Appleのハードウェアイベントに期待してはならないこと

明日(米国時間9/12)はでっかい一日だ。噂はもう聞き飽きたと思うけど、まだ物足らない人は本誌が先週載せた噂のまとめをご覧いただきたい。例によって、あまり大きな期待は持たないようにしよう。その方が、幻滅に打ちのめされる可能性も低い。これは、ぼくがこれまでの人生から学んだ教訓でもある。

期待値を下げるお手伝いとして、ここではAppleのビッグイベントに絶対登場しないと思われるものの、不完全なリストを作ってみた。ご参考になれば、幸いだ。

  • ARヘッドセット: AppleはARヘッドセットを開発しているか? たぶん、している。それは明日登場するか? たぶんノーだ。Vrvanaを買収したからには、それを作ってることは確実だが、まだまだ先の話だろう。
  • Beatsの製品: AppleがBeatsを買収したことはApple Musicの立ち上げと関係がある、と一般には理解されている。その後、このヘッドフォンメーカーの製品はAppleの中で明らかに影が薄くなり、新しいAirPodはもちろんありうるとしても、そこにBeatsブランドを期待すべきではない。
  • MacOSデバイス: わずかな可能性はある。しかし現時点で優先されるのは、かつての名機MacBook Airの待望のリフレッシュだから、ぼくは期待しない。Appleは確かにMa Proのアップデートを言ってきたし、現にiMac Proは出たけど、でも実現はまだまだ先だろう。
  • 円形のApple Watch: Appleのウェアラブルが円形になるという前からの予想は、明日のイベントの招待状に大きな円があるので、いよいよ燃え上がった。でも数秒後には誰にも分かったように、それはAppleの大きな宇宙船をイベントの場所として表しているのだ。そしてこれまでのどのリーク情報も、Apple Watchの形は前世代から変らないと言っている。
  • iPhone 9: iPhoneの10歳の誕生日は、Appleのかなり単純明快なネーミングの慣行をぶち壊した。あれを“アイフォン・エックス”と呼んでる人が多いけれども、それは実際にはiPhone 10だ。そして、Appleが後ろを向くことはめったにない。廉価版のiPhone Xは実際に作ってるらしいが、iPhone 9は完全にスキップされたのだ。
  • 心の平和: 明日になって何が起きようとも、われわれはそれを拾い上げて、同じことをしなければならない。哀れなテク・ブロガーに休息はない。そしてみんな、死ぬときは一人だ。でも、とりあえず、happy Apple Day!と言っておこう。

more iPhone Event 2018 coverage

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iOS 12、macOS Mojaveのセキュリティー機能を復習しておこう――ビッグイベントはいよいよ明日

9月といえばAppleが新製品を出す月だ。新しいiPhoneだけでなく、Apple Watchその他のハードウェアもお披露目されるだろう。しかしそれを動かすソフトウェアが同様に重要だ。

今年6月、Appleは恒例のWWDCデベロッパー・カンファレンスでiOS 12とmacOS Mojaveを発表した。このアップデートの重点はセキュリティーとプライバシーの改善に置かれていた。

明日のビッグ・イベントを控えて、Appleのソフトウェア・アップデートの内容を確認しておこう。

macOS Mojave

macOS MojaveはMac OSとして6代目のプロダクトとなる。モハーベはカリフォルニアで有名な観光スポットでもあるモハーベ砂漠にちなんでいる。 ダークモード、同種のファイルを整理してくれるスタック、FaceTime通話などの機能が新しい。

Safariブラウザはフィンガー・プリンティング、クロスサイト・トラッキングを防止する

こういう意味だ: Safariは新しい スマート・トラッキング防止システムを採用した。広告主はブラウザにユニークな値を割り当て、サイトを超えてユーザーを追跡するというテクニックを使っていたが、新しいSafariはこれを困難にする。Facebookのようなソーシャル・メディアもユーザーがあちこちのサイトで行う「いいね!」入力や記事共有などを通じてユーザーの動向を非常に詳しく把握してきた。

重要性は?  トラッキング防止機能は、広告システムがブラウザに「フィンガープリント」と呼ばれるユニークな値を割り当てることを防ぐ。つまり特定のユーザーに向けたターゲット広告を表示することが難しくなる。ブラウザのフィンガープリントを取ることはプライベートないしシークレット・モードのブラウジングでも効果があった。フィンガープリンティングが困難になれば、広告システムが詳しいユーザー・プロフィールを作ることも難しくなる。

カメラ、マイク、バックアップにユーザーの許可が必要になった

こういう意味だ:アプリがカレンダーや連絡帳にアクセスするするときはユーザーの許可を求める。これと同様にMojaveではたとえばFaceTimeがカメラ、マイク、位置情報、バックアップなどにアクセスする際に、まずユーザーの許可を求めてくる。

重要性は?アプリの実行権限に対する制限を強化したことで、アプリが勝手にカメラやマイクをオンにしたりすることを防ぐ。一部のアプリは密かにマイクを起動してテレビ広告が流れるのを探知したり、マルウェアがカメラを乗っ取ってスパイ行為を働いたりするという。カメラやマイクだけでなく、バックアップ(多くの場合暗号化されていない)へのアクセスにも明示的許可が必要になれば、マルウェアがユーザーのデータを盗み出すのを防ぐために効果的だ。

iOS 12

WWDCでプレビュー版が公開されたiOS 12はiPhones 5s、iPad Air(1、2)以降など既存のデバイスにインストールでき、そのパフォーマンスを大きく改善する。 また 新しいマップ通知の改良、AIKitのアップデートなどが含まれる。

Pパスワード・マネージャーが使い回しを警告する

こういう意味だ: iOS 12のデフォールトのパスワード・マネージャーはユーザーが入力するパスワードをすべて保存し、簡単にアクセスできるように管理する。この際、異なるサイトやアプリで同じパスワードを使っている場合、警告を発する。

重要性は? パスワードの使い回しは深刻な問題だ。ユーザーはとかくすべてのサイトで同じパスワードを使おうとする。ハッカーはセキュリティーがいちばん弱いサイトを破るだけでユーザーのすべてのサイトにアクセスできるようになってしまう。iOS 12はパスワードが弱すぎる場合、またパスワードを使い回している場合に警告する。パスワード・マネージャーに保存されたパスワードは指紋ないしパスコードで簡単に取り出すことができる。

2要素認証のコードが自動補完される

こういう意味だ: ユーザーが2要素認証を行うとサイト側から認証用のワンタイムパスコードが送られてくる。パスコードがSMSやプッシュ通知で送信された場合、 iOS 12は自動的にそのコードをログインボックスに入力する。

重要性は? 2要素認証はログインにあたってユーザー名、パスワードに加えてされにもう一つのレイヤーを要求する。これはセキュリティーの向上のために効果的だが、残念ながら普及率は低い。パスコードを受け取っていちいち入力するのが面倒だからだ。iOS 12の自動補完機能はセキュリティーを強化しつつ、ユーザーにとって苛立たしい手順を踏む必要をなくし、ログインをスムーズにする。

USB制限モードがさらに強化された

こういう意味だ:セキュリティー機能のアップデートにより、iPhoneないしiPadが1時間以上ロックされている場合USBポート、ヘッドホン・ポートを含め、デバイスに接続されたアクセサリーは同じくロックされる。

重要性は? これはiOS 11.4.1に対する追加オプションだが、iOS 12では標準的に採用されるはずだ。これにより捜査当局やハッカーがデバイスからデータを盗み出すことがさらに困難になる。デバイスの内容は暗号化されているためAppleでさえ正しいパスワードなしにコンテツを解読することはできない。しかしブルートフォース(総当たり)法でパスワードを探り当てるGrayKeysのようなシステムが登場していた。新機能はこうした方法をあらかた無効にするはずだ。

Appleのプレスイベントは太平洋時間で午前10時〔日本時間13日午前2時〕にスタートする。

more iPhone Event 2018 coverage

画像:Getty Images

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

裕福な観光客を哀れむバーニングマンの本当の価値

私が、バーニングマンでいちばん面白いと感じる点は、ポスト希少性社会の叩き台になっているところだ。ただ、膨大な費用と資源を必要とし、非常に過酷で不便な場所で行われる実験というのも皮肉な話だ。そこまで行かなければ、世界の金銭的または希少性の階級構造から抜け出すことはできないというわけだ。

もちろん、それだけではない。世界最大級の、もっともクレイジーでもっとも壮大なパーティーであり、巨大なエレクトロニック・ダンス・ミュージックのフェスティバルであり、圧倒的な野外アートギャラリーであり(はかなく、同時に永遠で、美術館のキュレーターも足を運び、コレクションに加える作品を物色する)、実験的コミュニティーであり、世俗的異教徒の儀式であり、幻覚剤の「セットとセッティング」であり、友人との再会、または共に過ごす休日、などなど。これをヒッピーのイベントだと、からかい半分に誤解している人は多い。火炎放射器とギターの比率は100対1で、「安全第三」や「バーニングマンは常に死と隣り合わせであるべき」といった言葉がモットーになっている。またときには、大変に奇妙なことだが、シリコンバレーの休日のハッカソンの延長だと誤解している人もいる。

その最後の誤解は教訓的だ。今年のイベントリストには、いわゆる「ベンチャー投資家および起業家ネットワーキング・イベントとピッチセッション」というものがあった。私は参加しなかったが、親しい友人が参加して教えてくれたところによると、「あれは究極のポーの法則イベントだったよ。……それがジョークだとわかったとき、大勢の人間が本当にがっくりしていた」とのことだった。どうやら、現状の外の世界の社会的階級構造にはあまり反発する様子がないようだ。むしろ興味深いのは、それを真横から見ていることだ。人によっては、理解が難しいところだ。

たしかに、このStanford Newsの素晴らしい記事が伝えているように、バーニングマンはシリコンバレーに大きな影響を与えている。驚くべきテクノロジーがそこで見られるのは事実だ。壮麗な600機ものドローンが群をなして飛んだり、6メートルの高さのテスラコイルが2基並んでいたり、ロボットが勢揃いしていたり。しかし、その作者たちは、自分たちのコミュニティーに作品を見せたいだけであって、不浄な金儲けを企んでいるわけではない。

勘違いしないで欲しいのは、この砂漠の実験的コミュニティーにも、独自の階級構造があり、独自の社会資本があり、そこにたかろうとする者もあり、独自の不文律が大量にあり、大変に人気の(みんなの誇りになっている)独自のロゴもある。しかし少なくとも、みんなで働く、みんなで建てる(テント一張でもいい)、みんなが砂埃と戦って、そして負けて、みんなで物や行動を、受け取るのではなく寄付して社会資本を増やす、そしてみんなが、火を吐く巨大なアートカーの上に乗ったり、バスでやってきて寝る場所がない人たちに狭いテントの寝場所を分け与えたりする同等の参加者となり、近くにいる知らない人を助けたり、協力し合ったり、またはみんなが楽しめるアート作品や技術プロジェクトを作ったりする、という理想はある。

外の世界の階級社会に直交すること、つまり奪うのではなく与える競争は、その他の実験的コミュニティーの中でも、ポスト希少性社会の実質的な叩き台としては魅力的だ。だからこそ、そこに来てコミュニティーにまったく参加しようとしない人は、ひどく軽蔑され、嫌われ、侮蔑される。

もちろん私は、あの悪名高い「ターンキー・キャンプ」のことを言っている。金持ちの(ときには大金持ち)の人たちが、お金を払って六角形のユルトを建てさせ、食事を用意させ、ガイドや学芸員を雇って見物してゆく。あの壮大な光景の傍観者となるためにだ。バーニングマンの参加者とは異質の存在だ。外の世界での高い階級をプラヤに持ち込み、我々の叩き台に、古い退屈な資本主義を感染させようとしている。

裕福な人たち、とくにシリコンバレーから来た人たちが、バーニングマンで大そう贅沢な時間を長々と過ごしていくのは事実だ。2001年、Googleの共同創設者ラリーとセルゲイがエリック・シュミットをGoogleのCEOに選んだ理由のひとつは、候補者のなかで、彼が唯一バーニングマンの参加経験を持つということだった。マーク・ザッカーバーグは、一度、ヘリコプターで飛んで来て、グリルチーズ・サンドウィッチを無料で配って午後を過ごしていったことがある。イーロン・マスクは、彼がバーニングマンで見たようなシリコンバレーの側面が描かれていないと、れテレビ番組『シリコンバレー』を批判した。それでも彼らは、自分で行動している。その体験が、パッケージとして販売されるようになった(とされている)のは、ここ数年のことだ。

それには、みんな非常に腹を立てている。思うに、その最大の理由は、恐れだ。資本主義は「ボーグ」と同じだ。接触したものすべてに感染して、仲間に組み入れてしまう。バーニングマンは、ただの大きな祭になってしまう。それが恐ろしい。実験的なコミュニティーでも、ましてやポスト希少性社会の叩き台でもなくなってしまう。

それなのになぜか私は、とても清潔で裕福な、ターンキー・キャンプから来た大勢の人たちと土曜日の夜を共に過ごすはめになった。短パン姿の老人たちや、染みひとつないピカピカの何千ドルもしそうなバーニングマン風衣装を着た若者たち、それに、「こっちを見ないで、私はセレブなんかじゃありません」的な特注の黄金の面をつけた女性もいた。彼らは昔ながらのツアー観光客のように振舞っていた。ただ違うのは、ガイドが掲げる彼らの目印は旗ではなく、持っているのは旗ではなく、先端に点滅するLEDのハートを付けた長さ3メートルの6ミリ径鉄筋だったことだ。

そして、最初に抱いた彼らへの怒りが収まったあと、私がいちばん強く感じたのは、彼らへの哀れみだった。私は、前述のバスキャンプの中の、砂だらけのみすぼらしい場所で一人でキャンプをしていた。だが、それが何よりもずっと面白く、楽しい時間だった。たしかに、私は(比較的)このイベントを多く経験したベテランだが、初めてだったとしても、そうしていただろうと思う。それに、ここに集まった7万人の人たちの中には、とても裕福で、ターンキー・キャンプに泊まれる人たちも大勢いるのだが、それでもあえて大変な苦労や実験に身を投じ、巨大な像を作ったり、複雑な機械を組み立てたり、比類なく立派なアート作品を創造したりしていた。それは、大きな喜びという報酬を期待しているからだ。あの嫌われ者の観光客たちにも、そこをわかって欲しかった。

だから、そんな観光客は気にしない。バーニングマンは資本主義のボーグと戦う強力なレジスタンスとして生き残ると、私は期待している。だからそこは、文化、コミュニティー、テクノロジーのための、そして近未来のための、面白い実証実験の場所なのだ(同時に、完全にいかれた人たちに埋め尽くされた完全にいかれたパーティーという側面も、またその顔のひとつ)。ターンキー・キャンプの観光客たちが改心することなど、私は期待していない。彼らはその階級にしがみついているからだ。それに対して私たちは、テクノロジーによって可能となる文化とコミュニティーの非常に面白い実験の時と生きている。そして、バーニングマンがそう見える、また現にそうであるように、馬鹿みたいに弾け過ぎたそうした実験が、真実の価値を持つと私は強く信じている。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

IFA 2018のベスト新製品ピックアップ――Alexaルーター、8Kテレビ、3軸回転ゲーム座席など

ベルリンで開催中のIFAはコンシューマー・エレクトロニクス分野で世界的に有名なショーの一つだが、8月末から9月にかけてというタイミングにも大きな意味がある。多くのメーカーにとってIFAはクリスマス商戦に向けて主力製品を世界に披露するのに格好の舞台だ。

このところトレードショーとしてIFAの重要性が増しているのは主にこの理由だ。もっともSamsungやDJIといった巨大メーカーが新製品をIFAが開催される数週間前に発表してしまったため、この点では今年はやや盛り上がりに欠けたかもしれない。

しかしこのショーが面白いのはおかしなな製品が登場するからだ。 IFAはなぜか奇想天外なガジェットを引き寄せる傾向がある。今年もその例にもれなかった。以下ご紹介するのはもっとも重要な、もっとも優れた、もっとも奇妙な製品の例だ。

Alexaルーター

今年の大型トレードショーではいたるとこでスマートアシスタント製品が見られた。最新のトレンドはAlexa搭載ルーターだ。NetgearとHuaweiはルーターをスマートスピーカー化する。別にそんな必要ないと言うなかれ。どうせAlexaが家にあるならルーターにその機能があってもいい。両社の製品を比べると、家中にメッシュ・ネットワークを張り巡らせることができる点でNetgear版の方が説得力があった。

スーパーTV

消費者は隣人が持っているのより優れたテレビを買いたがる。テレビ・メーカーはこの傾向に大喜びで、ますます高精細度のテレビを開発してきた。今年のトレンドは8Kだ。まだメインストリームにはなっていない若いテクノロジーだし、8Kのコンテンツも少ない。しかしIFAのテレビはSamsung、LG、東芝、シャープ、その他、8K一色だった。

スマートフォン、スマートフォン

海外で発表されたスマートフォンの将来は運任せのところがある。アメリア市場への参入はハードルが高い。IFAでお披露目されたスマートフォンの多くはそもそもアメリカ市場にたどり着けないことが多い。とはいえ、今回のIFAでも各社からそれぞれ興味深いフラグシップモデルが発表された。いくつか代表的プロダクトを紹介してみよう。

  • ソニー Xperia XZ2:同社として初の6インチOLEDモデル。ソニーお得意のカメラと画像処理テクノロジーを搭載。
  • LG G7 One: Google Oneはもともと途上国向けのエントリーモデルだが、G7 Oneはフラグシップに近い高性能といういささか異色の製品だ。もっともスマートフォン分野ではLGは異色の製品を出すのを恐れていない。
  • HTC U12 Life:LGと同様、HTCのハンドセットも人目を奪う新機能よりコストパフォーマンスの良さを狙っている。U12はエントリーモデルの価格で中級機の性能が手に入る。

なんだかよくわからないがスゴイ

これがIFA名物の奇天烈な製品の代表だ。おそらく値段も高いはず。私が住んでいるニューヨークののアパートの部屋一杯になるサイズだ。しかし本格的なアーケード式フライトシミュレーターやカーレースを家で体験したいなら3軸で回転するAcer Predator Thronosは理想的なゲーム座席だろう。

