Amazonが支援するEVメーカーRivianがピックアップトラックとSUVにAlexawo搭載

Rivian(リビアン)はAmazon(アマゾン)の音声アシスタントAlexa(アレクサ)をピックアップトラックのR1TとSUVのR1Sに搭載する。R1TとR1Sは同社初の電気自動車で、2020年末のデビューが予定されている。

また、Rivianは1月6日の月曜日に、Alexaの搭載をAmazonから受注した配送トラック10万台にも広げることを明らかにした。この配送トラックは2021年から顧客への荷物配達に使用される見込みだ。

R1TとR1SへのAlexa搭載では、音楽再生や電話、ナビといったAlexaのスタンダード機能に加えて空調やトランク開閉、その他の操作がコントロールできる。

R1TとR1S専用の特殊操作もできるようにする予定だ、とRivianは話した。例えば、R1T内にどんなギアが隠されているのかをチェックするために、車内に設置したカメラをAmazonのEcho ShowやFire TVからリモートで操作できる、といったものだ。またAlexaを搭載することで車両がオフラインのときでも一部のAlexa機能にアクセスできるようになるが、実際にそのように設定するかどうかはこの車両をどのように使うかにもよる。

「Rivianは、妥協することなく探検できる未来像を描いている。そして、オーナーがどこで乗ろうともこの車両でいつでも最良のデジタル体験ができるようにする」と Rivianの創業者でCEOのRJ Scaringe(RJ・スカリンジ)氏は述べた。「我々は車両へのAlexa搭載をマーケットで最も包括的でシームレスなものにしたい」

CES 2020の前に発表された今回のAlexa搭載は、Amazonが自動車業界にも足を踏みこみ進めているという最新の動きを表している。Lamborghini(ランボルギーニ)もまた同社のスポーツカーHuracán EVOにAlexaを搭載する計画を発表した。

AmazonがAlexaの搭載、クルマへの配達サービス、Rivianへの直接投資を通じて自動車業界に触手を伸ばして数年が経つ。eコマースのAmazonはまた、顧客がドアのキーパッドとスマートセキュリティカメラを使って配達中のドライバーが家の中に入れるようにするAmazon Keyサービスも立ち上げた。2018年にこのサービスはKey by Amazon In-Car配達サービスとしてクルマにも拡大した。

GM(ゼネラルモーターズ)とVolvo(ボルボ)が最初にこのKey by Amazon In-Car配達サービスを導入し、2019年4月にFord(フォード)も続いた。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Amazonが本社の敷地に収容300名弱のホームレスシェルターを建設

巨大テクノロジー企業がますます大きくなるに伴い、ホームレスの人たちを助けろという業界の指導者たちの声も高まっている。高い給与水準に並行して生活費がかつてないほど高騰している地域では、とくにそうだ。例えば2019年1月には、Facebook(フェイスブック)とChan Zuckerberg Initiativeがそのほかの人びとと共に作ったグループであるPartnership for the Bay’s Future(ベイエリアの未来のための連携)は、数億ドルを投じて庶民に手の届く住宅を増やし、サンフランシスコ周辺の5つの主な郡で低所得居住者の保護を強化しようとしている。一方Microsoft(マイクロソフト)は昨年1月の発表で、高い家賃のために低所得や中所得の人びとが逃げ出しているシアトルとその郊外地区を再び多くの人びとが住める場所にするために5億ドルを拠出すると約束した。

Mary’s Placeのファミリーセンター(画像提供: Amazon)

Amazonも過去にCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏が、ホームレス解消のために20億ドルを拠出し、同じ資金で教育などの行政サービスが行き届いていない地区にモンテッソーリ的な就学前教育施設を建設すると2018年の9月にTwitterで発表した。

しかし今回Amazonは、ホームレス救援事業のバーを他社に対して相当高く上げた。同社はシアトルの本社内のスペースにホームレスシェルターを作る。それは、ワシントン州で最大の家族向けシェルターになる。

Business Insiderが米国時間12月30日朝にこのニュースを報じている。そのシェルターのひと晩の収容人数は275名で、家族には個室が提供され、ペットを連れてきてもいい。業務用キッチンもあり、そこでは1年に60万食の食事を作れる。

その施設は新年の第1四半期にオープンし、長年Amazonとパートナーしている非営利団体Mary’s Placeとの提携事業の一環になる。同団体は2016年以降、Amazonのキャンパスにあるトラベロッジ・ホテルの外に、シェルターを運営している。Business Insiderの記事によると、その新しい施設には各年400家族向けのベッドと毛布が用意され、Amazonは施設のオーナーであるだけでなく、今後10年間、またはMary’s Placeが必要とする間、日常経費や修繕費、セキュリティ費用なども負担する。

ホームレスはシアトルのあるキング郡だけでも12500名と言われているが、Business InsiderによるとAmazonのシェルターは微々たる救いであるだけでなく重要な意義もある。それはAmazonが、自分の本社の敷地にシェルターを建設するからだ。

私たちの知るかぎり、ここまでやったテクノロジー企業はほかにない。この決定はまた、増加しているホームレス人口への支援策をめぐる他の都市の、あいまいな姿勢を際立たせる。記憶に残る1つの例は、3月にサンフランシスコ市長London Breed(ロンドン・ブリード)氏が、湾岸道路沿いの駐車場に市の7000名あまりのホームレス住民のうち最大200名を収容する案を述べたとき、周辺住民が反対の声を上げたことだ。その案は後日実現したが。

ニュースサイトのVoxによると、Microsoftの昨年の5億ドルの約束などの企業努力に対しては、賞賛と不満の2つの声がある。不満派は、そういう活動が受け取る無料のパブリシティを問題にしている。Amazonも、2018年の税前利益110億ドルに対して国税を一銭も払っていない。同社はまた2018年に、一般市民に手の届く住宅のために資金を調達しようとしている大企業に課税するなら、シアトルでの建設をやめると市を脅したことがある。

