Appleは「元型」を売る方法を見極めつつある


iPhone 5が発売された頃から、私はAppleを「アーキタイプ」[元型]製造元だと考えるようになった。本質的でない装飾を取り去ることによって、彼らは自社製品を純粋なエッセンスにまで煮詰めた。

彼らは、テクノロジーを改善するための金と人月を、目に見えるより見えない方法に費やす意識的決断を下した。しかし、この決断は両刃の剣だ。私は当時これを書き、今でも真実だと思っている。

…物事がアーキタイプになった時、それは不協和音や破壊を生きがいにする人々にとって本質的につまらなくなる。iPhone 5が発表された時、IT記事で不評だった理由はそこにある。それは正確さと制約の行動であり、われわれの見果てぬ創造性のための遊びではない。

iPadは、iPad Airで似たような変革を遂げた。そのことが市場に出す際に興味深い問題を引き起こす。

何かがその最も純粋な形にまで洗練された時 ― 自分たちにそれを改善する能力があることを、どう人々に納得させられるだろうか? iPad Air 2は、様々な基準で初代から改善され、画面のラミネーション等、見るべきところを知っていればすぐにわかる部分もある。

そして、今日から放映される最新CM ‘Change’ でAppleは、iPadと他製品との決定的な違いであり続ける部分を真正面から強調した:人々が使う有能なアプリだ。iPadは、デベロッパー ― 主として自分の使っているもののために作る人々であり、iOSを使っている ― の間で驚くべきマインドシェアを占め続けているため、Appleは作りではなく出来映えを見せることができる。広告でスペックを誇張することはできるが、結果は意図せぬ笑いを呼び、本当に人々がデバイスについて考えることとはかけ離れてしまう。

“Change” CMの要点をいくつか挙げる:

  • 極めて新しいビジュアルスタイルを取っており、これは新しいiPadの広告に関して、代理店の提案モデルではなく、より協働的アプローチを取っているからかもしれない。
  • iPadは、人々が自分なりの利用場面を書き込める白紙として焦点を当てられている。からっぽのデバイスがそれを使う人々によって満たされていくのは、アーキタイプとして正しい。Appleはデバイスを消えさせることも厭わない。
  • Appleの主要な長所であるアプリと利用率の高さに焦点を当てているのは、うまいやり方だ。世界のタブレット市場シェアは、OSではAndroidが支配しているが、純粋な金銭的価値と利用時間は、未だにiOSから生まれている。iPadの販売は前年から減少しているので、今年のホリデーシーズンはAppleにとって興味深く、このCMは良い足がかりだ。
  • CMは、iPadを崇拝の対象ではなくツールとして位置付ける仕事もきちんとこなしている。以前のCMには、20世紀半ばの2~3人の子供たちがいるモダンなリビングルームでiPadを愛でる場面がよく登場した。Appleが前のiPad Airキャンペーンを延長した時、私は人々がもっと「普通」のことをしていてもワクワクさせられると指摘した。今回は、それが実によく実行されていると感じた。

新CMはAppleのウェブサイトで見られる(YouTubeでも公開されたので上に埋め込んである)。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Appleが世界中のStoreで今年の‘Hour of Code’イベントのための学習会を開催

Appleは、今年のHour of Codeに参加する。世界中の若者と児童生徒たちにプログラミング教育への関心を喚起し、教育へのアクセスの機会を提供するこのイベントも、今年で第二回になる。Appleの参加は同社の小売部門Apple Storeで開催する1時間の無料ワークショップの形で行われる。各店では来場者に、基礎的なコンピュータ科学の入門編を提供する。

Houe of Codeを主催している非営利団体Code.org*は、今年もさまざまな企業の協力を得ながら、イベントを展開している。資金はMicrosoftなどから獲得し、年内に世界中で1億人の子どもたちが参加することを、目標にしている。〔*: Code.org過去記事(日本語)。〕

Appleのワークショップは12月11日に、合衆国とそれ以外の国のストアで行われる。昨年は合衆国のストアだけだった。またAppleは一週間にわたるComputer Science Education Weekを賛助して、さまざまな講演会などのイベントを展開する。そして未来のプログラマたちに、App Storeや同社のデベロッパポータルにある各種のリソースを、新しい学習スペースから紹介してイベントを盛り上げる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、iPhone 6でAndroidからシェアを奪回、8–10月期は記録的な好成績―日本のみ例外(Kantar調べ)

Appleはここ数年、さまざまな機能を詰め込んだ低価格Android機にシェアを奪われてきた。しかしここに来て最新のiPhone 6シリーズの大成功で少しではあるがシェア奪回に成功したようだ。われわれは10月末に速報を紹介したが、今回私はKantarの主席研究員でアメリカ調査部門の責任者、Carolina Milanesiに取材してさらに詳しい説明を受けた。

WPPグループの調査会社 Kantar Worldpanelが発表した最新の統計によれば、8月1日から10月31日までの3ヶ月で、日本を除く世界中ほとんどすべての市場でAppleのスマートフォンのシェアは微増している。これに対してAndroidのシェアは微減している地域が多い。iPhoneが依然スマートフォンのリーダーであることは明らかで、これは当分続きそうだ。

Android陣営については、地域によってリーダーが異なる。中国ではシャオミー(小米)がシェアトップだが、他の多くの市場では依然Samsungが1位だ。 Milanesiは私の取材に対して「(Android機のメーカーは)Samsungからシェアを奪えず、互いにシェアを奪い合っている」と説明した。例外はアメリカ市場で、LGがSamsungから少しだがシェアを奪った。

ヨーロッパの5大市場、イギリス、ドイツ、フランス、イタリー、スペインではAndroidが70%弱のシェアを占めている。しかし前年同期と比べると2.6%ポイントの下落だ。一方Appleは6ポイント近くアップして20.7%に達した。特にイギリスではAppleは今やスマートフォンの40%のシェアを占めている。昨年同期に比べて10.4ポイントの増加だ。

特にイギリスではiPhone 6が6 Plusに対してて4倍も多く売れたという。統計で実証された数字ではないが、大型の6 Plusは男性に好まれる傾向があるという。Kantarの統計によると、全売上の34%が16-24際のグループによるもので、全購入者の64%が男性であり、Kantarの説明によれば「iPhone 6購入の動機のトップは、4G (51%)、画面サイズ (49%) 、デザイン(45%)」だという。またイギリスにおけるiPhone 6の販売台数の31%は実店舗のAppleストアによるものだ。

Appleがすでに十分成功を収めた市場の動向はやや異なる。アメリカでのiPhoneのシェアは「0.7%の微増」にとどまった。

またアメリカではアンロック版スマートフォンがヨーロッパほど普及していない。iPhoneのキャリアに関してはVerizonが42.2%、AT&T 41.4%と完全に2強状態だ。ただしAT&Tは利幅の大きいiPhone 6 Pluのセールスでは63%と好調だった。

アメリカではiPhone 6がiPhone 6 Plusの3倍程度売れている。6 Plusの購入者は6よりもやや年齢が上だという。

「発売後1ヶ月でiPhone 6は33%の市場シェアを獲得し、8-10月期でもっとも売れたiOSデバイスとなった。iPhone 5sは26%で2位、iPhone 5cが18%で3位、iPhone 6 Plusは10%だった」Milanesiは説明した。

Appleはヨーロッパで大幅な伸びを見せたが、Asiaではさほどでもなかった。

中国ではAppleのシェアは前年同期に対して0.2ポイントアップの15.7%だった。売上が伸びなかった理由は10月にはいるまでiPhone 6の販売を開始できなかったことが大きい。シャオミーはシェア30%を獲得してトップに立った。iPhone 6は10月17日から31日までの期間の販売しか計上されていないにもかかわらず、シェアは3位だった。

ところが、世界中で一箇所だけAppleのシェアが大幅に減少した大市場がある。日本だ。ここ数年、日本はiPhoneのシェアがもっとも高い市場だったし、日本の市場調査でも依然としてトップの売れ行きを示している。われわれはKantarにこの現象の原因についてコメントを求めている。あるいは製品の供給がネックになったのかもしれない。

下に詳しい対話的統計レポートをエンベッドしておく。

〔日本版〕10/30の速報記事の日本版注でも日本市場におけるiPhoneシェアの大幅減について触れたが、Kantar側でも正確な原因がつかめていないようだ。引き続き注目したい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、iPhoneを落としたときにネコのように空中で姿勢を変える特許を取得

今日(米国時間12/2)、アメリカ特許商標局はAppleに新しい特許を認めた(AppleInsider)。このシステムは、自由落下中にiPhoneの姿勢を変化させ、地面に衝突するときの角度を最適化することによって衝撃によるダメージを最小限に止めようとするものだという。

この特許にはヘッドホンケーブルの切り離し装置や落下中に姿勢を変えるための格納式の羽といったさらにファンタスティックなアイディアも含まれている。イーロン・マスクはSpace Xの再利用可能な衛星打ち上げブースターの姿勢制御に空力的な翼を実験中だが、なんとAppleはこれをiPhoneに組み込もうというのだ。

特許の核心部分は、かなり現実的で、すでに存在している要素を巧みに利用している。姿勢制御に用いられるのはiPhoneのバイブレーション用モーターだ。といっても、実はバイブレーション用モーターはiPhone6/6 Plus以前のモデルにしか搭載されていないので、すぐに実用化されるとは考えにくい。6/6 Plusは振動を起こすためにこの特許に含まれているようなモーターを利用していない。

またこのシステムは落下軌道と着地角度を判定するために加速度計、GPS、ジャイロという既存のセンサーの他に超音波発振器を必要とする。これらのセンサーからの情報をリアルタイムで処理し、バイブレーションモーターを駆動してその反作用によって姿勢を制御するわけだ。これは文字通り宇宙工学レベルの処理で、そうとうなリソースを消費するだろう。落下によるダメージをわずかに軽減するためにしてはいささか大げさではある。

そうはいっても、落としてディスプレイにヒビを入らせてしまうというのがスマートフォン・ユーザーにとって最大の悩みの一つであるのは事実だ。読者も身の回りでクモの巣のようにひび割れたiPhoneをよく見かけてきたことと思う。この点について多少なりと意味のある改善ができれば大きなセールスポイントになる。どれほどとっぴに見えるアイディアでも、将来なんらかの形で実用化されないとはいえないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


初期Appleの共同ファウンダーRon Wayne、Apple-1のマニュアル草稿やApple IIのプロトタイプ仕様などをオークションに出品

Appleと関わることによって、金持ちになったという人は多い。但し、Apple創業当時に共同ファウンダーとして名を連ねていたRonald Wayneは、その例外だ。ご存じない人も多いのだろうが、Steve JobsおよびSteve Wozniakとともに共同ファウンダーに名を連ね、Apple社の株式の10%を保持していた。しかし設立からわずか2週間後に、配当権を放棄して所有株式をわずか800ドルで売却してしまったのだった。今にして思えば、これは「大失敗」だった。

しかし多少の挽回のチャンスはあるものだ。Wayneは、初期のAppleプロダクトに関するドキュメントをオークションに出品するのだそうだ(via The Loop)。3万ドルから5万ドルの値がつくのではないかと予想されており、すなわちこれまでにAppleから得た利益の何倍もの収入を得ることになるわけだ。

オークションに出品するドキュメントには、オリジナルのApple-1(これも12月11日にクリスティーに出品されるようだ)用マニュアルの校正刷りや、Apple IIケースのスケッチおよび設計図(プロトタイプのもので、出荷されたものとは異なる)、およびApple IIの未記載かつ状態の良いオーダーフォームなどが含まれるそうだ。

Ron Wayneはこれまでにもオークションを利用したことがある。たとえば2011年にはAppleの設立契約書をサザビーズに出品したこともあった。このときに取材したEngadgetが写真に撮ったモノが今回出品されることとなったようだ。

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(翻訳:Maeda, H


iPad、初の年間出荷台数減少へ。タブレット市場全体の成長も鈍化(IDC調べ)


Appleが株式市場で逆波に乗り、時価総額が7000億ドルを越える中、IDCから暗雲が漂ってきた。アナリストらは今日(米国時間11/25)、全体に活気のないタブレット市場の中、iPadの年間出荷台数が、史上初めて減少すると報告した

Appleは ― 皮肉なことに現在かつてない種類のiPadを販売している ― 2014年に6490万台のiPadを出荷する見込みで、これは前年比12.7%減である。市場全体では2.357億台、2013年の7.2%増のタブレットが出荷されると見られる。

これは大幅な成長率ダウンだ。2012年から2013年にかけての成長率は、52.5%だった。

GoogleのAndroid OSは、スマートフォン市場の席巻に続き、タブレットでも最も人気の高いOSである。今年、同OSは市場の68%を支配し、1.6億台近い端末に塔載された。

しかし、OEMにとって話は別だ。Androidが最大のOSではある一方、27.5%の市場シェアを持つAppleは、依然としてタブレット市場最大の単一ブランドである。IDCによると、Q3単独ではApple iPadのシェアは22.1%だった。

ではなぜ、タブレットの出荷が減少しているのか? IDCの意見は、タブレットの販売サイクルはスマートフォンよりもPCに近い(タブレットが置き換えているのはPCという考えと一致する)とする、Gartner等のアナリストによる指摘を反復している。

「タブレット市場は、関連の強い市場で起きているいくつかの主要トレンドの影響を受け続けている」とIDC Worldwde Quarterly Mobile Device TrackersのProgram Director、Ryan Reithは言う。「タブレット市場の早期段階では、端末のライフサイクルはスマートフォンに似て、2~3年毎に買い換えが起こっていた。変わってきたのは、多くのタブレット所有者が、端末を3年から時には4年以上持ち続けていることだ。われわれは、予想以上に長いタブレット寿命の主要な要因は2つあると考えている。一つは、特にiOSにおける旧機種のソフトウェアサポート、もう一つは様々なコンピュータ作業をスマートフォンで行うことが増えたためだ。

買い換えサイクルが販売を減少させている以外にも、2つの力が働いている。

第一に、導入される新しいテクノロジーに、新たなタブレット購入者を引き付けるほどの説得力がない。

「ハードウェアメーカーの努力によって、2イン1、デタッチャブル製品と呼ばれるカテゴリーに著しい進歩が見られた」他、より薄型で低価格な製品が出てきているとIDCは指摘する。「しかし、こうした進歩にもかかわらず、2イン1デバイスの出荷台数は2014年にわずか870万台と見られ、これはタブレットおよび2イン1市場全体の4%にしかなっていない」。

もう一つの理由は? 2イン1デバイスの大半に使われているプラットフォームであるWindows 8にまつわる「消費者のためらい」だ。

Windowsベースタブレットは今年わずか1100万台の出荷予定であり、これは市場の5%に満たない、とIDCは言う。

今後について、IDCは2015年に市場に影響を与えるであろう要因をいくつか挙げた。Windows 10(もしMicrosoftがタブレットでの非常に遅いスタートを変える何か大きなことができるとしての話)。AndroidおよびChrome OS両方におけるGoogleの動き。そして、Appleのさらなら新製品。「これらの未知数がどうあれ、消費者がタブレットをスマートフォンより長く所有し続けることは明らかだ」とIDCは語る。

IDCレポートで、もう一つ注目すべき点は、新興市場がタブレット出荷台数で成熟市場を超え、50.6%を占めていることだ。これは、AppleやNokiaといった会社がこの変化に乗じようとしていることをよく表している。例えばNokiaは、Microsoftの買収後初のタブレット、N1を中国で最初に販売する。

OS別2014~2018年全世界タブレット/2イン1出荷台数、市場シェア、対前年比、および5年累積成長率(台数は百万台)

OperatingSystem

2014* Shipment Volumes

2014* Market Share

2014* YoY Growth

2018* Shipment Volumes

2018* Market Share

2018* YoY Growth

2014-2018 CAGR

Android

159.5

67.7%

16.0%

183.1

64.0%

2.2%

5.9%

iOS

64.9

27.5%

-12.7%

70.1

24.5%

2.2%

-1.1%

Windows

10.9

4.6%

67.3%

32.6

11.4%

17.9%

38.1%

Other

0.5

0.2%

-70.6%

0.1

0.0%

-11.3%

-43.0%

Total

235.7

100.0%

7.2%

285.9

100.0%

3.8%

5.4%

地域別2014~2018年全世界タブレット/2イン1出荷台数、市場シェア、対前年比、および5年累積成長率(台数は百万台)

Region

2014* Shipment Volumes

2014* Market Share

2014* YoY Growth

2018* Shipment Volumes

2018* Market Share

2018* YoY Growth

2014-2018 CAGR

Emerging Markets

119.3

50.6%

11.5%

149.4

52.2%

4.5%

6.9%

Mature Markets

116.4

49.4%

3.1%

136.6

47.8%

3.0%

3.9%

Total

235.7

100.0%

7.2%

285.9

100.0%

3.8%

5.4%

Source: IDC Worldwide Quarterly Tablet Tracker, November 25, 2014

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


二つの復活劇


今日(米国時間11/25)の通常取引時間中、Appleは時価総額7000億ドルを突破した。目覚ましい業績である。同社株はその後やや値を下げたが、IT巨人のこの強力な復活は否定のしようもない。Apple、かつて解散すべきとまで言われたほど取るに足らない存在だったこの会社は、今や世界で最も価値あるIT企業であるだけでなく、世界のあらゆる業界で最も価値ある公開企業である。

豆知識:最も価値のある上位四大公開企業のうち3社は、私が最後に調べた段階でIT企業である。Apple、Microsoft、およびGoogleが、ExxonMobilと共に上位4傑を分け合っている。

しかし、最近の四社間における順位の変動、およびAppleとライバルとの差の広がりは、2つの復活劇を浮き彫りにしている。MicrosoftとAppleは、共に現CEOが指揮官の座を引き継いで以来、株価を上昇させている(Appleは2012年から2013年初めにかけて困難な時期を経験しているが、それらの下落がその後帳消し以上にされたことは注目に値する)。

Tim CookがAppleを引き継いで以来、同社の株価は119.9 %上昇した。そしてMicrosoftも、Satya Nadellaの就任以来31.58 %株価を上げている。ちなみに、NadellaはCEOになってから1年未満であり、Cookは2011年以来指揮をとっているので、使い得た時間は後者の方が少々長い。

どちらの会社とも、今年すばらしい業績を上げている。例えばAppleは、今年に入ってからだけで、48 %前後高値をつけている。

こうした復活について、いつまでその伸びを維持できるかを問うのは正当な質問だろう。Appleは、iPadの売上が減少すると見られている。MicrosoftのSaaS分野における新事業への取り組みは、他の収益源と比べて未だに極小である。しかし、両幹部ともこれまでの実績は、少なくとも財務面から見て、満足のいくものだと言える。
次なる質問は、それぞれの会社の株価上昇のうち、どの部分が指揮官によるものであり、どの部分が既存の企業推進力によるものかである。この質問にどう答えるかによって、どちらの会社も買いにも売りにもなる。よく考えてから、賭けどころを見極めることだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


スティーブ・ジョブズの伝記映画はユニバーサルから配給(Sonyから$30Mで買い取りか?)

Aaron Sorkin作、待望のスティーブ・ジョブズ映画の配給元がUniversal Picturesに決まった。制作会社Sony Picturesは、今月、この映画の2年がかりの制作を終え、配給権をユニバーサルに譲渡した。

Hollywood Reporter誌の記事によると、月曜日にユニバーサルの広報がこの件を確認した。記事によるとユニバーサルはSonyに3000万ドルを支払った、とされているが、これについては確認がない。

映画はWalter Isaacsonが書いて好評を得たジョブスの伝記が下敷きで、監督はDanny Boyle、脚本がSorkin、彼はFacebook未公認のFacebook映画The Social Networkの脚本も書いた。

Inglourious BasterdsやX-MenのMichael Fassbenderは、確かに出演している。 プロデューサーはScott Rudin(初めてエミー賞とグラミー賞とオスカーとトニー賞を全部取った人)とMark Gordon(The Chronicles of Narnia: The Silver Chairなど)だ。

Sorkinによると、この映画はAppleの故CEOの生涯を‘ゆりかごから墓場まで’忠実に追ったものではない。アカデミー賞を取ったこともある彼が、プレッシャーを感じた、と認める。最初は、対象があまりにも大物すぎるので、脚本の仕事を引き受けるのをためらったそうだ。“ビートルズ映画の脚本を書くようなものだからね”、と彼は語った。

彼がほのめかしたところによると、それは30分の映画3本からなる作品で、その各篇がAppleの重要な製品発表を軸にしているそうだ。やっと配給会社も決まったことだから、もうそんなに長く待たされることはないだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhone 6の絶好調により、アプリケーションダウンロード数も過去の記録を圧倒

iPhone 6およびiPhone 6 Plusの影響もあり、Appleはこれまでの記録をやすやすと塗り替えてしまったようだ。アプリケーションマーケティングのマーケティングサービスを提供するFiksuのデータがそれを証明している。FiksuのリリースしているOctober App Store Competitive Indexによると、10月のトップ200無料アプリケーションダウンロード数は1日あたりでの比較で、9月から42%増といなっているのだそうだ。また前年比でも39%の伸びで、実数を見れば無料のトップ200アプリケーションのダウンロード数は780万件/日に達するほどになっているのだとのこと。

ジャンプアップの理由は、iPhone 6を手に入れた人たちが、「必携」アプリケーションを再ダウンロードしたことによるものだろう。ダウンロード数が増えることにより、「ローヤルユーザー獲得費用」(cost per loyal user)も低くなっている。既に所有しているアプリケーションのダウンロードが多いということはあるものの、しかし新機種登場にあわせてアプリケーションの告知をすることが、開発者にとっても有利であるだろうとFiksuは指摘している。

ダウンロード数のうち、どれだけが最ダウンロードであるのかはともかく、新しいiPhoneのリリースにより、過去の記録が塗り替えられるのみならず、圧倒されたというのが重要なポイントとなっている。ダウンロード数増加の動きがそのままハードウェアの販売増に繋がると考えれば、ホリデーシーズンを含むこの四半期には7000万台ものiPhoneが売れることとなる。大きすぎる数字ではあるものの、この数字が現実になると予測するアナリストも多いようだ。

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(翻訳:Maeda, H


Apple、App Storeのダウンロードボタンを「無料」から「入手」に変更。EC対策か?


iTunesおよびMac App Store全体で、AppleがiOSやMacのアプリをどうマーケティングするかに関する、小さいが注目すべき変化があった。無料アプリのダウンロードボタンのラベルが、「無料[FREE]」から「入手[GET]」になった。この変更は、欧州委員会からの度重なる圧力によるものである可能性が高い。EUは今年の夏Googleに対して、アプリ内購入を推めるアプリのラベルを変更させることに成功している。

EU諸国内でGoogleは、”Top Free Apps”[トップ無料アプリ]の名称を”Top Apps”[トップアプリ」に変更し、”Top Free Games”セクションも、”Top Games”に変更しており、これは新しいガイドラインに準拠したものだ。

欧州委員会は、「無料」とラベル付けされたゲームには、実際に関わってくるコストを、消費者に誤解させかねない問題があるため、子供に直接アプリ内購入を薦めたり、親に追加機能をねだらせるべきではない、と言っている。

当時Appleは、いずれ変更を行うこと約束すると共に、特にアプリ内購入については既にいくつかの保護対策を施していることを主張した。Engadgetに提供された声明で同社は「…昨年来、利用者のアプリ内購入が可能なアプリにはそのことを明示させてきた。また、App Storeには13歳未満の子供たち向けにさらに保護を強化したアプリのための、キッズセクションを設けている」と書かれている。

iOS 8では、さらに保護を強めた機能を提供していくとAppleは言っている。

Appleは「無料」アプリに関して、EUに特化した変更を行わないことにしたようだ。代わりに、デスクトップおよびモバイルのApp Store全体について、アプリ内購入の有無にかかわらず、ダウンロードボタンを「入手」に名称変更した。

おそらくこれで、地域別対応が容易になると共に、一部アプリの特質に関して、多少なりとも誠実になった。ユーザーは〈入手〉できるが、必ずしも〈無料〉ではない。

現時点で、Appleのトップチャートは変更されていない ― 従来通り、両ストア共表示は「トップ無料APP」および「トップ有料APP」となっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


中国政府がiOSをハック―Appleは外部のセキュリティー専門家と協力すべきだ

編集部: この記事は、Triumfantの社長、CEOのJohn Priscoの執筆。

エンタープライズ向けモバイル・セキュリティー企業のLacoon Mobile Securityの専門家は、iPhone、iPadから通話記録、メッセージ、写真、パスワードその他の情報を盗むことができるXsserと呼ばれるマルウェアを発見した。このニュースは国際的に大きな反響を巻き起こした。というのも、このマルウェアは中国政府が香港の民主化運動を監視するためにに作成、運用していると見られるからだ。

中国政府は以前にもデータを盗み、偽情報を広めようとするハッカー活動で非難されている。間違いなく今後も同様の活動を繰り返すだろう。しかし政治的な議論はさておき、ここにはテクノロジー上の重要な問題が含まれている。Appleはこの問題を直視する必要がある。

Xsserは今後も現れてくるモバイル・マルウェアの一つの例にすぎない。社員が私用のデバイスを業務に使ういわゆるBYOD(Bring Your Own Device)が広がる中、モバイルOSのセキュリティーが保護されていなければ大惨事が起きる。現在、Apple OSのユーザーはその閉鎖性のために必要なレベルの保護が受けられないままだ。私はAppleが外部のセキュリティー専門家、企業と協力して次世代のサイバー攻撃に備えるべきだと考える。

Appleの意図に悪いところはなかった。Appleはすべてをクローズドにしてきた。デベロッパー・コミュニティーに対しても、アプリの登録にあたっても厳格な統制を敷いてきた。その結果Appleはブランドの純粋さを守り、また最近までこの秘密主義がマルウェア攻撃に対する一定の防壁の役割を果たしてきた。しかし、魔神はAppleの壜から出てしまった。

これに対してGoogleは外部のセキュリティー企業と協力関係を築いてきた。セキュリティー専門家は、Androidの場合、OSレベルで必要な分析を行い、問題点を発見できる。AppleのiOSではそれは不可能だ。iOSには高い防壁が設けられアクセスを許さない。AppWrapperを通じてアプリを調査することしかできない。OSレベルでのアンチ・マルウェア・アプリを開発することは不可能なので、iOSのユーザーはそのレベルでの保護を受けられない。

ハッカーは(国家に支援されると否とを問わず)現実の存在だ。どんなシステムであれ、マルウェアによって攻撃されることは避けられない。世界最大のモバイル・デバイスのメーカーが外部の専門家によるユーザーの保護を拒否している現状では、BYODは極めて危険な方針というしかない。 Xsserはその危険を具体化するひとつの例にすぎない。さらに悪質なマルウェアが今後も数多く登場してくるだろう。

Appleはもはや不可侵の領域ではない。Appleがそのことを自覚することが強く望まれる。AppleはiOSをめぐる現実に目覚めねばらない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、WatchKitを公開。デベロッパーはウェアラブル向け開発が可能に


Appleは、来年発売予定のスマートウォッチ用プラットフォーム、WatchKitを公開した。Apple Watchでは、時計と接続したiPhone内にWatchKitエクステンションを持ち、Watch自身にはUIエレメントを保存しているアプリが、発売時点でサポートされる。主要な作業はiPhoneが行い、出力(通知等)やユーザーからの入力(タップその他のアクション)はApple Watchが受け持つ。

興味のあるデベロッパーは、Xcode 6.2 beta、およびWatchKitを含むiOS 8.2 SDKを入手する必要がある他、iPhoneで使うWatchKitエクステンションを開発するためには、iOS 8.2 betaも必要になる。

同時にAppleは、同社のウェアラブル用ソフトウェアを作る人たちのためのデザイン・ガイドラインおよびヒューマンインターフェース・ガイドラインも提供した。そこには、様々な種類のインターフェースに向けた提案やテンプレート、Apple Watchの新しい独自のバブルベースメニューのためのホーム画面用アイコンを作る際のヒント、サイズとレイアウトスタイルの提案、フォントやテキストサイズに関するヒントなどが書かれている。Apple Watchは全く新しいカテゴリーの商品なので、この上に作られるアプリで使われるデザイン言語は、スマートフォンやタブレットで使われていたものとは大きく異なる。

WatchKitアプリの主要コンポーネントには、高度な機能のためのUI一式、ソフトウェアで起きていることに関する情報を一目で見られる “Glances”、メッセージにすばやく返信したり接続したスマートフォン端末を制御するための、アクション可能な通知等が含まれている。

大量の処理要求がiPhoneに向けられることになるのは興味深いが、Apple Watchのバッテリー消費を極力抑えるためには理にかなったやり方だ。これがApple Watchの自主性にどう影響するのかを知るにはまだ情報が足りないが、Appleは、接続したデバイスとは別にApple PayにWatchを使う方法を検討してるので、Watchアプリが何らかのオフライン機能を持つと思われる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iPhone 6 Plus、売上及第点ながらも人気はやはりiPhone 6 ?!

iPhone 6 Plusについて、普通に持ち歩くためのスマートフォンとしてはやや大きすぎるのではないかと考えた人は、やはり多かったようだ。Consumer Intelligence Research Partners (CIRP)の調査によれば、iPhone 6シリーズの販売について、4.7インチモデル(iPhone 6)が5.5インチモデル(iPhone 6 Plus)を大きくリードしているとのことだ。但し、比較すれば6が売れているとはいえ、6 Plusについてもそれなりの割合を売り上げている様子ではある。

CIRPによると、販売開始から30日間のデータを見ると、iPhone全体の売上の中でiPhone 6の占める割合が68%で、iPhone 6 Plusの方は23%ないし24%であったとのことだ。

また、AndroidからiPhoneに乗り換える人については、2013年のiPhone 5sおよび5cが登場した時(23%)に比べて、今回は低下(12%)している(PDF)。iPhone 5sはBlackBerryおよびWindows端末からの乗り換え組も多かったが、今回はあまり目立たない状況となっている。もちろん、そうした機種からの乗り換えが目立たなくなっているのは、Android利用者の割合がますます増えているからでもある。

上の数値はいずれも、アメリカ国内でiPhone 6および6 Plusが登場してから30日間についてのものだ。Appleは機種別の売上割合についてのデータを公表していない。

今回のCIRPの調査では、iPhone 6シリーズは販売開始4週間でiPhone全体の売上中、91%を占めるようになったとも述べられている。5sおよび5cのときは、この割合は84%となっていた。

また、iPhone購買者の記憶容量平均は48GBなのだそうだ(昨年比で倍になっている)。iPhone 6シリーズは16、64、128GBがラインアップされている(訳注:iPhone 5は16、32、64GBでした)。

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(翻訳:Maeda, H


Androidユーザー、SMS受信不可問題でAppleを訴訟


近々Appleは、連邦裁判所でAdrienne Mooreという女性が起こした訴訟に立ち向かうことになる。彼女は、Androidに乗り換えた多くの元iPhoneユーザー同様、iPhoneからAndroidに切り替えた後テキストメッセージを受信できなかったことに怒っている。原告は金額不特定の損害、および集団訴訟への発展を見込んでいる。

iOS 5の公開以来、AppleはiPhoneでiMessageを使っていたユーザーがAndroidに乗り換えた後テキストメッセージを受取れないという問題に直面した 。iMessageは、携帯電話のデータプランを利用するため、理論上ユーザーはテキストメッセージにかかる料金を節約できる。本来iMessageによる送信に失敗した時は、通常のテキストメッセージ送信に戻るしくみだ。

この問題に遭遇したユーザーはMoore以外にも数多く存在する。実際、最近Appleは、iOSからAndroidに切り換えたユーザーを救い、他のユーザーに同じことが起きるのを防ぐためのウェブツールを公開した

訴訟が最初に起こされたのは2014年5月で、以来Appleは訴訟棄却を申し立ててきた。Lucy Koh判事(たまたま彼女は昨年Samsung対Appleの巨大闘争を裁いた裁判官である)はMooreの訴えの一部を却下したものの、Appleが彼女のVerizonから受けている無線サービスを妨害し、カリフォルニア州不正競争法に違反したことを争う権利が彼女にはあると信じているとReutersは報じている

本訴訟の裁判日程は決まっていない。

訴状の原文を読みたい方はこちらへ。(関連リンクは、ここここここにある)

Appleの棄却申し立てについての詳細についてはこちらを参照。

最後にこれが、Lucy Koh判事が下した今日の裁定の全文だ。

Moore et al v. Apple Inc

[via 9to5mac]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


MicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラ、Apple、Googleと比較して自社の本質を的確に指摘

レッドモンドの本社キャンパスで最近開催されたイベントでMicrosoftのCEO、サティヤ・ナデラは、Google、Apple、Microsoftを比較してそれぞれの長所を分析してみせた。

会社評価額でAppleには及ばないがGoogleよりは大きい会社のCEOの発言だけに注目される。ナデラはMicrosoftのCEOに就任して日が浅いにもかかわらず、Nokiaの買収を完了し、クラウド・コンピューティングに向けて巨艦の舵を大きく切ることに成功している。

ナデラはライバルを次のように分析した。

私はApple、Google、Microsoftがそれぞれを何をする会社なのかと考えることがある。それぞれの会社は独特の特長を持っている。簡単な言葉で要約するなら、こうだろう。私の見るところ、Appleの本質は特にはっきりしている。それはティム・クック自身が最近、明快に定義したとおり、Appleはデバイスを売る会社だ。それがAppleの本質だ。Googleはデータの処理と広告の販売を本質とする会社だ。Googleのビジネスはユーザーに不快感を与えずに広告を表示できる能力にかかっており、その点のGoogleの仕事ぶりは文句のつけようがない。

Appleのハードウェア・ビジネスでの大成功は歴史に残る売上と利益をもたらしている。しかしもちろんこの成功は、慎重に考え抜かれた先見性の高いソフトウェア・ビジネス、なかんずく、iPhoneとiPadで作動するソフトウェアのマーケット、App Storeによって支えられている。iPadのローンチが短期間であれほどの成功を収めたカギはやはりApp Storeにあった。来年早々にも市場に投入されるとみられる新たなデバイス、Apple Watchについても、App Storeは決定的な役割を果たすはずだ。

Googleがオンライン広告市場で圧倒的な存在であることは明らかだが、もちろん広告ビジネスがGoogleのすべてではない。その優れた検索機能があって初めて広告を販売できる。もしGoogleが世界の検索市場を支配できなかったとすれば、広告を売ることもできなかっただろう。

しかしこうした事情があっても、ナデラの分析が本質をついていることに違いはない。ナデラは続けてMicrosoft自身の強みについてこう述べる。

さてそこで、われわれ自身の場合についていえば、Microsoftのビジネスとは他の人々にソフトウェアなどのプロダクトを開発する力を与えるところにある。単にわれわれのプロダクトだけが問題なのではない。もちろんMicrosoftにはビジネス・モデル、収益モデルが存在する。しかし私の考えでは、デベロッパーがアプリケーションを開発できるようにするプラットフォームを提供し、また誰であれコンピューティングに関連する人々が所望の成果物を作れるようにする数々のツールを提供するところでこそ、Microsoftが真価を発揮し、本当の差別化を行えるのだと私は考えている。プラットフォームのプロバイダー、ツールのプロバイダーであることこそ、Microsoftの根本的なアイデンティティなのだ。われわれはその意味することろを深く考えねばならない。

さらに簡単に要約すれば、現在のAppleのコア・ビジネスはiPhoneであり、Googleの場合は検索、Microsoftの場合はWindowsとOfficeの販売だ。しかしAppleはiCloud Driveでクラウドに参入を図り、 Googleはクラウドでのコンピューティングと生産性ツールの提供で勢いをつけつつある。Microsoftもこれに似た戦略でAzureクラウド・プラットフォームの普及とOfficeのクラウド化を図っている。

以前の記事でも書いたように、こうした巨大プラットフォーム企業は、多くの場面でライバルの得意分野に参入しようとして戦いを繰り広げている。Apple、Google、Microsoftは3社ともすでに独自のアプリとハードウェアを開発ずみだ。問題はどの会社が過去の強みを活かしながら新分野で競争に勝つ方策を見出せるかという点にある。3社のどれにせよ新分野参入で主導権を握ったものが、この先の10年の競争を有利に進めることに」なりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、iPhoneをやめた後でもiMessageの電話番号登録を抹消できるツールを提供


Appleはウェブサイトに新しいツールを追加し、iPhoneを使わなくなった後でも、iMessageの登録情報から番号を抹消できるようにした。使い方は簡単で、電話番号を入力するとテキストメッセージでコードが送られてくるので、それを入力して確認すれば電話番号がiMessageデータベースから削除される。

このシステムは、iPhoneからAndroid端末に切り換えたユーザーの電話番号を、iMessageの登録から確実に消すのに役立つ。これまでAndroidに乗り替えたユーザーは、iPhoneを使うのをやめたにもかかわらずテキストメッセージがiMessage宛に送られ、どの端末でも受信できない状況になることがあった。この問題は、Androidに移行する前にiMessageを完全に無効化しなかった多くのユーザーに起き、Appleに対する訴訟にまで発展した。5月にAppleはソフトウェアを修正すると約束していた

Appleの新しいウェブページには、iPhoneを処分する前に番号登録を抹消する方法も案内されており、これはiPhone上で[設定 > メッセージ] へ進み、iMessage をオフにすればよい。新しいツールは、すでに移行済みでメッセージを受け取り損っていたユーザーにとって大きな助けになるだけでなく、現行ユーザーが、例えば旅行中やテスト目的でプラットフォームを切り換えるのにも利用できる。

もし、iPhoneはもう持っていないのにiMessageサーバーから自分の電話番号を外さなくてはならない窮地に立たされている人がいたら、このページへ行き、2ステッププロセスの指示に従えば解決できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Webサミットで見た、未だに大きいスティーブ・ジョブズの影


今週ダブリンで行われたWeb Summitに参加していた私は、没後3年以上が過ぎた今も、われわれはAppleの共同ファウンダー、スティーブ・ジョブズに取り付かれていると思わずにいられなかった。当時の彼を知っていたり、ましてや彼とミーティングをしたことのある人がいれば、インタビュアーは必ずそれについて聞きたがる。

TechCrunchでさえ、ジョブズの未公開写真で追想にふけるくらいだ。ジョブズと何らかのつながりのある人には需要があるようだ。例えば、元Apple CEOのジョン・スカリー。彼は1983年、ジョブズに誘われてAppleに入ったことで有名だが、蜜月時代は短命に終り、失意のジョブズは会社を去り1985年にNeXT Computersを立ち上げた。スカリーはAppleに来る前、経営者として成功していた。彼は11年後に黒字のAppleを去り、その後20年間にも様々なことをしてきたが、それを知る機会はない。

誰もが知りたいのは、スティーブがどんな人間だったのか、そして彼がジョズブを会社から追い出したことだけだ(本人は反論しているが)。その事実から30年近くたった今も、人々はそれを話題にし、当時の社内政治を詳細に分析しては、何が起きたのかをスカリーに尋ねる。彼は関係によって有名であるわけで、奇妙な力が働いている。

しかし、ジョブズについて聞かれたのはスカリーだけではなかった。DropboxのDrew Houstonは、2009年に彼がジョブズと会った1度のミーティングこついて質問された。彼がこれについて話したのは初めてではなかった。常に聞かれていると言ってもよい。なぜか? それは、われわれがあの男の話を聞きたいからだ。Houstonにとって、自分の会社を買いたがっていた英雄とミーティングは、あらゆる意味で非現実的体験だった。しかし、彼は売るためにそこへ行ったのではなく、話は先に進まなかった。なぜならHoustonが今週Web Summitの壇上で話したように、会社を売りたくないなら、会社を売るためのミーティングには参加すべきではないからだ。買収話はそれで終ったが、5年後にわれわれは、Houstonがあの男と会話をしたというだけの理由で、今も話を聞きたがっている。

Web Summitの最終セッションで、U2のリードボーカル、ボノが、House of Cardsのプロデューサー、Dana Brunetti、SoundCloudの共同ファウンダー、Wahlforssと共にパネル討論に参加した。そこではもちろん多くの業界トークが交されたが、モデレーターを務めていたNew York TimesのDavid Carrは、ボノに7年前彼がジョブズとフランスで会った時の話を聞かずにはいられなかった。ジョブズに、iTunesはスプレットシートみたいだと言ったという有名な話だ。ボノは、あれほどデザインにこだわっていたジョブズが、iTunesをもっと美しくしなかったことに驚いていた。正直なところ私に言わせれば、iTunesのルックスは数ある問題の中で最も小さなものだが、とにかく彼はジョブズと直接顔を合わせているので、世界はそれについて聞きたかったのである。

ジョブズは3年以上前に死んだが、IT業界に対する彼の影響は今後も長く続くに違いない。そしてWeb Summitが何かの兆候であるなら、この業界に多大なインパクトを与えた男に関する話を聞きたいというわれわれの欲求もまた、続くに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Macが合衆国のPC市場で過去最高のマーケットシェアを達成

調査会社IDCによると、AppleのMacの合衆国におけるマーケットシェアは2014暦年の第三四半期でこれまでの最高を記録した。IDCが各四半期に発表するPCの市場動向調査によると、合衆国におけるApple MacのQ3の売上台数は234万台、マーケットシェアは13.4%となり、HP、Dellに次ぐ3位だった。これはAppleがPC市場でこれまでに達成した最大のマーケットシェアで、調査にはiPadなどのタブレットは含まれていない。

Macのマーケットシェアは前年同期2013Q3では12.9%、台数は207万台だった。合衆国の上位5位までのベンダは全員アップし、AcerとDellは成長率も上がったが、そのほかのベンダの計では売上は22.6%の減となった。全体では合衆国の市場は4.5%の増となり、マーケットリーダーたちがその他大勢の減少をカバーした形になっている。

グローバルベースではAppleの2014Q3のシェアは前年同期比で20.5%の成長、販売台数は551万台だった。それは全台数の6.9%で、全PCメーカー中、5位である。2013Q3のシェアは5.7%だった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Macを犯し、そのMacがiOSを犯す、新種のマルウェアが中国で蔓延…Appleはすでに対策済み

これまでは、モバイルのマルウェアといえばほとんど、Androidデバイスの問題と思われていた。そしてiPhoneは、ジェイルブレークさえしなければ安全、と信じられていた。AppleのCEO Tim CookもAndroidいじめの片棒を担ぎ、“Androidはモバイルのマルウェア市場を支配している”、と言った。しかし、このほど合衆国の研究者が中国で見つけた新しいウィルスは、Appleのデバイスにとって初めての深刻な脅威をもたらすかもしれない。

Palo Alto NetworksのリポートThe Vergeさんありがと)によると、新たな系統のマルウェアがAppleのセッティングをかいくぐって、Mac用の感染したソフトウェアを使っているセキュアな(つまりジェイルブレークされてない)iOSデバイスに感染するおそれがある。’WireLurker’と呼ばれるそのマルウェアは、中国のサードパーティのMacストアMaiyadi App Storeで野放し状態で見つかり、これまでに467のアプリケーションに感染したと言われている。そしてこれらのプログラムの感染したバージョンは35万回以上ダウンロードされ、数十万のユーザに被害を与えた、とPalo Alto Networksは報じている。

アップデート: Appleによると同社は、感染したアプリケーションが動けないようにした。…Appleの声明の全文は下にある。

そのマルウェアは正常なMacアプリケーションをリパックする。それをMacにダウンロードしたら、USBケーブルでそのMacに接続しているいかなるiOSデバイスにも、有害なサードパーティアプリケーションをインストールする。リポートによると、いちばん興味深い、おっと、いちばん困るのは、iOSデバイスに感染したWireLurkerが、一連の高度なテクニックを使って既存のアプリを有害アプリに変えてしまうことだ。

作者のねらいはまだ分からないが、Palo Alto Networksのリポートによると、WireLurkerは、自分が書き換えたアプリの内部からさまざまな情報を盗むことが、判明した。中国で見つかったそのマルウェアは、Alibabaの、ユーザ数がとても多いTaobaoショッピングアプリやAliPay決済アプリをねらっている。そこには、そのスマートフォンオーナーのクレジットカード情報や銀行口座の情報がある。しかしそのセキュリティ企業(Palo Alto Networks)は、その手口は今回の特定のマルウェアだけに終わらない、Appleデバイスのマルウェアの、“新時代”の到来を告げるものだ、と言っている。

とりわけ、Palo Alto Networksによると、“ジェイルブレークされてないiOSデバイスにエンタプライズ環境から感染してサードパーティのアプリケーションをインストールする野放しのマルウェアは、これが初めて”、だそうだ。

同セキュリティ企業は、同社の製品でWireLurkerを防げると言っているが、しかし、いつでも最良のアドバイスは、サードパーティのソースからアプリケーションをダウンロードしないこと、そしてApple公認のUSBケーブルを使用することだ。前者は、サードパーティのアプリストアが非常に発達していて人気も高い中国では難しい。でも圧倒的に多いのはMacやiOSでなくAndroidのストアだけど。

Palo Alto Networksのリポートには、WireLurkerのような性格のマルウェアの被害を受けやすいエンタプライズ環境のAppleユーザのためのアドバイスもある。

アップデート: Appleによると同社は、中国で感染したアプリケーションに対して対策を講じた:

弊社は、中国のユーザをねらった有害なソフトウェアがダウンロードサイトから入手できることを承知している。そして弊社は、そのようなアプリケーションを見つけ次第ブロックし、それらが起動しないようにしている。いつものように弊社は、ユーザが、信頼されているソースからソフトウェアをダウンロードしインストールすることを、おすすめする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ジョニー・アイブは、デザインに没頭してAppleの決算数値を知らなかった


Appleのデザインリーダー、Jony Iveは昨夜(米国時間10/30)サンフランシスコの近代美術館で講演し、Appleのスマートウォッチのデザインに苦労したことを話した。Wall Street Journalが報じた。Apple Watchをデザインすることは、「困難かつ屈辱的」であり、それはウェアラブルに関する技術やデザインに対する消費者の期待のためだとIveは語ったが、おそらく最も興味深かった発言は、Appleの売上と利益に対する彼の無頓着さだった。

Iveは、Appleが他の問題に優先して製品デザインに力を入れていることを指摘し、製品が第一、利益は後からついてくる、という同社の精神は賞賛に値すると言いたげだった。その点を強調するように、IveはAppleが最近発表した2014年度の年間売上1830億ドル、利益400億ドルなどの具体的数値をよく知らないという驚きの告白をした。

「正直なところ、数字は知らないのです」とIveはWSJに答えた。「でも大きい数字であることは知っています」。

Iveが会社の財務状況について具体的知識がないと明言することは、CEO直轄の上級幹部としては異常な行動にも思えるが、この著名なデザイナーは製品デザインに集中していることで知られており、彼が財務状況にさほど興味を示していないという事実は、製品を利益に優先させるという同社の長年の信念を後押しするものであり、顧客は最高品質の製品デザインを手にすることができるというメッセージと言える。

もちろん、製品デザインに100%没頭して、金銭問題を気にせずにいられる贅沢は、好調な企業にのみ許される特権であり、Iveがデザインルームにこもっていられることは驚きではないかもしれない。

Apple Watchは来年早くにデビューの予定で、Appleはファッション業界でもこれを強く推進しており、Vogue誌の記事には写真が紹介され、パリのファッションウィークでもイベントを開催した。それはまた、大きくIveの肩にかかっているApple製品でもある。そのデザインセンスに向けられている注目の大きさと、ユーザーが1日の大半身につけることになるデバイスにおけるデザインの重要性を踏まえれば、当然だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook