Redditのライブオーディオプロダクト「Reddit Talk」にウェブ版が登場

2021年4月にClubhouseによく似たReddit Talkを公開したReddit(レディット)が、この機能にエンゲージメントの強化を狙う新機能を追加する。新機能にはウェブ互換、過去のセッションの録音、トーク中のライブコメントがある。また、ホームフィードの上部にライブチャットがどこで開催されているかを表す、Twitter(ツイッター)に似たライブバーも追加される。

Redditは同社ブログに「この3カ月間でReddit Talkのデイリーアクティブリスナーは250%以上増えています」と記している。さらに、r/cryptocurrencyで開催された投資家のKevin O’Leary(ケビン・オレアリー)氏のトークや、r/moviesで開催されたテレビ番組「Jackass」(ジャッカス)のスタントマンとのセッションなど、1000を超えるサブレディットでライブオーディオチャットが開催されたことも紹介している。

画像クレジット:Reddit

Redditでのライブオーディオルームは、第一印象としてはあまり直感的ではないと感じられるかもしれない。Reddit利用者の多くは匿名でこのプラットフォームに集まっているからだ。しかしライブ中にコメントしたり絵文字を送ったりする機能があれば、シャイな(あるいは匿名のままでいたい)ユーザーはこれまでより簡単に話に参加できるようになるだろう。これまでは、リスナーは(画面上で)挙手して発言するしかなかった。また、ウェブ互換、ライブバー、非同期の聴取といったライブオーディオの発見につながる機能により、Redditのこの新しいコンテンツに関わりやすくなる。

トークを作成できるのはRedditのiOSとAndroidのアプリだけだが、2月中にはデスクトップからも開始できるようになるとRedditは述べている

現在、ライブのトークを開始できるのはRedditのモデレーター(サブレディットの秩序を守る活動をするボランティア)だけだ。モデレーターはGoogle(グーグル)フォームからトークを実施するための申請をすることができる。TwitterスペースClubhouse(クラブハウス)などのプラットフォームが直面するコンテンツモデレーションの問題を考えれば、このやりかたは今のところ、Redditが制御する上では良い方法だろう。

Redditの広報はTechCrunchに対し「ライブオーディオ機能をモデレーター以外のRedditユーザーに拡張する計画はありません」と述べた。

画像クレジット:Reddit

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Kaori Koyama)

アップルが独自のブッククラブ「Strombo’s Lit」を米国などのApple Booksアプリ内に立ち上げ

Oprah、そしてReese、では次はAppleか?iPhoneのメーカーがこのほど、そのApple Booksアプリの中に直接、独自のブッククラブを立ち上げた。米国とカナダと英国とオーストラリアの読者に、Appleが選んだフィクションやノンフィクションが提供される。ただしApple PodcastsやApp StoreにあるAppleのその他の編集者的サービスと違って、無名の編集者たちが本を選ぶのではなく、カナダ人のメディアパーソナリティでApple Music HitsのホストであるGeorge “Strombo” Stroumboulopoulos(ジョージ・ストロンボロ・ストロンボロポロス)氏が選ぶ。

そのため実はこのブッククラブは「Strombo’s Lit」と呼ばれている。

ストロンボロポロス氏はApple Musicのチームにいるが、ブッククラブは音楽関連の本を優先しない。むしろStrombo’s Litのテーマはかなり幅広くて、世界をもっとよく見るためのレンズを提供する、とApple(アップル)はいう。読者層の定義は漠然としており、世界の最良の著者のコンテンツを読んで勉強したいと思っている人なら誰でもとなっている。

画像クレジット:Apple

ネット上のブロードキャストとラジオを長年やってきたストロンボロポロス氏は、パンデミックの最中の2020年8月にAppleに入った。彼は今、ライブのApple Music Hitsの「Strombo」という番組で、アーティストとリスナーをつなごうとしている。米国時間2月8日に放送された最近の番組で彼は、Strombo’s Litのローンチを発表した。

このブッククラブは、生涯の本好きであるストロンボロポロス氏が新型コロナウイルスの蔓延によるロックダウンの間に大量の本を読み、好きな本のことを友だちに話したくなって始めたものだという。もちろんクラブでは、彼が個人的に選んだ本にもっと多くの読者がアクセスできる。この新しいブッククラブに関心がある人は、iPhoneやiPadやiPodタッチ、Apple WatchなどのApple Booksアプリで見つけるか、ユーザーネーム@stromboで彼自身のソーシャルチャンネルからジョージをフォローするとよい。クラブでは、彼が選んだ本にアクセスできるだけでなく、インタビューなど、その他のコンテンツもあり、その一部をソーシャルメディア上で共有もできる。

やあ、みなさん、元気かな。すごいことがあるんだ。これから、ブッククラブでお友だちを作るのさ。会話もある。つながりができる。プレゼントもある。ぜひ、来て見てちょうだい。最初の本はNeal Stephensonの「Termination Shock」です。

最初の「Strombo’s Lit」のおすすめは、Neal StephensonのSFスリラー「Termination Shock」だ。彼はベストセラーの「Seveneves」や「Anathem」「Reamde」などを書いてる。これらは、Apple Booksにもある。

Appleは新しいブッククラブによって、今あるApple Booksの本の選択がなくなるわけではない、と明言している。Apple Booksの編集者たちは本の選択を続行し、それらをApple Booksアプリの「Book Store」タブにある多様なコレクションに収める。クラブの方は、ストロンボロ氏が個人的に選んだ本が単純に提供される。

しかし、Appleがなぜ、こんなブッククラブを立ち上げるのだろう?それは、ブッククラブの成功が個人の人気や個人崇拝に基づいていることが多いからだ。そんな個人とは、たとえばOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏やJenna Bush Hager(ジェンナ・ブッシュ)氏だ。ストロンボロ氏はオンラインのフォロワーが多く、Twitterのフォロワーは86万人いる。彼は、誰もが知っているというタイプのキャラクターではない。しかしそれでも、Appleのような巨大テクノロジー企業がブッククラブをやる例は他にもある。Netflixは10月に、は連続ドラマや映画の原作になった本を紹介するためのブッククラブを発表している。

画像クレジット:egal/iStock

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

不動産売却プラットフォーム「いえうり」のNon Brokersが仲介手数料無料で家が買える「チョク買い」サービス開始

不動産売却プラットフォーム「いえうり」を運営するNon Brokersは2月10日、仲介手数料無料の不動産購入ポータルサイト「チョク買い」をローンチしたことを発表した。不動産の売却と購入が連携したプラットフォームを構築することで、家を売りたい人と買いたい人が直接マッチングできる不動産売買の新たなエコシステムの実現を目指す。

現在、不動産の購入希望者の9割以上が不動産ポータルサイトを活用するとされる。ただし、ポータルサイトは物件数が多いというメリットがあるものの、例えば「現状渡し(仲介物件)」と「リフォーム済み(買い取り再販物件)」が混在していたり、「仲介手数料3%」と「仲介手数料ゼロ」の物件が混在していたりといった状況が多々ある。また、同じ物件を複数社が掲載(一般介在契約)している場合もあり、不動産購入経験がない人にとって混乱する要素が多いという課題がある。

売り手側である不動産会社側も、物件を掲載しても多々ある物件情報に埋もれる、限られた項目・情報量の中でポイントをまとめる必要があるなど、情報を伝えきれないケースも少なくないそうだ。

これに対して「チョク買い」では、不動産会社が売主となっている物件に特化し掲載する不動産購入ポートルサイトとすることで課題を解消している。全国の不動産会社が売主となっており、仲介会社を介さないことから、購入者は仲介手数料無料で物件を購入可能という。

また不動産会社が売主であるため、売却した不動産に問題があった際に売主が買主に対して負う瑕疵担保責任も充実。個人売主では2~3カ月程度が一般的なところ、中古物件で2年、新築物件では10年となっている。取り扱い物件は、中古・新築のマンション、中古・新築の戸建て、土地で、住み替えサポートも充実しているそうだ。購入検討者に対して新着物件をレコメンドする「チョク買いロボ通知」といった機能も採用している。

Non Brokersは、「いえうり」に加えて「チョク買い」の提供を開始することで、さらなる不動産売買の合理化を実現するという。

まず「いえうり」の役割としては、売主を集客し売却活動が成功するよう、最適な不動産会社とマッチングを⾏う。ここでは、仲介会社は媒介獲得を⽬的とし、買取会社は直接買い取ることを可能とする。また「チョク買い」の役割は、リフォーム住宅に興味を持つ買主候補を集客し、買取会社が買い取った物件にマッチングする。

さらに「チョク買い」では、チョク買いロボにより多数の買主データベースを蓄積できるため、「いえうり」で媒介を獲得した仲介会社に対し、条件が⼀致した場合の紹介が可能となり、仲介でも早く売れる世界観を作れると考えているそうだ。

Non Brokersは、不動産を売却したい人は買主が見つかるまで待つしかなかった世界から、売却したい人と購入したい人をマッチングするプラットフォームを構築し、不動産売買における「仲介と買取」「売却と購⼊」のベストプラクティスを提供するとしている。

RevCommの音声解析AI電話MiiTel、会話におけるネガティブ・ポジティブな感情を可視化する音声感情認識機能を採用

RevCommの音声解析AI電話MiiTel、会話におけるネガティブ・ポジティブな感情を可視化する音声感情認識機能を採用RevComm(レブコム)は2月9日、音声解析AI電話「MiiTel」において、話し手のポジティブ・ネガティブな感情を可視化する音声感情認識機能をリリースしたと発表した。これにより、会話の当事者以外でもクレームなどに気づけるようになるという。

MiiTelは、日本発の音声解析AI電話サービス。電話営業やコンタクトセンター業務などで、会話内容を解析するとともに高精度のフィードバックを行うことで、商談成功率・成約率の向上につなげるというもの。顧客と担当者が「なにを」「どのように」話しているのかわからないというブラックスボックス状態を解消するほか、アナログな議事録作成といった負荷も自動文字起こし機能により軽減できる。

RevCommは音声感情認識について以研究を重ねており、その成果の一部は、筑波大学との共同研究による音声感情認識関する論文として、2021年8月に音声処理トップカンファレンス「INTERSPEECH 2021」で発表している。今回追加された音声感情認識機能は、発話音声の音声特徴と音声認識器により得られる単語と単語信頼性を入力として、DNN(Deep Neural Network)を用いて発話音声の感情を推定する、音声感情認識アルゴリズムとしている。

具体的には「納得していない」「不満を覚えている」「乗り気ではない」「迷っている」「相手の過失や失礼な態度を攻めている」ような話し方の場合には「ネガティブ」と判定される。一方「喜んでいる」「感謝している」という話し方の場合は「ポジティブ」と判定される。結果はMiiTelの解析画面にオレンジとブルーのグラデーションで帯として表示さる。

クレーム電話を例に挙げると、会話の当事者(ユーザー)は、顧客側の感情の遷移を確認することで不満を解消できたかどうかを判断できる。また、ネガティブな感情を伴った顧客の発話を確認することで、顧客がどういったことに不満を持っているのかを素早く知ることが可能になるという。さらにMiiTelであれば、会話の当事者以外でも、ネガティブな内容の会話に早く気づけるとしている。

Mirantis、Docker Enterpriseの資産買収から2年間でランレート約115.6億円超えの大成功

2019年、DockerDocker Enterpriseを売却すると発表したときは誰もが驚いた。もっと大きな驚きは、買い手がMirantisだったことだろう。同社はそれまで、OpenStackプロジェクトの商用化で知られていた。

売却後のDockerは開発者を主対象とする企業へと方向性を変え、先週、5000万ドル(約57億8000万円)の年間経常収益を報告した。今週、MirantisのCEOであるAdrian Ionel(アドリアン・イオネル)氏がTechCrunchに、同社が前四半期に2800万ドル(約32億4000万円)の経常収益を得て、ランレートは1億ドル(約115億6000万円)をゆうに超えるだろうと語った。

イオネル氏によると、その売上はおよそ半分がDockerから得た資産、具体的にはDocker Enterprise Engine、Docker Trusted Registry、Docker Unified Control PlaneそしてDocker CLIなどとなる。そして残り半分が同社の買収前の本業だったKuberentes上のクラウドプラットフォームツールだ。なお、同社は2020年にKubernetes用のIDEであるLens買収しており、これも売上に貢献している。

しかし基本的にはDockerとMirantisはともに、買収の効果として年間経常収益5000万ドルのラインに達しており、Dockerの方はエンタープライズプロダクトを売却した後の経営努力として、そしてMirantisはDockerのエンタープライズアセットから、どちらも大きな売上を得ている。両者とも、買収から2年後にほぼ同額の取引効果を得ていることは極めて稀だが、しかしイオネル氏によると、当時はそれを知るすべもなかったという。

「信じられないほどすばらしい旅路でした。そのスタートは、2019年11月に契約に署名したことです。当時は、それが今後どうなるかを誰も知りませんでした」とイオネル氏はいう。何よりもまず、最初に作り出されたのは、この買収が同社の未来にとって何を意味するのかに関する顧客たちの混乱だ。しかしイオネル氏によると、同社のビジョンが複数のプロダクトの組み合わせとそれがもたらす効果にあることを、顧客はすぐに理解した。

「多くの人が、プロダクトのビジョンをとても早く、理解し共有してくれました。私たちがこれから新しい企業を作ろうとしていること、それが私の考える中心的なテーマであることをみんな理解しました。それは単に、MirantisがDocker Enterpriseを買収したという話ではありません。むしろ、両社のアセットを有効利用して新しい企業を作り、フレッシュでより強力な企業として立ち上がることでした」。

これらのアセットを買うメリットについては、取締役会も議論した。「買収前には取締役会で激しい議論がありました。ご想像どおり、うまくいかない買収の方が多いためです。しかしこれは、大成功でした。株主たちが持つ価値がものすごく増えました。私たちにとってはKubernetesとの旅路が加速され、未来につながったという意味で、すばらしい賭けでした」とイオネル氏はいう。

関連記事:Kubernetesの統合開発環境のLensをMirantisが買収

しかし買収が完了した後の航行は、楽なものではなかった。まず買収した企業の40%をレイオフしなければならなかった。イオネル氏は、当初は辛かったと認める。しかしエンジニアリングとビジネスファンクションを1つの傘の下にまとめることによって費用を節約し、その後の成功に導くことができた。

イオネル氏によると、Mirantisは過去2年間キャッシュフローがプラスで、その間に1900万ドル(約22億円)以上の現金を生み出しているという。Apple、Visa、Booking.comなど、合併時点で300の顧客との関係を拡大し、その過程で100の新規顧客を追加した。

イオネル氏自身も、Docker Enterpriseの買収がこれほどうまくいくとは考えなかった。「すばらしい旅路だったが、ときには難題もあった。それは主に、Docker Enterpriseの事業を再構築する過程だったが、決断力を重視して迅速にそれを行った。現状の好結果を見れば、成功だったといえるでしょう」。

画像クレジット:Suriyapong Thongsawang/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Tumblr、ブロガーが小遣い稼ぎできるTip Jar機能を開始

Tumblr(タンブラー)は米国時間2月9日、収益化機能で2度目の試みを開始する。米国で展開が始まり、そして間もなく全世界で利用できるようになるTumblr Tipsでは、ブロガーはサポーターから1回限りの支払いを受け取ることができる。

Tumblrは、こうしたチップから利益を得ることはないが、通常のクレジットカード手数料(2.9%+ 0.30ドル[約35円])が適用される。チップ機能はウェブ、iOS、Androidで利用できるものの、モバイルでのチップ促進はApple(アップル)とGoogle(グーグル)の内部課金システムに依存しないため、クリエーターが手数料によって余分に30%を失うことはない、とTumblrは説明した。

ユーザーは、クリエイターにチップを渡す際、メモを添えることができる。匿名でのチップも可能だが、その場合、メッセージを残すことはできない。チップは1回につき最大100ドル(約1万1500円)だ。

Tip Jarのようなこの機能は、Tumblrが2021年秋に開始したPost+に続くものだ。Post+ではユーザーは月額料金を支払って公開限定の投稿にアクセスできるようになったが、Post+はプラットフォーム上で大歓迎されたわけではなかった。Tumblrの人気クリエイターの多くは、外部のPatreonやKo-Fiアカウントにリンクしてコンテンツを収益化しているにもかかわらず、Tumblrに収益化機能を搭載するというアイデアにユーザーは反発した。Tumblrがユーザーにファンフィクションの収益化を促すことの合法性を心配する声もあれば、Post+のベータ版ではクリエイターが購読しているユーザーをブロックすることができず、安全性に問題がある可能性があると指摘する声もあった。Post+機能のテストに協力したあるブロガーは、殺害脅迫の標的にまでされ、Tumblrが介入して標的型攻撃を非難する事態になった。

