DockerアプリケーションをGoogleのクラウドプラットホーム上で展開運用するための管理サービスをアルファで立ち上げ

Googleが今日(米国時間11/5)、Google Container Engineというもののアルファテストを開始する、と発表した。それは、Googleのクラウドプラットホームの上でDockerによるコンテナを使用するアプリケーションを構築し運用するユーザに提供する、もろもろの管理サービスだ。

Dockerは今のデベロッパ界隈でいちばんホットな技術であり、デベロッパとの会話の中で必ず登場する名前だ。GoogleのCloud Platformのチームも、そのプラットホーム全体ををDockeベースで行くことに決め、顧客であるデベロッパが分散アプリケーションをより容易に構築運用できるようにしたい、と考えている。

基本的に今度の新サービスは、GoogleのオープンソースプロジェクトKubernetesをベースとする”Cluster-as-a-Service”のプラットホームだ。言い換えると、デベロッパは自分のクラスタを、Googleがその巨大なデータセンター向けに開発した独自のコンテナ技術を利用して管理できる。ユーザのアプリケーションは通常、複数のDockerコンテナで構成されるが、Kubernetesはそれらの動的(==ランタイムの)管理を助ける。

Googleによると、自社のクラウドプラットホームの“高速ブートと効率的なVMホストとシームレスな仮想化ネットワークの組み合わせ”は、“コンテナベースのアプリケーションを稼働させるための理想的な場所”だ、という。競合他社はこれに異議を唱えるだろうが、Dockerコンテナアプリケーションに対してこのレベルの管理サービスを提供しているところは、まだほかにない。

Googleは最初5月に、同社のManaged VM service(管理サービスを伴うVMサービス)の一環としてDockerイメージのサポートを開始した。これらの管理つきVMは今アルファを終えようとしており、自動化スケーリングのサポートが加わったことによりデベロッパは、Googleのプラットホーム上でDockerコンテナを、難しい作業を伴わずに利用できる。アルファやベータのGoogle的な定義では、ベータは、アクセス制御なし、課金なし、ただし技術的サポートに関するSLA(service level agreement)もなし、という意味だ。

そして今回のDockerクラスタ管理サービスはまだアルファだから、機能は不十分だし、不測のシステム事故はいつでもありえる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの”マテリアルデザイン”はすべてのAndroidデバイスのアプリを統一する

Androidオペレーティングシステムの最新バージョンLollipopのリリースにより、Androidアプリ上のユーザインタフェイスの新しいデザイン方針である”material design”(マテリアルデザイン)の本格的な普及も始まる。

Googleがこのデザインを初めて発表したのは今年の夏だが、先月(10月)の本誌の記事では、Googleがその日発表したマテリアルデザインの詳細を紹介している。全体としては明るくて強い色が強調され、アニメーションや対話的機能の動きは、現実世界における物の動きをそのまま再現しようとしている。

今回、Androidのデザイン担当VPのMatias DuarteとデザイナーのNicholas Jitkoffに取材したが、話はマテリアルデザインの詳細よりも、それらを支える思想の話が多くなった。

まずJitkoffの説明では、目標は、Googleのすべてのプラットホームで共通的に使われるデザインシステムを作ることだった。同じデザインをスマートフォンアプリにもラップトップPCのアプリケーションにも使えて、どちらにも使いづらさなどがないこと。すなわち“エレガントなスケーラビリティ”が目標だ。Jitkoffによると、画面が大きくなるといろんなものを詰め込みたくなるものだが、マテリアルデザインでは、そういうことをしなくても大型画面上で十分サマになることを目指した。

さきほど、現実世界の物の動き、と言ったが、DuarteとJitkoffが見せてくれた写真では、本物の紙製のオブジェクトのようなものを、このデザイン方針の下(もと)で使っている(トップの写真)。ただしマテリアルデザインの方針は、現実世界でできない/起きないことをやってはいけない、とは言っていない。この取材の席では、期待していたskeuomorphismスキューモーフィズム)は見られなかったが。

“現実の世界には、マテリアルデザインのデザイン要素のようにスケールしたり形を変えたりするものはない”、とDuarteは語る。そこで目標は、画面の中に独自の世界があることをユーザに認識してもらうことだ。そしてその世界の中では、オブジェクトが現実世界の物とほぼ同じように、動いたりするのだ。

DuarteとJitkoffは、マテリアルデザインに基づいて改作された既存のサードパーティアプリケーションについて話してくれたが、でもほかの企業でも、デザイナーたちは、そうやってマテリアルデザイン的な物理モデルを作る/作らされることになるのだろうか。Jitkoffは、それは一度限りの実験だった、とは言うが。

Duarteによると、マテリアルデザインはGoogleがほかの企業に強制するルールではない。“ルールなら、それを強制するための方法が必要だが、Googleにはそんなものはない”(罰則などはない)、と彼は言う。むしろGoogleのガイドラインや技術的枠組みは、“いちばんやりやすい方法”を示唆しているだけだ。

ただしGoogleが作る今後のアプリケーション/アプリは、すべてマテリアルデザインになるだろう。最近話題になったGoogleの新しいメールアプリInboxも、その例だ。

“社内的には鞭を入れている”が、しかしそれでも、全社的徹底には時間を要する。なにぶんにもまだ、スタートしたばかりのプロジェクトだ。

詳細は、Googleのこのブログ記事にある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Android 5.0 Lollipop タブレット版レビュー

Nexus 9を皮切りにGoogleの次世代モバイルOSの一般公開が始まった。以下、概要をレビューした。

デザイン

Android 5.0 Lollipopでもっとも目立つポイントはデザインの革新だといっていいだろう。Lollipopは大胆なカラー・スキームとアニメーションを特徴とするマテリアル・デザインと呼ばれるUIプラットフォームを全面的に採用した初のAndroidだ。一部に例外はあるもののGoogleのAndroidアプリは全面的にマテリアル・デザインに移行した。

このデザインは現実世界の素材(マテリアル)のように一つの要素が他の要素に重なり合ったり動いたりする。また背景に影を落とし、アイコンから展開し、最小化する際にはアニメーションが加えられている。全体の印象は一種の絵本をのようで、複雑だが、直感的に理解できる。原色を多様したフラットなデザインでフォントもエレガントだ。

LollipopのUIをしばらく使ってから在来のAndroidに戻ると、いかにも古臭く感じられる。Nexus 7上のAndroid 4.4.4でさえ前時代のモバイル環境に見えてしまう。Android 5.0のUIはモバイル・ソフトウェアにドラマチックな革新をもたらしたといってよいだろう。

下にアプリのドロワーを開閉するアニメーションのGIFを貼った。以前のAndroidは全体としてWindows以前のパソコンのDOS画面のトップにメニューが固定されている泥臭いGUIを思わせるところがあった。Android 5.0はついにそうした重苦しさを払拭し、裏で複雑なコードが実行されているなどということを忘れさせる軽快に体験に進化した。

Android 5.0のUIはほとんどのユーザーに歓迎されるだろう。特にカード式のマルチタスク切り替えはあまりによく出来ているので、ときおり意味なくぱらぱらとめくって見たくなったほどだ。

機能

もちろん5.0でのAndroidの変化はUIだけではない。今後大きな影響を与えることになりそうな重要な改良が多数含まれているが、その一つは暗号化だ。

Android 5.0デバイスではすべてのデータはデフォールトで暗号化される。そして(有効にしてある場合)ユーザー・セキュリティー・コードによって守られる。このため、デバイスを紛失したり盗難にあってロック画面がバイパスされ、直接メモリにアクセスされた場合で第三者が読み出すことは非常に困難だ。

さらに日常的に利便性の高い新しいセキュリティー機能はスマート・ロックだ。Lollipopデバイスは他のLollipopデバイスを「信頼デバイス」として指定することができる。するとペアリングしただけで、自動的にロックが解除される。いちいちロック解除のパスコードを入力するのが面倒なためタブレットではとかくパスコードの設定を怠りがちになるが、スマート・ロックを利用すれば面倒なパスコードの入力なしにセキュリティーが大幅に高まる。

私はNexus 9をAndroid Wear搭載のLG Gスマートウォットと自宅のインターネットラジオとBluetoothでペアリングするよう設定した。これでこれらのデバイスの付近にいるかぎり、Nexus 9は自動的にアンロックされる。スマートウォットは外出中常に身に着けているデバイスでから紛失のおそれは他のデバイスより格段に少ないので安全性が高い。.

Lollipopではキーボードのデザインも一新された。デザインは紙に印刷されたイラストのような印象で、キーを囲む区切り線は廃止された。使ってみたところではこのデザインのほうがミスタッチが少ないようだ。

GmailとCalendarアプリも大きく改良された。 新しいGmailアプリはGoogleが先ごろローンチしたInboxメール・クライアントに近づいている。ただしGmailアプリはInboxほどソフトウェアによる自動振り分けを行わない。

カレンダー・アプリについては別の記事で詳しく紹介している。.

少々残念な点

とはいえ、新旧のAndroidユーザーが戸惑うような点がないではない。たとえば通知トレイで設定メニューを表示する方法は一見しただけでは分からない。ユーザー・アカウントのアイコンをクリックすると設定ページが開くとか、このアイコンをダブルタップすると実際のユーザー・アカウント設定ページが開くとかは、そうと知らなければ気づかないだろう。シンプルな幾何学図形のアイコンも何を意味しているのかわかりにくい。</p

Gmailやカレンダーのような重要なアプリが一新されたのは良いことだが、イノベーションから漏れたアプリもある。中でもHangoutsがバージョンアップされなかったのは残念だ。

またOSのメジャー・バージョンアップではやむを得ないことだが、まだあちこちにバグが残っており、ときおり再起動が必要になる。私がテストした限りでは5.0のバグはさほど深刻なものではなかった。

結論

Lollipopは、 Android環境を完全に一新した。いささか重苦しくパソコンのGUI的だったこれまでのAndroidに代わってエレガントで軽快な使って楽しいUIになった。

ペーパークラフト的なメタファーを多用する新しいUIはある種の絵本を思わせるが、決して幼稚な印象は与えない。Googleにとって今後の重要課題は多くのサードパーティーのデベロッパーに対し、Lollipopの特長を活かしたキラー・アプリを開発するよう説得できるかどうかだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


新しいGoogleカレンダー・アプリはスマート補完やメールからの日程自動入力など新機能多数

今日(米国時間11/3)、GoogleはNexuxの新モデル2機種新しいカレンダー・アプリを搭載したことを発表した。今回対象となったのはLollipop 5.0のNexus 6とNexus 9だ。新カレンダーはLollipop 5.0とAndroid 4.1以降のすべてのデバイスで作動し、近くGoogle Play Storeで公開される。

現行のGoogleカレンダー・アプリは基本的にマニュアル操作だ。日付も時間も手でスクロールして選択しなければならないし、イベント名、場所、人名なども手打だ。新しいアプリはユーザーがイベントの入力を始めると自動補完で候補が表示されるようになった。

下に簡単なデモ・ビデオをエンベッドしてある。

新しいスケジュール・ページにはイベントの場所が地図で表示される。またイベントの場所の写真やイラストを含めることができる。Googleは「あなたの一日をちょっと明るくします」と説明している。

アシストというのはユーザーの過去の行動からイベント内容を提案する便利機能だ。たとえば毎週、ある友達と公園でジョギングしていると、新しいGoogleカレンダーはユーザーが「run…」と入力し始めると同時に公園と友人の名前を提案してくれる。

Googleカレンダーでもっとも重要な情報はイベントそのものだ。新アプリはイベントの情報をメールの受信トレイから収集する。たとえば、3週間後のニューヨーク行きのフライトを予約すると、カレンダーは予約確認のメールから情報を得て、正しい日付に時間、空港、フライト番号などを自動的に入力する。またそのフライトが遅延すると自動的にアップデートされる。

GoogleによればiPhone版も開発中だという。現在作動しているのはLollipop 5.0版だが、近くAndroid 4.1以降で作動するバージョンがPlay Storeで公開される。詳細はGoogleの公式ブログで。

画像:Google Official Gmail Blog

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


GoogleのCopresenceは、クロスプラットフォーム版AirDropらしい

Googleは、Android端末のユーザーが、近くにいる別のユーザーとメディアを共有できる新サービスを開発している。相手は、GoogleのモバイルOSでないiPhoneやiPadなどのiOS端末を使っているユーザーでもよい。Copresenceと呼ばれるこの機能は、最新のGoolge PlayサービスAPKを探索するAndroid Policeが暴露したもので、位置情報またはBluetoothを使って距離に応じた認証を行い、Android Beamのように連絡先リストを必要としない。

Copresence機能は、Wi-FiまたはWi-Fi Directを使ってデータの受け渡しを行い、マップ、音楽、写真、ウェブサイト、その他の共有が可能になる。チャットアプリのHangoutsとも密に統合することが、APKで発見された画像から推測される。これはHangoutsアプリにも内蔵されてしかるべき機能だが、以前に報告されたChromeのAPIもあることから、これはChromecastのCast機能と同様、デベロッパーが個々のアプリに内蔵できるようになるものかもしれない。

Apple iOSのAirDropは、近くのiOS端末同士がネットワークを通じて共有することが可能で、連絡先にない相手とも共有出来るが、 エコシステムを越えることはできない。iOS 8アップデートとYosemiteがあれば、モバイルとデスクトップの間を行き来できるが、参加するためにはやはりAppleデバイスユーザーでなくてはならない。GoogleのCopresence機能は、そんな制限の先を行くものであり、AirPlayが今もAppleのみの出来事であるのに対して、Chromecastの機能がiOSエコシステムにも拡張されているのとも似ている。

Android Policeによると、Google Presenceは「今後数週間」のうちにデビューするようなので、この非常に便利そうな機能を使えるまでそれほど待たずに済みそうだ。Google の次世代モバイルOS Android 5.0 Lollipopがすごそこまで来ている今、Copresenceがデビューを飾るには相応しいタイミングだ。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook


アンドロイドの父、アンディー・ルービンがGoogleを離れてハードウェア・インキュベーター創立へ

GoogleにAndroidをもたらしたアンディー・ルービンが同社を離れることになった。Wall Street Journalによれば,、ルービンは今後先進テクノロジー・ハードウェア製品を開発するスタートアップを育成するインキュベーターを設立するという。

GoogleもCEOのラリー・ペイジの予め用意された声明でこの情報を確認した。 ペイジは「アンディーの出発を心から祝いたい。アンディーはAndroidで真に驚くべきことを成し遂げた―10億人以上のハッピーなユーザーだ。ありがとう!」と述べた。

ルービンが設立を予定しているインキュベーターをGoogleが資金、運営面で支援するのかについてGoogleはコメントを避けた。またこのインキュベーターの名称もまだ明らかになっていない。

ルービンが指揮していたロボティクス事業は部下のJames Kuffnerが昇進してルービンの後任となる。

Rubinが開発したAndroidがGoogleに買収されて急成長したことは彼にとって大きな幸運だった。しかしAndroidが世界最大のモバイル・プラットフォームに成長するとルービンはその責任者の地位から外された。2013年にChromeブラウザーとChrome OSを担当していたスンダル・ピチャイがAndroid事業の指揮も兼任することになった。

数日前にピチャイはさらに多くの責任を追う立場に抜擢され、Googleでは事実上ラリー・ペイジに次ぐ地位を確立した。.

