新型MacBook Airは再びタイプしたい気にさせてくれるノートPC

誰もがわかっているけれど、口にしたくない不都合な真実について話しておくことにしよう。家を出ることを禁じられているときに、ウルトラ軽量のノートブックをレビューするなんて、これ以上の皮肉があるだろうか。もちろん、Apple(アップル)がこの状況を予想していたはずはない。おそらくビル・ゲイツを除いて、誰も予測できた人はいないだろう。

もちろん思い出す必要もない、現在のこうした悪い状況を、わざわざ思い出してもらいたくてこんな話を持ち出したわけではない。ただ単に、現在の状況が新型MacBook Airをテストするものとしては理想的とは言えないことを、お話ししておくことが大切だと考えたからだ。今朝MacBook Airが私のニューヨークの1ベッドルームのアパートに届いてから、私はこれを持って一度も家を出ていない。

実際のところ、最初私は大きくて持ち歩くことは想定されていないデスクトップコンピューターの真ん前に、このノートブックを置いて作業をしていた。しかし、挑戦心をちょっと刺激されたので、ベッドに腰を掛け膝の上にAirを置いてこれを書いている。そして、これはなかなか調子がいい。

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MacBook Airについて、私からは読者がまだ知らないようなことをあまりお話できない。MacBookシリーズの主力の1つであるAirは、2020年1月に12歳になった。それはオリジナルのデザインが、10年以上経ってもいまだに新鮮さを失っていない証拠の1つだ。もちろん、長年にわたってこのデバイスには重要なアップデートが行われてきたが、オバマ大統領の最初に就任したほぼ1年前に市場に登場したこのノートブックは、今でもその原型をとどめたままだ。

「薄さ」と「軽さ」は、今でもAir自身を表すための特徴だ。これは、他のMacBookファミリーに比べたときの処理能力を手放すことと引き換えに、飛行機の目の前のシートポケットにすっぽりと収まるデザインを採用した製品なのだ。実際、このデバイスが重いビデオ処理やその他のリソースを大量に消費するアプリケーションを必要とするユーザーに必要とされたことは、 一度もなかった。そして、2020年モデルでは重要な内部のアップデートを行ったものの、やはりヘビーな用途には向かないという性質は変わらないままだ。

だが、もし腰痛が気になるユーザーなら、おそらくこれが選ぶべきMacBookだろう。

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おなじみのくさび形はもちろんそのままだ。数世代前には、そのデザインはユニボディデザインと天板の反射するアップルのロゴとともに、他のMacBookシリーズが採用しているものと同様になった。

Thunderbolt 3/USB Cポートは変わらず2つだけだ。今回も両者は同じ側にある。これは再デザイン以来、常に大きな不満の1つだった。両側に2つずつというのがベストだが、そうでなければせめて両側に1つずつにしてほしい。そうすればお互いに干渉することもないし、座る位置によって変化するコンセントからの電源ケーブルを、どちらの側からでも挿しやすくなる。

だが、2020年モデルへの最大のデザイン変更は、はるかに繊細なものだ。MacBookのキーボードはここ数年、消費者から訴訟を何度か起こされ、数え切れないほどキーの不具合に悩まされてきた。そしてアップルはついに、2019年の16インチMacBook Proから新しいデザインを採用したのだ。ありがたいことに、そのアップグレードはAirにももたらされている。

システムは、シザー構造に戻った。とりわけ大事なことは、これによってキーがより多く動くようになったということだ。つまり、従来のキーボードのように、タイピングに従ってキーが実際に押し込まれてくれるということである。これには雲泥の差がある。

バタフライ構造は、アップルの明らかな失敗だった。触覚フィードバックが不足していることに加えて、キーがノートブックとほぼ同一平面上にあることで、もしゴミが詰まってしまうと使えなくなってしまう可能性があったのだ。少なくとも私の場合、Sキーが働かなくなってしまい、緊急にエアダスターを必要とする場面が一度はあった。それは心すべき重要な点だ。

これまでアップルが繰り返し採用してきたバタフライ構造を改良する試みとは異なり、シザー構造に戻ることは著しい改善となる。今回のキーは他のシステムと比較した場合でも、まだ比較的柔らかいが、感触は大幅に改善された。タイプ中の感触が良くなったことは言うまでもない。

ここで得られる感触は、アップルのBluetooth接続のMagic Keyboardで得られるものと、とても似通っている。正直なところ、これだけでも価値あるアップグレードになっている。上部にTouch Barはないが、その代わりに標準的なファンクションキーが配置されている。ただし、Touch Barの最も優れた機能であるTouch IDは搭載されている。

Airの多くの部分は、2018年の大規模なオーバーホールからあまり変更はない。もちろんRetinaディスプレイを搭載しており、解像度は2560×1600ピクセル。これは2017年より前のAirからすると大きな進化だ。

新しいのは内部の重要なアップグレード。デフォルトの構成では、第10世代の1.1GHzデュアルコアIntel Core i3が搭載されている。今回のデバイスは、2019年の第8世代チップ搭載モデルから進化したが、このモデルには標準でCore i5が搭載されていた。明らかにアップルは、新型Airでシステムの基本価格を引き下げるための計算をしている。今回のデバイスをMacBook Proなどのほかの製品とさらに差別化したいと考えているようだ。

ただし、基本的な使い方しかしないユーザーであっても、1万円を追加して、Core i5にアップグレードすることをお勧めする。それが現在手元にあるマシンに搭載されているチップだ。システムはGeekbench 4のシングルコアテストで5244、マルチコアテストで14672を獲得し、2018年に私たちがテストした最後のモデルから性能が大幅に向上している。

チップレベルでのもう1つの重要なアップデートは、Intel UHD 617からIris Plus Graphicsへの切り替えだ。とりわけ、これは外部モニターのサポート機能に役立つ。Airはディスプレイ圧縮の助けも可能で、最大6Kの外部モニターをサポートすることができる。メモリーはデフォルトで8GBであり、16GBにアップグレード可能だ。一方、ストレージに関わるはるかに大きなニュースは、ベースモデルが従来の128GBから256GBにアップグレードされ、最大容量も従来の1TBから2TBまで増やせることだ。

興味深いことに、発表されたバッテリー寿命は12時間から11時間に短くなっている。もちろん、それは使い方に大きく依存する。数時間の利用後、使っているマシンのバッテリー残量は35%になった。私は明るさや他のすべてを設定をデフォルトで使用していて、常時タイピングを行い、ChromeとSlackを使い、Spotify経由でヘッドフォンで音楽を聴いていた(ときどきベンチマークを行いながら)。

いろいろな仕事をしながら使う際には、1日バッテリーが持つという説明で十分なような気もするが、11時間というのはおそらく誇張だろう。こうした寿命は、多くの要因に基づいて、かなり違ってくる可能性があることに注意してほしい。私は実際には、まだこのノートブックを丸1日使ったに過ぎない、この先、必要に応じてアップデートをお届けしたい。

他にも素晴らしいアップグレードがある。キーボード、プロセッサー、そして2018年モデルで行われたオーバーホールなどを通して、アップルが最初の導入から12年もの間、愛されている製品ラインを新鮮なものに保ち続けているのを知ることはうれしい。

多くの人にとって、今回のAirが新しいiPad Pro(およびその新しいキーボード)と一緒に発表されたという事実は、製品間の境界線がどれほど曖昧になっているかを認識させるものになったのではないだろうか。例えばサムスンが幅広い製品を提供する傾向があるのに対して、アップルはこれまで製品ラインに対して比較的ミニマルなアプローチを採用してきた。そのため評論家たちがこの先アップルに関して語る際に、この境界線に関する疑問を口にする者が多いだろう。

だが、パーソナルコンピューティングが複雑になるにつれて、ニーズも変化する。そしてそれに応じて、アップルのラインアップも変化する。ここしばらくの間、MacBook Airは標準のMacBookにその地位を譲り、徐々に消えていくように見えていた。しかし結局、Airは生き残り、それは納得できるものとなった。

(iPadOSと比較して)macOSのワークフローの汎用性と組み合わせて考えた場合、ポータビリティに焦点を当てたことは強力なセールスポイントとなる。Airはその点に少々こだわりを持っているように見えるが、それはアップルユーザーにとってありがたいことだ。

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(翻訳:sako)

ソニーのRX100 Ⅶでハチ公前から江ノ島まで理想の写真と動画が撮れた

ソニーの最新のハイエンドコンパクトであるRX100 VIIは製品名が示すとおりRX100の7代目だ。登場以来、このシリーズは軽量、コンパクトでかさばらず高画質という点がビデオブロガー、プロのライターなどのエンスージアストから強く支持されてきた。RX100 VIIは現在のテクノロジーが許すかぎりこの方向を洗練させたモデルだ。1200ドルという価格(日本では15万6600円)を払う用意があるなら躊躇なく推薦する。

ソニーがこのカメラに搭載した機能を考えるならならこの価格は決して高くはない。35mm換算で24-200mmというあらゆる場面に対応可能なカールツァイスのズームレンズ、AF、手ブレ補正、毎秒20コマの連写、フリップアップ式タッチスクリーンなど最高のテクノロジーが詰め込まれている。

Sony RX100 VII 2

ポケットにパワーを

RX100 VIIは携帯性と機能を最高レベルでバランスさせることに成功している。携帯性の点で最も優れているのはいつでも身につけていられるという点でスマートフォンだ。一方、画質ということになればフルサイズの撮像素子と明るいズームレンズを載せたデジタル一眼だが、こちらは大型犬に負けないく重くてかさばる。

RX100 VIIの驚くべき点は携帯性ではスマートフォンよりわずかに大きいだけなのに専用カメラバッグが必要になるハイエンドのデジイチ並みの画質が得られる点だ。

RX100 VIIには1インチの撮像素子が搭載されている。これはスマートフォンの撮像素子に比べると4倍程度あるはずだ。画質の点で撮像素子のサイズを補うものはない。このハンデをAppleとGoogleはソフトウェアで補おうと懸命に努力し、それなりの成果を得ている。しかし残念ながら完全に成功してはない。

Sony RX100 VII 4

The RX100 VIIが1インチの撮像素子を使い、フラッシュ、外部マイクのジャック、可動式液晶ディスプレイを内蔵しながら全体がほぼ手の中に収まってしまうサイズにまとめられているのは驚く。特にフリップアップ式ディスプレイは自撮りする際に必須となる。ビデオブロガーにはなくてはならない機能だ。

Sony RX100 VII 5

もうひとつ重要な点は本体にUSB-Cポートが設けられていることだ。直接充電ができるのでバッテリー充電器を持ち歩く必要がないのは非常にありがたい。このポートは充電、データ交換双方をサポートする。もちろん専用充電器を使ったほうがチャージは速い。

ズーム性能

ソニーがRX100 VIIに搭載したレンズは24-200mm(35mm換算) f2.8-4.5のカールツァイスだ。ズーム比が8倍以上ありさまざまな撮影条件をカバーする。

望遠側が200mmまであるのは旅行先やカンファレンスで簡単に近寄れないない対象を撮影したいときに威力を発揮する。しかも200mmでも画質は驚くほど鮮明だ。下の作例でもわかるように、光が十分に回っているときの描写は申し分ない。作例では同じシーンをワイド端とテレ端で撮影してみた。


 

24mmにはディストーションがあるが、ソニーの画像補正ソフトによりJPEG画像では気にならない程度に軽減されている。下の例のように腕を伸ばして自撮りすることも可能だが、ビデオブログを撮影するなら自撮り棒を使ったほうが自然な絵になるだろう。

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瞳追従AF

このモデルには他のハイエンド・コンパクトにはない魅力的な機能がいくつか搭載されている。私はAF方式が気に入った。ソニーでもこれまではA9や新しいA7R IVなど最高級機種だけにあった機能だ。

RX100 VIIでは人間であれ、動物であれ、瞳追従AFが使える。これは同種の自動追従AFの中でも最高の出来だと思う。特に動物でも瞳追従可能なのはソニーの成果だ。なんとソニーのAiboにも追従した(東京のソニー銀座パークで撮影)。

DSC02975 DSC02967瞳追従AFは静止画、動画とも詳細設定が可能だ。追従エリアの大きの設定に加えて追従先を右目、左目も選択できる。これは顔認識と同時に利用できるので顔に追従し、さらに瞳にフォーカスすることができる。