関連記事
TumblrがZ世代のクリエイターのためのサブスクサービスPost+を開始
ファンの楽園に異変、Tumblrのベータサブスクリプション機能にユーザーが猛反発

このブロガーKaijunoは7月に「私はコンテンツにお金を払うオプションを提供することで医療費を払おうとしていましたが、TumblrがPost+を事前に発表せず、数人にしか提供しなかったため、私は非常に腹を立てているユーザーの矢面に立たされ、生贄のようになったと感じました」とTechCrunchに語った。「ユーザーはTumblrのあらゆる種類の変更を嫌うので、何らかの反発があることはわかっていましたが、反発の矛先はスタッフに向けられ、ベータテスターはそのほとんどから免れるだろうと考えていました」。

最初のPost+の発表後、一部のTumblrユーザーはTechCrunchに、Post+のようなサブスクリプション機能よりも、有料化したいコンテンツを作成した場合にのみ機能するTip Jar機能の方を好むと語った。当時、元Tumblr社員もTechCrunchに、Post+になった機能は最初はTip Jarとしてスタートしたと語っている。この情報源の人物は、コミュニティと直接仕事をしないTumblrの上層部が、このプロジェクトを有料のサブスクリプション製品を作る方へと方向転換させたと主張した。

つまり、Tumblrはクリエイターのフィードバックを受けて、最終的にTumblr Tipsを導入したようだ。しかし、Post+がベータ版として開始して以降、どの程度の成功を収めたかは不明だ。

「数字は開示しませんが、オープンベータ版ではより幅広いオーディエンスに扉を開放し、特に海外のクリエイターから多くの知見を得ました。新たに獲得したこうした知見は、2022年後半の本格的な展開に向けた準備に役立ちます」とTumblrのサブスクリプション製品責任者Bohdan Kit(ボフダン・キット)氏はTechCrunchに語った。

Tumblr Tipsは、Post+を補完する機能となることが意図されていて、Post+に取って代わるものではない。しかし、どちらかといえば、チップ機能はクリエイターとそのファンを購読サービスに取り込むのに役立つかもしれない。

Tumblrは2018年に重大なポルノ禁止令を出して以来、ユーザーベースの拡大に苦戦しているが、現在はTumblrがユーザーの48%を占めるとするZ世代向けのプラットフォームとして自らを宣伝している。今でもこのプラットフォームはミレニアル世代のノスタルジアの源であり続けている。基本的に他のすべての主要プラットフォームにはないものがTumblrにあるだろうか。エンゲージメントを最大化するためのアルゴリズムでシャッフルされていない逆時系列での投稿は、些細なものだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

どんどん増える画像や動画に特化したデータベースを開発するApertureDataが約3.5億円のシード資金を調達

Vishakha Gupta(ビシャカ・グプタ)氏と、後に共同創業者になるLuis Remis(ルイス・レミス)氏は2016年にIntel Labsでともに働いていた頃、どんどん増えるビジュアルデータ(画像やビデオ)をどう管理するかを解決する業務を任されていた。2人はこの問題に精力的に取り組み、研究者やデータサイエンティストとも協力して、大量のビジュアルデータに適したインフラの開発を始めた。

結局、画像を扱い、データサイエンティストが利用する要件を満たす新しいデータベースが必要であるとの結論に達した。データサイエンティストは画像データを処理するために複数のシステムを扱う必要があり、これは非効率で時間がかかることがわかった。2人はもっと良い方法があるはずだと考え、Intelにまだ在籍していた2017年に、1カ所であらゆる処理ができるデータベースを構築するためのシステムに取り組み始めた。

2人はこの仕事がスタートアップになる素地を備えていると考え、2018年にIntelを退社してApertureDataという企業を始めた。正式に創業したのは2018年後半で、現在も引き続きこの問題に取り組んでいる。

最終的に開発したソリューションはApertureDBという名前のクラウドアグノスティック(特定のシステムに依存しない)データベースで、画像を処理することに関連するあらゆるデータ(メタデータなど)を1カ所で扱うことに特化して設計され、自動化することで手作業でデータを検討する時間のかかるステップを省くことができる。

グプタ氏は「もし私がデータサイエンティストで、データを見て何が起きているかを把握する立場だとしたら、データの検討に(相当長い)時間を費やさなくてはならないでしょう。(これまでは)このようなタイプのデータやこのようなタイプのユーザーを理解できるデータベースがなかったからです」と説明する。

さらに同氏はこう続ける。「それがこの問題を解決しようとするきっかけになりました。私と共同創業者はIntelにいたときにこの問題に直面していました。そして自分たちのためにこの問題を解決するのであれば、このインフラを構築している間にどうすればもっと多くの人のためにこの問題を解決できるかを探ろうと考えました。その結果としてApertureDataを創業し、ApertureDBをプロダクトとして提供することになりました」。

同社の従業員数は現在8人で、2022年末までに15〜20人にすることを目指している。グプタ氏は、女性創業者として多様性のあるチームを構築することの重要性を、そして2人の子を持つ母としてワークライフバランスの重要性も強く認識している。

同氏は「スタートアップで働くなら私的な部分は犠牲にしなくてはいけないというシリコンバレーの古い考え方があることをご存じでしょう。(私たちの考えでは)実はバランスをとることもできるし、多様性も実現できます。最初から多様であることが重要です」と述べた。

米国時間2月8日、ApertureDataはプロダクト開発を継続するための300万ドル(約3億4500万円)のシード資金調達を発表した。このラウンドを主導したのはRoot Venturesで、他にWork-Bench、2048 VC、Graph Ventures、Alumni Ventures Group、Magic Fundと、業界のエンジェルも参加した。

このラウンドがクローズしたのは2021年10月だった。それ以前は、全米科学財団の助成金、友人や家族からの資金、そして昔ながらのブートストラップでプロダクトを開発していた。

画像クレジット:Dimitri Otis / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Kaori Koyama)

グーグルのビデオ通話アプリ「Duo」、アップルのSharePlayにヒントを得た「ライブ共有」機能を追加

Google(グーグル)は、ビデオ通話サービスGoogle Duoのユーザー向けに新しい「ライブ共有」機能を導入する。Apple(アップル)のFaceTimeで使えるSharePlay機能への対抗だ。しかし、Googleの場合、このインタラクティブな共同視聴体験は、Appleのものほど充実したものでなければ、広く利用できるわけでもない。差し当たっては、GoogleとSamsung(サムスン)の一部のアプリでしか動作しない。そして、導入時はSamsungに限定される。

関連記事:アップルが動画や音楽をバーチャル共同視聴できる新機能「SharePlay」をiOS 15で導入

この変更は、Samsungが新しいGalaxy S22シリーズとGalaxy Tab S8シリーズの端末を発表したGalaxy Unpackedイベントの中で発表された。これに関連して、GoogleもDuoをはじめ、YouTubeなど自社アプリのアップデートを発表した。

Google Duoのライブ共有機能が骨抜きのバリエーションのように感じられるとしても、SharePlayと同様のユースケースに対応しているため、他よりも注目すべき変更の1つとして際立っていた。SharePlayと同様、Duoのライブ共有は、離れている友人、家族、同僚とビデオ通話で交流する時間が増えているという、パンデミックが引き起こしたトレンドとも結びついている。今日、人々はビデオチャットで話すだけでなく、より多くのことができるようになればと考えている。一緒にコンテンツを見たり、同じアプリでやり取りしたり、画面を共有したりすることを望んでいる。Duoはこうしたニーズにある程度対応しているが、SharePlayが提供するサードパーティ製アプリとの幅広い統合エコシステムはない。

画像クレジット:Google Duo(スクリーンショット)

Duoのアップデートにより、ユーザーはGoogleのデジタルホワイトボードJamboardを使った新しいアイデアのブレインストーミング、Galleryでの写真共有、Samsung Notesを使ったメモの共有、Google マップでの位置検索、YouTubeでの動画の同時視聴ができるようになるとGoogleは説明する。

それに比べて、AppleのSharePlayはDisney+、NBA、TikTok、Twitch、Paramount+、Showtimeなど多くの人気ストリーミングサービスやApple TV+、Apple Music、Apple FitnessといったAppleのアプリなど、はるかに多くのアプリやサービスと連携する。残念ながら、今後Duoをより機能豊富なサービスにする意図があるかどうかという質問に対し、Googleは言及を避けた。また、開発者向けAPIプラットフォームに関する新たな発表もなかった。

さらに詳しい説明を求めると、広報担当者は「最初に共有されたもの以外に、現時点で共有できる計画は現在のところありません」と述べた。

しかし同社は、長期的にライブ共有がSamsungのみで使えるものとはならないと指摘した。同機能は、Galaxy S22やTab S8など、最新のSamsung製デバイスでまず展開される。そして間もなく他のSamsung端末やPixel端末でも展開され、2022年に他のAndroid端末にも導入される予定だ。

Duoのライブ共有に加えて、別のアップデートでYouTubeユーザーはメッセージでYouTube動画のプレビューを閲覧して、動画を今見るか後で見るかをより適切に判断できるようになった。チャットから離れることなく、タップしてビデオを再生することもできる。この機能は、Android  Goエディション端末を除くすべてのAndroid端末に搭載される。

また、新しいGalaxy S22シリーズとGalaxy Tab S8シリーズにはVoice Accessが搭載されるため、ユーザーが別途アプリをダウンロードする必要はない。そして、これらの端末はGoogleのパーソナライズされた新しいデザイン言語「Material You」に対応するとのことだ。

画像クレジット:Thomas Trutschel / Contributor / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

写真やビデオのデジタル創作プラットフォームPicsart、新APIで開発者向けにクリエイティブツールを提供

デジタルクリエイションプラットフォームであるPicsart(ピクスアート)は、新しいAPIプログラム「Picsart for Developers」を開始したと米国時間2月9日に発表した。Picsartは、消費者とプロフェッショナルの両方を対象に、写真やビデオの編集をより楽しく、より身近にするためのデジタル制作・編集ツールを提供している。同社によると、世界中の消費者がカスタムビジュアル製品や体験をビジネスに求めている中、PicsartはAPIの新規提供により、あらゆる規模の企業がそのニーズに応えられるよう、同社の技術にアクセスできるようにしているという。

これらの新しいAPIにより、企業はPicsartのAIを活用したクリエイティブツールを自社のプラットフォームに直接実装できるようになった。AIを活用したAPIには、背景除去機能、品質を落とさずにコンテンツを拡大・強化するアップスケール機能、任意のソース画像の見た目を転送してスタイルを格上げするスタイルトランスファー機能などが含まれる。画像処理APIには、写真を際立たせるためのフィルターや、明るさやコントラストなどの設定を変えることができるアジャスト機能がある。また、画像処理を高速化するアップロード機能も搭載している。

Picsart for Developersは、デジタル広告、ウェブサイト構築、カスタムマーチャンダイジングなどのクリエイティブ企業を含む8社のパートナーとともに開始される。パートナーは、Photobook(フォトブック)、TPS Engage(TPSエンゲイジ)、Clos(クロス)、Amaze(アメイズ)、Make Your Move(メイク・ユア・ムーブ)、The Flat Lay(フラット・レイ)、Etch4U(エッチ・4U)、Smiley(スマイリー)の8社。Picscartによると、これらの企業との統合は現在稼動している。今後数カ月の間に、招待制でさらに多くのパートナーを追加する予定だ。

「私たちのビジョンは、あらゆるクリエイターをエンパワーすることであり、Picsartは革新的なAI、写真、動画編集機能で市場をリードしています。APIを通じて当社の技術を開発者に提供することは、活況を呈するクリエイター経済を支援できるエキサイティングな方法です」と、Picsartの創業者兼CEOであるHovhannes Avoyan(ホバナス・アボヤン)氏は述べた。「デジタル創作のスピードや、特にジェネレーションZからのコンテンツをパーソナライズし、他と差をつけたいという要望は、より深いクリエイティブな体験を提供することが、あらゆる企業に求められているということを意味します。我々のAPIはそれを可能にします」。

画像クレジット:Picsart

Picsartは2018年にEFEKT(旧D’efekt)を買収して動画市場に参入し、動画を活用するソーシャルメディアクリエイターやeコマースショップを中心に、近年利用者が急増している。2021年12月、Picsartはアプリ内で編集された動画が1億8000万本以上となり、前年比70%増を記録したと発表している。

今回の発表は、Picsartが先日、研究開発会社のDeepCraft(ディープクラフト)を買収したことにともなうものだ。この買収は、現金と株式の両方を組み合わせたもので、7桁台の金額(数億円)だが、正確な条件は明らかにされていない。Picsartは、DeepCraftのAI技術人材と、コンピュータビジョンと機械学習におけるその躍進が、Picsart自身のAI技術を強化し、同社のサービスにおける最近の動画作成の増加をよりよくサポートするのに役立つと述べた。また、同チームは、PicsartのAI研究開発部門であるPAIR(Picsart AI Research)にシニアリソースを追加することで、Picsartを補完することができる。

Picsartは2021年8月、ソフトバンクのVision Fund 2(ビジョン・ファンド2)が主導する1億3000万ドル(約150億円)のラウンドを調達したと発表し、ユニコーンの地位を獲得した。この資金注入により、同社の評価額は10億ドル(約1154億円)の大台に乗った。PicsartのCOOであるTammy Nam(タミー・ナム)氏はTechCrunchに対し、同社には数百万人の加入者がおり、このプラットフォームが成長する余地はたくさんあると語っていた。

画像クレジット:Picsart

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Instagram、「アクティビティ」「セキュリティチェック」機能を全世界で展開

Instagram(インスタグラム)は、ユーザーがアプリ上で自分のアクティビティを確認・管理できる「アクティビティ」タブを展開することを発表した。同社は2021年末からこの機能のテストを開始し、現在世界中の全ユーザーに展開している。新しいタブでは、ユーザーが自分のコンテンツやインタラクションを一括削除することができる。これには投稿、ストーリー、リール、コメント、いいね、ストーリーステッカーのリアクションなどが含まれる。また、ユーザーは、新しい表示内で、コンテンツやインタラクションを日付でソートおよびフィルタリングしたり、特定の日付範囲から過去のコメント、いいね、ストーリーのリプライを検索したりすることができるようになる。

また、最近削除したコンテンツやアーカイブしたコンテンツの検索、検索履歴の確認、訪問したリンクやプラットフォームで費やした時間の確認もできる。新しいタブにアクセスするには、自分のプロフィールに行き、右上のメニューをタップして「アクティビティ」を選択する必要がある。

Instagramはまた「セキュリティチェック」機能を世界中に展開している。同社は2021年夏、アカウントがハッキングされた可能性のある人を対象に、この機能のテストを開始した。セキュリティチェックは、ユーザーのアカウントを保護するために必要なステップを案内する。ログイン操作の確認、プロフィール情報の確認、ログイン情報を共有しているアカウントの確認、また電話番号やメールアドレスなどのアカウント回復情報の更新も可能だ。セキュリティチェックは、設定にアクセスすることで完了する。

画像クレジット:Instagram

同社はまた、ユーザーがアカウントへのアクセスを回復するために、友人に身元確認を依頼する方法をテストしていることを明らかにした。この機能は、まずアカウントにアクセスするために使用した以前のパスワードを入力することで機能する。次に、Instagram上で自分の身元を確認できる友人を2人選ぶ必要がある。リクエストを送ると、そのユーザーは24時間以内に返信する必要がある。24時間以内に2人の友達が本人確認をすれば、新しいパスワードが作成できるようになる。そうでない場合は、別の友人を2人選ぶチャンスがある。Instagramによると、この機能については、近日中に詳細を発表するとしている。

これらの新機能に加え、Instagramは数週間前、ユーザーの今後のライブストリームを表示する新しいプロフィールバナーを導入したばかりだ。また、同社は米国でクリエイターサブスクの初期テストを開始した。選ばれたクリエイターは、Instagramライブの限定動画やストーリーへの有料アクセスをフォロワーに提供できるようになった。クリエイターは、限定コンテンツにアクセスするための価格帯を自分で選ぶことができる。有料会員には特別なバッジが表示され、コメントの海の中で無報酬ユーザーと区別される。Instagramだけでなく、TikTok(ティックトック)も有料サブスクのサポートをテストしていることが確認されている。

画像クレジット:Instagram

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

LINE起点CRMを構築するマーケティングSaaS「MicoCloud」のMicoworksが12億円調達、新規プロダクト開発注力

LINE起点CRMを構築するマーケティングSaaS「MicoCloud」のMicoworksが12億円のシリーズA調達、新規プロダクト開発注力

顧客体験のパーソナライズによって興味や関心に応じた個別のメッセージを届けるコミュニケーションプラットフォーム「MicoCloud」(ミコクラウド)を開発・提供するMicoworks(ミコワークス)は2月9日、シリーズAラウンドとして、第三者割当増資および新株予約権付社債による総額約12億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、ALL STAR SAAS FUND、Eight Roads Ventures Japan。累計資金調達金額は約20億円となった。

MicoCloudは、LINE公式アカウントを起点にCRMを構築し、パーソナライズされたコミュニケーションで顧客のファン化を促進させ、企業の売上増加につなげるコミュニケーションプラットフォーム。顧客データに基づいた個々の興味・関心に合ったメッセージを発信することで、集客からファン化までをサポート。様々なデータを一元管理をはじめ、複数拠点・複数スタッフからのアクセスなども可能で、業務の効率化にも貢献する。2021年12月末時点には導入アカウント数が500を超え、約500万人のエンドユーザーに利用されているという。BtoC事業を展開する企業を中心に、美容サロンや学習塾、百貨店や小売業、人材紹介業、不動産業など、幅広い業種での導入実績があるそうだ。LINE起点CRMを構築するマーケティングSaaS「MicoCloud」のMicoworksが12億円のシリーズA調達、新規プロダクト開発注力

Micoworksは今回の資金調達により、MicoCloudの開発体制の増強と、さらなる機能拡充・EC特化の新規プロダクト開発に注力したいという。また、セールスやマーケティングへの投資、CxOクラスとマネージャークラスの採用を強化し、中長期的な成長の加速を目指す。現在は日本およびアジアで普及しているLINEを起点にMicoCloudを提供しているが、将来的には他サービスへの対応や、年代・性別・居住地だけでなく顧客ごとのリアルタイムデータを反映してマーケティングを行なうダイナミックセグメンテーションの活用も視野に入れているという。

Metaの監督委員会、FacebookとInstagramに「晒し」からユーザーを守る規定強化を要請

Meta(メタ)の外部諮問機関が米国時間2月8日に、新たな提言を発表した。同社にdoxing(個人を特定する情報を公開する行為。いわゆる「晒し」)からユーザーを保護するポリシーを強化するよう求めている。

Facebook(フェイスブック)は2021年、公共の情報へのアクセスとプライバシーに関する懸念とのバランスをとるのが難しいことを認識し、このポリシーに関する助言を求めていた。現在はMetaという名前で知られる同社の個人情報の共有に関する現在の規定では、その情報が「一般に公開される」可能性を例外として認めている。

身体的危害または金銭的損害を招くおそれのある個人情報または他の非公開情報をシェアする、提供する、またはそのような情報の提供を求めるコンテンツは、削除の対象となります。このような情報には、財産、住居、医療に関する情報や、違法な情報源から取得した非公開情報などが含まれます、また、個人情報は報道、裁判所への提出物、プレスリリース、またはその他の情報源を通じて一般に公開される可能性があることも認識しています。その場合、情報の投稿を許可することがあります。

監督委員会は、この種の被害は「救済が困難」であること、すなわち、ひとたび誰かの住所が公開されてしまうと、それを元に戻すことは不可能であることを指摘し、Metaがプライバシー違反ポリシーの中で、自宅の住所や個人を特定する画像の「一般に公開される」可能性を認めている例外規定を削除するよう勧告した。監督委員会によれば、この慎重さを欠く面がもたらす独特のリスクを考慮して、新しい規則は「プライバシーをより保護する」ものであるべきだという。

監督委員会は「いったん情報が共有されてしまうと、doxingのような結果として生じる危害に対処することは困難である」と書いている。「doxingによる被害は、女性、子ども、LGBTQIA+などのグループには過度に影響し、精神的苦痛、雇用の喪失、さらには身体的被害や死を含むこともある」。

この委員会の勧告では、ニュース記事の焦点となっている住宅の画像を共有する場合や、誰かが自分自身の家の画像を共有する場合など、いくつかの常識的な例外が設けられている。委員会はさらに、抗議活動を組織する目的で個人の住所の画像を共有することを、Metaは禁止するべきであると提言している。

委員会はまた、連邦政府や地方自治体の首長や大使など「政府高官に提供されている公邸」で抗議活動が行われる場合には、Metaは住所や住宅の画像を共有することを認めるべきだとも主張している。そうでなければ、ホワイトハウスのような場所でデモを計画しているイベントが規則に抵触する可能性があるからだ。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アップル、オランダのデートアプリの決済に関する命令で再び罰金を食らう

デートアプリの支払い方法をめぐって、オランダでApple(アップル)の反トラスト法違反が続いている法案が、さらに500万ユーロ(約6億6000万円)増えて1500万ユーロ(約19億8000万円)になったことを同国の消費者保護・市場監督局(Authority for Consumers and Markets、ACM)が認めた。

このペナルティは消費者保護・市場監督局の命令に関わるもので、それによるとAppleは同国のデートアプリがデジタルコンテンツを販売した場合、その代金の支払いに関して、Appleに手数料をもたらすApple自身の決済インフラの使用を強制するのではなく、サードパーティの決算プロバイダーの使用を容認しなければならない。

iPhoneのメーカーであるAppleは2021年以来、オランダの命令に逆らい、控訴を続けてきた。しかし2022年1月、最初のコンプライアンスの締切とペナルティ執行の脅威が近づくにともない同社は、アプリがApple以外の決済技術に接続することに合意し、オランダのApp Store上にあるデートアプリに限り、2つの「オプション的資格」を導入するとした。それによりアプリは、命令が指示しているように別の決済処理の選択肢をユーザーに提供できる。

しかしAppleの1月のコンプライアンスの主張を、ACMはただちに無効として罰金を科した。どうやら規制当局は、Appleが命令のすべての要求に従うことをためらっている点を問題にしたようだ。

ACMの命令に対するAppleの抵抗に関する裁判所命令は、まだ一部しか公表されていないため、消費者保護・市場監督局は、現在、言えることに限界があると述べている。

一方、Appleは命令に逆らうことをPRに活かそうとしている。そして1月の声明では「複数の決済サービスを使えることによりユーザー体験が損なわれ、プライバシーとデータのセキュリティに新たな脅威が作り出される」と主張している。

自分たちのデートアプリにApple以外の決済技術を使いたいと思っている開発者にAppleが提供した情報も、できる限りその決定に二の足踏ませようとしている。つまりAppleの主張では「ユーザーはApp Storeの機能の一部を使えなくなり、そのような販売方法によって発生する返金や購入履歴やサブスクリプションの管理といったサポートの欠如により、ユーザー自身がそれらの責任を負うことになる」という。

の新たな打撃でAppleは、Apple以外の決済技術を使うデートアプリからの販売に関しては27%の手数料を課すと発表した。これはAppleが通常、アプリ内購入に課している30%とほぼ同額だ。

つまり、標準料金のわずかな割引と、カスタマーサービスの責任、および技術的な諸経費を追加するだけでは対象となるアプリの収益が増えるとは思えない。これは、Appleが、ローカル開発者がサードパーティの決済システムを使用することをできるだけ難しく、そのハードルを高くしようとしていることを示唆している。

関連記事:アップル、オランダのマッチングアプリの代替決済システム使用に手数料27%を請求へ

しかしこれは、Appleのアプローチが偽りのコンプライアンスを選択することであることを意味している。ACMの命令の字面ではなくその精神に反して、同社は外部決済を使うことを開発者にとってほとんど魅力のないものにしている。しかしながらACMの最新のペナルティは、Appleが規制当局が命令で強制していることの中核にさえ達していないことを示唆している。

懸案のコンプライアンス問題の詳細を尋ねたところ、競争当局は、Appleが完全な情報を提供していないと答えた。これはおそらく、Appleがコンプライアンスに従っているかどうかを正しく評価できないと感じていることを意味する。

「ACMは、Appleが定期的な違約金支払いを条件とする命令を遵守するために既に実施したとする変更について、Apple自身からまだ何らの情報も受け取っていません。当該命令に基づき、Appleはこれを行うことが要求されています。Appleは、そのような情報を適時に、また完全な形で提供していないため、Appleは引き続き同命令に定められた要件を遵守していないことになります。そのため、Appleは3回目の違約金を支払わなければならず、Appleが支払わなければならない総額は現在1500万ユーロに達しています」と広報担当者は述べている。

「Appleのウェブサイトに掲載されている情報だけでは、同社が定期的なペナルティ支払いを条件とする命令で定められた実質的な要件を遵守しているかどうかを評価することはできない。ACMは、Appleの行動と行為に失望しています。私たちは、Appleが最終的にACMの要求事項を遵守することを望んでいます。しかも、これらの要件は裁判所によって支持されています」と付け加えた。

Appleにコメントを求めたが、本稿を書いている時点では返事はない。

金儲け主義の巨大企業にとって、比較的小さな欧州の単一市場のアプリのサブセットなど大した問題ではないかもしれないが、同社のApp Store手数料モデルは現在、世界中の開発者からの苦情や規制の圧力にさらされている。

つまり、Appleは市場ごとに足を引っ張り、現地の開発者に複雑さと疑念をもたらし、一般的にこのプロセスを遅くて辛いものに空回りさせるよりも、App Storeの中核的な収益モデルを切り崩すような大規模で意味のある変更をすばやく行うことの方が、ビジネスにとってはるかに大きなリスクとなると考えているだ。

ACMによると、Appleのノン・コンプライアンスの罰金は毎週上昇し、最大の5000万ユーロ(約66億円)に達するまで上がり続ける。しかしそれは、時価総額2兆8170億ドル(約325兆円)の企業にとってポケットの小銭であるため、この問題を困難で不快なものにし続けても問題ない。

とはいえ、ヨーロッパの市場の一部は現在、競争法の改定に取り組み、テクノロジー大手からの途方もないチャレンジに対応しようとしている。たとえばEUのDigital Markets Actは、インターネットのいわゆるインターネットの「門番たち」のための先取り的ルールの提案だ。またドイツの、すでに法律として成立した規則は「すべての市場で重要な意義を持つ」プラットフォームに対する権力の迅速な介入について定めている。現在、その対象企業はGoogleだ

ドイツ連邦カルテル事務局はAppleのApp Storeの捜査に関してオープンな手続きをとっているが、こちらも同社のやり方が競争に関するローカルな限度を超えそうなときは、規制のギアをさらに上げるだろう。

英国でも、競争保護促進のためのリフォームが進んでいる。こちらも議会の判断で「大きな市場ステータス」を持つとされるテクノロジー大手に対する特別法を導入できる。

このように各国の議会は、気に入らないルールを単純に無視しようとするプラットフォームをターゲットとする権力を急速に強化している。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hiroshi Iwatani)

オープンソースの3Dコンテンツコラボプラットフォーム、中国Taichi GraphicsがシリーズAで約57.7億円を調達

共同創業者のユアンミン・フー氏とイー・クアン氏(画像クレジット:Taichi Graphics)

長年、中国のオープンソースソフトウェアは開発者から注目されるだけで、リターンを求める投資家からの理解はなかなか得られなかった。しかしついに、欧米のような動きが現れつつある。

資金調達を果たした中国の最新オープンソースプロジェクトが、Taichi Graphics(タイチグラフィックス)だ。同社は創業10カ月のスタートアップで、3Dコンテンツを簡単に制作できるようにすることを目指している。同社は、3Dグラフィックスの制作、共有、リモートでの共同作業をするクラウドベースのプラットフォームで「3DコンテンツのためのFigma(フィグマ)」と表現する「Taitopia」を運営している。このプラットフォームの基盤は同社のオープンソースのプログラミング言語「Taichi」で、3Dビジュアルグラフィックスのような空間的にスパースなデータ構造に対してパフォーマンスの高いコンピューティングを可能にしている。

Taichi GraphicsはSource Code Capital、GGV Capital、BAI Capitalが主導するシリーズAで5000万ドル(約57億7000万円)を調達した。このラウンドには以前に投資したSequoia Capital Chinaも参加した。TechCrunchは同社の事業や評価額について問い合わせている。

Taichi Graphicsの3Dコンテンツプラットフォーム「Taitopia」を利用して、クリエイターはリモートで共同作業ができる(Taichi Graphicsのデモビデオから撮影したスクリーンショット)

同社は、米国で学んだり働いたりしてから中国に戻った中国人が創業したオープンソースソフトウェア企業の1つだ。このような創業者たちは中国市場にフォーカスするというよりは、米中双方での経験を活かして最初から世界のユーザーに向けたプロダクトを作っている。クラウドネイティブのイベントストリーミングプラットフォームで2021年にシリーズBで2300万ドル(約26億5400万円)を調達したStreamNative(ストリームネイティブ)は、Twitterの元従業員が創業し中国と米国の両方で事業を運営している。非構造化データ分析スタートアップのZilliz(ジリズ)も同様の経緯をたどっている

Taichi Graphicsを創業したのは、MITでコンピュータサイエンスの博士号を取得したYuanming Hu(ユアンミン・フー)氏と、Googleに在籍していたYe Kuang(イー・クアン)氏だ。同社は世界の開発者コミュニティで徐々に関心を集めてきた。同社のプロジェクトはGitHubで2021年現在、1万7700個のスターを獲得し、これは2020年の1万2700個からの増加であると同社は説明している。2021年までに10数カ国、152人の開発者がTaichi Graphicsにコントリビュートした。

2019年にTaichiを紹介した論文の中で、フー氏と共同執筆者は3Dコンテンツのコンピューティングにドメイン特化言語が必要である理由を次のように説明している。

3Dビジュアルコンピューティングのデータは空間的にスパースであることが少なくありません。このようなスパース性を利用するために、階層的なスパースデータ構造が開発されてきました。マルチレベルのスパースボクセルグリッド、パーティクル、3Dハッシュテーブルなどです。しかしこのようなハイパフォーマンスなスパースデータ構造の開発や利用は、本質的に複雑でオーバーヘッドであるため難しいものです。我々は、このようなデータ構造に対して効率よくオーサリング、アクセス、メンテナンスをする新しいデータ指向プログラミング言語のTaichiを提案します。

Taishi Graphicsのツールはこれまでに物理的なシミュレーション、AR、AI、ロボティクス、映画やゲームの特殊効果に使用されている。

同社は新たに調達した資金でこの並列プログラミング言語の影響力を強化し、デジタルコンテンツのクリエイター向けツールを開発する計画だ。また、研究開発、プロダクト開発、収益化、戦略、デザインの人材採用も継続する。

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(文:Rita Liao、翻訳:Kaori Koyama)

サブスクなど継続収益型モデルのビジネスに特化した販売・請求管理SaaS「Scalebase」を提供するアルプが12.5億円調達

サブスクなど継続収益型モデルのビジネスに特化した販売・請求管理SaaS「Scalebase」を提供するアルプが12.5億円調達

販売・請求管理SaaS「Scalebase」(スケールベース)を提供するアルプは2月9日、第三者割当増資により総額12億5000万円の資金調達を行なったことを発表した。引受先は、グロービス・キャピタル・パートナーズ、DNX Ventures、GMO VenturePartners、電通ベンチャーズ。累計調達額は19億円となった。

調達した資金は、Scalebaseの機能強化と新サービスの開発、採用・組織体制の強化にあてる。また、将来的にScalebaseの導入を検討しているスタートアップ企業を対象に、特別プランの提供を同日より開始している(期限・諸条件・審査あり)。

Scalebaseは、SaaSやサブスクリプションビジネスのほか、あらゆる継続収益型モデルのビジネスに特化した販売・請求管理SaaS。顧客ごとに異なる契約条件を柔軟に設定でき、複雑化しがちな請求業務を誤ることなくスムーズに行える。MRR(月次経常収益。Monthly Recurring Revenue)やチャーンレートといった重要指標も可視化し、販売戦略の意思決定と実行をサポートするという。2019年のサービス開始以来SaaS事業を展開するスタートアップから大手企業まで、70社を超える企業に利用されているそうだ。

アルプは、今回調達した資金をScalebaseの開発、採用・組織体制の強化に充当し、ユーザー層の拡大とさらなる提供価値の向上を目指す。これまでScalebaseは、SaaS企業をはじめとしたBtoB企業を中心に利用されてきた。しかし、情報通信サービスやインターネット広告、メディア事業、リース・レンタルサービスなど、顧客と継続的に取引するあらゆる「継続型収益モデル」のビジネスでも、同様の価値を発揮できるものとの手応えを得たという。今後は複雑な事業構造や大規模なトランザクションにも対応できるプロダクトとして柔軟性と汎用性を高め、多様な事業領域および事業のステージごとに異なるニーズにも対応にしていきたいという。

またアルプは、販売実績や収益性、利用状況、顧客とのコミュニケーション状況などの相関性を分析して収益最大化を支援する新たなサービス「Scale Analytics(仮称)」の提供を2022年内に予定している。

Scale Analyticsは、継続型収益モデルの知見と収益拡大のノウハウを持つデータサイエンティストらが企業の各種実績データを横断的に分析し、アップセル・クロスセルの機会を抽出することで事業の収益成長をサポートする。アクションの効果測定や継続的実施のためのダッシュボードを提供し、サービス終了後も社内で改善し続けられる仕組みを構築する。

Spotify CEOがこれまで歴史的に阻害されてきたクリエイターのコンテンツに約115億円を投資すると発言

Spotify(スポティファイ)とJoe Rogan(ジョー・ローガン)氏の問題に関する最新情報が報じられた。SpotifyのDaniel Ek(ダニエル・エク)CEOは米国時間2月6日、ローガン氏が自身のポッドキャストで配信した過去のエピソードで有害な人種的中傷となる発言をしていたことについて、スタッフに社内書簡を送付した。現在は、これらの過去のエピソードのうち70本以上がSpotifyから削除されている。The Hollywood Reporter(ハリウッド・レポーター)に掲載されたこの社内書簡の中でエク氏は、歴史的に疎外されてきたグループの音楽やオーディオコンテンツの使用許諾、開発、マーケティングに、Spotifyが1億ドル(約115億円)を投資すると宣言している。これは、同社がジョー・ローガン氏との独占コンテンツ契約に支払った金額と同じだ。

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「1つの点を明確にしておきたい。私はジョーを黙らせることが解決策だとは思っていません」と、エク氏はSpotifyのスタッフに向けて書いている。「我々はコンテンツに関する明確な境界線を持ち、それを越えた場合には行動を起こすべきですが、声を消してしまうのは滑りやすい坂道です。この問題をもっと広く考えると、批判的な思考とオープンな議論こそが、本物の必要な進歩の原動力となるのです」。

Spotifyは2020年5月、ローガン氏のポッドキャスト「The Joe Rogan Experience(ザ・ジョー・ローガン・エクスペリエンス)」と1億ドル規模の複数年にわたる独占契約を締結、11年分のコンテンツが同プラットフォームでのみ配信されることになった。だが、すでに物議を醸しているローガン氏が、新型コロナウイルスに関する誤った情報を広めている極右陰謀論者のAlex Jones(アレックス・ジョーンズ)氏などのゲストを番組に登場させ、Spotifyユーザーの懸念をさらに募らせることになるまで、それほど時間はかからなかった。

最近では、業界で最も聴取されているポッドキャスターの1人であるローガン氏が、新型コロナウイルスに関する誤情報を広めたことでTwittert(ツイッター)から締め出されたウイルス学者Robert Malone(ロバート・マローン)博士をゲストに招いたことで、270人の医療関係者がSpotifyに誤報に関するルールを導入するよう求める公開書簡に署名するなど、緊張感が高まっている。

ローガン氏による誤った公衆衛生情報を流布する役割を果たしたことに対するSpotifyの不作為に抗議して、Neil Young(ニール・ヤング)氏、Joni Mitchell(ジョニ・ミッチェル)氏、作家のRoxane Gay(ロクサーヌ・ゲイ)氏などの著名人が、Spotifyからコンテンツを引き上げた。

「私が考えていることの1つは、クリエイターの表現力とユーザーの安全性をさらに両立させるために、どのような追加措置を講じることができるかということです」と、エク氏は書いている。「これらの取り組みについて相談する外部の専門家の数を増やすように、私はチームに依頼しています。詳細を発表できる時を楽しみにしています」。

今までのところ、Spotifyは、新型コロナウイルスが実在しないと主張するような「危険で欺瞞的な医療情報」を促進するコンテンツを禁止するプラットフォームルールを掲げている(以前はなかった)。また、新型コロナウイルスに関する話題を含むポッドキャストには、コンテンツアドバイザリーを追加することも確約している。

このような広報面での悪夢のような出来事があったにもかかわらず、Spotifyは他のストリーミングサービスと比較して、その市場シェアを大きく失っていない。

画像クレジット:composite:Vivian Zink/Syfy/NBCU Photo Bank/NBCUniversal and TORU YAMANAKA/AFP via Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Disney+が米国で初めてライブストリーミングのテストを実施

Disney+は、米国時間2月8日、米国で初めてライブストリーミング機能のテストを実施し、オンデマンドのサブスクサービスの今後の変化を示唆した。今回のテストでは、大規模なイベントには挑戦せず、俳優でコメディアンのLeslie Jordan(レスリー・ジョーダン)と俳優でプロデューサーのTracee Ellis Ross(トレーシー・エリス・ロス)が司会を務める第94回アカデミー賞ノミネーションのライブストリームを実施した。このイベントは、Disney(ディズニー)傘下のHulu、さらにABC News Live、Oscars.comなどアカデミー賞が所有するさまざまなプラットフォームにもライブ配信された。

イベントの視聴者全員が1つのプラットフォームに視聴を合わせないので、このように幅広い配信はDisney+の負担を軽減することにもつながった。

同社は、Disney+でのライブストリーミングについて、今後どのような具体的な計画があるかについては言及を避けたが、同社のプラットフォームでライブコンテンツがどのようなものになるかを模索したいことは認めている。担当者は、これまでのところ、結果に満足していると述べ、Disneyは今後もこの種の体験をテストし続ける予定であると付け加えた。

「今朝のアカデミー賞のノミネーションで、米国のDisney+でライブストリーミングのテストを行いました。我々はその結果に満足しており、消費者に最高のユーザー体験を提供するための継続的かつ反復的なアプローチの一環として、テストを続けていきます」と、Disneyの広報担当者はTechCrunchに語った。

Disneyはすでに、Hulu with Live TVやESPN+など、ライブコンテンツを配信できる複数のストリーミングプラットフォームを持っているが、同社が米国のDisney+にライブスポーツを統合することを検討している可能性を示すヒントもある。あるスポッターは最近、例えばDisneyPlus.comサイトマップにリンク (https://www.disneyplus.com/espn/details/sport-event/)が追加されたことに気づいた。これは、同社がESPNの視聴者がDisney+からスポーツに容易にアクセスできるようなプランを検討していることの表れではないか、と彼らは推測している。また、インドのDisney+ Hotstarサービスではすでにスポーツのライブ配信を行っているため、Disneyが米国で同様のサービスを検討するのも無理はないだろう。

しかし、今日のテストが示すように、ライブストリーミングはスポーツのライブに限定されるものではない。すでにHuluでクロスストリーミングされている特別なイベントや、ファンに直接アピールできるようなイベント、たとえば人気のファンイベントD23 Expoからの配信など、Disneyが配信する意味があるライブイベントは数多くある。

また、ライブコンテンツが加わることで、記録的な成長が鈍化し始めた現在、サービスの魅力が増す可能性もある。

Disney+の加入者は、2021年第2四半期の1億360万人から第3四半期には1億1600万人に増え、第4四半期にはさらにわずか210万人増の1億1810万人になった。その鈍化は加入者増に関するウォール街の期待を裏切り、11月の最新決算発表の直後に株価を下げた。それでも、DisneyのBob Chapek(ボブ・チャペック)CEOは、2024年までにDisney+加入者数を2億3000万-2億6000万人にするという同社の目標は、依然として順調であると述べた。Disneyは米国時間2月9日に2022年第1四半期の決算を発表する予定だ。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

グーグルがGoogleアシスタントやGoogle One、Google Fiなどに新セキュリティ機能を追加

Google(グーグル)は米国時間2月8日、Safer Internet Day(セーファーインターネットデー、SID)に合わせて、Googleアシスタント、Google Fi、Google Oneを含むさまざまなアプリやサービスの新機能とともに、安全なオンライン体験に関する情報提供の拡大を目的としたパートナーシップを発表した。特に、教育系非営利団体であるKhan Academy(カーンアカデミー)に500万ドル(約5億8000万円)を寄付し、無料のオンラインセーフティレッスン開発を委託するとのこと。また、Googleは非営利の政策・政治団体と協力して「Campaign Security Project(キャンペーンセキュリティプロジェクト)」という新しい取り組みを行っている。このプロジェクトは、2022年の米国中間選挙に向けて、選挙の候補者やキャンペーン担当者にオンラインセキュリティに関するトレーニングを行うことを目的としている。

後者のプロジェクトのパートナー団体には、Veterans Campaign、Collective Future、Women’s Public Leadership Network、LGBTQ Victory Institute、Center for American Ideas、サンフランシスコ大学、Emerge、Latino Victoryなどが含まれている。米国外でも、Googleは国際選挙制度財団(International Foundation for Electoral Systems、IFES)と同様の取り組みを行っているという。

また、同社の製品ラインアップ全体で「安全性」に関するアップデートに分類されるいくつかの新機能が追加された。

手始めに、スマートスピーカーやディスプレイにカレンダーや連絡先などの個人情報を表示しないようにするGoogleアシスタントのゲストモード機能は、今後数カ月のうちに9つの言語でグローバルに利用できるようになるとGoogleは述べている。ゲストモードにすると、それを無効にするまで個人情報はプライベートに保たれる。これは、スマートデバイスの周りに他の人がいる場合を想定したソリューションだ。また、ゲストモードで録音された音声は、あなたのGoogleアカウントには保存されない。今回の拡張は、Nest Hub MaxやNest Audioなど、さまざまなデバイスが対象となる。

近い将来、T-Mobile(T-モバイル)やU.S.Cellular(USセルラー)などの米国のネットワークを活用したGoogleのMVNO通信サービスであるGoogle Fiには、Find MyやLife360アプリと同様の家族追跡機能が追加される予定だ。Google Fiプランを利用しているユーザーは、追加料金なしでFiモバイルアプリから自分の位置情報を家族とリアルタイムに共有できるようになる。このトラッキング機能は、一定の時間が経過するとオフになるように設定するか、手動で設定をオフにするまで有効にすることも、あるいは常にオンに設定することもできる。この機能は、Google Fiの既存のファミリー機能に追加される。ファミリー機能では、大人が家族のデータ割り当てを設定したり、不明な送信者が子どもにメッセージを送れないようにブロックすることができる。

8日に発表されたもう1つの新機能は、実は先週導入されたものだ。Googleは、Google Oneプレミアムサブスクリプションの一環として、iOSデバイスにVPNサービスを展開していることを指摘している。プレミアムクラウドストレージプラン(2TB以上)の会員は、iOS版のGoogle OneアプリからVPNを利用できるようになる。

Googleはまた、まもなく開始されるセーフブラウジング機能を予告している。3月から、ユーザーはGoogleのアカウントレベルの「強化されたセーフブラウジング」を選択できるようになり、オンライン上の脅威やGoogleアカウントに対する脅威に対して、より広範な保護を提供するという。この機能は、よりリスクの高いユーザーが利用することを目的としており、アカウント設定画面やセキュリティ診断を受けた際に利用可能になる。

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

グーグル、Chromeに過去の検索をスマートにグループ化する検索履歴ページを導入

Google(グーグル)は米国時間2月8日、Chromeのいくつかのアップデートを発表し、特に、ブラウザ上で過去の検索を再開する新しい方法を導入すると述べた。

「Journeys(ジャーニー)」と名づけられたこの新機能は、現在デスクトップ版のChromeで展開されており、過去の検索をトピックごとにスマートにグループ化することができる。この新機能は、関連する用語の検索を開始すると、ブラウザが自動的にハイライト表示する。また、ブラウザで有効にすると、新しいChrome History Journeyページに直接移動できる。

画像クレジット:Google

「Journeysは、あなたがどれだけサイトにアクセスしたかを考慮して、最も関連性の高い情報を前面に押し出し、次に試したい関連検索の有益な提案もします」と、ChromeチームのプロダクトマネージャーであるYana Yushkina(ヤナ・ユシュキナ)氏は発表で説明した。

何かを調べ始めてから、別のプロジェクトのために中断したことがある人は、以前に訪れたサイトに戻る方法を見つけるのがいかに難しいか知っている。どのブラウザの履歴リストも、しばらくするとすぐに扱いにくくなるが、これまでどのブラウザベンダーも、履歴リストにあまり注意を払っていなかった。競争が激化するブラウザ市場において、長い間手つかずだったこの領域に、各ベンダーの革新が続くと思われる。

画像クレジット:Google

Googleは、ブラウザが自分のためにこれらのクラスタを構築することに抵抗がある場合、ユーザーはこの機能を完全にオフにすることができると強調している。Googleは、Journeysはデバイス上でのみ履歴をグループ化し、クラスタはデバイス上で生成されるだけだと述べている。Googleアカウントには何も保存されない。

ところで、これらのトピックは、広告目的のクッキーを置き換えるGoogleの最新の提案であるTopics(トピック)とはまったく関係がない。これらのTopicsは、訪問したサイトを、あらかじめ設定された約300のトピックを中心にクラスタ化するもので、明らかに基本的な機能の重複が見られるが、Googleの広報担当者は、両者はまったく関係がないとのことだった。

関連記事:グーグルが脱クッキー技術「FLoC」を廃止、代わる新機能「Topics」を公表

この新機能は現在、英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、オランダ語、ポルトガル語、トルコ語のOSで展開されている。

Journeysに加え、Googleはさらに多くのChrome Actionsをブラウザに導入している。これは、アドレスバーで適切な種類のトリガーワードを使用することでアクセスできる機能だ。新しいアクションには「Manage settings」「Customize Chrome」「View your Chrome history」「Manage accessibility settings」「Share this tab」そして最も重要かもしれない「Play Chrome Dino game」などがある。楽しいが、数回クリックすれば同じ目的地に早くたどり着けるのに、本当にこれだけの文字を入力したい人がどれだけいるかはわからない。

モバイルユーザーのために、Googleは、Androidでいくつかの新しいChrome関連のウィジェットを導入している。例えば、恐竜ゲームにアクセスするためのものがあり(ここにテーマを感じる)、他のものはテキスト、音声検索、ビジュアルレンズ検索機能など、ホーム画面からの検索を開始することに重点を置いている。

画像クレジット:Jaap Arriens / NurPhoto / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Yuta Kaminishi)

話者映像とPC画面を組み合わせ「非同期コミュニケーション」を支援するQudenのzipunkが5000万円調達、正式版も公開

B2BビデオコラボレーションSaaS「Quden」(クデン)を提供するzipunk(ジパンク)は2月7日、シードラウンドとして5000万円の資金調達を行ったことを発表した。引受先はOne Capital。同時にプランや機能を拡充した正式版を2022年2月よりリリースしたことを明らかにした。

調達した資金は、「プロダクト開発体制の強化」「PLG(Product-Led Growth)モデルの実践を通じたグロースサイクルの確立」「ユースケース・事例などのコンテンツ制作」、またこれらに必要な採用活動にあてる。

Qudenは、話者の映像とPC画面を自由に組み合わせた動画をワンクリックで作成・共有できるSaaS。テクニカルサポートやサービスの機能説明といったカスタマーサクセス業務に活用することで、顧客対応効率や顧客満足度が改善できるとしている。また、社内トレーニング用動画コンテンツや業務フィードバックに用いれば、繰り返し発生する定型業務やビデオ会議を削減でき、組織の生産性が向上するという。

同社は、Qudenを単なる画面録画ツールではなく「時間や場所に制約のない働き方を推進するコミュニケーションインフラ」と捉え、社内外のあらゆるワークフローに活用されるサービスを目指しているという。代表取締役CEOの兵藤佑哉氏は、「業務コミュニケーション手段として『非同期×動画』というフォーマットを活用することで、業務の中断を招く同期的(≒リアルタイム)なコミュニケーションを減らし、異なる時間帯や場所で働くメンバーとの協働がよりスムースになると考えています」とコメントしている。

またこの2022年2月にフリープラン(無料)と、より多くの機能を備えたチームプラン(月額750円)を用意し正式に公開した。フリープランの利用の際は、カード情報などは不要。話者映像とPC画面を組み合わせたビデオメッセージを作成・共有可能なQudenのzipunkが5000万円調達、正式版もローンチ

ジパンクは2019年12月に設立されたスタートアップ。「『働く』をもっと自由に」というミッションを掲げ、Qudenの開発と運営を行っている。