Android事業から外れた後Rubinは実験的なロボット事業部門の責任者の地位についていたが、今回発表されたルービンの今後の事業展開と一致する方向だった。

ルービンの経歴はもともとハードウェアから始まっている。ルービンは1989年にAppleに入社、Appleの子会社General Magicを経て独立、Dangerの共同ファウンダーとなってSidekickというモバイル端末を開発する。Dangerはルービンが去って5年後にMicrosoftに買収された。続いてルービンはRich Minerと共に2003年にAndroidを創立した。Googleは2005年にAndroidを買収し、これと共にルービンはGoogleに移籍した。

最近Googleを去った著名なエンジニアとしてはルービンの他に、教育スタートアップのUdacityに専念するため辞任したGoogle Xで自動運転車担当副社長を務めていたSebastian Thrunがいる。

画像: JOI ITO UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Googleの新しいブックマークサービス(旧称 Stars)が一般公開


Google Starsは、長らく噂されていたGoogleのブックマークサービスだが、今日(米国時間10/30)静かに一般公開された。Googleがブックマークサービスの改訂に取り組んでいることは、かなり前から知られていた。5月には、あるデベロッパーがまだテスト中だった “Google Stars” 拡張機能をリークした。そしてこのたびGoogleは、“Chrome Bookmark Manager”拡張機能のStarsインターフェースをChrome Web storeで静かに公開したようだ。

昨日早くにこのリリースを発見したThe Next Webは、新しい拡張機能はChromeの旧ブックマークインターフェースを完全に置き換えるものだと報じている。

これをインストールすると、Chromeユーザーはクリック一つでブックマークを保存、整理できるようになるほか、Googleの検索テクノロジーを生かして奥深く格納されたブックマークも見つけ出すことができる。この拡張機能は、ブックマークを保存する際に内容に応じて自動的にカテゴリー分けするため、手動による整理も不要にする。

新拡張機能にはソーシャル機能もあり、例えばお気に入りのブックマークフォルダーを友達と共有することができる ― Web 2.0全盛期の、DeliciousやDiigoなどのソーシャルブックマークサービスを思い出させる。

そしてもちろん、ブックマークはユーザーが使用している全デバイス間で同期される。

しかし、一般ユーザーにとってブックマークマネージャーの最も目立った変化は、インターフェースの改訂だ。退屈なリンクのリストはなくなった。Chromeの「ブックマーク」メニューバーから「ブックマークマネージャー」を選ぶと、あなたが保存したリンクのサムネイルが、可能であれば写真、説明と共に表示される。これを昔のリスト表示に戻す方法はなさそうなので、未整理の巨大なコレクションを持っている人はたくさんスクロールすることになりそうだ。

しかしそんなユーザーも、「編集」機能を活用して、複数のブックマークを選んで別のフォルダーに移動したり削除したりできるのは有難い。

一部のレビュアーらは新拡張機能の問題を報告しており、Chromeの最新バージョンが必要かもしれないとのこと。このブックマークマネージャーは、Googleがまだ公式アナウンスしていないことから、公開ベータである可能性もある。本誌はGoolgeに確認しているがまだ回答はない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google[x]、ナノ粒子を飲んでガン細胞を早期発見する画期的検査方法を開発中

近い将来、カプセルを飲むだけでガン細胞を発見することができるようになるらしい。Wall Street JournalのDigitalカンファレンスで、Googleのライフサイエンスの責任者、Andrew ConradはGoogleの秘密研究所、Google[x] がナノテクノロジーとウェアラブルデバイスを結合した疾病検査テクノロジーを開発中であることを発表した。

「われわれは受け身の検査から能動的な検査への転換を図ろうとしており、そのためのツールを開発中だ」とConradは説明した。このナノテクノロジーによる医学的検査はGoogle[x]のライフサイエンス部門として、糖尿病患者の血糖値をモニタするスマートコンタクトレンズ、Parkinson病患者の手の震えを軽減するデバイスに続く3つ目のプロジェクトだ。

このシステムでは疾患特有の細胞と結合する抗体で覆われたナノ粒子を利用して疾患の早期発見を行う。検査を受ける人はカプセルに入れた粒子を経口服用する。吸収された粒子は体内を循環し、異常な細胞があればそれと結合する。粒子はその後専用のウェアラブルデバイスによって「呼び戻され」、分析されて疾患の有無、種類が判定される。

「ナノスケールの『自動運転車』のようなものだ。われわれはこの粒子をコントロールして望む場所に駐車させようとしている」とConradはGoogle[x]のもうひとつのさらに大規模なプロジェクトを引き合いに出して説明した。Conradによれば、現在の医療システムは「エンジンが焼き付いて壊れてから初めてオイル交換をするようなもの」と述べた。

Bikanta’s tiny diamonds luminesce cells in the body.

Y Combinatorが支援するBikantaが開発中のダイヤモンドのナノ粒子を用いたガンの早期発見システムと同様、Googleのナノ粒子もガン細胞をMRIスキャンに写りやすくする特性を持たせることができるという。これにより今までよりずっと早期にガンを発見できるようになる。

またこのテクノロジーの応用範囲はガンの発見にとどまらず、医療のあらゆる分野に及ぶ。今日(米国時間10/28)のGoogle[x]のコメントによれば、 「動脈壁に蓄積したプラークが発する酵素を検知して心筋梗塞や脳卒中の早期発見に役立てることができるだろう。またサードパーティーがガンの手術や化学療法を受けた患者に対して感度の高い再発監視システムを開発するかもしれない。これは非常に需要の高い分野だ。付言すれば、われわれはこのテクノロジーの実用化を自ら行うことはせず、医療分野の専門企業にライセンスする計画だ。特定の疾病の検査手法の開発や安全性を確認する臨床検査などはすべてそのサードパーティーが実施することになる」という。

Conradによれば、われわれは病院に出向いて尿や血液を医師に提出する必要はなくなるという。Googleのナノ・ピルを服用し、専用デバイスを身に着けて結果を日々モニタすればよい。そのデータはクラウドにアップロードされ、医師が判定を行う。すると医師は「これまでは順調でしたが、2月ほど前からこれこれの病気の兆候が現れています」などと診断することになる。

医療分野ではプライバシーとセキュリティーがことの他重要になる。Googleはこのところアメリカ政府の要求に応じて情報を引き渡したとして非難されている。Conradは上記のように、Googleは実施面にはタッチせず、サードパーティーの医療専門企業が実用化を行うことを強調した。「(X線装置を製造している)GEが患者のX線写真を扱わないのと同じだ」とConradは例を挙げた。

ナノテクノロジーに関してはアメリカ政府もきわめて熱心で、2013年には200億ドルを研究開発に投資している。

Conradはこのナノ検査テクノロジーが10年以内にすべての医師が利用できるようになると期待している。またConradのチームは単に異常細胞を検知するだけでなく、そうした細胞を破壊する薬剤を運搬できるナノ粒子の開発も目指している。「ただし、正しい細胞を破壊するのでなければ危険なので、一層慎重な研究が必要になる」とConradは付け加えた。

現在、Google[x]では医学、物理学、化学、電気工学などの専門家100人がナノ粒子プロジェクトに携わっている。Conradは「不必要な死をできるかぎり退けるのがわれわれの目標だ」と語った。

画像:Flickr USER bfishadow

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


サンダー・ピチャイの昇格で、Googleのプラットフォーム統一化は進むのか


これは驚くべき権力委譲である。GoogleのCEO Larry Pageは、様々な中核プロジェクトの作戦参謀としての役割を、副官のSundar Pichaiに譲り渡す。著名なGoogle幹部のひとりであるPichaiは、既に指揮をとっているChromeブラウザー、Chrome OS、Google AppsおよびAndroidに加えて、Google+、検索、マップ、インフラストラクチャー、および広告を彼のポートフォリオに加える。

Pichaiが、GoogleのAndy RubinからAndroidを引き継いだ時、TechCrunchはこの交代を、 AndroidとChromeの新たな統合への兆候であると歓迎した。

Chrome OSとAndroidの両方を別々に持っていることは、急速なスクリーンの巨大化と共に意味をなさなくなっている。

より多くの製品グループをPichaiの下に置くことで、様々なプロジェクトの調和が高まることは容易に推察できることであり、可能であれば統合を進めていくことは明白な目標だ。

Chrome OSとAndroidは今も別々だ。タッチファーストのモバイルに優しいOSを、デスクトップ版と協調させようとしているのはGoogleだけではない。Googleの立場が奇異に感じるのは、そのデスクトップ版が、タッチファーストでモバイルに優しい、二分化されたOS〈たち〉から直接生まれ、配布されているからにすぎない。

Appleも同様の動きを見せ、デスクトップ中心のOS Xと、モバイルファーストのiOSが互いにやり取りできるようにしている。さらに極端なのはMicrosoftで、タブレット優先のユーザーインターフェースを劣化版Windows 7の上に詰め込もうとして、誰ひとり魅することができなかった。その会社はWindows 10というOSで過去の罪を償おうとしている。

Googleが単一のOSと製品ラインを望むであろう理由は明らかだ。OSの関係がスムーズになるほど、ユーザーを様々なデバイスカテゴリーに呼び込みやすくなる。そうすればGoogleの中核サービスである検索やマーケットプレイスの利用が増え、会社に直接あるいは間接的に売上がもたらされる。

念のため言っておくが、モバイルは未来の一部ではない。未来〈そのもの〉である。そしてGoogleのChrome OSプロジェクトは、Androidの端末の数とモバイルOSのデファクト標準であるという事実を踏まえれば、Androidという大きな枠の中で捉えざるを得ない。

Pichaiは、Googleが世界中で使われるテクノロジーを征服するために作ったツールのほぼすべてを、手中にできる立場を得た。果たして彼がどうやって、数々のハードウェア、ソフトウェア、およびサービスから、統合された何かを作り上げるのかは、未知の物語だ。

ささいな皮肉だが、Pichaiの名前はMicrosoftのCEO候補として上がったことがある。代わりに内部の候補者がその座を射止め、Pichaiはほぼ同じ規模の昇進を自社で果たした。

Googleの次期CEOが誰かに賭ける人はいるだろうか? もちろん、もしPichaiが責務に成功すればの話だ。

IMAGE BY FLICKR USER MAURIZIO PESCE UNDER CC BY 2.0 LICENSE

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google Inboxのベータ招待がeBayオークションで高値に

倍率なんと10倍だから、今ごろあなたは、GoogleのInboxアプリのベータを諦めてるかな? それとも、お金を払ってでも試したい?

eBayのユーザbpatel90が、そのオンラインオークションにベータへの招待を出品した。今それは、50ドルぐらいだ。

GoogleのInboxは発表されたばかりのモバイルアプリで、メールの扱い方をこれまでとはがらりと変えてしまう。今は人数を制限した招待制のベータだから、PlayのストアやApp Storeなどからはダウンロードできない。

このアプリを作ったのはかつてGmailを作った連中だが、Gmailとは似ても似つかぬものを志向している。どちらかというと、とてもおせっかいなGoogle Now的、そして部分的にはMailbox的でもある。

Inboxは、レシートとか予約とか、メールを自動的に種類別に分類するから、昔のをさかのぼって探すのが楽だ。また日付や時刻に基づいて重要なメールを見分け、それを高輝度で目立たせてくれる。仕事上の重要なメールを、見逃すおそれが少なくなる。

空港に向かってるときは、目的のフライトに関するお知らせメールなどを高輝度にする。フライトの出発時間が変更になったら、それもリアルタイムで知らせてくれる。またMailbox的に、ある種のメッセージを無視したり、メールからトゥドゥ(to-do)リストを作り、あなたの生産性アップのお手伝いをする。

とにかく機能がすごく豊富だから、ベータの招待をオークションに出せば高く売れる、と考えるやつがいても、おかしくはない。

誰しも、メールは嫌いだ。メールはインターネットの悲しき必要悪だ。だからメールの悩みを解消してくれる新しいアプリ(のベータの招待)は、eBayでどんどん高値が更新されるだろう、かな、果たして?

すでにそのアプリを持ってる人をTwitter上でいじめてもよい。こんなふうに:

昨日発表されたばかりのアプリについて、詳しく知らない人が多いのは当たり前だけど、詳しく知りたい人はGoogleの公式の発表声明を読むか、下のビデオを見るとよいだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ペンギンアップデート3.0は今だ更新中!

ペンギンアップデート3.0が1年ぶりにあったことを報告しましたが、順位変動がなくほっとした皆さんも多かったと思います。しかし実は適応自体はまだ完了していない、ということで、その内容を追加報告。 — SEO Japan

penguins-ss-1920

Googleは、先週の金曜日の夜にペンギン 3.0(日本語)を展開し、アルゴリズムのアップデートを敢行した。ペンギンアルゴリズムは、主に、サイトの被リンクプロフィールに注目し、品質の低い被リンクプロフィールを持っていると思われるサイトを格下げする。

Googleは、ペンギン 3.0のリリースに関する伝達を積極的に行わなかった。アップデートが行われた24時間後に認めただけであり、また、通常、尋ねれば教えてくれるはずの情報を提供してくれなかった。しかし、東部時間の3:50AMになって、Googleのピエール・ファーが、Google+で詳細を明らかにしてくれた。

明らかになった情報を簡潔にまとめた:

(1) これはワールドワイドなアップデートであり、全ての地域のGoogleにインパクトを与える。
(2) 展開はまだ完了していない。「今後数週間」に渡って行われる模様だ。
(3) 影響を受ける英語のクエリは1%以下だが、その他の言語のクエリに与える影響はさらに小さい、または、大きい可能性がある。
(4) Googleは、金曜日に展開を開始したことを認めた。
(5) ピエール・ファーは、今回のアップデートを「更新」と呼んでいた。
(6) 品質の低いリンクプロフィールを持つサイトを格下げし、以前のペンギンアップデートにつかまった後、リンクプロフィールを整理したサイトを助ける。

ペンギンの世界同時展開

パンダアルゴリズム等、Googleのその他のアルゴリズムのアップデートとは異なり、ペンギンアップデートは、通常、世界全体に展開される。つまり、あらゆる言語の、あらゆる地域のサイトが、このアルゴリズムの影響を受ける可能性がある。

ペンギンは、リンクプロフィールを重視しており、言語を精査する必要がないことが理由だ。パンダの場合、コンテンツと言葉を検証するため、地域や言語によって、展開の時期が異なる。ペンギンは、大方、言語に関して注視する必要はない。

ペンギンの展開は現在進行中

ペンギンの更新の展開が完了したか否かに関して、一部で混乱が生じていた。SEOの専門家の中には、一部のサイトがまだ影響を受けていない理由が分からず、展開が一時的に中止された、または、完了したと感じた人達がいた。そんな中、昨日、Googleのジョン・ミューラーは、展開は完了したと述べた。しかし、その数時間後に前言を撤回した。そして、今朝になって、ピエール・ファーが、展開は完了しておらず、「数週間に渡って」続くと発言していた。

つまり、サイトがペンギン 3.0の影響を受けたかどうかを分析する際、ペンギンが数週間に渡って展開されるため、原因がペンギンなのか、はたまた別のアップデートなのかを判断するのは難しいだろう。

ペンギン 3.0の影響を受ける英語の検索クエリは1%以下

アップデートの規模の大きさ、そして、アップデートを実感したウェブマスターコミュニティの大体の割合を判断するため、Googleは、影響を受けたクエリの%を計測し、アップデートのスケールを教えてくれることがある。

ペンギン 1.0では、クエリの~3%がインパクトを受け、1.1では0.1%、そして、1.2では0.3%がインパクトを受けた。その後、ペンギン2.0では、クエリの2.3%、さらに、2.1では、約1%がインパクトを受けた。ペンギン 3.0(2.2だと主張する人達もいる)は、クエリの1%以下に影響を与えていた。

その他の言語では、もっと%は高い可能性があるが、Googleは英語のクエリの計測結果を公表している。

金曜日に登場したペンギン 3.0

Googleは、2014年10月17日の金曜日に、ペンギン 3.0をリリースしたことを認めた。ただし、先程も申し上げた通り、ペンギン 3.0は数週間に渡って展開される点を覚えておいてもらいたい。

ペンギン 3.0はリフレッシュ

Googleのピエール・ファーは、今回のアップデートを「リフレッシュ」と呼び、新たなシグナルが加わったとも、アルゴリズムに変化が加えられたとも言わなかった。リフレッシュ(更新)とは、問題を修正したサイトを解放し、問題を修正することに失敗したサイトを格下げするためにアルゴリズムを再び実行する取り組みを指す。ペンギンに関連するサイトを見つけるために、新たにシグナルがアルゴリズムに加えられたわけではなく、ただ単に更新しただけである。

1年以上待ったにも関わらず、更新されただけなのだろうか?その通りである。SEO業界の関係者の大半は、この事実にショックを受けていた。大勢の関係者は、ずっと前に更新が行われており、Googleが、新たなペンギンアルゴリズムの土台を作っていたと推測していたためだ。

そのため、一部の人達は、3.0ではなく、2.2と呼ぶことを望んでいる。

救われるサイトもあれば、地獄に落ちるサイトもあり

その他のアルゴリズムの更新と同じように、以前摘発された一部のサイトのランキングをは回復される。これは、アルゴリズムの負の影響を受けなくなったためだ。一方、検索結果のランキングが落ちるサイトもある。これは、ペンギンアルゴリズムのインパクトを受けるべきサイトと見なされたことが原因である。

過去のペンギンアップデート:

過去のペンギンアップデートが行われた日付:

  • ペンギン 1.0(日本語)2012年4月24日(クエリの~3.1%が影響を受ける)
  • ペンギン 1.1(日本語)2012年5月26日(クエリの0.1%が影響を受ける)
  • ペンギン 1.2 2012年10月5日(クエリの~0.3%が影響を受ける)
  • ペンギン 2.0(日本語)2013年5月22日(クエリの2.3%が影響を受ける)
  • ペンギン 2.1 2013年10月4日(クエリの1%が影響を受ける)
  • ペンギン 3.0(日本語) 2014年10月17日(クエリの約1%が影響を受ける)

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Penguin 3.0: Worldwide Rollout Still In Process, Impacting 1% Of English Queries」を翻訳した内容です。

更新中はともかく、英語で1%ということであれば、記事にもあるように日本語サイトへの影響はさらに少なさそうは気はします。とはいえ、その後個別に何らかの調整が入るのかもしれませんが。今回の更新の影響等、何かニュースがあればまた報告したいと思います。 — SEO Japan

Googleの新しいモバイルメールアプリInboxをテスト中―とてもよく出来ている

先ほど概要を紹介したGoogleのInboxメールアプリが入手できた。現在はGoogleのベータテスター招待プログラムによる限定公開だ。一般公開はしばらく先になるようだが、とりあえずこのアプリに対する私の第一印象を報告しておこう。

UIには最近Googleが全てのアプリに採用を進めているマテリアル・デザインが使われており、たいへん見やすい。アニメーションもよくできている。鮮やかな色づかいで、アプリのどこにいるのかが直感的に分かるようになっているのも良い。アイコンやコントロールはよく考えられていて使い方で迷うことはないだろう。

機能については、まだ個人用アカウントだけしかテストできていない。つまりGoogle Appsを通じたTechCrunchの業務用アカウントでは試していないので、そちらの膨大なトラフィックにさらされたときにこのアプリの使い勝手がどうであるかはまだ分からない。ただし個人用アカウントではメリットは即座に感じられた。まずGoogleは「本当の」メールとコンピュータが生成したメールを区別することができる。またその内容によってGmailアプリの場合と同様、各種のカテゴリーに分類してくれる。

こうした分類は色彩とアイコンによってひと目で分かるように表示される。必要なメールを処理したらカテゴリーごとに1回のスワイプで全部片付けられる。個別のメール、あるいは複数のメールをまとめて、Gmailのアーカイブに近い「処理済み(Done)」フォルダー、あるいは「後で(snooze)」フォルダーに送ったりできる。「後で」の場合には、再びメッセージが表示されるまでの時間を自由に設定できる(デフォールトの簡単設定もあるが、カスタムで個別設定もできる)。

このアプリは「インボックス」、 「あとで処理」、「処理済み」という3つのセクションに分かれている。セクションはプルアウトするサイドバー・メニューで選べる。メニューからはさらに新しいカテゴリーや従来のGmailのフォルダーにもアクセスできる。画面右下隅のプラス(+)アイコンをタップすると即座にメールやメモを書ける。また最近の連絡相手(最近メールをやりとりした相手)も表示される。

こアプリはとても役に立ちそうだというのが第一印象だ。こちらで何も特別な設定をしなくても対応が必要なメールが画面のトップに表示されるし、プラス・ボタンを押してスマート・メール作成機能を呼び出すと連絡が必要な相手が自動的にトップに表示されるのでいちいち相手のメールアドレスを探す必要がない。

「後で」と「処理済み」セクションの1スワイプ機能は非常に便利で、既存のGmailアプリやMailboxアプリよりも優れている。「後で」もいつ再表示させるかを細かく設定するのが非常に簡単なため、大いに役に立つ。

このアプリを本当に評価するためには業務用のアカウントで大量メールの処理をしてみなければならないが、Google InboxはiPhoneで私用のGmailアカウントを管理する限り、十分ネーティブGmailアプリのライバルになると感じられた。メール処理という非常に難しい分野でのスタートとしては大いに成功したといってよいだろう。

〔日本版:原文にアプリのスクリーンショットのスライドショーあり〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Googleの新メールアプリ「Inbox」は、Gmailとは別物


Googleが新しいメールアプリを作った。Gmailと同じチームが開発しているが、Gmailとは全く異なるものを意図している。そのアプリ、InboxはどことなくMailboxやGoogle Nowにインスパイアされたように見える。

新アプリのInboxは、現在限定されたユーザーグループにのみ提供されており、今後は招待システムによってユーザー基盤を拡大していく。GoogleがGmailに使ったのと似たシステムだ。ただしこちらはクロスプラットフォームのアプリでiOS、ウェブ、およびAndroid版が提供される。また友達から招待されるのを待つのがイヤな人は、inbox@google.com にメールでリクエストすることもできる。

InboxがGmailと違うのは、メールをそのままではなく、コンテンツがコンテキストに関連づけられる形でユーザーに情報を見せようとしている点だ。メールの革命は手に負えないシステムをもたらしてた ― 元は1箇所の仮想的な場所から時折連絡を取るためのシステムだったものが、今やわれわれをあらゆる場所へ連れていき、その分量はユーザーを途方に暮れさせる。

Inboxは、メーユーザーが状況をきちんと把握するための機能を数多く備えている。Bundlesは、似たような種類のメールを自動的にまとめてグループ化する。Highlightsは、フライト情報、イベントの詳細、親しい友人や家族からのメディアを見逃がさないよう目立たせる。Google Nowタイプの機能もある。Reminders、Assists and Snoozesはビルトインのtodoリストとして働き、コンテキスト対応情報ファインダーは、予約したいレストランの営業時間を表示する。

Inboxは、何か目的を持ったプロジェクトのようだが、なぜGmail本体とは別に存在する必要があるのかという疑問を投げ掛ける。おそらくこれらの機能があまりに実験的すぎるので、Googleは長年のユーザーを遠ざけてしまうことを恐れて、正式機能にする前の実験場所を作ったのかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Nexus 6およびLollipopの第一印象


 
先週、Googleは2つの新しいデバイスを発表した。スマートフォンのNexus 6と、Nexus 9タブレットだ。

ちなみに、どちらの機種も発表会場での大々的アナウンスというわけではなく、ブログ記事によりリリースされたというのが面白い。すなわち、リリース時点では誰も実機に触れられずにいたわけだ。

そんなデバイスではあったが、実機に触れることがあったのでレポートしたい(Nexus 9についてのレポートは昨日投稿してある)。

触れたのはほんの僅かの時間で、細かなところまでは確認できていない。しかし第一印象をお伝えするのも有益なことかと考えたわけだ。

ごく簡単にまとめるのなら「ゴージャス」なマシンであると言えるだろう。


Nexus 6

まず、値段を見ると、Nexus 6はNexus 5の倍ほどとなっている($650 vs $350)。その価格差通りというべきか、まずは外見が大きく変わっている。もちろんNexus 5も安っぽいという感じはない。「高級」ではなかったかもしれないが、まあ「ジェネリック」(generic)と評価すべきできだった。しかしNexus 6は一層洗練され、いかにもハイエンド機といった外見になっているのだ。

大きさについても気になっていたが、触ってみればさほど気にはならない。もちろんNexus 5よりは大きいが、iPhone 6 Plusが扱えるならば、このNexus 6についても問題はない。サイズ的は両者はほぼ同じサイズであり、目を瞑った状態であれば、ボタンの配置などを確認するまで両者を区別することもできないほどだ。

搭載されている13メガピクセルのカメラも、ほんの少しだけ使ってみたという程度ではある。ただ、ひと目でその進化は確認できた。起動速度も速く、通常モードでの連射速度も十分に満足行くものとなっているように思う。


Nexus 9

Nexus 9の第一印象記事はこちらに掲載している。


Android 5.0(Lollipop)

Nexus 6に搭載されているOSは、最新のAndroid 5.0だ。伝統的に菓子からとっているコードネームは「Lollipop」となっている。デベロッパー向けには、いろいろと新しいAPIが提供されている(Googleによると7000ほどなのだそうだ)が、まず目につくのはインタフェース面での変化だ。

動作速度的な面でいえば、少なくとも新しいNexus 6の様子を見る限りは、非常になめらかに動作する。さまざまなアニメーション(Lollipopで採用されているMaterial Designではさまざまなアニメーションが活用されている)も快適に動作している。たくさんのアプリケーションを連続して立ち上げても、全くつっかえるような様子はみられなかった。

Lollipopで目につくポイント

  • 画面アンロックに顔認識を利用している場合、ホームスクリーンに表示されるニュースを読んでいる際にも顔認識が行われるようになった。画面に自分の顔は表示されないが、カメラの方は利用者の顔をしっかり認知しているわけだ。顔認識に成功すれば、PINコードを入力することなく、ロックスクリーンの解除を行える。
  • Nexus 6や9の設定時、他のNFC対応デバイスを近くにおいておけば、設定状況を簡単に引き継ぐことができるようになっている。設定の引き継ぎには、もちろんpinコードを入力する必要がある。
  • ロック画面になっているときでも「OK、Google」コマンドが使えるようになった。デバイスによってはこれまでにも可能だった機能だが、LollipopにてOSレベルでサポートされたわけだ。これはAndroidデバイスがローパワー認識チップを採用するようになったことを意味する。

デバイスが広く入手できるようになった際には、Nexus 6およびNexus 9、そしてAndroid 5.0についてより詳細なレビューをお届けしたいと思っている。11月の一般向けリリースをお待ちいただきたい。

[Videography by Kyle Russell]

原文へ

(翻訳:Maeda, H


GoogleのクラウドプラットホームもついにBaaSを提供へ…Firebase買収でリアルタイム機能を充実

Googleが今日(米国時間10/22)、アプリ/アプリケーションのためのバックエンドサービスFirebaseを買収したことを発表した。データの保存とシンクをリアルタイムで行う、などのタスクをiOSやAndroid、それにWebのアプリケーション向けに提供するので、デベロッパの開発努力を相当楽にしてくれる。今現在の登録ユーザはおよそ11万名のデベロッパで、サービスはそのまま継続し、多様なプラットホームへの対応も維持される。〔*: デベロッパはますます、BaaSの利便性を求める。参考記事: モバイル-クラウドエンタプライズ。〕

ほぼ3年前にローンチしたFirebaseは、Googleに加わったことでサービスの大幅なスケールアップが可能になった、としている。同社曰く: “Googleの技術力とリソースと技術的インフラがあれば、もっともっと多くのことをもっともっと早くできる”。Firebaseのチームはまた、自分たちが今のGoogleにない部分を補う、と見ている。この買収によって、Googleの顧客はアプリケーションを早く書けるようになり、FirebaseのユーザはGoogleのインフラにアクセスできる。

Googleにとってこの買収は技術と人材の獲得が目的のようだが、しかしそれと同時に、Firebaseの10万あまりのデベロッパがGoogleのクラウドプラットホームのユーザになるメリットもある。

GoogleがFirebaseから得た機能の紹介は、11月4日に行われるイベントGoogle Cloud Platform Liveで行われる。買収が完了したのはごく最近と思われるが、買収結果をGoogle Cloud Platformに導入するのは、前から相当早いのだ。

Googleが同社のクラウドプラットホームを充実させるために行う重要な買収は、今回が三度目だ。最初はモニタリングサービスのStackdriveを買収して、それをすぐに統合、そして次は、映画のデジタルプロダクションのための特殊効果をCGIするZyncだった。

これまで、Andrew LeeとJames Tamplinが創業したFirebaseは、2012年のシードラウンドで約700万ドル、2013年のシリーズAで560万ドルを調達している。

 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Nexus 9タブレットの第一印象


 
発表されたNexus 9に、ほんの少しだけ触ることができた。詳細なレビューは近々お送りできると思うが、まずは第一印象をお伝えしておこう。ひとことで言えば、まず大きく、そして美しいデバイスだと思う。

Nexus 5からNexus 6のときには、中身と外見の双方で大きな進化があった。そしてNexus 7からNexus 9のときも、やはり大きく進化することとなったようだ。前機種もなかなかのデバイスであるように思えたのだが、新機種はやはり素晴らしいものと思える。価格はNexus 7より200ドル高いが($400 vs. $200)、触ってみればその価格差にも納得がいくところだ。

但し、Nexus 9と比較すべきはNexus 7ではなく、iPadなのだろう。スクリーンのアスペクト比もNexus 7の16:10から4:3に変更し、最強のライバルに直接的な戦いを挑むかのようだ。

ライバルとの違いを消してしまったのは悪い話だろうか。利用者にとっては何ら不都合な点はないだろう。双方のコアなファンには、いろいろと口論のネタを提供することになるかもしれないが、普通の利用者には関係のない話だ。

ともかく質感、重量、パフォーマンスのいずれの点でもトップクラスのマシンであることが実感できる。

Android Lollipopの動作も快適だ。LollipopとNexus 6についてはこちらでレビューしているので、興味のある方は参考にしていただきたい。

Nexus 9の注目ポイント:

  • アンロックボタンのみでなく、画面のダブルタップでスリープから復帰させることができる。
  • Lollipopで実装されたマルチタスクビューは、とくにタブレット上で便利そうだ。上のビデオではうまく操作できていないが、ビューから特定のアプリケーションを画面に固定(pin)しておくこともできる。アプリケーションの固定を行うと、パスワードを入力しない限り他アプリケーションに切り替えたりといった動作ができなくなる。特定のアプリケーションしか動作しないようにできれば、子供や友人に手渡して見せるときにも安心していられるだろう。
  • また一時的なゲストアカウントを設定することもできるようになっている。人に使わせるときに、ゲストアカウントを設定しておけば、いろいろな個人情報にアクセスされることもない。返してもらった際には、ワンタップでゲストアカウントを削除することができる。この機能についてはしばらく前から必要性を主張していた(なぜスマートフォンには「ゲストモード」がないのだ?)こともあり、個人的にはとても気に入っている。

[Videography by Kyle Russell]

原文へ

(翻訳:Maeda, H


買収したSongzaのプレイリスト機能がやっとGoogle Play Musicに統合

この夏Songza買収したGoogleが今回やっと、Google Play Musicにその技術を取り入れた。これからは、人間エキスパートが作ったプレイリストが提供される。そのリストは、日付、時刻、天候、Googleが選んだそのほかの個人化要因、などに基づいて作成される。

すなわち今日(米国時間10/21)からPlay Musicのユーザは、そのときの気分や、やってること、日付、時間などに合ったプレイリストを選べる。エキスパートが作ったそういうプレイリストは、すでに数千ある。プレイリストをダウンロードしてオフラインで聴くこともできるが、それは元のSongzaになかった機能だ。

そのほか、プレイリスト上の次の曲を見る、プレイリストの内容の加除や並べ替えをする、などの機能もある。Songzaのプレイリストは、作成に人間が介入するから強力だ。

iTunes Radioにやや似ているが、Play Music + Songzaでは曲を自分で選んでステーション(放送局)を作ることもできる。

もちろん、既存のさまざまな局から検索して選ぶこともできる。

また、新たに導入された”Listen Now”のセクションでは、最近自分がプレイした曲や、おすすめの新曲、個人化情報に基づいたおすすめのステーション、などを聴くことができる。

ただしSongzaを統合したPlay Musicアプリが使えるのは、当面、合衆国とカナダだけだ。”Listen Now”は、Play Musicを使える45の国で利用できる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、ペンギンアップデート3.0をリリース – 1年ぶりのアップデート

最近、出張が多くその度に更新が滞ってしまい恐縮です。今回はそんな最中に、ついにGoogleのペンギンアップデート3.0が発動されたということで、ご存じの方も多いと思いますが改めてレポートします。 — SEO Japan

google-penguin2-ss-1920

Googleは、本サイト、Search Engine Landに対して、10月17日(金)ペンギンフィルターをアップデートしたことを認めた。ペンギンは、スパムと見なされるサイト、とりわけ、Googleのリンクに関するガイドラインを違反したサイトをターゲットにしている。

一部のサイトが、米国現地時間の金曜の夜にGoogleの検索結果に大きな変化が生じたことに気づき、これは、Googleが今月中にアップデートすることを明言していた待望のペンギンアップデートではないかと推測していた。

そして、本日、私がこの件に関して尋ねた際、Googleは、これがペンギンアップデートであると認めた。ただし、Googleは、ペンギンの最新版の影響を受ける検索結果の割合(%)に関して、そして、前回のリリースから大きな変更があったかどうかに関して、詳しい情報は明らかにしてくれなかった。この点においては、詳細が分かり次第、お伝えする。

過去のペンギンアップデート

これで6回目のアップデートが行われたことになる。Googleは、今回のアップデートに番号を与えていない。しかし、Search Engine Landでは、前回のアップデートから随分と時間が経過している点を鑑み、メジャーなリリースとしてカウントする価値があると判断し、ペンギン 3.0と呼ぶことにした。

以下に、今までペンギンがリリースされた日付を挙げていく:

  • ペンギン 1.0(日本語)2012年4月24日(クエリの~3.1%が影響を受ける)
  • ペンギン 1.1(日本語)2012年5月26日(クエリの0.1%が影響を受ける)
  • ペンギン 1.2 2012年10月5日(クエリの~0.3%が影響を受ける)
  • ペンギン 2.0(日本語)2013年5月22日(クエリの2.3%が影響を受ける)
  • ペンギン 2.1 2013年10月4日(クエリの1%が影響を受ける)
  • ペンギン 3.0 2014年10月17日(影響を受ける%は現時点で不明)

私達のサイトでは、ペンギン 1.1とペンギン 1.2を、以前、それぞれ、ペンギン 2、ペンギン 3と呼んでいた。これは、Googleが番号をつけていなかったため、私達が独自で番号を与えたためだ。しかし、4回目のリリースが行われた際、Googleは、ペンギン 2.0と言う名前を与えた。そこで、出遅れたGoogleに従い、番号をつけ直すことにした。

最新のペンギンのリリースは、Googleの歴史の中で、最も待ち望まれたアップデートの一つに数えられる。一部のパブリッシャーは、前回のアップデートから1年余りが経過した段階で行われた今回のアップデートを心待ちにしていた。

ペンギンに捕まり、ペンギンから解放される

パブリッシャー達を不安に駆り立てていた原因は、ペンギンの仕組みにあった。ペンギンに捕まると、変更を加えたとしても、次回のアップデートが行われるまで、その変更が、Googleが求めていたものかどうか分からないのだ。

つまり、前回のペンギンアップデート — 2013年10月 — につかまったパブリッシャーは、スパムリンクの削除等、自分達が取った対応が正しかったどうか、今まで待っていたことになる。正しかった場合、週末、トラフィックに改善が見られるはずだ。正しくなかった場合、再び変更を行い、Googleがペンギンを再びリリースするまで待たなければならない。

因みに、過去3週間以内にリンクの否認を試みていたとしても、今回のペンギンアップデートでは対応してもらえない。理由を知りたい方は、今月の上旬に行われたSMX カンファレンスで、Googleが行ったプレゼンをまとめたこの記事を読んでもらいたい。

また、ランキングが落ちても、実際にペンギンに捕まったとは限らない点を肝に銘じておいてもらいたい。ペンギンによって、様々なリンクが考慮されなくなると、リンクの影響力は継承されなくなり、「票」とは見なされなくなる。

このような(Googleの立場で見た)偽の票からメリットを得ていたサイトは、たとえ直接ペナルティーを受けていなくても、この影響力を失い、その結果、ランクが落ちてしまう可能性がある。

Googleは、今回の最新版のペンギンに関して、より頻繁に更新される新たなシステムを導入したと示唆している。時間が経てば分かるはずだ — カウントは既に始まっている。

最新情報: Googleは、10月20日、月曜日の朝の時点で、ペンギンの展開が完了したと明言した。


この記事は、GSearch Engine Landに掲載された「Google Releases Penguin 3.0 ? First Penguin Update In Over A Year」を翻訳した内容です。

世界の人口リンク業界を壊滅状態にしたペンギンアップデート、それが1年ぶりの更新ということで、その影響が注目されます。今の所、検索結果に大きな変化があるようにも見えませんが(あくまで私の簡易チェック)、実際はそれなりにあるのでしょうね。今後また随時報告していきたいと思います。 — SEO Japan

謎の「ウェアラブル拡張現実」スタートアップ、Magic LeapがGoogleなど著名VCから5億4200万ドルを調達

スタートアップが事業内容を秘密に保ったまま巨額の資金を集めるという例はめったにない。フロリダのスタートアップ、Magic Leapはまさにその例だ。今日(米国時間10/21)、CEOのRony Abovitzは、シリーズBのラウンドを完了し、5億4200万ドルの資金を調達したことを発表した。投資家には Google, Inc、KPCB、Andreessen Horowitz、Obvious Ventures、Qualcomm、Legendary Entertainmentが加わっている。

この投資家の顔ぶれは多様で、分野をまたいだトップクラスのベンチャーキャピタルの名簿のようだ。AbovitzはTechCrunchの取材に対して「われわれのテクノロジーが持つ可能性はひとつの分野にとどまらないからだ。このテクノロジーが関連するすべての市場の売上総額は年間1兆ドルにもなるだろう」と述べた。AbovitzによればMagic Leapの会社評価額は10億ドル以上であり、今回のラウンドで投資家が得た株式は過半数にみたないものだという。

それではMagic Leapとはそもそもどういう会社なのか? このスタートアップはまだその答えを明らかにしていない。しかし今回の資金調達を機にAbovitzは秘密のカーテンのごく一部を引き開けてみせた。

現在、モバイル・コンピューティングの進展は目覚ましいものがあるが、依然として「手」コンピューティング」だと私は考えている。つまり手を使ってデバイスを保持し、入力する限りでのコンピューティングだ。その間、「目」は置いてきぼりだ。目が参加していないというのは、つまりオフィスを出てサンフランシスコの町を見渡してみればよい。すばらしい景色が広がる。こうしてじかに世界を見たときにわれわれの脳が作り出すような感動と比較できる映画もテレビもその他どんなデバイスもまだ存在していない。

つまりMagic Leapはモバイル・コンピューティングに新たなレベルの視覚体験を導入しようとしているらしい。目で見る現実に限りなく近い視覚体験をモバイル・テクノロジーと高度なヘッドマウント・ディスプレイを使って作り出すということのようだ。Oculus Riftスタイルのヘッドセットらしいが、Abovitzは「軽量ウェアラブル」であることを強調した。ただしそれ以上の詳細については明らかにするのを避けた。しかしAbovitzのコメントその他から推測すると、Magic Leapのヘッドセットは、上に示した象のような限りなく現実に近い精密な映像をおそらくは網膜スキャンでユーザーに届けるdバイスのようだ。そうした推測が合っているかどうかはデバイスの公式発表を待たねばならない。

Abovitzは取材に対して「Magic Leapは『世界は新たなデスクトップ』と『世界は新たな銀幕』という2つのキャッチフレーズで表現できる」と語った。つまり既存のものとはまったく違う何か新しいメディアが誕生するのかもしれない。『銀幕』というキャッチフレーズを考えるとその影響はテクノロジー界にとどまらず、ビジュアル・エンターテインメントの世界にも及ぶのだろう。それが今回のラウンドでハリウッドの有力プロダクション、レジェンダリー・ピクチャーズだけでなく、CEO、Thomas Tull個人も投資している理由なのだろう。

TechCruchはTullにも別個に取材を行ったが、Tullは「私はOculus Riftにも投資している。あれもすばらしいデバイスだ。しかしMagic Leapのアプローチはまったく異なる。今のところ私が言えるのは1年ほど前から私はロニー[Abovitz]と意気投合し非常に親しくなったということだ。彼らの本社に行って半日ほどテクノロジーを体験させてもらったが、驚くべきものだった。私はその後しばらく自然に笑顔が浮かんでしまったぐらいだ」と語った。

一方、Abovitzは「Magic LeapはOculusのような(周囲を遮断する)完全な仮想現実(VR)ではない。かといって従来のようなレベルの拡張現実(AR)でもない。われわれははるかに高いレベルであたかも現実の物体であるかのように精密な3Dデジタル・オブジェクトを現実世界の中に置くことができる。これまでのARがライト兄弟が1903年に最初に飛ばした飛行機だとするならMagic Leapは現代のジェット旅客機だ」と述べた。

Googleはリード投資家であり、AndroidとChromeの責任者であるSundar Pichai上級副社長がMagic Leapの取締役に就任した。同時にQualcommの執行役会長、Paul JacobsとGoogleの事業開発担当副社長もオブザーバーとして取締役会に出席する。これによっても業界のMagic Leapに対する注目度の高さを知ることができる。なおAbovitzによれば、Magic LeapはGoogle Glassに新機能を加えるようなプロダクトではない―というより、Glassとはまったく無関係だという。

AbovitzによればMagic Leapのプロダクトの消費者へのローンチは「かなり近い」という。今回の資金は主としてプロダクトの量産準備に使われるようだ。ハードウェアの新製品開発には巨額の資金が必要とされるのは理解できる。AbovitzはOculus Riftの「オープンな開発過程」について「それはそれですばらしい戦略だ」としながらもMagic Leapは別の道を選んだとしている。つまりわれわれは公式の製品発表までMagic Leapプロダクトの詳細について知ることはできないらしい。いずれにせよテクノロジー業界とエンターテインメント業界のトップクラスの切れ者が揃った投資者の顔ぶれと投じられた金額を考えただけでもMagic Leapから何が出てくるのか注目する価値がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Google、USBによる物理的セキュリティー・キーを提供開始

Googleは長い間アカウントのセキュリティー強化のために2段階認証を利用するようユーザーに勧めてきた。それに加えて今日(米国時間10/21)、Googleは第2のさらに強力なセキュリティー手段をローンチした。Googleはサードパーティーの販売チャンネルを通じてUSB Security Keyを提供する。これはChromeからすべてのGoogleアカウントにアクセスするのに利用できる物理的なセキュリティー・キーだ。

Security Keyを利用すれば2段階認証でいちいち認証コードを手で入力する必要がなくなる。ユーザーはポートにUSBキーを差し込み、ボタンを押すだけでよい。これだけで認証が完了する。

GoogleではこのUSBキーを利用すればフィッシング攻撃が不可能になるとしている。2段階認証では(可能性はごく低いものの)ハッカーがユーザーを騙して偽サイトに誘導し、そこで認証コードを入力させるという攻撃を受ける可能性があった。USBキーは高度な暗号化アルゴリズムを用いているのでこのような攻撃を著しく困難にし、セキュリティーのレベルを大きくアップするのだという。

ただしモバイルデバイスからはUSBキーは利用できない。またサポートされるブラウザはChromeだけだ。Chrome OS、Windows、Mac、Linuxのv38以降がサポートされている。

GoogleのUSBキーが個人ユーザーにどの程度普及するかは不明だが、Googleのクラウドサービスをビジネスに広く採用している企業には考慮すべきオプションになるだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+