その他

  • Lenovo Yoga Book C930:実用性はよくわからないが、興味を引く製品ではある。C930は Lenovoが伝統的なキーボードの代わりにeインクの電子ペーパーのタッチディスプレイを使おうとする努力の最新の例だ。
  • Polaroid OneStep+:おなじみのインスタントカメラの復活。いくつか新しい機能も含まれている。

原文へ

滑川海彦@Facebook
Google+

反極右集会イベントを削除したFacebookの怪事件

ワシントンD.C.に住む活動家やオーガナイザーたちは、反対抗議集会のイベントを削除したFacebookの判断に異議を唱えている。この集会を呼びかけたのは、2017年に死傷者まで出したバージニア州シャーロッツビルの集会を計画した白人至上主義者ジェイソン・ケスラー(Jason Kessler)だ。

Facebookは、「No Unite The Right 2 – DC」(DCの右翼の結束を止めろ2)イベントを、そのなかのアカウントのひとつがFacebookが呼ぶところの「不正な行動との連携」を示しているとして削除した。同社はこの活動を「自らの正体や活動の目的を隠して他の人々を欺く目的で、人または組織がアカウントのネットワークを作るもの」と特定している。

あなたが参加しようとしている、または興味を持っているイベントは削除されました。ページは「No Unite The Right 2 – DC」という偽のアカウントで立ち上げられています。他のイベント主催者には通告されています。

 

論争の中心となっているFacebookページは「Resisters」(反政府主義者)という名称だった。このページは、ユーザーを欺くために偽のアカウントを準備する「bad actors」(大根役者)によって作られたとFacebookが特定したことを、TechCrunchは確認している。最終的にFacebookがUnite The Right 2 – DCの削除に踏み切ったのは、Resistersページとのやりとりや関与があることが判明し、そのページは最初から不正に作られていると判断したからだ。

Facebookは同社のブログ記事にこう書いている。

Resistersページも、8月10日から12日の抗議のためのFacebookイベントを立ち上げ、実在する支持者のリストを掲載している。……Registersページの偽の管理者は、このイベントを協賛している5つの不正なページとつながっている。

同社はまた、よく知られているInternet Research Agency(IRA)のアカウントも反抗議イベントに管理者として加わっていることも確認している。しかし、ここが管理者となっていたのは7分間だけだった(IRAは、ロシアの情報機関とつながりのあるプーチン支持者が立ち上げた「コンテンツ工場」であるとの疑いで、アメリカの情報当局の調査も入っている)。その上、IRAのアカウントは、2017年にResistersが主催したFacebookイベントをシェアしているとも指摘している。

ここで物事は、さらにややっこしくなる。このFacebookが削除したイベントは、いくつかの実在するワシントンD.C.の活動家グループに引き継がれた。これには、Smash Racism DC(民族主義を潰せ DC)、Black Lives Matter DC(黒人の命は大切だ DC)、Black Lives Matter Charlottesville(黒人の命は大切だ シャーロッツビル)、その他の地元グループが含まれ、「Shut It Down DC」(止めよう DC)という名のもとに連合している。彼らの行動や計画は、No Unite The Right 2 DCイベントから引き継がれたものではなく、たまたま合致しただけのことだ。それ以来、連合はFacebookイベント名を「Hate Not Welcome: No Unite The Right 2」(憎悪はお断り:右翼の結束を止めろ)と変更した。

https://platform.twitter.com/widgets.js
「BLMと数多くのグループが中心となり、ワシントンD.C.の本当の脅威に対抗するための結束を行っています。ロシアのための団体ではありません。私たちの愛する人たち、コミュニティー、地元の街を、制服を着た、または平服のファシストから守るために、この活動を行っています」

「そこで私たちは、新しいFacebookイベントを作りましたが、本当の結束は、近所の人たちと話し合うことで築かれます。そしてそれが、ワシントンD.C.での本当の抗議運動になります。それはジョージ・ソロスでも、ロシアでもありません。我々自身です」

TechCrunchは、ワシントンD.C.を拠点に活動する人たちに話を聞いたが、そのなかの一人、Shut It Down DCにも属するワシントンD.C.の活動家Andrew Batcherは、地元のオーガナイザーの連合が、ひとつのイベントとアカウントで結ばれて、Facebookから不正だと目を付けられる仕組みを明らかにしてくれた。

「それは、この問題に興味を持つ、たくさんのグループの草の根の集まりでした」とBatcherは話す。「たくさんのグループが、去年、シャーロッツビルに向かいました。シャーロッツビルは、ワシントンD.C.から南へわずか2時間の街です」

彼の説明では、それらのグループはケスラー自身が主催したイベントに惹きつけられたのであって、オーガナイザーたちが出会ったFacebookイベントではなかったとのことだ。

「組織化を始めたころ、私たちはFacebookページを作ろうと話し合ったのですが、それはすでに作られていたのです」とBatcherは言う。「大きなイベントが数多く開催されるワシントンD.C.では、よくあることです」

「私たちは、そのイベントの共同主催者に加えてもらい、私たちの情報も掲載して欲しいと要請しました」とBatcher。それには、動画による運動への参加呼びかけや、写真や、イベントの詳細など、いろいろなコンテンツがあった。「そして、却下されたのは、すべて私たちのものでした」

最初にプレースホルダーのページを作ったあと、Resistersのページは「まったく介在しなくなった」とBatcherは言う。「それによって、私たちはまるでロシアの駒であるかのように扱われました。私たちは、そうではありませんし、私たちがこれを準備してきた活動です」

彼やその他の左翼の活動家たちは、一般大衆と積み重ねてきた努力が台無しにされ、悪くすれば、ピザゲート事件のように、実際の暴力事件にまで発展しかねない陰謀説まで現れるのではないかと危惧している。

Facebookは、合法的なNo Unite The Right 2 – DCのオーガナイザーに、次のメッセージを送ったと話している。

まだ電話でのお話はできていませんが、今朝早く、あなたが共同主催者に名を連ねている「No Unite Righte 2 – DC」Facebookイベントを削除した旨をお伝えしたく存じます。理由は、そのイベントを立ち上げたページのひとつに、不正なアカウントを作り不正な活動の調整に関わっていたことでFacebookから削除されたResistersが含まれていたからです。

あなたが驚かれ、憤慨されているであろうことは理解しています。私たちは、これがあなたや、あなたのページには関係がないことを示す関連情報をお届けし、ご理解いただけるよう連絡差し上げた次第です。本日、この後より、このイベントに興味を示されたおよそ2600名のユーザーと、すでに参加をされている600名以上のユーザーに、イベントの削除に関する情報の提供を開始します。他のイベントの設定に関してご質問があれば、私たちの公的な連絡手段を用いて、喜んでご説明いたします。

Batcherによれば、Shut It Down DCのイベントのオーガナイザーをしていた人たちには、ほとんどなんの連絡もなく、一部の人が「2行」のメールを受け取っただけだという。

あなたが主催者になっているFacebookイベントについてご説明したく存じます。 より詳しい説明をお望みの場合は、( )までお電話をください。

 

Facebookが、オーガナイザーにほとんど連絡をすることなく、さっさとイベントを削除してしまったことで、グループは意気消沈してしまった。TechCrunchとのインタビューでは、彼も他のオーガナイザーたちも、Facebookに対する根深い不信感を示し、その行動を決断させた証拠となる情報をもっと多く見せて欲しいと望んでいる。ワシントンD.C.の複数のグループとつながっている一人のオーがナイザーなどは、疑わしい協調活動のためにVPN(プライベート仮想ネットワーク)が使われないよう、Facebookは、活動家の結束する意欲をくじこうとしているのではないかと疑っている。こうした心配があることを伝えると、Facebookは、同社の規定では、VPNの利用や一般的なプライバシー保護対策を行ったからといって、アカウントやページを削除する理由にはならないと説明している。

「何か悪いことをしたアカウントがあれば、そのアカウントは排除されます。それを、このすべての合法的な活動にまで押し広げて適用するべきではないと私は考えます」とBatcherは言う。「私たちが求めるのは、公的な謝罪であり、私たちは実在する人間であり、実際に活動を行っていることを世間に知らせることです」。さらに彼は、現実に協力し合ってイベントをまとめた人たちに与える損害に関して、Facebookには考慮する様子が見られないとも話している。

この不信感は、右翼左翼の双方に影響を与えた。右翼の側の、Facebookがコンテンツの検閲を行っているという心配は、アメリカ議会の公聴会でも持ち上がり、その主張を示す証拠はほとんどないまま、多くの右翼ユーザーの間に広がっている。左翼側は、Black Lives Matterの支持者からLGBTQコミュニティーに属するすべての人たちに影響を与えた不注意による検閲がときどき行われるグレーな歴史がFacebookにはあると考えている。こうした状況では、その通報ツールを悪用して、狙った相手に嫌がらせをするFacebookユーザーも現れるが、Facebookは、そうした問題に対処するポリシーの変更に消極的だ。

Facebookはまた、おおっぴらな嫌がらせや、民族主義的コンテンツの問題への対応も遅く、つい最近は、白人至上主義を禁止する一方で白人民族主義を許すという内部方針を批判されている。そして、これら2つの人為的な区別と広く知られるようになる考え方が生まれた。こうした災難は、Facebookだけの問題ではない。悪意のあるすべての人たちにとって、Facebookというプラットフォームは絶好の環境となった。

反抗議活動のオーガナイザーは、その後、新しいFacebookイベントを立ち上げ、活動を継続しようとしているが、状況はまったく落ち着かず、この世界最大のソーシャル・プラットフォームによる介入の強化に対する疑念は消えない。今回の新事実と、2017年の問題では、ソーシャルメディアによる影響合戦の新しい形、つまり偽アカウントが現実の普通の人たちの活動を悪用するという「混合型」には、まったく油断がならないことがわかった。

いわゆる「大根役者」は、合法的な動機につけいり、混乱を引き起こし、すべてを懐疑的にしてしまう。そうした活動が明るみに出たとしても、これはアメリカの政治情勢にさらなる不和と疑念を植えつけようと考えるあらゆる人間にとって、必勝方程式となる。それ以外の人たちには、勝ち目はなさそうだ。

[原文へ]
(翻訳:金井哲夫)

Appleのビッグイベントは9月12日――招待状には金色のリング

Appleのビッグイベントを公式に告げる招待状が届いた。何ヶ月も前から注目の的になっていたこのイベントは9月12日にクパチーノのぴかぴかの本社で開催されることが明らかとなった。

招待状には簡潔に、Gather round(周りに集まろう)とあり、大きな金色のリングの画像が添えられている。巨大なリングはApple本社を示唆しているようだ。ただAppleは招待状に発表の内容について謎めいた形でヒントを出すのが好きだから、われわれは何か円形のもの、金色のものを期待していいのかもしれない。

これまでのところAppleのハードウェアに関しては比較的静かな年だった。Appleは3月のシカゴのイベントで新しいiPadを紹介し、その後MacBook Proシリーズをアップデートした。これらを別にすれば新製品についてはニュースがなかった。WWDCでもハードウェアに関する発表はなかった。

しかし9月の第2週に状況は大きく変わりそうだ。流れている噂が正しいなら、Appleは新しいハードウェアをきわめて大きなスケールで用意している。まったく新しいシリーズのiPhoneがこのイベントで登場するはずだ。

GoogleやSamsungの場合と違って、今回Appleは新製品の秘密を十分に守ってきた。それでも多少のリークは起きている。iPhoneが3シリーズ準備されており、これには従来と全く異なるiPhone Xの大型版が含まれるという。 新しいWatchとiPad Proもこのビッグイベントで発表されそうだ。

われわれはもちろんAppleのイベントに勇んで参加する。大きなカメラも持参する。これも噂だが、Appleは今回の発表会をTwitterでライブストリーミングするらしい。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

Y Combinatorデモデー2日目からピックアップ10チーム

Y Combinatorのデモデー2日目には59チームのスタートアップが登壇した。アプリ内課金を処理するサービス、現実の対象を写した写真からアニ文字を作成するサービス、余剰医療機器の再販売プラットフォーム、それに、なんと大腸菌からまったく新しい生命形態を合成するスタートアップもあった。イノベーションはたしかに起きている。

以下、投資家の反応も加味し、TechCrunchが独自の視点からピックアップした10チームを紹介する。

こちらはデモデー1の全チーム紹介TechCrunchが選んだ1日目のトップ10だ。

64-x

バイオエンジアリングの一流のエキスパート( ハーバード大学Wyss InstituteのGeorge Church、Pamela Silver、Jeffrey Wayを含む) によって創立された64-xは通常の生命体が生存できないような過酷な環境でも機能する新しい生命形態を含め、最新のバイオエンジニアリングを利用した各種のプロダクトを準備している。CEOのAlexis Rovner自身、Wyss Instituteのポスドクのフェローであり、COOのRyan Gallagherは元ボストン・コンサルティング・グループのコンサルタントだった。チームはWyss Instituteのテクノロジーをビジネス化することを狙っている。

注目の理由:天才ぞろいのチームは新しい生命形態を創出するかもしれない。

CB Therapeutics

大麻の合法的利用研究とテストを行うSteep HillラボのディレクターだったSher Buttが創立したスタートアップはカンナビノイド(大麻の有効成分)が鎮痛やてんかん発作の抑制など慢性的症状に対して奇跡的効果があるとしてその薬用化を目指している。しかし植物由来のカンナビノイドは品質が一定せず、効果も不安定なため、Buttらはカンナビノイドの工業的合成により品質を安定させると同時に、コストを押さえようとしている。成功すれば収量は24倍、価格は10分の1以下に下がるという。世界的医薬品メーカーのNovartisで医薬品の商用化の経験を積んだButtら共同創業者はこうしたプロジェクトを推進するために理想的なチームだろう。

注目の理由:天然のもっとも効果的な鎮痛剤とされるカンナビノイドを新しいテクノロジーで工業的に大量に合成しようとするのはすばらしいアイディアだ。

RevenueCat

RevenueCat founders

RevenueCatはデベロッパーのアプリ内課金を助けようとしている。デベロッパーはこのチームが提供するAPIを利用してiOSとAndroidでアプリ内サブスクリプションを処理できる。つまり、デベロッパーはそれぞれのプラットフォームの細部やアップデートによる変更を気にする必要がなくなる。

またこのAPIによりデベロッパーはアプリ内サブスクリプションに関する情報を一箇所にまとめて管理できる。 誕生してから9ヶ月のスタートアップは現在、月額35万ドルの売上があるという。これ以外にも何かに取り組んでいるようだがそれが何かまだ明らかにされていない。

RevenueCat hereの記事.

注目の理由:アプリを開発したらすぐリリースする。収入はRevenueCatが管理してくれる。と、これはなかなか説得力があるビジネスモデルに思える。

Ajaib

インドネシアはあらゆる面で過渡期にある国だ。投資に十分な資産を持つ階級が急増しているが、既存の資産管理システムのハードルは高すぎてシャットアウトされている。この状況に対応しようとするのがAjaibだ。このスタートアップは中国で人気のオンライン支払サービス、Ant Financialの資産管理版を目指すという大きな野心を抱いている。 実際、中国は最近までインドネシアと状況がよく似ていた。4年前にAnt Financialがスタートして状況が大きく変化し、急増中の中産階級がオンラインで資産管理を行うことができるようになった。Antはすでに4億人のユーザーを抱えている。

中国と比較すればインドネシアは小さいが、2億6100万の人口がある。管理した資産から1.4%の手数料を徴収するだけでも可能性は巨大だ。

注目の理由:インドネシアの貯蓄は3700億ドルある。Ajaibの資産管理システムがターゲットとする国内マーケットは非常に大きい。

Grin

電動キックスクーターのブームはラテンアメリカにも広がっている。メキシコシティーを本拠とするGrinもその一つだ。共同創業者のSergio Romoらは.(Axiosの記事にもあるとおり)、アメリカでBirdのeスクーター共有事業に投資しようとして機会を逃した。そこでラテンアメリカをカバーするeスクーター事業を立ち上げたという。Sinai Ventures、Liquid2 Ventures、500 Startups、Monashees、Base10 Partnersらが投資している。

注目の理由:eスクーターは2018年を代表するホットな分野だ。 アメリカではBird、Limeの急成長を受けてUbe、Lyftrまで参入中だ。しかしまだ勝者は決まっていない。

Emojer

写真から動く絵文字を作成できるようにするのがEmojerの目的だ。写真を撮ると絵文字になって踊り出すというのはスマートフォンのカメラの面白い使い方だろう。Emojerのソフトは深層学習アルゴリズムによって人体のパーツを認識し、ユーザーは簡単な操作で撮った写真をアバターの動きに変換することができる。Photoshopの複雑なインターフェイスの操作もアニメーションに関する深い知識も不要だ。アバターの仕組みはクリスマのたびに口コミで人気が出るアプリ、Elf Yourselfに似ている。このアプリは友達の写真から顔をコピーして踊る妖精に貼り付けることができる。 Emojerのファウンダーは機械学習とコンピューター・ビジョンの分野で博士号を持っている。

注目の理由:EmojerのCEOは「人々がSnapを使うのはセクスティング(性的なメッセージや画像のやり取り)が大きな目的で、FacebookをHot Or Not(異性の写真を品定めする)に使う人間も多い」と語った。そういう「トロイの木馬」現象を考えるとEmojerは密かにセルフィーアニモジを流行らせるプラットフォームに化けるかもしれない。

Osh’s Affordable Pharmaceuticals

Osh’s Affordable Pharmaceuticalsは低価格の処方薬を提供することで医師と患者双方に利益をもたらすことを目的とする公益法人だ。同社では症例が少ないため探すのが困難だった医薬品の入手へのハードルを下げようとしている。3週間前に同社はウィルソン病に対する薬品を発表した。この症状に有効な薬品はこれまでブラジル、インド、カナダでは利用できなかった。また同社の新薬はコストを月3万ドルから120ドルへと劇的に下げた。Oshでは適用のある市場はトータルで170億ドルにもなると見積もっている。「ジェネリック医薬品の価格は決定的に重要だ。多くの患者が必要な医薬品を購入できないために死んでいる」とCEO、Alex Oshmyanskyは述べた。同社は解決策を提供できるかもしれない。

注目の理由:症例の少ない難病に対する有効な医薬品が入手できなかったか高価すぎた国々に低コストのジェネリック医薬品を提供するというのは単に優れたビジネスだというだけでなく世界を改善することができる。

Medinas Health

アメリカのヘルスケア・システムに存在する750億ドルもの頭痛のタネに解決策を与えるのがMedinas Healthの目標だ。同社は病院などの医療組織が使用ずみないし不要となった医療機器を再販売することを助ける。シード資金を提供したのはハリウッドスターでベンチャー投資家のアシュトン・カッチャー、Guy OsearyのSound Ventures、General CatalystのRough Draft Venturesファンドだ。 Medinas
Healthは資金不足に悩む地方のヘルスケアセンターの運営コストの引き下げにもなると期待している。

注目の理由:中古医療機器の流通はトータルでは750億ドルにもなる市場だというが、これまでビッグビジネスの目立たない片隅に追いやられていた。この分野をターゲットとして僻地の病院の運営を助けることができるならMedinasは応援すべきビジネスだろう。

And Comfort

大柄な女性のファッションの選択肢はNordstromやMacy’sのようなデパートでも限られている。ところがアメリカの女性の多数はこの「プラス・サイズ」のカテゴリーに入る。1億人のアメリカの女性が非常に少ない選択肢で我慢をしているという。And Comfortはこの状態を改革しようとしている。ハーバード大学でクラスメートだった2人の共同ファウンダーは、消費者直販のファッションブランドを立ち上げ、プラス・サイズの女性を悩ませているアイテムの供給不足という問題の解決を試みている。これにはスタイリッシュかつミニマリストなチュニックやエプロンドレスなどが含まれる。きわめて若いスタートアップだが、ブランドが販売を開始してから数週間ですでに2万5000ドルの売上があったという。

注目の理由:この直販のファッション・ブランドはこれまで無視されがちだった層に高品質でエレガントなアイテムを供給するという。これは有望だろう。

ShopWith

世界中のインフルエンサーの活動を一つのモバイル・アプリから見られるようにするのがShopWithの目標だ。ユーザーはバーチャル店舗に入り、通路に沿って並ぶファッション、コスメティックスなどのアイテムをショッピングすることができる。これらはお気に入りのブロガー、ユーチューバーなどのインフルエンサーが推薦しているアイテムだ。ユーザーはアプリから出ずにこインフルエンサーがフィーチャーしている商品を購入できる。ダウンロードは無料。

このサービスのビジネスモデルはテレビ通販のQVCにやや似ている。ただし〔90年代後半生まれの〕Z世代のユーザーの購入に影響を与えているのはテレビではなくYouTube、Instagram、Snapchatといったオンラインのソーシャルビデオだ。同社によれば、ある美容系インフルエンサーはShopWithプラットフォームを利用することで5時間で1万ドルの利益を得たという。共同ファウンダーはFacebook、Amazonでソーシャル通販ビジネスの運営の」経験がある。

注目の理由:Z世代向けQVC というキャッチフレーズもさることながら、これは着実に売上を伸ばせる方向だ。モバイル・ファーストでインフルエンサーをベースにしたショッピング・サービスは有望。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

スマートキッチン・サミット・ジャパン 2018開催――デモスペースは大混雑、飛び入りプレゼンも

デジタル事業のコンサルティング企業、シグマクシスと食産業のスペシャリスト、シアトルのNextMarket Insightsがミッドタウン日比谷でスマートキッチン・サミット・ジャパン 2018を開催した。8月9日の2日目に参加できたので簡単にご紹介したい。昨年のスマートキッチン・サミットに比べ講演者、参加者、デモ、いずれも倍以上に増え、食のデジタル化、スマート化がメインストリームになりつつあると実感した。

クックパッドはAWS、SHARP、LIXILなどパートナー企業10社を発表しOiCy事業を本格化させることを発表した。OiCyはクックパッドに集まった膨大なレシピをアルゴリズムによって標準化し、スマートキッチン家電と連携させていく試みだという。パナソニックも社内ベンチャー、「ゲームチェンジャー・カタパルト」がさらに前進していることを発表した。

このカンファレンスはNextMarket Insightsがスタートさせたもので、アメリカ発のカンファレンスらしくグローバルな視点が特長だ。今年も機械学習を利用した生鮮食品トラッキングサービスのChefling、オンライン・レシピ・アシスタントのSideChefのファウンダーとクックパッドの吉岡忠佑氏によるパネルではNext MarketのCEO、Mechael Wolf氏がモデレーターとなってさまざまな意見を聞き出していた。SideChefのKevin Yu氏が「データ処理はもちろん重要だがさらに重要なのはユーザーのエンゲージメント」だとして吉岡氏らも賛同した。

Yu氏によればEU市場は日米市場よりセグメントが細かく、いっそうきめ細かいローカライズが必要だという。われわれ日本人はヨーロッパが言語、文化とも非常に多様であることを忘れがちだが、現実にビジネスをする上では重要なポイントになるはず。

しかし今年のSKSでは日本の大企業、ベンチャーのスマートキッチン事業が大きく勢いを増していると感じた。ランチブレークのデモスペースは朝の電車なみに混み合っていて、デモの手元を見るには頭上に流されたライブ映像を見るしかないほどだった。デモではパナソニックの社内ベンチャーで開発された「おにぎりロボット」が面白い。パナソニックで「ごはんひとすじ」で来たという担当者の説明によれば「外はしっかり、中がふわり」というおむすびの理想形を作れる装置だという。

 

ちなみにライブストリーミング用のデジタル一眼のプラットフォームにTechCrunch Japanでも最近紹介したDJI Roninジンバルが使われていた。

セッションの合間に飛び入りのプレゼンを募ったところ、主催者の予想を超えてたちまち5、6チームが登場した。「ひっこみ思案で黙り込んでいる」という日本人のステレオタイプはスマートキッチンに関しては過去のもののようだ。とかく後向きといわれがちな行政からも農水省、経産省、総務省から若手官僚が登壇した。総務省の岸氏が「数字だけみていくのではダメ。まず明るい未来のビジョンを作り、そこに到達するためにどういう具体的な方策があり得るか考えるのでなければ」と力説していたのが印象に残った。

 

最後に昨年に続いて、外村仁氏が登壇。外村氏は元Apple Japan、元Evernote Japan会長などを歴任したシリコンバレーの連続起業家であるだけでなく食のエバンジェリストでもあるというスーパーマン。外村氏はAnovaの低温調理ヒーターの最新版を会場で紹介しながら、食がますますスマート化、サイエンス化しているグローバルなトレンドに日本が遅れかけていることに注意を促し、「これはやっていけないコトなのかもしれないと、自己規制してしまうのが一番いけない。最初から明示的に禁止されたこと以外は全部やっていいんです。どんどんやりましょう」とベンチャー・スピリットを力強く応援した。

 

カンファレンスの詳しい内容についてはシグマクシスのサイトFacebookページに詳しく紹介されている。Facebookページにはスピーカー、参加者全員の写真も掲載されている。

GoogleのCloud Nextカンファレンスがスタート――ライブで中継中

Googleがサンフランシスコのモスコーニ・センターでクラウドについてのビッグなカンファレンスを開催中だ。今朝(米国時間7/24)、Google Cloud Nextは第1日目がスタートした。もちろんGoogleのフラグシップ・カンファレンス、I/Oほどの規模ではないが、 クラウドはこの1年ほどGoogleがもっとも力を入れ、成功している分野だけに見逃せないイベントだ。

GoogleはGoogle Cloudのインフラ、エンタープライズ・サービス、その上で作動する機械学習ツールなどの拡充に巨大な投資を行っている。GoogleはGoogle Cloudを今後のビジネスの柱の一つとしていくことは明らかだ。これまでGoogleは本質的に巨大な広告事業者だった。もちろん広告事業も依然力強いペースで成長中であるものの、Googleは「その次」のビジネスをクラウドだと考えている。

Google Cloudのキーノートは現地時間午前9時にスタートした。TechCrunchチームはカンファレンス会場から最新のニュースをカバーする。

われわれのGoogle Cloud関連記事はこちら。下のビデオはキーノートの中継。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

E3 2018で任天堂が発表したプロダクトまとめ(ビデオ)

任天堂は今年のE3カンファレンスに強力な砲列を持ち込んだ。既存の人気シリーズをアップデートすると同時にSwitchに全く新しいゲームを発表した。われわれが紹介した主要なプロダクトは以下のとおり。

  • Super Smash Bros. Ultimate 〔大乱闘スマッシュブラザーズ Special〕
  • Super Mario Party 〔スーパー マリオパーティ〕
  • Fortnite 〔フォートナイト バトルロイヤル〕
  • その他〔ファイアーエムブレム 風花雪月、ドラゴンボール ファイターズ、ゼノブレイド2 黄金の国イーラ〕

〔日本版〕任天堂の日本向けE3 2018サイトはこちら

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google I/O 2018 における Google 検索の発表内容をご紹介します

今年で 10 回目となる Google I/O(英語) が先日開催され、盛況のうちに終了しました。本日はそのハイライトを振り返ってみましょう。

I/O で検索チームが実施した内容

このイベントは、世界各地の様々なコミュニティの多数のユーザーと出会い、アイデアを交換し、意見を集める素晴らしい機会となりました。さまざまなウェブ セッション(英語)コードラボ(英語)、オフィスアワーに加えて、私たちは検索に関する 2 つのセッションでコミュニティと情報を共有しました。

これらのセッションでは、モバイル フレンドリー テスト ツールの JavaScript エラーレポートを発表し、ダイナミック レンダリングについて紹介し(これについては今後の投稿で詳しく取り上げる予定です)、CMS で Indexing API や Search Console API を利用してユーザーに情報を提供する仕組みについて説明しました。たとえば、Wix では、ユーザーがホームページをインデックスに送信(英語)すると、すぐに検索結果に反映されます。また、Squarespace では、見込みのあるユーザーが何を検索しているのかウェブマスターが理解するのに役立つ、Google 検索キーワード レポート(英語)を作成しました。

また、イベント開催中に、サンドボックス エリアで新しい Search Console を公開し、ユーザーに試していただきました。AMP ステータス レポートについて興味を持った方から、検索に適したコンテンツの改善方法を探している方まで、前向きなフィードバックを多数寄せていただき、嬉しく思います。

実践的なコードラボ、事例紹介など

構造化データの追加とテストを体験していただける構造化データ コードラボ(英語)を実施しました。I/O では完了回数の多かったコードラボのトップ 20 にランクインし、大変感謝しています。構造化データを使用するメリットについて詳しくは、事例紹介(英語)をご覧ください。

直接お会いするオフィスアワーでは、HTTPS、モバイル ファースト インデックス、AMP など、さまざまなトピックへの関心が高いことがわかりました。この形式のオフィスアワーは、毎月実施しているウェブマスター オフィスアワー ハングアウトに加えて、素晴らしい機会となっています。寄せられたご質問やご意見は、誰にとってもわかりやすく使いやすいようにドキュメントやツールを調整するために活用させていただきます。

ハイライトと主なポイント

ウェブ デベロッパーの皆様にウェブサイトを構築する際に注意していただきたい主なポイントもお伝えしました。

  • インデックス登録とレンダリングは同時には行われません。レンダリングは後に延期される場合があります。
  • 検索に表示したいコンテンツに、メタデータ、正しい HTTP ステータス、想定どおりの canonical タグが存在することを確認してください。
  • シングルページ アプリ ルーティング向けの JavaScript History API を採用するため、ハッシュベースのルーティング(「#」を含む URL)はサポートを終了する必要があります。
  • Googlebot がリンクを適切にたどれるように、リンクには URL を指す href 属性を指定してください。

サイトのインデックス登録、ダイナミック レンダリング、トラブルシューティングについて詳しくは、こちらのトーク セッション(英語)をご覧ください。CMS やテーマ作成者としてできることや構造化データについて詳しくは、こちらのトーク セッション(英語)をご覧ください。

今回の I/O や世界中で開催された I/O Extended(英語)で皆様とお会いし、検索に関する最新情報を共有できて嬉しく思います。今後の最新情報を入手するには、ウェブマスター フォーラムに参加してください。また、TwitterGoogle+YouTube で Google ウェブマスター チームをフォローしてください。

今秋のDisrupt SFのStartup Alleyにいますぐ申し込むべきこれだけの理由

TechCrunch Disrupt SF 2018はサンフランシスコ最大級のカンファレンス施設、Moscone Westで 9月5日から7日まで開催される。これまでのDisrupt SFに比べてスペースが2倍、内容は2倍以上となるはずだ。すでに紹介しているとおり、このイノベーションの一大イベントにStartup Alleyが設けられる。何百チームものアーリー・スタートアップ(原則としてシリーズAの資金調達以前のスタートアップを想定しているが例外も考慮している)がStartup Alleyに参加し、プロダクトとテクノロジーを投資家やマスコミを含む参加者にデモする。今年われわれは1200チームのスタートアップの参加を予定している。

Startup Alley Exhibitor Packageに申し込んでデモ・テーブルを確保するとすてきなプレゼントがある。コンテストにも参加できる。たいへんお得だ。

パッケージの料金は1995ドルで、以下のような特典がある。

  • パッケージ購入者全員がDisrupt SFのVIPディナーに参加する抽選に参加できる。席は2つ用意されており、TechCrunchの編集者を始め投資家その他業界のセレブと親しく会食できるチャンスだ。
  • Startup Alley参加チームからランダムに毎週1組が選ばれウェブサイトとメールで「今週のスタートアップ」として紹介される。これはDisrupt SF開催まで毎週続く。
  • Disrup開催までランダムに毎月25チームが選ばれ、Showcase Stageで 60秒間のミニピッチができる(つまり75組にチャンスがある)。

Startup Alley Exhibitor Packageいますぐ購入すると上のような特典に加えて、Disruptカンファレンスへのファウンダー3人分のパスも得られる。 7月25日以前に申し込めばカンファレンスのすべてのセッションに参加できる。

Startup Alleyにさっそくテーブルを確保しよう!

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Dance Tokyo 2018 を開催しました

2018 年 4 月 3 日、Google 東京オフィスにおいて、Google の検索チームとウェブマスターやサイト運営に関わるみなさんを結ぶイベント、Google Dance Tokyo 2018 を開催しました(Google Dance Tokyo は、米国 Google 本社で開催されている、検索などオンライン マーケティングの担当者を対象としたソーシャル イベントである Google Dance の日本版です)。

Google Dance Tokyo 2018 Logo
イベントには例年通り当ブログでの告知からご応募いただいた方々や、Advanced Hosting Meetup の参加者、ウェブマスター ヘルプ フォーラムトップ レベル ユーザーや注目ユーザーのみなさんをご招待し、今年は昨年までの 2 倍を超える 220 名の方々にご参加いただきました。

イベントは徳生裕人(製品開発本部長)による Breakout Session から始まり、Google アシスタントを拡張する Actions on Google の最新情報をご紹介し、続く Special Session では長山一石(Ninja Spamologist)が「Webmastering 201」と題して、SEO 中級者になるために知っておくべき Tips をお話しました。

そしてQ&A タイムは、金谷武明(Senior Search Evangelist)と小川安奈(Mobile Solutions Consultant)が司会を務め、Gary Illyes (Webmaster Trends Analyst)と長山一石も加わり、今年はウェブマスター オフィスアワーとして会場からライブで中継しました。AMP や PWA に関するご質問から新しい Search Console、モバイル ファースト インデックスなど様々なご質問にお答えしました。

Google Dance Tokyo 2018 での #ウェブマスターオフィスアワーの様子

同時に開催した参加者によるライトニング トークはテクノロジーに関するもの、検索に関するもの、キャリアに関するものなど様々なトピックについて楽しいトークが披露され、大変盛り上がりました。イベント後に行ったアンケートでもどのライトニング トークも評判が高かったのですが、その中でも特に評判が高かったトークは「Google は教えてくれない「○○」のやりかた - 辻正浩」、「Twitter 廃人による Twitter フォロワー(オーディエンス)の増やし方(2018 年版) - 千代田まどか(ちょまど)」、「サーチコンソール + SNS を駆使した、読まれるコンテンツの作り方 - 湊川あい」(すべて敬称略)となりました。ご登壇いただきましたみなさん、ありがとうございました!

ソーシャル タイムでは大倉務(Software Engineer, Tech Lead Manager in Search)や今泉竜一(Engineering Director in Search)、長崎あずさ(Technical Program Manager in Google Assistant)も参加し、Google の検索チームと参加者のみなさんとで交流を深めました。

その他、当日の会場の様子に関しては、今年もハッシュタグ #GoogleDanceTokyo で多くの感想やコメントが投稿されましたので、ぜひご覧ください。

最後に、今年もみなさんから沢山のフィードバックやコメントを頂き、Google の検索チームとしても非常に有益なイベントとなりました。頂いたフィードバックは今後の検索エンジンの改善に役立てていきたいと思います。

お越しいただきましたみなさん、ありがとうございました!
またイベントやウェブマスター オフィスアワーでお会いしましょう!

※ 残念ながら当日お越しいただけなかったみなさん、検索のご質問はウェブマスター ヘルプ フォーラムやウェブマスター オフィスアワーでも受け付けておりますのでぜひご利用下さい。また、様々なイベントに参加しておりますのでぜひ直接イベントにお越し頂き、その際にご質問いただければと思います。

Posted by Takeaki Kanaya (Senior Search Evangelist), Kazushi Nagayama (Ninja Spamologist), Gary Illyes (Webmaster Trends Analyst), and Anna Ogawa (Mobile Solutions Consultant)

今秋のDisrup SFにデモ・テーブルを確保するなら今だ――TC Top Pic 60チームに選定されれば無料

スーパー・アーリーバード・チケットを手に入れよう

まだ春だが、アーリー・ステージのスタートアップが今秋のDisrupt SFにデモ・テーブルを確保したいなら今がチャンスだ。Disrupt San Francisco 2018に設けられるStartup Alley申し込みが始まった

今年9月5日から7日にかけてサンフランシスコのモスコーニ・センター・ウェストで開催されるDisrupt SFはTechCrunchのカンファレンスの中でも過去最大の規模となる。Startup Alleyでは1200社以上の参加チーム、スポンサーが最新のテクノロジー、プラットフォーム、サービスをデモする予定だ。スペースはすぐになくなるので、この機会を逃さないようにしていただきたい。

Startup Alleyでデモしたいスタートアップには2つの参加方法が用意されている(どちらも申し込みが必要)。最初のクラスはあらゆるカテゴリーのアーリー・ステージのスタートアップ向けのもので、Startup Alley Exhibitorパッケージを購入する必要がある。Pro Tip:参加者にはたいへん魅力的なボーナスがつく。

このパッケージにはデモ・ブース1日分、Disrupt SFのファウンダー・チケット3人分(ただし7月25日以前の申し込みに限る)、CrunchMatch(スタートアップと投資家を仲介するキュレーテッド・プラットフォーム)が含まれる。また参加者はStartup Alley出展者ラウンジ、Disruptをカバーするメディアのリストが利用できる。さらに最優秀出展者はワイルドカードとしてメインステージのStartup Battlefieldでプレゼンを行う機会が得られる(今年の賞金は10万ドルだ)。

Startup Alley Exhibitorパッケージを得る2番めの方法はTechCrunch編集部によるTC Top Pickに選ばれることだ。経験を積んだテクノロジー・ジャーナリストぞろいのわれわれ編集部はもっとも優れた60チームをTC Top Pickに選定する。この場合パッケージ1組が無料jとなり、さらに3分間のShowcase Stageインタビューの時間が得られる。

ただしTC Top Pickに選定されるためには以下のカテゴリーに含まれている必要がある。AI、AR/VR、ブロックチェーン、バイオテック、フィンテック、ゲーム、ヘルステック、プライバシー/セキュリティー、宇宙、モビリティー、リテール、ロボティクスの12カテゴリーだ。平均して各カテゴリー5チームということになる。

Startup Alleyに参加するメリットは? まず第一に来場者は1万人以上となる。メディアも400社以上がこのカンファレンスをカバーする。何千人もがStartup Alleyを見てまわる。将来のカスタマーや投資家を見つけ、メディアに露出するために絶好のセットアップだ。 われわれのテクノロジー企業のデータベース、CrunchBaseによれば、Disrupt SFのStartup Alleyの参加チームはカンファレンス後4ヶ月以内に3700万ドル以上のシード資金とシリーズAの資金調達に成功している。人脈をつくり、アイディアを交換し、新しいチャンスを得るために最適だ。

なおTC Top Pickを狙うなら6月29日までに申し込む必要がある。Disrupt SF Startup Alley自体の締切は8月8日を予定している。まだまだずっと先の話と思うかもしれないが、前述のとおり、スペースはなくなり次第終了だし、早起きはなんとやらいうとおり、早期の申込者にはボーナスがある。

1回の申し込みで通常参加もTC Top Pickへの応募もできる。 いそげ

すでに実績を上げている後期スタートアップや大企業であってDisrupt SFへの出展に興味ある場合はスポンサーシップ担当までご連絡いただきたい。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleが3月27日に教育イベントを開催、中身はまだ謎に包まれている

Appleには、学校や教師にサービスを提供してきた長い歴史があるが、しかし最近では業界の模様も変わり、Chromebookが学校の教室の様相を完全に変えてしまった。しかし、かつてのマインドシェアを取り戻したいAppleは今朝(米国時間3/16)、各方面へイベントの招待状を送り、来場者たちに何かの“実地見学”を勧めている。

シカゴで3月27日に行われるそのイベントは、“クリエイティブな新しいアイデア”を提供する、という。新しいハードウェアの立ち上げか? MicrosoftがWindows 10 SとSurface Laptopのローンチで昨年やったようなイベントか?

Appleの教育に関する戦略では、このところiPadが主役だったから、その路線の延長のような気もする。そもそもiPadは、発売の時点で、そのメインのピッチ(売り込み言葉)の中に‘教育’があった。

近年、タブレットの市場は比較的沈静化しているが、しかしその中にあってもApple製品の優位は揺るいでいない。しかもiPadは新たな脱皮をねらっているようでもあり、最近はありとあらゆるおかしな方角から、新製品の噂が飛び込んでくる

しかし、だからといって今回のイベントがハードウェアの紹介で終わることはないだろう。Appleは学校や先生たち向けのソフトウェアでもおもしろいソリューションを提供してきたし、また学校のIT向けには、個々のiPadをコントロールするソフトウェアも提供している。さらに最近では、一連の新しい教育アプリもある。

あるいはAppleは児童生徒向けの新しいハイエンド製品を紹介して、ここ数年教育市場を席巻してきたChromebookからの移行を迫るのかもしれない。その際同時にもちろん、289ドルのWindows 10Sラップトップも斬るつもりだろう。

Appleがイベントの発表に、とくにこの日を選んだのはなぜだろう? Samsungの旗艦製品の発売とほぼ同時期なのは、単なる偶然と思えるが。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

今年秋のDisrupt SFにはNext Stageが登場する――ファウンダー、投資家向けプログラム多数準備中

これまでTechCrunch DisruptではDag KittlausのSiriのライバル、Vivなど大型プロジェクトが発表されている。またSalesforceのMarc Benioff、EthereumのVitalik Buterin、GoogleのDiane Greene、23andMeのAnn Wojcickiなどスタートアップ・コミュニティーの著名人多数が登壇している。キーノートやインタビュー、またStartup Battlefieldが例年3日わたって息もつかせぬ熱さで繰り広げられてきた。しかしこれでもTechCrunchの編集部、スタッフは不満だった。やりたいことをすべてやるためのスペースが不足していたからだ。

しかし今年9月5日から7日わたって開催されるのDisrupt SF 2018ではこの問題が解消されるはずだ。モスコーニ・センター・ウェストという新しい会場を確保したため、スペースが大幅に広げられる。 TechCrunchでは従来のステージに加えてThe Next Stageを追加する。これによりプログラムの数は2倍になる。

Main Stage同様、Next Stageでもファイアサイド・チャット、パネルディスカッションを予定しているが、プログラムは全体としてスタートアップを成功させるためにファウンダーにも投資家にも必須の話題、つまりアーリーステージの資金調達方法、連続起業家によるスタートアップづくりの体験談に加えて、AI、モバイル、バイオテック、ブロックチェーンなどの重要なトレンドについてファウンダーや投資家、エンジニアが専門的見地から掘り下げた意見交換を行う。カンファレンスという枠組みではディスラプトに値するすべてを取り上げるわけにはいかないが、十分に広い分野をカバーできるものと思う。

Next StageとMain Stageはイノベーター、ファウンダー、投資家などすべての関係者を歓迎し、それぞれにチケットを用意している。プログラムの数が多すぎて見逃しが出るのではないかという心配は無用だ。カンファレンス参加者はオンデマンドのビデオストリーミングで両ステージをモニターできる。

Disrupt SFのチケットを今すぐ購入すればすれば、早割が適用されて最高1800ドルものバーゲンになる。

SF 2018のプログラムのいずれかのスポンサーになることを希望する企業はこのフォームに記入していただきたい。折り返しスタッフがコンタクトする。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Disrupt SF 2018はサンフランシスコで9月5-7日に開催――モスコーニ・センターに昨年の3倍のスペース確保

TechCrunchの数々のイベントの中でもフラグシップとなるのが毎年サンフランシスコで開催されるDisrupt SFだ。昨年9月に開催されたDisrupt SF 2017は参加者5000人、投資家とファウンダーのミーティング1220回、出展スタートアップ500社という新記録を作った。オンラインの視聴者は100万単位となった。なにより重要なことは、アーリーステージのファウンダーと投資家が共にDisruptに対してわれわれが望むとおりの点を評価してくれたことだろう。つまり「スタートアップが優れたものになることを手助けする」という目標だ。

Disrupt SFに唯一足りないものがあったとすればスペースだ。 スタートアップはデモブースをさらに必要としていた。ファウンダーはさらに多様なワークショップを求めていた。TechCrunchの編集部でもさらに数多くのプログラムを提供したかった。全員がもっといい仕事ができるスペースを求めていた。

2018年の9月5日から7日かけてTechCrunchはサンフランシスコを代表するコンベンションセンター、Moscone Center WestでDisrupt SFを開催する。これまでのどのDisruptと比較してもスペースは3倍以上となり、アメニティーも完備している。快適なカンファレンスとなるはずだ。

これまでにさまざまな興味深い施設でDisrupt SFを開催してきた。今は閉鎖されてしまったDesign Centerのコンコースや旧埠頭、ドッグパッチ地区のPier 70、チャイナベイスン地区のPier 48などだ。こうした施設は無駄を省き成果だけを直截に求めるリーンなスタイルを象徴していたと思う。その点ではやや懐かしくもあるが、貧弱な空調や仮設トイレの列などはありがたくなかった。

今年のDisrupt SFで追求するのはいっそう優れたカンファレンス体験だ。

スペースの問題がクリアされるのでいっそう多くのスタートアップが参加できる。AI、CRISPR、ブロックチェーンや暗号通貨、モビリティ、AR/VR、自動運転車、ロボティクス、航空宇宙など注目を浴びつつある新たなテーマを深く掘り下げるべく、多彩なプログラム、ワークショップやデモが準備されている。もちろんスタートアップの主戦場であるカテゴリー、エンタープライズ、eコマースなどにも従来どおり力を入れていく。

今年のDisruptでは参加者が自由に使えるスペースを多数用意している。シリアスなビジネス交渉に使うもよし、たまったメールをチェックしたり、単にコーヒーを飲んで一息入れるのに使ってもよい。われわれが大小のイベントを開催する中で気づいたことは、こうしたイベントはおよそ普段交流がなさそうな多様な層の人々を出会わせるということだ。そうして重要な議論が深められたり、思いもよらない契約のきっかけとなったりする。今年のDisruptでは参加者がそれぞれの目的のため必要なスペースを提供できるはずだ。また独自のランチミーティング、レセプション、専用ラウンジを用意したい会社の便宜も十分に考慮している。

規模が拡大することの利点にはチケット価格もある。従来よりも多様な価格でチケットが入手できるようになる。さらに広い層からの参加を期待している。

Disrupt SF 2018は昨年とくらべて2倍の参加者を集めるはずだ。しかし同種の他のカンファレンスとくらべてDisruptは独特の親密な空気を保っている。どのDisruptであれ、参加者は集中的かつ快適なカンファレンス体験を得られるものとわれわれは確信している。またDisrupt独特のサイド・プログラムとして、ファウンダーと投資家を引き合わせるCrunchMatchは今年も用意される。また参加者が講演者とモデレーターを介してディスカッションできるプログラムやスタートアップがステージでコンパクトなピッチを行うShowcaseも用意される。

カレンダーに「Disrut SF 9月5-7日 Moscone Center」と記入しておいていただきたい。準備状況その他最新のニュースを受け取りたい場合、こちらに登録できる。

ここで2つのニュースをお知らせしなければならない。

過去8年、われわれはニューヨークでDisrupt NYを開催し、この地域のスタートアップ・エコシステムに貢献してきた。ただ、依然としてわれわれは比較的小規模なリーンなチームであるため、エネルギーをどこに集中すべきか、その選択が重要なものとなる。今年われわれはアメリカ全土で規模最大、テーマも広汎なDisruptを開催することとした。TechCrunchにとってニューヨークは重要かつお気に入りの街なのでこの決定は辛いものがあったが、今年われわれは残念ながらDisrupt NYを開催しない。大勢のニューヨーカーが9月にサンフランシスコを訪れるよう期待する。

昨年12月4日、5日にベルリンでDisrupt Berlinが開催され好評を得た。TechCrunchは今年もヨーロッパでDisruptを開催する。準備が進めばその都度発表したい。

2つ目のニュースだが、Crunchies賞は引退する。TechCrunchのファウンダー、Michael Arringtonが10年前に創設したどちらかといえば軽い意味あいのイベントだが、熱心なCrunchiesファンには今年以降開催されないというのはショックかもしれない。われわれもいささか寂しく感じてはいるが、Crunchiesが生まれた頃、スタートアップは数も少なく、サンフランシスコ周辺でさえスタートアップ・コミュニティーは互いに知り合えるような社交行事を必要としていた。Crunchiesはこの必要性を満たす親しみ深いイベントとなった。しかし今日ではスタートアップは世界中で生まれており、「今年のベスト・スタートアップ」や「今年のベスト・ベンチャーキャピタリスト」を決めるというのは、率直に言って、われわれには答えられない質問となってしまった。

Crunchiesの10年間で誰が何を何年に受賞したかというのはトリビア・クイズのかっこうの問題になるかもしれない。2007年にベスト・プロダクト賞を得たのは何だったか? 答えは―AppleのiPhoneだった。これだけ言えば十分だろう。『2001年 宇宙の旅』の猿人をモチーフにしたCrunchie Monkeyのトロフィーの価値はBitcoinも同様永続すると思う。しかも今後増えることはないのでますます希少となる。

最後になったが、われわれはStartup Battlefieldを各地で開催している。NFLと提携して NFL at Stanfordを、またケニアではNairobi with Facebookを、オーストラリアではSydney with Elevacaoを開催した。

Disruptとは別にBattlefieldを開催するのは、特定の分野や地理的に遠くはなれた場所のスタートアップ・シーンを手助けするのが狙いだ。2018年にはBattlefieldもいっそう拡大していく。公共政策と司法制度ロボティクスなど重要な問題について1日かけて深く検討するTechCrunch Sessionsは今年も開催される。こちらも期待していただきたい。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google Dance Tokyo 2018 開催のお知らせ

Google Dance Tokyo を今年も開催します。本イベントは Google の検索チームと、ウェブマスターやサイト運営に関わる皆さんを結ぶことを目的にしたもので、今年で 3 回目の開催となります。

今年の Google Dance Tokyo では昨年に引き続き Gary Illyes、長山一石、小川安奈、そして金谷武明が参加し、Google 検索についてのセッションや Q&A の時間を設けるほか、Google 社員と参加者のみなさんの交流タイムなどを予定しています。開催概要は次のとおりです。

開催概要
日時:2018 年 4 月 3 日(火)
   13 時 00 分開場、14 時 00 分開始
   21 時 00 分頃終了予定
場所:Google 東京オフィス
費用:無料
定員:200 名(招待枠含む)

お申し込みはこちらから!
(締め切り:2018 年 3 月 5 日(月) 深夜 0 時まで)

今年も参加者のみなさんからの Lightning Talk タイムを設けたいと思います。
みなさまのご応募お待ちしております!

※ 参加者は抽選で決定し、3 月 8 日以降に当選者のみご連絡いたします。
※ 会場までの交通費等のサポートはありませんのでご了承ください。

Takeaki Kanaya, Senior Search Evangelist, Google

F8 2018はサンノゼで5/1、5/2に開催――Facebook が登録受付開始

Facebookは今年のF8デベロッパー・カンファレンスの参加受付を開始した。

昨年のF8の主だったテーマは拡張現実、脳とコンピューターのインターフェイス、JavaScriptフレームワーク、Reactの一新、などだった。メディアにも報じられたように、Facebookはこの1年、いくつかの波乱を経験した。同社ではユーザー同士のつながりをどのように構築していくかを再検討している。F8ではこの点についてFacebookというプラットフォームの将来像を詳しく知るための好機となるはずだ。

またわれわれはザッカーバーグを始めとするFacebookのトップから直接ビジョンを聞けるものと期待している。Facebookが主催することを発表したセッションは、AR、VR、AI、オープンソース・コミュニティー、ソーシャル・グッド、Facebookのビジネス利用など多岐にわたっている。Facebookのプラットフォーム・パートナーシップ担当副社長、Ime Archibongはこうしたテーマをさらに詳しく説明するブログ記事を投稿し、このカンファレンスが「われわれが世界の人々をいっそう結びつけるために構築しつつある新しい方法」を知るチャンスになるだろうと述べている。

カンファレンスは昨年同様、5月1日と2日にサンノゼのマッケナリー・コンベンションセンターで開かれる。参加登録はこちらから。 例年同様、カンファレンスのキーノートはライブ・ストリーミングされる。TechCrunchももちろん怠りなく取材の準備を整えている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Googleのパズルを解くと、今年のI/Oカンファレンスは5月8-10日だと分かる

Googleはパズルが好きだ。毎年同社は、その年のGoogle I/Oカンファレンスの最初の情報をパズルで提供する。今年もそうだ。

昨年のなぞなぞは数学的な論理パズルだったけど、今年のは脱出ゲーム的だ。ユーザーはGoogleのマウンテンビュー(Mountain View )本社キャンパスにあるいろんな部屋を次々とクリックして訪れ、パズルを解いていくと、最後にゴールに到着する。そこには、Google I/O 2018の場所、日にちなどが書かれている。

最初のパズルは、こんなツイートだ:

これは01100111…で始まる2進数を表している。これをアルファベット文字の文字コードと見なしてテキストに変換すると、ストリートビューによる探検が始まる。Massive Discordのグループがすぐにできて、なぞ解きに協力する。これのほとんどの部分を構成したのは、The VergeのTom Warrenだ。

パズルの答をここで明かすと、あなたの楽しみがなくなるのでやめておこう。とにかく最後には、ここに到達する:

すなわち、上図によると、Google I/O 2018はShoreline Amphitheaterで5月8日から10日まで行われる。この場所はGoogleのキャンパスの近くにあり、去年も一昨年もここが使われた。

この脱出ゲームはかなり短いけど、いくつかのイースターエッグを拾える。たとえば下図は、ある部屋で見つけたパイナップルケーキだ。

Androidの各バージョンにはニックネームがつき、それはスイーツの名前をアルファベット順に使っている。Lollipop, Marshmallow, Nougat, Oreo, 最新のAndroid 8がOで始まるOreoだから、次はPで始まるお菓子(など)の名前だ。だからそれは、P….だね。



[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa