新型コロナウイルス(CODID-19)のパンデミックの渦中である米国時間4月28日に、Instagramはライブ配信を使ってユーザーが非営利団体のために寄付ができる新機能の提供を開始した。Instagramには既にストーリーズに「寄付スタンプ」を追加できる機能があるが、この新しいLive Donations(ライブ寄付)では、誰もがライブ配信で資金調達ができるようになる。個人でも、複数の人たちとバーチャルテレソンのような形にしても、寄付を募ることが可能だ。
この新機能は、TikTokが動画投稿でもライブ配信でも使える寄付機能をローンチしたその翌日に登場した。
しかし、開始時にわずかな慈善活動しか対象としていなかったTikTokと異なり、Live Donationsは、100万を超える非営利団体への寄付活動を開始できるとFacebook(フェイスブック)は話している。
さらに寄付金は全額は直接、非営利団体に渡されるということだ。一部の資金調達プラットフォームでは手数料は当たり前になっているが、Instagramは一切取らない。
ライブ配信でこの寄付機能を使うには、Instagramのフィード画面左上のカメラアイコンをタップするか、フィードを右にスワイプする。そして画面下の「ライブ」をタップし、「Fundraiser(資金集め)」を選択して援助したい非営利団体を選択する。
配信が始まると、その資金集めをどれだけの人が支援しているか、どれだけの金額が集まったかがリアルタイムで示される。「View(表示)」をタップすれば、寄付してくれた人と寄付金額を個別に知ることができる。これを見てその人に配信中に感謝を叫んだり、「Wave」をリアルタイムで送ったりできる。
資金を集めた人、資金集めを行っている人に寄付した人、ストーリーズで寄付スタンプを使った人は、ブラジルのコミュニティ・イラストレーター@leonatsumeが制作した「I donated!(寄付したよ)」スタンプが使えるようになる。このスタンプは、自分のストーリーズに貼り付けて、慈善活動の宣伝に利用することも可能だ。自分の投稿は、フォローしていて同じく寄付をした人と共通のストーリーズに統合され、ストーリーズバーの先頭に表示される。
今週は、Sergio Ramos(セルヒオ・ラモス)氏、Sofia Carson(ソフィア・カーソン)氏、@muslimgirl、@montoyatwinz、Tori Kelly(トリー・ケリー)氏、@tank.sinatra、Lisa Rinna(リサ・リナ)氏といった数多くの著名人やクリエイターが、この新しいLive Donations機能を利用した。
Instagramは、パンデミックになってライブ配信の数が急激に増したと話している。
例えば2020年3月には、Instagramのライブ配信の利用件数は70パーセント増加し、会話、ダンスパーティー、ラップバトルなどが展開された。そして多くの利用者が、公式公開以前、既にLive Donationsを通じて非営利団体への寄付を行っていたとInstagramでは話している。
ソーシャルプラットフォームは、パンデミックの間も人々を結びつけくれる1つの手段だ。以前は苦戦していたInstagramのIGTVプラットフォームですら、利用者数が驚くほど増加した。アプリ利用情報の調査会社Apptopia(アプトピカ)の報告によると、IGTVの1日あたりの利用者数は、2020年3月中旬から4月中旬にかけての前月比で48パーセントも伸びたという。
Instagramの親会社であるフェイスブックも、利用者のライブ配信への関心の高まりを利用しようと、このところ、いくつもの新機能を発表している。例えば先週、フェイスブックはライブ動画で資金集めをする機能を導入した。フェイスブックが非営利団体の資金集めを支援するところであれば、どこでもこの機能が使える。また同社は「Live With」を復活させ、ライブ配信にゲストを招待できるようにした。ここでも寄付を募ることもできる。
さらにフェイスブックはMessenger RoomsというZoomのHousepartyに似た体験ができるサービスやFacebook Gamingのゲームストリーミングアプリ、PortalシリーズのデバイスからFacebookページやグループなどにライブ配信できる機能の提供も始めている。
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(翻訳:金井哲夫)