MozillaのコンテンツブロッカーFocus by FirefoxがiOS 9のSafariブラウザ向けにローンチ

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ちょっと意外な発表だ: Firefoxブラウザを作っているMozillaが今日(米国時間12/8)、Disconnectのブロックリストに基づいてiOS 9上のSafariブラウザのために悪質コンテンツをブロックするコンテンツブロッカー、Focus by Firefoxをローンチした。このコンテンツブロッカーは広告をブロックするだけでなく、広告やアクセス分析、モバイルWeb上でユーザを追跡するソーシャルメディアのトラッカーなどもブロックする。

これは、Firefoxのプライベート閲覧モードで新たにサポートされるコンテンツブロッカーと同種の、Mozillaによる追跡保護サービスだ。

コンテンツブロッカーそのものは旧聞に属するが、AppleがそれをiOS上のSafariに持ち込んだことにより、それらをめぐる議論が一層過熱している。

コンテンツブロッカーは、そのデフォルトの振る舞いですら、倫理的にアヤしい部分がある。インターネットの上の出しゃばり広告や、ネット上で追跡されたりプロファイリングされたりすることは、誰だって嫌だが、でも多くのパブリッシャーがコンテンツを無料にしてターゲティング広告で稼いでいるのは、それができるからだ。Focus by Firefoxは広告ブロッカーではないが、デスクトップで使ってみた経験からは、大量の広告をブロックすることも事実だ。

Mozillaは、今日ではあまりにも多くのユーザが“信頼を失い、自分のデジタル生活なのにそれを自分ではコントロールできない状態になっている”、と主張する。信頼の喪失はWebのエコシステムにダメージを与える。今年の初めに同団体は、コンテンツをブロックすることに関する一連の原則を公開した。それはたとえば、ソフトウェアをブロックする場合は広告をブロックするだけでなく、パフォーマンスやセキュリティやプライバシーも問題にすべきである、と言っている。しかし同時にMozillaは、ブロッカーはデフォルトではさまざまなコンテンツやパブリッシャーを差別すべきでない、とも言っている。そしてそのソフトウェア(コンテンツブロッカー)は、そのやってることに関して透明でなければならない、とも。Mozillaがその利用を決めたDisconnectのリストは、GNUの一般公開ライセンス(General Public License)により公開されている。

MozillaのFirefoxブラウザはiOS用もあるが、そちらではまだFocusのサポートはない。Appleは、サードパーティのツールがコンテンツブロッカーを使うことを、許していない。

またAndroid用にもFocusはローンチされないようだ。ただしAndroid上のFirefoxにはすでにプライベート閲覧モードがあるから、Focusとほぼ同じ保護機能を利用できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple純正のiPhone 6s用ケース登場

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Appleが自前のバッテリー内蔵iPhone 6s用のケースを投入してきた。名前をiPhone 6s Smart Battery Caseという。利用すればiPhone 6sのバッテリー寿命が最大で25時間伸びるのだそうだ。ホワイトとチャコールグレイのモデルが用意されている。価格は99ドル(日本では11800円)で、すでにAppleのサイトからオーダーできる。

素材は概ねシリコンだ。バッテリー性能については、18時間から25時間の延長効果があるとしているが、容量については明らかされていない。

本体との接続は、サードパーティーの製品と同様にLightningコネクタを利用する。ケースの充電にもLightningケーブルを用いることができるようになっている。サードパーティー製はmicroUSBを使うものが多いので、まずは持ち運ぶケーブルを1本減らすことができるわけだ。ちなみにiPhone 6でも利用可能だが、6 Plusや6s Plusのためのものは用意されていないようだ。

ところでこのバッテリー内蔵ケースは背面部分に美しいとは言えない膨らみをもつ形態になっている。デザイン的にはMophieのJuice Packの方が優れていると言えるかもしれない。もちろんAppleとしては、バッテリー持続時間を増やしながら、カメラやマイクなどにきちんとアクセスできるスタイルを考案したのだともいえる。

ちなみに、Apple純正ケースには、ケースを装着することによって電波の受信状況を悪くすることがないようにアンテナも内蔵している。

もちろん、予備バッテリー付きのiPhoneケースはサードパーティーから数多く供給されている。但しAppleは自社プロダクトのメリットを十分に活用しているようだ。サードパーティーに公開していない仕組みを通じて、自社プロダクトの魅力を高めているのだ。

具体的にはどのようなところか。

たとえば下の(左側の)スクリーンショットを見ていただきたい。ロック画面にて、ケースの充電状況を表示しているのだ。

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ケース側と内蔵バッテリー側の双方にすいてバッテリー残量を示していることに注目してほしいのだ。サードパーティーのバッテリー内蔵ケースでも、アプリケーションを使えば同様の仕組みを備えることはできる。ただ、ロックスクリーンで残量表示を行っているのはApple製品のみだ。さらに(右側の写真を見て欲しいのだが)通知画面にても、バッテリーの残量についてきちんと表示できるようになっている。

ところで、サードパーティー製のケースが数多くリリースされている中で、Appleが自社プロダクトを提示する理由はどこにあるのだろう。簡単にいえば、iPhoneオーナーからより多くの利益をあげようということなのだろう。MophieやAnkerのバッテリーを扱うよりも、より大きな利益につながる。

iPad用のSmart CoverやSmart Caseを扱うのと同じ意味だとも言えよう。iPadを使う人の多くはいずれかのケースを購入しており、Appleになかなかの利益をもたらしている。

Appleがアクセサリーに注力しているという事実もある。iPad Pro用のApple Pencilは、アクセサリーの存在でプロダクトの魅力を高めるのに成功しているといえるだろう。キーボード、タッチパッド、およびマウス、さらにはApple Watch用の充電ドックiPad Pro用キーボードなどもリリースしている。サードパーティー製品の開発を阻害しているという見解もあるだろう。しかし他社製品にはない魅力を備えている面もあり、また他社製品が利用できないような状況を作っているわけでもない。Appleのやり方を非難することはできないだろう。

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(翻訳:Maeda, H

速報:Apple、 Swiftプログラミング言語をオープンソース化

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Appleの OS XとiOSプラットフォーム向けプログラミング言語、Swiftはオープンソース化された。利用にはApache Licenseが適用される。つまり、Swift言語を利用して開発を行った場合、アプリのパッケージ・マネージャーを含むすべてのソースコードが公開され、自由に編集、コンパイルできなければならない。ただ新しいプログラムにアトリビューションを付加する必要はない。

AppleではSwift言語の今後の利用に関してさまざまなプランを用意しており、新しく作られた swift.orgで順次公開中だ(ただしこのサイトは現在ダウンしているようだ)〔日本の環境からは時間はかかるもののオープンできた〕。

言語の開発者、Chris Lattnerは、2010年からSwiftに取り組んでいた。Appleが一般公開したのは2014年のデベロッパー・カンファレンスの場だった。 Lattnerは当初の開発のヒントを「Objective-C、Rust、Haskell、Ruby、Python、C#、CLU、その他ここには挙げきれない多数の言語に負っている」と述べている。デベロッパーはSwiftを用いてデスクトップだけでなくiOSアプリも作成できる。オープンソース版は従来通り、Linuxバイナリーが含まれる。またファイルやフォルダーを指定してプログラムを走らせるためのコマンドライ・ツールも用意されている。

Swift言語は今日(米国時間12/3)から利用可能になった。誰でも、どんなプラットフォームを用いてもよい。Appleとしてはおおいに興味深いオープンソース化の動きだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

UA、6000人の空港職員にiPhone 6 Plusを配布、乗客サービスに利用させる

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Appleはユナイテッド・エアラインとの関係を深めることに首尾よく成功したようだ。UAは6000台前後のiPhone 6 Plus.を購入し、乗客に対するサービス要員に配布した。

UAは以前からAppleのフラグシップ顧客企業だった。2011年には パイロットがiPadを与えられ、昨年の終わりにはユナイテッドの客室乗務員に2万3000台のiPhone 6 Plusが配布された。地上サービス要員の6 Plusは、乗客のボーディングパス、ラゲージタグ、フライト情報などの重要データをプリント出力するのが主な目的だという。目的地やフライトの変更などを希望する場合もiPhone 6 Plusの出番となる。

UAは毎日世界の350の空港間に4000のフライトを運行しているという。ユナイテッドの空港オペレーション担当上級副社長Jon Roitmanによればこのオペレーションをスムーズにする切り札がiPhoneだったわけだ。Roitmanは「われわれはiPhone 6 Plusにカスタム・ツールをインストールし、大きな成果をあげている。優れたスマートフォンの利用拡大と多数のカスタム・アプリケーションの開発はすばらしい投資だった」と述べている。

Appleは最近、目立つほどに、企業のビジネス利用の拡大に力を入れている。エンタープライズ・ユーザーにiPhone 6 Plusのような大型のスマートフォンを売り込むだけでなく、, Appleは昨年始めて手掛けるようになファブレットや大型で強力なiPad Proのような製品の売り込みにも余念がない。またソフトウェアの面では、2014年からIBMと提携し、今回のユナイテッドのような企業ユーザー向けに、それぞれの業務に特化したカスタム・アプリを提供している。

AppleとIBMの提携1周年を機にTechCrunchのエンタープライズ担当記者のRon Millerが書いてたとおり、一見するとこれは「奇妙なカップル」にも見える組み合わせだが、実はさまざまな大企業に30種類もの人気アプリを供給する実力派だ。

ライバルの動向を見ると、一昔前なら、巨大エンタープライズのお気に入りの業務用スマートフォンといえば、BlackBerryの独壇場だったが、今やこの機種はビジネスでも個人ユースでも、見る影もない。もっともこのブランドは最近初のAndroidデバイスを出荷して忠実なファンをつなぎ留めようとしている。またGoogleのAndroid For Workプログラムは1万9000社の企業が利用ないしテストしている。Samsungもビジネス利用の普及に力を入れており、Knoxのようなツールをエンタープライズ向けに提供している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、iOS 9の採用率は70%と発表。App Storeの利用状況に基づく

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AppleがiOS 9を公開してから2ヵ月半が過ぎ、同社はその採用率データを公式ウェブサイトで発表した。Appleによると、App StoreをアクセスするiOSデバイスの70%でiOS 9が動いている。この採用率は昨年よりも高い。

現在22%のiOSデバイスでiOS 8が走り、8%がiOSまたはそれ以前のOSで動いている。合わせて92%のiOSユーザーがiOS 8またはiOS 9を使っている。これはデベロッパーにとって、例えば自社アプリでiOS 7サポートをやめるかどうかを決める重要な基準になる。特に、新しいAPIを使っているデベロッパーは、コードベースを一新することができる。

では今年の数字はこれまでと比較してどうなのか?昨年、60%のiOSユーザーが11月21日までにiOS 8をインストールした。2年前、74%のユーザーが12月初めまでにiOS 7を使っていた。

どうやら今年の数字はiOS 7の採用率とほぼ同じで、iOS 8をやや上回っているようだ。ちなみに昨年は、多くの人々がiOS 8へのアップデートを遅らせ、それはAppleが多くの空き容量を要求したためだった。今年Appleは、インストールを容易にするためにスリムなアップデートを公開した。

今使っているデバイスでiOS 8が動いていれば、iOS 9にアップデートできる。Appleは今年の主要アップグレードでは、旧機種のサポートをやめなかった。10月16日時点では、55%のiOSユーザーがiOS 9にアップデート済みだった。

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これと比較してAndroidでは、約26%のユーザーが2015年11月2日時点でLollipopまたはMarshmallowを使っている。Googleの最新モバイルOSが公開されたのは10月始めなので、Marshmallowの採用率が低いのはそれが理由だろう。

しかし、Lollipopを加えてもiOS 9の採用率には遠く及ばない。GoogleはLollipopを2014年11月に公開した。Appleの採用サイクルの速さは、エンドユーザーに新しい機能を普及する上で大きな利点だ。Androidユーザーの多くは、Androidの新バージョンを使うために新機種を買わなければならない。

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Via Apple Insider

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

「Facebookでログイン」がApple TVでも使えるようになった

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Appleの新しいApple TVで最大の欠点はiPhoneのRemoteアプリが使えないことだ。特に、初めて使う時が問題で、Netflixのパスワード、Huluのパスワード、等々をApple TVのリモコンで入力しなければならない。しかし、FacebookのtvOS用の新しいSDKは、この面倒な入力手続きを回避する良い方法のようだ。

iOSと同じように、FacebookはデベロッパーがこのSDKをアプリに統合して、「Facebookでログイン」機能を使えるようにする。しかし、tvOSにはさらに一ひねりが加えられている。最初にFacebookのパスワードを聞く手順をスキップできる。

上の画像のように、ログイン画面には、スマートフォンでfacebook.com/deviceへ行くように書かれている。スマホでログインしたら、8桁の確認コードを入力するだけでFacebookアカウントとApple TVを結び付けられる。Facebookにログインしていなければ、まずそれが必要だが、スマホでやる方がずっと簡単だ。

この手法を使っているのはFacebookだけではない。Apple TVでYouTubeアプリをダウンロードすると、同じ方法でGoogleアカウントを結合できる。Android TVが動作しているデバイスでも同じしくみを使っている。

Facebook SDKには、アプリデベロッパーが分析に利用できる機能もある。iOS用SDKと同じようにイベントのログが記録される。

Facebookのシェアボタンをアプリに組み込んで、リンクや写真、ビデオ等をシェアすることもできる。ゲームデベロッパーにとっては、利用者拡大に有用な機能かもしれない。そしてもちろん、Facebookを使ってログインすれば、デベロッパーはFacebookのソーシャルグラフを使って、マルチプレーヤーゲームで友達を探すこともできる。

しかし、ソーシャルグラフにもっと強く依存しているアプリもある、例えばTinder。いま米国では感謝祭であることを考えれば、テレビでTinderを使える可能性をもたらしてくれたFacebookに、みんなで感謝すべきかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、スター・ウォーズで使われた表情キャプチャーソフトのスタートアップ、Faceshiftを買収

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VR(仮想現実)テクノロジーの市場が拡張を続ける中、Appleがこの分野で興味深い動きを見せた。TechCrunchはスイスのチューリッヒを本拠とするモーション・キャプチャーのソフトウェア企業、FaceshiftをAppleが買収したことを確認した。Faceshiftは人間の表情をビデオカメラでキャプチャーし、アニメーションで動作するアバターの顔にリアルタイムで移し替えることを専門とするスタートアップだ。

実は今年初めにもAppleがFaceshiftを買収しようとしているという情報が流れたが、当時はしっかりした証拠を得ることはできなかった。もちろんその間Appleは沈黙していた。

しかしわれわれはその後も調査を続け、信頼できる情報源や決定的なリンクを発見し、この買収が事実であるという確信を得た。結局、今日(米国時間11/25)、Appleは簡単な声明を発表してFaceshiftを買収した事実を認めた。

Faceshiftチームの一部のエンジニアは現在はヨーロッパを離れて、クパチーノApple本社で働いているようだ。

AppleがFaceshiftの表情テクノロジーを具体的にどのように利用するかわれわれはまだつかんでいないが、利用できる局面は多数考えられる。Faceshiftは数多くのデモを公開している。

たとえばゲームでは、プレイヤーが実際に体験する内容によってアバターの表情が変わることは普通だ。Faceshiftテクノロジーを利用すればプレイヤーの表情の反映がリアルタイム化し、もっと精巧にになるだろう。映画製作の過程では登場する俳優の表情をFaceshiftでキャプチャーしキャラクターのアニメーションの高度化に活かせることはもちろんだ。これまでFaceshiftはスタートアップであったために応用分野にも限りがあったが、Appleの一部となればエンタープライズ向けテクノロジーの開発も含めて可能性は大きく拡大する。たとえば高度なセキュリティーをクリアする身元確認のための顔認識などが可能になるかもしれない。

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現在のテクノロジーでは、ゲームや映画製作における表情アニメーションの導入はコストの高い困難なプロセスになっている。Faceshiiftはこの分野に大変革を呼び起こす可能性がある。同社は「Faceshiftは表情アニメーションに革命を起こしており、どんなデスクトップからでも実行可能になる」と公式ブログで述べている。

Faceshiftテクノロジーは後期のスター・ウォーズ・シリーズの人間とはかけ離れたデザインのキャラクターの表情をアニメーションするために用いられた(上の画像とこの動画の0:41あたり)。

Appleはすでに表情のモーション・キャプチャー、キャラクターの表情処理とこれらの拡張現実への応用に関して広汎な特許を取得している。これはPrimeSensePolar RoseMetaioというヨーロッパの3つのスタートアップの買収によるところが大きい。Faceshiftはこの方面のAppleのテクノロジーを大きく強化しそうだ。

Faceshiftはもともとチューリッヒでローザンヌ工科大学(École Polytechnique Fédérale de Lausanne)の Computer GraphicsとGeometry Laboratoryと提携して研究していた若いエンジニア、Thibaut Weise、Brian
Amberg、Sofien Bouazizがスピンオフして創立したものだ。Faceshiftの表情アニメーションに関する基本特許のうち2つ(これこれ)を大学が所有していたが、今年の8月に権利がFaceshiftに移された。この直後、Faceshiftは知的財産の管理をAppleと関係が深いことで知られている会社に移管している。

Faceshiftは最近オフィスをアメリカ西海岸などに設けた。映画製作とゲームに経験の深いDoug Griffin(現在はFaceshiftを離れている)がロンドンからこの部門の初代の責任者を務めた。現在ロンドン支社の責任者は特殊効果の専門家で多数の有名映画にかかわらったNico Scapelが就任している。 .

Faceshiftの初期のサイトの様子はこちらで見られる( Wayback Machine)。

YouTubeにも何本かFaceshiftのデモビデオがアップされている。IntelがRealSense 3Dカメラをプロモーションするために制作したビデオに Faceshift SDKも登場する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleのホリデー向け広告にアンドラ・デイとスティーヴィー・ワンダーが登場、VoiceOverも

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「Someday at Christmas」 (*)と題されたAppleのホリデー向けビデオ広告が、米国の感謝祭とホリデーシーズンを前に公開された。驚いたことに、そこにAppleの最新最高の製品は登場しない。代わりに、音楽と家族の時間に焦点が当てられている。そして、新人アーティストのアンドラ・デイとスティーヴィー・ワンダーも出演してする。[* スティーヴィー・ワンダーの曲で、日本語タイトルは『想い出のクリスマス』]

2人のアーティストがピアノを囲んで歌い、子供たちがプレゼントを開き、休日に家族が集まる様々な場面が写し出される。唯一見ることのできるApple製品は、始まり直後のMacBookとApple Watchだけだ。AppleロゴはCMの最後に一瞬表示されるだけで、焦点がAppleのブランドでないことを表している。

ビデオの最初で、MacのGarage Bandを使うスティーヴィー・ワンダーが、VoiceOverを使っているのが興味深い。画面に何があるか、何ができるかを読み上げてくれる機能だ。Appleがアクセシビリティーに注ぐ努力は際立っていて、多くのテクノロジー企業はこの点で遅れをとっている。WWDCのワークショップで特に興味を引いたのが、VoiceOverのプレゼンテーションだった。

アクセシビリティーツールがいかに重要であるかは、毎日それに頼っていないとつい忘れがちだ。そして今日のCMに出てきたVoiceOverの短いデモはいい感じだった。。Appleの仕事がデバイスをもっと多く売ることだけではないことを示している。ResearchKitもその一例だ。

こちらがそのビデオ:

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、アプリが動かなくなるMac App Store問題を認め詳細を説明

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Appleは今日(米国時間11/18)、先週Mac App Storeで起きたMacの一部デスクトップアプリが動作しなくなる問題について公式見解を発表した。問題のアプリを実行しようとしてエラーメッセージを受けたユーザーは、コンピューターを再起動し、Mac App Storeから再認証を受けなければならなかった。本誌が既に報じた通り、問題は当初疑われたセキュリティー認証の失効によるものだけではなく、新しい認証方式への移行に際して、そこに実装されている強力な暗号方式に一部のデベロッパーが対応していなかったためだった。

Appleは予想された通り、Mac App Storeデベロッパーに向けて謝罪と詳細説明のメールを送った。

メール中Appleは、古い認証の失効を予測して9月に新たな認証を発行したと言った。古い認証はSHA-1というハッシュアルゴリズムを使用していたが、新しい認証はSHA-2にアップグレードされていた。OpenSSLは2005年にSHA-2への対応を始めたため、Appleはこの移行が問題になるとは考えていなかった。

メール文には、Appleがデベロッパーを微妙に辱める「一部のアプリは〈非常に〉古いバージョンのOpenSSLを使用したレシート認証コードを動かしていた」(強調は本誌)という表現まであり、続けてこの問題のため木曜日(米国時間11/12)にSHA-1に戻さなくてはならなかったとことを指摘している。

またメールには、キャッシュ問題のために、新しい認証が有効になった際、Mac App Storeのエンドユーザーは再起動とストアでの再認証によって、システム上の失効した情報を削除する必要があることも伝えている。実際のこれは別の問題だ ― Mac App Storeのアプリが停止した直後には明らかにされていなかった。現在Appleは、このキャッシュ問題にはMac OS Xのアップデートを通じて対応すると言っている。

さらにAppleは、AppleCareチームがこの問題に対する最新のトラブル対策情報を入手していることを伝え、デベロッパーには、レビューを迅速に進めるために、レシート認証プログラミングガイドへの準拠を確認してからアプリを再申請するよう依頼した。

2つの問題は、単一組織が管理する集中型アプリケーション配布方式の弱点を浮き彫りにした。Apple側の問題や変更が、エンドユーザーのコンピューターにインストール済みのアプリに影響を与える単一障害点となってしまった。大局的には旧認証方式に戻すことで比較的早く復旧した小さな問題ではあるが、同時に、AppleがMacアプリのデベロッパーコミュニティーに公の場で話す方法、例えば公式Twitterアカウントを持っていない、という事実を表面化させる結果となった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

グローバルな出張の多いビジネスマン/ウーマンよ喜べ、日本でもApple SIMが使えるようになった

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iPadのユーザが加入キャリアを変えるためのSIMカードApple SIMが、KDDIとのパートナーにより日本でもローンチした。AppleのWebサイトによると日本語〕、このカードは日本ではKDDIのモバイルネットワークauをサポートする(出典: AppleInsider)。

適用機種はiPadのWi-Fi + Cellularモデル、Apple SIMは主に旅行者の便宜のために提供されている(今のところ世界90か国のセルラーデータプランをサポート)。多くの国がGigSkyとのパートナーシップによるもので、この企業は多くの国のデータプランを提供している。AppleがApple SIMで同社とパートナーしたのは今年の6月だ。それまではApple SIMは、AT&TやEE、Sprint、T Mobileとのパートナーシップにより、合衆国とイギリスでのみ利用できた。

Apple SIMのWebページによると、アジア太平洋地区の対応国、インド、バングラデシュ、カンボジア、日本の中で、東アジア地区は日本だけだ。最近は地球上のほとんどの国が旅行者にとって重要だが、Apple SIMの可利用性はそれらの国のキャリアとAppleとのパートナーシップの如何にかかっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Appleのティム・クック、「iPadとMacのミックス製品など誰も欲しがらない」とOS統合をはっきり否定

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AppleのCEO、ティム・クックは Irish Independent紙のインタビューに答えて、Appleの人気商品、iPadとMacbookという両ハードウェアをハイブリッド化するつもりがないことを明言した。クパチーノではSurfaceシリーズのようなタブレットとノートを混合した製品を開発するつもりがないということだ。クックは「二つのデバイスのユーザー体験を混合することは双方の体験を損なう」と述べてライバルのMicrosoftのアプローチを批判した。

Microftはご承知のとおり、最近Surface Bookを発表している。これはまさにノート・パソコンとタブレットのハイブリッドで、iPadをエンタープライズ・デバイスの王座の地位から蹴落とすのが目的だ。一方、Appleは消費者人口も勘案して大型のiPad Proに賭けている。

クックはIndependent紙に対して次のように激しくミックス製品を否定した。「消費者はMacと iPadのミックスなど欲しがらないと確信している。双方ともに消費者が望み得る最高の体験を提供しているので、両者を混合することはユーザー体験を損なうばかりだろう。われわれは世界でベストのタブレットと世界でベストのMacを提供していく。両者を混合することは悪しき妥協にすぎない」

Tim Cook

この発言は今月初めにiPad Proの発表を受けてそのPRのためにThe Telegraph紙に対して述べた内容に沿うものだ。前回、クックは、タブレットの強力化の進展にともなって、パソコンの役割は低下していくだろうという見通しを主張していた。

しかし今回のインタビューでクックは明らかにMacではなくWindowsパソコンについて述べている。「われわれはMacとパソコンを同じカテゴリーの製品とは考えていない。われわれのMacとiPadのチップセットは最近、類似点が増えてきたが、両者のデザイン思想とユースケースは全く異なる」とクックは語った。

「われわれはiOSとMacをユーザーがどのように使っているか正確に認識しなければならない。それによってAppleは両者があらゆる場面でシームレスに協調して作動するためにどんな機能を付け加えるべきか知ることができる。われわれのHandoffのような連携機能によって、ユーザーはある時点で作業を中断し、必要に応じて別のデバイスを開いて作業を続行することが今までになく簡単になった」とクックは付け加えた。

しかしTechCrunchのMicrosoft当番、Alex Wilhel記者はこうした主張に完全に納得していない。先日のSurfaceのレビュー記事でWilhelm記者は「Surface Pro 4はWindows 10を得て最良のタブレットになった」と書いている。

一方でTCのAppleウォッチャーでもあるMatthew Panzerino編集長は iPad Proのレビュー記事で、コンピューティングは単なるデバイスの優劣によるソリューションを超えた「微妙なグレーのニュアンス」を判別しなければならい領域へ進みつつあると書いている。Panzarinoは「『パソコンは死んだ』というような断言はもっと大胆な人々にまかせておく。しかし一部の、しかしコンピューティングの一つの標準を作るに足る数の人々にとって、iPad Proはいつも使っているスマートフォンの弱点を完全に補うデバイス、つまりこれこそ真のコンピューターに映るだろう」と予想している。

ハイブリッド・デバイスというコンセプト自体は決して新しいものではない。Androidデバイスにはスマートフォンとタブレットの中間ないし設定しだいでパソコンとタブレットの両方に使える製品が何年も前から市場に出ている。 しかしMicrosoftのアプローチが注目されるのは、全デバイスで OSを統一的に作動させようと努力を続け、Windows 10でついに成功したことだ。これはAppleがデータとアプリの互換性は保証されるものの、タブレットとコンピューターを峻別してきた方針と大きく異る。

言うまでもなく、コンピューティングのハードウェアを2種類にはっきり区分しておくことは、本質的にハードウェア・メーカーであるAppleの基本戦略に合致するものだ。逆にOSを統一化し、作動するハードウェアの統一化を図るのは、クパチーノへの有効な直接的攻撃になるとして、長年のライバルであるMicrosoftの基本戦略の重要な柱となっているのだろう。

しかしメーカーがOSを統一するということは必ずしも全ユーザーがそれを好むことを意味しない。「ソフトウェアが世界を飲み込む」というのは長い目で見たトレンドとして正しいかもしれないが、それがAppleのビジネスにどのような影響を与えるかはまだ不明だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple Storeの店員が黒人学生の入店を拒否した件でCEOのTim Cookが全社員にメール: “Appleの存立基盤は顧客への尊敬である”

今週の初めにオーストラリア、メルボルンのHighpoint Shopping CentreにあるApple Storeの店員たちが、黒人の学生たちに、店を出るよう求めた。それは、彼らが“何かを盗むかもしれない”と心配したからだ。その後Appleは、学生たちに謝罪し、AppleのCEO Tim Cookが最近全社員にメールを送った。BuzzFeedが入手したそのメール(下に全文掲載)の中でCookは、そこで起きたことは“許容できない事件だ”と言っている。

[ツイート訳: Apple Storeの男たちはソマリ族とスーダン人の学生たちの入店を拒否した。彼らを、人種差別した。]

Cookはこう書いている: “Web上のそのビデオの視聴により人びとの目と耳に入ったものは、わが社の価値を表していない。それは私たちが顧客に伝えたい、あるいは私たち自身が耳にしたい、と一度でも思ったことのあるメッセージではない。わが社の社員はただちに彼の悔恨を表明し、その学生たちに謝罪した”

メールの終わりの方にはこうある: “これが一度かぎりの事件であり、ストア全般の症状ではないことを堅く信ずるが、この時を、学習と成長のための機会として生かしたい”

Cookはそれに続けて、統合*と顧客関係にかかわる社員教育を刷新し強化する、と述べている。〔*: inclusion, 差別をせずに受け入れること。〕

以下が、メールの全文だ:
(Appleはコメントを断ったが、本誌TechCrunchはこのメールが本物であることを確認した。)
〔以下、英文ママ〕

Subject: Apple is open

Team,

I’m sure you are all aware of the unacceptable incident which took place at our store at the Highpoint shopping center in Melbourne, Australia, on Tuesday. Several young men, who are students at a nearby school, had been asked by a security guard to leave the store. In an attempt to address the situation, one of our store employees gave an answer which shocked many of us。

What people have seen and heard from watching the video on the web does not represent our values. It is not a message we would ever want to deliver to a customer or hear ourselves. Our employee immediately expressed his regret and apologized to the students。

None of us are happy with the way this was handled. But we can all be proud of Kate, one of the senior managers at the Highpoint store。

On Wednesday, she greeted the same group of students to express a heartfelt apology on behalf of our store and our company. She reassured these young men that they and their fellow classmates would always be welcome at our store. The school’s principal later told a reporter that she delivered her message “with good grace,” and one of the students said, “It feels like we have justice now.”

Her words that day echoed a message you’ve heard many times from me and from Angela. It’s a simple pledge we all make to our customers and to ourselves:

Apple is open。

Our stores and our hearts are open to people from all walks of life, regardless of race or religion, gender or sexual orientation, age, disability, income, language or point of view. All across our company, being inclusive and embracing our differences makes our products better and our stores stronger。

The Apple Store Highpoint is staffed by people who share these values and illustrate our commitment to diversity. The team is made up of coworkers from Australia, as well as Egypt, Italy, India and five other nations. Collectively they speak 15 languages, including Urdu, Portuguese, Arabic and Mandarin。

While I firmly believe that this was an isolated incident rather than a symptom of a broader problem in our stores, we will use this moment as an opportunity to learn and grow. Our store leadership teams around the world, starting in Australia, will be refreshing their training on inclusion and customer engagement. These are concepts and practices they know well, but can always stand to reinforce。

Respect for our customers is the foundation of everything we do at Apple. It’s the reason we put so much care into the design of our products. It’s the reason we make our stores beautiful and inviting, and extend their reach to benefit the communities around them. It’s the reason we commit ourselves to enriching people’s lives。

Thank you all for your dedication to Apple, to our values, and to the customers we are so very fortunate to serve。

Tim

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

やられた: Apple曰く、画面輝度アプリf.luxはデベロッパ合意に違反している

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画面の輝度を変える人気iOSアプリf.luxが、Apple App Storeを通さない非正規バージョンをリリースしてからちょうど24時間後に、Appleはそのデベロッパに対して、彼らが同社のデベロッパ規約合意に違反している、と通告した。

f.luxが使っているAPIはApp Storeでは許されていない非公開APIなので、デベロッパはユーザにアプリのソースコードをダウンロードさせ、Apple IDの持ち主なら誰でもXcodeから自分のiOSデバイスにアプリをロードできることを、利用しようとした。

今デベロッパたちは、そのソフトウェアのダウンロードリンクを取り下げ、その迂回方法が適法でないとの連絡をAppleからもらった、と述べている:

Applegがわれわれにコンタクトしてきて、このページから提供していたf.lux for iOSのダウンロードは同社のデベロッパ規約合意に違反していると言ったため、このインストール方法は今後提供されない。

Xcodeの新しい契約ではそのような利用ができる、とわれわれは理解していたが、しかしAppleは、これが継続しないことを示した。 – f.lux

たぶんAppleとしては、Xcode 7からのアプリの非正規ロードはこれからもよろしいけど、問題のアプリが非公開APIを使っていることに異議を唱えたのだ。

f.luxのデベロッパたちによると、ダウンロードリンクのあるサイトは掲載後24時間でビジター数が20万を超え、f.luxのデスクトップバージョンは1500万回以上ダウンロードされた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、ピアツーピア支払いに参入か

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本稿の執筆はKatie Roof

Appleがモバイル支払いサービスを立ち上げるべく銀行と協議していると、Wall Street Jounalの記事が伝えた。そのサービスは、PayPalのピアツーピアモバイル支払いサービス、Venmoと競合するようだ。

早ければ2016年に開始されるというそのプラットフォームは、銀行口座をApple端末と結びつける。ユーザーは、当座預金口座から他人の口座へ直ちに送金できる。

記事によると、J.P. Morgan、Capital One、U.S. Bancorp、およびWells FargoがAppleと協議しsた。交渉がどの段階にあるかは不明だが、「開始は差し迫っていない」という。

新サービスは、iPhoneとApple Watchedで提供されているモバイル支払いサービス、Apple Payと協調する可能性が高い。昨年スタートしたApple Payは、Visa、MasterCard、American Expressを始めとする主要クレジットカード会社と提携している。

Venmoの広報担当者はTechCrunchに、「PayPalは噂や臆測についてコメントしないが、友達や家族に現金を送る手続の煩わしさに、人々の注意を向けさせる動きは何であれ歓迎する。われわれはPayPalとVenmoを含め複数のサービスでそれを簡単にしてきた。当社のサービスは複数のデバイスやオペレーティングシステム、およびオンラインのいずれでも利用できる」と話した。

モバイル支払い分野の競争は激化しており、SquareはIPOを間近に控えている。Squareには、Square Cashというピアツーピアサービスがあり、Venmoと類似の機能を持つ。Googleとfacebookも、最近この分野の参入した。

PayPal株はこのニュースを受け2%値を下げた。

Appleはコメントを拒んだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleがAndroid版Musicを開発した理由―編集長がエディー・キュー上級副社長にロング・インタビュー

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今日(米国時間11/10)、 Apple MusicがAndroidにやって来た。これはplleにとって最初のAndroidアプリではないものの、最初のユーザー体験を中心としたAndroidアプリであることは間違いない。

アプリをダウンロードできるようになったからには、デベロッパーはAppleがどうやってiOS向けに開発されたMusicアプリをAndroidに移植したのか詳細に研究するに違いない。OSのほぼ全機能を利用する音楽アプリが別のOSでどのような姿を取るのかが分かるし、それによってAppleがモバイル時代におけるアプリの将来像をどのように捉えているか判明するからだ。

私はアプリの公開に先立ち、Appleのインターネット・ソフトウェアとサービス担当の上級副社長、 Eddy Cueにインタビューし、まさにこの点を聞いたので以下に報告したい。

「われわれはApple Musicに対するこれまでのユーザーの反応にたいへん喜んでいる。ユーザーは人間の専門家による楽曲のキュレーション、ディスカバリー、ラジオなどの特色を気に入ってくれたと思う」とCueは述べた。続いて、CueはAppleがこうした方針を採用した理由の説明に移った。

われわれが音楽の分野に手をつけたのは大昔だ。しかしその当初からAppleは万人のための音楽を目指してきた。ユーザーがどこにいようと、どんなデバイスを使っていようと、持っている音楽すべてを楽しめる仕組みにしたのはそのひとつの現れだ。

AppleがMusicのAndroid版を作ったのも同じ理由だ。Android版はiOSが公開されている世界の地域すべてで公開される。例外は中国だが、これも近々ベータ版が公開されるはずだ。Apple MusicのAndroid版はiOS版にきわめてよく似ている。3ヵ月の無料トライアルも同じだ。価格も世界中で同じ。Android 4.3以降で作動し、これにはFor You、New、 Radio、Beats 1、Connect、Musicが含まれる。

Apple Music on Android Image

つまりユーザーが別のデバイスにApple Musicをインストールしており、ライブラリーをすべてクラウド上に持っているなら、そのすべてがAndroidアプリからもアクセスができる。もしすべての楽曲をクラウドにアップロードしていないとしても、Androidアプリをインストールしたときに使ったのと同じApple IDで過去に楽曲を購入しているなら、Appleはユーザーが購入した曲をすべて楽しめるようにする。

Android版Apple Musicはまだベータ版だ。という意味はいくつか重要な機能が欠けている。音楽ビデオの再生はまだできない。ファミリー・プランの契約ができない。ただしユーザーがすでに他でファミリー・プランに加入ずみなら、承認されたIDでアクセスできる。

Android版を開発する際、われわれはできるかぎAndroid OS本来の機能を尊重した。

これはAndroidのネーティブ・アプリだ。ルック&フィールも完全にAndroidのものだ。メニューもAndroidだし、横棒3本のいわゆるハンバーガー・アイコンがトップに表示されるところも同じだ。どこもAndroidらしくないところはない。

続けCueはAppleが膨大な労力を費やしてAndroidのネーティブ・アプリを開発した背景を説明した。

われわれはユーザーに自然なアプリだと感じてもらいたかったからだ。Androidデバイスのオーナーが他のAndroidアプリを使う場合と同じく自然にApple Musicを使ってもらうのが理想だ。Androidアプリには一定の文法があり、ユーザーはそれに慣れて、自然に感じている。共有アイコンのデザインのような単純なものからメニューのツリー構造まで〔iOS版とは異なるが〕、Androidユーザーはそれに慣れている。われわれはユーザーが〔OSによるデザインの差などに〕煩わされることなく、じっくりApple Musicの機能を利用してもろいたいと考えた。

音楽は普遍的だ。さらに重要なことだが、音楽には国境がない。Apple Musicはなんとしても世界で出来る限り多くのユーザーにアクセス可能でなければならなかった。Androidの普及率は、特に途上国では依然としてiOSを大きく引き離している。.

Kantar Worldpanelの調査パネルによれば、 Androidは中国で77%、日本で60%前後のシェアを保っている。ドイツでは79%、スペインではなんと90%だ。それぞれの地域で
iOSは2位につけているものの依然、差は大きい。現在Androidが支配的な地域にAndroidアプリとしてApple Musicのカタログを持ち込むことは来るべき世界的なストリーミング戦争で確固たる橋頭堡を建設するために欠かせないとAppleは判断したということになる。

さらに大きな理由もある。機種乗り換え問題だ。最近の決算発表の電話会見で、Appleの CEO、Tim Cookは said that iPhoneに新規購入者の30%はAndroidからの乗り換えだと発表した。これは実数として膨大な数だ。こうした機種乗り換え組の新規ユーザーのためにも、Apple MusicのAndroidアプリでAppleのサービスに馴染んでもらうのは重要だ。

最初のAndroidアプリはベータ版であり、Chromecast AudioやAndroid Wearとの互換性については発表されていない。アプリはスマートフォンに最適化されているはずだが、Android 4.3が動作するタブレットの多くでも正常に作動するはずだ。

小さいが、興味ある矛盾は、Androidアプリを通じてApple Musicのサブスクリプション料金を支払うことになる点だろう。 Googleは原則どおり、料金の30%を手数料として徴収する。これも一種のフェアプレイには違いない。

「これはAppleとして最初の〔他のOS環境での〕ユーザー中心のアプリだ。われわれはユーザーのフィードバックに特に期待している。われわれはAndrodアプリらしいAndroidアプリに仕上げるために大いに努力した。この点についてユーザーの感想が聞きたい」とCueは最後に強調した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple、iPad Pro最初のCMは、画面分割とPencilに焦点

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AppleはiPad Proのマーケティングを、今夜のマンデーナイトフットボール放送中のCMでキックオフした。このスポットCMには、9月のiPad Proイベントで見たものと似た宇宙のテーマが使われていて、2つの目玉機能に焦点を当てている。2つのiPadアプリを並べて実行できる機能、およびPencilスタイラスだ。

今後iPad Proの別の部分を見せる広告も出てくるに違いないが、まずクリエイティブな使い方に焦点を当てたことは、Appleがこのデバイスをどう売ろうとしているかを明確に示している。これらのCMは、少人数のグループがPixar等の会社でテストしているところや、様々なトレードショウの場面等、これまでのAppleの新製品紹介とはやや異なっている。発表から発売までの期間がこれを可能にしたのはもちろんだが、Appleが発売前にiPad Proを、全力でクリエイティブ層に広めようとした意図が感じられる。

Adobeチャンネルで今日公開されたビデオでは、アーティストがiPad ProでCreative Cloudアプリを使った印象を話し、同じようなパターンが使われている。

キーボードや企業アプリ(スプレッドシートと写真アプリを並べて)を中心としたCMが今後でてくるであろうことは否定しないが、この第一弾はクリエイター一色だ。iPadの歴史的戦いが消費者プラットフォーム以外の何物でもなかったことを思うと、印象深い。

iPad Proは「大きなiPad」だが、独自のカテゴリーを形成しようとしている。今週水曜日(米国時間)から予約が始まる新発売の行方に注目だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、12.9インチの大型iPad Proを水曜日から世界のオンラインショップで発売

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もっと大きいiPadを探していたユーザーに朗報だ。Appleは12.9インチのiPad Proを11月11日(水)から40ヵ国のオンラインショップ発売する。発売はオンラインが先で、実店舗への入荷は今週末になるとみられる。スマート・スタイラスのApple Pencilとスマート・キーボードも水曜日に注文可能だ。

入門モデルはメモリ32GBで799ドル、128GBメモリーに携帯網接続機能がついたモデルは1079ドルとなる〔日本サイトでは11/10朝現在、ページは用意されているもの価格は表示されておらず、予約ボタンもまだライブになっていない。〕

iPad Proが新しいのはディスプレイのサイズだけではない。このモンスターには美しい12.9インチ画面が搭載され、HD映画を見るのにも高度なアートワークにも十分なスペースを提供する。また2つのアプリをワンタッチで切替られるフルスクリーン・マルチタスクが可能だ。マルチタッチ・スクリーンはAppleの誇る次世代チップ、A9Xで駆動され、これは以前のA8に比べて1.8倍速いという。iPad Proのバッテリーは10時間の作動に十分な容量があり、8MPのiSightカメラ、Touch ID、4基のスピーカーを備える。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple TV、店頭でも発売開始

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新しいApple TVは、一新されたリモコンと独自のエコシステムとともに、今日(米国時間10/30)から店頭に並ぶ。

149ドルのセットトップボックスは、地元のAppleストアで求められるほか、9to5macによると、Best BuyとTargetでも扱っている。気の早い人たちはすでに予約しているから、先週ネットで手に入れているだろう。

新しいApple TVは、従来世代の機種がNetflix、HBO、HuluなどのアプリやiTunesライブラリをアクセスするだけだったのとは異なる。新バージョンは、サードパーティデベロッパーが作る専用アプリによって、テレビの中に無限のコンピューティングの可能性を提供する。

その一環として、Appleはリモコンも一新し、各種のセンサーを内蔵することによって多くの機能を可能にした。例えば、新リモコンにはタッチパッドが付いて前後へのスキップができるようになり、加速度計とジャイロスコープを使えば、ゲームのモーションコントローラーにもなる。

もしそれでもまだ不足なら、Apple TVは総合的検索、ボイスコントロール、さらにはSiriも統合された。

価格は、32GBモデルが149ドル[1万8400円]、64BGモデルが199ドル[2万4800円]。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

珍しいことにAppleがiPhoneとApple Watchの抱き合わせ販売でディスカウント(一部のストアのみ)

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Appleはときどき学生割引やクリスマス商戦の特売はやるけど、一般的に安売りはしない企業だ。

だから、珍しい。今Appleは実験的に、iPhone 6sや6s PlusとApple Watchの抱き合わせ販売で、50ドルの値引きをやっている。

これはMacRumorsの特ダネだが、要点はこうだ:

  • これをやっているストアはカリフォルニア州の一部(Burlingame, Chestnut Street, Corte Madera, Hillsdale, SF, Stonestown)とマサチューセッツ州の一部(Boylston Street, Burlington, Cambridge Side, Chestnut Hill)のみ。オンライン(ネット販売)はなし。気になる人は、お近くのApple Storeに電話してみよう。
  • 値引きが適用されるのはiPhoneとApple Watchを同時に買う場合のみ。ただしiPhoneを買ったばかりの人(14日以内)は、返品してまた買う、という手はある。
  • ハイエンドのApple Watch(EditionとHermès)は対象外。

売出期間は10月30日から11月15日まで。

なぜこれをするのか? たぶん新規顧客を取り込むための誘い水だろう。

スマートフォンを売るだけでも、売上利益とその後のアプリやiCloudの売上などを期待できるが、こんな特売企画でウォッチも同時に買ってもらえたら、単なるお金の利益だけでなく、おそらく終生のAppleファンというでっかいメリットが得られる…という皮算用。

Apple Watchを使い慣れたら、その状態のままで今後、携帯だけをAndroidスマホに乗り換えることは、ちょっと想像しづらい。Android Wear+Androidスマホのセットに乗り換える動機は見当たらないから、終生のAppleファンにならざるをえない。しかもApple Watchを着けた腕は誰の目にもよく見えるから、歩く広告塔だ。

それが50ドルなら、安いね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Apple、2015年Q4は売上515億ドル、EPS 1.96ドルで予測を上回る

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【日本語版:原文は決算発表のライブブログ。以下は要点の抜粋。ライブブログの全編はこちら

Appleの会計2015年第4四期決算

・売上515億ドル、1株当たり利益1.96ドルでいずれも予測越え
・iPhone販売4805万台、iPad 990万台、Mac 570万台
・経常キャッシュフロー、1350億ドル
・利益率39.9%、前年同期の38%から上昇。
・保有現金2050億ドル以上
・会計2015年度通年で、売上2340億ドル、対前年28%アップ。Tim Cookいわく「Appleの過去最高年」
・来たるホリデーシーズン四半期の予測は売上755~775億ドル、利益率39~40%
・2000億ドル資金還元プログラムの一環として、株式買い戻しおよび配当で170億ドルを支出。
・App Storeのダウンロード数、1000億回以上
・Apple Watchの数字は未発表、Cook:「この有望な新しいビジネスで、今われわれは非常に早いイニングにいる」。
・Apple Watch対応アプリは1万3000本
・この一年間の企業買収は15件
・Apple TVについての数字はなし、Cook:「TVの未来はアプリにあり」
・iPad Proの名前は出したが数字は語らず
・iOSデバイスの61%で、iOS 9が公開数週間後に動作
・4000万人がApple Newsを利用中、パートナー70社
・IBMでMacを採用し、サポートが減ったために1台当たり270ドルの節約

売上推移

1株当たり利益推移

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook