WalmartがAmazon Primeに対抗して“2日以内に配達”のテストを開始

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Walmartが昨年、Amazon Prime対策としてベータで立ち上げた、品物が三日で届くサービスShippingPassに、重要な変化を加えた。すなわち今朝(米国時間5/12)同社は、三日を二日に短縮する、と発表した。これでこのサービスは、Amazonの特別会員制の配達サービスと、より互角に競争できることになった。

これはWalmartとしては興味深い動きで、ShippingPassの最初の考え方は、通常の配達よりも早いがAmazon Primeほど早くはない、というものだった。その利点は、特別配達のコストが、当日や翌日を謳うPrimeより低いことだ。

WalmartのShippingPassの年会費は、Amazon Primeの99ドルのほぼ半額49ドルだ(最初の50ドルを値下げ)。それで、配達はPrimeより一日遅くなる。

しかしこれからは二日待つだけだから、Primeと同じになる。

Amazon Primeには早期配達以外に音楽やビデオなどさまざまなサービスがあるが、WalmartのShippingPassサービスは、早期配達のみで、ほかは何もない。

しかしWalmartに言わせると、フルフィルメントのインフラストラクチャがAmazonより優れているので、早期配達を低コストで行える。そこが、Amazonにない利点だそうだ。

この早期配達サービスの対象となるのは、同社Webサイトで買える約700万点の商品のうち、100万あまりだ。今後いくらでも、対象拡大の余地がありそうだ。

ShippingPassのアイテムは、顧客に2日以内で配達される。最少購入額の要件はなく、返品は手数料無料だ。

ShippingPassについて、現在の会員数や売上など、詳細はまだ公表されていない。

ShippingPassまだ一般的に可利用ではないが、ここで登録すると、パイロット事業への待ち行列に並ぶことができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

楽天が日本のドローンメーカーに投資し、まずゴルフコース上への飲み物配達でドローン利用をテスト

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日本のRakuten(楽天)がAmazonやAlibabaに続いてドローンを利用するeコマース大手の仲間入りをする。この東京の企業は日本の最大手のインターネット商業企業だが、今週はドローンメーカーへの投資と、ゴルフ場というあまり条件の良くない場所で実践試験を行う計画を発表した。

Rakutenによると、同社が投資ラウンドに参加する企業はAutonomous Control Systems Laboratory(ACSL)で、産業用のロボットやドローンを作っている日本の企業だ。ACSLは2013年に千葉大学からスピンアウトし、同社が’Mini Surveyor’と呼ぶドローンを、測量や空からの査察、モニタリングなど用に提供している。最近では、消費者向けドローンで最大手だった中国のDJIも、今後の大きな成長が望める産業部門に進出し、Sonyもやはり同じ方向を向いている

RakutenはACSLの株の20%を持つことになるが、投資額は明らかでない(公表しない)。しかし声明文は、“両者は協働して、産業用ドローンの利用においてお互いの強みを活かし、日本起源の技術とサービスで社会にイノベーションを提供していきたい”、と言っている。

しかし、その最初のテストが行われる場所は、産業とは無縁なところのようだ。NHKの報道によると両社は、千葉のゴルフコースでプレイしているゴルファーたちに飲み物やボールなどを届ける実証テストを行う。つまり、ゴルファーが自分のスマートフォンのアプリから飲み物や軽食などをオーダーすると、クラブハウスから飛び立ったドローンがコース上にそれらを届けるのだ。

これは、顧客への荷物の配達にドローンを使おうとしているAmazonやAlibabaとはかなり違うやり方だ。Alibabaは昨年、三日間のパイロットをやり、Amazonは2013年から‘Prime Air’を実験してきた。昨年Amazonは使用するドローンをアップデートし、最初のドローンよりも大型で、しかもドローンと通常の飛行機のハイブリッドのようなデザインになった。

Rakutenのドローンへの関心は、同社が発表した成長のための新戦略がその下地にあるようだ。その戦略の一環として同社は東南アジアのeコマースマーケットプレースを閉鎖し、同社が全世界的に保有する資産の内3億ドルあまりを償却した。

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AmazonがBoeing 767輸送機を20機リースして配送をスピードアップ

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Amazonのロジスティクスが、でっかい一歩で前進。北米地区の配送用にBoeing 767の一群をリースしたのだ。航空貨物輸送企業のAir Transport Services Group (ATSG)によると、Amazonは同社の航空機20機を5〜7年リースすることに合意した。

この発表は、Amazonが自社の輸送機を運用したがっている、という昨年晩くの報道を確認する。それによりフルフィルメント業務をFedEx, USPS, UPSなどのサードパーティのロジスティクスプロバイダから自己のコントロール下へ移して、経費を節約し、さらに可能性としては配送の大幅な遅れを防ぐ

ATSGによると、合意の詳細はSECに提出する文書で公表する。Seattle Timesの12月の記事によると、専用輸送機Boeing 767Fの月額リース料金は約60〜70万ドル、旅客機を改装した機では30万ドル強だ。Amazonの配送コストは2014年に87億ドル、2013年から31%増加しているが、航空機を自前で持てばかなりの節約が期待される。

Viceの記事によると、AmazonはすでにATSGとパイロット事業を行っている。それは、航空貨物を、ATSGの本社のあるオハイオ州ウィルミントンから、ペンシルベニア州アレンタウンやフロリダ州タンパ、カリフォルニア州オークランド、およびカナダのオンタリオの空港へ運ぶ、という内容だった。

合衆国におけるAmazonのロジスティクス自前化努力としてはほかにも、自社保有トレーラートラックの隊列ドローンによる配送の実験などがある。

Amazonも今や、ほかのeコマース企業や、Instacartのようなオンデマンド企業との競争圧力が大きいから、Amazon PrimeやAmazon Freshなどのサービスを通じて、お客さんに極端に早い配送を約束することが必須の要件になっている。

同社は、国際的ロジスティクスでも忙しい。1月には同社の中国の子会社が、他企業のための海上貨物輸送の免許を獲得した。これで、同社のプラットホームを利用している中国の商業者が合衆国へパッケージを送るのが、容易になる。

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PayPal、Q4売上17%アップで株価は6%高

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水曜日(米国時間1/27)の取引終了後、PayPalは四半期決算を発表し、株価は時間外取引で6%急騰した。

支払いサービスの同社は20億ドルの株式再購入プログラムを承認し、売上、利益共に同社の年間予測を上回った。

PayPalの第4四半期調整後売上は25.6億ドル、対前年比17%増だった。調整後純利益は4.43億ドル、1株当たり36セントで、前年同期から27%伸びた。Thomson Reutersが集計したアナリスト予測は、1株当たり利益35セント、売上25.1億ドルだった。

昨年7月にeBayを離脱したPayPalは、昨夏の最高値から22%下落した。PayPalはeBayより会社として大きく、時価総額は390億ドルで、eBayは320億ドル。

PayPalを一昔前のデジタル支払い会社と見る人々も一部にいるが、UberからAirbnbまで様々なアプリで使われているモバイル支払いシステムであるBraintreeがPayPal傘下であることは知らないことが多い。言い換えれば、あなたがUberを使うたびに、PayPalは儲けている!

PayPalは、ミレニアル世代で非常に人気のピアツーピアモバイル支払いアプリ、Venmoのオーナーでもある。Venmoは収益化に関しては殆どできていないが44こうした取り組みを拡大中だ。

とはいえ、デジタル支払いの競争は激しく、Apple、Square、Androidがこの分野をリードしている。

Monness Crespi Hardtのアナリスト、James Cakmakは月曜日に研究メモで「PayPalの競合らははるかに希薄な基盤で動いているので、同社は著しく効率よく運営することができると私は考えている」と書いている。

水曜日の投資家向け電話会見で、PayPal CEOのDan Schumanは「支払いサービスは理解が難しいビジネスだ。最大のライバルはわれわれ自身のゲームプランを実行することだ」と語った。

PayPalは昨年Xoomも買収 した。海外送金に特化した会社だ。

PayPalは水曜日に31.59ドルで引けた。

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5年後になくなっているもの5つ

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【編集部注:本稿の筆者、Tom GonserDocuSignの最高戦略責任者。】

わずか5年前、世界はまったく違う場所だった。2010年、iPadはデビューしたばかり、Kickstarterは資金調達の様相を変えることになる新しい形のベンチャーキャピタリズムを生み出し、Squareはどんな規模の売り手でもモバイル端末にカードを通すだけで支払いを受け取れるようにした。後戻りはしていない。

次の5年間で、現在想像もしていない製品やサービスが出てくることは間違いない。しかし、前進するにつれてなくなるものはなんだろう?今使っているもので、新しい革新やテクノロジーや方法によって破壊され、完全になくなったり絶滅寸前になるであろうものをいくつか紹介する。

現金、小切手帳、クレジットカード、およびATM:デジタル財布の中には何がある?

いまやSquareによって、あらゆる売り手がデビットカードやクレジットカードを受け入れられる。Venmoを使えば、友達と夕食の支払いをテキストメッセージを通じて割り勘できる。まもなく、あらゆる銀行取引がどんなモバイル端末ででもできるようになる ー 車からでも。連邦準備制度によると、米国全体の小切手利用は、2000年から2012年で57%減った。

35歳以下の消費者の94%がオンライン銀行を利用し、その20%以上が紙の小切手を書いて支払いをしたことがない、とFirst Dataのレポート、The Unbanked Generationは書いている。ヨーロッパでは、小切手を書こうとすると、異常な人間かのような目でみられる。家賃は、小切手を使う最後の大きな砦かもしれないが、それでさえ大家が電子支払いに切り替え、モバイル支払いが益々簡単になるにつれ減少している。

もう一つ:もっと先の未来には、現金がなくなる。現金がないことは現金マシンがなくなることを意味している ー バイバイ、ATM。

USBメモリー:物理メディアはあと何年?

2020年には、世界の70%がスマートフォンを使っていると、 Ericssonのモバイル報告書は言っている。 モバイル通信ネットワークが人口の90%をカバーする。Apple、Box、Dropbox、Google、Microsoftなどのクラウドサービスがほぼ無限のストレージをほぼ無料で提供するようになり、ポケットの中でストレージデバイスが場所を占める理由はほとんどなくなる。モバイル端末の標準ストレージサイズが次の5年で増加するのはもちろんだ。

世界中のイベント主催者は、カンファレンス参加者への記念品に何か新しいグッズを考える必要がある。USBはアナログ時代の象徴になるだろう。

より簡単で安全なアクセス:パスワードや鍵はなくなる

これは想像しにくいだろう。パスワードは今日非常に広く使われているのだから。平均的な人で、パスワードを19個を持っていると言われている ー そして半分近くの人が安全でない弱いパスワードを使っていると認めている。しかし、たとえあなたが絶対に強力なパスワードしか使わないとしても ー おわかりかな ー やはり破られる

まず今の生活にある旧テクノロジーのがらくたを捨てててスタートを切ろう。

生体認証はすでに主流になりつつあり、特にモバイル端末ではわれわれのオンライン活動の多くで主要な入り口となっている。指紋、音声、顔認識が、最初の犬の名前や結婚記念日に変わって安全なアクセス方法になるだろう。それぞれにセキュリティーのリスクはあるが、文字パスワードはなくなるだろう。

同様に、物理的な鍵を失くす心配もなくなる。これからはいつも持ち歩いてるスマート端末が鍵になり、生体認証と組み合わせることによって、持ち主だけが使用できる。

これがなくなって悲しむ人は誰もいない:リモコン

ソファーのクッションをひっくり返してあの見つけにくいリモコン(ホームオーディオやビデオシステムの設定によっては10台かもしれない)を探すことはなくなる。

調査会社のStrategy Analyticsは、モノのインターネット(IoT)、スマートホーム、およびウェアラブルに出現する新たなカテゴリーによって、2020年までに176億台のデバイスが新しくつながるようになる、と予測している。現在でも、Amazon Echoなどのデバイスは、音声による検索とコマンドを新たなレベルに引き上げている。2020年には大量の新しいデバイスがインターネットにつながることによって、単体のハードウェアとしてのリモコンは意味をなさなくなる。

静的文書および紙の契約書

紙ベースの署名と紙ベースの手続き ー 取引を完了させるのに必要な物理的印刷、FAX、スキャン、あるいは承認、決定、署名のための配達便 ー は、今日のデジタル世界では急速に陳腐化しつつある。将来は、あらゆる取引が「クラウド契約」によってアクティブに管理されるようになる。

クラウド契約は:当事者たちの身元を(永久)に結びつけ、契約条件が満たされたら支払いを行い、必要な時期が来たら自発的に契約担当者と接触する。

不動産、金融サービス、保険、ハイテク、および医療企業は 予算を縛られた政府機関さえも ー クラウドコンピューティングを導入して、効率を高め、コストを下げ、エンドユーザー体験を改善している。もうすぐ、契約の管理方法は大きく変わるだろう。

新年の抱負を考えるときは、まず今の生活にある旧テクノロジーのがらくたを捨てて、デジタル新年のスタートを切ろう。たしかにまだ時間はある。しかし、これだけ魅力的なテクノロジー破壊が起きているのに、待つ必要はない。

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クールな暗号通貨コンバーター、ShapeShiftが160万ドルを調達

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Clamsが欲しいって? それともNucoin? ShapeShift.ioが助けてくれる。このやたらに単純なシステムは、万人が使える匿名仮想通貨コンバーターで、bitcoinのパイオニアの一人、Erik Voorheesが作った。しくみは? 任意の仮想通貨を選び ― 例えばLitecoin ― 入金アドレスを指定する。次に別の通貨を ― 例えばBitcoin ― 入金ウォレットに入金する。システムが通貨を自動的に変換し、ユーザーが個人情報を登録する必要はない。

なぜこれをやりたいか? つまりはサイトによって便利な通貨が違うからだ ― Clamsはゲームサイトでよく使われているが、NuBitsはドルに連動しているため揮発性が低い。こうした異なる通貨の間で両替するには個人情報が必要ないため、どんな通貨も瞬時にBTCに両替できる。

