Ring Floodlight Camは、投光機付き防犯カメラのスラムダンクだ

すぐれた家庭用防犯カメラの条件は、簡単に設置できて、かつ利用者の不安を取り除いてくれることだ。249ドルのRing Floodlight Camはどちらも実現している。

カメラは古い投光機が付いていた場所に取り付けることが可能で、ネットワークにはWi-Fiでつながる。設置は簡単で、移動するものに反応して照明をつけることも、一晩中照らして侵入者を防ぐこともできる。ナイトビジョンモードを使えば暗いときにも撮影が可能だ

移動物体を検知するとシステムから通知が送られ、年間30ドルのモニタープランに入っていれば60日間ビデオが保存される。ビデオは移動を検知したりある程度人を判別するには十分な解像度だが、すこし離れたところのナンバープレートは読めないかもしれない。

そしてほかのRing製品と同じく、アプリを通じて侵入者に話しかけたりサイレンを鳴らすこともできる。サイレンは周囲の騒音に消される程度の音量だが、効果はあるだろう。

この手のカメラはNetatmo Presenceをはじめいくつか試してきたが、Ring Camの耐久性は気に入っている。NetatmoのようなSF的スタイリングはないが、暗いところを照らすライトという仕事をしっかりこなす。しかも、SDカードスロットをもたないため、防水性は完全だ。防水はNetatmo Presenceを使っているときに遭遇した問題だ。

Ringはあらゆることをしっかりこなした。他のカメラソリューションがスタンドアローンであったり、新築時に設置する必要があるのに対して、このカメラは過去のシステムと互換があり、非常によくできている。システム全体のインストールはすぐに終わり、(今のところ)問題なく動作しているが、ブルックリンの風雨に耐えられるかどうかは時を待たなくてはわからない。

もし読者が投光機を購入予定で、デザイン性が気にならないならこれはお薦めだ。

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Appleのオーバーザイヤー型ヘッドホンにノイズキャンセリング搭載か?

面白くなってきた。先週KGIのアナリスト、Ming-Chi Kuoは、Appleが新しいAirPodsとは別にオーバーザイヤー型ヘッドホンを開発中だと報じた 。今日(米国時間3/5)Bloombergは、この情報を確認し、さらにこの新ヘッドホンにノイズキャンセリング機能が内蔵されるのではないかと書いている。

KGIはこの新製品が2018年Q4中、ホリデーシーズンに間に合うように発売されると言った。しかしBloombergは、Appleが発売日を先送りする可能性を示唆している。

AirPodsは成功し、Appleはこの機会を利用して製品ラインを完成したいと思っている。このヘッドホンは小さなAirPodsより音がいいに違いないが、価格も高くなるはずだ —— AirPodsは現在159ドルで販売されている

Beatsブランドのヘッドホンがどうなるかははっきりしない。Appleは2014年にBeats Electronicsを買収した。Appleは音楽ストリーミングサービスで有利なスタートを切りたかった。Beat Musicは最終的にApple Musicになった。

しかし、これはAppleがBeatsのヘッドホンを永久に売らなくなるという意味ではない。具体的には、同社はAppleのワイヤレスチップ、W1を使ったBeatsブランドヘッドホンを複数発表している。これらのヘッドホンはAirPodsに使われているものと同じワイヤレスチップを搭載している。

というわけで、Appleのヘッドホンがまったく新しいデザインなのか、Beatsヘッドホンを再ブランドしただけなのか興味深い。

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Galaxy S9のディスプレイがカメラと並んで最高の評価、iPhone Xを上回る

今月の初め、SamsungのGalaxy S9のカメラはDxOMarkから、これまででもっとも高い得点を獲得した。そして今度はそのスクリーンが、DisplayMateとディスプレイマニアRay Soneiraからこれまでの全機種の中で最高と評価された。しかし勝者と敗者の差は、世代を重ねるたびに小さくなっている。

S9は、その競合機に勝った。正直に言うなら、その中にはiPhone Xも含まれる。色の精度や設定の自由度など、すべての評価項目でS9が上位だった。それらの測度の多くは、Soneiraのラボで新記録を達成した。色再現域、コントラスト比、画面反射、許容視野角、などなどの項目だ。いずれも、S9がトップだった。

iPhone Xが明るさで上回る場合もあるが、しかし色再現域の高度な設定ができる場合は明るさよりも実際の色の方が重要だ。白色点の調節など、そのほかの項目もS9の高評価に貢献している。また、その優れたカメラ画像も、このスクリーンの上なら見栄えが良いだろう。

S9のカメラや画面以外の評価は、本誌の今後のレビュー記事をお待ちいただきたい。前世代機から大きく変わったところはないと思うが、しかし少なくとも、同じことでも前より良くなっているだろう。

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ロボットのスキーヤーたちが見事にスロープを滑降、優勝者はゲートを一本も倒さず

先月行われたSki Robot Challenge(スキーロボット競技大会)には多くのロボット研究者たちが参加した。そのビデオを見ると、スキージャケットを着たロボットたちが一斉にゲートを跳び出し、粉雪の中を転がっていく。Korea Institute for Robot Industry Advancement(韓国ロボット産業振興研究所)が主催したこの競技大会は、同じ時期に同じ国で行われた冬季オリンピック、パラリンピックと並んで、さしずめロボリンピックだった。

IEEE Spectrumによると、そのルールはかなり厳しい:

参加ロボットは必ずヒューマノイド(人型ロボット)で、肘と膝の自由度が15度以上あること。身長(足から肩まで)は50センチメートル以上。必ずスキーとストックの両方を使用し、ロボットが肘を曲げて立っているときはストックが着地していること。競技が行われるスロープは長さ80メートル、幅20メートルで、各チームは赤と青のゲートをスラロームしながら3分以内にゴールすること。ロボットは、ゲートを通過するたびに1点を得る。同点のときは速度を比較する。それでもなお同着なら、身長の高いロボットの勝ちとする。

参加選手の中から、ここではTaekwon Vと、ずんぐりしたSkiroをご覧いただこう。Skiroのモットーは、“ぼくはスキーロボット競技大会のヒーローだ!”、だ:

ルールとして全員がジャケットを着なければならないから、全員とてもかわいい。優勝したTaekwon Vは、風や雪面の条件が悪い中、ゲートに一回も接触せずにゴールした。全員に、ごほうびとして温かいオイルをあげたいね。

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どこかの政府ご愛用のCellebriteに頼めばiOS 11が動くiPhoneをアンロックできる

Forbesの記事によると、イスラエルの企業Cellebriteが今や最新機種のiPhoneをアンロックできるそうだ。Cellebriteは、警察の捜査目的などのために、ロックされているモバイルデバイスからデータを取り出す科学捜査ツールを売っていることで有名な企業だ。

iOSの初期のバージョンはあまり安全ではなかったが、近年それは大きく変わった。今売られているiOSデバイスはすべて安全な隔離領域があり、パスコードを使っていればデータはすべて暗号化され、ブート時やデバイスの使用時には何段階ものセキュリティチェックが行われる。

だから、パスコードを知らない人がデバイス上のデータに触ろうとしても、それは難しい。しかし多くの企業が、モバイルデバイスをアンロックする脆弱性を見つけようと努力している。諜報機関などが、そんな捜査ツールの企業にお金を払ってモバイルデバイスをアンロックしようとするから、それはかなり儲かる商売でもある。

そんな捜査ツールが、後れをとることもある。たとえばiOS 8が動いているiPhone 6をアンロックするデバイスは、簡単に見つかる。しかしForbesの記事とCellebriteのWebサイトが正しければ、政府機関などはCellebriteにお金を払って、iOS 11の動くiPhone 8をアンロックできる。なお、Cellebriteは最近のAndroidデバイスもアンロックできる

最新バージョンのiOS 11(11.2.6)でもアンロックできるのか、それとも昨年の9月の11.0だけか、そこは不明だ。すべてのiOSデバイスなのか、一部のデバイスだけか、それも分からない。Forbesが見つけた記事によると、iPhone XもCellebriteによってアンロックされたようだ。

これは、猫と鼠の追いかけっこゲームだ。Appleの技術者たちは今ごろ、すべての脆弱性を塞ごうと躍起になっているだろう。とにかく、自分のスマートフォンから個人情報を読まれたくなかったら、デバイス…ハードウェアもOSも…を最新に保つべきだ。

新しい機能があることに加えて、当てられているセキュリティパッチの数も最新機/最新OSでは多い。ハッカーは前と同じ手口を使おうとして、行き詰まるだろう。

[Edward Snowden: オープンで安価な製品を買わずにiPhoneを買う唯一の理由は、Appleの厳しいプライバシー保護とセキュリティだ。でもこの記事と、ForbesのCellebriteに関する記事は、iPhoneの価値の核心を脅かす。]

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MWCに見る3.5mmヘッドホーンジャックの盛衰、ないことが高級機の証拠、しかし低価格機では必須

ワイヤレスの産業が今、Mobile World Congressで最新の技術と製品を披露している。Samsung, Sony, Nokia, LGなどからここで発表されたスマートフォンの新製品は19機種だ。各社はそれらを、2018年に消費者に売っていくつもりだ。その多くに3.5mmのジャックがあるが、でもその多くは中級から初級レベルの機種で、各社の旗艦的製品からは急速に姿を消しつつある。

上記19機種の中で、古典的な3.5mmのヘッドホーンジャックがあるのは17機種だ。ないのは、Sony XZ2, Sony XZ2 Compact, そしてNokia 8 Siroccoだ。しかしこれらの機種の前の型には3.5mmジャックがある。〔下図参照〕

いわゆる旗艦機の中でも、Samsung Galaxy S9とLG V30s ThinQは3.5mmのヘッドホーンジャックがある。SamsungはS9の発表の席で、このスマートフォンは革新的である、3.5mmのポートがあるからBluetoothが要らない、とジョークを言った。

3.5mmのジャックは2016年から徐々に姿を消し始めた。その年の4月にLeEcoは、ジャックがなくて、USB-Cをオーディオ用とする一連のスマートフォンを発表した。その後、Appleは2016年9月にiPhone 7でジャックを消し、さらにGoogle Pixel, Moto Z, HTC U11, Xiaomi Mi 6らがこのトレンドに乗った。

ヘッドホーンジャックがある機種と、ない機種の境(さかい)が明確になってきた。

MWC 2018で発表されたスマートフォンの多くが、低価格のミッドレンジ機で、それらはどれも3.5mmのジャックがある。いくつかの旗艦機も発表されたが、ヘッドホーンジャックがあるのはその半分だ。ただし量販されていないLand Rover ExploreとCat Rugged S61は、計算から除外する。

MWC 2018で新製品を発表しなかったのが、Motorola, HTC, Xiaomi, Huaweiだが、彼らの今後の機種に3.5mmのジャックがあることは、考えられない。すでに、前の機種からないのだから。

低価格機の3.5mmジャックは、Bluetoothヘッドセットがうんと安くなるまで、なくならないだろう。今は、ミッドレンジのBluetoothヘッドセットの方が、一部のスマートフォンよりも高い。

2018年の初めという今の時点では、ヘッドホーンジャックはミッドレンジから初級レベルのスマートフォンでのみ、標準装備だ。各社の旗艦的機種では、3.5mmジャックは徐々に姿を消し、やがて、このジャックがないことが高級機であることの印(しるし)のひとつ、と見なされるだろう。

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VivoやHuaweiのカメラを隠すデザインは未来のモバイルを先取りしている、かな?

今年のMobile World Congress(バルセロナ)では、おもしろいコンセプトが盛り上がっている。二つの製品が、カメラを使うときまではそれを隠すことによって、新鮮なデザインとプライバシーの強化を強調している。Vivoはカメラをスマートフォン本体の小さなスライド式トレイに収め、Huaweiは近く発売するMacBookクローンでカメラをキーボードの上のドアの下に隠している。

これはもしかして、モバイルのデザインの未来を暗示しているかもしれない。

ラップトップでもスマートフォンでも、カメラは長年、プライバシーのエキスパートを嘆かせる場所に置かれていた。カメラをリモートで使われるのを防ぐためにレンズをテープなどで塞いでいる人もいる。HPなどはシャッターを設けて、ユーザーのコントロールを強化していたが、ベゼルの幅をかなり必要とするので、すぐに廃(すた)れてしまった。

ベゼルが限りなくゼロに近づくにつれて、新しいソリューションが必要になった。iPhone Xのノッチは、その努力の例だ。でもVivoやHuaweiなどは、スクリーンの近くに小さな刻みを入れるよりも、ましなソリューションを求めている。

Huaweiの場合は、偽物のキーをキーボードに載せて、そこにカメラを収めた。そのキーを押すと、上蓋(あげぶた)のように開く。隠すのは迷案だが、しかし良い写真を撮るためにはカメラの位置や角度に注意する必要がある。実際に試してみると、そのままでビデオ会議などに参加するなら、ご自分の鼻毛をきちんと切っておくこと!

Vivoも、隠すという点ではHuaweiと同じだが、カメラをスライド式トレイに収め、使うときには上に飛び出てくる(上図)。これは、“前面にカメラさえなければ、完全なフルスクリーンに近くなる”、というEngadgetのChris Velazcoの要望に応えたデザインだ。

どちらも今のところは、現状に対するちょっと馬鹿げた代案にすぎないが、デザインのスタンダードを進化させようという試みでもある。どちらも可動式だから、壊れる危惧もある。でもぼくなんかは、このやり方が今後もっともっと改良されて、今の退屈な、単なる板に代わる、スマートフォンの新しいデザインの時代が来てほしい、と思うね。

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Alexaでコントロールするトイレの作り方…そう、自分で作れるものは作ろう

Alexaでコントロールするトイレは、2018年の話題の一つだが、数千ドルする。意欲果敢な人なら、このとおりやれば自作できる。ちょっと工作があるし、複数の部品を使うし、トイレの費用以外に約750ドル要る。しかしその最終結果は、音声でコントロールするトイレットだ。人間なら、誰もが欲しいと思うだろうね。

かんじんな部分は、赤外線リモコンつきのビデを買うことだ。それから、AdafruitのWi-Fi開発ボード使って、トイレに水を流す別のデバイスをトリガーする。簡単だ!

家の中の音声コントロールはかなり前から、ホームオートメーションの黄金律と見なされていたし、AlexaやGoogle Homeの登場によって自分ち用のJarvisを作ることがいよいよ容易になった。Mark Zuckerbergが家庭用人工知能Jarvisを作って彼の家のあちこちをコントロールしようとしたのは、わずか2年前だ。そして今では、ちょっとしたハッキングとコーディングで誰もが同じことをできる。でもZuckのAIは、声がハリウッドスターのMorgan Freemanだ。Alexaと格が違うのは、この点だけだね。

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スマートフォンの写真の人工的ぼけの上手下手を点数で評価するDxOMark

DxOMarkのピクセルピーパー(pixel-peeper, デジタルフォト技術者/マニア)たちが、スマートフォンの写真の人工的なぼけの質を判定するおもしろい測度とテクニックを紹介している。ぼけの評価自体も難しいが、彼らはそのやり方を体系化したのだ! 彼らのガイドはベテランの撮影者にも、計算機が作り出すぼけと、そのさまざまな違いについて、いろんなことを教えてくれるだろう。

ふつうこの効果は、良いレンズをつけたSLRの絞りをいっぱいに開いて撮ると得られる。背景がなめらかにぼけて、しかしライトポイント(光が当たってるところ)の形はよく分かる。

最近では各メーカーの主要機種にほとんど必ずある、背景の人工的なぼけの利点と不利は、デュアルカメラという技術に起因している。一つのシーンを二つのカメラで撮ると、その情報を使って深度マップを捉えることができ、そうすると一定の距離よりも向こうをぼかせられる。そしてSLRの撮影効果の、まあまあのシミュレーションが出来上がる。

背景のなめらかなぼけを見よ…撮影はぼくだ。

しかしもちろん、そのやり方には巧拙がある。この人工的な方法を採ったことの証拠がいくつかあり、DxOMarkのチームはそれらを見つけて評価に使っている。証拠のいくつかは当然あるもの。しかし、やや意外なのもある。彼らのクレージーなテストのセットアップは、それらの‘異状’をすべてあぶり出す。

たとえば、たぶんご存知と思うが、この人工的ぼけシステムは、ぼかしてはならないものをぼかすことがある。髪の毛やそのカール、植物の近くの手、など。それはもちろん的外れだが、しかし背景の本物のぼけは焦点の前後にかけてなめらかに大きくなり、焦点近くのものはわずかにぼける程度、そして遠くのライトは単なる円形のにじみになってしまう。

スマートフォンがそれをシミュレートするためには、シーン内のあらゆるものの深度マップを計算する必要がある。そしてそれに基づいて、漸進的にぼかしていく。しかしそんな処理は時間と電池を食うから、実際にそれをやっている機種はほとんどない。ではなぜその光学的現象を模倣するのか、というと、そうしないといけないトレンドだからだ。そしてDxOMarkは、その努力の結果を格付けする。

この記事では、ほんの少しのことしか書けなかったが、詳しくはこれを読んでいただきたい。そうすると次にこのサイトのレビューを見たとき、その点数の理由が分かるだろう。

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Apple、コバルトを採掘会社から直接購入か

コバルトは次なる石油だ。自動車メーカーもバッテリー製造会社も、リチウムイオン電池のために採掘会社と複数年契約を競って結んでいる。Bloombergの記事によると、Appleも長期的供給源を確保すべくこのゲームに参入しようとしている。

この会社がコバルトに関してこうした動きを見せたことはこれまでなかった。Appleは自社デバイスの部品を膨大な数の供給元に頼っている ?? バッテリーもその一つ。しかし、コバルトの価格は過去18カ月で3倍になった。Appleは、バッテリー製造会社よりも簡単に契約を取れる可能性が高い。

Apple Watchのバッテリーは、自動車で使われるバッテリーよりも桁違いに小さいが、Appleは毎年膨大な数のデバイスを売っている。iPhoneとMacのバッテリーは相当量のコバルトを消費している。

しかし問題は、自動車メーカーがコバルトのサプライヤーに多大な圧力をかけていることだ。BMWとVolkswagenもサプライチェーンを確保すべく複数年契約を結ぼうとしている。おそらく他の自動車メーカーもコバルトの価格に目を光らせている。

コバルトを採掘会社から直接購入することで、サプライチェーンの管理が容易になるという副次効果がある。第三者からバッテリーを購入する場合、そこで使われているコバルトがどこから来るのかを知ることは難しい。そして、それは大きな問題になりかねない。

Amnesty Internationalが2016年1月に発行したコバルト鉱石に関する報告書によると、IT企業も自動車メーカーも、コンゴ民主共和国の児童労働を防止する努力が十分ではないと指摘している。コンゴ民主共和国は世界のコバルト生産量の50パーセントを産出している。

そして数カ月前、Amnesty Internationalはレポートを更新し、Appleは他のメーカーより透明性が高いと報告した。現在同社はコバルト供給源のリストを公開している。しかし、採掘会社が基本的人権を守っていることを確かめる道はまだ長い。

しかし、正直に言って今回のケースでは、Appleの主な目的は今後の製品で使う十分な量のコバルトを適正価格で買うことだろう。そしてこの会社はこの手の取引に必要な資金を十分にもっている。

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Nestの監視カメラでGoogle Assistantが使えるようになった

今月始めにGoogleがハードウェア事業にNestを取り込むことを公表して以来、両社のつながりが強化されると誰もが予想した。その通り、2週間後にNest Cam IQ Indoorは、Google Assistantのサポートを得ることになった。

Nestによると、このアップデートでユーザーは今日中にGoogle Assitant機能を利用できるようになる。元々Nest Cam IQには、マイクロホンとスピーカーが内蔵されていて双方向コミュニケーションが可能なので、これは既存のハードウェアの再活用といえる。

ひとたびスイッチが入ると、Cam IQのGoogle AssistantはほかのGoogle Homeデバイスと同じように働く(音楽再生、通話、ニュースを聞くなど大きいスピーカーを必要とするものを除く) —— “OK Google” に続けて問いかけるだけだ。

この機能が入るのは今のところCam IQ Indoor〈だけ〉のようだ —— よってアウトドア用のCamや古いDropcamに向かってコマンドを発するのはまだやめたほうがいい。

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へき地のインターネットを手作りで、MozillaとNSFが懸賞で地域の小規模プロジェクトを募る

FCCは今、委員長のPaiが頻繁に言うように、“デジタル格差の解消”に熱心に取り組んでいて、そのためのファンドConnect America Fund IIも役に立つのだろう。でも大企業が設備投資に走る中、インターネットを安定的に利用できない人たちがアメリカの至るところにいる。MozillaとNational Science Foundation(NSF, 米国科学財団)は、まだまともな帯域を利用できない人びとに良質なインターネット接続を提供するためのプロジェクトを、懸賞つきで募集している。

このWireless Innovation for a Networks Society(略称WINS)と呼ばれる懸賞には募集課題が二つある。ひとつは、災害時やそのほかの緊急時に、人びとにワイヤレスでインターネット接続を提供する技術。そしてもうひとつは、既存のワイヤレスインフラストラクチャにコミュニティ*が接続してインターネットを正常に利用できるようにする技術。〔*: コミュニティ, 原住民居住区など、恵まれないコミュニティ〕

優勝賞金は一等が6万ドル、二等が4万ドル、三等が3万ドルだ。これらの最初の賞金は大きなプロジェクトの最初のラウンドで、夏までには設計コンセプトをプロトタイプに実装して、実用デモを行い、最終勝者は秋に決まる。

最初の“オフ・ザ・グリッド”(off-the-grid, 災害時緊急時の自給接続)賞は、一等がLanternだ。このポケットサイズのデバイス(下図)は、一般市販の部品を使って、一種のオフラインWi-Fiを作り、ほかの人たちがそこに接続できる。SDカードにロードする各地域データは、アプリやWebからワイヤレスで入手できる。

アップデートや、インターネット上のほかのユーザーからのメッセージや情報などもダウンロードされ、それらリソースの場所がオフラインのマップに加えられる。

二等と三等は、ポータブルなネットワークインフラストラクチャデバイスで、ベーシックな(携帯の)通話やメッセージングで互いにつながり、可能ならLTEネットワークにもつながる。

第二の賞、コミュニティを既存のネットワークにつなぐ部門の一等賞は、Equitable Internet Initiativeだ。このデトロイト生まれのプロジェクトは、一つの都市内にギガバイトを享受できる地区と、ブロードバンドのブの字もない地区がある、という不満の解消をねらっている。プロジェクトを推進したDetroit Community Technology ProjectのDiana Nuceraはセットアップを2016年に開始し、ワイヤレスのリピーターと、独自のギガビット接続を広げるアクセスポイント、そして必要に応じてイントラネットのリソースをインストールしている。

チームは6万ドルの賞金でネットワークを強化し、電力をソーラーでバックアップしたり、緊急時用や長期的プランも作りたい、としている。

二等賞のNoogaNetは、電柱を利用してメッシュネットワークを作る。同点二等賞のSouthern Connected Communities Networkは、アパラチア地方や南部の不遇の地に、ブロードバンドをワイヤレスで広めようとしている。

さらに12の佳作があり、それぞれ1万ドルをもらった。WINSのWebサイトに入賞者のリストがある。あなたの地域で、お手伝いできることが、あるかもしれない。

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ロボットに虐待やいたずら対策を実装するより人間のマナー向上が先…その深遠な理由

おぼえておられると思うけど、先週はBoston Dynamicsの最新ロボット、細身で黄色のSpot Miniが、自分でドアを開けられるようになった。でも、それぐらいでロボットを怒らせたいとは、誰も思わない。でもロボットたちはやがて、人間個人を見分けるようになるだろう。そして、ロボットの停止ボタン勝手にを押した人を見つけると、自分のやるべきことをやらせてくれないロボット虐待の罪で、そいつを罰するかもしれない。Spot Miniもやがて、紐に繋がれていない自由な‘生き物’になる。

でも、ロボットを複雑で混みあった環境の中を歩かせるときには、このような、‘妨害に遭ったときにどうするか’というテストが欠かせない。意図的な妨害でも、あるいは事故や偶然による妨害でも、そんなときロボットはどう反応すべきか。もちろん、ロボットには妨害から立ち直る能力が必要だ。想定外が生じたとき混乱するだけなら、仕事はできない。

どんな場合でも、対応できずに途方に暮れるロボットを見るのは辛(つら)いだろう。ぼくなら、辛いね。まじめに仕事をしているのに、自分の部品を外してしまったいたずら人間を怒れないなんて、まさにロボット虐待ではないか。

たぶんロボットは、ドアを開けられるだけでなく、超人的な忍耐力(我慢する能力)を持つだろう。ぜひ、そう願いたい。ぼくは、招待されてBD社にSpot Miniを見に行ったとき、一度だけ彼を蹴ったことがある。この記事を読んでいるマシンのみなさま、ごめんなさい

画像提供: Boston Dynamics

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Spotifyの求人情報に同社「初のハードウェア製品」のヒント

これまでSpotifyは、Spotify Connectプラットフォームを通じて長年様々なハードウェアメーカーと提携することで満足してきた。つながるスピーカーやモバイル端末、AV機器などを、誰でもSpotifyスピーカーに変えることを可能にするためのしくみだ。しかし、最新の求人情報によると、同社自身がハードウェアを作ろうとしていて、そのための人材を探しているらしい。

The Guardianが見つけた求人情報には、「ハードウェア製品」のオペレーション・マネージャーを求めていることが書かれており、職務明細の一行目には「Spotifyは同社初のハードウェア製品の開発にとりかかっている」と明示されている。どんな製品なのかの詳細はないが、つながるスマートスピーカーの一種である可能性は高い。ソフトウェア中心のSpotifyがハードウェアの世界に参入する第一ステップとして理にかなった選択だ。

Spotify専用のスマートスピーカーは大いに期待できる。何らかのアシスタント機能を備えているならはなおさらで、ストリーミング界のリーダーがソフトウェアでの成功を製品エコシステムへと拡大して事業の多様化を進める好調なスタートといえる。問題は、果たしてSpotifyは既存のパートナーのデバイスにできないものを提供できるのか、また、ハードウェアパートナーらによるオープンなエコシステムを、自社ハードウェア開発を始めたあとも維持できるのかという点だ。

あるいは、Spotify専用のストリーミングデバイス(低価格でSpotifyに特化したiPodタイプのプレーヤーは有力なアイデア)という可能性もある。ともあれ募集職種を見る限り、ストリーミング音楽プロバイダーが、どんなガジェット戦略を持っているにせよ、まだ始まったばかりのようだ。

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iOSとmacOSがユニコード文字の爆弾対策を完了、今日からダウンロードできる

先週本誌が報じた、特定のユニコード文字でAppleのオペレーティングシステムがクラッシュするという問題を今日(米国時間2/19)Appleは、iOS 11.2.6とmacOS 10.13.3でフィックスした。どちらも今日からダウンロードできる。

Aloha Browserが通常の開発過程で見つけたこの問題は、英語以外の文字の取り扱いがお粗末だった、というバグだ。われわれもiOSとmacOSのさまざまなアプリで、それらが直ちにクラッシュすることを確認した。この脆弱性は、CVE-2018-4124という名前でMITREに載っているから、興味のある方はご覧いただきたい。

Appleは先週本誌に、フィックスを近く提供する、と述べた。実際にはそれは、ベータではすでにフィックスされていた。しかしプロダクションバージョンのパッチは、ほんの数分前にリリースされたようだ(iOSmacOS)。Appleはその魔の文字を、“ヒープの破損”に導く“悪意ある人工的文字列”〔たまたまの自然発生ではない〕、と呼んでいる。macOSの10.13.3より前にはないようだから、古いバージョンのユーザーは安心だ。

iOSのパッチは、“一部のサードパーティアプリが外部アクセサリに接続できない問題”もフィックスしているが、これはテキスト爆弾問題とは無関係だ。

どちらのアップデートも、今すぐダウンロードできるはずだ。なまけると、またいたずらに遭うかもしれない。

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とってもシンプルな時間管理デバイスTimeFlipはメカだけを買って外殻を自作できる

あなたがぼくみたいな人間なら、きっとこの記事がお役に立つだろう。時間の管理をもっとちゃんとやりたいのだけど、面倒だからつい怠けてしまう。TimeFlipという、とてもシンプルな形をした小道具(上図)を使うと、その面をひっくり返すだけで、いろんな作業や活動に費やした時間が分かる。

この十二面体の中には小さな加速度計が入っていて、今どの面が上になってるかを判断する。これからすることが図案で表現されている面を上にすると、時間を表す信号をスマートフォンのアプリへBluetoothで送り始める。

これからメールの返事を書き始めるなら、メールの面を上にしよう。ちょっと休憩してYouTubeのビデオを見たい? ではビデオの図案の面を上に。これからジムへ行く? ではジムの絵を上にして。

いろんな図案のステッカーが、製品に同梱されている: ショッピング、食事、読書、…、“なにもしてない”、という図案もある。白紙のステッカーもたくさんあるから、喧嘩、編み物など、何でも図案を作れる。手描きでも、プリンターでも。

正式にアカウントを取ると、メーカーのサーバーが時間を記録してくれるから、それをパソコンやラップトップから見ることもできる。アカウントを取らなくてもそれができると、もっといいけどね。

発売から間もないが、TimeFlipのWebサイトから買える在庫はもうあまりない。でも作者のIlya TarassovがCESで語ったところによると、2月からはAmazonでも買える。

ぼくは先週じゅう、ずっと使ってみたが、基本的な時間管理にはとても役に立つ。完成品のキットは50ドルだが、センサーだけを買って外殻を自作してもよい。

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イーロン・マスク、火炎放射器を1万5000台売ってトンネル会社に750万ドルをもたらす

Elon Muskのトンネル掘削会社、The Boring Company は火炎放射器の販売によって十分な資本を獲得しつつある(そう、火炎放射器(flamethrower)だ)。どうみても法外な値段のこの代物は、材料費30ドルほどで自作できそうだが、500ドルで売られており、Elon Muskの穴堀りベンチャーはすでに750万ドルを稼いでいる。

これは発売開始からわずか1日の出来事で、消火器の売上は含まれていない(こちらも30ドルと高すぎる値付け)。Muskによると、これまでに売った火炎放射器は1万5000台で、この販売期間中に用意されているのは全部でわずか2万台だ。

つまり、在庫が一掃される可能性は高いので、この公共交通の歴史に残るかもしれない一品をぜひとも欲しいという人は、今すぐ行動を起こすべきだ。あるいは今の生活を続けて、このサーカスショウを無視して会社の本業であるべき地下をつなぐハイパーループネットワークの建設に注目するのもいいだろう。

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Apple、新しいMacにARMコプロセッサーを採用か

Bloombergの報道によると、今年Appleは新しいMacを3モデル開発している。その3機種ともセキュリティー強化のためにARMコプロセッサーを装備する可能性がある。AppleはARMチップセットに全面移行するわけではない。どのMacにもIntel CPUが使われ、ARMコプロセッサーはそこに共存する。

現在MacBook ProにはT1チップが、iMac ProにばT2チップが使用されている。MacBook ProではTouch IDセンサーとTouch BarをARMコプロセッサーが制御している。

こうすることで、ユーザーの指紋はMacのSSDドライブに一切保存されない —— T1のSecure Enclaveと呼ばれる隔離された領域に置かれる。Intel CPUは、指紋が認証された時に成功の合図を受け取るだけだ

iMac Proはさらに一歩進め、T2チップを使って多くの専用コントローラーを置き換えている。ステレオスピーカー、内蔵マイク、ファン、カメラ、および内蔵ストレージをT2が制御している。このコプロセッサーはデータをリアルタイムで暗号化することができる。また、デバイスをブートした際、T2がまずシステムの整合性を検証してからIntel CPUに制御を手渡す。

Appleが新しいMac Proの開発を今も続けていることは誰もが知っている。そして、このハイエンドデスクトップ機にARMコプロセッサーを装備することは理にかなっている。しかし、どうやらAppleはARMコプロセッサーを全ラインアップで使いたいようだ。

Bloombergは、今年ノートの2モデルにARMコプロセッサーが採用されると予想している。それは改訂された12インチRetina MacBookと、新しいMacBook Airなのか? そもそもMacBook Airが再び改訂されるかどうかも定かではないが、Appleの製品ラインアップでほかに候補となるノートパソコンは見当たらない。いずれにせよ、ARMコプロセッサーを備えた新しいMac機種では、マルウェアなランサムウェアに対する回復力が今よりずっと高くなるはずだ。

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最後まで邪魔されずに映画を見たい人はPoptheatrのバケツを頭にかぶろう

あなたは、人と接触するのが嫌いかな? でも映画は好き? バケツも好きかな? 最後の質問にイエスなら、そんなあなたのための製品があるんだ。

Poptheatrは、あなたが自分の頭を入れるためのバケツだ。バケツの上部にタブレットなどを置き、あなたは仰向けに寝た快適な姿勢で、映画でもテレビでもポルノでも、お好きなものを見られる。両手は空いているから、付属のBluetoothデバイスでビデオの再生をコントロールできる。

作者はこう書いている: “Poptheatrは、あなただけのプライベートな劇場だ。ご自分のモバイルデバイスの画面を見ながらパーソナルな視聴体験ができる。途中で邪魔がいっさい入らないから、一瞬も見落としのない完全な視聴を楽しめる”。これでお分かりと思うが、ビデオを楽しむ最良の方法は、仰向けに寝てバケツを頭にかぶることなのだ。

初期の出資支援者には54ドルで7月に届く。公園のベンチや田舎の廃校でバケツ・ビデオを見るには、最適の季節だ。最終小売価格は119ドルである。

それまで待てない人は、ホームセンターで買ったバケツの底に穴を開けて、そいつをかぶるのはどうだろう? 頭の小さな人なら、Quaker Oatsなど、シリアルやお菓子の大缶でもよいと思う。とにかく、頭にバケツをかぶって映画を見るというエキサイティングな体験をDIYした人は、その画像をぼく(@johnbiggs)にツイートしてほしい。前もって、ありがとう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleがSierraとEl Capitanが動いているMacのためにMeltdownのフィックスを発行

賢人のかつて曰く、“何度かパッチが当てられるまでは、OS Xをアップグレードするなかれ。しかもそのときですら、セキュリティ以外にはアップグレードする価値はなし”。この言葉は名前がmacOSに変わる前だが、多くの人を啓蒙し、旧バージョンに留まる者が増えた。ただし最近ではそんな態度は、最新バージョンでは保護されているMeltdown脆弱性を抱えたままになってしまう。しかし運良くAppleは、SierraとEl Capitanをフィックスの仲間に加えた

その最新のセキュリティアップデートは、あちこちでいくつかのランダムなエクスプロイトをフィックスしているが、なんといっても最大の売りは、SierraとEl Capitan MacのMeltdown脆弱性を確実に封じたことだ。これらのOSを使ってることは誰にも責められないが、アップグレードは早急にやるべきだ。

なぜか、MeltdownとSpectreの発見者の一人、Google Project Zeroの研究員Jann Hornの名が、このセキュリティアップデートの中で三回も登場している。

最初はMeltdownのフィックスに関してだから、予想の範囲内だ。しかしあとの二回は、最近報告された二つの新しい脆弱性、アクセスが制限されているメモリ番地を誰かに読まれてしまう、というのに関連している。

そのCVE-2018-4090CVE-2018-4093はMITREに予約されて載っているが、まだ説明は何もない。MeltdownやSpectreほど深刻なやつではないし、ここにあるのは偶然かもしれない。しかし同様のフィックスがAppleのほかのプラットホーム(iOS, tvOS)にもあるから、macOSだけの問題でないことは確かだ。でも、Google Project Zeroが近くまた何かを発表しても驚かないように。

Safariの別のアップデートは、三つの最新OSすべてにあるのとは無関係なエクスプロイトをフィックスしているが、二週間前のSpectreのフィックスには当然ながらGoogle Project Zeroのクレジットがある。

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