App Storeでナンバーワンになる方法?サンドイッチをタダで配ること!

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Chick-fil-Aは新しいアプリのChick-fil-A Oneをローンチした。このアプリを使えば、モバイルで代金を支払ったり、商品をあらかじめオーダーしておいたり、報酬プログラムに加入したりといったことが出来る。

特に、顧客はレストランに出かける前に、アプリを使って自分のオーダーをカスタマイズし、レストランに着いてから列に並ぶ手間を省くことが出来るようになる。そして、報酬プラグラムに入っていれば、これまでの自分のオーダーに基づいて違ったメニュー項目が現れ、顧客はちょっとした驚きを味わえる。また、報酬プログラムの状況はアプリでチェックすることが可能だ。

確かにクールではあるのだが、アメリカ中のiPhoneアプリの中で現在ナンバーワンになるほどのものとも思えない。特にマクドナルドが全米で15000店舗ほどあるのに対しChick-fil-Aは2000店舗以下である点を考慮するとなおさらだ。

それではなぜそのアプリが現在app storeで首位なのだろうか。その理由は同社がそのアプリをダウンロードして報酬プログラムにサインアップした人全員に同社のサンドイッチを無料でプレゼントしているからだ。

実際、アプリのアップデート版は5月下旬からダウンロード可能だったが、100位にすら入っておらず、それは本日朝、同社がサンドイッチ無料キャンペーンを発表するまでずっとそんな感じだった。それが、突然500位近くもランキングが急上昇した。これはおそらく国中の腹ペコChick-fil-Aファンが加担したと思われる。

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しかしこの作戦は持続可能だろうか。いや、難しいだろう。ほどんど四人に一人はアプリをダウンロードした後、たった一回使った後はもう見向きもしないということは既にお話した通りだ。Chick-fil-Aのアプリがどれだけ素晴らしくても、その問題に直面することは不可避であり、特に無料サンドイッチを一旦あげてしまった後はなおさらだ。

とにかく、同社がapp storeでの栄誉を15分間楽しむ間に、その特典を利用してサンドイッチをタダでもらってしまおう。アプリはiOSのApp StoreGoogle Play Storeでダウンロードできる。

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(翻訳:Tsubouchi)

シリコンバレーでエンドウマメからミルクを作るRipple、すでに全国販路を確保

ベイエリアは新しい文化や、世界の問題に対する新しい解決方法を育てる。それには、食べ物の問題も含まれる。たとえばシリコンバレーのRipple Foodsは、エンドウマメの蛋白質で酪農産業をディスラプトしようとしている。

ここ数年、同社のように、研究室や実験室から生まれて一般消費者市場をねらう、新しいタイプの食品企業が増えている。Memphis Meatsは、動物の細胞の細胞培養で肉を作っている。Impossible Foodsは植物原料のバーガーを作り、Clara Foodsは、鶏を使わずにイースト菌を使って卵白を作っている。

牛乳は体に良いと言われているが、しかし酪農は、排出する大量のメタンガスにより、地球温暖化の最大の犯人と呼ばれることもある。Rippleのファウンダーたちはこの問題を解決しようとして、エンドウマメという素朴な食べ物に目をつけた。

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Rippleの最初のノンミルクミルクはエンドウマメの蛋白質が原料だ。

牛乳に代わるミルク製品はすでにいろいろあるが、その多くが問題を抱えている。たとえば大豆の多くは遺伝子組換え作物であり、農薬を大量に使っている。アーモンドミルクは製造過程で大量の水資源を濫費するし、ココナッツミルクは過敏性腸症候群の人たちに合わない。

しかしエンドウマメは資源量が豊富でビタミンが多く、遺伝子組み換え品種がない。ビタミンとミネラルではとくに、ビタミンK、マンガン、食物繊維、ビタミンB1、銅、ビタミンC、リン、そして葉酸が豊富だ。

Rippleは、これまでのものよりも優れた、牛乳代替製品を作れた、と信じている。原料はエンドウマメだが、豆スープの味や食感はなくて、舌触りは完全にミルクだ。

Rippleは“完全菜食者向き”を謳い、ラクトースやナッツ、グルテンを使用していない。遺伝子組み換え作物を使わず、牛乳やナッツミルク、豆乳などに比べて製造過程における水の使用量は96%少ない。

同社はこれまで1360万ドルの資金を調達し、4月に最初の4種類のノンミルク製品を全国のWhole Foods店で発売した。それらは、オリジナル、オリジナル無糖、ヴァニラ、そしてチョコレートだ。

協同ファウンダーのNeil RenningerとAdam Lowryは共に、Rippleの前にも起業に成功した経験がある。LowryはMethod Soapの創業に加わり、そしてRenninger、再生可能化学製品の企業Amyrisの成長を助け、同社は2012年にIPOした。

私は同社のEmeryvilleの研究所でRenningerとLowryに取材し、同社のミルク代替製品を飲ませていただいた。

上のビデオには、私がRippleを飲んでいるシーンもある。ご覧になれば、同社をより詳しく理解できるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

食べ物中のグルテンを検出する6SensorLabsが$9.2Mを調達、そのほかのアレルゲン検出にも取り組む

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Nimaは、CES 2016で好評だった。この小さなグルテンセンサー〔上図〕は本誌主催のHardware Battlefieldで優勝し、テクノロジー系のメディアがこぞって取り上げた。そのNimaが今日(米国時間5/19)、シリーズAで920万ドルの資金を調達し、グルテン以外のアレルゲンの検出にも取り組むことになった。そして実は同社は6SensorLabsという社名だったが、これからは製品名であるNimaを、社名にすることになった。

この資金調達ラウンドはFoundry Groupがリードし、Upfront Ventures, SoftTech VC, SK Ventures, Lemnos Labs, Mitch Kapor, それにNestの協同ファウンダーMatt Rogersが参加した。Foundry Groupの専務取締役Brad Feldが、Nimaの取締役会に加わった。

CEOのShireen Yatesはこう語る: “Nimaのビジョンは、誰もが自分の食べ物のリアルタイムデータを入手でき、誰もが、今自分が体に何を入れようとしているのか正確に分かる世界を築くことだ。新たな資金によりわれわれの技術の能力を拡大し、全世界における、食べ物の透明性を求める需要の高まりに対応できることに、喜びを感じている。今回の資金が投じられるのはR&Dの方面、とくに、ピーナッツとミルクなど、グルテン以外の物質をテストできるセンサーの開発だ”。

一方、同社の最初の製品であるグルテンテスターは、今、ベータの最終段階に入り、今年後半には発売できる予定だ。

本誌Startup AlleyにおけるNimaのプレゼンテーション

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

水出しコーヒーを短時間で作るFirstBuildのPique、近くIndiegogoでクラウドファンディングデビュー

GEの製品開発パートナーFirstBuildが、家庭用の水出しコーヒーメーカーPiqueを発表した。

コーヒーはここ数年で、毎日の無感動な習慣からアートに変わった。ドリップ式コーヒーメーカー、フレンチプレス、シングルサーブ、プアオーバー(ポアオーバー)、それに最新のハイテクマシンの数々が、あの、豆の匂いのする調合薬品のような飲み物を、どれでも、あなた好みの美味に変えてくれる。

今あるそれらがお世話をするのは、ホットコーヒーの味と香りにうるさい人びとだ。しかし今や、水出しコーヒーが急速にブームになりつつある。飲食品に関する消費者調査サイトMintelによると、水出しコーヒーの売上は2014年から2015年にかけて115%増加した(2倍強)。

水出しはホットに比べると時間がかかる(平均12時間ぐらい)。そこでPiqueマシンは、それを12分に短縮した。

FirstBuildはケンタッキー州ルイズヴィルの企業だが、世界中から作品が集まるコーヒーメーカーのデザインコンペを行い、そこで優勝したデザインを近くIndiegogoでクラウドファンディングし、そのマシンを市場に出すための資金を得たいと思っている。

同社はGEのパートナーであることが基本的な資金源だが、スマートホーム製品の売り方としてはParagonの誘導レンジOpalのナゲット状アイスメーカーMonogramのピザ用オーブンなどに倣おうとしている。

この水出しコーヒーメーカーの値段は未定だが、FirstBuildによると、家庭用のコーヒーメーカーとしては高級品の部類になるだろう、という。

本誌TechCrunchはこの夏発売予定のPiqueを、本誌のスタジオで一足早く見ることができた。上のビデオではFirstBuildの協同ファウンダーTaylor Dawsonが、彼の最新の発明について語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Skypeの共同開発者やNokiaのチェアマンも注目するするフードデリバリー・サービス

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編集部注:本稿はテルアビブ在住でスタートアップの取材などを行なっているDennis Mitznerによる。

フードデリバリーの分野には豊富な資金をもった巨人たちが既に参入しているように思える。しかしそんな中にあってもヘルシンキに拠点をおきフードデリバリー・サービスを手がけるWoltが、有名所から1100万ドルもの資金調達に成功した。Woltからのアナウンスによれば、出資したのはSkypeのファウンダーやNokiaのチェアマンなどであるとのこと。

「現在、北欧およびバルト海地域でサービス範囲を拡大しているところです。調達した資金は、新規サービス拠点および既存サービス拠点での人材確保のために使う考えです。さらには本部にて製品開発も行なっていきたいと思っています」とWoltのCOO兼共同ファウンダーであるJuhani Mykkänenは言っている。

今回の出資をリードしたのはEQT Venturesで、Skype、Ilkka Paananenを起業し、SupercellのCEOを務める著名投資家のニクラス・ゼンストローム(Niklas Zennström)も出資している。さらにはノキアのチェアマンであるRisto Siilasmaaも、前回に続き出資を行なっている。

今回の資金調達に伴い、Booking.comの前CEOであるKees Koolenが取締役に加わることともなった。

今回の資金調達の結果、Woltの調達額は1400万ドルとなった。

ちなみに前回のラウンドではInventure、Lifeline Ventures、Pii Ketvel、Supercellの共同ファウンダーであるVisa Forsten、および不動産王でフィンランド屈指の富豪であるPoju Zabludowiczなどが出資を行なっている。

フードデリバリーのヒートアップはこれからだ?!

Woltが行うフードデリバリー・サービス界には30億ドルの市場評価をうけるDelivery HeroJust EatTake Eat EasyDeliverooGrubhubSeamless、およびFoodoraなどが参入している。

「世界をみれば、もっとたくさんの有力サービスがあるのでしょう。ただ、私たちのサービスにおける最大のライバルは街角のコンビニエンスストアだと考えています。人々も街角に何でも揃う店があることを当然だと考えて行動しています。フード関連サービスの(アメリカにおける)デジタル化率は0.5%程度で、宅配ピザ以外の成功事例というものがまだ出てきていないように思うのです。そこにチャンスが眠っているはずだと考えています」と、WoltのCEO兼共同ファウンダーであるMiki Kuusiは述べている。

確かにここにあるチャンスに注目する人は少なくないようだ。たとえば4月にはAlibabaは中国でフードデリバリー・サービスを手がけるEle.meに対し、9億ドルの出資を行なっている。ロンドンでオンデマンドデリバリーのサービスを行うJinnも750万ドルを調達している。3月にもフランスを拠点にデリバリーサービスを行うFrichtiが1340万ドルを調達して、サービス範囲拡大のためのインフラ整備を行なっている。

このような状況を考えてみると、数多くのライバルたちがWoltを待ち受けている状況だということができる。ただ人口こそ540万ほどと少ないものの、フィンランド内でかなりの市場シェアを握っている点には期待できるようだ。

「登録利用者は10万人で、提携レストランは450軒というのが現状です」とMykkänenは言っている。

フィンランドのように、極北の寒い地域にあっては、確かにデリバリーサービスは多くの人に受け入れられることだろう。冬も長く、外を出歩くのは大変なことだ。

アメリカについてみれば、食品の持ち帰りおよびデリバリー市場は700億ドル規模となっている。しかしオンラインでの規模を見ると90億ドルという状況だ。

ちなみにWoltも他のデリバリーサービス同様に、手数料で収益をあげるモデルを採用している。

Mykkänen曰く「持ち帰りについては少額の、そしてデリバリーについては少し高めの割合を店舗からもらうようになっています。売れたときのみの課金で、月額の利用料や入会金などはありません。利用者の方については、サービスはすべて無料でご利用いただけます。サービスを利用することにより、実際の店舗の価格よりも高額になるようなこともありません」。

資金調達を報告した際の話によれば、Woltは32軒のレストランと提携して、ストックホルムでもサービスを提供する旨がアナウンスされた。Woltにとって、ストックホルムがフィンランド国外での最初の拠点となるわけだ。

「ストックホルムにも優秀な人材が揃いました。北欧の他の地域でも人材を獲得してサービスを展開していきたいと考えています。これからの私たちの成長にぜひご注目ください」とKuusiは述べていた。

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(翻訳:Maeda, H

遺伝子組み換え作物ではない遺伝子“編集”作物は農務省が規制しないので将来性あり

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遺伝子組み換え作物(GMO)は今、遺伝子編集という新しい技術のおかげで、変わろうとしている。

その最新の例は、CRISPR(クリスパー)を利用して遺伝子を編集した白いボタンマシュルームだ。‘編集’とはこの場合、生物のDNAのパーツを切って並べ替えることだ。

合衆国農務省によると、そのマシュルームは、別の、有害かもしれない、バクテリアのDNAを使っているGMO植物のような危険性がないと思われるので、規制の対象としない。

ペンシルヴェニア州立大学の植物病理学者Yinong Yang博士は、マシュルームのDNAを変えて、酸素に触れても褐変しないようにした。そのコード中の二つの文字を入れ替えただけで、キノコは褐変しにくくなった。

しかし昨年10月に初めて組み換え種を作ったときには、その、遺伝子を変えたマシュルームが農務省の認可を必要とするのではないか、とYang博士は危惧した。

農務省の動植物健康検査サービス(Animal and Plant Health Inspection Service, APHIS)は、アメリカの農業環境を問題のある植物から守る機関で、検査の対象には、バクテリアやウィルスからのドナーDNAを使って植物の病虫害耐性を強化した作物も含まれる。

しかしCRISPRには、従来のGMOにない抜け穴がある。Yang博士はマシュルームに他の生物のDNAをいっさい加えていない。むしろその小変化は、マシュルーム自身の遺伝子で起きている。

CRISPRはかなり新しい技術だが、バイオテクノロジーの分野に新しい生命(いのち)を与え、明らかに規制をめぐる疑問を喚起している。USDAは、自分のDNAを改変した作物を問題視するのだろうか?

過去5年間で30件の、何らかの形で遺伝子編集技術が関わった作物が登場したが、マシュルームはその一つにすぎない。しかしこれまでのところ、答はノーである。

APHISはペンシルヴェニア州立大学宛の4月13日付けの書簡で、マシュルームは確実に規制検討の対象外だ、と確認した。

USDAは次のように声明している: “APHISにはCRISPR/Cas9ホワイトボタンマシュルームが有害植物であると信ずべき理由がない。したがって、同様の質問状に対する前回の応答と同じく、APHISはCRISPR/Cas9により編集されたホワイトボタンマシュルームが、2015年10月30日の貴書簡に記述されているように、連邦規則集第340部により規制されるべきとは見なさない”。

Yang博士は今、彼のマシュルームの企業化の可能性を、思いめぐらしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インターネットに接続するスマートワインボトルKuvéeが$6Mを調達、予約販売を開始

最近はあらゆるものが“スマート”(電脳化)だから、ワインボトルがインターネットに接続されても不思議ではない。そのKuvéeという名の、再利用性のあるボトルケースは、ワインの鮮度を最大30日キープする。

General CatalystやFounder Collectiveなどから600万ドルを調達したKuvéeは、ワインの履歴や合う料理などを知らせるタッチスクリーンの画面で、ディナーに招いたゲストたちを感動させるだろう。正しい飲み方、ユーザーの好みに合わせて個人化されているワインのリコメンデーション、同じワインの再注文、などの情報や機能もある。

一度開けたボトルの(ワインの)鮮度を保つ技術で特許を取ったCEOのVijay Manwaniによると、飲みかけのボトルでも一週間はフレッシュな味と香りを維持するそうだ。

Kuvéeのシステムは、Bonny DoonやPine Ridgeなど、カリフォルニアの高級ワインと相性が良い。750mlのボトルが15ドルから50ドルぐらいだ。

今日(米国時間3/28)からKuvéeは、予約販売をKuvee.comやIndiegogoで開始する。179ドルの予約価格には、システムのほかに4本のワインが含まれる。

Kuvéeのデモビデオ(上図)を見てみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

自然食お届けのHungryrootが急成長の勢いで$3.7Mを新たに調達

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ブラックビーン(黒インゲンマメ)で作ったぶどうパン、ヒヨコマメで作ったクッキーなど、一風変わった食品を得意とするHungryrootは、昨年ニューヨークでローンチした、菜食/自然食品のミールキットを製造販売するスタートアップだ。ミールキット(meal kit)とは、一パッケージで一人一回分の食事が成り立つような加工食品のことだが、同社の製品は7分以内で食べられる状態になる。

立ち上げ直後から急成長したHungryrootはこのほど、Lightspeed Venture Partners, Lerer Hippeau Ventures, Crosslink Capitalなどから追加資金370万ドルを調達し、調達資金の総額が600万ドルになった。

“今こそ、事業を加速すべきタイミングだ”、とファウンダーでCEOのBen McKeanは語る。同社の製品はすでにAmazonで買えるが、今後は自然食品専門のスーパーマーケットWhole Foodsへの進出をねらっている。

Blue Apronなどと同じく、Hungryrootも完全に一人一回分の食事内容が一個の製品を構成する。でも会費制ではなくて、一種の、“健康に良いインスタント食品”のようなイメージ、ないし位置づけだ。

McKeanによると、ほかのオンデマンドなどの食品配達サービスは“食べ物を人びとに届ける方法のイノベーションだった”が、Hungryrootは、“人びとに届ける食べ物のイノベーションだ”、という。

CEOのおすすめは、メープル・ヒヨコマメ・パンケーキ・バッター(maple chickpea pancake batter)とアーモンド・ヒヨコマメ・クッキー・ドー(almond chickpea cookie dough)とスイートポテト・カカオムース(sweet potato cacao mousse)だ。私はブラックビーン・ブラウニーが好きだが、その原材料はアーモンドバターとスイートポテトと完全植物性のチョコレートチップを使っている。そのバッターは、全体として‘本当の本物’という味だ。〔バッター(batter)とドー(dough)は焼く前の生地。〕

Lightspeed Venture PartnersのJeremy Liewは曰く、Hungryrootに投資したのは、同社の思想や製品が“The Honest Companyにとてもよく似ている”からだ。Liewはこの、Jessica Albaの有機指向の企業にも投資しているが、こちらは今や10億ドル企業だ。“最近では消費者の健康意識が高まり、良質な食べ物を選ぼうとしている”、と彼は語る。

Hungryrootは昨年のシードラウンドで、Brooklyn Bridge VenturesやMesa Ventures などから200万ドルを調達している。

CEOのMcKeanはこう言う: “ Hungyrootのクッキーを食べたら、もう二度と、そこらのふつうのクッキーを食べる気にならないよ”。

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世界中の麺食300万種のレシピを見られるiOSアプリNoodler、React NativeでAndroid化も簡単

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あなたが麺食いの人なら、そんなあながたよだれを垂らすアプリがある。麺食いでない人も、今日からぜひなるべきだ。

“えっ、麺料理のためのアプリなの?”、とあなたはいぶかるかもしれない。

そう、世界中に人気の麺がある。ベトナムのフォー、日本の味噌ラーメン、タイのビーフラーメン“クイティオ”、などなど、麺スナックは幅が広くて、奥が深い。

奥が深すぎてあなたが麺大陸で迷子にならないために、iOSアプリNoodlerが登場した。デザインとアニメふうのイラストがきれいなだけでなく、この、麺のバイブルのようなアプリは、300万種の麺+スープ料理のレシピを集めている。もちろんそれぞれに、材料のリストと作り方がある。

ふつうにアプリを開くと、ランダムに選ばれたスープ麺が現れる。それが気に入ったら、そのどんぶりをタップするとレシピのページへ行く。あるいは、ボタンを叩けば麺とスープのいろんな組み合わせが次々と出てくる。ぼくもそうやって、おいしそうなのを呼び出せた。

このアプリを作ったのは、ニューヨークのライターでイラストレーターのMichele Humesだ。彼が卒業した学校は、フランス料理の学校French Culinary Instituteだ。デベロッパー兼デザイナーは、スペインのセビラに住むJoshua Sierlesだ。アプリは、ニューヨークとスペインのグローバルなコラボで完成したのだ。

Humesはこう言ってる、“Noodlerは麺料理に対するぼくのラブレターだ。なによりも、その美しさを表現することに力を入れた。しかも発見機能があるから、立派に実用アプリだ。単なる、見たら終わりのeブックではない。このアプリは、麺とスープの組み合わせの、無限に近い自由と多様性を見せるのだ”。

Appleも彼の意見に同意したらしくて、中国版のApp StoreではNoodlerが複数回フィーチャーされた。ほかの国では、まだだけど。

今はiPhoneだけのアプリだが、デベロッパー/デザイナーのSierlesによると、すでにAndroidバージョンに着手している。もうすぐ、のようだね。

“アプリはReact Nativeで作っている。Facebookが提供している比較的新しいクロスプラットホームなフレームワークだけど、Androidへのポートもかなり簡単だ”、と彼は説明する。React Nativeなんて、まだ知らない人が多そうだな。

Noodlerは今無料だが、今後は無料版はレシピの数を制限し、買えば全ライブラリにアクセスできるようにする。いずれにしても麺食大好き人間なら、無視できないアプリだ。App Storeのここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

モバイルアプリ付き、70ドルの高級お弁当箱Prepd Packが半日でKickstarterの目標額を突破

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毎朝お弁当を作って職場に持っていくことは、もっと簡単になるべきだ。

昼食を自分のお弁当ですませることには、たくさんの利点がある。より‘持続可能’であり、自分の体に入るものを自分で管理でき、お金の節約にもなり、そして多くの場合、とっても健康的だ。

今日(米国時間1/19)はKickstarterに、Prepd Packというお弁当箱が登場した。それは、見た目のデザインと、ユーザのウェストラインを重視する製品だ。料理を区分けするモジュール構造は、いかにもお弁当箱的だが、でもこの“デバイス”は、ちゃちいタッパーウェアに代わって、すっきりとした竹製品を使い、それをマグネットで閉じる。中には丈夫な容器がいくつかあり、ナイフやフォークは、これもマグネットで固定して、ばらけないようにしている。

チームにはCESで会ったし、そのとき完成間近のプロトタイプも見た。そのとき、デザインには相当力を入れていることが、よく分かった。ここまできれいに仕上がっていれば、堂々と会社に持っていけるだろう。

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しかもこれは、おしゃれなランチボックスであるだけでなく、ユーザの栄養チェックもやってくれる。まず、容器はわざと小さめにして、“小分けにする”という目的に奉仕している。鶏の丸焼きなどは、入れられない。

またPrepd Packの付属アプリが、専門の栄養士やシェフが作った、容器にぴったり入る量のおかずメニューのレシピを教えてくれる。また、アプリはiOSのHealth Kitを統合しているので、自分の健康データも見られる。

以上のように、デザイン的にも構成的にもお弁当箱の高級品だから、Kickstarter支援者のためのお値段は50ドルからと、少々お高い。小売価格は70ドルを予定している。今朝(米国時間1/19)ローンチしたばかりのPrepd Packは、ほぼ半日で目標額の25000ドルを超えてしまった。初期支援者への発送は、6月を予定している。

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コーヒーの飲み方に革命をもたらすBonaverdeCESのステージに登場…生産農家と消費者の直結を目指す

数年前にKickstarterで70万ドル近くを集めたコーヒーマシンのBonaverdeが、今年のCESのステージに登場した。それは、豆を煎ることから始まり、それを粉に挽き、コーヒーを淹れるまで計15分という、これまでになかった高速自動機だ。

Kickstarterの支援者が何千にもなったとき、彼らの期待にちゃんと応えるのはたいへんである。Bonaverdeは今でも、同社のスマートコーヒーマシンを作って支援者に送る、という作業を毎日続けている。でも、そのあとの計画もある。

Bonaverdeの協同ファウンダHans StierはCESのステージで、同社は単なるハードウェア企業ではない、と述べた。今後に関して考えているのは、消費者とコーヒー生産農家を直接結びつけることだ。今でも、生豆(なままめ)は商社などからでなく、生産者から直接仕入れている。それを、同社のマシンがローストして挽く。

もうひとつ考えているのは、マシンの小型化。会社の自分のデスクでも気軽に使えるようなBonaverdeコーヒーメーカーだ。

Bonaverdeがここまで来るのに、苦労も少なからずあった。ある社員が、設計図をすべて持ってドロンしたこともある。しかしそれでもBonaverdeは、今後とも、コーヒー消費形式のディスラプトに邁進するつもりだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

小売価格1300万ドルの紅茶を淹れるロボットTeforiaが$5.1Mのシード資金を獲得…紅茶道は奥が深い?

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どんな茶葉からも完璧な紅茶*を淹れる、と称するTeforiaが、510万ドルの資金を獲得して、その市場をさらに拡大しようとしている。〔*: もっと広く、あらゆる“お茶”かもしれない。〕

同社は、この比較的お高い製品の最初の予約販売に成功し、一台649ドルのクラウドファンディングキャンペーンで30万ドルを集めた。似たような製品にワンタッチティーメーカーBrevilleがあるが、こちらは慎ましく、Amazonで242ドルだ。

ファウンダのAllen Hanによると、Teforiaは他とまったく違う。“Teforiaはきわめて科学的であると同時にきわめて芸術的だ”、と彼は主張する。自分の企業を創業する前にXBOX 360やKindle Fireのデザインも手がけたことのあるHanは、Teforiaでは紅茶の浸出過程を眺(なが)めるのが楽しい、とも言う。“しかも紅茶の種類等によって自動的に淹れ方を変えるSIPシステムにより、紅茶のさまざまな成分を抽出できる”。

SIPはSelective Infusion Profile System(浸出方式の性格を選択できるシステム)の頭字語で、HanがTeforiaのために開発した独自の技術だ。彼によると、この特殊なシステムにより、マシンはさまざまな茶葉に対して正しい淹れ方を直観的に推量し、個々の品種の最良のものを取り出す。

Hanによると、Teforiaは最初の500台が、メディアキャンペーンの成功と、シリコンバレーのテク企業の役員に売るというマーケティングが功を奏して、すぐに売れた。現在同社は、このデバイスの第二回目のバッチを計画している。その計画によると、最初の250台を699ドルで売り、それ以降は通常小売価格の1299ドルで売る。発売は2016年の春だ。

この二度目のバッチでは、予約販売の売上が製造の資金に回ることはない。調達した資金がすでにある。製造だけでなく、研究開発と成長戦略にも資金を回せる。

今回の510万ドルのシードラウンドはUpfront Venturesがリードし、Lemnos Labs、PreAngel、InnoSpringなどが参加した。

それは良い賭けだろうか? 平均的な紅茶好きが700〜1300ドルの道具を買うとは思えない。でもStatistaによると、お茶を飲ませるビジネスは今370億ドルの産業であり、2021年には440億ドルに成長すると予想されている。伝統的にコーヒーが支配している合衆国ですら、最近は健康志向から、紅茶の愛好家が増えている。お茶の出し方淹れ方に非常にこだわりたい人なら、良い道具に1000ドルぐらいは平気だろう。

Upfront VenturesのパートナーYves Sisteronは、自分自身が自称“熱心な紅茶党員”なので、今回の投資を決めた、という。“Teforiaにできることと、グローバルな紅茶市場の巨大さを考え合わせると、この会社を早急に支援することは当然だ”。

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B2Bの食配サービス、その理想像のひとつをEAT Clubに学ぶ

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1か月前にEAT Clubという企業からPR素材が送られてきたのだけど、正直、それまでの私はこの会社の存在すら知らなかった。そして同社は、資料を送ってくれたPRの人たちにありがとうと言いたいぐらい、学ぶところの多い企業だ。

2010年に創業したEAT Clubは3年ほど前に、消費者企業から企業対象の食配ケータリングに方向転換した。というかEAT Clubのお客は最初から、オフィスで働く会社員なのだが、最初同社は、彼ら個人に直接売っていた。だから一応、“消費者企業”だ。そして3年前に、売る対象を個人からその社員のいる企業に切り替えたのだ。CEO Frank Hanの言葉を借りれば、2013年の秋にEAT Clubは、B2Cのフードビジネスは難しい、と悟った。

今のEAT Clubは、NetflixやTesla、DogVacay(ドッグシッター)、Atlassian、Samsungなどの企業が顧客だ。今EAT Clubが食配している顧客企業は常時700社あまり、今でも売上は急速に増えていて、利益率も良く、個人レベルのリピート率も86%と高い。

EAT Clubの、一人の配送員の一回のデリバリサイズは平均300ドルで、これはB2CのSprigやPostmates、DoorDashなどのおよそ10倍だ。2013年から利益が出ていて、今、一食の貢献利益率は25%だ。貢献利益とはこの場合、売上額から製造コストとデリバリコストを引いた額で、そこからさらに社員の給与などが出て行く。

社員といえば、EAT Clubでは配送員も契約社員などでなく正社員だ。EAT Clubは創業時から、配送のスケジュール厳守と、社員への教育訓練の徹底をモットーにしていた。

“それは、契約社員ではできないからね”、とHanは言う。“誰でもいいから仕事をしたい人が来てくれればいい、とは思わないよ”。

これまで1650万ドルの資金を調達しているEAT Clubは、売上の96%がリピート顧客からだが、売上高は公表していない。しかしHanによると、年商は2500万ドル+αで、今でも急速に成長している。4年前に創業したコンペティタのZeroCaterは、この夏の雑誌記事で年商は1億ドルあまりと言っている〔事業形態がEAT Clubとは相当違う〕。おなじくコンペティタのCater2MeとZestyは、年商額が数千万ドルのオーダーだそうだ。

EAT Clubの今のテリトリはサンフランシスコとパロアルトとサンホセとロサンゼルス。企業は社員福祉の一環として、EAT Clubのお弁当を社員に提供する。企業はEAT Clubに、社員一人あたり100ドルを前払いしてもよいし、あるいは代金を毎週払ってもよい。次の12か月の同社の目標は、企業顧客をもっと増やすことと、市場の拡大だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

壁にかける小さな棚で21種類の野菜やハーブを水耕栽培するEdn、iPhoneアプリがユーザを教育する

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父の家は農家だった。毎晩彼のキッチンテーブルに並ぶ食べ物は、実家の畑から運ばれてきた。私はそうやって郊外で育ち、今は都市に住んでいる。食べ物はもっぱら、近くのグロサリーストア(八百屋兼食料雑貨店)やレストランに依存している。未来の子どもたちの食べ物はインターネットから、びん詰のSoylentみたいな形でやってくるだろう。

デンヴァーでステルスしているスタートアップEdnは、そうなることを防ごうとしている。

Ednは壁にかける装置で(下図)、数種類の野菜の自動栽培を行う。ほかに必要なのは、iPhoneアプリと人間ユーザの愛とお世話だ。

21のスロットがあり、そこでさまざまな野菜やハーブを育てる。“十分な量の”植物を、同時に栽培できる。ユーザはEdnを電源につなぎ、種(たね)を播き、タンクに水を入れ、ときどき肥料を足す。

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“自動化はするけど教育を忘れているテクノロジ製品が多い”、とファウンダのRyan Woltzは言う。“Ednでは、植物が発芽すると何を見るべきかを教え、収穫時期も教える。だから、目の前でいろんなハーブや野菜を育てながら、それらについて学ぶことができる”。

Ednは壁掛け方式なので、カウンターやテーブルのスペースを占領しないし、だれでも(ニューヨークの狭いアパートに住んでいる私でも)自分の食べ物を育てられる。

Ednは目下開発途上だが、Woltzは私が見せてもらったプロトタイプを使って、タイムやコリアンダー(シャンツァイ、香菜)、ピーマン、ルッコラ、ローズマリー、そしてかぼちゃを作っていた。そしてデバイスは、照明の付いた三段の棚、といったところだ。

厳密に一つのスロットで一種類だけ育てるとすると、21種類を栽培でき、完全水耕だからユーザが日常やることは何もない。発売は来年半ばで、定価399ドルを予定している。Woltzは次の製品として、育苗器を考えている。

Ednは、本誌がデンヴァーで行ったTC Meetup + Pitch-off集会で二位になった。詳しくは、同社のWebサイトを見てみよう。

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完全植物性のチーズバーガーを作るImpossible FoodsがGoogleの買収オファーを蹴り$108Mの巨額をBill Gatesらから調達

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カリフォルニア州Redwood Cityの、今年で4歳になるImpossible Foodsは、健康が人生のトッププライオリティになる次の世代のための肉とチーズ、すなわち完全に植物性の肉とチーズを作っている。同社はこのほど、強力な支援者たちから新たに1億800万ドルの資金を調達した。

ラウンドをリードした投資家はUBSで、参加したのはViking Global Investorsと初期の支援者Khosla Ventures、Microsoftの協同ファウンダBill Gates、Horizons Ventures(香港の大物事業家Li Ka-shingの投資企業)だ。

Impossible Foodsを創業したPatrick Brownは、スタンフォードで25年間、生化学の教授を務め、その後カリフォルニア州Haywardにこれも今年で4歳になる食品企業Kite Hillを協同ファウンダとして創った。ここで作っているさまざまなナッツミルク製品は、同社によれば、それらが置換した酪農製品に比べて健康的で持続可能的である。

Kite Hillのそのほかの協同ファウンダは、完全菜食主義のシェフでセレブのTal Ronnenとチーズのメーカー企業Monte Casinoだ。製品はアーモンドミルクで作ったチーズ、リコッタ、ラヴィオリ、そしてクリームチーズのようなナッツチーズはWhole Foodsなどの一般スーパーでも売られている。

Impossible FoodsもKite Hillと同じく、Brownの目標は、美味しいだけではなく、コレステロールとホルモンと抗生物質ゼロの食品を作ることだ。同社の旗艦製品は、植物原料だけのチーズバーガーだ。

同じくBrownにとって重要なのは、急増している地球の人口の食を助けることだ。植物原料の食品に目をつけ、投資額を増やしている投資家たちの展望も、同じだ。現在の推計では2050年の地球の人口は95億になる。1940年の地球人口はわずか30億だった。

Impossible Foodsの前回の資金調達ラウンドは、7500万ドルだったようだ。

この夏は、Googleが同社を買収するという話もあった(The Informationの記事より)。情報筋によると、その話が壊れたのは、Impossible Foodsが提示額2億〜3億ドルを蹴ったからだ。安すぎる、と彼らは感じた。

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地域農家農業と地域消費者をコミュニティで結びつけるFarmigo、好調なフードテック企業として創業6年、シリーズBで$16Mを調達

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地域農家の市場をディスラプトしようとする、創業6年目のFarmigoが、シリーズBで1600万ドルを調達した。

ファウンダでCEOのBenzi Ronenによると、同社は農家のためのソフトウェアデベロッパとしてスタートしたが、消費者が新鮮な農産物を入手できるマーケットプレースと、そのための地域の“食べ物コミュニティ”の育成に関心が移行した。地域の学校や企業も、そのコミュニティの核になりえる。Farmingoは2011年の本誌TechCrunch主催スタートアップコンペDisruptで、プロダクトの一つをローンチしている。

Ronenによると、このコミュニティスタイルのマーケットプレースは、従来の農家の市場に比べて生産者と消費者の両方にとって便利である。従来の市場構造では、地域の農作物を農家の近隣地域の人たちが買えないことが多い。遠くまで毎週買い物に行くのは、時間的にたいへんである。また、よくある、地域農業そのものをコミュニティがサポートする事業では、各週の限られた生産物を、消費者がむりやり買わされるパターンになることが多い。それに比べるとFarmingo方式は選択の幅が大きい、とRonenは主張する。

フードテックのスタートアップでは、InstacartやBlue Apronのように大きな成功例もあるが、でもRonenによると、農家と食卓を結びつける事業は歩みが遅い。たとえばGood EggsGrubMarketはともに、最近サンフランシスコの外での操業を中止した。彼らは、ビジネスモデルを再考するつもりだ。

問題は、農家から食卓へを謳う企業が、“サプライチェーンの全体を再発明しようとしていること–しかもそれはデジタルでなく物理的な作業だから、とても難しい”、とRonenは言う。〔しかも商品が長中期在庫不可能な生鮮食品で、供給量の限られたローカルブランド。〕

Farmigoのビジネスモデルがうまくいっているのは、食べ物コミュニティがイコール、流通システムでもあるからだ。これまでのように、スタートアップの企業自身が個々の顧客へ農産物の配送配達をしない。またFarmingoではテクノロジの力でその過程をより効率的にしている。

“うちは要するにエンドツーエンドのERPシステムであり、サプライチェーンのすべての要素をチェックしている”、とRonenは語る。“在庫(品物、量)も正確に分かるし、どんな注文があり、そのどれどれがパックされたかも分かる。ドライバーはソフトウェアを使ってそれらのデータを知り、どこで何を集荷すべきかを知る。過去6年のうちの仕事らしい仕事といえば、このソフトウェアを作ることだった”。

Farmigoの現在のサービス供用地域は、ニューヨーク(市)とニュージャージー州とカリフォルニア州北部だ。10月14日にはシアトル-タコマ地区が加わる。Ronen自身は2年前に、サンフランシスコからニューヨークへ引っ越した。同社のシステムから地域農産物を買っている世帯は15000あまりで、毎月2000ずつ増えている。

今回のラウンドは、Joe Lonsdale、Brian Koo、Jim Kimらによる投資企業Formation 8がリードし、これまでの投資家であるBenchmarkとSherbrooke Capitalが参加した。これでFarmigoの資金調達総額は、2600万ドルになった

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チョコレートのトップメーカーHersheyがお客がデザインしたチョコレートキャンディを3Dプリントしてネットと実店で販売

Hersheyのチョコレート科学者たちは今、ユニークなデザインのチョコレートキャンディを3Dプリントしている。この製菓企業は、3D Systems製の3DプリンタCocoJetを使って、合衆国各地でチョコレート愛好家たちに、この未来的なキャンディマシンで作ったユニークに美味(おい)しいデザインを提供しようとしている。

消費者はiPadの上で3Dグラフィクスのライブラリと対話をし、チョコレートのさまざまなデザインを作ってもらえる。複雑な六辺形でもよいし、細かいレース状のパターンでもよい。CocoJetはオープンソースのパターンにも対応するので、ユーザは自分のデザインをCocoJetにアップロードしてもよい。Hersheyでテクノロジマーケティングを担当しているJeff Mundtによると、フィギュアのようなものはプリントが難しいが、理論的にはチョコレートで自分自身の(または好きな人友だちの)レプリカを作ることもできる。

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チョコレート専用の3Dプリンタは実はほかにもある。Choc Edgeも、チョコレートのデザインをカスタマイズできる。そのほかの食品用3Dプリンタの中にも、チョコレートの絹のようにスムーズなテクスチャを扱えるものがある。しかしHersheyは、今実用されているものの中ではCocoJetがいちばん技術的に高度なチョコレート用3Dプリンタだ、と信じている。

“うちでは、ふつうのプラスチック用の3Dプリンタでプリントできる形状なら何でもチョコレートでプリントできる。だから3D Systemsのふつうのプリンタとほとんど同じに見えるけれど、実は大幅に変えられている”、Mundtはそう語った。

本誌はMundtとCocoJetを、女の子のためのDIY/eコマースサービスBrit + CoのカンファレンスRe:Make 2015で取材した。みなさんはとりあえず上のビデオをご覧いただき、Hersheyの、口の中が唾液でいっぱいになりそうな楽しい3Dプリントを、ご自分の目で味わってほしい。

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健康食メニューをお届けするSprigが配達員を個人契約から正社員へ格上げ…労働者のクォリティーアップのため

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健康食を家庭や職場に配達するSprigが、最近のオンデマンドスタートアップの傾向に倣って、ワーカーたちを個人契約から社員に変えることにした。すなわちSprigは近く、その数百名の契約労働者に、同社における雇用契約を提供することになる。

ここ数か月のあいだに、InstacartやShyp、LuxeEdenなどがこぞって、個人契約労働者の社員化を敢行してきた。社員だから当然、雇用主はその人の所得税や社会保障費、Medicare税、失業保険税などを負担しなければならない。それが今の合衆国の税に関するルールだ

SprigのCEO Gagan Biyaniは語る: “ねらいは顧客体験の向上と、従業員の定着率および仕事に対するモチベーションの向上だ。どちらも、健康的な食事を世界中に届けるという弊社の長期的なビジョンの実現には、絶対に欠かせない。昨年はさまざまな努力を通じて、弊社の企業イメージの浸透に努めてきたが、会社と顧客との最大の接点が配達員であるにも関わらず、個人契約の労働者に対しては十分な教育訓練を提供できないのだ”。

また、最近ではオンデマンドスタートアップのワーカーの身分や扱いをめぐる訴訟が絶えないことも、同社の変化を促したと思える。カリフォルニア州労働委員会は、Uberのドライバーは個人契約ではなく社員だ、と裁定した。

90日後に全ワーカーを社員化する事務手続きが完了したら、Sprigは配達員たちに、より高度な教育訓練を提供し、また報奨制度や、長期在職者へのストックオプションの提供なども開始することになる。

Sprigは透明性の面でも、変わろうとしている。これからは、同社のアプリに表示されるすべてのメニューに、原材料の生産農家名が表示される。同社の今後の方針の詳細は、そのブログ記事を読んでみよう。

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完全栄養食を目指すSoylentがバージョン2.0をリリース、今度は最初からドリンク製品で

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食事をそれだけで済ませられる完全栄養ドリンクSoylentが、その製品のニューバージョンを出した。社名と製品名が、人間を原料とする食糧を人間が食べるというSF映画に由来しているが、同社はすでに相当額をVCから投資されている。同社が今朝(米国時間8/3)発表した”Soylent 2.0″は、原料が今回も人間ではなく大豆ベースの菜食食品で、今度は最初からドリンクとして発売された。以前の製品形態は、一食ぶん3ドルの粉末状で、専用のスプーンとかき混ぜ器がついていた。

価格はやや下げられて、400キロカロリー相当が2ドルとなり、月額契約では70ドルだ。炭水化物と各種アミノ酸と蛋白質と各種ビタミンを含む栄養ドリンクと考えればよい。

同社は、スタート時から話題になった。とくに一部の技術者や学生などは、コーディングで忙しいときなどに、食事をこれで済ませることを期待した。

でも同社の製品は、一部の熱心なニッチを超えて一般消費者に広まることはなかった。それは、新奇であるとか、粉末を溶かすのが面倒だからではなく、その、“食べ物をディスラプとする”というマーケティングの姿勢がラジカルすぎたからだ。実際、ファウンダのRob Rhinehart自身も、一ヶ月間Soylentだけを食べて生活したが、その後、ふつうの食品を“食べるレクリエーション(recreational eating)”と称して食事に加えた。今同社の顧客は5万名あまり、と言われており、その中には一回しか買わなかった人たちもいる。

しかし今回、最初からドリンクとして発売されたニューバージョンは、“まったく新しい配合”と称し、体が必要とするビタミンやミネラル、脂肪、炭水化物、蛋白質などを組み合わせている。またターゲットも新たに見なおして、同社のブログによると、食事をファストフードで間に合わせる人たちや、朝食の内容がお粗末な人たちが健康を増進できるための新しい食品、を謳っている。

人間の食事全体をディスラプトする、という最初の姿勢から、お粗末な食事になりがちな人びとのための健康食、という方向転換だ。たしかにこちらは市場も大きいが、ただしEnsure、Boost、Slimfast、Atkins、Special K、Nutrisystemなど、既存のコンペティタも多い。このほか、アスリートのためのプロテインドリンクなど、特殊栄養食とも競合する。

Soylent 2.0は、天然海藻由来の油脂を主なエネルギー源とし、エネルギーの47%が健康的な油脂なのでGI値(血糖値上昇係数)も低い、と主張している。残る33%は消化の遅い炭水化物、20%は蛋白質だそうだ。この配合は、瞬発力よりもむしろ、ゆっくりと持続するエネルギー源をねらっているようだ。

一瓶に人間が一日に必要とする必須ビタミンとミネラルの20%が含まれ、室温で1年もつ。

ただし消費者の手に渡るのはこれからだから、今度の海藻に大きく依存しているニューバージョンのお味はわからない。同社はこれまでにも何度も味や配合を変えており、いちばん最初の粉っぽいような泥っぽいような感じは、なくなっている。初期のテスターたちの反応はまちまちで、いろんな意見がある。Stephen Colbertは、一度試飲したとき、ただちにチョコレートシロップを加えたそうだ。一方The New Yorker誌は、Soylentを”end of food”と呼んだ。

新製品は12パック29ドル(一瓶2ドル42セント)で10月15日に発売される。Ensureはウォルマートで16パック20ドルだから、コンペティタよりも高いが、同社は、砂糖ばっかり多いコンペティタよりも栄養価が高くて健康的だ、と主張している。たしかに、必須栄養素を完備しているコンペティタは、ないようだ。

ただし問題は、今、市販のエナジードリンクなどを飲んでる人たちが、内容に惹かれてSoylentに移行するかどうか、だ。試しに飲んでみる人たちが、どれぐらいいるだろうか。

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熱心なファンの多いダイエットスタートアップBulletproofは少量の油脂を含む水を売る

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独学のバイオハッカーを自称するDave Aspreyはネット上に大量のファンを抱えているが、このほど、Trinity Venturesから900万ドルを調達して、彼のバターコーヒー(butter coffee)とFATウォーター(FATwater™、油脂入りの水)を一般消費者向けに発売することになった。

TrinityのGus Taiなど投資家筋は、AspreyのBulletproof系列が、今後Starbucksなどメインストリームのコーヒーの系統のオルタナティブに育つ、と考えている(Trinityは数年前にStarbucksに投資していた)。そのTaiとDan ScholnickがBulletproofの取締役会に加わり、Trinityの社員起業家だったAspreyに協力していく。

Aspreyは、”The Bulletproof Diet”というダイエット本も書いているが、独自の食品工学によって彼自身も約100ポンド(約45キログラム)体重を減らしている。

彼曰く、“ぼくは自分自身の生物学を逆転した。今のぼくは40代だが、20代のころよりも丈夫で元気だ。ふつうなら、ありえないことだけどね。だからぼくが考えたのは、シリコンバレーには、自分を肥満だと感じながら、成功を目指して毎日働き過ぎになっている人たちが少なくないが、そんな彼らにもぼくが学んだことが役に立つ、ということだ。そこでぼくは、人間の体をハッキングするコミュニティを、作り始めたのだ。

そのために彼が考案したものが、“アップグレードされたコーヒー豆”と、グラスフェッドの無塩バターと、ココナツやパームの核から作ったトリグリセリドを原料とする特製の”Brain Octane Oil”(脳を活性化する油)だ。彼はその後、健康に関するポッドキャストやラジオ番組、そして本なども作った。彼のWebサイトは、今では月間ビジター数が200万あまりある。

“ぼくの場合は、自分の脳が完全にonのときには、プログラムを書いたりはしないね。それは最初、ソフトウェアの起業家たちが気づいたことだけど、適切なダイエットにより、人間は外側のシステムを作っていくだけじゃなく、自分の内部にあるシステムもコントロールできることに気づいたんだよ”。

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彼は今回得られた資金で、彼のプロダクトをベースとするコーヒーショップやカフェを開く。最初は、サンタモニカで。

“うちも最初から食品に投資している”、とTaiは語る。“PF Changにも投資したし、今回のBulletproofには、将来のダイエットの方向性を引っ張っていく指導的なブランドになりそうな予感がする”。

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今日同社がローンチした新製品はFATwaterの系統で、Bulletproof XCT Oil™のナノ粒子を含む水(油脂入り水)だ。その原料は、ココナツオイルに含まれる中鎖トリグリセリド油脂だ。その効能は、血糖値をそんなに上げることなく、エネルギーと水分の両方を供給すること。

“油脂はエネルギーになり、水はもちろん水分だ。水だけを飲んだときの消耗感がなくて、むしろ、飲むと元気になるね”、とAspreyは語る。

商品の形態は、16オンスの瓶か、または10ミリリットルの濃縮パックだ。どちらも2グラムの油脂(20カロリー)を含む。無味無臭にもできるし、いちごやレモンなどのエッセンスで香りをつけることもできる。どちらも完全菜食食品で、グルテンを含んでいない。

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