Jony Iveがチャリティオークションのために一台かぎりのiPad Proをデザイン…‘デザインの美術館’のためだ

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テクノロジーのコミュニティの中で生活している者にとって、本当に自慢できる物ってなんだろう? なんでそんなことを聞くの? とにかく、見せびらかして人の注目を集めたいという欲求がある人、それを健全な欲求と思える人、そして、とにかく本当に自慢できる物が欲しい、という人は、Jony Iveが特別にデザインしたこの、iPad Proに入札するとよい。それは、ある立派な目的のためだ。…少なくとも、あなたがそう思えるならば。

ロンドンのDesign Museumが、移築のための資金を募集している。今年中に、今のKensingtonから、テームズ河畔、Tower Bridgeの東側の、歴史的地区に移りたいのだ。

そのiPadはPro 12.9″タイプで、表面は陽極酸化により黄色い特殊染料の皮膜が覆っている。コバルトブルー色の革製スマートカバーもある。スエードを特製のマイクロファイバーで縫ったやつだ。Apple Pencilも必要だから、そいつは炎のようなオレンジ色の革製ケースに入っている。

iPadの裏には、レーザーで”Edition 1 of 1″と彫ってある。それが、本物の証明になる。レーザーによるエッチングは誰にでもできるが、その表面を本体と同じイエローにするのは至難だ。

せりは4月28日から始まる。主催当局は、落札価格10000〜15000ユーロ(約15000〜20000ドル)ぐらいを予想している。

黄色いiPadよりも、すばらしいビンテージの自転車や、前世紀半ばの可愛らしい寝椅子などの方がいい人は、今すでに行われているネットオークションを覗いてみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、定額送金サービスのiTunesアローアンスを来月閉鎖

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Appleは、iTunessで親が毎月一定金額を受け手 ― つまり子供 ― のApple IDに送金するiTunesアローアンス[お小遣い]サービスを中止する。もらったアローアンスは、音楽、ビデオ、アプリ、本等、子供が好きな物を買うのに使える。AppleウェブサイトのiTunes Allowancesサポートページによると、同機能は終了し、既存のアローアンスは2016年5月25日に中止される。[訳注:本稿執筆時点で日本語ページには中止の記載はない]

これは、その日以降に定額送金が行われなくなるという意味で、未使用の金額がなくなるわけではない。Appleによると、残金は実際に使用されるまで受け手のアカウントに残る。

Allowancesは、子供が毎月iTunes Storeで使う金額を親が管理する便利な方法だった。新しいアプリやゲームをねだる子供の相手をしなくてすむ有難い代替手段だった。

同機能の終了に伴い、Appleは代わりに“ファミリー共有”をユーザーに薦めている。2014年に始まったファミリー共有は、最大6人でiTunesの音楽、映画、テレビ番組、本、およびアプリのメディアを共有でき、アカウントを共有する必要はない。支払いには親のクレジットカード1枚を使い、子供が自分の端末で使いたいものは親が承認して購入できるという発想だ。

メディアの共有に加えて、同機能を使うと写真、ファミリーカレンダー等をiPhone、iPad、iPod touch、およびMacの間で共有できる。iOS 8以降、OS 8 Yosemite以降、iTunes 12が必要。WindowsユーザーもiCloud for Windowsを使ってこの機能を利用できる。

ファミリー共有がiTunesアローアンスよりも便利なことの一つに、13歳未満の子供にも専用のApple IDを持たせて、ファミリーグループの一員として管理できることがある。管理者は、iOSの「利用制限」やOS XとiTunesのペアレンタルコントロール機能を使って、子供が利用できるコンテンツを制限できる。

しかし、同機能にはまだ改善の余地がある。中でも、アプリ内購入に対応しておらず子供たちからの要求は多い(iTunesアローアンスでは可能だった)。親の中にはiTunesの購入を一件ずつ承認するのが面倒だという人もいる。ただしそれは、「承認と購入のリクエスト」を無効にできることを知らないからかもしれない。

アローアンスの中止を最初に報じたのはMacRumorsで、Appleユーザーにはメールで中止が伝えられたと書かれている。AppleはiTunesアローアンス中止の理由について公式には語っていないが、理にかなった決定た。2つのサービスには重複部分が多く、両方を続ける必要はない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleで長年デザイナーを務めたDanny CosterがGoProの副社長に

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Appleで長年インダストリアルデザイン部門の幹部を務めてきたDanny CosterがGoProに転身する。Coster1990年代の初期からAppleにおり、スティーブ・ジョブズの復帰と共に頭角を現した。今度はその才能をGoProのために役立てることになる。このニュースにGoProの株価は急上昇した。

このニュースはThe Informationで最初報じられ、GoProのファウンダー、CEOのNick Woodmanの社内メールで確認された。

WoodmanはCosterについてのプレスリリースで次のように書いている。「Dannyに初めて会ったのは2001年の12月で、奇妙に聞こえるかもしれないが、場所はメキシコのSayulitaのビーチだった。私はその後5ヶ月メキシコでサーフィン漬けになるつもりだった。私がGoProのプロトタイプを開発し、テストしたのはこのサーフィン旅行の期間中だ。Costerのデザイン能力については経歴がすべてを語っている。われわれはCosterがGoProに加わることで大きく活気づくのを感じた」

GoProの株価は今年に入って波乱含みだった。Danny Costerがデザイン担当副社長に就任するというニュースが広がると株価は1月中旬以來の高値をつけた。この記事の執筆時点で株価は16%の値上がりだ。

CosterはNick Woodman直属となる。正式な就任は4月末が予定されている。〔プレスリリース全文は原文参照〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

司法省がまたAppleにiPhoneアンロック要求、今度はAppleが“相手を間違えた”国を訴訟か

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合衆国政府とAppleの戦いはまだ終わっていない。あの、最大の争因だった事案は終わったが、司法省は別の問題でAppleに圧力をかけている。今度はブルックリンの覚醒剤ディーラーが使っていたiPhone 5sを、Appleにアンロックしてほしいのだ。

今日(米国時間4/8)の書簡で司法省は、Appleの助力が必要である、と繰り返し述べた。この書簡は、すでに判事がAppleに有利な裁定をしているため、それに対する政府の控訴の姿勢も確認している。

この問題はSan Bernardinoの場合と必ずしも同じではないが、政府は前と同じ法的根拠、All Writs Act(全令状法, 強制力のある裁判所命令)を使おうとしている。しかし代替策がある場合には、それは使えない。そこで政府は、このiPhoneをアンロックできるのはAppleだけであることを、正当化しなければならない。

実は、このニューヨーク東部地区事案におけるiPhone 5sは、iOS 7が使われている。iOS 7を搭載したiPhoneはネットで300ドルぐらいで買えるし、数分でアンロックできる。iOS 8と9は、iOS 7よりもセキュアだ。

だからこの場合は、All Writs Actを到底擁護できない。しかしAppleの弁護士によると、同社は本来なら政府がやるべき仕事をすることを、求められたのだ。

さらに、二つのケースはとても異なっている。まず、今回はテロリストの事案ではない。事件は、犯人の自白により解決している。だから今回の特定の事案には必要ないにもかかわらず、FBIはこのスマートフォンのデータへのアクセスを欲しているのだ。

第二に、ここで繰り返しておくべきと思われるのは、これがたった一台のスマートフォンに関する問題ではないことだ。San Bernardinoの事件は公訴であり、ニュースでも大々的に報道された。法務省は何度も何度も、この一回にかぎり助けが必要だ、と繰り返した。それなのに、一回どころか、今や別のスマートフォンが問題になっているのだ。

しかし、このiPhone 5sのデータにアクセスすることは、Appleの仕事ではない。Appleの弁護士によると、同社は木曜日(米国時間4/14)に対抗訴訟を起こす、という。おそらくこの事案で同社は、政府を訴えたいのだ。なんで政府が、Appleの助けを必要とするのか? 相手を間違えているのではないか? このスマートフォンのデータにアクセスするために、政府自身は今、どんな努力をしているのか?

同じくAppleの弁護士によると、同社は未だに、FBIがSan BernardinoのiPhoneに対して使用した秘密の方法について、何も知らない。同社は、政府がそのハックにアクセスしたことを訴えないが、その代わり、今後のソフトウェアのアップデートや新しいデバイスは、セキュリティを強化したものになるだろう。

この事案では、Appleと政府の立ち位置が、いつもどおりの形になりつつある。それはもぐらたたきゲームであり、政府はなんとかして、今後のためにも有効な先例を確立したい。一方Appleは、どうしても政府の攻撃をかわしたいのだ。

Apple vs FBI

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FBI:iPhoneをアンロックした方法はiPhone 5s以降には使えない

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ゆっくりだが確実に、FBIはサンバーナーディーノ銃乱射事件に関与したファールック容疑者のiPhone 5cをアンロックした方法について、情報を公開しつつある。司法省が訴訟を棄却した今、FBIは彼らが使用した謎の方法を公表する必要はない。

最初に、FBIはこの代替手段を一部の上院議員に明かした。次にFBIのジェームズ・コミー長官がいくつか手掛かりを与えた。CNNによると、コミー長官は、その方法がiPhone全機種に適用できるわけではないと発言した。

具体的には、iPhone 5s以降の新しい機種には使用できないと彼は言った。つまりFBIは、買ったばかりのツールを使って、今すぐiPhone 6sに侵入することはできない。

iOS 8以降には暗号化機能が追加され、iPhoneの中身へのアクセスがずっと難しくなった。しかし、ファールック容疑者のiPhoneは、iOS 9を塔載したiPhone 5cだった。つまりそのツールは、iOS 9には対応しているが最近のiPhoneではうまくいかないようだ。

iPhone 5cには、指紋センサーやそのためのセキュリティー領域がない。最初に指紋センサーが付いたのはiPhone 5sだ。よって問題は指紋センサーの有無によるのかもしれない。

しかし一つ確かなことがある ― FBIはAppleに伝えていない。FBIが将来の事件でこのセキュリティーホールを利用する可能性を踏まえると、Appleにはすぐに修正してほしくない。

「Appleに言えば、修正するだろう。そうなればまた振り出しに戻る」と彼が言ったとCNNは伝えた。「結局そうなる可能性はあるが、まだ決断はしていない」。

数千万人のiPhoneユーザーのデータを、世界中のハッカーや諜報機関に曝すことは恥ずべき戦略だ。しかも、われわれはFBIの言葉を信じるしかない。なぜなら一人のセキュリティー専門家も彼らの方法を見ていないのだから。そして、今回の件の後にFBIを信じることは難しい…。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プラットフォームを持つ企業こそが、シリコンバレーで最も影響力をもつ

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編集部注:本稿を執筆したVivek WadhwaはCrunch Networkのコントリビューターである。彼は学者、起業家、執筆者である。Stanford、Duke、Singularity Universityでの教員の職も兼ねる。

シリコンバレーの企業が学び、ビジネスに戦略的アドバンテージを与える数多くの教訓の一つとは、単なる製品やビジネスモデルを超えた思考だ。そしてそれがプラットフォームを創り出す。

歴史上もっとも早いスピードで成長し、破壊的な力をもつ企業のGoogle、Amazon、Uber、AirBnb、eBayなどの企業は、製品を売ることではなく、プラットフォームを構築することにフォーカスしている。

テック企業だけではない。Walmart、Nike、John Deere、GEなどの企業もまた、それぞれの業界においてプラットフォームを構築しているのだ。

たとえばJohn Deereは、農作物を集積するハブを構築している。すべての情報がデジタル化されて、あらゆるものがIT化し、従来の業界が破壊されている状況下において、プラットフォームは重要なものになりつつある。

オープンかつ包括的で、それ自体が戦略的な意味を持つものを構築するというプラットフォームのコンセプト自体は古くから存在する。道端にある店舗と、ショッピングモールの違いを考えてみるといい。ショッピングモールにはサイズと規模において優位性があり、モール内のすべての店舗は、他の店舗が展開するマーケティングやプロモーションから恩恵を受ける。

彼らはインフラとコストを分かち合うのだ。ショッピングモールのオーナーは、ひとつの大きな店舗を持つこともできたはずだ。だがそれではテナント料を得る機会や、テナント店舗が呼び込んできた大勢の顧客から得られる恩恵を失ってしまう。

プラットフォームビジネスでは生産者と消費者の間で高い価値の取引が行われる。その最も主要な資産が情報と交流だ。

先日発売された「Platform Revolution: How Networked Markets are Transforming the Economy and How to Make Then Work for You」(著:Geoffrey Parker、Marshal Van Alstyne、Sangeet Choudary)では、プラットフォームが持つパワーについて説明されている。この本の中で著者たちは、Appleがどのようにプラットフォームを活用し、iPhoneを展開するモバイル分野において最も収益性の高い存在となったのかを説明している。

つい最近の2007年まで、この業界全体の収益の90%をNokia、Samsung、Motorola、Sony Ericsson、LGが握っていた。そのうちに、美しいデザインをもつiPhoneが、iTunesとApp Storeというマーケットプレイスをひっさげて参入してきた。2015年までに、iPhoneは世界中のモバイル市場全体の収益の92%を獲得し、そして他社はその後塵を拝することとなった。

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Nokiaや他の企業は当時、彼らがもつ伝統的な競争優位性に守られているはずだった。その優位性とは、良く差別化された製品、信頼のあるブランド、時代の先端をいくオペレーションシステム、素晴らしい流通システム、保護規制、巨大なR&D予算、そして彼らが持つ巨大な規模といったものだ。

しかしAppleは、iPhoneとiOSを単なる製品だとかサービスを提供するための手段とは考えていなかった。彼らにとってそれは、アプリ開発者とユーザーという2つのマーケット参加者をつなげるためのものだった。

それは両方のグループにとっての価値を生み出すと同時に、Appleにそれぞれの取引から料金を徴収することを可能にした。開発者が増えれば、ユーザーも増える。生産が消費を増やし、そしてその増えた消費が今度は生産を促して、プラットフォームが生み出す価値が雪だるま式に増えていった。「ネットワーク・エフェクト」を創り出したのだ。

2015年1月までにApp Storeには140万のアプリが存在し、開発者はそこで250億ドルもの価値を生み出してきた。

ショッピングモールが消費者と店舗をつなげてきたように、新聞は長らく購読者と広告主をつなげてきた。これまでと変わったのは、テクノロジーのおかげでインフラと資産を持つ必要がなくなり、デジタル・プラットフォームの構築と拡大のためのコストが著しく下がったことだ。

Parker、Van Alstyne、Choudaryが「パイプライン」とよぶ伝統的なビジネスは、直線的につながったプロセスをコントロールすることによって価値を生み出す。インプット、つまりサプライヤーから提供された原材料はバリューチェーンの片端から投入され、それが何度も形をかえることで付加価値をつける。

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Appleのモバイル端末ビジネスそれ自体は、伝統的なパイプラインである。だが、開発者とユーザーをつなげるマーケットプレイスのApp Storeと端末が組み合わさることで、それはプラットフォームへと変化した。そしてネットワーク・エフェクトのおかげで、そのプラットフォームは加速度的に成長したのだ。

前述した本で著者たちは、パイプラインからプラットフォームへの進化には3つの重要な変化がともなうと語る:

  1. 資源のコントロールから、オーケストレーションへ。パイプラインの世界では、鍵となる資産は鉱山や不動産といった実体的なものだ。プラットフォームでは、知的資源やコミュニティーの中にこそ価値がある。ネットワークは、アイデアやデータといった、デジタル経済において最も価値をもつ資産を生み出す。
  2. 内部の最適化から、外部との交流へ。パイプラインのビジネスは、労働力とプロセスを最適化することによって効率性を手に入れる。プラットフォームでは、生産者と消費者のあいだの交流を最大限促すことが鍵となる。ビジネスの効果と効率性を高めるためには、エコシステムそのものを最適化させなければならない。
  3. 個人よりエコシステムに価値を置く。従来のビジネスのように単一のカスタマーにフォーカスするのではなく、プラットフォームの世界では、循環し、反復可能なフィードバックに基づくプロセスにおいて拡張するエコシステムの全体価値を高めることにフォーカスしている。これはつまり、成功という指標も刷新しなければならないということだ。

Harvard Business Reviewの記事で「transitional business platforms(移り変わるビジネスプラットフォーム)」の説明において、Kellog School of ManagementのRobert Wolcott教授は、Netflix創業者であるReed Hastingsが1997年に同社のプラットフォームを構築する際に抱えていた問題を説明している。

長い間、Hastingsはオンデマンド・ビデオを提供したいと思っていた。しかし、当時はテクノロジー面においてインフラがまだ整っていなかった。そこで彼は、現在のNetflixのプラットフォームの姿を長期戦略として描きながらも、DVDを郵便で届けるビジネスを始めたのだ。

Wolcott氏によれば、Uberには自動運転車を提供するという戦略的な意図があるものの、テクノロジーが発達する間は人間のドライバーによるビジネスを展開しているのだという。テクノロジー、消費者行動、規制の変化と共に爆発的な進化を遂げるプラットフォームを構築している。

プラットフォームの構築にはビジョンが必要だが、将来を予測する必要はない。必要なのは、道端の店舗ではなくショッピングモールを構築する機会を捉えることと、ビジョンまで到達する方法に柔軟性を与えることだ。現在では製品よりビジネスモデルだが、これからはビジネスモデルよりプラットフォームだということを覚えておいてほしい。

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(翻訳: 木村 拓哉/ Website / Twitter

AppleのSiriがアメリカと世界のプロ野球雑学博士になった

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プロ野球の今年のシーズンの開幕に合わせて、Appleは野球のデータや雑学知識をたっぷりとSiriの脳に詰め込んだ。

そこで今のSiriはベーブルースの生涯打率を知ってるし、2008年の、フィリーズが優勝したワールドシリーズのときのラインナップだけでなく、なんと1934年のワールドシリーズについても知ってる。

Siriは、全世界の29のプロ野球リーグについても勉強した。今ではMLBだけでなく、Cape Cod LeagueやNippon Pro Baseball(日本野球機構)のことも質問できる。これらのリーグは、選手個人のデータはないが、試合結果の記録はある。

Siriそのものの重要なアップデートではないけど、野球シーズンの再来を祝うにふさわしい仕掛けだ。また、Siriの高度な自然言語処理能力を誇示する、良い機会でもある。

“how many home runs did Babe Ruth have during his career”(ベーブルースは生涯に何本ホームランを打ったか?)のような問に対して、これまでのSiriならたぶん、あのいまいましい”here’s what I found on the web”(Webにはこんなものがありました)を返しただろう。でも今度からは正しい答を返すから、Siriをより一層、人間らしく感じるだろう。

この機能はすでに使える状態なので、Siriを困らせて楽しみたい人は、ぜひトライしてみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleの自閉症を扱った短編映画は、アクセシビリティー機能の重要性を証明する


【日本語版編集部:Appleの日本語ページで日本語字幕付きビデオを見られる】
Appleは週末にかけて2本のビデオを公開した。主役はDillan Barmacheという自閉症で言葉を発しない16歳の少年だ。それは迫力ある映像であり、アクセシビリティー機能や、自閉症の人々のための専用アプリ等の特長に焦点を当てている。

自閉症は,社会的なコミュニケーションや行動に影響を及ぼす。自閉症の人々は世界とのコミュニケーションに苦労している。しかし、それは彼らに言いたいことがない、という意味ではない。

この病気になると、周囲の人と話すのが困難なため殻に閉じこもりがちになり、人々の言っていることを理解していることをわかってもらえず、悪いときには、人々が本人に代わって話し、誤って伝えてしまうこともある。

Dillanの人生はテクノロジーのおかげで大きく変わった。映画にはiPadと3つのアプリが登場する ― Proloquo4TextAssistive Express、およびKeebleだ。彼はiPadでタイプしてまわりの人々と話すことができる。映画はiPadの基本的ユーザーインターフェースや、ノートPCと比べていかに簡単かを詳しく紹介している。

テクノロジーは驚くほど強力であり、われわれのコミュニュケーションや情報共有、あるいは学習の手段に大きな影響を与える。人々と物事とサービスを、従来不可能だった形で結びつける。多くの会社は、主要な消費者サービスを使う数億人の人々に関わる問題に焦点を当てている。しかし、われわれのまわりにいる人々の人生を変える機会のある大きな分野が他にあることを忘れないことも重要だ。

ITエコシステムには責任がある。われわれはコミュニティーとして、現実世界のためのテクノロジーにも注目する必要がある。アクセシビリティー機能によって大きな利益を受ける人たちにとっての、次なる目玉を見つけなければならない。

自閉症受容月間に、Appleがこうして自閉症に光を当てたのはとても良いことだ。この会社は iOSのアクセシビリティー機能に大きく力を入れている他、他の極めて重要な取り組みにもリソースを割り当てている。他の会社も注目してほしい。多くの起業家は、大衆のために小さな問題を解決している。しかし、人生活を変えるような問題を解決することもできるのだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iOSを9.3.1にアップデート―URLタップでiPhoneがクラッシュする問題を修正

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この対応は素早かった。iOSの重大なバグが報道されてからわずか数日でAppleは修正版のiOS 9.3.1をリリースした。アップデートはiPhone版、 iPad版ともバグに対応ずみだ。アップデートの説明は当然ながらきわめて簡潔だ。「Safariその他のAppでリンクをタップした後にAppが応答しなくなる問題が解決されます。」〔Apple日本サイトの表示〕とだけある。

どういうことだったのか振り返ってみると、まず多くのユーザーがAppleのフォーラムで不調を訴えた。一部のURLをタップするとSafariその他のアプリがクラッシュするという問題だ。原因はそうしたサイトのデベロッパーがiOS 9の新機能であるユニバーサルリンクを不正に利用しようとしたことにあることが判明した。このバグはiOS 9.3だけでなく、それ以前のiOS 9にも同様の被害をもたらした。

iOS 9でAppleはURLの処理にユニバーサルリンクというまったく新しい仕組を導入した。たとえばYouTubeのようなデベロッパーがドメイン名をAppleに登録し、ユニバーサルリンクに対応させると、ユーザーがリンクをタップしたときに、Safariをバイパスして直接アプリが起動するようにできる。

そこでiOSデバイス上でyoutube.com/somethingsomethingというようなリンクをタップすると、iOS 9はSafariではなくYouTubeアプリでコンテンツを表示する。これはなかなか便利は機能だったが、問題はこの機能を悪用するデベロッパーが出たことだった。

たとえばBooking.comのデベロッパーはアプリを多くの、というよりほとんど無数のドメイン名に関連づけた。正確にいえばBooking.comアプリはタップされるたびに2.4MB分のドメイン名を読み込もうとする。バックグラウンドのswcd〔共有ウェブ認証デーモン〕プロセスはこのディープリンク・データをユニバーサルリンクとして処理しようとしてオーバーフローに陥る。言い換えれば、Appleはユニバーサルリンクのデータサイズに上限を設けるのを忘れていた。一部のデベロッパーはこの点を悪用しようとしたわけだ。

Appleが素早く対応したのはもちろん良いことだ。しかし同時にユニバーサルリンクというのはきわめて初期段階のテクノロジーであり、Appleは最適化のために今後も努力する必要があることも明らかになった。iOSデバイスのユーザーはできるだけ早い機会に「設定」を開き、「ソフトウェア・アップデート」から新しいiOSをインストールするようお勧めする。

〔日本版〕日本のユーザーもiOSデバイスから9.3.1へのアップデーがト可能になっている。

File Mar 31, 7 02 18 PM

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

どうぞどうぞ、いいですよ、FBIがアーカンソーの検察のためにiPhoneのアンロックで協力

WASHINGTON, DC - FEBRUARY 23:  The official seal of the Federal Bureau of Investigation is seen on an iPhone's camera screen outside the J. Edgar Hoover headquarters February 23, 2016 in Washington, DC. Last week a federal judge ordered Apple to write software that would allow law enforcement agencies investigating the December 2, 2015 terrorist attack in San Bernardino, California, to hack into one of the attacker's iPhone. Apple is fighting the order, saying it would create a way for hackers, foreign governments, and other nefarious groups to invade its customers' privacy.  (Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

数日前まで、暗号化されているiPhoneを前にして途方に暮れ、助けを国(司法)に求めていたFBIが、今では寛大にも、アーカンソー州の検察官に、iPhoneとiPadのアンロックをお手伝いしましょう、と申し出ている。AP通信の記事が、そう述べている。

本誌はTechCrunchはその検察官のオフィスに詳細を問い合わせたが、現時点で得られる情報は乏しい。しかしそのタイミングは、偶然ではないはずだ。これまで何か月も、できないできないと言い続けてきた(そして協力を拒否しているAppleは国の安全を危険にさらしていると主張し続けてきた)FBIが、そのiPhoneへのアクセスに成功したと発表したのは、わずか二日前の月曜日だ。

アーカンソーの事件は、二人のティーンエイジャーがカップルを殺した、という殺人容疑だが、検察は火曜日(米国時間3/29)に、iPhoneとiPadをアンロックする支援を求めるために公判の延期をかちとった。それは、弁護士たちも月曜日までは可能であると知らなかったことだ。驚くべきことにFBIは、その翌日に支援に合意した。Faulkner郡の検察官Cody Hilandが、AP通信にそう語っている。裁判所の文書によると、それらの証拠物件には“Snapchatへの手紙”一件、10ページぶんのメール、100ページあまりの“Facebookの記録”があるので、被告のデジタルの足あとは必ずしも空白ではない。

FBIによるアンロックが、求めに応じてこんなに気軽に行われるのなら、暗号化されている電話機への法執行機関によるアクセスには制限を設ける、とする司法省の談話と深刻に矛盾する。

まだ機種等の詳細は明らかではないし、FBIによる助力提供の厳密な法的性質も定かではない。法廷と検察官のオフィスと弁護側のファイルとボランティアたち(と本誌の質問)から、さらなる情報が得られるまでは、すべてが雲を掴むような話だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AppleがMLBと契約、今年は各チームがダッグアウトでiPadを使用

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MLBはNFLのやり方に倣って今年のシーズンから、ゲーム中にタブレットを使用することになった。

ただしそれはMicrosoftのSurfaceタブレットではなく、MLBはAppleとの契約により30の傘下チームすべてにiPad Proを支給する。

そのiPadを使ってチームの監督は、過去のゲームのデータやビデオを見たり、またピッチャーとバッターの相性をシミュレーションする、などのことができる、とWSJは報じている

注目すべきは、各チームのiPad上のデータがチーム固有のもので、リーグ全体用のデータベースから得られるものではないことだ。したがって、どんなデータを集めて、それらをどのように分析するかも、各チームの競争的アドバンテージを決することになる。情報へのより容易で対話的なアクセスの方法についてのみ、Appleは彼らをお助けする。

支給されるデバイスは大型12.9インチのiPad Proで、各チームのロゴ入り特注ケースに収められる。

メインのアプリとしては、 MLBのAdvance Media DivisionがAppleのデベロッパーからの協力のもとに作ったカスタムアプリMLB Dugoutが使われる。

契約の形はNFL-Microsoftのそれと似ていて、デバイスは監督用の正規のツールであると同時に、広告も表示される。

NFLは紙からデジタルツールへの移行でさまざまな成長痛を経験したようだが、MLBも同じ経験を味わうかもしれない。というか、Appleによれば、NFLチームのほとんどが、人に見られないところでiPadを使っている、という。Surfaceは、彼らにとって技術的に難しいのだそうだ。

Appleは本誌TechCrunchに、この契約を確認した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

司法省、対Apple訴訟を取り下げ―テロ容疑者のiPhoneはFBIがアンロックに成功

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FBIはサンバーナーディーノにおける銃乱射事件でファルーク容疑者が所有していたiPhone 5cのロックを解除することに成功した。このため司法省はAppleに対してロック解除を要求する訴えを取り下げる。当局はロックを解除した具体的な方法についての情報の取り扱いには慎重で、新たな情報は公表されていない。

取り下げの文書は非常に簡単だった。「政府はファルークのiPhoneのデータにアクセスすることに成功したので2016年2月16日付けで裁判所によってApple Inc.に命じられたiPhoneのロック解除に関して捜査当局を援助せよとの命令はもはやその必要を失った」と連邦検事、Eileen M. Deckerと司法省次官補、Tracy L. Wilkisonは書いている。

5週間にわたってAppleと司法省は激しいやり取りを繰り広げてきた。勢いの赴くところ、両者はサンバーナーディーノを管轄するカリフォルニア州リバーサイドの連邦裁判所で対決することなるはずだった。しかし先週、FBIは、ぎりぎりの瞬間になって、Appleの助力は結局必要なかったと発表した。司法省は審理の延期を要請した。Appleは抗弁せず、審理は延期された。

司法省は4月5日までにFBIがFarookのiPhoneのデータにアクセスできたかどうか捕捉意見を提出することになっていた。期限を1週間残して政府は前述の見解を示した。

当初、2月に政府がAppleに援助を要求する根拠となったのはAll Writs Act〔全令状法〕だった。しかしAll Writs Actはそれ以外に利用可能な手段がある場合には有効ではない。そこで政府はiPhoneのロックロック解除が可能なのはAppleのみであることを立証しなければならないこととなった。

実はこれが今回政府が訴訟を取り下げた理由だ。FBIはAppleの手助けなしに容疑者のiPhoneのデータにアクセスすることに成功した。つまりAll Writs Actの適用対象外となり、当初の訴えは根拠を失った。

アメリカ政府を苦境から救ったサードパーティーの身元は依然として謎に包まれている。政府もまた今回データを入手した「代替手段」については沈黙している。Appleは将来のOSのアップデートでセキュリティーを強化するためにロックがどのように突破されたのか詳細を知りたいだろう。しかし現状ではAppleがそうした情報を入手できるかどうかは不明だ。

CNNによると、司法省は「代替手段はこの特定のiPhone〔のデータ取得〕のみに有効」と語ったという。しかし同じバージョンのiOSを搭載した別のiPhones 5cをFBIがクラックできないと信じるのは難しいだろう。またFBIがiPhoneの何らかの脆弱性を利用したのであれば、Secure EnclaveとTouch IDセンサーで守られているとしても、同じ脆弱性を持つあらゆるiPhoneが同じ方法でロックを解除されてしまうだろう。【略】

All Writs Actは重大な条文であり、軽々しく持ちだされるべきではない。政府はその前にあらゆる手段を尽くすべきだ。もし政府がテロリストの攻撃を利用してAppleにプライバシー侵害の前例を作らせようとしているのなら、そのような方針は恥ずべきであり是認することはできない。

画像: Arsgera/Shutterstock

〔日本版〕AppleがTechCrunchに送ってきた声明および司法省の訴訟取下げにかかる文書は原文を参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 9.3でリンクをクリックするとアプリがクラッシュする…Universal Linksのバグが原因

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ベータを7回もやったのに…多くのiOSユーザーがAppleのサポートフォーラムで報告しているように、まだバグがある。SafariやChrome, Mail, Messages, Notesなどの上のリンクをクリックすると、そのアプリがフリーズしてクラッシュするのだ。あなたもその一人なら、以下の対策をお読みいただきたい。

この問題は、Universal Linksと関係があるようだ。AppleはiOS 9で、Universal Linksというものを導入した。それは、ネイティブアプリのリンクを扱う、まったく新しい方法だ。アプリのデベロッパー、たとえばYouTubeなどが、ドメインを登録しておくと、Web上のリンクがSafariでページを開かずに、アプリ(YouTubeアプリなど)を開く。

つまりたとえばyoutube.com/somethingsomethingというリンクをクリックすると、iOSはWebページをSafariへロードせずにYouTubeアプリを開く。便利な機能だが、アプリのデベロッパーに濫用されるおそれもある(後述)。

Sergey Roshchinのビデオを見ると、そのバグがよく分かる。快調だった彼のiPadが、Booking.comのアプリをインストールした途端に、Safariがおかしくなる。リンクをクリックすると、ハングし、そしてクラッシュする。

Booking.comは、ありとあらゆるドメインを自分のアプリに結びつける。いいかげんだし、多すぎる。ドメインネームとディープリンクのエントリを対照させたデータが2.4MBもあるので、iOSがリンクをUniversal Linkのデータベースでチェックしようとすると、大きすぎてSafariなどのアプリがクラッシュする。Voyages-SNCFのアプリもiOS 9.3でクラッシュを発生させる、という情報もあったが、Voyages-SNCFはUniversal Linkがないから、それは誤報だ。

しかしBooking.comのアプリがアップデートされたのは3月17日で、iOS 9.3のリリースの前だ。リンクを操作するとアプリがクラッシュするのは、iOS 9.3が原因と見て間違いないだろう。

WebKitのチームは、iOS 9.3とOS X 10.11.4で大規模なアップデートを行った。Safari 9.1にも、そのボンネットの下にはいろんな変更箇所がある。Universal Linkのバグは、WebKitのアップデートと関連があるのかもしれない。…ないのかもしれない。

いずれにしても、Appleはこのバグを次のバグフィックスアップデートで直すだろう。当面は、Booking.comのアプリを削除して、待ちましょう。iOSがUniversal Linksをチェックするたびに、この問題は起きている。でも、問題のアプリを削除すれば、とりあえずiPhoneは使える。

アップデート: Bookingのアプリを削除するだけでは、不十分なようだ。

[ツイート概訳: Booking以外にもクラッシュするアプリはあるから、Appleによるフィックスを待つしかない]
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

iOS 9.3へのアップデートが途中で止まってしまった古い機種のユーザーにAppleが対策を提供…最新のサポート記事で

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古いデバイスのiOSユーザーの一部が、9.3へのアップデートで思わぬトラブルに遭遇しているらしい。アップデートに際してApple IDとパスワードを入力するのだが、それらは最初にそのデバイスをセットアップしたときのでないといけない。あとから変えたIDやパスワードでは、だめなのだ。

ID/PWが違うと、アップデートは途中で停止し、そこから先へ進めない。

Appleは本誌TechCrunchにこんな説明をくれた:

“一部のケースでは、顧客がパスワードを思い出せないとデバイスは不活状態になり、正しいパスワードを入力するまでその状態を保つ。そのような古いデバイスに関しては、一時的にアップデートを控えている”。

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この問題が生ずるのは、iPhone 5SまでとiPad Airまでの機種の一部だ。“古い”ではなくて、“新しくはない”と言うべきだね。たぶん今でも多くの人たちの現用機だから、アップデートを待たされる人が多いだろうな。

Appleは、この問題を修復するためのアップデートのアップデートを“数日後”にリリースするそうだ。でも、今すでに、停止した画面を見て途方に暮れている人は、この最新のサポート記事に書いてあることを、試してみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FBIはイスラエル企業と協力して、サンバーナーディーノ事件のiPhoneをアンロックしようとしている

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イスラエル企業のCellebriteが、サンバーナーディーノ銃乱射事件に関与したiPhone 5cをアンロックする手段を探しているFBIから指名されたことを、イスラエルの新聞、Yedioth AhronothReutersが報じた。Cellbritechは、法執行機関や諜報機関向けに科学捜査方法を開発している。

月曜日(米国時間3/21)米司法省は、第三者からiPhone 5cのアンロックへの協力が提案されたため、第一回聴聞の延期を要請した。Appleは延期に反対しなかった

今後FBIは、この代替手段が功を奏するかどうかをこの第三者と協力して解明しなければならない。司法省は4月5日までに結果を法廷に提出する見込みで、もしこの方法が有効なら訴訟は棄却される。

去る2月、All Writs Act[全令状法]に基づいて当初の政府要求がなされた。しかし、全令状法は代替手段が存在する場合には適用されない。このため政府は、AppleのみがこのiPhoneをアンロックできることを証明する必要があった。

そして司法省が最初にとった行動はまさしくこれだった。

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Mashableが入手した、Apple、司法省、および裁判所の三者間で月曜日(米国時間3/21)に行われた電話会議の記録によると、その第三者は間際になって現れた。

「この可能性を知ったのは今日になってからで、今日の午前に、Appleが必要ではない可能性がわかった」とTracy Wilkinson連邦検事補は言った。「そしてわれわれには、現時点でこれを表明する誠実な理由がある」。

しかし、今日に至るまでの間この第三者を巡ってちょっとした謎があった。どうやらそれはCellebriteらしい。FBIは電話会議のあった日に会議の直前にCellbriteと契約を交した。

TechCrunchはCellbriteに接触したが、会社はコメントは拒んだ。

カリフォルニア州選出共和党下院議員、Darrell Issaは司法省の戦略をかねてから批判しており、今週の方針転換はFBIと司法省が全令状法の適用を急ぎすぎたことの証明だ。「政府は、今後サイバーセキュリティーの未来に劇的な影響を与えるであろう広範な権限に頼る前に、あらゆる可能な手順を踏むことが重要だ」と、IssaはPoliticoの取材に答えてで語った。「この訴訟で、それができていなかったことは明白だ」。

Cellbriteがごく短時間のうちにOS 9のセキュリティーツールを発見し、最近になってデータをアクセスできる確信を得た、という可能性もある。

さらには、FBIはこの選択肢の存在をずっと以前から知っていて、司法省は本訴訟に悲観的だった可能性もある。プライバシーとAppleにとって有利な前例を作るよりも、延期の後に訴訟を棄却する方が得策だろう。

いずれにせよ、月曜日の電話会議でAppleは、この新たな手法の詳細が必要であることを明確に示した。これは、訴訟がすぐ取り下げられなかった理由でもあり、Appleがこのセキュリティーホールを修正したかったためだ。

そしてもし2番目のシナリオが正しければ、FBIはテロ悲劇に乗じて前例を作ろうとしていたことを意味する。これが、1台のiPhoneの問題ではなく、FBIは18ヵ月前に公開されたiOS 8以来のiOS暗号を弱体化する方法を探している、ということをわれわれは既に知っている。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ご注意! 新しいiPad ProのデュアルSIMについてAppleの意図を知っておこう

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Appleが新しい9.7インチのiPad Proを発表したとき、ひとつの技術的問題が目を引いた。Appleのサポートデスクに寄せられた質問の大半がこの問題に関するものだったという。つまりApple SIMが内蔵になったという点だ。 AppleはiPad Air 2でAppleはApple SIMを発表した。これは一般的なSIMカードの形状だが再プログラム可能だった。ユーザーはデバイス上の設定から世界に何十種類もあるキャリヤを自由に選択できた。

Appleにとっての利点は明白だ。プログラマブルSIMならどんなキャリヤとも互換性がある。無線ネットワークがデバイスのサポートする規格を採用してさえいればよい。Appleは世界中でただ1機種を発売するだけですむ。

しかし問題はApple SIMが従来のSIM同様、取り外して交換できるという点だった。一部のキャリヤはユーザーが書き換えできないようにしたプログラムしたSIMを取り付けて販売し、結果的にAir 2を自社ネットワークにロックしてしまった。そこで新しいiPad ProではSIMを内蔵させるという対策が取られたわけだ。では内蔵SIMが再プログラムされるとどんなことが起きるのかというのが大きな疑問となる。その答えは簡単にいえばこうだ。

  • Verizon版のiPad Proの場合、内蔵SIMは無効化される。VerizonのiPad Proを海外で使うには現地で利用できるキャリヤの物理的SIMカードを装着する必要がある。
  • AT&TのストアでiPad Proを買った場合、内蔵のApple SIMは有効。ただしアメリカ国内、国外ともAT&Tネットワークにロックされる。しAT&Tのストアから直接購入せず、他の経路からデバイス入手し、後でデバイス上の設定から内蔵SIMにAT&Tをプログラムした場合、アメリカ内外ともにアンロック状態となる。つまりAT&Tから買った場合はSIMはロックされ、国外で使う場合もAT&Tが定めたローミングを利用することになる。後でAT&Tを選択した場合、 内蔵SIMはロックされておらず、後でキャリヤをAT&T以外に変更することができる。
  • 他のアメリカのキャリヤはロックをかけていない。T-Mobileは安全だ。しかし日本ではキャリヤ独自のストアから購入したデバイスはそれぞれのネットワークに接続するようプログラムされている。他の日本のキャリヤに変更することはできるが、海外のキャリヤには変更できない。〔この点についてはAppleサイト参照〕。
  • AT&TとT-Mobileは内蔵のApple SIMに対応している。AT&Tのデバイスに新たにT-Mobile SIMを装着すれば内蔵SIMは上書きされ、T-Mobileが利用できるようになる。Wただし、T-MobileのSIMを抜くとAT&T接続に戻る アップデート:ユーザーはSIMを抜き差しする必要はない。どちらのキャリヤもデバイスの設定から携帯ネットワークを選択できるようになっている。

以上からは、さほどすばらしいニュースだとは感じられないかもしれない。しかし後でキャリヤを変更するユーザーにとって非常に有利な点が一つある。新しいiPad Pro 9.7インチはデュアルSIMだ。つまり内蔵のApple SIMに加えて筐体右側面〔日本版注〕にSIMスロットが設けられており 内蔵SIMがAT&Tにロックされていても他のキャリヤのSIMカードを挿入して利用できる。つまり内蔵のApple SIMのロックと関係なく、他所で購入した他のネットワークの物理的SIMカードを使うことによって、ロックを無効化できるということだ。このデバイス自体はどのキャリヤに対してもロックさせることはできない。

やっかいな問題を巧みにかわしたといえそうだ。こうしたテクニカルな話題を紹介するのは、Appleは今後発売されるデバイスでも内蔵SIMを利用する可能性が高いと考えたからだ。もちろんAppleがキャリヤを説得して自社へのロックを止めさせることができれば理想的だ。しかそのようなユートピア的夢想が簡単に実現するとは思えない。

依然としてわかりにくい話ではあるが、この説明でいくぶんなりと混乱が収まることを願っている。

〔日本版〕 新iPad Proのnano SIMカードのトレイはホームボタンを下部に縦に保持したときの右サイト(長辺)の下部にある。実機が出荷されていないので日本での対応状況にははっきりしない点もあるが、SoftBankの新iPad Proは内蔵SIMを利用せず、物理的SIMカードを挿入してSoftBankのネットワークに接続するタイプという。海外での利用などについてはAppleサイトのSIMの解説を参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

9.7インチiPad Proは12.9インチiPad Proよりわずかに遅い

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Appleはスペックについて語りたがらない。しかし、実は私のボスMatthew Panzarinoは、新しいiPad ProとiPhone SEのレビュー機を既に持っている。だから、この新デバイス上でわれわれがGeekbenchを走られせることを誰も止めることはできない。結果はいずれも、興味深く驚きのないものだった。9.7インチiPad Proは兄貴分と同じA9Xチップを塔載しているが、クロックはわずかに遅い。

下のGeekbenchの画面にあるように、チップ上のシステムは2.16GHzで動作している。一方12.9インチiPad ProのA9Xは2.24GHzで動いているため、Geekbenchスコアで上回っている。Appleが自社製プロセッサーをアンダークロックしたのはこれが初めてではない。例えばiPad miniではよくやっている。小さなiPad Proはバッテリーも小さいので、プロセッサーのクロックを遅くするのはバッテリー節約の良い方法だ。

RAMに関しては、9.7インチiPad ProのRAMが2GBで、大きいiPad Proの4GBより少ないのにはちょっと驚いた。iPad Air 2は既に2GB RAMを積んでいて、マルチタスクを多く使ったりSafariで複数のタブを開いている時等に感じることがある。他に細かい点では、9.7インチiPad ProのLightningポートはUSB 3のスピードに対応していない。標準のLightningケーブルはUSB 2ケーブルだが、カメラアダプターを使って大きなビデオデータをLightning経由で移動したい人には、12.9インチiPad Proの方が良い選択肢だ。

ただしこれは、9.7インチiPad Proが大きいiPad Proより悪いiPadだと言っているのではない。良いカメラと、良いディスプレーと、統合されたApple SIMが入っている。12メガピクセルのカメラは、iPhone 6sと同じもののようだ。Live Photoや4Kビデオを撮影できる。自撮りカメラも良くなっている。

多くの人たちが、テーブルに9.7インチiPad Proを平らに置けるかどうか心配していた。カメラの出っぱりがあるからだ。答は:大丈夫。がたついたりしない。

ディスプレイには新しい4チャンネル周辺光センサーが付き、周囲の明るさを正確に測ってホワイトバランスを調整する。また、iPad Air 2よりも25%明るく、40%反射が少なく、色域が広い。500 nitsはiPadの画面で最も明るい。そしてLTEバージョンの9.7インチiPad Proには、Apple SIMが内蔵されているので、旅行の際にはデータプランを契約できる。nano SIMカードスロットもまだ付いている。

そして、ソフトウェアキーボードはiPad Air 2と同じだ — Appleは12.9インチiPad Proにある追加キーを付けなかった。

iPhone SEは、RAM 2GBでiPhone 6sと同じだ。つまりAppleはこの小さなiPhoneでケチらなかった。ただし、高速のTouchIDセンサーではない ― iPhone 5sや6のと同じTouchIDセンサーだ。

iPhone SEは驚くほど有能なデバイスのようだが、iPad Proのラインアップは少々混乱を招く。ある面では9.7インチiPad Proの方がパワフルで、別の面では12.9インチモデルの方が優れている。12.9インチiPad Proの方が9.7インチより明らかに大きいので、結局は何をするか次第だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple基調講演者の多様性レポート

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Appleは今日(米国時間3/21)スペシャルイベントを開催し、新しいiPhone SE、新しいiPad Pro、Apple TVの改訂、新しいWatchバンド、ResearchKitおよびCarekitを発表した。前回の殆ど多様性がなく黒人の総数がゼロだったイベントと異なり、今回はAppleの環境・ポリシーおよびソーシャルイニシャアティブ担当副社長、Lisa Jacksonが、Apple CEO Tim Cookの直後に2人目の講演者として登場した。

Jacksonは、中古iPhoneを再利用およびリサイクルのために分解するAppleのロボット、Liamについて話したが、アフリカ系アメリカ人として初めて環境保護庁長官を務めた人物だ。彼女は2013年にAppleに入社した。

イベント終了までに、Appleから計5名がステージに上がった。4人は白人男性で、1人が有色女性だった。Appleの前回のイベントでは、白人男性13名、キューバ系アメリカ人男性1名、アジア人男性1名、および白人女性3名が登壇した。つまりAppleは、昨年9月のイベントと比べて今日の登壇者の方が女性比率(20%)はやや高く、非白人比率(20%)も高くなっている。代表者が誰であるかはこの種の大型ITイベントでは重要だ。これは、若い人々が重要な仕事の中に自分を見つけられなければ、 そこへ到達しようと努力することは困難だからだ。

今年1月、Appleは極めて迅速にEEO-1報告書を公開し、人種、性別および職種別の従業員データを分析した。報告書は2015年8月現在の従業員データを表わしており、同社は13箇月間に、アフリカ系アメリカ人1475名、ラテン系1633名、およびアジア系1662名を雇用してわずかながら多様性に進展を見せた。同じ期間に、Appleは4096名の白人を雇った。

昨年10月、AppleはBoeing Comapnyの元CFO・プレジデント、James Bellを取締役に迎えた.。Bellは、Apple取締役を務める最初の黒人ではないが、現在のApple取締役会では唯一の黒人である。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleのTim Cook、iPhoneロック解除問題について:「われわれはこの責任から逃げるつもりはない」

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Tim Cookは、Appleの記者会見を驚きの発言と共に開始した。現在アクティブなAppleデバイスが10億台あることを発表した後、AppleのCEOは現在進行中のFBIとの紛争について語った。

「われわれはiPhoneを、われわれの顧客であるみなさんのために作っている。そして、それが極めて個人的な機器であることを知っている」とCookは言った。「多くの人々にとって、iPhoneは自分自身の延長だ」

Appleは、サンバーナーディーノ事件に関与したiPhone 5cをロック解除するつもりはなく、それは数百万ユーザーのプライバシーを侵害することになるからであることを明確に表明した。FBIのための裏口はセキュリティーホールであり、ハッカーが悪用する可能性がある。

「一月前、われわれは国中のアメリカ人にこの議論への参加を呼びかけた。われわれは国家として、政府がわれわれのデータとわれわれのプライバシーに関してどこまで力を持つべきか決めなくてはならない」とCookは言った。

Apple vs FBI

Appleは書簡を公開し、この問題に対する強い姿勢を表した。それは過去一ヵ月間公開デベートにもなり、同社は明日(米国時間3/22)カリフォルニア州で行われる最初の公聴会に出廷する。

「この国のあらゆる階層の人々から受けてきたほとばしる支持に対して、恐縮すると共に深く感謝している。われわれが自国政府と争うこの立場になることは予想していなかったが、みなさんが自分データを保護し、プライバシーを守ることを手助けする責任がわれわれにはあると強く信じている」とCookは言った。「われわれには顧客に対する義務があり、われわれの国に対する義務がある。これはわれわれ全員に影響を与える問題であり、この責任から逃げるつもりはない」

Tim Cook of Apple on Privacy

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

小さくなったiPad Proをさっそく使ってみた(ビデオ)

既存プロダクトの改良版についての話が主だったこともあり、本日のAppleイベントについて少々さびしく感じた人はいるかもしれない。しかし、いろいろなプロダクトが小型化するという噂はまさに本当だった。もっとも多くの注目を集めたのはiPhone SEだったかもしれない(ファーストインプレッションはこちら)が、デザイナーやアーチスト、ないしApple Pencilの可能性に興味を持つ人たちにとっては、新しくなって小さくなったiPad Proこそ、もっとも注目したくなるデバイスだっただろう。

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イベントのさなか、TechCrunchの編集長であるMatthew Panzarinoがさっそく新iPad Proを使ってみたので紹介しておきたい。動作の様子については冒頭のビデオを見ていただくこととして、特徴的なスペックについて列挙しておこう。

  • 画面サイズは12.9インチから9.7インチとなった。
  • 内部パーツについては従来のiPad Proをもとに、新しいものも若干加えられている。
  • 4つのセンサーを備えたTrue Toneディスプレイを搭載していて、周囲の状況に応じたカラー調整が行われる。
  • これまでで画面反射がもっとも低く抑えられていると同人に、もっとも明るいディスプレイとなっている。
  • 「Hey Siri」機能に対応するとともに、もちろんApple Pencilにも対応している。
  • キーボードなどとの接続にはSmart Connectorを採用。
  • 小型化して、高い携帯性をもたせることでコンピューティングの未来を切り開く(Appleの発表より)。
  • カラーバリエーションはシルバー、ゴールド、スペースグレイ、ローズゴールドの4色。
  • 価格は599ドルからで、新しく用意された256GB版は899ドルとなっている。

iPad Pro 9.7 - Smart Keyboard - 3

上のビデオで、小型iPad Proの使い勝手を多少なりとも感じてもらえるとおもう。

原文へ

(翻訳:Maeda, H