日本のFPV Roboticsが水陸空のインフラ検査用ドローン「Waver」を発表

日本のスタートアップFPV Robotics は、ドローンテクノロジーを活用して世界中で増大するインフラ検査ニーズに対応する。予期せぬ橋の崩壊などの重大な問題を回避するため、老朽化し​​たインフラを検査するニーズが増えている。FPV RoboticsのCEO兼創業者である駒形政樹氏は、同社のドローン「Waver」を筆者に見せてくれた。WaverはラスベガスのCES 2020でデビューする。

水空両用ドローンであるWaverは、8つのローターを使ってフライトし、フロートを使用して水面上での移動速度を上げることもできる。この二面性が、限定された特定の問題の解決にとても適している。駒形氏は、JR(Japan Railways)が特定の問題を抱えていることに気づき、これを解決すべきだと考えた。

特定の問題とは、鉄道橋の崩壊だ。2011年に只見川の洪水で新潟と福島の複数の橋梁が損傷・崩壊した。JRの新幹線やローカル線を支える鉄道施設の大部分は古く、老朽化が進んでいる。気候変動の結果として頻度を増す自然災害により、損耗がさらに進む可能性がある。

FPV Roboticsは、老朽化したインフラを魔法のように修復したり、自然災害を防止したりすることはできないが、既存の方法に比べてコストを大幅に削減し、オンデマンドで柔軟なモニタリングと検査を可能にする。駒形氏は、JRそしてセンサー企業のOKIと提携してWaverを開発し、カスタム設計として水空両用能力とマルチビームセンサーアレイを加えた。

OKI提供のマルチビームテクノロジーはWaverの底部に設置され、ドローンが水面から川や海底を正確にマッピングできるソナーイメージング機能を提供する。得られた情報は、損傷や崩壊に至る前に、橋や道路などのインフラの交換・補強すべき時期の予測に役立つと駒形氏は言う。

Waverは、河床の所定領域を自律的にマッピングし、水を横切ってルンバのように移動しながら領域ごとの情報をつなげて全体像を構築する。また、平均的なVTOL(垂直離着陸型)ドローンより多い8つのローターが装備されているが、一度に複数のローターへの電力が失われても動作し続けることができるように、余裕を持たせていると駒形は述べた。

Waverは海と河床の検査に加え、地面に足場を伸ばして従来型カメラで橋自体を近距離から視覚的に検査できる。駒形氏は、このような複数の種類の検査には、専門のボート、何時間もの訓練を受けた人員、接近して目を近づけるための一時的な足場などが必要になると指摘する。同氏は、自社の研究に基づき、無人機によって検査コストを従来の方法のわずか20分の1まで削減できると推定する。コスト削減により、従来の方法では人間の検査官を危険にさらすような現場でも、より頻繁にモニターすることが可能になる。

FPVは、橋梁だけで年間約2500万ドル(約27億円)の市場規模と見込んでおり、2020年にはその約4%(約100万ドル=約1億900万円の売上高)を獲得し、翌2事業年度にわたり毎年約200万ドル(約2億2000万円)の増加を目指している。現在、ほとんど外部資金なしで運営されており、既存のシード資金である3070万円(30万ドル)の90%は駒形氏自身が拠出した。この資金で、同社はすでにプロトタイプ(この投稿に貼り付けた画像)から、CESでお披露目する洗練された製品バージョンに移行した。

ドローン開発を得意とするエンジニアである駒形氏は、Waverが日本だけでなく世界中の老朽化したインフラの課題に対応できると見込んでいるが、FPVの最初の焦点は日本の市場機会になると考えている。究極的に同氏が望むのは、FPV Roboticsが世に出すWaverなどのドローン技術が「世界をより良くする」ことに役に立つことだ。インフラ検査のような課題への取り組みは、その手始めとして申し分ない。

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(翻訳:Mizoguchi

ドローンが監視しながら飛び回る、Sunflowerのホームセキュリティシステム

2020年のCESで目を引く製品のひとつに、新しいタイプのホームセキュリティシステムがある。ドローンを使って家屋を見守り、ガーデンライトを模したセンサーと中央処理装置を合体させたものだ。

Sunflower Labs は、新製品のSunflower Home Awareness Systemを発表した。システムは、社名を冠したSunflower(ひまわり:移動・振動センサーで一見ふつうのガーデンライトだが近くに存在するクルマ、人間、動物などをリアルタイムでマップに表示する)、Bee(蜂:自身で発着する完全自動ドローンで、搭載カメラでライブストリーミングビデオを撮影する)、Hive(蜂の巣:Beeの充電ステーションで、コンポーネントが集めたデータをすべて処理する頭脳を格納している)の3つからなる。

空飛ぶロボットが所有地を監視しながら飛び回る様子は、少々ディストピア風で、複数のカメラとセンサーを配置すればもっと安く簡潔に同じことができるだろう。それでも、Sunflower Labは自社のセキュリティシステムを、「周囲に反応して学習」することで時間とともに改善されていくため、標準的なシステムの進化形だと考えている。