実際の撮影でもこの機能は非常に便利だった。ソニーはこの追従機能が優れている点として多数のオブジェクトの中から目標の顔を正確に選択できること、対象がいったん何かの影になってから再び現れたときに素早くピックアップできることを上げていたが、まさに宣伝のとおりに機能した。あらゆる価格帯を通じてコンパクトカメラとして最高の自動追従AFだ。下の作例では流し撮りでオートバイのライダーを驚くべき精度で写し止めていることがおわかりいただけると思う。

 

低照度

もうひとつ、RX100 VIIの1インチ撮像素子が威力を発揮するのは光が不足している状況だ。スマートフォンにくらべて撮像素子が格段に大きいため個々の受光セルのサイズも大きい。低照度下でも十分に光子を集めることができるためノイズも少なく解像度も高い。内蔵の光学手ブレ補正に加えてソニーがこの撮像素子に裏面照射方式を採用しているのも高画質を実現する一助となっているようだ。

ただし室内で本当に低照度の条件で動きを止めようとするとフルサイズやAPS-Cのデジイチに比べてややノイジーになるのはやむを得ない。

GoogleのPixel 3と先ごろ発表されたiPhone 11が驚くべき成果を上げていのと比較すると、またソニーは低照度下でのソフトウェアによる画像処理にはさほと注力していないようだ。しかしその場で肉眼で見たままに近いため、これは必ずしも欠点とはいえないと思う。いずれにせよ解像度の点でスマートフォンはRX100 VIIとは比較にならない。

 

上の作例でもわかるとおり、画面内に十分光が回っている箇所が一つでもあれば素晴らしい画質が確保できる。ただし全体が暗い場合にはやや質が落ちる。こういう状況で満足できる写真を撮るためにはフルサイズのセンサーに明るいレンズを搭載したフラグシップ級のデジタル一眼カメラが必要になるだろう。

動画撮影も強み

RX100 VIIの大きなセールスポイントはこのサイズとして異例に充実したビデオ撮影機能だ。箱から取り出したそのままの状態でも十分に高い能力があるが、別売のアクセサリーを追加すればプロ級のビデオが撮影できる。
ホームビデオはもちろん、プロ向けの高価でかさばる機材を使わずにビデオをアップグレードしたいと考えているユーチューバーやビデオブロガーにも十分な能力がある。

こうした場合、高倍率ズームは圧倒的に便利だ。下の動画作例の2番目の室内のショーは低照度だが十分鑑賞に耐える。3番目のシーン(ハチ公前交差点)は200mmを使っているが手ブレ補正が強力なため人物の動作がはっきりわかる。最後のシークエンス(築地場外)では歩きながら周囲を広く撮影してみた。

本格的動画を撮影したい場合、外部マイク用ポートがあることは重要だ。別売のシューティンググリップ「VCT-SGR1」に小型のショットガンマイクや、さらに本格的にいくならRode Wireless Goのようなマイクを接続すれば軽量コンパクトな理想的取材カメラとなる。ズームレンズ、外部マイクによる音質はスマートフォンではとうてい太刀打ちできない。

結論

サイバーショット、RX100 VIIはコンパクトカメラの最高峰として自信をもって推薦できる。このサイズ、カテゴリーでは比較の対象がない。画質はもちろんズームレンズのカバー範囲、オートフォーカス、ビデオ撮影どれをとってもトップだ。特にトラベルカメラとしてはジャンルを通じて最高だろう。
5年前だったら空想するだけだったレベルに到達している。

スマートフォンに飽きたらなくなってステップアップを考えているユーザー、すでにハイエンドのデジタル一眼を持っているが携帯性のいいコンパクトカメラを探しているエンスージアスト、定期的にビデオブログを公開しているプロ、いずれにもRX100 VIIは理想的だ。唯一のハードルは価格かもしれないが、能力を考えれば極めてリーズナブルだと思う。

 
 
 

原文へ]作例全88枚は原文末ギャラリー参照

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebook、Amazonに書いたPortalの好意的レビューを削除するよう社員に依頼

Facebook Portalの評判は、よく言って、賛否様々だ。進行中のプライバシー問題とパッとしない反響は、Facebookが初の自社開発ハードウェアに期待した結果ではなかったに違いない。それにも関わらず、PortalPortal PlusはAmazonで4つ星前後の評価を得ている。悪くない。

New York TimesのコラムニストKevin Rooseはこの状況にうさん臭さを感じ取り、「購入済みラベル」付きレビューの多くが、Facebook社員と同じ名前の投稿者によるものであることをTwitterで指摘した。「自社製品をレビューすることはAmazonのルールに間違いなく違反している」と彼は書いた。「そしてこれは、商品の売れ行きを正確に表す指標ではない!」

FacebookのAR/VR担当VP、Andrew Bosworthはすかさずこれに反応して次のようにツイートした。「会社が仕組んだり指示したりしたものではない。発売時に社内投稿で「Facebook社員にはAmazonで販売する当社製品のレビューを〈書いてほしくない〉」旨を伝えてある。投稿者には削除するよう依頼する」

これは発売から間もない同製品にまつわる多くの問題のひとつにすぎない。発売当初Bosworthは、Facebookがこの製品を使って通話を聞いたりデータを集めたりするのではないかという懸念を払拭する必要があると感じていた。そしてこれはFacebookが計算したことではなかっただろうが、同製品への否定的反響にまつわる社内分裂を予感させる結果となった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Pixel Slateレビュー:プレミアムタブレットのハードウェアがOSの課題を浮き彫りにする

最初に、製品レビューというものの秘密をちょっとだけ暴露しよう。それは、すべての製品を日常生活の中に組み込みたいと考えても、それは不可能だということだ。特に、ここで扱っているような数をこなさなければならいときは、なおさらだ。しかし、ときには運命的な機会というものもある。2週間のアジア旅行の直前になって、GoogleがPixel Slateを発送してよこした。

これは、製品を徹底的にテストするのに究極的な最善の機会だ。見知らぬ土地で、見知らぬ人になって、まだ慣れていない製品と格闘しなければならないのだから。Googleの新しいコンバーチブル型のマシンは、2つの国と1つの自治領を旅してきた。ネオンが輝き、マリオカートが道路でレースをしている秋葉原から、深センのガジェット市場、そしてシャワールームがトイレになっていて、夜中に家主がドアをドンドン叩いて宿賃を要求するような、香港のChunking Mansionsの密集したホステルにまで運び込まれた。

それは、ほんの数年前ならよろこんでモルモットになったような類の体験ではなかった。Google製のOSは、最初のうちは遅い、という傾向があるが、Chrome OSも当然その例外ではない。最初期のChromebookは、目新しいということだけが取り柄の、前世代のネットブックと差別化できる利点がほとんどない、非力なマシンだった。もちろん、オフラインではほとんど使えないOSは大目に見るとしてもだ。

しかし、そのカテゴリの存在自体が(正当にも)批評家によって疑問視されていたときにも、Googleはこつこつと仕事を続けていた。同社はChromeに機能を追加し続け、ブラウザベースのOSは、だんだん一般のデスクトップOSに近付くまでになってきた。そして2013年には、Chromebook Pixelを発表した。そのプレミアムノートブックは、当時SVPだったSundar Pichaiの言葉を借りれば、「もしGoogleが可能な限り最高のコンピュータを、可能な限り安価に設計しようとしたらどんなものになるか」を示すために企画された。

その後の数年で、Chromebookが学校の教室を支配するようになっても、Googleにはまだ証明すべきことが残っていた。同社は、そのOSが安売りの理由にされることに決して満足していなかったのだ。そしてその結果が、昨年のPixelbookとして結実した。Chromeの機能と独特なデザインの頂点を極めたこのデバイスは、Chromebookができることの境界を押し広げた。

昨年の12月に、Googleは密かにPixel C(訳注:10.2インチの画面を持ったAndroidタブレット。専用キーボードと組み合わせて使える)を現役から引退させた。Googleはその動きを認め、新しいデバイスへ引き継がれるものとして、以下のようにTechCrunchに語った。「Google Pixelbookは、ラップトップとタブレットの利点を両立させた、多用途のデバイスを求めている人向きの新製品です」と。

ところがこの3月には、Appleの大規模な教育イベントの直前にタイミングを合わせて、Acerと提携し、教育市場に焦点を合わせたChromeタブレットを発表した。さらに先月には、Pixel Slateを発表した。このSlateは、ほかでもないPixelbookの姉妹機のように見える。実際、純粋に仕様だけを比較すると、両者の違いを指摘するのに苦労するだろう。

両製品の違いがわずかであるという感触は、私がこのデバイスを使っている間、ずっと付きまとっていた。キーボードが取り外せることは、多様性という点では優れている。しかし、実際にその機能はどれくらいの頻度で利用されるのだろうか? ほぼ2週間ほど、このSlateとともに旅行している間、キーボードドックから取り外すことを正当化する機会には、ただの一度も出会わなかった。くそ、ドックはビデオを見るのにもうってつけじゃないか。映画の上映時間中ずっと手で持っているより、内蔵のスタンドを使うほうがずっといい。

ラップトップ専用機ではなく、コンバーチブルを選べば、いくつかの機能を犠牲にすることになるというのはよくあることだ。2つの間の隔たりは、世代を経るごとに小さくなると思われるものの、このSlateの場合は、まだそうでもない。単純に、Pixelbookの方がタイピングの感触はいい。とはいえ、キーボード付きケースとしては、Slateは間違いなくこれまでで最高のタイピング体験の1つだった。

タイピングが90%を占めているような仕事なので、私が日常の道具として、ハイブリッドのタブレットを真剣に検討することを避けてきた最大の理由が、やはりキーボードだった。Slateのケースの丸いキーの反応は完璧で、リズムに乗るまでにそれほど時間がかからない。この話の半ばに差し掛かるころだが、このまますべての部分をSlateで仕上げることに何の躊躇もない。

Chrome OSも、この数年で飛躍的に進化した。2016年に、Googleはアプリについての問題に対する巧妙な修正を発表した。それは、このOSにもPlay Storeを導入する(訳注:AndroidのアプリをChrome上で動作可能にする)というものだった。当時、同社はTechCrunchに対し、それは「2つの世界を結びつける強力な方法」になると述べた。何はともあれ、それは巧みな次善の策だった。

いろいろなアプリをPlay Storeからダウンロードしてみて分かったのは、Pixelbookの場合と同じ問題に突き当たることが少なくないということだった。それほど一般的でないアプリをダウンロードして起動すると、スマートフォンの画面サイズで表示される。それをフルサイズに変更しようとすると、「サイズを変更するには、アプリを再起動する必要があります。サイズを変更すると正しく動作しないかもしれません」といったポップアップを見ることになる。

 

ウワッ

別のアプリはもっと直接的に(そして正直に)、「申し訳ありません! このデバイスはサポートしていません」と表示する。

ウワッ×2

Pixelbookを抱えて中国に行ったときも、同じ経験を何度もした。14時間のフライトの間に、自分のポッドキャストを編集するという野望をいだいていたのだが、数種類のアプリをダウンロードしてインストールしてみた後で、Audacityの代わりになるまともなアプリを見つけることを、最終的にあきらめたのだった。そうした問題があることも、新しいOSなら理解できる。しかしChrome OSは、もう7年ほども使われているのだ。本格的なOSでありながら、未熟なユーザー体験しか提供できないものとして、フラストレーションを感じることが避けられない。

iPad Proと同様に、Pixel Slateのソフトウェアの欠点は、プレミアムなハードウェアと組み合わせることで、余計にイライラを募らせるものとなりうる。私の仕事のほとんどは、Slateだけでもこなすことができる。それでも、かゆいところに完全には手が届かないことに出会うと、十中八九は、なぜフル機能のラップトップを使わないのかと思わざるを得ない。

価格は確かに重要だ。Slateは、12.3インチでありながらエントリーモデルの価格は599ドルで、11インチのiPad Proのエントリーモデルの799ドルと比べると確かに安い。ただし、公平を期せば、前者が32GBであるのに対し、後者は64GBのストレージを装備している。しかもiPadの価格には、Pixelbookの2400×1600を凌駕する、驚異的な3000×2000(訳注:正確には2388×1668でほぼ同等)ピクセルのディスプレイが含まれている。

カスタマイズ性はもちろん重要なポイントだ。SlateはPixelbookよりも構成の種類が多い。その中で最高のスペックを選んだモデルは1599ドルになるが、16GBのRAMと256GBのストレージ(Pixelbookの最大の半分)、そしてプロセッサーはCore i7だ。キーボードとペンが必要な場合は、もちろん別売りで、それぞれ199ドルと99ドルが加わる。注意すべき点は、キーボードを付けると合計で2.7ポンド(約1.22kg)になるということだ。これは、Pixelbook(2.6ボンド=約1.18kg)や12インチのMacBook(2.03ポンド=約921g)より重い。

実際、キーボードは必須だ。ドッキングすることでOSをデスクトップUIモードに切り替える。その状態でも、もちろん画面の底辺から上向きにスワイプすれば、アプリトレイが開く。Macを日常の道具として使い続けている人間としては、Appleがディスプレイにまともなタッチスクリーン機能を採用していないことに唖然とする。当然ながら、タッチバーはその代わりにはならない。数日間Pixel Slateを使った後では、Macを使っていても画面に手を伸ばしそうになる。「いつか、きっと」と、抱えた仕事に戻る前に、静かに独り言を言ってみたりするのだ。

細かなことだが、画面を分割したり、タブをドラッグして独立したウィンドウにする機能は使いやすいし、仕事用のマシンとしても頼もしく感じられる要因となっている。ペンもあるに越したことはないが、日常的な用途で使うことはほとんどなかった。

結局のところ、私ならこの99ドルのオプションはパスするだろう。特にiPad Proのように簡単に保持しておく方法がないのも気に入らない。バッテリーも充電式ではなく、ほとんど見かけないAAAA(訳注:日本では単6)サイズの乾電池だ。探せば見つかるかもしれない。実際、私も近所のWalgreenに在庫があるのを見て、ちょっと驚いたくらいだ。

電源ボタンに指紋認識機能を組み込んだPixel Imprintは、なかなか使いやすい。その一方で、ヘッドフォンジャックが省かれたことには、ちょっとまいった。私はいつも有線接続のヘッドフォンを使っている。まだ2018年なのだから、必需品だと思われる。MacBook Airのように、2つのUSB-Cポートを片側に並べて付けるのではなく、1つずつ左右に振り分けたという点では、私はGoogleに感謝したいくらいだ。それによって、アクセサリーを利用する場合の自由度が、いくらか増すからだ。

私は、今回、Pixel Slateを荷物に入れたことを後悔していない。旅の仲間として、人間的にも、ガジェット的にも、ずっと良くない経験をしている。Pixelbookと同じように、このタブレットは、しっかりしたハードウェアの上でChromeができることの良い見本となっている。そしてもう一度言うが、これはハードウェアがソフトウェアを色褪せものに見せてしまう例の1つに数えられる。それによって、GoogleのChromebookに関する戦略が、不明瞭なものに見えてしまうほどだ。

OSとしては、Chromeは近年飛躍的に進歩した。それが学校の教室を支える存在になったのもうなずける。しかし、ビジネス向きの本格的なデスクトップOSとなるためには、まだまだやるべきことは残っている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

レビュー:小さな129ドルのEcho Subでオーディオ環境が格段にアップする

音楽をもっといい音で聴きたい? それならサブウーファーを追加することだ。Amazonもそうすることにした。これで、Echoスマートスピーカーのラインナップは、ずっと面白くなった。Echoの音を不満に感じていたとしたら、Echo Subを追加してもう一度試して欲しい。きっと考えが変わる。

Echo Subは、小型の丸いサブウーファーで、Echoスピーカーと同じファブリックのカバーをかぶっている。ただし、現在色はチャコールのみ。床にも机の上にも置けるようデザインされ、Echoスピーカーでは再現できなかった低音域を発生する。Echo Subは、Echoスピーカーの音を、より完全に、より楽しく補完し、バランスの良い、より原音に近い音場を作るという使命を、うまく果たしている。Echo Subは、Echoオーナーには必須のアイテムだ。

レビュー

Amazonは、99ドル(約1万1000円)のEchoスピーカーのペアと、129ドル(約1万4400円:日本では1万5980円で10月30日に発売予定)のEcho SubをTechCrunchに提供してくれた。このセットは249ドル(約2万7900円)で発売されているが、Amazonは、Echo SubとEcho Plusのバンドルセットも329ドル(約3万6800円)で販売している。その違いには、価格の差に値するものがある。

設置には25分ほどかかる。それぞれのスピーカーをAlexaスマートフォンアプリで個別に追加するようになっている。すべてのスピーカーの設定が終わったら、これらをバーチャルグループにまとめる。アプリは、それを簡単に行えるように助けてくれるのだが、その工程でいくつかバグに遭遇した。スピーカーをグループに追加するときに、スピーカーを認識できないことが何度かあった。また、2つのスピーカーは認識できても、Subが見つからないということもあった。それでもなんとか設定を済ませ、2つのEchoスピーカーでステレオをサウンドを鳴らし、Echo Subで低音を出すことができた。

Echoスピーカー1つとサブウーファーを追加したことで、音がとても良くなった。しかし、驚くにはあたらない。ステレオにして音楽がより楽しくなるのは当然のことだ。

数年前に登場したJAMBOXは、ある世代に、音楽を聴くにはスピーカーはひつで十分だと思い込ませた。しかし、それはウソだ。ひとつでも音楽は聴けるが、ステレオならなおいい。さらに、Echoの場合はサブウーファーまで付いたのだから、もっといい。

Des Rocsの『Let me Live』は、この新しいサウンドステージを存分に活かしている曲だ。左右のスピーカーはその能力を爆発させ、Amazon EchoやApple HomePadのひとつのスピーカーでは味わえなかった没入感溢れるサウンドを楽しませてくれる。ステレオによって、音楽は生き生きと響く。

AKA Georgeの『Stone Cold Classic』も、このセットで生き返る。Echo Subはドラマチックな低音をトラックに与え、ステレオのEchoスピーカーが最高のエクスペリエンスを作り出す。まだ信用できない? ならばヴァン・ヘイレンの『パナマ』を聴いてみよう。ひとつだけのスピーカーでは、チャンネルがごちゃ混ぜになってしまい、この本来のサウンドは味わえない。しかし、本当のステレオとサブウーファーとの組み合わせにより、デイヴ・リー・ロスの声が生のように聞こえる。

249ドルのセットのサウンドには、本当に驚いた。重い仕事を大幅にEcho Subに割り当てることで、Echoスピーカーは中音から高音に専念できるようになり、この価格にしてはクリアで正確なサウンドが再現可能になった。249ドルで、Echoスピーカー2台とEcho Subのセットに匹敵するオーディオシステムを探そうと思ったら大変だ。さらに、Echoのスマートな機能が魅力を高めている。

Amazonから99ドルで発売されているEchoスピーカー2台でも、それなりに仕事はしてくれるが、149ドル(約1万6700円)のEcho PlusスピーカーとEcho Subを組み合わせたとき、その違いが歴然とわかる。Echo Plusを2台使えば、サウンドがさらによくなる。セットで買えば、価格の差はわずかだ。

Echo Subは、ほとんどの状況にうまくはまってくれる。他のサブウーファーと比べて小型だ。必要な低音が十分に出せるが、壁を振るわえるほどではない。ズンズン響くこともない。ハードロックやノリのいいポップスに向いている。車のトランクをぶるぶる震わせるようなラップには向かない。たとえば、アークティック・モンキーはいいが、ポスト・マローンにはちょっと合わない。

Alexaアプリを使うと、Echo Subの低音、中音、高音の調整ができる。ただ、調整範囲は限定的で、ウーファーの音響的特徴を極端に変えることはできない。全体的に、Echo Subは、2つのEchoスピーカーとうまく調和する、エレガントな小型サブウーファーということだ。

Echo Subは、Echoスピーカー1台だけでも使うこともできる。Echoスピーカーを1台しか持っていないという人でも、Echo Subを加えれば、驚くほど音質が向上する。

スマートスピーカーを組み合わせて新世代のステレオサウンドを構成しているのは、Amazonだけではない。Sonosは、ずっと前から複数のスピーカーを無線で接続して、ステレオやサラウンド音響が作れるようにしていた。Google Home Maxも、2台組み合わせれば可愛いステレオセットになる。Apple HomePodもそうだ。350ドル(約3万9000円)のHomePodを無線で2台つなげばステレオになる。これらのシステムは、どれも素晴らしいオーディオ品質を提供してくれるが、Amazonのものに比べて全体に高価だ。また、Amazonの他に専用のサブウーファーがあるのはSonosだけだ。

Echo Subを加えたAmazonは、同等の他社製品よりもずっと安価に、高い音質を提供できるようになった。129ドルのEcho Subは、コンパクトで高性能で、Echoスピーカーを即座にアップグレードできる最善の方法だ。もし可能なら、Echoスピーカーをもう1台追加して、ステレオセットを構築して欲しい。

Echo Subは、音楽を聴く環境がEchoスピーカーだけという家庭にお薦めだ。もし、Echo Subを買うか、もう1台のEchoスピーカーを買うかで迷っているとしたら、Echo Subを先に買うことをお薦めする。

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(翻訳:金井哲夫)

β版を4カ月使ってわかったmacOS 10.14 Mojaveの本当に便利な新機能

自分の良識と、事情に詳しい人たちからの再三の警告に逆らって、私は最初にリリースされたときに、自分の仕事用コンピューターにMojaveをインストールした。当然、ベータ版にありがちなバグや不具合が発生し、その都度、自分の判断を後悔したのだが、こうした製品をじっくりテストするには、毎日使ってみるしかない。

私は、すべての機能を毎日しっかり使い込んだとは言わない。だがそれは、オペレーティング・システムのアップグレードというものの性質なので仕方がない。できるだけ多くのユーザーにアップグレードの恩恵が行き渡るようにするには、たくさんの領域をカバーする必要がある。各国に対応するための機能や、Appleの機械学習による提案などもあるが、私の場合、そうしたものは使用に際してあまり影響がなかった。

機能の更新は広範にわたっているものの、10.14は、私の近年の記憶の中では、間違いなく、焦点が定まったアップグレードだ。High Sierraは、いろいろな意味で(その名前からしても)、さらにその前のOSの微調整版だったが、それとは異なり、Mojaveからは、Appleの特別な使命感が伝わってくる。

この数年間、Appleは、デスクトップ・マシンの長年にわたる精神的支持者とされてきたクリエイティブ業界のプロたちから、「ボールから目を離している」という猛烈な批判を受けてきた。映像作家が頼りにしてきたFinal Cutの高度なカスタマイズ機能を、シンプル化とか洗練化という理由で廃止してしまったことでも、Appleは反感を買った。

だがその一方で、Appleは、Mac Proシリーズの幾多の苦難に関して、珍しく素直な見解を暴露している。「アップグレードや更新が滞っているとすれば、申し訳なく思っています。Mac Proのことですが、もっと良いものに置き換える予定です」と、Appleの国際マーケティング上級副社長Phil Schillerは、報道関係者との会合で述べた。

Microsoftなどの企業は、Appleが一般ユーザーに迎合してゆく姿勢をチャンスと捉え、成長が続くSurfaceシリーズをクリエイティブ業界のプロに売り込もうと考えている。クリエイティブ業界は、そもそもがそれほど大きな市場ではないのだが、映像作家、アーティスト、ミュージシャンなどが製品を使えば、それが一般ユーザーの購入時の判断に与える影響は大きい。

しかしAppleは、こうした心配への対応を開始している。Mac Proは来年までモデルチェンジはないが、ハードウエアの世界で大きな前進をもたらした。たとえば、iMac Proは、画面と本体を分離したモジュラー・デスクトップ型に代わるものとして、一体型を提示している。最新のMacBook Proは、ハイエンドのとんでもない性能を誇っている。

そこで中心的な役割を果たすのがMojaveだ。ここに込められた目玉機能の多くは、まさにそうしたパワーユーザーに向けたものだ。ダークモード、ギャラリー表示、ファイルのメタデータ、スタックは、新機能の中でも際立つものであり、クリエイティブ業界のプロたちが熱望していたものだ。

ひとつお断りしておくが、私を「クリエイティブ業界のプロ」に含めるためには、みなさんが抱いているその定義をうんと広げていただく必要がある。Appleが近年のイベントで、写真家やプロデューサーやインタラクティブ・アーティストを持ち出すとき、正直言って、私もその一員だと思い込んでいるからだ。

ともかく、私は毎日の仕事の中で、前述の機能の多くを便利に利用させてもらっている。この4カ月ほどの間、ほとんどの時間をこれらの機能と過ごしてきたその経験を活かして、ここに、私がもっとも便利だと感じたMojaveの新機能を紹介しよう。

スタック

新しいmacOSのバージョンが登場し、新機能が加わるごとに、見た目にわかりやすいものは、すぐに日常の操作で活躍するようになる。その新機能により、作業が速くなり、生産性が上がり、整理もつくと思えば、わくわくする。しかし、それらが体に染み込むには時間がかかり、慣れようとする努力が次第に失われ、最後にはそんな機能があったことすら忘れてしまうのがお決まりのパターンだ。

その原因が、私の無秩序で特異な整理方法にあることはわかっている。そこは、どんなに責められても仕方がない。しかし、そうした機能は善意で作られているものの、操作が厄介なのだ。スポーツジムの入会金を払っただけで、新年の抱負が守られるわけではない。それと同じだ。

ところがスタックは、率直に便利だ。Appleがデスクトップ・ベースのフォルダ・システムを廃止してから、私のデスクトップは散らかるばかりだった。コンピューター内の適当な場所に汚れた洗濯物を放り出すような感じで、だらしないし、自分でも嫌だった。でも、どうしたらいい?

ひとつの解決策は、Mojaveにアップグレードすることだ。Appleはダークモードを旗艦機能として力を入れているようだが、地味ながらスタックが最高に便利な新機能だ。デスクトップが散らかっていたら、壁紙をControl+クリックするか、メニューバーの「スタックを使用」を選択すれば、ファイルを自動的に重ねて(スタックして)くれる。

デフォルトでは、ファイルはタイプごとに分類されるようになっているが、ドロップダウン・メニューで、これを「最後に開いた日」、「追加日」、「作成日」または「タグ」に切り替えることが可能だ。パイル(重ねたアイコン)をクリックすれば、重ねられたアイコンが展開し、一瞬にしてすべてを見ることができる。

そうそう、「スタックを使用」をもう一度クリックすると、すべてが元の場所に戻り、無秩序なデスクトップを取り戻すことができる。

ダークモード

AppleがWWDCでMojaveを発表したとき、「ダークモード」は観客の絶大なる関心を引いた。それは、会場が開発者で埋め尽くされていたからだ。この機能を使いたくてうずうずしているのは、開発者ばかりではない。暗室で画面を見る時間が多いビデオカメラマンやカメラマンにとっても、この機能はありがたいはずだ。

これを有効にすると、対応するアプリも、みなデフォルトでダークモードに切り替わる。境界線と背景は暗くなり、暗い背景では文字が白くハイライトされる。数カ月前、私がMojaveを使い始めたころは、対応するアプリケーションが少なくて悲しい思いをした。その当時、対応していたのは、メール、連絡帳、カレンダー、Safariリーダーなどの付属アプリがほとんどだった。

それは無理もない。あれは、お手本を示していたのだろう。それから状況は少し改善された。Dark Mode Listのサイトによれば、macOSとiOSの両方で、現在少なくとも78のアプリがダークモードに対応しているという。

まだ始まったばかりだ。道のりは遠い。これに対応したアプリと非対応のアプリを切り替えながら使うと、その効果は薄れてしまう。現在、Safariは対応しているが、FirefoxやChromeは対応していない。Apple製品でも、Pagesなど、あらかじめインストールされていないアプリは対応しない。対応リストが開発者向けツールに大きく偏っているのは、仕方のないことだ。

Mojaveは今日(9月24日)正式リリースされたが、私は、多くのアプリメーカーがいち早くダークモードに対応することを期待している。それまでは、それを必要とする人にとって便利な機能であり、その他の人には、ちょっと素敵なオプションということになる。

ダイナミックデスクトップも面白い新機能だ。ただし、今のところ選べる壁紙は、標準のモハベ砂漠の画像と、Solar Gradientの2種類しかない。どちらも、1日のうちに変化し、太陽が沈むとだんだん暗くなる。これはダークモードと組み合わせると面白い。登場して久しいブルーライトを軽減する機能Night Shiftに、新しい楽しさを加えるものだとも言える。壁紙の種類がもっと増えれば嬉しい。

スクリーンショット

一般のみなさんよりも、私がいちばんこの恩恵を受ける人間であることは、認めよう。私は、日々の仕事でこれを使っているからだ。スクリーンショットを撮影すると、画面の右下にサムネールが現れる。iOSのときと似ている。

それは数秒経つと画面から消える。撮影結果を素早く確認できる、便利な機能だ。サムネールをクリックすると、画面いっぱに拡大されて、必要ならば編集もできる。また、スクリーンショットのデータは、プレビュー、メッセージ、メール、書類、クリップボードなど、好きな場所に保存できるようになったので、デスクトップが散らかる心配がない。

Shift+Command+5を押すと、小さなコントロールパネルが現れる。そこで、画面全体、ウィドウ、画面の一部の撮影かが選べるようになっている。さらに、画面全体または画面の一部の動画撮影もできる。動画は少しだけ使ってみた程度だが、静止画のスクリーンショットは、この記事の画像を準備するときも大いに役立った。

連係カメラも、ここで紹介しておくべき便利な機能だ。これは、Appleのデバイス間の連係機能を柔軟にする新しい道筋を示すものだ。名前が堅苦しいが、Pages、Keynote、Numbers、メモ、メール、メッセージ、テキストエディットといったMac付属のアプリに組み込まれている。

アプリを開いたら、「写真を撮る」をクリックする。すると、Macは接続されたiPhoneまたはiPadを使ってメディアをキャプチャーできるようになる。写真を撮影し「写真を使う」をクリックすると、それだけで写真がアプリに挿入される。魔法のような、よくできた機能だ。正直言って、これまでこうした機能を使う機会は、そう多くはなかった。ノートパソコンで原稿を書いているとき、近くにあるものを撮影して記事に反映できたら面白くなるのにと残念に思ったことが、何度かある程度だ。

しかし、書類をスキャンしてPDFに読み込ませるのは便利かも知れない。数カ月前、中国のビザを申請するときに、その機能を使えばよかった。新しい機能が山ほどあるわけだが、重要なのは、それを日常の仕事の流れに組み入れる機会を逃さないことだろう。

Finder

「ギャラリー表示」は、以前のCover Flowを改良したものだ。ファイルの大きなサムネールが表示され、その下に小さなサムネールが並び、スクロールできる。画像は完全な形で表示されるので、とくに大量の画像をスクロールさせて確認したいときに便利だ。

完全なメタデータを追加できる機能は、明らかにプロを意識したものだ。写真をクリックすると、サイドペインに大量の情報が示される。ほとんどのユーザーは、その情報の意味すらわからないだろう。標準的なファイルサイズや画角に加えて、カメラのモデル、絞り値、EXIFデータなども表示される。

クイックアクションでは、iPhone式の編集ツールがサイドペインの下部から使えるようになる。これで画像の回転もできる。私の仕事では、この機能が大変にありがたい。Adobe PDF風に、いろいろな方法でマークアップできたり、ハイライトやサインの記入なども可能になる。これによって、「プレビュー」がちょっと無駄な感じになってしまった。その目玉機能がデスクトップから直接使えるようになってしまったからだ。

iOSアプリをデスクトップで使う

これは、戦略的な視点からすると、もっとも興味深い新機能だ。Appleは、開発者に対しても、一般ユーザーに対しても、長年の噂になっていたmacOSとiOSの統合は「ない」と断言した。そこで私たちは、みんなで安堵のため息をもらしたのだが、Appleはその境界線をさらにぼかす新しい方法を示した。

Appleは、モバイル用アプリを簡単にデスクトップ版に変換できるようにしたのだ。なぜか? ひとつには、Appleが、MacのApp Storeでもっとデスクトップ用のアプリを売りたいからだ。それには、経済的、エコシステム的、セキュリティー的な理由が数々あるが、その中でもっとも大切な理由は明白だ。またAppleは、人気のソフトメーカーに、Appleのすべてのプラットフォームにコンテンツを作ってもらうことを、とても重要に考えている。

それを実現するために、Appleは、自社製アプリのボイスメモ、株式、ホーム、Newsのうち3つをデスクトップでも使えるようにした。なかでもNewsは、私が大いに利用するアプリのひとつとなった。ウェブブラウザーでいくらでもニュースが見られるのに、独立したニュースアプリを使うなんて馬鹿げてると思われるかも知れない。しかし、それをインストールして、キュレーションの設定を行うと、私は、最新ニュースの通知をとてもありがたく感じるようになった。

ニュースを見る方法は無数にあるが、Newsは手軽に見られるところが便利だ。とは言え、私が直接そのアプリを開くことは、あまりない。画面に現れる通知から、面白そうな話題をみつけるということがほとんどだ。幸いなことに、それほど頻繁に通知が出るわけではない。もしそうだったら、頭がおかしくなっていただろう(訳注:日本語モードではNewsは使えません)。

ボイスメモも面白い新機能だ。iOSとのクラウドを使ったシェアリングでは、これがキラーアプリになる。iPhoneで何かを録音すれば、それをデスクトップで聞いたり編集したりできる。デスクトップでは、あまり鮮明に音声を録音することができないので、iPhoneを取り出して録音するのが理にかなっている。

この動作は、録音中であることをほかの人に気づかせる役割も果たす。音源にマイクを近づけるのも簡単だし、録音中にキーボードを叩く音を気にしなくても済む。

iOSアプリのデスクトップ版は、ユーザーエクスペリエンスの観点からも面白い。サイズは変わっても、内容はほとんど変わっていない。そこがポイントだ。一から作り直すより、すでにあるものを移植するほうが、よっぽど簡単だ。もちろん、Macにはタッチスクリーンがないので、ポインターで操作しなければならないのだが。Macの画面を指でタップしそうになったところを見られたら、ちょっと恥ずかしい。

私は、Appleのスマートホーム・アプリのデスクトップ版ホームを使っているときに、それをやらかしそうになる。iOS版と同じ、四角いタイルが並んでいるからだ。しかし、オリジナル版と同じ画面デザインであることには、ユーザーにしてみれば意味がある。家のすべてのホームアクセサリに、仕事場でも移動中でも、同じインターフェイスで操作できるのは便利だ。

その他いろいろ

あとは、箇条書きでさくっと行こう。

  • 32人対応のFaceTimeのチャット機能は、秋の終わりごろにmacOSに追加される予定だ。面白そうなので、ぜひ試してみたい。大きな画面じゃないと、管理が難しそうだ。
  • MacのApp StoreとiTunesも作り変えられた。この更新は、ユーザーとの結びつきを強めるための、人による情報の提供を推進するというAppleの方針に従ったものだ。音楽のようなものは、人間が紹介文を書くのがよいと私も考える。
  • Macも、iPhoneと同じように、アプリがカメラやマイクにアクセスするときにユーザーの同意を求めるようになった。だからって、急いでカメラのマスキングテープを剥がすべきだとは思わないが、これは良いことに間違いない。
  • Appleによると、Safariのセキュリティー機能が強化され、去年追加されたインテリジェント追跡防止機能も強化された。

ウェブページを閲覧すると、そのデバイスの特性を利用して、広告主がユーザーを追跡できるようにする「指紋」が作られる恐れがある。Safariでは、単純化したシステム・プロファイルを共有することで、これを阻止できるようになった。強化されたIntelligent Tracking Prevention(インテリジェント追跡阻止)機能が、ソーシャルメディアの「いいね」ボタンや「シェア」ボタンやコメント欄などの埋め込みコンテンツが、ユーザーの同意なしにユーザーを追跡することを防いでくれる。

アップグレードしよう

Mojaveはアップグレードする価値があるか? たぶん、ある。無料だし、面白い新機能がたくさん入っている。これを、TechCrunchのMac Proのレビュー記事のタイトルのように「開発者へのラブレター」と呼んでよいのかどうかわからないが、その新しいハードウエアとともにAppleは、クリエイティブな業界の人々に、Macの未来に彼らの居場所があることを明確に訴えている。

どこまで役に立つかは、人によって違って当然だ。しかし、私の場合は、たくさんの新機能が私の仕事のやり方をいい感じに効率化してくれたことを感じている。株式、ダークモード、そして改良されたスクリーンショットは、職場と自宅のマシンでベータ版を使ってきたこの数カ月の間に、とても便利であることがわかった。今日、すべての人たちに最新版が公開された。あなたも、確実にそのすべての試すことができるのだ。

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(翻訳:金井哲夫)

Oculusの共同創設者が競合他社製Magic Leapヘッドセットを「悲劇の誇大広告」と痛烈批判

企業の創業者が、競合他社の新製品をこき下ろすレビュー記事を書くというのは尋常なことではないが、Oculusの共同創設者Palmer Luckeyは、ずっと尋常ではない起業家で通ってきた。

昨日(アメリカ時間8月27日)、Luckeyは、自身の個人ブログに『Magic Leapは悲劇の誇大広告』と題したMagic Leapの開発者向けキットのレビュー記事を掲載した。その中で彼は、いくつかお世辞を述べてはいるものの、大部分は、その新製品の欠点の列挙と、同社の重役たちがAR技術のたわごとを並べていながら、結局は、彼が言うところの3年前のHoloLensに毛が生えたようなものに収まってしまった理由の説明に割いている。

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「Magic Leap ML 1に関する私のレビュー。メディアでは大きく取り上げられておらず、分析もされていない、いくつかの点に焦点を当てている」
「Magic Leapは悲劇的な誇大広告:このレビューのタイトルはよく考えて付けた。軽率な言葉ではない。私はVRにとって最高のものを、そして現実-仮想連続体のための最高の技術を求めているのだ」

 

彼は、いくつもの問題点をレビューの中で掘り下げている。おそらく、もっとも深い洞察が行われているのは、ヘッドセットとコントローラーに使われているトラッキング技術に関するものだろう。それがユーザーエクスペリエンスを後退させているという。Magic Leap Oneのコントローラーには、磁気トラッキング・システムが使われている。Oculusを含むほとんどのVRメーカーが採用している光学トラッキング・システムとは大幅に違うものであり、概して複雑な仕組みになっている。クリック式のトラックパッドがないことを批判している段落を読めば、それがLuckeyの単なる個人的な好みの問題ではないことがわかる。

Magic Leap One Lightwear

 

現在、LuckeyはVRの日々を卒業して、(ほぼ)転職を果している。彼の新しい会社Anduril Industriesは、国境警備のための技術開発に特化した企業だ。しかし、彼はまだハードコアなVR愛好家としての評判が高く、VR世界では大きな発言力を持ち続けている。

彼の不満の原因は明らかだ。Magic LeapのCEO、Rony Abovitzは、この数年間、多額の資金を調達して、秘密裏に技術開発を行い、公には既存の技術をこき下ろしていた。Luckeyは、それがARやVRの分野への投資意欲を削いでしまうと心配していた。目の前に非現実的な期待をぶら下げられた投資家は、比較的保守的なアプローチで売り込みをかける既存の企業への興味を失ってしまうからだ。

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Palmer Luckey「驚き!」
Fernando Serrano「悪いけど、こうするしかなかった」

 

もっとも辛辣な言葉は、Magic Leap Oneのディスプレイ技術のために残されていた。Luckeyは、他のメーカーの視野にあるものと、まったく変わらないと指摘している。Magic Leapの開発チームは、彼らが作っているものを説明するときに、独自の専門用語を作り出すほどだったのに、自分たちで言い出した技術を完成できなかったとLuckeyは言っている。

彼らはそれを「Lightware」と呼んでいる。長年にわたり、彼らの宣伝文句の中心的な存在だった。また彼らは、「フォトニック・ライトフィールド・チップ」、「ファイバースキャンイング・レーザーディスプレイ」、「デジタル・ライトフィールドをユーザーの目の中に投影する」技術、さらには、数十年間にわたってヘッドアップディスプレイの世界を悩ませ続けている「輻輳(ふくそう)調整不調和を解決」する方法、つまり、両方の目の焦点と「ふくそう」を常に一致させるための、「恒久的神経疾患」や脳障害を予防するために必須であるとMagic Leapも訴えてきた、この世界では聖杯とも言うべき技術について、繰り返し語ってきた。ふくそう調整不調和の解消技術は、VRよりも、デジタル要素と現実の要素との整合性を保たなければならないARにおいて重要になる。

要約:「フォトニック・ライトフィールド・チップ」は、反射型シーケンシャルカラーLCOSディスプレイとLED照明とを組み合わせた、単なる導波管に過ぎない。同じ技術は、もう何年も前から広く使われている。Microsoftの最終世代のHoloLensもそうだ。Magic Leap Oneは、「ライトフィールド・プロジェクター」ではない。または、広く認知された定義によるディスプレイでもない。「2焦点ディスプレイ」なので、ひとつかふたつの焦点面にすべてのUIと環境要素を配置した怪しいデモで、ふくそう調整不調和を解決したように見せかけている。それ以外の距離では、不調和が起きる。止まった時計でも、1日かならず2回は正確な時刻を示すというのと同じだ。

彼はまた、ヘッドセットの視野の狭さも指摘している。ただ正直なところ、彼は、もっと単純な光学システムを使った他社製のARヘッドセットと比較しているので、ちょっと不公平に思える。Magic Leapのディスプレイの視野範囲は、HoloLensのものよりも40パーセント大きいと見積もられているが、それでも人によっては狭いと感じるのかも知れない。

もしこれが、鳴り物入りで登場した製品に対する誰かさんの辛口批評に聞こえたなら、そのとおりかも知れない。Luckeyは、同社の注文番号のシステムから、売り上げを試算している。

Magic Leapの注文状況は、発売から数日の間は、じつに簡単に把握できた。私は友人から注文番号を見せてもらい、注文した時間と比べてみた。そこから、私は最初の1週間の売り上げを予測できると確信した。残念ながら、彼らは私がこのことをツイートした直後に、システムを変更してしまった。私が集めた情報を元に計算すると、最初の週で2000台が売れている。しかし、それは最初の48時間に大きく集中している。そこから推測するに、現時点での販売台数は、3000台を下回る。これは残念なことだが、確かな理由がある。私はMagic Leap Oneを持っている人を100人以上知っているが、彼らの中にAR開発者はわずかしかいない。ほとんどが、技術系企業の重役か、「インフルエンサー」か、初期のころに業界にいたが、ARアプリを開発しようという気がもうない人たちだ。黎明期のVR業界にとって、これは大問題だ。何千何万という開発者がいて、何千何万という開発キットが売れているにも関わらずだ。この問題の桁数が大きくなれば、Magic Leapにはとても厳しいことになる。

Luckeyは、このレビューの続編を書くつもりはないようだが、レビュー用にしばらく遊んだ後、彼は個人で買ったMagic Leap OneをiFixitに渡して分解を依頼している。

このレビュー記事が公開されると、Magic LeapのCEO、Rony Abovitzは、アニメ『アバター 伝説の少年アン』のキャラクターとLuckeyとを比較した、じつに奇妙なツイートをしている。それに続いてもうひとつ、さらに奇妙なツイートを出している。

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「この社会は不和に満ちてる。人々を団結させよう。私たちのデジタルとフィジカルの世界を統合しよう。創造しよう。そして、アーティストとなって作って遊ぼう」

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「Magic Leapの旅もパーティーも、これから面白くてクリエイティブで物凄いものになる。目標ははっきり見えている。誰でも歓迎する。ただし、どうかお行儀よく」

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(翻訳:金井哲夫)

偽レビューの真実――お金で買えるベストセラーとAIの可能性

かつてMary Strathernは「指標が目的化すると、その数値は指標としての意味をなさなくなる(グッドハートの法則)」と語った。シェイクスピアに言わせれば、守るよりも破ったほうが名誉になるルールということなのだろうか。アルゴリズムが支配する私たちの社会では、多くの指標が目的に姿を変え、その意味を失っていった。この記事では本を例にとって、この問題について考えていきたい。

「No.1ベストセラー!」というのは、”集合知”を反映した高品質の証だ。つまりこれは指標であり、今日の世界では目標でもある。一体「No.1ベストセラー」とは現在どんな意味を持っているのだろうか? Kindle Storeを見てみると……

Kindle Storeがどれだけ使えないか知りたければ、全体でナンバー1の本を見てみればいい。

……New York Timesのベストセラーリストはどうかというと……

New York Timesのベストセラーリストで第1位に輝いたヤングアダルト小説が同リストから抹消された。複数のヤングアダルト小説家がTwitter上で『少女探偵ナンシー』ばりの調査を行った結果、特定の書店で問題の小説が大量に事前予約されていたことがわかったのだ。

……と、「ベストセラー」という言葉は、もはやあまり大きな意味を持っていないとわかる。どうやらKindle StoreにしろNew York Timesにしろ、ベストセラーの称号はお金で買えるようなのだ(確かにNYTは問題に対処したが、調査を行った人たちがいなければ件の本はベストセラーのままだっただろう)。

ポスト真実の現代においては、これもあまり驚くべき話ではないのかもしれない。そもそも賞やランキングといったものは程度の違いこそあれ、人の手が加えられたものばかりだ。しかし今では、ランキングの多くがキュレーションなしでアルゴリズムによって決められるため、同じようにアルゴリズムの力を借りることで、簡単に操作できるようになってしまったのだ。そして世界中(もしくは少なくともアメリカ国内)で起きていることを見ればわかる通り、いずれこのような事件は政治的な問題へと発展していく。

プライドの高い作家は、New York TimesWall Street JournalAmazonのベストセラーリストの座をお金で買おうと試み、どうやらときにはそれが成功することもあるようだ。

その一方で、Amazonが偽レビュー取り締まりを行い、偽レビューを検知するサードパーティーのプラグインが配布されているかと思えば、気に入らない本に嘘のネガティブなレビューを残す”レビューの乱用”も横行している。真実と虚偽がせめぎ合う様子は偽ニュースの問題を彷彿とさせ、どちらが優位に立っているのか判別するのも困難な状況だ。

私は何冊か小説を出版していることもあり、この問題には個人的な思いがある。これまでにも知人から、私の本に5つ星のレビューを書くから、その人のアルバムに5つ星の偽レビューを書いてくれないかという類の話をされたが、いくばくかの嫌悪感を抱きながら全ての提案を断った。友人に良いレビューを残すよう頼んだことも一度もない。Amazonのレビューシステムをミシュランと勘違いしたのか、1つ星とともに激賞の言葉が並んだレビューにため息をついたこともある。人は嘘の称賛を嗅ぎ分けられると自分に言い聞かせてきたが、本当はそうではないのではないかと不安になる。

もちろん本のレビューに関する問題は、作家という一部の変わった人たちにしか関係のないことかもしれない。しかしそれ以外にも似たような問題は散見し、偽ニュース、偽科学、資格・スキルの詐称など枚挙にいとまがない。人はある指標を攻略しようと嘘をつき、指標自体を新しく考え出すことさえある。その指標も、証明できる事実や統計からソーシャルメディア上の繋がり、学歴、功績まで内容はさまざまだ。さらに情報過多の現代では、ただでさえ短いアテンションスパンを慎重に使うために、私たちは情報を選別するための第一歩としてアルゴリズムによる雑なフィルタリングに頼りがちだ。だがそうすることで、どれだけの真実が手からこぼれ落ち、逆にどれだけの嘘が監視の目をかいくぐって頭の中に入ってきてしまっているのだろうか?

しかし私たちには人工知能(AI)という名の一縷の望みがある。細かなパターンの認識や、目標にとってかわった粗雑な指標の代替というのはまさにAIの得意分野だ。ApectivaをはじめとするAI企業は、偽レビューを検知したり、本当のレビューから有用な情報を取り出したりするソフトを開発している。

もちろんAIにもバイアスや適合性、ブラックボックスの問題があるが、今私たちが直面している問題に比べれば大したことはない。未来のニューラルネットワークが、仕組まれたレーティングや偽レビュー、偽アカウントを認識できるようになることを祈ろう。ただそれも、AIが検知できないような偽レビューを書くAIが出てくるまでの話だ。こうして真実と虚偽のせめぎ合いは続いていく。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Luna DisplayでiPadをワイヤレスRetinaディスプレイ化――タッチ操作にも対応

ワイヤレス外部ディスプレイには、ラグや画質、接続の安定性など、まだまだ実用上の問題がたくさんある。しかし、iPadをペンタブ化するAstropadというアプリの開発元が、高品質で簡単に使え、頼りがいのあるワイヤレス外部ディスプレイを作るのは不可能ではないということを教えてくれた。Kickstarterプロジェクトとしてはじまった彼らの新製品Luna Displayは、近日中に販売開始予定だ。

Luna DisplayはUSBメモリとほぼ変わらないくらいの大きさで、Mini DiplayPort(Thunderboltポートにも対応)とUSB−Cポートに対応した2種類のモデルがある。そしてこのドングルとiPad用アプリがWi-Fi経由で連携し、データのやりとりを行うという仕組みだ。

iPad用のディスプレイアプリは、Astropadを含めワイヤレスでMacと接続するものが多い中、なぜLuna Displayは物理的なドングルという形をとったのか? その理由は極めて単純で、Macのグラフィックカードにアクセスするためだ。このドングルは、接続されたMacのグラフィックハードウェアの能力を最大限活用(Metalもサポート)し、ソフトウェアだけでは不可能なレベルのパフォーマンスを実現している。つまり物理的なデバイスのおかげで、Retinaディスプレイを最大限活用し、動画を含むさまざまな種類のメディアを高解像度でiPad上に表示できるのだ。

今回私がレビュー用に受け取ったものはプロトタイプだったため、販売開始までにはさらに手が加えられるものと思われるが、その性能は目を見張るほどだった。実は私は長い間iPadをセカンドディスプレイとして使っており、これまでは満足のいく性能を引き出すために、iPadとMacを有線接続してAstropadの競合にあたるDuet Displayのアプリを使っていた。

Luna DisplayならRetinaディスプレイの解像度を最大限活用できる

Luna Displayの素晴らしい点は、ワイヤレス接続にもかかわらず画質でDuet Displayに勝っているということだ。誤解のないように言うと、Duet Displayも決して悪くはない。しかしLuna Displayの再現性は、ワイヤレス接続では考えられないほど高く、YouTubeなどの動画コンテンツも十分楽しめるレベルだ。

正式なリリース前のソフトウェア・ハードウェアということもあり、ウィンドウを動かしたときやアニメーションや動画コンテンツの視聴時には、画面の一部がピクセル化することもあったが、これも気になるほどではなかった。まだ本プロダクトはベータ段階にあり、アプリもAppleのTestFlight経由で入手したものだということも付け加えておきたい。

上述の問題を除けば、タッチ操作への反応も良好だった。Windowsを搭載したタッチスクリーン対応のマシンが既に多く登場していることを考えると、Macユーザーの中にはこの機能を求めている人もいるだろう。Luna Displayは指を使ったスクロール、ピンチオープンでの拡大、さらにはApple Pencilにさえ対応しており、私が想像していたよりも操作性は遥かに良かった。Astropadによれば、デジタルデザイナー向けに作られたAstropadアプリの機能も、そのうちLuna Displayに導入されるようになるとのこと。

総括として、Luna Displayは携帯性に優れた外部ディスプレイソリューションであり、特に単なるセカンドディスプレイではなく、高い色再現性を誇る外部Retinaディスプレイを求めている人にはうってつけのプロダクトだ。グラフィックの分野ではiPad Proが高い評価を得ているが、iPad Proを即座に外部ディスプレイに変換し、緊急時にはタッチスクリーン式のMacとしても使えるというのは、本当の意味でのゲームチェンジャーだと言える。

Lunac DisplayのKickstarterプロジェクトは現在も継続中で、59ドルでUSB-CもしくはMini DisplayPort対応のドングルをひとつ購入できる(2018年5月出荷予定)。その他にもドングルに加えてAstropad Studioを1年間利用できる99ドルのアーティストバンドルなど、さまざまなオプションが準備されている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

”走るリッツカールトン”――アメリカで話題の寝台バスCabinに乗ってみた

寝台バスのCabinが目指すのは、車輪がついたリッツカールトンホテルだ。

先々週、サンフランシスコ―ロサンゼルス間をCabinのバスで移動したので、その様子を以下にお伝えしたい。まずサンフランシスコの乗り場に到着すると、笑顔の乗務員が私を迎え、チェックインを済ました後に荷物を持っていってくれた。いざバスの中に入ってみると、乗車後すぐに寝たくない人のために設けられた談話ラウンジが目に入ってきた。

しかし私はそこを素通りし、まずは上階に上がって自分のベッドを選ぶことに。避難口付近の1番上に設置されているカプセルが今日の私の寝床だ。避難口横に並んだカプセルは、他のものに比べてスペースにゆとりがある。それぞれのカプセルには耳栓や水、メラトニンサプリ(睡眠導入剤)などバスで夜を過ごすのに必要なものが備え付けてある。寝床を選んでから少しすると、近くの人が写真を撮ろうかと聞いてくれたので、もちろんお願いした。

寝台バス仲間が撮ってくれたくつろぐ私の図

サンフランシスコからの出発時間は午後11時だったので、仕事を途中で切り上げる必要はなかった。さらに到着時間はサンタモニカに午前7時なので、土曜日をまるまるロサンゼルスで過ごせた。復路はロサンゼルスを日曜の午後11時に出発し、月曜の朝7時にサランフランシスコに到着というスケジュールだった。

SF―LAの往復で料金は230ドルだ。この料金には寝具、Wi-FI、水、紅茶、コーヒー、耳栓、メラトニンサプリが含まれている。バスの下部にはひとり2つまで荷物を預けることができ、自分のカプセルに収まるサイズの小さな荷物は1つだけ持ち込める。

Cabinは決して価格重視の交通手段ではない。BoltやMegaBusを使えば、SF―LA間を50ドルくらいで往復できる。もちろん飛行機という選択肢もある。移動にかかる時間は飛行機が1番短いし、(いつ頃チケットを予約するかにもよるが)そこまで高いということもない。

「ロサンゼルスまで行くのに1番安い選択肢ではない、ということは正直に伝えています」とCabinの共同ファウンダーで社長のGaetano Crupiは言う。彼は私たちと一緒に、初運行となるCabinに乗っていた。

とはいっても、Cabinがもっとも快適な選択肢であるのは間違いない。SF-LA間を50回以上往復している私が言うのだから信じてほしい。ただ、ベッドが装備されたカプセル自体は快適なのだが、デコボコ道が問題だ。往路ではなかなか寝つけなかったが、それが昼寝のせいなのか、デコボコ道のせいなのかはよくわからない。朝”目が覚めた”ときに、本当に自分は寝ていたのかわからなくなるような感覚を味わった。

それに比べて復路はかなりよかった。乗車後すぐに眠りに入って一晩中ぐっすり休め、寝台バスに乗っている夢まで見た(なんとメタな夢だ……)。朝を迎え、ラウンジがある下階へ向かうと、乗務員がエスプレッソを勧めてくれた。そしてモーニングコーヒーを飲み終えるころには到着時間が迫っていた。

  1. bus-morning

  2. bus-sf

  3. group

  4. mrd-pod

  5. pod-after

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  7. pod-note1

  8. pod-supplies

  9. pods

  10. wake-up

SleepBusからCabinへ

正式なサービスを開始する前に、CabinはSleepBusという名前で、LA―SF間を移動する寝台車を運行していた。このパイロットプロジェクトのチケットはすぐに売り切れ、4000人以上があぶれてしまったとCrupiは話す。Crupiともうひとりの共同ファウンダーTom Currierは、資金調達を行った後に何がそこまで好評だったのかを考え始めた。

「ただバスの中で寝たいなんていう単純なものではありません」とCrupiは笑いながら言った。「それが顧客の心に響いた理由ではありませんし、それではプロダクトにも成りえません」

そこでふたりは実際に顧客の一部から意見を聞き、全ては時間が理由なのだという結論にたどり着いた。しかし彼らはただの寝台バスではなく、ホステルのようなサービスを提供しようと考えたのだ。

「私たちの考えが反映されているのはここからなんですが」とCrupiは続ける。「今やどの会社も自動運転技術の開発を行っているため、将来的にこの技術はコモディティ化していくと思います。では車内で2時間過ごすとして、運転に気を使わなくてよくなったら、そもそも従来の車と同じかたちをしている必要もありませんよね?」

そんなCabinが目指すのは「リッツカールトンのような空間」だとCrupiは話す。さらに彼は、アメリカの長距離交通網の問題にも触れ、「本当にひどい状態」だと語った。また彼は、今後自動運転技術が発展するにつれて、高速道路を利用した長距離交通網が発達していくと考えている。

「私たちが考える未来は、”高速道路を走る電車”です」とCrupiは言う。「そして『顧客は車内に7時間いることになる』と考えると、デザインやサービスの重要性がわかってきますよね」

だからこそCabinは、乗務員やプライベートな空間、アメニティといった細かなところにまで気を配っているのだ。最終的にはコーヒーやお茶などの車内販売も考えているという。

「私たちは自動運転車のエクスペリエンスを、将来ではなく今提供しているんです」と彼は続ける。

Cabin設立当初から、CrupiとCurrierは常に自動運転車のことを考えており、将来的にはエクスペリエンスだけでなく本当の自動運転寝台バスを提供するようになるかもしれない。

Crupiいわく「私たちは、自動運転車が人の生き方にどのような影響を与えるか、ということにとても興味を持っています。通勤にエネルギーを使わなくてもよくなれば、都市部への人口集中が緩和され、子どもを自然の中で育てられるなど、街づくりや住む場所と働く場所の考え方に関し、さまざま良い変化が生まれるでしょう」

自動運転技術の実用化にはまだ時間がかかりそうだが、CrupiとCurrierは今の時点で自動運転車のエクスペリエンスを顧客に提供したいと考えたのだ。「車に乗って寝て起きたら目的地に到着している、というアイディアにずっと魅了されています」とCrupiはその理由を説明する。

走るホテルの運営にあたって

夜間に運行できるよう、Cabinはこれまでに3台の寝台バスを製造した。SF→LA、LA→SFに1台ずつを走らせ、もう1台をバックアップとして使っている。さらにこれから9月1日までに、だんだんと運行数を増やしていく予定だ。

先述の通り、私が乗ったのはCabinとしては初めて運行されたバスだった。先週末には2度目の運行が行われ、今後徐々に洗濯物やゴミ、排泄物の処理といったオペレーションのすり合わせが行われる。

「バスは常に動き回っているので、どこかと協業しないと運営していけません。洗濯物はどこかで回収してもらって、またどこかでピックアップしなければいけませんし、燃料についても同じです。その一方で、空港のような場所が要らないというのは、Cabinのような交通手段の大きなメリットのひとつとも言えます」とCrupiは語る。

営業時間外のCabinはさまざまな場所に停まり、乗客を拾うときはツアーバスの乗り場を使っている。サンフランシスコとサンタモニカでは運営許可を取得しているので、法的な準備も万全だ。

「多くのスタートアップは『規制対応は後から』という姿勢ですが、私たちは警察に没収されるかもしれない資産を使ってビジネスを行っているので、サンタモニカの都市設計部門から路線の許可をとりました。コンプライアンス面はバッチリです」とCrupiは話す。

彼によれば、次の四半期の間にCabinはホスピタリティの部分にさらに力を入れる予定だが、カプセルの大きさや見た目についても試行錯誤を重ねていくようだ。

路線拡大に関しては、ポートランドとラスベガスを次なる進出先として検討しているとのこと。その一方で、アメリカ中部にも「大きなチャンスが眠っている」とCrupiは関心を寄せている。

「線路が要らない高速道路網を使えば、割高でも利用したい人がたくさんいるというのに気づいたのは大きかったですね。限られたインフラを使って、ヨーロッパ旅行のような体験をアメリカ国内で提供しているようなものです」と彼は話す。

最近Cabinは330万ドルを調達し、新しい都市への進出を考えている。Crupi自身、Cabinは何億ドルという資金を調達できるようなタイプのビジネスではないと認めているが、今のところ同社には「十分に利益が見込めるビジネスモデルと、私たちに新たな洞察をくれる顧客ベースがある」と彼は言う。

FAQ

  • 車内で眠れた?
    往路に関しては多分。復路はしっかり寝られた。
  • カプセルに鍵は付いてる?
    付いていないが、特に不安は感じなかった。
  • 車内で騒いでる人はいた?
    ラッキーなことにいなかった。むしろ皆かなり早い段階で寝始めたので、物音さえほとんどしなかった。例え眠れない人がいても、ラウンジが用意されているのでそこまで問題になることはなさそう。
  • トイレは汚かった?
    全く!バスのトイレとしては綺麗な方だったと思う。タンポンも完備!
  • 飛行機の方が安いのでは?
    チケットを購入するタイミングにもよるが、ほとんどの場合飛行機の方が安い。
  • もう1度乗りたいと思う?
    長距離移動するとき、私は何かと不安に感じることが多い。フライトだと空港に遅くとも1時間前には着かなければいけないし、ようやくセキュリティゲートを抜けたとしても、天候やその他のくだらない理由(サンフランシスコ国際空港の滑走路の工事など)で遅延することもある。車での移動だと、何時間も起きていないと行けないし、助手席に乗っていたとしても脚は完全に伸ばせない。しかしCabinだと、出発10分前に乗り場に着けばよく、コンパクトながらもちゃんとしたベッドで寝られるのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake

Amazon、宣言通りインセンティブ付きレビューの大量削除で評価システムの信頼回復を図る

Amazon, the US e-commerce and cloud computing giant is said to hire 1,000 people in Poland. The company already hires almost 5,000 people in Poland and has service centers in Gdansk, Wroclaw and Poznan ON 14 April 2016. (Photo by Jaap Arriens/NurPhoto via Getty Images)

Amazonはインセンティブ付きレビューを同社のウェブサイトから禁止し、宣言通りにレビューを削除している。3万2000以上のプロダクトに渡る6500万のレビューの分析結果からそのことが分かった。プロダクトに対する不当に高い評価が横行し、信頼できないレビューが蔓延した問題を解決するため、Amazonはインセンティブ付きレビューの禁止に至った。

インセンティブ付きレビューとは、ベンダーがレビュアーに割引価格、あるいは無料でプロダクトを提供する代わりにAmazonで「誠実な意見」を書くことを依頼したレビューのことだ。データを見ると、インセンティブを受け取るレビュアーは、プロダクトに対して良い評価を与える傾向にある。インセンティブ付きレビューの評価の平均は5つ星中4.74だが、インセンティブなしのレビューの平均は4.36だ。

Amazonのサイトではこうしたインセンティブ付きレビューの数が増え、レビューシステム全体の信頼を脅かしていた。コンシューマーの購入判断にも影響を与える問題だ。

数百万件のレビューを解析し、コンシューマーが信頼できるレビューを見つけるツールを提供するReviewMetaの最近の調査結果によると、Amazonはインセンティブ付きレビューを速やかに削除していることがわかった。過去のレビューにも遡って削除しているようだ。

Amazonがインセンティブ付きレビューの禁止を発表した時、同社は長く掲載されているプロダクトの「過度」なインセンティブ付きレビュー、あるいは従来のポリシーに準拠しないレビューのみを削除すると伝えていた。

しかし、どうやらAmazonは古いレビューの多くも削除しているようだ。

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2016年8月1日以降の日毎のインセンティブ付きレビューの割合

ReviewMetaは自社のデータセットにある、すべてのカテゴリーに渡る3万2060のプロダクトのおよそ6500万件のレビューを解析し、Amazonの動向を調べた。

ReviewMetaの調査によると、Amazonは50万件のレビューを削除している。そのうち71%がインセンティブ付きレビューだった。削除したレビューの平均評価は4.75星であり、明らかに通常の評価の平均より高い。いくつかのプロダクトからは数千件単位でレビューを削除していた。例えば、この美容用スクラブからは9000件のレビューが消えた。

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2016年8月1日以降の全てのレビューの平均評価推移

次にReviewMetaは2週間かけてサブセットを解析し、Amazonのサイトにどれだけインセンティブ付きレビューが残っているかを調べた。

1000万件のレビューを解析したところ(ReviewMetaのウェブサイトに参加しているコンシューマーのデータセットによる)、全体のレビューのうちたった1.5%がインセンティブ付きレビューだった。

「これは以前よりはるかに少ない数です」とReviewMetaのCTOを務めるTommy Noonanは言う。「私たちがAmazonで検出したインセンティブ付きレビュー1件あたり、データベースから2.6件のレビューが削除されていました」と削除済みのレビューの件数について話す。

この数字は、Amazonは大量のインセンティブ付きレビューを削除しているが、全てを見つけ出せたわけではないということを示しているのだろう。Amazonはインセンティブ付きレビューを禁止しているが、まだそうしたレビューがAmazonに流れ込んでいるのが原因だと考えられる。

とはいえ、禁止以降インセンティブ付きレビューの数は大幅に少なくなり、その結果全てのレビューの平均評価は低くなった。例えば、インセンティブ付きレビューを禁止する前日の全てのレビューの平均評価は4.73だったが、11月1日の平均評価は4.65までに下がっている。

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興味深いのは大量のレビューを削除しているが、Amazonのプロダクトの総合評価の大部分には影響がほとんどなかったことだ。プロダクトの総合評価とは、Amazonがコンシューマーに「このプロダクトの評価は 5つ星のうち 4.5」と伝える評価のことだ。この総合評価では、インセンティブ付きレビューの評価の重み付けが軽くなるように調整している。

「Amazonのプロダクトの総合評価では、インセンティブ付きレビューの多くは総合評価に影響を及ぼさないよう調整されています」とNoonanは言う。

インセンティブ付きレビューのほとんど(95%)には「承認済み購入者」のタグが付いていないのが主な要因だという。このタグはAmazonからプロダクトを直接購入したユーザーを示している。これまでも未承認のレビューはAmazonの評価システムで総合評価に影響を与えない仕組みだった(ただ、プロダクトについているレビューがそれしかない場合は、総合評価にも加味される)。

Noonanは、Amazonのインセンティブ付きレビューの禁止により、問題を十分に抑えることができていると結論づける。

「100%完璧ではないでしょう。しかし、Amazonはインセンティブ付きレビューの大半を取り除き、今後新たにそのようなレビューが付くことを止めることができていると言えます。レビュー業界の息の根を効果的に止めることができました」と彼は話す。

画像: Jaap Arriens/NurPhoto/Getty Images

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ハンズオン:自律飛行ドローンHover Camera Passport

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1年ほど前に、自律飛行が可能で、カメラも付いた新しいタイプのドローンが市場に(プレオーダーの形で)現れた。カメラとAIテクノロジーが組み合わさったこのドローンであれば、基本的にはユーザーが機体を空中に投げ上げるだけで、ドローンがユーザーの後ろをついて回って写真や動画を撮影することができる。

SnapLilyStaakerHoverなどがこのようなドローンの開発にあたっており、そのうちのほとんどが外部調達もしくはプレオーダーという形で何千万ドルもの資金を準備していたものの、実際の製品出荷までには時間がかかっている。

しかし、本日Hover(ZeroZero Roboticsの飛行カメラブランド)は、Passportと名付けられた同ブランド初のカメラドローンを発表した。現在の価格は549ドルに設定されており、最終的な予定小売価格599ドルから50ドル値引きされている。先週私たちはPassportを試すことができ、その性能には感動してしまった。

コンパクトなサイズ

数ヶ月前に私はニューヨークシティに引っ越してきて、大変気に入っているのだが、ドローンを飛ばすのは諦めざるをえなかった。予想される結果(と法律)を無視して、この街で図体の大きなInspireやPhantomを何百フィートも飛ばすなんてことはありえない。

しかしPassportなら話は変わってくる。折りたたみ可能なこのドローンの重さは242gで、飛行モードのときのサイズは本一冊分ほどだ。折りたたまれた状態だとビデオテープ程の大きさになる。街中を散歩する際に、このドローンを彼女のハンドバッグの中に放り込んでみたところ、最初こそ彼氏のドローンを持ち運ばなければならいことにイラついていた彼女も、そのうちドローンがハンドバッグに入っていることさえ忘れていた。スーツケース並のInspire用ケースのサイズと比べれば、Passportのサイズは夢のようだ。

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しかしもちろんPassportは、DJIのInspireやPhantomのようなフル装備のドローンではない。4Kの動画と1300万画素の写真を撮影することはできるものの、カメラの用途としては、クローズアップでの撮影や三脚を使うような場面での撮影が想定されており、本当の意味での空撮カメラではない。WiFi接続についてもドローンがユーザーから60フィート(約18m)離れると途切れてしまい、そこまで高く飛ぶようにはできていない。実際に使用していたときも、1、2度接続が途切れたが、このときはまだWiFiのカバー範囲をメーカーに確認していなかったため、ほぼ間違いなく私が60フィートの境界を超えたために起きたものだと思われる。もしも接続が途切れてしまったとしても、ドローンがその場に浮いたままでいるため、ユーザーは近づいていってWiFiに接続し直すことができる。

そして何百フィートも飛ばせない代わりに、ユーザーはPassportを屋内でも飛ばすことができる。これまでリビングルームでInspireを飛ばそうとしたことがあるだろうか?私はあるが、本当に絶対にオススメしない。その一方でPassportは、ニューヨークにある私の小さなアパートの中や、外に出て歩道で飛ばすには完璧だった。Passportには音波センサーと、1秒間に100枚の写真を撮影できる、下向きに取り付けられたカメラが搭載されており、どちらもPassportを所定の場所で飛行させるために開発された。この安定性のおかげで、狭い場所でも壁にぶつかるのを心配せずにドローンを飛ばすことができる。

結局DJIのドローンは何百フィートという高さまで飛んで建物全体の動画を撮影することができる一方、Hover Camera Passportは、ユーザーから数フィート離れたところで写真や動画を撮影するという、いわば飛行型自撮り棒またはパーソナルカメラマンのような製品なのだ。

カメラ

しかしこのような、新しいタイプのドローンに関する理想論も、いい写真や動画が撮れなければ成立しない。

Passportにはイメージスタビライゼーション機能(電子式と1方向のジンバルによる物理的なものの両方)が搭載されており、動画のブレを抑えるのに一役買っている。なお、ZeroZero Roboticsは、風が環境下では4Kではなく1080pでの撮影を推奨している。というのも、同製品のイメージスタビライゼーションのアルゴリズムは1080pに最適化されているためだ。

カメラの性能は、長編映画の撮影に使えるほどではないものの、必要最低限のことはできる。カメラのレンズは非常に小さく、iPhoneのカメラのレンズと同じくらいだ。さらに撮影した写真や動画のクオリティも、iPhone 6Sのカメラで撮ったものとほぼ変わらず、599ドルで買える242gのポータブルドローンと考えれば悪くない。

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さらにフラッシュも内蔵されており、ドローンが数フィートだけ離れている状態でグループ写真や個人写真を撮る際にはかなり役立つ。繰り返しになってしまうが、フラッシュが内蔵されているという事からも、Passportが空撮ではなくクローズアップ写真を撮るためにデザインされたということが分かる。

Instagram用や友人に送るためのものとしては、十分過ぎるくらいのクオリティの写真を撮影できるが、もしも映画のように見事な空撮映像を撮りたいという人が購入するとガッカリしてしまうだろう。

AIによる自律飛行とマニュアル操縦

見方によって、Passportがドローンよりも空飛ぶカメラに近いと考えられる理由が、かっこいい写真や動画を撮るために搭載されたテクノロジーの数々だ。一旦Passportを空中に浮かせれば、ビデオモードに移り、Follow・360-Spin・OrbitからAIモードを選択することができる。

Followは名前の通りだ。Passportのカメラがユーザーをとらえると、携帯電話上のストリーミング映像に写ったユーザーの体の周りに黄色いボックスが表示される。そして画面に写ったユーザーをダブルタップすると、ボックスが黄色から緑色に変わり、Passportがユーザーをロックオンしたことが分かる。そうすれば、ユーザーが歩き(もしくはゆっくり走り)回る後ろをドローンがついて行くようになる。さすがに走りながら急に方向転換したときには対象を見失ってしまっていたが、Follow機能はとても良くできていた。

Orbitもとても面白い機能だ。Followと同じ要領でPassportをユーザーにロックさせると、Passportが10フィート(約3m)程離れてユーザーの周りを回りだす。ユーザーが歩いているときにも有効で、撮影された動画はアクションムービーさながらだ。

素晴らしいことに、ユーザーはさらに、モバイルアプリ内のオンスクリーンジョイスティックを使って、Passportをマニュアルで操縦することもできる。自律飛行型のドローンの中には、AIの性能が良いからマニュアル操縦は必要ない(できない)と自慢気に謳っているものもある。しかしドローンを所有する上での楽しみの少なくともひとつが、自分でドローンを操縦することであるため、この宣伝文句は残念な結果につながることが多い。またPassportのサイズであれば、家の中を飛び回ることもできるため、さらにその楽しみが増える。

まとめ

Passportにはとても感動した。私はこれまでにも、”空飛ぶカメラ”という新たなカテゴリーに含まれるドローンを試してきたが、ほとんどが中途半端でガッカリするようなものだった。しかしPassportは本当に良くできている。InspireやPhantomのような怪物級のドローンを補完するサブ機を探している人や、屋内や人の周りでも飛ばせるようなエントリーモデルを探している人にとって、Hover Camera Passportはぴったりの製品だ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

IndyCarの写真に見るiPhone 7に搭載されたデュアルレンズの重要性

IndyCar drivers Will Power and Simon Pagenaud drive along the Embarcadero in San Francisco on Thursday, September 15, 2016. Photo by Brad Mangin

iPhone 7と7 Plusが先週ローンチされ、最も話題になった機能のひとつが(複数の)カメラだ。

特にiPhone 7 Plusには、広角と望遠という2つのカメラが搭載されている。そのため、iPhone 7 Plusは光学2倍ズームに対応しており、ユーザーはデジタルズームにつきものの歪みに苦しむことなく、被写体に近づいて撮影することができるようになったのだ。

光学ズームは、どんなカメラマンにとっても嬉しい機能である一方、2倍ズームによって何が変わるかというのは、実際に撮った写真を見比べるまではなかなか実感しづらいものだ。

以前にも紹介した、iPhoneのみで撮影を行うプロカメラマンのBrad Manginは、先週末にカリフォルニア州ソノマ(Sonoma)で行われたIndyCarを仕事で訪れ、iPhone 7 Plusで撮影を行った。新たに搭載された望遠レンズを試すことができた彼は、特に違いの表れた写真をいくつか共有してくれた。

  1. 編集ソフト:Snapseed

  2. 編集ソフト:Snapseed

例えば、上の2枚の写真で、Bradはトラック上の車を含む風景写真を撮影した。左側の写真は、光学2倍ズームの望遠レンズで撮影され、右側のもう一枚は通常の広角レンズで撮られたものだ。

右側の広角レンズで撮られた写真では、車が小さすぎるばかりか、トラックのサインやレーダーボードはほぼ解読不可能で、Bradの影さえ写り込んでしまっている。デジタルズームを使うこともできたかもしれないが、そうすれば画質が落ちてしまっていただろう。

  1. トロフィー(光学2倍ズーム)

  2. トロフィー(等倍)

別の作例が上の2枚だ。この写真は、カメラマンが動くことのできない場所で撮影されたとBradは説明する。右側の写真も悪くないが、トロフィー(そしてトロフィー型のパン!)のディテールを確認するには広角過ぎる。そして左側の写真に見られる通り、光学2倍ズームを使うことで、Bradは、物理的に被写体に近づくことができない状況でも、求めていた写真を撮影することができた。Bradは最近の撮影でiPhoneしか使っていないため、iPhone 7 Plusの望遠レンズがなければ、この写真を撮るチャンスを逃すしかなかったのだ。

もちろん、サードパーティ製のiPhone用レンズを使っても、このような写真を撮影することができる。実際Bradは、TechCrunchでも紹介した、新しいZEISSのiPhone用レンズを使うことも検討したと語っていた。しかし、専用のiPhoneケースの存在や、使っていないときでもレンズを支える必要があるといった欠点のせいで、外付けレンズを彼が利用することはなかった。結局Bradは、普通のカメラマンが引きずりまわらなければならない、動きに制限の生まれる装備を全て忘れ去るために、iPhoneオンリーのカメラマンになったのだ。

さらにBradは、望遠レンズの強みを利用せずとも素晴らしい写真を、何枚かiPhone 7で撮ることができた。

  1. 編集ソフト:Snapseed

    日の出。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    仲間のドライバーJuan Pablo Montoyaに話しかけるIndyCarドライバーのSimon Pagenaud(左)。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    Simon Pagenaudの車(22番)のアップ。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    朝の練習の後にエンジニアに話しかけるIndyCarドライバーのWill Power。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin
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    朝の練習の後にエンジニアに話しかけるIndyCarドライバーのSimon Pagenaud。GoPro Grand Prix of Sonoma開始前のソノマ・レースウェイにて。2016年9月18日(日)ソノマ・レースウェイ、ソノマ、カリフォルニア。写真:Brad Mangin

記事内の全ての写真は、撮影・編集(SnapseedとInstagramを使用)共にiPhone 7 Plus上で行われた。以前Bradが話していた通り、撮影に携帯電話を使うことで、被写体にカメラを意識させることなく近づくことができる。往々にして、大きなカメラを持った人が近づくと、人は普段通りの動きができなくなるものだ。

もちろんIndyCarには、昔ながらのデジタル一眼レフカメラを装備したカメラマンもいるが、Bradの写真はユニークで、そこからはイベントの舞台裏を垣間見ることができる。彼は、このようなスタイルを、「イベントの縁の端」を撮影した写真と呼んでいる。つまり彼は、スポーツイベントの参加者(もしくはカメラマンまでも)が注意を払うことのない、面白い瞬間を捉えようとしているのだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Mophieのワイヤレス充電システムCharge Forceレビュー

先月、Charge Forceと名付けられたワイヤレス充電システムを発表し、Mophieはワイヤレス充電こそが素晴らしいモノの未来だと謳っていた。理論上は、一日に何度も携帯電話に充電ケーブルを差し込むのが我慢できない人にとって、完璧な製品のように聞こえるが、本当に宣伝文句通りなのか確かめるため、製品を試してみることにした。

Charge Forceは、バッテリー内蔵ケースのJuice Pack(99.95ドル)、ワイヤレス充電ベース(39.95ドル)、車のエアコン吹き出し口に取り付けるベントマウント(59.95ドル)そしてデスクマウント(59.95ドル)でフルラインナップを構成している。節約したい人は、129.95ドルでJuice Packとワイヤレス充電ベースのセットも購入できる。

しっかりしているが大きすぎて無骨なケース

Mophie's desk stand looks fantastic, and can be turned sideways for Netflix binging on the move.

Mophieのデスクマウントは見た目も良く、横に向けてNetflixを楽しむこともできる。

アップデートされたJuice Packは、携帯電話の電池の持ちを向上させるのには素晴らしい製品だ。私の携帯電話を充電が空になった状態からでも、75%くらいまで充電することができ、これまでこの製品に救われたことが何回かある。また、Juice PackはQiとPMAどちらのワイヤレス充電規格にも対応しているので、カフェや車の中にワイヤレス充電ベースをみつけたら、このケースが使える可能性が高い。なんとも気が利いている。

私の携帯電話の充電が空になるのを救ってくれる以外の点では、私はこのケースがあまり好きではない。iPhone 6 Plus自体が持て余すほど大きいのに、Juice Packでさらに幅、高さ、厚み、そして言うまでもなく重さが加わり行き過ぎな感がある。実際、Juice Packで重くなりすぎて、Mophie製品に取り付けられた磁石が携帯電話を所定の位置で上手く支えきれないほどだ。

そして、Juice Packは全てのポイントで分厚すぎる。ヘッドホンの差込口はかなり奥まった所に入り込んでしまうため、私の持っているヘッドホンはどれもケースに同梱されたアダプター無しには装着出来なかった。また、ミュートスイッチも私のずんぐりした小さな指では動かせなかったので、試してみてほしい。最終的にペンを使わないとミュートのON・OFFは切り替えられなかった。これは私たちの望む未来の姿ではないだろう。

私のJuice Packに関する最後の不満は、ケースについているのがマイクロUSBのソケットだということだ。まぁ確かにマイクロUSBケーブルは、Lightningケーブルよりも安いし簡単にみつけられるが、私は既にLightningケーブルを家や車、オフィスの至るところに置いているので不便に感じている。さらに、私は他にもOsciumのオシロスコープのように日常的に使っているアクセサリをいくつか持っているが、いちいちケースから出さないといけないのが不便だ。

オフィスや移動中でもワイヤレス充電

Wireless life is pretty sweet.

ワイヤレスライフは結構いい感じだ。全部自分が思った通りだと良かったんだが。

不満は置いておいて、ワイヤレスなライフスタイルにはすぐに慣れることができた。充電ベースは、Juice Packを充電し始める前にちゃんと携帯電話自体を充電するので、携帯電話を充電ベースに載せるのを習慣づけておけば、常にフル充電された状態で外出することができる。

デスクマウントも良い感じで、電話がかかってくればすぐにとることができるし、携帯電話を2つ目のスクリーンとして使うこともできるので、例えばTwitterの確認などに便利だ。さらにデスクマウントは、携帯電話上でビデオを見たいときなどのため、横向きに回転できるようになっているのが素晴らしい。残念ながらデスクマウントは、重い携帯電話とケースを所定の位置に支えられる程しっかりしていないため、スクリーンが自分の顔へ向いた状態にセットしようとしても下を向いてしまっていた。

いずれにしろ、私は普段車の中で磁石式のマウントを使うため、ベントマウントに一番期待していた。Bluetoothを使って携帯電話を車に接続すれば、即座に携帯電話をマウント上に置いて充電し、そのままにしておけるので最高だ。特に、短距離を色んな場所に止まりながら運転することが多い人にはおすすめ。

しかし、残念ながらベントマウントの磁石も携帯電話とかさばったJuice Packの重さに耐え切れるほど吸着力が強くなかった。いつものように携帯電話を横向きにして使おうとしたが、道路のちょっとしたデコボコの上を通ると、携帯電話が動いてしまうこともあり(さらに携帯電話がマウントから落ちてしまうこともあった)使いものにならなかった上、これでは安全上も問題があると言える。予め言っておくと、問題の一部は13年選手でサスペンションが固くなってしまった私の車にもあると思うが、それでもこれまでつかっていたベントマウントでは同じような問題はなかったので、Juice Packの重さが原因だと感じてしまう。

携帯電話を縦向きにすれば、ベントマウントは問題なく機能するが、いつ携帯電話が落ちてしまうか心配で結局ベントマウントを使うのをやめてしまった。安全第一といったところだ。

The charging pad and battery case kit will set you back $129.95 together.

ワイヤレス充電ベースとバッテリーケースのセットは129.95ドルと購入を思いとどまらせてしまう程の価格。

ワイヤレスは最高だけど…

Charge Forceシリーズのレビュー結果を総合的に見て分かったのは、私がワイヤレス充電のアイディアを本当に気に入っているということだ。ただ、私はMophieがワイヤレス充電機能と磁石式のマウント部だけを備えた、バッテリーが内蔵されていないケースを販売することを祈っている。というのも、私が経験した問題のほとんどがそれで解決する気がしているからだ。

究極的には、それぞれの携帯電話の使い方次第で、Charge Forceシリーズの価値も変わってくる。

それでも価格については物申さなければいけない。Juice Pakcと充電ベース、デスクマウントとベントマウントのフルセットを買おうとすると、購入をためらってしまうほど高くなるし、私にはその価値があるようには感じられない。私は完全なガジェット狂でありワイヤレス充電が大好きだが、そうでなければ同じ価格で何本ものLightningケーブルともっと容量のあるモバイルバッテリーを買うことができる。

思いがけない出来事に我慢できるのであれば、Mophieのワイヤレス充電システムは素晴らしいオプションだと言える。しかし、私はそれほど多くの人がこれだけの金額を払って、時々携帯電話をケーブルに繋がなければいけないという、比較的小さな問題を解決しようとするとは思えない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter