アマゾンがAlexa用スマート空気質モニターを12月に米国で発売、約7980円

Amazon(アマゾン)は2021年9月下旬にスマートホーム機器の新製品を次々と発表したが、ホリデーシーズンを前にして、まだ製品を続々と登場させている。確かに、Smart Air Quality Monitor(スマート空気質モニター)は、巨大なEcho Showやホームロボット、あるいはサーモスタットのようにエキサイティングな製品ではないが、少なくともこのような製品に内在する価値は明らかだ。

このデバイスは、一酸化炭素を含む粒子状物質、ほこり、揮発性有機化合物(空気中の化学物質で体に害を及ぼす可能性があるもの)を測定するように設計されている。また、温度と湿度の検知機能もビルトインされている。製品ページに記載されているように、このデバイスにはマイクやスピーカーが内蔵されていない。つまり、何かがおかしい状態になったときの警告は、接続されたEchoデバイスやAlexaアプリに頼ることになる。なので、家の中のマイクの数が1つ減るわけだ。これはプラスだ。

同社によると、このデバイスはテスト期間中のユーザーのフィードバックから生まれたものだという。同社は次のように説明している。

部屋の換気を頻繁に行う、料理中に窓を開ける、空気清浄機や加湿器をつけるなど、小さな工夫をすることで、テスト参加者は空気の質が目に見えて向上したことを実感しました。また、これらの細かな調整により、家の中での呼吸が楽になり、夜もぐっすり眠れるようになったとテスト参加者は教えてくれました。

アラート機能に加えて、モニターするレベルの経時変化も測定できるので、ユーザーはさまざまな活動がこれらの問題にどのように影響するかを知ることができる。Smart Air Quality Monitorは11月3日から予約受付を開始し、12月に出荷が始まる。

画像クレジット:Amazon

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

【レビュー】Beats Fit Proは一歩先行くワイヤレスイヤフォン、2万円強でワークアウトに超おすすめ

イヤフォンのレビューが非常に難しいのは、まったく同じ耳を持つ人がいないからだ。まったく同じ耳はない。間違ったセットを長期間使用すると痛みを感じやすい私としては、自分に合ったペアを見つけることの重要性を実感している。

Beats Fit Pro(ビーツ・フィット・プロ)の情報が最初にリークされたとき、私は不安を抱いた。デザイン的には、Apple(アップル)の子会社であるBeatsが夏に発売したStudio Buds(スタジオ・バッズ)とほぼ同じだが、大きな違いが1つある。「ウイング」だ。翼、翼端、イヤーピース、ヒレ、何と呼んでもいいが、私は嫌いだ。実際、私はその耳に詰め込む奇妙な小さな尖った代物をみたときに、本能的な嫌悪感を感じた。

まあそれは、何年か前にワークアウト用のヘッドフォンをテストしたときの名残であることも認めたい。当時のウイングは、見た目と同じように極端に尖った硬いプラスチック製だった。安定性の観点からは、たとえば長時間の走行時にこのような形状が有効であることは理解できるものの、私はどうしても必要な場合を除いて、基本的に体のデリケートな部分に先のとがったものを入れたり、近づけたりしないようにしているのだ。

画像クレジット:Brian Heater

だが当初は躊躇していたものの、その心配が杞憂に終わったことを今は喜んでいる。Fit Prosは快適だ。驚くほど快適なのだ。イヤフォン自体はかなり小さく、イヤーピースにウイングを加えたようなデザインになっている。その点ではPowerbeats Pro(パワービーツ・プロ)と変わらないのだが、その目的を大幅にプラスチックを減らすことで達成している。このイヤーピースの成功の鍵は、その大きさと形状、そして、軟骨に食い込ませずに留めることができるシリコンの柔軟性にある。

とはいえ私がこれまでにテストした中で最も快適なイヤフォンだとまでいうのはやめておこう。正直なところ、比べるとしたら相手は以前の製品であるPowerbeats Pro(パワービーツ・プロ)がふさわしい。Powerbeats Proのデザインは大きく、やや扱いにくいものだが、耳掛け式によって、イヤフォンの重さや圧力が分散されている。一方、Fit Prosの重量は11.2gしかないとはいえ、長時間使用すると、その重さがきいてくる。

また、Fits Prosは固定にも見事に成功している。最近、ランニングを再開したのだが、いろいろな種類のイヤフォンを試している(だが上手くいく率は低い)。ワークアウト中にヘッドフォンを固定することを考える場合、(当然のことながら)物理的な動きに注目しがちだ。意外と忘れがちなのが、汗をかくことによって、イヤフォンを固定することが難しくなり、調整がやりにくくなるという点だ。

画像クレジット:Brian Heater

Fit Proはこの点において、最近のどのイヤフォンよりも優れていた。もしジム利用を第一目的としてイヤフォンを探しているのであれば、この製品が最適だ。イヤフォンに接したウイングがボタンの役割を果たす。イヤーピースの一番離れたところで押すことに意味があるのだ。真ん中を押すと、耳にかかる圧力が大きくなる。1回押すと再生 / 一時停止 / 通話への応答、2回押すと曲送り、3回押すと曲戻し、長押しするとANC(アクティブノイズキャンセリング)モードと透過モードが切り替わる。

ワークアウト用のヘッドフォンには、こういった物理ボタンが必要なのだ。汗をかくとタッチが難しくなる。最大の欠点は、サイズが比較的小さいため、トレーニング中にイヤフォン位置を調整しようとして、誤ってボタンを押してしまうことがあることだ。しかしそれでも、ワークアウトという目的のためには、一般的なイヤフォンよりもはるかに優れている。また、ランニング中に固定するのが非常に困難だったStudio Budsが、うまく改良されたものなのだ。

画像クレジット:Brian Heater

なお、ウイングはボタンと一体となっているため、取り外しや交換することはできない。それはちょっと残念だ。ワークアウトが終わったらウイングを外せるといいのだが、構造上の問題があるだろうし、紛失する可能性もある。もしウイングが破損した場合は、(保証期間内であれば)全部を送り返す必要がある。Apple / Beatsはその部品を別売りしていない。

サウンドは良好で、他のBeatsとよく似ている。つまり、低音が強いということだ。例えばジャズの微妙なニュアンスを楽しむためのイヤフォンを探しているのであれば、ソニーの製品をお勧めする。Beatsのヘッドフォンは「刺激的なプレイリストをかけてランニングしよう」というタイプのもので、確かにそのような用途には適している。アクティブノイズキャンセリング(ANC)も優れている。特に大型のシリコンチップへ交換したときには、周囲のストリートノイズやジムの中に流れる好みではない音楽をうまく遮断してくれた。

画像クレジット:Brian Heater

Appleの製品である以上、iOSデバイスとの相性が良いのは当然のことだ。それは、H1チップの搭載によるところが大きい。高速ペアリングやデバイスの自動切り替えに加え「探す」機能や「空間オーディオ」機能も搭載している。最後の機能は、AirPodsにも搭載されているが、ヘッドトラッキングを利用してオーディオの音の方向を変化させる。つまり、音楽を聴くときにはよりスピーカーに近い体験ができ、FaceTime(フェイスタイム)では画面上の位置に応じて声を配置することができるということだ。いまはまだ目新しさを感じられる。一方、Android(アンドロイド)ユーザーは、Beatsアプリをダウンロードすることで、全機能を引き出すことができる。

画像クレジット:Brian Heater

ループからウイング型に変更したことで、充電ケースが大幅に小さくなったことはあまり宣伝されていない。Powerbeats Proのケースは巨大だった。Fit Proのケースも決して小さくはないが(実際AirPodsよりはかなり大きい)、実際にはポケットに入れて持ち歩ける位には小さくなっている。また、ハードウェアの進化により、Fitのケースを含んだバッテリー寿命は27時間と、Powerbeats Proの24時間よりも長くなっている。イヤフォン単体では、使用状況に応じて6~7時間となっている。ケースのフル充電には約90分かかるが、USB-C経由で充電できるので、Lightningケーブルが好きではない人にはうれしい。ただし、ワイヤレス充電が行えないのは減点対象だ。

興味深いことに、Fit Proは、Beatsファミリーの他の製品を置き換えるものではない。Powerbeats Pro、Beats Studio Buds、そして有線ユニットのすべてが存続する。多少重複したラインナップだが、Bratsはこれまでも常に親会社のAppleよりもすばやく多少機能の少ない製品を出してきた。

199ドル(約2万2600円)という価格は、Beats StudioとPowerbeats Proのちょうど中間に位置している(日本の発売予定は2022年、価格は未定)。しかし、ほとんどの場合にほとんどの人(特に、頻繁にトレーニングをする人)に、一番お勧めできる製品だ。本日(米国時間11月1日)より予約受付を開始し、米国時間11月5日より出荷を開始する。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:sako)

2021年第3四半期のChromebook販売が激減、教育市場が飽和状態になったとの分析

市場調査会社Canalys(カナリス)が米国時間11月1日に発表したレポートによると、第3四半期の全世界におけるPC販売台数は2%減少したという。だが、最新のPC市場調査の中で最も驚くべきデータは、Chromebook(クロームブック)の全ノートPC販売台数に占める割合が、前四半期の18%から今四半期はわずか9%に半減したことだ。

市場全体にとって良いニュースは、第3四半期の販売台数が1億2200万台を超え、新型コロナウイルス流行前の水準を上回ったことだが、全体的なサプライチェーンの問題により、今後数四半期の間にPCメーカーの生産状況が悪化する可能性があり、嵐の気配も迫りつつあるようだ。

新型コロナウイルス流行に起因する販売熱がようやく落ち着き、Chromebook全体の販売台数は前年同期比37%減の530万台となった。この数字はChromebook販売の低迷を反映しており、大手Chromebook販売店は大きな打撃を受けている。トップベンダーのLenovo(レノボ)は前年比の20.9%減、2位のHPは66.1%減、3位のAcer(エイサー)は28.6%の減少となった。

Canalysはその原因について、部品不足やその他のサプライチェーンの問題よりも、市場の飽和が影響していると推測している。「第3四半期のChromebookの出荷台数は、前年同期比37%減(前四半期比52%減)となり、Chromebook市場は大きな落ち込みを見せています。これは、米国や日本などの主要な教育市場が飽和状態に達し、公的機関によるデジタル教育プログラムへの資金提供が鈍化しているためです」と、調査会社は述べている。

画像クレジット:Canalys

一方、タブレット端末の全世界における出荷台数は、前年同期比で15%減少。23%増加したアジア太平洋地域を除き、すべての地域で販売台数が減少した。北米では24%の減少となった。

Apple(アップル)は、前年同期の34.4%から上昇して40%のタブレット市場シェアを維持したものの、販売台数は前年とほぼ変わらなかったため、成長率は0%となった。Samsung(サムスン)のシェアは、前年同期の20.4%から今期は19.1%へとわずかな減少だったが、販売台数は2020年比で20.2%減と急激に落ち込んだ。3位のレノボは11.3%のシェアを獲得。前年同期の9.5%から上昇し、成長率はわずかながらプラスの2%だった。

PC全体では、トップベンダーのレノボが4.1%増、2位のアップルは4.6%増、そして3位のHPは5.7%減と、HPは特にChromebookの売上減少の影響を大きく受けたようだ。

CanalysのリサーチアナリストであるBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、サプライチェーンの問題があるとはいえ、ホリデーショッピングシーズンには、ある程度の安心感が得られるだろうと述べている。

「第4四半期の売上高は、サプライチェーンの問題にもかかわらず、前四半期比で改善が見られるでしょう。これは主に、ホリデーシーズンに関連して消費者の需要が世界的に高まるためです。この需要は、低コストで材料費の少ないデバイスに向けられるでしょう。消費者はより高性能ではないデバイスを購入する傾向にあるため、部品メーカーへの負担は軽減されます」と、リンチ氏はTechCrunchに語った。ただし、Canalysでは、第4四半期の前年同期比成長率は比較的落ち着くと見ており、2022年以降はわずかながらも安定した成長が期待できるとしている。

なお、Canalysの市場調査方法は、最終顧客への販売ではなく、チャネルへの販売をカウントしたものであることは、記しておく必要があるだろう。つまり、消費者であるユーザーではなく、Best Buy(ベストバイ)やStaples(ステープルズ)のような企業に販売した台数をカウントしているのだ。

画像クレジット:Filipovic018 / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

スマートサーモスタットのEcobeeを発電機メーカーのGeneracが買収

ウィスコンシンの発電機のメーカーGeneracが今日(米国時間11/1)、ホームオートメーションのEcobeeを買収する計画を発表した。表面的には意外な組み合わせだが、従来的な企業がこのような買収でスマートホーム分野へ事業を広げるのは、これが初めてではない。たとえば数年前には、Assa AbloyがAugust Homeを買収した

Generacは社歴60年を超える企業だが、いずれにしても古参の企業が新しい技術開発に手を染めるには、買収がいちばん容易な方法だ。買収の価額としてGeneracは、2億ドルのキャッシュと4億5000万ドルの株式をEcobeeの株主たちに支払う。完了の前に追加のターゲットが発生した場合はGeneracは最大で1億2000万ドルの株式、最大で合計7億7000万ドルを払う。

トロントのEcoboeeが創業されたのは2007年で、その後、2014に買収されたNestなどと並び、インターネットに接続されたサーモスタット(コネクテッドサーモスタット)の著名企業になった。その後Nestは、Googleのスマートホーム製品のデファクトのブランドになった。そしてそのNestと同じくEcobeeも、セキュリティカメラやセンサーなど、そのほかのスマートホームデバイスを製品群に加えた。

EcobeeのCEO、Stuart Lombard氏が声明でこう述べている: 「エネルギーの技術におけるGeneracが成し遂げてきた進化により、わたくしたちEcobeeのプロダクトを同社の住宅用デバイス製品に統合する機会が数多く生まれてきた。とくにそれらの統合により、家庭の電力負荷の相当大きな部分を監視しコントロールすることが可能になった。そういう意味で今回Generacのチームに加わることはエキサイティングであり、私たちは共に、私たちの顧客とコミュニティに、よりクリーンで、より強度のある持続可能なエネルギーの未来をお届けできる」。

Ecobeeはこれまでに、AmazonのAlexa Fundを含め約1億500万ドルを調達した。ここしばらく、すでにRingのようなスマートホームのブランドを持つAmazonがEcobeeを買収する企業の当然の候補と見なされていたが、最近同社はHoneywellと共同開発したサーモスタットを発表した。

この買収は、規制当局の承認を待って、完了は本年第四四半期と目されている。

(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Ecobee

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【レビュー】たくさんのワイヤレスイヤフォンの山から自分に合うものを見つける方法

イヤフォンのレビューは簡単なはずだ。日々出てきては消えていく無数の製品カテゴリーと比べて、変数はさほど多くない。音はいい?バッテリー寿命は?ノイズキャンセリングはどう?フィット具合は?

最後の1つは、もちろん、極めて主観的であり、他よりもはるかにそうだ。そしてそれは、この種の製品をレビューする上で最大の問題を暗示している。それを使ってどんな音楽を聞くかとというのと同じく、好みは個人によるところが非常に大きい。続けて何時間も身につけることが多い製品であり、仕事中も旅行中もエクササイズ中も、寝ている時でさえ私たちの耳と密に接触している。

何度も書いてきたように、Bluetoothイヤフォンほど移り変わりの早い消費者エレクトロニクス製品カテゴリーは見たことがなく、目新しかったものが一夜にして日常になったように感じる。そして真実はと言えば、そのほとんどがかなりよくできている。

原則として自分のスマートフォンを作った会社のイヤフォンを選ぶのがよい、と人にはよく言っている。一体となって動くように作られたイヤフォン製品には良いことがあるものだ。もちろん、スタート地点としては申し分ない。しかし、自分のためにイヤフォンを買う時、検討に値する要素は沢山ある。ホリデーシーズンのギフトでも同じだ。音質、価格、使い心地、デザイン、サイズ、すべてが考慮に値する。

この1年間、TechCrunchではワイヤレスイヤフォンを他のどの商品カテゴリーよりも(大きく引き離して)数多くレビューしてきた。その中に、1つですべてを満たすものはなかったし、おそらくこの分野では将来もないだろう。以下、この急成長、急上昇しているカテゴリーの中で、私のお気に入りをいくつか紹介する。どれを選んでも間違いはない。

Apple AirPods Pro

画像クレジット:Brian Heater

価格:249ドル(税込3万580円)

関連記事:AirPods Proはワイヤレスイヤフォンの価格水準を引き上げる

つい先日発売2周年を迎え、Appleのプロレベルイヤフォンもやや年老いてきた。しかし、パッケージ全体としては今も他社の目標の1つだ。Appleは標準型AirPodsの第3世代を出して、両社の境界をぼやかすような新機能を搭載させたが、価格を別として、Proはさまざまな面で上をいっている。ただし、あなたがシリコンチップを嫌っていなければ。

音はすばらしく、着け心地も良く、ノイズキャンセリングは完璧で、iOSデバイスでシームレスに使える。

Beats Fit Pro

画像クレジット:Brian Heater

価格:199ドル(国内未発売、約2万2700円)

この日まで、誰かに良いワークアウト用ヘッドフォンを尋ねられたらいつもPowerbeats Proを薦めていた。Fit Proはそれを完全に置き換えるものではないが、このカテゴリーで私のリストのトップに躍り出た。最近ランニングを復活した1人として、Beats(ビーツ)がこのニッチなカテゴリーでここまでできることに感心している。過去に固くて痛いモデルをテストした後、イヤーフックに嫌悪感を覚えるようになったのだが、会社はしっかり解決した。

OnePlus Buds Pro

画像クレジット:Brian Heate

価格:150ドル(国内未発売、約1万7000円)

関連記事:【レビュー】OnePlus Buds Proは高コスパイヤフォン、1.65万円で音質、フィット感ともに文句なし

最初のワイヤレスイヤフォンで三振を喫した後、OnePlusはProモデルで多くの点を改善した。そこに世界を驚かせるような技術イノベーションはないが、堅実でバランスの取れた製品でローンを組む必要もない。Proには良いノイズキャンセリングが付き、着け心地もよく、おまけとして、ステムを掴むと瞑想的なホワイトノイズが耳に流れ込む。

Samsung Galaxy Buds 2

画像クレジット:Brian Heater

価格:150ドル(税込み1万5109円)

関連記事:【レビュー】サムスンの「Galaxy Bud 2」は派手さはないが堅実なワイヤレスイヤフォン

他のGalaxyシリーズ製品と異なり、SamsungのBudsに派手さはない。そして正直なところ、それで問題ない。コンパクトで堅実で仕事をこなす。OnePlus Buds Proと同じく、限界に挑戦しているものはないが、外部音取り込みもできるアダプティブ・ノイズキャンセリングを備えた150ドルの完璧なイヤフォンだ。Samsungデバイスとの相性は特にいいので、Galaxyエコシステムにいる人には特におすすめだ。

Sony WF-1000XM4

画像クレジット:Brian Heater

価格:280ドル(税込3万3000円)

レビュー記事:【レビュー】ソニー新型「WF-1000XM4」は高性能ワイヤレスイヤフォンの新基準、2年待っただけの価値がある

気の弱い人には(財布の弱い人も)向かないが、Sonyは2021年真の完璧なオーディマニア向けイヤフォンをひっさげて帰ってきた。大きくてかさばる傾向の製品なので、イヤフォンを着けてランニングする人には薦めないが、例えばすばらしいジャズのライブレコードを楽しむためのイヤフォンを探している人にとっては、これを越えるものを見つけるのは難しい。旧機種のWF-1000XM3や紛らわしい名前のヘッドフォン、WH-1000XM3 / 4とともに、Sonyは最高音質ヘッドフォンの絶対的標準であり続けるだろう。

選外

Nothing Ear (1)

画像クレジット:Brian Heater

価格:100ドル(約1万1400円)

レビュー記事:【レビュー】成熟した市場に参入する低価格の変わり種、Nothingのワイヤレスイヤフォン「Ear(1)」

大企業以外の製品を探している人のために特別賞。Nothingはよくできたイヤフォンのペアをお手頃価格で作った。気の利いた半透明デザインもよい。当初接続がうまくいかないことがあったが、その後のファームウェアのアップデートで問題はほとんど解決した。Apple、Samsung、Sony以外の世界で財布に優しい製品を探している人は検討されたい。

Nura NuraTrue

画像クレジット:Brian Heater

価格:200ドル(約2万2800円)

レビュー記事:【レビュー】Nuraがパーソナライズを実現する革新的なサウンド技術をついにワイヤレスイヤフォンに搭載

Nuraは独自のサウンド・アダプティング技術をワイヤレスイヤフォンに採用した。オーバーイヤー型ヘッドフォンの没入感は少々欠けるが、カスタム・プロファイルを使うことによって実に印象的な音楽体験を作り出している。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

グーグルとJioのインド向けカスタム済み格安Android搭載スマホが11月4日発売

現地時間10月29日、Googleとインドの通信大手Jio Platformsは待望の低価格スマートフォンJioPhone Nextを、11月4日に、世界で2番目に大きいスマートフォン市場での販売を発表した。同日はインドの大きなお祭りディワーリーの日でもある。両社によるとJioPhone Nextは6499インドルピー(約9890円)で、初回27ドル(約3080円)の分割払いもできる。

このスマートフォンのOS「Pragati OS」は、「極限まで最適化」されたAndroidで、一連の独自機能がある。たとえば「読み上げ」と「リアルタイム翻訳」はウェブページやアプリ、メッセージ、さらに写真も、表示されるあらゆるテキストに対応し、10種類のインドの言語をサポートしている

「JioPhone Nextにはリッチな機能がたくさんありますが、私が最も感動し、一般のインド人を助けてデジタル生活のレベルを上げると思うのは、インドの言語の統合への寄与です。インド独特の強みは、その言語の多様性にあります。このスマートフォンでは、英語や自分の言語を読めない者でも翻訳してもらえるだけでなく、読み上げてもらうことができます」とJio Platformsを運営するReliance Industriesの会長でマネージングディレクターのMukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏はいう。

JioPhone Nextの仕様も公表されている。5.45インチのHDでCorning Gorilla Glass 3で保護されたディスプレイ、チップはQualcommのクアッドコアQM-215チップセットでクロック数は1.3GHz、2GBのRAMと32GBの内部ストレージ(拡張可能)といった構成になっている。デュアルSIM対応で3500mAhのバッテリーを搭載、リアカメラは13メガピクセル、HDRをサポートし、8メガピクセルのセルフィーセンサーがある。

2017年1月5日、GoogleのCEOサンダー・ピチャイ氏がインドのカラグプール工科大学で学生と対話。Googleは最近、インドに極めて熱心だ。2020年に同社は、今後、5〜7年間でインドに100億ドル(約1兆1390億円)の投資を行うとと発表している(画像クレジット:Getty Images)

JioPhone Nextは、開発途上市場の大衆に到達しようとするGoogleの最新の取り組みだ。過去およそ10年間に同社は、いくつかの事業を立ち上げている。たとえばAndroid Oneは、ユーザー体験を改善した低価格スマートフォンだった。2017年のインドでのイベントにおいて、GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、インドのような市場はとても多いが、そのような市場が求めている大衆向けスマートフォンの適正価格は30ドル(約3420円)だと語っている。

「JioPhone Nextは、インドのために設計された手頃な価格のスマートフォンで、インドでは誰もがインターネットが生み出すチャンスを利用できるべきだという信念に基づいている。私たちのチームは全員協力して複雑な技術的課題とデザイン面での課題に取り組んでいます。今後数百万の人たちがこのデバイスを使って自分たちの生活とコミュニティを改善していけると考えています」とピチャイ氏は語っている。

最近のアナリストたちの意見では、JioPhone Nextは世界第2位の大きさであるインドのスマートフォン市場をディスラプトするだろうという。そして2020年で会員が4億以上いる通信企業のネットワークは、FacebookやGoogleなどのイメージの高い投資家から200億ドル(約2兆2790億円)ほどを調達し、この国における支配力を強めた。

JioPhone Nextは当初、9月の第2週にローンチの予定だったが、両社はチップの不足を理由に遅らせた。そして同機は、インドにおよそ3億人いる2Gネットワークから、速いネットワークへアップデート中の人たちが主なターゲットだと、アンバニ氏は2021年前半のイベントで語っていた。

アバンニ氏は10月29日の声明で「パンデミックによるグローバルなサプライチェーンの難局にもかかわらず、GoogleとJioのチームがお祭りにタイミングを合わせてこの画期的なデバイスをインドの消費者に届けたことは喜ばしいことです。私がかねてから固く信じているのは、デジタル革命が13億5000万人のインド人の人生に力を与えるということです。過去には、インターネット接続でそれを成し遂げました。そして今、それを再び、スマートフォンデバイスで実現しようとしている」と語っている。

画像クレジット:Google and Jio Platforms

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(文:Manish Singh、翻訳:Hiroshi Iwatani)

フェイスブックのMetaスマートウォッチ、リーク写真にはカメラのノッチが見える


Meta(メタ、つまり、かつてFacebookと呼ばれた会社)は、写真や動画を撮影できるスマートウォッチを開発しているかもしれない。Bloombergは、Apple Watchに似た角丸のスマートウォッチを示す画像を公開した。ただしそこには、フロントカメラのノッチもある。アプリ開発者のSteve Moser(スティーブ・モーザー)氏は、同社のスマートグラス「Ray-Ban Stories(レイバン・ストーリーズ)」の操作に使われるアプリ内でこの画像を発見し、将来的に同アプリがスマートウォッチの操作にも使われる可能性を示唆している。

画像クレジット:Meta

角が丸く、カメラを搭載していることに加え、ステンレススチールのケーシングと取り外し可能なストラップを備えているようだ。また、モーザー氏は、アプリ内のコードから、この時計が「Milan」と呼ばれる可能性があることや、この時計で撮影した写真や動画をスマホにダウンロードできる可能性があることを示しているという。

Bloombergによると、Metaは早ければ2022年にスマートウォッチを発売することを目指しているが、まだ何も決まっていないようだ。さらに、Facebookの親会社となった同社は、異なる時期に発売される3世代の製品にすでに取り組んでいると報じられている。今回の画像に写っているデバイスがそのうちの1つなのか、あるいは発売されるのかどうかも定かではない。しかし、The Vergeも2021年初め、Facebookがフロントカメラとオートフォーカス付きの1080p背面カメラ(手首から外して使うもの)を搭載したスマートウォッチを開発していると報じている。また、心拍計やLTE接続機能も搭載される可能性があるが、それらの機能は3種類のモデルに分散されるかもしれない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。著者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:Facebook

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(文:Mariella Moon、翻訳:Aya Nakazato)

Boschが528億円を追加投資し半導体製造能力を増強、ドイツとマレーシアの3工場を拡張

ドイツのテクノロジー&パーツサプライヤーであるRobert Bosch GmbH(ロバート・ボッシュGmbH)は、自動車や家電製品、パソコン、電動工具などあらゆる製品の生産に大打撃を与えている半導体不足に対応するため、チップ製造設備の拡張にさらに4億ユーロ(528億円)を投資する。

2022年を目標に、ドイツのドレスデンとロイトリンゲンにあるウェハー製造工場と、マレーシアのペナンにある半導体部品製造工場の拡張を行う。ドレスデン工場は、同社史上最大の投資となる10億ユーロ(1320億円)を投じて6月に開設された。同工場では、より大きなサイズの300ミリウエハーを製造しており、1枚のウエハーに搭載されるチップの数も多い。

ロイトリンゲンでは1970年から半導体部品を製造しており、2022年と2023年に約5000万ユーロ(約66億円)の投資が予定されている。ロイトリンゲンでは「クリーンルーム」を4000平方メートル以上拡大し、合計1万4500平方メートルになる見込みだ。クリーンルームはシリコンウエハーが半導体チップになる特別設計のところだ。Boschによると、この拡張で150人の新規雇用を創出する。

ペナンでは、Boschは新しい半導体テストセンターを建設し、2023年に操業を開始する予定だ。このテストセンターの広さは当初約1万4000平方メートルとなる。しかし、同社はペナンに10万平方メートル以上の敷地を持っており、最終的にはそのすべてを開発する予定だ。

今回の巨額の投資は、半導体の供給不足が長期化し、自動車メーカーの経営陣や業界アナリストが2022年まで続くと予測している中でのものだ。Ford Motor Company(フォード・モーター)とGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)の幹部は、今週行われたそれぞれの第3四半期決算説明会で、半導体不足は2022年、場合によっては2023年まで続くとの見通しを示した。

自動車メーカーやその他の企業に製品を供給するだけでなく、電動工具などの製品に自社製のチップを使用しているBoschにとって、これは賢明な動きだ。また、2030年までにEUの半導体生産量を世界の供給量の5分の1に引き上げることで、域内のサプライチェーンの回復力を高めることを目指している欧州連合にとっても朗報となる。

画像クレジット:Bosch

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi)a

Puffcoが最上位ヴェポライザー「Peak Pro」の喫煙体験を向上させる新しいチェンバーを発表

Puffco(パフコ)は、そのヴェポライザーの最上位モデル「Peak Pro(ピーク・プロ)」に、喫煙体験を向上させ、バッテリー継続時間を改善する新しいアップグレードを発表した。


このアップグレードには、Peak Proのクッキングチェンバーを交換する必要があるが、洗練されたデザインにより簡単に交換できる。

この新しいチェンバーは、Puffcoがベイプを清潔に簡単に装填することができるバッテリー駆動の「Hot Knife(ホット・ナイフ)」を発表した直後に登場した。喫煙がここまでハイテクになるべきだとは、誰も言っていないのだが。

3D Chamber(3Dチェンバー)と呼ばれるこのチャンバーは、Puffco Peak Proの重要な部分である(ここで魔法が起こるのだ)。内部では、大麻素材がすばやく加熱されて蒸気になる。Puffcoはこの部分を、ユーザーがチェンバーのネジを外して掃除や交換、アップグレードができるように設計した。

3D Chamberは、その名の通り、素材をすべての面から加熱できる。この効率的な加熱方法により、Peak Proのバッテリーライフが30%向上したと、Puffcoはいう。3D Chamberを使用するためには、ユーザーはPeak Proのファームウェアをアップデートする必要がある。

この新しいチェンバーは、米国では2021年10月下旬より、89.99ドル(約1万200円)という価格で発売になる。

画像クレジット:Puffco

これは、Puffcoの第2世代の濃縮eリグ(電動ダブリグ)であるPeak Proに初めて用意された主要なアクセサリーだ。このデバイスにユーザーは濃縮された少量の大麻を入れて、そこですばやく加熱し、その蒸気を水パイプを通して吸引する。すばやく、簡単に、すばらしい味と蒸気を得ることができる仕組みだが、新しいチェンバーはその体験をさらに向上させる。Puffcoからこの3D Chamberが送られてきたので試してみたが、筆者はこれが大変気に入った。3D Chamberは、Puffco Peak Proをあらゆる面で向上させる。

同社は先頃、セラミックチップがすぐに加熱されて濃縮液が滑り落ちるという斬新なバッテリー駆動のダブツールを発表している。

2013年にRoger Volodarsky(ロジャー・ヴォルダルスキー)氏によって設立されたPuffcoは、現在も非公開会社として運営されている。同社によると、2021年には売上高が1億ドル(約114億円)に達する勢いだという。同社の主な製品ラインは2つ。249ドル(約2万8000円)の「Peak」と399ドル(約4万5000円)の「Peak Pro」が揃う携帯型ウォーターリグと、89ドルの小さなペン型濃縮ヴェポライザー「Puffco Plus(パフコ・プラス)」だ。メーカーによると、Puffco Plusは2016年の発売以来、100万個以上が販売されており、新製品はより速いペースで売れているという。

Puffcoの製品は、そのデザインと機能が広く評価されている。フィット感と質感は、どの会社のトップレベルの電子機器にも劣らない。同社は大麻をより身近に感じたいという層をターゲットにしているという。

Puffcoに対する評価の高さは、サードパーティ製アクセサリーのエコシステムが拡大していることや、非常に熱心なファンが多いことからもわかる。特にInstagram(インスタグラム)では、44万8000人ものフォロワーがいる。

画像クレジット:Puffco

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(文:Matt Burns、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ザッカーバーグ氏がフィットネス機器としての「Quest 2」を紹介、「Pelotonのようなものだ」

Facebookは「Oculus Quest 2」をゲーム機以上のものとして認識してもらいたいと考えている。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEOは、同社の開発者会議「Facebook Connect」で、Questを「Supernatural」や「FitXR」といったサードパーティ製アプリのフィットネスプラットフォームとして活用するための取り組みを紹介。さらにコネクテッドフィットネス機器として、Pelotonと直接比較もしている。

基調講演においてザッカーバーグ氏は「多くの方が、健康維持のためにQuestを利用していますが、まったく新しい方法でワークアウトすることができます。Pelotonのようですが、自転車の代わりにVRヘッドセットを用意するだけで、ボクシングのレッスンから剣術、さらにはダンスまで何でもできるのです」。

同社は、ハードウェアの分類をさらに進めており、2022年には、Quest 2ヘッドセットをカスタマイズして、エクササイズで使えるようにする「Active Pack」をリリースすると発表した。このパックは、コントローラーにグリップを追加し、ヘッドセットが汗で濡れてしまう問題を解決するフェイシャルパッドを備える。

近年、Facebookはヘッドセットを使ったフィットネスを推進しており「Quest 2」に活動量やカロリー消費量を測定するトラッキング機能を持つ「Oculus Move」というプロダクトを発表している。

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(文:Lucas Matney、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ラズパイ新製品Raspberry Pi Zero 2 W発表、Pi Zeroと比べシングルスレッド性能40%・マルチスレッド性能5倍向上

Raspberry Pi財団は10月28日、Raspberry Pi Zeroファミリーの最新製品「Raspberry Pi Zero 2 W」を発表した。スイッチサイエンスが、工事設計認証を取得され次第取り扱いを開始するとしている。同社ウェブショップでの直販価格は2200円(税込み)。ラズパイ新製品Raspberry Pi Zero 2 W発表、Pi Zeroと比べシングルスレッド性能40%・マルチスレッド性能5倍向上

また通信機能として、Wi-Fi(11b/g/n、2.4GHz)、Bluetooth 4.2およびBluetooth Low Energy(BLE)に対応。この他仕様は、microSDカードスロット、CSI-2カメラコネクター、USB On-The-Go(OTG)ポート、HAT互換の40ピンGPIOヘッダー用フットプリント(ピンヘッダは未実装)などとなっている。Micro USB給電(5V/2.5A)。

サイズは65×30×5.2mm(最大)で、重量10g。従来Zero製品と互換性があり、Raspberry Pi 公式のケースやマウス、キーボードなどの各種アクセサリとも完全な互換性を保っている。

ラズパイ新製品Raspberry Pi Zero 2 W発表、Pi Zeroと比べシングルスレッド性能40%・マルチスレッド性能5倍向上

 

【レビュー】DJIの最新アクションカメラ「Action 2」はすばらしいプロダクトだが、オーバーヒート問題は未解決

第2世代となったDJIの「GoProキラー」は、これ以上ないほどの出来栄えだ……スペックを見た限りでは。

この圧倒的に小さい「DJI Action 2(DJIアクション2)」は、コンパクトでありながら充実したスペックを誇り、コアカメラユニットの機能を拡張できる魅力的なモジュラーデザインを採用している。率直にいうと、Apple(アップル)が古い「GoPro Session(セッション)」カメラの再デザインを担当したらこんな感じになるのではないかといった印象だ。この製品には2種類のバリエーションが設定されている。コアカメラユニットと、それにマグネットで取り付けられて長時間の撮影が可能なバッテリーキューブが付属する税込4万9500円の「DJI Action 2 Powerコンボ」と、カメラユニットに取付可能なフロントタッチ画面モジュールがセットになった税込6万3800円の「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」だ。重量56グラムのAction 2コアカメラユニットは、4K/120fpsで撮影可能な最新の「GoPro Hero10 Black(ゴープロ・ヒーロー10ブラック)」に匹敵する性能を半分のサイズで実現する……少なくともそのように宣伝されている。

筆者はこのデバイスを数日間使用する機会を得たが、見出しが示すように、今回の試用では問題がないわけではなかった。要するに、このデバイスは非常に美しく、いくつかの明確な方法で革新をもたらしたものの、まだ発売に向けて準備が整っていないような状態だったのだ。

まず最初に、良い点を挙げよう。

ハードウェアは非常にすばらしく、モジュラーデザインは期待以上にうまく機能する。マグネットクリップやロック機構もしっかりしていて、全体的に密度の高い重厚感があり、これまで試したどのアクションカメラよりも高級感がある。映像画質は、この価格帯のアクションカメラとしては概ね期待どおりで、同梱されていたネックレスのようなマウントやマグネット式マクロレンズなどのアクセサリーも楽しめた。外付けのバッテリーユニットや画面モジュールに取り付けないと、中心のカメラユニットを充電できないといったクセはあるが、全体的に見てこのモジュール方式はうまくできている。

画像クレジット:DJI

このデザインは、主に携帯性とバッテリーライフのバランスを考えたものだ。Instagram(インスタグラム)に投稿するための短い動画を撮影するだけなら、追加モジュールは家に置いておくことができる。DJIはAction 2を、プロアスリートやインフルエンサーのような人向けのクロスオーバーアクションカメラとして販売することを目指しており、付属のマグネット式ストラップで胸に装着できるコンパクトなデザインになっている。

Action 2で4K動画を撮影した(というか、撮影しようとした)ところ、1回の充電で約30分の映像をコアカメラのみで撮影できることがわかった。これはソーシャルメディアに投稿するためのクリップとしては十分だが、一般的なアクションカメラとしては物足りない(DJIは最大70分の駆動時間を謳っている)。バッテリーモジュールや画面モジュールを取り付けて撮影すれば、より長時間の撮影が可能になる。

さて、次は悪い点だ。

理論上、120フレームの安定した4Kビデオをこの小さなパッケージで撮影できるというのは、信じられないほどすばらしいが、しかし残念ながら、この謳い文句は真実に対して良く言い過ぎだということがわかった。最高の画質設定で実際に撮影できた時間は5分に満たず、それを超えるとオーバーヒートのために自動的に録画を停止してしまうのだ。実際、どの設定にしても、最終的にオーバーヒートで停止することなく、4Kで撮影を続けることはできなかった。最も低い24fpsの設定でさえもだ(このモードでは15分弱の映像を撮影できた)。機能しないほど熱くなるというのは、DJIが胸部や頭部に装着できると宣伝している製品にとって厳しい問題だ。

DJIの広報担当者は、他のレビュアーでも同様のオーバーヒートによる問題があったことを確認しており、今のところは低い解像度で撮影することが唯一の解決策であると述べている。

画像クレジット:DJI

ハンズオンではこれ以上深く掘り下げることが難しい。なぜなら、どのフレームレートでも一貫して4K品質のビデオを撮影できるわけではないので、少なくとも発売当初は、誰かに購入をお奨めしにくい。Action 2の大きく世代を超えたデザイン変更の大胆さは評価できるが、GoProの段階的な連続したアップグレードにも敬意を持てるからだ。GoProにはAction 2のような華々しさはないものの、一貫して宣伝通りの機能を発揮することができる。

我々は概して、初代DJI Actionカメラの大ファンだった。2019年に発売された初代Actionは、GoProの強力なライバルになることを証明しただけでなく、非常に説得力のある数々の機能を披露し、その多くは歴代のGoProで採用されることになった。「しかし、今のところ、ここで見つけられる欠点はほとんどが小さなものだ。このことは、老舗企業の製品とはいえ、実質的に第一世代の製品としてはかなり注目に値する」と、同僚のBrian Heater(ブライアン・ヒーター)は当時書いていた。

DJIはファームウェアのアップデートでこれらの問題を解決するかもしれないが、現時点でこのデバイスは、明らかにレビュアーに送る準備ができていなかった。メーカーがいくつかの重要な修正を示すまで、私なら注文するのを控えたいと思う(DJI Action 2は10月27日より販売中)。

画像クレジット:DJI

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー

DJIがアクションカメラ「DJI Action 2」を発表しました。

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー

DJI Action 2は、マグネット着脱式デザインのアクションカメラです。単体でも使えますが、タッチ対応の画面がついたモジュールや、服にくっつけることができるストラップ、サードパーティー製のアクセサリーも装着できるアダプターマウントなど、様々なものと接続できます。

また、コンパクトで56gと軽量ながら、4K/120fpsのスローモーション、4K60fpsの動画が撮れるなど、アクションカメラとして高性能。ほかにも、手ブレ補正、防水対応、タイムラプス、AI編集(スマホアプリ)など様々な機能に対応しています。

価格は「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」が6万3800円。「DJI Action 2 Powerコンボ」が4万9500円。違いの詳細は後述します。

▲左:DJI Action 2、右:DJI OSMO Action

▲左:DJI Action 2、右:DJI OSMO Action

DJI Action 2は「2」とあるように、2019年5月に発売された「DJI OSMO Action」の後継機です。とはいえ、ぱっと見は後継機か分からないほどデザインや特徴が大きく変わりました。性能面に関しても、Osmo Actionよりセンサーが1/1.7型へ大きくなり、FOV(映像の画角)の種類が増えて、プロセッサーも強力に。

筆者は、先行で1週間ほど使わせてもらったので、この記事では使用感や実際の作例をお届けします。

小さくて軽いため毎日持ち歩きたくなるほど生活に馴染む

DJI Action 2は、日常使いや、旅行、激しいスポーツなど様々なシチュエーションで使えます。筆者は毎日持ち歩いて動画を撮っていましたが、小さくて軽いため毎日持ち歩きたくなるほど生活に馴染むんです。

▲DJI Action 2のサイズ。長さ39mm、高さ39mm、幅21mm

▲DJI Action 2のサイズ。長さ39mm、高さ39mm、幅21mm

そもそも単体の重量は56g。これは卵くらいの重さで、大きさも卵より小さいくらい。

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー
タッチ対応のOLEDディスプレイがついた「フロントタッチ画面モジュール」を装着しても120gほどなので、iPhone 13よりも軽くなります。

このフロントタッチ画面モジュールは、タッチ対応の画面がついているだけでなく、USB Type-CポートやmicroSDカードスロット、バッテリーも内蔵。外でもクリアな音声で録音できる機能なども備えます。

▲DJI Action 2本体にもタッチ対応の液晶がついています
DJI Action 2単体だと32GBの内蔵メモリーに保存となるため、筆者は基本的にはフロントタッチ画面モジュールとセットで使っていました。

▲はじめは、こんな感じで延長ロットを使ったザ・アクションカメラスタイルで動画を撮っていましたが

▲はじめは、こんな感じで延長ロットを使ったザ・アクションカメラスタイルで動画を撮っていましたが

行き着いたのがこちら

行き着いたのがこちら

行き着いたのがこちら。「DJI Action 2 Dual-Screenコンボ」付属の「磁気ボールジョイント アダプターマウント」のボールジョイントを持つスタイルです。

このスタイルだと、身軽でコンパクトで、スマホのようにパーカーやズボンのポケットにしまえるので、撮りたいときにすぐに撮影できます。

ボールジョイント部分がいい感じに握れるため、持ちにくいといったことも、不安定になることもありません。また、角度が欲しいときはボールジョイントで調整もできます。

このコンパクトさを気軽に持ち運べて、アクションカメラならではの防塵性・防水性・耐衝撃性(3つ揃っているのは本体のみ)があり、多少乱暴にも使えるため、生活に馴染んだというわけです。

こちらの動画は、1週間使い続けたうちの数日を切りとってVLOG(ブイログ)風に仕上げたもの。画質や音声はあえていじっていない動画です。幹線道路沿いを歩いているときも大声でしゃべったりはしていないですし、お店の中など暗所でも撮っていたり、船の上でも撮っていたりと、色んな場所で普通に撮っている様子をまとめました。

動画内では、スローモーション、ズーム、超広角などの機能も使用。また、DJIのスマホアプリ「DJI Mimo」でテンプレートを選ぶとAIが編集してくれる機能の作例も入れています。DJI Action 2で撮ったそのままを詰め込んでいるので、一度ご覧になってみてください(なお、4Kではなく2.7Kで撮っているのはスマホにデータ転送をするため。データが重いと転送に時間がかかるので)。

動画を撮ってみた感想は、「画質は綺麗で音声も思った以上に録れている」でした。画質は編集なしでも色が綺麗に出ていますし、船の上で風の音がうるさくないのは驚きです。船と鳥が一緒に進んでいるスローモーション部分もいい感じですし、VLOG的に使うのであればサイズ感も重量的にもぴったりだと思いました。

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー
こちらはDJIのスマホアプリ「DJI Mimo」の画面。さきほど少し触れましたが、DJI MimoとDJI Action 2を接続してデータを転送すると、手軽に動画を編集できます。動画転送に時間はかかりますが、テンプレートを選んで動画を選ぶだけでAIがいい感じに編集してくれる機能をつかうと、2~3分ほどで動画が完成。

  • データを転送する
  • テンプレートを選ぶ
  • 動画を選ぶ
  • 書き出しする

以外はアプリ任せなので楽ですし、初心者でも簡単です。もちろん、切りとりたい場所を変えるなどアプリがつくってくれた動画を編集もできます。

▲アプリで作った動画

この動画は新宿御苑を散歩しているものですが、SNSにサッとアップするならこれくらいの長さと編集の感じが良いと思うんです。この動画くらいのものであれば、データ転送したあとは5分もあればアプリがしあげてくれますし、アプリ内に普通の動画編集ができる機能もあるので、パソコンで動画編集しない人にもDJI Action 2はおすすめできます。

良いところイマイチなところ

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー
ここで改めて注目したいのが「コンパクトさ」です。DJI Action 2はアクセサリーを使って服に付ければ、ミラーレス一眼や一般的なアクションカメラの撮影のように片手を塞ぐことはありません。

強力なマグネットでくっついているので落ちる心配はないですし、56gと軽いので重さが気になることもないですし、両手が自由なので荷物を持っているときでも手軽に撮影できます。旅行時は荷物を持っていることも、ご当地名物を食べていることなども多いと思うので、両手があくのは地味にポイントです。

▲アクセサリーの一例

▲アクセサリーの一例

さらに、アクションカメラだからこそのアクセサリーの豊富さも魅力。1/4インチのねじ穴や、いわゆるGoPro マウント系のアクセサリーはサードパーティー製からも多く出ているので、自分好みのものを見つけやすいです。また、自転車・バイク向け、エクストリームスポーツ向けなど様々な用途に対応したアクセサリーなどもあります。

と、ここまで良いところばかりを挙げてきましたが、もちろんイケてないところもあります。

  • 本体が小さいこともありバッテリーは長くは持たない
  • 本体のみで使う場合、容量が32GBなのでこまめにバックアップをとらないとすぐデータがいっぱいになる
  • 暗所撮影にはあまり向かない(アクションカメラ全体的に)

など。DJI Action 2の本体でのバッテリー駆動時間は70分。フロントタッチ画面モジュールに接続すると160分、電源モジュールに接続すると180分、というのが公式の情報です。ただし、これは1080p/30fpsでの動画撮影 省電力モードがオン)で測定された値なので、実際はもう少し短いです。

すぐ切れるみたいなことはないですが、お出かけして使おうと思うと小まめに充電したほうが良いです。

また、本体の容量が32GBしかありません。4K撮影を長時間するには向かないですし、microSDカードスロットはモジュールについているので、4K撮影時は基本的にモジュールを装着した運用となります。あと、これはアクションカメラ全体的にいえることですが、暗所撮影は得意ではないです。ここはある程度割り切るしかないかなと思います。

とはいえ、アルミ素材は手触りも良く、デザインはかっこよくて、小さくて軽くて、誰でも使える手軽さはマイナス面を十分に補う魅力です。

主な機能と価格

卵より小さなアクションカメラ、ガチで毎日持ち運べるDJI Action 2実機レビュー
DJI Action 2は上記で挙げた撮影方法も含め・・・・・・

  • 通常撮影
  • スローモーション
  • タイムラプス & ハイパーラプス
  • QuickClip(10秒/15秒/30秒の短いショート撮影)
  • ライブ配信(1080p/30fpsのライブ配信)
  • UVC DJI(パソコンのウェブカメラとして使う機能)

上記のような撮影が可能です。手ブレ補正は電子式の「RockSteady機能」と、映像中の水平方向の安定性を確保できる安定化アルゴリズムの「HrizonSteady機能」を搭載。

イメージセンサーは 1/1.7インチで、f/2.8、超広角155度 FOV、最大120fpsの4K動画を撮影可能。32GBのストレージ内蔵し、単体で水深10mまでの防水性能も備えています。

DJI Action 2 Dual-Screenコンボ

DJI Action 2 Dual-Screenコンボ

価格は、DJI Action 2 Dual-Screenコンボが6万3800円。同コンボには、DJI Action 2 カメラユニット、フロントタッチ画面モジュール、磁気ストラップ、磁気ボールジョイント アダプターマウント、磁気アダプターマウントが同梱されています。

▲DJI Action 2 Powerコンボ

▲DJI Action 2 Powerコンボ

DJI Action 2 Powerコンボが4万9500円。同コンボには、DJI Action 2 カメラユニット、タッチ画面がついていない電源モジュール、磁気ストラップ、磁気アダプターマウントが同梱されています。

DJI Action 2は、動画初心者にも、気軽にSNSに動画をアップしたい人にも、もっと楽に動画編集をしたい人にも、VLOGを撮るような人にも、エクストリームスポーツをやっている人にもおすすめできる1台です。

ほぼ毎日持ち歩いてライフログカメラ的に使用しましたが、本当に生活に馴染みました。毎日持ち歩けるカメラを探していた方にはとくに検討して欲しいなと思います。

(砂流恵介/Keisuke Sunagare。Engadget日本版より転載)

第3世代「Oura Ring」は健康状態トラッキングや生理予測など新機能満載のフィットネスリング、有料コンテンツ配信も

2017年初頭、Motiv(モチーブ)はウェアラブルなフィットネストラッカーの装着箇所が手首だけでないことを実証し、テクノロジー業界メディアの想像力を掻き立てた。しかし、同社は最終的に運動トラッキングだけでは飽き足らず、すぐにその技術を生体認証ツールなどへ拡大することに目を向けるようになった。その一方で、Oura(オーラ)は、健康という分野にまだまだ可能性を見出していた。


実際、新型コロナウイルス流行時には、組織が既成概念にとらわれないソリューションを探し求めていたため、Ouraは2020年に大きな成功を収めた。このスタートアップ企業は、そのさまざまな健康指標が、新型コロナウイルスやその他の健康状態の早期発見にいかに役立つかを証明し、NBA(全米バスケットボール協会)、WNBA(全米女子バスケットボール協会)、World Surf League(世界プロサーフィン連盟)、Red Bull Racing(レッドブル・レーシング)、Seattle Mariners(シアトル・マリナーズ)、UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)、NASCAR(ナスカー)など、米国の大手スポーツ団体が喜んで採用した。

画像クレジット:Oura

これまでにOuraは「数十万個」のリングを販売してきたと記している。家電製品の世界では驚異的な数字というわけではないが、ハードウェアのスタートアップとしては、特にスマートウォッチやフィットネスバンドが氾濫している市場では、目覚ましい成長と言えるだろう。

Ouraの製品は、数多くのセンサーを1個のパッケージに詰め込むという特長で成功を収めており、これがワークアウトや睡眠などに関する質の高い洞察を提供する。同社の新しい第3世代のリングは、Ouraが自分たちの本業に力を入れていることを再認識させる製品に仕上がっている。もっとも、ほとんどのウェアラブルメーカーが健康とウェルネスに力を入れている今、もちろんそれは当然のことだろう。

第3世代Oura Ring(オーラ・リング)の最大の特徴は、24時間365日の健康状態トラッキング機能で、心拍数を常時モニタリングできることだ。体温モニターや睡眠トラッキングも改善された他、生理予測などの機能も備わる。これについては、同社は次のように述べている。

Ouraは、次の生理を30日前に正確に予測し、生理開始の6日前に警告するため、あなたは常に準備を整えておくことができます。Ouraはカレンダー方式だけに頼るのではなく、生理周期を通じて自然に変化する体温から、より総合的なアプローチで生理を予測します。多くのトラッキング法は、あなたの生理周期が毎月同じであることを前提としていますが、Ouraの生理予測は、あなたの生理周期の変化に合わせて予測を調整します。

今回のニュースでは、Ouraが、Apple(アップル)、Fitbit(フィットビット)、Samsung(サムスン)などのメーカーと同様に、ワークアウトのコンテンツにより深く踏み込んでいることもわかった。現在は「近日公開」となっているこのライブラリにはワークアウト、瞑想、睡眠、呼吸法などをテーマにした50以上の映像 / 音声セッションが用意されている。

画像クレジット:Oura

「当社ではこのライブラリを拡大し続ける予定です。ライブラリには、睡眠とカフェインなどの影響を理解するための教育的なコンテンツと、ガイド付きコンテンツの両方があります」と、同社CEOのHarpreet Rai(ハープリート・ライ)氏はTechCrunchに語った。「最初のうちは、瞑想や睡眠のための音が多いですが、我々はこのライブラリを大幅に増やしているところです。今後もどんどん増えていくでしょう。これはあなたの健康のためのワンストップショップになります」。

これらの動画は、より深い健康に関する洞察とともに、新たに開始される月額6ドル(約680円)のOura Membership(オーラ・メンバーシップ)サービスを通じて提供される。

「Peloton(ペロトン)、Tonal(トーナル)、Tempo(テンポ)、Hydro(ハイドロ)などのコネクテッドフィットネスは、ハードウェアとサブスクリプションの組み合わせになっています」と、ライ氏はいう。「ウェアラブルもそのような形になりつつあります。将来的には完全なサブスクリプションモデルに移行できると思うかと訊かれたら、収益を得る方法は色々とあるでしょうが、私はそれも可能だと思います。その方法を除外してはいません。しかし、より多くの消費者は、総所有コストの点からこの製品に惹かれていることも確かです」。

このOura Ringは、今後も新機能の追加が予定されており、2022年には血中酸素濃度を示すSpO2値の測定機能が搭載される予定だ。価格は300ドル(約3万4000円)で、現在予約注文を受け付け中。11月中旬に出荷開始となる。

画像クレジット:Oura

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

(また)帰ってきたPalm、完全ワイヤレスイヤフォンをリリース

数週間前に「まだワイヤレスイヤフォンに参入していない家電メーカーはどこか」と聞かれていたら、私は答えに困ってあなたをぽかんと見詰めていたことだろう。ここ数年、誰もが少なくとも1つはBluetoothイヤフォンを発売したように思える。だがいたのだ、少なくとも1つ、持ちこたえていた会社が。


Palmを覚えているだろうか?もっと言えば、2018年にTCLがPalmのリブランドの立ち上げに協力したことを?TCLが発売したのはミニサイズの「ウルトラモバイル」と呼ばれるデバイスで、似たような携帯電話が多い中で、少なくとも斬新なものだった。そして、スプラッシュブラザーズの1人Stephen Curry(ステフィン・カリー)氏の承認(と投資)を得た。

画像クレジット:Palm

Palmの(非常にかわいい)PDAがアップデートされるかどうかはまだわからないが、同社は米国時間10月26日「Palm Buds Pro」で完全ワイヤレスイヤフォン市場に参入することを発表した。

この129ドル(約1万4700円、期間限定価格99ドル[約1万1300円])のイヤフォンは、より空気力学的に優れた黒いAirPodsのように見える。同社の説明によると、Beats by DreやSamsung(サムスン)のデザイナーを起用し「スタジオグレードのオーディオと強化された低音」とアクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載しているとのこと。

画像クレジット:Palm

共同設立者のHoward Nuk(ハワード・ヌック)氏はリリースでこう述べている。「Palm Buds Proの最大の差別化ポイントは、スタジオグレードのオーディオと強化された低音に重点を置いていることです。また、当社のエンジニアは、市場で最も先進的なアクティブノイズキャンセリングと環境ノイズキャンセリングシステムの1つを開発しました。Palm Buds Proの先進的な6マイクANCシステムは、1つのイヤーバッドにつき3つの個別マイクを使用しており、最も臨場感のあるサウンド体験を実現し、風の強い状況でもクリアな通話を可能にしています」。

Palm Buds Proは、米国時間10月26日より予約受付を開始し、11月9日に発売される。カリー氏はリリースの中で「Palm Buds Proは、私のすべてのトレーニングセッションに最適です」と語っている。バスケットボール界のトップ選手であるカリー氏はそう言っているが、解釈はご自由に。

画像クレジット:Palm

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

【レビュー】Kindle Paperwhiteシグニチャーエディション、充実した読書のためのすてきな機能を追加

筆者はiPhoneをワイヤレス充電器から外し、新しいKindleを載せた。正直なところ、こんな一文を書くことになるとは思っていなかった。心が躍らないことはわかっているし、2021年時点では間違いなくそうだ。だが、冷静に考えてみれば、電子書籍リーダーのイノベーションのペースは、他の業界に比べるとまさに氷河の動きなのだ。


理由の1つは、競争相手が減少していることだ。Sony(ソニー)のようなかつての大企業はとうの昔に撤退し、Barnes & Noble(バーンズ・アンド・ノーブル)は表向きにはまだNook(ヌーク)事業を続けているが、かつての栄光の日々はとっくに終わっている。ビッグプレイヤーといえば、まだ健在のKobo(コボ)と、そしてもちろんAmazon(アマゾン)だ。

現実的に考えて、米国での規模と存在感という点ではAmazonに軍配が上がる。他の分野でもいえることだが、この巨大小売企業がこの分野を支配している。出版業界での圧倒的な存在感と、同社のホームページに持つ世界有数の、オンラインの広告塔が寄与している。そして見逃せないのは、同社が総じて優れた電子書籍端末を製造しているという事実だ。

この分野で競争が少ないということは、メーカー同士の激しい競争は二度と起こらないということでもある。つまり、スマートフォンのような競争、あるいは10年前のような競争は起こらないと思われる。

だからこそ、新しいKindleが登場すると、純粋にワクワクする。このカテゴリーにはまだ生命力があるように感じられる。Kindleは、EchoやFire TVの陰に回って久しいが、良い年には1年に1台のペースで新しいKindleが発表される。

2021年9月末に発表された新しいPaperwhiteは、ハイエンドのOasisとの違いを曖昧にするいくつかの機能、そしていくつかの純粋な驚きをもたらした。その中でも、ワイヤレス充電とUSB-Cは、後者のカテゴリーだ(ただし、いずれも「シグニチャーエディションのみで利用可能な機能。同モデルはスタンダードモデルより50ドル[日本では5000円]高い)。これまで何世代にもわたってmicroUSBを採用してきたこのデバイスの底部に、新たなポートが搭載されているのは、正直なところ、単純に不思議な感じだ。

USB-Cの採用により、充電時間が短縮され、約2.5時間(ワイヤレスの場合は約3.5時間)で本体を充電できる。とはいえ、筆者にとっての最大のメリットは、旅先で持ち歩くケーブルが1本減ることだ。Kindleは、私が普段使っている中で、microUSBを使う最後のデバイスの1つだった。もちろん、バッテリー駆動時間を考えると、その点はもう意味を持たない。新しいPaperwhiteは現在、10週間のバッテリー駆動が可能とされているからだ(ワイヤレスをオフにし、1日30分の読書をした場合)。

従来の6週間からさらに長くなったわけだが、ガジェット用のバッテリーとしては、6週間でも非常に良い。数日や数時間ではなく、数週間使える数少ない消費者向けデバイスの1つだ。このことは、一般的な、ある奇妙な点に光を当てる。こうしたデバイスでアップデートされる機能の多くが、バッテリーと充電に集中しているという事実だ。確かに、Bluetoothオーディオを使ったオーディオブックなどは、通常の読書よりもバッテリーに負担がかかる。

新しいPaperwhiteは、一見すると前世代とほぼ同じように見える。Oasisと同様、平らになったベゼル(ディスプレイを囲む縁の部分)とディスプレイが、すでに強固な躯体に加わる。しかし、250ドル(日本では8GB広告付きで税込2万9980円)のOasisのような高級感はない。Oasisには背面が金属製で物理的なページボタンがついているが、Paperwhiteにはそのような贅沢な部品はない。

興味深いことに、スクリーンに大きな違いはない。どちらも解像度は300ppi(前世代と同じ)で、標準的なKindleの167を大幅に上回った。サイズは6.6インチから新モデルの6.8インチへとわずかに大きくなった。Oasisの7インチよりわずかに小さい。また、両モデルともにIPX8規格の防水機能を備え、プールやバスタブなど水のあるところで読書をしたい人にはうれしい仕様となっている。

フロントライトは、Paperwhiteの17個に対してOasisは25個と、Oasisが勝っている(Paperwhiteの方が画面が小さいということはある)。ライトは均一で、暗いところで読むときにもいい仕事をしてくれる。システムは、2019年のOasisで導入された色調調節機能を備える。睡眠パターンに悪影響を及ぼす可能性のある青い光をスケジュールに沿って減らすものだ。明るさを調整するアンビエントライトセンサーは、シグニチャー・エディションにのみ搭載されている。

搭載されているストレージも標準版のPaperwhiteとシグニチャーエディションの大きな違いで、前者の8GBに対し、後者は32GBと大きい。ワイヤレス充電は、ほとんどの人が電子書籍リーダーを使用する際には不要なものであり、140ドル(日本では1万4980円)と190ドル(日本では1万9980円)の価格差を正当化するほどのものではないと思う。30ドル(日本では3480円)のワイヤレス充電スタンドが別売りであることを考えれば、なおさらだ(筆者のAnkerの充電器は問題なく動作しているため遠慮する)。

概して、歓迎すべき追加機能がたくさんある。2018年版のPaperwhiteを持っている人には、アップグレードする価値がないかもしれないが、充実した電子書籍端末を探している人にはお勧めだ。新機能は、上位モデルのOasisとの境界線を曖昧にした。250ドル(日本では8GB広告付きで2万9980円)のOasisはより高級な外観だが、大多数の読者にとっては新しいPaperwhiteの方がずっと理に適っている。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

【レビュー】グーグル「Pixel 6 Pro」、ハード面でも真のブレークスルーを達成

家電製品の領域では、ヘイルメリーパス(アメフトで逆転勝利を狙って行ういちかばちかのロングパスのこと)を何度も出すことはできない。それがたとえ大企業であってもだ。例えば、Microsoft(マイクロソフト)の携帯電話に対する長年の思いを見てみよう。かつて圧倒的な強さを誇ったNokia(ノキア)を72億ドル(約8200億円)で買収しても、Apple(アップル)やSamsung(サムスン)と肩を並べることはできなかった。


初期の失敗を除けば、Google(グーグル)のモバイルハードウェアの野望は、全体的に見てより成功しているほうだ。しかし、Pixelシリーズは、このカテゴリーに費やされたリソースを正当化するのに必要な大ヒットを記録していない。これらのデバイスは、よくいえば、Googleがモバイルソフトウェアや機械学習で取り組んでいるクールなものを紹介するためのショーケースであり、悪く言えば、一種の劣等生のようにも感じられてきた。

スマートフォンのような混雑した分野に参入することは決して容易ではなかったが、同社が波風を立てずに奮闘している姿は、正直なところ奇妙なものだった。また、他社フラッグシップスマートフォンがどれも全体的に非常に優れており、この分野での継続的な優位性が主にこれまでの前進する勢いの結果によってもたらされている場合、これを達成させることは二重に困難だ。さらに面倒なことに、Googleは、真のブレークスルーはすべて「ソフトウェア側」で起こっていると長年執拗に主張してきた。

AppleやSamsungなどがスペック競争に明け暮れるのは時間の無駄だというのは、確かにおもしろい命題だ。確かにその通りだと思うが、少なくとも現状では、ハードウェアに依存しないことは不可能だ。人工知能や機械学習の重要性が増していることは間違いないが、カメラレンズ、ディスプレイ、プロセッサーのすべてが重要であることに変わりはない。少なくとも、今のところは。

Google Pixel 6 Pro

2020年5月、Pixelチームの主要メンバーが会社を去ったことが明らかになった。これは、大きな見直しの一環であり、その再考はさらに進むことになる。2021年の8月には、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOが、同社が4年前から自社製の半導体を開発していることに言及した。Qualcomm(クアルコム)のようなチップメーカーからの脱却は、ヘイルメリーパスを出す(リスクをとる)上で、大きな意味を持つ。そして、それには大きな携帯電話が必要になってくる。

2020年の同時期に発売された「Pixel 5」は、旧来の方法の最後の名残となった。大きな変化は一夜にして起こるものではなく、ましてや主要な家電製品ラインに関しては1年で起こるものでもない。Googleにとっては残念なことに、小規模なリストラのニュースが発売前に流れてしまい、Googleでさえ、より良い時代が来るのはまだ随分先だということを認めざるを得なかった。今回の「Pixel 6」が、Googleの製品ラインを決定するものではないが、何世代にもわたって刺激のない販売を続けてきたGoogleは、物事が正しい方向に向かっていることを証明する必要がある。

その基準からすれば、本モデルは大成功といえるだろう。

Google Pixel 6 Proレビュー

スペックにこだわらないGoogleの姿勢とは対照的に、優れたソフトウェアにはやはり優れたハードウェアが必要だということを証明している。Pixel 6は、決してオーバークロックされた最先端のスペックマシンではないが、適切なハードウェアを与えられたときに、Googleの優れたソフトウェアにどんなことができるのかを示す例となっている。

しかし「Pixel 6 Pro」を手にした瞬間、何かが違うと感じた。この端末は、Pixelの系列というよりも、Samsungの製品のように感じられる。Galaxyシリーズを彷彿とさせるサイズ感と重厚感があり、曲面ガラスのエッジによってその美しさはさらに増している。

発表当日、正直なところ最も驚いたことの1つは、オンラインコミュニティで曲面ガラスについての意見がいかに二極化しているかということだった。今回の発表では、Samsungのようにエッジを用いた機能を盛り込むのではなく、主に美しい外観を重視した使い方がされている。私が耳にした曲面ガラスに対する最大の反論は、携帯電話の両脇をつまんだときに誤ってタッチスクリーンを作動させてしまうリスクだ。この問題に関しては、私は経験していないし、正直なところ、私は全体的に曲面スクリーンには興味がない。

Google Pixel 6 Proレビュー

6 Proのディスプレイは6.7インチで、512ppiのQHD+(3120×1440)OLEDだ。最大リフレッシュレートは120Hzで、大きくて明るいのがいい。一方、スタンダードのPixel 6は6.4インチ、411ppi、90Hzのディスプレイだ。どちらを選んでも間違いではないが、Proはこの点で優れたアップグレードといえる。前面のカメラはピンホールデザインで、デフォルトの壁紙では見えづらくなっている。

また、下部にはディスプレイ内蔵指紋認証リーダーがあり、すばやくロックを解除することができる。ディスプレイはGorilla Glass Victusで覆われており、背面にはGorilla Glass 6が使用されている。背面の上部3分の1は、大きくてはっきりとしたカメラバーで独占されている。デザイン的には気に入っている。競合他社がこぞって採用している標準的な四角いカメラバーからの良い変化だ。

しかし、このカメラバーにはかなりの高さがあるため、背面に置いたときに携帯電話が斜めになってしまう。しかし、標準的なケースを装着することで、この影響はほとんどなくなるだろう。カメラの配置でもう1つ気になるのは、ランドスケープモードで撮影する際に、手の位置を少し気にしなければならないことだ。この点については、私は特に問題を感じなかったしし、もし問題があったとしても簡単に正すことが可能だ。

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カメラバーの上下のガラスにわずかな色の違いがある。これは、Pixelの旧モデルで電源ボタンに採用されていたような、ちょっとした遊び心だ。Googleが、どれも瓜二つの競合製品との差別化を図る方法をいまだ開発し続けてくれていることは明らかだ。ありがたいことに、これはほんの些細なポイントだ。デザイン言語全体は、退屈さと突飛さの間のちょうどよいラインだ。

カメラシステムは、優れたソフトウェアとハードウェアが互いに影響し合うことを示す究極の例といえる。「Surface Duo」と同時にPixel 6 Proをテストしていたのだが、特に光が混ざった状態や光量の少ない状態では、Microsoftのデバイスがしっかりとしたカメラリグを持っているにもかかわらず、(いわば)昼と夜のような違いがでた。

何世代にもわたって独自のカメラシステムを開発してきたことが功を奏したのだと思う。私は、このカメラで撮影できた写真がとても気に入っている。Proに搭載されている4倍の光学ズームもいい感じだ。デジタルでは最大20倍まで可能だが、Googleのコンピュータ写真処理を使っても、すぐに画像にノイズが入るようになってしまう。

標準的なPixelカメラの機能に加えて、いくつかのクールな新機能が搭載されている。「消しゴムマジック」は、Photoshopの「コンテンツに応じた塗りつぶし」ツールと原理的には似ている。不要な背景画像の上に指を置くと、周囲の設定を使ってその部分を埋め、被写体を効果的に「消す」ことができる。しかし、完璧とは言えない。よく見ると、ムラのある部分が見つかるのと、周囲の環境が複雑であればあるほど、一般的に出来栄えは残念なものになる。それでも、アプリに搭載された新機能としては、すばらしい働きをしてくれている。

「アクションパン」も同様だ。この機能は、ポートレートモードと同様に、被写体の背景に擬似的なぼかし効果を加えてくれる。車のような大きくて幾何学的にシンプルな形状のものによく合う。一方、自転車に乗っている人などは、ポートレートのように輪郭周辺部が気になる。「長時間露光」はその逆で、動いているものをぼかし、背景は静止したままにしてくれる。

正直にいうと、私はパンデミックで閉じこもりがちな生活を送っているため、ヒトを撮影する機会があまりなかった。また、2台のカメラと顔検出機能を使って、動いている被写体にシャープな画像を合成する「フェイスアンブラー(顔のぼかし解除)」機能も注目されている。「リアルトーン」機能については、近日中にもう少し詳しく紹介する予定だが、幅広い肌色をよりよく撮影できるようになったことは、大いに歓迎すべきことだ。ただし、この機能も顔検出に依存しているため、問題が発生することもある。

また、Pixelに搭載された一連のテキストツールも印象的だ。私の限られたテストでは、リアルタイム翻訳がうまく機能し、テキスト入力にすばらしい効果をもたらしてくれた。アシスタントの音声入力はうまく機能しているが、音声による絵文字の追加など、時々問題が発生した(おそらく私の発音が悪いのだろう)。また、ドイツ語や日本語に対応した「レコーダー」などの既存の機能に加えて、このような機能が追加されたことは歓迎すべきことだ。

Google Pixel 6 Proレビュー

もちろん、今回のショーの主役はTensorだ。Googleは、現在増えつつあるQualcommの半導体の独占状態を避けて独自のチップを採用する企業の仲間入りを果たした。これは、4年前から計画されていたもので、GoogleがPixelシリーズに今後も力を入れていくことを示す良いサインといえるだろう。今回、同社はPixel 6の新機能の多くが自社製SoCによって実現されているとしている。同社は、最近のブログ記事で次のように述べている。

Google Tensorによって、モーションモード、フェイスアンブラー、動画のスピーチエンヘンスメントモード、動画へのHDRnetの適用など、最先端の機械学習を必要とする驚くべき新しい体験が可能になります(詳細は後述)。Google Tensorは、スマートフォンにおける有用性の限界を押し広げることを可能にし、スマートフォンを画一的なハードウェアから、多種多様なスマートフォンの使い方を尊重し、それらに対応することができるほど大きな知能を持つデバイスへと変えてくれます。

Geekbenchテストでは、シングルコアで1031点、マルチコアで2876点を記録した。これは、Pixel 5の平均値である574と1522を大幅に上回るものだが、Pixel 5はSnapdragon 765Gというミドルレンジのプロセッサーを採用していた。フラッグシップモデルとは言えない。Snapdragon 888を搭載したSamsungの「Galaxy S21」の1093と3715と比較すると、処理能力の点でGoogleの自社製チップにはまだまだ課題があることがわかる。「iPhone 13 Pro」のテストで得られた1728と4604と比較すると、結果はさらに悪くなる。

Google Pixel 6 Proレビュー

バッテリーは、従来のモデルの最大の難点の1つだったが、Googleはこの点を大きく改善した。6には4614mAh、6 Proには5003mAhのバッテリーが搭載されており、Pixel 5の4080mAhからしっかりとアップグレードされている。それがPixel 4からのすばらしい飛躍だった。Googleによると、満充電で24時間使用可能とのことだが、私の適度な使用で26時間ほどもったので、その点では朗報だ。

ここ数年、Pixelのハードウェアと売上は中途半端だったため、Googleは、低迷するモバイル部門を前進させるためのデバイスを本当に必要としていた。これまでの4年間にわたるプロセッサーの開発、6世代にわたるソフトウェア、そしてピカピカの新しいハードウェアが、1つのパッケージにうまくまとめられている。Googleはこれまで、Pixelシリーズは単に新しいAndroidソフトウェアをアピールするだけのものではないと主張してきたが、今回はそれが現実のものとなった。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Akihito Mizukoshi)

【レビュー】アップルAirPods(第3世代)、前モデルよりも優れProより大幅に安い第3世代はそれらの中間的な存在

初代AirPodsがBluetoothイヤフォンの常識を覆してから5年経った。発売当初は、その長い茎のようなデザインを嘲笑するような声もあったが、事実上のユビキタスになるまでそれほど時間はかからず、まだ新しかったカテゴリーを牽引する存在となった。このプロダクトは、テクノロジーを理にかなったパッケージに結びつけるフォームファクター、デザイン、ユーザーエクスペリエンスを提供した。

もちろん5年も経てば、特にこの業界では多くのことが変わる。率直にいって、Bluetoothイヤフォンほど早く成熟し、人々の想像力をかき立てるカテゴリーはなかった。主要なハードウェアメーカーにはそれぞれ少なくとも1つの優れた、もしくはすばらしいイヤフォンがあり、その中にはNothingのように現状を打破するという明確な使命を帯びて登場するものもある。

Appleのラインナップも、もちろん変化を繰り返している。2019年の第2世代モデルでは、ハンズフリーで「Hey Siri」を使えるH1チップが追加され、ワイヤレス機能の向上、バッテリーの改善、オプションのワイヤレス充電ケースが追加された。同年、Appleは「AirPods Pro」というかたちで、プレミアムモデルを追加した。本モデルでは、アクティブノイズキャンセリング機能(+外部音取り込みモード)、標準のワイヤレス充電ケース、そしてApple製ヘッドフォン愛好家の長年の要望であるシリコンチップが追加されている。

本稿執筆時点で、現在、AirPodsのイヤフォン(buds)型は3種類、それにオーバーイヤー型のMaxがある。事実上、同社が2019年以降に販売したすべてのモデルが、同社サイトで購入可能になっている。第1世代のバージョンのみが販売終了だ。新たに登場した第3世代モデルは、デザインを一新した他、空間オーディオの追加、防汗・防水機能、付属のMagSafe充電ケース(いずれもProと共通の機能)など、先代モデルを上回る内容となっている。

またバッテリー駆動は、1時間延長され最大6時間の再生が可能になった。179ドル(日本では税込2万3800円)という価格は、Pro(249ドル、税込3万580円)と第2世代(129ドル、税込1万6800円)の中間となるが、後者に近い。Proが少々古くなってきているため、無印のAirPodsがアップデートされて、2製品の境界線がさらに曖昧になったとしても不思議ではない。ステムが短くなり、充電時間が長くなったことで、デザイン言語はProに近いものになっている。

当面の間、主な差別化要因はシリコン製イヤーチップ、アクティブノイズキャンセリング、そしてもちろん価格となる。Proは今でもプレミアム価格で、間違いなく同社最高のイヤフォンであり、プレミアムイヤフォンとしても最高の部類に入る。しかし、ここ1、2年の間に、アクティブノイズキャンセリングのような機能が、さまざまな価格帯でますます一般的になってきている。

AirPods 3は、機能や音質の面においては先代モデルから大きくステップアップしているが、同年に登場したAirPods Proからはステップダウンしているという、ある種の迷走状態にある。やはり、ここで最も説得力があるのはやはり価格だろう。70ドル(日本価格では6780円)は、AirPodsからProに乗り換えるのに微々たる金額ではない。しかし、ここ数年Proを愛用してきた者としては、日常的にAirPodsを使うようになると、明らかにステップダウンしたように感じてしまう。

より輪郭のはっきりした第3世代は、前モデルよりも快適であることは間違いないが、Proとの差はまるで昼夜の差ほどに感じられる。耳の小さい人は特にだろうが、サイズの違う取り外し可能なイヤーチップがあるとうれしい。また、このチップは物理的にパッシブノイズキャンセリングを行い、より多くのオーディオ周波数を効果的に取り込み、周囲のノイズを遮断する。

長年、シリコンチップを支持してきた私は、成型プラスチックを好む人がまだいると聞いて驚いた。しかし、その後、少なくとも1人のTechCrunchのスタッフがこのタイプで、耳に何かを挿入することを好むことを知った。たとえ、ある選択肢が他の選択肢を時代遅れにしているようであっても、企業が選択肢を提供することを私は非難しません。

ニューヨーク最大の行政区の住人として、私は生活の多くを路上の騒音に囲まれて過ごしており、家の中にいても常に工事の音が聞こえてくる。AirPods Proのアクティブ / パッシブノイズキャンセリング機能は、緊急車両のサイレンはもちろん、道路清掃車や地上を走る地下鉄が私の前を通り過ぎるときに、大きな違いをもたらしてくれる。聴いていたポッドキャストが都市生活の不協和音にかき消されてしまうこともあった。しかし、これは状況認識の観点からすると評価できる点でもある。

ワイヤレス充電は、歓迎すべきアップデートだ。ケースには、MagSafeまたは標準的なQi充電器を使うことができる。前者は、手動で接続できるというメリットがある。一方、空間オーディオはとても便利な機能だ。複数の人とFaceTimeで通話する場合、相手のボックスの位置に応じてそれぞれの声の位置が割り当てられる。また、Apple Musicなどのアプリでは、音源(スマホやタブレットなど)の位置に応じて、あたかもスピーカーのように音が調整されるという斬新な効果がある。

新しいAirPodsは、既存の機能にBluetoothビーコン風のレイヤーを追加した新しい「探す」機能にも対応している。これは、従来の機能にBluetoothビーコン風のレイヤーを追加したもので、近距離でも個々のAirPodsを見つけやすくなる。ビープ音に頼りにしなければならなくなった人なら、散らかった部屋の中で探すのは頭が痛いことだと知っているだろう。

このイヤフォンはApple製品と最も相性がいい。これまでのレビューでもお伝えしてきたように、一般的にはスマートフォンと同じメーカーのイヤフォンを買うのがベストだ。iOSでのペアリングは確かに強力だが、AirPodsはAndroidデバイスで使用しても概ね問題なく動作した。

AirPodsとAirPods Proの間の境界線が曖昧になるのを見ると、これらのプロダクトがいずれ1つに統合されるのはほぼ必然のように思える。今のところ、新世代の製品は従来の製品よりも確実にステップアップしており、Proとの70ドルの差があることには注意が必要だ。アクティブノイズキャンセリング機能にこだわらない、あるいはプラスチック製のモデルチップを好むのであれば、簡単に選択できる。もし、完全にプレミアムな体験をしたいのであれば、それもまた簡単な選択だ。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

【レビュー】Appleの14インチMacBook Pro(2021)、新・旧機能の融合

TechCrunchスタッフのリアクションはすばやく、私の知る限り、全員共通だった。特定の新機能についてこれほど多くの同僚たちが心から興奮したところを見たことがかつてあっただろうか。MagSafeが帰ってきた。iPhoneバージョンではないオリジナル(あちらにも魅力がないわけではないが)。MacBookバージョンだ。2017年にApple(アップル)が、オールUSB-C / ThunderboltのMacBook到来とともにあっさりと見捨てたあのバージョンだ。

これが、新しいプロ向けノートパソコンの長文レビューの始まりとして奇妙であることはよくわかっている。MagSafeが、2021 MacBook Proの最重要ポイントではない。最大の特徴はほぼ間違いなく、新しいチップ「M1 Pro」と「M1 Max」だ。しかし、この独自コネクターは重要な縮図である。ポートに喜び、ポートに悲しみながらこのシリーズにこだわってきた長年の信奉者にとっては魅力的な目玉となる。

新モデルは全部のせノートパソコンではない。実際Appleはそういう製品を出さない。しかし、同社はいくつかの新機能を追加するとともに、多くのユーザーが消えてしまうことを恐れていたに違いないかつての大好物を復活させた。MacBookが進化する過程において、さまざまな機能がやってきてはいなくなった。去る2016年にヘッドフォンジャックが廃されたとき、Appleはそれを「勇気」と呼び不評を買った。あれはAppleが明確に時代の先頭にいた数多くの場面の1つだった。ただし、それは勇気の話だ。ものごとはいつも予定どおりに運ぶわけではない。

画像クレジット:Brian Heater

我々消費者は、変化を要求し、一方でそれについて不満をいう。我々を満足させるのは大変だ。中には、ヘッドフォンジャックやその前のディスクドライブのケースのように、メインストリームの消費者の利用形態が追いつき、多くの人にとってその機能がほとんど惜しまれないこともある。メーカーの勇み足だったこともある。USB-AからUSB-Cへの転換についていえば、あれは明らかに不可避な進化の兆候だった。しかしMagSafeを失ったのは痛かった。

そのコネクターは、幸いにも帰ってきた。改良された形状で。他にSDXCカードスロット(SD 4.0規格、UHS-I、UHS-II SDXCカード対応)、HDMIポート、そして現在のMacラインナップから消えていたファンクションキーの隊列(窮地にたたされたTouch Barを置き換えた)も。USB-Cポートは3つで、13インチモデルの4つから減った。ポートを失いたい人などいないが、HDMIとMagSafeの復活は多くの人が正当なトレードオフだと感じているに違いない。個人の意見だが。

Appleは、同社のパソコン製品ラインナップにとって長年基盤となっているクリエイティブのプロたちを奪還しようと組織的な努力を行った。そして、多くの意味で、新しいProモデルはその最も純粋な意思表示だ。それはパワフルで図体の大きいMacの未来を示唆するマシンであるとともに、過去のヒットをいくつか再現している。

1年経ってみると、2020年の13インチMacBook Proは一種の珍しい存在になるのだろう、2016年のMacBookと同じように。現在も14インチ、16インチモデルの13インチの姉妹として製品ラインナップに残っている。奇妙な位置づけだ。実際のところ13インチMacBookのDNAは、同時に発売されたAirとの共通点の方が多く、たぶんMacBook Pro LiteかMacBook Air+ のようなものだ。当時、2つのモデルに我々が期待したような違いは見られなかったが、2021年のProモデルは「差」をはっきりさせた。

新モデルの中心は、もちろん、Appleの最新シリコンだ。我々は2021年10月の「Unleashed(パワー全開)」イベントで新チップが登場することを予測していたが、Appleは2種類のチップで我々を驚かすことに成功した。M1 ProとM1 Maxだ。いずれもM1(同じ5nmアーキテクチャーで作られている)のパワーアップ版だが、ほとんどのユーザーのほとんどのシナリオでは、2つのチップの違いは取るに足らない。そもそもほとんどのユーザーのほとんどのシナリオでは普通の古いM1が十分仕事をこなす。しかし、Appleのデモがターゲットにしているのはほとんどのユーザーではない。それはクリエイター層という、3Dレンダリング、8Kビデオ編集をはじめとする10年前のノートパソコンでは不可能に近かった作業でシステムを限界まで押し広げる人たちだ。

画像クレジット:Apple

要約すると。

  • M1:160億トランジスタ、8 CPUコア、7/8 GPUコア、メモリ帯域幅68.25 GBps、最大メモリ16 GB
  • M1 Pro:337億トランジスタ、8/10CPUコア、14/16 GPUコア、メモリ帯域幅200 GBps、最大メモリ32GB
  • M1 Max:570億トランジスタ、10CPUコア、24/32 GPUコア、メモリ帯域幅400 GBps、最大メモリ64GB

AppleがProとMaxを発表した後、すぐに湧いた疑問はAppleが2つのチップをどう使い分けるかだった。結局、同社は正しい選択をしたと私は思う。Maxを両方のシステムのアップグレードとして提供した200ドル(日本では2万2000円)で。もちろん金額はすぐにかさむが、Apple.comのショッピングカートにとっては歓迎だ。AppleはM1 Max、10コアCPU、32コアGPU、64GB RAM、2TBストレージという構成のシステムを編集部に送ってくれた。


メモリのオプションは16~64GB(後者はMaxでのみ使用可)、ストレージは512GBから最大8TBまで選択可能。この構成のシステムは4100ドル(日本では税込47万5800円)。ストレージを8TBに増やすと5899ドル(税込67万3800円)になる(ちなみに16インチにすると約68万円を超える)。これはエントリー構成の1999ドル(税込23万9800円)より3900ドル(約43万円以上)高い。



このベンチマークはスペックの違いを裏づけている。GeekBenchのAppleシリコン向けシングルコア・テストは大きな違いを見せておらず、2020年MacBook Proの1711に対して1781だが、マルチコアのスコアは7549から1万2674と飛躍的に向上している。



このGFXBench Metalグラフィックテストでは、新しいGPUがAztecデモで3490フレーム(54.3fps)から7717.5(120fps)へ、オフスクリーン版で4981フレーム(77.4fps)から1万7981(279.6fps)へと急上昇している。前者では一部のNVIDIA GPUより劣っているが、後者では他を圧倒している。中でも特に注目すべきなのは、Appleが高い性能数値をほとんどのライバルより著しく少ない電力消費で実現していることだ。

画像クレジット:Brian Heater

本機が熱を持たないという表現は行き過ぎだ。アルミニウム筐体の底部は快適な温かさになるが、真実はといえば内蔵ファンを働かせるためにはシステムにかなりの負荷をかける必要がある。バッテリー持続時間も長い。1回の充電でApple TV+を17時間29分見ることができた(新作のドキュメンタリー、Velvet Undergroundはいい。なぜわかるかというと「何度も」見たから)。ちなみに復活したMagSafeによる充電は高速で、0から50%まで30分で充電できた(96または140Wの電源アダプター使用)。3つあるUSB-Cポートでも充電が可能(専用プラグを家に忘れた時に重要)だが、速度は落ちる。

MagSafeプラグにはすてきなブレイデッドケーブルが付いてくるが、外見を除けばみんなが知っていてほとんどの人が愛する簡単着脱プラグと驚くほどよく似ている。

新しいMacBookは新しい内部に合わせてデザイン変更もなされている。たとえば16インチモデルは先行機よりも厚く、重くなり、4.3から4.7ポンド(2.1、2.2kg)に、高さ0.64(1.62cm)から0.66インチ(1.68cm)に増えている。14インチは13インチの3ポンド(1.4kg)対して3.5ポンド(1.6kg)だが高さは小さな姉妹と変わらない。

2020年版Airを持ち歩いている1人(時々アパートを離れるとき)として、これは無視できる違いではない。私の大胆な憶測は(少なくとも今のかたちの)13インチMacBookの将来を危ぶんでいるが、薄くて軽いAirがいなくなることは想像できない。

画像クレジット:Brian Heater

14.2インチのディスプレイは大きくて明るい3024×1964画素。13インチの227ppiに対して254ppiだ。2020年の輝度500nitは、持続時1000ニト、ピーク時1600ニトへと上昇した。これはミニLEDアレイと120Hzのリフレッシュレートのおかげだ(ProMotionテクノロジーによって作業に適応する)。支えているテクノロジーは最新のiPad Proや多くのノートパソコンに見られるものと類似している。

MacBook Air 2020(左)、:MacBookPro 2021(右)

このリモートワーク時代にはありがたいことに、FaceTimeカメラがアップデートされ、2021年の新iMacと同じ1080pカメラになった。これは2020年のProとAirに搭載されていた720pカメラからのうれしいアップグレードで、これまでは画像処理技術とM1の性能に頼ってホワイトバランスの改善や画像ノイズを減らしていた。上の画像でわかるように、最新のAirと比べてかなり劇的な向上だ。

画像クレジット:Brian Heater

ベゼル(前面カバー)は前モデルより24%減少した。エッジ・トゥー・エッジまではいかないが、近づきつつある。この変更にともない、おそらく最も賛否を呼ぶ変更が、恐ろしいノッチ(切り欠き)の追加だ。このノッチの活発な評価についてはDevin(デビン・コールドウェイ)の記事を読んで欲しい。私は概してノッチにとらわれない立場で、つまり当然フルスクリーンがベストだが、ノッチが存在する理由も理解している。これは、Appleが4年前のiPhone X発売以来iPhoneで採用し続けているものだ。

関連記事:【コラム】アップルがMacBook Proにノッチを付けてしまった

先のイベントで会社がいうには「これはコンテンツに余分なスペースを与える実にスマートな方法であり、フルスクリーンモードでは16対10のウィンドウが得られ、見た目もすばらしい。これはシームレスです」。慣れるまでに少し時間が必要であることは間違いないと私はいっておく。

他のモバイル機器メーカーには、ピンホールあるいはスクリーン下カメラを採用しているところもある。後者は大部分が失敗で、画質が著しく損われる。Zoom会議の時代のウェブカムには決してあってほしくない事態だ。ノッチの採用は実質的にこれまでベゼルがあった上部にスクリーン財産が追加されたことを意味している。ほとんどの場合、適切な暗い背景や、フルスクリーン動画ならレターボックスの黒いバーが隠せないものではない。

しかし、フルスクリーンモードで、特にメニューシステムに依存の強いアプリにとっては厄介だ。メニューバーは自動的にノッチを回り込む。デベロッパーは何もする必要がなく、メニュー項目が隠されないうようにシステムがメニューバー移動する。これはノッチ対応はもちろんまだでAppleシリコンバージョンをまだ出していないAudacityの場合だ。ちなみにマウスポインターは、実質的にノッチの下を通過して動く。

14インチ画面以上のものが必要になった時(そういうときもあるだろう?)、ProチップはPro Display XDRを2台同時にサポートできる。Maxなら、Pro Display XDRと4K TVを動かせる。復活したHDMIポートは4K60およびHDRビデオに対応している。

画像クレジット:Brian Heater

キーボードはここ何年かMacBookラインナップにとって一種の弱点だった。うれしいことに、2020年同社はようやく実績ある機構に戻した。キーの固着や最終的にキーボード交換プログラムに至った惨劇を受けてのことだ。現在の構成は、ノートパソコンのキーボードではソフトな側に寄っているが、数年前の頑強な過ちより何光年も前進している。

Touch Bar(タッチバー)がそれ自身「頑強な過ち」に当たるかかどうかは視点の問題だが、Appleの予想に達しなかったことはかなりはっきりしている。キーボード上部に超薄型タッチディスプレイを置くことは理論上は興味深いアイデアだったが、定常的に触れ合った人が多くいたとは思えない。これは、好きになりたいけれども、最終的に存続する理由を正当化できずに提案を断念する類いのものだった。つまり、私は、それが消えゆくことを悲しまない1人だ。

画像クレジット:Brian Heater

完全な死を悼むにはまだ早い、なぜなら13インチMacBookにはまだ必死でしがみついていくのだから。しかし、まあ、その入力デバイスの未来は決して明るいとはいえない。代わりに、フルハイトのファンクションキーが戻り、Appleはその復活をすばらしい新機能として位置づけた。会社はこう書いている。

このたび、Magic Keyboardがフルハイトのファンクションキーを初めてMacBook Proにもたらしました。プロの愛するメカニカルキーの感触とともに。

キーには、明るさ、音声入力、音量、Spotlight、Siri、おやすみモード、音楽再生などが割り当てられている。さらに、常にTouch Barの最高の部分であったものを維持している。Touch IDだ。今度は2020年のAirに付いていた小さな突起ではなくフルサイズのキーだ。

画像クレジット:Brian Heater

MagSafeの復活と同じく、Touch Barの放棄は、新しいMacBookが数年来で最高と言われる主要な理由だ。彼らはいくつかの重要な ブレイクスルーを成し遂げてきた過去の世代のテクノロジーと学習に基づき、何よりもユーザーのフィードバックに耳を傾けて開発してきた。それは、うまくいかないものから離れ、うまくいくものを強化することを意味し、とりわけ重要なのは消費者にとって何がベストであるかを自分が知っていると思わないこと、非常に特化したクリエイティブのプロが相手となればなおさらだ。

税込23万9800〜67万3800円という価格は、みんなのためのMacBookという感じではない。ほとんどの消費者にとってはMacBook Airが役割を果たすかそれ以上だろう。しかし、マシンの限界を求めるような使い方をする人には、新しいProはMacBookライン最高の要素の集大成だろう。

画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

アストラが1台で約20種類のフルーツに対応する業務用皮むき機「FAP-1001 匠助」を中国で販売開始

アストラがフルーツの業務用皮むき機「FAP-1001 匠助」を中国で販売開始

農業用加工機器の開発・製造・販売を行うアストラは10月24日、フルーツの高速皮むき機「FAP-1001 匠助」(しょうすけ)を、11月に上海で開催される果物の展示会「万果风云会」に出展し、中国での販売を開始すると発表した。

FAP-1001 匠助は、高い皮むきのクオリティー、操作が簡単、1台で約20種類の果物に対応、既存の設備に組み込みやすいデザイン、高い耐久性といった特徴を持つ。

通常の皮むき機は、ユニットタイプと呼ばれる丸い刃で果物を筋状に剥いてゆく。その際、実の部分も少々えぐり取られることがあり、向き上がった形状はデコボコになる。それに対して「匠助」は、ピーラーを使っているため、向き上がりが滑らかで果汁の漏れも少ない。剥く皮の厚みも調整できる。

皮むきの速度も速く、リンゴなら1時間で約1200個処理できる。対応する果物は、リンゴ、梨、キウイ、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、柿、桃、洋梨などの果物の他、タマネギ、ジャガイモ、カブも含まれる。オプションの部品を装着すれば、柚子やビーツも剥ける。ステンレス製なので、低温や水気の多い環境でも使用でき、8時間以上の連続運転が可能となっている。

果物の主要産地である福島県と長野県に拠点を置き地域貢献を行うアストラは、同時に、日本の他にも、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの大手食品加工場やスーパーに導入されるなど世界30カ国への販売実績があり、海外にも視野を広げているとのことだ。