Beeは、従来型の受動的監視システムを補完するように作られており、所有地内で不審な行動が見つかったとき、必要に応じて出動して詳細情報とライブビデオを提供する。つまり、夜どこかでへんな音が聞こえた時、調べに行くための人を待機させておくのと似ている。

Sunflower Labsは2016年に設立され、General Catalystなどから資金提供を受け、サンフランシスコとスイス・チューリッヒにオフィスがある。システムは安くはないが、仕様を見れば驚きではない。価格は9950ドル(約110万円)からで、顧客のニーズに応じて変わる。現在予約受付中で、999ドル(約11万円)の前金が必要。最初の受注分が届けられるのは今年の中頃の予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

最大荷重約200kg、小型航空機のようなPykanoドローンで大農場の農薬散布を自動化する

現代の農業は、農地が圧倒的に広大なので、噴霧などの作業も非常に難しい。そこでPykaは、もっぱら人力に頼っていたその仕事を翼のある自動運転の電動航空機にやらせることにし、しかも規制当局からの認可まで取得した。

DroneSeedで見たように、噴霧などの作業を行うための飛行はとても危険だ。地表すれすれを飛ばなければならないし、しかも地面以外の障害物もある。しかしそれは、自動化に適した作業でもある。いくつかの飛行パターンを、何度も何度も繰り返す作業だからだ。

Pykaのやり方は、ドローンでよく行われている方法とは異なっている。ドローンを用いる場合、その方法は複数の回転翼による操縦のしやすさと離着陸の容易さを活かす傾向にあるが、しかしながら、ドローンは大農場に散布に必要な大量の農薬などを搭載できない(残念ながら)。

Pykaが作った航空機は、従来からある薬剤散布用の単座機に似ているが、コックピットがない。3枚のプロペラを持ち、内部スペースのほとんどは、荷物とバッテリーを搭載するために使われている(最大荷重約200kg)。もちろん自動飛行のために、一連のセンサーシステムとコンピューターも搭載している。

Pykaの平地離陸距離はわずか50メートルなので、わざわざ滑走路を作ったり、遠方から目的の農地までの長距離をフライトしてエネルギーを浪費することもない。面倒といえばバッテリーの交換だが、それは地上のクルーがやってくれる。地上クルーはフライトコースの決定も行うが、実際の飛行経路選択と一瞬の判断は搭載されたコンピューターが担当する。

人間の入力がなくても障害物を見分ける航跡の例

このEgretと呼ばれる飛行機の噴霧能力は、1時間約100エーカーで、ヘリコプターとほぼ同じだが、自動運転航空機なのでその精度は高く、より低空をフライトできる。難しい操縦を人間が行わないため、その点でも安全だ。

さらに重要なのは、国のお墨付きがあるということだろう。Pykaの主張によると、同社は世界で初めて、電動の大型自動操縦航空機の商用化を認められた企業だ。小型ドローンはあちこちで承認されているが、EgretはPiper Cubといった従来の小型航空機のサイズに近い。

ただし航空機だけに関してはそれで良いが、大規模展開については他の問題もある。航空管制や他の航空機との通信、それに関連した機体の認可条件、センサーの能力と回避能力の長距離化などがそれになる。しかしPykaのEgretは、これまでに試験農場で何千マイルもフライトしているため、特別に認可を取得することができた。なお、Pykaは同社のビジネスモデルや顧客、売り上げに関しては口をつぐんでいる。

同社の創業チーム、Michael Norcia(マイケル・ノルチャ)氏、Chuma Ogunwole(チュマ・オグンウォル)氏、Kyle Moore(カイル・ムーア)氏、そしてNathan White(ネイサン・ホワイト)氏らは、いずれも関連分野のさまざまな有名企業の出身。それらはCora、Kittyhawk、Joby Aviation、Google X、Waymo、Morgan Stanley(の元COO)などだ。

同社の1100万ドル(約12億円)のシードラウンドをPrime Movers Labがリードし、これにY Combinator、Greycroft、Data Collective、そしてBold Capital Partnersが参加した。

画像クレジット: Pyka

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VolocopterとJohn Deereが農業用自動散布ドローンを開発

自律飛行が可能なドローンを開発するスタートアップのVolocopter(ベロコプター)は、産業用および商業用の新しいドローンことVoloDroneの最初のパートナーとして、John Deere(ジョン・ディア)との提携を発表した。農業や産業用重機を開発する同社はVolocopterと協力し、VoloDroneをベースとした空中散布システムを開発する。

Voloctoperが先月末に発表したVoloDroneは、18個のローターを搭載し最大30分間の飛行が可能で、最大440ポンド(約200kg)の荷物を運ぶことができる。設定されたルートに沿って自律的に飛行するように設計されているが、必要に応じて手動での遠隔操作も可能だ。そしてJohn DeereはVoloDroneの貨物キャリアに装着できる、殺虫剤や化学肥料、凍結防止剤などを散布する噴霧器とタンクを開発する。両社はまた、空中からの作物の種の投下といった用途にも可能性を見出している。

Volocopterによると、VoloDroneはこれらの用途においてヘリコプターよりも正確かつより費用対効果の高い選択肢になる可能性があるという。同社はJohn Deereと協力して、次の農作物のシーズンでこれをテストし証明する予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

UPSとCVS、ドローンで処方薬を米住居に初配送

UPSはドローン配送プログラムにてパートナーのCVS Pharmacyと協力し、新たに展開する商用ドローンによって顧客の自宅に処方薬を配送する。11月1日には、UPSはMatternet(マターネット)と提携して開発したドローンシステムのM2を利用し、2人の顧客に医薬品を配送した。

UPSは10月初めにFAAから商用ドローンの飛行許可を得ており、今後数カ月でドローン配送プログラムを複数回実施し、規模を拡大しつつ商業的にドローンを展開できるようにする計画だ。同社はまた、ドローンの自動配送に特化した部門となるUPS Flight Forwardをローンチした。

今回の初期配達では、ノースカロライナ州ケアリーにあるCVS施設にて、薬剤師が処方した医薬品がドローに満載された。UPSの従業員が荷物をドローンに積み込むと、ドローンは店舗から近くの顧客の家まで自律的に飛行し、約20フィート(約6.1m)の高さから荷物を落下した。UPSによると、顧客の1人はCVSの店舗に足を運んで処方箋を受け取るのが難しい状況にあるという。

UPSが医療業界にドローンを導入するのは、今回が初めてではない。同社はノースカロライナ州ローリーのMattternetやWakeMed Hospital(ウェイクメッド病院、ノースカロライナ・ローリーにある大病院)と協力して、B2B分野での医療サンプルの商業配送を行っている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Volocopterが大型貨物輸送用ドローンのVoloDroneを発表

都市型エアモビリティー企業のVolocopter(ベロコプター)は、これまで文字どおり電動ドローンのビジネスの浮上に注力してきた。しかし今回ドイツのスタートアップは、パイロットなしに大量の荷物を輸送する新しい電動垂直離着陸機(eVTOL)を発表した。

新しいVolocopterのVoloDroneにはおなじみの王冠のようなローターがあり、同社の有人ドローンに使っているのと基本的に同じデザインだ。しかし、VoloDroneの機体は人間のためのものではなく、四角いプラットフォームで、下部に貨物をフックするためのアタッチメントと、2つの長いランディングスキッドがついている。

VoloDroneは、貨物コンテナの中の着陸ローターの間か、あるいはペイロードを保持するスリング、または同様の運搬機構により440ポンド(約200kg)まで持ち上げられる。1回の充電で35マイル(約56km)飛行でき、農業や公共インフラなど距離がそれほど問題にならない産業や、地上走行車を使って複雑な地形を進むような産業にサービスを提供できる。

Volocopterによると、新しい航空機はミュンヘン近郊を拠点とする専門チームによって開発されたもので、その設計はeVTOLが対象とする業界の戦略的パートナーとの作業によって決定されたという。VoloDroneは今月にも最初のデモ飛行を行っており、これは単なるコンセプトではない。

これは、Volocopterがドローンプラットフォームを目的にあわせてカスタマイズし、バリエーションを新しい分野に拡張する方法の良い例だ。同社が現在のテストとトライアルを超えて、持続可能で収益を生み出すビジネスを構築しようとしている今、これはおそらく重要な要素になるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Uber Eatsの配送ドローンの外観はこうなる

Uber(ウーバー)は、ドローンによるUber Eatsの配送計画の詳細を明らかにした。同社の計画によれば、年末までに最初のドローンモデルが飛行を開始する。

米国時間10月18日のForbes 30 under 30 Summitで発表されたUberのデザインは、2人向けの1食ぶんのメニューを運ぶように設計されている。可変翼に6つのローターを搭載し、垂直離着陸が可能で、積み下ろしを含めて最大8分間の飛行が可能だ。最大飛行距離は18マイル(約29km)で、往復の配送距離は12マイル(約19km)だ。

Uberが以前に発表したように、計画ではドローンですべての配送を実施するのではなく、その一部に利用される。顧客が注文するとレストランは料理を準備し、それをドローンに積み込む。そしてドローンは飛び立ち、事前に決められた着陸地点へと降り立つ。

また裏では、UberのElevate Cloud Systemsがドローンを追跡・誘導し、配達するドライバーにいつどこで食べ物を受け取るのかを通知する。将来的に、Uberは配達地点の近くに駐車したUberの車の上に、ドローンを着陸させることを考えている。その後、Uber Eatsのドライバーはラストワンマイルを移動し、顧客に食品を手渡す。

来年の夏以降、Uberはこのドローンをサンディエゴでの食事の配達に利用する予定だ。これは、同社がドローンのオペレーターやメーカーと提携して最初のテスト配達を行った後に実施される。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ドローンが子供たちの近くに墜落したことでスイスでの自律配送事業が中断

スイスでの配送ドローンの深刻な墜落事故によって、事業とパートナーシップが中断された。学校のすぐそばで発生したこの事故は、貨物搭載型自律飛行物体による破滅的な失敗の可能性を厳しく示した。

このドローンはスイスポスト(すなわち郵便サービス)とのパートナーシップによってMatternet(マターネット)が運営していたものだ。同社は優先的なケースにドローンを使って、ある医療センターからの検査サンプルを配送していた。ドローン配送の潜在的な可能性に関しては、言うまでもない。だがこれまでにこのドローンは2回事故を起こしている。1度目は軟着陸、そして今回の2度目はハードクラッシュだ。

1月に起きた最初の事故は、GPSハードウェアエラーによって引き起こされたものだ。このときはドローンは予め組み込まれていたエラー処理状態に移行し、緊急パラシュートを開いてゆっくり地上へと降下した。このときはGPSシステムを改善するための対策が講じられた。

しかし、5月に起きた2度目の事故では、ドローンは再びパラシュートを開こうとしたものの、どうしたことかパラシュートラインが切断されて地表に降下し、大勢の園児たちがいる場所からわずか150フィート(約46メートル)程の場所に墜落したのだ。被害を受けたものは誰もいなかったものの、これはサービスにとって、最悪の事態がかろうじて避けられたというものだった。単に機体が墜落しただけでなく、緊急システムも動作せず、しかも単に人がいる頭上で起きたのではなく、大勢の子供たちがいるすぐ頭上で起きた事故なのだ。この事故は前月報告書としてまとめられたが、広くは知られていない。

数百フィート(数百メートル)から落下する、合わせて12キログラム(約26ポンド)のドローンと搭載貨物は、容易に誰かに重症を負わせたり殺してしまう可能性がある。これこそが居住地や人の頭上を飛ぶことに関して極めて厳しい規制が存在しているいる理由なのだ。

当然ながら、この事故の後、運行は中止されている。そしてMatternetが、関連する様々な課題を解決できるまで、運行は再開されないだろう。たとえば、パラシュートラインがドローンの上でなにかによって切断されるようなことが、何故起き得たのかということだ。

米国でこのニュースを伝えたのはIEEE Spectrumだ。Matternetはこの件について次のように述べている。

私たちのドローンのパラシュートシステムが失敗したのは初めてです。報告書に述べられているように、飛行停止システムはドローンの仕様通りに起動されたのですが、パラシュートラインがその展開の最中に切断されてしまいました。

Matternetは、私たちの技術と運用の安全性をなによりも真剣に考えています。パラシュート安全機構システムの故障は容認できないものであり、私たちはそれに対処するために、あらゆる適切な措置を講じています。

スイスポストとMatternetはこの事故を受けて、このタイプのドローンも含む全ての運用を直ちに停止しました。私たちの専門家が事故を分析して適切な緩和策を提案しました、この案は現在FOCA(Federal Office of Civil Aviation:連邦民間航空局)によって評価されている最中です。運行が再開されるのは、Matternetとスイスポスト、FOCA、そしてスイスの病院のお客様たちが、適用された緩和策に満足したときになります。

ドローンによる配達は有望な分野だが、規制当局が検討する場合には、今回のような状況は良い材料とはならない。業界の明るい予想にもかかわらず、この飛行テクノロジーを証明するためにはまだやるべきことがたくさんある。3000回ほどの飛行のうち2回の失敗というのはあまり多いようには思えないかもしれないが、もしそのうちの1回が、あわや子供たちを巻き込みそうな事故だったということならば、業界全体を萎縮させかねないのだ。

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(翻訳:sako)

Parrotがローエンドのドローン事業から撤退しB2Bに専念

ParrotはAR.DroneをCES 2010で発表した。DJIのPhantom 1より3年早かった。一見すると、Bluetoothのスピーカーやヘッドセットを作っていた企業には似合わないとも思われたが、同社はその後何年もドローンという成長分野で独自の地位を確保した。

2年前にこのフランスの企業は、消費者向けの製品から別の製品に移行する、と発表した。その後徐々に業績は縮小し、今週Wirecutterの記事によると、同社はトイ(超小型)ドローンを捨てることになった。

Mambo FlyのスタッフライターであるSigne Brewster氏は以下のように伝えている。

明らかに、中国のDJIの市場での強さに負けて、同社はAnafi以外のドローンをすべて閉鎖するのだ。その系統はDJIのMavicに酷似しているが、Parrotは折りたたみ式のクワッドコプターをエンタープライズのユーザーに向ける。4月にTechCrunchが書いたように、感熱カメラFlirを加えたことからは、建設労働者や消防士などを対象にしていることが分かる。

消費者やホビイスト向けのドローン市場はまだ成長を続けているが、近年その市場はDJIが完全に支配した。もちろんDJIもパワーアップしたMavicや、積載量の大きいMatriceやInspireでB2B市場にも取り組んでいる。

それらの製品は、消毒液の散布や、捜索、救助など、いろんな仕事に利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

DJIがエンタープライズ向けのドローン搭載用コンピューターを発表

DJIは米国時間5月28日、最新バージョンとなるドローン用のオンボードコンピューター「Manifold 2」を発表した。第2世代となるこのデバイスは、研究から日常的な検査まで、さまざまなエンタープライズ向け用途にプログラムが可能だ。

Manifold 2はIntel(インテル)のCore i7か、Nvidia(エヌビディア)のJetson TX2を搭載し、DJIのドローン「Matrice 210」「Matrice 600シリーズ」の内蔵センサーと統合される。またUSBやUART、CANといったさまざまなポートを搭載し、ユーザーは処理性能向上のために複数のデバイスを接続することが可能だ。

このシステムは基本的に、ドローンに数多くの必要な処理を任せ、リアルタイムでのデータや画像処理といった複雑なタスクを可能にする。また、障害物を避けるようにシステムをプログラムしたり、あるいはアクセスできない場所を自律的に飛行する事もできる。

このシステムはDJIのサイトから、インテルバージョンが1379ドル(約15万円)、Nvidiaバージョンが1099ドル(約12万円)にて入手可能。これは既成品のドローンをより活用したいと考える企業にとって、魅力的な提案だ。また、日常的な検査や高所での退屈、あるいは危険な作業のための技術が必要になるにつれ、より重要度の増すカテゴリとなるだろう。

すべての企業がカスタムドローンをソリューションを開発するノウハウを持っているわけではないので、多くの企業がDJIによりアクセスしやすいソリューションを求めていることは間違いない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google系のWingがドローン配達にてFAA認可を取得

GoogleのX Labから誕生したドローン配達スタートアップのWing Aviationは、FAA(連邦通信委員会)から初めて商品の商業配達に関する認可を受けた。ドローンがブリトーを配達する日は、そう遠くないはずだ。

Wingはここ数年間テストを続けており、数千回の飛行をくり返す中で、ドローン配達の安全性と効率性を実証してきた。その多くは、初めて同社の商業配達が実施されたオーストラリアのキャンベラ郊外で実施された。また、フィンランドなど他の数カ国でもプロジェクトが進められている。

Wingの初のオペレーションはヴァージニア州のブラックスバーグとクリスティアンバーグにて、連邦政府と自治体の協力の元で年内に開始される。FAAの認可だけでは、一般向けのドローン配達は実施できないのだ。

FAAのリリースには、「Wingは食品の配達を始める前に、地域のコミュニティとコンタクトを取りフィードバックを集め、将来のオペレーションを告知する」と記載されている。これは、自分の空域を騒音を立てる小さな航空機が通過するかどうかを選択できる、という意味だ。

今回の申請では渋滞時にもすばやく食事を配達できることになるが、それ以外にもさまざまな計画がある。例えば救急救命士が迅速に医療品を配達したり、あるいは医療機関同士で輸血用の血液を輸送する、などが想定されている。

現在TechCrunchはWingの計画について問い合わせており、詳細がわかり次第記事をアップデートする予定だ。

 

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

自律飛行するカメラ付きドローンHover 2がKickstarterで快調

最初のHoverから二年後に、Zero Zero Roboticsがその続編を持って帰ってきた。2016年にはシリーズAで2500万ドルを調達したが、今回はKickstarterのクラウドファンディングで、その自律飛行ドローンの最新バージョンは10万ドルを目指している〔日本時間11/15 17時現在ですでに37万ドル近く集まっている〕。

そのHover 2の発売は2019年4月発売を目指しており、障害物回避や視覚追跡機能、および内部機構の一部がアップデートされている。プロセッサーは、新しいSnapdragonが載っている。

二軸ジンバルにより画像の安定を図り、スムーズな撮影を目指している。カメラは4Kビデオと12mpの写真を撮れる。いろんな撮影モデルをオンボードで用意し、映画にヒントを得たフィルターや音楽もある。電池は一回の充電で23分の撮影が可能だ。

もちろん、Hoverの第一の競合機種DJIのMavic系列は、2016年のProのローンチ以来、さまざまなカテゴリーで大きくリードしている。つまり、競走は相当厳しい。Parrotですら、ビデオ撮影に特化したAmafi系列を本気で売ろうとしている。

初期の出資者の手に399ドルで渡るHover 2は、ハンドヘルドのDJI Sparkとほぼ同じ価格だ。価格には、小さなハンドヘルド(手持ち)のリモコンが含まれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Lockheed Martinがドローンレースのチームと組んでAI自律ドローンの勝利に懸賞

Lockheed MartinDrone Racing League(DRL)が協力して、操縦者のいないドローンを今よりもずっとお利口にしようとしている。商用ドローンをAI化するそのプロジェクトは、“自律航行のドローンが人間が操縦するドローンとレースをして勝つこと”、を目指している。

今日(米国時間9/5)サンフランシスコで行われたTechCrunch Disruptで、Lockheed MartinのCTO Keoki Jacksonが、優勝者の賞金は200万ドル、と発表した。

“Lockheed Martinでは、ドローンに高度なAIを搭載して、これまで不可能だった困難な仕事をやらせることを目指している。それらは、山火事の消火や、自然災害における人命救助、深宇宙の最深部の探検などだ”、とJacksonは語る。“そこで今回は次世代のAIイノベーターたちを招待して、弊社のAlphaPilot Innovation Challengeに挑戦していただきたい。参加者たちは、自律航行とAIの未来を定義する役割を担い、世界がその将来性ある技術を利用して、より明るい未来を構築できるだろう”。

参加者はドローンのAI部にNVIDIAのJetson組み込みモジュールを使用し、しかもそのドローンは、“事前のプログラミング不要、人間の介入不要”でなければならない。レースのコースは、三次元的である。人間が操縦するDRLのドローンに“ドローンの知能テスト”でも勝つと、さらに25万ドルをもらえる。それは、アマチュアのドローン対、Lockheedの知識量の多いドローンプログラムとの勝負だ。

Lockheed Martinは今回、Drone Racing Leagueと協働して、未来のドローンレースにAIを持ち込もうとしている。目標は、人間操縦士よりも上手に飛べる自律ドローンを作ることだ。

懸賞の詳細はここにあり、レースは11月に行われる。

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イギリスでドローン利用の年齢制限案、高齢者ではなくて子ども

爆発的に増えることがほぼ確実な、ドローンの消費者利用備えて、イギリスでは早くもドローンの規制が検討されている。その、山ほどある提案の中には、年齢制限がある。それは、18歳未満には重さ0.55ポンド(約250グラム)以上のドローンの使用を禁ずる、というものだ。

18歳は、飛行機やヘリコプターの操縦免許の下限より3つ若い。ただしその提案では、大人が付き添っていれば子どもでもドローンを飛ばせる、となっている。

これらの提案はアメリカにはすでにある法律に見倣っているが、アメリカの場合はドローンを登録制にするというFAAの案が今だに賛否両論の渦中にある。イギリスでもいくつかの規制はすでにあり、たとえば消費者が利用するドローンの最高高度は400フィート(約122メートル)、空港の近傍は飛行禁止、となっている。

また、特定のイベントや場所ではドローン撃退技術を使ってもよい、という規制提案もある。その場合、前もって飛行計画を申請登録し許可されたドローンは、撃退されない。もちろん、さまざまなドローン普及/愛好団体は、これに反発している。あって当たり前のような規制案もある中で、年齢制限は行き過ぎであり、反生産的だ、との意見もある。

イギリスの、遠隔操縦航空機システム協会(Association of Remotely Piloted Aircraft Systems)のGabin Wishartが、BBCで語っている: “ドローンの安全で責任ある利用を推進する必要があるが、しかしドローンの未来を担う子どもたちがドローンに触れてそれを利用できることも重要である。ドローン産業は未来の経済の大きな一部になると予想されるから、子どもたちにその探求を禁じてはならない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

見よ、Ehangの有人ドローンが実際に飛ぶところを

CES 2016(2年前)に来場した多くの人たちと同じく、われわれはEhang 184に魅了された。この有人ドローンはスマートフォンと大画面テレビばかりの会場で際立っていた。しかし巨大なクワッドコプターは、大きな文鎮と粗末な合成ビデオでしか見ることができなかった。

しかし今日(米国時間2/5)同社は、ドローンが実際に人を載せて飛ぶ様子を見せるかなり魅力的なビデオを披露した。リリース文によると、同社は40人の乗客でテストをしておりCEOのHuazhi Huや、テスト飛行が行われた中国広州のWang Dong市長も乗ったという。

同社はこれまでの4年間に「数千回のテスト飛行」を行ったと言っているが、このビデオはドローンが実際に動作することを示す初めての証拠だ。

製品化の予定についての言及はない。販売する国の規制によるところもあるだろう。昨年の今頃、 UAEのドバイは、タクシーにドローンを使って渋滞を緩和する計画を発表した。当時の予定では「早ければ[昨年の]夏」にはスタートするという楽観的な見通しだった。

もちろん、小さな飛行体を都市の上空で飛ばすためには最大限の注意を払う必要がある。「有人飛行テストを行うことで、われわれの乗り物の安全性と安定性を立証できる。これはエクストリーム・スポーツではないので、乗客の安全は常に最優先される」とリリース文でHuは語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オーストラリアの海岸沖でドローンが人命救助

いつかは敵になる日が来るかもしれないが、まだ彼らはまだ私たちの味方だ。オーストラリアのニューサウスウェールズで、海岸沖を泳いでいた2人のティーンエージャーをドローンが救った。約800メートル沖で助けを求めていた二人を見つけたドローンは、救命器具を落下させて彼らにつかまらせた(Verge発)。

実はこのドローンはまだ誰かを助けるはずではなかった —— その有用性を検証するためのパイロットテスト中だった。しかしSydney Morning Herald紙によると、救助要請があったときたまたま近くにドローンがあったためすぐに対応することができた。

ドローンのパイロットは、ニューサウスウェールズのベテランのライフガードで、現地を特定し、1~2分のうちにドローンで救命器具を届けた。生身のライフガードが急行するより少なくとも数分早かった。

この訓練は、”Little Ripper”と呼ばれるドローンにライフガードスタッフを慣れさせる目的で行われていたもので、サメに襲われるリスクを軽減するための政府計画の一環だ。今回海水浴客を救助できたのは偶然だったが、1600万ドルの政府プログラムの有効性を立証するのに役立つ幸運な偶然だった。

そして、ドローンが時には良いものであることを思い出させる出来事でもあった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AIが操縦するドローンにレースで柔軟機敏に反応できる人間パイロットが勝った

人間にできることなら何でも、AIの方が上手にできる。最後には。

10月12日に行われたNASAのデモで、AIが操縦するレース用ドローンが有名なドローンパイロットKen Looと対戦した。

NASAのJet Propulsion Laboratory(ジエット推力研究所)の研究者たちは、Googleが研究資金を提供したドローンの自律飛行をこの2年間研究し、障害物を避けながら高速で飛ぶ三機のドローンを完成させた。いずれも、自分の視力としてカメラを搭載している。

三機のドローンはBatman, Joker, Nightwingと名付けられ、AIを3D空間にマップするGoogleのTango技術を組み込んだアルゴリズムを使用した。

それらのドローンは、直線飛行では最高時速130キロメートルだが、曲がりくねったテストコースでは時速65キロメートルが精一杯だった。

NASAのプレスリリースは、自律ドローンと人間パイロットの長短を論じている。AIが操縦するドローンはより堅実な飛行をするが、より慎重でもあり、高速時にはモーションブラーが問題になることもあった。一方、人間のLooは、数回の周航でコースをおぼえ、自律ドローンよりもずっと機敏に飛行できたが、疲労の影響が現れた。

“これまでの中で、断然最高に難しいコースだった”、とLooはプレスリリースで言っている。“パイロットとしてのぼくの欠点は、疲れやすいことだ。頭が疲れると、すでに10回も飛んでいるコースでも、間違えてしまう”。

最初のうちは、AIも人間も同じぐらいのラップタイムだったが、徐々にLooとの差は開き、最後には人間が勝利した。

今回の結論としては、自律ドローンは観測監視や緊急時対応などには使えそうだ。倉庫で在庫を調べるのも、向いているだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

啄木鳥(きつつき)のように垂直面にとまれる固定翼ドローンをシャーブルック大の連中が開発

Multimodal Autonomous Drone(S-MAD)(複数の飛行モードのある自律ドローン)は、鳥のように飛べる隠しワザを持っている固定翼のドローンだ。たとえば、屋内や広い空間でグライダーのように飛べるが、しかし垂直な面(壁)に近づくと、歯のようなものを壁に引っ掛けて停止する。これは、あの悪夢のようなBig Dogといい勝負の、世界でもっともキモいロボットである。

S-MADは、マイクロスパイン(microspines, 小さなとげ状突起)と呼ばれるものを使って、自分を粗い面にくっつける。そのとげ状突起は鋼鉄製のスパイクで、それが面の突き出た部分やふくらんだ部分を二方向からつかむ。スタンフォード大学の研究者Hao Jiangは、こう説明している:

“マイクロスパインの二方向からつかむやり方は、人間の手が飲み物のボトルをつかむときと同じだが、人間の手は指を大きく曲げてオブジェクトに巻きつけるのに対し、マイクロスパインは粗い面の微小構造に食い込んで、面のふくらみや凹(へこ)みをつかまえる”。

こういうとげ状突起は、多回転翼のドローンではすでに使われているが、固定翼のデバイスで使われるのはこれが初めてだ。この飛行機は、垂直な粗い面への着陸に失敗したことはまだ一度もなく、それは、こんなドローンにしてはすごいことだ。

この飛行機は、マイクロスパインを利用して壁に平らに張り付き、鳥のようにとまることができる。そしてデータを集めたり、環境をスキャンしたりするだろう。そして帰還の用意ができたら、スパインと翼を開いて大空に飛び立つ。シャーブルック大学の研究員Dino Mehanovic, John Bass, Thomas Courteau, David Rancourt, Alexis Lussier Desbiensらはスパインを固定翼ドローンに付けることを決め、飛行機を空中に静止させ、垂直面にしがみつかせる新しい方法を発明しなければならなかった。鳥なら、簡単にやることなのにね。 彼らのそのシステムは、飛行機を一瞬だけヘリコプターに換えて、壁に張り付くようにした。以下は、Spectrumの記事の一部だ:

これには、いくつかのトリックがある。最初のトリックは、ピッチアップ(機首上げ)作戦だ。それにより固定翼機が一時的にヘリコプターのようなものになり、プロペラだけから浮力を得て(推力重量比1.5)、翼はトルクをキャンセルするに十分な制御面を提供する〔翼がブレーキになる〕。以上により、この無人機は、所望の遅さで(レーザーレンジファインダーで見つけた)壁に接近できる。それによって得られる第二のトリックは、“適切なタッチダウン条件ゾーン”の最大化、である。すなわち接近が十分に遅くて安定しているので、感知能力のある小さなハードウェアで確実に壁にとまれる。そして第三のトリックは、とまり木システムだ。それは脚とマイクロスパインから成り、飛行機の動きにわずかな誤差があっても確実に壁にとまれるだけの柔軟性を確保している。

 

これはもちろん、まだ概念実証にすぎないが、長距離の滑空が恒久的な‘縦とまり’で終わり、そこで高所におけるデータ収集を継続する実用シナリオがありえる。そのデータ収集が終わったら飛行機は壁や崖などの面から外れて、自力で帰還する。空高く舞い上がり、自分の家に向かって滑空するのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

救急車が入れない僻地災害地などに細動除去器を運ぶドローンをロシアの産学協同で開発

モスクワ工科大学のロシア人科学者たちが考えた、このドローンの有効利用技術では、細動除去器(defibrillator, AEDなど)をドローンに搭載して飛ばし、心肺蘇生処置を必要としている遠隔地の人を助ける。

いわば空飛ぶ救急車だが、ヘリなどに比べるとずっと安上がりだ。

このプロジェクトはモスクワ工科大学の航空宇宙研究所と、ロシアの医療機器企業Altomedikaのコラボレーションだ。

ドローンの救急利用は、オランダの設計者による2014年のプロトタイプあたりからある。しかし細動除去器を専用のドローンで遠隔の患者に送ることより重要なのは、それを一般的な市販製品にして、現存の救急体制が実際に導入し利用すること、そして、遠隔地に飛ばすにあたって安全性の基準が満たされることだ。

このロシアのドローンは最大飛行距離が50キロメートルで、最大荷重が3キログラムだ。設計者たちは、“コンパクトなサイズ”であることと、AEDの輸送にかぎらず、用途が多様であることを誇っている。

“操縦者のコントロールのもとに、このドローンは細動除去器を迅速に空輸できる。また手動操作ほかに、自動飛行もできる”、とチームは言っている。

ただしもちろん、着陸地点にはその機器を操作して蘇生処置のできる人間がいなければならない。あるいは未経験者に音声で使用インストラクションを手取り足取り教えることができる場合もある。

“細動除去器は患者の心電図を分析し、医師のためにデータを保存し、必要な場合には心肺蘇生処置の国際的な推奨手順に従って一連の放電を行う”、とチームは説明している。

チームのスポークスパーソンによると、ドローンは至近の救急車や救急センターから飛ばす。その方が、救急車が行くよりもはやい、という。

“最初に採用してくれる機関は、ロシア緊急事態省とロシア連邦保健省だろう”、と彼は言う。

彼曰く、このドローンは一般の輸送用、とくに荷物の配達にも使える。ただし最大積載は3キログラムだが。

“救急目的に限定しても、細動除去器のほかに医薬品や生体適合物質なども運べるし、カメラとスピーカーホンを載せれば医療相談などもできる”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このFlyTrexのドローンはビールを運ぶ

商品がドローンで届けられる未来はそう遠くない。

Amazonを始めとする巨人たちがドローン配達に取り組む中、規制のハードルを越えることができれば、ライバルたちも市場に参入するだろう。

そこでFlyTrexの登場だ。

本誌はテルアビブにある同社を訪問した。企業が自社製品をドローンで配達するために必要なハードウェアからソフトウェアまで提供するオールインワンの会社だ。

FlyTrex Muleは、小型冷蔵庫くらいの大きさのオクトコプター(8軸ドローン)で、最大2.7 kgの荷物を積載できる。これはChipotleのブリトー4本分に相当する。時速約72 kmで約22 kmを飛ぶことができる。

つまり、SeamlessやPostmatesに食料品を配達してもらうやり方は今後数年で全く違う体験になる。食料品だけではない。CEO・共同ファウンダーのYariv Bashは、Amazonが配達する荷物の大部分(80%以上)は2.7 kg以下だと言っている。

できるだけ効率を高めるために、FlyTrexはドローンを着陸させず、ケーブルに結び付けたバッグに入れて商品を届ける。目的地 ―― FlyTrexの配達先は個人の住宅 ―― に着くと、ドローンはケーブルを使って荷物を降ろす。荷物は自動的にケーブルから外れる。

ドローンが去った後にはビールの4本パックが残される(私の場合)。

FlyTrexは離陸と距離ベースで企業から料金を取る。企業はFlyTrex APIを通じてドローンによる配達を管理できる。

FlyTrexはプロジェクトの詳細を公表していないが、来年のうちに未発表の「都市環境」で荷物の配達を始めるべく、郵便事業者と交渉を進めている。

私たちは、未来を生きている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook