自動運転車のWaymo(元Google)が中国に子会社を作る、部品調達が目的のよう

かつてのGoogleの自動運転プロジェクトは、その後Waymoという名前で、Alphabet傘下の独立企業へとスピンアウトした。その同社が、このほど中国に子会社を開設した。

その会社は、中国の会社登記情報開示サービスNational Enterprise Credit Information Publicity Systemによれば、Huimo Business Consulting Co.と呼ばれ、5月22日に上海にオープンしている。これを最初に報じたのは、China Money Networkだ。資本金は350万人民元(51万1000ドル)で、出資者はWaymoになっている。

Waymoもこの上海の一件を確認し、すでに人が働いているそうだ。では中国で一体何をするのか、この質問に答はなかった。

Waymoが中国で自動運転車によるライドシェアサービスを始めるとか、そのテストをする、という線はないだろう。登記書類によると、業務はロジスティクス、コンサルティング、サプライチェーン、自動運転車の部品、プロダクトデザイン、となっている。

同社に近い情報筋も、登記書面の記述を支持し、中国でサービスを立ち上げるのではなくサプライヤーのネットワークを作ることが目的だ、と言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Teslaが自動運転車用のAIチップを内製している、計算性能はNvidiaの10倍

“これについては、最近の2〜3年間、ややステルスだった”、と今日(米国時間8/1)の決算報告でElon Muskは述べた。“でもそろそろ、猫を袋から出してよいころだろう”。

その猫とは: ‘Teslaコンピューター’だ。“Hardware 3”とも呼ばれるそれは、Tesla製のハードウェアで、Model S, X, そして3に搭載され、これらの車の自動運転能力を大きく前進させる。

Teslaはこれまで、NvidiaのDriveプラットホームに頼ってきた。なぜ、今、それを変えるのか?

Teslaによると、内製することによって同社独自のニーズにフォーカスでき、効率をアップできる。

“自分でやることの利点は、自分のニューラルネットワークについて、今後のことも含め、いちばんよく知ってるのは自分だ、ということ”、とHardware 3プロジェクトのディレクターPete Bannonは語る。そのBannonによると、ハードウェアのアップグレードは来年始まる。

Elonが言葉を足す: “重要なのは、ニューラルネットワークを、基本的なベアメタルのレベルで動かすことだ。そういう計算は、回路本体の中で行なう。エミュレーションモードなどでは、だめだ。それなら、GPUやCPUの仕事だ。大量の計算をするために、メモリーが必要になる”。

Elonが語るその最終結果は、相当ドラマチックだ。TeslaのコンピュータービジョンのソフトウェアはNvidiaのハードウェアではおよそ200fpsを扱えるが、専用チップなら2000fpsは行ける。しかも、“十分な冗長性とフェイルオーバーを伴ってね”。

また、AIアナリストのJames Wangによると、Teslaが自分の未来を自分自身でコントロールできるようになる:

[動機はAppleのSoC内製と同じで、競合が始まる前に競合に大きく勝っておくこと。]

内製することによって、重要なチップを完全に自分のニーズに合わせられる。なにかアップグレードが必要になっても、ハードウェア屋さんが対応するのを待たずに、自分ですぐに直せる。もちろんそれは、簡単にできる仕事ではないが、採算内で完成すればその経営効果は大きい。Elonは経費について、現在のそのほかのハードウェアと同じだ、と言っている。

既存のTeslaに載せる件については、Elon曰く、“コンピューターを容易に交換できるように作ってある。だから、単純に差し替えるだけだ。古いのを抜いて、新しいのを差し込む。コネクターの互換性は、完璧だ”。

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ZMPと日の丸交通、都心部で自動運転タクシーの実証実験へ

自動運転技術やロボット開発のZMPは7月18日、タクシー事業の日の丸交通とともに、自動運転車両を使ったタクシーサービスの公道営業実証実験を都心部で実施すると発表した。乗客のいる自動運転車両のタクシーが、公道で営業走行を行うのは世界初だという。

実証実験が行われるのは、8月27日から9月8日の午前9時から午後5時まで。三菱地所と森ビルの協力で、大手町フィナンシャルシティ グランキューブと六本木ヒルズを発着地とする約5.3Kmを1日4往復し、車線変更や右左折、停止などをすべてシステムが自動で操作する(ただし、交通状況等により、同乗のドライバー、オペレーターが介入する場合がある)。

走行予定エリア(ZMPサイトより)

料金は片道1500円(税込)を予定。参加者を本日から専用サイトで募集し、予約可能者を抽選により決定するという。

ZMPは2001年1月の設立。ADAS(先進運転支援システム)・自動運転技術開発用プラットフォームのRoboCarシリーズやデータ計測サービスRoboTest、物流支援ロボットCarriRoなどを開発・販売する。2017年6月には総額15億円の資金調達を発表している。

同社は2014年から公道での自動運転実証実験を開始しており、2015年5月にはDeNAとの合弁会社「ロボットタクシー」を設立。その後、2017年1月にDeNAとの業務提携は解消したが、2017年12月には運転席にドライバーが乗車していない状態での公道実証実験を日本で初めて実施。今後も技術やサービスの実証実験を進め、2020年の自動タクシー実現を目指すとしている。

英ジャガー、WaymoにI-Pace SUV納入――2万台の自動運転ライドシェアリング・サービス準備中

Waymoが自動運転の実現に向けてさらに一歩前進した。

以前はGoogleの自動運転プロジェクトだったがスピアウトして今やAlphabet傘下の独自企業となっているWaymoはジャガー・ランドローバー社から自動運転電気自動車の最初の3台を受け取った。この
I-Pace EVSはクロスオーバーSUVで、ジャガー・ランドローバー自身が運用するものを除けば、アメリカの公道で走るのはこれが初となる。近くサンフランシスコ周辺のベイエリアにお目見えするはずだ。

ただし当面は自動運転は行われない。TechCrunchの取材に答えて、Waymoは「自動運転システムに必要な路上パフォーマンスを持っているかどうかチェックし、信頼性をテストしていく」と答えた。

Waymoは3月に ジャガー・ランドローバー社と戦略的な提携関係を結んだと発表していた。これはドライバーレス自動車交通の実現をめざす I-Paceサービスのための自動操縦の全電気自動車を得るためだった。ジャガーの電気SUVは2020年から開始されるWaymoのドライバーレス運輸サービスの一部となる計画だ。

Waymoのドライバーレス・ライドシェアリング・サービスの最初の2年はI-Paceベースの2万台の車両がまかなう予定だという。

Waymoはオンデマンドのライドシェアリングの他にも商品配送、トラックを利用した物流などのロジスティクス、他の公共交通機関との連携などなど幅広い分野で自動運転を実現しようとしている。今回のジャガーI-Pace SUVはその最初のステップとなる。Waymoは今後自動運転テクノロジーを既存の自動車メーカーにライセンスし、個人が自動運転車を所有することを助ける考えだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アップル元従業員、自動運転車の機密情報を盗んだ罪でFBIに摘発。転職先への土産代わり?

eng-logo-2015アップルの元従業員が同社の機密情報を盗んだとして、米連邦捜査局(FBI)によりカリフォルニア州地方裁判所に告訴されたことが明らかとなりました。

被告のXiaolang Zhang氏は、アップルの自動運転EV開発計画「Project Titan」に関わっていた技術者の一人。機密の回路図などを自分のパソコンにダウンロードした上で中国に逃亡を図ったところを逮捕されたと報じられています。

2015年12月にアップルに入社したZhang氏はコンピュータチームに属し、センサーデータを分析する回路基板の設計及びテストを担当。その職務的な立場から、機密情報や知的財産権を含む社内データベースへの広汎なアクセス権を与えられていたとのこと。

そして2018年4月、子供が誕生したZhang氏は家族休暇を取り、中国を訪問。その後、彼は上司にアップルを辞職して中国の新興EVメーカーXmotors(小鵬汽車)に転職したいと相談。

彼の言動を上司が不審に感じたことがきっかけで、社内のセキュリティ部門が調査を開始。その結果、Zhang氏のネットワーク活動が過去2年と比べて「指数関数的に増加」しており、プロトタイプやプロトタイプ要件へのアクセスが明らかに。知的財産を含む大量の情報を、機密データベースからダウンロードしていたことが露見しました。

さらに社内の録画映像では、Zhang氏がダウンロード時間に合わせてソフトウェアとハードウェアのラボ両方に入っており、ハードウェアの入った箱を持ち出す姿も確認されたとか。

セキュリティ部門の取り調べで、Zhang氏はデータとハードウェアを持ち出したこと、それに自分のコンピュータから妻のノートPCに機密情報を転送していたことを認めました。

そのうち少なくとも60%が「非常に問題がある」と判断された上で、アップルはすべての証拠をFBIに引き渡し。FBIは「技術的な回路図やテクニカルリファレンスマニュアル、テクニカルレポートなど」本質的なものだったと裁判所に申告しています。

今回の件で興味深いのは、アップル社内のセキュリティ体制が垣間見えること。Titan Projectのように機密性の高いプロジェクトにアクセスするためには、従業員はアップルのVPN(仮想プライベートネットワーク)にログインし、「承認」を与えられる必要があり。

この承認にはまず、すでにアクセス権を持つ他の従業員に推薦が不可欠。さらに管理者の査定を受けなければいけないという二段構えです。

自動運転車プロジェクトのデータアクセス権限を持つ従業員は、ざっと5000人。その中でもZhang氏は、より高度なアクセス権を認められた約2700人の「コア従業員」だったとされています。

Zhang氏は6月下旬にFBIの取り調べを受け、機密を盗んだ事実を認めたとのこと。最高で懲役10年、25万ドルの罰金と伝えられています。

アップルは「我が社は機密保持と知的財産の保護を非常に重視している。この問題については当局と協力しており、可能な限り全てのことを行う」との声明を発表しています。

もっとも、今回の摘発はさほど意外ではありません。同社は今年4月、社内ブログに長文を掲載し、昨年のうちに「29件の情報漏えいが発覚し12人が逮捕された」と述べるとともに「失業するだけでなく、他社での再雇用も非常に困難になるかもしれない」と警告したと報じられていました。

発売前の新製品や開発中のプロジェクトにつき秘密主義を徹底する一方で、新型iPhoneなどのリークも絶えないアップル。社内にて厳しい警戒網が張り巡らされていたなかで、摘発されるべくしてされた事件かもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

BaiduがSoftbankのSB Driveとパートナーして日本で自動運転バス事業を始める

中国の検索大手Baidu(百度)が、Softbankの子会社SB Driveと自動車メーカーのKing Long(金龍)とパートナーして、来年早々日本で自動運転のミニバス事業を開始する。

この合意は、北京(Beijing)で行われた、Baiduの例年の、AIに関するデベロッパーカンファレンスCreate Baiduで発表された。この合意により、Baiduの自動運転ミニバスApolongの何らかの型式が2019年の初めに中国から日本へ輸出される。合意によると発注量は10台とされ、中国から自動運転車が輸出されるのはこれが初めてである。

ApolongはKing Longと共同開発され、Baiduの自動運転システムApolloを装備している。それはレベル4の運用が可能で、自動車工学の国際団体SAE Internationalの定義によると、一定の条件下では、自動車がすべての運転を行う。このバスは最初、観光地や空港などの、制御された、あるいは限定された地理的範囲内に配備される。

Baiduはカンファレンスの冒頭で、自動運転ミニバスの大量生産をKing Longとの提携により開始した、と発表した。バスは、福建省(Fujian province)の南東部、厦門(Xiamen)にあるKing Longの製造施設で生産される。

Baiduは自動運転バス事業を中国では北京、深圳、平潭、武漢などの都市で立ち上げる計画だ。

画像クレジット: Baidu

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

世界を57兆個の小さな区画に分割してそれぞれにユニークな名前をつけたwhat3wordsに投資が殺到

what3wordsは、世界全体を57兆個の、一辺が3メートルの正方形に分割して、そのひとつひとつに3つの言葉を割り当てている。その同社がこのほど、新たな投資家3社を開示したが、それらはどれも自動車業界方面からだ。

what3wordsは木曜日(米国時間6/28)に、中国最大の自動車グループSAIC Motorのベンチャー部門と、Formula 1のチャンピオンNico Rosberg、そしてオーディオとナビゲーションシステムのAlpine Electronicsが、ロンドンの同社に投資を行ったことを発表した。これまでの投資家Intel Capitalも、そのラウンドに参加した。

その資金は、新しい市場開拓と製品開発に充てられる。

調達額は公表されていないが、この投資は、ユーザー体験を単純化し、音声コマンドで容易に使えて、企業を自動運転車両の時代に向けて準備させてくれる技術への、主に自動車業界の関心を示している。このアドレッシングシステムではひとつの位置にユニークな(それ一つしかない)3語の組み合わせを与えるから、これまでの音声操作のナビゲーションシステムの多くが抱えていた重大な欠陥をなくしてくれる。それは、道路名の重複だ。

同社は、これら57兆個の正方形に、25000語のボキャブラリーを持つアルゴリズムを使ってユニークな三つの言葉から成る名前を割り当てた。そのシステムは、what3wordsアプリで誰もが利用でき、1ダース以上の言語に対応している。たとえば、パリのエッフェル塔の特定のコーナーにいる友だちに会いたければ、3語のアドレス、“prices.slippery.traps”を送る。Airbnbのホストは3語のアドレスを使って、ゲストを分かりにくい入口に案内する。自動運転車には3語のアドレスを与え、大きなスポーツアリーナの特定のエントランスへ行かせる。

what3wordsのCEO Chris Sheldrickはこう語る: “今回の資金でこの会社が進むべき方向が固まった。それは、車やデバイスや音声アシスタントなどに行き先を指示する方法だ”。

今年の初めにwhat3wordsは、Daimlerが同社の10%株主になったことを開示した。Daimlerの株の一件と、最近公開された投資家(前述)は、いずれも同社のシリーズCラウンドの一環だ。

同社の奇抜なグローバルアドレッシングシステムは、Mercedesの新しいインフォテインメントとナビゲーションシステム…Mercedes-Benz User Experience, MBUX…が採用し、まずこの春にアメリカ以外の市場で発売されたハッチバックの新型Mercedes A-Classに載った。セダンのA-Classはアメリカ市場に今年の後期に来る。

TomTomが先月発表したプランでは、今年の後半に同社のマッピングとナビゲーション製品にwhat3wordsが組み込まれる。TomTomのナビゲーションや交通技術製品を採用している自動車メーカーは、Volkswagen, Fiat Chrysler, Alfa Romeo, Citroën, Peugeotなどだ。

同社はそのほかの自動車メーカーとも商談を進めており、それは、車のインフォテインメントシステムにwhat3wordsを取り入れてもらうことが目的だ。

画像クレジット: what3words

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Uberのセーフティードライバーは自動運転車が死亡事故を起こしたとき道路でなくHuluを見ていた

【抄訳】
本誌TechCrunchが精読した警察の318ページの報告書によると、Uberの自動運転車を運転していたセーフティードライバーは、アリゾナ州テンピで歩行者Elaine Herzbergがぶつかって殺されたときに終わった43分間のテストドライブの間、下を向いてスマートフォンを見つめ、Huluの上でThe Voiceを何度も繰り返しストリーミングしていた。

テンピ警察署は木曜日(米国時間6/21)の夜おそく、3月にフェニックス郊外で起きた自動運転車の死亡事故に関する報告書をリリースした。その長い報告書は、セーフティードライバーRafaela Vasquezが事故時に彼女のスマートフォンで、The Showの番組をストリーミングしていたことを明かしている。

警察は、Vasquezの目は全行程11.8マイル(約19キロメートル)のうち3.67マイル(約6キロメートル)、すなわち約31%の間、道路を見ていなかったと判定した。

データに基づいて警察は、彼女の目が路上にあればVasquezはHerzbergに当たることを避けられた、と報告している。事件は、Vasquezを審理するマリコパ郡検事事務所へ送られ、彼女は危険運転致死罪で起訴されることになるだろう。

Uberのスポークスウーマンは次のように述べた: “進行中の捜査には今後も協力を続け、また弊社独自の内部的安全性調査も行う。弊社のポリシーでは、弊社の自動運転車を運転している者のモバイルデバイスの使用を固く禁じている。弊社の事業に対して行う変更の詳細を、近く共有する予定である”。

【後略】
〔以下は、この記事の内容とほぼ同様。今回の記事は、システム側ではなく人間側の事故原因にフォーカスしている。〕

画像クレジット: テンピ警察署

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Teslaのセダンが自動操縦モードで警察の車に衝突

今日(米国時間5/29)、Teslaのセダンが自動操縦(Autopilot)モードで走行中に、駐車していたラグーナビーチ警察の車に衝突した。Los Angeles Timesによると、その警察車両に乗っていた者は無傷、Teslaのドライバーは軽傷だったが、同警察の巡査部長Jim Cotaが同紙に語っているところによると、警察車両は“大破”した。

Cotaによると、1年前にも同じ地域でTeslaがセミトレーラーに衝突する事故があった。“なんで連中の車は同じことを繰り返すんだい?”、と彼はLA Timesに語っている。“人間が無事だったのは、たまたまの幸運だよ”。

[今朝Laguna Canyon Roadの下り路線を“自動操縦”で走行中のTeslaのセダンが駐車中のラグーナビーチ警察の車両に衝突した。衝突時の車中に警官は不在で、Teslaのドライバーは軽傷を負った。]

Teslaのスポークスパーソンはメールでこう述べている:

“自動操縦を用いているとき、ドライバーは継続的に自己の責任を自覚し、その手はハンドルを保持し、車両のコントロールを常時維持している。Teslaはつねに明確に、自動操縦が車をすべての事故に対して鈍感にしないようにしており、ドライバーが自動操縦を用いる前には彼らは、ダイアログボックス上の声明文、“自動操縦は中央分離帯と明確な車線区分線のある幹線道路上で用いるよう設計されている”、を受諾しなければならない”。

これは、Teslaの車両がこれまで自動操縦モードで何度か起こしてきた事故の最新版だ。今月初めには、ドライバーが自分のスマートフォンを見ているときに起きたユタ州の衝突事故があり、また2か月前のカリフォルニア2016年のフロリダでは死亡事故が起きている。

2015年の後半ににローンチしたTeslaの自動操縦機能は、“路上走行のもっとも退屈で、危険でもありえる側面からドライバーを解放する”ことを目的とし、自動緊急ブレーキや衝突警報などの標準的な安全機能を持っていたが、人間ドライバーによる運行を置換するものではなかった。

Teslaは自動操縦機能の使用に関してドライバーを教育しているが、同社を批判する人びとは、安全になるまではその機能を無効にせよ、と呼びかけている。たとえばConsumer Reports誌は、自動操縦(Autopilot)という名前がドライバーに“偽りの安全感”を与えるとし、“これら二つのメッセージ…あなたの車は自分自身で運転できる、しかしときには、あなたがコントロールを取り上げる必要があるかもしれない…は、ドライバーの混乱を招く可能性がある”、と言っている。

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自動運転車を生み出す資金潤沢なスタートアップたち

【編集部注】著者のJason Rowleyは、ベンチャーキャピタルであり、Crunchbase Newsのテクノロジーレポーターでもある。

未来のいつか、車に乗りながら子供が親たちに質問を投げかけるかもしれない。自動車を操縦するのにハンドルとペダルを使っていたのはどれ位前のことなの?と。もちろん、完全に自律走行を行う自動車の形での実現はまだまだ先のことだが、それにも関わらず、その未来を生み出そうと現在努力を続けている企業がある。

しかし、輸送の様相を変えることはコストのかかる事業であり、そのような野心的な目標を達成するためには、通常企業の支援や多額のベンチャー資金が必要となる。最近行われた、深圳に拠点を構えるRoadstar.aiによる、1億2800万ドルのシリーズAラウンドが、私たちCrunchbase Newsに1つの疑問を投げかけた。十分な資金を持つ自動運転車の独立スタートアップは一体何社存在しているのだろうか?

結論を先に言えば、想像されるほどは多くない。さらに調査をするために、私たちはCrunchbaseの“autonomous vehicle”(自動運転車)カテゴリーの中で、5000万ドル以上のベンチャー資金を調達した独立系企業群を選び出した。少しばかり手を動かして整理してみたところ、私たちはそれらの会社が大きく2つのカテゴリーに分かれることに気が付いた。1つは任意の自動運転システムに組み込むことを狙うセンサーテクノロジーを開発する企業、そしてもう1つはセンサーや機械学習ソフトウェアモデル、そして制御機構を、より統合された自律システムに組み込む「フルスタック」ハードウェア/ソフトウェア企業である。

フルスタック自動運転車開発企業

まずはフルスタック企業から始めよう。下の表は、現在市場に存在する独立したフルスタック自動運転自動車会社たちと、その重点分野、本社の所在地、およびベンチャー資金調達総額を示している。

上記にリストされた企業間の重点分野の内訳に注意して欲しい。一般的にこれらの企業は、より一般化されたテクノロジープラットフォームを構築することに集中している。おそらく将来的には大手自動車メーカーに販売またはライセンス供与することになるのだろう。一方自動運転車のテクノロジーを開発するだけではなく、オンデマンドタクシーやその他の移動サービスを展開したいと考える企業たちもいる。

自動運転車の目と耳を作る

センサー側を見た場合、以下の表から分かるように、1つの重点分野に集中する傾向が見られる:

センシング分野の中で最も多額の資金調達を行ったスタートアップのなかには、LiDARテクノロジーを開発するものもいる(LiDARは基本的に自動運転車に深さを検知する「目」を提供する仕掛けだ)。CYNGNはLiDARを含む多くの異なるセンサーを、そのハードウェアとソフトウェアに統合している。同社は以前Cyanogenという名の携帯電話のOSメーカーが大胆な方向転換をしたものだ。

しかし、これらのセンサー企業たちには、また別の問題領域がある、たとえば位置データを収集し、注意散漫な運転を検出するNautoのスマートダッシュカムや、車両間の通信を支援する、AutotalkDSRC技術などだ。(4月にCrunchbase Newsでは、オープンソースのダッシュカムアプリをリリースしたCommaによる、500万ドルのシリーズAについて報告している)。

前述のフルスタックプロバイダとは異なり、これらのセンサーベンダの多くは、自動車業界に対するベンダ関係を確立している。例えばQuanergy Systemsは 、自動車部品の巨人Delphiや、高級車メーカーであるJaguarやMercedes-Benz、そしてHyundaiやRenault-Nissanのような自動車メーカーを、パートナーや投資家として挙げている。Innovizは、同社のウェブサイトによよれば、そのソリッドステートLiDAR技術をBMW Groupに供給している。

レーダーは(そしてLiDARであったとしても)、今や古い帽子ではあるものの、センサーにおける革新は続いている。IEEE Spectrumに書かれたOryx Visionの技術プロフィールによれば、その「コヒーレント光レーダー」システムはレーダーとLiDARにハイブリッドのようなものであり、「前方の道路を照射するためにレーザーを(赤外線と共に)利用しているものの、レーダーのように反射した信号を粒子ではなく波として扱う」そうだ。その技術は、従来のレーダーや新しいLiDAR技術よりも、長い距離にわたって高解像度のセンシングを提供することができる。

スタートアップたちが、大企業の競合他社に対して対抗することは可能なのか?

潤沢な企業資金に裏打ちされた、自動運転車への取り組みは沢山存在している。Alphabetの子会社であるWaymoは、Googleが生み出す巨額の検索利益から補助を受けている 。Uberも、自動運転車への取り組みを行っているが、今年初めに起きた歩行者を死なせた最初の企業となった不幸な出来事を含む、法律上および安全上の課題を抱えている。

Teslaもその車両向けの、運転補助技術開発にかなりの資金を投入してきたが、そのAutopilot(社内自動運転ソリューション)の責任者が4月に辞任したことで、問題に突き当たっている。同社はまた押し寄せる自社の安全性に対する懸念にも晒されている。そしてAppleの自動運転車プログラムは、他のものよりは公表されていないものの、見えないところで開発は続いている。BaiduやDidi Chuxingのような中国の企業も、シリコンバレーにフルスタック型R&D研究所立ち上げた

従来の自動車メーカーたちもまた、争いに乗り込んで来た。2016年には、10億ドルという驚くべき価格での買収で、ゼネラルモーターズはCruise AutomationをそのR&Dの中に取り込んだ。そして、負けてはならじと、FordもArgo AIの大半の株式を、10億ドルで買収した

このことは私たちに疑問を提起する。先に挙げた資金潤沢なスタートアップたちでも、既存勢力たちから市場の優位性を奪うことは可能なのだろうか?あるいは少なくともいい勝負まで持っていくことが?おそらくは。

投資家の現金がこれらの企業に流入する理由は、自動運転車技術によってもたらされる市場機会が、想像を絶するほど巨大だからだ。それは単に車市場だけの問題ではない(2018年には8000万台以上の車が世界では売られると予想されているが)。それはコンピューターにハンドル操作を任せることによって生み出される時間と心の余裕をどこへ振り向けるかという問題なのだ。非常に多くの企業やその支持者たちが、そのパイの小さな断片でいいから手に入れたいと欲しているのは、不思議でも何でもないことだ。

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(翻訳:sako)

画像クレジット: Photo by Caleb George on Unsplash

死亡事故を起こしたUberの自動運転車は歩行者検出から衝突まで6秒あったのに緊急ブレーキが無効にされていた

【抄訳】
Uberの自動運転車が三月に起こした死亡事故に関する、国の交通安全委員会(National Transportation Safety Board, NTSB)の最初の報告書が、車は衝突の6秒も前に歩行者を検出していたが、緊急ブレーキシステムが意図的に無効にされていたため、減速も停止もしなかったことを、確認している。

UberはNTSBにこう述べている: “緊急ブレーキ操作は、その車両がコンピューターのコントロール下にある間は有効になっていない。それは、車両の不安定な動きを未然に防止するためである”。言い換えると、強引にスムーズな走行を確保するためだ。

“介入して行動することは車両の運転者に任されていた。システムは運転者に警報するよう設計されていなかった”。運用時に無効にするのなら、なぜそんな緊急ブレーキ機能がそもそも存在するのだろう?

そのVolvoが内蔵している安全システム、たとえば衝突回避や緊急ブレーキ機能も、自動運転モードでは不能にされていた。

【後略】
〔以下は筆者のUberを非難する感想文(かなり長い)のみ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、フォルクスワーゲンと提携して従業員用無人運転シャトルを開発

Appleは自動運転車の開発でVolkswagenと提携することを決めた。The New York Timesが今日(米国時間5/23)報じた。同紙によると、VolkswagenのトランスポーターT6を無人運転車に改造して従業員向けシャトルバスにする計画だ。

しかしプロジェクトは予定より遅れていて、Appleの無人運転チームはかなりの時間を費やしている。NYTによると、AppleのBMW、Mercedes-Benzらといった製造メーカーとの提携交渉は決裂した。

A Volkswagen T6 van

今月、Appleのカリフォルニア陸運局登録済みの自動運転車は55台に増えた。これはAppleがGeneral Motorsに続いて州で2番目に多く自動運転車を保有していることを意味している。Appleの標準的な自動運転テストでは、センサーと自動運転ハードウェアを装着したLexus SUVを利用している。

AppleとVolkswagenに連絡を取ったので、情報が入り次第本稿を更新する予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uber、アリゾナ州内の自動運転テストを終了

Uberは、アリゾナ州テンピで起きた死亡事故を受け、自動運転車の路上テストをすでに中止しているが、このほど同社はアリゾナ州でのテストを全面的に終了することを正式に発表した。The Wall Street Journalが最初に報じ、Uberの最新技術グループのトップ、Eric Meyhoferの社内メモを引用した。

これに伴いUberは300人のテストドライバーとの契約を解除した。これに先立ちアリゾナ州は3月にUberの公道でのテスト走行を正式に禁止している。

「われわれは自動運転技術に全力を注いでおり、近い将来公道に戻れることを願っている」とUber広報担当が声明文に書いた。「今後も徹底的な安全確認に焦点を絞り、元NTSB会長のChristopher Hartを招いて安全カルチャー全体について助言を求めている」

Uberは自動運転車の公道でのテストを今後数カ月のうちに再開することを望んでいると、Uber CEO Dara Khosrowshahiが今月のUberカンファレンスで語った。国家運輸安全委員会がテンピの事故調査を終えれば、Uberはサンフランシスコ、トロント、およびピッツバーグでテストを続ける計画だ。しかし、Uberがカリフォルニア州でテストを続けたければ、新たな認可を受けるとともに、「アリゾナでの事故の追跡調査結果」を提出しなければならないとDMVの法律顧問、Brian Soubletが3月にUberあてに出したメールに書いた。UberはDMVとの打ち合わせも設定する必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleの自動運転テスト車のカリフォルニア州における登録台数は55台で二位

Appleは今、カリフォルニア州自動車局に55台の自動運転車を登録している。年初には27台、昨年は3台だった。これを初めて報じたMac Reportsによると、これでAppleの自動運転車の台数はカリフォルニア州で第二位になる。

Appleの55台はWaymo(第三位)の51台よりも多い。General MotorのCruiseが、104台でトップだ。州自動車局に自動運転車を登録している企業は53社、409台、セーフティードライバーの数は1573名だ。

なお、上図の数はあくまでも、セーフティードライバーが運転席にいる状態でテストをしてもよい自動運転車の台数だ。州自動車局は、完全自動運転車のテスト許可台数を公表していない。完全なドライバーレスのテストは、それまでの自動運転テストの(自己制御成績等の)結果が100点満点でないと許可されない。

またそれらの車両は、安全規格SAEレベル4または5を満たしていなければならない。州自動車局によると、現在、ドラーバーレスのテスト申請を2件、審査している。

[セーフティードライバーの数]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AI自動運転レースカーがプロドライバーとタイムアタック合戦。26秒差で破れるも格段の進歩

eng-logo-2015AI搭載の自動運転EVレースカーによる無人レース開催を目指すRoboraceは、4月にイタリアで開催されたローマePrixにて開発車両DevBotのデモ走行を実施、人間とのタイムアタック合戦を披露しました。

以前のデモ走行では、コースの直線部分ではそこそこのスピードを出スことができたものの、カーブを曲がりきれずに壁にぶつかっていたRoboraceの開発マシンDevBotですが、その後も地道に開発は継続中。

フォーミュラE ローマePrixが開催される特設サーキットでのデモ走行では、Devbotのコクピットにドライバーが乗ったときと無人走行のとき、それぞれのタイムを競うという、ちょっとした催しがありました。コクピットに収まったのはプロドリフターのライアン・チュークです。

ライアン・チュークはドリフト競技のドライバーであるため、事前にフォーミュラEチャンピオンでRoboraceのCEOも務めるルーカス・ディ・グラッシに、ドライビングの手ほどきを受けました。とはいえ、初めて乗るマシンと不慣れな公道コースのせいもあり、練習走行では何度かカーブを曲がりきれずにオーバーシュートするシーンを見せていました。

しかし、そこはプロドライバー。いざタイムアタックに出れば、さらっと1分51秒台のタイムを記録して帰ってきました。これに対し、DevBotの自動運転によるラップタイムは2分18秒台でしかなく、約26秒という大差でライアンの勝利となりました。

レースカーのドライブは人間が持つ感覚と反射神経が物を言います。たとえばカーブでマシンがスライドすれば生身のドライバーは瞬時にカウンターステアを当てつつアクセルをコントロールして危機回避行動をとります。

これをロボットカーで再現しようと思えば、イメージセンサーとLiDARだけでなくGセンサーやアクセル開度などの数値を参照して瞬時に適切なステア舵角などを出力できる必要がありそうです。まして、まともにレースをしようとするならば、タイヤの温度や路面の汚れ具合まで感知できなければ安全には走れません。もし接触やクラッシュがあればコース上に落ちるデブリの認識や回避も必要になります。

しかし考えようによっては、いまこの時点での26秒という差は、もしかするとかなり小さなものなのかもしれません。Roboraceは2018年内にはDevBotが人間と同等の速度域に到達できると自信満々。もしそうなるならば、Roboraceから一般的な自動運転車開発メーカーへの技術供与なんてことも起こり得るのかもしれません。

Engadget 日本版からの転載。

Uber、自動運転車を「数カ月以内に」復活させることを表明

Uber CEO Dara Khosrowshahiは、3月にアリゾナ州テンピで起きた死亡事故を踏まえ、Uberの自動運転車の今後について手短に語った。今日(米国時間5/9)ロサンゼルスで行われたUber ElevateカンファレンスでKhosrowshahiは、Uberが「はっきりとは言えないが、数カ月以内に」自動運転車を復活させると言った。

正確に言うとKhosrowshahiは100%確信を持って答えたわけではない。つまり数カ月より長くかかっても私は驚かない。

彼は続けて、Uberが自動運転車を再び走らせるときは、「可能な限り安全な方法をとる」と言った。

Uberは3月の死亡事故のあと、自動運転車をすべて引き上げた。その後Uberはカリフォルニア州の試験運転許可を再申請しない決定を下した。同社の以前の許可は3月31日に失効している。

Uberがカリフォルニア州でテストを続けたければ、新たな許可申請が必要になり、さらに「アリゾナで起きた事故の追跡調査結果を提出する必要がある」とDMVの所長代理・法務責任者のBrian Soubletが3月のUber宛て書簡に書いている。UberはDMVとの打ち合わせも設定しなければならない。

国家運輸安全委員会(NTSB)の調査経過にづいて質問されたKhosrowshahiは、調査は継続中であると答えた。Teslaがオートパイロットシステムに関わる死亡事故についてよくしゃべりNTSBとの関係を損ねているのとは対照的に、Khosrowshahiは「調査結果を事前にツイートすることはない」と語った。

だからといってリークがないというわけではない。今週、The InformationがUberのソフトウェアに欠陥があったと報じた。具体的には、どの物体を無視してどの物体に注意するかを判定するソフトウェアに問題があったと記事は書いている。

この記事を受けUberはNTSBと積極的に協調していること、また事故の詳細についてはコメントできないことを話した。

「なお現在当社では、自動運転車プログラムの徹底した安全審査を進めており、元NTSB委員長のChristopher Hartを招いて当社の安全対策全般について助言を受けている」とUber広報担当者が声明で語った。「われわれの審査では、当社のシステムの安全性から運転手の訓練プロセスにいたるまですべてを精査しており、近いうちに詳しく報告したいと思っている」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

死亡事故を起こしたUberの自動運転車は被害者を見たけど無視したらしい

Uberの自動運転車による死亡事故の原因は、ソフトウェアにあったようだ。それは具体的には、どのオブジェクトを無視しどれに対応するかを判断するファンクションだ、とThe Information誌が報じている。これで、責任はUberの玄関の真ん前に置かれることになるが、そもそも最初から、それ以外と考えられる余地はあまりなかった。

どの自動運転車でも、その視覚系とバックアップは多重化されているから、どれか一つのエラーが、ライダーと前面カメラの直前で道路を横切ろうとしたElaine Herzberg〔被害者〕の感知を妨げたことはありえないと思われる。それなのに車は、ブレーキに触れることも、警報を鳴らすこともしなかった。同乗していたセーフティドライバーの不注意も相まって、このエラーはHerzbergの死に結果した。

関連記事: Uberの自動運転車はこのようにして歩行者を検出するようだ(未訳)

だから、ありうる可能性は以下の二つしかない:

  • A:オブジェクト認識システムの欠陥。それが、Herzbergと彼女の自転車を歩行者と認識することに失敗した。自転車や人間はそのシステムがもっとも有能に識別できるべきものに属しているはずだから、これはありえないと思われる。
  • B: 車の上位ロジックの欠陥。それは、どのオブジェクトに注意を払い、それらに関して何をするかを決める。たとえば路肩に自転車が駐輪していたら、徐行する必要はない。しかし車の前面のレーンに自転車が入り込んできたら、車は直ちに反応するべきだ。これ〔このロジック〕は人間の注意力と意思決定を模倣して、車が新しいオブジェクトを検出したときうろたえないようにする。

The Informationが引用している情報筋は、UberはBが問題であったと判定した、と言っている。具体的には、そのシステムは、対応すべきだったオブジェクトを無視するようセットアップされていた。すなわちHerzbergは検出されたが、擬陽性と見なされたようだ。

それは、まずい。

自動運転車の感覚能力は人間を超えている。漆黒の闇の中でもライダーの視程は数百フィートにも及ぶ。オブジェクト認識系は一度に数十の車や歩行者の動きを追える。レーダーやそのほかのシステムは自分のまわりの道路をまばたきひとつせず監視する。

しかしわれわれ人間と同じく、これらの感覚はすべて、“脳”に従属する。中央処理装置がカメラやセンサーからの情報を取り込み、それらを組み合わせて自分のまわりの世界の意味ある像を作る。そしてその像に基づく決定をリアルタイムで行う。Uberの例が示すように、自動運転車の中で製作がずば抜けて難しいのが、この部分だ。

あなたの目がどれだけ優秀でも、あなたの脳に何を見ているのか分らなかったり、正しい反応や応答の仕方が分らなかったら、何の意味もない。

Update: Uberは次のような声明を発表したが、上記の諸点には言及していない:

われわれは国家運輸安全委員会の調査に積極的に協力している。その調査活動への配慮と両者間の信頼関係に基づき、事故の詳細には言及できない。その一方でわれわれは、弊社の自動運転車事業の安全性に対する徹底的な調査を開始し、国家運輸安全委員会前委員長Christopher Hartを、安全性に関する弊社の企業文化に対する、アドバイザーとして招聘した。われわれの調査は、システムの安全性から車両オペレーターの教育訓練に至るまでのすべての領域をカバーし、近く結果を発表できるものと期待している。

これは前例のない状況なので、国家運輸安全委員会等からのレポートも作成が困難で、発表も遅くなるだろう。公式の発表の前に多くの情報の開示をしないことは、企業の場合も個人の場合も異例ではない。

〔訳注: 原文のコメントには専門家からの見解もあります。〕
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Waymoのバンがアリゾナで大きな衝突事故に遭う、違反車ではなかったが

Waymo(元Googleの自動運転部門)の自動運転車が今日(米国時間5/4)の午後、アリゾナ州チャンドラーで大きな事故に遭った。地元警察によると、セダンが別の衝突を避けようとして正規のレーンを逸れたときにWaymoのバンにぶつかった、損害は軽微、とABC 15が報じている。今、チャンドラーの警察に詳細を問い合わせている。

アリゾナでセーフティドライバーのいない車をテストしている、とWaymoは言っていたが、これは違う。衝突のとき人間運転者が運転席にいたが、しかし車は自動運転モードだった、と警察は言っている。

上空からのビデオを見ると、これは軽い接触事故ではない。セダンの前方クランプルゾーン(衝撃吸収帯)は壊れ、ガラスは割れている。バンに大きな破損はないが、右前のタイヤはつぶれている。どちらもその後、牽引移動された。

報道では、東に向かっていたセダンが交差点で別の車を避けようとして西行きのレーンに侵入し、Waymoのバンに当たった。そのとき後者が衝突を避けようとして何をしたかは、まだ分かっていないが、同社の記録から明らかになるはずだ。今同社に問い合わせているので、情報が得られ次第この記事をアップデートしたい。

画像クレジット: ABC 15

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カリフォルニア州が自動運転車の完全無人テストを許可、Waymoはさっそく申請か

Alphabet/Googleの自動運転車事業Waymoが、セーフティードライバー不在でカリフォルニアの公道に出られる、州が新たに設けた許可を、二番目に申請する企業になった。San Francisco Chronicleの記事が、そう報じている。これにより同社の車–ミニバン–が、マウンテンビュー周辺の路上に出ることになる。そこは同社が(Google時代も含めて)、大量のテストをして大量のデータを取得した地域だ。

同社はすでにフェニックスで、人間運転者のいない自動運転車を走らせ、先月は宣伝のためのビデオも撮った。だから今回のは、同社が自分の自信を示す初めての公開デモではない。

カリフォルニア州がセーフティードライバーが同乗しない自動運転車の許可を認めたのは、つい先日の4月2日からだ。あと一社申請しているようだが、それがどこかは分からない。今度の新しい許可では、従来的な手動制御がまったくない車でも認められる。ただしWaymoが申請したのは、Chrysler Pacificaの改造車だ。既存の商用車なら、実用化も早いだろうな。

最近はUberの自動運転車が歩行者に当たって死亡事故を起こし、Teslaも半自動モードでで人を死なせたから、セーフティードライバー抜きで公道を走ることには、ためらいの雰囲気があった。ただしどちらの事故も、事故時には運転席に人がいた。人がいなかったから事故が起きた、のではない。

申請が許可されたら、Waymoの車は走行範囲をマウンテンビュー地区に限定される。そこは、同社がGoogleの研究プロジェクトだったころから利用してきた場所だから、テスト地として理にかなっている。詳しいデータも累積している。地元当局とも顔なじみだから、万一の事故時にもあわてる必要がない。

テストの目的や内容はまだ明らかでないし、われわれプレスを乗せてくれるのかも分からない。今は、じっと待つだけだ。

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TeslaはModel 3のAutopilotの操作インタフェイスを使いやすくした

Model 3はAutopilotのコントロール方法が変わった。最近のアップデートでは、コントロールがインフォテインメントのスタックからステアリングホイールへ移った。それまでドライバーは、大きな画面を見ながらAutopilotのスピードや走行距離を変えていたが、その操作をするとき目が道路を離れてしまうのだ。

Model 3は、ミニマリズムの極地だ。そのために同社は、最良のインタフェイスをまだ模索しているようだ。たとえばModel 3では、ステアリングホイール上のコントロールは意図的に特定の機能に奉仕せず、車の役割に応じて変わるのだ。

2018.12のアップデートでは、右手のスクロールホイールが車のスピードを変え、その横のボタンが車間を変えるようになった。最新のコントロールは既存のコントロールを変えず、むしろそれらを補う。

Model 3の本誌のレビューでは、コックピットの簡素な設計に注目して、その長短を指摘した。前方視界に邪魔物がないのはすばらしいし、子どものころのソープボックスダービーで坂を転がっていくときのような、ピュアなドライブ体験が得られる。路面への接触感覚がとてもリアルだ。でもしかし、中央のタッチスクリーンへの依存が大きすぎて、単純なコマンドでも目が道路から離れることがよくある。

Autopilotがらみの死亡事故以降、Teslaに注がれる世間の目はますます厳しくなっている。今回のようなアップデートで同社は、オーナーの意見を取り入れてアップデートを実践していることを、見せつけようとしている。

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