「私がこのプロジェクトを起こしたのは、通貨の両替をこれまでと全く異なる方法で行えることを示したかったからだ」とVoorheesは言う。「暗号通貨は管理されない交換が可能であり、ユーザーはサインアップやアカウントの作成が必要ない。これは法定通貨では不可能だ。ShapeShiftは、以前のSatoshiDICEと同じく、暗号通貨があれば古いヒジネスを全く新しい方法で運用できることを示した」。

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同社はDigital Currency GroupとRoger Ver、 およびエンジェル投資家のBruce Fenton、Trevor Koverko、Michael Terpinから計160万ドルを調達した。ShapeShiftは7月に200万ドル相当の通貨を取扱った。APIを提供しているのでプログラマーはこのサービスを使ってリアルタイムに変換できる。面白いのは、Voorheesがサイトに厳格な「ノーフィアット」ポリシーを定めていることで、これは従来の送金機構とは完全に別物であることを意味している。つまり、ドルをDogecoinに変えるようなことはできない。やりとりは完全に匿名なので、顧客が誰であるか、何をやっているかも彼は見ることができない。「ShapeShiftにはユーザーアカウントも、サインアップも、登録プロセスも何もない。その代り、伝統的両替よりずっと早くてずっと便利だ」と彼は言った。

というわけで、現在ユーザーは1300種類の通貨の組み合わせが利用できる。Voorheesいわく「外国為替の新記録」。日本で人気の暗号通貨、Monacoin(モナーコイン)の利用場面は今のところ限られているかもしれないが、Voorheesはあらゆる通貨の両替がShapeShiftのように早くなる日が来ることを期待している。

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明日の商業はデベロッパが築く“体験型コマース”だ…売り方ではなく体験を作ろう

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[筆者: Atlee Clark](Shopifyでデベロッパリレーションを担当。アプリケーションとサードパーティデベロッパのエコシステムを指揮。)

旅行、交通運輸、メディア、不動産などなど、すべての産業がテクノロジによって変わった。商業もそんなイノベーションの一部を享受しているが、まだ変化は終わっていない。次の最前線は“どこでもコマース(Commerce Everywhere)”、それはオンラインとオフラインを混ぜあわせて、欲しいものがあればそれを、いつでも、どこでも、買えるようにする。

商業のこの変化は消費者が起こしたものではなく、また企業が率先したものでもない。デベロッパが作り出したものだ。API経済の成長によって利用できる新しいリソースが増え、また決済などビジネスの基本を支えるプラットホームが多様化したことにより、デベロッパの筋力が増した。これら新しいリソースをフルに活用するアプリケーションやユーザ体験が活況を呈し、今ではメジャーなトレンドになりつつある。そして今後は、お店が物を売るやり方と、消費者がそれらを買う買い方が、抜本的に変わる。

このような新しいコマースのあり方を体験型コマース(experiential commerce)と呼ぶのは、もはや買い物をするという単独の体験があるのではなくて、さまざまな楽しい体験の中にたまたま買い物もあるからだ。体験型コマースは、これまでの購入過程につきものだったギクシャクを取り除く。買い物をすることが、ほかの活動の流れの中の、ちょっとした一部になる。食器を洗いながら、テレビを見ながら、フィットネスの目標を追いながら、買い物もできる。

品物は、日用品から高級ファッションまで、何でもよい。Rebecca Minkoffの旗艦店であるSoHo店では、巨大な壁掛けディスプレイを見ながらスタイルを決め、それらを試着室へ送る。Dominoではピザの絵文字をツイートして注文し、 Amazonでは食器を洗いながらダッシュボタンを押して食器用洗剤の補充を頼める〔本誌日本語記事〕。

今あるこれらの例は、未来のコマースの姿を示すささやかなヒントにすぎない。今後の新しいテクノロジによって、想像したこともないような、エキサイティングなユーザ体験が提供されるだろう。それらが、世界のどこのデベロッパたちから生まれても、不思議ではない。

バックエンドツールがイノベーションを加速する

豊富で多様なAPIとプラットホームを利用できる今のデベロッパは、開発に要する時間労力が昔に比べるとずっと少ないため、先頭に立ってイノベーションを引っ張ることができる。とくに、複雑でコーディングに時間のかかるバックエンド部分をAPIとプラットホームがやってくれるから、デベロッパは自分の創造性を発揮できる部分に集中できる。

Stripeは、コマースを前進させるバックエンドツールの優れた例だ。従来の決済ソリューションは面倒だった: APIもドキュメンテーションもクライアントライブラリもない。Stripeは決済処理の面倒な部分をすべて引き受けるから、デベロッパは自分のアプリケーションにエレガントで使いやすいチェックアウト体験を導入できる。

またAPIが使えることによって、既存のeコマースプラットホームがコマースのイノベーションと機会を加速する新たな便宜にもなっている。彼らのAPIを使えば、売り買いトランザクションの一から十までをすべてやってくれる: 決済処理、仮想店頭の実装、顧客とのコミュニケーション、そして発送も。

既存のプラットホームを利用することによってデベロッパは、すでに十分な広がりのある、活発なユーザベースに簡単にアクセスできる。自分のアプリケーションのマーケティングやマネタイズに長期間、悪戦苦闘しなくてもよい。小さなデベロッパチームが大成功を収めることが近年多いのも、Google、Evernote、 Zendeskなどのプラットホームを利用できるからだ。

小さなデベロッパチームがコマースの未来を切り開く

APIとプラットホームの利用が民主化されているので、地球上のどこにいる、どんなに小さなデベロッパチームでも、明日のショッピング体験を導く強力で斬新なアプリケーションを構築できる。

これからは、小企業と小さなデベロッパチームとのコラボレーションが盛んになるだろう。小規模な商業者は、オンラインとオフラインの両方で、顧客の心に残るような結びつきを作り出すための、新しい方法に飢えている。それさえあれば、Amazonとも十分に競合できるし、数えきれないほど多い、自分と同じような小規模店の集合の中で、群を抜くことができるのだ。

今、デベロッパや小さなデベロッパショップにとって、コマースのイノベーションの市場機会はものすごく大きい。お店や買い物客は、今あるものへの対応で日々忙しいが、デベロッパは未来への道を描ける。コマースの次の新しい大波は、そこまで迫っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazon、配送ボックスを映画「ミニオンズ」でラッピング

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看板も雑誌広告ももう古い。広告主がブランドを多くの人前に曝らしたいなら、Amazonのダンボールに広告を載せるのが一番だ。いや、少なくともそれがUniversal PicturesとIllumination EntertainmentとAmazonが交わした新たな提携の主旨だ。この小売業者は顧客からの注文を、近日上映される映画『ミニオンズ」のキャラクターを配した輝くイエローの梱包ボックスに入れて出荷し始めた。この契約はAmazonが初めて配送ボックスを第三者ブランドでラッピングすることを許したものだ。

映画会社とAmazonのペアは、”Despicable Me”[邦題『怪盗グルーの月泥棒』]アニメシリーズ最新作にピッタリの企画だ。この人気映画は世界中で15億ドルの興行収入を上げ、登場キャラクターはすでに商品化されている。「ミニオンズ」は、ぬいぐるみ、フィギュア、ボードゲーム、ビデオゲーム、その他のオモチャ等大量の消費者製品に採用されている。靴下、靴、帽子、その他アクセサリーや、ベッドシーツ、カーテン、キッチン用品、壁紙からMottのアップルソースやジュース等のパッケージ製品にまで使われている。

そしてもちろん、Amazonも大々的に。

従来の印刷広告と同じく、Amazonの新ボックスはブランド自体の認知度を高めるだけでなく、映画の封切日(7月10日)を告知することによって作品のプロモーションを後押しする。箱にはAmazonの専用URLも書かれている。実はウェブサイト、amazon.com/minionsはあらゆる「ミニオン」グッズのための専用ショッピングサイトになっている。Amazonによると、映画の公開日が近づくにつれサイトにコンテンツが追加されるという。

Amazonは、このボックスが「選ばれた」配送センターから出荷され、本、電子機器、DVD、おもちゃ、スポーツ用品等様々な注文に対応するサイズを揃えているとも言っている。箱のサイズごとに、異なるミニオンが登場する ― スチュアートは大きな箱に、ボブは中サイズ、ケビンは一番小さな箱にといった具合だ。

パートナーたちはまず5月末に、ツイートFacebook記事でこの箱をチラ見せして、消費者の玄関先に「もうすぐ」ミニオンがやってくることを伝えた。ソーシャルメディアで見る限り、過去数週間に多くの顧客がこの箱が届くのを見ている(アップデート:本誌はこのボックスが5月25日から発送され7月10日まで続くことを確認した。

殆どの消費者(おっと、この男を除く)にとって新マーケティングキャンペーンの結果はポジティブのようだ。中にはある箱入手するためだけにAmazonで注文するつもりだとツイートしている人もいる。

契約の詳細はThe LA Timesが最初に報じた。

Amazonは、今後も同様のカスタムブランドボックスが使われる可能性があるのか、また今回のプロモーション期間中何人がこの黄色い箱を受け取るのかについてコメントを拒んだ。しかし本誌は、同社が今後も類似のマーケティングキャンペーンに対して門戸を開いていると理解している。

Image credit: Pantone, which has a Minions paint color.

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleはApple Watchの顧客の一人々々にインターネットビデオでセットアップを指導

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【抄訳】
初期の一定数の顧客が今日(米国時間4/24)、AppleのスマートウォッチApple Watchを受け取るが、並行してAppleは、ライブ(リアルタイム)のビデオでApple Specialistに指導してもらえる“個人的なセットアップ”のアポイントメントを提供する招待状を、メールで送り始めた。そのビデオセッションで顧客は自分の新しいデバイスについて学び、その主な機能を一つ々々体験し、そして質問することもできる。

そのメールによると、Specialistたちはアプリのリコメンデーションも行い、デバイスの個人化(パーソナライゼーション)のお手伝いもする。

噂ではハイエンド機のApple WatchかApple Watch Editionを買った人にのみ、その仮想セットアップが提供されると言われていた。これらの顧客は購入前に仮想“試用”も体験できたが、さらにセットアップセッションも提供される、ということだったのだ。

でも今日は、Apple Sport Watchを買った人たちも、自分の個人的セットアップのアポイントメントをオンラインでスケジューリングできるための、招待状を受け取っている。

セッションは、朝、午後、夜の一日三回あり、5月7日までとなっているが、早い方の日付はすでにうまっている。オンラインの申込書には、主にどんなことでヘルプが必要か、を記入できる。セットアップの指導は店頭でも受けられるが、小売部門のトップがAngela Ahrendtsに代わってからは、万事、物理店よりもネットを重視する方向に変わりつつある。今回の、オンラインビデオによるセットアップガイドも、その表れの一つだ。

【後略】

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AmazonのApple Watchアプリは、腕の上でショッピングができる


オンライン小売業のAmazonは、今週Appleが新ウェアラブルデバイス、Apple Watchにもうすぐやってくると紹介した多くのアプリケーションには入っていなかったが、実は同社もApple Watchバージョンのモバイルショッピングアプリを開発中であると本誌は理解している。このアプリは消費者が商品の検索から実際の購入までを、Amazonの1クリック注文システムを使って腕の上で行うことができる。

もちろん、Amazonが迫り来るモバイルプラットフォームに対応するのは当然だ ― つまるところこの会社は、自社製Kindleハードウェアだけでなく、ほぼあらゆるモバイルあるいはネットにつながるプラットフォームにショッピングアプリを提供する傾向にある。しかもAndroid Wear(=スマートウォッチ)バージョンのショッピングアプリは既に公開されているので、Apple Watchにも作るのは理にかなっている。

実際、本誌に入った情報によると、Apple Watch用アプリは、現行のAndroid Wear版Amazonアプリと同じように機能する。つまり、音声で検索して商品をAmazonのほしい物リストに保存し、さらにAmazonの1クリック注文を使ってすばやくチェックアウトすることまでできる(おっと、何て危険な!)。

ただし、小売の巨人はまだこのApple Watchアプリを正式に認めておらず、そのようなものを開発中であるとしか言っていない。同社の広報担当者は本誌に下記の声明を送ってきた。

「Amazonは顧客のために常にイノベーションを続けている。われわれは顧客が買いたいと思う場所ならどこにでも現れることを約束している。そこにはウォッチも入っている。われわれにはAndroid Wear版のAmazonショッピングアプリがあり、それを他のデバイスにも拡大していくつもりだ。

「他のデバイス」は、行間を読めばもちろん、AmazonのApple Watchアプリ計画を事実上認めている。

(注:上の画像はモックアップ)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FacebookとInstagramのコメント欄でショッピングができるサービス、Soldsieが400万ドル調達

マーチャントがFacebookのファンとInstagramのフォロワーにコメント欄を通じて商品を直接販売できるeコマース・サービスのSoldsie〔ソルジーと発音する〕は今朝(米国時間5/15)、First Round Capital他からシリーズAラウンドで400万ドルの資金を調達したと発表した。SoftTech VC、Lerer Ventures、Correlation Ventures、Great Oaks Ventures、e.Ventures、500 Startupsに加えて何人かの個人のエンジェル投資家も今回のラウンドに参加している。

このスタートアップは2012年5月、Facebook上の通販(一部ではf-commerceと呼ばれる)が成功するものかまだ疑問視されている時期に創立された。

SoldsieのFacebookページにマーチャントは商品の写真と説明を投稿する。ファンは通常の投稿と同様、これに感想をコメントしたり「いいね!」を押したり、シェアしたりできる。しかしSoldsieがユニークなのは、コメント欄にファンが“SOLD”と入力すると商品購入プロセスがスタートする点だ。

消費者はSoldsieアプリケーションをインストールするときに一度だけ登録の手続きをすればよい。これによってマーチャントはユーザーのプロフィール・データとメールアドレスを入手する。Soldsieはマーチャントに支払い請求、販売管理、在庫管理などのサービスをi提供する。売り手はSOLDと入力したユーザーにメールで請求書を送る。ユーザーはPayPalまたはクレジットカードで支払いを行う。下はSoldsieが制作したデモビデオだ。

昨年11月にSoldsieは同様のシステムをInstagramにも導入した。ユーザーはアップロードされた写真に対してコメント欄にSOLDというキーワードとメールアドレスを入力する。

現在、Soldsieでは1500のマーチャントが延べ2500万ドルの売上を記録、昨年同期の数字に比べて3倍になっているという。Soldsieではマーチャントに対して取引毎の少額の手数料と毎月150ドルからの出店料を課金しているが、ビジネスモデルについてはさらに検討を重ねるとしている。

Soldsieの共同ファウンダー、CEOのChris Bennettによるとコメント欄にSOLDと書いたユーザーの70%が実際に商品を購入し、支払いを行っているという。購入手続きの60%はSOLDを記入してから30分後に行われ、70%の購入手続きがモバイルからだという。多くのユーザは通勤の生き返りの交通機関の中などでSOLDと記入し、手が空いたときに購入手続きに移るのではないかとBennettは推測している。

今回調達した資金でSoldsieは新たな人員を採用し、さらに2つのソーシャルメディアをプラットフォームとしてサポートする計画だ。現在社員は13人だが、今年の末までに25人に増員される。

ソーシャルメディアを利用するeコマースの分野でSoldsieのライバルとなるのスタートアップにはChirpifyやInstagramのショッピング・サイトHashbagなどがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


小規模eコマースにAmazonなみのレビューシステムを提供するOrankl

【抄訳】

顧客が投稿するレビューは、Amazonなどのサイトにとって重要な柱だ(それらはインターネット上のもっとも機知に富んだ笑い話集でもある)。でもマイナーなネットショップが顧客からフィードバックを得るのは、なかなか難しい。そこで、Y Combinatorで育ったOranklは、すべてのeコマース企業に、彼らの巨大ライバルが持っているのと同じツールを与えようとする。

同社の最初のプロダクトであるレビューシステムは、それをすでにサポートしているShopifyなどのプラットホームではワンクリックでインストールできるし、また一般ユーザは数行のコードをコピペするだけで導入できる。フィードバック(レビュー入力)のフォームは自動的に、そのサイトのスタイルに合わせられ、顧客にレビューをお願いするメールも自動的に送られる(Amazon等と同様に☆マークがレビューフォームへのリンクになっている)。同社によると、こうやってレビューシステムを導入したサイトは売上が15~20%伸びるそうだ。

Oranklの協同ファウンダJoão Batalhaによると、同社はすでに、レビューシステムのほかにメールを使うマーケティングのプラットホームを立ち上げたし、今はリコメンデーションエンジンを開発中だ。つまり同社が目指すものは、小規模なeコマースサイト用の高度なツール集合の自作直売デパートだ。

Oranklを創った4人…João/Luís Batalha兄弟、Micael Oliveira、Craig Kochis…はMITの学生時代に出会い、卒業後にJoão BatalhaとKochisはソーシャルコマースサイトLockerzで仕事をした。そこで彼らは、ユーザのエンゲージメントと売上の増加にとってレビューが重要であることを学んだ。

“レビューの重要性を分かっていない人が多い。AmazonがAmazon Vineのようなレビューに対する報償システムを設けているのは、同社がレビューをとても重視している証拠だ。Amazonには毎秒35件のレビューが寄せられ、大量の売上に貢献している”、とBatalhaは語る。

それに、Amazonには大量のレビューがあるから、多くの買い物客が最初に訪れるサイトになっている。そして、無名サイトでもっと安く売っていても、Amazonで買ってしまう人が多い。Batalhaは、小さなeコマースサイトでもレビューがあると顧客は安心感を抱く(自分も文句や感想を言えるので)、と言う。しかも店側にとってレビューは、すぐれたCR(customer relation)ツールにもなるのだ。Oranklのユーザ企業の中には、レビューシステムを、顧客調査や、顧客とのプライベートなメッセージングシステムとして利用しているところもある。そんな成功例の一つが、ヘッドフォーンを売っているHeadRoomだ。

また同社のメールによるマーケティングシステムも、レビューを利用することによって、メールへの顧客/見込み客の関心度を高めている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mt. Goxの退場はもっとまともな第二世代のBitcoin起業家の時代を開く

2013年に私がBitcoinのエコシステムを調べ始めたとき、出会うファウンダーたちの半分が少々奇妙な人たちであることに気づいた。

「自分は心理的に『雇用不適格』なんだ」とBitInstantのCEO、Charlie Shremは電話インタビューで私に言った。Shremはイギリスのウェールズ在住の自閉症のハッカー、Gareth Nelsonと共同でBitInstantのシステムを作ったのだという。2人はリアルでは一度も顔を合わせたことがないそうだ。インタビューの間中、Shremは不快なカチカチいう音をさせ続け、話はすぐに横道に逸れた。彼にはあきらかにある種のパラノイアがあった。「誰も信用できない。自分のチームだって信用できない」とShremは私に語った。

次に昨年11月、TechCrunch Japanのイベントで東京を訪れたときに、私は渋谷でMt. Goxのチームに会った。

ファウンダーのMark KarpelesGonzague Gay-Boucheryは弁護士を通じて私に答えた。一時は世界最大のBitcoin交換所だったMt. Goxだったが、BTC ChinaヨーロッパのBitstamp のような強力なライバルに追い上げられ、以前のパートナーのCoinLabを訴える一方でアメリカ政府に500万ドルを差し押さえられていた。

「われわれが何を言っても発言を歪曲されてしまう」とKarpelesは私に言った。(バランスボールの上に座ってロイターの記者の質問に答えているのがKarpeles

残念ながら私は何一つ質問に答えてもらえなかった。私はBitcoinで支払いできるカフェになっているロビーを通って渋谷の街に出た。

それからこうしたBitcoinスタートアップは一つまた一つと失敗していった。

先月、ShremはニューヨークのJFK空港でマネーロンダリングの容疑で逮捕された。昨夜、Mt. Goxのウェブサイトは消滅した。Mt. Goxはマルウェアの攻撃によって75万Bitcoinを喪失したという(これは流通しているBitcoin総額の6%にあたる)。KarpelesもShremもBitcoinの普及と運用ガイドラインの制定に務める世界的NPO、Bitcoin Foundationから脱退しいている。

これまでにもBitcoinは詐欺と盗難の波乱の歴史をたどってきたが、Mt. Goxスキャンダルはその中でも最大のものになりそうだ。1年以上にわたってMt. GoxはBitcoin最大の取引所であり、もっとも目立つ存在だった。

4億ドル相当の資金が行方不明というのはその金額だけでメインストリーム・メディアの大見出しになるニュースだ。Bitcoinの初期には詐欺や不正が発覚すると熱烈な信者の群れが弁護を買って出たものだ。しかしこのスケールの不正となれば、マーチャントや投資家の目に映るBitcoinのイメージは致命的に破壊されただろう。少なくとも数年の後退を余儀なくされたことは間違いない。

今朝のBitcoin相場は490ドルから540ドルあたりで底を打ったようだ。.

東京の起業家とBitcoinのコミュニティーでは「Mt. Goxに不正を働く意図はなかったにせよ、その無能さは重大な過失と評価されるべきだ」だと考えられているようだ。

つまりMt. GoxはBitcoin版のFriendsterということになるのだろうか? Friendsterはソーシャル・ネットワークのパイオニアとして登場したもののスケールに失敗して、後発のFacebookに王座を奪われた。

Bitcoinスタートアップの次世代のファウンダーたちは、もっとまともでウォール・ストリートやワシントンの政治の世界でも受け入れられやすそうだ。彼らは過激なリバタリアンでもないし、見境なく貪欲でもない。

Bitcoinの第一世代とは違い、次世代ははぐれ者のアウトサイダーではない。CircleのCEO、Jeremy Allaireは企業を上場させた経験がある。 彼のBitpayはシリコンバレーでもっとも尊敬されているベンチャーキャピタリスト、Accel、Andreessen Horowitz、Founders Fundから出資を受けている。積極的なBitcoinのエンジェル投資家、Barry Silbertは未公開企業の株式の取引所、SecondMarketを創立し、現在のような有力な存在に育てた。Silbertは独自のBitcoin取引所の設立を準備している。Mt. Goxのもともとのファウンダーで後にKarpelesとGay-Boucheryに売却したJed McCalebも新たな取引所を創立しようとしているという。

アメリカ議会は、昨年驚くほどBitcoinに好意的なところを見せたが、近く資金移動免許を持たないBitcoin業者について調査を始めるという。これは良いことだ。

「短期的には(こうしたスキャンダルは)Bitcoinのイメージにネガティブな影響を与えるだろうが、 システムは次第に成熟しつつあり、運営に透明性を欠いていたり、金融関係の規制に触れたりしたようなプレイヤーは排除されていく」とCoinbaseとBTCJamに出資しているRibbitCapitalのMicky Malkaは言う。

一部の「腐ったりんご」が捨てられ、Bitcoinスタートアップの新しいファウンダーたちの時代が来ようとしている。

–Jonathan Shieberが取材に協力

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AmazonのiOSアプリにカメラによる商品検索機能搭載―リアル店舗のショールーム化いよいよ進行

消費者は現在でもリアル店舗を訪れるとスマートフォンを使ってさかんに価格比較をしているが、店舗にとって状況はさらに悪化しそうだ。

Amazonは「カメラでショッピング」機能をメインのiOSアプリに追加した。これまでは棚に並んでいる商品のバーコードを読み取る必要があったが、これからは写真を撮るだけでAmazonその他のeコマースサイトとの価格比較ができる。

Amazonにとっては商品の画像認識は新しいテクノロジーではない。Amazonはすでに傘下のA9(オンライン検索および広告事業部)からFlowというスタンドアロン・アプリを提供している。

今回はこのツールがメインのアプリに統合されたわけだが、ここでもFlow機能と呼ばれている。スタンドアロン・アプリが公開されたのは2年と少し前だが、AmazonはメインのiOSアプリに統合する前に十分な時間をかけてテストを繰り返してきたわけだ。

FlowのiOSアプリ(将来はAndroidにも)の発端はAmazon A9がSnapTellを買収したときに遡る。このスタートアップは画像による商品検索テクノロジーの開発を行っていた。SnapTellで商品(正確にはCD、DVD、ゲームのジャケット、書籍の表紙)の写真を撮ると、Amazon,だけでなくGoogle、eBayその他主要なeコマースサイトの価格を検索することができた。

AmazonのiOSアプリに統合されたFlowの検索対象はオリジナルより広い。CDやDVDのパッケージや本の表紙だけでなく、ロゴやキャラクターなど特徴ある画像を幅広く認識できる。さすがに箱から出してしまった商品、たとえば居間に転がっているヘッドホンの写真では検索できないが、ショッピングの際の価格比較用には問題ないだろう。

正確さと幅広さでは商品のバーコードをスキャンするのが一番だが、商品を棚から取り出してひっくりかえさねばならないこともあるし、印刷位置がわかりにくい商品もあるのでやはり多少面倒だ。パッケージの写真をぱちりと撮るだけいいというのはやはり使い勝手がいい。.

カッコーが他の鳥の巣に卵を産み付けるように、Amazonはライバルの現実店舗を自社のショールーム代わりに使うという寄生虫作戦を取っている。画像認識機能の追加で、この作戦はますます効果的になるだろう。

〔日本版:このバージョンのAmazonアプリは現在は日本のApp Storeからはダウンロードできない。アメリカのApp Storeで有効なIDが必要〕

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Amazon以後のeコマースでも10億ドルビジネスは作れる―家具・インテリア通販のWayfairの成功の秘密

eコマースの分野でAmazonの向こうを張ろうとうするのは無駄な試みに思える。しかしそれでもこの分野でAmazon以後に10億ドルのビジネスを作ることに成功した会社はいくつか存在する。ボストンに本拠を置く比較的無名の企業、Wayfairがその一つだ。

Wayfairは2002年に大学の同級生Niraj ShahとSteve Conineによって操業された。当初の名前はCSN Storesだったが、2011年の現在のWayfairに改められた。ShahとConineは連続起業家で、1998年に最初の会社SpinnersをXMLに売却することに成功している。

ShahとConineの会社のすごいところは家具・インテリアその他家庭用品のオンライン通販という競争の激しい分野で着実に10億ドルのビジネスを作り上げ、来年か再来年の株式上場を準備するところまで来たことだ。

Wayfairは高級品志向ではなく、ミッドレンジの商品をターゲットにしている。つまりMacy、Overstocks、Target、Bed Bath and Beyondsといった名だたるライバルがひしめく市場だ。さらにOne Kings Lane(高級インテリア用品のフラッシュセールス)、Joss & Main(高級家具)などもWayfair.comのライバルだ。

私の取材に対してShahが説明したところでは、同社は派手なマスコミ向けPRはできるだけ控えてきたという。最近では初期のTwitterへの投資で知られるSpark CapitalやBattery Ventures、HarbourVest Partners、Great Hill Partnersなどの有力な投資家がWayfairを支援しているが、それ以前の9年間はほとんど自己資金でまかなってきた。2011年にWayfairは外部資金を調達して事業拡大を加速することを決め、上記の投資家から2億ドルを集めた。

Wayfairのサイトには8000の供給会社による1万2000のブランドの700万アイテムの家庭用品と家具が登録されている。2013年の実績は注文ベースで10億ドル、売上で9億ドルを記録した。これは2012年の6億ドルからの大幅なアップだ。

Wayfairはユーザーが関心を持ったアイテムPinterest風に貼り付けられるクリップボードなどユーザーの購買意欲をかきたてるような仕組みを数多く用意している。実際、Wayfairは300人のデータサイエンティストとエンジニアを雇ってユーザーデータを解析し、サイトをそれぞれのユーザーにマッチさたカスタマイズを行っている。TargetやWalmartなどの伝統的企業も最近、ユーザー別カスタマイズのテクノロジーの重要性にやっと気づいて模索を始めているようだ。

アメリカの家具、インテリアその他の家庭用品市場は2000億ドルで、そのうちオンラインでの売上はわずか5%に過ぎない。他の分野同様にオンライン化が進めばWayfairのビジネスもそれにつれて拡大されるだろう。ShahによればWayfairはオンラインの家具、家庭用品市場の約1%のシェアを握っているという。AmazonもQuidsiの買収などによってこの分野に力を入れ始めているが、Shahは十分に競争していけると自信を見せた。

Shahはeコマースにおいて、家具インテリア、宝飾、ファッションといった分野では1社の一人勝ちが不可能だと考えている。本や家電、エレクトロニクス製品、生鮮食品などの分野と違い、家具や宝飾、ファッション分野ではユーザーはそれぞれに独自性を求めているからだ。

Shahは株式上場を計画していることを明言しており、最近Warner Music Groupの会長、Michael FleisherをCFOとしてスカウトした。

この分野の数多くのライバルもテクノロジーの積極的な利用などによってシェアの拡大を図るだろうから、2014年には競争は一層激化するだろう。Wayfairの今後には引き続き注目していきたい。

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スマートフォンに最適化したサイトの売上が大幅上昇―ブラックフライデーが87%、サンクスギビングデーが258% アップ(対前年比)

オンラインショッピングのモバイル部分が増加中だ。IBM Benchmarkによると、今年のブラックフライデーの場合、スマートフォンは全オンライントラフィックの4分の1を、オンラインショッピングの売上高の7.2%を占めた。

しかし当然ながらスマートフォンに最適化されたサイトの増加率はトラフィック、売上ともに平均を上回っているー。2013年のブラックフライデーの場合、対前年比で、スマートフォン最適化サイトの訪問者は75.65%、セールスは75.65%も上回っている。

このデータはモバイルサイトのデザインを行う世界的なeコマース・プラットフォームBranding Brand上で収集されたものだ。このプラットフォームの利用者にはAmerican Eagle Outfitters、Costco、Ralph Lauren、Sephora、Calvin Klein、Crate &Barrel、Nasty Gal、Kate Spade、Bath&Body Works、Brookstoneなどなどの大企業を始め200社が含まれる。

同社のMobile Commerce Indexはアパレル、ヘルスケア、美容、家庭用品などのクライアントのカテゴリーごとにサンプルを抽出し、デスクトップ版のままのサイトとスマートフォン最適化を行ったサイトとのパフォーマンスの差異を分析している。BrandingBrandのインデックスはスマートフォン最適化の影響の調査としては世界最大規模だ。

Branding Brandによれば、ブラックフライデーに152箇所のスマートフォン最適化サイトへの930万の訪問者のうちiOSからが 66.62%、Androidからが32.97%だったという。この訪問から17万4111の注文が発生し、その平均単価は93.2ドルで、対前年同日比22.08%のアップだった(BrandingBrand Indexの対象とするスマートフォン最適化サイトも昨年の46箇所から大幅に増えた。Branding Brand自身もこの間、950万ドルの資金を調達している)。

また同インデックスによれば、クライアントのeコマースサイトへのブラックフライデーの全トラフィックのうち、スマートフォンの割合は34.36%だった。一方、IBMBenchmarkが800箇所のeコマースサイトから集したデータよるたスマーフォンの割合は25%だった。ただしBranding Brandにはスマートフォン最適化を行うクライアントが集中しているわけだからこの結果は当然といえる。

Brand’s Indexによれば今年スマートフォン最適化サイトは対前年同日比で訪問者を69%増やし、売上も258.18%増えた。ただし平均注文単価は92.55と昨年とほぼ同額だった。

Branding Brandのデータは他の業界統計ともおおむね一致する。たとえばモバイル・アプリのパフォーマンス管理を専門とするCrittercismが最近サードパーティー(Dimensional Research)に委託して行った調査でも同様の傾向が見られた。

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会員1000万人のファッション通販のFancyが東京など世界100都市 で当日配送開始―伊勢丹も参加して日本に本格進出へ

ソーシャル・ファッション通販のFancyはPinterest本家が通販を始める前から、いわば「お買い物ができるPinterest」だった。そのFancyがこのほど世界100都市でモバイル、ウェブサイトからの注文による即日配送サービスをスタートさせた。消費者が正午までに注文すると当日の午後5時までに配送される。Fancyによればアメリカ61都市、アジア、ヨーロッパ、中東の31都市、合計100都市にサービスを展開したという。Fancyはニューヨークでこの夏に即日配達のテストを開始していた。

Fancyの説明によれば、即日配送をサポートしている地域では正午までに注文すれば即日、地域外からの注文の場合は翌日に配送される。また正午過ぎの注文も翌日配送となる。

即日配送を可能にするロジスティクスについては、世界各地のパートナーと提携しながらネットワークを拡充しつつあるということだ。

ただし即日配送の料金はそう安くない。グッチのジッパー・バックパックやNike+ スポーツウォッチをその日のうちに手に入れたいなら1件あたり30ドルの配送料を払う必要がある。Fancyは常にハイエンドの顧客をターゲットに最大限に吟味されたハイエンドの商品を販売してきたからこの点はあまり問題にならないのかもしれない。

われわれの取材に対してはFancyは「この夏、限定的にテストをした結果、即日配送サービスに対するユーザーの反応は好意的だった。 われわれのサイトで毎日のようにショッピングする顧客にはこのようなサービスが必要だと判断した。ときおりFancyを利用するユーザーについても即日配達によって利用の頻度が増えること期待している」と答えた。

最近は即日配送を提供するサービスが増えている。WalmartはWalmart To Goで生鮮食品を含む商品の即日配送を“行っている。Google Shopping ExpresseBay Nowのような大手のサービスもある。TaskRabbitPostmatesInstacartWunWunのようなスタートアップも即日配送サービスに参入している。

Fancyは現在1000万人の登録ユーザーを有していると発表している。今年始めには800万人だった。この夏Fancyは5300万ドルの資金調達を行い、現在、毎日の売上が10万ドルに達しているという。即日配送サービスを開始した後、1日20万ドルという過去最高の売上を記録したとしている。

Fancyのサイトは世界に散らばっているため、サードパーティーの調査によってこれらの数字の裏付けを取るのは難しい。アメリカ国内だけの調査だが、SimilarWebによるとFancyのオンライン訪問者は100万に届かないようだ。AppAnnieの調査ではFancyアプリのアメリカでのダウンロード数はライフスタイル・カテゴリーの400位台だ。今月に入って世界の6カ国程度でライフスタイルのトップ100に入ったが、アメリカだはまだトップ100に入っていない。

とはいえ、Fancyの顧客ベースが数量的にはさほど巨大ではなくとも売上は潤沢にあるようだ。5000ドル以上のバッグや2000ドルのコートが売れていれば、比較的少数の常連顧客だけでFancyが発表しているような売上を達成することは十分可能だろう。

〔日本版〕 東京で即日配達可能な商品はこちら日本語版トップページ。また10月23日、伊勢丹がFancyへの出店を発表した。Fancyの伊勢丹ページはこちら。インテリア・空間デザイナー尾方釿一氏×仙台の伝統工芸「東北工芸」の「BEAN STOOL」やグローバルのステンレス包丁など日本らしい製品が出品されている。

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Facebook、サードパーティー・サービスの支払情報の自動補完機能をテスト中(AllThingsDの「PayPal的サービス」というのは誤報)

Facebookがテスト中の新しい機能はPayPalのライバルになるようなものではなく、ユーザーの支払情報を自動的に補完入力して買い物を便利にする機能だと判明した。

今日(米国時間8/15)、AllThingsDは「Facebookはサードパーティー・アプリ向けに新機能をテストしている。これはPayPalのライバルになるようなサービスだ」と報じたが、詳細は明らかにしなかった。

現在テストされている機能は、ユーザがサードパーティーのモバイル・アプリ内で買い物をするといにクレジットカード情報、住所などの情報を自動的に入力してくれるというものだ。この情報はFacebookないでGifts機能やゲーム内購入などの機能を利用して支払いをしたときにユーザーが入力したものを利用する。この機能の利用を許可した後は数クリックで買い物が完了できる。いらいらさせられるモバイル・デバイス上での入力をしないですむ。

Facebook自身が支払いを仲介処理するわけではないのでPayPalのライバルになるというのは誤報だった。 この機能を使っても実際の支払いはPayPal、Braintree、Stripeその他、既存のサービスを経由する。この機能の利用は無料。

Facebookの狙いは、Facebook広告がクリックされた際に実際に購入行動に結びついたかどうかについて情報を得ることだ。これによってFacebookは広告主に対していっそう正確な費用対効果を示すことができる。

さらに詳細な情報は Facebook PaymentのテストはPayPalのライバルではなく入力情報の自動入力というわれわれの記事を参照。

われわれはFacebookに取材中なので、新しい情報が入り次第アップデートする。

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オンラインショップサービスのBASEがキュレーションモール型のiOSアプリをリリース

手軽にオンラインショップを開設できるBASEStores.jpは共に昨年のリリース直後から店舗を増やし、両者ともに現在は約3万店舗が登録されている。今年4月にStores.jpが段ボール、名刺、ロゴを無料でストア開設者に対して提供すると発表した際には本誌でも取り上げたが、その直後にBASEも同様のサービスを提供するなど、スタートアップ界隈ではこの2つのサービスの競争は話題になることが多い。

そしてBASEは今日、モバイルのユーザービリティの向上のため、iOSアプリをリリースした。アプリはここからダウンロードできる。BASEはデスクトップ版ではストアをまとめて掲載するようなモールはこれまで提供してこなかったが、アプリではカテゴリーごとにいくつかのストアをピックアップして掲載し、買い手側を主に対象ユーザーとしているようだ。

「ファッション」、「ハンドメイド」、「リーズナブル」など7つのカテゴリーを用意し、それぞれ約30店舗がまとめられており、アプリ内からそのまま商品を購入できる。また、ストア開設者の管理画面や出品機能も付いており、ストアの運営もこのアプリから可能だ(アドオン機能のいくつかはアプリからは設定不可)。

BASE代表取締役社長の鶴岡裕太氏によると、今でもトラフィックの約6割がモバイルからで、とりわけソーシャルメディア経由のアクセスが多いそうだ。だから、今まで良いモノを売っていながらソーシャルメディアでアクセスを上手く集めることができなかったストア運営者には嬉しい場となるだろう。

BASEはiPhoneユーザーが多いため、iOSアプリを先行してリリースしたようだが、Androidアプリも近いうちに提供予定だそうだ。

気になる直近のデータだが、店舗数は既述の通り3万以上、月間100万UU(ユニークユーザー)、流通額は月間数千万円で、店舗は1日に約500ほど増えているそうだ。人気のあるストアでは1カ月の売上が400万円から500万円ほどまで成長してきており、この規模のストアは少しずつ増えてきていると鶴岡氏はいう。

プレミアムアカウントでの課金により、すでに黒字化しているStores.jpに対し、BASEは今のところ積極的に収益化には動いていない。将来的には手数料やテーマのプレミアムテンプレートの販売などを考えているようだが、今年はあまり大きくマネタイズはしない方針なのだそうだ。


日本の楽天、ロジスティックスのWebgistixを買収―アメリカでAmazon Primeなみのサービス提供へ

日本の巨大eコマース企業、楽天はアメリカの有力なロジスティクス・サービス、Webgistixを買収する。同社はeコマース業者に対して商品の保管、受注、発送などを代行するいわゆるフルフィルメント・サービスを提供している。楽天にとってWebgistixは日本国外でのロジスティクス関連の買収としては2件目になる。買収金額等の詳細は明らかになっていない。

Webgistixは2001年に創立された。提供するサービスは受注処理から在庫管理、配送の最適化までeコマースのロジスティックス全般に及ぶ。同社はアメリカ国内に戦略的に配置された独自のフルフィルメント・センターのネットワークを構築しており、アメリカのeコマースの顧客の98%に対して1-2日で配送を実行することができる。

一言でいえば、WebgistixはアメリカにおけるAmazon Primeに対する楽天の回答だ。Webgistixは利益をあげており、過去に1度だけ外部資金を調達している(金額は不明)。

楽天はウェブとモバイルでさまざまなサービスを提供しているが、メインとなるのは日本最大のオンライン通販サービス、楽天市場だ。楽天は売上高で世界最大のeコマース企業の一つであり、アメリカを含む20カ国で活動している。

ここ数年、同社はいくつかの興味あるM&Aと投資を実施してきた。イギリスのPlay.com、Buy.com(現在Rakuten.com)、Kobo、そして今年はGrommetを買収している。昨年、楽天はPinterestの1億ドルの資金調達ラウンドのリーダーを務めた。

ロジスティクスとフルフィルメントのインフラを構築するのはeコマース企業にとってきわめて優先度が高い。2012年8月、楽天物流は楽天市場の出店者向けに「楽天スーパーロジスティクス」の提供を開始した。これは受注処理、商品仕入れ、在庫管理、梱包、出荷、顧客サポート、さらには販促活動まで提供する総合的なフルフィルメント・サービスだ。2012年11月に楽天は倉庫のオートメーション・システムを提供するフランスの企業、Alpha Direct Servicesを買収し、ヨーロッパと日本でのロジスティクスの機能強化を図った。

楽天の三木谷浩史会長は「アメリカのRakuten.comの出店企業に対し、今後はWebgistixが倉庫の管理とフルフィルメント・サービス全般を提供していく。われわれの目標は出店者が世界のどこにでも商品を配送できるようなネットワークの構築だ。出店者に最大限の能力を与えることを楽天は重視している。だから楽天市場では出店企業が自社のページを自由にカスタマイズできる。次に強化を必要とする部分はロジスティクスだと考えている」と語った。

Webgistixのファウンダー、CEOのJoseph DiSorboは「われわれはアメリカ全土に2日以内に配送を実施できる。このサービスはAmazon Primeの直接のライバルだ。われわれが参加することによってRakutenのプラットフォームはAmazon Primeに匹敵する能力を獲得することになる。Amazonが強力な競争相手であることは確かだが、世界市場を考えた場合、まだ勝敗は決まっていない。楽天はAmazonとは異るアプローチで出店企業にメリットを与える」と述べた。

三木谷浩史率いる楽天がAmazonと互角に戦えるかどうか、今後に注目だ。しかし楽天がアメリカでの市場シェアとテクノロジーを獲得することにアグレッシブであるのは確かだ。昨年の楽天の売上は50億ドルでモバイル分野での成長も目覚ましい。

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