SoundCloudがアーティストディストリビューションプラットホームを買収

昨年はSpotifyが一連の買収で自己のサービス、中でもとくにポッドキャストのコンテンツの充実を図った。そして今度は、同じくヨーロッパの音楽スタートアップであるSoundCloudが、ここ数年の迷走にもかかわらず買収に意欲を示した。ベルリン出身の同社が選んだRepost Networkは、アーティストがSoundCloudをもっとも有効利用できるためのサービスだ。

契約の詳細は公表されず、買収が発表されたのもつい先週で、広く報じられることがなかったのも、たぶんSoundCloudには、今日の音楽ストリーミング市場のアウトサイダーというイメージがあるからだ。

かつては、アーティストのためのオンラインディストリビューションのパイオニアだった同社は、やがてスウェーデン出身のSpotifyが、2億あまりの月間リスナーを抱えるグローバルなサービスに育つのをただ指をくわえて見ていた。競合は、AppleやGoogle、それにPandora、Deezer、Jay-ZのTidalなどなどからも押し寄せてきた。

Soundcloudは18カ月ほど前に、シリーズFで1億6950万ドルを調達してひと息ついた。その投資はニューヨークの投資銀行Raine Groupとシンガポールの国有ファンドTemasekがリードした。

2017年8月に発表されたその資金調達は、SoundCloudを倒産から救う人工呼吸だった。その1か月前にはスタッフの40%をレイオフしてコストを切り詰めていた。その投資でトップも代わり、共同創業者のAlex Ljung氏に代わってVimeoのCEOであるKerry Trainor氏がCEOになった。新たなお金でSoundCloudの総調達額は4億7000万ドル近くになり、その投資前評価額は1億5000万ドルだったと言われている。前回の資金調達では7億ドルだったから大きく下がってしまった。

しかしそれでもなお、状況はこの買収に向けて熟していった。それはSoundCloudの二度目の買収だ。同社によると、トップアーティストたちがRepost Networkのツールにアクセスできるようになる。それらは、ストリーミングの配給、アナリティクスダッシュボード、そしてコンテンツの保護などだ。

リストラは苦悩の体験だったが、おかげでファンダメンタルズを重視できるようになった。買収の申請書類によると、2017年の売上は9070万ユーロで前年比80%の増加、損失は27%細って5140万ユーロになった。これらの結果はTrainorのCEO就任以降だが、さらにその後の現況を最新の数字で知りたいものだ。

SoundCloudの最初の買収は2012年までさかのぼり、そのときは1000万ドルで音楽管理のInstinctivを買った。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型iPod touchはARKitアプリやグループFaceTimeが利用可能

Apple(アップル)はA10 Fusionプロセッサを搭載した新型iPod touchを発表した。それ以外は、4インチのディスプレイやクラシカルなホームボタン、さまざまなカラーオプションなど、旧モデルのiPod touchと非常に似ている。

A10 FusionプロセッサはiPhone 7とともに登場した。つまり、そのパフォーマンスはiPhone 7とおおよそ変わらないということだ。前モデルのiPod touchと同じように、新モデルもiOS 12をサポート。しかし、今モデルではARKitのアプリやグループFaceTimeによる通話を利用できる。これは、前モデルに搭載されていたA8プロセッサでは実現できなかった機能だ。

iPod touchは2015年以来アップデートされなかったので、この動きは驚きだ。多くの人は、アップルがiPhoneにフォーカスしており、通話機能のないスマートフォンには需要が少ないと考えていたからだ。端末はTouch IDやFace IDをサポートせず、パスコードを使うことになる。一方、端末の底面にイヤホンジャックが存在することは注目に値する。

それでも、iPod touchはiPhoneに比べると安い。32GBモデルは199ドル(2万1800円)、128GBモデルは299ドル(3万2800円)、256GBモデルは399ドル(4万3800円)となっている。

このようなデバイスには、さまざまな可能性がある。例えば、子供やスマートフォンが必要ない人にとってのスタンドアロンの音楽/動画プレーヤーとして最高だ。また、Sonosのスピーカーやその他のスマートスピーカーの音楽用リモコンとしても使える。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

2倍高速な新iPod touch登場、Apple A10 Fusion搭載で価格は2万円前半から

アップルは5月28日、約4年ぶりとなるiPod touchの新モデルを発表した。オンラインでは本日から購入可能で、アップル直営店などの店頭に並ぶのは今週後半となる。

内蔵ストレージ容量のが異なる32/128/256GBの3モデルが用意され、税別価格はそれぞれ2万1800円、3万2800円、4万3800円。本体色は、スペースグレイ、ホワイト、ゴールド、ブルー、ピンク、(PRODUCT)REDの6色。

心臓部のSoCには、Apple A10 Fusionを搭載。2016年に発売されたiPhone 7シリーズに搭載されていたSoCで、最新のA12 Bionicに比べると2世代古いものだが、従来モデルと第6世代のApple A8に比べると2世代新しく、アップルによると2倍の処理速度とのこと。

また描画性能は3倍に向上しており、ゲームをより快適にプレイできるという。もちろん、今秋に始まるゲームのサブスクリプションサービス「Apple Arcade」に対応する。Apple Arcadeは、100本以上の新作ゲームが独占配信される定額サービスだ。

アップルがカナダにてマップのデータ収集を開始

Apple(アップル)はカナダにおけるマップ(Apple Maps)の計画を、ウェブサイトや新聞にて発表した。同社の計画は、カナダにてマップを改良するために、大量のセンサーを搭載した車両を国内にて走行させることだ。

アップルはカナダでのこの計画がいつデータをスキャンし、処理し終わるのかを明らかにしていない。カナダに住んでいるのなら、変更に気づくまでに数カ月かかるかもしれない。

昨年、アップルはマップを一から再構築中だと発表した。アメリカの一部では、より詳細が書き加えられ、歩道や緑地がわかりやすくなり、建物の形状が正確になるなどの改良に気づくだろう。

アップルの車両にはGPSだけでなく、4個のLiDARと8個のカメラが搭載され、高解像度画像を撮影する。現在、アップルはデータのクオリテイの改善が全てだと表明している。しかし、同社はこのデータを活用し、Google ストリートビューの競合サービスや、サイクリングの道案内、AR(拡張現実)を利用したターンバイターンのナビゲーションをローンチするかもしれない。

実際に車を走らせるので、マップの新バージョンを世間に知られずに開発するのは難しい。アップルが来週開催するWWDCのキーノートでどんな新機能を発表するのか、見守ることにしよう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ウォズニアックが手作業で組み立てたApple-Iが5000万円以上で落札

ブリーフケースをボディーに使った古いパソコンというのはあまり興味をひくようなものではない。しかしそれがAppleが最初に作ったコンピューターの数少ない実物だとしたら話は別だ。

クリスティーズのオークションスティーブ・ウォズニアックが手作業で組み立てた1976年製のApple Iのオリジナルが37万1260ポンド(5156万円)で落札された。 コンピューターはキーボードも含めて革のプリーフケースの中に納められている。、

ウォズニアックはいったいなぜブリーフケースなんか使ったのだろう? 実は Apple Iには 筐体が付属していなかった。666ドル出すとマザーボードが手に入ったが、ユーザーはテレビとキーボードを接続する必要があった。筐体も買い手の責任だった。そこで誰かがブリーフケースに組み込むことを考えついた。ポータブルだぜ!

Apple Iは200台前後が製造されたと推定されているが、大半は失われている。Appleのファンが運営するApple-1 Registry の記録によれば、68台が現存しているという。オークションにかけられたのはこのリストで10番として記載されている個体だ。

Registryの記載によれば、問題のApple IはRick ConteがBASIC言語を学習するために購入した。Conteは2009年にメイン州のパソコン・ミュージアムに寄贈した。その後さらにコレクターの間を転々とした。

今回オークションにかけられたセットには貴重な歴史の断片も数多く含まれていた。オリジナルのマニュアル、Apple Iの記事が載っている当時の雑誌、SWTPC PR-40ドットマトリックス・プリンター、Apple社の創立書類のコピー等だ。

画像:Christies

【Japan編集部追記】Apple-I Registryの記載によれば、記事記載のプロダクトの他にサンヨーの小型テレビとカセット・テープレコーダー、マイク・マークラからの手紙などが付属。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

新型MacBook Proの分解でキーボード小改良を確認

バタフライキーボードへの移行は、最近のApple(アップル)のデザインに関する決定の中で、最も不評を買っている。キーボードが動作しない、あるいは誤動作するといった数多くのネガティブなフィードバックが寄せられた後、同社は小改良をしながら技術をアップグレードしている。

米国時間5月22日、Appleはシステムの継続的な欠点の多くを解決するであろう、新たなアップデートを発表した。そして本日、iFixitが新モデルを分解し、その内部の変更を伝えている。改良は小規模で、iFixitはまだ正確な変更点を断定していないものの、Appleの発表内容とは一致してるようだ。

「MacBook Proのキーボードの機構は素材が変更されている。Appleによれば、この変更によりダブルタイプや反応しないケースが大幅に減るとしている」

キーボードのボリュームを減らし、キー下へのゴミの混入を防ぐために昨年追加されたメンブレンにも、いくつかの変更が加えられている。おそらくではあるが、その素材が不透明なシリコンから透明なナイロンに変わっている。

タイピングの打鍵感を出すドームも変更されているようで、故障の原因となっていたかもしれない消耗や破損を防ぐように役立っている。

iFixitは「スイッチが破損したり消耗する原因は数多く存在する」と記述している。「製造上の問題、単純な疲労、長期間の加熱、湿度、他の部品からのガス、そして腐食が一般的な原因だ」。

過去のアップデートと同様に、アップルは正確な変更点についてコメントしていない。念の為なのか、同社のキーボードの修理プログラムには最新モデルが含まれている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

オンライン広告をもっとプライベートするアップルの提案

長年にわたり、オンライン広告のおかげでウェブのほとんどが無料で使えるようになっている。ただ問題は、広告がみんなに嫌われていることだ。無神経に画面全体を占領したり、自動的に表示されたりするとき以外も、インターネット上のどこへ行こうと、彼らは私たちの動きを見張っている。

広告は、私たちがどこへ行き、どのサイトを訪れたかを追跡でき、個人の特徴を蓄積できる。広告をクリックしなくてもだ。もしクリックすれば、何を買ったかが相手に知られて、他のサイトにも報告される。だから、あなたが夜更かしをしてアイスクリームやネコの餌や、もうちょっとプライベートなものを買っていることが知れ渡ってしまうのだ。

簡単な対策として、広告ブロッカーという手がある。しかし、それではインターネットの発展や利便性の向上は望めない。そこでApple(アップル)は、評判の悪い広告トラッキング能力は使わずに、広告を存続させる中間地点を見つけ出した。

巨大ハイテク企業のアップルが考え出したのは、Privacy Preserving Ad Click Attribution(プライバシー保護型広告クリック・アトリビューション)。舌を噛みそうな名前だが、その技術的な能力は確かなようだ。

背景を簡単に説明しておこう。インターネットで何かを買うごとに、広告を掲載した店舗は、あなたが何かを買ったことを知り、同時に、同じ広告を掲載している他のサイトにそれが伝わる。広告がクリックされると、店舗は、どのサイトで広告を継続させるべきかを考えるために、それがどのサイトの広告なのかを知る必要がある。これがいわゆる広告アトリビューションだ。広告はよく、トラッキング画像を使う。見えるか見えないかのピクセルサイズの微小なトラッカーがウェブサイトに埋め込まれていて、どこでウェブページが開かれたかを監視している。この画像にはクッキーが仕込まれていて、ページからページへ、またはウェブサイト全体にわたるユーザーの移動状況を簡単に追跡できるようになっている。この目に見えないトラッカーを使うことで、広告をクリックしてもしなくても、その人が訪れたいくつものサイトを通じて、興味や何を欲しがっているかといった個人的な特徴の数々を、ウェブサイトが蓄積してゆく。

その概要を説明した米国時間5月23日公開のアップルのブログ記事によると、広告は、オンラインストアで何かを買ったことを他人に知らせる必要はないと、同社では考えているようだ。広告に必要な情報は、誰か(個人は特定しない)が、どのサイトの広告をクリックして何を買ったかという情報だけだという。

個人の識別などはもってのほか。その新技術を使えば、広告キャンペーンの効率を落とすことなく、ユーザーのプライバシーが守れるとアップルは話している。

アップルeのこの新しいセブ技術は、間もなくSafariに組み込まれることになっているが、大きく分けて4つの部分で構成されている。

1つ目は、広告をクリックしても、個人が特定されないようにするものだ。広告には、ユーザーがどのサイトを訪れ何を買ったかを認識するための、長大な一意のトラッキングコードが使われていることが多い。なので、キャンペーンIDの数を数十個に限定すれば、広告主はその一意のトラッキングコードをクリックごとに割り当てることができなくなり、ウェブ上で特定の個人ユーザーのトラッキングがずっと難しくなる。

2つ目は、広告のクリック回数の測定は広告がクリックされたウェブサイトだけで許可されるというもの。これによりサードパーティーは排除される。

3つ目は、ユーザーがサイトに登録したときや何かを買ったときなど、ブラウザーは広告のクリックとコンバージョンに関するデータの送信を最大で2日間、不特定な時間だけ遅らせるというもの。そうすることでユーザーの行動をさらに見えにくくする。そのデータは、他の閲覧データが関連付けられないように専用のプライベートな閲覧ウィンドウを通して送られる。

最後に、アップルによれば、これらをブラウザーレベルで行うということだ。それにより、広告ネットワークや業者が取得できるデータが大幅に制限される。

誰が何をいつ買ったかを正確に調べるのではなく、アップルのブライバシー広告クリック技術は、個人を特定せずにクリックされたこととコンバージョンのデータを送り返す。

「サイトを超えたトラッキングによる問題を訴えるブラウザーが増えているため、私たちは、プライバシーを侵害する広告クリックのアトリビューションを過去のものにしなければなりません」と、アップルのエンジニアであるJohn Wilander氏はブログ記事に書いていた。

この技術の中核となる機能の1つに、広告が収集できるデータの量を制限する技術がある。

「今日の広告クリック・アトリビューションの実践方法には、データ量に実質的な制限がなく、クッキーを使用するユーザーの、サイトをまたいだ完全な追跡が可能になります」とWilander氏は解説する。「しかし、アトリビューションデータのエントロピーを十分に低く保つことで、報告はプライバシーを保護した状態で行えると信じています」。

要約すれば、キャンペーンとコンバージョンのIDの数を64個に限定すれば、サイトを超えて移動するユーザーの追跡を可能にする一意の識別子となる長い一意の値を、広告主が使えなくなるということだ。アップルによれば、この数を制限しても広告主は広告の効果を知るための十分な情報が得られると言っている。それでも広告主は、例えば特定のコンバージョンIDを使い特定のサイトで48時間以内に行った広告キャンペーンのうち、どれがもっとも顧客の購入に結びついたかを知ることができる。

アップルは、この技術が広く普及すれば購入のリアルタイムの追跡は過去のものになると考えている。広告のクリックとコンバージョンの報告を最大2日間遅らせることで、広告主は誰が何をいつ買ったかをリアルタイムで知ることができなくなる。アップルによれば、誰かが何かを買った途端にアトリビューションの報告が送られる間は、ユーザーのプライバシーを守る手立てはないという。

アップルは、このプライバシー機能が今年の後半にSafariのデフォルトに切り替わるよう設定しているが、それだけでは不十分だ。同社は、他のブラウザーのメーカーもこの松明を手に取って一緒に走ってくれるよう、この技術をワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアムで規格化するよう提案した。

最近のことを憶えている人なら、ウェブの規格はすべて成立するわけではないと思うだろう。哀れな運命を背負ったDo Not Track(トラッキング拒否)機能は、ブラウザーのユーザーからウェブサイトと広告ネットワークに追跡するなという信号を送れるようにするものだった。主要なブラウザーのメーカーはこの機能を受け入れたものの、議論が泥沼化して規格にはならなかった

アップルは、今回の提案は通ると見ている。その主な理由は、プライバシー広告クリック技術は、Do No Trackと異なり、他のプライバシー保護のための技術と協力してブラウザー内で効果を発揮できるからだ。Safariにはintelligence tracking prevention機能がある。GoogleのChromeMozillaのFirefoxなどの他のブラウザーも、プライバシーにうるさい人たちに対処するためにプライバシー機能を強化している。アップルはまた、ユーザーが積極的にこのプライバシー機能を欲しがると踏んでいる。その一方でこれは、広告やコンテンツのブロッカーをインストールするなどのユーザーの思い切った行動によって閉め出されることを恐れる広告主の懸念にも配慮している。

この新しいプライバシー技術は、先週公開になった開発者向けのSafari Technology Preview 82に搭載されている。ウェブ開発者向けには、今年後半に提供される。

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(翻訳:金井哲夫)

Appleが6月3日開催のWWDCキーノート招待状を発送

AppleWWDCキーノートの招待状が発送された。開催までもう2週間もない。今回、同社のグラフィックデザイナーたちは、びっくりするようなレインボーユニコーンを招待状に描き、楽しんだようだ。そして描かれたものの中にはAppleApp Storeのアイコンはない。

今年のイベントではiOS 13watchOS 6、そしてmacOS 10.15が間違いなく発表される。今年3月にあった大きなイベントに引き続き、Apple TVについてもさらに発表があると私は読んでいる。

昨年のイベントは完全にハードウェアが欠けていたが、今回は違うかもしれない。面白いことにAppleは今年、大きな発表の前にはほとんど告知しないというのが慣例となっている。今週あった速いプロセッサーを搭載したMacBook Pro、さらに重要なキーボードアップデートについての発表でもそうだった。

今年のビッグイベントは米国太平洋時間6310時に始まる。我々も参加する予定で、私は同僚にユニコーンの着ぐるみを持って来させようとしているところだ。随時報告する。

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(翻訳:Mizoguchi)

アップルがMacBookシリーズのキーボードを無償修理へ

アップルは、12インチMacBook、13インチMacBook Air、13/15インチMacBook Proが搭載するキーボードの不具合を無償修理する「MacBook、MacBook Air、MacBook Pro キーボード修理プログラム」を発表した。

対象となるのは、文字が勝手に反復入力される、文字が表示されない。押したキーがスムーズに跳ね返ってこない、キーを押した時の反応が一定しない、といった問題が発生しているモデル。製造ロット単位の不具合ではなく製造上の問題のため、シリアル番号などでは該当機種かどうかは確認できない。

不具合を感じた場合は、アップル直営店のジーニアスバー、もしくはアップルの正規サービスプロバイダーへ持ち込む必要がある。時間が惜しいといういう場合は、Appleリペアセンターへ配送する手もある。

対象のモデルは下記のとおりだ。

  • 12インチMacBook
    MacBook(Retina, 12-­inch, Early 2015)
    MacBook(Retina, 12­-inch, Early 2016)
    MacBook(Retina, 12-­inch, 2017)
  • MacBook Air
    MacBook Air(Retina, 13-inch, 2018)
  • 13インチMacBook Pro
    MacBook Pro(13­-inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-­inch, 2017, Two Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-­inch, 2017, Four Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • 15インチMacBook Pro
    MacBook Pro(15-­inch, 2016)
    MacBook Pro(15-­inch, 2017)
    MacBook Pro(13-inch, 2018, Four Thunderbolt 3 Ports)
    MacBook Pro(15-­inch, 2018)
    MacBook Pro(15-­inch, 2019)

なお、上記に該当するMacBookをすでに有償修理している場合は、アップルのサポートに連絡することで返金が受けられることがある。

そのほか、13インチのMacBook Proの一部で発生しているディスプレイの不具合を無償修理する「13 インチMacBook Pro ディスプレイバックライト修理プログラム」も発表されている。ディスプレイのバックライトが画面の底部に沿って明るい縦方向の領域を継続的または断続的に表示する、ディスプレイのバックライトがまったく機能しなくなる、という問題が発生している場合は本プログラムによって無償修理となる。

該当するモデルは、2016年10月から2018年2月までの間に販売された13インチMacBook Pro 13インチで、具体的には以下の2モデル。

  • MacBook Pro(13-­inch, 2016, Four Thunderbolt 3 Ports)
  • MacBook Pro(13-­inch, 2016, Two Thunderbolt 3 Ports)

こちらも、アップル直営店のジーニアスバー、もしくはアップルの正規サービスプロバイダーへ持ち込む必要がある。もちろん、Appleリペアセンターへ配送することもできる。同様の症状ですでに有償修理した場合は、アップルのサポートに連絡することで返金が受けられることがある。

ちなみに、私が使っているMacBook Air(Retina, 13-inch, 2018)では、いまのところ不具合は出ていない。とはいえ、最近のMacBookのキーボードは何度改良しても不具合がなくならない印象だ。薄さを追求したデザインと製造品質維持の両立が難しくなっているのではないか。

アップルがMacBook Proをテコ入れ、8コアモデルを初投入し問題続きのキーボードを改良

アップルは5月22日、第9世代の8コアCoreプロセッサーを搭載した15インチMacBook Proを発表した。さらに13インチMacBook ProのTouch Bar搭載モデルもプロセッサーを強化している。

15インチの上位モデルは、2.3GHz(最大4.8GHz)の8コアCore i9プロセッサーを採用。アップルストアなどでは8コア2.4GHz(最大5.0GHz)のより高速なプロセッサーも選べるようになっている。税別価格は30万2800円と前モデルと変わらず。

CPUを2.4GHzにアップグレードした場合はプラス2万2000円で税別価格は32万4800円。そのほか、メモリーを16GBから32GBに変更するとプラス4万4000円、GPUをRadeon Pro 560X(4GB)からRadeon Pro Vega 16(4GB)に変更するとプラス2万7500円、Radeon Pro Vega 20(4GB)に変更するとプラス3万8500円。内蔵SSDを512GBから1TBに変更するとプラス4万4000円、2TBに変更するとプラス11万円、4TBに変更するとプラス30万8000円となる。

新モデルの投入に伴い、従来の上位だった6コアCore i7 2.6GHzを搭載するモデルは税別価格が30万2800円から25万8800円に引き下げられた。そして、下位だった6コアCore i7 2.2GHzモデルはラインアップから消えている。

そのほか、特定のキーが反応しない、二重に入力されるといったトラブルが頻発していたバタフライキーボードは、スイッチに新素材を採用した新世代のものに改良されているとのこと。このあたりは、実際に実機をチェックして報告したい。

Touch Bar搭載の13インチMacBook Pro モデルもプロセッサーを強化。4コアCore i5 2.3GHz(最大3.8GHz)が、4コアCore i5 2.4GHz(最大4.1GHz)に変更されている。オプションで変更できるCPUも、4コアCore i7 2.7GHz(最大4.5GHz)から4コアCore i7 2.8GHz(最大4.7GHz)となった。13インチモデルの価格は、Copre i7 2.4GHz モデルが税別19万8800円からとなる。

Powerbeats Proは待ち望まれたBluetoothイヤフォンの最高峰

とりあえず今回は、よくない点から先に見ていくことにしよう。

まずなによりも、充電ケースが巨大だ。こればかりはどうしようもない。だんだん暖かくなってきて、ポケット付きのジャケットを着なくなると、どうやって持ち運ぼうかと、ますます悩むことになる。充電ケースのためにもそれなりの金額を払っているわけだからだ、これはよくよく考えてみる必要があるだろう。要は、どれだけの時間外出するのか、ということと、かさばるケースを持ち運ぶことに、どう折り合いをつけるかだ。

価格も問題だ。数年前なら、 250ドル(日本では2万4800円)のワイヤレスイヤフォンは、それほどバカげた価格というわけではなかった。それでも、Apple純正のイヤフォンよりも高いとなれば、もう一度考えてみてもいいかもしれない。

他の部分では、まったく快適なレビューだっただけに、こうした欠点は余計に目立つように感じられる。発表された日から、厳しく評価してみたいとずっと思っていたが、失望を味わうことはなかった。AirPodsPowerbeats Proのどちか1つを選べと言われたら、今ならだいぶ後者に傾いてきたのも事実だ。

Powerbeats Proは、このカテゴリーの製品としてはかなり異色の存在と言える。そしてそれこそが成功の秘訣なのだ。確かに、もはやBeatsの歴史の3分の1以上の期間は、Appleの傘下にあったことになる。しかし同社のフルワイヤレスのヘッドフォンは、サブブランドであることの欠点を最少にしつつ、むしろ最大の効果を発揮した例と言えるだろう。

もちろんAppleが何も関与していなかったというわけではない。その痕跡は確かに散見されるが、ほとんどは間違いなくプラスに作用している。H1チップの採用が、その最たるものだ。最新のAirPodsと同じチップを採用したことで、使いはじめのペアリング手順は、ほとんどケースを開けるだけで完了するほど簡単になっている。その後、大きなウィンドウが開いて、ケースと2つのイヤフォンが、その時点でのバッテリ残量とともに表示される。

もちろん、これはiPhoneの場合だ。言うまでもなく、一般的なBluetoothデバイスと同様、Androidを搭載したスマホともペアリング可能だが、その場合は通常の煩わしい手続きに従わなければならない。ただ残念なのは、Powerbests Proのケースには、Lightningポートしか付いていないこと。私は過去にも、このApple独自のコネクタに対して不満を表明してきた。しかし、そのAppleも、ようやく業界の標準に従ってUSB-Cを採用するに至ったことは、正直ほっとしている。もはや、それは避けられないことだったのだろう。

そして残念ながら、Powerbests Proのケースはまだワイヤレス充電には対応していない。これについては第2世代の製品に期待するしかないだろう。

Powerbests ProがAirPodsに明らかに勝る点を挙げるとすれば、次の3点に集約されるだろう。バッテリーの持続時間、耳掛け式のデザイン、ワイヤレスの作動距離だ。

まずバッテリの持続時間だが、巨大なケースの見返りは、充電によってさらに使用時間を延長できることにあった。Powerbests Proはイヤフォン単体でも、バッテリーは9時間持続する。さらにケースを併用すれば最長24時間の使用が可能となる。実際、バッテリ切れは一度も経験していない。次に国際線に乗る際には、絶対持っていこうとワクワクしている。

そういうわけで、ほとんどの場合はケースを持たずに家を出てもまったく問題ない。ただし、イヤフォン単体では擦れてキズが付きやすそうな感じなので注意が必要だ。私は、可能な限りケースにしまうようにしている。その際、イヤフォンをケースにうまく収めるのにはコツがいる。AirPodsならそんなことはないのだが、最初のうち、何度か位置を調整しないとならなかった。

ケースには、赤、または白に光る小さなライトがあって、充電状態を示すようになっている。ただしイヤフォン本体にはライトはない。そのため、バッテリ残量はiOSの画面で確認する必要がある。

イヤフォン本体のデザインは、万人に適したものとは言えない。ただ、それを言い出せばAidPodsも同じだ。耳かけ型のフックは、ジムで使うには理想的と言えるだろう。ブラックのカラーは、ほとんど目立ないので、着けていることを誰にも気付かれないかもしれない。それより重要なのは、かなり快適であるということ。Appleの関心は、いまだに中身のシリコンチップのほうにあるようで、その結果AirPodsは意見の分かれるものとなっている。これまでのApple製イヤフォンの多くと同様、AirPodsが耳に合わないという人は多い。

取り外し可能なシリコン製のイヤーチップは、4種類のサイズが付属するので、最適なフィット感と同時に高い気密性が確保される。つまり、音漏れも少なくなる。音質は、好みにもよるが、若干高音を強調した味付けとなっているかもしれない。しかし、以前のBeatsの製品のように、欠点を隠すために低音を必要以上に増強しているものよりはずっとマシだ。フルワイヤレスのBluetoothイヤフォンとしては、サウンドの品質はかなり高い方だと言える。

デスクで仕事をしながら、かなり長時間使い続けると、片側の耳が擦れてちょっと痛くなったが、これまでにテストした他のイヤフォンに比べれば、ずっと長い間、特に不快感もなく使い続けることができた。

また、ワイヤレスで動作する距離の長さは印象的だ。iPhoneを机の上で充電したまま、たびたび他の部屋に行くことがあっても、問題なく使い続けることができた。ただし、接続の問題は、いろいろな状況で発生することがあった。片側のイヤフォンから音が出なくなってしまう。しかし、これは残念ながら現状のBluetoothという技術の限界によるものなのだ。その場合、イヤフォンをいったんケースに入れてから取り出せば、自然に問題は解消する。

Powerbests Proは、Appleの姉妹製品に比べると、外観はあまり気にしていないように見える。イメージを重視して創られたと思われるブランドの製品としては、ちょっと皮肉なものに感じられる。しかしそれは、Beatsのブランドとしての成熟を示しているのではないか。AirPodsよりもずっと実用的な製品を作るに至ったのだ。忠実なサブブランドとして、それはいいことだろう。

もし、高い価格と巨大なケースを受け入れられるなら、大多数のユーザーにとって、Powerbeats Proはもちろん買いだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Airbnbに元アップル小売担当のアンジェラ・アーレンツ氏がジョイン

Airbnbは来年にも期待されている新規株式公開にむけた動きの中、新たな取締役を迎え入れた。

Apple(アップル)にてリテール部門シニアバイスプレジデントを努めたAngela Ahrendts(アンジェラ・アーレンツ)氏が、3人目の独立社外取締役に就任する。Ahrendts氏はバーバリーにて8年間CEOを努めた後、2014年にAppleに入社した。そして今年4月にアーレンツ氏が辞任した後には、Deirdre O’Brien(ディアドラ・オブライエン)氏が後任として就任する。

Airbnbは8月、ディズニーとPixarで幹部を務めたAnn Mather(アン・マザー)氏を取締役に迎え入れた。マザー氏は男性のみだった取締役に最初に加わった女性の取締役だ。2018年1月には、アメリカンエキスプレスの元CEOのKen Chenault(ケン・シェノルト)氏を取締役に加えた。

Airbnbの長期的な目標は、エンドツーエンドの旅行プラットフォームを築き、ホームシェアリング、ホテル予約、ビジネストラベルのアレンジ、レジャーなどの体験を完成することだ。アーレンツ氏のバーバーリーやアップルで国際的な成長を率いた経験は、Airbnbによる潜在的な株主へのアピールに役立つことだろう。

2017年にAirbnbは10億ドル(約1100億円)を調達し、その評価額は310億ドル(約3兆4000億円)だった。今年1月、AirbnbはEBITDA(利息、税引前利益、減価償却費)ベースで2年連続の黒字だったと発表した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

アップルとグーグルがアクセシビリティに焦点を当てたアプリや新ショートカット公開

昨年秋のiOS 12でApple(アップル)はSiriショートカットをリリースした。iPhoneユーザーが自分専用の音声コマンドを作ることのできる新しいアプリだ。米国時間5月16日Appleは、Global Accessibility Awareness Day(GADD)を祝って、アクセシビリティに焦点を当てた実用的なSiriショートカット集を公開した。あわせてApp Storeにもアクセシビリティ向けの機能やコレクションを導入した。

Google(グーグル)も同様に、Google PlayでAndroidユーザー向けの機能追加を行っている。

Appleの新しいSiriショートカット群は、ショートカットアプリ上のコレクションとして提供される。コレクションにはユーザーの日々の仕事に役立つさまざまなショートカットが入っている。

例えば「Help Message」 ショートカットは、現在位置を緊急連絡先に通知する。「Meeting Someone New」ショートカットは、言葉によらない自己紹介とコミュニケーションをスピードアップする。思ったことや感じたことを記録する「mood Journal」、遠方の人に自分の痛みの大きさを伝える「pain report」などもある。

コミュニケーションの効率を上げるためのショートカットもいくつかある。例えば、よく使う連絡先をホーム画面に置き、ワンタッチで電話やメッセージやFaceTimeができる。

QRコードに関するものもある。「QR Your Shortcuts」は、よく使っているショートカットのQRコードを作ってくれるので、プリントしてそれが必要になる場所に貼り付ける。例えば、歯磨きの手順をひとつずつしゃべる「Speak Bursh Teeth Routine」ショートカットは洗面所に貼っておくといい。

Appleはこうした新しいショートカットだけでなく、アクセシビリティに特化したアプリのコレクションをApp Storeに追加した。Microsoftの視覚障害者向けトーキングカメラのSeeing AIや、音声認識リーダー、オーディオゲーム、手話アプリ、AAC(拡大・代替コミュニケーション)ソリューション、視線制御プラウザー、スマートホームアプリ、微細運動技能などがある。

App Storeにはデベロッパー、アスリート、ミュージシャン、コメディアンらがアクセシブル技術をどのように利用しているかについてのインタビューも載っている。

GAADがテーマの特別コレクションを本日公開したのはAppleだけではない。GoogleもGoogle Playでアクセシブルアプリやゲームのコレクションを公開している。いくつかのユーティリティーに加えて、今月Google I/Oデベロッパーカンファレンスでデビューした聴覚障害・難聴者向け最新アクセシビリティサービスであるLive Transcribe(音声文字変換)紹介されている。

アプリのステータスは「Unreleased」になっているが、先行バージョンをインストール可能で、周囲の会話を聞き取ってすぐに文字起こししてくれる。

ほかにもホーム画面に代わるNova Launcherや、視覚障害者支援アプリのBe My Eyes、ヘッドコントロールのOpen Sesame、コミュニケーション支援のCard Talkど多数ある。

【Japan編集部追記】日本版の「ショートカット」アプリには5月17日11時現在、今回に併せたアクセシビリティ関連のショートカットは提供されていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

中国の報復関税で米ハイテク株が軒並み下落

米中の間で進行中の貿易戦争の新たな局面として、中国が米国に報復の総攻撃をかけたことにより、米ハイテク企業の株価は大打撃を受けた。

S&P 500指数は、金額にして約1.1兆ドル(約120兆円)ぶんも下げ、ダウ工業株平均とナスダック総合指数も、それぞれ2.38%と3.41%下落した。

米国時間5月13日の月曜日に、中国は、米国が中国からの輸入品に25%の関税をかけたことへの報復として、約600億ドル(約6兆6000億円)にもなる米国からの輸入品に25%の関税を課すことにした。

6月1日から、中国政府は5000以上の品目に25%の関税をかけることになる。また、それ以外の多くの輸入品についても、税率は20%に上がる見込みだ。以前は、10%または5%だったものからの引き上げとなる。最も高い税率がかけられる品目は、ドナルド・トランプ大統領の政治的な支持基盤に対して打撃となるよう、意図的に選ばれているようだ。つまり、米中西部の畜産物、果物、野菜が相当する。

しかし、この貿易戦争の矢面に立たされているのは、とりわけ米国内のハイテク産業だ。実際に、このニュースはハイテク企業の株価の急降下を招いた。それは元TechCrunchの共同編集長で、今はベンチャーキャピタリストのAlexia Bonatsos氏が「ハイテク企業のレッドウェディング」と呼んだ通りのものだ。

関税の引き上げは、アップルや、その他の米国内のハイテク企業の製品の製造コストを押し上げる。それは結局、そうしたハードウェアメーカーの米国内での製品価格を上昇させることになる。一方、完成品を中国に輸出する際の関税は、中国国内でそうした製品を買おうとする際の製品価格を、法外なまでに高価なものにする。

消費者向けの製品が高価になるということは、特に重要ではない製品に費やす金額が減ることを意味する。それは結局消費者の生活を質素なものにし、オンデマンド経済に対する支出を減らすことになる。それはまた、広告の削減を引き起こす可能性もある。企業は中核ではないと判断される領域への出費を削減し、切り詰めようとするからだ。

こうした状況は、ハイテク株の取引そのものを停滞させることにもなる。市場の低迷が長引くことが予想される中では、アルゴリズムうんぬんではなく、ただ持ち株を処分して利益を確保するという気運になりやすいからだ。

今回の貿易戦争は、すでにUberの新規株式公開に大きな損失を与えている。今日も同社の短期的な株式市場のパフォーマンスを食いちぎっている

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Uber株はどん底の上場2日目、時価総額は6.8兆円に下落

流血しているハイテク株はUberだけ、というわけではまったくない。Amazonの株価は3.56%下落し、Alphabetは2.66%、そしてAppleも5.81%下げた。さらにFacebookは3.61%下げ、Netflixに至っては4%以上も急落した。すべてこの1日でだ。

ハイテク企業の中には、持ち直すところも出てくるかもしれない。しかし、今回の中国との経済戦で傷ついた米国の農民に対して大統領が与えようとしているような救済策や助成金を、ハイテク企業が受け取ることになるとは考えにくい。議会が、行き詰まっているインフラを含むパッケージに関する交渉を再び軌道に乗せることができない限り、政府の援助によって今回の打撃を和らげられるという希望はほとんどない。2020年の米国大統領選挙が統治の問題に影を落とし始めているの見る限り、交渉の再開は、ますますありそうもないことのように思われる。

「私たちは、この状況は、数カ月ではないとしても、少なくとも数週間はエスカレートしていくのではないかと見ています。問題は、2つの国が再び交渉のテーブルに着いて同意に達することができるかどうかですが、その間にも市場はさらに打撃を受けることになるでしょう。本当の問題は、我々は5%、10%、あるいはもっと大きな市場の調整を必要としているのかどうかということです」と、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのグローバル経済部門の責任者、Ethan Harris氏はCNBCに語った

画像クレジット:Hiroshi Watanabe

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

iPhoneやMacもようやく「令和」表示可能に、アップデーター配布

アップルは5月14日、iOSやmacOSのマイナーアップデートを実施した。バージョンはiOSが12.3、macOSが10.14.5となる。このアップデートによる、日本の新元号「令和」の表示が可能になる。

iOSは「設定」アプリの「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から、macOSは「システム環境設定」アプリの「ソフトウェア・アップデート」から実行できる。

iOSアップデータの容量はiPhone Xの場合で460MB程度

 

macOSのアップデータは、MacBook Air(2019)の場合で、2.8GB程度

米最高裁での反トラスト訴訟でアップル株が下落

米国時間5月13日、合衆国最高裁判所はiPhoneのユーザーグループがApple(アップル)を反トラスト法違反で訴えていた件で、5対4でユーザーに原告資格を認めると決定した。 ユーザーグループはAppleの独占的地位を不当に利用してApp Storeに30%という高額な手数料を設定し、消費者に転嫁していることが反トラスト法に違反するという訴えを起していた。

これに対してAppleは「消費者はアプリをデベロッパーから購入するのでありAppleは仲介者に過ぎない」として訴えの却下を求めていた。つまり個々のアプリの価格を決めているのはデベロッパーであり、消費者にAppleを訴える資格がないという主張だった。最高裁はこの主張を認めず、Appleは200万種類のiPhoneアプリすべてをApp Storeで販売する契約をデベロッパーと結んでおり、販売の都度30%の手数料を得ていると述べた。

iPhoneユーザーに反トラスト法による訴えの原告資格を認める決定にあたって、最高裁は次のような点も指摘している。すなわち、反トラスト法に違反する経済行動によって被害を受けた者は裁判によって被害回復が図られるべきところ、Appleの申し立てを認めてユーザーの訴えを却下するなら、そうした司法的被害救済を妨げることになる。つまり販売業者が独占的地位を利用して不当な手数料を設定、徴収している場合、結果的に高額の手数料を転嫁されているユーザーも反トラスト法の原告資格があるというものだ。上流のデベロッパーだけに原告資格を認め、下流の消費者に資格を認めないなら、反トラストの遵守にあたって抜け穴を作ることになるとして、ブレット・カバノー最高裁判事が執筆した決定は次のように述べている。

Appleの原告資格の線引きの主張には合理性がなく、単に同種の反トラスト法訴訟を逃れようとするゲリマンダー(恣意的な区分け)に過ぎない。もし販売業者が不当な独占的行動により消費者に競争的価格を上回る価格を強いているなら、その販売業者が上流の製造業者ないし販売業者との間にどのような仕入れ契約を結んでいるかは(原告資格を認めるにあたって)無関係である。

iPhoneのユーザーグループは「AppleはiPhoneのアフターマーケット市場においても独占的地位を得ており、消費者は競争的環境であれば決定されたであろう価格よりも高い価格を押し付けられている」とも主張していた。

つまりApp Storeを代替するサービスが存在するのであれば消費者には選択の余地があるが、事実はApp Store以外にiPhoneアプリの購入方法がないという点だ。またiPhoneユーザーグループは「デベロッパーはAppleの要求するコミッションを前提として価格を決定せざるを得なかった」と述べている。

もちろん反トラスト法におけるこの問題についてはすでに多数判例がある。最近の例ではSpotifyがAppleを訴えたケースだ。ウェブ経由で契約すれば月額9.99ドルだが、iOSを経由するとAppleへの手数料が加算されるため月額12.99ドルとなってしまう。こうした結果が生ずるのはAppleの独占的地位の優越性によるものだというSpotifyの主張に対し、EUも反競争的行動の疑いでAppleに対する調査を準備している

有力デベロッパーの中にもApp Storeでの販売を中止するところが出ている。例えばAmazonは、物品、書籍、音楽、ビデオなどのオンライン販売をウェブ経由に振り向けている。Netflixも昨年12月に30%の手数料、いわゆるApple タックスを避けるためにiOSのアプリ内販売を中止した。Forniteの開発元であるEpic Gamesも手数料を嫌ってGoogle Play Storeの利用を避けた

最高裁の今回の決定にあたって少数意見は1977年のIllinois Brick Co. v. Illinois訴訟の判決を前例として、(原告適格があるのは)アプリのデベロッパーであり消費者ではない」と述べた。つまりデベロッパーが手数料を消費者に転嫁すると決定した場合のみ消費者に被害が生じるのであり、Appleは単なる仲介者に過ぎないというものだ。

Appleの株価は6%近く下落している。


【TC Japan編集部追記】原告資格が認められたことにより、実際に反トラスト法違反があったかどうかの実体審理に移ることになる。多数意見を執筆したブレット・カバノー判事はトランプ大統領による任命だが、今回の決定ではApple寄りの保守派に同調せず自ら多数派意見を書いたことで注目を集めている。反トラスト法の議論は簡単にいえば「AがBに販売し、さらにBがCに販売するという連鎖があった場合でも、Bが独占的地位を利用してCに販売したのであればCはBを訴えることができる」というものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米国などで新Apple TVアプリが配信開始、Apple TV+の秋ローンチに先行

Apple TVアプリに大きなアップデートがやってきた。セットトップボックスのApple TVのほうではない。Apple TV+のローンチはまだ先だが、今回のアプリのメジャーアップデートは、秋へと向けた準備を整えるものだ。

新バージョンのアプリはiPhoneやiPad、Apple TV、そしてサムスン製スマートTVの2019年モデルのすべて(と2018年モデルの一部)へと本日配信される。これはApple TV+の発表イベントで語られたとおりだ(編集部注:日本では現在のところ「Apple TV」アプリは配信されていない)。

またプレビューでも示唆されたように、アプリの刷新内容は3つのカテゴリにわけられる。Apple TVのチャンネル、iTunesムービーとTVショーのレコメンドシステム、そして子供専用セクションだ。

チャンネルは最も大きな変更点で、これはApple TVをケーブルテレビの配信業者に変化させている。視聴可能なのはHBO、Starz、Showtime、Smithsonian Channel、EPIX、Tastemadeで、将来的にはCBS All-AccessとMTV Hitsの参加が予定されている。

さらに大きな特徴として、番組のダウンロードとオフラインでの視聴が可能だ。つまり、「ゲーム・オブ・スローンズ」のエピソードを長いフライトのためにダウンロードできるのだ。これは、HBOがサードパーティーに同様の機能を提供した初めてのケースだ。Apple(アップル)はダウンロード数の上限を発表していないが、ほとんどのユーザーには問題はないだろう。

購読を申し込むと、Apple IDを利用した最大6個のアカウントに「ファミリー共有」を通じてチャンネルが登場する。

AppleはBooksやMusicのようなアプリと同じく、エディターによるキュレーションを取り入れている。アプリはアルゴリズムと編集者によるキュレーションを組み合わせており、ユーザーがページを最後までスクロールせずとも、何を次に再生するのかを決める手助けをしてくれる。

さらに上記に加え、SamsungやVizio、LG、ソニーのTVセットでも、アプリからのミラーリングによりコンテンツにアクセスできるようになる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

次期watchOSでApple WatchがますますiPhoneに依存しなくなる

アップルがwatchOSをアップデートして、ポケットのiPhoneを探さなくてもApple Watchを使える機会を増やすらしい。

ブルームバーグ(Bloomberg)のMark Gurman記者がその筋から入手して公開した長いリストには、WWDCでiOSとwatchOSとmacOSにやって来る改良や新しい機能がたくさん載っている。その中で一番面白いのは、まだ残っているWatch、iPhone間の依存性をひとつ取り除き、Watch本来のアプリを強化する、という情報だ。

そして、App StoreのwatchOSバージョンができるかもしれない。そうなるとサードパーティ製のWatchアプリを入手するために、いちいちiPhone上で探さなくてもよくなる。

さらにブルームバーグの記事によると、iOSアプリのwatchOS用バージョンという、これまでありえなかったものが一般ユーザー向けに提供されるらしい。それらは、電卓アプリ、音声メモ、Apple Books(オーディオブック)、そしてAnimoji、Memojiのステッカーを送ることだ。また、薬の服用時間を守らせるDoseアプリや、生理の周期を調べるCyclesアプリもWatchに来るようだ。

WWDCは6月3日に始まるので、本誌はソフトウェアのアップデートのすべてを会場から直接、ご報告したい。

関連記事: iOSが独自にスワイプ入力方式のキーボードを提供か

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

iOSが独自にスワイプ入力方式のキーボードを提供か

アップル(Apple)は6月に開催されるデベロッパーのためのカンファレンスであるWWDCで、Androidの人気機能をiOSに導入するらしい。Bloomberg(ブルームバーグ)のMark Gurman記者が、その筋から入手したWWDCで発表されるiOSの大小さまざまな新しい機能の長い長いリストを紹介している

その中で特に面白いのは、Androidに前からあったスワイプ入力方式のキーボードだ。これまでのようにキーの上をタップしなくても、このサードパーティならぬアップルのファーストパーティキーボードでは、キーからキーへ指をすべらせるだけでテキストを入力できる。

この機能が死ぬほど欲しかった人も、これからはApp Storeへ行ってサードパーティ製キーボードを見つける、ダウンロードしてインストール、設定する、という手間が不要になる。アップルのことだから、そのキーボードには何か独自の仕組みがあるかもしれない。それも、楽しみだね。

WWDCは6月3日からだ。

関連記事: Apple Watch may be getting more independent at WWDC(Apple WatchがますますiPhoneに依存しなくなる、翻訳中)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

EUがアップルを調査へ、Spotifyからの競争阻害訴え受け

英ファイナンシャル・タイムズ紙の報道によると、Spotify(スポティファイ)とApple(アップル)のいさかいはEUが調査に乗り出す事態となった。

同紙は今日、Appleが、故意的に他のアプリデベロッパーに不利になるよう、App Store管理者としての立場を利用しているとのSpotifyの主張をめぐり、EUの規制機関である欧州委員会(EC)が競争阻害の調査を行うと報道した。

Spotifyは3月にECに提出した申し立ての中で、SpotifyのライバルであるApple Musicならびに配信のためのiOSやプラットフォーム、App Storeの運営によりAppleは“競争を歪めた”と主張した。

とりわけSpotifyのCEOであるDaniel Ek氏は、Appleがアプリ内課金で30%の手数料を取るなどして他のデベロッパーに制限を課している、と指摘している。Ek氏はまた、Appleがユーザーとアプリ開発元のコミュニケーションをコントロールしていることに懸念を示した一方で「消費者にとって有益なマーケティングや販促に不平等な制限を課すことを含め」、Apple MusicがSpotifyのようなライバルに対して不公平なアドバンテージを有しているとも指摘した。

Spotifyの発表はこれまでなかった種のものだ。Ek氏が言うところによると、他の多くのデベロッパーが同じように感じているが、公に主張することでAppleを怒らせたくないと考えている。ファイナンシャル・タイムズ紙が報道したように、もし調査が始まればEUは当然そうした黙っているデベロッパーにも踏み込むだろう。

Spotifyの主張にAppleは反論したが、そうした主張についてのAppleの対応は反証的、または新しいアングルだった。AppleはSpotifyが前面に出している要求に直接応えていない。そうした要求には(Google Play storeで提供されているような)別の支払いオプションや、AppleアプリとSpotifyのようなサードパーティのアプリの平等な扱いなどが含まれる。

EUは米国のテック大企業を抑制する厳しい機関として知られつつある。GDPRイニシアティブはさておき、EUはこれまでテックにおける明らかな独占に対して行動をとってきた。

例えば、Googleは検索広告ブロックでの独占禁止違反で今年3月に14億9000万ユーロの罰金が科された。そして昨年、Androidの乱用でも前代未聞の罰金50億ユーロが科され、Googleの解体を求める意見もあった。必然的にFacebookも特に選挙をめぐっての一連のプライバシー問題でEUに目をつけられてきた。

EUからのプレッシャーにより、ソーシャルネットワークには広告のためのデータ使用をめぐる透明性のある利用規約が導入された。その一方でEUは、EUの選挙をめぐり海外の広告支出を制限するルールを変更するかもしれない。

テック大企業の解体を考えている人が米国にいるにもかかわらず、EUの競争政策を担当するコミッショナーのMargrethe Vestager氏はおおっぴらにテック大企業の解体には反対している。その代わりVestager氏はデータアクセスを規制することを公約している。

今年初めのSXSWでのインタビューでVestager氏は次のように述べている。「企業や私有財産を解体することはかなり遠大な計画となる。そして、主流なツールを使ってできることよりも消費者にとってもっといい結果をもたらすことになるだろう、という十分な論証が必要となる。我々は私有財産に対処している。事業は、イノベーションによりつくられ、投資され、そして成功する」。

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(翻訳:Mizoguchi)