を強化したり、接触者追跡を支援するAIツールがどんどん登場している。また、クラウドを利用することで、研究者は臨床情報の「データレイク」を迅速に作成し、治療法やワクチンを探求するために展開されている現代のスーパーコンピュータの天文学的な能力を活用できるようになった。

AIとクラウドの未来は、新しい治療法のための超迅速な臨床試験はもちろんのこと、実用的な家庭診断や便利なVRベースの遠隔医療とともに、上記のようなことをたくさんもたらしてくれるだろう。そして、ここに述べたことは、医療の一部ではない残り80%の経済で、クラウドが何を可能にするかについてはまだ何も述べていないのだ。

これらの新機能がもたらしてくれるすべての興奮のために、クラウドコンピューティングの背後にある基盤システムは、エネルギーの需要を増やし続けている。エネルギーを節約するどころか、私たちのAIを利用した作業環境では、これまで以上に多くのエネルギーが使用されている。これは、テクノロジー業界が今後数年間で迅速に評価および検討する必要がある課題なのだ。

新しい情報インフラストラクチャ

クラウドは重要なインフラストラクチャである。これにより、多くの優先順位が再構成される。ほんの数カ月前には、ハイテク業界の大企業たちは、エネルギー使用量の削減と運用のための「グリーン」エネルギーの推進についての誓約の公言に対して、お互いに肩を並べていた。もちろん、そうした問題は引き続き重要だ。しかし、信頼性と回復性、つまりシステムの可用性(availability)が今や最優先事項となった。

2020年3月、国際エネルギー機関(IEA)の専務理事であるFatih Birol(ファティ・ビロル)氏は、風力発電と太陽光発電の将来について、外交的な控えめな言葉で次のように語っている。「今日、私たちは、デジタル技術への依存度がさらに高まっている社会を目の当たりにしています」そのことは「政策立案者が極端な状況下での柔軟性のある資源の潜在的な可用性を慎重に評価する必要性を強調しています」。新型コロナウイルスの危機に続くだろう経済的に困難な時代には、「可用性」を確保するために社会が支払わなければならないコストがはるかに重要なものになるだろう。

太陽光および風力技術で 高信頼性の電気を提供することは、依然として法外に高価なものだ。太陽光、風力発電が「グリッドパリティ」(既存電力コストと同等もしくはそれ以下になること)になっていると主張する人びとは、現実を見ていない。データによれば、風力発電や太陽光発電のシェアが米国よりもはるかに高い欧州では、送電網のキロワット時(kWh)のコスト全体が約200~300%高くなっていることがわかる。注目すべきは、消費者の大きな負担を横目に、テック企業を含む大規模な産業用電力需要家は、一般的にグリッド平均からの大幅な割引を受けているということだ。

やや単純化していうならば、大手ハイテク企業がスマートフォンにデータを流すための電気代への支払いが少なくて済むように、各消費者が家庭の電力供給に対して多くのお金を払っていることを意味する(私たちは、今回の危機後の世界で、市民がこの非対称性に対してどれほど寛容であるかを見届けることになるだろう)。

そのような多くの現実は、実際には、クラウドのエネルギー動向が個人的な移動と反比例するという事実によって隠されている。個人的な移動を考えると、消費者は自分の車のガソリンタンクを満たすときに、エネルギーの90%が費やされる場所を、文字通り自分の目で見ている。しかし「接続された」スマートフォンに関していえば、エネルギー消費の99%は遠隔地にあるクラウドの、広大なしかしほとんど目に見えないインフラの中に隠されているのだ。

こうした方面に詳しくない人のために説明すると、クラウドを駆動する貪欲なデジタルエンジンは、人の目に触れない何の変哲もない多数の倉庫規模のデータセンターの中に格納されている。そこには膨大な数の冷蔵庫サイズのラックが立ち並び、そこに置かれたシリコンのマシン群が、私たちのアプリケーションを実行し爆発的に増えるデータを処理している。多くのデジタルの専門家でさえ、そうしたラックのひとつひとつ毎年50台のテスラよりも多くの電力を消費していると知ると驚く。さらにこうしたデータセンターは、グラスファイバーで構成された約10億マイル(約16億km)の情報ハイウェイと、400万基の携帯基地局が作り上げる、さらに巨大な目には見えない仮想ハイウェイシステムを通して、データを送受信する(電力消費のさらに激しいハードウェアを備えた)市場と接続されているのだ。

このようにして、数十年前には存在しなかった、グローバルな情報インフラストラクチャは、ネットワークやデータセンターから驚くほどエネルギーを大量に消費する製造プロセスに至るまで、すべての構成要素を数え上げるなら、現在では年間約2000テラワット時(TWh)の電力を使用するシステムにまで成長したのだ。これは、全世界の500万台の電気自動車すべてが、毎年使用する電力の100倍以上の量だ。

これを個人レベルの話にするなら、個別のスマートフォンが年間で使用する平均電力は、典型的な家庭用冷蔵庫が使用するエネルギーよりも大きいことを意味している。そして、このような見積もりはすべて、数年前の情勢に基づいたものだ。

よりデジタル化される未来は、必然的により多くのエネルギーを使用するだろう

一部のアナリストは、近年デジタルトラフィックは急増しているものの、効率性の向上により、データ中心のエネルギー使用量の伸びは鈍化しているか、あるいは横ばいになっていると主張している。しかし、そのような主張は、拮抗する事実に直面している状況だ。2016年以降、ハードウェア建物 に対するデータセンターの支出が劇的に増えてしているが、そこにはハードウェアの電力密度の大幅な増加も伴っている。

近年、デジタルエネルギーの需要の伸びが鈍化したかどうかとは関係なく、クラウドの急速な拡大が進んでいる。クラウドのエネルギー需要がそれに比例して増加するかどうかは、データの使用量がどれだけ速く増加するか、そしてクラウドの用途に特に大きく依存する。エネルギー需要の大幅な増加は、クラウドの中心的な運用指標 、すなわち可用性を満たすための、エンジニアリングと経済的な課題をはるかに難しいものにする。

過去5年間でその前の10年間全部よりも、広い面積のデータセンターが 建設された。「ハイパースケール」データセンターと呼ばれる新しいカテゴリさえも生まれている。それぞれが100万平方フィート(約9万3000平方メートル)を超える、マシンで満たされた建物のことだ。これらを、1世紀前の不動産用語である「超高層ビルの夜明け」と同じものだと考えて欲しい。しかし、現在の世界には、エンパイアステートビルディング並の大きさの超高層ビルは50棟未満しかないが、地球上には既に約500カ所ほどのハイパースケールデータセンターがある。そして後者は合計すると、6000棟を超える超高層ビルに相当するエネルギーを必要としている。

クラウドトラフィックの成長を推進しているものが何かを推測する必要はない。このリストのトップを占める要因はAI、より多くの動画、特にデータを多用するバーチャルリアリティ(VR)、そしてネットワークの「エッジ」に置かれたマイクロデータセンターの拡大だ。

最近まで、AIに関するほとんどのニュースは、従来の仕事を奪う可能性の側面に焦点を当てたものが多かった。だが真実は、AIは生産性向上を推進するツールの最新版に過ぎない。こうしたツールは、生産性の向上が歴史の中で常に行ったきたことを再現することになる。つまり雇用を拡大し、より多くの人びとのためにより多くの富を生み出すのだ。新型コロナウイルス感染症からの復活の過程では、より多くの雇用や富の生産が必要とされる。だが、それについて話すのはまた別の機会にしよう。現時点では、個人の健康分析やドラッグデリバリーから医学研究や就職活動に至るまで、あらゆる分野の中にAIが果たす役割があることは既に明らかだ。おそらくAIは、最終的には「善い」ものと見なされるようになるだろう。

だがエネルギーに関していえば、AIはデータを大量に使い、電力を大量に消費するシリコンを使用している。そして世界は膨大な数のそのようなAIチップを使用したがっている。一般に、機械学習に費やされる計算能力は、数カ月ごとに倍増している、これはムーアの法則の一種のハイパーバージョンだ。例えば、Facebookは2019年にデータセンターの電力使用量が毎年倍増する主な理由としてAIを挙げている。

近い将来、数週間のロックダウンの最中に、小さな平面スクリーンでのビデオ会議の欠陥を経験した消費者たちが、VRを使ったビデオの時代への準備が整っていることにも期待しなければならないだろう。VRでは画像密度は最大1000倍までに増加し、データトラフィックが約20倍に増加する。進み方は断続的だったが、技術的には準備ができており程なくやってくる高速5Gネットワークは、そうした増加するピクセルを処理する能力を備えている。ただし繰り返しておく必要があるが、すべてのビットは電子であるため、バーチャルリアリティの増加は現在の予測よりも多くの電力需要につながることを意味している。

これに加えて、顧客の近く( エッジ )にマイクロデータセンターを構築する最近の傾向が挙げられる。会議やゲーム用のVR、自動運転車、自動化された製造業、あるいはスマート病院や診断システムなどの「スマート」な物理インフラなどのリアルタイムアプリケーションに、遠隔地のデータセンターからAI駆動のインテリジェンスを届けるには、光の速度は遅すぎるのだ(ヘルスケアにおけるデジタルとエネルギーの密度自身は、既に高く上昇している。病院の単位面積あたりのエネルギー消費量は、他の商業ビルの5倍程度に達しているのだ)。

エッジデータセンターは、この先10年も経たないうちに、10万メガワット(MW)の電力需要を積み上げると予想されている。別の見方をすれば、これはカリフォルニア州全体の電力網の電力容量をはるかに超えている。これらもまた、近年のエネルギー予測のロードマップには載せられていなかったものだ。

デジタルエネルギーの優先順位は変わるのか?

これは関連する質問へとつながる。ポストコロナウイルス時代のクラウド企業は、支出をエネルギー免罪符へと集中させ続けるのだろうか、それとも可用性へと集中させるようになるのだろうか? この場合の免罪符とは、自社施設に対する直接給電以外の場所(海外を含む)に対する、風力、太陽光発電への企業投資のことを指している。それらの遠隔地での投資は、実際には自社の施設に電力を供給していないにもかかわらず、自分たちの施設がグリーン電力であると主張するために「クレジット」されている。

グリーンエネルギーを求める企業が、従来の電力グリッドから物理的に切断して、独自のローカル風力、太陽光発電を構築することを妨げるものは何もない。ただし、それを行って24時間年中無休の可用性を確保することで、施設の電力コストは約400%押し上げられることになる。

購入された免罪符としての電力の現状に関しては、世界の情報インフラは既に世界中の太陽光発電所と風力発電所を合わせた発電量よりも、多くの電力を消費しているということを知っておくと役立つ。したがって、テクノロジー企業にとって(誰にとってもだが)、デジタルエネルギーの使用をすべて相殺するための「クレジット」として購入できる十分な風力、太陽光エネルギーは、もはや地球上に存在しないのだ。

デジタルエネルギーの傾向を研究しているひと握りの研究者は、今後10年間でクラウドによるエネルギー使用量が少なくとも300%増加する可能性があると予測していたが、それは今回の世界的なパンデミックの前のことだ。一方、国際エネルギー機関(IEA)は、その期間における世界の再生可能電力は「単に」倍増するものと予測している。その予測もまた、新型コロナウイルス以前の経済状況下で行われたものだ。現在IEAは、不況がコスト高なグリーンプランへの財政意欲を減らすことを心配している

だが電気を作り出す技術の課題や議論がどうであれ、情報インフラの運営者にとっての優先順位は、ますます必然的に、可用性を重視するものへと移っていくだろう。それは、クラウドが私たちの経済的な健康にますます密接に結びつくようになってきただけでなく、心と体の健康にも関係を持つようになってきたからだ。

そうした可用性の重視が引き起こす変化は、パンデミックと前例のないシャットダウンからの経済の回復の先に、何がくるかについて(グリーンエネルギーへの自らの取り組みが活発になるという意味で)私たちを楽観的にしてくれるはずだ。Microsoft(マイクロソフト)が、新型コロナウイルス以前に出したエネルギーマニフェストの中で、「人類の繁栄を進めることは……エネルギーの賢い利用と表裏一体である」と述べていたことを評価しよう(このマニフェストの中でマイクロソフトはグリーンエネルギーへの大規模な取り組みを表明している)。私たちのクラウドを中心とする21世紀型インフラストラクチャもこれと同じだ。そして、良い結果へとつながるだろう。

【編集部注】著者のMark Mills(マーク・ミルズ)氏は書籍「Digital Cathedrals: The Information Infrastructure Era」(デジタル大聖堂:情報インフラストラクチャ時代)」の著者であり、Manhattan Instituteのシニアフェロー、ノースウェスタン大学のMcCormick School of Engineeringのファカルティフェロー、並びにエネルギーテックのベンチャーファンドであるのCottonwood Venture Partnersのパートナーである。

原文へ

(翻訳:sako)

億万長者を惹きつけた植物繊維で作る代替プラスチック

メルボルンの小さなスタートアップで、2人の起業家がパッケージ業界に大変革をもたらす技術を開発している。

Stuart Gordon(ステュアート・ゴードン)氏とMark Appleford(マーク・アップルフォード)氏は、サトウキビの搾りかすをプラスチックの機能性を持つ紙のような梱包用製品に作り替える技術を開発するVarden(バーデン)を共同創設した。

この技術は、世界で最も裕福な人物のひとりである李嘉誠(リー・カシン)氏の財産管理も行うベンチャー投資会社Horizons Ventures(ホライゾンズ・ベンチャーズ)の興味を引き、彼らは220万ドル(約2億4000万円)の資金を調達した。

今は、新しい梱包技術を世に送り出す好機だ。EUは既に使い捨てのプラスチック製品を禁止する法律を制定し、2021年に施行することになっている。それが引き金となり、NestléとWalmartは、2025年から製品のパッケージに持続可能な素材だけを使うことを約束した。

梱包材が地球上の生物生息域に及ぼした環境破壊は、既に多くの人たちの懸案になっている。だが解決を急げば、消費者や企業に消費行動の変更を押しつけることになり、さらに多くの廃棄物を生み出すだけだ。新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的パンデミックによる社会的距離の確保も、それに追い打ちをかける。

「私は二酸化炭素削減を主眼に置いた技術が好きです」とHorizons Venturesのオーストラリア代理人Chris Liu(クリス・リウ)氏はいう。

Intelやデジタル・デザイン・スタジオのFjord(フィヨード)に勤務した経験を持ち、テクノロジーとプロダクト関係の企業幹部を長年勤めてきたリウ氏は、つい最近オーストラリアに移住し、自身も電力会社の電気を使わないオフグリッドの生活を送っている。

西オーストラリア州に住み、国中で荒れ狂った山火事が彼の新居のわずか2km先まで迫るという体験をしたリウ氏には、気候非常事態は最優先事項としてダイレクトに意識にのぼる。

マーク・アップルフォード氏の場合、山火事よりも、彼が愛する海岸に絶え間なく打ち上げられるゴミのほうが切実な問題だった。

バーベキューでビールを飲みながら彼は、後に共同創設者となるステュアート・ゴードン氏に、もし物事を変える力があれば、環境問題の何を解決したいかを語り始めた。そしてプラスチックに行き着いた。

アップルフォード氏の洗濯室で、2人はVerdenにつながる技術の開発を始めた。2015年、洗濯室での初期の努力が少額のシードラウンドをもたらし、最初の製品を一部の顧客に渡してテストしてもらうまでの、長く厳しい道を進むことになった。

ニュージーランドの製造業者Fisher(フィッシャー)とPaykel(ペイケル)になんとか時間を作ってもらい、2人の共同創設者たちは初期のプロトタイプを作り上げた。砂糖の原料であるサトウキビの搾りかすから作ったバガス紙という再生材料を使ったコーヒーポッドだ。

「顧客からサプライチェーンへと、私たちは逆向きに作業をしました。そうして、人々がよく知っている製品を作ることができる材料を選んだのです」とゴードン氏は言う。

製造工程は、一辺が120cmのコンテナに収まるまでに進化した。この中には農業廃棄物を梱包材に変えるVardenの機械がすっぽり入る。

製紙工場のようなローラーは使わず、Verdenのテクノロジーは熱成形で植物性の廃棄物を製品に加工する。その製品にはプラスチックと変わらない特性がある。

こうすることで、植物性廃棄物をバクテリアで分解してプラスチック代替品を作り業者に販売するといった、今ある多くのバイオプラスチックの製造に必要な複雑な工程を省くことができた。

「紙のように見えます。手で半分に破ることができ、そのときの音も紙と似ています。そのままゴミ箱に捨てられます」とアップルフォード氏は話す。

ゴードン氏によれば、同社が製造する容器は、素材としてのプラスチックよりも優れているという。最初に代替を狙う製品は、コーヒーのカプセルだと2人はいう。

「我々がコーヒーに目をつけたのは、それが最も難しいからです」とアップルフォード氏。

そこは巨大市場でもあると、彼らはいう。Vardenでは毎年200億個以上のコーヒーポッドが消費されていると見積もっている。

今回の投資金を使ってVardenは、試験的に契約した企業の最初の注文に応えられるよう生産規模を拡大する。さらに彼らはコーヒーポッドの他に、薬の包装シートなど製品ラインの拡大も図る予定だ。

「パイロットプラントとしては、年間に2000万ユニットが製造できる工場を考えています」とゴードン氏。

彼らは両者とも、彼らの製品が(そして類似のものも含めて)新しい持続可能な梱包材の時代を先導することを期待している。それは、製品寿命のどの段階においても、環境にやさしい製品だ。

「次世代のパッケージングはより良いものになります。植物由来には、サラダでもポテトチップスでも対応できる柔軟性があります。(しかし)次世代の成形パッケージングは私たちのものです。バイオプラスチックはいずれ消えてなくなります」

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

Google流、再生可能エネルギー活用法

Google(グーグル)のデータセンターは24時間年中無休で稼働しており、大量のエネルギーを消費している。それを考えると、そのデータセンターを可能な限り効率的に稼働させることは、同社と地球の両方の利益につながるといえる。そのための新たな方法として、同社は常に天候を監視し、それに応じて太陽エネルギーや風力エネルギーといった再生可能エネルギーを利用するのに最適な時期を予測する。

再生可能エネルギーの問題は、発電所で作られる電力量に確実性がないという点だ。もちろん、風がなくなった途端、風力エネルギーは10倍ほど高価なものとなるか利用不可になる。そうでなくても、グリッド上にいつどこで作られた電力が運ばれるのかによって電力の価格は常に変化する。

データセンターをより環境に優しく効率的にするためのグーグルの最新の取り組みは、そういったエネルギー経済を予測し、それに基づいて膨大な量のデータ処理タスクのスケジュールを組むというものだ。

とは言え、グーグルの従業員が実際に翌日の天気を調べて、太陽エネルギーが特定の地域でいつどれだけ電力を供給するかを計算するわけではない。幸いにもそれをやってくれる企業が他にいる。デンマークのグリーンテック企業、Tomorrowだ。

「適切な時間と場所で電力を使用することにより、コストと二酸化炭素排出量の両方を削減できると多くの組織は気付き始めています」とTomorrowのCEOはプレスリリース中で述べている。

気象パターンはこういったエネルギー経済に大きな影響を及ぼす。だから、このシステムでは気象状況によって主に石炭などの炭素源から電力が供給される場合もあるし、また再生可能エネルギーが最大限に利用されるときもある。

上記の便利なビジュアルチャートでこのシステムの仕組みが分かるだろう。グリーンエネルギーが最も豊富な時間に合わせ、データセンターの計算タスクのピーク時間をシフトしている。

グーグルは、グリッドに炭素エネルギーが多く運ばれている時間帯と再生可能エネルギーが多い時間帯を把握し、多大な計算タスクを再生可能エネルギーが得られやすい時間帯に割り振ることで、炭素エネルギーへの依存を減らすことが可能になる。

グリッドにある電力が高価で、炭素エネルギーを多く含むとき、ほんの少しのEメールの送信やYouTube動画の視聴だけでもデータセンターのキャパシティを圧迫するのには十分になる。しかし逆に電力が安価でかつクリーンなときには、機械学習や動画のトランスコードなど重い計算タスクが大量に処理されていくのだ。

情報に基づいて計算タスクを処理する時間帯をシフトするというアイデアは、スマートで、直感的にうまくいくだろうと感じる。しかし、今回のグーグルの発表にはそれが実際にどれほど効果的であるかのデータは提供されていない。通常、企業がこのような取り組みを発表する際には、今後節約されるエネルギー量や効率向上の見積もりの発表が伴うものだ。しかし今回のタイムシフト実験に関して同社はいつになく保守的である。

「試験運用によって得られた結果は、計算量をシフトすることで消費されるグリーンエネルギーの量を増やすことができることを示唆しています」とグーグルはいう。

ホームランを打ったのように扱ってもおかしくないニュースにしては謙虚すぎる姿勢である。完全な研究論文はまもなく発表されるが、筆者はグーグルにもっと多くの情報を提示するよう求めてみた。その直後に、同プロジェクトのテクニカルリーダーであるAna Radovanovic(アナ・ラドバノビッチ)氏から次のような返信を受けとった。

新システムの初期段階の結果は有望ですが、ご指摘のとおり現時点では特定の指標を公表していません。弊社チームは、この方法論の詳細や導入結果のデータなどをまとめた科学論文を年内に発行する予定です。

単一のデータセンター施設やフリート全体が再生可能エネルギーの使用をどれだけ増加させることができるかには、複数の変数が関わってきます。そのため、特定の数値を公表する前にさらなる分析を行っているところです。

原文

提携拡大でNASAが出資するプログラムにおけるPlanetの衛星画像を地球科学者が利用可能に

NASAとPlanet(プラネット)はパイロットパートナーシップを成功させた。その結果、同宇宙機関はPlanetとの契約を延長し、Planetの地球観測衛星の画像をNASAが出資するすべての研究プログラムに提供することになった。NASAは2019年4月に、Essential Climate Variables(ECV)の追跡に取り組む35人の研究者チームに同社の画像を提供する、最初の契約をPlanetと結んでいる。

ECVのトライアルではPlanetの画像が、ヒマラヤでの山崩れなど地球上のさまざまな環境現象を追跡し、洞察を得るのに役立つことが示された。研究者たちが早期警告の兆候を検出する上で重要な要素の1つは、Planetのコンステレーションの高い再訪率、つまり特定の地域を撮影する頻度だった。

Planetのデータは地球全体を少なくとも1日に1回はカバーしており、これには北極のような他の衛星による地球観測範囲にない地域も含まれている。その頻度とカバーする範囲、詳細さは地球科学にかかわるすべての人にとって貴重なリソースとなり、また数十以上のプロジェクトに関わる何百人もの科学者が利用できるようになったことを意味する。

原文へ

(翻訳:塚本直樹 Twitter

植物由来の包装資材やクーラーボックス用断熱材を生産するVericoolが21億円相当を調達

プラスチックの包装資材や断熱材を植物由来の製品で置き換えようとするカリフォルニア州リバーモアのVericoolが、新たな資金調達ラウンドで1910万ドル(約21億円)を獲得した。

同社の目標は、これまで使われてきたポリスチレンなどの包装資材を植物由来の断熱性のある素材で置き換えることだという。

同社はその技術で再生紙やその他の植物性素材を使用して、歩道の縁石や漆喰(しっくい)なども作っている。

今回のラウンドの投資家はRadicle Impact PartnersThe Ecosystem Integrity FundID8 Investments、そしてAiiM Partnersとなる。

Radicle Impact Partnersのマネージングパートナーで、新たにVericoolの取締役のトップになったDan Skaff(ダン・スカフ)氏は「Vericoolをサポートできることは喜ばしいことだ。同社はイノベーションと高性能な製品と安定したパテントポートフォリオ、および回復力のある環境への注力においてすばらしい実績がある。我々は再犯に対処しや出所者の就労確保といった社会問題に取り組む同社の姿勢にも感銘を受けている」と語った。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Boomの超音速旅客機のテスト機XB-1はカーボンニュートラルの実現を目指す

航空機産業は通常、低炭素排出を志向していると見なされていない。ジェット燃料はグリーンとはいえないし、航空機は空を飛ぶ際、大量にそれを燃焼する。しかし超音速飛行のスタートアップBoomは、その超音速デモ機XB-1の試験開発事業で商業航空のそんなイメージを変えたいと願っている。同社の旅客機Overtureの開発のためにも、低炭素というイメージを持たれるが望ましい。

Boomの主張によれば、超音速デモ機XB-1のフライトは試験と認可の過程の冒頭から、持続可能性を達成できる初の商用OEM飛行となる。XB-1もOvertureもハイブリッドや全電動とは無縁だが、同社としては持続可能なジェット燃料とカーボンオフセットを併用して炭酸ガス排出量をゼロ、すなわちカーボンニュートラルにしたいと考えている。

Boomが使う燃料はパートナーのPrometheus Fuel製だ。同社は電力をソーラーや風力などの再生可能エネルギーから得て、二酸化炭素を減らそうとしている。Boomはすでに、地上テストでも同社の燃料を使っており、今後の地上テストと飛行計画でも使用できると判断している。

カーボンオフセットの意義については異論もあるが、しかしその事業から得たお金が適正な低炭素排出計画を支えるのなら、エコロジーに貢献すると言える。それにBoomのような、航空事業の経済的なインパクトをオフセットする試みが、商用の実機にも適用されるなら、一般的な航空業界がこれまで何もしなかったことと比べて環境に良いと言える。今後はすべての航空機開発事業で、このような風潮になるだろう。

現在、Boomが製造しているXB-1は、今夏にもFlight Researchとのパートナーシップのもとモハーベ砂漠のMojave Air and Space Port(モハーベ航空宇宙飛行場)でテストが行われる。その、パイロットはいるが旅客のいないテストから得られた情報は、将来超音速飛行の商用機となるOvertureの開発のベースになる。そのOvertureはすでにJALやVirginなど複数の航空会社から予約がある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラは米国でのソーラータイルルーフ導入設置数を増やし中国とヨーロッパ市場を狙う

Tesla(テスラ)は、サンフランシスコのベイエリア地区における同社のソーラータイルルーフ(ソーラーパネルを内蔵する屋根用瓦)の設置件数をこれまでよりもさらに増やして、最終的にはヨーロッパと中国に展開したいようだ。一連のツイートでそう述べたCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、同社がこの製品の三度目となる改良製品を10月にローンチして以降初めて、かなり具体性があるアップデートを提供した。

ソーラータイルルーフはテスラがソーラーグラス(Solarglass)と名付けた製品で、ニューヨークのバッファローにある同社工場で作られている。マスク氏はツイートの中で、4月にはバッファローの工場でメディアや顧客を集めて見学集会をやりたい、と述べている。工場の中を見せてくれるらしい。

TechCrunchはこれまでの設置総件数など、ソーラーグラスの詳細情報を求めたが、まだ返事はない。回答が届き次第次第、この記事をアップデートする。

ユーザー:ベイエリアの設置工事はいつ始めるのか。
マスク:工事はすでに開始している。

ユーザー:ヨーロッパはいつ始めるのか? 巨大な市場だが。
マスク:ヨーロッパと中国は近くスケジュールを発表する。

4カ月前にマスク氏は、設置工事の開始を数週間後と言い、各週の設置件数を1000件に増やしたい、とも語った。

テスラのソーラータイルルーフは見た目には普通のタイルと変わらないが、ソーラーパネルにもなっている。同社がこのソーラータイルルーフを初めて披露したのは2016年で、その後改良を重ねてきた。初期二世代の製品は試験的設置を行い、その予約受け付けを2017年に開始した。

10月の決算報告でマスク氏は、ソーラータイルルーフの製品としての完成を告げ、バージョン3はついに本格展開が可能だ、と言っている。

最初のソーラールーフタイルは表面の粗い黒いもののみだが、マスク氏はそのほかの色や仕上げの製品をできれば年内に提供したい、と言った。

ユーザー:カラーやタイプのバラエティはないのか。たとえばヨーロッパに多いテラスハウスの景観を損ないたくない。
マスク:そのとおりだが、最初は目の粗い黒だけだ。今後は土色や複雑な模様も展開する。

テスラのWebサイトにある予想価格では、発電量10kW、面積200平米弱で減税折込前が4万2500ドル(約467万円)だ。国の政策減税8550ドル(約94万円)を折り込むと、実質3万3950ドル(約373万円)になる。

画像クレジット: Tesla

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラの全電動ATVがCybertruckのイベントでサプライズデビュー

米国時間11月22日のCybertruckの初舞台は、Tesla(テスラ)のCEO Elon Musk(イーロン・マスク)氏にとって決して、まったく無難なプレゼンテーションではなかったが、でも彼の「One More Thing」は鮮やかだった。それは、Teslaが未来のピックアップトラックとペアで作った、全電動の全地形対応車(ATV)だ。

この電動ATVについてステージで十分に説明されず、主に同社のEVトラックであるCybertruckのボディーとアクティブサスペンションが積載荷重にどう対応するかのデモのために利用された。とはいえ電動ATVは本格的な自動車であり、テスラはATVがCybertruckから充電できることを強調した。

このATVの価格や発売日は明かされなかったが、デモのドライバーは実際にステージでそれを運転してCybertruckのボディーに乗ったので、すでに完動品であることは確かだ。本命のCybertruckと同じくボディーのデザインはたくさんの交差する面と角(かど)があり、塗装がマットな黒なのでステルス爆撃機のATVバージョンのようだ。

過去にマスク氏が電動オートバイについて語ったときは、彼はむしろ電動アシスト自転車に関心があったので否定的だった。2018年の株主総会でも、オートバイは予定にないと言い、同じ年に自転車の構想を広めようとした。

しかしATVはかなり違う自動車で、路上の使用よりもむしろ、娯楽や便利グッズのような位置づけだ。テスラ自身は、どんな使われ方を想定していただろうか。CybertruckのATVエディションなら、かなりの需要がありそうだが。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

有機廃棄物をバイオプラスチックに変えるVEnvirotechが大規模なパイロットへ

非上場企業VEnvirotechで1年間さまざまな環境技術をテストしてきた共同創業者のPatricia Ayma(パトリシア・アイマ)氏が、バクテリアを使ってバイオプラスチックを作る工程を開発した。そのシステムは生ゴミや食品廃棄物などの有機物を、生物分解性のある使い捨てのプラスチックとして使える製品に変える。「世の中に訴えるのはおこがましいほど単純な技術だけど、みんなの役に立つ」と彼女は語る。

彼女のバイオテックスタートアップは、バルセロナ近郊のBonAreaスーパーマーケットのプラントでパイロット事業を開始した。そこで彼らは、将来の見込み客である企業と一緒に、その技術の大規模なテストをすることができた。Aymaは、そのイノベーションが2つの業界に売り込めると想定している。ひとつは、有機廃棄物の生産者で、彼らは廃棄物管理の費用を少なくしたいと考えている。そしてもうひとつは、自然に分解するバイオプラスチックをさまざまな用途に使いたいと思っている企業だ。

彼女のチームは最近、200万ユーロ(2億4000万円)あまりの資金調達ラウンドを完了した。それにより同社は3000平米のプラントを作ってVE-boxの生産を開始できる。それはポータブルな廃棄物管理容器で、その中で有機廃棄物が生物分解性のプラスチックに変わる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

電気自動車充電インフラの世界標準化を目指すEV Connectに三井物産らが戦略的投資

電気自動車の充電を管理するソフトウェアを販売している米国ロサンゼルス拠点のEV Connectが、三井物産株式会社とEcosystem Integrity FundがリードするシリーズBのラウンドで1200万ドル(約13億円)を調達した。同社のこれまでの調達総額は、2500万ドル(約27億円)になる。

EV ConnectのCEOで創業者のJordan Ramer(ジョーダン・レーマー)氏は「EV Connectのクラウドプラットホームはオープンスタンダードのアーキテクチャにより、ハードウェアを特定しない。すなわちEV Connectはさまざまなハードウェアベンダーに、充電ステーションをモニタ、管理、メンテナンスする方法を提供する。その究極の目標は、業界を各社バラバラの閉じたシステムから解放してオープンなシステムに統一することだ」と語る。

EV Connectのアプローチは二段構えだ。同社はそのネットワーク上で、現状で1000の電気自動車充電サイトを提供し管理している。一方で同社はスマートフォンのアプリにより、電気自動車のドライバーに充電ステーションの状態へのリアルタイムのアクセスを与える。

スマートフォンアプリのほかに、企業がカスタマイズして利用するクラウドベースのソフトウェアもあり、その現在の顧客には Yahoo!、Marriott(マリオットホテル)、Hilton(ヒルトン)、Western Digital(ウエスタンデジタル)、ロサンゼルス都市圏交通局、ニューヨーク電力公社などが名を連ねる。

この投資ラウンドの一環として三井物産とEV Connectは、電気自動車の充電インフラストラクチャの新しいビジネスモデルの共同開発で協定を結んだ。EV Connectは三井物産との協働により電気自動車の充電に関わるさまざまなアプリケーションを開発して、充電のコストを下げ、利用の最大化を目指す。その研究開発の主な対象は、企業や団体の全車両管理やエネルギー管理などだ。

三井物産のインフラストラクチャプロジェクト事業部最高執行責任者である中井一雅氏は「EV Connectのインフラストラクチャ管理技術は、三井物産の従来から強い分野でありパートナーも多いエネルギーと電力業界における電気自動車革命を加速すると確信している。弊社のユニークなエンジニアリング能力とEV ConnectのクラウドベースのEVインフラストラクチャが合わされば、EVのインフラストラクチャが現在エネルギー管理企業に課している課題を解決する新しいビジネスモデルの開発が可能になる」と声明でコメントしている。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

NASA初の実験的全電動航空機X-planeがテストを開始

NASAが近く、ほぼ20年ぶりに有人機のX-planeを飛ばす。X-planeはNASAがさまざまな技術をテストするための実験的航空機の総称で、フライトシミュレーターのX-Planeとは異なる。そのX-planeはX-57 Maxwellと呼ばれ、もうひとつ重要なのはNASAにとって初めての全電動の実験機であることだ。

NASAがX-57 Maxwellを米国カリフォルニア州のアームストロング航空研究センター(Armstrong Flight Research Center)に送付したことは、地上試験の開始が近いことを意味している。そして地上試験がOKとなったら飛行試験を開始する。この全電動のX-57以外にもNASAには、航空機の電動推進システムをテストするための航空機がいろいろある。それらは、来るべき航空輸送の全電動化に向けて、さまざまなスタンダードや設計慣行、認定計画などを作っていくための研究基盤でもある。それは、今勃興しつつある電動垂直離着陸機(VOTL機)による短距離交通の業界も視野に入れている。

NASAの計画では、今回のX-57およびその各種変形バージョンによるテストの結果は産業界やそのほかの諸機関、および規制当局と共有する。X-planeプロジェクトはまた、飛行の効率化や騒音の削減、人間の生活環境の安全などの面で、NASAが日常的な商用航空産業に対して技術的貢献をする手段のひとつにもなる。

画像クレジット: NASA

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonが電動配達トラック10万台を発注、2021年に納車され環境貢献をアップ

AmazonのCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は9月19日に、気候変動への影響を縮小するための取り組みを今後も拡大すると発表した。その一環として同社は、ミシガン州の電気自動車メーカーであるRivianに10万台の電動配達トラックを発注する。そしてこのeコマースの巨人は、2040年までにカーボンニュートラルの目標を達成する。それは、国連のパリ協定の合意よりも10年早い。

ワシントンのNational Press Clubのイベントで行われたベゾス氏の発表によると、タイムラインを早めたのは気候変動が急激に拡大しているためだ。現状は、パリ協定が成立した5年前の深刻な予測すら控えめに見えるほど変化が激しい。

会社全体をカーボンニュートラルにするというAmazonの包括的な取り組みは、同社の気候誓約(Climate Pledge)と呼ばれる計画文書にまとめられている。この文書は、近く他の企業にも開示される。Rivianに排気ガスのない配達車を発注したことに加え、Amazonは太陽光エネルギーの利用やカーボンオフセットなどの努力でカーボンフットプリントの削減に努めている。

Rivianによると、これは電動配達車の受注としてはこれまでで最大であり、Amazonへの実際の納車は2021年に始まる。Amazonは2月にRivianに7億ドルを投資し、さらに今月は自動車業界の大手Cox Automotiveが同社への35000万ドルの投資を発表した。また4月には、自動車メーカーのFord(フォード)がRivianへの5億ドルの投資を公表している。

Rivianは昨年、全電動ピックアップトラックやSUVなど消費者製品の生産計画を発表したが、それらの実際の納車は2020年にも始まる予定だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

FarmWiseの全自動除草ロボットが脱プロトタイプに向けて15億円を調達

農業の自動化は作業が多様だから難しいが、そんな中で良い仕事をしているロボット企業や自動操縦企業もいくつか存在する。例えば、投資家たちに関心を持たれたFarmWise(ファームワイズ)はこのたび1450万ドル(約15億円)を調達して、その自動運転除草車の開発を継続している。

今はまだプロトタイプだが、その車は大量の材木伐採労働者を運ぶ車両のように見える。でも実際にはかなり精密な装置で有害な雑草と作物を見分け、雑草だけを慎重に引き抜く。

FarmWiseのCEO Sebastien Boyer(セバスチャン・ボイヤー)氏は最新の資金調達を発表するプレスリリースで「1台のFarmWiseのロボットが1日に人口40万人ぐらいの中都市の人びとを養えるだけの作物の農地を除草できる。これからは、弊社の特許である植物検出技術をさらに拡張強化して、農家の除草処理量と作物の収量を増やしたい」とコメントしている。

おそらくこのロボットは最初、概念実証(Proof of concept、POC)も兼ねて、特定の作物向けに開発されデモされたのだろう。

そして今や概念実証には成功したようだ。Calibrate Venturesがリードした1450万ドルのラウンドは、そういう初期の成功の賜物。除草の自動化は決してやさしい問題ではないから、3年足らずで商用化にこぎつけたのはすごいことだ。農家も、テクノロジーが嫌いではない、実際に仕事をしてくれるならば。しかし、広大なモノカルチャーが大半を占めるアメリカの農家では、ちょっとした問題やエラーが大損害をもたらすこともある。

関連記事:自動運転除草機のFarmWiseがプロトタイプ製造パートナーにミシガン州の自動車企業を選ぶ

同社は以前、シードラウンドで570万ドルを調達した。それは2017年のAlchemist Acceleratorのデモデーでデビューした直後だった。ロボットは、なにしろお金がかかる!

今度の新たな投資でFarmWiseの脱プロトタイプと商用化に一層拍車がかかることが期待される。でもこれぐらいの金額では大量生産はまだまだだろう。どこかから大口注文を受けて、それが弾みになるといいのだが。

そしてまた、このずんぐりしたかわいらしい車は、AIの開発も重要だ。ボイヤー氏はこう述べる。「今後は、弊社のさまざまなロボットが作物のための専門医として活躍し、健康状態を常時モニターして適切な対策を教えるだろう」。

というわけでこの巨大林業マシンのようなプラットホームは除草を繊細に行うだけでなく、今後はアブラムシやカビもチェックして必要な治療を施すだろう。

そして作物に対する多様な検査ができるためには、同社はデータのエキスパートにもならなければならない。究極的に、農地の全作物の個体チェックができるなら、農家にとってこんなに嬉しいことはほかにない。

画像クレジット: FarmWise

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

シボレーの小型EVは電池セルの化学物質変更で走行距離400km超え

EPAの検査によると、2020年型全電動ハッチバックChevy Bolt EV(シェビー・ボルトEV)の走行距離は417kmとなり、前年より9%アップした。

同社は走行距離を上げるために、バッテリーパックではなく電池に使用する化学物質を改良した。スポークスパーソンによると、このGMカーはバッテリーのセルを増やしていないし、バッテリーパックも変えていない。また車の構造中へのバッテリーの据え付け方式も前と同じある。

むしろ、Chevrolet(シボレー)のバッテリー技術チームが取り組んだのは、同社が「セルの化学物質の抜本的な変更」と呼ぶ取り組みだ。セルの化学物質を変えることによってセルの電極のエネルギーを上げ、同じサイズと構造のバッテリーで走行距離を延ばすことに成功した。

これによって2020年型Chevy Boltは韓国のKia Niro(キア・ニロ)の385kmを抜き、ほぼ標準仕様のTesla Model 3の386kmを上回った。ただしModel 3のロングレンジバージョンは499kmであり、またHyundai Kona EV(ヒュンダイ・コナEV)の415kmよりは2km長いだけだ。このグループの中では後方にいるNissan Leaf Plus(日産リーフ・プラス)は、1回の充電で364km走行する。

ビッグニュースではないかもしれないが、この今後の市場で伸びるに違いない小型EVのグループの中で、走行距離が383kmから417kmに延びたことは、シボレーにとって大きい。今年の売上にも好影響を与えるだろう。

GMの中では、SUVやトラックに比べてEVは影が薄い。でもシボレーの車種間での食い合いはあるので、その中で強いハッチバックのコンパクトカーは捨てられない。

GMは2017年に2万3297台のChevy Bolt EVを売った。この車種の発売初年度だ。しかしその次の年は22%落ちて1万8019台だった。でも今年の前半は、また持ち直した。

この2020年型は新色が2種ある。年内にはディーラーの店頭に並ぶだろう。納車費用などを含めて基本価格は3万7495ドル(約395万円)だ。実際には、これに税金やディーラー手数料などが加わる。

画像クレジット:GM

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

電気自動車の電池をインターネットからリアルタイム管理するクラウドサービス

ドイツの著名な機械器具メーカーボッシュ(Bosch)が、電気自動車の電池の寿命をインターネット上から管理しモニタするクラウドソフトウェアサービスを立ち上げる。

同社取締役のMarkus Heyn博士が、声明でこう述べている。「Boschは電気自動車のバッテリーをクラウドに接続する。そのデータに基づくサービスにより、バッテリーの性能を大きく向上してその寿命を延ばす」。

EVのユーザーはリモートで電池の状態を監視および管理でき、その損耗を最大20%減らせる、とBoschは言っている。

このソフトウェアサービスは電池の充電時間をリアルタイムで計測し、これまでの充電回数や、急な加速や減速によるストレス、気温などのデータも集める。そしてそれらのデータに基づいて次の充電を最適化し、またドライバーに電池の長寿命利用についてアドバイスをする。

このクラウドサービスの最初の顧客企業は、中国のライドシェアの大手DiDiだ。同社は厦門(アモイ)で、Boschのソフトウェアを有効にした車の一群を展開する。

このツールは現状の静的データを提供するだけでなく、DiDiなどの企業ユーザーの車両管理担当者に電池の損耗や、交換適期、今後の最適再充電時期などの予測を提供する。これにより、各車両のベストパフォーマンスを維持する。

Heyn博士は声明でこう述べている。「強力な電池が長寿命になれば、電気自動車を企業が採用しやすくなる」。

Boschが挙げるアドバンテージは3つある: (1)電池の長寿命化、(2)修理間隔を長くしてメンテナンスを楽にする、(3)充電の適正管理により電池の好調高能力を長時間維持する。

画像クレジット: Bosch

 
[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

走行距離720kmの完全ソーラーカーLightyear Oneは予約価格1450万円

電動車は化石燃料を燃やす車より環境に良いけど、依然として通常の電力網に依存しているので、そこで何がどう使われているかによって汚かったりきれいだったりする。このたび登場したプロトタイプカー「Lightyear One」は、走行に必要な電力を太陽から得ることによって、この状況を乗り越えようとする。

オランダのスタートアップLightyearは、最初はStellaという名前で、2015年に本誌主催Crunchie賞を勝ち取った。それが今や、路上走行ができるようになったらしい。プロトタイプ車のLightyear Oneは今日(米国時間6/25)披露されたばかりだが、すっきりとしたドライバーフレンドリーなデザインで、しかも一回の充電で720キロメートル走る。太陽光を電源とし実際に消費者市場をねらっている自動車としてこの性能は、断固初めてだ。

© Twycer / http://www.twycer.nl

同社によると、まだ一度も路上を走ったことのないこの車は、すでに予約が100台以上ある。しかし、お届けは2021年の予定で、最初のリリースの予約はあと500台可能だ。お値段は前払いで11万9000ユーロ、日本円換算ではおよそ1450万円だ。あくまでも予約時前払いなので、よろしく。

Lightyear Oneは、単純に太陽電池を屋根の上に載せたプラグイン電動車ではなくて、通常より小さな電池で最大の性能が得られるよう最適化された太陽電池で屋根とボンネット合わせて1.5平方メートルを覆っている。電池は安全ガラスに収められている。通常のコンセントや充電ステーションも使えるが、軽量化された設計のため、この方式の充電ではフル充電の走行距離が400キロメートルだ。

  1. © Twycer / http://www.twycer.nl

  2. Lightyear-One-Interior

  3. Lightyear-One-Dutch-shore

  4. Lightyear-One-Mountain-drive

  5. © Twycer / http://www.twycer.nl

同社によるとこの車は、電動車はほしいけど走行距離が心配、電池の充電も心配、という客層向けだ。まだ製造は始まっていないが、いずれにしても相当高価で小規模生産の車に当面はなるだろう。しかし感動的な挑戦ではあるし、未来のEVの方向性を示しているかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

日産のゼロエミッションのアイス販売車は古いEVの電池を再利用

アイスクリーム販売車は、実は「環境に重大な危害をもたらすとは誰も思わなかったけどもしかしたらそうかもしれない」モノの仲間だった。日産が開発した新しいコンセプトカーは、これまでのアイスクリーム販売車が作り出していたすべての排気ガスをなくし、特に古い車種ではアイスクリームが溶けないために停車中でもエンジンをアイドリングして作り出していた大量の温室効果ガスもなくしてしまう。

このプロジェクトのために日産がパートナーしたアイスクリーム企業であるMackie’s of Scotlandは、すでに原料の牛乳を、風や太陽などの再生可能エネルギーで操業している家族経営の自家農園から調達して、環境フットプリントの削減に一歩を踏み出している。製品の持続可能な生産方式と今回の日産が考案したゼロエミッションのデリバリーバンの組み合わせは、企業の炭素フットプリントを減らす最高の方法だ。

そのために日産が選んだ軽量級商用バンのe-NV200は、完全電動車で1回の充電で約200km走る。このアイスクリーム企業のコンセプトに合わせて日産が特製したリチウムイオン電池パック「Energy Roam」は、2010年以降に生産された日産の古いEVから回収したバッテリーセルを使っている。その再生電池パックはそれぞれ約0.7kWhを貯蔵し、1kWを出力する。うち2つはエンジン用ではなく、ソフトクリーム機や冷蔵庫、冷凍庫用だ。充電は通常の公衆電源(英国だから230V)でもいいし、またバンの屋根のソーラーを使えば2〜4時間で充電できる。

全電動であること以外に、この日産のコンセプトバンにはこれまでの移動アイスクリーム販売車になかった特徴がいくつかある。まず、バンの外に立つ売り子の頭上にはハッチが開いて、アイスクリームディスペンサーの面白さを子どもたちに見せる。Apple PayやGoogle Payで払えるから売り子はお金に手を触れない。What3Wordsを統合して、自分の位置をTwitterでブロードキャストしている。あの元気なベルの音が聞こえなくても、大丈夫。

そして、日産からのボーナスとして、冷菓の売れない季節には機器が使用するはずだった電池の電気を電力会社に売ることができる。ただしこれはまだ、構想の段階だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleのストリートビュー撮影車が集めた大気質データを研究者に一般公開

Googleは近年、ストリートビューを撮影する車に街路の大気質を測定させている。Googleが「Project Air View」と呼んでいるこのプロジェクトのデータを、米国時間6月5日から科学者や研究団体が利用できるようになる。同社が今日リリースする大気質データセットのアップデートバージョンには、2017年から2018年までにパートナーのAclimaの環境センサーが集めた情報がある。

それと一緒に提供されるデータキャッシュには、サンフランシスコ湾からサン・ウォーキン・バレーにかけての、2016年以降の情報と、それらの地域を含むカリフォルニアのほかの部分、およびヒューストンやソルトレイクシティ、コペンハーゲン、ロンドン、アムステルダムなど主要都市の2年分のデータがある。

全体として、Googleマップスのスタッフが集めた大気質データセットは、2016年から2018年にかけての14万マイル(22万5000km)の街路と総計7000時間の走行時間をカバーしている。大気質の経時変化を追うには十分な量のデータであり、Googleはこの事業の対象地域を今後はアジア、アフリカ、そして南米にも拡大していく意向だ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

主翼にも乗客を載せて燃費を20%向上するジェット機をKLMオランダ航空などが開発中

空の旅は温室効果ガスなど汚染物質総排出量の相当大きな部分を占め、しかも旅客数はここ数十年着実に増えている。航空機からの排出量は2020年以降も大きく増える、と予想されている。電動旅客機が開発途上だが、今の主役であるジェット旅客機を近日中に置換することはありそうもない。そこで、従来型燃料を使う航空機の新しいタイプが今、KLMオランダ航空の支援で研究開発されている。

CNNの報道によると、その新しい航空機の設計はデザイナーのJustus Benadが着想し、オランダのデルフト工科大学の研究者たちが実現のために取り組んでいる。その航空機は、外観がまず独特で(上図)、これまでの筒型の胴体スタイルを捨てて、1/4サイズにカットしたピザのような形、胴体が飛行機の主翼にまで延びたような形をしている。

この、すごく膨らんだ中心部分に旅客と燃料と荷物が乗る。そしてこの荷重分散により、航空機の全体的な空気力学が改善され、構成次第ではほぼ同数の旅客を乗せることのできるAirbus A350に比べて燃費は20%以上良くなる。

20%の燃料節約は大したことない、と思われるかもしれないが、年月とともに数が増えれば、相当な節約量になる。電動航空機など、そのほかの代替航空機への移行が遅れれば、なおさらだ。ただし、今のスケジュールでは実用展開の開始は2040年から2050年にかけて、と言われている。残念ながらそれは、明日ではない。

今主流のジェット旅客機でも、その昔、実用導入までのテストは年月を要するたいへんな仕事だっただろう。でも今回の良いニュースは、スケールモデルによる屋外テスト飛行は年内にも行われる、ということだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

エネルギー効率30-37%のソーラーパネルがもうすぐ市販される

クリーンエネルギーの研究者たちは、太陽光から得られるエネルギーの理論的な上限を上げることに励んでいるが、実際に太陽電池を利用するわれわれ一般庶民は、その理論値の半分にも満たない技術で長年我慢している。ここでご紹介するInsolightの製品は、ついにそれを変えるかもしれない。

Insolightは、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)における長年の研究からスピンオフした企業で、屋根に敷く実用製品が誕生するのももうすぐ、と言われている。

通常太陽電池はその全表面で太陽光を集め、それをおよそ15-19%の効率で電気に変換する。つまりその過程で、エネルギーの約85%は失われる。もっと効率の良い太陽電池はあるが、どれも高価で目的が特殊で、特殊な素材が必要なこともある。

お金のかからない場所といえば、それは宇宙だ。人工衛星に載っている太陽電池はずっと効率が良いが、当然ながら安くない。でも、ごく少量を使い、その上に太陽光を凝集するなら高くはない。そのことに、Insolightは目をつけた

小さいがきわめて効率の高いセルを格子状に並べ、その上に蜂の巣状のレンズの配列を並べる。レンズが光を細いビームに曲げて、小さなセル上に凝集する。太陽が動くとセルの層も動いてビームの真下へ移動する。テスト段階では、この方法で37%の効率を達成し、消費者製品になった時点でも30%は可能だ。これは、従来のパネル製品の倍である。

ただしレンズの層などを作るのだから、今使われている“まあまあの性能”の太陽電池よりも構造は複雑だ。ただしパネルのサイズや形状は今のソーラーパネルとあまり変らず、据え付けにコンセントレータなどの特殊な装備は要らない。最近EPFLで行ったパイロットテストは、大成功だった。

EPFLのニューズリリースで、CTOのMathiu Ackermannがこう述べている: “われわれのパネルはグリッド〔通常電力網〕につないで継続的にモニタした。猛暑や台風や冬の気候でヒッチすることもなく、動き続けた。このようなハイブリッド方式は、曇天で日が射さないような日にとくに効果的だ。そんな日差しの弱い日でも、電気を生成し続けるからだ”。

今同社はソーラーパネルのメーカーとの商談に入っている。既存の製造ラインに容易に乗せられることを、説得しなければならない。“組み立てのステージで工程がやや増えるけどね”、とAckermannは言う。発売は、2022年の予定だ。まだ遠い先だが、でもそのころには電動車が普及してるだろうから、良いタイミングだろう。

画像クレジット: Insolight

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa