中国のメーカー、Doogeeが見せるスマホカメラの未来

Mobile World Congressで開催されたDoogeeのプレス会見は、聞いたことのない会社らしいものだった。小規模で、地味で、場所はカンファレンス会場の向かいのホテル地下の第二会議室。これはスマートフォンの2軍制度のようなもので、発表する会社は、世界の大手モバイル会社の騒音に埋もれることなく注目されようと必死だ。

それは世界で認められるために一歩ずつ踏み出しているこの会社にとって大きな願いだ。2013年創業のDoogeeは、これまで国際市場で少々変わった製品を作ってきた。同社はハンガリー、チェコ共和国、アルジェリアなどの地域ではトップ5に食い込んだと信じている。さらに今回のバルセロナへの旅を利用して、現地の大規模小売店、MediaMarketを通じてスペインでの地盤を固めようとしている。

同社のCEO XinchaoはTechCrunchに、米国市場も視野に入れていると語ったが、通信キャリアーが主要な課題であることも認め、最近同じ中国企業であるZTEとOnePlusが米国で問題に遭遇していることを挙げた。

今年最大の発表であるDoogee VはiPhoneの低価格なコピー品だ。この製品はAppleの最新フラグシップ機のデザインをいくつか借用しており、同社の代表は製品の説明をしながらすばやく端末を立ち上げた。

4月末発売予定の同機はAppleやSamsungの主要機種よりかなり安くなるはずだ。しかし正直なところ、個人的にこの端末(少なくともプロトタイプ)の方の見た目はかなり劣る。それでも、画面には指紋センサーが内蔵されている。このシステムは指紋に明るいOLEDを当ててその画像をセンサーに送り込むしくみだ

業界他社と同じくこの会社も全画面ディスプレイに突き進んでいる。画面上端にはiPhone X風の「ノッチ」も見られる。同社はカメラ「問題」に対応するべく何種類かのプロトタイプを披露した。ひとつは端末の裏面から回転して出てくるタイプ(今の流行らしい)。昔のスライド式携帯電話のようにカメラがポップアップするタイプもある。

長年開発中の折り曲げ可能画面の最新プロトタイプも披露した。同社はこの技術を使って、折り畳み式で開くと大画面になる端末を計画している。ZTEのAxon Mと似ているが、大きな隙間がないことを期待している。

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BlackBerryのハイエンドAndroid機 “Ghost” は、インド国内専用か

“BlickBerry” と聞いてカチカチ音のフルキーボードを思い浮かべるのは過去のことになりつつある…しかしブランドはまだ生きている。

著名なガジェット発掘者であるEvan Blassが、”Ghost” と呼ばれる噂のBlackBerry新機種の写真を発見した。

読者の中には「ちょっと待て、まだBlackBerry作っているの?」と言う人もいるだろう。答えは、ある意味でイエス。BlackBerry Limitedは、かつてResearch In Motionと呼ばれていた会社で、2016年に自社で携帯電話を作るのをやめた。代わりに、他社にブランドをライセンスしている。その相手は多くの場合、中国の巨大製造メーカー、TCLだ。

しかし、今回の “Ghost” に関しては、設計、製造しているのはインドのデリー拠点の通信会社、Optiemusで、ライセンス契約について昨年始めに発表した。注意点が一つ。新機種はインド国内専用である可能性が高い。

Blassによると、このデバイスは比較的スリムなベゼルでAndroidが動く。しかし現時点でわかっているのはそれだけだ。

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20ドルの防犯カメラWyze Cam、新バージョンはAmazon Echoに対応

Wyze Camを作っているチームはいろいろと驚かせてくれる。昨年10月に20ドルのプラグ&プレイ防犯カメラを売り出したのに続き、早くも次期バージョンを出した。その名もシンプルにWyze Cam v2。半年もたっていないが、ちょっと嬉しい機能が追加されている。

初期バージョンも、この低価格なハードウェアに豊富な機能を満載したことでレビューはかなりの高評価だった。1080pビデオにナイトビジョンを備え、煙探知機のアラーム音を検知して通報することもできる。

20ドルの価格はそのままに、v2は初期バージョンの全機能に加えて、改善されたAIを利用した物体認識による通報機能などを備えている。さらに、Engadgetによると、Alexaにも対応している。

すべての音声コマンドに対応しているわけではないが、Echo SpotやEcho Showの画面で映像も見られるようになるらしい。そのアップグレードは来月の予定で、IFTTTにも対応する。ハードウェアも多少改訂されていて、ビデオセンサー(最大1080pは変わらず)、音声キャプチャーも改良されている。

この超格安カメラの新バージョンは、現在予約受け付け中で、2月末に出荷が開始される予定。

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HomePod用の革製コースター、20ドルで買えます

昨日(米国時間2/14)報じられたHomePodが木製塗装面に大きな痕を残すというニュースは、Appleのスマートスピーカーにとって大打撃だったが、ある非常に限られた特定製品カテゴリーにとってはまたとないチャンスになりそうだ。この記事が公開されるや否や似たような売り込みが50件は寄せられるに違いないが、Pad&Quillのサイトオーナー、Brian Holmesは誰よりも早くこの20ドルのレザー製コースターの予約販売を始めたことを知らせてきた。

私はこれを買うべきだと言っているわけではないが —— むしろ、おそらく買うべきではない —— もし欲しい人がいれば買うことができる。そして、事実これを使えばHomePodのシリコン製の底面が木材塗装面に円形の痕を残すのを防ぐことができる。これは、必要な製品ではない —— 苦労して稼いだ20ドルだけでなく、申し分なく美しい革の無駄遣いとさえ言えるかもしれない。

とはいえ、これは消費者のごく小さな隙間需要に対して、ミネアポリスでデザインされ熟練した職人が手作りした「最新技術の表面保護」で答えようという、アメリカ人の創意工夫と資本主義のマジックの証に違いない。決して人に見られることはないが、いつもそこにいてオーナーと塗装面のためにがんばっていることをあなたは知っている。つまるところ、そこが一番大切なところなのではないだろうか。

事実、もしハンドクラフトのHomePod用コースターに20ドル払うつもりなら、おそらく誰にも見られないようにしたほうがいい。出荷は来週からなので、それまではHomePodを安全な場所にしまっておくのがよいだろう。

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Apple HomePodを買うべきか迷ってる人のために

AppleのHomePodについて大量の言葉を読みたい人には、あれこれなどがおすすめだ。もちろん、苦労して稼いだお金を最初の世代の製品に350ドルも投げ出すつもりでいる方はぜひそうすべきだが、しかし長くても短くても結論は同じだ。Appleはとっても良いスピーカーを作った…このクラスではベストの製品だろう。

でも、ご用心。Appleはいつものように、もっとも基本的なデバイスを作っただけだから、購入を検討する前に各自がチェックすべき問題がいくつかある。

そのチェックのためのフローチャートを、ご覧いただこう。

〔図の訳〕

HomePodを買うべきか?

スピーカーに払える349ドルを持っているか?

HomePodを買うな   iOSデバイスを持っているか?

高価なAirPlayスピーカーを欲しくなければHomePodを買うな   Apple Musicの会員か?

HomePodを買うな   スマートアシスタントを使う気があるか?

Google Home MaxやAmazon Echoを検討したか?   Siriを使う気があるか?

おめでとう。あなたはHomePodの購入を真剣に検討すべきだ。文句なしに、今市場にあるメジャーなスマートスピーカーの中では最高の音質だ。

チャートのデザイン: Bryce Durbin

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iPhoneの速度低下問題で、司法省と証券取引委員会がAppleを共同捜査

米司法省(DOJ)および証券取引委員会(SEC)は、AppleのiPhone旧モデルを意図的に速度低下させたソフトウェアアップデートについての情報開示について共同捜査をしているとBloombergが報じた

本件に詳しい情報源によると、政府は同社のソフトウェアアップデートに関する情報提供の詳細を要求しているという。

現在両当局は捜査のごく初期段階にあるとBllombergは報じている。

本誌はApple、SEC、および司法省にコメントを求めており、情報が入り次第続報の予定だ。

背景を説明すると、AppleはiPhone旧モデルの性能が時間とともに低下していることに気づいた顧客と数多くトラブルを起こした。Appleは、バッテリーが劣化した旧機種で消費電力管理を性能に優先させるソフトウェアアップデートを提供したことを公表させられた。

当然ながら様々な反発がありAppleはアップデートの対応方法について謝罪せざるを得なかった

Appleが追加情報を要求されているのは米国だけではない。ヨーロッパからアジアまで世界の消費者擁護団体が速度低下問題の捜査を強く求めている。

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最終製品の色が光によって変わる3Dプリントの技術をMITのチームが開発

これもまた、MITのCSAIL(コンピューターサイエンス人工知能研究所)のクールなプロジェクトだ。研究者たちは、3Dプリントの工程に色が変わるという性質を持たせることによって、材料の無駄遣いを減らそうとしている。省資源はこんなプロジェクトにしては大げさな目標だが、しかし少なくとも、3Dプリントで何かを作ることが、なお一層消費者にとって魅力的になるだろう。

3Dプリントの工程そのものは、特に変わったところはなくてふつうで、液状のレジンに紫外線を当てて硬化する。変わっているのは、フォトクロミック(photochromic, 光によって色が変わる)な染料を加えることだ。そうすると最終製品の表面は、そこに当たる光によって色が変わる。研究者たちはこの技術を“ColorFab”と呼んでおり、それは3Dプリントの世界では何かのネーミングによく使われるパターンだ。

熱で色が変わるTシャツのHypercolorというブランドが昔からあるけど、それに似ていなくもない。でもこの研究を指導しているStefanie Mueller教授によると、光が当たっているかぎりその色を保持するから、むしろE Ink(電子インク)に似ている、という。しかも単純に色が変わるだけでなく、解像度を高くすれば複雑な模様も作れる。

チームの期待としては、製品の色が変わるようになれば、次から次と無駄な衝動買いがなくなるだろう、という。

“みんな、新しいスマートフォンや、新しいスマートフォンケースを欲しがるけど、資源の無駄遣いをせずに製品の外見をフレッシュにする方法が、あった方が良いのではないか”、とMuellerは語る。

でも企業は、次々と新製品が売れなければ困るから、Muellerの説は難しいだろう。しかしそれでも、3Dプリントの新しい技法としては、とてもおもしろい。実装が簡単だから、大衆的普及も早いのではないか。

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Google HomeのWi-Fi関連のバグでルーターのメーカーが対応、Google自身の対応は明日から

Googleの最近のハードウェア製品はバグの嵐に見舞われているが、今度はHomeとChromecastの複数にユーザーが今週、彼らのデバイスのWi-Fi接続をめぐる問題を報告している

Googleはサポートページでその問題を認め、こう述べている: “Android上のCastのソフトウェアのバグによって、大量のネットワークトラフィックが間違って送られてしまい、Wi-Fiネットワークが遅くなるなど一時的な影響が及ぶことがある。影響の具体的な状況は、ルーターにより異なる”。

同社は明日(米国時間1/18)から、Google Playからのアップデートとしてこの問題への修復を提供する。

最初に報告が現れたのはTP-Linkのルーターの人気製品の界隈で、その後TP社はファームウェアのフィックスを発行し、暫定的な処置をユーザーに伝えた: “ルーターをリブートするかまたはあなたのAndroidデバイス上の’Cast’機能を無効にして、デバイス上のこの問題を恒久的に修復するアップデートがリリースされるまでお待ちください”。

しかし問題はさらに大きく広がり、NetgearやLinksysなど、ルーターのそのほかの人気製品にも被害が生じ始めた。

Googleもやはりユーザーにハンドセットのリブートを示唆し、当面はルーターのファームウェアのアップグレードをチェックするよう勧めている。

このバグ自体はささやかなものと思われるが、Googleブランドのハードウェア製品には、これまでにもさまざまな問題が発生している。代表的な製品としては、Pixel 2, Home Mini, そしてPixel Budsが挙げられる。

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Huaweiがアメリカのキャリアと契約できなくなったのは議員からの圧力のため、という説

Huaweiの長引いているアメリカ進出のトラブルは、その最新の状況が、先週のCESにおける予期せざる、そして人びとの興味をそそる、記事ネタにもなった。しかしこの玉ねぎには、まだ剥くべき層がたくさんある。今朝(米国時間1/16)Reuters(ロイター通信)は、AT&Tがこの中国のスマートフォンメーカーとの契約を土壇場で破談にしたのは、このキャリアに対するアメリカの議員からの圧力があったからだ、とする憶測を確認している

この通信社の情報筋によると、AT&Tが同社のキャリア援助事業によりHuaweiのハンドセットを提供する、という計画に数名の議員が反対したため、AT&Tの手は塞(ふさ)がれた。議員たちはさらに、このアメリカ第二のキャリアに、Huaweiとの関係を断つよう強制することすらしたらしい。

関係というのは、5Gの規格策定や実装で協調することと、AT&Tが2013年に買収したプリペイドのワイヤレスプロバイダーCricketとの契約だ。上述の議員たちは、Huaweiおよび国営通信企業China Mobileとの関係は、同社の今後のアメリカ政府との契約の可能性を損なうかもしれない、とAT&Tに警告したそうだ。

その記事の内容は確かに、HuaweiとZTEの両社をセキュリティリスクと位置づけた2012年の下院諜報委員会の報告に沿っている。そのときの報告は、“アメリカの民間部門は、装置やサービスに関してZTEまたはHuaweiのどちらかと事業を行うことに結びついている長期的なセキュリティリスクに配慮することを、強力に奨励されている”、と言っている。〔両社とビジネス関係を持つな、ということ。〕

金曜日(米国時間1/12)には、テキサス州選出下院議員Michael Conawayが、アメリカ政府がHuaweiまたはZTEのハンドセットを使っているキャリアと仕事をすることを禁ずる法案を提出した。それは、HuaweiのCEO Richard Yu(上図)が、たぶんスピーチの草稿にはなかった部分として、同社との協働を拒否するアメリカのキャリアを酷評してから、数日後のことだ。そのときYuは、“それは消費者にとって大きな損失である。なぜなら彼らは、最良の製品を選べないからだ”、と述べた。

Huaweiは明らかに、今年はアメリカに進出するという大きな計画を持っていた。Wonder Womanの主演女優Gal Gadotをコマーシャルに起用して、大規模な広告キャンペーンを打った。しかしスマートフォンの購入の多くがキャリア経由である国でそのサポートが得られないなら、どんな積極姿勢もその一歩を踏み出せないだろう。

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AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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AppleのMacBook Airが10歳を迎えた、ノートブックの革命を作ってまだ健在

10年前の今日(米国時間1/15)、サンフランシスコのMoscone Convention CenterでSteve Jobsは、茶色い大判の事務封筒を頭上に掲げ、集まった聴衆の喝采を誘った。ささいな演出だったが、その意味は確かに伝わった。MacworldでiPhoneを披露してから1年後のその日、同社はまたひとつ、重要な製品をそのレパートリーに加えようとしていた。

その後の10年で7つの世代を経たMacBook Airは、美学を重視するAppleにしては珍しく、デザインはほとんど変わっていない。第二世代のMagsafeコネクターやポートの変化など、小さな手入れはあったが、そのくさび形をした“世界最薄のノートブック”は一貫して不変だった。

最初のAirは、2008年2月に発売され、そのときの重さがわずか3ポンド(1360グラム)、その後わずかにダイエットしたが、ほとんど変わっていない。同じ画面サイズのMacBookより900グラム軽い。

スマートフォンからキーボードが消えるきっかけを作ってから1年後に登場したAirには、フルサイズのQWERTYキーボードがあった。Jobsは“妥協はしない”と約束したが、薄くそして軽くするためには、何かをせざるをえなかった。

そしてJobsはまず光学ドライブを貶(けな)し、Appleによって墓場へ送られる者をまた一人増やした。しかもそれには、正しい目標があった。また2010年には、一部のポートをフリップダウンハッチ(flip-down hatch, 引き下げ式の開口部)へ隠した。しかしこのラップトップの美は損なわれなかった。その前のiPhoneやiPodと同じく、それはAppleの最高の製造技術を示していた。

最近では、このラップトップはかなり沈滞している。それは、同社が13インチのMacBookのデザインを一新したせいもある。AirのファンはAirそのものの大型アップデートを諦め、そしてAppleはラップトップ全体の戦略をシフトした。

そしてこの製品は同社の主力からは外れたものの、しかしAirには、消えてしまわないだけのパワーがある。どこかの時点で廃版になることはなく、自然消滅の道をたどるのだろうが、もしそうであっても、競争の厳しい消費者電子製品市場で10年の健在ぶりは、すごいことだ。

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Huaweiの全宅型ホームWi-Fiシステムは家庭内の電気の配線とメッシュネットワーキングを併用

Huaweiが今日(米国時間1/9)、新製品の全宅型(whole-home)Wi-FiシステムWiFi Q2を発表した。Wi-Fiのメッシュネットワークシステムは急速にスタンダードになりつつあり、Qualcommの推定によると、今では新たに買われるWi-Fiルーターの40%がそのタイプだ。しかしHuaweiのやり方は、ちょっと違う。同社はWi-Fiメッシュに加え、Powerlineネットワークを利用し、専用のEthernetケーブルに代えて家庭内の既存の電気(電力)系統にトラフィックを流す。

その結果は、(理想的には)、衛星のアクセスポイントなどに接続した家庭のインターネット接続は、家庭内にメインハブを設けるやり方に比べて、スピードの劣化がない。メッシュネットワークと電力線ネットワークの両方がフルスピードなら、最大接続速度は毎秒1867Mbにもなりえる(あなたの家のホームネットワークがそれに対応していれば)。さらに同社は最大接続デバイス数192台を約束し、そのネットワークのスイッチングタイムは約100msである。

Huawei Consumer Business GroupのCEO Richard Yuは、発表のスピーチでこう述べた: “今や、音楽やビデオをはじめとして、ストリーミングされるコンテンツの量がとても多いし、またソーシャルメディアにアクセスするデバイスの数も、きわめて多い。そのため、高速で信頼性のあるWi-Fiが必須のニーズになっている。HuaweiのWiFi Q2は今日のファミリーに、信頼性が高くて柔軟性に富む全宅型のハイブリッドWi-Fiソリューションを提供する”。

この製品は通常のWi-Fi暗号化とパスワード保護に加えて、総当たり攻撃(Brute-force attack)でパスワードを破ろうとするハッカー対策として、“anti-brute force algorithm”と呼ばれる防御策を採用している。

なお、Wi-Fiメッシュと電力線ネットワークの併用はHuwaeiが初めてではなく、昨年のCESではTP-Linkが同様のシステムを発表した。ただしそちらはまだ、発売されていないようだ。

Q2はアメリカでは3パック同梱の形で349ドルで発売される。製品には2タイプあり、ひとつはこれまで説明してきたハイブリッドタイプ、そしてもうひとつは電力線のみで最大毎秒1Gbの性能を提供する。どちらも3パックタイプだが、単体でも売るし、衛星用ルーターも同時に発売する。

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Google、雨のためCESの屋外ブースを一時閉鎖。防水ではなかった!

われわれは今日(米国時間1/9)のCES開幕に先立ち、Googleのブースを内覧できるはずだった。しかし今ラスベガスは雨で、Googleの2階建て屋外CESブースは明らかに雨を想定していなかった。私の見立てではその防水IP等級は50前後だ。

現在ブースは閉鎖され、屋根とあらゆる電子機器部分にシートがかけられている。

通常であれば、さほどの大事ではないだろうが、これはGoogleにとって初めてのCES参加であり、この展示に向けて大きな思いと努力が注ぎ込まれていたことは間違いない。

ブースはラスベガス・コンベンションセンターの屋外駐車場に設置されており、滑り台のほかGoogleとパートナー各社が昨日発表した数多くのガジェットを披露するための広い展示スペースが用意されている。外壁の1面は巨大なビデオ画面になっている。どう見てもこれは安価な仕事ではなく、一日これを閉鎖することはGoogleの計画になかった事態であることは明らかだ。

この雨は午後まで止みそうにないので、ブースの中を見学できるのは明日になりそうだ。

念のために言っておくと、Googleはブースの閉鎖理由を「駐車場周辺の安全への配慮」のためと言っている。もっともわれわれは駐車場を問題なく横切ることができ誰に止められることもなかった。

明日またここへ戻って来てブース内のツアーをするとともに、本誌のTito HamzeがGoogleの特設スライドを滑り降りるところを見る予定だ。

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iPhoneの29ドルのバッテリー交換はほとんど無条件になった

Appleの‘29ドルでバッテリー交換’は、ルールがゆるい。結局のところ同社は、ほかのあらゆることを後回しにして、そいつをやりたいようだ。50ドルの値引きで買った保証期限切れのiPhoneはどうなるのか、とご心配のあなた、その心配は今やご無用であります。

同社が最初に言っていた条件は、“iPhone 6以降でバッテリー交換を要するもの”となっていた。同社で調べてOSのバージョンを確認し、電池残量が80%未満だったら交換を勧めるはずだった。しかし実際には、バーはずっと低くて、調査の結果がどうであれ、交換してくれるのだ。

このことに最初に気づいたのはiGenerationで、彼らはAppleの社内的メモを見た。その後、このことをMacRumorsも確認した。今本誌はAppleに確認を求めているので、公式の声明等が得られ次第この記事をアップデートしよう。どうやらAppleは、摩擦をできるだけ減らしたいようだ。なにしろ、ヘタをすると、同社の不名誉になりかねない事件だからね。

現に、競合他社の多くが、この餌に食いついた。Samsung, HTC, LG, Motorolaなどはこぞって、うちはそんなこと(OSの低性能化)はしない、と宣伝した。また、Appleと同じく29ドルのバッテリー交換を発表した修理サービスiFixitは、Appleの慰謝行為と違って、iPhone 6より古い機種にも対応した。

Appleのこのサービスは、今年の12月までだ。詳しくはAppleのサイトへ。ここでは、Genius Barの予約もできる。

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Google Assistantでコントロールする電動アシスト自転車10日間のクロスカントリーでCESに来場

CESに行くための悪い方法がある。たとえばこれ…自転車で10日かけてクロスカントリーをやりながら行くこと。それは、中西部の氷点下の気温の中を1週間あまり、毎日17時間、ペダルを漕ぎ続ける行程だ。しかもCESは1月初旬。会場のラスベガスですら、氷点下になる時期だ。

でもこの新しい電動自転車にローンチ前に試乗するシナリオとしては、ふさわしいのではないか。それだけでなく、Googleが資金を出すパブリシティのためのスタントとしても有効だろう。派手な発売イベントが好きな企業だね。Google Assistantという、これまでギークっぽかったシステムを、年頭のでっかい消費者電子製品ショウで披露する段取りとしても、演出効果満点だろう。

ElectronのGen 2 Wheelが実際に発表されたのは数か月前だ。そして今では、799ドルの予約購入を同社のサイトで受け付けている(Best Buyでも近く売り出すらしい)。話題はGoogle Assistantに集中するが、ただしそれは、消費者製品のイベントCESでは新顔だ。そして自転車本体が2月に発売されても、そのとき、実装されているGoogle Assistantのシステムはまだベータなのだ。

Googleは、Assistantをスマートフォンとスマートスピーカーで終わらせたくない。だからElectronを(つまり自転車を)パートナーにしたかったのだ。スマートアシスタントを実装するデバイスとして、自転車は相当おもしろいだろう。最初に提案されていた、いろんなスマートホーム製品なんかよりも、ずっと似合っている。

ElectronのVP James Parkerはこう言う: “Googleと協働してAssistantを統合したときは、ユーザー体験をできるかぎり単純にすることと、音声技術を自転車に乗ることにどうやって統合すべきか、という点がとくに難しくておもしろかった。自動車にはすでに、優れたコマンドの技術がある。それを自転車に応用できる機会が十分にある、と考えている”。

Electron Wheelは、すでにいろいろある、前輪に取り付ける自転車用アドオンとほぼ同じ機構だ。同社によると、インストールは1分で終わり、あとはWheelを前輪のスポークに取り付けるだけだ。そしてセンサーをマジックテープでペダルにつける。たったのこれだけだ。

デフォルトのモードでは、システムは傾斜センサーを使って上(のぼ)り坂あることを検出し、電動アシストをonにする。Electronのアプリでアシストのレベルをカスタマイズできるが、スマートフォンをハンドルバーに取り付けて使うのは、ちょっと厳しい。そこで、Google Assistantの出番となる。

Wheel自身にマイクロフォンはない(いずれ付くと思うが)から、マイクロフォンを自分の近くに置く必要がある。そして“OK Google, start bike ride”と命令すれば、Wheelがonになり、Electronのアプリが計測を始める。それ以降は、Assistantに命じてアシストのレベルを調節したり、バッテリーの残量を知ったり、計測したデータを報告させたりできる。

この記事の冒頭で述べた、Wheelのクロスカントリーの旅は12月31日の朝に始まり、ライダーのMax Lippeがニューヨークマンハッタンのユニオンスクエアからスタートする。彼は1日に17時間自転車に乗り、うまくいけば10日後にCESに到着する。Wheelは一回の充電で最大50マイルの電動アシストができる。しかしじっと充電を待つわけではないので、チームのサポートにより、頻繁な電池交換が必要だろう。

チームのスタッフは1台のバンに乗り、6台のWheelを用意して、それらを次々と充電していく。すべてが計画どおりいけば、彼はラスベガスに1月10日、CESの二日目に着く。



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今日からiMac Proをストアで買える、お値段は4999ドルから

Appleの超強力機iMac Proが同社のオンラインストアに登場したのは、クリスマスの直前だった。そして今度は、お店で現物を見て触って買いたいという人のために、各地のストアで売られることになった。店頭に出たことに今朝最初に気づいたのはMacRumorsだが、Appleのこのページへ行ってご自分のzipコードを入力すれば、いちばん近いお店がわかる。

4999ドルからというお値段は、レジの行列に並びながら衝動買いするには向いていないが、でも同社の、かねてから定評のあるオールインワンパッケージのプロフェッショナルバージョンだから迫力は十分だ。公式のローンチのときしばらく触ってみた本誌のMatthew Panzarinoは、これを“デベロッパーへのラブレター”と呼び、“今のマシンと基本的にはまったく同じ筐体にiMacのすごいパフォーマンスを収めて、それを色などのお化粧で新しく見せることのアホらしさに、Appleはやっと気づいたのだ”、と言っている。

Mac Proが今だに忘れられた存在のようになっている中でAppleは、AIO(オールインワン)デスクトップのフォームファクタにフォーカスして、4Kビデオの編集やVRコンテンツの制作など、CPUを極端に酷使する仕事に使いたいと考えているユーザーのために、クレイジーなほどに贅沢なハイエンドスペックを提供する。そんなiMac Proが表しているのは、Appleのコンピューターの長年の中核的ユーザーベースであったデベロッパーやクリエイティブの連中に、再びその顔を向けたことだ。それは近年、MicrosoftがSurface系列で取り込もうとねらっている人たちだ。

このコンピューターのApple Storeにおける品揃えは、かなり充実していると思われるが、すべての店にすべての構成がある、とは限らないから、事前に確認すべきだ。そしてもちろん、4999+ドルは厳しい、とお思いの方のためには、すでにSpace Grayの限定版アクセサリの、ばかばかしいほど暴騰した中古市場が、すでにあるようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iFixitはAppleのお詫び料金に合わせて電池交換を29ドルに値下げ、Apple未対応の機種も

iFixitが、修理に関するAppleのポリシーを好感したことはない。それどころかAppleのガジェットは同社のサイトにおいてつねに、修理適性で低い得点をいただいていた。その同社が今日(米国時間12/29)は、当の巨大テクノロジー企業に対しまた辛辣な姿勢を見せ、その電池交換キットを29ドルに値下げした。それはAppleがiPhoneの低速化ポリシーに対する一種の慰謝料として、保証期間切れの電池交換に設定した料金と同額だ。

ご存知のようにAppleは、今週の初めから煮え湯を飲まされていた。同社は、電池の古いiPhoneの動作速度を落としたことを認め、それに関する透明性の欠如を詫びた。

同社がめったに発表することのない公開詫び状には、こう書かれている: “約1年前のiOS 10.2.1において弊社は、電源管理部分のアップデートを行い、iPhone 6, iPhone 6 Plus, iPhone 6s, iPhone 6s Plus, およびiPhone SEにおけるピーク負荷時の予期せざるシャットダウンを防ごうとした。しかしこれらの変更そのものが感知されることはなくても、場合によってはユーザーが、それまでよりも長いアプリの立ち上げ時間や、そのほかの性能劣化を経験することがありえる”。

iFixitによると、このお詫びがニュースで知れ渡って以来、電池交換の注文がそれまでの3倍に跳ね上がった。同社はAppleの情報公開の姿勢に対しお世辞を言うとともに、予防的な電池交換を熱心にユーザーに勧めた。

iFixitに電池交換を頼んでも安くはならないが、ちょっと頑張るだけでGenius Barの待ち行列に並ばずにすむし、さらに彼らの手にiPhoneを渡したあとの待ち時間にいらいらすることもない。しかもiFixitは、Appleが対応しない古い機種の電池も安く提供している。

今、Samsung, HTC, Motorola, LGなどのAndroid勢力は、これを宣伝の好機としてとらえ、Appleのように古い機種のスピードを下げたりしませんよ、と訴求している。

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GoogleのタブレットPixel Cが引退してその座を最新のPixelbookに譲る

今朝(米国時間12/28)のAndroid Policeによると、Googleは同社のオンラインストアにおけるPixel Cの販売を停止した。同社の好評だったタブレットの、とくに発表もない、しかし予想できなくもなかったご最後により、Googleの今後の最新製品に場所を譲った形だ。

Googleが本誌TechCrunchに確認したところによると、販売の停止はそのデバイスの製品寿命の終わりでもある。ただし、ハードウェアのサポートは今後もずっと続けるそうだ。

同社がくれた声明はこう言っている: “ハードウェア製品がわずか数年で廃番になることは、よくあることであり、今回弊社はPixel Cを引退させ、その販売を停止する。ただし、同製品のアップデートとサポートは継続し、最近のAndroid 8.0へのアップデートも行うので、顧客はご自分のデバイスを今後も引き続き、最良の状態に維持できる”。

そして当然ながらこの声明は、重要な画竜点睛、すなわちChromebook高級機への言及を忘れていない: “弊社がこのたび新たにローンチしたGoogle Pixelbookは、ラップトップとタブレットの長所を併合して、多機能なデバイスを求める需要に応えている”。

本誌のFrederic Lardinoisは2015年にこのタブレットを高く評価しながらも、“その市場は小さいだろう”と述べている。Googleブランドのデバイスは、どれもそうみたいで、いわば同社はマーケットシェアの小さなかけらをめぐって、自分自身と競合しているのだ。

CからPixelbookへのシフトは、近年の業界の大きなトレンドである、単機から多様機(コンバーチブル)への移行にも沿っている。Pixelbookは単機のタブレットほどスリムではないから、ユーザーは何かを我慢しなければならないかもしれないが、でもタブレットの代替機として十分使い物になるし、コンピューターとしての機能は豊富だ。

ただしお値段は、Pixel Cの599ドル(+キーボード)に対しPixelbookの最低価格は999ドルだ。未来の、より多機能になったタブレットは、お値段もそれ相応なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple AirPodsをホリデー前に入手できる人は幸運

Appleのワイヤレスイヤホンが発売されてから1年が過ぎたところだが、このホリデーシーズンにはテク系ギフトの最大人気商品のひとつになりそうだ。事実、多くの大規模オンライン商店では品切れ状態だ。Amazon、Best Buy、Target、Walmartの各サイトとも在庫がなくなっている —— そして現在Appleでさえも品切れだ。

Apple公式サイトには、AirPodsの出荷予定時期が1月5日と表示されている。これは多くの小売店と同じ時期だ。Appleのサイトで調べたところ、多くの実店舗でもおなじく1月5日入荷となっていた。ただし、いくつか在庫のある店もあるようだ。

ニューヨークに住んでいる人なら、休み前にAirPodsを手に入れることができるかもしれない。それ以外の人は、ツリーの下の予約票をお楽しみに —— あるいは、SamsungかGoogleのイヤホンもいいかもしれない。

AirPodsは昨年10月から12月13日へと発売時期がずれ込んだ —— 最近のハイエンドスピーカー、HomePodと同じく、Appleは製品出荷には「もう少し時間」が必要と言っていた。今年、AirPodsは同社のホリデー向け広告の主役のひとつになっている。どうやら作戦は成功したようだ —— たぶん少々行きすぎ。

最近の報道によると、来年AirPodsの出荷台数は倍増するらしいが、ホリデーギフトにと考えていた人は、乗り遅れたかもしれない。

【日本語版注: 2017/12/19 10 am 現在日本のApple Storeで注文した場合の配送予定日は12/29日。店舗ではApple 福岡天神ストアのみ本日受け取り可能。】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iMac Proを12月14日に発売、価格は4999ドルから

Appleが最初にiMac Proを紹介してから永遠の時間が過ぎたように感じる。WWDCで発表され12月の発売が約束されていたが、しばらく音無しが続いたあと、ようやく近々販売されることになった。

ダークグレイのデスクトップ機が手に入る12月14日まであとわずか。iMac Proの価格は4999ドルからで、最大18コアXeon CPU、メモリー128GB、ストレージ4TBが搭載可能。これは、かつてホームコンピューターの入門キット的位置づけだったフォームファクターをまとった本格的マシンだ。

Appleがクリエイティブのプロフェッショナルをターゲットに据えていることは明らかだ。そして現在のMac Proが宙ぶらりん状態にある中、4Kビデオや3Dグラフィクスの編集といった高性能を要求する作業向け製品としてと、AppleはiMac Proを前面に押し出している。

YouTuber、フォトグラファー、研究者ら様々な分野のクリエーターがしばらく同製品を使う機会を与えられており、その反響はiPhone Xが出てきたときとよく似ている。

フォトグラファーのVincent LaForetは 10コアバージョンのマシンをテストし、新しいiMacについて多くを語っている。「結果は非常に一貫性がある。スピードは(現在使っているiMacとiMac Pro 15と比べて)2~3倍速い。世代間の目に見える違いといえば、通常この1/10くらいのものだ。

iOS/Macアプリを開発する会社で働く機械・宇宙工学エンジニアのCraig A. Hunteru によると、「これに一番近い現行の27インチiMacが3699ドルで、CPUとグラフィックチップセットははるかに劣っているしほかにも不利な点がいくつもある。つまり、1300ドル余計に払ってiMac Proを手に入れることに何の迷いもない。

一方YouTuberのMarques Brownleeは、自分のニーズにぴったりのマシンが見つかったとして「ハイエンドYouTuber/Final Cutマシンとして理想的」だと書いている。

みんなの第一印象はほぼひとつに要約される —— それは大体予想通りの反応でもある。iMac Proは非常にすばらしく、非常に高い。念のために言うが4999ドルは最低価格だ。入門レベル機は8コアのXeonプロセッサー、メモリー 32GB、ストレージ1TBだ。最強のスペックは、おそらくほとんどのユーザーは必要としてないだろうが、金がかかる。それがいくらになるかはまだ不明だ。

iMac ProはAppleにとって大切な時期にやってくる。MicrosoftはAppleの主要客層であるクリエイティブな人々を対象にSurface製品群に力を入れている。そしてAppleはMac Proを大きく考え直す時期に来ている。SVPのPhil Schillerが4月にこう話していた。「Mac Proのアップグレードやアップデートを一時中断していることを申し訳なく思っている。これに代わる何かすばらしいことを計画している」。

この新システムでAppleは、最大の人気製品をまったく新しいカテゴリーに参入させつつ、従来からのコアユーザーも大切にしようとしている。Appleは未来のコンテンツ作成にも目を配っている。同じWWDCのキーノートでTim Cookは、AppleがようやくVR活用の準備ができたと語り、バーチャルリアリティー・コンテンツのクリエイション現場でもメジャープレーヤーになりたい意向を明確に示した。そのためには、開発者にもエンドユーザーにも強力なマシンが必要になる。

標準iMacのハイエンド製品はVRの再生に対応している。さらに同社は、デベロッパーがVRコンテンツ作成のためにAppleマシンを使うことを期待して、Metal for VRを公開した。iMac Proの製品ページには、このことが明確な言葉で説明されている。「新しいVega GPUを搭載したiMac Proなら、VRの世界に没入できるだけでなく、それを一から作り上げることができるようになります」。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook