Netflixのウィル・スミス主演の『ブライト』、最初の3日で1100万人が視聴――ニールセンが発表

Netflixはウィル・スミス主演のアクションSF、ブライト(Bright)の製作に9000万ドルかけたという。このシリーズは警官コンビものと近未来ファンタジーを融合させるという思い切ったテーマで、業界では「大きな賭けだが成功するか?」と注目が集まっていた。このほどNielsenが発表したリサーチの数字によると、放映開始後3日間のアメリカにおける視聴者は1100万に上っていたという。

Nielsenはこの10月にNetflixのオーディエンスを調査に含める計画を発表していた。その後発表されたところでは、ストレンジャーシングス・シーズン2(Stranger Things 2)の放映開始から3日間の視聴者は1580万人だった。一方ザ・クラウン・シーズン2(The Crown 2)は同期間で300万人にとどまった。

NetflixではNielsenの数字に対して「全視聴者の一部を計測しているに過ぎない」と批判しているものの、Netflix自体は視聴率データをまったく発表していない。

ブライトについて、Nielsenでは「視聴者のうち700万人は18歳から49歳、 56%は男性、44%が女性」だったとしている。

Netflix初主演となるウィル・スミスはロサンゼルス市警の警官でジョエル・エドガートン(巧妙な「オーク」のメークをしている)とコンビを組み、ノオミ・ラパスが悪役だ。ウィル・スミスはスーサイド・スクワッドのデビッド・エアー監督と再びコンビを組むことになった。スーサイド・スクワッド同様、批評家のコメントは最悪だ。IndieWireのDavid Ehrlich、 「本質的にひどい作品とけなしている。実は私もTechCrunchが今度始めた毎週ストリーミング作品を批評するポッドキャスト、Original Contentでこの作品を取り上げようと思っているが、とりあえず、こう言っておきたい。ブライトはひどい作品かもしれないが、スーサイド・スクワッドほど悪くはない。

ともあれ批評家がいくら悪口を言おうと、視聴者が作品をチェックしてみる妨げにはならなかった。ブライトがこの先も引き続いて視聴者を引き寄せることができるかどうかは今後明らかになるだろう。しかしNetflixでは早くもシーズン2の製作にOKを出している。.

画像: Netflix

〔日本版〕ブライトは日本でもストリーミング中。人名はNetfilix日本版にカタカナ表記があるものはそれによった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AmazonはFire TVのYouTubeアプリをアップデートしてユーザーをWebブラウザーに誘導

AmazonとGoogleの確執はしつこく続いている。今日(米国時間12/28)は、もともとGoogleが、YouTubeを取り去るのは2018年の1月だと言っていたFire TVから、早くもYouTubeが消えた。しかしFire TVのオーナーの多くが気づいたと思うが、今日そのYouTubeアプリを立ち上げようとすると、Webブラウザーを使えば“YouTubeやそのほかの何百万ものWebサイト”を見ることを選べる、というお知らせが出る(下図)。そしてボタンをクリックすれば、AmazonのSilkブラウザーかまたはFirefoxのどちらかを選べる。

消費者に迷惑をかけている両社間の不和は、数年前にさかのぼる。

Googleは、Amazonの反競争的な性格が気に入らない。Amazonは、スマートスピーカーやメディアプレーヤーなど、自社製品と競合するハードウェアをAmazonのネットショップ上で売ってくれないのだ。つまり、自社製品と競合するデバイスは、1台たりとも在庫を持とうとしない。それらは、Apple TV, Chromecast, Google Home,などなどだ。Amazonは、自社のEchoスピーカーやFire TVを売りたいからだ。

ただしAmazonとAppleは最近協議して、Apple TVをAmazonに復帰させ、そしてAmazonのPrime VideoアプリをApple TVに載せた

一方AmazonとGoogleの議論は今月初めに快方に向かい、ChromecastとChromecast Ultraが Amazon.comに再登場した。が、それもまた、今では降ろされている。

ほかにも今係争中の問題としては、Amazonが同社のEcho ShowデバイスにAmazon独自のYouTubeプレイヤーを搭載し、Googleに無断でその主な機能のいくつかを省略した。この件での両社のやり合いとしては、まずGoogleがそのプレイヤーからのYouTubeアクセスを拒否し、するとAmazonはひそかに、YouTubeのWebバージョンをEcho Showに載せた

これに対してGoogleは今月、Fire TVも含むAmazonのハードウェア製品から全面的にYouTubeへのアクセスができないようにする、と宣言した。Echo Showのその新しいプレーヤーはただちにYouTubeアクセスが不能になったが、しかしFire TVは2017年年内にかぎりYouTubeの視聴が許された。

しかし今日みたいに、Googleが自分が決めた締め切りすら守らないのは異常だ。どうやら、ユーザーにはYouTubeをWebブラウザーから見てもらう、という変化は、Googleの主導というより、Amazon自身が率先したようだ。

そのことを傍証するかのように、AFTVNews.comの記事やRedditのコメントによると、今Fire TVにYouTubeアプリをロードしようとすると、相変わらず警告メッセージが表示される(下図)。

上図: 警告画面; 画像提供 – AFTVNews.com

Googleのスケジュールに先駆けてYouTubeユーザーをWebブラウザーにリダイレクトするAmazonの方針が、全ユーザーに行き渡ったのか、それは分からない。Cord Cutter Newsの記事によると、ブラウザーをFire TVにインストールしている人しかブラウザー選択(Silk/Firefox)画面(下図)は出ない、という。しかしアプリのコードをデコンパイルした人によると、ブラウザーをインストールしていなくてもWebブラウザーが指示されるようになったそうだ。

本誌編集部には新旧両世代のFire TVが計2台あるが、ブラウザー選択画面は今日初めて見た。世界中のユーザーの多くが、同じことをツイートしている:

AmazonとGoogleにコメントを求めたが、Googleは無言、Amazonはこんな声明をくれた:

“FirefoxやSilkのようなWebブラウザーを使ってYouTubeとそのほかの何百万ものWebサイトにアクセスできることを、確言できます”。

アメリカではRokuが、ストリーミングデバイスのトップセラーだ。こんなややこしい話は、Rokuにはないからね。

競合する二社の、リーズナブルな解をいつまでも見つけられない、この時間的に長過ぎる無能ぶりに、消費者が翻弄されるのはもうたくさんだ。疎外されっぱなしの顧客の多くは、いずれRokuの方へ行っちゃうだろうから、両社の係争は彼ら自身を傷つけているだけだ。

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Amazon Musicはユーザーがアップロードした曲のストリーミングサービスを閉鎖する

音楽のストリーミングサービスはその初期のころ、他との差別化のために、ユーザーが自分が保有するMP3のコレクションをアップロードしてそのサービスから聴けるサイトもあった。たとえば、のちにPandoraに買収されたRdioでは、マッチング目的のために音楽をアップロードすることができた。一方Amazon Musicでは、MacやPCから自分の曲をアップロードして聴ける。

しかし、それも終わりだ。Amazonは今週ひっそりと、Amazon MusicのStorageサブスクリプションプランを廃止する、と発表した。2019年の1月からは、このプランで曲を再生したりダウンロードすることがまったくできなくなる。このサービス閉鎖に最初に気づいたSlashgearは、AmazonのWebサイトにある新しいヘルプページを紹介している。

それによると、Amazon Musicのデスクトップアプリから音楽をアップロードすることは、2017年12月18日をもって、できなくなる。再生やダウンロードに関しては、上記のようにかなりの猶予期間がある。つまり自分が過去にアップロードしたトラックを聴いたりダウンロードすることは、2018年の12月までできる。

閉鎖は、最大250曲までの無料ストレージプランと、年額25ドルで最大25万曲までの有料プラン、その両方に適用される。

しかし問い合わせに対してAmazonは、閉鎖を認めるとともに、“ただしAmazonから買った曲(MP3やAutoRip)は従来どおりモバイルやデスクトップから提供される”、と述べた。

Amazonは2013年に、Amazonから買ったCDをクラウドからMP3で聴けるために、AutoRipを導入した。でもそのときからすでに、勃興期のオンデマンドストリーミングサービスが最初からそれらの曲のMP3を提供していたため、AutoRipの利用者は少なかった。でも当時は、音楽のマッチングサービスがまだ一般的にあり、たとえばAppleのiTunes MatchやGoogleのScan-and-Matchなどがあった。

しかしその後Amazonは音楽のアップロードに背を向けるようになり、2015年秋には専用の音楽インポーターソフトウェアを閉鎖、代わりにAmazon Musicアプリを使うよう仕向けた。

2019年の1月以降、Amazon Musicのストレージサブスクリプションサービスがどうなるのか、それについての発表はまだない。

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Amazon EchoでU2の独占コンテンツ配信が決定――Appleとの関係に終止符か

