GitHubにプロジェクトのロードマップ追跡管理を統合したZenHub

GitHubを統合した人気の高いプロジェクト管理ツールであるZenHubは米国時間11月6日、新しいプロダクトとしてRoadmapsを発表した。その名のとおりロードマップを作成して管理する機能で、チームがプロジェクトを前もって良質に計画し、そのステータスを視覚化する。そしてそのすべてを、GitHubの中から操作できる。

ZenHubの共同創業者であるAaron Upright(アーロン・アップライト)氏は「これはまったく新しいカテゴリーのプロダクトだから超エキサイティングだった。従来のように、ソフトウェアの開発チームが将来のことを考えながらプロジェクトを管理するのではなくて、具体的にいつ何をするかを前もって計画するんだ。これをZenHubを進化させる機会として生かし、プロダクトのロードマッピングという新しい世界への入り口を提供したい」と語る。

このプロダクトそのものは、かなり単純明快だ。デフォルトでは、チームがすでに定義している既存のプロジェクトや作品を対象とし、タイムラインに沿ってそれらを視覚化する。そこには、まだ残っている未解決の問題に関するデータも含める。このツールの現在のバージョンはかなり基本的なものしかないが、将来はブロッキングなどの高度な機能も入れる予定だ。アップライト氏が言ったように、目標がチームの計画を助けることだから現状で十分役に立つが、ZenHubが望むのは「プロジェクトのステートの概要が30000フィートと超長くても、GitHubやJiraの中で個々の問題をクリックしまくらなくてもいい」という理想的な計画管理の状態だ。

アップライト氏によると、既存のソリューションはチームが本当に必要とすることに対応していない。彼によると「しかもそれらのツールは高すぎて10名から20数名程度のチームには手が出せない。またロードマップを追跡するのにExcelのファイルやGoogleのスプレッドシートを使っているところが多い。スプレッドシートは、その毎日毎時間のアップデートが大変で、それ専門のフルタイムの人間を必要とする」とのこと。

手ごろな価格のツールでは、そのツールとGitHubの間で同期できないので、肝心のGitHubの最新状態を維持できない。ZenHubはGitHubの中にいるから、そんな問題はそもそもない。

ZenHub Roadmapsはすでにすべてのユーザーが利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Mac用アプリの定額制サービス「Setapp」が企業向けプランを開始

SpotifyのMacアプリ版ともいえるSetappが、企業内のチーム向けに作られた新しいサブスクリプションプランをスタートした。現在は公開ベータとして提供されている。Setappは、160種類のMacアプリ用を固定のサブスクリプション料金でダウンロードできるサービス。アップデートも無料でアプリ内課金もない。

Setappは月額9.99ドルで誰でもサインアップ利用できる。年間契約なら月額8.99ドル。ユーザー3名、Mac5台まで利用できるファミリープランは月額19.99ドルだ。

「Setapp for teams」は企業向けに設定されたサービスで、価格は1ユーザー当たり月額8.99ドル。使用できるアプリは個人向けでもビジネス向けでも変わらない。

新しいサービスを使うとソフトウェアライセンスの管理が簡単になる。料金はまとめて請求され、ユーザーの追加削除を行える管理パネルもある。

利用できるアプリは、Ulysses、PDFpen、ForkLift、Mindnode、iStat Menusなど。Setappは、Mac App Storeのミニ版のような位置づけで、有料ダウンロードはない。特定の作業を行うアプリが必要になったら、Setappを開いてアプリライブラリを探して目的にあったものを見つけてダウンロードする。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトが会議室管理サービスを開始

好き嫌いに関わらず(たぶん嫌いな人が多いとは思うが)、会議は会社にとって不可欠のもの。そして、技術的な問題のために、会議を時間通りに始められなかった経験を持つ人も多いだろう。Microsoft(マイクロソフト)は、会議室の管理サービスを提供することで、こうした問題を解決したいと考えている。費用は1室につき50ドル(約5400円)から。このサービスは、Managed Meeting Rooms(マネージド・ミーティング・ルーム)と呼ばれている。現在プライベートプレビューの状態だが、米国時間11月4日の発表に先立って、同社はすでに100を超える顧客とこっそり協力して、1500を超える会議室を管理してきた。

同社のMicrosoft 365担当のコーポレートVPであるBrad Anderson(ブラッド・アンダーソン)氏が私に語ったところによれば、Microsoft Teamsのチームは、多くの仕事をこなしてソフトウェアを最適化し、ビデオ/音声ベースの会議を簡単に開始できるようにした。

「しかし、会議室についてちょっと考えを巡らせてみると、Microsoft Teamsを運営するソフトウェアだけでなく、部屋にはたくさんのハードウェアがあります。テーブルの上にもデバイスがあり、スクリーンがあり、マイクやカメラがあり、プロジェクターもあります。さらに、それらすべてをつなぐケーブル類もあります」とアンダーソン氏は言う。「会議をシームレスで素晴らしいものにするには、こうしたハードウェアが、すべて正常に機能している必要があります。そこで、Managed Meeting Roomsのソリューションでは、すべてのハードウェアの動作も確認することにしました」。

このソリューションは、Microsoft Teamsルームと、Skype for Businessルームのシステムをサポートしている。同社は、企業が会議室をセットアップするための適切なツールの選択を手助けすることもできる。すべてが適切に設定されれば、同社はクラウドサービスを通してすべての機器を監視し、正常に動作しているかどうかを確認できる。問題があっても、それがリモートで修正できるものであれば、チームはそれを修正し、会議を時間通りに始めることができる。

「会議室の管理に、実際に習熟できるほど余裕のある組織はまれです」とアンダーソン氏は言う。「そこで、そうした組織では、結局このように考えるしかなくなるでしょう。つまり、マイクロソフトが実際に非常に手頃な価格でソリューションを提供しているのに、会議のための専門家を養成する必要が本当にあるのかということです。【中略】もし、会議の開始が10分でも遅れることを防げるなら、1回で元が取れるでしょう」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アドビがデザインツール「Adobe XD」にリアルタイム共同編集機能を追加

今週は、毎年恒例となったAdobe(アドビ)のCreative Cloudイベント「Adobe Max」の週だ。そして例年どおり、同社のさまざまな製品に対して各種のアップデートが発表される。ものによっては、わずかな変更や、小さな機能の追加にすぎない場合もある。しかし、ウェブとアプリ開発用のデザイン/プロトタイピングツールAdobe XDについては、注目に値する興味深いアップデートが目白押しだ。

中でも最も目立ったアップデートは、ドキュメントをリアルタイムで共同編集できるようにするもの。これにより、離れた場所で作業するデザイナーの仕事がかなり効率的になる。この新しい共同編集機能は現在ベータ版だが、複数のデザイナーが1つのドキュメントに対して同時に作業できるようにするもの。AdobeのCreative Cloudバックエンドを使用して変更をリアルタイムで同期する。1つのドキュメントを共同編集できるようにするには、まずそのドキュメントをクラウドに保存してから、一緒に作業するチームメイトを招待すればいい。

またXDチームは、既存の共有機能もXDに取り込んだ。デザイナーがフィードバックを集めたり、アセットを分配できるようにするものだ。そうした機能を集めて「共有」という独立したモードにまとめ、既存の「デザイン」、「プロトタイプ」モードに並べて配置した。

「共有モードは、他の人と作業を共有する必要があるときに行く場所です」と、同社は説明する。「そこでは、対象となる作業への、共有可能なウェブリンクの作成と管理が可能です。その際には、共有される新しいプリセットを使用して、さまざまに異なるユースケース用の共有体験のカスタマイズもできます。そうしたユースケースとしては、デザインレビュー、開発の移管、プレゼンテーション、ユーザーテストなどが含まれます」。

XDは、Creative Cloudアプリケーションの中でも、完全に無料のモードを含む希少なものの1つ。無料モードのユーザーも、2020年4月までは、この新しい共同編集機能にアクセスできる。そして、他のすべての新たな共有、コラボレーションツールは、期限なしで、「XDスタータープラン」に加入している無料ユーザーにも使える。

XDの他の新機能も挙げておこう。まず、コンポーネントのステートのサポートが強化された。これによりデザイナーは、一貫したユーザーインターフェイスの作成が容易になる。また、ホバートリガーが追加され、デザインしたアイテムの上にホバーするとアクションを起動できるようになった。さらに基本的なインタラクションのプロトタイプを開発する新しいツールも加わっている。また、再設計されたプラグインマネージャによって、Jira Cloud、UI Faces、Stark、Arrangerなど、200以上のプラグインをサポートしている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

アドビのPremiere RushからTikTokに直接投稿できる

米国時間11月4日、Adobe(アドビ)はCreative Cloudのビデオ製品のアップデートを多数発表した。ほとんどはプロ向け、あるいはプロではないにしてもYouTuber向けの製品だ。しかしPremiere Rushは、ビデオで楽しみたいすべての人のためのツールと位置付けられている。だから、短いクリップの共有プラットフォームとして人気のTikTokに、Premiere Rushからビデオを直接共有できるようになったと発表されたことは驚きではないだろう。TikTokに直接投稿できる他社製のアプリは、これが初めてだ。

Rushは2018年10月に提供が開始され、よく使われているビデオ公開サービスへの共有をサポートしていた。今回のTikTokとのパートナーシップにより、TikTokユーザーも自動ダッキング、トランジション、カラーフィルター、タイムラプス、スローモーションなど、Rushの簡単なビデオ編集機能を活用できるようになる。

アドビの機械学習により、ビデオプロデューサー、特にTikTokで好まれる縦長のビデオをふだん撮らない人々も、ボタンをクリックするだけでアスペクト比を変更できる。するとPremiere Rushは自動でショットのフレームを調整する。

アドビはこの日の発表で「世界各地のビデオクリエイターと対話を重ねるなかで私たちが最も頻繁に耳にした要望は、スピード、使いやすさ、そして投稿のしやすさだった。そこで人気のプラットフォームのTikTokでもビデオを共有できるようにした」と述べた。

Premiere Rushの新機能は、無料バージョンも含めCreative Cloudの全ユーザーにすでに公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ドローイングアプリ「Adobe Fresco」のWindows版が登場

9月にAdobe(アドビ)は、iPad用の次世代ドローイングペインティングアプリのAdobe Frescoをリリースした。

そして米国時間11月4日、FrescoのWindows版が公開された。まずはMicrosoft(マイクロソフト)のSurfaceシリーズ(Surface Pro 4、Surface Go、すべてのSurface StudioとSurface Book)、およびWacom(ワコム)のMobileStudioデバイスに対応する。iPad版と同様に、Fresco for Windowsにはアドビのベクターとラスターのツールが備わり、ペインティング、ドローイング、スケッチに使える。

アドビによれば、Fresco for Windowsはゼロから開発したという。同社はこの日の発表の中で「アプリを作るのは簡単ではなかったが、マイクロソフトおよびインテルと緊密に連携して、ブラシが適切に動作するようにし、ハードウェアとソフトウェアのパフォーマンスをできる限り引き出した」と説明している。iPad版と同様にWindows版もアドビのクラウドストレージと深く統合されるため、デバイス間でシームレスに作品を移動でき、PhotoshopやIllustratorにも持っていける。

ただしFresco for Windowsは今のところ、iPad版より機能が少ない。アドビは「Frescoの機能は重要でプラットフォームを問わず使えるようにするため、早急に未搭載の機能を実装できるよう取り組んでいる」としている。

Windows向けの無料版もある。機能は制限されるものの、このアプリで何ができるかを試すには適しているだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Adobe Illustrator for iPadが2020年にリリース

Adobe(アドビ)はデスクトップクラスのグラフィックアプリをもう1つ、iPad向けに提供する。米国時間11月4日、Adobe Max 2019でiPad版のIllustratorを2020年にリリースすると発表した。昨年、同社はPhotoshop for iPadについて今回と同様の計画を発表し、同アプリは米国時間11月4日にApp Storeで公開された。

アドビによればIllustrator for iPadはまだ開発の初期段階とのことで、デスクトップ版と比べてどのようになるかはまだわからない。しかし、iPadならではのタッチ操作とApple Pencilベースの入力に重点が置かれるようだ。Photoshopと同様に、あるプラットフォームで作られた作品はCreative Cloudを介してほかのプラットフォームでも忠実に編集できるようになるだろう。

Illustrator for iPadはまもなく限定版のプライベートベータが公開される予定だが、開発が進むまではベータ版を利用できるのはごく限られた人々になる模様だ。ただし関心があれば登録をすることはでき、おそらく正式リリース前に試せるとみられる。

アドビはすでに「多数のデザイナー」と接触し、仕事で使うタブレット版のIllustratorはどのようなものが最適かを研究してきたという。Photoshop for iPadが公開された過程と照らし合わせて考えると、来年のIllustrator for iPadの登場時にはすべての機能は搭載されないかもしれないが、アドビの作業環境を愛用するプロのクリエイターがiPadでまさに何でもできるようになるための出発点となるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Excelに自然言語で質問できるようになった

米国時間11月4日、Microsoft(マイクロソフト)はExcelを改訂し、旧態依然のスプレッドシートアプリに自然言語を導入したことを発表した。現在新機能を利用できるのはOffice Insidersのみで、人間に対するのと同じようにExcelに話しかけることができるもので、質問を書かなくても答が得られるようになるという。

「自然言語クエリはデータの分析やビジュアル化を、さまざまなレベルのExcel経験者にとって今以上にやりやすくする」とマイクロソフトは説明する。「初心者は数式を書かなくても自分のデータの価値を見抜けるようになり、パワーユーザーは適切な質問をするだけでグラフやテーブルを作れるのでデータ分析プロセスの時間を短縮してすばやく意思決定できるようになる」。

ちなみに、Googleは似たような機能をGoogleスプレッドシートですでに導入している。私の経験によると、データ発見に関してGoogleはときどきいい仕事をするが、意味のあるデータを1つも見つけられないこともしょっちゅうあるので、Excelがこれと比べてどこまでできるのか注目に値する。

本日の発表は、最近いくつか追加されているExcelの新しい機械学習機能の1つだ。ほかには株価、地理情報などについてユーザーの入力データを解釈するための追加情報を提供するものがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウェブ版のVisual Studioが試用可能に

Microsoft(マイクロソフト)は今年のデベロッパーカンファレンスことBuildで、Visual Studio IDEのウェブ版を開発中だと発表した。

当時、Visual Studio Onlineは一部のデベロッパ向けにプライベートプレビューとして公開されていた。そして今回のIgniteカンファレンスで、同社はこのサービスを試用したいすべてのデベロッパーに公開した。

Visual Studio Onlineを使えば、開発者は自分のリポジトリ用に完全に設定された開発環境を素早く立ち上げることができる。そして、ウェブベースのエディタを使用してコードを編集できる。

「Visual Studio Onlineは、Visual Studio、クラウドにホストされた開発環境、どこからでもアクセス可能なウェブベースのエディタを統合し、開発者の生産性をこれまで以上に向上させる」とマイクロソフトはプレス資料で述べている。「プル・リクエストのような共同作業のオープンソース・ワーク・フローが普及するにつれ、開発者は生産性を損なわずにコードベースとプロジェクトを素早く切り替える必要がある」。

現時点では、このサービスは同社のGitHubと深く統合されているが、同社によると、開発者は自分の物理マシンと仮想マシンをVisual Studioベースの環境に配置することもできる。開発者はWindowsやMac、Linuxにて人気が高まっているVisual Studio Codeから、オンライン環境を作ることもできる。

今回はクラウドベースの環境とVisual Studio Codeの拡張サポートがプレビューされている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

新プライバシー機能搭載のChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に公開

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間11月4日、ChromiumベースのEdgeブラウザが1月15日に一般公開され、Insiderプログラム向けのベータ版となるWindowsとmacOSのリリースがダウンロード可能になったと発表した(新しいアイコンも採用されている)。

新しいEdgeブラウザの開発は急速に進み、最新のビルドは非常に安定している。さらに同社はCollectionsのような特徴的な機能をより実験的なビルドに組み込み始めている。

今回のリリースでマイクロソフトは、新しいプライバシー機能も発表した。注目すべき機能は、おそらく新しいInPrivateというブラウジングモードで、Bingと組み合わせることで、ユーザーのオンライン検索履歴と身元のプライバシーを守る。InPrivateはその名のとおり、ウィンドウを閉じたときにローカルマシン上のブラウズセッションに関する情報を削除する。そしてBingで検索すると、その検索履歴や個人を特定できるデータも保存されず、関連付けもされなくなる。

Edgeではデフォルト設定にて、トラッキング防止も有効になる。マイクロソフトのModern Life、Search&Devices Groupのコーポレートバイスプレジデントを務めるYusuf Mehdi(ユスフ・メディ)氏は、本日の発表前のブリーフィングにて、「ウェブ上で難しいことの1つは、プライバシーとデータ保護を両立させる方法で、ユーザーはウェブをパーソナライズしたい場合もある」と述べた。「現在の問題は誰もそれを本当に成功させていないことだ。企業の中には、非常に厳格なプライバシー管理を目指して革新的な取り組みを行っているところもある。問題は、彼らがウェブを壊すことだ。一方で他の企業は『心配しないでほしい。すべての機能を顧客に提供する』と表明するが、バックグラウンドではデータが追跡されている」。もちろんメディ氏は、マイクロソフトのアプローチが優れており、よりバランスが取れていると考えている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

モニタリング大手のNew RelicがサーバーレスモニタリングのIOpipeを買収

仮想マシンが支配している世界からサーバーレスの世界へ移行すると、モニタリングの性質も変わってくる。New Relicのような伝統的なモニタリングのベンダーもそのことをよく知っていて、米国時間11月1日にサーバーレスのモニタリングを行うシアトルの新進スタートアップであるIOpipeの買収を発表した。もちろん、同社のサーバーレスのモニタリング能力をアップするためだ。買収額などは公表されていない。

New RelicはIOpipeをチームの重要メンバーと呼び、それには少なくともIOpipeの技術と共同創業者のErica Windisch(エリカ・ウィンディッシュ)氏とAdam Johnson(アダム・ジョンソン)氏が含まれる。社員もシアトルからNew Relicのポートランドのオフィスに移る。

買収を発表するブログ記事でNew Relicは「この買収への投資によって我々には、サーバーレスの機能とNew Relicを迅速かつ簡単に統合する能力をただちに得られる。そして顧客はNew Relicの計測方法とUIをそのまま使って、アプリケーションスタック全体の複雑な問題をトラブルシューティングできる」。

このブログ記事によると、IOpipeのチームはLambda LayersのようなAWS Lambdaの機能をNew Relicのプラットホームへ移すことに注力する。そしてその後チームは、サーバーレス機能のモニタリングという今後増大するサポートワークを担当する。New RelicはIOpipeのチームとソリューションを導入したことによって、サーバーレスのモニタリングを効率化できると期待している。

2018年にIOpipeの200万ドルのシードラウンドをリードしたBold Startの投資家であるEliot Durbin(
エリオット・ダービン)氏は、今回の買収は両社にとってウィンウィンだと言う。「Ner Relicは今やサーバーレスに本気だから、マーケットリーダーとしての同社の大きな顧客ベースにIOpipeのプロダクトを導入することは、どちらにとっても魅力的だ」。

IOpipeはAWS Lambdaを使っている企業のサーバーレスオペレーションのモニタリングを支援してきた。サーバーレスはサーバーがないという意味ではなく、AWSのようなクラウドベンダーが完全なオペレーションのためのリソースを適切に提供するため、サーバーなどのリソースの手配や確保をデベロッパー側はやらないという意味だ。たったそれだけのことである。

IOpipe co-founders Erica Windisch and Adam Johnson

写真提供: New Relic

そしてオペレーションが終了したら、リソースはほかへ回される。しかしモニタリングをする側にとっては、そんな短命なリソースは厄介だ。New Relic自身もこの問題に挑戦していて、今年初めにはNew Relic Serverless for AWS Lambdaをリリースした。

TechCrunchのライターであるFrederic Lardinois(フレデリック・ラルディーノア)が、IOpipeの2017年の250万ドルのシードラウンドに関する記事で指摘しているように、ジョンソン氏とウィンディッシュ氏の経歴は立派だ。

IOpipeの共同創業者であるCEOのAdam Johnson(アダム・ジョンソン)氏とCTOのErica Windisch(エリカ・ウィンディッシュ)氏はこの分野のベテランで、以前はDockerやMidokuraにいた。AdamはMidokuraの最初の社員、EricaはDockerのセキュリティチームを作った。両者は最近、Techstarsのニューヨークの育成事業を卒業した。

IOpipeは2015年の創業で、AmazonがLambdaを発表した時期とほぼ一致する。シードラウンドの時点では社員が8名だった。PitchBookのデータによると、現在の社員数は1名と10名の間だ。これまでの調達総額は707万ドル(約7億6500万円)である。

New Relicは2008年の創業で、Crunchbaseによると2014年の上場前までの調達総額は2億1400万ドル(231億5587億円)あまりだ。現在の株価は65.42ドルで前日から1.40ドル上がった。

関連記事
サーバーレス環境で動くアプリのインサイトを提供するIOpipe
New Relic launches platform for developers to build custom apps(New Relicがアプリケーション開発プラットホームをローンチ、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

43億円超を調達してHadoopから大ピボットを敢行したDatameerに投資家たちが期待

Datameerは、オープンソースのHadoop(ハドゥープ)プロジェクトに乗っかってデータ準備サービスを提供するスタートアップとして誕生したが、このほど4000万ドル(約43億5200億円)の投資を発表してHadoopからの大ピボットを敢行した。ただしこれまでと同じくビッグデータの仕事をしていくことには変わりない。

この投資は、同社の従来からの投資家であるST Telemediaがリードした。ほかにも既存の投資家Redpoint VenturesやKleiner Perkins、Nextworld Capital、Citi Ventures、およびTop Tier Capital Partnersらがこのラウンドに参加した。Crunchbaseのデータによると、同社の調達総額はこれで1億4000万ドル(152億3100万円)近くになる。

CEOのChristian Rodatus(クリスチャン・ロダトゥス)氏によると、同社の最初のミッションはHadoopをデータサイエンティストやビジネスアナリスト、それにエンジニアなどの人々にとって容易に利用できるようにすることだった。しかし昨年は、最大のHadoopベンダーである3社、ClouderaとHortonworksとMapRを不運が見舞った。その結果ClouderaとHortonworksは合併し、そしてMapRはHPEに安値で売られた

2年近く前に誕生したDatameerはこの状況を見て、自分も変わるべき潮時だと悟った。そこでまず、2つの新しいプロダクトの開発を始めた。これまでの顧客を失いたくはないので、同社のHadoopプロダクトの改造に着手し、それを今ではDatameer Xと呼んでいる。それは現代的なクラウドネィティブのプロダクトで、人気の高いオープンソースのコンテナオーケストレーションツールであるKubernetesの上で動く。HadoopではなくApache Sparkを使う。このピボットの3分の2は完了しており、すでに顧客の手に渡っている。

同社は、まったく新しいSaaSツールであるNeeboも発表した。これはデータサイエンティストに、どこから得たデータであっても処理できる能力を与える。ロダトゥス氏によると、これからはますます雑多なデータを相手にしなければならない。普通のデータもあれば、データアナリストやデータサイエンティストがPythonで書いたコードもある。SaaSのベンダーのダッシュボードにもデータがある。Neeboはこれらすべてをマネージドサービスの中でまとめて、データサイエンティストがインサイトを得られるようにする。TableauやLookerのようなデータ視覚化ツールも使える。数週間以内に一般公開できる予定だ。

このピボットをやり終えるためにも、今度の資金は重要だ。技術者を増員して工程を継続し、マーケティングと営業を充実して新製品を売っていきたい。楽にできるピボットというものはないけれども、でも投資家たちは同社が既存の顧客をベースに成長できる、と期待している。それに一般的にも、データサイエンスのためのツールにはこれからますますニーズがあるはずだ。同社の今後を見守りたい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがApp Storeのバグで世界で1週間で2000万件のレーティングを消す

App Storeに起きた事故により、Google、Microsoft、Starbucks、Hulu、Nikeなどの人気アプリから小規模なデベロッパーのプロダクトまで2000万件以上のレーティングが消えた。バグは2019年10月23日に影響を与え始め、米国時間10月29日になってやっと解決された。Appleは、アプリのレーティングに大打撃を与えた事故について原因や経緯についてまだ説明していない。

この大幅なレーティングの消失は、モバイルアプリの分析プラットフォーム、Appfiguresが発見した。同社は、200以上のデベロッパーの300以上のアプリがバグの影響を受け、App Storeから2200万のアプリレビューが消されたことを突き止めた。米国を含めて影響を受けた国ではレーティング数が平均50%減少した。

total ratings

もっとも大きな打撃を受けたのは米国で1000万件のレーティングが消えた。 しかし、影響はグローバルであり、アップルがサポートする155か国すべてがバグの被害を受けた。中でも、中国、英国、韓国、ロシア、オーストラリアは大きな影響を受けた。

特にひどいダメージを受けたアプリもある。 たとえば、Huluは米国でレーティングのなんと95%を、DropboxとChaseは85%を失った。バグの影響を受け企業にはTechchCrunchの取材に対してコメントを避けたところもあるが、レーティングの削除は「我々のリクエストよるものでなかった」ということは認めた。

hulu chart ratings drop

このバグで米国が最も大きな影響を受けた理由はこちらで人気が高い大型アプリに被害が出たからだろう。これにはeWalgreen、Venmo、Amazon Prime Video、Southwest、Hotels.com、Disneyland、Ibotta、ESPN、Amex、Xoom、Fandango、Skyscanner、Google Classroom、Nike SNKRS、My Disney Experience、Old Navyなどだ。

Appfiguresによると、ヒットした300本以上のアプリのうち、約半数の154本で100以上のレーティングが消えた。

おお。StarbucksのiOSアプリは一晩で約130万件のレーティングを失った! huluは約9万件、他の多数のアプリもそうだ。これがAppStoreだけのバグだといいのだが。

当初ほとんど情報がなかったため、一部のデベロッパーはアップルがインチキなレーティングを除去しようとしているのかもしれないと推測した。 しかしすぐにAppfiguresがプラスの評価とマイナスの評価の双方が削除されていることを発見したため、この推測は根拠を失った。レーティング除去がフェイクレーティングを排除しようとするものならプラスの(フェイク)評価のみが削除されていたはずだ。

ratings lost 3

もう1つの推測は、Appleがレーティングシステムの高速化を図ったものの、どこかで失敗したというものだ。

不幸なことに、影響を受けた一部の開発者にとって、このバグはアプリの総合評価に影響を及ぼた。被害を受けたアプリの一部は評価の星を落とした可能性がある。そうなるとApp Store内の検索や検索エンジンの広告からアプリにアクセスする能力が損なわれる可能性がある。

一部のデベロッパー(およびAppfigures)は米国時間10月30日現在、消えたレーティングの一部が復元されたことをTechCrunchに確認した。

残念ながらApp Storeでアプリのレーティングが一瞬で消えたのはこれが初めてではない。昨年も似たような事故が起きており、App Storeのバグ によって数千のiOSアプリがレーティングの半分を失った。この場合も、アップルはバグをこっそり修正したが、何が起きたのか説明はしなかった。

我々は米国時間10月29日にアップルにコメントを求めたがまだ回答がない。

しかし、我々が掴んだ情報では、アップルは一部のデベロッパーに直接連絡を取り「誤ってレーティングの削除が行われたが、現在修正、回復に取り組んでいる」と説明したという。

【Japan編集部追記】Appfigures記事のアップデートによれば、アップルは問題をエラーだったと認め、影響を受けたすべてのアプリのレーティングを復元中だという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

理想のCMS開発運用環境としてサーバーレスを目指すWebinyが3700万円超を調達

英国ロンドンでサーバーレスのコンテンツ管理システム(CMS、Content Management System)を開発しているWebinyが、EUの投資企業Episode 1から34万7000ドル(約3700万円)のシード資金を獲得した。

Webinyの創業者であるSven Al Hamad(スベン・アル・ハマド)氏によると、Webinyはサーバーレスの環境用に作られた初めての本格的なCMSだ。「つまりWebinyはゼロからの完全に新規の開発であり、サーバーレスのファンクションの中でのみ動くアーキテクチャだ」と彼は語る。

同社はサーバーレスのウェブ開発ツールのニーズがあることに着目して、その構築を決意したアル・ハマド氏は「一点集中化がウェブ開発の未来だと信じているから、そのコミュニティを支援して思想を広めるために、最初のサーバーレスのコンテンツ管理システムを作り、それをオープンソースにした」と語る。

サーバーレスは、サーバーがないという意味ではない。その意味は、デベロッパーがサーバーなどのインフラストラクチャのリソースには一切配慮しないということだ。インフラの面倒はすべてクラウドのプロバイダーが担当し、何がどこにどれだけ必要かなどを判断して決める。インフラのスケールアップもダウンも自動的に行われる。

同氏が着眼したように、サーバーレスの理想的なユースケースはウェブサイトだ。彼によると、トラフィックが大洪水になるブラックフライデーのeコマースでは、クラウドサービスはニーズに対応してサーバーの容量をどんどん増やし続ける。サーバーレスのアプリケーションなら、デベロッパーから見てそれが完全に自動的に行われる。自分がサーバーを手作業で手配する必要がないし、トラフィックが落ち着いたときのリソースの削減についても同様だ。

サーバーレスの2大アドバンテージは、まず大きなDevOpsチームを確保して仮想マシンの確保などオペレーションサイドの作業をやらなくても済む。そしてデベロッパーはリソースについて悩む必要なく、自分の理想のウェブサイトを作ればいい。

「結果的にデベロッパーは新しいものを大量に速く作れるし、サーバーやネットワークの手配確保構成、ロードバランシングなどを一切やらないので、すべての時間をコンテンツの創造に費やせる」と彼は言う。

目下同社はユーザーのコミュニティづくりに専念しているが、今後は企業ユーザーにコンサルティングやサポートサービスも提供していきたいとのこと。

コンテンツ管理システムは、ウェブサイトを管理する低レベルのソフトウェアだ。有名な製品として、WordPressやDrupalなどがある。アル・ハマド氏によると、彼の企業のアイデアはニーズから生まれた。彼がある企業でウェブのデザインや開発をやっていたとき、既存のCMSに対するフラストレーションが溜まった。そしてデベロッパーが余計なことに時間と精力を取られない理想の開発方式としてサーバーレスに注目し、自分の会社Webinyを作ったのだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがiOS 13.2をリリース、低照度で低ノイズの写真を撮れるDeep Fusionあり

Apple(アップル)は、iPhoneとiPadに向けてiOS 13.2、iPadOS 13.2をリリースした。このアップデートは通常のバグフィックスとセキュリティの改善が主だが新しい機能もいくつかある。

まず、iOS 13.2には大量の絵文字が加わった。同社はこのバージョンからUnicode 12.0を公式にサポートする。手をつないだカップルはどんな性や肌の色でも作れる。アクセシビリティ指向の介護犬とか、車椅子に乗った人、義手や義足、目の不自由な人が使う杖などがある。動物の種類が増え、あくびをしている顔や新しい食べ物もいろいろとそろっている。

iPhone 11やiPhone 11 Proでは、iOS 13.2が機械学習で画像の質、特に暗い画像の明るさをアップするDeep Fusionが使える。ビデオは「カメラ」アプリから直接、解像度やフレームレートを変えられようになる。

iOS 13.2では、アップルの社員とSiriの録音を共有することをオプトアウトできるほか、Siriの命令履歴の削除も可能だ。「設定」→「プライバシー」→「解析と改良」で切り替えればいい。

関連記事:アップルはSiriの音声録音のグレーディングのオプトインと履歴の削除をベータ化

そしてiOS 13.2は、HomeKit対応カメラでHomeKit‌ Secure Videoを有効にできる。新たに発表されたAirPods Proのサポートも加わった。

iOS 13.2にアップデートする前に、必ずデバイスをバックアップすること。iCloudのアップデートが最新であることを「設定」アプリで確認しよう。具体的な手順は、トップのアカウント情報とデバイス名をタップ。iOSデバイスをPCにつないで、iTunesで手作業でバックアップしてもいい。macOS Catalinaの場合はFinder上でバックアップ可能だ。

iTunesやFinderでバックアップするなら、暗号化を忘れないように。暗号化しておけば、誰かがコンピューターをハックしても安全だ。暗号化したバックアップには、保存されていたパスワードや健康データも含まれる。そのため、すべてのオンラインアカウントに再接続しなくてもいい。

バックアップを終えたら、iOSの「設定」アプリ→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開く。「アップデートがリクエストされました」と表示されて、ダウンロード可能な場合は自動的にダウンロードが始まるはずだ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Slackがアプリの統合を使いやすくする新機能を発表

広く支持されるようになったSlackの特徴のひとつは、エンタープライズのツールと統合できることだ。しかし顧客がSlackを仕事の中心となるハブとして使うようになるにつれて問題が起きてきた。ユーザーは、どのアプリにアクセスできるのか、どう使えばいいのかをなかなか理解できないのだ。米国時間10月22日、Slackは開発者会議のSpecでこうした問題を減らす方法をいくつか発表した。

SAN FRANCISCO, CALIFORNIA – APRIL 02: A pedestrian walks by Slack headquarters on April 02, 2019 in San Francisco, California. Workplace messaging company Slack Technologies Inc. announced plans to list its shares on the New York Stock Exchange. (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

Slackプラットフォーム担当ディレクターのAndy Pflaum(アンディ・プラウム)氏によれば、Slackにすぐ統合できるアプリは1800本あり、カスタムのアプリはこれまでに50万本作られたという。これほどの数のアプリをユーザーはとても管理できない。そこでSlackは、アプリのためのウェブページを設けた。App Launcherと呼ばれるページで、インストール済みアプリがここに集められる。MacのLaunchpadと似たページだ。

SlackのApp Launcher(画像提供:Slack)

Slackのサイドバーで「Apps」をクリックすると、App Launcherが表示される。App Launcherにはアプリが表示されてわかりやすい。プラウム氏によれば、アプリを選択するとそのアプリのホーム画面に移動し、アプリを使い始められる状態になるか、またはアプリに関する情報が表示される。

例えばGoogleカレンダーを選択すれば、日ごとのスケジュールのほか、会議のリクエストも表示され承諾か拒否かを選択できる。このページからミーティングソフトウェアを直接起動することもできる。こうしたことがすべてSlack内で実行されるのでほかに目を移す必要がない。プラウム氏は、アプリのホームのベータ版は今後数カ月以内に公開すると述べた。

アプリに関する負担を軽減する方法としてもうひとつ、Actions from Anywhere(どこからでもアクション)という新しいコンセプトも紹介された。Slackは昨年Actionsを公開した。これはユーザーがメッセージからアクションを起こせる機能だ。例えば、プロジェクト管理ソフトのJiraのプルリクエストにSlackのメッセージを添付できる。プラウム氏によれば、ユーザーはこのアクションの機能を気に入っていて、Slack内のどこからでもアクションを起こせるようにしてほしいとの要望があるという。

「Specで、新しいアクションである『Actions from Anywhere』をプレビューする。ユーザーはSlack内のどこからでもアクションを起こすことができる」と同氏は語った。この機能を活用するために、クイックアクセスメニューから最近使った5つのアクションを選べるようになっている。メニューには最近のアクティビティから自動でアクションが表示され、1日中Slackで仕事をする人にとっては相当な時間の節約になるかもしれない。

さらに同社は、開発者がSlack内で外部ウインドウを開けるようにする。これはモーダルウインドウと呼ばれていて、ユーザーがフォームの入力、アンケートへの参加、経費の入力など、Slack自体のフローの外に対して何らかの情報を提供するときに開くことができる。

こうしたアップデートをはじめとするSpecでの発表内容は、Slackが成熟するプロセスの一部だ。Slackは急成長してきた中で生じた問題点を解決しようとしている。ソフトウェアが複雑で何ができるのかを理解できなくなったら、利点や機能を明らかにする方法を提供するのはベンダーの仕事だ。Slackはこうした新しいツールで、それをしようとしている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

シンプルなタスク管理を実現するTodoistが大幅アップデート

Todoistは、自力で立ち上がったIT企業であるDoistが開発した人気の高いタスク管理アプリ。Todoist Foundationsと呼ばれるメジャーアップデートをリリースした。今回のアップデートは、24時間以内に展開されるはずだ。名前が示すように、将来に実現されることになる多くの新機能の基礎を築くためのもの。

とはいえ、すでにいくつかの興味深い新機能が盛り込まれている。Todoistのタスクリストは、もはやチェックボックスの付いた項目がダラダラと続くだけのものではない。プロジェクトの中にセクションを作ることができるようになった。個々のタスクは、1つのセクションから、別のセクションに移動できる。また、中身を表示しておく必要のないセクションは折り畳むことができる。

将来的には、こうしたセクションが、重要な役割を果たすようになるかもしれない。例えば、1つのプロジェクトの中で、あるタスクを達成するための複数のステップを、セクションとして設定するといった機能だ。1つのステップから別のステップに、タスクを移動する際に使える独立したビューを用意するといったものも考えられるだろう。

ラベルについても2種類のカテゴリに分類されるようになった。個人用のラベルと同僚と共有できるラベルだ。

またTodoistは、新たにタスクビューを追加し、1つのタスクに関するものを一元管理できるようになった。モバイル版でもデスクトップ版でも使える。そこでは、期限や優先度を変更したり、コメントを見たり、ラベルを追加したりすることなどができる。この新しいビューの中では、特定のタスクに関連付けられたすべてのサブタスクを表示できるのがいい。

モバイル版だけの改善点としては、クイック追加バーが設計し直されている。このクイック追加機能は、私自身、Todoistの中でも気に入っているもの。例えば「明日午前9時 契約書を送付 @顧客 #仕事」と入力すれば、「契約書を送付」というタスクを、「仕事」というプロジェクトに、指定した期限(明日午前9時)で作成し、「顧客」というラベルを付けてくれる。

新しいTodoistのモバイル版では、クイック追加機能を、より直感的に使えるようにするボタンも追加した。また、込み入ってきていた追加バーそのものも、シンプルなものにしている。現状の追加バーでは、既定の期限、プロジェクト名、担当者を、ボタンで直接指定できるようになった。使用頻度の低い機能を表すアイコンは取り除かれてすっきりしている。

さらにTodoistは、Things 3のような「+」ボタンの機能も取り込んでいる。リストの中の任意の位置に「+」ボタン自体をドラッグ&ドロップすることで、リストのその場所に新しいタスクを追加できる。これは非常に便利な機能だ。

目に見えない部分では、あらゆる処理が高速化されている。そしてTodoistは、アイコンと、アプリのカラースキムも一新した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Firefox v70はユーザー情報収集ツールの暗躍がひと目でわかるダッシュボードを搭載

Mozillaは米国時間10月22日、7月に導入して9月にデフォルトになったEnhanced Tracking Protection機能(強化版の追跡保護機能)が、これまでにウェブを閲覧しているユーザーを追跡しようとする何千もの企業の追跡リクエストを合計4500億件あまり阻止したと発表した

4500億件はすごい数字だ。さらにMozillaは、Firefox v70でプライバシーに関する個人的なダッシュボードも提供することになった。それを見ると、Firefoxブラウザー上でサードパーティのCookieやソーシャルメディアのトラッカー、Fingerprintingツール(各種ユーザー情報を収集するツール)、暗号通貨の採掘ツールなどがどれだけ暗躍したかがわかる。

プライバシー保護はデフォルトで有効だから、ユーザーが自分で設定などをしなくていい。設定をいじって一部のサイトが壊れてもよければ、デフォルトを厳しいデフォルトにしたり、独自の設定にもできる。

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そんな結果報告ダッシュボードがあることは華々しく宣伝されないが、初めてFirefoxを使うユーザーへのガイドには登場する。見つけるためには、URLバーにある盾のアイコンをクリックする。すると、今見ているサイトに関する情報と、ユーザーのプライバシーレポートへのリンクが出る。

そのレポートは必要最小限の項目だけで、しかも最近の1週間のみの数字だ。複数のマシンにわたって同期しないし、追跡しようとした企業の会社名などはわからない。でも、何社が追跡しようとしたかという数はわかる。image003 1

そのレポートページにはMozillaのFirefox Monitorへのリンクもある。それは、怪しいサイトやページにユーザーのメールアカウントが見つかったら警告する。また、パスワードの管理と同期化のサービスLockwiseへのリンクもある。Lockwiseには、パスワード作成機能や、Firefox Monitorとの統合機能もある。

Mozillaは、Chromeなどに対する自分の差別化要因がプライバシー保護であることを、よく知っている。Chromeを提供しているGoogleはネット広告が主な収入源だから、ユーザーのプライバシー保護に関しては独自のやり方を適用せざるをえない。

それに対してMozillaにはその苦労がない。例えば、Googleは広告収入を維持しながら、ユーザー追跡のためのインフラストラクチャを大きく変えようとしているが、Firefoxとその仲間たちはデフォルトで厳しい設定にするだけでいい。今後、追跡を気にするユーザーが多数派になるか、それはまだわからないが、でも今のところこれがFirefoxの明確なアドバンテージだ。

関連記事:Firefoxがユーザーを追跡から護る機能を強化しパスワードマネージャーをデスクトップに導入

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ビッグデータ分析のDatabricksが430億円調達、バリュエーションは6700億円に

Databricksは多くのオープンソースツールを使って作られたSaaSを提供していて、明らかに事業はうまくいっている。実際、同社は企業向けクラウドの会社として最も急速に成長している1社だとうたっている。同社は米国時間10月22日、4億ドル(約430億円)ものシリーズFラウンドでバリュエーションが62億ドル(約6700億円)になったと発表した。今回のラウンドで、累計資金調達額は約9億ドル(約975億円)に達した。

Andreessen Horowitzのレイトステージベンチャーファンドがラウンドをリードし、新規投資家としてBlackRock、T. Rowe Price Associates、Tiger Global Managementが参加した。こうした機関投資家が参加しているのは興味深い。というのも、レートステージスタートアップとしてDatabricksは将来のIPOを見据えているはずで、そうした投資家をすでに引きつけているのは有利なスタートにつながる。

CEOのAli Ghodsi(アリ・ゴッシ)氏はIPOに関しては無口になるが、IPO自体は確かに彼が進めたい方向ではあるようだ。「我々は急速に成長している企業向けクラウドソフトウェア会社の1社だ。今回の資金調達が示しているように、これは我々が資金への多くのアクセスを持っていることを意味する。売上高はかなりの勢いで伸びていて、知名度も高い。だからIPOは我々が最高活用するものではなく、そう遠くない将来に必ず起こるものだ」とゴッシ氏はTechCrunchに対し語った。

同社は第3四半期のランレートが2億ドル(約220億円)だと発表した。同社は4つのプロダクトから成るプラットフォームを展開して、すべてオープンソースをベースに構築されている。4つのプロダクトは、オープンソースデータレイクプロダクトのDelta Lake、データチームが機械学習の操作ができるようにするのをサポートするオープンソースプロジェクトのMLflow、SparkとPandos向けのマシーンフレームワークをつくるKoalas、そしてオープンソース分析エンジンのSparkだ。

これらのツールすべてのオープンソース版は無料でダウンロードできる。しかし使いこなすのは簡単ではない。DatabricksはこうしたツールをSaaSという形で提供することで収益を上げている。こうしたツールの使用に伴う管理上の悩みを彼らが処理し、ユーザーにサブスクリプションとして課金する。

同社は急成長していて、このモデルはうまくいっているようだ。同社は2月に2億5000万ドル(約270億円)を調達し、バリュエーションは27億5000万ドル(約3000億円)になった。明らかに投資家たちはそれ以降の6カ月の間に投資する余地を見出した。今日の62億ドルというバリュエーションがそれを物語っている。

画像クレジット:Matt Anderson Photography / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Nvidiaが5Gの波に乗るべく新たな提携とソフトウェア開発ツールキットを発表

Nvidiaは米国ロサンゼルスで行われている今年のMobile World Congress(モバイルワールドコングレス)で、将来のソフトウェアベースの5Gネットワークは同社のチップセットが主役になると売り込んだ。

一連の新しいソフトウェア開発ツールの提供したほか、米国時間10月21日に発表されたネットワーキングのためのEricsson(エリクソン)、クラウドコンピューティングのためのMicrosoft(マイクロソフト)、Kubernetesの専門知識のためのRed Hat(レッドハット)と提携した。Nividiaは通信会社に対して、同社のチップセットは5Gネットワークで可能になるさまざまな新サービスを実現するための最適な基盤になると語った。

5Gアンテナを効果的に使うためにはかなりの数を遍在させる必要があるので、先陣を切ることはチップメーカーにとって非常に重要だ。それを支えるのが、5Gネットワークの「ネットスライシング」(通信会社がセッション毎に容量を増減できる機能)を通信会社が効果的に活用するためのソフトウェア開発ツールキットを提供することがだ。

NvidiaのCEO Jensen Huang(ジェンセン・ファン)氏はコンベンション前の機長講演で、同社のチップセットと新しいソフトウェアを5Gネットワークに組み込むことで、通信会社は新たなサービスを動的に追加することができるようになると語った。同社はCUDA Virtual Network FunctionとCUDA Basebandという2種類のソフトウェア開発キットを開発した。

また、Nvidiaが以前発表したEGXスタックの上で実行されるAerialソフトウェア開発キットは、Kubernetesの新しいコンテナ化ソフトウェア開発パラダイムとともに動作する。

NvidiaのEriccsonとの「協業」はもうひとつの新たな試みだ。Ericssonと組むことによって、Nvidiaは無線エリアネットワークアーキテクチャーをバーチャル化して、低価格、スケーラブルでエネルギー効率のよいネットワークング技術を構築しようとしている。

「Nvidiaとの提携によって、我々は無線アクセスネットワーク全体をバーチャル化する代替ツールを提供するつもりだ」とEricssonの執行副社長でネットワーク責任者のFredrik Jejdling(フレドリク・ジェドリング)氏が語った。

もう1社のパートナーはマイクロソフトで、クラウドサービスのAzureと、Nvidiaのハードウェア、EGZXやビデオ分析ツールのMetropolisとこれまで以上に密に統合する。

「コンピューティングがあらゆる場所に組み込まれている世界では、クラウドからエッジまでカバーする分散コンピューティング基盤が必要になる」とMicrosoftのCEOであるSatya Nadella(サティア・ラデラ)氏が声明で語った。Nvidiaはエッジコンピューティングをマイクロソフトはクラウドサービスを提供する。

クラウドサービスとの密な連携は、自社ネットワーキングサービスを補完するハードウェア会社を探している通信会社に、Nvidiaのハードウェアとソフトウェアツールをアピールするひとつの方法だ。Nividiaのチップセットがデベロッパード相性がいいことを強調することも必要だ。

それを遂行するために、同社はさらにRedHatと組み、新しく発表したNvidia Aerialソフトウェア開発キットを通じて、データセンターや通信基盤のKubernetes採用が加速されることを期待している。

「業界は益々5Gを推進し『スマート・エブリシング』の革命は始まっている。何十億というセンサーとデバイスが世界中に散らばり、新しいアプリケーションとサービスの可能性を生み出している」とファン氏は言った。「我々ばRed Hatと共同で、クラウドネイティブでスケーラビリティーに優れた高性能なGPUコンピューティング・インフラストラクチャーを構築している。NVIDIA EGX Edge Supercomputing Platformを使うことで、スマートフォン革命と同じく、新時代のアプリケーションが次々と出てくるだろう」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook