新型AirPodsの年内発売の噂。W3チップ搭載でHey Siri対応は確実か

eng-logo-2015発売からそろそろ丸2年となる、Appleの完全ワイヤレスイヤホンAirPodsですが、昨年末から何度か新モデルの噂がささやかれています。先日は、その新型と見られるAirPodsがBluetooth認証を取得したとのニュースもありました。

関連記事:新型AirPodsが近日中に登場?Bluetooth機関で2つの型番が認証取得

いよいよ新型発売の期待が高まりますが、そんな中、著名リーカーのIce Univerce氏が「新型は間違いなく年内に発売される」とのツイートを行っています。

年末商戦に間に合わせるのなら、11月中に発表し12月上旬の発売が考えられますが、具体的な日付については触れられていません。また、残念なことに、現状ではこれ以上の情報がなく、新型がどういったものになるのかも不明です。

ただ、冒頭でも書いた通り、これまでにいくつかの噂は出てきており、それらを下記に纏めてみました。

まず、W2もしくはW3チップを搭載し、Hey Siriに対応するのはほぼ確実。2月時点の噂ではW2チップ搭載とされていましたが、すでにApple Watch Series 4がW3チップを採用しているため、同様にW3チップを採用する可能性が高いと考えられます。

この時の情報では、Hey Siri対応とは別に防水仕様のAirPodsが出るともされていました。ただ、防水版AirPodsは2019年以降のリリースになるとされており、少なくとも年内に登場するのは非防水版となりそうです。

また、Bluetooth認証から、Bluetooth 5.0になることが判明しています。これは音質面でのメリットは大きくなさそうですが、接続性の向上や低遅延、バッテリ寿命の延長は期待できます。

なお、AirPodsではありませんが、Appleは独自のオーバーイヤー式ヘッドフォンを発売するとの噂もあります。Appleはヘッドフォンの左右を自動認識する技術について特許を出願しており、独自ヘッドフォンの目玉機能となる可能性もありそうです。

以上、Bluetooth認証を取得した以外は、すべて不確定な情報と推測でしかありませんが、年内発売が確実なら、少なくともあと1か月ほどで答え合わせができるはずです。

Engadget 日本版からの転載。

iPad Proレビュー:Appleの新しいタブレットは、成熟の予兆を見せ始めた

iPad Proがラップトップに取って代わるだけの説得力を持つものなのかどうか、ユーザーはすでにかなり長い間注目してきた。

その答えは、Appleを含めて、誰の言うことを信じるかによる。すでにある時点でラップトップを置き換え得るデバイスだと見なされていたのか、アプリの開発者コミュニティしだいでどのような機能をも持ちうる純粋なタブレットなのか、あるいはiPad独自の世界を築いているのか。

しかし、新しいiPad Pro、Smart Keyboard Folio、Apple Pencilの新バージョンの登場によって、ついに明らかになってきたことがある。

いよいよPhotoshopの完全なフル機能版が巨大なファイルも扱えるようになり、デスクトップ版と同じツールやブラシも装備した。それを発売するAdobeのような会社の能力と意欲が、新しいハードウェアと組み合わさったことで、iPad Proによって可能なことの領域には、新たな扉が開かれた。あとは、その機会に乗ずる準備がAppleにできているかどうかだ。

Pencil

ダブルタップのジェスチャーは自然に使えるかって? もちろん。私はシリアルポートで接続するタイプの第一世代のワコムの製品から、電子式のドローイングタブレットを使ってきた。それらの多くは、伝統的に、いわゆる「アクションボタン」を装備している。クリックすることで描画モードを切り替えて消しゴムにしたり、パレットを表示するものだ。それによって、作業中にタブレットから離れることを極力減らすことができる。

Apple Pencilの新しいダブルタップ操作が目指すのも、まさにそれだ。内部にある部品の多くは、第1世代のPencilとほとんど変わらない。ただし、新たに静電容量を検知するバンドが内蔵され、ペン先側の1/3ほどの領域をカバーしている。このバンドがダブルタップを可能にしている。感度もちょうどいい。有機的な感覚で、スムーズに操作できる。ダブルタップの間隔なども、Pencilのコントロールパネルで調整可能だ。

コントロールパネルを使えば、消しゴムではなくパレットを出すように設定したり、画面をPencilでタップすることで「メモ」アプリを直ちに開く機能をオフにしたりもできる。その設定では、写真と同じように現在のメモに留まることになる。そのうちに、タップしてスリープ解除する機能も変更できるようになれば嬉しいが、もちろんまずはそれで起動しなければ始まらない。

誤ってダブルタップしてしまったことは1度もなかった。それがデフォルトの設定だが、作業モードを抜けることなく消しゴムに切り替えられるのは、本当に使いやすいと感じられた。

ただし、Appleは開発者に、ダブルタップに異なった機能を与えることについて、かなりの自由を許している。たとえばProcreateは、私のお気に入りのドローイングアプリの1つだが、1つのツールやモードから別のツール、モードに直接切り替えるラジアルメニューなど、多くのオプションを用意している。Appleのガイドラインは、ダブルタップの使い方には慎重になるよう開発者に指示している。しかし同時に、ダブルタップがユーザーにとって意味のある実装となるにはどうすればよいのか考えるように促してもいる。

新しいApple Pencilは、トラッキングの正確さや応答については進化していない。基本的には、以前のiPad Pro用に開発された最初のPencilと同じトラッキング機構を採用している。しかし残念ながら、新旧のPencilには互換性がない。新しいPencilは古いiPad Proでは動作せず、古いPencilは新しいiPad Proでは動作しない。それは、ペアリングと充電のしくみがまったく異なるからだ。

第1世代のものとは異なり、新しいPencilは非接触でペアリングと充電ができる。これは大きな進歩だ。すぐになくしてしまいそうな小さなキャップは、もはや存在しない。直腸用体温計のように、iPadのお尻に差し込んで充電する必要もないし、充電と同時にペアリングもされる。

iPad Proを横向きにしたとき、上部の側面には中の見えない小さな窓が付けられた。その窓の内側に、Pencilを充電するためのコイルがあるのだ。またPencilの中にも、それに対応するコイルがあり、2列のフェライト磁石に囲まれている。これらの磁石は、iPadのシャーシ内にあるハルバッハ配列の磁石と対向している。こうして整形された磁場によって、ちょっとしたギミックが実現されている。ちょうど充電用のコイルが完璧に向き合う位置に、Pencilが自動的にスナップされるのだ。これによって、位置合わせのことなど何も考えなくても、Pencilを所定の位置に素早くくっつけることができる。

この磁力による接続はかなり強力で、Pencil部分だけをつかんで、iPad Proを持ち上げることができそうなほどだ。それでも、外そうと思えば簡単に外れる。横方向にずらしたり、前方に引くようにすればいい。

充電レベルを示す、見やすいオンスクリーン表示も用意された。

最初にApple Pencilが発売されたとき、私は父親に使わせてみた。父は創作活動の一環として、私が知る誰よりも多くのスケッチを描く素晴らしいアーティストだ。父はトラッキング性能と、デジタルツールへのアクセスの良さは気に入ったものの、ツルツルの表面がマット仕上げに比べて使いにくいことと、指を置くための平らな面がない点を指摘した。

新しいPencilは、マット仕上げになり、平らな面も新設された。そう、この平らな面によって、Pencilが転がってしまうことを防ぎ、充電のためにiPadの側面にくっつけることもできる。しかし、それによってドローイング用道具の一方のエッジを、効き指の方向に固定できることは、アーチストではない人からは完全に過小評価される効果だろう。これはスケッチ作業でのコントロールにとって非常に重要なのだ。一般的に鉛筆はたいてい丸いが、ほとんどの場合、オーバーハンドグリップ(訳注:掌を被せるような握り方)で握るように考えられている。ちょうど、シェードを付けるために使うポインティングデバイスのように。標準的なトライポッドグリップ(訳注:3本の指で支えるような握り方)は、少なくとも1つの平らな面を持つPencilに適している。

トライポッドグリップでは、動きの範囲は限られるものの、より正確に操作できる。一方、オーバーハンドグリップは、より機能的で汎用性があるものの、正確な動きは難しい。新しいPencilが、この広く利用されている2種類の握り方のどちらにもうまく対応できることは、アーティストにとってありがたい。

グリップなどどちらでもよい些細なことと思われるかもしれないが、私としては、そして私の指にできたタコは、ここは重要なところだと主張したい。スケッチにとってグリップはすべてなのだ。

このPencilは、Appleがこれ発売した第2世代の製品の中で、最も印象的なものの1つだ。ユーザーが第1世代のデバイスで抱えていた問題をすべて解消した。それによってドローイングでも、ノート取り、スケッチでも、iPad Proの使い勝手を大幅に向上させることに成功した。唯一の欠点は、これが別売りだということくらいだ。

新しいPencilを使ったドローイングやスケッチは、とても楽しい。Wacom Cintiqのような専用デバイスさえも吹き飛ぶような、際立った感覚で使える。Surface Proのスタイラスなど足下にも及ばない。

さらに、新しいPencilのダブルタップについても、すでに興味深いことが起こりつつある。たとえばProcreateでは、異なるツールごとに、あるいは必要に応じて、さまざまなダブルタップの操作を選択できる。状況に応じて柔軟に対応できるのだ。ユーザーが何をしているか、というコンテキストにリンクさせることもできるし、ユーザーあるいは開発者による設定によっては、リンクさせないことも可能だ。

あるときは、ラジアルメニューをポップアップしてレイヤー全体を操作したり、またあるときは描画ツールと消しゴムを入れ替えたりできる。それでもまったく戸惑うことなく操作できるのは、そのとき使っているツールに応じた機能が発揮されるからだ。

特にポートレートモードで使ってみると、ラップトップやハイブリッドでは、なぜ指で直接画面に触れるのが良くないか、すぐに分かる。このPencilは、太い不器用な指で画面上の小さなボタンをタップしようとするのとはまったく違った、精密でデリケートなタッチが要求される場面に応えることができる。リーチの問題もあるだろう。Pencilなら、キーボードから2、30センチ離れた場所に届かせるのにも苦労はいらない。

このPencilは、単なるドローイング用のアクセサリから、iPadユーザーにとって不可欠なポインティングデバイス兼操作ツールになるための階段を着実に登りつつある。まだ完全にそこに達してはいないとしても、Procreate用の非常にフレキシブルなオプションとして、大きな潜在能力を備えていることは確かだ。

Apple Pencil、さらにはiPadに対しては、非常に多くの議論が進行している。このPencilとAirPodは、他のどんなメーカーと比べても、ハードウェアとソフトウェア、両方の製品を抱え、それに責任を持つ意思と能力を持つAppleも、もはや魔法のような体験をユーザーに提供することはできないのではないか、という議論に対する十分な反証をぶつけた。

スピーカーとマイク

iPad Proは、今では5つのマイクを備えている。とはいえ、録音はステレオでしかできない。2つのマイクの組み合わせて録音し、必要に応じてダイナミックにノイズキャンセリング機能も働く。

スピーカーは強力で、これだけ薄いデバイスにしては、かなり良好なステレオサウンドを生み出す。このスピーカーは、FaceTime通話では4つが同時に機能するなど、より賢く使われるようになった。以前は、ハウリングが発生するためにできなかったことだ。これも5つのマイクを備えたことによって可能になった。

ポートについて語ろうぜ。そう、USB-Cのことさ

私はUSB-Cの規格は、あまり好きではない。もちろん、従来のUSBに比べて、さらにLightiningポートに比べても、規格としていろいろな利点を持っているのは確かだ。理想的ではないにしても、そこそこいい線はいっている。だから、Appleが、高解像度の外部モニタを使い、iPhoneを充電しながら写真を高速で転送したいというユーザーの声を聞く方が、Lightningに固執することよりも重要だと認めたのは、良い意味で驚きだった。

Lightningについては、コンパクトで、用途が広く、iOSデバイスにぴったりだ、ということがずっと変わらずに宣伝されてきた。今は、iPad Proのサイズに合わせた選択だと説明されているが、それば別にいいだろう。簡単に拡張できないプラットフォームは、Proという名前にはふさわしくないからだ。

今や、AppleのラップトップとiPad Proが、いずれもUSB-Cを備えるようになったのは偶然ではない。これは他のデバイスにも波及するかもしれない。しかし今のところは、ユーザーがそれらのデバイスに何を求めるかということ対するAppleの考えを反映したものだ。外部モニターが、Appleにとってもっとも優先順位の高い課題であったことは、Appleの発表会での話からも、その後に私が直接聞いたことからも確かだ。単なるミラーリングではなく、拡張モードでも使える最大5Kの解像度から、大いに恩恵を受けるプロユーザーが少なからずいることが分かっていた。

さらに言えば、現時点でも直接USB-Cポートに接続できる楽器やミュージシャン用の周辺機器は山ほどある。公式ではないものの、外部電源を必要とするアクセサリに対して、動作するのに十分な電力を供給できる可能性もある。

このUSB-Cポートは、充電のために接続されたデバイスに対して、最大7.5Wの電力を供給できる。またマイクやその他のアクセサリも接続可能だ。とはいえ、これまで外部電源を必要としていたデバイスが、そのポートから十分な電力を得られるかどうかは保証の限りではない。

ちなみに、MacBook用のドングル類は、ほとんどiPad Proでも使えるだろう。何か新たな組み合わせを思い付けば、そこに新たな用途が生まれるだろう。

このポートは、USB 3.1 Gen2規格に準拠していて、最大で10Gbpsのデータ転送が可能だ。実際には、ほとんどの人にとって、これはカメラやSDカードリーダーからの写真転送がより速くなることを意味している。しかしiPad Proの「ファイル」アプリは、マスストレージや、外付けハードドライブを直接サポートしていない。ファイルに直接アクセスできる機能を備えた一般のアプリは、引き続きハードディスクから読み込むことができ、その転送速度はより速くなるというわけだ。

これも別売りで、USB-C用のヘッドフォンアダプターも用意されている。興味があるかどうか分からないが、それはMacでも使える。ところで、ヘッドフォンジャックをなくした理由として私が受けた説明では、画面の端からベゼルの幅には収まらないから、というものだった。さらに他の部品を納めるためのスペースも必要になるというのだ。

新しいiPad Proには、新しい電源アダプターも付属している。もちろん、iPad Proにとっては初となるUSB-Cタイプだ。

A12Xとパフォーマンス

1TBのストレージを装備した大きい方のiPad Proは、そしておそらく同様に1TBの小さい方のモデルも、6GBのRAMを実装している。ただし私の知る限り、1TBに満たないストレージのモデルのRAMは、それより少なく、合計4GB程度となっている。それがどの程度パフォーマンスに影響するかは、そうしたモデルを使う機会がなかったので分からない。

とはいえ、このiPad ProのA12Xの全体的なパフォーマンスはトップレベルだ。複数のアプリを画面分割して動かしたり、Slide Overするのも、まったく問題なく、アプリ間の切り替えも非常にスムーズだ。Procreateで、大量のファイルを開いてドローイングしたりスケッチしたりするのも超簡単だ。ARアプリでも、バタつくことはまったくなく、滑らかに動かせた。一般的なiPadアプリ、重いクリエイティブ系のツールでも同様だった。Lightroomで大きな写真を編集したり、iMovieで長大なビデオファイルを編集するユーザーも、かなり満足するはずだ。

このiPadのGeekbenchのベンチマークは、予想通り、常軌を逸している。

これを見れば分かるように、デスクトップクラスの性能を持つARMプロセッサーがiPad Proに搭載されるのを待つ時代は終わった。それはすでに実現されたのだ。しかも、他のAppleの設計によるチップと、システム全体で密接に統合されており、Appleの目標を達成することができた。

ARMへの切り替えに関しては言えば、基本的に2つの有力な考え方がある。1つは、まずARM版のMacBookのモデルを1つ(たぶん文字通りのMacBook)を出すことでゆっくりと始め、そこから他のモデルにも徐々に広げていくというもの。私は、ずっとこの考えを支持してきた。しかし、このiPad Proを使ってみて、数々のプロ用アプリの瞬発的な、そして持続的なパフォーマンスを目の当たりにした後では、その考えにも疑いが生じた。

すでに結果は出ている。Appleがそうしたいと思いさえすればいつでも、そのすべての製品ラインでARMプロセッサーを採用できることを、このiPad Proのパフォーマンスが明確にしたのだ。

Intelのサプライチェーンや優先順位の気まぐれのせいで、Appleの新製品が登場するのをただただ待ち続ける、ということもよくある。Apple自身も、それにはうんざりしているのだ。Appleの内部から、そうしたグチが漏れてくるのを、私は何年も前から耳にしている。それでも彼らはIntelとパートナーとしての関係を維持してきた。それも、Appleが飛躍を遂げるまでの話だ。

ここまで来れば、あとは時間の問題であり、その時間は短いだろう。

カメラとFace ID

iPad Proのカメラは、まったく新しくなった。新しいセンサーと、新たな5枚構成のレンズを使ったものだ。この新しいカメラは、ゼロから設計し直す必要があった。というのも、iPad Proは薄すぎて、iPhone XRやXS、あるいは従来のiPadのカメラを流用できなかったからだ。

この新しいカメラの画質は素晴らしい。高速なセンサーと、A12Xチップのニューラルエンジンによって実現されたスマートHDRも搭載している。Appleのカメラチームが、単にセンサーを小さくしたり、厚みが足りなくても動作するような古い設計に戻るのではなく、それなりのカメラ体験が実現できるよう、仕事を増やす決意をしたのは興味深い。

面白いことに、この新しいカメラシステムは、iPhone XRのようなリアカメラによるポートレートモードを提供していない。ポートレートは、フロントのTrueDepthカメラでだけ撮ることができる。

iPadによる写真撮影は、いつも評判が悪い。サッカーの試合やテーマパークで、パパがタブレットを構えることが、ジョークのネタにされてきた。それでも、iPad Proの画面は、ファインダーとしては、おそらくこれまでで最高のものだ。

いつの日か、それがiPhoneに対する優位な特徴として認められる日が来ることを願っている。そうすれば私も気兼ねなくパパとして行動する言い訳ができるから。

もう1つ付け加えれば、iPad ProのフロントのTrueDepthカメラシステムには、薄くなったケースの中で動作するように、ハードウェアとソフトウェア両面のアップデートが施された。それに加えて、ニューラルネットのトレーニングと調整もあり、Face IDは、iPad Proを4方向どの向きで持っても動作するようになっている。どの側面が上を向いていても、とても素早くロックが解除される。その早さは、文句なくiPhone XS世代のFace IDシステムと同等だ。

私の思い込みかもしれないが、Face IDは、わずかながら従来より広い角度で動作するようになった。基本的に、iPhoneを使うときよりも、iPadに向かうときの方が、顔は画面からより離れた位置にある。その上、カメラの光軸から余計にずれた位置にいると感じられるときでも、着実にアンロックしてくれるのだ。これはiPadの美点だろう。どんな作業姿勢でも大丈夫なのだから。

キーボード

Apple Pencilと同様、Smart Keyboard Folioもオプションとなっている。そしてPencilと同じように、これなしでは、iPad Proをフルに活用することはできないと思われる。私は、かなり集中的なプロジェクトで、iPadで一気に1万1000語以上の文章を書いたことも何度かある。そんなとき、気を散らさずに文章を入力できる装置として使用できる能力は、いくら強調してもしたりないほどだと感じている。何者にもじゃまされずに、ただひたすら単語を入力できるというだけでも、良いテキストエディタを入れて使うiPadより優れた電子機器は、そうそうない。

しかし、編集について言えば、混沌とした状況もある。最新のiPad Proが一定の水準に達しているかどうか、よく分からないが、様々な作業が混在するような状況では、かなり有望だろう。Pencilと物理的なキーボードのおかげで、掛け合いのようなフィードバックを必要とする異なる作業の組み合わせや、それらの頻繁な切り替えが要求される仕事をする人にとっても、だいぶやりやすくなってきたと言える。

キーボード自体はよくできている。感触は、従来のiPadのApple純正キーボードとほとんど同じだ。キーを押して戻ってくる感覚は理想的とは言えないまでも、慣れれば及第点が与えられる選択肢となる。

このFolioのデザインは、また別の話だ。これは非常にクールで、安定感も抜群。賢い実装によって唖然とさせるほどの良さを引き出すAppleの意欲のたまものだ。

ケースの中には120個もの磁石が仕込まれていて、Pencilを保持するのと同じハルバッハ配列を形成している。基本的に、磁石は磁力が外側に向くように配置されている。こうした配列によって、ケースは何の苦もなくiPadにくっつき、しかもキーボードに対する電源の供給と通信に必要な細かな位置合わせも自動的に片付けられる。

iPadを立てて使う場合の、2通りのポジションを可能にする溝にも磁石が仕込まれている。それがiPad Pro本体内部の磁石と結合するのだ。

この効果によって、Smart Keyboard Folioは、以前の世代のものよりもはるかに安定した。実際に膝の上に乗せて使えるようになったのは、正直嬉しいところだ。ラップトップ機と同じくらい安定しているとまでは言えないものの、電車や飛行機でも、無理なくぽんと膝の上に乗せて作業することが可能だ。これは、へなへなした前世代のものでは、まったく不可能だったことだ。

このFolioに対する強い希望は、ドローイング作業に適した角度でも使えるようにして欲しいということだ。それがこのデバイスが特に目指したところでないことは理解しているつもりだが、Pencilによって非常にうまく使えることが分かっているだけに、iPadを15〜20度の角度で固定できる仕組みがないことは、大きな欠点のようにすら感じられるのだ。それができれば、スケッチでもドローイング作業でも、ずっと使いやすくなる。Folioの裏側の端から1/3あたりの位置に新たな溝と磁石を追加すれば、これも可能になると思われる。近い将来実現して欲しいと願っているものの、そのようなアーティストやイラストレーター向けのケースを、間違いなくサードパーティが割とすぐに発売するだろう。

デザイン

iPad Pro本体の角の丸みと、対応する画面の角の丸みについては、すでに色々言われてきたが、実際のところこのデバイスは形状に関してかなりアグレッシブだと感じられる。エッジは角が取れたようにはなっておらず、すべて真っ直ぐに交わっていて、引き締まったアールの付いたコーナーとマッチしている。

背面のカメラの出っ張りは、背面を下にして台の上に置いて動かそうとしても、ガタガタしない。それが心配だった人のために言えば、一種の三脚効果によって、何か書こうとしても問題ない。

全体としての見栄えは、よりビジネスっぽくなり、いわゆるApple流のカーブによる親しみやすさは陰を潜めている。でも私は気に入っている。徹底して直線的なエッジによって、すべてのエッジの近辺の何ミリかの利用できないスペースに譲歩することなく、Appleも内部のスペースをより効率的に使えるようになった。これまでの曲線で構成されたiPadでは、周囲の無駄な空間を合わせれば、それなりの体積になるだろう。iPad Proの顎と額を切り捨てたことで、デザインのバランスを整え、持ちやすくもなっている。

MicrosoftのSurface Proのデザインと新しいiPad Proのブロック状のデザインを比べたくなるのは、無理もないことだと思われる。しかしiPadは、ライバルとなるほとんどのタブレットよりもずっと洗練された印象を与える。それは、コーナーのアールの組み合わせ、最高レベルのアルミニウム仕上げ、そしてSmart Keyboard Folioなどのアクセサリを取り付ける際にも、非常に賢く磁石を利用することで、ホックやラッチを無用にしていることなどのディテールに現れている。

新しいiPad Proの大きい方か、小さい方かで迷っているとしても、私にはその片側についてのアドバイスしかできない。というのも、まだこれまでに新しい12.9インチモデルしかテストできていないからだ。それは、以前の大きい方のiPadよりも確実にバランスが良いものに感じられるし、この画面サイズにしては、これまでで最も小さなものに仕上がっている。それによって両者の本体サイズがこれまでにないほど近いものになり、どちらを選ぶかの決断を難しくしている。先日のイベントで、小さい方のProを実際に触ってみた印象は良かった。しかし、それといっしょにどうやって暮らしていこうかというイメージはわかなかった。こちらも感触はかなりよく、クジラのように大きく、連れて歩くのがためらわれた以前の大きい方のiPad Proでは決してかなわないほどポータブルであることには違いない。そして13インチのMacBook Proよりも小さく、ずっと薄いのだ。

画面

iPhone XRのピクセルマスキング技術は、このiPad Proにも採用され、丸い角を実現している。このLCD画面には、「タップしてスリープ解除」の機能も組み込まれている。これはPencilで絶大な効果を発揮するが、指で画面に触れて生き返らせることも可能だ。ProMotionと呼ばれるAppleの120Hzリフレッシュ技術(訳注:表示内容やユーザーの操作に応じてリフレッシュレートを自動調整する機能)は、最高の効果を発揮し、高速化されたプロセッサーと相まって、可能な限り1:1に近いタッチ体験を常に実現している。

このLCDの色再現性とシャープネスは、ただ優れているという以上のものであり、OLEDに比べても黒レベルが劣るだけだ。それは物理法則によるのでしかたがない。私がiPhone XRで最初に気づいた問題だが、このiPadでもエッジに近い部分がわずかに暗く見える。これはAppleが縁なしのLCDを実現するために採用しているピクセルゲート技術の局所的な減光効果によるものだ。それを別にすれば、これまでに製造された中でもかなり優れたLDCの1つに数えられると私は思う。しかもベゼルの幅は狭く、角が丸いという面白さもあり、さらにノッチもない。気に入らない点が何かあるだろうか?

結論

私の意見としては、純粋なタッチデバイスとして軽い作業のためのiPadを欲しいなら、普通のiPadを手に入れるべきだと思う。iPad Proは優れたタブレットだが、Pencilとキーボードと組み合わせて使うことで、本領を発揮する。長文のテキストを打ち込んだり、画面に直接殴り書きするような作業に対応できることは、iPad本来の能力に対する本当に素晴らしい付加価値となっている。

しかし、iPad Proのパワーと実用性は、Pencilと組み合わせることで、際立った高みに達する。

あらゆるコンピューティングデバイスの中で、キーボードを備えたタブレットの果たすべき役割については、終わりのない議論が繰り返されてきた。それはラップトップの代わりになるのか? それとも崇高な夢を持ったタブレットなのか? やがて「2in1」という呼び方を、誰もしなくなるのか?

iPad自体は、そうした混乱を収めるようなことは、ほとんど何もしてこなかった。というのも、誕生してからこれまでの発展過程で、そうしたさまざまな役割を果たしてきたからだ。実際に新製品として発売される際に装備してきた機能においても、Appleのマーケティング部門によるメッセージや、入念に準備された発表会のプレゼンテーションにおいてもそうだった。

この分野の基本的な動きを要約すると、Microsoftはラップトップをタブレットにしようとしているのに対し、Appleは逆にタブレットをラップトップにしようとしている。そして、その他は訳の分からないことをやっている、ということになるだろう。

Microsoftは、最初にOSの頭部を切り離してタブレットから作り始め、そこから逆戻りする必要があったということを、まだ完全に理解できていないように、私には思われる。現在のMicrosoftは、当時のMicrosoftよりもずっと有能だとは思うが、それはたぶんまたまったく別の議論だろう。

Appleは最初からOS Xの頭部を切り離すことにして、それ以来ずっとゆっくりと別の方向に進んでいる。しかし、タブレットとしてのユーザー体験の満足度では、Surface ProがいまだにiPadの足下にも及ばないものであることは動かない事実だ。

柔軟性には優れるかもしれないが、統一感と信頼感の高い機能性を犠牲にしている。ちょうど、冷蔵庫とトースターをいっしょにしたようなものだ。

そうは言っても、Appleもまだソフトウェアについては十分な仕事をしておらず、このiPad Proのハードウェアが提供している速度と多様性を十分に享受できるようなものになっているとは思えない。アプリの画面を分割して、アプリを切り替えられる固定的なスペースを作ったりできるようになったのは、iPad用OSのけっこうな進化ではあるものの、それはまだ可能性のほんの一部に過ぎないだろう。

そしてハードウェア以上に、AppleのiPadのユーザーこそが過小評価されているのではないかと思われる。すでにiPadが出てから8年、iPhoneからは10年が経過した。世代を問わず、すでに多くの人がこれらのデバイスを唯一のコンピュータとして使っている。私の妻は、iPadとスマホ以外のコンピュータをもう15年も持ったことがないが、特にモバイルファーストの急進的な実践者というわけではない。

Appleは、単一のiOSという足かせから自分自身を解き放つ必要がある。ユーザーベースは未熟なものではないのだから、もはや同じだと感じられるものである必要はない。ユーザーはすでに乳離れしたのだから、まともな食事を与えるべきだ。

私にとってこのPencilは、すべての中で明るい光として際立っている。確かにAppleは、ダブルタップジェスチャーの採用については予想されたとおり遅かった。しかし、Procreateのようなサードパーティのアプリは、長期的にはPencilがタブレット世代のマウスになるための、途方もない機会があることを示している。

この一種のスタイラスは、iPadの誕生から最初の10年近くの間は、決して正しい選択ではなかったし、多くのユーザーにとっては、いまだに必須というわけではないと思われる。しかし、コンテキストによって変化するラジアルメニューや、適切​​なタイミングで適切なオプションが得られるという能力は、確実にこのPencilが新たなインターフェースへの扉を開く鍵となるものであることを意味している。それは、マウスによる確実な処理と、ジェスチャーによる柔軟性のあるタッチ操作を融合したようなものになるだろう。

Surfaceペンを持ちながら、目を白黒させているSurface Proのユーザーがいるはずだ。それはPencilではないのだから、それも当然のことだろう。そしてさらに重要なのは、それはAppleが、Pencilを本物以上の感覚で使えるようにするためにiPadに施した、尋常ではない仕事によって生み出されたものではないからだ。

そして、Appleがここに到達するまでの、時には遠回りで退屈な道のおかげで、ユーザーはキーボードを外してPencilを手放してしまっても、iPad Proの素晴らしいタブレットとしての体験を味わうことができるのだ。

もしAppleが、そのソフトウェアをハードウェアと同じくらいフレキシブルで先進的なものと感じられるよう、さらに良い仕事をすれば、iPad Proには羽が生えるだろう。もしそれができないなら、iPadは行き止まりに突き当たる。しかし私には希望がある。高過ぎるPencilのような形の…

[原文へ]

(翻訳:Fumihiko Shibata)

日本のマジシャンがiPad Proで超絶トリックを披露――これはすごい!

日本のマジシャン、内田伸哉氏がiPad Proで驚くべきトリックを演じているところがTwitterに投稿されている。

TechCrunchのMatthew Panzarino編集長はもっと普通だがたいへん詳細なiPad Proのレビューを書いている。長文だがぜひお読みいただきたい。ただしトリックは含まれていない。

〔日本版〕内田伸哉氏は日本のマジシャン、プロデューサー、著作家で多数の著作がある。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

Mac Miniレビュー:Appleはデスクトップをプロ向けにシフトし、エントリーレベルのユーザーを振り落としつつある

先月開催されたAppleのイベントでは、Mac Miniはまるで帰って来たヒーローのような歓迎を受けた。おそらくそれはやりすぎの広告戦略だったのかもしれないし、ブルックリンのオペラハウスの座席を近隣に住む従業員で埋めていたからなのかもしれない。

しかし少なくとも、忘れられていたように思われていたAppleの製品ラインの復活に対する、歓迎の声は大きかったことだろう。MacBook Airと同様に、この勇敢で小さなデスクトップは、表向きには放棄されていた。最後の意味のあるアップデートから4年が過ぎ、MiniはAppleの過去の遺物のように、琥珀に包まれていたのだ。

これに相当する科学用語は「ラザロ分類群」(Lazarus taxon)だ。一見滅びてしまったかのように見えて、のちに復活した生物群を指す用語である。確かに、AppleはMiniの在庫を切らしたことはなかったが、急速に進化するコンピューター機器の世界では、4年前のシステムは遥か昔に忘れられた古代文明の遺物のようなものだ。

とりわけそのギャップは、私たちにAppleのエコシステムとコンピュータの世界におけるMac Miniのポジションを、再考させる機会を与えていた。Appleは明らかに再考を進めていたのだ。実際、同社のデスクトップライン全体は、iMac Proの投入や、予告だけでまだ登場しないMac Proを含めて、この一年の間に明らかに再考されている。

Miniは長い間Appleのエントリーレベルのデスクトップだった。2014年モデルの499ドルという価格は確かにこの事実を強調していた。300ドルの価格上昇でも、最新のバージョンは依然としてデスクトップMacの世界で最もコストの低い入口を指し示しているが、間違いなく「エントリー」の看板は下ろすことになるだろう。

価格の急上昇には、当然注目すべき性能の上昇が伴っている。このことによって、この小さなデスクトップは、Appleが再びクリエイティブのプロたちのコアコンピテンスに応えるために進んでいる、デスクトップエコシステムの系列に投入されることになった。最新のMac Pro(実のところ、こちらもオーバーホールの期限は過ぎている)のパフォーマンスレベルに匹敵する性能を発揮する、組み込みコンポーネントに加えて、Appleはユーザーによるアップグレード性をさらに向上させた。Apple製品には珍しいことだ。

ここで注目すべきは、デバイスの背面にあるポート数の多さだ。ここには2個の完全なUSB 3ポートがあるが、古い機器への下位互換性を考えるとこれは安心材料だ。もちろん私は、両方のポートをすぐにキーボードとトラックパッドに接続した。デスクトップコンピューティングに関する限り、これはとても重要な事柄である。もちろん、ワイヤレスを使ったり、他に外せないアダプターを接続することも可能だ。

HDMI 2.0も備わっているが、同時にヘッドフォンジャックも残されている、これはかつてはどこにでも見られたポートだが、Mac製品ラインにはかろうじて残されている。これがずっと残り続けることを祈りたい。有線のヘッドフォンを接続できることは、Applenデスクトップやラップトップに頼るクリエイティブオーディオのプロフェッショナルには本当に重要なことである。にもかかわらず、他の製品ラインではおかしなことが起こっている。

しかし、I/Oに関する最大の転換は、4つものThunderbolt 3ポートを提供していることだ。それはiMac Proと同じ数であり、2017年版の普通のiMacの2倍である。これはコンピューティングの多様性をさらに向上させる。私の机の上に関して言えば、Appleがテスト目的で送ってきたLGの4Kモニターを、接続できていることを喜んでいる。

あと必要なのは、すでに混み合っている電源タップに接続すること位だ。2台の4Kディスプレイ、もしくは1台の5Kディスプレイをサポートするのに十分なパワーがある。もしイカれた気分に囚われたならHDMIポートに3台目の4Kディスプレイを接続することもできる。しかし今の所、残りのポートは機器の充電用として使っている。

内部グラフィックスはオーバーホールされていて、Intel UHD Graphics 630は、前世代に比べ最大60%の性能向上を謳っている。しかし530cb程度のCinebenchスコアは、最新のiMac(Proではない)とほぼ同じである。

これがThunderboltポートに注目したくなる理由だ。そこには外部GPUを1〜2台接続することができる。実際、それはステージ上では言及されていなかったが、ハードウェアパートナーのBlackmagicは、Apple専用のeGPUをイベント当日に発表している。今回のものは遥かに性能の高い(そして価格もそれに合わせて高い)Radeon RX Vega 56カードを搭載している。

これは、より本格的なゲームプラットフォームになるという、同社のますます大きくなっている野心に沿った素敵な一歩だ。しかし、こうしたシステムでさらに大事な点は、写真や動画編集などの、リソース集約型のグラフィックタスクをより多く行うユーザーたちにとって、重要なアップグレードだったということだ。AppleはVR制作のような、より重いタスクのためのコンテンツ制作プラットフォームへの道も推進している。しかし、たとえ外部GPUが使えるとしても、そうしたユーザーたちはその名前に”Pro”が冠されたApple製品を求めているのだ(前述の外部GPUが取り込まれた形で)。

私たちの入手したユニットには8GBが搭載されている。言うまでもなくこれは2014年モデルで提供されていたものと同じエントリーレベルの構成だ(速度は向上しているが)。しかしそれは購入時に、もしくは後から自分でケースを開けて、8倍に増やすことができる(もちろんそれなりの費用はかかる)。ストレージ(現在は完全にSSDだ)はユーザーによって交換することはできないが、注文時に2TBまで増やすことができる。

サイトに出ているままの構成の私たちのユニットの価格は799ドルで、これはエントリーレベルのバージョンである。それはクアッドコアの3.6GHz Intel Core i3、8GBのRAM、そして128GBのストレージを搭載している。パフォーマンスについて言えば、Geekbenchの値は、シングルコアで4685、マルチコアでは13952となった。もちろん、2014年版と比べれば大幅に改善されているが、たとえばハイエンドの2018年版MacBook Proにはかなわない。それらの数字を上げるために、Core i7にしたくなるだろう。その場合は1099ドルからのスタートだ。そして、言わずもがなの警告ではあるが、もし全てのスペックを最上のものにすると、システムの価格は4199ドルに達する。これはもうiMac Proの領域である。

もちろん、最も低い仕様のバージョンでも、ほとんどのタスクはうまくこなしてくれる筈だ。私はここ2、3日というもの、自分の標準的なテックブロガーの仕事をこのマシン上で行なっているが、その結果には完璧に満足している。しかし一方で、ワークロードがプロセッサやグラフィックスに集中する場合には、この部分を強化したくなるだろう、あるいは”Pro”がその名前につけられたデスクトップの購入を真剣に考えることになる。

予算に縛られている人にとっては、ベースレベルで300ドルの価格引き上げは、気持ちをたじろがせるには十分だ。構成部品がより高価であることは事実だが、Appleが今回、Proエコシステムへの入口となる製品を提供することを選ぶことで、真のエントリーレベルユーザーたちを価格で振り落としたのではないかという疑念を拭うことができない。とはいえ799ドルという価格は、Appleのデスクトップとしてはかなり妥当な価格だとは思えるのだが。

ローエンドのデスクトップユーザーと、高い処理能力を必要とするユーザーの両方に対応することは難しい、何よりそれこそが、異なるMacBookモデルの存在する理由なのだ。一方Miniは、Appleのラップトップよりは確かによりニッチなデバイスだ。

しかし、Miniはそれ自身の興味深いニッチ分野を築き上げている。この最新バージョンは、単にデスクトップとして使われる場合以外の用途も明らかに意識して作られている。AppleはITにおける利用例を紹介した。この製品の小型でフラットなデザインは、サーバー用途への候補として興味深い。データセンター全部をこれで運営するのは少しばかり高価につくだろう、だがそれができるとなれば、間違いなくやる奴らは出てくる

こうした、様々な予想外の使用例の存在が、Appleに今回も同じサイズの機器を作らせた大きな理由だ。多くのサードパーティがすでにそのサイズ用のアクセサリを製造している。そうだとすれば単に新しいユニットと差し替えやすくするのは当然ではないだろうか?またこのフットプリントは、複数のマシンの出力を一度に必要とするワークロードに対して、コンピュータを容易に積み重ねることができることを意味する。

つまり、机の上で邪魔にならずに増やしていける良いサイズなのだ。これを書いている今、Miniはキーボードの先、モニターの下に程よく収まっている。スペースグレーメタルへの変更は、残りのMacたちの美しさとマッチする(新しいiPad Proは言うまでもない)し、私の黒い机にも具合よくフィットする。

Mac Miniは間違いなく、前バージョンに対する強力なアップグレードであり、Macの生態系の未来を垣間見ることができる興味深い製品だ。しかし、この製品のプロへの野望に伴って、799ドルからという、より高価な値札が付けられた。今でもMiniは、デスクトップMacエコシステムに入るためには、最も適切な価格なゲートウェイだが、Appleにとっての「エントリーレベル」の定義は、前回に比べて明らかに変化している。

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(翻訳:sako)

MacBook Airレビュー:12インチMacBookよりいい買い物

3年間、MacBook Airは不在にしていた。といっても、もちろんこの超ポータブルなPCがAppleのサイトから消えていたわけではない。しかし「Appleはなぜ他のMacBookラインを見直しているのに、最も人気のプロダクトの一つであるMacBook Airを無視し続けるのだろう」とプレゼンがあるたびに思っていた。

だが先月ブルックリンで開かれたイベントで、Appleはとうとう10年半前にMacBook Airが発売されて以来最大のアップデートを発表した。熱狂的な聴衆で埋まったイベントで、Airはいとも簡単に最大の拍手喝さいを浴びたー喝さいはiPad Proより大きく、おそらくMac Miniよりも大きかった。

ファングループは明らかに新Airを待ち望んでいた。

Airを正しいものにするというのは手際を要する仕事だ。AirはMacBookシリーズで最も薄い製品であるばかりでなく、最も安い。その組み合わせにより、Airは旅行を頻繁にする人や、MacOSエコシステムに入る最も安いルートを探している人にとって人気となっている。ラインに追加されるハードウェアというのは値段が上がる傾向にある。たとえばMiniの場合、499ドルから799ドルへと大幅に上がり、これによりエントリーレベルという特徴をMiniは失ってしまった。

Airの価格も上がったが、Appleは総合価格と相対価格という点で抑制することができた。1199ドルというラップトップのローエンドバージョンは、Macエコシステムに入るのに最も安いものだ(古いAirを除けばの話で、こちらはまだ999ドルで購入できる)。

最新アップデートでAirはMacBookラインナップの中でようやく居場所を見つけたようだ。現在のイテレーションは2015年の大きなオーバーホールからのことだ。MacBookクラブの仲間入りするというのは、USB-Cへの移行、内部の強化、そしてもちろん長く望まれていたRetinaディスプレイの搭載など、美しいアップグレードを意味する。

AppleはMacOSデバイスと、iPad Proの追加を通じてiOSでも再びクリエイティブなプロフェッショナルを取り込むことになり、そうした移行の最中でAirは登場する。iPad Proでは、コンピューテーション力の肩を並べることでAppleのオペレーティングシステムの線引きを曖昧なものにする。

今のところ、AirはiPad ProとローエンドのMacBookの中間に位置しているーしかしAirとiPad Proの価格差は100ドルで、AppleがAir再生に有利になるようにベースラインプロダクトを密かに終わりにしてしまうのに気づいてかなりショックを受ける人がいるかどうかはわからない。特に根強いAirの人気を考えたとき、Airを最近の位置付けのままにしておく十分な理由はない。

Airの価格を抑えるためにいくつか犠牲になっている点はあるー最も目に付くのがTouch Barだ。AirにTouch Barを搭載しないという今回の決定は、Appleがタッチスクリーン近くにあるこのテックから離れようとしているサインだという推測もある。しかし理由はもっとシンプルなものだろう:Touch Barを搭載するとエントリーレベルの価格を押し上げてしまうことになるーそしてMacBookを覆い隠してしまう。

その代わり、Appleはそれよりもいいアプローチをとった。Touch BarからTouch IDだけを取り出したのだ。私の仕事用とプライベート用のどちらのPCにもTouch Barがあるようになって数年経つが、指紋スキャナーだけが唯一(音量調整などのスタンダードなファンクションキーを除いて)私が毎日う使うものだ。長期的には、意識的にTouch BarとTouch IDの連結を解くことでTouch Barを少しお荷物な存在にしてしまうかもしれない。しかしAirにとっては値段の上昇を招かずに最も便利な機能を搭載するという、理想的な決定となっている。

キーボードは最新のMacBook Proと同じものだ。これは長らくAirを愛用しているユーザーを二分するものになりそうだ。しかしながら、もしあなたが2015年の悪名高いバタフライスイッチのオーバーホール以来MacBookキーボードを触っていないのなら、近くのAppleストアに行って試してみることを勧める。前モデルに比べるとまだ浅い感じがするのは事実だが、2つの大きなアップデートによって過去3年間で改善している。

最新世代のものは静かで、感触も良い。そして、新しくゴムがひかれたブラダーによるメリットもある。これは何かをこぼしたときや、あるいは粒子状物質からも守ってくれるはずだ。以前のモデルは皆にとって破滅のもとだった。真面目な話だが、私は以前、Amazonイベントの前に圧縮空気の缶を探そうとシアトルの街を必死になってさまよったことがある。

初期のAirモデルからのアップグレードに手を出さなかった人は調整期間が必要かもしれないが、初期の2015年MacBookでもそうだったように移行はすごく簡単だ。トラックパッドも今やMacBookの仲間入りを果たした。前のAirより20%大きくなり、表面全体にわたって均一のレスポンスを持たせるためにForce Touchを採用していて、どちらも歓迎すべき変更だ。

当然、新Airの内部は2015年モデルより全体的にアップグレードしている。しかしMacBookとの差があいまいになった感はある。実際、この2つのプロダクトが同時に存在していることは買い手を困惑させうるー当然のことながらそうだろう。もしこれまでどのMacBookを買うか選ぶのに難しさを感じたことがあるのなら、Appleは今回さらにこれを複雑なものにした。

RAMは8GB、16GBどちらのシステムでも同じだ。これについては驚きはないーMacBookライン全体に一貫している。一方、基準のストレージは低い数字から始まっているが、最も大きなものはMacBookを超えている。最も少ないストレージは128GB(MacBookは256GB)で、そこから最大1.5TBにまで増える。もちろん、ストレージを大きくするのはいつも値が張り、最大ストレージ量を選ぶと追加で1000ドルかかる。

この新たなモデルではプロセッサはAirよりも値段の高いベースラインのMacBookよりアップグレードしていて、1.2GHzデュアルコアのIntelコアi3から、1.6GHzデュアルコアIntelコアi5プロセッサになっている。つまり、この点では現在のところコンフィギュレーションは1つで、よりパワーが欲しければProへのアップグレードを真剣に考えたほうがいい。コアi5に8GB(ストレージ以外の全てでスタンダードだ)を組み合わせたとき、Geekbenchを使ったテストのスコアはシングルコアが4297、マルチコアで7723だった。

新たなチップは、2017年MacBookのシングルコア3527、マルチコア6654を上回るが、上のグラフをみると、AirとProの差は一目瞭然だ。新たなモデルはユーザーの日々のタスクのほとんどではきびきびと働くが、よりヘビーな作業をしたいのならーゲーミングだったり、ビデオ編集のようなインテンシブな作業などーProに乗り換える価値はある。

一方、バッテリーはというと、MacBookを超えた。Air最大の13.3インチのフレームで(それに対しMacBookは12インチ)、フル充電で“最大12時間”駆動する。MacBookは10時間だ。これは私のニーズにぴったりだ。最大12時間ビデオをストリームできるーこれでほとんどのフライトをやり過ごせることになる。

もちろん、大きなスクリーンやバッテリーは重いラップトップを意味する。Airの2.75ポンドというのはMacBookより4分の3ポンドほど重い。象徴的な斜めのデザインにもかかわらず、12インチモデルより少し厚くなっている。しかし2.96ポンドある古いAirより軽量化を図っている。

宣伝されたように、ディスプレイは前モデルより大幅にアップグレードしている。もしあなたがRetinaディスプレイを使ったことがあるなら、その素晴らしさを知っているだろう。大きく、明るく、そしてそしてカラーバランスもいい。数字を挙げると、1440×900ピクセルから2560×1600ピクセルになっている。227 PPIになり、古いモデルは128PPIだった。これは明らかなアップグレードだー多くのAirユーザーが追加に手を出さずにいたのには理由があるのだ。新Airでのマルチメディア体験はアップグレードしたスピーカーにより完全なものになっている。スピーカーはキーボードの横のエリアを少し占めているだけにもかかわらず、大音量が出せる。

デザインランゲージはアップグレードには間に合わず、一見すると13インチのProと同じようだ。そしてもちろん、iPhone XRのような低価格デバイスではカラーオプションがあるように、ゴールドが用意されている。

フレームで最も特徴的なのは、Thunderbolt 3 (USB-C)の搭載であることは明らかだ。当然、驚くことではない。全てのアクセサリをアップグレードするまでは“ドングルライフ”となるのは覚悟しなければならない。2つのUSB-Cポートは同じ面にある。つまり、新ポートは古いモデルより多目的に使えるが、充電するときはやや巧妙な操作を要する。MacBookと同じセットアップだ。Proではこのポートの数は倍になる。

新Airは大きなアップデートとなったのは間違いない。値段も上がったが、Mac Miniよりコントロールされている。アップグレードと低めの価格でもって、Airはどの面においても事実上12インチMacBookを明らかにしのいでいる。

実際のところ、将来大きなアップデートがなければ、12インチの存在は時間の問題だ。しかしそれでも全く構わない。新Airが12インチMacBookよりいい買い物なのは明白だ。

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(翻訳:Mizoguchi)

Apple、watchOS 5.1.1を公開。一部Apple Watchの文鎮化問題を修正

AppleはwatchOS 5.1.1を公開した。前バージョンのwatchOS 5.1から一週間もたたないなか、一部のApple Watchが文鎮化するという報告を受けてのことだ。

このアップデートには、ほかにウォーキートーキー機能やアクティビティのリワードが一部表示されない問題などのバグ修正も含まれている。

watchOS 5.1は10月29日にiOS 12.1と共に公開されたが、ソフトウェアアップデートをインストールした後Apple Watchが 立ち上がらないという苦情を受けすぐに配信が停止された。Appleは、この欠陥アップデートが「少数」のユーザーに影響を与えた(詳細は語らず)ことを認め、「問題のあるユーザーはAppleCareに連絡をとってほしい。インストールが成功した人は何もしなくてよい」と発表した。

watchOS 5.1.1はwatchOS 5.1の全機能に加えて、グループFaceTimeオーディオ、新しい絵文字、新しい文字盤などいくつか新機能も追加された。

ほかに、セキュリティーアップデートも施され、アタッカーがカーネル特権を得られる重大な脆弱性が修正された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルのマップが大幅に改善、植生分布や建物形状の正確さはGoogleマップを上回る評価

eng-logo-20152012年からiOSに採用されたものの、地図の不正確さや地名の間違いなどがあり、Googleマップにはるかに及ばないとの評判だったアップルのマップ(Apple Maps)。しかし最近のリニューアルにより、植生の分布や建物の形状の正確さではGoogleマップを上回っているとの評価が報じられています。

これはアップルのマップ作成に従事していたデザイナー、Justin O’Beirne氏によるもの。アップルは今年6月、米TechCrunchにマップの完全リニューアルを準備中と回答していましたが、努力の成果は反映されつつあるようです。

まずO’Beirne氏は、リニューアル後のマップがカバーしている範囲の狭さに苦言を呈しています。今のところ米国の土地面積にしてわずか3.1%、人口の4.9%にしか及んでいないとのこと。

そう保留を付けつつ、O’Beirne氏は新マップに含まれた詳細な内容を指摘しています。特に植生分布、つまり草や木の生えた領域の細かさは驚くべきもので、郊外のみならず都市の内部まで緻密に反映されているとのこと。過去のマップと新マップを重ね合わせて比較するアニメーションGIFが公開されていますが、リニューアル後は「緑」の部分が目立っています。

植生分布は道路の間や住宅地の隅々まで反映され、ゴルフコースであればフェアウェイやサンドトラップ(俗にいうバンカー)、グリーンまで。地形の詳細についても、学校の校庭やプール、公園やテニスコートといった個々の施設が判別できるこだわりようです。

さらに建物の形状もかなりの正確さ。タイトル画像にあるサンフランシスコのFive Embarcadero Centerの新旧マップ(左が旧、右が新)を見比べれば、その改善ぶりは明らかです。

新マップが完ぺきに正確というわけでもなく、O’Beirne氏は建物の高さに関していくつかの間違いが見つかっていると指摘。たとえば近くに似た形状の建物がある場合、細部に現実とのズレがある場合も例示されており、その点でアップルのアルゴリズムがGoogleのそれ(主に屋上など)に及んでいない可能性も示唆しています。

とはいえ、アップルの新マップが以前と比べて格段の進歩を遂げ、多くの点でGoogleマップを上回りつつあるのは事実のようです。羽田空港内に大王製紙が出現、JR青梅線に「パチンコガンダム駅」が誕生する事態は再来しないかもしれません。

まだ本国アメリカでもカバー率は1/30以下で、日本の地図に恩恵が及ぶのは当分先と思われますが、その日が来るのを楽しみにしたいところです。

Engadget 日本版からの転載。

iPhone、5G採用は2020年か(Fast Company報道)

初の5G携帯電話は来年登場しそうだ。Motorolaは次世代通信をMoto Z3のModを通じて提供する計画であり、LGとOnePlusは2019年中に新技術を端末に取り込むことを約束している。iPhoneユーザーは、もう少し待つことになりそうだ。

もちろんこれはAppleにとって(他の誰にとっても)不可欠なテクノロジーなので、問題は時期だけだ。Fast Companyの最新記事(via the Verge)によると時期は1年半ほど先だという。

「Appleの計画に詳しい筋」によると、5G iPhoneは2020年のどこかに登場し、テクノロジーはIntelが提供するという。AppleとIntelは最近ちょっとしたトラブルに見舞われている。5GモデムチップXMM 8060の熱/バッテリー問題のためだ。もちろん、再びQualcommの戸をノックするほど深刻ではない。

現在両社間で起きている問題を踏まえるとQualcommという選択肢は考えにくい。代わりにAppleはIntelの8161チップに期待している。5GはIntelにとって、前回Qualcommに譲った大きな市場を取り戻す絶好の機会だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleの第4四半期決算は成績好調ながら株価は下落――日本市場の伸びは34%で世界トップ

Appleの第4四半期決算はアナリストの予測を上回ったが、株価の値下がり傾向を打ち消すことはできなかった。

収入629億ドルで、アナリストの予測615.7億ドルを上回った。1株あたり利益2.91ドルも2.78ドルを超えた。対前年比で収入は20%のアップだったが、決算発表後の時間外取引の株価は7%下げた。

好調な決算にもかかわらずなぜ時間外取引の株価が下がったのだろうか? Appleは今年のクリスマス商戦の売上について当初の予測より弱含みとなるという観測を発表している。Reutersの報道によればアナリストは収入ガイダンスの数値を9300万ドルとみていたが、Apple自身は8900万ドルから9300万ドルの間で中間値は9100万ドルと予測した。

Appleは今期、4689万台のiPhoneを出荷している。販売台数は頭打ちだったが売上高は29%アップし、Appleが製品の主力を高価格帯にシフトする戦略が成功したことを示した。1台の平均単価は 昨年の618ドルから793ドルにアップしている。

同社は970万台のiPadを売ったが、これは台数ベースで対前年比6%のマイナス、売上ベースで15%のマイナスとなった。Macは 530万台で2%の対前年比減。「他のプロダクト」、つまりApple Watch、Apple TV、HomePod、AirPods、Beatsヘッドホンなどの売上総額は31アップ。

今回の決算発表後の電話記者会見で驚かされたのは、Appleが今後の決算発表で販売台数を公表することを止めるとしたことだ。 iPhone、iPad、Macについては売上高のみ発表されることになる。また「他のプロダクト」というカテゴリーは「「ウェアラブル、ホーム、その他アクセリー」に名称変更される。

Appleはハードウェアのアップデートでユーザーから金を絞り取る戦略に加えて、Apple Music、Apple Care、 iCloudなどのユーザー向けサービスからも一層多くの売上を得る努力を続けれる。発表によれば、同社のサービス事業は「100億ドルという過去最高の売上高を記録」したという(正確には99.8億ドル)。これは対前年比で17%のアップだった。ただし、昨年同期のサービス売上の伸びは31%だったから成長は減速した。Appleは今期の数字には会計手続き上今回のみ計上された6億4000万ドルが含まれているとしている。

成長率には地域別に大きな差は見られなかった。アメリカ地区は19%、ヨーロッパは18%、中国全域が16%と足並みを揃えた。Appleによれば、もっとも伸びが著しかった市場は日本で34%の成長を記録したという。

この数週間、Nasdaqのテクノロジー株式には逆風が吹き、軒並み苦戦を強いられた中でAppleは嵐によく耐えた方だ。今週、同社はニューヨーク市でイベントを開催し、iPad Pro、MacBook Air、 Mac Miniをアップデートした。これに先立って新しいiPhone、3モデル、Apple Watchのリニューアルも発表されている。

ここ数ヶ月、Appleは最新のモデルの価格を大幅に上方にシフトさせている。iPhone XS Maxは1099ドルから、Apple Watch Series 4は399ドルから、新しいiPad Proは799ドルから、MacBook Airは1199ドルからスタートするなどだ。

この件に関してはさらに取材中。電話記者会見の内容を含めたフォローアップを準備中だ。

原文へ〕

滑川海彦@Facebook Google+

Appleは決算報告におけるデバイスの売上台数の開示をやめる…‘今や意味がない’と

Appleは今日(米国時間11/1)、最新の四半期決算報告を共有したが、しかし投資家たちへの説明の中で同社CFOのLuca Maestriは予期せざる発表を行った: 今後同社はiPhone, iPad, およびMacの売上台数を共有しない。

これによってアナリストや一般の人びとが同社の健康を判断するための素材がひとつ減るが、しかしAppleの上層部によると、今や同社の製品は非常に多様な価格で売られているので、売上台数という数字は同社の財政の健全性を知るためのあまり良い指標ではない。

Maestriはこう述べている: “わが社の主な製品カテゴリーにおける製品の種類は年々多様化しており、したがって台数ベースの売上数値は以前に比べて重要性を失っている。なぜなら、販売価格のばらつきが大きくなっているからだ。そのため、売上台数そのものは、財務上の数値としての意味を失っている”。

この決定はおそらく、昨年Apple製品の価格帯がハイエンド方向へ大きく伸びたためだろう。

iPhone XS Maxは1099ドルから、Apple Watch Series 4は399ドルから、新しいiPad Proは799ドルから、そして新しいMacBook Airは1199ドルからだ。今でも売っているiPhoneとiPadの前からのローエンドの機種は価格を変えていないが、Macの最新世代はほぼ揃って高くなっている。最高は、iMac Proの4999ドルだ。

今や売上台数は、決算の数値の中で端役だ。たとえばiPhoneの今期の売上台数は4689 万台で横這いだが、売上は29%伸びている。それは、iPhoneの売上単価が1年前の618ドルから793ドルへと上がったからだ。

Maestriは、スマートフォンやタブレットで同社と競合するGoogleやSamsungなども、決算報告で売上台数を公表していない、と指摘した。しかしそれでも、業績に関するデータは一つでも多い方が、アナリストにとってはありがたい。そもそもなぜ、Appleは今になってこの変更を行ったのだろうか?

関連記事: Appleの第4四半期決算で株価は7%下落――パフォーマンスは好調だが

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple Watchはこうやって世界を変えた

2015年、スイスは終わった。AppleのJony Iveが漏らしたこの無遠慮な信念は、時計業界の終焉として繰り返しメディアに報じられ、スイスウォッチは死に、引き金を引いたのはAppleだ、という悲しい真実が明らかになったかと思われた。

3年後、Apple Watch 4世代後の今、Iveは正しかったのか? Appleは世界を変えたのか? そして何よりも大切なのは、スイスは生き延びたのか、だ。

たしかに。しかし…

お気づきの通り、スイスウォッチ産業は今も存続している。主要なスイスメーカー——LVMH、Richemont、およびSwatchグループ——は順調に売上を伸ばしており、米国内では特にそうだ。 スイス時計協会によると、売上は前年比5.5%で伸びており、それはちょっとしたニュースだったが、Apple Watch Series 4のレビュー記事の勢いの中、ほとんど埋もれてしまったのが皮肉だった。

米国売上の増加は、今年の大きなトレンドに反するものであり、匿名希望のある市場インサイダーによると、彼の知る営業担当者全員が3000ドル以上の時計の売上が増えたと言っている。低価格のファッションウォッチは「消滅」し、高級品市場が伸びていると彼は言った。しかし、なぜだろうか?

Swatch Groupによると、スイスウォッチの輸出は前年比4.8%上昇し、Reutersは、「スイス時計協会によると、第1四半期の輸出は10.1%増加し、これは2012年中期以来最大の四半期成長である」と報じた。

「年末の好調——2桁成長——はご存知だと思うが、それが続いているので毎月が新記録の月だ」とSwatch Group CEOのNick HayekがCNBCに語った。つまり、同業界は不況以来最低の状態から復活した。

ウォッチアナリストたちは、Appleがハロー効果を生み出したと信じている。Apple Watchを購入、着用している数百万人のうち、大部分はそれまで時計を身につけようと考えたこともなかった人々だ。しかしひとたびApple Watchを試し、革製ベルトや派手なミラネーズループと服装に合わせたカラーを選ぶようになると、行動様式が変わった。腕時計をつけることがそんなに楽しくて自己表現になるのなら、他のもっと名高い時計も試してみようか? 売上の数字を見つけるのは難しかったが(時計メーカーは秘密主義で知られている)、私が運営するウォッチ強迫症向けサイト、WristWatchReviewでは、2015年に明白なトラフィック増が見られ、2018年までほぼ続いている。2017年にははっきりと減ったが、それは私のサーバーがほとんど定常的にダウンしていたからだ。

これは腕時計にとって何を意味するのか? 第一に、レコードと同じように、新たなマニア層が、古くからある物に新しい潜在価値を見出したことによって、コレクターに仲間入りした。Apple Watchはティソ(Tissot)のゲートウェイドラッグ(入門薬物)であり、ティソはロレックスのトロピカルサブマリーナーのサイン入りベルト付きへのゲートウェイドラッグだ。初めて買ったRadioheadのMP3がきっかけで、ターンテーブルとアンプ、さらにはGradoのカートリッジとMoon Shaped Poolのアナログ盤を買うことになるのと同じだ。

「高校生の頃、Pebbleをつけていた時があった」と20歳の大学2年生、Bradyが私に話した。「すぐに気が散る高校生にとって、あれはごく基本的機能のウェアラブルだったが、スマホを使うべきではない多くの時間、私の注意を引いた。腕時計を見るべきでもない時だったのだが。その後私はNixoのクォーツ『ファッションウォッチ』に移り、これも十分正確に時を刻むことを知り喜んだ。次はSeiko SNK805 Automaticだった。機械式でない時計は1つも持っていない。これは職人技への尊敬の念だ」

ウェアラブルも変化を続け、通常の時計を檜舞台に再び押上げている。Greenlight.GuruのVP、Jon Speerは、今から数年後にほとんどのウェアラブルは時計のように見えなくなるだろうと言った。

「次世代のウェアラブルはITアクセサリーと医療機器の境界を曖昧にすると予想する。こうした「デバイス」は、血圧、血糖値、体温などを測定する機能を持つ」と彼は言った。「FDAは業界の担当者と密に連絡をとってイノベーションにありがちな障壁を見つけ出そうとしている。De Novo Programは、AppleがApple Watchを推している分類で、既存の分類に収まらない医療機器のためのカテゴリーだ。医療技術と消費者技術が融合することで、FitbitやGarminがDe Novo Programを利用することが想像できる。私は消費者の一人として、その可能性と進歩への期待に胸をふくらませている」

こうして時計を身につける習慣は、その習慣の起源——ちいさな四角い鋼鉄とガラスを手首に巻きつける——が消滅したあとにも続いていくのかもしれない。

すべては幻影ではないのか?

新しいApple Watchのレビュー評価は非常に好意的であり、Android Wearも未だに侮れない勢力だ——Montblancなどの企業は非常に高機能なファッション志向のスマートウォッチを販売している。そして、スイスを終わりにするとJony Iveが言ったモノを試した人全員が、時計を身につけるようになるわけでもない。

腕時計は使うほどに味の出る道具であり、クラフトビールや工夫紅茶を始めとするPinterest向き嗜好と同じだ。時には、腕に付けるだけでは十分ではないこともある。

「私は第1世代のApple Watchを買った」と起業家のDavid Berkowitzは言った。「すごく気に入ったが、しばらくして付けるのをやめた。そのうち充電器をなくして買い直そうと思ったことはなかった。以来一度もつけたことはないし、新しいのを買おうと本気で考えたこともない」

「私はそういう客ではなかったということだ」と彼は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このガジェットはApple電源アダプターにUSB 3.0ポートを2つ追加する

これは賢い。HyperDriveが作ったこのUSB-C Hubは、AppleのUSB-C電源アダプターに差し込むとUSB 3.0ポートが2つ増える。それだけだ。私はすごく気に入っていて、Appleの現在のノートパソコンラインアップの大きな弱点をカバーしている。

Appleは多用途のUSB-Cを選びフルサイズのUSBポートを廃止した。これはある意味で理にかなってはいる。USB-Cは現存するバス仕様のほぼすべてに対応しているが、世間にはまだ古いUSBプラグをつけて売られているデバイスが山ほどある。iPhoneのように。誰かがAppleストアに立ち寄って最新のiPhoneとMacBook Proを買うと、iPhoneをMacBook Proで充電するためにはアダプターが必要になる。だったらこれを作ればいい。

似たような製品は以前から出回っていたが、USBポートを増やすのに電源ポートを使うものが多かった。これはUSB-Cの電源を使うため、他社製品よりもひと回り小さくなっている。

HyperDrive USB-C Hubは、2種類のApple電源アダプターにマッチするように2つのタイプが用意されている。61 W電源アダプター用は39.99ドル、87 W用は49.99ドル。どちらもHyperのサイトで予約受付中で25%の割引が受けられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleのセキュリティチップT2はMacBookのマイクロフォンからの盗聴をハードウェアレベルで不可能に

Appleの最新のMacBookは、マイクロフォンからの盗聴がさらに困難になっている。

この前発売されたMacBook Proから、今日のMacBook Airに至るまで、最新のMacBookには、セキュリティチップT2が内蔵され、それが暗号鍵やストレージ、指紋データ、そしてセキュアブート機能を護る。

このチップのことはこれまでほとんど知られていなかったが、発表されたばかりのセキュリティガイドによると、このチップにはマイクロフォンとデバイス本体との接続をハードウェア的に切る機能があり、本体の蓋を閉めると必ずそれが作動する。

ガイドにはこう書かれている: “この断線機能はハードウェアのみで実装されているから、いかなるソフトウェアからも操作できない。macOSのroot特権やカーネル特権、それにT2チップ上のソフトウェアですら、蓋が閉められているときマイクロフォンに関与することはできない”。

ただし、カメラは切断されない。“蓋が閉じていると視界が完全に遮(さえぎ)られるから”だ。

Appleによると、この新しい機能はMacに“これまでなかった”高いレベルのセキュリティを賦与する。Macはマルウェアに感染しない、というストレートな言い方はしていないが…。

Webカメラを利用するハッカーの脅威は何年も前からの現実で、それはリモートアドミニストレーションツール(“RATs”)を使ってのぞき屋たちが、ラップトップのカメラからリモートでターゲットをスパイする。そのため、Webカメラのレンズにポストイットを貼ることが流行(はや)った。

AppleのWebカメラはライトがハードウェアに接続しているので、ユーザーが知らない間に(ソフトウェアが勝手に)Webカメラを起動することは不可能、と信じられていた。Macには、Webカメラののぞき攻撃に対する十分な免疫がある、と思われていた。しかし昨年、セキュリティ研究家のPatrick Wardleが、この神話を破壊したFruitflyマルウェアを発見した。

そのパラノイアは神話ではなく現実だ。イギリス政府の諜報機関GCHQは、その“Optic Nerve”プログラムの一環として長年、Webカメラの悪用を調査した。FacebookのCEO Mark Zuckerbergでさえ、自分のWebカメラとMacBookのマイクロフォンにガムテープを貼っていると報道された。ただし、マイクロフォンが拾う音を数枚のガムテープで遮断することはできない。

Webカメラやマイクロフォンが作動したらアラートするWardeのOversightのようなツールはあるけど、高度なマルウェアがこっそりとMacBookのマイクを使って環境音を聞き取ることを、防げるものはほとんどない。

でも蓋が閉められるときマイクロフォンをMacBookのハードウェアから切断したら、その眠っているデバイスがユーザーをスパイすることは、きわめて難しい。

Apple Fall Event 2018

画像クレジット: Apple, クリエイティブコモンズND 4.0ライセンスによる

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、最新iPadからホームボタンを消す

昨日(米国時間10/30)Appleは、ホームボタンの棺に最後の釘を打ち込み、かつて遍在したそのしくみを最新モデルのiPadから消し去った。

火曜日ニューヨークで行われたAppleイベントで披露されたiPad Proにはホームボタンがなかった。より大きく、魅力的なディスプレイのために場所を空けるそのデザイン方針は、iPhoneのホームボタン廃止と同じ道をたどっている。Appleは新しいiPad ProからLightningポートもなくし、USB-Cへと移行した。

新型iPad Proには画面サイズが2種類あり、Face IDでロック解除できるようになった。どの方向でも使えるように設計変更されたので、ロック解除の「方向が違う」ということは起きない。

デバイスをロック解除したら、ユーザーはオンスクリーン・ジェスチャーを使って必要な機能を実行するためのアクションを起こせる。たとえば、右上隅から下にスワイプするとコントロールセンターが、下から上にスワイプするとドックが出てくる。つまり、iPhone Xで使われているのと同じ種類のジェスチャーだ。

Appleは2017年からホームボタンの段階的廃止を始め、最初は最上位機種のiPhone Xだった。Appleは低価格のiPhoneには物理的ホームボタンを残した。しかし、いずれその時がくることは誰もが知っていた。
ハンマーは2018年に打ち下ろされた。Appleは新しいiPhone XS、iPhone XS MaxそしてiPhone XRからホームボタンを一掃した。

Apple Fall Event 2018

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPad Proからヘッドホンジャックが消えた

iPad Proの最新モデルにはヘッドホンジャックがない。消えてしまった。もう遅い。しかも、iPhoneに付いてくるヘッドホンも使えない。AppleはLightningを捨てUSB-Cを採用した。その代わりにAppleはUSB-C ->3.5mmの変換アダプターを9ドルで売っている

最新のiPad ProモデルはiPhoneの歩んだ道を追いかけている。iPhoneと同じくホームボタンをなくし、ヘッドホンジャックも消えた。一部ユーザーにとっては驚きの譲歩だ。iPhoneの場合、大きなポートのための場所がないことは明らかだが、理論的には、タブレットのような大型デバイスではさほど問題ではない。Apple は似たようなハードウェアのセットを使って異なる製品を作ることで利益を最大化しようとする傾向にある。iPhoneに2016年以来ヘッドホンジャックがないことから、Appleのもう一つのモバイル機器にもそのトレンドがやってくる時期が来たのだろう。

取り残されたのはヘッドホンユーザーだけではない。iPadは長年にわたり安定したオーディオコントローラーだった。これからはタブレットとステレオを直接3.5 mmケーブルでつなぐかわりに、9ドルのドングルが必要になる。ヘッドホンを使いたいって? Appleは明らかに、iPadオーナーが159ドルのAirPodsを使うことを望んでいるが、世間にはUSB-Cヘッドホンが溢れGoogle製品もある

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充電不要、洗濯可能なAppleも認めるヘルスタグは日本発売なるか?ーーSpireのCEOがTC Tokyoに登壇!

海外では2018年9月より各地のAppleストア店頭で発売されているヘルスモニター「Spire Health Tag」。このちっちゃくてかわいい黒色のタグは充電不要(電池は1年半もつ)かつ洗濯可能で、運動時間や消費カロリー、心拍、呼吸、睡眠の質などのデータを“一日中”収集する。計測データは専用アプリで確認可能。呼吸や心拍などからストレス状態を検知し、適切な休憩を促すなどのアドバイスも行う。

使い方はとても簡単で、ユーザーはいくつかの衣服を選び、それらにタグを取り付けるだけ。計測するためにはこのヘルスモニターが肌に直接触れている必要があるので、女性なら昼間はブラジャー、夜はパンツやパジャマに、男性は下着のウエストゴム部分への取り付けが推奨されている。

Spire Health Tagは3個パック130ドル、6個パック230ドルでAppleストアにて販売されており、それよりも大きなセットはSpireのウェブサイトで購入できる。

そんなSpireの創業者でCEOを務めるJonathan Palley氏が11月15日(木)11月16日(金)に渋谷ヒカリエで開催される日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典「TechCrunch Tokyo 2018」に登壇することが決定した。プロダクト開発にまつわるエピソードに始まり、どのような医療ならびに社会的課題の解決を目指しているのか、そしてハードウェア・スタートアップ特有の苦労話など多くを語ってくれるそうだ。

Spire CEOのJonathan Palley氏

先週Palley氏とビデオチャットで話す機会があったのだが、彼は「ヘルス・テクノロジーの未来について話したい。日本には多くの高齢者がいるが、彼らにはより優れたヘルスケアが必要だ。家族と離れて暮らしている高齢者など、Spireは多くの人を健康に保つためのソリューションを提供している」とTechCrunch Tokyoへの参加を意気込んでいた。

9月20日よりアメリカ、イギリス、そして中国のAppleストアで販売されているSpire。日本で発売される日は近いのだろうか。値段もそれほど高くもないのでぜひ試してみたい。

今年のTechCrunch TokyoにはSpireのPalley氏の他にもTwitterプロダクトリードのKayvon Beykpour氏、TOYOTA AI VenturesマネージングディレクターのJim Adler氏、メルカリ 取締役社長兼COOの小泉文明氏など国内外から多くの著名ゲストに登壇していただくことが決定している。詳しくはこちらのイベント公式ページを参考にしてほしい。お得な前売りチケットは本日10月31日23:59までの販売となっているのでこのチャンスを逃さないでいただきたい!一般チケットは4万円(税込)だが、前売りチケットは3万円(税込)とかなりお得な値段に設定している。

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Apple Pencilは画期的に使い勝手が向上

新しいApple Pencilはライバルからいくつかアイディアを借用したようだ。なによりありがたいのはデイパックの中でスタイラスが行方不明になったりしないことだ。スマートカバー同様、ペンシルも磁力でiPadに吸着してくれる。

Apple Pencilを取り付けた状態でも(少なくとも横向きに保持するかぎり)邪魔になることはない。さらに便利なのは充電する際にいちいちキャップを外してLightning ポートに接続する必要がなくなったことだ。iPadに吸着させればワイヤレス充電が開始される。

最初にiPadに吸着させると自動的にペアリングされる。またAppleはジェスチャーを追加したので、ペン先の形状や色を簡単に変えることができるようになった。指先でApple Pencilの側面をダブルタップするだけでよい。iPadのスクリーンをペンシルでタップするとiPadは即座に起動する。

新しいApple Pencilは新しいiPad Proでのみ作動する。 価格は129ドル。その他のiPad Proアクセサリーでは、Folioスマートキーボードが11インチ版で179ドル、12.9インチ版で199ドルなどとなっている。

〔日本版〕Apple日本語ページによればApple Pencilの価格は14,500円 (税別)、11インチ用Folioの価格は19,800円 (税別)。

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滑川海彦@Facebook Google+

これが今日のイベントで発表されたAppleの新ハードウェアだ

ニューヨークで開催されたハードウェア・イベントでAppleはiPadからMacBook Airまで各種の新製品を発表した。すでに報じたものも含めて、今朝のイベントでデビューしたプロダクトを以下にまとめた。

MacBook Air

MacBook AirにやっとRetinaディスプレイが採用された。MacBook Proがハイレゾになってから6年後にAppleのスリム・タイプのノートもRetina化された。

新しいMBAは13.3インチのスクリーンを備え、ベゼルは細くなった。色もアルミのシルバーからブラックに変わった。キーボード右上部にTouchIDセンサーが装備されて指紋を読取る。ちなみに新しいキーボードではApple独自のバタフライ・キーが採用されている。またファンクションキーも物理キーになった。バカバカしいタッチバーは廃止された。

Force Touchトラックパッドは面積が20%広がった。Appleによれば、スピーカーの音量も25%アップし、低音は2倍に増強された。またMBAの筐体はリサイクル・アルミニウム100%だという。

Thunderboltポートを2つ備え、CPUはIntel i5で最大16GB、 2133MhzのRAMを備える。ストレージは最大1.5TBで重量は1.25kgだ。価格は1199ドルから。予約は今日から受付を開始し、11月7日にから出荷される。

Mac Mini

Mac Miniが最後にアップデートされたのは4年も前になるので、Appleはこのシリーズを見限ったのかと思ったユーザーも多いだろう。さいわい、そんなことはなかった!

新しいMac Miniは4コア、6コアのモデルがあり、メモリーは64GB、SSDのストレージは最大2TBだ。冷却システムは一新され、空気の流量は2倍になった。ギガビットイーサネット対応(アップグレードで10ギガビットイーサネットにも対応する)。ポートはThunderbolt x 4、HDMI、USB-A x 2だ。新しいMacBookと同様、100%リサイクル・アルミニウム製だ。

ベースモデルは799ドルから。出荷は11月7日から。

iPad Pro

いちばん目立った変化はホームボタンがなくなったことだ。新iPad Proはベゼルが大幅に細くなり、これにともなって現行iPhone同様ホームボタンは廃止された。

ベゼルの縮小により、筐体のサイズは変えずに従来10.5インチだったスクリーンが11インチになった。 従来同様、12.9インチのディスプレイを搭載した大型モデルもある。

搭載チップはApple製のA12X Bionicで8コアCPUと7コアGPUを備える。 Appleのセキュア・エンクレーブを装備し、新しいストレージ・コントローラーは最大1TBまで管理できる。Appleによれば、新しいiPad Proは「パソコンの92%の機種より速い」という。

FaceIDを搭載するので覗き込むだけでiPadをアンロックできる。フロントカメラは7メガピクセル、背面カメラは12メガピクセルだ。

もう一つ重要な点はiPad ProがLightningポートを捨ててUSB-Cを採用したことだ。このUSB-Cポートは5Kディスプレイに接続できる。また必要があればiPhoneにも充電できる。

11インチのiPad Proは799ドルから、12.9インチは999ドルからとなる。.今日から受付開始、出荷は11月7日からというのはMacと同様だ。

Apple Pencil

新しいApple PencilはiPad Proに磁力で吸着する。取り付けられると自動的にペアリングされ、ワイヤレスで充電される。 iPadからスタイラスが突き出したり置き場に困ったりすることはない。Apple
PencilでタップするとiPad Proは即座に起動し、Notesが開く。またPencilではジェスチャーがサポートされ、側面をダブルタップするとツールの切り替えができる。これでPhotoshopでのズームイン、ズームアウトなども簡単になった。

iOS 12.1

すでに報じたとおり、新しいiOS 12も今日から一般公開される。新機能としてはFacetimeでのチャットがグループをサポートしたことだろう。32人の相手と同時にビデオチャットが可能だ。また新しい絵文字も70種類導入された。iPhone XS、iPhone XS、Max、iPhone XRではデュアルSIMがサポートされた。

〔日本版〕Appleの日本語公式ページによれば、Touch ID搭載の13インチMacbook Airは134,800円(税別)から、11インチiPad Proは89,800円(税別)からなどとなっている。アメリカ同様、11月7日発売予定。

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滑川海彦@Facebook Google+

iPad、ようやくUSB-Cを採用

Lightningケーブルは長い間利用されてきた。しかし今の時代、ケーブルのスタンダードはUSB-Cに移りつつある。Appleも、新しいiPadからは、ついにLightningポートを捨て去る決意をしたようだ。この決定により、iPadは一層の拡張性を手に入れることとなった。

たとえば、iPad Proを5Kディスプレイにつないで、外部ディスプレイで動画を楽しむことができるようになる。ソフトウェア的な拡張機能の詳細についてはまだ不明ながら、利用シーンを大きく拡張することは間違いないだろう。

また、USB-Cを利用するSDカードリーダーのようなデータデバイスや、イーサネットケーブルなども種々利用できるようになる。端的に言えば、iPadがラップトップ的な使い方に対応してきたということができよう。さまざまなハードウェアメーカーが、ドックなどの拡張用デバイスを投入してくることになるのだろう。

当たり前のことかもしれないが一応言っておくと、USB-Cを採用することで、さまざまな外部デバイスをバッテリーパックとして利用することができるようになるはずだ。iPadを使ってiPhoneの充電をするというようなこともできるようになる。バッテリーパックとしてみるならあまりに高額ではあるものの、いつもiPhoneとiPadを持ち歩く人にとっては、より一層便利に利用することができるようになる。

願わくば、この流れにのってiPhoneにもUSB-Cを搭載して欲しいものだと思う。ラップトップ用充電器を使ってiPhoneの充電をしたり、あるいはiPhone用の順電気を使ってNintendo Switchの充電ができたりするようになれば、間違いなく便利なことだと思う。

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(翻訳:Maeda, H

新型iPad Pro発表、薄いベゼルとFace ID採用で本体サイズ維持したまま画面大きく

日本時間10月30日に開催中のAppleイベント「There’s more in the making.」。ファンにとっては待望の新型MacBook Airが発表されたことは既報の通りだ。Appleはそこで新型iPad Proも発表した。

新型iPad Proには11インチと12.9インチの2種類のモデルが用意されている。Face ID(顔認証)に対応した代わりにホームボタンは廃止され、ベゼルが大幅に薄くなった。そうすることで、本体サイズ自体は前世代の10.5インチとほぼ変わらないのにも関わらず、画面サイズを0.5インチ大きくすることに成功した。前世代の12.9インチと新型12.9インチを比べると、本体サイズは大幅に小さくなっていることが分かる(体積ベースで25%の減少)。両モデルとも、薄さはわずか5.9ミリで過去最薄を実現した。

端子はこれまで採用されていたライトニング端子を廃止し、MacBookにも使われているUSB-C端子が採用された。この端子を使って本体端末を充電したり、5Kモニターに映像出力することができる。USB 3.1 Gen2のデータ転送にも対応。iPad上の手書きで使用するApple Pencilもより使いやすくなり、本体にマグネットで装着すると充電とペアリングが可能になった。

スペックも大幅に改善した。新型iPad Proにはオクタコアの「A12X Bionic」を搭載。Appleは新型について、処理速度は過去1年間で出荷されたラップトップPCよりも92%速く、グラフィック性能も前世代の2倍と表現した。ストレージ容量は最大1TBまで搭載可能だ。

新型iPad Proの価格は、11インチで799ドル、12.9インチで999ドルと発表された。米国での販売は11月7日からとなっている。