前回U2が発表した独占コンテンツは、思ったような結果を出すことができなかった。当時Appleは、5年ぶりに発表されたU2のオリジナルアルバム『Songs of Innocence』の独占配信権を獲得するため、1億ドルもの資金を投じたと言われている。しかし、多くのiPhone・iPadユーザーは、同アルバムが強制的にiTunesライブラリに追加されたことに苛立ちを感じていた。

その影響もあってか、それ以降U2とAppleのコラボについての話は聞かなくなった。そしてこの度、Amazonが最新アルバム『Songs of Experience』に関連したコンテンツの独占配信を発表したことで、長きに渡って続いた両者の協力関係は、本当に終わりを迎えたようだ。

ちなみに今回は、無理やりユーザーにアルバムを押し付けるようなやり方ではなく、最新アルバムの発表を記念した「Amazon Music初のブロードキャスト型コンテンツ」が配信されるとのこと。『The U2 Experience』と名付けられたこのコンテンツは、ラジオ番組のようなもので、ユーザーはAmazon EchoをはじめとするAlexaデバイスを通して聴くことができる。

配信は11月30日(木)の一回限り。アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストリアのユーザーが対象となる。インタビューも放送予定で、「素晴らしいメロディーと歌詞で構成されたクラシックなロック曲ばかり」といった感じでアルバムの説明をするメンバーの声も聴けるだろう。

限定版のiPodを発売するまでにいたったU2とAppleの蜜月関係に、どちからが終止符をうったのかはわかっていない。恐らくお互いが自発的に距離をおくことにしたのだろう。いずれにせよ、以前U2のボーカルのボノは、ある記者会見で『Songs of Experience』について、彼らしい語り口で謝罪の言葉を述べていた。

「おっと、その件についてはすいませんでした。(無料配信という)素晴らしいアイディアに舞い上がってしまっていたのかもしれない。アーティストはこういうことをやりがちなんだ。ちょっとした誇大妄想、気前の良さ、自己顕示欲、さらには自分たちが数年間すべてをかけて作った音楽が聞いてもらえないかもしれないという大きな恐怖が相まってこのような結果になってしまった。世の中は雑音で溢れているが、それを乗り越えるために私たち自身が少し騒がしくなってしまったようだ」

しかし、今回はそのような事態になることはなさそうだ。最新アルバムを聞きたくない人は「Alexa, play “The U2 Experience”」と言わなければいいだけなのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Essential Phoneが360度ライブビデオを簡単にFacebookへストリーミングできるようになった

Essential Phoneとその360度カメラのオーナーは、カメラソフトのアップデートにより、今撮っている360度ビデオを、ライブでブロードキャストできることになった。そのほかのソフトウェアは不要で、なにしろEssential Phone本体に360度カメラを取り付けるだけで、撮影中の動画を送信できるようになる。

前と同じく、カメラを取り付けるとカメラアプリが360度モードで起動し、”Liv”ボタンをタップするとユーザーのFacebookアカウントにログインして、動画はそのアカウントへポストされる。そして二度目からは、画面を左へスワイプするだけで、360度ライブ動画のFacebookアカウントへの投稿が始まる。

さらに、Facebookの共有オプション“Only me, Friends, Friends of Friend, Public”(自分だけ、友だち、友だちの友だち、一般公開)のどれかを指定して、ブロードキャストの範囲を選べる。最初に、これから送る動画の説明文を送信することもできる。今後の動画送信には、Facebookの認証過程は要らない。

Essentialは、360度カメラの将来性にすごく自信を持っているようだ。本体への独特な接続方式をはじめ、360度カメラが最初から標準アクセサリになっていることについてチームに聞いたら、360度カメラの大衆化で先行することによって、今後のスマートフォン市場で優位に立ちたい、ということだ。今回のソフトウェアのアップデートで、360度ビデオを撮るだけでなく、それをライブでストリーミングすることも容易になった。はたして、消費者の反応はどうだろうか。

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音楽ストリーミングでPandora健闘――アメリカのアプリ内購入、売上8000万ドルでトップに

音楽ストリーミングのPandoraはSpotifyとApple Musicと激しい競争を繰り広げながら売上を大きく拡大することに成功した。Sensor Towerの新しいデータによると、アメリカ市場の2017年第3四半期におけるアプリ内課金(ゲームを除く)でランキングのトップに立った。パンドラがアプリ内課金の1位になったのは2015年第3四半期四半期以来だ。

Pandoraアプリの拡大を今年に入って後押ししたのはPremium契約の導入だ。このサービスは3月に「招待オンリー」で開始された後、4月には広く一般公開された。

Pandora PremiumはPandoraを特長づける音楽ラジオ番組的サービスに加えて好みの楽曲を検索してストリーミング再生し、プレイリストに追加するサービスとを追加したオンデマンド音楽ストリーミングとなっている。料金は月額9.99ドルでPandoraのライバル、SpotifyとApple
Musicの料金と等しい。

Pandoraではこのフラグシップ・サービスに加えて、Pandora Plusというミドルクラスのサービスも用意されている。こちらは2016年の秋にスタートしており、料金は月に4.99ドルだ。この有料サービスに加入すると広告が挿入されず、楽曲のスキップやオフラインでの再生などの快適なオプションが提供される。

Pandoraはアメリカの第3四半期のアプリ内課金で8000万ドルを売上げ Netflixを押しのけて1位となった。

Netflixはアプリア内課金でここ1年ほど首位をキープしていた。ただしNetflixは全世界ベースの売上では第3四半期も依然トップだ(ゲームを除く)。

Pandoraの(推定)売上8000万ドルは前年同期の3500万ドルから142%のアップだ。ただしSensor Towerのデータはアプリ・ストアに関するデータなので、ここで捕捉されている売上はアプリ内課金の分だけだ。Pandoraのビジネス全体については別の視点が必要になる。サブスクリプション契約はアプリ内だけでなくウェブからも可能だし、無料版は広告収入を得ている。Pandoraの7月の決算報告によれば、広告売上の伸びは対前年比5%だったものの、サブスクリプション売上の伸びは25%にもなっていた。

Pandoraは今年に入ってかなりの混乱を経験し、CEOのTim Westergrenの辞任などトップの入れ替えもあったが、7月の決算はアナリストの予想を上回った。会社売却が検討されたこともあったが、Pandoraは別の道を選び、SiriusXMから4億8000万ドルの資金を引き出した。

Pandoraは今日(米国時間11/2)、新しいCEO、Roger Lynchの下での第3四半期の決算を発表する予定だ。これにはPandoraがラジオ・ビジネスに一層注力するという方針の発表も含まれるだろうとBarron’sは予測している。

またこの記事によれば、アナリストはPandoraの損失を1株あたり8セント、売上を3億8000万ドルと予想しているという。

非ゲームアプリでの売上増が見られたのはPandoraのみではない。 Sensor Towerによれば、世界ベースでのアプリ内売上は 2016年第3四半期の17億ドルから2017年第3四半期には28億ドルに増加している(Google PlayとiOS App Storeの合算)。

App Annieも世界のアプリ売上の増大のトレンドを報じていた。ゲームを含むアプリ売上の総額は170億ドル弱だという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Toonstarではユーザー自身が漫画アニメのキャラクターになれる、顔認識技術を使って

ToonstarのCEO John Attanasioによると、彼の目標は“新しいCartoon Network”を作ることだ。

Attanasioと協同ファウンダーのLuisa Huangは共にWarner Brothersの役員だったので、Cartoon Networkと同じ企業の傘の下で働いていたことになる。Attanasioが語るToonstarのアプローチは、“モバイルで、一口サイズで、対話的な”アニメコンテンツを作ることだ。

具体的には、同社のiOSアプリではユーザーが漫画のキャラクターをカスタマイズして、自分の顔の表情でアニメできる。そしてそのアニメをToonstar自身やFacebook Live, YouTube Live, Musical.lyなどにライブでストリーミングし、それを見ている人が自分のアニメを加えて対話する。たとえば、画面に猫を放り込むとか。

animojisを連想する人がいるかもしれない。それはAppleが先月発表した、顔認識技術でアニメする絵文字だ。でもAttanasioによると、二つのサービスはそれぞれ目指すものが違う。animojisはコミュニケーションのツールだが、Toonstarは純粋にエンターテインメントだ。それに、ToonstarもiPhone Xで現状のまま使える。

さらに彼の主張では、こういうことをやるために必要な顔認識技術は前からあった。今回新しいのは、彼によると、“セルフィー(自撮り)文化との融合”だ。Toonstarではユーザーが自分をほかのキャラクターに変えられるし、キャラクター全員を変えることもできる。

Toonstar Demo

Toonstarアプリは今日(米国時間10/12)、ベータテストを終えた。同社によると、3か月のベータ期間中に2万名のユーザーが集まり、彼らが作った漫画の総ビュー数はのべ5000万回に達した。

さらに同社はThe Walking DeadのSkybound Entertainmentとパートナーして、同社のコミックの一部をToonstarのメニューに加える予定だ。

Skybound NorthのCEO Catherine Winderは、声明文でこう述べている: “Toonstarとのパートナーシップはすばらしい。漫画のライブストリーミングには、消費者とプロダクションの両方にとってユニークなアドバンテージがたくさんある。リアルタイムの対話によってファンは自分の好きなキャラクターと、とても斬新な方法で結びつける”。

Attanasioの構想では、Toonstarを単なるアニメチャネルで終わらせたくない。むしろ、新しい知財が生まれる場所にしたい。“次のRick and MortyはToonstarから生まれるかもしれないし、次のBojack HorsemanもToonstarから来るかもしれない”。

同社はScience Inc.のリードにより、二度目の資金調達を行った。それにはJon GoldmanのGC VR Gaming Tracker Fund, Manta Ray, そしてSocial Startsが参加した。金額は公表されていない。

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ビデオのストリーミング視聴は4Kの時代に――Apple TV 4Kに対抗してNvidia Shield TVに低価格新製品

NvidiaのShield TVはAndroid TVをベースにしたガジェットで、テレビで4K動画のストリーミングを楽しみたい向きには最良の選択肢の一つと考えられている。このほどShield TVに価格を下げた新製品が加わった。これはゲームコントローラーを省き、リモコンのみ同梱したパッケージで、16GBモデルが179ドルだ。現行Shield TVより20ドル安く、明日発売される32GBのApple TV 4Kと同一の価格となる。

Nvidiaのこのセットトップボックスは4K HDRのストリーミングを提供する。コンテンツのソースとしてはNetflix、Amazon Prime Video、Google Play Storeからのレンタルないし購入がカバーされる。Nvidiaのガジェットは今年始めの発売当初から4Kをサポートしており、私の使用体験からするときわめて快適に動作する。

ひとつ付け加えておくなら、Apple TVはAmazon Primeのストリーミングをサポートしていない(ただし開発中だという)。YouTubeアプリも4K再生ができない(これも将来はできるようになる可能性が高い)。Nvidiaはゲームのプレイに好適な機能を各種提供している。自宅のゲーム・パソコンからローカル配信ができるし、リモコンにヘッドフォンジャックが内蔵されているので「1人で音声を楽しむ」ことができる。

私はまだApple TV 4Kを自分で試すチャンスがないが、今のところNvidiaのストリーミング・ボックスは私のお気に入りのメディアセンターとして活躍している。そういうわけで低価格の新製品はApple TV 4Kの強力なライバルになるはずだ。ユーザーがAndroidのエコシステムにすでに多額の投資をしている場合は特にそうだろう。

新しいパッケージは現在予約受け付け中で、出荷は10月18日からとなっている。既存モデルについては価格その他変更はない。

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Apache Flinkの商用化企業Data ArtisansがFlinkアプリケーションのためのApplication Managerを発表

オープンソースの分散ストリームプロセッサーApache Flinkの商用部門Data Artisansが、ストリーミングアプリケーションを管理するための新しいツールを含む、このプラットホームの商用バージョンの、アーリーアクセスリリースを発表した。

Data ArtisansのCEO Kostas Tzoumasによると、リアルタイムでストリーミングを行うプロダクトを管理するアプリケーションは、それを自分で作ろうとする顧客にいくつかの難題をつきつけるので、同社のApplication Managerはその難題を解決するために設計されている。

Netflix, Alibaba, INGなど大手のFlinkユーザーには、そのようなツールを自作して大量のストリーミングアクティビティを管理しモニタする能力があるが、平均的な企業にはそんな贅沢ができない、とTzoumasは語る。

そんな顧客が作って使っているアプリケーションは、さまざまな外部システムと対話するものが多く、しかもそれをやりながら、大量のデータを、ほぼリアルタイムで処理しなければならない。Data Artisansは、そういう処理につきまとう複雑性を軽減するために、管理の部分を担当するツールを作ったのだ、とTzoumasは説明する。

その新しいツールはFlinkを通るすべてのストリーミングアクティビティを一箇所で集中的に管理する管理コンソールを提供する。そしてストリーミングデータのデータソースやデベロッパーのワークフロー、サービスのデプロイアーキテクチャ、ロギング、メトリクスなどを一望できる。

Apache Flinkを利用しているストリーミングアプリケーションと対話するすべてのサービスを管理できるだけでなく、そのツールを使ってデベロッパーがアプリケーションの開発過程を管理できる。完成したそれらのアプリケーションは、Kubernetesのようなコンテナオーケストレーションツールを使ってローンチする。

さらに、Apache Flinkのストリームに関連するすべてのユーザーアクションの監査証跡を記録するから、デプロイ後にそのステップをさかのぼって調べることができる。

ファウンダーのTzoumasとCTOのStephen Ewenは、Apache Flinkを学生時代に作り、2014年にはその商用化を行う企業としてData Artisansを創業した。標準的なオープンソースのビジネスモデルを採用して顧客がApache Flinkをサポートできるようにし、また企業がApach Flinkによるストリーミングアプリケーションを作るときにはコンサルタントとしてそれを手伝う。しかし、そうやって企業顧客との付き合いを重ねる中で、管理ツールの不在に新たなビジネス機会を見出したのだ。

彼らの会社はベルリンにあり、これまで700万ドルを調達した。今、Apache Flinkのダウンロード回数は1か月に1万ぐらいだ。この記事で取り上げた商用バージョンは2017年の終わりから2018年の初めにかけて一般公開される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ストリーミング機器のRokuがIPO申請――財務情報から読み解く今後の展開

【編集部注】執筆者のAlex WilhelmはCrunchbase Newsの編集長で、VCに関するTechCrunchのポッドキャストEquityの共同司会者でもある。Crunchbase NewsのTwitterFacebookをフォローして最新情報を入手しよう。

先週金曜日、Rokuは財務情報や事業戦略の詳細が記載されたフォームS-1(上場申請書)を提出した。

同書類によれば、彼らはIPOで1億ドル調達しようとしているようだ。しかしこの数字が仮の値であることは周知の事実で、実際の調達額はそれ以上にも以下にもなり得る。

なお、これまでにRokuは2億ドル以上を調達してきた。

株価指数が過去最高に近い値を記録し、動画がメディア界の中心的存在となり、IPOで良い結果を残すテック株が出る(苦しんでいる企業もいるが)中、10億ドル前後の評価額での上場が噂されているRokuが市場に飛び込もうとしている。

そこで、Rokuのビジネスモデルや収益、そしてそれらの情報をどう解釈すればいいのかについて考えてみたいと思う。

Rokuのビジネスモデル

Rokuはテレビ用ストリーミング端末の販売に加え、ストリーミングサービスを手がける企業と手を組み、彼らのコンテンツを消費者のもとに届けるサービスを提供している。さらに広告ビジネスもRokuの収益源のひとつだ。ストリーミング端末以外の売上のことを、同社は「プラットフォーム収益(plartform revenue)」と呼んでいる。

フォームS-1の中には、それぞれの収益源が以下のように説明されている。

プレイヤー収益(player revenue)はストリーミング端末の販売によるもので、プラットフォーム収益(platform revenue)は広告収益と動画サービス各社とのレベニューシェアから構成されている。プラットフォーム収益は、ユーザーがRokuのプラットフォーム上でコンテンツを消費することで発生する。今後もストリーミングプラットフォームの収益化を推し進め、プラットフォーム収益の拡大を目指す。

Rokuの売上全体に占めるプラットフォーム収益の割合は年々増えてきている。具体的な売上構成比の推移については以下のグラフ(Jackdaw ResearchJan Dawson作成)を確認してほしい。

後述の通り、プレイヤー事業とプラットフォーム事業の利益率には大きな差があるため、売上高構成比の変化は重要なポイントだ。

プラットフォーム収益の割合増加は、最近Rokuがハードウェアの直接販売よりも(Rokuのソフトを搭載したテレビを製造する)ハードウェア企業とのパートナーシップを通じてユーザー数を伸ばしていることと関係しているようだ。つまり、Rokuは利益率の悪いハードウェア販売に力を入れずとも、新たなアクティブユーザーを獲得できるということだ。

ここまでの情報をまとめると、Rokuはストリーミング端末を販売してプレイヤー収益をあげ、Roku搭載テレビを普及させるためにテレビメーカーとパートナーシップを結び、広告とストリーミング企業とのレベニューシェアからプラットフォーム収益をあげている。

かなりわかりやすい構造だ。それでは、事業の規模はどのくらいなのか?