9150億ドルという世界最大の時価総額を誇るAmazonが、それにふさわしいことをしているか。これは確かに今後の探究を要するテーマだ。今や「世界を食べている」と称されるそのほかのテクノロジー企業にもれは言える。しかしそれでも、Amazonのような企業が会社の中心にホームレスシェルターを作ることは、肯定的に受け入れるべきだし見習ってもいいだろう。

Mary’s Placeの執行ディレクターであるMarty Hartman(マーティ・ハートマン)氏はBusiness Insiderに「1つの事業で解決する問題ではない。企業だけでは解決しない。団体でも政府でも解決できない。財団でもだ。全員が力を合わせる必要がある」と語る。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AIによる分散システム「Ray」を開発するAnyscaleが22億円超を調達

オープンソースは今や現代のソフトウェアの重要な要素だ。米国時間12月1日、新たなスタートアップがステルスを脱してオープンソースの新しい分野を商機にしようとしている。人工知能や複雑な科学計算など大規模なコンピューティングのプロジェクトで近年多く利用されている、分散アプリケーション環境の構築と管理という分野だ。

カリフォルニア大学バークレー校で分散プログラミングのフレームワークProject Rayを作ったRobert Nishihara(ロバート・ニシハラ)氏とPhilipp Moritz(フィリップ・モリッツ)氏、Ion Stoica(イオン、ストイカ)氏、そして教授のMichael I. Jordan(マイケル・I・ジョーダン)氏らのチームが今回創業したAnyscaleは、このほどAndreessen HorowitzがリードするシリーズAのラウンドで2060万ドル(約22億5500万円)を調達した。これには、NEA、Intel Capital、Ant Financial、Amplify Partners、11.2 Capital、そしてThe House Fundが参加した。

同社はこの資金を使って、初めての商用製品を作るつもりだ。その詳細はまだ明かされないが、一般化した言い方としては、コンピューティングのプロジェクトを1台のラップトップからマシンのクラスターへと容易にスケールアウトできる仕組み、そしてプロジェクトを管理するための一連のライブラリやアプリケーションが含まれるようだ。ローンチは来年を予定している。

ストイカ氏はインタビューで「現状ではRayをアプリケーション構築のスタンダードにすることに注力している。Rayのためのツールやランタイムプラットホームを作ることになるだろう。つまり、Anyscaleのその新しいプロダクトを利用すれば、Rayのアプリケーションを安全にハイパフォーマンスで動かせるというわけだ」と語る。

今回の投資の一部は、企業の戦略的投資でもある。たとえばIntel(インテル)は、AmazonやMicrosoft、Ant Financialなどと並んで自社のコンピューティングプロジェクトのためにRayを使ってきた大企業のひとつだ。

インテルのIT部門のエンタープライズ&プラットフォームグループでCTOを務めるMoty Fania(モティ・ファニア)氏は声明で「IntelのIT部門はRayを利用してPythonのワークロードをコードをほとんど書き換えずに大規模化している。Intelの生産と検査の工程に実装してわかったのは、個人化されたチップテストを作るために使うハイパーパラメータ選択のテクニックとオートモデリングの工程でRayがスピードとスケールを増大してくれることだ。それによって、コストを下げ、工程の容量と質を上げることができた」とコメントしている。

Rayのユーザーリストにはそうそうたる企業が名を連ねているが、でもAnyscaleの目的は何だろうか?ストイカ氏とニシハラ氏の説明では、Rayを実装するためのもっとシンプルで容易な方法を作ることが目的だ。それによってRayを、Amazonのような世界的企業でなく、もっと技術力の弱いほどほどの企業でも使えるようにしたい。

「エキスパートのエンジニアがいない企業では、それがとても重要なことだ」とストイカ氏は語る。Anyscaleが解決する問題は、未来の大規模で複雑なコンピューティングには必ずつきまとう。コンピューティングによる解を求める問題が目白押しで並んでいるが、その中には1台の大型計算機では扱えないものがある。たとえばAnyscaleが挙げるIDCの推計によると、2025年に生成され処理されるデータ量は175ZB(ゼタバイト、1ZB=1兆TB)に達する。

これだけのスケールでも、未来の量子コンピューターには平気かもしれないが、現在の現実的なオプションとしては、分散コンピューティングが妥当なソリューションだ。Rayは分散コンピューティング環境を実装するために用いるスタンダードとして考案されたが、でもそれ自身が技術的に相当高度で、使いこなせる人は限られている。

ニシハラ氏はこ「あなたが生物学者でも、シンプルなプログラムを書いて大きなスケールでそれを動かすことはできるだろう。でもそれがうまくいくためには、生物学の専門知識だけでなく、コンピューティングの専門知識も要る。そしてそれが、越えがたい高い障壁になる」と説明する。

AnyscaleやRayを作った人々は、過去にこれら以外にも優れた業績があり、今の大規模分散コンピューティングの問題解決にとって彼らは適任だ。例えばストイカ氏はDatabricksやConvivaの共同創業者であり、Apache Sparkの最初のデベロッパーの一人でもある。

Andreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)の共同創業者Ben Horowitz(ベン・ホロウィッツ)氏はインタビューで、「IonでDatabricksを扱い、それで縁ができた」と語る。Ionはバークレー校で生まれるプロジェクトに頻繁に投資していた。そしてRayとAnyscaleは、現在のコンピューティングのニーズによく応えていると感じた。「Rayはオープンソースである点が非常に魅力的だったが、それが解決しようとしている問題が重要だった」と彼は述べている。

「ムーアの法則は終わったとみんな嘆いているが、重要なのは人工知能のアプリケーションにとってはそんなの関係ないという点だ。必要とするコンピューティングパワーがますます増大しているから、今や一つのマシンの性能を云々する時代ではない。みんなが分散コンピューティングをマスターしなければならないが、でも今それが得意なのはGoogleぐらいで、ほかのみんなにとって分散コンピューティングは難しい。我々は、この問題の解を求めていたのだ」。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a.hiwa

1500個以上のRingのパスワードがダークウェブ上で発見

あるセキュリティ研究者が、ダークウェブ上でドアベルカメラのRingに関連つけられた1562個の電子メールアドレスとパスワードを発見した。

このパスワードのリストは米国時間の12月17日に、ダークウェブ上の匿名のテキスト共有サイトにアップロードされたものだ。このサイトは一般に、盗まれたパスワードや違法な資料を共有するために使用されている。その場所であるセキュリティ研究者が、Ringカメラへのログインとアクセスに使用できる電子メールアドレスとパスワードのキャッシュをカメラのタイムゾーンや「ドライブウェイ」や「玄関」といった設置位置情報と共に発見したのだ。

その研究者が、その調査結果をRingブランドを所有するAmazonに報告したところ、Amazonはその調査結果を公に議論しないよう依頼してきたという。この記事を書いている時点では、ダークウェブ上のリストはまだアクセス可能だ。

12月19日に、2番目のRingの認証情報リークが判明した。当日の早い段階で、BuzzFeed NewsがドアベルのRingに関係した3600件を超える同様のデータキャッシュが、オンラインで投稿されことを報告している。冒頭のデータは、BuzzFeedが入手したデータセットと類似したデータセットのようだ。有効なメールアドレスとパスワードを知っている人なら誰でもRingアカウントにログインして、Ringの顧客の住所、電話番号、支払い情報の一部を取得できる。また、認証情報を手に入れたものは、設定が有効になっていた場合には、家庭のRingデバイスのビデオデータの履歴へアクセスすることも可能になる。データがどのようにして公開に至ったのかは不明だ。

ダークウェブ上の情報(画像:TechCrunch)

TechCrunchは、ダークウェブのリストで情報が見つかった数十人の個人に連絡した。その際、各ユーザーに対して発見したパスワードを提示した。回答を送ってきた人は皆、それが自分自身のパスワードであることを認めた。

私たちのアドバイスをきっかけに、全員がパスワードを変更し、一部のユーザーはアカウントに対する二段階認証を有効にした。

私たちが見たほぼすべてのパスワードは、比較的単純で推測が容易なものだった。これらのパスワードは、ハッカーがパスワードを推測するために使用するパスワードスプレー手法やハッカーがほかのさまざまなウェブサイトのアクセスに利用することができた、すでに公開または漏洩したユーザー名とパスワードの組を使うクレデンシャルスタッフィング手法などで収集された可能性があある。

Ringの広報担当者であるYassi Shahmiri(ヤーシ・シャミリ)氏は、本記事の当初の公開までにはコメントを寄せなかったが、記事投稿後に電子メールでデータ漏洩に関して否定した。

「アカウントが公開されていると私たちが判定した顧客には通知を行い、彼らのパスワードをリセットしました。さらに、Ringアカウントへの不正なログイン試行を、監視しブロックし続けています」と広報担当者は語った。しかし、会社側の主張とは異なり、私たちが接触した人のうちRingから連絡を受けた人はいなかった。

これがこの1週間のうちにRingの防犯カメラが関与したものの最新のセキュリティ事案だ。先週には、米国各地でハッカーたちがRingカメラに侵入していた方法に関するニュースレポートが登場していた。一部の犯罪フォーラムが、Ringアカウントに侵入するツールを共有しているのだ。その後、今週初めにMotherboardがRingカメラの持つお粗末なセキュリティ対策を報告した

例えば、他の人間がログインしていることや、頻繁にアクセスされていること、そして弱い形式の二段階認証を使用していることなどを、ユーザーに通知しないのだ。Ringは「ベストプラクティス」を使っていないユーザー側に責任の多くがあると考えている。しかし、ユーザー保護のための「基本的なセキュリティ対策」を講じていなかったことに対する非難の声も起こっている

Ringはまた、合衆国内との法執行機関との緊密な関係に対して、議員たちからの追求を受けている。ほかにも漏洩したRingアカウント認証情報のセットが、どれくらいダークウェブ上を漂っているのかは不明だ。ユーザーは、強力でユニークなパスワードでアカウントを保護し、2段階認証を有効にする必要がある。

原文へ

(翻訳:sako)

アマゾン傘下のドアホンメーカー「Ring」が行方不明児の捜査に協力

Amazon(アマゾン)傘下のRingは、全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)と協力して、Ringのコミュニティーアプリ「Neighbors」に行方不明の子供たちのポスターを掲載する。Neighborsは地域の犯罪のニュースや安全に関わる事象を地域コミュニティーで共有するための無料アプリで、Ringのドアホンやカメラのユーザーに限らず誰でも利用できる。

NCMECは24時間のホットライン(1-800-THE-LOST)を開設して米国内の行方不明の子供を探すとともに、アンバーアラート(公衆メディア経由の緊急警報)やソーシャルメディアへの投稿を通じて行方不明者の情報を共有している。Ringとの提携によって、NCMECは数百万人からなるアプリのコミュニティーを通じて広範囲の人々とつながることができる。コミュニティーにはRingのビデオドアホンのユーザーがいるので、NCMECで共有できる重要情報を持っている可能性がある。

Ringによると、最近このしくみによって米国ニューメキシコ州アルバカーキで行方不明の子供が家族と再会した。ただしこのケースに誘拐は関係していない。いなくなった14歳の少年はフットボールの試合の後、父親に拾ってもらうのを待っていたが場所を間違えていた。携帯電話も自宅の電話番号もなかったため、助けを求めることができなかった。家族は警察に届け、RingのNeighborsアプリに迷子通知を掲載したところ、アプリユーザーのひとりが少年を見つけて両親に連絡した。

NCMECは今回の提携によって、すでにNeighborsアプリで行われているような情報交換を正式なものにすることを考えている。メンバーの誰かが見たことを拡散したり、上の事例のように自分の子供が行方不明になった親が助けを求めるケースなどだ。

Ringによると、NCMECの行方不明児のポスターは、関連地域のメンバー全員に公開される。捜索に役立つ可能性のある情報を持つ人に通報を促す投稿も行われる。

FBIによると、2018年に警察に届け出のあった子供の行方不明事例は42万4066件だった、とRingは付け加えた。

この提携は、Ringの世間におけるイメージを払拭する必要があるタイミングに発表された。

Amazon傘下の同社は、 警察との関係で批判を受けて議会による調査まで行われたほか、顔認識技術の利用にまつわる計画についても問題になった。最近では、RingのドアホンからWi-Fiパスワードがハッカーに流出したことも発覚した。Ringは二要素認証などによる高度なセキュリティーを必須にしていなかったため、ユーザー名とパスワードを入手したハッカーが侵入し全米のユーザーを攻撃する事件も起きた。

一連の事件をきっかけに、複数の消費者団体やプライバシーグループがRingのカメラに対する製品警告を発信し、RingのNeighborsアプリがデバイスの位置情報などの非公開情報を共有していたことも指摘した。

こうした深刻な問題を抱えながらも、RingのNeighborsアプリのアクティブユーザーは増え続けている。Sensor Towerによると、これまでに米国ではNeighborsが700万回インストールされている。Ringのドアホンは現在世界中で1000万台以上設置されている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

小型衛星群でブロードバンド接続を提供するKuiperプロジェクトにアマゾンが本腰

Amazonは、目下開発中の人工衛星星群による高速インターネットサービスであるKuiperのプロジェクトに、専用の本社オフィスとR&Dセンターを用意した。このプロジェクトでは小さな衛星の集団を低地球軌道に乗せてインターネットへの接続を提供し、世界中のどんな僻地でも良質な通信を可能にする。

ご存知の方も多いと思うが、このようなプロジェクトはほかにもいろいろある。例えばSpaceXは、そのStarlinkコンステレーションのための衛星の打ち上げをすでに始めている。そのサービスは最初は北米地区、そして最終的には地球全域で供用される。ソフトバンクなどがパートナーになっている。OneWebもやはり、衛星群を打ち上げて1月の供用開始を目指している。そしてGoogle、というか親会社のAlphabetは、上層大気気球のLoonによって、接続困難地域への接続を提供しようとしている。

Amazon Kuiperは、何千もの衛星を複数年にわたり何回にも分けて低地球軌道へ打ち上げる方式だ。複数の小さな衛星を使うやり方は、従来一般的だった1つまたは少数の静止衛星を打ち上げる方式に比べて、サービスの質がいい、リーチが広い、最終的にローコストであるなどの利点がある。

今度のオフィス施設や研究開発施設はシアトルのAmazon本社に近いワシントン州レドモンドに置かれ、まだ何もタイムラインが発表されていないKuiperプロジェクトに対してAmazonが本腰であることを示している。施設の総面積は約2万平米で、2つの建物にR&Dのラボとオフィス、そして衛星ハードウェアのプロトタイピングを行う製造施設まで置かれる。 Kuiperチームの引っ越しは来年のようだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンのEcho Wall Clockにミッキーマウス版が登場

Amazon(アマゾン)のEcho Wall Clockは、ユーザーにおおむね良好だった。一部のユーザーはデバイスの接続に問題を経験したが目立った問題はなかった。これはEchoファミリーの中でも最もアクティブでないデバイスの1つで、ほとんど壁掛け時計として動作する。

しかし、Echo Wall Clockの最新モデルには、新たに大きな「ミッキーマウス」が追加された。製品の外観はほとんど変わらないが、ほほえむ大きなミッキーの腕が時間と分を示している。

文字盤には60個のLEDリング埋め込まれ、分針の移動と同時に点灯する。Echo Wall ClockはEchoデバイスと連携し、音声コマンドに応答し、夏時間などを自動的で調整する。その他の機能は以下のとおりだ。

  • 整理整頓と時間管理をサポート
  • 1日の時刻を表示する、特徴的なデザインの読みやすいアナログ時計

つまるところ時計だ。「Echo Wall Clock – Disney Mickey Mouse Edition」はディズニーファンにうってつけな製品で、すでに販売が開始されている。今注文すればクリスマス前に届くはずだ。価格は50ドル(約5500円)で、通常版より20ドル高い。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

アマゾンやアップル、グーグル、Zigbeeがスマートホームのオープン標準化で協力

コネクテッドホーム分野の大手各社は、オープンソース標準の策定に取り組んでいる。Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Google(グーグル)、Zigbee Allianceなどの有力企業がこの取り組みを主導する。

このほかにも、IKEA(イケア)やLegrand、NXP Semiconductors、Resideo、Samsung SmartThings(サムスン・スマートシングス)、Schneider Electric、Signify(元Philips Lighting)、Silicon Labs、Somfy、Wulianなど、多数の主要パートナーが参加している。

その目標は明確なようだ。Connected Home over IPのプロジェクトは、企業やデバイス間における互換性を向上させるために設計された、接続規格の策定を目指している。現状はかなり分離しており、各企業は独自規格をかなり深く掘り下げ、多くの小規模なサードパーティーのメーカーに対応を求めている。

それは今後もある程度続くだろうが、より多くのデバイスが互いに接続できるようになれば、消費者にとっては間違いなくプラスになるだろう。その狙いは、ハードウェアメーカーがAlexa、Google アシスタント、Siriなどと連携するデバイスを簡単に作れるようにすることだ。

共同発表では、「このプロジェクトは、スマートホームデバイスは安全で信頼性が高く、シームレスに使用できなければならないという、共通の信念に基づいて構築されている」としている。「このプロジェクトは、インターネットプロトコル(IPアドレス)に基づいて、スマートホームデバイス、モバイルアプリ、クラウドサービス間の通信を可能にし、デバイス認証のためのIPベースのネットワークテクノロジーの特定の標準を定義することを目指している」。

セキュリティとプライバシーも、リストの上位にくるべきだ。これらのトピックは、私たちがより多くのデータをコネクテッドデバイスに明け渡す時に最も重要かつ増大する懸念だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Amazon上のサードパーティ店はプライムの配達にFedEx Groundが使えなくなった

サードパーティのベンダーは先週末にAmazon(アマゾン)から、プライムの発送にFedExの地上配達サービスを使わないよう命じられた。ウォールストリート・ジャーナル紙の記事によると、米国時間12月15日にAmazonが販売業者送ったメッセージは、「『配達のパフォーマンスが良くなるまでは』この禁令を継続する」と書かれていたそうだ。プライム以外に関しては今でもFedEx Groundを利用できるし、速いが高いFedEx Expressならプライムに使える。

今やAmazon.comで売られている品物の半分以上がサードパーティの売り手の製品ないし商品だが、FedExの地上配達に関する決定はホリデーショッピングシーズンのピークに明らかになった。夏にFedExは、Amazonとのパートナーシップを解消し、空輸のExpress地上配送の提供をやめた。ただし、このときサードパーティの件は含まれていない。

Amazonのスポークスパーソンによると、現在同社はクリスマスの配達遅延や未配達問題に対処しており、顧客が荷物をタイムリーに受け取るよう努力しているという。TechCrunchは今、FedExにもコメントを求めている。

FedExとUPSはどちらも最近、配達遅延を経験している。その原因は、記録的な配達量と天候不順だと公表している。

Amazonはまた、売り手に自社のロジスティクスネットワークを使うよう強制しているという不服申立てにより、国の反トラスト規制当局に調査されている。同社は米国最大のオンラインリテーラーとして独自の倉庫事業や配達事業も持っているため、FedExやUPS、それにUnited States Postal Service(USPS、米国郵政公社)の強力な競合相手になっている。

最近のモルガン・スタンレーの報告によると、米国のAmazonサイトで注文される品目の46%をAmazonが配達している。そのため、Amazon LogisticsはAmazon以外の注文も配達するようになるだけでなく、2022年までには扱い量でFedExもUPSもUSPSも抜くそうだ。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWS、カスタム推論チップのInferentiaを発表

AWSは米国時間123日にre:InventのカンファレンスにてInferentiaチップのローンチを発表した。この新しいチップは、その存在自体は昨年発表されていたもので、推論、すなわち前もって訓練された機械学習モデルを使用して、非常に高速かつ費用効果の高い推論を行うことができるのが特徴だ。

AWSCEOことAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は、多くの企業がモデルを訓練するためのカスタムチップに注力していると述べている(ただしGoogleをはじめとする企業は、この意見に反対するだろう)。推論は通常のCPUでもうまくいく傾向があるが、カスタムチップの方が明らかに高速だ。AWSInfiretiaは、EC4上の通常のG4インスタンスにおいてレイテンシが低く、またスループットあたりのコストも40%削減できる。

新しいInf1インスタンスは最大2,000TOPSを達成し、TensorFlowPyTorchMXNetONNXフォーマットといったフレームワーク間でのモデルを移動の統合を特徴とする。今のところはEC2サービスでしか利用できないが、近くAWSのコンテナサービスと機械学習サービスのSageMakerにも提供される予定だ。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

Amazonがインドでオーディオ短編の無料アプリを提供

Amazon(アマゾン)がインドのリスナーをさらに取り込もうと、新たなサービスを展開する。昨年インドで有料のAudible(オーディブル)を立ち上げた同社だが、今度は「エンターテイメント、啓発、学習のための何百時間ものオーディオ」を無料で利用できるAudible Sunoというサービスを導入した。リスナーの関心をひくために、インドのセレブを登用している。

インドのユーザーのみが利用できるAudible Sunoは、他では視聴できない60以上のオリジナルエピソード(長さは各20〜60分)をヒンディー語と英語で提供する。世界最大のオーディオコンテンツ販売・制作会社のAudibleによると、Sunoは通勤や日課の合間の「空いた時間」を埋めるためのものとのことだ。

Audible Sunoは専用のAndroidアプリとiOS Audibleアプリで利用でき、広告は入らない。インドでのAudible Suno立ち上げはAmazonがインドに注力していることを示している、とAudible創業者でCEOのDon Katz(ドン・カッツ)氏は話す。Amazonはこれまでにインドに55億ドル(約6025億円)超を投資した。今では同社のインドでの事業は、eコマース、決済、オンラインチケット、ビデオ・オーディオストリーミング、そしてVCディールなど多岐にわたる。

「私は話し言葉の変革力にずっと情熱を抱いてきた。多方面で活躍する有名人の声で文化的な共鳴を呼ぶジャンルを無料で、そして広告や利用制限なしで提供できることを嬉しく思う」とカッツ氏は話した。

声を提供する有名人は誰かと思うだろう。以下がリストだ。

  • Amitabh Bachchan
  • Katrina Kaif
  • Karan Johar
  • Anil Kapoor
  • Farhan Akhtar, Mouni Roy
  • Anurag Kashyap
  • Neelesh Misra
  • Tabu
  • Nawazuddin Siddiqui
  • Diljit Dosanjh
  • Vir Das
  • Vicky Kaushal

Audible Sunoは現在、ホラーやロマンス、サスペンス、コメディシリーズなどさまざまなジャンルのオーディオを提供している。ノンフィクションシリーズには、インドの超有名人とのインタビュー、そしてメンタルヘルスや性教育、LGBTQI+コミュニティの権利といった社会的テーマのものが含まれる。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

ベライゾンとAWSが5G Edgeコンピューティングで提携

Qualcomm(クアルコム)が今後数年間の5Gプランを強調し始めたのと同じくして、Verizon(ベライゾン)のCEOことHans Vestberg(ハンス・ベストバーグ)はAWS re:Inventのステージに登壇し、同社のチームがクラウドコンピューティング分野の巨人と協力することについて語った。

ベライゾンは今後、5Gエッジコンピューティングへの注力の一環として、新たに発表されたAWS Wavelengthを最初に利用することになる。同プラットフォームは、開発者が5Gデバイス向けの超低レイテンシのアプリを開発できるように、設計されている。

現在AWS Wavelengthは、FalloutとElder Scrollsの開発元であるNFLやBethesdaを含むいくつかの大手パートナーとともに、シカゴで試験運用されている。具体的なアプリケーションについての詳細はまだ不明だが(当然、リモートゲーミングやライブストリーミングが該当するだろう)、将来的にはスマートカー、IoTデバイス、AR/VRなどでも利用される可能性がある。

AWSのCEOことAndy Jassy(アンディ・ジャシー)氏は壇上で、「AWS Wavelengthは5Gネットワークの現場で利用されているのと同じAWS環境(API、管理コンソール、ツール)を提供する」と語った。「米国内のベライゾンの5Gネットワーク拠点を皮切りに、顧客はアプリケーションのレイテンシの影響を受けやすい部分をエッジに配置し、モバイルおよび接続デバイスに1桁ミリ秒の低レイテンシを提供することができる」

ベライゾンのCEOとCNO(最高ネットワーク責任者)のNicki Palmer(ニッキー・パーマー)はハワイにてクアルコムのイベントに参加し、次世代のmmWave(ミリ波)へのアプローチについて語った。この技術は、サービスエリアに関していくつかの疑問が存在する。ベライゾンはBoingoなどのサードパーティーと提携して、この問題にある程度対処してきた。

AWSは年末までに、米国の30都市でサービスを開始する予定だ。なお、現在は18都市にて提供されている。

【Japan編集部注】TechCrunchはVerizonのメディア部門に属している。
[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

AWSがUltraWarmティアをAmazon Elasticsearch Service向けに発表

AWSはAmazon Elasticsearch Service向けの新ティア(プラン)を発表した。これは、コスト削減につながる可能性があり、プレビューも公開されている。現在、Amazon Elasticsearch ServiceにはhotとUltraWarmの2つのストレージティアがある。

hotはパフォーマンスを重視する場合に、最も効果的なティアだ。hotではインデックス作成や、データへの高速アクセスが必要なすべての処理に使用できる。

UltraWarmでは最大900TBのストレージが利用でき、既存のオプションと比較して最大90%のコスト削減が可能だ。UltraWarmでは、Amazon Elasticsearch Serviceがデータブロックを調べ、そのブロックが頻繁にアクセスされているかどうかを判断する。アクセス頻度の低いデータはS3に移動され、コスト削減につながる。

興味深いことに、hotとUltraWarmの両方にわたってElasticsearchデータを照会し、表示できる。UltraWarmティアにてに保存されるデータは同じAPIを使用するため、すでに使用しているツールを使用できる。またこれまでのように、保存中および実行中の暗号化、統合されたアラート、SQLクエリーを有効にもできる。

UltraWarmティアではAWS Nitro Systemを利用して、データのキャッシュとクエリを実行する。顧客はアメリカ東部(北バージニア)および西部(オレゴン)地域からプレビューにアクセスできる。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹 Twitter

AWSがウェブベースの機械学習用IDE「SageMaker Studio」を発表

AWSのCEOであるAndy Jassy(アンディ・ジェシー)氏は米国時間12月3日、re:InventカンファレンスでSageMaker Studio発表した。機械学習ワークフローを構築し、トレーニングするためのウェブベースのIDEだ。データサイエンティストが仕事を始めるために必要なものすべて、つまりノートブック、データセット、コード、モデルなどを編成するための手段が含まれている。とにかく始めるために必要な、すべての機械学習ツールと成果のワンストップ・ショップになることを目指したもの。

Studioの中核には、同じプロジェクトに対して作業している他のユーザーと、プロジェクトやフォルダを共有する機能もある。そこには、ノートブックや成果について議論する機能も含まれている。

そうしたモデルもトレーニングする必要があるので、当然ながらこのサービスも、AWSのSageMaker機械学習サービスに統合されている。そのサービスは、ユーザーのニーズに応じて自動的にスケーリングされる。

Studio本体に加えて、Studioに統合されることになるSageMakerの他の多くの部分のアップデートも発表された。そうした機能のほとんどは、Studioの内部で実行されるが、スタンドアロンのツールとして使用することも可能だ。その中には、デバッガ監視ツール、それにAutopilotが含まれる。Autopilotは、ユーザーのデータに基づいて、最適なモデルを自動的に作成してくれるもの。どのような判断によってモデルを構築したかを、詳細に可視化する機能もある。

これに関連してAWSは、SageMaker Notebooksも発表した。これもStudioに統合される。これは、本質的にマネージドサービスとしてのノートブックだ。必要に応じてインスタンスを自動的にプロビジョニングしてくれるため、データサイエンティストが自らプロビジョニングする必要はない。

Studioを利用することで、より広範なデベロッパーにとって、モデルの構築が身近なものになる、というのが理想だ。AWSでは、これをスタックのミドルレイヤーと呼んでいる。機械学習を実践する人が、あまり詳細を掘り下げなくても、実質的なコントロールがしやすいものになることを意図したものだ。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

AWSがスループット保証付きマネージドCassandraサービスをローンチ

米国時間12月3日に開催されたAWS re:InventでAmazonは、AWS上でCassandra(カサンドラ)データベースを管理できる機能を発表した。

このAmazon Managed Apache Cassandra Service(Amazon MCS)と呼ばれるマネージドサービスは、サードパーティのベンダーからではなくCassandraを直接デベロッパーに提供しようとするAWSの意図の現れであり、すでにGrubhub.com、Netflix、Ooyala、Openwave、Reddit、Uberなどさまざまな企業が使っている。

同社によると、Amazon MCSはサーバーレスなので、ユーザーは自分が実際に使うリソースにだけ料金を払い、アプリケーションのトラフィックに応じてスケールアップとダウンは自動的に行われる。アプリケーションは毎秒数千のリクエストに応じられ、そのスループットとストレージに上限はない。IoTにとっては、とびきり魅力的な特性だ。

デベロッパーは、Cassandraの既存のアプリケーションをそのままAWS上で動かせるし、これまで使っていたデベロッパーツールを使える。アプリケーションのアップデートはAmazon MCSのサービステーブル中のエンドポイントを変えるだけだ

データはデフォルトで暗号化されて保存される。暗号化にはAWS Key Management Service(KMS)に保存されている暗号鍵が使われる。同社によると、Amazon MCSAWS Identity and Access Management(IAM)と統合されているので、デベロッパーはテーブルデータの管理やアクセスが容易とのこと。

Amazonによると、同社はCassandraのAPIライブラリにも協力しており、またオープンソースのApache Cassandraプロジェクトにバグフィックスで貢献している。プレビュー期間中はオンデマンドのキャパシティに課金され、一般公開時にはある程度予測できるワークロードに対して一定のスループットを確保・提供する。

今このプロダクトはAmazonの無料ティアに含まれている。企業は、最初の3か月はライトリクエスト3000万、リードリクエスト3000万、ストレージ1GBの無料ティアを使用できる。

画像クレジット: Ron Miller

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSのCodeGuruは機械学習を応用してコードレビューを自動化

AWSは米国時間12月3日、コードレビューを自動化する機械学習ベースの新サービスのCodeGuruを発表した。同社内でコードレビューを実施して収集したデータに基づくもの。

デベロッパーは、コードを記述したらプルリクエストにCodeGuruを追加するだけでいい。今のところ、GitHubとCodeCommitをサポートしている。CodeGuruは、Amazon社内のレビューと、約1万件におよぶオープンソースのプロジェクトのレビューから得た知識を利用して問題を見つけ、必要に応じてプルリクエストにコメントする。問題を特定するのは当然として、修正方法を提案するほか、関連するドキュメントへのリンクも示してくれる。

CodeGuruには、AWS自身のベストプラクティスが蓄積されている。一般的な問題に加えて、並行処理に関する問題、リソースの不適切な処理や入力の検証に関する問題も指摘してくれる。

AWSとAmazonのコンシューマー部門は、ここ数年、CodeGuruのプロファイラー部分を利用して、「最も高くつく1行のコード」を見つけてきた。その数年間、同社のアプリケーションが大規模なものになっていく中で、CPUの利用率を325%以上向上させ、コストを36%も削減したチームもあったという。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

AWSが最大7倍高速なARMベース次世代プロセッサ「Graviton2」を発表

Amazonのクラウド部門でありAWSは、ARMベースの次世代プロセッサであるGraviton2発表した。7nmアーキテクチャを採用したカスタムチップで、64ビットのARM Neoverseコアを採用している。

第1世代のGravitonプロセッサー(A1)と比較すると、今回の新しいチップはA1インスタンスに対して最大7倍のパフォーマンスを発揮する場合もある。浮動小数点演算のパフォーマンスも2倍だ。メモリチャネルも増強され、キャッシュによるメモリアクセスははるかに高速になっているはず。

同社は、現在3種類のGraviton2のEC2インスタンスに取り組んでいて、いずれもまもなく利用可能になる。末尾に「g」が付いたインスタンスは、Graviton2チップを搭載している。「d」が付いたものは、NVMeタイプのローカルストレージを装備していることを意味している。

3種類のインスタンスは以下のとおり。

  • 汎用のインスタンス(M6gとM6gd)
  • 数値計算に最適化したインスタンス(C6gとC6gd)
  • メモリを最適化したインスタンス(R6gとR6gd)

最大64個のvCPU、512GBのメモリー、25Gbpsのネットワーク機能を備えたインスタンスを選択可能だ。ARMベースのサーバーは、単なる一時的な流行というわけではない。すでにAWSでは、ARMベースのインスタンスのコスパが、x86ベースのインスタンスと比較して40%も優れていることを確約している。

AWSは、OSのベンダーや独立系のソフトウェアベンダーと協力して、ARM上で実行できるソフトウェアのリリースを支援している。 ARMベースのEC2インスタンスは、Amazon Linux 2、Ubuntu、Red Hat、SUSE、Fedora、Debian、およびFreeBSDをサポートしている。さらに、Docker、Amazon ECS、およびAmazon Elastic Kubernetes Serviceといったいくつかのコンテナサービスでも動作する。

原文へ

(翻訳:Fumihiko Shibata)

AmazonのAWS re:Inventのストリーミング視聴はこちらから

NoSQLデータベースを夢見てやまないのなら、米国時間12月3日に開催されるAWS re:Inventの内容は最も回答に近いだろう。太平洋標準時朝8時(日本時間12月4日午前1時)に、クラウドコンピューティング分野の最先端をいく人々がAWSの次なる機能を紹介する予定だ。

Amazon(アマゾン)は、Google CloudやMicrosoft Azureとともに、ウェブのインフラを構築している。そして、無数のスタートアップが唯一のホスティングプロバイダーとしてAWSを利用している。従って、同社がクラウド分野でライバルを打ち負かすために何を準備しているかを見るのは興味深い。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

AWSが量子コンピューティング・サービス「Braket」を発表

ここ数カ月、Google、Microsoft、 IBM他の有力ライバルがこぞって量子コンピューティングにおける進歩を宣伝する中、 AmazonのAWSは沈黙を守ってきた。またAWSには量子コンピュータ研究の部署がなかった。しかし米国時間12月2日、AWSはラスベガスで開幕したデベロッパー・カンファレンスのre:Invent 2019で、独自の量子コンピューティングサービスとしてBraket(ブラケット)を発表した。

現在利用できるのはプレビュー版で、量子力学計算でよく用いられるディラックが発明したブラケット記法が名称の由来だ。ただしこの量子コンピューティングはAWSが独自に開発したものではない。D-Wave、IonQ、Rigettiと提携し、これらのシステムをクラウドで利用可能とした。同時にAWSは量子コンピューティングの専門組織を整備し、 Center for Quantum Computing(量子コンピューティングセンター)とAWS Quantum Solutions Lab(量子ソリューションラボ)を開設した。

Braketではデベロッパーは独自の量子コンピューティング・アルゴリズムを開発してAWSで実行をシミュレーションできる。同時にAWSを通じて提携パートナーの量子コンピュータハードウェアを用いて実際にテストすることが可能だ。これはAWSとして巧妙なリスクヘッジ戦略だろう。

AWSとしては量子コンピュータを独自に開発するための膨大なリソースを必要とせずに量子コンピューティングをサービスにとり入れることができる。提携先パートナーは自社の量子コンピューティングのマーケティングやディストリビューションにAWSの巨大なユーザーベースが利用できる。デベロッパーや研究者はAWSのシンプルで一貫したインターフェイスを利用して量子コンピューティングを研究、開発することができる。従来、個別の量子コンピューティングにアクセスするのは手間のかかる作業であり、いくつもモデルを比較してニーズに適合した量子コンピューティングを選ぶのは非常に困難だった。

Rigetti Computingの創業者でCEOのチャド・リゲッティ(Chad Rigetti)氏は「AWSとの提携により、我々のテクノロジーを広い範囲に提供することが可能になった。これは量子コンピューティングというマーケットの拡大を大きく加速するだろう」と述べた。D-Waveの最高プロダクト責任者、R&D担当エグゼクティブ・バイスプレジデントのアラン・バラツ(Alan Baratz)氏も同じ趣旨のことを述べている。

【略】

AWSが自社のデータセンターに直接量子コンピュータを導入したわけではないのが重要なポイントだ。簡単にいえばAWSは複数の量子コンピューティングに対して多くのユーザーになじみがある一貫したインターフェイスを提供する。個々の提携先企業はすでに量子コンピューティングを自社のラボやデータセンター内で稼働させていたが、それぞれインターフェイスが異なるため外部のユーザーがアクセスするのが難しかった。

これに対してBraketはAWSの標準的インターフェイスを通じて他のクラウドサービスと同様のマネージドコンピューティングを提供する。またデベロッパーはオープンソースのJupyter notebook 環境を通じてアルゴリズムをテストできる。Bracketにはこれ以外にも多数のデベロッパーツールがプリインストールされているという。また標準的量子コンピューティングやハイブリッドコンピューティングを開発するためのチュートリアル、サンプルも多数用意される。

また新たに開設されたAWSの専門組織は、研究者が量子コンピューティングのパートナーと協力、提携することを助ける。「我々の量子ソリューション・ラボはユーザーが量子コンピュータを開発している各社と提携することを助ける共同研究プロジェクトだ。これにより世界のトップクラスの専門家と提携し、ハイパフォーマンス・コンピューティングを推進できる」とAWSでは説明してる。

研究センター、ラボの開設はAWSにとって長期的な量子コンピューティング戦略の基礎となるものだろう。AWSの過去の動向から考えると、これはテクノロジーそのものの開発というよりむしろサードパーティが開発したテクノロジーに広い範囲のユーザーがアクセスできるプラットフォームを提供するところに力点が置かれるものとなりそうだ。

AWSのユーティリティ・サービス担当のシニア・バイスプレジデント、チャーリー・ベル(Charlie Bell)氏は次のように述べた。「量子コンピューティングは本質的にクラウド・テクノロジーであり、ユーザーは量子コンピュータにクラウドを通じてアクセスするのが自然だ。Braketサービスと量子ソリューション・ラボはAWSのユーザーがわれわれのパートナーの量子コンピュータにアクセスする。これにより新しいテクノロジーにどのようなメリットがあるのかは実際に体験できる。また量子コンピューティング・センターは大学を始め広く研究機関と協力し量子コンピューティングの可能性を広げていく」。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook

Alexaは失望を表現するようになる

一般的な判断力の欠如は、常にスマートアシスタントの最大の魅力の1つだった。質の悪いポップソングやひどいオンラインビデオを1万回再生しても、彼らは気にしない。スマートアシスタントはただ助けるだけで判断は自由だ。

しかしAmazon(アマゾン)はAlexa(アレクサ)をよりリアルなものにするため、いくつかの機能に取り組んでいる。これには、スマートアシスタントの声にもっと感情的な響きを持たせること、つまり、さまざまなレベルの興奮と失望を表現する能力が含まれる。

「Alexaの感情」には3段階のレベルがある。下の動画は、大いなる落胆を表現している状態だ。

Amazonによると、新しい共感してくれるアシスタントにユーザーは好感触を持っているという。「初期の顧客からのフィードバックによると、Alexaが感情的を示した場合、その音声への全体的な満足度は30%上昇した」と、同社は投稿で伝えている。

この機能は本日からゲームのスキルを中心に開発者に提供される。ということは、近い将来にはアプリケーションへも展開されるだろう。このような速報ニュースが失望の声となるのかどうかは、何の情報もない。同社はまた、AlexaのスタイルをニュースキャスターやラジオDJに似たものにするため、コンテンツに合わせた配信も開始する。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter