アルファベットのLoonがケニアで気球によるインターネットの提供を開始

Alphabet(アルファベット)のLoon(ルーン)がケニアで正式にインターネットサービスの提供を開始した。Loonの高度飛行気球を活用した大規模な商業展開は今回が初めてとなる。気球は地球の成層圏を漂う通信サービス基地局として機能する。Loonのケニアでのサービスは地元の通信プロバイダーであるTelkom Kenya(テレコム・ケニア)との提携の下に提供され、Telkom Kenyaのネットワークを通じて約5万平方キロメートル(約3万1000平方マイル)をカバーする。山岳地帯に地上設備を展開するのは困難なため、通常はこうした広域で安定したサービスを提供することはできない。

Loonは2019年に契約を発表して以来(未訳記事)、ケニアにおける初の商業サービス展開に向けて取り組んできた。しかし同社は、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大でミッションはさらに重要なものとなったと話す。感染症で移動に制限がかかる中で、安定した接続性が医師や家族、その他の人にリモートで連絡を取ることを可能にするためだ。

いかにLoonの成層圏バルーンが継続してサービスを提供するのか、ネットワークの質がどのようなものになるのかというテクニカルな詳細はというと、全部で35個のバルーンを用い、それらが絶えず動きながら対象エリアをカバーし続ける。通信スピードの平均は下りが18.9Mbps、上りが4.74Mbpsで、レイテンシーは19ミリ秒だ。Loonによると音声コール、ビデオコール、YouTube閲覧、WhatsAppの使用などでまったく問題ないことが地上でのテストで確認された。

ケニアの対象エリアにサービスを提供する際のAlphabetのバルーンの経路。

Loonは2020年初めにサービスのテストを開始し、多くの顧客がテスト期間中にテストだということを認識することなくネットワークに接続していた。3万5000人超の顧客を対象に上記のようなサービスを提供した、とLoonはいう。

今日の商業サービス立ち上げの前に、Loonは2017年のハリケーン・マリア後のプエルトリコをはじめとして、大災害が発生したエリアに緊急サービスを提供するためにバルーンを展開してきた。通信が提供されていない世界の地域で非緊急サービスを提供するために、Loonは数多くの通信事業者と共同で取り組んでいる。

画像クレジット:Alphabet

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AlphabetのQ1は売上が予想を超えたが3月は広告収入が大きく落ち込む

今日(米国時間4/28)の市場終了後に、Googleの親会社Alphabetが2020年第一四半期の成績を報告した。この3か月の同社の売上411億6000万ドルは、アナリストたちの予想403億3000万ドルを上回ったが、一株あたり利益9.87ドルはウォール街が予想した10.38ドルに届かなかった。

Alphabetの株価は、通常取引で3.3%下げた後、時間外で2.8%上がった。

Alphabetの決算報告の中身は、一種の警告のようだ。CFOのRuth Porat氏は、四半期後期の落ち込みについてこう述べている: 「今四半期の最初の2か月は好調だったが、3月には広告収入がかなり鈍化した」。

GoogleはAlphabetの売上と利益の大部分を生み出しているが、それは主に広告収入だ。事実、検索とYouTubeと同社のネットワークからの広告の売上は、今年の最初の3か月の売上の82%を生み出している。

決算報告で「その他」(Other Bets)としてまとめられているAlphabetのさまざまな研究開発事業は、売上が前年同期の1億7000万ドルより落ちて2020Q1には1億3500万ドルだった。そのため、その他部門の営業損失は8億6800万ドルから11億2000万ドルに増えた。

同社の好悪混交した決算と、3月における後退は、COVID-19Tがもたらした経済の劣化を心配している投資家たちの慰めにはならない。同社の広告に依存するビジネスは、パンデミックによる消費者と企業の支出の減少に苦しんでいる。

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成層圏上の気球からインターネット接続を提供するLoon、初めての商用化をケニアで

Googe(グーグル)の親会社Alphabet傘下のLoonは、遠いへき地などに高高度からのブロードバンド接続を提供する。同社はこのほど、その気球の初めての商用バージョンを、2週間前にケニア政府から得られた承認により、ケニアの人びとのインターネット接続のためにローンチした。気球は目下テスト中だが、その結果を待ちながら数週間後には本番のサービスを開始する予定だ。

Loonはケニアの通信企業Telkom Kenyaとパートナーして、同社の契約ユーザーにサービスを提供する。気球は地球の成層圏の高度およそ2万メートルを飛び、地上局のセルタワーも通信衛星も利用できない遠隔地に、安定性の良い高速インターネット接続を提供する。

LoonのCTO Sal Candido(サル・カンディド)氏が書いたMediumの記事によると、気球はプエルトリコまたはネバダ州から離陸し、長い旅をしてケニアのサービス供用地域へ向かう。気球は気流に乗って最終目的地へ向かうが、それは成層圏風に運ばれる最高速のルートなので、かなり回りくどい旅路になる。具体的なルートは、Loonの自動ナビゲーションソフトウェアが決める。

ケニアに到着したら、機械学習を利用するその同じアルゴリズムが、ターゲット圏域の比較的安定性の良い場所に気球を定置させる。気球は上下に動いて異なる気流を捉え、固定された地理的領域の中で気球はそんな短い旅を繰り返しながら、地上の顧客への24時間の高速安定サービスを提供する。

ただし顧客が気球に直接アクセスするのではなく、パートナーのTelkomのセルネットワークからその接続サービスを利用する。それに対しTelkomは当然ながら課金をするため、アフリカのインターネットアクセス性スタートアップBRCKなどは、それが障碍になる人びともいる、と懸念している。でも、やっと初めて商用化にこぎつけたわけだからLoonにとっては重要なマイルストーンであり、今後デプロイの仕方をもっと多様化していけば、さまざまなビジネスモデルが可能になるだろう。

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Alphabet傘下のVerilyが新型コロナ検査ツールキットを公開

Alphabet(アルファベット)傘下の医療科学会社であるVerily(ヴェリリー)の新型コロナウイルス検査プログラムは、当初トランプ大統領の誤解を招く発言で水を差されたが、このほどVerilyはカリフォルニア州におけるコミュニティーベースの新型コロナウイルス検査プロジェクトを設立、ドライブスルー検査場を展開して米国時間3月25日には1200件ほどだった検査件数が、3月28日には3700件を超えた。

Verilyのチームは最新のブログ記事に成果を報告しており、CNBCは先週の報道で、同社がGoogleを含むAlphabet傘下企業から1000人のボランティア協力を得て検査能力を高め、この検査サイトが新たなレベルに達したことを伝えた。現在カリフォルニア州全体で計4カ所の検査施設を運営中であり、これらはわずか2週間で設立された。

これは決して長くはない時間に成し遂げられた大きな結果であり、Verilyはこの実験で得られた成果と学んだ教訓を広めていきたいと考えている。同社はガイドラインと資料を整理して、コミュニティーベースの検査プログラムを実施したい人(認定された検査機関、検査材料、医療専門家が揃っていることが条件)が誰でも利用できるようにこちらで公開している

提供されたガイド資料には、ドライブスルー検査プロセスに関わる全員のワークフローや必要な個人防護具の種類、現地スタッフの調整、派遣方法などさまざまなドキュメントがある。ダウンロードしてプリントできる検査場の掲示物も一式用意されている。

このガイド資料はVerilyのProject Baseline(プロジェクト・ベースライン)チームがカリフォルニア州公衆衛生局を始めとする州の管理・規制機関と協同で作成したものであり、スタンフォード大学医学部の指導も受けている。総合的にこのガイドは、Verilyの実験結果を自社だけでは実現できなかったスケールで広めることを目的にしている。

しかしVerilyは、自社の検査施設の拡大も目指していることは間違いなく、新たな場所にも開設しようとしている。このガイドは同社の経験を他社が最大限に活用するためのものだが、再現するためには、移動式新型コロナウイルス検査の最新知識をもつチームが情報を共有したとしても、数多くの専門知識や資源が必要だ。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alphabet傘下のVerilyがカリフォルニアで新型コロナスクリーニングサイトのパイロット開始

Alphabet(アルファベット)傘下のヘルステクノロジー企業Verily(ベリリー)が新型コロナウイルス(COVID-19)のスクリーニングサイトを立ち上げた。トランプ大統領は当初、これは新型コロナウイルスをウェブベースでスクリーニング・検査する公共のサイトで、Google(グーグル)によって開発されたと誤って発表していた。週末のGoogleとVerilyの一連のブログ投稿ホワイトハウスの追加記者会見の後、スクリーニングと検査のサイトはVerilyによるプロジェクトであること、対象はカリフォルニア州の住民限定で、しかも当面は2つの郡に限られることが明らかになっている。

最終的に政府が明らかにしたように、サイトは3月16日朝から運用が開始された。VerilyのProject Baselineが運営。現在のところ、サイト利用者と医療分野の研究機関をつなぐポータルとして機能している。カリフォルニア州で新型コロナウイルスのリスクスクリーニングと検査を実施するこのサイトは、一定の要件を満たす人にスクリーニングと無料の検査を提供する。現在、サンタクララ郡とサンマテオ郡の住民が対象だ。

上記の地域に住んでいることに加え、パイロットテストへの参加に必要な要件は18歳以上であること、米国居住者であること、英語を話し、読むことができること、新型コロナ公衆衛生承諾フォームに署名する意思があることだ。このフォーム上で、Verityが個人情報を収集してスクリーニングプロセスに使用することを承諾する。サイトを利用したい人は、新しいGoogleアカウントを作成するか、既存のGoogleアカウントでログインした上で登録する必要がある。

Googleアカウントが必要にもかかわらず、VerilyはウェブサイトのFAQで「個人データの収集と使用に関する連邦および州の規制に従い」暗号化された形式で安全に情報を保管すると述べている。またFAQには、Verilyのスタッフがすべてのサイト利用者を特定する直接的な情報を有し、その情報が医療従事者、研究機関の職員、保健当局のみならず、Verilyにデータテクノロジーを提供するパートナー(Googleを含む)と共有される可能性があると記載されている。

同社はさらに、本人の同意なく保険会社や医療機関と情報を共有することはなく、新型コロナスクリーニングプロセスで得た情報は広告に使用されないと述べている。

ウェブサイトで実際に利用者が目にするのは、サイト利用資格を判定する複数の質問による調査と、それに続く新型コロナウイルスへの感染リスクを評価する詳細な質問表だ。評価結果によっては、移動検査会場に行くよう促される。そこで鼻粘膜から検体を採取し、Verilyによると「数日」後に検査結果が通知される。

Verilyは週末のブログ投稿で、カリフォルニア州のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事の知事室と協力して、ベイエリアの他の地域と他の州におけるツールの利用可能性を検討していると述べた。同社はこれまで他の州への拡大計画について明らかにしていなかった。筆者が問い合わせのメールを送ったところ、自動応答の返信があり、現在大量の問い合わせを受けている旨とブログ投稿へのリンクが記載されていた。

画像クレジット:SAUL LOEB / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

自動運転のWaymoが初の外部資金調達で約2430億円を確保

以前はGoogleの自動運転車プロジェクトで、現在はAlphabet傘下となっているWaymo(ウェイモ)は3月2日にSilver Lake、Canada Pension Plan Investment Board(カナダ年金制度投資委員会)、Mubadala Investment Companyがリードするラウンドで22億5000万ドル(約2430億円)を調達したと発表した。

Waymoにとって初の外部資金調達となる。その他の出資者はMagna、Andreessen Horowitz、AutoNationそして親会社のAlphabetだ。

「我々はOEMやサプライヤーパートナー、提携企業、そして世界で最も経験のあるドライバーを構築して展開しようとしているコミュニティとコラボしながら、ミッションに対して常にチームスポーツのように取り組んでいる」とWaymoのCEO、John Krafcik(ジョン・クラフシック)氏は3月2日に投稿したブログの中で述べた。「今日、我々は投資家と重要な戦略的パートナーを加えることでそのチームを拡大する。こうしたパートナーは過渡期にあるプロダクトをつくるのに成功しているテック企業をサポートしたり、投資したりといった何十年にもわたる経験を我々にもたらす。今回注入される資本とビジネスの知見により、世界中でWaymo Driver展開をサポートするために、Alphabetとともに我々は従業員やテクノロジー、オペレーションにさらに投資する」

今回のラウンドは、Waymoが営利企業になろうと努めてきたさまざまな活動に続く動きだ。活動の多くはフロリダのような新ロケーションでのマッピングと、自動運転車両テクノロジーのテストだ。その一方で、カリフォルニア州マウンテンビューや、フェニックスエリアで展開する車両の拡大も続けてきた。

Waymoは長らくテストと、フェニックス郊外での自動運転車両を使ったWaymo Oneと呼ばれるオンデマンド配車サービスの立ち上げに注力してきた。

しかし他方面での拡大も行ってきた。配達や輸送、カスタムライダーセンサー販売開始計画など、自動運転車両技術を応用したロボティクスやセキュリティ、農業テクノロジーなど自動運転車両以外の企業向けの新たな事業の模索だ。

2020年1月、Waymoはテキサスとニューメキシコの一部でマッピングと、自動運転長距離トラックのテストを行うことを発表した。

Waymoはまた買収や提携を通じても事業を拡大させてきた。2019年12月に同社は、オクスフォード大学コンピューターサイエンス部門からのスピンオフであるLatent Logicという英国企業を買収した。同社は、Waymoのシミュレーション研究を強化しうるイミテーションラーニングと呼ばれる機械学習のフォームを使っている。この買収でWaymoは同社初の欧州エンジニアリングハブをオクスフォードに設置する。

2019年春にWaymoは、4月に廃業したロボティックスタートアップのAnkiからエンジニア13人を採用した。このロボティクス専門家の中にはAnkiの共同創業者で前CEOのBoris Sofman(ボリス・ソフマン)氏も含まれる。ソフマン氏は自動運転トラック輸送部門のエンジニアリングを率いている。

Waymoはまた、フランスや日本で商業自動運転車両を乗客輸送と荷物配達でどのように活用できるかを調べる独占的パートナーシップRenault(ルノー)、そして日産と結んだ。

画像クレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi

AlphabetのLoonとSoftBankのHAPSMobileによる成層圏ネットワーク構想に世界的大企業が続々参加

Alphabetの高高度気球企業Loonと、SoftBankの子会社で成層圏にグライダーを飛ばすHAPSMobileが率いる、全業界的企業連合が、高高度の送受信メカニズムを利用するネットワーク接続のスタンダードと関連技術を開発していくことになった。

これは両社が2019年4月に結んだパートナーシップの拡張で、Loonが使用するネットワークハードウェアが、HAPSMobileの長翼成層圏ドローンと互換性を持つことになる。両社はもっと多くのメンバーを歓迎しており、すでにAirbusの防衛および宇宙部門やBharti Airtel、China Telecom、Deutsche Telekom、Ericsson、Intelsat、Nokia、HAPSMobileの親会社SoftBank、Telefonicaなどが企業連合に参加している。

この企業連合はHAPS Allianceと呼ばれ、HAPSはHigh Altitude Platform Station(高高度プラットホームステーション)の頭字語だ。目的は技術の利用を宣伝するとともに、この技術を利用しようとする市場で規制当局と協力することだ。彼らが共同してネットワークの相互運用性のベースとなる共通の規格を開発し、企業連合各社が互いに衝突や妨害をしないような成層圏の利用技術ないし相互監視技術を作り出す。

現在のメンバーが増えたグループには、世界で最も強力なネットワーク事業者や、ネットワークインフラストラクチャの重要なプレーヤー、それに航空宇宙企業が含まれている。これだけ揃うことで、成層圏ネットワークに何か重要なことが起きると期待される。成層圏は地球に近く、人工衛星を利用するインターネット接続と比べてアドバンテージがあり、また困難な地形や狭い圏域など、地上基地局の不便さもない。

この動きをきっかけに、未来の携帯電話やインターネットの接続は、高い空を飛ぶ自律的な基地局が提供することになるのだろうか。現時点ではどこまで普及するか不明だが、現在、すでにそうそうたるメンバーが企業連合に参加しているだけに、実現性は高いと感じられる。

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Alphabetの2019年純利益は広告が好調で1.2兆円

Alphabet(アルファベット)は2月3日、2019年第4四半期と2019年通年決算を発表した。2018年に393億ドル(約4兆3000億円)だった売上高は2019年に461億ドル(約5兆10億円)へと成長。純利益も2018年の89億ドル(約9670億円)から2019年は107億ドル(約1兆1600億円)に増えた。

市場予想との比較では、予想を上回ったものもあればそうでないものもあった。利益は予想を上回ったが、売上高は予想に届かなかった。決算発表を受け、同社の株価は時間外取引で4%ほど下落している。

同社が発表した2019年第4四半期と2019年通年決算はいくつかの理由で注目に値する。第一に、AlphabetはYouTubeの広告売上高、そしてGoogle Cloudの売上高も開示した。どちらも今回が初めてだ。

YouTubeの2019年の広告売上高は151億ドル(約1兆6400億円)で、2018年の112億ドル(約1兆2000億円)から増加した。

Alphabetの新しい「Google Cloud」には同社のクラウドコンピューティングに関する全取り組みが詰まっている。YouTubeの広告が最も目を引くが、クラウドの売上高も我々が深く掘り下げたいものだ。

クラウドの第4四半期の売上高は26億1000万ドル(約2800億円)だったとGoogleは発表した。ここにはGmail/Docs/Drive/ハングアウトの企業版であるG SuiteとGoogleのクラウドインフラ売上高も含まれる。26億1000万ドルを基にしたランレートは100億ドル(約1兆860億円)を超える。2018年第4四半期クラウド売上高は17億1000万ドル(約1860億円)で、ランレートは68億4000万ドル(約7400億円)だった。

つまりGoogleのクラウドのランレートは昨年、53.6%成長したことになる。

2018年2月、当時Google CloudのCEOだったDiane Greene(ダイアン・グリーン)氏はグループの四半期売上高が10億ドル(約1090億円)だったとうれそうに発表した。昨年7月にはクラウドの四半期売上高が20億ドル(約2170億円)を超え、ランレートは80億ドル(約8700億円)になった。

Oracle(オラクル)で取締役を務めていたThomas Kurian(トーマス・クリアン)氏がグリーン氏の後を継ぎ、彼はGoogle Cloudを企業に売るためにOracleやSAPから多くのこの業界のベテランを連れてきた。これまでのところ短期間で目覚ましい成果をあげている。

Googleがクラウドで収益をあげている一方で、ライバル社も同時期にまた好調だった。

例を挙げると、Amazon(アマゾン)のクラウド売上高は同四半期に100億ドル(約1兆900億円)にわずかに届かなかった。直接比較するとGoogleの方がはるかに小さいが、この検索大手は追いつこうとしていて、結果を伴っている。Amazonの比較できるクラウドの数字は、SaaS売上高を含むGoogleの数字よりもインフラにフォーカスしている。

Microsoft(マイクロソフト)に目を向けると、SaaS (Office 365やDynamicsなど)と、四半期の売上高が125億ドル(約1兆3600億円)だったクラウドコンピューティング(Azure)を合算したクラウド売上高を発表している。これらは全て、Googleがライバルと張り合うには道のりは長いながらも、少なくともペースを速めていることを物語っている。

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(翻訳:Mizoguchi

Amazonが四半期決算発表でついに1兆ドルクラブ入り、Alphabetは外れる

ベンチャー投資の動向などが懸念されているものの、アメリカのテクノロジー企業は堅調だ。

1月31日の四半期決算ラッシュを受けて、Amazonの株価は2月1日の朝、寄り付きから上げ始め、時価総額がついに1兆ドルを超えた(その後やや下げて1兆ドルをわずかに下回っている)。

Aamazonの規模と利益の着実な成長は、投資家にとってこの上ない贈り物だった。シアトルで時価総額1兆ドル(約108兆3350億円)を記録した企業はMicrosoftに次いで2社目となる。

そのMicrosoftはAppleと並んで決算発表の後、高い利益が好感されてそれぞれ1兆ドルクラブの地位を確保した。Amazonが1兆ドル(約108兆3350億円)を記録したことで、アメリカの1兆ドルクラブのメンバーの顔ぶれが今後どうなるか気になるところだ。Alphabetは「その他の事業」の赤字が嫌気されて株価が下落し、時価総額を約9870億ドル(約106兆9266億円)に下げている。

こちらはテクノロジーのトップ企業各社の時価総額のチャートだ。

MSFT Market Cap Chart

上位4社は僅差で競り合っている。

Googleの経営陣、ことに大赤字を計上しているグループ企業のトップは1兆ドルクラブに戻るための方策を考えるのに忙しいことだろう。置いてきぼりを食ったのはFacebookで、時価総額1兆ドルのクールキッドクラブに入るためには時価総額を2倍にする必要がある。

Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はその昔「100万ドルなんてクールじゃない」と言ったことで記憶されている。今は「10億ドルなんてクールじゃない、クールなのは1兆ドルだ」だろうか。やれやれ。

【TechCrunch Japan編集部追記】 チャート作成後株価が多少変動し、Aamazonの時価総額は9969億ドル(約108兆9991億円)でAlphabetの9870億ドル(約106兆9266億円)と並んでいる。順位に変動はない(2020年2月1日朝)。トップ写真はウォールストリート近くに設置された「チャージング・ブル」と呼ばれる銅像。ブル・マーケットは「上げ相場」を意味する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Alphabetの時価総額1兆ドルとSaaS株の記録的高値で見えるこれからのスタートアップ

先の株式市場における記事の続編として、今週は注目すべきことが2つ起きた。1つはアメリカのテクノロジー企業として三番目に大きいAlphabet(アルファベット)が、時価総額1兆ドル(約110兆円)を超えたこと。そして2つめは、2019年の夏に下がったSaaS企業の株価が記録的な高値に達したことだ。

この2つのマイルストーンの間に深い関係はないが、どちらも現在のテクノロジー企業に対する公開株式市場の無節制を表している。そしてその熱気は、非公開市場のスタートアップや、彼らを支援するベンチャーキャピタルにも伝染している。

でもそれは、いくつかの理由でテクノロジースタートアップにとって良いニュースだ。大手テクノロジー企業の懐はこれまでになく暖かく、小さな企業をいくらでも買収できる。SaaSの高値は小さなスタートアップの資金調達と、彼らの先輩たちがエグジットする追い風になる。

大手テクノロジー企業とその小さな兄弟たちが現在、享受している圧倒的な好評価は、ユニコーンが登場する絶好の条件でもある。市場でこの高値が続くかぎり、TechCrunchもこのポイントをずっと追ってみたい。テクノロジー企業の株価はもはや、いかなる月並みの表現を超えたものだ。

関連記事: How many unicorns will exit before the market turns?…この好況の間にいくつのユニコーンがエグジットするか?(未訳、有料記事)

AlphabetとMicrosoftとAppleの3社を合わせると、その時価総額は3.68兆ドル(約410兆円)になるが、株価よりも安定的な数字である売上額を使うと、SaaSの株価は3社の売上の12.3倍だ。しかし、非上場のベンチャー支援の企業は必ずしも、公開株式市場の投資家たちの財布の口のゆるさにあずかることはできない。

テクノロジーの顧客企業はどうか?

現在の公開市場におけるテクノロジー企業の時価総額の膨張は、テクノロジーを生産し提供する側ではなく、最近ますます増えている「テクノロジー利用企業(tech-enabled-startups)」の助けになるだろうか? 2019年に上場した企業の一部は、彼らの非上場時の最後の評価額またはそれ以上になった時価総額を支持する気のない投資家たちから、すぐに見捨てられた。SmileDirectClubは、そんな例のひとつだ

テクノロジー企業を評価する基準は往々にして曖昧だが、粗利率と継続性は重要だろう。粗利率が大きくて、安定的に継続している企業は価値も大きい。市場のこのような見方が、最近のSaaSの株価を当然のように押し上げている。

2020年最初のベンチャー支援のIPOとして期待されるCasperOne Medicalにとっては、テクノロジー利用企業(tech-enabled-startups、テクノロジーをベースとする企業)というイメージを維持する方が、株式市場でも有利だろう。テクノロジー企業は今、時価総額がとても大きいため、非上場と上場を隔てる川を渡るときは、テクノロジーの匂いをほんの少しでもさせていた方が株価にとって有利だ。

関連記事: One Medical’s IPO will test the value of tech-enabled startups…One MedicalのIPOでテクノロジー利用企業の評価が分かる(未訳、有料記事)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Alphabetが初の時価総額1兆ドル超え、投資家はサンダー・ピチャイがお気に入り

米国時間1月16日の午後、Alphabet(アルファベット)は、ごく限られたメンバーしか入れない「トリリオンダラー(1兆ドル、約110兆円)クラブ」に4番目のIT企業として加わった。既存メンバーのApple(アップル)は、2018年8月に時価総額1兆ドルを初めて超えた。後にAmazon(アマゾン)が2018年9月に1兆ドルを記録したが、現在は9310億ドルに下がっている。2019年8月以来のメンバーであるMicrosoft(マイクロソフト)の時価総額は現在1兆2700億ドル(約140兆円)だ。

サウジアラビアの国有石油会社であるSaudi Aramco(サウジアラムコ)は先月上場し、現在時価総額は1兆1900億ドル(約131兆1500億円)。

Alphabetが次にランキング入りするIT巨人となったことに驚きはない。22歳になったこの会社は、創業2年目以来驚くべき成長を遂げ、2004年に上場してから爆発的に株価を上げてきた。それでも、現在の発展と昨年12月に創業者のLarry Page(ラリー・ページ)氏とServey Brin(サーゲイ・ブリン)氏がSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏に日常業務を引き継いだことと分けては考えることは難しい。ピチャイ氏はAlphabetが持株会社になった2015年以来、傘下のGoogleでCEOを務めている。

好調の理由として1つ挙げられるのは、ピチャイ氏の報酬が会社の業績に直結していることを、投資家たちが気に入っているらしいことだ。先月のSEC提出書類によると、現在はGoogleとAlphabet両方のCEOを務める同氏は、年間200万ドル(約2億2000万円)の給料を受け取っているが、もっと多く、少なくとも1億5000万ドル(約165億円)を稼ぐチャンスがある。今年と来年と2022年に会社が一定の業績を上げることが条件だ。

アナリストらは、トップの交代によってAlphabetの投資家への財務報告が透明になることにも期待している。実際、多くの子会社(YouTubeから自動運転車のWaymoまで)をもちながら、Alphabetは数々の賭けの状況を曖昧にしか説明していないことで不評を買っている。

それだけではない。Alphabetが大規模な株式買い戻しを認める期待が高まっているほか、Pichai氏のボーナスの大部分が株価の実績と連動していることから、初めての配当支払いが行われるかもしれない。

もちろん、現状に至るまでの大きなトレンドがある。

Alphabetは、現在進行中の世界の広告とマーケティング支出のシフトから最大の恩恵を長年受け続けており、市場の支配力は高まるばかりだ。米国時間1月14日に傘下のGoogleは、ブラウザーのChormeでサードパーティー製Cookieのサポートを2年以内に打ち切る計画を発表した。これは我慢を重ねてきた残りのオンライン広告業界にとって死の宣告になるかもしれない。

一方、子会社に関してはWaymo(ウェイモ)の進捗が期待を下回っているなど課題はあるものの、2006年のYouTube買収は、インターネットの歴史上最も賢明で最も金になった買い物だったことが証明されている。

ともあれ、WSJによると、Alphabetは時価総額8000億ドルから9000億ドルに伸ばすのに2年近くを要した。それに対して、9000億ドルから1兆ドルへのジャンプには数カ月しかかかっていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google社内にも診療所があるプライマリーケア医療のOne Medicalが上場を申請

サンフランシスコでテクノロジーを活用したコンシエルジュサービスによりプライマリーケアを提供するOne Medicalは米国時間1月3日、証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)にIPOを申請した。

内科医のTom Lee(トム・リー)氏が2007年に創業した同社は、現在評価額が10億ドルあまりに達している。リー氏は2017年に同社を去り、元UnitedHealthグループの役員Amir Rubin(アミー・ルービン)氏に後を託した。

同社の診療所は米国の9つの主要都市に全部で72カ所あり、2020年には3カ所の新設を予定している。これまで5億ドルを超えるベンチャー資金を調達しており、主な投資家は同社の株の4分の1以上を保有するCarlyle Groupのほか、AlphabetのGVやJ.P. Morganなどが名を連ねる。

Googleは社内にOne Medicalの診療所があり、SECへの提出文書によると同社売上の約10%を占める。IPO申請文書にはさらに、同社が1Life Healthcare 、ティッカー名「ONEM」として正式に法人化され、1億ドルの調達を計画していることが言及されている。

おそらくこの資金は、同社のテクノロジーの改良と市場の拡大に充てられると考えられる。One Medicalに詳細を問い合わせたところ、この声明を読むよう指示された。

そしてその声明によると、One MedicalはNasdaq Global Select Marketにティッカーシンボル「ONEM」で上場を申請している。より詳しい情報が得られ次第、この記事をアップデートする予定だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

自動運転車を開発のWaymoが模倣学習のLatent Logicを買収、シミュレーション技術を深化

自動運転車を開発中のWaymo(ウェイモ)が、オックスフォード大学のコンピューターサイエンス学部からスピンアウトした英国の企業、模倣学習によるシミュレーション技術を開発しているLaten Logic(ラテン・ロジック)を買収した。Waymoはこれまでも、シミュレーションの技術を強化する方法を探していた。

この買収を契機にWaymoは、英国のオックスフォードにヨーロッパで初めてのエンジニアリングハブを立ち上げる。ただしこれでWaymoのヨーロッパと英国への進出と投資が一段落するわけではなく、元Googleの自動運転プロジェクトで今やAlphabet傘下の企業である同社は、英国とヨーロッパでチームを成長させる機会を今後も求めていくことを表明している。

今年の前半にWaymoは、ルノーおよび日産との独占的パートナーシップにより、フランスと日本における自動運転による商用の乗用車と貨物車の、あるべき仕様について研究していくことになった。10月にWaymoは、パリにおける自動運転用交通ルートの整備についてルノーと共同研究していると発表した。

Waymoはその自動運転車開発事業の柱の1つとしてかねてからシミュレーションを挙げていたが、Latent Logicは模倣学習と呼ばれる機械学習の方法により、Waymoが行うシミュレーションをより現実に近いものにするだろう。

模倣学習の模倣は主に人間を模倣するという意味なので、Waymoの場合は車を運転している人や自転車に乗ってる人、そして歩行者の行動をモデル化する。重要なのは、人間を模倣するとその間違いや不完全な運転操作なども模倣して、よりリアルなシミュレーションになるので、Waymoの行動予測や事前対応のシステムの改善が期待されることだ。

Waymoは買収の財務的詳細を公表しないが、Latent Logicの二人の創業者であるShimon Whiteson(シモン・ホワイトソン)氏とJoão Messia(ジョアン・メシア)氏、CEOのKirsty Lloyd-Jukes(カースティ・ロイド・ジュークス)氏、そして主な技術者たちはWaymoに行くようだ。Latent Logicのチームは、オックスフォードに留まる。

Latent Logicの共同創業者でチーフサイエンティストのホワイトソン氏は「Waymoへの参加により、安全な自動運転車という私たちの夢が実現に向けて大きく飛躍する。模倣学習を使って路上の本物の人間をシミュレートすることにより、わずか2年で私たちは有意義な進歩を遂げた。私たちのこの知見とWaymoの人材、リソース、そして自動運転技術においてすでに達成した進歩を組み合わせて達成できることに、私たちは今からとても興奮を覚えている」と述べている。

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Google CEOのサンダー・ピチャイ氏が親会社AlphabetのCEOを兼任へ

Google(グーグル)の共同創業者であるLarry Page(ラリー・ペイジ)氏とSergey Brin(セルゲイ・ブリン)氏はGoogleのCEO、Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏がペイジ氏に替わってGoogleの親会社、AlphabetのCEOに就任すると発表した

ピチャイ氏は引き続きGoogleのCEOを続ける。これを機にブリン氏はAlphabetのプレジデントから退く。

Alphabetが 創立されたのは2015年で、当初は「Google本体とその他の賭け」を分離することことが目的だった。「その他の賭け」と呼ばれた諸企業には自動運転テクノロジーのWaymo、ライフサイエンスのVerily、バイオテックのCalico、都市開発のSidewalk、気球を利用した遠隔地のインタネット接続のLoonなどが含まれる。

GoogleのCEOにピチャイ氏が就任し、検索ビジネスの指揮を取るようになると、ペイジ氏は努力の中心をGoogleからAlphabetに移していった。ペイジ、ブリンの両氏は本日の発表で「AlphabetとGoogleはもはや2人のCEO、1人のプレジデントを必要としない。今後はサンダーがGoogleとAlphabet双方のCEOを兼ねる」と書いている。

ピチャイ氏はしばらく前からGoogleの顔として広く認識されているが、ページ氏、ブリン氏がグループの公的役職から去ることで指導力を一層高めることになるだろう。ピチャイ氏は声明で次のように述べた。

「私はAlphabetがテクノロジーを通じて世界の大きな問題の解決に取り組んできたことに強い感銘を受けてきた。新しい地位に就いた後も、引き続きラリー、サーゲイとともに働けるものと期待している。時を経ても変わらぬ使命、価値感、共同作業の文化は2人が築いたものだ。この基礎の上に更に新しい未来を築いていきたい」。

ピチャイ氏、ペイジ氏についてブリン氏は以下のようの書いている。

サンダーは謙虚さと我々のユーザー、パートナー、社員を日々益するようなテクノロジーへの強い情熱を強化した。スンダーはAlphabetの創立からGoogleのCEO、Alphabetの取締役などを通じ、我々と密接に15年間働いてきた。我々はAlphabetという組織と価値観を守り、テクノロジーを通じて大きな挑戦を続けていく能力に関してサンダーを全面的に信頼している。Alphabetの創立以來、スンダー以上に優れた人材を我々は知らない。サンダーはGoogleとAlphabet両社の未来を切り開いていくためにまさに理想的な選択だった。

またペイジ氏、ブリン氏は今回の動きをグループからの離脱ではなく、新たな段階と位置づけて「我々はこれまでもいわゆる管理職ではなかったし、今後もGoogleとAlphabetに深くコミットしていくことに変わりはない。特にグループの長期的ビジョンに関して、取締役会のメンバーとして、株主として、また共同創業者として積極的に関わっていくつもりだ」と述べた。

東部時間午後5時4分(日本時間12月4日午前7時4分)現在、Alphabetの株価は時間外取引で0.68%アップした。

画像:Alex Wong / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

GoogleがヘルスウェアラブルFitbitの買収を交渉中か?

Googleの親会社であるAlphabetは、ウェアラブルデバイス大手の上場企業のFitbitと買収交渉を進めているとReuters(ロイター)が報じた。

報道によれば、交渉は現在も進行中でありすべて白紙に戻る可能性もあるという。しかしFitbit買収が実現すればウェアラブル市場におけるGoogleの立場が大きく強化されるのは間違いない。スマートウォッチ向けWear OSなどをリリースしてきたものの、Googleはこの分野で苦戦している。

GoogleのWear OSはあくまでスマートウォッチ市場向けであり、サードパーティやGoogle自身のGoogle Fitアプリによるヘルスモニター機能を内蔵しているものの、スマートウォッチはかなり高価なデバイスとなる。フィットネストラッキングに特化した専用の(かつ安い)デバイスには大きな市場がある。一方、Fitbitは非Wear OSのVersaシリーズでスマートウォッチ市場にも参入している。

Googleは今やPixelシリーズのスマートフォン、Google Hubなどのスマートホームデバイスをプロダクトに加えており、FitbitをGoogleグループ化できればこうしたハードウェア戦略が強化されるのはもちろんだ。2018年にGoogleはHTCのデザイン部門のかなりの部分の買収を完了させている。Googleは今のところ独自のスマートウォッチをリリースしていないが、Pixelシリーズのスマートウォッチを開発中だという噂をこのところよく聞く。

買収交渉の情報が流れるととFitbitの株価は一瞬で30%近くアップした。 2015年に上場した直後に48ドルの高値をつけたものの続落、2017年以降は6ドル前後となり、今年8月には3ドルの安値をつけていた。買収の報道を受けて現在は5.20ドルとなっている(日本時間10月29日朝時点では5.64ドル)。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

AlphabetグループのWingがドローン宅配に初成功

 Google(グーグル)の親会社のAlphabet(アルファベット)からスピンアウトしたドローンのスタートアップであるWingが初の空からの宅配を実施した。Wingは今年初めにアメリカの連邦航空局からドローンによる商用配送のパイロット・プログラムを実施する承認を得ており、FedExと大手薬局チェーンのWalgreensと協力して準備を進めていた。

届け先はバージニア州のコリバー家で商品は「咳止め風邪パック」だった。これにはアセトアミノフェン製剤のタイレノール、咳止めドロップ、ビタミンC製剤、飲用水ボトルが入っていた(なぜ水まで入れてあるのかよくわからないが)。

WingとWalgreensがドローン配送のパイロットプログラムを実施する地区として選んだのが顧客のコリバー家が所在するクリスチャンバーグだった。Walgreensはドローンで商品の戸口配送を行った最初の米国企業となり、FedExもそのロジスティクスを担当したことで、両社とも宣伝効果も含めて大きな成果を挙げたといっていいだろう。

Wingはロジスティクスの中でもっとも困難なラストワンマイルと呼ばれる顧客の戸口までの配送のドローン化を図ろうとしており、同じくバージニア州でSugar Magnoliaと協力している。これは地元のギフトとステーショナリーの専門店で、顧客が注文するのはギフトカードやチョコレートなど比較的小型軽量の商品が多く、ドローン配送の可能性の検証に適している。

Wing drone delivery 3

米連邦航空局(FAA)がWingに交付した航空事業者適格証明(Air Carrier Certificate)はパイロットがリモートで同時に複数のドローンを商用目的で操縦することを認めている。

これは米国におけるドローン配送にとって大きな一歩だった。消費者は今後ますます多くの商品がドローンで宅配されるようになると期待できる。今月初めに宅配便大手のUPSもFAAからドローン宅配サービスの実験の承認を得ている。Wingが成功したことでUPSのテストも大幅に加速されるだろう。パイロットプログラムではない日常の宅配サービスとなるとドローンの利用はしばらく先のことになるだろうが、立法、行政、民間事業者ともこの実験の結果から学ぶことは多いはずだ。

【Japan編集部追記】Wing製作のプロモーションビデオには「サイクリング中に山中でケガをした、子供のバースデーケーキを焦がしてしまった、馬に乗ろうしたら金具が壊れた」などの緊急事態にドローン宅配が対応するようすが描写されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ライフサイエンス企業Verilyが遺伝子テストのColorと提携

遺伝子テストのColor Genomics(カラー・ゲノミクス)がヘルスケアデータ分析サービスのVerily Life Sciences(ベリーリー・ライフ・サイエンス)と提携し、遺伝子テスト結果のデータはVerilyが運営するBaseline Health Studyの参加者に提供される。VerilyはGoogle(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)のグループに属する商用ライフサイエンス企業だ。両社はこの提携により、各社の製品・サービスの実用度が上がることを期待している。

遺伝子分析は、かかりやすい疾病や先祖に関する情報を教えてくれるなど一般の想像力を強くかき立てるテクノロジーだが、医療の現場で診断に役立てることができるほどの正確さを欠いている場合が多い。またテスト結果が複雑であるため受診者が内容を正しく解釈するのも難しかった。

今回の提携でProject Baseline Healthの参加メンバーは、Colorによる医師の監督による遺伝子テストにアクセスできるだけでなく、Colorが認定した遺伝子専門家の薬剤師、カウンセラーから遺伝子テストの結果について説明を受けられる。これにより、メンバーはガンや心臓疾患などの重大な疾病に関するリスク、薬剤に対する感受性、副作用の可能性などについて正しい知識を得ることができる。

Colorとの提携で同社の遺伝子情報テストが利用可能になったことで、VerilyはBaselineサービスの魅力を高め、メンバーを広く集めるために役立つはずだ。Verilyは現在米国居住者を対象にサービスを提供しているが、世界の人々のヘルスケア情報を広く集め、最新のデータサイエンスによって分析した結果を提供することを目的としている。

Baselineのメンバーは、オンラインで自宅からColorの遺伝子テストを受けられる。具体的には、自宅でサンプルを採取し、Colorに送付すれば数週間でテスト結果が得られるのだ。さらに電話でカウンセリングを受けることもできる。

Colorが提供するカウンセリングは、Baselineプロジェクトのメンバーが遺伝子検査の結果を正しく解釈するために大いに役立つものとVerilyでは期待している。また遺伝子テスト結果はBaselineを共同運営する大学などの研究機関でも利用される。

画像:TEK IMAGE/SCIENCE PHOTO LIBRARY / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Waymoが顧客にメールで完全自動運転車サービスの到来を告げる

Google(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)傘下で自動運転車を研究・開発しているWaymo(ウェイモ)が、そのライドシェアアプリの顧客に送ったメールで「今度乗車されるときは人間のセーフティードライバーがいないかもしれない」と告げた。そのメールは、コピーがRedditにポストされて広まった。

メールのタイトルは「Completely driverless Waymo cars are on the way」(運転手がまったくいないWaymoカーがもうすぐやってくる)で、米国南西部にあるアリゾナ州フェニックス郊外で同社のライドシェアアプリを使っている顧客に送られた。

初期の体験乗車事業(Early Rider Program)とWaymo Oneサービスはどちらも、自動運転のChrysler Pacifica(クライスラー・パシフィカ)のミニバンを使って、チャンドラーやテンペなどのフェニックス郊外地区をカバーするジオフェンス領域のフェニックス住民にシャトルサービスを提供した。これらの自動運転乗車体験はすべて、人間のセーフティードライバーがハンドルを握った。

今度からのドライバーレス(Driverless)はその名のとおりセーフティードライバーがいないが、最初はWaymoの社員が同乗するようだ。

Waymoはコメントをくれなかったが、本誌が確認したところによると、メールはWaymoの体験乗車事業early rider programのメンバーに送られた。下図は、そのメールのコピーだ。

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Googleの自動運転プロジェクトから生まれたWaymoは、その技術の最初のテストを2009年にGoogle本社のあるカリフォルニア州マウンテンビュー周辺で行った。その後の歩みは、堅実でゆっくりしていた。やがてテスト領域を他の都市にも広げ、独立してWaymoになり、車の設計やセンサー類の改良を積み重ねた。

2016年にWaymoは、アリゾナ州チャンドラーにテストと実事業のためのセンターをオープンし、そことそのほかのフェニックス郊外地区でテストを重ね、一般民間人のための体験乗車事業を開始した。そして、徐々に本格的な商用化へと進んでいった。2017年4月にローンチした体験乗車事業では応募者を厳格に選別し、参加にあたっては秘密保持契約を結んだ。

12月には商用の自動運転車サービスWaymo Oneとそのためのアプリを立ち上げた。体験乗車事業のメンバーはWaymo Oneに移され、ゲストの同乗や、体験をおおやけに話すことが許された。さらに最近ではフェニックスにもうひとつの技術サービスセンターをオープンして容量を倍増し、商用車両を増車した。

人間運転手のいないWaymo車はときどき見かけるが、一般人のためのシャトルサービスには使われていない。このメールの内容が実現すれば、同社の自動運転車事業にとって重要な節目になるだろう。

しかし、まだまだ疑問も多い。完全な自動運転車は最初何台配置されるのか。Waymoはそれらにどんな制限を導入するのか。おそらく最初の数か月は特定のシンプルな環境で運用し、その後もっと複雑な状況へと拡張されるのだろう。

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100万時間の滞空を達成したインターネット接続気球、1カ所に留まれる巧妙な仕組み

Googleの親会社であるAlphabet傘下のLoonは、全世界の空から高速インターネット接続を提供することを目指しており、数週間前にケニヤで商用トライアルをスタートさせることが発表されている。このLoonのインターネット気球が総計で滞空100万時間の大台に乗ったという。

気球の高度は成層圏の最上部で、1万5000mから2万mあたりをジェット気流に乗って飛ぶ。Loonのエンジニアは地域ごとの上層気流に関する詳細なデータを収集し、人工知能によって気球の高度を調節することによって同一地域の上空に留まれる航法システムを開発した。

Loonの気球群はこれまでに延べ4000万kmを飛行した。これは月まで50回往復できる距離だ。この間気球を操縦したソフトウェアは狙いどおりの位置をキープするためにユニークな方法を用いている。

気球は上から見てジグザグのコースを飛ぶ。これはヨットがタッキングしてセールの開きを変えながら進むのに似ている。ただし、そのナビゲーションは直観に反しており、いかに熟練したヨットマンでも思いつかないようなものだ。気球は成層圏の気流に沿って吹き送られていくが、それでも目指す場所に行く方法を編み出せるのだ。

figure8 Loon

気球が長時間同一区域に留まるためには上下に高度を変えて8の字型の飛行が必要な場合がある。逆方向に吹く気流が高度によって何層にもなっている場合があるからだ。8の字パターンによる飛行は単純な円運動の飛行に比べて、安定した長時間のLTE接続を実現するうえで有効であることが確認された。

こうした複雑な運動パターンは人間が操縦するのであれば普通選択されない。ナビゲーションを自動操縦システムにまかせて、気球が置かれた状況下で最適なパラメータをシステム自身に発見させる方法の有効性がここでも証明された。

LoonのCTO(最高技術責任者)であるSalvatore Candido(サルバトーレ・キャンディド)氏はブログ記事で「この自動操縦システムがAIと呼べるかどうかはよく分からない」と説明している。最近、テクノロジー企業はAIの定義を思い切り拡張し、多少でも複雑な動作をするソフトウェアはすべてAIだと主張する傾向があるだけに、Cキャンディド氏の慎重さは称賛すべき公正な態度といっていいだろう。しかし呼び名はどうであれ、このソフトウェアが気球を一箇所に滞留させ、安定したインターネット接続を提供するという目的を果たしたことはすばらしい。

Loonはすでに台風に襲われたプエルトリコ、地震が起きたペルーで壊滅した通信網を代替するために役立っている。これまで地上に中継設備を建設することが主として経済的な理由によって阻まれてきた遠隔地に、手頃な価格のインターネットをもたらすためにLoonが果たす役割は今後大きくなっていくだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米司法省は巨大IT企業の独禁法違反に対する調査に着手

米司法省は、世界最大級のIT企業がどのようにして今の立場を確立したのか、またそのビジネス手法が競争を阻害したり、消費者に不利益をもたらしていないか、反トラスト局が調査中だと発表した。

米司法省は、その声明の中で「検索、ソーシャルメディア、オンラインの小売サービスについて、消費者、企業、起業家が表明している広範な懸念」について考察することになると述べた。

この言い回しは、明らかにAlphabet(Googleの親会社)、Facebook、そしてAmazonを念頭に置いたものと考えられる。

先週、そうしたIT企業の代表者が議会に招集され、各社の方針や慣行について証言した。その際、彼らのビジネス手法について、議場のあちこちから威圧的な批判が注がれた。

Amazonは、データ収集と自社ブランドの商慣行について詰問された。Googleは、広告ビジネスと検索結果の操作について、またFacebookは、現在の事業と計画中の事業について、その視野と拡張の範囲など、あらゆることを厳しく問われた。

そのような状況を受けて、米司法省が行動を起こそうとしているは当然のことだろう。

「有意義な市場ベースの競争という規律がなければ、デジタルプラットフォームは消費者の要望に応じることなく活動するものになってしまうでしょう」と、反トラスト局の司法次官補、Makan Delrahim氏は述べた。「当局の独占禁止法の調査では、こうした重要な問題を追求します」。

米政府は、その効果には疑問があるとしても、すでにかなり特別な措置を講じて、巨大IT企業を追い立ててきた。今月初めにFacebookは、FTC(連邦取引委員会)との同意条項に違反したとして、50億ドル(約5400億円)の罰金を科されている。

この金額は、これまでIT企業に対して突きつけられたものとしては最大のものだったが、Facebookの収入と比べれば取るに足らない金額であり、同委員会の一部の委員がFacebookに対して課すことを狙っていた懲罰を骨抜きにしたものだった。

FTCは、Mark Zuckerberg氏本人に説明責任を負わせることと、Facebookの活動を制限するための行動に力を入れることを望んでいた。Facebookの方針では、プライバシーと個人データの保護に関して不十分であると、多くの上院議員が考えているからだ。

「もしFTCが、法律に違反することで利益を得ている企業にスピード違反の切符を手渡している警察官と同じようなものだと見られているなら、Facebookやその他の企業は、ますます事業を拡大し続けるだろう」と、コネチカット州出身の民主党上院議員、Richard Blumenthal氏と、ミズーリ州出身の共和党上院議員、Josh Hawley氏は、今月はじめ、FTCに宛てた共同書簡で述べている。

関連記事:米連邦取引委員会がフェイスブックに制裁金5400億円のゆるい罰

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(翻訳:Fumihiko Shibata)