Rokuの収益損失額について

本題に入る前に、まずは全体の数字を確認してみよう。

フォームS-1からとった下の表には、2015・2016会計年度の業績、2016年前期(暦年)と比較した2017年前期の結果が記載されている。なお各数字の単位は1000ドルのため、「119,116ドル」は実際には「119,116,000ドル」であることをお忘れなく。

これまでのところ、2017年は売上額が増え純損失額が減少しつつある。2016年は2015年に比べて売上が増加したものの、損失額もわずかに増えてしまった。

2017年前期の売上額は前年比で23%伸びている。これには先述の収益源の変化が一部関係しているため、23%という数字は額面よりも大きな意味を持っている。

売上構成比の変化

売上構成比が変化したため、収益の移り変わりの確認には少し工夫が必要だ。まずプレイヤー収益の四半期別推移は下降傾向にあり、例えば2017年第2四半期の売上は第1四半期よりも少ない。さらに2017年第2四半期のプレイヤー収益は前年比でも下がっている。

つまり同社のハードウェア事業は全体として下降傾向にあると言える。その一方で、プラットフォーム収益は継続的に増えており、四半期ごと(暦年)の推移は以下の通りだ。

グラフが示す通り、2016年第4四半期から2017年第1四半期の微減を除けば、Rokuのプラットフォーム収益は順調に増加している。そもそも広告を販売している企業の収益の一部は、休暇が集中する第4四半期が終了した後に減少する傾向にある。それを考慮すると、Rokuの売上減少幅はむしろ小さく、2017年第2四半期には減少分を既にカバーできている。

投資家がこれをどう見るかはIPOの結果を待つしかないが、同社のプラットフォーム収益が前年比で約100%増という劇的な伸びを見せていることには変わりない。

全体を見てみると、2017年第2四半期の売上は9962万ドルで、第1四半期の1億9万ドル、2016年第4四半期の1億4734万ドルを下回っている。このように前四半期との比較では売上が減少傾向にあるものの、前年同期比だと直近の4四半期の売上額は全て増加している。

もしも投資家がプラットフォーム収益の伸びをもとにRokuの未来を信じられれば、前四半期と比べての売上減というのはそこまで問題にならないかもしれない。

それでは、なぜ投資家がプレイヤー収益よりもプラットフォーム収益を重視する可能性があるかというと、Rokuの利益の大部分がプラットフォーム事業によるものだからだ。Jackdaw ResearchのJan Dawsonが作成した別のグラフを見てみると、どれだけプラットフォーム事業の利益率が高いかがよくわかる。

これはかなりの差だ。ではここから何が言えるだろうか?

Rokuの財務情報を読み解く

Rokuはハードウェア事業からの脱却を図ろうとしている可能性が高い。利益率の低さを考えると、少なくともハードウェア事業を引き続きメインの収益源とするつもりはないだろう。これは自社でコンテンツを制作していないOTT(オーバー・ザ・トップ:ネットを通じたコンテンツ配信サービス)企業の目指す姿としては納得がいく。

熾烈な競争が続くコンテンツビジネスの状況を考えると、このような方向転換の可能性もゼロではなかった。Facebokがオリジナル動画に力を入れ始め、コンテンツに大金をつぎ込むNetflixAmazonが対抗し、Appleも攻勢を強め、Microsoftは一旦手をつけた動画事業を取りやめた

もしかしたら、競争が激しいからこそRokuのビジネスは上手くいっているのかもしれない。彼らは消費者へと繋がる流通チャンネルを持っており、コンテンツ企業はまさにそのチャンネルを求めている。両者の相互作用もあって、RokuのARPU(ユーザー1人あたりの平均売上額)は以下のような動きを見せているのではないだろうか。

ユーザー数を急増させた実績を持つRokuにとってこれは良い兆候だ。利益率の良いビジネスを短期間に成長させるということには大きな価値がある。

しかしRokuの評価額について確かなことは言えない。ある事業の売上は下降傾向にあり、赤字続きながらも大きな可能性を秘めた同社に、どんな評価額がつくのか楽しみだ。

詳細についてはフォームS-1を確認してもらい、何か面白いことに気づいたら連絡してほしい。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

SoundCloudに土壇場で救いの手――LjungはCEOから退く

ユーザー生成音楽のストリーミングサービス、SoundCloudは運営を継続するための資金調達ラウンド完了した。共同ファウンダーのAlex LjungはCEOを辞任するが会長には残る見込み。

新CEOにはVimeoの元CEO、Kerry Trainorが就任する。Mike WeissmanがCOOに就任し、SoundCloudの共同ファウンダーでCTOのEric Wahlforssは最高プロダクト責任者に留まる。ニューヨークの投資銀行、Raine Groupとシンガポールの国営ファンド、TemasekがシリーズFの資金調達に応じ、1億6950万ドルを出資した。

SoundCloudは先月、コスト削減のためとして社員の40%にあたる173人を突如解雇した。このときCEOのAlex Ljungは「運営資金が第4四半期の開始までしかない」と発表し、同社は瀬戸際状態にあることが明らかとなった。土壇場での資金調達に成功したことで、SoundCloudは新たな航海に出発する準備を整えるか、あるいは買収によって大企業の傘下という安全な港に停泊するか選ぶ余裕を得た。

SoundCloudは今回のラウンドについて会社評価額などの具体的な数値を明かすことを避けている。昨日(米国時間8/10)のAxiosの記事によれば、SoundCloudは投資前会社評価額1億5000万ドルで1億6950 万ドルのラウンドを実施したという。この会社評価額は前回のラウンドの会社評価額が7億ドルだったことからすると暴落といっていい。 今回のシリーズFでRaineとTemasekは清算の際の残余財産分配優先権(liquidation preference)を得たものとみられる。これは他の残余財産分配優先権すべてに優先し、シリーズEの投資家の優先権は40%減額された。他の投資家はこれで満足しているわけはないが、投資が紙くずになるよりはましだろう。

SoundCloudを崖っぷちから引き上げるのと引き換えにRaineは取締役会に2人分の席を得た。元音楽業界の弁護士でRaineのパートナーのFred Davis、同グループで音楽関係の投資を担当してきた副社長、Joe Puthenveetilの2人がRaineが取締役に就任する。

CEOから退くことになったのはLjungには不本意だろうが、取締役会の会長として会社の運営に関与を続けることができた。Ljungは「(この資金調達の成功は)SoundCloudが独立企業として力強く前進することを保証するものだ」と書いている。

SoundCloudでは、通年換算の売上高は1億ドルあるとしている。この売上高を確保できるのであれば、コストを低く抑えることで最終的にはブレークイーブンを達成できるかもしれない。そうなれば今回のような外部からの緊急投資に頼る必要はなくなる。

TechCrunchはSoundCloudの危機について先月報じた。【略】この報道を受けて、ファンやアーティストからSoundCloudを守ろうとする声が多数上がった。これはTwitterがビジネス上の理由からビデオサービスのVineを終了したときを思わせた。有名ミュージシャンのChance The Rapperは自らSoundCloudを援助する道を探った。Chanceや他の多くのインディーのミュージシャンはこのプラットフォームからデビューし名声を勝ち得ている。結局Vineとは異なり、SoundCloudは救われたわけだ。【略】

2011年にハリウッドのHollywood Hotelで開催された2011 TVサミットに参加したKerry Trainor。当時AOLのエンタテインメント担当上級副社長 (写真 Todd Williamson/WireImage)

Featured Image: TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ディズニー、2019年に独自ストリーミングサービスを開始――Netflixからは引き揚げ

ディズニーの本日(現地時間8/8)の発表は避けられない結果だった。同社は2019年に独自のストリーミングサービスを開始し、同年中にNetflixで配信されている映画を引き揚げると発表したのだ。しかし、ディズニーがストリーミングサービスをローンチするのはこれが初めてではないと気づいた人もいるかもしれない(つまり新サービスはアメリカの消費者にとっては初ということになる)。実は同社はDisneyLifeと名付けられたストリーミングサービスを2015年からイギリスで運営しており一時的ではあったが中国でも過去に同サービスが利用できた。

もともとDisneyLifeは、後の大々的なローンチを見据えたディスニーの実験的なサービスとして考えられていた。

インフラ面だけでなく、どんなコンテンツや機能をユーザーが求めているのか、さらにはペアレンタルコントロールがどのように機能するかといったことをテストするためのプラットフォーム、という位置づけだ。DisneyLifeでは、1世帯(最大6人)あたりの少額の月額利用料を支払うだけで、ディズニー映画やテレビ番組のほか、音楽、オーディオブック、電子書籍などをデスクトップ、モバイル端末、テレビ(AirPlay、Chromecast経由)で楽しむことができる。

つまり同サービスはディズニー版Netflixのようなもので、ディズニーが将来世界中でローンチするであろうストリーミングサービスの姿を暗示するような存在だった。

Financial TimesはDisneyLifeのローンチ当時、同サービスのプラットフォームは将来的に他の目的(マーベルやスター・ウォーズ用など)にも利用できるだろうと考えていた。

しかし、DisneyLifeはこの度ディズニーが実質的に買収したBAMTech(ストリーミングサービスプロバイダー)とは関係していない。本日の発表によれば、ディズニーは同社への15億8000万ドルの出資を決めた(現在承認待ち)とされており、これでディズニーの持株比率は75%に増える。

昨年の10億ドルにのぼる出資の結果、ディズニーは既にBAMTechの少数株主になっていた。さらに当時のディズニーの発表では、翌年(=今年)にはBAMTechの支配権を取得できるようになるとされていたのだ。

2019年にローンチ予定の新サービスは、BAMTechが運営を担当することになっている。さらに同社は、ディズニー傘下のESPNが来年ローンチする、スポーツに特化したストリーミングサービスも手がけるようだ。

その一方で、マーベルやLucasFilm(スターウォーズ)のコンテンツが新サービス上で配信されるかどうかというのはまだハッキリしていない。本日発表された配信予定作品の中には、マーベルやスター・ウォーズの作品は含まれておらず、新サービス発表後に行われた業績発表の中では、これらの作品の扱い(サードパーティーへのライセンス or 新サービスへの統合)について未だ検討中との発言があった。

配信作品について、ディズニーは「ディズニーとピクサーの最新ライブアクション・アニメ映画」と発言するに留まり、具体的な名前が挙がった作品は『トイ・ストーリー4』、『アナと雪の女王』シリーズ、ライブアクション版『ライオンキング』と想定の範囲内だった。

さらに同社は、今後オリジナルコンテンツ(映画、テレビ番組、短編動画)の制作に注力し、新たなコンテンツが続々と追加されることになると語った。また、「限定コンテンツ」(詳しい説明はなかった)も配信予定とのこと。

もう一点気になるのは、ディズニーが本当にDisneyLifeで学んだことを新サービスに反映させるとすれば、テレビ番組のライブ配信も行われるかもしれないということだ。DisneyLifeでは、Disney Channel、Disney XD、Disney Junior Liveの番組をライブ視聴できる。ディズニーはライブ配信については触れなかったが、これらのチャンネルの番組は新サービス上で配信予定だと語った。

新サービスの利用料やローンチ日についてはまだわかっていないが、ディズニーによれば同サービスは世界中に展開される予定で、個々の市場における現状の契約を勘案して順次ローンチするとのことだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

目指すは”動画ストリーミング界のAndroid”――Iflixが1.3億ドル調達

アジアを拠点に、新興市場に向けてNetflixのような動画ストリーミングサービスを提供しているIflixが、この度事業拡大を目的に1億3300万ドルを調達した。

BuzzFeedやVice、Rokuなどの株主でもあるアメリカのメディア・コングロマリットHearstがリードインベスターを務めた今回のラウンドには、シンガポール経済開発庁の投資部門EDBIやDBS銀行(旧シンガポール開発銀行)の取引先らが新規に参加。既存株主のEvolution Mediaやイギリスのテレビ局Sky、マレーシアのCatcha Group、Liberty Global、Jungle Ventures、PLDTも同社への追加出資を決めた。

Iflixは2015年5月にローンチし、当初はアジア数か国で営業していた。現在利用料は月々約3ドルに設定されており、中東・アフリカを中心に市場を拡大した結果、進出先は19か国にまで増加した。また、これまでの累計調達額は約3億ドルにおよぶ。その内訳は今回の1億3300万ドルに加え、ローンチ前の2015年に調達した3000万ドル、昨年Skyから調達した4500万ドル、さらに今年3月に調達した9000万ドルだ。

直近のラウンドでの評価額は5億ドルだったが、今回の評価額は公表されていない(現在TechCrunchにて情報収集中)。

Iflixの1番分かりやすい競合としてはNetflixが挙げられるが、登録者数が1億人を超え、2017年第2四半期だけで520万人もの新規登録者を獲得した同社と肩を並べるような企業はほとんど存在しない。むしろ通信企業SingtelやPCCW Media傘下のVuclipを株主に持ち、東南アジアでサービスを提供するシンガポールのHOOQや、各国で個別にサービスを提供している現地ストリーミング企業の方がIflixの競合と呼ぶにはふさわしいだろう。

Iflixは3月に登録者数が500万人に達したと発表したが、今回の発表内では登録者数には触れなかった。その代わりに同社は「驚異的な成長を遂げ」、ここ1年で登録者数は3倍、ユーザーのエンゲージメント率は2倍に伸びたと語った。さらに売上も前年比で230%増加したとされているが、具体的な数字は公表されていない。

Iflix CEOのMark Brittは、TechCrunchとのインタビューで、Netflixとはターゲット層が異なるため同社との比較はあまり意味をなさないと語った。

「正直に言って、Netflixを競合としては見ていない。私たちはIflixのことを大衆市場に新しいサービスを提供する企業ととらえている」と彼は話す。

NetflixのターゲットはiPhoneなどのハイエンドデバイスを所有し、十分な可処分所得とクレジットカードを持つエリート層なのだとBrittは説明する。さらに彼は、Iflixのターゲット層は逆にローエンドのデバイスで良質とはいえないインターネット環境を使いながらも、モバイル端末でコンテンツを消費したいと考えている人たちなのだと言う。

「Netflixが動画ストリーミング界のiPhoneだとすれば、私たちはAndroidを目指している」とBrittは付け加える。「私たちは上流階級にとっての二番手――つまりNetflixユーザーであればIflixにも登録した方がよいというくらいの存在――になることも全くいとわない。しかし、大衆市場ではコンテンツのほとんどがモバイル端末上で消費されている」

 Iflix会長のPatrick Grove。今年タイのバンコクで行われた販促イベントにて

確かに動画ストリーミング市場の規模は、複数の企業が共存できるくらいの大きさだ。Media Partners Asiaの最近のレポートでは、アジアのオンライン動画市場の規模は2020年までに200億ドルを超えるとされている。ただし、Iflixが現状サービスを提供していない(かつ現地企業が覇権を握っている)中国を除くと、この数字は32億ドルにまで減ってしまう。

そんな状況をものともせず、IflixはNetflix同様オリジナルコンテンツの制作に力を入れている。同社は今年に入ってから、マレーシア発のアンダーグラウンドなコメディー番組の配信をスタートさせ、十数カ国にまで配信先を拡大中だ。また今年の3月には、Nerflixでグローバルテレビジョン担当VPを務めていたSean Careyをチーフ・コンテンツ・オフィサーに迎えた。さらにIflixはインドネアシアのサッカーリーグの放映権獲得と共にライブスポーツの分野にも進出し、Brittは今後各地の配給会社や制作会社から現地コンテンツを買い取り、さらにローカル市場へのフォーカスを強めていくと話す。

「私たちにとって重要なのは、欧米で作られた作品ではなくローカルコンテンツだということがわかった。トップ10に含まれる作品のほとんどは、ある特定の地域や国をターゲットにしたものだ」とBrittは語る。「大量の番組を一気に消費するのには欧米の作品の方が適しているかもしれないが、大衆市場へのリーチという観点では、現地の制作・配給会社が持つコンテンツの方が強い」

独占配信や封切りにフォーカスした作品数の増大にこそ、今回の調達資金が使われる可能性が高い。さらにBrittは新たな市場への進出についてもほのめかしており、既存市場と性質が近い南米には特に興味を持っているという。

「世界的に見て、新興市場にはかなり大きなチャンスが眠っている」と彼は付け加える。「ほとんどの新興市場で、ここ数年のうちにテレビ業界の勢いは停滞するどころか減速し始めている。世界中の新興階級が25歳以下の人たちを中心に構成されていることを考えると、テレビは過去のプロダクトと言っても過言ではないだろう」

「13億人におよぶと言われる(新興市場の)人々に向けられた新しいエクスペリエンスが、今後数年間でどのような形になっていくかについて(制作会社や興行主と)話を進めているプラットフォームはIflixだけだ」とBrittは話す。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Spotify、Appleを突き放し登録者6000万人を突破――ダイレクト・リスティングでの上場は依然検討中か

Spotifyの登録者数は音楽にひたむきな同社の姿勢もあり、iPhone製造の片手間にストリーミングサービスを提供しているどこかの企業よりも勢いよく伸びている。Spotifyが1年未満で2000万人もの有料会員を獲得した一方、Apple Musicは同じ数の会員を増やすのに1年半以上もかかった。その結果、両サービスの登録者数は、Spotifyが6000万人、Apple Musicが(2017年6月時点で)2700万人となった。

世界でもっとも強力な企業と言われるAppleと競合関係にありながら、Spotifyがここまでの勢いで登録者数を伸ばせたのは、同社がこれまでに築き上げてきたプロダクトとコミュニティのおかげだ。

Apple Musicは3か月の無料トライアルを提供しており、iPhoneには同アプリが出荷時点でインストールされているほか、同社は人気アルバムを早期リリースするためにレコード会社に大金まで支払っている。そのおかげで特定のアーティストのファンや、MP3からストリーミングサービスへようやく移行しようとしている一般消費者の中には、Apple Musicを選ぶ人もいるかもしれない。そうは言っても、音楽通が選ぶストリーミングサービスといえばSpotify、という状況は変わらない。

Spotifyはいわゆる「ダイレクト・リスティング」という道を進み、IPOなしで上場を果たそうとしている。つまり、(同社ではなく)関係者が市場で株式を売却するというやり方だ。

これはかなり珍しい動きで、それゆえSpotifyの上場にはさまざまな憶測が飛び交っている。証券会社が機関投資家をまとめ上げて売値を決めるという一連のプロセスに恐れを感じる企業も多いが、IPOは多額の資金を調達するチャンスでもある。

そんなIPOをスキップするということは、何億ドルという資金をみすみす見逃すことと同じだとも言えるが、上場後に増資もしくは売り出しという手もある。先日のWall Street Journalの報道によれば、Spotifyは今年中に上場を果たそうとしているようだ。

そもそもSpotifyの成長には、以下の重要なステップが大きく関係している。

Discover Weeklyのローンチユーザーの好みに基いて毎週アップデートされるDiscover Weeklyというプレイリストは、新しい曲やアーティストを求める音楽ファンの間で大人気となった。初年度で4000万人もの登録者を獲得したこのプレイリストに続き、Spotifyは新曲にのみフォーカスしたRelease Radarをローンチ。AppleSoundCloudといった競合サービスもDiscover Weeklyの類似機能を導入したが、Spotifyは流行の最先端にいる人たち向けの本格派ストリーミングサービスとしての地位を確立しようとしている。

楽曲を共有しやすくするため、Spotifyは最近QRコード機能をローンチした

ストリーミングに難色を示すアーティストの獲得:当初アーティストに十分なロイヤルティを支払っていないということで悪評が広まったSpotifyだが、登録者数が増えるにつれてこの問題もかなり改善してきた。しっかりお金が支払われるようになったことと、アーティストがヒットを狙うならば必ず抑えなければいけないチャンネルとしての地位が確立されたことにより、Spotifyはテイラー・スウィフトをはじめとする反ストリーミング派との契約をも勝ち取ることに成功した。ここに上場が加われば、音楽業界におけるSpotifyのポジションは盤石なものとなり、ストリーミングサービスに懐疑的なアーティストとファンも説得できるようになるかもしれない。

Google Home + Spotify VS Amazon Alexa:音楽を声でコントロールする魅力にひかれ、AmazonやGoogleのスマートスピーカーを購入する人が増えている。そんな中、Amazon AlexaではAmazon Prime Musicが押されている一方で、Google HomeはSpotifyをプレミアパートナーの1社に選んだ。PandoraやGoogle Musicにも勝る人気を受けて、Google HomeはSpotifyの広告入り無料プランのサポートを決めたのだAppleのHomePodの販売が始まれば、Google Homeとのパートナーシップの重要性はさらに増していくだろう。

IPOなしの上場

Spotifyはダイレクト・リスティングの可能性について公式には語っていないが、同社に近い関係者の情報によれば、上場直後の株価の大きな変動を避けるためにダイレクト・リスティングを選ぶ可能性もあるとのこと。引受人は取引初日の株価急騰を狙って公募価格を低めに設定するよう勧めることが多いが、上昇後の株価を保てない企業もかなり存在するため、ダイレクトリスティングがその対策に成りえると考える人もいる。

フランス・カンヌ―6月22日:SpotifyのファウンダーでCEOのDaniel Ek。2016年6月22日にフランスのカンヌで開催されたカンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルにて(写真:Antoine Antoniol/Getty Images)

さらにダイレクトリスティングの道を選ぶことで、上場後に関係者が株式を売却できない「ロックアップ期間」の問題も解消できる。Snapの株価は本日(現地時間7月31日)ロックアップ期間が終了することもあり、最近値を下げていた。

もしもSpotifyのダイレクト・リスティングがうまくいけば、他社もその後を追うことになるかもしれない。

その一方で、ダイレクト・リスティングによってSpotifyの株価のボラティリティがさらに高まる可能性も十分ある。まだ同社は具体的な計画を発表していないが、IPOで機関投資家に株式が売却される理由のひとつは、彼らが長期的にポジションを保有すると考えられているからだ。

それでもダイレクト・リスティングを選ぶとなれば、Spotifyは株価を保ってApple Musicの侵攻を防ぐために、これまで築き上げてきたユーザーベースに頼らざるを得なくなるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Netflix、Q2のモバイル・アプリ売上で1位、233%の成長――Tinder、Lineが続く

Netflixの登録者数は先週の四半期決算報告中でも発表されたが、Netflixアプリは非ゲームアプリの売上でトップに返り咲くなどその好調ぶりはアプリの統計でも感じられた。モバイル・アプリのアナリティクスを提供するSensor Towerの最新のレポートによれば、第2四半期の売上は対前年比で233%アップし、1億5300万ドルに達した。前年同期の売上は4600万ドルだった。今期Netflixアプリの売上は総合およびiOS App Storeでトップとなった。

iOS、Androidを総合してアプリ市場の売上の成長率は56%なのでNetflixの急成長はアプリ・ストアの中でも類を見ないレベルだ。言い換えれば、Netflixの成功は単にモバイル・アプリのエコシステムの拡大という追い風を受けただけのものではない。市場が拡大しているのは事実だが、それよりむjしろNetflixが多数の新規登録者を獲得できた能力にあるとみていいだろう。

先週、Netflixは最新の四半期で新規登録者を520万人獲得したと発表した。当初の予測は320万人だったから、これを大きく上回ったことになる。過半数の400万人はアメリカ国外の国際市場から来てている。NetfliはiOS App Storeでトップに立っているが、新規ユーザーの多くはモバイルからこのストリーミング・サービスを試し、アプリ内課金システムを利用して有料ユーザーとなる場合が非常に多い。

第2四半期のNetflixの全体としての売上は、 32%アップして27.9億ドルとなった。第1四半期は24.8億ドル、36%のアップだった。ただしこの数字はモバイル、デスクトップ、セットアップボックス、その他すべてのプラットフォームの売上を合計したものだ。

モバイルアプリの売上が233%アップしたというSensor TowerのレポートはNetflixにとって他のあらゆるプラットフォームと比較してモバイル・プラットフォーム経由の売上がきわめて重要なものになりつつあることを裏付ける。

またSensor Towerの統計によてば、Netflixはライバルの動画ストリーミング・サービス、Huluに対してもはるかに優位に立っている。Huluの第2四半期のモバイル売上は22%増にとどまった。

Netflixの大きな魅力の一つは、同社が四半期決算でも述べているとおり、オリジナル・コンテンツの強力さだ。同社は近年独自コンテンツの充実のために巨額の投資を行っている。Netflixの発表によれば、同社は今年60億ドルをコンテンツ製作のために投じる計画だ。これには劇場公開クラスの映画、40本が含まれる。.またNetflixは映画のライセンス購入のためにも最高額を支払ってきた。ウィル・スミス主演のダーク・ファンタジー、 『ブライト』に9000万ドル以上を投資しており、1億ドル以上を費やしたマーティン・スコセッシのギャング映画、 The Irishman〔アイリッシュマン(仮)〕の配給権も獲得している。

Netflixは決算資料中で、以前テレビ・ビジネスに革命を起こしたのと同様、近くハリウッドの映画ビジネスも根本的に変革している計画だと述べている。

今期の決算ではNetflixの他にもサブスクリプション・ベースのサービスがトップ・ランキング入りしている。iOS App StoreではPandoraが3位となり、Spotifyが5位、YouTube Redで有料サービスを提供するYouTubeが6位となった。

iOS App StoreとGoogle Playを合計したランキングではPandoraが4位、Spotifyが7位、HBO NOWが9位に登場し、YouTubeは10位だった。Sensor Towerが発表した非ゲームアプリのビジネスに関するレポート全文はこちら

〔日本版〕上記Sensor TowerのデータによればLINEアプリは総合3位、iOSで4位、Google Playで2位となっている。Google PlayのトップはGoogle Driveだった。Tinderアプリは総合とiOSで2位、Google Playで3位だった。
The Irishmanは実在のギャング、フランク・シーランをロバート・デニーロ、ジミー・ホッファをアル・パチーノ、シーランにホッファ殺害を命じたとされるマフィアのボス、ラッセル・ブファリーノをジョー・ペシが演じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTube TV、サービス提供地域が3倍に――アメリカ国内10都市が追加

YouTubeは本日(現地時間7/20)、テレビ放送ストリーミングサービス「YouTube TV」の提供地域に、新たにアメリカの10都市を追加したと発表した。そのうち9都市では、4大ネットワーク(ABC、CBS、FOX、NBC)全てのローカル放送がライブ配信される。主要ネットワークの番組をライブ視聴できるというのは、YouTube TV誕生時からの強みのひとつだ。YouTubeは各都市でそれを実現するため、あえてまだ全国展開していない。

当初YouTube TVは、アメリカの主要都市(ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、サンフランシスコ・ベイエリア等)でしか利用できなかった。

2月に同サービスがお披露目されたとき、YouTubeのチーフ・ビジネス・オフィサーRobert Kynclは、「ABC、NBC、CBS、FOX全社の放送を全国でストリーミングすること」を目指しているので、ユーザーは「見逃せない」瞬間をしっかり見届けることができると語っていた。

そして6月に開催されたオンライン動画カンファレンスのVidConでは、サービス提供地域を10都市増やし、進出先の数を3倍にするとも同社は話していた。このとき彼らが言っていたのが、本日発表された10都市だ。

具体的な都市(一部は複数都市にまたがる地域)名は次の通り。ワシントンDC、ヒューストン、アトランタ、フェニックス、デトロイト、ミネアポリス・セントポール、マイアミ・フォートローダーデール、オーランド・デイトナビーチ・メルボルン、シャーロット、ダラス・フォートワース。

ダラス・フォートワースを除く全ての都市・地域で、ABC、CBS、FOX、NBCのテレビ放送が視聴できる。CBS、FOX、NBCの番組はダラス・フォートワースでもライブ配信されるが、ABCについてはゴールデンタイムの番組のオンデマンド配信だけとのこと(YouTubeとABCの契約内容によって、今後この状況が変わる可能性はある)。

主要ネットワークの番組を視聴できるというのはYouTube TVの大きな強みである一方で、4月のローンチ以降、YouTubeと契約を結んだケーブルテレビの数も徐々に増えてきている。CW、USA、FX、FXX、Syfy、FreeForm、MSNBC、CNBC、Fox News、Fox Business、Disney、Disney Jr.、NatGeo、Sprout、E!といった人気ネットワークのほか、最近ではAMC、BBC World News、IFC、WE tv、Sundance Channel、Olympic Channel、Telemundo、Universoが同プラットフォームに加わった。

その他にもスポーツ系のESPNやNBC Sports、Fox Sportsを含む、合計約50チャンネルが取り揃えられている。

YouTube TVのほかにも、テレビ放送ストリーミングを行っているサービスには、Sling TVやPlayStation Vue、DirecTV Now、HuluのLive TVなどがある。各サービスは機能面で似ている点が多く、どれもクロスプラットフォーム視聴やクラウド録画(一部サービスではこれから始まる予定)、複数ユーザーの同時視聴などができるようになっている。

ニュースチャンネルへのアクセス以外のYouTube TVの強みとしては、利用料の安さ(月額35ドル)、容量無制限のクラウド録画、1世帯あたりの最大アカウント数6個、3ストリームまでの同時利用、YouTube Redオリジナル番組へのアクセス、幅広いデバイスのサポート(デスクトップ、Android、iOS、Airplay経由のApple TV、Chromecast)が挙げられる。

YouTube TVに限らず、ストリーミングできるチャンネル数は日に日に増え続けているため、Suppose.tvBundlerのように、テレビ放送ストリーミングサービスを選ぶ手助けをするようなツールも誕生した。しかしYouTube TVがメインのターゲットにしているのは、従来のテレビではなくYouTubeで動画を見るのに慣れている若い視聴者だ。

これまでのところその戦略はうまくいっているようで、Nielsenのデータでは、テレビの視聴者の約半数が49歳以上のところ、YouTube TVの視聴者の半分以上が13〜34歳の層だとされている。

YouTube TVはユーザー数を明かしていないため、トラクションはそこまで伸びていないと考えれるが、これにはまだアメリカ国内でサービス提供地域を拡大しているということも関係しているのだろう。今後はさらに同サービスを利用できる地域が増えていく予定だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Netflix、Q2新規登録者数が500万人超えーーオリジナルコンテンツへの注力が奏功か

Netflixの新規登録者数が業界予想、そして彼ら自身の予想を2四半期連続で大幅に超えた。

本日(現地時間7月17日)の発表によれば、2017年第2四半期の新規登録者数は520万人で、同社の予測値の320万人を大きく上回った。このニュースを受け、株価は一気に9%上昇。新規登録者のうち400万人以上は海外のユーザーとされているが、北米外への進出に力を入れている同社の動きを考えると、国内の新規登録者数が100万人以上伸びたというのも驚きだ。

そして登録者数こそ、投資家が常に気にしている数字だ。決算書は各数字の算出方法などを変化させることで、ある程度実態よりよく見せることができる一方で、将来の経営数字に影響を及ぼすのは、他でもない登録者数(Facebookで言うところのユーザー数)なのだ。さらにNetflixは現地市場をほぼ支配しているが、海外市場にはまだまだ伸びしろがある。

登録者数の伸びには、国内だけでなく海外でも人気を博しているNetflixのオリジナルコンテンツが関係しているように思える。今回発表されたレポートの中には遠回しな表現もいくつか見られたが、注目すべきは同社の総登録者数の約半数が海外ユーザーで、「2017年の年間決算では海外市場が利益に貢献するだろう」と予測している部分だ。後半は少しわかりづらいものの、とにかく海外事業が予想よりもうまくいっているということは間違いないようだ。

「コンテンツの人気を過小評価していたこともあり、第2四半期には全ての主要市場で予想よりも登録者数が伸びた」と四半期報告書には記されている。

Netflixが1月に発表した昨年の登録者数の純増は、国内が200万人、海外が500万人で、これも当時の投資家予想を大きく上回っていた。同社はコンテンツ制作にかなり力を入れているが、国内市場が飽和状態に近づくにつれて、海外ユーザー数を増やす方法を模索しなければならなかった。最近では『3%』をはじめとするオリジナルコンテンツの制作が功を奏し、海外市場での勢いも順調だと語っている。

四半期報告書によれば、第2四半期の収益は27億9000万ドル、EPS(1株あたり純利益)は15セントだった。一方、アナリストの予想は収益が27億6000万ドル、EPSが16セントだった。収益面ではほぼ予想通りだが、(繰り返しになるが)ここで重要なのは登録者数だ。

高品質なオリジナルコンテンツ制作の努力は、実際に実を結びはじめているようで、今年のエミー賞にもNetflixのオリジナル作品がいくつもノミネートされていた。しかし、エミー賞ノミネート作品をうまく活用することで、同社はまだまだ登録者数を伸ばせられるだろう。海外市場は需要過多の状態にあるため、国内外両方のユーザーにとって魅力的なコンテンツを制作している企業だという評判を確立できれば、それも難しい話ではないはずだ。ちなみにNetflixは、今年だけで60億ドルもの資金をオリジナルコンテンツ制作に投じる予定。次から次へと新しいコンテンツを求めるユーザーのことを考えると、この数字は今後さらに増えていきそうだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

複数のストリーミングサービスからコンテンツを検索し、見たものを管理してくれるReelgoodが正式ローンチ

Reelgoodはベータ運用を終了し、本日(米国時間7月17日)より正式にローンチした。このサービスはコードカッター(直接的には「ケーブルを切る者」という意味。ケーブルテレビのライバルになるストリーミングサービスたちを指す)たちの中から新番組を検索しお気に入りを管理してくれるサービスだ。250以上のストリーミングサービスを1つのインターフェイスから扱うことができる。生まれたのは、新しいストリーミング時代のテレビガイドのようなものだ。

当初、このスタートアップは、映画に焦点を当てたiPhone向けのソーシャルネットワーキングアプリケーションを2015年にリリースした。しかしチームはすぐに、現在のユーザーたちが直面しているストリーミングの真の問題は、コンテンツの発見であることを学んだ。番組や映画は複数のサービスを横断して広がっているため、何がどこにあるのかを把握するだけでなく、新しく見るものを探すことにも苦労する。

多くの人がそうしているように、もし複数のサービスをサブスクライブ(購読)しているならば、それぞれ独自のコンテンツのみを提供する、異なるアプリやインターフェイスの間をしばしば右往左往することになる。

Reelgoodの創業者David Sandersonは、この難問について以下のように述べている。

「これまで私たちは、私たちの都合ではなく、ビジネス側の都合に従う形でコンテンツへアクセスせざるを得ませんでした。ユーザーは視聴している番組の新しいエピソードがあるかどうかをチェックしたり、そのサービスで何を見ることができるかを知るために、毎夜毎夜ストリーミングアプリの間を行ったり来たりして、時間を無駄にさせられるべきではありません。それはすべて1つの場所になくてはならず、人びとと完璧なショーや映画の間に壁があってはならないのです」。

「飛行機のチケットを予約するのに、アメリカン航空、サウスウェスト航空、アラスカ航空などのウェブサイトをチェックすることは決してないでしょう。単にKayakを使うだけです」とSandersonは続ける。「なので、オンデマンドのサブスクリプションビデオでも同じ体験を得られるべきです。それこそが、まさに私たちがReelgoodでやっていることなのです」。

Reelgoodのウェブサイトが昨年の冬にベータ運用を開始した時には、Netflix、Hulu、Amazon Prime Videoなどのいくつかのトップストリーミングサービスから、番組や映画を探し出すサービスを提供していた。

現在同サイトは、幅広いストリーミングサイトとアプリをカバーしている。多くの無償ソース、そして広告にサポートされたFox、CBS、ABC、CW、Crackleなどの多くのテレビ局なども含まれる。またFX、Starz、Showtime、HBOなどのケーブルテレビネットワークも同様に提供している。

Reelgoodサイトを初めて訪れたときに、無料の映画や番組探すオプションに加えて、現在購読しているサービスをチェックして、表示させたいサービスを設定することができる。

このサイトには、ジャンルやキーワード検索によるブラウジングを含む、視聴可能なコンテンツをフィルタリングおよび検索するための、さまざまなツールが用意されている。また、Netflixのようなお勧めコンテンツの行も表示されるが、これらはお好みのストリーミングソースの中から集約されたものだ。この中には、人気番組やトレンド番組、新しいテレビ、新しい映画、Netflixのトップピックなどのグループが含まれている。

Reelgoodの以前のバージョンにも同じような機能はあったものの、ベータ期間中に同社が学んだことは、ユーザーが最も気にしていることの1つは、既に見た番組のエピソードを追跡することだということだ。昔のテレビとは異なり、現在は特定の日時に番組にチャンネルを合わせる必要はなくなっている。しかしこれが意味していることは、視聴している全ての番組を覚えきれなかったり、どこまで見たのか、いつ新しいエピソードが見られるのかを把握できない可能性があるということだ。

Reelgoodを使えば、こうしたもの全てを“Watch Next”(次に見る)機能を通して、次に見るべき番組のリストを知ることができる。この機能を使用するには、フォローしている番組で”Track Series”(シリーズを追跡)ボタンをクリックし、どのエピソードを既に見たかを指定する。これはReelgoodだけにユニークな機能ではない。TV Timeのようなアプリもこのようなツールを提供しているが、Reelgoodはソーシャルコミュニティとの統合も行なっている。

また興味深いことに、Reelgoodは現在、以前Popcorn Timeで働いていた7人のチームメンバーを抱えている。このサービスは決して合法的とは言えないサービスで、海賊版コンテンツのためのNetflixと呼ばれたことさえあったものだ。実際Reelgoodは、Popcorn Timeと同様の問題を解決しようとしている。つまり、ワンストップショップを提供して、見たいものを簡単に見つけることができるようにしようというものだ。

Reelgoodで番組や映画を見るためにクリックすると、新しいウィンドウが開いて、目的のサービス上のそのビデオのページに直接アクセスできるようになる。

当分の間、同社はサービスに課金することは予定していない。その代わり、最近チームは、August Capitalに主導されSocial CapitalとHarrison Metalが参加したラウンドで350万ドルを調達した。これにより、スタートアップの総資金調達額は450万ドルになった。この資金は、収益を生み出すことに集中する前に、まずサイトにおけるユーザーエクスペリエンスを完璧にすることを可能にする。

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(翻訳:Sako)

音楽サービスは“個人化”ブーム、Google Play Musicが新譜紹介プレイリストNew Release Radioを開始

今や数が多くなった音楽ストリーミングサービスは、音楽をオンデマンドで提供するだけでは顧客の心をつかむことができなくなった。新曲を見つける機能が必要だし、リコメンデーションもしなければならない。プレイリストの選曲に人気がある点でSpotifyは確かに市場のリーダーだが、Apple MusicやGoogle Play Musicをはじめ、ライバルたちも負けてはいない。今週はそのGPMが、自分たちでキュレートしたミックス、New Release Radioの提供を開始した。GPMはそれについて、各リスナーの好みに合わせた選曲だ、と言っている。

この機能は4月に、Samsungとのグローバルなパートナーシップでテストされた。当時のGoogleは、Samsungのスマートフォンやタブレットの新機種の上ではGPMをデフォルトの音楽プレーヤーにするつもりだった。Samsung自身のMilk Musicの、アメリカにおける閉鎖を引き継いで。

GoogleはそれによってSamsungのユーザーからのフィードバックを集めることができ、その成果としてこのたび、Google Play Musicの全ユーザーにNew Release Radioを提供できることになった。

個人化されたミックスには、好きなアーチストの新曲を紹介する機能もある。というか、Googleが、こいつはこれが好きだと信じたアーチストのね。この、ラジオ放送の形をしているサービスは、機械学習の技術を利用して過去二週間のニューシングルやニューアルバムから曲を拾う。同社の発表によれば、その際、ユーザーのGPMでの視聴履歴や、もっと幅広い音楽の好みを参考にする。

このようにエンドユーザーの好みに合わせて音楽サービスを個人化する能力は、たしかに今日のストリーミング音楽の市場競争で優位に立つための重要な要素であり、とくにSpotifyが、その能力に秀でている。そのDiscover Weeklyプレイリストは、初期における強力な差別化要因となり、昨年の総リスナー数は4000万に達した。その後Spotifyはその勢いに乗って、ユーザーが好むと思われる新譜の提案、Release Radarなどの、個人化プロダクトを展開した。Radarは昨年の夏だったが、同じ年の秋には、お気に入り曲とリコメンデーションを組み合わせたDaily Mixが登場した。

Apple Musicもプレイリストの個人化には熱心で、“My New Music Mix”や“My Favorites Mix”などを立て続けにリリースし、いちばん最近では、チル(chill)系の曲だけを集めたプレイリストの提供を開始した。

GoogleのNew Release Radioは無料のラジオリスナーにも提供され、そのときそのときの新曲によって継続的にアップデートされていく、とGoogleは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SoundCloudが深刻な危機に――ユーザー生成音楽のストリーミング事業に残された時間は50日

ユーザーが生成した音楽をストリーミング配信するサービスの大手、SoundCloudは深刻な状況を迎えている。昨日(米国時間7/11)、同社では全社員集会を開き、先週突然に40%の社員のレイオフを行った理由を説明した。

残留組はなぜ事前に経営悪化に関して何も知らせがなかったのか、またこのコスト削減がSoundCloudの経営を長期にわたって保証するものなのか知りたがっていた。

しかしベルリン本社からビデオキャストが放映される際、世界中のSoundCloudの会議室には警備員が溢れており、社員は望んでいた答えが得られそうな状況ではないと悟ったようだ。SoundCloud社員の一部はTechCrunchに対し、共同ファウンダーのAlex LjungとEric Wahlforssは「レイオフはコストを減らすことで第4四半期まで時間を稼ぐためだった」と告白したと述べた。しかし第4四半期までわずか50日しかない。

Ljungはレイオフの発表に当って、「長期的計画を練り直し厳しい決定をすることになった」という声明を発表していた。しかし手持ち資金が尽きるのがそれほど差し迫っていることにはまったく触れていない。

TechCrunchが取材した別のSoundCloud社員は、別のオフィスで全社員ミーティングのビデオを見たが、「(その際の雰囲気は)ひどいものだった。優秀な人間はみな辞めると思う。Eric
[Wahlforss]はSoundCloudのファミリーがどうとか言ったが、そこで部屋中に失笑が起きた。たった今173人も首にしておいて何がファミリーだ?」と述べた。

SoundCloudの共同ファウンダー、CTOのEric Wahlforss

SoundCloudは音楽ストリーミング・サービスの中でも独特の位置を占めてきた。楽曲はセミプロ・ミュージシャンであるユーザーが製作してアップロードしたものだ。この中には非公式のカバー曲、長時間のDJパフォーマンスなどSpotifyやAppleなどメインストリームの音楽サービスでは配信されないような楽曲が多数含まれていた。こうした楽曲はSoundCloundの人気を支える一方で著作権問題に付きまとわれる原因となっていた。

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クラウド上の楽曲はどうなる?

創立後10年間に2億ドルの資金を集めながらSoundCloudは「音楽のYouTube」となることに失敗した。SoundCloudの経営はもやは多少の経費削減くらいではどうにもならないところに来ているようだ。SoundCloudが生き延びるためには維持可能なビジネスモデルを構築することができる買い手を探すしかないだろう。たしかにYouTubeはストリーミング・ビデオの世界で巨大な存在となったが、初期の段階でGoogleの傘下に入らなかったらそれが達成できたかは疑わしい。SoundCloudには大きな力のある援助者が必要だ。【略】

ホームメイド・リミックスやガレージ・バンドの楽曲の世界最大のコレクションは危機に瀕している。もしSoundCloudがこのまま運営を停止するならそれでなくても綱渡りを強いられているインディー・ミュージシャンたちにとって深刻な打撃となるだろう。

それだけにSoundCloudの社員がTechCrunchに語った一言が重く感じられる―「戦略がゼロだった」 。

〔日本版〕SoundCloudはTechCrunchでもSony Musicとの契約が成立したという記事やビジネスモデルを解説した投稿を掲載していた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+